JP2000005156A - Ｘ線装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Ｘ線補償フィルタの位置をＸ線照射すること
なく設定確認し、Ｘ線被曝量を低減する。 【解決手段】 Ｘ線を被検体に照射するＸ線照射手段の
前面にＸ線照射野設定用コリメータを配置し、このＸ線
照射野設定用コリメータの上部又は下部にＸ線補償フィ
ルタ装置が配設されて前記被検体へ照射するＸ線の強度
分布を制御し、前記被検体のＸ線像を撮像するＸ線装置
において、前記Ｘ線補償フィルタ装置は複数のＸ線補償
フィルタからなり、このＸ線補償フィルタはそれぞれ独
立に平面移動及び回転可能に配設され、前記Ｘ線補償フ
ィルタはそれぞれ複数のスイッチ機構で独立に制御さ
れ、前記複数のスイッチ機構の中央部に前記Ｘ線補償フ
ィルタの設定位置を表示する設定位置表示装置が配設さ
れてなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、Ｘ線を被検体に照
射するＸ線照射手段の前面にＸ線照射野設定用コリメー
タが配置され、該Ｘ線照射野設定用コリメータの上部又
は下部に配設されたＸ線補償フィルタ装置で前記被検体
へ照射するＸ線の強度分布を制御し、前記被検体のＸ線
像を撮像するＸ線装置に関し、特に、Ｘ線補償フィルタ
（コリメータ・フィルタ）の設定位置を表示する表示装
置を操作卓に設け、Ｘ線補償フィルタを独立にかつ正確
に挿入・退避することにより、Ｘ線の被曝量低減及びＸ
線画像診断を補助するのに好適な技術に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、Ｘ線を被検体に照射するＸ線照射
手段の前面にＸ線照射野設定用コリメータが配置され、
該Ｘ線照射野設定用コリメータの近傍に配設されたＸ線
補償フィルタで前記被検体へ照射するＸ線の強度分布を
制御し、前記被検体のＸ線像を撮像するＸ線装置として
は、例えば、特開平５−２５３２１３号公報に記載され
るＸ線画像診断装置がある。このＸ線画像診断装置は、
Ｘ線像を撮像するテレビカメラから出力される透視画像
を透視画像データとして格納する透視画像記憶装置と、
該透視画像記憶装置から読み出した透視画像データの内
で、ハレーションを起こしている領域を特定する挿入領
域算出手段と、このハレーション領域の形状および位置
情報に基づいて、該当する領域にＸ線の強度分布を低減
するＸ線補償フィルタを挿入するフィルタ制御手段とか
ら構成されている。

【０００３】このＸ線画像診断装置で透視を行う場合に
は、透視によって得られた透視開始直後の透視画像デー
タから、まず、挿入領域算出手段がハレーションを起こ
している領域、すなわち、Ｘ線吸収率が低い領域を特定
していた。次に、フィルタ制御手段がこの領域情報に基
づいて、該当する領域にＸ線補償フィルタを挿入し被検
体に入射するＸ線の強度分布を変化させることによっ
て、Ｘ線像を光学像に変換するＸ線イメージインテンシ
ファイア（Ｘ線Ｉ．Ｉ．）に入射するＸ線量の範囲を制
限し出力される光学像のコントラスト幅を、光学像を電
気信号に変換するテレビカメラのダイナミックレンジ幅
よりも小さくすることによってハレーションを防止して
いた。

【０００４】一方、この従来のＸ線画像診断装置では、
Ｘ線発生手段から被検体に照射するＸ線量は、Ｘ線Ｉ．
Ｉ．の出力光の一部をフォトマル等でモニタし、その出
力光が予め設定されたレベル以下となるように、Ｘ線管
電圧およびＸ線管電流等のＸ線条件を再設定しその条件
でＸ線を照射する、いわゆる、フィードバック制御を行
うことによって、関心領域（ＲＯＩ）と呼ばれる検者が
透視対象とする領域に対するＸ線照射条件を最適化して
いた。

【０００５】このように、従来のＸ線画像診断装置で
は、Ｘ線補償フィルタ挿入直後の透視画像データに対し
て、ハレーションを防止すると共に関心領域内に対する
Ｘ線の照射条件を最適化した透視を行っていた。

【０００６】このとき、撮像されたＸ線像、すなわち、
透視画像データの内で、Ｘ線補償フィルタが挿入されて
いないものは、透視画像データをビデオ信号に変換し表
示装置に表示していた。一方、Ｘ線補償フィルタが挿入
された透視画像データに対しては、まず、フィルタ制御
手段からのＸ線補償フィルタの挿入位置情報に基づい
て、Ｘ線補償フィルタの透視画像データ上におけるＸ線
補償フィルタ位置を算出する。次に、透視画像データの
内で、Ｘ線補償フィルタ位置のデータに対して減弱分の
補正を行うことによって、Ｘ線補償フィルタが挿入され
ていない場合の透視画像データを作成し、この透視画像
データをビデオ信号に変換し表示装置に表示していた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
Ｘ線装置では、Ｘ線補償フィルタを動かす際に、Ｘ線を
照射せずにＸ線補償フィルタの位置を確認する方法が無
く、Ｘ線を発生し画像として表示して位置を確認しなけ
ればならないという問題があった。

【０００８】また、Ｘ線を照射せずにＸ線補償フィルタ
の位置を確認しながら上下左右、及び回転方向に動作す
る際の操作する方法について配慮がされていないため、
Ｘ線照射下の被検者もしくは作業者に対するＸ線被曝量
が増加するという問題があった。

【０００９】本発明の目的は、Ｘ線補償フィルタの位置
をＸ線照射することなく設定確認し、被検体もしくは作
業者に対するＸ線被曝量を低減することが可能な技術を
提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目
的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によっ
て明らかになるであろう。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、Ｘ線を被検体
に照射するＸ線照射手段の前面にＸ線照射野設定用コリ
メータが配置され、該Ｘ線照射野設定用コリメータの上
部又は下部に配設されたＸ線補償フィルタ装置で前記被
検体へ照射するＸ線の強度分布を制御し、前記被検体の
Ｘ線像を撮像するＸ線装置において、前記Ｘ線補償フィ
ルタ装置は複数のＸ線補償フィルタからなり、該Ｘ線補
償フィルタはそれぞれ独立に平面移動及び回転可能に配
設され、前記Ｘ線補償フィルタはそれぞれ複数のスイッ
チ機構で独立に制御され、前記複数のスイッチ機構の中
央部に前記Ｘ線補償フィルタの設定位置を表示する設定
位置表示装置が配設されてなる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明について、発明の実
施の形態（実施例）とともに図面を参照して詳細に説明
する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図に
おいて、同一機能を有するものは同一符号を付け、その
繰り返しの説明は省略する。

【００１２】図１は本発明の一実施の形態のＸ線装置の
概略構成を説明するためのブロック図であり、１は被検
体，２は寝台，３はＸ線発生部（手段），４は被検体へ
照射するＸ線の強度分布を制御するためのＸ線補償フィ
ルタ装置，４ＡはＸ線照射野を設定するためのＸ線コリ
メータ装置，５はＸ線Ｘ線Ｉ．Ｉ．，６は光学絞り装
置，７はテレビカメラ，８は画像表示処理手段，９は表
示出力手段，１０は透視画像記憶手段，１１はＸ線補償
フィルタ制御手段，１２はＸ線条件設定手段，１３はフ
ォトマル，１４はＸ線制御手段，１５は高圧発生手段，
１６は入力操作手段，１７はＸ線補償フィルタ制御スイ
ッチ，１８は中央処理手段（ＣＰＵ）である。

【００１３】ただし、前述する１１はＸ線補償フィルタ
制御手段１１，Ｘ線補償フィルタ制御スイッチ１７以外
の各手段および装置は公知のものを用いる。また、本実
施の形態においては、Ｘ線Ｉ．Ｉ．５，光学絞り装置６
およびテレビカメラ７とからなる撮像手段を用いる。

【００１４】図１に示すように、本実施の形態のＸ線装
置は、寝台２に横臥位で設定される被検体１を挟んでＸ
線発生手段３とＸ線Ｉ．Ｉ．５とが対向して配置され
る。このとき、Ｘ線発生手段３の前面、すなわち、Ｘ線
の照射面側には、Ｘ線照射野を設定するためのＸ線コリ
メータ装置４Ａと、被検体１へ照射するＸ線の強度分布
を制御するためのＸ線補償フィルタ装置４が配置されて
いる。これにより、被検体１に照射するＸ線の照射野と
Ｘ線照射分布強度を変化させる。

【００１５】被検体１を透過したＸ線（Ｘ線像）は、Ｘ
線Ｉ．Ｉ．５で光学像に変換された後に、光学絞り装置
６によって所定の光量に絞られ、テレビカメラ７で電気
信号に変換される。このとき、光学絞り装置６に内蔵さ
れるハーフミラー６ａによって、光学像の一部をフォト
マル１３で検出し、その検出値に基づいてＸ線制御手段
１４が高電圧発生手段１５を制御して、被検体１に照射
するＸ線量を制御している。

【００１６】ただし、本実施の形態のＸ線装置では、Ｘ
線制御手段１４は、Ｘ線条件設定手段１２からの制御出
力によっても、Ｘ線量を制御する。

【００１７】前記中央処理手段１８は、入力操作手段１
６から検者が入力した撮像位置や被検体１に関する情報
等に基づく制御情報の各手段への出力、並びに、各手段
の動作タイミング等の制御を行う。以降の撮影において
は、Ｘ線制御手段１４はこの新たなＸ線条件にしたがっ
てＸ線透視を行う。

【００１８】図２は、本実施の形態のＸ線補償フィルタ
装置４の概略構成を示す上から見た平面図，図３は図２
の側面図，図４はＸ線補償フィルタ制御手段１１の上か
ら見た平面図，図５はＸ線補償フィルタの駆動装置の構
成を示す側面図である。図２において、１０１は回転
板，１０２は回転板駆動用モータ，１０３はＸ線補償フ
ィルタを移動・回転させるためのＸ線補償フィルタ構構
全体を支持するＸ線補償フィルタ動作器である。

【００１９】前記Ｘ線補償フィルタ動作器１０３は、図
２に示すように、回転板１０１の所定の位置に固定され
ている。このＸ線補償フィルタ動作器１０３が固定され
ている回転板１０１が４個が、図３に示すように、Ｘ線
照射野を設定するコリメータ４Ａと関係づけられた４方
向の位置に、Ｘ線補償フィルタ１０４を設定するように
重ねられて設けられている。

【００２０】Ｘ線補償フィルタ１０４の一側端は、図４
に示すように、駆動用チェーン１０５に固定され、その
対向側端は摺動用溝１０７で摺動可能に支持されてい
る。前記駆動用チェーン１０５は、図５に示すように、
Ｘ線補償フィルタ動作器１０３上に設けられている歯車
１０６に噛み合わされ、モータ１０８で歯車１０６を回
転させることにより、矢印ＦもしくはＢ方向に移動する
ようになっている。

【００２１】図６は本実施の形態のＸ線補償フィルタ制
御スイッチの概略構成を示す外観図，図７は図６のＸ線
補償フィルタ制御スイッチの断面図，図８は図６のＸ線
補償フィルタ制御スイッチの裏側から見た平面図であ
る。

【００２２】コリメータ・Ｘ線補償フィルタ制御スイッ
チ１８Ａは、操作卓上に設けられ、図６に示すように、
Ｘ線補償フィルタ１０４の位置を表示する表示装置（モ
ニタ）上の表示領域２０１が中央部に設けられ、その周
りに上下左右の各部に対応して４個のコリメータ・Ｘ線
補償フィルタ制御スイッチ２０１が設けられている。こ
のＸ線補償フィルタ制御スイッチ１７の動かす方向に同
期して対応する位置にあるＸ線補償フィルタ４が移動す
る。前記表示領域２０１内に現在のＸ線補償フィルタ１
０４の位置が黒い長方形２０２で上下左右に表示されて
おり、現在のＸ線補償フィルタ１０４の位置をリアルタ
イムに表示する。前記黒い長方形２０２の位置を確認し
ながら表示領域２０１内においてＸ線補償フィルタ１０
４を移動させる。他のＸ線補償フィルタ制御スイッチ１
７も同様に操作する。２０３は現在表示装置（モニタ）
に表示されている画像であり、Ｘ線を曝射している最中
は、画像に対してＸ線補償フィルタ１０４がどの位置に
あるかが、一目で確認できる。２０４は４個のコリメー
タ（図示していない）及び４個のＸ線補償フィルタ１０
４をそれぞれ切り換える切換スイッチである。また、前
記表示出力手段（モニタ）９上の表示領域２０１も切換
スイッチ２０４でコリメータ用もしくはＸ線補償フィル
タ用に切り換わり、コリメータ・Ｘ線補償フィルタ制御
スイッチ１７で両者の制御を行うことができる。また、
切換スイッチ２０４の代りにコリメータ用とＸ線補償フ
ィルタ用に分けて配設してもよい。

【００２３】本実施形態では、４枚のコリメートと４枚
のＸ線補償フィルタ１０４を用いた例で説明したが、本
発明は、例えば、６枚のコリメートと６枚のＸ線補償フ
ィルタ１０４を用いた場合には、コリメータ・Ｘ線補償
フィルタ制御スイッチ１７を６個用いればよい。

【００２４】前記コリメータ・Ｘ線補償フィルタ制御ス
イッチ１７は、図７及び図８に示すように、ポール２０
２が設けられ、当該コリメータ・Ｘ線補償フィルタ制御
スイッチ１７を上下左右に動かすと、前記ポール２０２
が十字路の溝２０３に沿って動くように構成されてい
る。前記十字路の溝２０３には、ばね（弾性体）２０４
が配置されており、前記コリメータ・Ｘ線補償フィルタ
制御スイッチ１７から手を離すと、前記ポール２０２が
前記十字路の溝２０３の中央部に戻るようになってい
る。

【００２５】前記十字路の溝２０３の上端，左端，右
端，下端に、それぞれ固定片２０５ａと可変片２０５ｂ
からなるスイッチ２０５が設けられている。前記コリメ
ータ・Ｘ線補償フィルタ制御スイッチ１７を手で上下左
右に動かすと、前記ポール２０２がばね２０４を励起
し、スイッチ２０５の可動片２０５ｂを押圧して固定片
２０５ａに接触させるため、スイッチ２０５が接続状態
（ＯＮ）となる。手をＸ線補償フィルタ制御スイッチ１
７から離すと、前記ポール２０２が前記十字路の溝２０
３の中央部に戻り、スイッチ２０５の可動片２０５ｂが
非接続状態（ＯＦＦ）となる。

【００２６】前記コリメータ・Ｘ線補償フィルタ制御ス
イッチ１７を図７に示す矢印Ｒの方向に移動させると、
図２に示す駆動モータ１０２が回転板１０１を矢印Ｒ方
向に回転させ、コリメータ・Ｘ線補償フィルタ制御スイ
ッチ１７を図７に示す矢印Ｌの方向に移動させると、図
２に示す駆動モータ１０２が回転板１０１を矢印Ｌ方向
に回転させる。

【００２７】また、前記コリメータ・Ｘ線補償フィルタ
制御スイッチ１７を図７に示す矢印Ｆの方向に移動させ
ると、図４及び図５に示すモータ１０８が駆動し、歯車
１０６及びチェーン１０５を介してＸ線補償フィルタ１
０４を矢印Ｆ方向に移動させ、コリメータ・Ｘ線補償フ
ィルタ制御スイッチ１７を矢印Ｂの方向に移動させる
と、図４及び図５に示すモータ１０８が駆動し、歯車１
０６及びチェーン１０５を介してＸ線補償フィルタ１０
４を矢印Ｂ方向に移動させる。

【００２８】すなわち、Ｘ線補償フィルタ装置４は、複
数のＸ線補償フィルタ１０４からなり、このＸ線補償フ
ィルタ１０４はそれぞれ独立に平面移動及び回転可能に
配設されている。前記Ｘ線補償フィルタ１０４はそれぞ
れ複数のスイッチ機構で独立に制御され、前記複数のス
イッチ機構の中央部に前記Ｘ線絞り板の設定位置を表示
する設定位置表示装置が配設されてなることを特徴とす
る。

【００２９】したがって、本実施の形態のＸ線補償フィ
ルタ１０４では、例えば、Ｘ線発生手段３，Ｘ線補償フ
ィルタ１０４，Ｘ線Ｉ．Ｉ．５，光学絞り装置６および
テレビカメラ７とからなる撮像系の視野の内でＸ線補償
フィルタ１０４が必要な視野範囲を、４枚のＸ線補償フ
ィルタ１０４の挿入位置を可変し覆うことによって、被
検体１に照射するＸ線の強度分布を変化させる。

【００３０】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本
発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能で
あることは勿論である。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Ｘ線補償フィルタの位置をＸ線照射することなく設定確
認するので、被検者もしくは作業者に対するＸ線被曝量
を低減することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態のＸ線装置の概略構成を
説明するためのブロック図である。

【図２】本実施の形態のＸ線補償フィルタ装置の概略構
成を示す上から見た平面図である。

【図３】図２の側面図である。

【図４】本実施の形態のＸ線補償フィルタ制御手段の上
から見た平面図である。

【図５】本実施の形態のＸ線補償フィルタの駆動装置の
構成を示する図である。

【図６】本実施の形態のコリメータ・Ｘ線補償フィルタ
制御スイッチの概略構成を示す外観図である。

【図７】図６のコリメータ・Ｘ線補償フィルタ制御スイ
ッチの断面図である。

【図８】図６のコリメータ・Ｘ線補償フィルタ制御スイ
ッチの裏側から見た平面図である。

【符号の説明】

１ 被検体 ２ 寝台 ３ Ｘ線発生部（手段） ４ Ｘ線補償フィルタ装置 ４Ａ Ｘ線コリメータ装置 ５ Ｘ線Ｘ線Ｉ．Ｉ． ６ 光学絞り装置 ７ テレビカメラ ８ 画像表示処理手段 ９ 表示出力手段 １０ 透視画像記憶手段 １１ Ｘ線補償フィルタ制御手段 １２ Ｘ線条件設定手段 １３ フォトマル １４ Ｘ線制御手段 １５ 高圧発生手段 １６ 入力操作手段 １７ コリメータ・Ｘ線補償フィルタ制御スイッチ １８ 中央処理手段（ＣＰＵ） １０１ 回転板 １０２ 回転板駆動用モータ １０３ Ｘ線補償フィルタ動作器 ２０１ 表示領域 ２０２ 黒い長方形 ２０３ 画像 ２０４ 切換スイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 Ｘ線を被検体に照射するＸ線照射手段の
   前面にＸ線照射野設定用コリメータが配置され、該Ｘ線
   照射野設定用コリメータの上部又は下部に配設されたＸ
   線補償フィルタ装置で前記被検体へ照射するＸ線の強度
   分布を制御し、前記被検体のＸ線像を撮像するＸ線装置
   において、前記Ｘ線補償フィルタ装置は複数のＸ線補償
   フィルタからなり、該Ｘ線補償フィルタはそれぞれ独立
   に平面移動及び回転可能に配設され、前記Ｘ線補償フィ
   ルタはそれぞれ複数のスイッチ機構で独立に制御され、
   前記複数のスイッチ機構の中央部に前記Ｘ線補償フィル
   タの設定位置を表示する設定位置表示装置が配設されて
   なることを特徴とするＸ線装置。