JP2000005578A - 二酸化炭素分離膜 - Google Patents

二酸化炭素分離膜

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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 速い水素または窒素ガス透過速度をもってか
つ高温下で高精度に二酸化炭素ガスを他の成分より分離
することができ、さらに機械的強度においても十分で、
かつ製造コストおよび製造の容易さの面からも有利な二
酸化炭素分離膜を提供する。 【解決手段】 多孔質基材表面に珪素化合物と有機高分
子からなる有機−無機複合体ゾルをコーティングしたゲ
ル膜を焼成して得られた複合膜から成り、室温から40
0℃までの範囲で分離作用を有することを特徴とする二
酸化炭素分離膜。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水素と二酸化炭素の
分離に関する。詳しく述べると本発明は、環境問題を背
景に火力発電システムにおける二酸化炭素排出量の低減
を目的に、主にLNGを改質した原料ガス中から効率よ
く二酸化炭素を回収するためにガス分離膜としての用途
の他、広く混合気体中から二酸化炭素ガスを分離可能と
する二酸化炭素分離膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】二酸化炭素と水素を含有ガスから一方の
みを分離・回収する方法としては、溶液(アミン)吸収
法、吸着法、または深冷分離法などで二酸化炭素を吸着
除去する方法や、有機または無機のガス分離膜によって
二酸化炭素あるいは水素を拡散分離する方法などがあ
る。
【0003】気体分子のように分子径が非常に小さくか
つ分子によって大きさにあまり差のないような物質を分
離しようとする場合、分子径に匹敵する微細な空孔を有
する膜によるふるいわけ、いわゆる分子ふるい作用が有
効な手段であるが、無機膜では製膜性が悪く、亀裂やピ
ンホールの発生が抑えられないため、無機膜を修飾した
複合膜によるガス分法が特に注目されている。
【0004】水素分離膜としては、ポリイミドやポリス
ルホンなどの有機高分子膜、多孔質ガラスや多孔質セラ
ミックスなどの無機多孔質膜、およびパラジウムまたは
パラジウム合金膜などが従来知られている。
【0005】このうち、有機高分子膜は耐熱性や高温時
での分離効率の低下に問題があり、さらに無機多孔質膜
においても分離効率が低い欠点があり、さらにパラジウ
ムまたはパラジウム合金膜においては耐熱性もあり、ま
た極めて高純度の水素を得ることができるが、耐久性や
薄膜製造技術の難しさなどの問題がある。
【0006】前述したような分子ふるい作用において
は、微細孔を気体分子が透過する過程は律速になるた
め、膜厚はできるだけ薄くする必要があるが、透過の駆
動力となる圧力に耐え得る程度の機械的強度も必要とな
るため、一般的に分離膜は多孔質基材上にコーティング
ないし形成された形態を有するものとされている。微視
的にはこのコーティングはまず表面の凹凸をなくすよう
に堆積され、完全に表面が平滑になるまでに数回のコー
ティングないし十分厚膜のコーティングを要する。さら
に気体分子のふるい分けにあっては、微細且つ均一な細
孔が膜表面に一様に分布しているのが望ましく、亀裂や
ピンホールといった欠陥の存在は分離性能を著しく低下
させる原因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、上
記したような従来技術における問題点を解決してなる新
規な二酸化炭素分離膜を提供することを目的とするもの
である。本発明はさらに、分子ふるい作用によって、速
い水素透過速度をもってかつ高精度に二酸化炭素ガスを
水素あるいは窒素といった他の成分より分離することの
できるガス分離膜を提供することを目的とするものであ
る。本発明はさらに機械的強度においても十分で、かつ
製造コストおよび製造の容易さの面からも有利な二酸化
炭素分離膜を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、多孔質基材上に、ゾル−ゲル法により形成さ
れたポリシロキサン骨格と有機ポリマー骨格とを有する
有機−無機複合体被膜を有することを特徴とする二酸化
炭素分離膜である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施態様に基づき
詳細に説明する。
【0010】本発明においては、分離作用膜として化学
的に安定で取り扱いが容易なシロキサン結合鎖をベース
とした複合膜を適用する。亀裂やピンホールの無い均一
な微細孔を作製するためにいわゆるゾル−ゲル法を応用
し、無機−有機ポリマーハイブリッドからの製膜によっ
て当該複合膜を形成する。
【0011】水素結合の優れた受容体であるアミド基を
有する有機高分子とシリカゾルないしはシリコーンゾル
とのポリマーハイブリッドにより、分子レベルの細孔径
を有する均一な膜が得られるものである。このようなハ
イブリッドゲルを還元雰囲気で例えば室温〜400℃程
度の温度まで徐加熱すると、400℃においても有機成
分がシリカ膜中に取り込まれ、二酸化炭素に対して透過
律速をもたらしかつ柔軟性に富んだ複合膜が得られるこ
とが期待できる。
【0012】本発明に係るガス分離膜における多孔質基
材としては、アルミナ、シリカ、シリカ−アルミナ、ム
ライト、コージェライト、ジルコニア、バイコール、グ
ラファイトなど当分野において基材として一般的に用い
られる材料のいずれのものを用いることも可能である
が、有孔性に優れ、熱的および化学的に安定でかつコス
ト面においても有利なアルミナが望ましい。この多孔質
基材の平均孔径は、特に限定されるものではないが、1
μm程度、空孔率30〜50%、特に35℃程度が望ま
しい。また基材の肉厚としては1〜1.5mm程度が適
当である。
【0013】このような多孔質基材表面に形成される分
離作用膜は、いわゆるゾル−ゲル法によってポリシロキ
サン骨格と有機ポリマー骨格とを有する有機−無機複合
体からなる複合膜である。
【0014】このような複合膜を形成するのに用いられ
るゾルは、有機高分子と、加水分解・重縮合可能な基を
有する珪素化合物を加水分解ないしはさらに重縮合して
得られるゾルとからなるハイブリッドであり、このゾル
を皮膜形成(ゲル化)し、焼成して有機無機複合体被膜
を得る。
【0015】本発明の有機質−無機質複合体被膜の製造
において用いられる珪素化合物は、一般式(I) RnSiX4-n (式中Rは、C1 〜C20の有機基、Xは加水分解性基、
nは0〜3の整数である。なお、nが2以上の場合は、
複数のRは同一であっても異なっても良く、また4−n
が2以上の場合は複数のXは同一であっても異なっても
良い。)で表される化合物およびその低縮合物からなる
群から選ばれてなる少なくとも1種のものである。
【0016】前記一般式(I)で表される化合物は、加
水分解性基Xを1〜4個有するものであり、加水分解性
基Xとしては、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルオ
キシ基から選ばれる1価の基が好ましい。これらの加水
分解性基は、水により加水分解し、さらに縮合すること
によりポリシロキサンの生成が可能であるためにこの発
明に使用される。さらに前記一般式(I)におけるX
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などといっ
たC1 〜C5 のアルコキシ基であることが望ましい。
【0017】上記一般式(I)におけるRは、C1 〜C
20の有機基である。この有機基としては、メチル基、エ
チル基、プロピル基などといったC1 〜C20のアルキル
基;フェニル基、メチルフェニル基などといったC1 〜
C20のアリール基(アルキルアリール基を含む);さら
に、アクリロキシアルキル基、メタクリロキシアルキル
基、ビニル基、イソプロペニル基、1−アルケニル基、
またはイソアルケニル基などのラジカル重合性基を含有
してなるC2 〜C20などが含まれ、またさらにこれらは
グリシドキシ基、メルカプト基、アミノ基などの置換基
を有していてもよい。
【0018】前記一般式(I)で表わされる化合物の具
体例としては、上記一般式(I)におけるn=0である
場合、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ
シラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシ
シラン、ジメトキシジエトキシシラン等のテトラアルコ
キシシラン化合物;テトラアセトキシシラン等のテトラ
アシルオキシシラン化合物等が、またn=1である場合
は、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピ
ルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、フェニルトリメトキシシラン、1−ヘキセニ
ルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセ
トキシシラン等のオルガノトリアルコキシシラン化合
物、オルガノトリアシルオキシシラン化合物等が、また
n=2である場合は、例えば、ジメトキシジメチルシラ
ン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラ
ン、ジメトキシジフェニルシラン、ジアセトキシジメチ
ルシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ビス(γ−ア
クリロキシプロピル)ジメトキシシラン、γ−メタクリ
ロキシプロピルエチルジメトキシシラン、ジメチルジア
セトキシシラン、フェニルメチルジアセトキシシラン等
のジオルガノジアルコキシシラン化合物、ジオルガノジ
アシルオキシシラン化合物等が、さらにn=3である場
合には、例えば、トリメチルメトキシシラン、トリメチ
ルエトキシシラン、トリス(γ−アクリロキシプロピ
ル)メトキシシラン、ビス(γ−アクリロキシプロピ
ル)ビニルメトキシシラン、ビス(γ−メタクリロキシ
プロピル)ビニルメトキシシラン、γ−アクリロキシプ
ロピルジエチルメトキシシラン、γ−アクリロキシプロ
ピルジエチルエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルジエチルメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルジエチルエトキシシラン、アセトキシトリメチルシ
ラン等のトリオルガノアルコキシシラン化合物、トリオ
ルガノアシルオキシシラン化合物等がそれぞれ例示でき
るが、もちろんこれらに何ら限定されるものではない。
【0019】本発明においては、これらの珪素化合物の
うち上記一般式(I)においてn=0の化合物Si
4 、および/または上記一般式(I)においてn=1
の化合物RSiX3 を主として用いることが、望まし
く、特にこのシリコン化合物がSiX4 とRSiX3
の混合物であり、かつSiX4 50wt%、RSiX3
50wt%の割合で配合されていることが好ましい。
【0020】また、一般式(I)で表されるシリコン化
合物のうち、n=0の化合物SiX 4 として特に好まし
くは、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、
あるいはこれらの低縮合物等であり、またn=1の化合
物RSiX3 としては、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、
メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシ
シラン、あるいはこれらの低縮合物等である。
【0021】一方、本発明に係る有機無機複合体被膜を
形成するのに用いられる有機高分子としては、水素結合
の優れた受容体であるアミド基を含む有機高分子である
ことが好ましく、例えばポリビニルピロリドン、ポリジ
メチルアクリルアミド、ポリオキサゾリン等が例示でき
る。なお、これらのアミド基を含有する有機高分子は、
上記したような珪素化合物が加水分解・重縮合して形成
されるポリシロキサン骨格中に含まれる水酸基と当該ア
ミド基が水素結合により結合して複合化され得る物であ
る。
【0022】しかして、上記したような珪素化合物の加
水分解・重縮合反応は、一括、分割、連続等の任意の方
法を採用することができ、また有機高分子の添加時期も
特に限定されるものではない。
【0023】例えば、前記有機高分子の存在下に、上記
一般式(I)で表される化合物ないしそ低縮合物からな
る群から選ばれてなる少なくとも1種の加水分解・縮合
可能な珪素化合物を酸の存在下で加水分解して、有機高
分子と珪素化合物の加水分解物とからなるハイブリット
ゾルを調製し、これを多孔質基材表面に塗布、乾燥後、
還元雰囲気で徐加熱して複合膜を得ることができる。こ
こで、前記珪素化合物と前記有機高分子の配合割合とし
ては、珪素化合物100重量部に対して、有機高分子数
〜十数重量部、より好ましくは2重量部以下の割合であ
ることが好ましい。
【0024】加水分解工程において用いられる酸触媒と
しては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、炭酸等の無機酸、
蟻酸、酢酸、プロピオン酸、モノクロロ酢酸、シュウ
酸、クエン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ラウリル
硫酸、ラウリン酸、ステアリル酸、p−トルエンスルホ
ン酸等の有機酸が例示できる。
【0025】また、溶媒中には、水や酸触媒以外の有機
溶剤が存在していてもよい。有機溶剤の具体例として
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−
ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、t
−ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等のアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、酢酸エチル等のエステル類、イソオクタン、シクロ
ヘキサン等の(シクロ)パラフィン類、ジオキサン、ジ
エチルエーテル等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等
の芳香族炭化水素類等が単独で、または、混合して用い
られる。
【0026】この加水分解工程は、例えば、上記した珪
素化合物および必要に応じて添加され有機高分子または
その有機溶剤溶液を、水を含む媒体に添加し、80〜9
0℃の範囲で1〜2時間程度還流することによって行わ
れる。
【0027】なお、ハイブリッドゾルを調製する方法と
しては、前記したように上記に例示した酸触媒を使用し
た方法に限定されるものではなく、これ以外にも、例え
ば、塩基性触媒を使用して加水分解と重縮合とを同時進
行させる方法等の公知の種々の態様を採択し得る。
【0028】このようにしてハイブリットゾルが調製で
きたら、これを多孔質基材表面に例えば、乾燥膜厚で数
μm程度となるように塗布、乾燥後、例えば、H2 等の
還元雰囲気で徐加熱して複合膜を得ることができる。
【0029】このようにして得られる本発明に係る二酸
化炭素分離膜は、有機ポリマーの添加により欠陥のない
緻密な膜が形成され、かつ膜中に存在する有機物が二酸
化炭素の透過律速を引き起こし、二酸化炭素と水素、窒
素といった他のガス成分との分離を可能にするもであ
り、本ガス分離膜は400℃においても十分な二酸化炭
素分離機能を有し、かつ耐熱性にも優れるものであっ
て、室温域(0℃程度)から400℃程度といった高温
域に渡り、水素と二酸化炭素、あるいは窒素と二酸化炭
素との分離を可能とするものである。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0031】本発明に係る複合膜の合成法として、テト
ラエトキシシランとメチルトリメトキシシランを同量3
0mgとり、少量のイオン交換水5mlと希塩酸0.1
mlを加えて撹拌し、これにポリビニルピロリドンの1
重量%エタノール溶液30mlを加えて2時間還流する
ことによりハイブリッドゾルを調製し、これを多孔質基
材アルミナ表面に塗布、乾燥後、還元雰囲気で400℃
まで徐加熱して複合膜を得る。図1はシリカと有機ポリ
マーからなるゲルの示差熱分析結果、図2はFT−IR
分析の結果であり、400℃の焼成においてもポリマー
は完全に除去されることは無く、シリカ膜中に残存する
ことを示すものである。図1で、ゲルを空気中で熱処理
すると、熱分解による示差熱が現れるが、還元雰囲気中
で熱処理したゲルでは示差熱が現れるが、還元雰囲気中
で熱処理したゲルでは示差熱はみられない。図2は、シ
リカと有機ポリマーからなるゲルの熱処理前のIRスペ
クトル(a)、還元雰囲気中400℃で熱処理したもの
のIRスペクトル(b)、および空気中600℃て熱処
理したもののスペクトルIR(c)を表す。図2中
(a)と(b)はほぼ同一のスペクトルであり(c)と
は異なることから、熱処理前のゲルと還元雰囲気中40
0℃で熱処理したゲルとは、定性的に一致することを示
す。図3および4は上記方法により合成した複合膜によ
る瓦斯透過試験の結果である。透過速度は単位あたりの
膜を介した流速を圧力で規格化したものと定義される。
二酸化炭素、水素、窒素それぞれのガスについて透過速
度を測定し、この透過速度の比から膜の分離性能を評価
すると、水素及び窒素は10-7mol/m2 ・s・Pa
の速度で膜を透過するが、二酸化炭素は10-9〜10
-10 mol/m2 ・s・Paであり、透過速度比から二
酸化炭素と他のガスとは分離可能であることが示され
た。また400℃における膜の耐熱性を評価するため
に、図4に示す通り透過速度と時間との関係を調べた。
図から、当該分離膜を400℃下に720時間保持して
もガスの透過速度は殆ど変化せず、膜に十分な耐熱性の
あることが明らかとなった。以上の結果から、当該ガス
分離膜は有機ポリマーの添加により欠陥のない緻密な膜
が形成され、かつ膜中に存在する有機物が二酸化炭素の
透過律速を引き起こし、他のガス成分と分離を可能にす
るもであり、本ガス分離膜は400℃においても十分な
二酸化炭素分離機能を有し、かつ耐熱性にも優れるもの
である。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、多孔質基材
上に、ゾル−ゲル法により形成されたポリシロキサン骨
格と有機ポリマー骨格とを有する有機−無機複合体被膜
からなり、速い水素透過速度を持ってかつ高温下で高精
度に二酸化炭素を水素または窒素より分離することが可
能であり、さらに機械的強度においても十分で、かつ製
造コストおよび製造の容易さの面からも有利なものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る有機−無機複合体ゲルの示差熱分
析(DTA)の結果である。 (a)ゲルを空気中で熱処理したDTA (b)ゲルを還元雰囲気中で熱処理したDTA
【図2】本発明に係る有機−無機複合体ゲルのFT−I
Rである。 (a)熱処理前のゲルのIRスペクトル (b)還元雰囲気中400℃で熱処理したゲルのIRス
ペクトル (c)空気中600℃で熱処理したゲルのIRスペクト
【図3】本発明に係るガス分離膜のガス透過試験結果と
して、ガス透過速度と温度との関係を示した図である。
図は、室温から400℃の範囲で、二酸化炭素、水素、
窒素の透過速度を測定したものである。
【図4】本発明に係るガス分離膜のガス透過試験結果と
して、400℃におけるガス透過速度と時間との関係を
示した図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質基材上に、ゾル−ゲル法により形
    成されたポリシロキサン骨格と有機ポリマー骨格とを有
    する有機−無機複合体被膜を有することを特徴とする二
    酸化炭素分離膜。
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