JP2000006430A - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP2000006430A
JP2000006430A JP17788498A JP17788498A JP2000006430A JP 2000006430 A JP2000006430 A JP 2000006430A JP 17788498 A JP17788498 A JP 17788498A JP 17788498 A JP17788498 A JP 17788498A JP 2000006430 A JP2000006430 A JP 2000006430A
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Shigenori Fukazawa
茂則 深澤
Kazuhiko Hara
和彦 原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録ヘッドのノズルを確実に封止すると共
に、キャップホルダ受け部からキャップホルダが離脱す
ることのない、しかも組み立て容易なキャッピング装置
を備えたインクジェット式記録装置を提供する。 【解決手段】 記録ヘッドのノズル開口面を密封空間で
封止するキャップ65、75と、前記キャップを収納す
るキャップホルダ60、70と、前記キャップホルダを
バネを介して上方に付勢した状態で収容するキャップホ
ルダ受け部材40と、キャップホルダ受け部材に形成さ
れたキャップホルダの上方の移動を阻止する第1の係止
突起40a、40bと、キャップホルダ受け部材の内部
に設けられたキャップホルダの下方の移動を阻止する第
2の係止突起29と、前記第1、2の係止突起に係止さ
れる前記キャップホルダに形成された抜け止め部66、
67、76、77とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録用紙の幅方向
に移動するインクジェット式記録ヘッドを有し、印刷デ
ータに一致してインクを記録用紙に噴射して画像を印刷
するインクジェット式記録装置に関し、詳しくは安定し
た動作をなすキャッピング装置を備えたインクジェット
式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式記録ヘッドを搭載した
記録装置は、印刷時の騒音が比較的小さく、しかも小さ
なドットを高い密度で形成できるため、カラー印刷を含
めた多くの印刷に使用されている。このような記録装置
は、圧力発生室で加圧したインクをノズルからインク滴
として記録用紙に吐出させてドットを形成している。
【0003】このため、印字品質の向上を図るためには
記録用紙上での滲みを防止する必要があり、インク溶媒
の割合を可及的に少なくしたり、蒸発しやすい材料が使
用されているが、これに起因して印刷中にノズル開口か
らインク溶媒が蒸発してインクの粘度が上昇し、インク
の吐出に支障を来す。
【0004】このような問題を解消するために、インク
ジェット式記録装置では、通常、非印刷時に記録ヘッド
のノズル開口を封止するためのキャッピング装置と、必
要に応じてノズルプレ−トを清掃するクリ−ニング手段
とを備えている。
【0005】例えば、特願平9−225861号公報に
見られるように、印刷領域外に配置され、記録ヘッドを
担持するキャリッジに押圧されて非キャッピング位置と
キャッピング位置とを移動するキャップと、記録ヘッド
が非キャッピング位置からキャッピング位置へ移動する
過程で、キャップを記録ヘッドのノズルプレ−ト側に移
動するカム面とカムフォロア−とを備えたキャッピング
装置を備えたインクジェット式記録装置が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のイン
クジェット式記録装置にあっては、記録ヘッドを担持す
るキャリッジに押圧されて、キャップは非キャッピング
位置からキャッピング位置へ移動し、キャップを記録ヘ
ッドのノズルプレ−ト側に対してバネによって弾接する
ことによってノズル開口面と密着させ、記録ヘッドのノ
ズルを確実に封止している。
【0007】この従来のインクジェット式記録装置は、
前記した作用をなすため、図9に示すように、キャップ
100、101と、前記キャップ100、101を収納
するキャップホルダ102、103と、前記キャップホ
ルダ102、103を上下動可能に収容するキャップホ
ルダ受け部材104と、前記キャップホルダ102、1
03とキャップホルダ受け部材104との間に介装され
たバネ105a、105b、106a、106bとを備
えている。なお、前記バネ105a、105b、106
a、106bの一端はキャップホルダ受け部材104に
係止され、また他端はキャップホルダ102、103の
下面に係止されている。またキャップホルダ102、1
03の長手方向には突片102a、102b、103
a、103bが形成されている。
【0008】一方、キャップホルダ受け部材104には
キャップホルダ102、103の上方への移動を規制す
る係止突起107a、107b、108a、108bが
形成されている。
【0009】したがって、キャップ100、101を収
納したキャップホルダ102、103はキャップホルダ
受け部材104に対して、前記バネ105a、105
b、106a、106bによって上方に押圧されるが、
前記突片102a、102b、103a、103bがキ
ャップホルダ受け部材104の係止突起107a、10
7b、108a、108bによって係止されるため、キ
ャップホルダ102、103は所定の位置に規制され
る。
【0010】その結果、キャップ100、101を収納
したキャップホルダ102、103は、キャップホルダ
受け部材104に対してバネの反発力に抗しながら下方
に移動することができ、キャップ100、101を記録
ヘッドのノズルプレ−ト側に対して弾接させて密着さ
せ、記録ヘッドのノズルを確実に封止することができ
る。
【0011】しかし、前記係止手段は、キャップホルダ
受け部材104の係止突起107a、107b、108
a、108bにキャップホルダ102、103の突片1
02a、102b、103a、103bを係止させるも
のであるため、キャップホルダ102、103が下方に
移動した状態で横方向に揺動すると、図9に示すように
前記突片102b、103bはキャップホルダ受け部材
104の係止突起107b、108bから離脱してしま
い、キャップホルダ102、103がキャップホルダ受
け部材104から飛び出し、キャッピング装置として機
能しなくなるという技術的課題があった。
【0012】これを解決する手段として、前記キャップ
ホルダ102、103に設けられた突片102a、10
2b、103a、103bを、キャップホルダ102が
横方向に移動したとしても外れない長さに形成すること
が考えられる。
【0013】しかし、前記キャップホルダ102、10
3に設けられた突片102a、102b、103a、1
03bを、上記長さに形成するとキャップホルダ受け部
材104に対するキャップホルダ102、103の組付
け作業を困難にするという新たな技術的課題が生ずる。
【0014】本発明は、上記した技術的課題を解決する
ためになされたものであり、キャップを記録ヘッドのノ
ズルプレ−ト側に対してバネによって弾接することによ
って密着させ、記録ヘッドのノズルを確実に封止すると
共に、キャップホルダ受け部材からキャップホルダが離
脱することのない、しかも組み立て容易なキャッピング
装置を備えたインクジェット式記録装置を提供すること
を目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】このような問題を解決す
るためになされた本発明にかかるインクジェット式記録
装置は、記録ヘッドのノズル開口面を密封空間で封止す
るキャップを備えたキャップホルダと、前記キャップホ
ルダをバネを介して上方に付勢した状態で収容するキャ
ップホルダ受け部材と、キャップホルダ受け部材に設け
られたキャップホルダの上方の移動を阻止する第1の係
止突起と、キャップホルダ受け部材に設けられたキャッ
プホルダの下方の移動を阻止する第2の係止突起と、前
記第1、2の係止突起に係止される前記キャップホルダ
に設けられた抜け止め部とを備えていることを特徴とす
る。
【0016】ここで、前記キャップホルダは、記録ヘッ
ドのノズル開口面を密封空間で封止するキャップと別体
に形成され、前記キャップを収納するのが望ましく、ま
た前記第1の係止突起と第2の係止突起は、キャップホ
ルダ受け部材と別体に形成された、あるいはキャップホ
ルダ受け部材と一体に形成された部材によって構成され
ることが望ましい。更に、前記抜け止め部は、キャップ
ホルダと別体に形成された、あるいはキャップホルダと
一体に形成された部材によって構成されることが望まし
い。また、前記第2の係止突起は、キャップホルダ受け
部材の内部に設けられていることが望ましい。
【0017】また、前記第1の係止突起は、キャップホ
ルダの長手方向(キャリッジの移動方向)に形成された
一対の抜け止め部を係止するように、キャップホルダ受
け部材の長手方向(キャリッジの移動方向)上部に一対
形成され、前記第2の係止突起は、キャップホルダの内
部下方に設けられていることが望ましく、また、第2の
係止突起は、キャップホルダ受け部材の底面に形成され
た開口を挿通した、スライダに形成された突起であるこ
とが望ましい。
【0018】更に、前記第2の係止突起は、キャップホ
ルダ受け部材の略中央部底面に形成された開口を挿通し
た、スライダの先端部に起立して形成された1つの突起
であることが望ましい。
【0019】また、本発明にかかるインクジェット式記
録装置は、記録ヘッドのノズル開口面を密封空間で封止
するキャップを備えたキャップホルダを、キャップホル
ダに設けられた抜け止め部をその上方の移動を阻止する
第1の係止突起に係止させ、バネを介して上方に付勢し
た状態でキャップホルダ受け部材に収容し、スライダに
形成された突起をキャップホルダ受け部材の底面に形成
された開口を挿通することによって、キャップホルダの
下方の移動を阻止する第2の係止突起を形成したことを
特徴とする。
【0020】本発明のインクジェット式記録装置にあっ
ては、前記した構成を有するため、キャップホルダ受け
部材に設けられたキャップホルダの下方の移動を阻止す
る第2の係止突起に、前記キャップホルダに設けられた
抜け止め部が係止され、キャップホルダの下方の移動が
阻止されるため、抜け止め部が第2の係止突起から外れ
ることはなく、安定したキャッピング動作を得ることが
できる。
【0021】また、本発明のインクジェット式記録装置
にあっては、記録ヘッドのノズル開口面を密封空間で封
止するキャップを収納したキャップホルダを、キャップ
ホルダに形成された抜け止め部を上方の移動を阻止する
第1の係止突起に係止させ、バネを介して上方に付勢し
た状態でキャップホルダ受け部材に収容し、スライダに
形成された突起をキャップホルダ受け部材の底面に形成
された開口を挿通することによって、第2の係止突起を
形成するように構成されているため、容易にキャッピン
グ装置を組立てることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態を図に
基づいて説明する。
【0023】図1は、本発明のインクジェット式記録装
置の印刷機構周辺の概要を示すものであって、キャリッ
ジ1はタイミングベルト2によりモ−タ3に接続されて
いて、ガイド部材4に案内されてプラテン5に平行に移
動するように構成されている。キャリッジ1の記録用紙
6と対向する面には、ブラックインクを吐出する記録ヘ
ッド7と、カラ−インクを吐出する記録ヘッド8が設け
られ、各記録ヘッド7、8はインクカ−トリッジ9、1
0からインクの供給を受けて記録用紙6にインク滴を吐
出して文字やパタ−ンを印刷する。
【0024】また、符号11は、キャッピング装置であ
って、記録ヘッド7、8のノズル開口面をそれぞれ独立
した密封空間で封止できるサイズのキャップ12、13
を備え、非印字時に記録ヘッド7、8のノズルプレ−ト
を封止してノズル開口のインクの乾燥を防止する機能
と、吐出能力回復操作時にポンプユニット14から負圧
の供給を受けて記録ヘッド7、8からインクを強制的に
排出させる機能とを備えている。
【0025】キャッピング装置11の近傍には記録ヘッ
ド7、8に弾接してインクやインクカスを除去するゴム
等の弾性材料からなるワイピング用のブレ−ド15が、
記録ヘッド7、8の移動軌跡上に進退可能に配置されて
いる。
【0026】図2(a)、(b)及び図3はキャッピン
グ装置11の一形態を示す斜視図及び組立斜視図であっ
て、まずその概要について説明する。
【0027】スライダ20はキャリッジ1が印刷領域か
ら非印刷領域に移動して来たときにキャリッジ1の移動
に追従して基台30の上面を非印字方向、及び記録ヘッ
ド側、この例では上方向に移動するものである。
【0028】スライダ20は非印刷領域側の端部に当接
片21が形成されていて、基台30の第1の案内面31
に支持され、また中央よりも先端側(図2(a)におけ
る右側、また図2(b)における左側)で一端が基台3
0に回転可能に設けられたア−ム50の他端により支持
されている。
【0029】スライダ20はまた当接片21の上部に、
一端が基台30に固定された引っ張りバネ51の他端が
固定されていて、常時印刷領域方向で、かつ記録ヘッド
7、8から離反する方向、この実施例では下方に付勢さ
れている。
【0030】キャップホルダ受け部材40は、第1キャ
ップホルダ60、第2キャップホルダ70を収容するも
ので、中心部、好ましくはキャップホルダ60を付勢す
る圧縮バネ61、62と、キャップホルダ70を付勢す
る圧縮バネ71、72とのモ−メントが釣り合う位置に
軸41が設けられている。
【0031】この軸41をスライダ20の印刷領域側の
先端部に設けられた受け部22により回動可能に支持さ
れ、また印刷領域側でスライダ20との間に掛け渡され
た引っ張りバネ53により常時、後端側(図2(a)に
おける左側、また図2(b)における右側、つまり非印
刷領域方向側で、かつ記録ヘッド7、8から離反する方
向、つまりこの例では下方に付勢されている。
【0032】第1キャップホルダ60、第2キャップホ
ルダ70はそれぞれ底面をキャップホルダ受け部材40
のほぼ中心線上に長手方向の2か所に分散して挿入され
た圧縮バネ61、62、及び71、72により常時記録
ヘッド側、つまりこの実施例では上方に付勢された状態
でキャップホルダ受け部材40に収容されている。
【0033】各キャップホルダ60、70は、それぞれ
複数枚、この実施例では2枚の多孔質材からなる第1、
第2のインク吸収シ−ト63、64及び73、74を収
容したキャップ65、75が嵌装されている。
【0034】各部材の構成についてさらに詳しく説明す
る。
【0035】基台30は、後端側に前述の第1の案内面
31を、また先端側に第2案内面32を有し、第1の案
内面31には、先端側に低所部31aが、また後端部に
水平な高所部31bが、さらにこれらを接続する傾斜部
31cの3つの領域が形成されている。
【0036】第2案内面32には、先端側に低所部32
aが、また後端側に水平な高所部32bがこれらを繋ぐ
ように傾斜部32cの3つの領域が形成されている。
【0037】一方、キャップホルダ受け部材40は、そ
の先端側の下部に第2の案内面32にガイドされる当接
片42が形成されており、また側部に各記録ヘッド7、
及び8の側面に当接してキャップ65、及び75を所定
の位置に案内するガイド片43、43、及び44、44
が設けられている。また図6に示すように、キャップホ
ルダ受け部材40の略中央部の底面には開口部40cが
形成され、スライダ20の先端部に形成された係止突起
29が挿通可能に形成されている。
【0038】更にキャップホルダ受け部材40の略中央
部上部には後述する第1のキャップホルダ60及び第2
のキャップホルダ70に形成された「T」字状の抜け止
め部66、76が係止される係止突起40a、40aが
形成され、また両端部には第1のキャップホルダ60及
び第2のキャップホルダ70に形成された「I」字状抜
け止め部67、77が係止される係止突起40b、40
bが形成されている。これら係止突起40a、40bは
従来のインクジェット式記録装置における係止突起10
7a、108a、107b、108bと同一の構成を有
している。
【0039】また、図1、2に示すように、ワイピング
用のブレ−ド15に対向する先端面には、記録ヘッド
7、8の印字高さ程度の幅を有し、かつ記録ヘッド7、
8に接触しない程度に位置決めされたインク飛沫遮断板
45が別体、または一体に設けられている。インク飛沫
遮断板45はインク吸収性を有する高分子材料等により
構成するのが望ましい。
【0040】スライダ20は、その後端に非印字領域側
の記録ヘッド、この例ではキャリッジ1の側壁に当接し
て押圧されるフラッグ片27が形成されている。また側
方には後方側に2つの通孔23、24を有する弁座25
がホルダ26を介して固定されている。なお、スライダ
20の先端部側壁には後述するア−ム50と係合する軸
28が形成されている。
【0041】一方、スライダ20が後端部の限界点近傍
に移動したとき、弁座25と対向する位置には、ガイド
軸33a、33aに挿通されたバネ34、34により、
常時先端側に付勢された弁体33が水平方向に進退可能
に基台30に設けられている。
【0042】また、図4及び図5に示すように、第1キ
ャップホルダ60はキャリッジ1の移動方向の一端側に
は中心線上に「T」字状の抜け止め部66が他端部には
「I」字状の抜け止め部67が形成されている。また第
2キャップホルダ70はキャリッジ1の移動方向の一端
側には中心線を通るように「T」字状の抜け止め部76
が他端側には「I」字状の抜け止め部77が形成されて
いる。
【0043】キャップホルダ60、70は前述したよう
にバネ61、62及び71、72により上方に付勢した
状態でホルダ受け部材40に収容され、キャップホルダ
受け部材40の凹部に揺動可能に保持されている。
【0044】即ち、図6に示すようにキャップホルダ6
0、70抜け止め部はバネ61、62、71、72によ
って上方に付勢した状態で、キャップホルダ60の6
6、67が係止突起40a、40bに係止され、またキ
ャップホルダ70抜け止め部76、77が係止突起40
a、40bに係止されている。この係止突起40a、4
0bによる係止は上方の変位を規制するもので、キャッ
プホルダ60、70はバネ61、62、71、72の反
発力に抗して下方へ移動できる。また、その移動状態に
あってはキャップホルダ60、70は揺動することがで
きる。
【0045】この結果、キャップホルダ60を例にとっ
て説明すると、キャップホルダが若干傾いた状態で記録
ヘッド7に当接してもバネ61自体で記録ヘッド7に封
止できるように姿勢を保持する。
【0046】尚、キャップホルダ受け部材40の略中央
部内部に、スライダ20に形成された係止突起29が突
出しているため、キャップホルダ60及びキャップホル
ダ70が下方に所定量移動すると、「T」字状抜け止め
部66、76が係止され、キャップホルダ60、70の
移動が規制される。このように下方の移動が規制される
ため、係止突起40a、40bから抜け止め部67、7
6が外れることはない。
【0047】またこのキャッピング装置11の組立てに
ついて説明すると、記録ヘッド7、8のノズル開口面を
密封空間で封止するキャップ65、75を収納したキャ
ップホルダ60、70を、キャップホルダ60、70に
形成された抜け止め部66、67、76、77を上方の
移動を阻止する係止突起40a、40bに係止させ、バ
ネ61、62、71、72を介して上方に付勢する状態
でキャップホルダ受け部材40に収容する。次いで、ス
ライダ20に形成された係止突起29をキャップホルダ
受け部材40の底面に形成された開口部40cを挿通す
ることによって、係止突起29をキャップホルダ受け部
材40内に突出させる。
【0048】このようにキャップ60、70をキャップ
ホルダ受け部材40に組み付けた後に係止突起29が形
成されるため、前記係止突起29が障害となることな
く、容易にキャッピング装置を組立てることができる。
【0049】また前記第1キャップホルダ60は、図4
に示すように、内周面に複数の爪68が形成されててお
り、またキャップ65はその外周面に爪68に係合する
凹部69と底面に筒状体80、81に係合する通孔8
4、85が形成され、これらが係合してキャップ65が
ホルダ60に保持されている。
【0050】キャップ65はその開口面を封止部として
機能できるように他の領域よりも剛性が小さくなるよう
に薄肉部65aが形成され、ここに撥水処理が施されて
いる。また薄肉部よりも底面側にはインク吸収シ−ト6
3、64の表面を係止する複数の爪87が形成されてい
る。
【0051】第2キャップホルダ70は、図5に示すよ
うに、内周面に複数の爪78が形成されてており、また
キャップ75はその外周面に爪78に係合する凹部79
と底面に前述の筒状体90、91に係合する通孔94、
95が形成され、これらが係合してキャップ75がホル
ダ70に保持されている。
【0052】キャップ75はその開口面を封止部として
機能できるように他の領域よりも剛性が小さくなるよう
に薄肉部75aが形成され、ここに撥水処理が施されて
いる。また薄肉部よりも底面側にはインク吸収シ−ト7
3、74の表面を係止する複数の爪98が形成されてい
る。
【0053】この実施形態におけるキャッピング装置1
1の動作について説明すると、図7(a)に示すよう
に、キャリッジ1が非印刷方向に移動してスライダ20
のフラッグ片27に当接しても、スライダ20が移動し
ない状態では、第1キャップ65、第2キャップ75が
それぞれ封止すべき記録ヘッド7、8に対して、一定の
間隙Lをもって対向する。したがって、この状態で記録
ヘッド7、8に駆動信号を供給してインク滴吐出能力を
回復させるためのノズル開口から印刷デ−タに関わりな
くインク滴を吐出させると、これらインク滴は記録ヘッ
ド7、8にインクの微小インク滴を付着させることな
く、各キャップ65、75のインク吸収シ−ト63、6
4、73、74に吸収される。
【0054】キャリッジ1がさらに後端側(図中右側)
に移動すると、図7(b)に示すように、スライダ20
は引っ張りバネ51の張力に抗してア−ム50を回動さ
せながら斜め方向に移動し、同時にホルダ受け部材40
は、中央部をスライダ20に支持された軸41を中心に
図中矢印Bの方向に回動してキャップ75が記録ヘッド
8に当接する。
【0055】更に、キャリッジ1が移動すると、先端側
をホルダ受け部材40は、図7(c)に示すように、そ
の当接片42を基台30の斜面部32cに案内されるた
め、図中矢印Cの方向に反転して、略記録ヘッド7、8
と平行に姿勢を修正して、スライダ20とともに記録ヘ
ッド側に移動する。そして、第1の案内面31と第2の
案内面との高所部31b、32bによりホルダ受け部材
40が、記録ヘッド7、8の面に平行となるように位置
決めされるため、キャリッジ1に設けられた2つの記録
ヘッド7、8の面に若干の段差が存在しても、バネ6
1、62、71、72が縮むことによってキャップ65
及びキャップ75がそれぞれ記録ヘッド7、8を確実に
封止する。
【0056】このようにホルダ受け部材40が記録ヘッ
ド7、8の面に平行に位置決めされるため、図8(a)
に示したように記録用紙の厚みに応じてプラテンギャッ
プに変化分△Pが生じた場合、つまり記録ヘッド7、8
がキャップ65、75に対して、相対的に変移させられ
ている場合にも記録ヘッド7、8を確実に封止する。ま
た、2つの記録ヘッド7、8のキャリッジ1への取り付
け精度のばらつきにより、両者間の封止面にギャップ△
Nが生じている場合には図8(b)に示したように今度
は軸41の両側で記録ヘッド7、8から受ける反力にバ
ランスするようにホルダ受け部材40が角度θ分回動す
る。
【0057】これにより、キャップ65、75を押圧す
るバネ61、62及び71、72のバネ力が平均化さ
れ、記録ヘッド7、8の取り付け誤差を吸収してキャッ
プ65、75により確実に封止できる。このようにし
て、キャップ65、75に封止が完了した段階で、弁座
25が基台30に設けられている弁体33に弾接して、
キャップ65、75は大気との連通が断たれて気密状態
となり、ノズル開口からのインクの蒸発を抑制して長時
間の間、目づまりを防止する。
【0058】尚、上記のように通常の動作において、キ
ャップ65、75の下方への変位はバネ61、62、7
1、72で吸収され、キャップ65、75によって記録
ヘッド7、8を確実に封止するものであるが、異常な動
作が生じた場合には、キャップ65、75の下方への変
位は係止突起29によって規制され、それより下方への
移動は阻止される。したがって、従来の装置のように下
方へ移動すると共に横方向に移動した結果生ずる係止突
起40bと抜け止め部67、76との外れを防止するこ
とができる。
【0059】一方記録ヘッド7、8のノズル開口に目づ
まりが生じた場合や、またカ−トリッジの交換等によ
り、記録ヘッド7、8から強制的にインクを排出する場
合には、叙述したキャッピング状態でポンプユニット1
4を作動させる。
【0060】ポンプユニット14からの負圧はチュ−ブ
55、57、キャップ65、75の通孔84、94を介
して、キャップ65、75内に負圧作用して、ノズル開
口からインクが吸い出される。これによりノズル開口の
近傍に付着している塵埃や紙粉が洗浄され、さらには記
録ヘッド7、8内の気泡がインクと共にキャップ65、
75に排出される。
【0061】記録ヘッド7、8から排出されたインクは
上層のインク吸収シ−ト63、73に吸収され、ついで
このシ−ト63、73よりも細孔の径が小さな下層のイ
ンク吸収シ−ト64、74に毛細管力により吸い取られ
る。これにより、上層のインク吸収シ−ト63、73の
インク含浸量を可及的に少ない状態にして吸収力を向上
させ、もって記録ヘッド7、8へのインク付着を防止す
ると共に、また強制吐出時のインクの跳ね返りを減少さ
せることができる。
【0062】記録ヘッド7、8からのインクの強制排出
が終了するとキャリッジ1を移動させて弁座25を弁体
33から離間させてキャップ65、75の通孔85、9
5を大気に連通させる。
【0063】次いでポンプユニット14を作動させると
キャップ65、75に作用した負圧は通孔85、95か
ら弁座25の通孔23、24から空気を取り込んで、記
録ヘッド7、8のノズル開口に無用な負圧を作用させる
ことなく、インク吸収シ−ト63、64及び73、74
やまたキャップ65及びキャップ75に残留しているイ
ンクをポンプユニット14に連通する通孔84、94に
吸い寄せて外部に排出する。
【0064】キャップ65、75内の廃インクの排出が
終了した段階でポンプユニット14を停止させ、記録ヘ
ッド7、8を印刷領域に移動させると、この移動の過程
でスライダは、後端側を当接片21により基台30の斜
面31cを摺動し、また先端側をホルダ受け部材40の
当接片42を基台30の斜面32cにガイドされて中央
部をレバ−50の回動で支持されながら降下し、初期状
態に復帰する。
【0065】なお、上記実施形態にあっては、2つのキ
ャップを備えているインクジェット式記録装置を用いて
説明したが、特にこれに限定されるものではなく、キャ
ップが1つのインクジェット式記録装置、あるいはまた
3つ以上のキャップを備えているインクジェット式記録
装置にも適用することができる。
【0066】また、上記実施形態にあっては、キャップ
ホルダは、記録ヘッドのノズル開口面を密封空間で封止
するキャップと別体に形成されたものを用いて説明した
が、特にこれに限定されるものではなく、キャップにキ
ャップホルダが一体に形成されたものであっても良い。
【0067】更に、上記実施形態にあっては、第1の係
止突起はキャップホルダ受け部材と一体に形成されたも
のとして、また第2の係止突起は、キャップホルダ受け
部材と別体に形成されたものとして説明したが、特にこ
れに限定されるものではなく、第1の係止突起と第2の
係止突起は、キャップホルダ受け部材と別体に形成され
た、あるいはキャップホルダ受け部材と一体に形成され
た部材によって構成しても良い。
【0068】また、上記実施形態にあっては、抜け止め
部は、キャップホルダと一体に形成されたものとして説
明したが、特にこれに限定されるものではなく、キャッ
プホルダと別体に形成された部材であっても良い。
【0069】
【発明の効果】以上のように、本発明のインクジェット
式記録装置にあっては、キャップホルダ受け部材の内部
に設けられたキャップホルダの下方の移動を阻止する第
2の係止突起に、前記キャップホルダに形成された抜け
止め部が係止され、キャップホルダの下方の移動が阻止
されるため、抜け止め部が第1の係止突起から外れるこ
とはなく、常に安定したキャッピング動作を得ることが
できる。
【0070】また、本発明のインクジェット式記録装置
にあっては、記録ヘッドのノズル開口面を密封空間で封
止するキャップを収納したキャップホルダを、キャップ
ホルダに形成された抜け止め部を上方の移動を阻止する
第1の係止突起に係止させ、バネを介して上方に付勢し
た状態でキャップホルダ受け部材に収容し、スライダに
形成された第2の係止突起をキャップホルダ受け部材の
底面に形成された開口を挿通することによって、キャッ
プホルダ受け部材内部に形成するように構成されている
ため、容易にキャッピング装置を組立てることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるインクジェット式記録装置の概
要を示す斜視図である。
【図2】本発明にかかるインクジェット式記録装置にお
けるキャッピング装置の両側から見た斜視図である。
【図3】図2に示されたキャッピング装置の分解斜視図
である。
【図4】図2、3に示された第1のキャップを示す分解
斜視図である。
【図5】図2、3に示された第2のキャップを示す分解
斜視図である。
【図6】キャップホルダの動作状態を示す断面図であ
る。
【図7】キャッピング装置の動作状態を示す側面図であ
る。
【図8】キャップによる記録ヘッドの弾接状態を示す図
である。
【図9】従来のインクジェット式記録装置におけるキャ
ップホルダの動作状態を示す図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2 タイミングベルト 3 モータ 4 ガイド部材 5 プラテン 6 記録用紙 7 記録ヘッド 8 記録ヘット 9 インクカートリッジ 10 インクカートリッジ 11 キャッピング装置 12 キャップ 13 キャップ 14 ポンプユニット 15 ワイピングプレート 20 スライダ 29 係止突起 30 基台 40 キャップホルダ受け部材 40a、40b 係止突起 40c 開口部 50 アーム 60 第1キャップホルダ 61 バネ 62 バネ 65 キャップ 66 抜け止め部 67 抜け止め部 70 第2キャップホルダ 71 圧縮バネ 72 圧縮バネ 75 キャップ 76 抜け止め部 77 抜け止め部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ヘッドのノズル開口面を密封空間で
    封止するキャップを備えたキャップホルダと、前記キャ
    ップホルダをバネを介して上方に付勢した状態で収容す
    るキャップホルダ受け部材と、キャップホルダ受け部材
    に設けられたキャップホルダの上方の移動を阻止する第
    1の係止突起と、キャップホルダ受け部材に設けられた
    キャップホルダの下方の移動を阻止する第2の係止突起
    と、前記第1、2の係止突起に係止される前記キャップ
    ホルダに設けられた抜け止め部とを備えていることを特
    徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 前記キャップホルダは、記録ヘッドのノ
    ズル開口面を密封空間で封止するキャップと別体に形成
    され、前記キャップを収納したこと特徴とする請求項1
    に記載されたインクジェット式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の係止突起と第2の係止突起
    は、キャップホルダ受け部材と別体に形成された、ある
    いはキャップホルダ受け部材と一体に形成された部材に
    よって構成されることを特徴とする請求項1に記載され
    たインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記抜け止め部は、キャップホルダと別
    体に形成された、あるいはキャップホルダと一体に形成
    された部材によって構成されることを特徴とする請求項
    1に記載されたインクジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の係止突起は、キャップホルダ
    受け部材の内部に設けられていること特徴とする請求項
    1に記載されたインクジェット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の係止突起は、キャップホルダ
    の長手方向(キャリッジの移動方向)に形成された一対
    の抜け止め部を係止するように、キャップホルダ受け部
    材の長手方向(キャリッジの移動方向)上部に一対形成
    され、前記第2の係止突起は、キャップホルダの内部下
    方に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求
    項5のいずれかに記載されたインクジェット式記録装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第2の係止突起は、キャップホルダ
    受け部材の底面に形成された開口を挿通した、スライダ
    に形成された突起であることを特徴とする請求項1、請
    求項2、請求項3、請求項5、請求項6のいずれかに記
    載されたインクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 前記第2の係止突起は、キャップホルダ
    受け部材の略中央部底面に形成された開口を挿通した、
    スライダの先端部に起立して形成された1つの突起であ
    ることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請
    求項5、請求項6、請求項7のいずれかに記載されたイ
    ンクジェット式記録装置。
  9. 【請求項9】 記録ヘッドのノズル開口面を密封空間で
    封止するキャップを備えたキャップホルダを、キャップ
    ホルダに設けられた抜け止め部をその上方の移動を阻止
    する第1の係止突起に係止させ、バネを介して上方に付
    勢した状態でキャップホルダ受け部材に収容し、スライ
    ダに形成された突起をキャップホルダ受け部材の底面に
    形成された開口を挿通することによって、キャップホル
    ダの下方の移動を阻止する第2の係止突起を形成したこ
    とを特徴とするインクジェット式記録装置。
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