JP2000007221A - 羽根トラバース装置 - Google Patents
羽根トラバース装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 糸切れ時に折り返し点を越えて糸が回転羽根
で運ばれて、回転羽根を取り付ける回転体に巻き付くこ
とを確実に防止することができる羽根トラバース装置を
提供する。 【解決手段】 本発明は、トラバース軌跡を形成するた
めのガイド面1aを有する糸ガイド1と、糸走行方向の
上下に配設され、前記糸ガイド1に沿って互いに逆方向
に回転し、前記トラバース軌跡の折り返し点で糸Y2の
受け渡しを行う2枚の回転羽根2と、前記回転羽根2を
取り付ける回転体25の周囲に設けられたカバー部材5
1と、を備えてなる羽根トラバース装置である。
で運ばれて、回転羽根を取り付ける回転体に巻き付くこ
とを確実に防止することができる羽根トラバース装置を
提供する。 【解決手段】 本発明は、トラバース軌跡を形成するた
めのガイド面1aを有する糸ガイド1と、糸走行方向の
上下に配設され、前記糸ガイド1に沿って互いに逆方向
に回転し、前記トラバース軌跡の折り返し点で糸Y2の
受け渡しを行う2枚の回転羽根2と、前記回転羽根2を
取り付ける回転体25の周囲に設けられたカバー部材5
1と、を備えてなる羽根トラバース装置である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、逆方向に回転する
2枚の回転羽根間での糸の受け渡しが行えるようにした
羽根トラバース装置に関し、特に、前記回転羽根を取り
付ける回転体に糸切れ時に糸が巻き付くことを防止する
手段が設けられたものに関する。
2枚の回転羽根間での糸の受け渡しが行えるようにした
羽根トラバース装置に関し、特に、前記回転羽根を取り
付ける回転体に糸切れ時に糸が巻き付くことを防止する
手段が設けられたものに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の羽根トラバース装置として、左
右両端に折り返し点を有する糸のトラバース軌跡を形成
するための糸ガイドに沿って2枚の回転羽根を逆方向に
回転させて糸をトラバースさせるとともに、前記折り返
し点で2枚の回転羽根間での糸の受け渡しが行えるよう
にしたものが知られている。
右両端に折り返し点を有する糸のトラバース軌跡を形成
するための糸ガイドに沿って2枚の回転羽根を逆方向に
回転させて糸をトラバースさせるとともに、前記折り返
し点で2枚の回転羽根間での糸の受け渡しが行えるよう
にしたものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
羽根トラバース装置において、上流側で糸切れが発生し
てフリーな糸が発生すると、羽根トラバース装置に至る
糸に弛みが生じ、折り返し点での糸の受け渡しがうまく
行われず、回転羽根によって折り返し点を過ぎて糸が巻
き込まれ、フリーになった糸が回転羽根の根元の回転体
に巻き付くことがあるという問題点があった。また、回
転体への糸の巻き付きが発生すると、巻き付いた糸を取
り除く必要があるが、回転羽根の根元にある回転体は、
駆動装置を構成する狭い所に位置しているため、羽根ト
ラバース装置の主要部分を分解しなければ除去できず、
除去に際して時間と手間がかかる。このように、従来の
羽根トラバース装置では、糸切れ時に巻き込んだ糸の回
転体への巻き付きを阻止することができなかった。
羽根トラバース装置において、上流側で糸切れが発生し
てフリーな糸が発生すると、羽根トラバース装置に至る
糸に弛みが生じ、折り返し点での糸の受け渡しがうまく
行われず、回転羽根によって折り返し点を過ぎて糸が巻
き込まれ、フリーになった糸が回転羽根の根元の回転体
に巻き付くことがあるという問題点があった。また、回
転体への糸の巻き付きが発生すると、巻き付いた糸を取
り除く必要があるが、回転羽根の根元にある回転体は、
駆動装置を構成する狭い所に位置しているため、羽根ト
ラバース装置の主要部分を分解しなければ除去できず、
除去に際して時間と手間がかかる。このように、従来の
羽根トラバース装置では、糸切れ時に巻き込んだ糸の回
転体への巻き付きを阻止することができなかった。
【0004】そこで、本発明は、従来の技術の有するこ
のような問題点に鑑みてなされたものであり、糸切れ時
に巻き込まれた糸が、回転羽根を取り付ける回転体に巻
き付くことを確実に防止することができる羽根トラバー
ス装置を提供することを目的とする。
のような問題点に鑑みてなされたものであり、糸切れ時
に巻き込まれた糸が、回転羽根を取り付ける回転体に巻
き付くことを確実に防止することができる羽根トラバー
ス装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する請求
項1記載の発明は、トラバース軌跡を形成するためのガ
イド面を有する糸ガイドと、糸走行方向の上下に配設さ
れ、前記糸ガイドに沿って互いに逆方向に回転し、前記
トラバース軌跡の折り返し点で糸の受け渡しを行う2枚
の回転羽根と、前記回転羽根を取り付ける回転体の周囲
に設けられたカバー部材と、を備えてなる羽根トラバー
ス装置である。
項1記載の発明は、トラバース軌跡を形成するためのガ
イド面を有する糸ガイドと、糸走行方向の上下に配設さ
れ、前記糸ガイドに沿って互いに逆方向に回転し、前記
トラバース軌跡の折り返し点で糸の受け渡しを行う2枚
の回転羽根と、前記回転羽根を取り付ける回転体の周囲
に設けられたカバー部材と、を備えてなる羽根トラバー
ス装置である。
【0006】経験的に、糸切れ時に発生するフリーな糸
は、上側の前記回転羽根によって前記ガイド面を経て巻
き込まれ、前記回転羽根を取り付ける回転体に向かう。
回転羽根と回転体は一体になって回転しているため、フ
リーな糸は回転羽根でどんどん引き込まれ、回転体の周
囲に巻き付く。しかし、回転体ではなく静止している
か、又は、低速で回転している部材に糸を巻回させる
と、部材が糸の抵抗となって回転羽根で糸が引き込まれ
なくなるということに着目して本発明を完成させた。す
なわち、糸切れ時に回転羽根によって巻き込まれた糸を
カバー部材に接触させることにより糸に抵抗を与え、糸
が固定又は低速回転のカバー部材に巻き付くことを防止
する。
は、上側の前記回転羽根によって前記ガイド面を経て巻
き込まれ、前記回転羽根を取り付ける回転体に向かう。
回転羽根と回転体は一体になって回転しているため、フ
リーな糸は回転羽根でどんどん引き込まれ、回転体の周
囲に巻き付く。しかし、回転体ではなく静止している
か、又は、低速で回転している部材に糸を巻回させる
と、部材が糸の抵抗となって回転羽根で糸が引き込まれ
なくなるということに着目して本発明を完成させた。す
なわち、糸切れ時に回転羽根によって巻き込まれた糸を
カバー部材に接触させることにより糸に抵抗を与え、糸
が固定又は低速回転のカバー部材に巻き付くことを防止
する。
【0007】請求項2記載の発明は、上側の回転羽根の
上面の一部が、カバー部材の下端より上に位置する請求
項1記載の羽根トラバース装置である。
上面の一部が、カバー部材の下端より上に位置する請求
項1記載の羽根トラバース装置である。
【0008】上側の回転羽根で引き込まれる糸は、前記
回転羽根の先端側上面に沿って回転羽根に向かう。その
ため、上側の前記回転羽根の上面の一部がカバー部材よ
り上に位置するようにすれば、カバー部材に糸が確実に
導かれ、カバー部材から外れた位置に糸が導かれること
がない。
回転羽根の先端側上面に沿って回転羽根に向かう。その
ため、上側の前記回転羽根の上面の一部がカバー部材よ
り上に位置するようにすれば、カバー部材に糸が確実に
導かれ、カバー部材から外れた位置に糸が導かれること
がない。
【0009】請求項3記載の発明は、上側の前記回転羽
根の先端側に、糸掛け部を設けた請求項2記載の羽根ト
ラバース装置である。
根の先端側に、糸掛け部を設けた請求項2記載の羽根ト
ラバース装置である。
【0010】糸切れ時の糸は、上側の前記回転羽根の先
端側から回転体側に向けて滑りながら運ばれる。運ばれ
る途中の糸は糸掛け部で止まり、カバー部材に接触する
糸を回転羽根の先端側が案内する状態になる。このた
め、糸がより確実にカバー部材へ導かれるようになる。
端側から回転体側に向けて滑りながら運ばれる。運ばれ
る途中の糸は糸掛け部で止まり、カバー部材に接触する
糸を回転羽根の先端側が案内する状態になる。このた
め、糸がより確実にカバー部材へ導かれるようになる。
【0011】請求項4記載の発明は、前記カバー部材
は、その周囲に、巻き付いていく糸が前記回転体に向か
って脱落するのを防止する引っ掛かり部を有する請求項
1〜3のいずれかに記載の羽根トラバース装置である。
引っ掛かり部によって、カバー部材に接触した糸がカバ
ー部材から下に抜け落ちることがない。
は、その周囲に、巻き付いていく糸が前記回転体に向か
って脱落するのを防止する引っ掛かり部を有する請求項
1〜3のいずれかに記載の羽根トラバース装置である。
引っ掛かり部によって、カバー部材に接触した糸がカバ
ー部材から下に抜け落ちることがない。
【0012】なお、請求項1のカバー部材に加えて、回
転羽根によって前記ガイド面を経て巻き込まれていく糸
に対して抵抗を付与する抵抗付与部材をガイド面とカバ
ー部材との間に設けることが望ましい。前記抵抗付与部
材は、折り曲げられた板バネと前記糸ガイドとの間に楔
を形成し、前記楔に糸を食い込ませて抵抗を増加させる
ものが更に望ましい。前記抵抗付与部材で糸をに抵抗を
与えるようにすると、前記カバー部材に至る糸の出現回
数が少なくなる。そのため、回転体に対する糸の巻き付
けは、ほぼ完全に防止できる。なお、請求項において
「上下」とは「糸走行方向に対して上位及び下位」を意
味する。
転羽根によって前記ガイド面を経て巻き込まれていく糸
に対して抵抗を付与する抵抗付与部材をガイド面とカバ
ー部材との間に設けることが望ましい。前記抵抗付与部
材は、折り曲げられた板バネと前記糸ガイドとの間に楔
を形成し、前記楔に糸を食い込ませて抵抗を増加させる
ものが更に望ましい。前記抵抗付与部材で糸をに抵抗を
与えるようにすると、前記カバー部材に至る糸の出現回
数が少なくなる。そのため、回転体に対する糸の巻き付
けは、ほぼ完全に防止できる。なお、請求項において
「上下」とは「糸走行方向に対して上位及び下位」を意
味する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照しつつ説明する。図1は本発明の羽根トラバース装置
の要部の斜視図、図2は左の折り返し点Aでの糸の受け
渡し状態を示す図、図3は右の折り返し点Bでの糸の受
け渡し状態を示す図である。
照しつつ説明する。図1は本発明の羽根トラバース装置
の要部の斜視図、図2は左の折り返し点Aでの糸の受け
渡し状態を示す図、図3は右の折り返し点Bでの糸の受
け渡し状態を示す図である。
【0014】紡糸巻取機においては、通常、複数の羽根
トラバース装置U1,U2,U3・・・が横方向に一列
に列設されている。図1には一つの羽根トラバース装置
U1が示されている。
トラバース装置U1,U2,U3・・・が横方向に一列
に列設されている。図1には一つの羽根トラバース装置
U1が示されている。
【0015】1はトラバース軌跡を形成するガイド面1
aを有する糸ガイド、2は糸走向方向の上側に位置して
上から見てトラバース中心O1の回りの反時計方向に回
転する回転羽根、3は糸走向方向の下側に位置して上か
ら見てトラバース中心O1から右方へ偏心する中心O2
の回りの時計方向に回転する回転羽根、4は折り返し点
Aの補助ガイド、5は折り返し点Bの補助ガイド、41
は糸ガイド1の下面であって折り返し点B付近に張り付
けて設けられた抵抗付与部材としての板バネ、51は上
側の回転羽根2を取り付ける回転体25の周囲に設けら
れた固定又は静止のカバー部材である。
aを有する糸ガイド、2は糸走向方向の上側に位置して
上から見てトラバース中心O1の回りの反時計方向に回
転する回転羽根、3は糸走向方向の下側に位置して上か
ら見てトラバース中心O1から右方へ偏心する中心O2
の回りの時計方向に回転する回転羽根、4は折り返し点
Aの補助ガイド、5は折り返し点Bの補助ガイド、41
は糸ガイド1の下面であって折り返し点B付近に張り付
けて設けられた抵抗付与部材としての板バネ、51は上
側の回転羽根2を取り付ける回転体25の周囲に設けら
れた固定又は静止のカバー部材である。
【0016】また、11はタッチローラ又はフリクショ
ンローラ、12はボビンホルダ、35はボビンホルダ1
2に装着されたボビン、Pはボビン35に糸が巻かれた
パッケージである。なお15は補助ガイド4をブロック
16を介して支持するブラケットであり、17は補助ガ
イド5をブロック16を介して支持するブラケットであ
る。
ンローラ、12はボビンホルダ、35はボビンホルダ1
2に装着されたボビン、Pはボビン35に糸が巻かれた
パッケージである。なお15は補助ガイド4をブロック
16を介して支持するブラケットであり、17は補助ガ
イド5をブロック16を介して支持するブラケットであ
る。
【0017】このような上下配置の回転羽根2,3の間
で糸を受け渡す羽根トラバース装置の詳細構造を図4に
より説明する。
で糸を受け渡す羽根トラバース装置の詳細構造を図4に
より説明する。
【0018】図4において、上の回転羽根2は下の回転
羽根3より僅かに小径であって、上下回転羽根2、3が
図5の如く斜め配置されても、回転羽根2,3の先端が
垂直な糸道Yにほぼ沿うようになっている。上側の回転
羽根2は中心O1に対して点対象であって180°離れ
た2つの先端2a、2bを有し、下側の回転羽根3は中
心O2に対して点対象であって180°離れた2つの先
端3a、3bを有している。上側の回転羽根2の中心O
1と下側の回転羽根3の中心O2と基準線13上にあっ
て、距離εだけ偏位している。なお、基準線13に垂直
であって、上側の回転羽根2の中心O1を通る線がトラ
バース中心線14となっている。
羽根3より僅かに小径であって、上下回転羽根2、3が
図5の如く斜め配置されても、回転羽根2,3の先端が
垂直な糸道Yにほぼ沿うようになっている。上側の回転
羽根2は中心O1に対して点対象であって180°離れ
た2つの先端2a、2bを有し、下側の回転羽根3は中
心O2に対して点対象であって180°離れた2つの先
端3a、3bを有している。上側の回転羽根2の中心O
1と下側の回転羽根3の中心O2と基準線13上にあっ
て、距離εだけ偏位している。なお、基準線13に垂直
であって、上側の回転羽根2の中心O1を通る線がトラ
バース中心線14となっている。
【0019】このように、中心O1と中心O2が偏位す
ることによって、折り返し点Bでは上の先端2aから下
の先端3aへと糸の受け渡しが行われ、下の先端3aが
折り返し点Aに至るとともに上の先端2bも折り返し点
Aに至る。結局回転羽根2、3が逆方向に一回転する間
に二つの先端2a、2b、3a、3bが糸を糸ガイド1
と補助ガイド4、5で決まるトラバース軌跡に沿って糸
を一往復させる。なお回転羽根2,3の先端の数は二つ
に限らず、120°等分配置された三つの先端を有する
ものであってもよい。さらに一方の回転羽根が二つの先
端を有し、他方の回転羽根が三つの先端を有し、回転の
角速度が逆比率で異なるものであってもよい。
ることによって、折り返し点Bでは上の先端2aから下
の先端3aへと糸の受け渡しが行われ、下の先端3aが
折り返し点Aに至るとともに上の先端2bも折り返し点
Aに至る。結局回転羽根2、3が逆方向に一回転する間
に二つの先端2a、2b、3a、3bが糸を糸ガイド1
と補助ガイド4、5で決まるトラバース軌跡に沿って糸
を一往復させる。なお回転羽根2,3の先端の数は二つ
に限らず、120°等分配置された三つの先端を有する
ものであってもよい。さらに一方の回転羽根が二つの先
端を有し、他方の回転羽根が三つの先端を有し、回転の
角速度が逆比率で異なるものであってもよい。
【0020】この糸ガイド1に取り付けられたブラケッ
トを介して糸の受け渡しを補助する補助ガイド4、5が
回転羽根2、3の下側に配設され、糸ガイド1と補助ガ
イド4、5が回転羽根2、3を上下方向から挟むように
なる。補助ガイド4は外向きのガイド面4aを有し、補
助ガイド5はトラバース中心O1に向かう内向きのガイ
ド面5aを有している。なお、図1のブラケット15は
糸ガイド1に沿ったトラバース軌跡から外れるようなガ
イド面15aを有しており、このガイド面15aは、紡
糸巻取機において、タレット回転によるボビンチェンジ
に際して、図示されない糸外しガイドと糸寄せガイドと
の作用によって回転羽根2、3から外された糸を保持す
る面である。
トを介して糸の受け渡しを補助する補助ガイド4、5が
回転羽根2、3の下側に配設され、糸ガイド1と補助ガ
イド4、5が回転羽根2、3を上下方向から挟むように
なる。補助ガイド4は外向きのガイド面4aを有し、補
助ガイド5はトラバース中心O1に向かう内向きのガイ
ド面5aを有している。なお、図1のブラケット15は
糸ガイド1に沿ったトラバース軌跡から外れるようなガ
イド面15aを有しており、このガイド面15aは、紡
糸巻取機において、タレット回転によるボビンチェンジ
に際して、図示されない糸外しガイドと糸寄せガイドと
の作用によって回転羽根2、3から外された糸を保持す
る面である。
【0021】さらに回転羽根2、3を互いに逆方向に回
転させる駆動機構を図5及び図6により説明する。図5
において、基板21に対して軸受22を介して中心軸2
3が回転自在に支持されている。また基板21に対して
軸受24を介して中空の回転体25が回転自在に支持さ
れている。この中心軸23の下端にボルトを介して下側
の回転羽根3が取り付けられ、前記回転体25の下端に
ボルトを介して上側の回転羽根2が取り付けられてい
る。更に基板21に対して軸受26を介して駆動軸27
が回転自在に支持されている。この駆動軸27はプーリ
28で回転駆動される。この駆動軸27のプーリ28側
にはタイミングプーリ29が設けられ、反プーリ28側
にはギア30が取り付けられている。そしてタイミング
プーリ29に掛けられたタイミングベルト31に噛み合
うタイミングプーリ32が中心軸23に取り付けられ、
中心軸23即ち下側の回転羽根3は駆動軸27と同じ方
向に回転する。またギア30に噛み合うギア33が中空
の回転体25に取り付けられ、回転体25即ち上側の回
転羽根2は駆動軸27と逆方向に回転する。
転させる駆動機構を図5及び図6により説明する。図5
において、基板21に対して軸受22を介して中心軸2
3が回転自在に支持されている。また基板21に対して
軸受24を介して中空の回転体25が回転自在に支持さ
れている。この中心軸23の下端にボルトを介して下側
の回転羽根3が取り付けられ、前記回転体25の下端に
ボルトを介して上側の回転羽根2が取り付けられてい
る。更に基板21に対して軸受26を介して駆動軸27
が回転自在に支持されている。この駆動軸27はプーリ
28で回転駆動される。この駆動軸27のプーリ28側
にはタイミングプーリ29が設けられ、反プーリ28側
にはギア30が取り付けられている。そしてタイミング
プーリ29に掛けられたタイミングベルト31に噛み合
うタイミングプーリ32が中心軸23に取り付けられ、
中心軸23即ち下側の回転羽根3は駆動軸27と同じ方
向に回転する。またギア30に噛み合うギア33が中空
の回転体25に取り付けられ、回転体25即ち上側の回
転羽根2は駆動軸27と逆方向に回転する。
【0022】図6においてギア30とギア33の噛み合
い比と、タイミングプーリ29とタイミングプーリ32
の歯数比とを同じにすることによって、上下の回転羽根
2、3は同じ角速度で逆方向に回転する。なお34はタ
イミングベルト31にテンションを付与するためのアイ
ドルプーリである。
い比と、タイミングプーリ29とタイミングプーリ32
の歯数比とを同じにすることによって、上下の回転羽根
2、3は同じ角速度で逆方向に回転する。なお34はタ
イミングベルト31にテンションを付与するためのアイ
ドルプーリである。
【0023】つぎに、折り返し点A,Bでの糸の状態を
説明する。図2の折り返し点Aの状態図に示されるよう
に、上下の回転羽根2、3の上側に糸ガイド1が位置
し、上下の回転羽根2、3の下側にタッチローラ11の
側から外向きに突出する補助ガイド4が位置する。すな
わち補助ガイド4はトラバース軌跡を挟んでトラバース
中心側だけに配置されている。そして全体が糸Yの上下
の糸道をタッチローラ11に沿って斜めに横切るように
配設されている。この折り返し点Aでは、下側の回転羽
根3から上側の回転羽根2へと糸が受け渡される。C点
では糸ガイド1に沿って回転羽根2が糸を図1の右行き
でトラバースさせている状態を示している。上側の回転
羽根2に糸を係止する役割は糸ガイド1が受け持ってお
り、糸ガイド1はトラバース軌跡を決めるだけではな
く、糸の受け渡しを補助している。糸ガイド1とともに
糸の受け渡しを補助する補助ガイド4は下側の回転羽根
3から糸を外すためだけであるため、補助ガイド4にお
ける糸の屈曲度合いは糸の受け渡しに支障が生じない程
度に最小限度に抑えられている。
説明する。図2の折り返し点Aの状態図に示されるよう
に、上下の回転羽根2、3の上側に糸ガイド1が位置
し、上下の回転羽根2、3の下側にタッチローラ11の
側から外向きに突出する補助ガイド4が位置する。すな
わち補助ガイド4はトラバース軌跡を挟んでトラバース
中心側だけに配置されている。そして全体が糸Yの上下
の糸道をタッチローラ11に沿って斜めに横切るように
配設されている。この折り返し点Aでは、下側の回転羽
根3から上側の回転羽根2へと糸が受け渡される。C点
では糸ガイド1に沿って回転羽根2が糸を図1の右行き
でトラバースさせている状態を示している。上側の回転
羽根2に糸を係止する役割は糸ガイド1が受け持ってお
り、糸ガイド1はトラバース軌跡を決めるだけではな
く、糸の受け渡しを補助している。糸ガイド1とともに
糸の受け渡しを補助する補助ガイド4は下側の回転羽根
3から糸を外すためだけであるため、補助ガイド4にお
ける糸の屈曲度合いは糸の受け渡しに支障が生じない程
度に最小限度に抑えられている。
【0024】図3の折り返し点Bの状態図に示されるよ
うに、その突出程度が異なるものの上下の回転羽根2、
3の上に糸ガイド1が配置される構造は図2と同様であ
る。しかし回転羽根2、3の下側の補助ガイド5は反タ
ッチローラ11の側から内向きに突出するように位置し
ている。すなわち補助ガイド5はトラバース軌跡を挟ん
でトラバース中心側の反対側だけに配置されている。こ
の折り返し点Bでは、上側の回転羽根2から下側の回転
羽根3へと糸が受け渡される。D点では糸ガイド1に沿
って回転羽根3が糸を図1の左行きでトラバースさせて
いる状態を示している。上側の回転羽根2から糸を外す
のは糸ガイド1が受け持っており、糸ガイド1はトラバ
ース軌跡を決めるだけではなく、糸の受け渡しを補助し
ている。補助ガイド5は下の回転羽根3に糸を係止する
ため、補助ガイド5における糸の屈曲度合いは補助ガイ
ド4よりも大きくなっている。
うに、その突出程度が異なるものの上下の回転羽根2、
3の上に糸ガイド1が配置される構造は図2と同様であ
る。しかし回転羽根2、3の下側の補助ガイド5は反タ
ッチローラ11の側から内向きに突出するように位置し
ている。すなわち補助ガイド5はトラバース軌跡を挟ん
でトラバース中心側の反対側だけに配置されている。こ
の折り返し点Bでは、上側の回転羽根2から下側の回転
羽根3へと糸が受け渡される。D点では糸ガイド1に沿
って回転羽根3が糸を図1の左行きでトラバースさせて
いる状態を示している。上側の回転羽根2から糸を外す
のは糸ガイド1が受け持っており、糸ガイド1はトラバ
ース軌跡を決めるだけではなく、糸の受け渡しを補助し
ている。補助ガイド5は下の回転羽根3に糸を係止する
ため、補助ガイド5における糸の屈曲度合いは補助ガイ
ド4よりも大きくなっている。
【0025】図1に示されるように、上述した構造及び
作動により、羽根トラバース装置は、糸のトラバース軌
跡を形成するための糸ガイド1に沿って2枚の回転羽根
2,3を逆方向に回転させて糸をトラバースさせるとと
もに、折り返し点A,Bにおいて2枚の回転羽根2,3
の間で糸の受け渡しを行う。
作動により、羽根トラバース装置は、糸のトラバース軌
跡を形成するための糸ガイド1に沿って2枚の回転羽根
2,3を逆方向に回転させて糸をトラバースさせるとと
もに、折り返し点A,Bにおいて2枚の回転羽根2,3
の間で糸の受け渡しを行う。
【0026】この羽根トラバース装置は、例えば、紡出
機からの糸を巻き取るレボルビングタイプの紡糸巻取機
に組み込まれる。紡糸巻取機等で糸切れが発生し、糸切
れの発生をセンサが検出すると、紡糸巻取機の上流にお
いて全てのトラバース装置U1,U2,U3・・・に向
かう糸が切断され、紡出機からの糸は吸引される。すな
わち、糸切れが発生すると、紡糸巻取機に向かう4〜5
m程度の糸がフリーな状態となる。すると、羽根トラバ
ース装置に至る糸に弛みが生じ、上側の回転羽根2によ
って折り返し点Bを過ぎて糸が持ち込まれ、フリーにな
った糸が上側の回転羽根2を取り付ける回転体25の外
周に巻き付こうとする。この状態が、図1の糸Y2にさ
れる。上側の回転羽根2と回転体25は一体で回転する
ため、一旦巻き付き始めた糸は4〜5m長さの最後まで
巻き付いてしまう。
機からの糸を巻き取るレボルビングタイプの紡糸巻取機
に組み込まれる。紡糸巻取機等で糸切れが発生し、糸切
れの発生をセンサが検出すると、紡糸巻取機の上流にお
いて全てのトラバース装置U1,U2,U3・・・に向
かう糸が切断され、紡出機からの糸は吸引される。すな
わち、糸切れが発生すると、紡糸巻取機に向かう4〜5
m程度の糸がフリーな状態となる。すると、羽根トラバ
ース装置に至る糸に弛みが生じ、上側の回転羽根2によ
って折り返し点Bを過ぎて糸が持ち込まれ、フリーにな
った糸が上側の回転羽根2を取り付ける回転体25の外
周に巻き付こうとする。この状態が、図1の糸Y2にさ
れる。上側の回転羽根2と回転体25は一体で回転する
ため、一旦巻き付き始めた糸は4〜5m長さの最後まで
巻き付いてしまう。
【0027】糸切れ時の回転体への糸の巻き付きを阻止
するために、カバー部材51が設けられ、カバー部材5
1に至る糸の回数を低下させるために、更に抵抗付与部
材41が設けられる。
するために、カバー部材51が設けられ、カバー部材5
1に至る糸の回数を低下させるために、更に抵抗付与部
材41が設けられる。
【0028】このカバー部材51の詳細を図5により説
明する。上側の回転羽根2は、中空の回転体25の下端
にボルトで取り付けられている。そのため、ハウジング
21aの下端と回転羽根2との間に隙間が必然的に生じ
る。回転羽根2で巻き込まれる糸はこの隙間から回転体
25に入って巻回されることになる。
明する。上側の回転羽根2は、中空の回転体25の下端
にボルトで取り付けられている。そのため、ハウジング
21aの下端と回転羽根2との間に隙間が必然的に生じ
る。回転羽根2で巻き込まれる糸はこの隙間から回転体
25に入って巻回されることになる。
【0029】そこで、ハウジング21aの下に一体又は
別体でカバー部材51を設け、このカバー部材に上側の
回転羽根2によって引き込まれた糸を接触させる構造に
なっている。ハウジング21aは、駆動機構を覆う固定
部材である基板21に形成したものであるため、カバー
部材51も固定静止状態となる。回転羽根2でガイド面
1aから回転体25へ向かって巻き込まれる糸を固定の
カバー部材51に接触させると、回転羽根2で巻き込ま
れる糸の走行速度に対してカバー部材51が負の速度差
を有するために、カバー部材51が糸に対して抵抗とな
り、1回も巻き付かないか、多くても数回の巻回で糸が
カバー部材51の上を滑らなくなり、高速で回転する回
転羽根2から糸が外されるか糸が切断されるようにな
る。
別体でカバー部材51を設け、このカバー部材に上側の
回転羽根2によって引き込まれた糸を接触させる構造に
なっている。ハウジング21aは、駆動機構を覆う固定
部材である基板21に形成したものであるため、カバー
部材51も固定静止状態となる。回転羽根2でガイド面
1aから回転体25へ向かって巻き込まれる糸を固定の
カバー部材51に接触させると、回転羽根2で巻き込ま
れる糸の走行速度に対してカバー部材51が負の速度差
を有するために、カバー部材51が糸に対して抵抗とな
り、1回も巻き付かないか、多くても数回の巻回で糸が
カバー部材51の上を滑らなくなり、高速で回転する回
転羽根2から糸が外されるか糸が切断されるようにな
る。
【0030】このような機能を果たすカバー部材51
は、回転体25の周囲に位置するリング状になってい
る。上側の回転羽根2の先端から糸掛け部2cに入って
巻き込まれる糸は、回転羽根2の先端の上面と平行なラ
インでカバー部材51に向かう。
は、回転体25の周囲に位置するリング状になってい
る。上側の回転羽根2の先端から糸掛け部2cに入って
巻き込まれる糸は、回転羽根2の先端の上面と平行なラ
インでカバー部材51に向かう。
【0031】そのため、回転羽根2の回転体25に近い
根元部分には回転羽根の先端側上面が根元側上面より上
位となるように折り曲げ部2dを有する構成になってい
る。これにより、回転羽根2の先端側上面がカバー部材
51の下側より上に位置している。折り曲げ部2dに代
わり、回転羽根2の厚みを変え回転羽根2の上面に段差
を設ける構成であってもよい。上面の段差は根元部に設
けるのが好ましい。
根元部分には回転羽根の先端側上面が根元側上面より上
位となるように折り曲げ部2dを有する構成になってい
る。これにより、回転羽根2の先端側上面がカバー部材
51の下側より上に位置している。折り曲げ部2dに代
わり、回転羽根2の厚みを変え回転羽根2の上面に段差
を設ける構成であってもよい。上面の段差は根元部に設
けるのが好ましい。
【0032】また、糸が巻回するカバー部材51の下端
にフランジ状の引っ掛かり部52が設けられている。リ
ング状のカバー部材51の周囲に接触する糸が下方に脱
落することが、この引っ掛かり部52によって阻止され
る。この引っ掛かり部52はフランジ状に限らず、溝で
あってもよい。
にフランジ状の引っ掛かり部52が設けられている。リ
ング状のカバー部材51の周囲に接触する糸が下方に脱
落することが、この引っ掛かり部52によって阻止され
る。この引っ掛かり部52はフランジ状に限らず、溝で
あってもよい。
【0033】また、図1に示すように、糸切れ時の糸を
巻き込む上側の回転羽根2の先端側に糸掛け部2cが設
けられている。上側の回転羽根2に巻き込まれた糸は、
先端から根元側へと滑るが、糸掛け部2cに入って滑り
を止めることになる。すると、図1に示すように、この
糸掛け部2cは、回転羽根2による固定のカバー部材5
1への糸の巻き付けの案内を行う。このために、この糸
掛部2cは、上面の段差部より先端側に設けることが好
ましい。
巻き込む上側の回転羽根2の先端側に糸掛け部2cが設
けられている。上側の回転羽根2に巻き込まれた糸は、
先端から根元側へと滑るが、糸掛け部2cに入って滑り
を止めることになる。すると、図1に示すように、この
糸掛け部2cは、回転羽根2による固定のカバー部材5
1への糸の巻き付けの案内を行う。このために、この糸
掛部2cは、上面の段差部より先端側に設けることが好
ましい。
【0034】糸切れ時の回転体25への糸の巻き付きを
ほぼ完全に阻止するために、カバー部材51に加えて、
更に抵抗付与部材41が設けられる。この抵抗付与部材
41の詳細を図4により説明する。
ほぼ完全に阻止するために、カバー部材51に加えて、
更に抵抗付与部材41が設けられる。この抵抗付与部材
41の詳細を図4により説明する。
【0035】抵抗付与部材41は、折り返し点Bの近く
の糸ガイド1の下面に設けられている。これは、糸が折
り返し点B側から巻き込まれ易いからである。抵抗付与
部材41は、板バネ42と糸ガイド1の下面との間に楔
43を形成して構成される。板バネ42は一端に短い斜
辺42aと長い斜辺42bと両斜辺の交差する先端42
cとを有する細長い形状である。板バネ42の折り返し
点Bから離れた他端は、ボルト44により糸ガイド1の
下面に押しつけられるように固定されている。
の糸ガイド1の下面に設けられている。これは、糸が折
り返し点B側から巻き込まれ易いからである。抵抗付与
部材41は、板バネ42と糸ガイド1の下面との間に楔
43を形成して構成される。板バネ42は一端に短い斜
辺42aと長い斜辺42bと両斜辺の交差する先端42
cとを有する細長い形状である。板バネ42の折り返し
点Bから離れた他端は、ボルト44により糸ガイド1の
下面に押しつけられるように固定されている。
【0036】長い斜辺42bの先端42cと反対側の端
42dが糸ガイド1の下面に当たるように、斜辺42b
を含む三角部分がライン45で谷折りされている。ま
た、端42dの近辺は面接触となるように折り返されて
いる。そのため、先端42cの部分は糸ガイド1の下面
から浮き上がり、斜面42bと糸ガイド1の下面との間
の隙間が徐々に少なくなり、端42dで面接触で隙間が
ゼロになった楔43が形成される。
42dが糸ガイド1の下面に当たるように、斜辺42b
を含む三角部分がライン45で谷折りされている。ま
た、端42dの近辺は面接触となるように折り返されて
いる。そのため、先端42cの部分は糸ガイド1の下面
から浮き上がり、斜面42bと糸ガイド1の下面との間
の隙間が徐々に少なくなり、端42dで面接触で隙間が
ゼロになった楔43が形成される。
【0037】図1に示されるように、長い斜辺で形成さ
れる楔43は、上側の回転羽根2が巻き込む糸Y2が糸
ガイド1の下面に沿って回転体25に向かう軌跡46と
交差する向きに配設されている。また、先端42cは、
前記軌跡46に沿って移動する糸を挟み込めるように位
置している。
れる楔43は、上側の回転羽根2が巻き込む糸Y2が糸
ガイド1の下面に沿って回転体25に向かう軌跡46と
交差する向きに配設されている。また、先端42cは、
前記軌跡46に沿って移動する糸を挟み込めるように位
置している。
【0038】なお、抵抗付与部材41は板バネと糸ガイ
ドの下面との間で形成される楔に限らず、単独の楔部材
を糸切れ時の糸の軌跡に配置するものであってよい。要
は、糸に徐々に抵抗を与える機能を持つ抵抗付与部材で
あればよい。この意味で、板バネ42は剛体であっても
よいが、楔43の糸食い込み作用の向上、食い込んだ糸
を後で外すときの容易さを考えれば、板バネのように弾
力のある部材とするのが好ましい。板バネとすれば、糸
ガイドと上側の回転羽根との間の狭い空間に配置が可能
となる。前述した糸掛け部2cは、糸を抵抗付与部材4
1に導くのにも作用する。
ドの下面との間で形成される楔に限らず、単独の楔部材
を糸切れ時の糸の軌跡に配置するものであってよい。要
は、糸に徐々に抵抗を与える機能を持つ抵抗付与部材で
あればよい。この意味で、板バネ42は剛体であっても
よいが、楔43の糸食い込み作用の向上、食い込んだ糸
を後で外すときの容易さを考えれば、板バネのように弾
力のある部材とするのが好ましい。板バネとすれば、糸
ガイドと上側の回転羽根との間の狭い空間に配置が可能
となる。前述した糸掛け部2cは、糸を抵抗付与部材4
1に導くのにも作用する。
【0039】つぎに、上述した羽根トラバース装置の特
に糸切れ時の作動を図7により説明する。この図7は図
4のX−X方向から、即ち回転羽根2を下から見た図と
なっている。そのため、糸ガイド1は下面が見えてい
る。
に糸切れ時の作動を図7により説明する。この図7は図
4のX−X方向から、即ち回転羽根2を下から見た図と
なっている。そのため、糸ガイド1は下面が見えてい
る。
【0040】糸切れが発生すると、紙面奥の上流側に、
フリーな4〜5m程度の糸が生じる。フリーな糸は弛む
ため、上側の回転羽根から下側の回転羽根に対するB点
での糸の受け渡しに失敗する。糸Y2は紙面奥から連続
的に供給されるため、図示のように上側の回転羽根2に
よって糸ガイド1のガイド面1aを経て回転体25の外
周面に向かって巻き込まれていく。まず、糸Y2は、上
側の回転羽根2の先端2a,2bから根元側へと滑り、
糸掛け部2cに入る。糸掛け部2cに入った糸Y2は、
糸掛け部2cで案内され、図示のような軌跡46をたど
って巻き込まれていく。
フリーな4〜5m程度の糸が生じる。フリーな糸は弛む
ため、上側の回転羽根から下側の回転羽根に対するB点
での糸の受け渡しに失敗する。糸Y2は紙面奥から連続
的に供給されるため、図示のように上側の回転羽根2に
よって糸ガイド1のガイド面1aを経て回転体25の外
周面に向かって巻き込まれていく。まず、糸Y2は、上
側の回転羽根2の先端2a,2bから根元側へと滑り、
糸掛け部2cに入る。糸掛け部2cに入った糸Y2は、
糸掛け部2cで案内され、図示のような軌跡46をたど
って巻き込まれていく。
【0041】この軌跡46は、折り返し点B付近から回
転羽根2を介して回転体25に向かっており、糸Y2は
この軌跡46に沿って移動する。この軌跡46の最初の
段階で、糸Y2は板バネ42の先端42cと糸ガイド1
の紙面側のの下面との間に挟まれる。軌跡46の途中か
ら楔43に入り、軌跡46に沿った糸Y2の移動ととも
に、楔43にどんどん食い込む。そして、巻き込まれる
糸Y2に対して徐々に増加する抵抗が付与される。この
抵抗により、糸Y2が回転羽根2に追随しなくなり、回
転羽根2から外される。抵抗が糸Y2の抗張力を越える
と、例えばE点で糸切れが発生することがあるが、いず
れにしても、糸Y2が回転羽根2から外され、回転体2
5への巻き付きが阻止される。板バネ42と糸ガイド1
との間の楔43に食い込んだ糸端は、金具で板バネを押
し下げること等により、簡単に外すことができる。この
ために、糸ガイド1に板バネ42を押し下げるための治
具の挿通穴1bが形成されている。
転羽根2を介して回転体25に向かっており、糸Y2は
この軌跡46に沿って移動する。この軌跡46の最初の
段階で、糸Y2は板バネ42の先端42cと糸ガイド1
の紙面側のの下面との間に挟まれる。軌跡46の途中か
ら楔43に入り、軌跡46に沿った糸Y2の移動ととも
に、楔43にどんどん食い込む。そして、巻き込まれる
糸Y2に対して徐々に増加する抵抗が付与される。この
抵抗により、糸Y2が回転羽根2に追随しなくなり、回
転羽根2から外される。抵抗が糸Y2の抗張力を越える
と、例えばE点で糸切れが発生することがあるが、いず
れにしても、糸Y2が回転羽根2から外され、回転体2
5への巻き付きが阻止される。板バネ42と糸ガイド1
との間の楔43に食い込んだ糸端は、金具で板バネを押
し下げること等により、簡単に外すことができる。この
ために、糸ガイド1に板バネ42を押し下げるための治
具の挿通穴1bが形成されている。
【0042】この抵抗付与部材41として機能する板バ
ネ42によって、糸切れ発生時に、回転体25に向かう
糸の確率が少なくなる。板バネ42に糸が挟まれなかっ
た場合などに、糸が回転体に向かったとしても、糸Y2
は、回転体25の外周に位置する固定のカバー部材51
に接触する。この接触は、回転羽根2の糸掛け部2cで
案内されて確実に行われる。カバー部材51に接触する
糸は最初は空滑りしているが、接触長さ(接触角度)が
大きくなると、抵抗が大きくなり滑らなくなる。する
と、高速回転する回転羽根2の糸掛け部2cで運ばれる
糸に制動力が働き、カバー部材51に1回も巻き付かな
い間か、多くても数回巻き付く間に糸掛部2cから糸が
外れる。
ネ42によって、糸切れ発生時に、回転体25に向かう
糸の確率が少なくなる。板バネ42に糸が挟まれなかっ
た場合などに、糸が回転体に向かったとしても、糸Y2
は、回転体25の外周に位置する固定のカバー部材51
に接触する。この接触は、回転羽根2の糸掛け部2cで
案内されて確実に行われる。カバー部材51に接触する
糸は最初は空滑りしているが、接触長さ(接触角度)が
大きくなると、抵抗が大きくなり滑らなくなる。する
と、高速回転する回転羽根2の糸掛け部2cで運ばれる
糸に制動力が働き、カバー部材51に1回も巻き付かな
い間か、多くても数回巻き付く間に糸掛部2cから糸が
外れる。
【0043】先に、抵抗付与部材41で糸を回転羽根2
から外すため、カバー部材51への糸の接触の確率は少
ない。カバー部材51に接触し、万が一、カバー部材5
1への巻回があったとしても、数回の巻回であるため、
カバー部材51から糸が簡単に外れる。なお、抵抗付与
部材41は補助的なものであり、固定のカバー部材51
だけでも十分機能する。
から外すため、カバー部材51への糸の接触の確率は少
ない。カバー部材51に接触し、万が一、カバー部材5
1への巻回があったとしても、数回の巻回であるため、
カバー部材51から糸が簡単に外れる。なお、抵抗付与
部材41は補助的なものであり、固定のカバー部材51
だけでも十分機能する。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によると、糸切れ時に、回転体の周囲のカバー部材に
糸を接触させ、糸に抵抗を与え、糸が回転羽根から外れ
るようにしたため、どのようなタイミングに糸切れが発
生しても、回転羽根を取り付ける回転体に糸が巻き付く
ことを確実に防止できる。
明によると、糸切れ時に、回転体の周囲のカバー部材に
糸を接触させ、糸に抵抗を与え、糸が回転羽根から外れ
るようにしたため、どのようなタイミングに糸切れが発
生しても、回転羽根を取り付ける回転体に糸が巻き付く
ことを確実に防止できる。
【0045】請求項2の発明によると、カバー部材に確
実に必ず糸が接触するようになり、糸がカバー部材の下
端から回転体へ入り込むことが防止される。
実に必ず糸が接触するようになり、糸がカバー部材の下
端から回転体へ入り込むことが防止される。
【0046】請求項3記載の発明によると、回転羽根の
糸掛け部で糸切れ時の糸を案内するようにしたため、糸
がカバー部材へより確実に案内されるようになる。
糸掛け部で糸切れ時の糸を案内するようにしたため、糸
がカバー部材へより確実に案内されるようになる。
【0047】請求項4記載の発明によると、カバー部材
からの糸の脱落が防止され、糸がカバー部材の下端を経
て回転体へ向かうのが防止される。
からの糸の脱落が防止され、糸がカバー部材の下端を経
て回転体へ向かうのが防止される。
【図1】本発明の羽根トラバース装置の要部の斜視図で
ある。
ある。
【図2】トラバース軌跡の左の折り返し点における糸の
受け渡し状態を示す側面図である。
受け渡し状態を示す側面図である。
【図3】トラバース軌跡の右の折り返し点における糸の
受け渡し状態を示す側面図である。
受け渡し状態を示す側面図である。
【図4】図1の上から見た図であり、主として糸ガイド
と回転羽根を示す図である。
と回転羽根を示す図である。
【図5】他の糸切断装置の配置例を示す羽根トラバース
装置の縦断面図である。
装置の縦断面図である。
【図6】図5のA方向からみた図であり、主として駆動
機構を示す図である。
機構を示す図である。
【図7】図5のX−X方向から見た図であり、本発明の
羽根トラバース装置の作動を示す図である。
羽根トラバース装置の作動を示す図である。
1 糸ガイド 1a 円弧部(ガイド面) 2 上側の回転羽根 3 下側の回転羽根 41 抵抗付与部材 42 板バネ 43 楔 46 軌跡 51 カバー部材 52 引っ掛かり部 ε 上側回転羽根の先端側上面からのカバー部材の突出
量 A 左の折り返し点 B 右の折り返し点
量 A 左の折り返し点 B 右の折り返し点
Claims (4)
- 【請求項1】 トラバース軌跡を形成するためのガイド
面を有する糸ガイドと、 糸走行方向の上下に配設され、前記糸ガイドに沿って互
いに逆方向に回転し、前記トラバース軌跡の折り返し点
で糸の受け渡しを行う2枚の回転羽根と、 前記回転羽根を取り付ける回転体の周囲に設けられたカ
バー部材と、を備えてなる羽根トラバース装置。 - 【請求項2】 上側の回転羽根の上面の一部が、カバー
部材の下端より上に位置する請求項1記載の羽根トラバ
ース装置。 - 【請求項3】 上側の前記回転羽根の先端側に、糸掛け
部を設けた請求項2記載の羽根トラバース装置。 - 【請求項4】 前記カバー部材は、その周囲に、巻き付
いていく糸が前記回転体に向かって脱落するのを防止す
る引っ掛かり部を有する請求項1〜3のいずれかに記載
の羽根トラバース装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17856998A JP2000007221A (ja) | 1998-06-25 | 1998-06-25 | 羽根トラバース装置 |
TW088101719A TW387855B (en) | 1998-06-25 | 1999-02-04 | Reciprocating device on blades |
EP99109705A EP0967168B1 (en) | 1998-06-25 | 1999-05-17 | Traverse apparatus having rotating wings |
DE69901077T DE69901077T2 (de) | 1998-06-25 | 1999-05-17 | Traversiervorrichtung mit rotierenden Flügeln |
KR1019990023400A KR20000006336A (ko) | 1998-06-25 | 1999-06-22 | 날개트래버스장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17856998A JP2000007221A (ja) | 1998-06-25 | 1998-06-25 | 羽根トラバース装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000007221A true JP2000007221A (ja) | 2000-01-11 |
Family
ID=16050784
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17856998A Pending JP2000007221A (ja) | 1998-06-25 | 1998-06-25 | 羽根トラバース装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000007221A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000006336A (ko) * | 1998-06-25 | 2000-01-25 | 무라타 기카이 가부시키가이샤 | 날개트래버스장치 |
-
1998
- 1998-06-25 JP JP17856998A patent/JP2000007221A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000006336A (ko) * | 1998-06-25 | 2000-01-25 | 무라타 기카이 가부시키가이샤 | 날개트래버스장치 |
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