JP2000005692A - 防汚塗膜の形成方法 - Google Patents

防汚塗膜の形成方法

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JP2000005692A JP10175188A JP17518898A JP2000005692A JP 2000005692 A JP2000005692 A JP 2000005692A JP 10175188 A JP10175188 A JP 10175188A JP 17518898 A JP17518898 A JP 17518898A JP 2000005692 A JP2000005692 A JP 2000005692A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 船船舶の外板部や船底部、発電プラントの導
水管等、塗装が著しく困難な部位でも防汚塗膜の膜厚を
簡単かつ正確に目標値にコントロールできる方法を提供
する。 【解決手段】 被塗物上にほぼ均一に60μm以上の目標
乾燥膜厚を有する防汚塗膜を形成する本発明の方法は、
塗料固形分に対して、少なくとも1種の無機系又は有機
系の防汚剤の含有量が30容量%以下で、着色顔料の含有
量が4容量%以下の防汚塗料を膜厚判定防汚塗料として
使用し、かつ下記条件: (a) 前記膜厚判定防汚塗料と前記被塗物との色差が20以
上、(b) 前記目標乾燥膜厚の塗膜と(目標乾燥膜厚−5
0)μm未満の乾燥膜厚の塗膜との色差が2以上、及び
(c) 前記目標乾燥膜厚の塗膜と(目標乾燥膜厚+50)μ
m超の乾燥膜厚の塗膜との色差が1未満を満たすよう
に、前記膜厚判定防汚塗料中の前記着色顔料の含有量を
調整することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、船舶の外板部や船底
部、発電プラントの導水管等にほぼ均一に防汚塗料の塗
膜を形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】船舶の
外板部や船底部、発電プラントの導水管等には、海洋生
物の付着を防止するために防汚塗料が塗装される。しか
し、これらの被塗物は大型構造物であるため、クレーン
車や足場車上で塗装しなければならず、塗装作業時の塗
装膜厚を均一にすることが困難であり、膜厚が不十分で
あったり過剰になる等、不均一化することが多かった。
【0003】防汚塗料の膜厚が一部でも不足すると、塗
膜全体の防汚能期間が事実上短縮化し、船舶の外板部や
船底部、発電プラントの導水管等に生物が付着すること
になる。船舶の外板部や船底部に生物が付着すると、船
舶の燃費が増大したり、定時運航に支障をきたすことが
ある。また導水管の場合には、生物の付着によりプラン
トの稼働に支障をきたすことがある。このような事情に
おいて、船舶や鋼構造物等の被塗物上に形成した塗膜が
規定の膜厚に達しているか否かをチェックするための種
々の試みが提案されている。
【0004】特開昭62-218459 号は、樹脂及び着色顔料
を含有し、隠蔽率が乾燥膜厚aμmで0.96以上、(a−
30)μm以上aμm未満で0.90以下(但し、aは50〜12
0 μm)であることを特徴とする被覆組成物を開示して
いる。この被覆組成物では着色顔料の量を従来より大幅
に減らして隠蔽力を小さくすることにより、30μmある
いは30μmより小さい膜厚変化により隠蔽率の変化を識
別できるようにしている。しかしながら、隠蔽率を求め
るためには塗膜が乾燥したあとで拡散反射率を測定しな
ければならず、塗装作業の能率が悪い。また実際には隠
蔽率の算出の代わりに目視による隠蔽性の評価を行うこ
ともできると記載されているが、目視による隠蔽性の評
価では正確な膜厚コントロールができないという問題が
ある。
【0005】特開昭64-15181号は、建築物等の表面仕上
げとして下塗、中塗、上塗等のように複数の層構成を有
する塗膜を形成する際に、相接する層に用いる塗料に色
差が出るように着色した後で順に塗装することにより、
塗料の隠蔽又は模様付けの確認・識別を容易にしたこと
を特徴とする複層模様塗膜の形成方法を開示している。
しかしながら、この方法は単に相接する層の色差を利用
しているだけで、被塗物との色差により塗膜を目標乾燥
膜厚に正確かつほぼ均一にコントロールするものではな
い。
【0006】特開平4-145979号は、被塗物表面に下塗り
塗膜を形成し、下塗り塗膜表面に中塗り塗膜を形成し、
中塗り塗膜を研磨した後その上に着色塗膜を形成するこ
とからなる塗装方法において、下塗り塗膜と中塗り塗膜
との色差ΔEと、着色塗膜の標準膜厚Aμm及び着色塗
料の白黒隠蔽膜厚Bμmとが、次式: ΔE≦100 ×(A/B)4 を満たすことを特徴とする塗装方法を開示している。し
かしながら、この方法は自動車の塗装のように10〜20μ
m程度の膜厚の塗膜を形成するのに適したもので、船舶
や鋼構造物等の被塗物のように60μm以上の膜厚に塗装
するのには適さない。また上記式は複雑であり、塗装現
場で直ちに算出できるものではないので、船舶や鋼構造
物等の被塗物の塗装に利用するには適さない。
【0007】したがって、本発明の目的は、船舶の外板
部や船底部、発電プラントの導水管等、塗装が著しく困
難な部位でも防汚塗膜の膜厚を簡単かつ正確に目標値に
コントロールできる方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、着色顔料の含有量が比較的少ない
防汚塗料を膜厚判定防汚塗料として使用し、膜厚判定防
汚塗料と被塗物との色差、目標乾燥膜厚の塗膜と目標乾
燥膜厚より薄い塗膜との色差、及び目標乾燥膜厚の塗膜
と目標乾燥膜厚より厚い塗膜との色差を所定のレベルに
設定することにより、船舶や鋼構造物、コンクリート構
造物等の被塗物上に形成する防汚塗膜の乾燥膜厚を目標
乾燥膜厚に簡単かつ正確にコントロールできることを発
見し、本発明に想到した。
【0009】すなわち、本発明の防汚塗膜の形成方法
は、被塗物上にほぼ均一に60μm以上の目標乾燥膜厚を
有する防汚塗膜を形成するもので、塗料固形分に対し
て、少なくとも1種の無機系又は有機系の防汚剤の含有
量が30容量%以下で、着色顔料の含有量が4容量%以下
の防汚塗料を膜厚判定防汚塗料として使用し、かつ下記
条件: (a) 前記膜厚判定防汚塗料と前記被塗物との色差が20以
上、(b) 前記目標乾燥膜厚の塗膜と(目標乾燥膜厚−5
0)μm未満の乾燥膜厚の塗膜との色差が2以上、及び
(c) 前記目標乾燥膜厚の塗膜と(目標乾燥膜厚+50)μ
m超の乾燥膜厚の塗膜との色差が1未満を満たすよう
に、前記膜厚判定防汚塗料中の前記着色顔料の含有量を
調整することを特徴とする。
【0010】以下本発明を詳細に説明する。 [1] 膜厚判定防汚塗料 (A) 樹脂成分 膜厚判定防汚塗料の樹脂成分としては、塩化ビニル・ビ
ニルイソブチルエーテル共重合体、シリコーン樹脂、
(シリコーン、アクリルシリコーン、シリコンオイル
等)、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)の
他に、側鎖に下記一般式(1) : −COO−M−Yy ・・・(1) (ただしyはMの原子価数−1であり、MはCu、Zn、Si
及びSnからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属
(yが2以上の場合、同じでも異なっていてもよい。)
を表し、Yはアルキル基、水酸基、OOCR1 で表され
る基(ただしR1 は炭素数10以上の炭化水素基を表
す。)、又はR2 −CO−CH2 −CO−R3 で表され
る基(ただしR2 はアルキレン基又はフェニル誘導体か
らなる2価の基であり、R3 はアルキル基又はフェニル
誘導体からなる1価の基である。)を表す)を有する加
水分解型のアクリル樹脂又はポリエステル樹脂、 側鎖に下記一般式(2) : −N=CHR4 ・・・(2) (ただしR4 は炭素数6以上の炭化水素を表す。)を有
する加水分解型のアクリル樹脂又はポリエステル樹脂、
又は 側鎖に下記一般式(3) : −SO3 −NH−R5 ・・・(3) (ただしR5 は水素原子又はアルキル基を表す。)を有
する加水分解型のアクリル樹脂又はポリエステル樹脂を
使用することができる。
【0011】(1) 側鎖に−COO−M−Yy を有する加
水分解型のアクリル樹脂又はポリエステル樹脂 一般式(1) : −COO−M−Yy ・・・(1) により表される基において、MはCu、Zn、Si及びSnから
なる群から選ばれた少なくとも1種の金属であり、Yは
アルキル基、OOCR1 で表される基(ただしR 1 は炭
素数10以上の炭化水素基を表す。)、又はR2 −CO−
CH2 −CO−R 3 で表される基(ただしR2 はアルキ
レン基又はフェニル誘導体からなる2価の基であり、R
3 はアルキル基又はフェニル誘導体からなる1価の基で
ある。)である。yは金属の原子価数−1であり、yが
2以上の場合、Yは同じでも異なっていてもよい。
【0012】(a) MがCu又はZnの2価の金属の場合 側鎖は−COO−M−Yである。好ましい例として例え
ば下記一般式(4) : −COO−M−OOCR1 ・・・(4) (ただしR1 は炭素数10以上の炭化水素基を表す。)、 又は下記一般式(5) : −COO−M−R2 −CO−CH2 −CO−R3 ・・・(5) (ただしR2 はアルキレン基又はフェニル誘導体からな
る2価の基であり、R3はアルキル基又はフェニル誘導
体からなる1価の基である。)により表されるものを挙
げることができる。
【0013】一般式(4) において、OOCR1 により表
されるカルボン酸残基としては、例えばオレイン酸、リ
ノール酸、リノレン酸、ステアリン酸、ラウリル酸、ミ
スチン酸、パルチミン酸等の残基を挙げることができ
る。一般式(4) で表される基の含有量は、アクリル樹脂
又はポリエステル樹脂全体 100g当たり、0.03〜0.4 モ
ル程度が好ましい。
【0014】また一般式(5) において、M−R2 −CO
−CH2 −CO−R3 により表される基としては、例え
ばアセチルアセトン、1-フェニル1,3-ブタジオン等の残
基を挙げることができる。一般式(5) により表される基
の含有量は、アクリル樹脂又はポリエステル樹脂全体 1
00g当たり、0.03〜0.4 モル程度が好ましい。
【0015】(b) MがSi又はSnの4価の金属の場合 側鎖は−COO−M−Y3 である。好ましい例として例
えば下記一般式(6) : −COO−MR5 6 7 ・・・(6) (ただしR5 〜R7 はいずれもアルキル基である。)に
より表されるものを挙げることができる。R5 〜R7
アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n-プ
ロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、t-ブチル基等を
挙げることができる。これらのアルキル基は互いに同じ
でも異なっていてもよい。一般式(6) により表される基
の含有量は、アクリル樹脂又はポリエステル樹脂全体 1
00g当たり、0.02〜0.4 モル程度が好ましい。
【0016】骨格のアクリル樹脂又はポリエステル樹脂
は通常の塗料用のもので良い。具体的には、アクリル樹
脂は、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
ヒドロキシブチル、N−メチロールアクリルアミド等の
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル系単量体、
(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル
酸、マレイン酸等のカルボキシル基を有するエチレン性
不飽和単量体、及び(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸n-オクチル、(メタ)
アクリル酸n-ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキル
エステル等の少なくとも1種を通常の方法により重合し
たものである。なお(メタ)アクリル酸は、アクリル酸
又はメタクリル酸を意味する。さらに共重合可能な(メ
タ)アクリロニトリル、スチレン誘導体(スチレン、α
- メチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレ
ン、p-メチルスチレン、p-tert- ブチルスチレン)、
(メタ)アクリル酸アミド、ジメチルアクリルアミド等
を配合してもよい。
【0017】ポリエステル樹脂は多価アルコールと多塩
基酸又はその無水物とを重縮合(エステル化)して得ら
れる。多価アルコールとしては、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、1,6-
ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレン
グリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリトリット、ジペンタエ
リトリット等が好ましい。また多塩基酸又はその無水物
としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、無水トリメリット酸等が好ましい。
【0018】(2) 側鎖に−N=CHR4 を有する加水分
解型のアクリル樹脂又はポリエステル樹脂 一般式(2) :−N=CHR4 により表される基はアゾメ
チン基と呼ばれ、アミノ基(−NH2 )とアルデヒドと
を反応させることにより得られる。この反応に用いるア
ルデヒドとしては、例えばベンズアルデヒド、α−n-ア
ミル桂皮アルデヒド等を挙げることができる。−N=C
HR4 により表される基の含有量は、アクリル樹脂又は
ポリエステル樹脂全体 100g当たり、0.01〜1.5 モル程
度が好ましい。また骨格のアクリル樹脂又はポリエステ
ル樹脂は上記のものと同じでよい。
【0019】(3) 側鎖に−SO3 −NH−R3 を有する
加水分解型のアクリル樹脂又はポリエステル樹脂 R3 は、水素原子、アルキル基又はフェニル誘導体から
なる1価の基を表す。上記一般式(3) により表される基
の含有量は、アクリル樹脂又はポリエステル樹脂全体 1
00g当たり、0.01〜1.5 モル程度が好ましい。また骨格
のアクリル樹脂又はポリエステル樹脂は上記のものと同
じでよい。
【0020】(B) 防汚剤 本発明に使用し得る防汚塗料としては、無機化合物、金
属含有有機化合物、及び金属を含有しない有機化合物が
好ましい。これらの防汚剤は単独で添加しても良いし、
2種以上組合せて添加しても良い。
【0021】(1) 無機化合物 無機化合物としては、例えば銅粉、チオシアン酸
銅、炭酸銅、塩化銅、硫酸銅等の銅化合物、硫酸亜
鉛、酸化亜鉛、硫酸ニッケル等の銅以外の金属の化合
物、銅−ニッケル合金等の銅合金等が挙げられる。
【0022】(2) 金属含有有機化合物 金属含有有機化合物としては、例えば有機銅系化合物、
有機ニッケル系化合物、有機亜鉛系化合物等の有機金属
化合物の他、マンネブ(エチレンビスジチオカルバミン
酸マンガン)、マンゼブ(亜鉛イオン配位マンガンエチ
レンビスジチオカーバメート)、プロピネブ(プロピレ
ンビスジチオカルバミン酸亜鉛塩)等が挙げられる。
【0023】有機銅系化合物としては、オキシン銅、ノ
ニルフェノールスルホン酸銅、ビス(エチレンジアミ
ン)−ビス(ドデシルベンゼンスルホン酸)銅、ビス
(ペンタクロロフェノール酸)銅、2-ピリジンチオール
-1- オキシド銅塩等が挙げられる。有機ニッケル系化合
物としては、ジメチルジチオカルバミン酸ニッケル等が
挙げられる。また有機亜鉛系化合物としては、カルバミ
ン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレン
ビスジチオカルバミン酸亜鉛、2-ピリジンチオール-1-
オキシド亜鉛塩等が挙げられる。
【0024】(3) 金属を含有しない有機化合物 金属を含有しない有機化合物としては、例えばN-トリハ
ロメチルチオフタルイミド、ジチオカルバミン酸、N-ア
リールマレイミド、3-置換アミノ-1,3- チアゾリジン-
2,4- ジオン、ジチオシアノ系化合物、トリアジン系化
合物等が挙げられる。
【0025】N-トリハロメチルチオフタルイミドとして
は、N-トリクロロメチルチオフタルイミド、N-フルオロ
ジクロロメチルチオフタルイミド等が挙げられる。
【0026】ジチオカルバミン酸としては、ビス(ジメ
チルチオカルバモイル)ジスルフィド、N-メチルジチオ
カルバミン酸アンモニウム、エチレンビス(ジチオカル
バミン酸)アンモニウム、ミルネブ(3,3-エチレンビス
(テトラヒドロ-4,6- ジメチル-2H-1,3,5-チアジアン-2
- チオン))等が挙げられる。
【0027】N-アリールマレイミドとしては、N-(2,4,
6-トリクロロフェニル)マレイミド、N-4-トリルマレイ
ミド、N-3-クロロフェニルマレイミド、N-(4-n-ブチル
フェニル)マレイミド、N-(アニリノフェニル)マレイ
ミド、N-(2,3-キシリル)マレイミド等が挙げられる。
【0028】3-置換アミノ-1,3- チアゾリジン-2,4- ジ
オンとしては、3-ベンジリデンアミノ-1,3- チアゾリジ
ン-2,4- ジオン、3-(4-メチルベンジリデンアミノ)-
1,3-チアゾリジン-2,4- ジオン、3-(2-ヒドロキシベン
ジリデンアミノ)-1,3- チアゾリジン-2,4- ジオン、3-
(4-ジメチルアミノベンジリデンアミノ)-1,3- チアゾ
リジン-2,4- ジオン、3-(2,4-ジクロロベンジリデンア
ミノ)-1,3- チアゾリジン-2,4- ジオン等が挙げられ
る。
【0029】ジチオシアノ系化合物としては、ジチオシ
アノメタン、ジチオシアノエタン、2,5-ジチオシアノチ
オフェン等が挙げられる。またトリアジン系化合物とし
ては、2-メチルチオ-4-t- ブチルアミノ-6- シクロプロ
ピルアミノ-s- トリアジン等が挙げられる。
【0030】その他の金属を含有しない有機化合物とし
ては、2,4,5,6-テトラクロロイソフタルニトリル、N,N-
ジメチルジクロロフェニル尿酸、4,5-ジクロロ-2-N--オ
クチル3-(2H)イソチアゾロン、N,N-ジメチル-N'-フェニ
ル-(N-フルオロジクロロメチルチオ)スルファミド、テ
トラメチルチウラムジスルフィド、3-ヨード-2- プロピ
ニルブチルカルバメート、2-(メトキシカルボニルアミ
ノ)ベンズイミダゾール、2,4,5,6-テトラクロロ-4-
(メチルスルホニル)ピリジン、ジヨードメチルパラト
リルスルホン、2-(4-チアゾリル)ベンズイミダゾー
ル、ピリジン−トリフェニルボラン等が挙げられる。
【0031】(C) 着色顔料 膜厚判定防汚塗料の色相及び明度に影響を与える着色顔
料としては、カーボンブラック、二酸化チタン、鉛白、
黒鉛、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化クロム、黄色ニッケル
チタン、黄色クロムチタン、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、
黒色酸化鉄、フタロシアニンブルー、フタロシアニング
リーン、ウルトラマリンブルー、キナクリドン類、アゾ
系赤・黄色顔料等が挙げられる。
【0032】(D) 配合量 (1) 樹脂成分 防汚塗料全体を 100容量%として20〜97容量%とするの
が好ましい。樹脂成分の含有量が20容量%未満であると
塗膜を形成することが困難となる。
【0033】(2) 防汚剤 防汚剤の添加量は、塗料固形分100 容量%当たり30容量
%以下であり、好ましくは25容量%以下、特に25〜3容
量%である。防汚剤の添加量が30容量%を超えると、防
汚塗膜の強度及び被塗物への密着性が低下する。
【0034】(3) 着色顔料 着色顔料の含有量は、塗料固形分100 容量%当たり4容
量%以下である。着色顔料の添加量が4容量%を超える
と、膜厚判定作用が消失する。
【0035】(E) その他の成分 本発明の膜厚判定防汚塗料は、上記樹脂成分、防汚剤及
び着色顔料の他に、以下のような体質顔料、有機溶剤、
防汚剤溶出調整剤、可塑剤、添加剤等を含有してもよ
い。
【0036】(1) 体質顔料 体質顔料としては、タルク、クレー、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。体質
顔料の含有量は、着色顔料による下地隠蔽作用を妨害し
ない範囲とし、具体的には30容量%以下とするのが好ま
しい。
【0037】(2) 有機溶剤 有機溶剤としては、塗料において広く使用されている有
機溶媒又はその混合物を使用することができる。好まし
い例としては、例えばトルエン又はキシレン等の芳香族
炭化水素、n-ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、
主として脂肪族炭化水素よりなる若干の芳香族炭化水素
を有する種々の沸点範囲の石油留分、酢酸ブチル、アセ
チレングリコールジアセテート、2−エトキシエチルア
セテート等のエステル類、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、及びブチルアルコール等のアルコール類、エ
チレングリコールモノブチルエーテル等のエーテル類等
が挙げられる。
【0038】(3) 防汚剤溶出調整剤 防汚剤溶出調整剤としては、ロジン、及び金属ロジネー
ト(銅塩、亜鉛塩等)、ロジンアミン、ロジンアミド等
のロジン誘導体、塩素化パラフィン、ポリビニルエーテ
ル、ポリプロピレンセバケート、部分水添ターフェニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル
エステル、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリ
オール、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニ
ル樹脂等が挙げられる。
【0039】(4) 可塑剤 可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジメチルフ
タレート、ジシクロヘキシルフタレート等のフタル酸系
可塑剤、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジブチ
ル等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、ジエチレン
グリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールアル
キルエステル等のグリコールエステル系可塑剤、トリ
クレジルリン酸、トリクロロエチルリン酸等のリン酸エ
ステル系可塑剤、エポキシ化大豆油、エポキシステア
リン酸オクチル等のエポキシ系可塑剤、ジオクチル錫
ラウリレート、ジブチル錫ラウリレート等の有機錫系可
塑剤、その他トリメリット酸トリオクチル、樟脳、ト
リアセチレン等が挙げられる。
【0040】(5) 添加剤 添加剤としては、常用の紫外線吸収剤、表面調整剤、粘
度調整剤、レベリング剤、顔料分散剤、消泡剤等が挙げ
られる。
【0041】[2] 色差 膜厚判定防汚塗料は、(a) 被塗物に対して20以上の色差
を有する必要があるとともに、目標乾燥膜厚の塗膜に対
して、(b) (目標乾燥膜厚−50)μm未満の乾燥膜厚の
塗膜が2以上の色差を示し、かつ(c) (目標乾燥膜厚+
50)μm超の乾燥膜厚の塗膜が1未満の色差を示す必要
がある。なお、色差の測定はSMカラーコンピュータ
(型式SM−7CH、スガ試験機(株)製)等の色差計
を使用して、一般に認められた方法で行うことができ
る。
【0042】(1) 被塗物との色差 膜厚判定防汚塗料自身と被塗物との色差が20未満である
と、膜厚判定防汚塗料の膜厚が規定(目標)膜厚に近づ
くにつれて被塗物との色差が変化する様子を目視で確認
するのが困難である。色差の変化を目視で確認するのを
容易にするのには、膜厚判定防汚塗料自身と被塗物との
色差を30以上とするのが好ましい。
【0043】(2) (目標乾燥膜厚−50)μm未満の乾燥
膜厚の塗膜との色差 (目標乾燥膜厚−50)μm未満の乾燥膜厚の塗膜は塗装
完了直前の塗膜であるから、その時点でも目標乾燥膜厚
の塗膜の色調に対して若干の色差がなければ、目標乾燥
膜厚に達したか否かをチェックできない。従って、目標
乾燥膜厚の塗膜と(目標乾燥膜厚−50)μm未満の乾燥
膜厚の塗膜との色差は2以上である必要がある。しか
し、その時の色差が大きすぎると、目標乾燥膜厚の塗膜
でも被塗物の被覆が不十分であり、実際には色むらが著
しくなる。そのため、この色差の上限は10であるのが好
ましく、より好ましくは5である。
【0044】(3) (目標乾燥膜厚+50)μm超の乾燥膜
厚の塗膜との色差 (目標乾燥膜厚+50)μm超の乾燥膜厚の塗膜は塗装完
了直後の塗膜であるから、その時点で目標乾燥膜厚の塗
膜の色調に対して色差ができるだけ小さくなければなら
ない。従って、目標乾燥膜厚の塗膜と(目標乾燥膜厚+
50)μm超の乾燥膜厚の塗膜との色差は1未満である必
要がある。好ましい色差は0.5 未満である。
【0045】[3] 塗装方法 本発明の膜厚判定防汚塗料の塗装の態様としては、被塗
物に防食・防錆塗料又は防汚塗料、及び/又は異色
の膜厚判定防汚塗料を塗布した後で塗装する方法が挙げ
られる。いずれの方法においても、塗装中の塗膜と被塗
物(又は下地)との色差の変化を目視で確認しながら、
規定(目標)膜厚に達するまで膜厚判定防汚塗料の塗装
を行う。具体的には、塗装中の膜厚判定塗膜がウエット
のうちに、被塗物又は下層(防食・防錆塗料層又は異色
の膜厚判定防汚塗膜)との色差の変化を目視により観察
し、塗装中の膜厚判定防汚塗膜が規定の膜厚に達したか
否かを判定する。色差の変化は塗膜の状態(ウエット又
は乾燥)に依存しないので、ウエット時に観察すれば、
その結果はそのまま乾燥塗膜の膜厚に適用できる。
【0046】(1) 被塗物 被塗物としては、非処理鋼材、ブラスト処理鋼材、酸処
理鋼材、亜鉛メッキ鋼材、ステンレス鋼材等の鋼材、ア
ルミニウム(合金)材、銅(合金)材等の非鉄金属材、
コンクリート等が挙げられる。またこれらの鋼材及び非
鉄金属材には溶接線があっても良い。
【0047】(2) 下塗りとしての防食・防錆塗料又は防
汚塗料の塗装 船舶や導水管、橋梁等に使用する防食・防錆塗料や、防
汚塗料との付着を良好にするバインダー用塗料であれ
ば、いずれの塗料を下塗りとして用いても良い。また一
般に用いられる防汚塗料を下塗りに用いても良い。また
塗り替え時に既に被塗物に塗装されている防汚塗膜上に
本発明の膜厚判定防汚塗料を塗装しても良い。さらに異
色の膜厚判定防汚塗料を塗装した後でも良い。
【0048】下塗り塗膜面に異色の膜厚判定防汚塗料を
塗布する場合には複層塗膜となる。このとき上層の膜厚
判定防汚塗料が満たすべき色差の条件のうち、被塗物と
の色差は下層の塗膜との色差とする。すなわち、上層は
(a) 下層に対して20以上の色差を有する必要があるとと
もに、目標乾燥膜厚の塗膜に対して、(b) (目標乾燥膜
厚−50)μm未満の乾燥膜厚の塗膜が2以上の色差を示
し、かつ(c) (目標乾燥膜厚+50)μm超の乾燥膜厚の
塗膜が1未満の色差を示す必要がある。
【0049】
【実施例】本発明を以下の実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】実施例1〜9 表1に示す組成の原料を混合し、膜厚判定防汚塗料1〜
5を作製した。
【0051】 表1 膜厚判定防汚塗料の組成 塗料1 塗料2 塗料3 塗料4 塗料5 成分(容量%) ピンク レッド レッド ブルー ブルー 防汚剤 亜酸化銅(1) − − 1.07 − 0.63 有機防汚剤(2) 6.75 6.56 4.44 6.66 5.38 割合(3) 18.17 18.02 15.55 17.86 16.67 着色顔料 アゾレッド(4) 0.18 0.83 0.45 − − フタロシアニンブルー − − − 0.40 0.29 割合(5) 0.48 2.28 1.27 1.07 0.80 硫酸バリウム 2.83 2.75 1.43 2.79 1.99 可塑剤(6) 3.65 3.55 3.69 3.59 3.67 ダレ止め剤(7) 3.65 3.55 3.69 3.59 3.67 アクリル樹脂ワニス(8) 55.52 53.10 56.85 55.78 56.34キシレン 27.42 29.66 28.38 27.19 28.03 合計 100.00 100.00 100.00 100.00 100.00 注:(1) 無機系防汚剤。 (2) N,N-ジメチルジクロロフェニル尿素(商品名:プリベントールA6、バ イエル社製)。 (3) 塗料固形分に対する容量%。 (4) 着色顔料(商品名:フジファーストレッド2200、冨士色素株式会社製) 。 (5) 塗料固形分に対する容量%。 (6) ジオクチルフタレート(商品名:三菱瓦斯化学株式会社製)。 (7) 固形分20%、溶剤を含んだ容量を表示。 (8) 商品名:NT100 、日東化成株式会社製、固形分50%。
【0052】 防錆塗料として「ラバコート1号ライトブラウン」
(日本ペイント(株)製)を150 μm塗装した鋼板(塗
装鋼板I)、防錆塗料として「NOA A/CIシルバー」
(日本ペイント(株)製)を120 μm塗装した鋼板(塗
装鋼板II)、及び一般の防汚塗料である「エコロフレ
ックスSPC200 レッドブラウン」(日本ペイント(株)
製)を上層塗料として100 μmの厚さに塗装し、実際の
海水に1年間浸漬した塗装鋼板を高圧水洗し、乾燥した
塗板(塗装鋼板III )をそれぞれ準備した。
【0053】いずれも目標乾燥膜厚を125 μmとして、
エアレススプレー塗装法により、塗装鋼板I上に膜厚判
定防汚塗料1、3及び5を塗装し、また塗装鋼板II上に
膜厚判定防汚塗料2、3及び4を塗装し、さらに塗装鋼
板III 上に膜厚判定防汚塗料2、4及び5を塗装し、次
いでそれぞれ48時間室温に放置して乾燥させた。各膜厚
判定防汚塗料の乾燥膜厚は、50μm、75μm、100 μ
m、125 μm、150 μm及び175 μmの6通りであっ
た。なお膜厚判定防汚塗料の乾燥膜厚はペイントボァラ
ー518 (エリクセン社製)により測定した。
【0054】得られた各塗膜について、色差計としてS
Mカラーコンピュータ(型式SM−7CH、スガ試験機
(株)製)を使用して、下地塗膜(I,II,III )との
色差、及び目標乾燥膜厚の塗膜との色差ΔEをそれぞれ
測定し、また塗膜状態を目視により観察した。結果を表
2に示す。
【0055】 表2 項目 実施例1 実施例2 実施例3 下地塗料(1) 塗装鋼板 I I I 色相 ライトブラウン ライトブラウン ライトブラウン マンセル値(2) 7.2R 5.9/1.5 7.2R 5.9/1.5 7.2R 5.9/1.5 膜厚判定防汚塗料 種類 1 3 5 色相 ピンク レッド ブルー マンセル値(2) 9.8RP 5.8/10.9 2.1R 4.1/9.0 9.7B 4.4/6.6 色差(3) 39 36 34 膜厚(4) ΔE 目視(5) ΔE 目視(5) ΔE 目視(5) 50μm 4.6 ◎ 4.5 ◎ 4.9 ◎ 75μm 2.2 ○ 2.4 ○ 2.7 ○ 100μm 1.0 △ 1.2 △ 1.5 △ 125μm 0.0 × 0.0 × 0.0 × 150μm 0.3 × 0.4 × 0.4 × 175μm 0.5 × 0.6 × 0.7 × 注:(1) 「ラバコート1号ライトブラウン」。 (2) マンセル記号(色相 明度/彩度)。 (3) 下地塗料と膜厚判定防汚塗料との色差。 (4) 乾燥膜厚。 (5) 目視判定基準 ◎:全体的にスケている。 ○:かなりスケが目立つ。 △:ほぼ隠蔽しているが、僅かにスケがある。 ×:完全に隠蔽している。
【0056】 表2(続き) 項目 実施例4 実施例5 実施例6 下地塗料(1) 塗装鋼板 II II II 色相 シルバー シルバー シルバー マンセル値(2) 4.4PB 6.7/0.7 4.4PB 6.7/0.7 4.4PB 6.7/0.7 膜厚判定防汚塗料 種類 2 3 4 色相 レッド レッド ブルー マンセル値(2) 3.3R 4.7/13.1 2.1R 4.1/9.0 1.2PB 4.8/9.7 色差(3) 59 45 44 膜厚(4) ΔE 目視(5) ΔE 目視(5) ΔE 目視(5) 50μm 4.8 ◎ 5.0 ◎ 4.7 ◎ 75μm 2.4 ○ 2.5 ○ 2.5 ○ 100μm 1.1 △ 1.3 △ 1.2 △ 125μm 0.0 × 0.0 × 0.0 × 150μm 0.3 × 0.4 × 0.2 × 175μm 0.6 × 0.7 × 0.8 × 注:(1) 「NOA A/CIシルバー」。 (2) 〜(5) 同上。
【0057】 表2(続き) 項目 実施例7 実施例8 実施例9 下地塗料(1) 塗装鋼板 III III III 色相 レッドブラウン レッドブラウン レッドブラウン マンセル値(2) 8.7R 3.9/5.1 8.7R 3.9/5.1 8.7R 3.9/5.1 膜厚判定防汚塗料 種類 2 4 5 色相 レッド ブルー ブルー マンセル値(2) 3.3R 4.7/13.1 1.2PB 4.8/9.7 9.7B 4.4/6.6 色差(3) 35 58 44 膜厚(4) ΔE 目視(5) ΔE 目視(5) ΔE 目視(5) 50μm 4.3 ◎ 4.5 ◎ 4.2 ◎ 75μm 2.4 ○ 2.2 ○ 2.0 ○ 100μm 1.3 △ 1.1 △ 1.2 △ 125μm 0.0 × 0.0 × 0.0 × 150μm 0.4 × 0.3 × 0.3 × 175μm 0.8 × 0.7 × 0.6 × 注:(1) 「エコロフレックスSPC200 レッドブラウン」。 (2) 〜(5) 同上。
【0058】比較例1〜4 実施例と同じ塗装鋼板I,II,III の各々に、目標乾燥
膜厚を125 μmとして、エアレススプレー塗装法により
下記4種類の防汚塗料を塗装し、次いでそれぞれ48時間
室温に放置して乾燥させた。各膜厚判定防汚塗料の乾燥
膜厚は、50μm、75μm、100 μm、125 μm、150 μ
m及び175 μmの6通りであった。
【0059】塗料6:「エコロフレックスSPC200 レッ
ドブラウン」(日本ペイント(株)製)。 塗料7:「アルフレックス ブルー」(日本ペイント
(株)製)。 塗料8:「エコロフレックスSPC200 ダークブラウン」
(日本ペイント(株)製)。 塗料9: ダークブラウン成分(容量%) 亜酸化銅(1) 7.70 有機防汚剤(2) 4.32 酸化チタン 1.02 フタロシアニンブルー 0.96 可塑剤(3) 2.77 ダレ止め剤(4) 4.15 アクリル樹脂ワニス(5) 56.88キシレン 22.20 合計 100.00 着色顔料の割合:4.80容量%(6) 防汚剤の割合:29.20 容量%(6) 注:(1) 無機系防汚剤。 (2) N,N-ジメチルジクロロフェニル尿素(商品名:プリ
ベントールA6、バイエル社製)。 (3) ジオクチルフタレート(商品名:三菱瓦斯化学株式
会社製)。 (4) 固形分20%、溶剤を含んだ容量を表示。 (5) 商品名:NT100 、日東化成株式会社製、固形分50
%。 (6) 塗料固形分に対する容量%。
【0060】得られた各塗膜について、実施例と同じ評
価を実施した。結果を表3に示す。
【0061】 表3 項目 比較例1 比較例2 比較例3 下地塗料(1) 塗装鋼板 I II III 色相 ライトブラウン シルバー レッドブラウン マンセル値(2) 7.2R 5.9/1.5 4.4PB 6.7/0.7 8.7R 3.9/5.1 膜厚判定防汚塗料 種類 6 7 8 色相 レッドブラウン ブルー ダークブラウン マンセル値(2) 5.5R 3.8/5.4 2.2PB 4.4/8.8 4.9R 3.7/5.5 色差(3) 25 43 25 膜厚(4) ΔE 目視(5) ΔE 目視(5) ΔE 目視(5) 50μm 0.4 × 0.3 × 0.5 × 75μm 0.2 × 0.2 × 0.3 × 100μm 0.1 × 0.1 × 0.2 × 125μm 0.0 × 0.0 × 0.0 × 150μm 0.1 × 0.1 × 0.1 × 175μm 0.1 × 0.1 × 0.1 × 注:(1) 塗装鋼板I:「ラバコート1号ライトブラウン」。 塗装鋼板II:「NOA A/CIシルバー」。 塗装鋼板III :「エコフレックスSPC200 レッドブラウン」。 (2) 〜(5) 同上。
【0062】表3(続き)項目 比較例4 下地塗料(1) 塗装鋼板 II 色相 シルバー マンセル値(2) 4.4PB 6.7/0.7 膜厚判定防汚塗料 種類 9 色相 ダークブラウン マンセル値(2) 4.9R 3.7/5.5 色差(3) 56 膜厚(4) ΔE 目視(5) 50μm 0.4 × 75μm 0.3 × 100μm 0.1 × 125μm 0.0 × 150μm 0.1 × 175μm 0.1 × 注:(1) 塗装鋼板I:「ラバコート1号ライトブラウ
ン」。 塗装鋼板II:「NOA A/CIシルバー」。 塗装鋼板III :「エコフレックスSPC200 レッドブラウ
ン」。 (2) 〜(5) 同上。
【0063】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の防汚塗膜
の形成方法によれば、塗膜が目標乾燥膜厚に達したか否
かを簡単に判定することができ、また規定膜厚が被塗物
全体にほぼ均一になるよに、防汚塗料を塗装することが
できる。これにより、従来しばしば発生した膜厚不足に
よる問題点(防汚性の不足による被塗物面への生物の付
着)を防止することができる。従って、本発明の方法に
より防汚塗膜を形成すれば、船舶の航行状のトラブルや
導入管の生物付着によるトラブルを防止することができ
る。
【0064】さらに本発明の防汚塗膜の形成方法によれ
ば煩雑な膜厚測定を行う必要がないので、塗装工程にお
ける工数の大幅な低減が図れるとともに、過剰な膜厚も
防止することができ、もって塗料の節約にもなる。さら
に本発明の防汚塗膜の形成方法は、特に船舶の外面等、
クレーンつり下げ足場によらなくてはならないような塗
装が著しく困難な部位でも、正確に目標乾燥膜厚を有す
る均一な防汚塗膜を得ることができるという利点を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 肥後 清彰 大阪府寝屋川市池田中町19−17 日本ペイ ントマリン株式会社寝屋川研究所内 Fターム(参考) 4D075 AE03 CA33 CA34 DA06 DB02 DB12 DB31 DC08 EA02 EB08 EB15 EB22 EB35 EB42 EC01 EC11 EC54 4J038 BA231 CD021 CD091 CG141 DD001 DL031 EA011 HA216 KA08 NA05 PC02 PC04 PC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗物上にほぼ均一に60μm以上の目標
    乾燥膜厚を有する防汚塗膜を形成する方法において、塗
    料固形分に対して、少なくとも1種の無機系又は有機系
    の防汚剤の含有量が30容量%以下で、着色顔料の含有量
    が4容量%以下の防汚塗料を膜厚判定防汚塗料として使
    用し、かつ下記条件: (a) 前記膜厚判定防汚塗料と前記被塗物との色差が20以
    上、(b) 前記目標乾燥膜厚の塗膜と(目標乾燥膜厚−5
    0)μm未満の乾燥膜厚の塗膜との色差が2以上、及び
    (c) 前記目標乾燥膜厚の塗膜と(目標乾燥膜厚+50)μ
    m超の乾燥膜厚の塗膜との色差が1未満を満たすよう
    に、前記膜厚判定防汚塗料中の前記着色顔料の含有量を
    調整することを特徴とする防汚塗膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の防汚塗膜の形成方法に
    おいて、前記被塗物上に下塗り層として防食・防錆塗
    料又は防汚塗料、及び/又は異色の膜厚判定防汚塗料
    が塗布されていることを特徴とする防汚塗膜の形成方
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の防汚塗膜の形成
    方法において、前記被塗物が鋼材、プラスチック又はコ
    ンクリート製であることを特徴とする防汚塗膜の形成方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の防汚塗
    膜の形成方法において、前記膜厚判定防汚塗料が、樹脂
    成分として、ロジン、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル・
    ビニルイソブチルエーテル共重合体、シリコーン樹脂、
    フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及び加
    水分解型のアクリル変性樹脂又はポリエステル変性樹脂
    からなる群から選ばれた少なくとも1種を含有し、前記
    加水分解型のアクリル変性樹脂又はポリエステル変性樹
    脂は側鎖に下記一般式(1) : −COO−M−Yy ・・・(1) (ただしyはMの原子価数−1であり、MはCu、Zn、Si
    及びSnからなる群から選ばれた少なくとも1種の金属
    (yが2以上の場合、同じでも異なっていてもよい。)
    を表し、Yはアルキル基、水酸基、OOCR1 で表され
    る基(ただしR1 は炭素数10以上の炭化水素基を表
    す。)、又はR2 −CO−CH2 −CO−R3 で表され
    る基(ただしR2 はアルキレン基又はフェニル誘導体か
    らなる2価の基であり、R3 はアルキル基又はフェニル
    誘導体からなる1価の基である。)を表す)、下記一般
    式(2) : −N=CHR4 ・・・(2) (ただしR4 は炭素数6以上の炭化水素を表す。)、又
    は下記一般式(3) : −SO3 −NH−R5 ・・・(3) (ただしR5 は水素原子又はアルキル基を表す。)によ
    り表される基を有することを特徴とする防汚塗膜の形成
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の防汚塗
    膜の形成方法において、前記無機系防汚剤は亜酸化銅、
    ロダン銅及び亜鉛華からなる群から選ばれた少なくとも
    1種であり、前記有機系防汚剤は金属含有有機化合物又
    は金属非含有有機化合物であることを特徴とする防汚塗
    膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の防汚塗
    膜の形成方法において、前記膜厚判定防汚塗料と前記被
    塗物との色差が30以上であることを特徴とする防汚塗膜
    の形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の防汚塗
    膜の形成方法において、(b) 前記目標乾燥膜厚の塗膜と
    (目標乾燥膜厚−50)μm未満の乾燥膜厚の塗膜との色
    差が3以上、及び(c) 前記目標乾燥膜厚の塗膜と(目標
    乾燥膜厚+50)μm超の乾燥膜厚の塗膜との色差が0.5
    未満であることを特徴とする防汚塗膜の形成方法。
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