JP2000002902A - 防振制御装置 - Google Patents

防振制御装置

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JP2000002902A
JP2000002902A JP18134398A JP18134398A JP2000002902A JP 2000002902 A JP2000002902 A JP 2000002902A JP 18134398 A JP18134398 A JP 18134398A JP 18134398 A JP18134398 A JP 18134398A JP 2000002902 A JP2000002902 A JP 2000002902A
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Japan
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failure determination
vibration
unit
control device
failure
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JP18134398A
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English (en)
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Koichi Washisu
晃一 鷲巣
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 振れの小さい時には、防振システムの故障と
判定される確率を下げ、該光学機器の通常の動作を可能
な限り行えるようにする。 【解決手段】 振れを抑制する防振システムの故障を判
定する故障判定手段と、この防振制御装置が搭載される
光学機器の動作条件によって前記故障判定手段を制御す
る故障判定制御手段(#2002〜#2012)とを有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振れを抑制する防
振システムの故障を判定する故障判定手段を有する防振
制御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在のカメラは露出決定やピント合せ等
の撮影にとって重要な作業は全て自動化されているた
め、カメラ操作に未熟な人でも撮影失敗を起こす可能性
は非常に少なくなっている。
【0003】また、最近では、カメラに加わる手振れを
防ぐシステムも研究されており、撮影者の撮影ミスを誘
発する要因は殆ど無くなってきている。
【0004】ここで、手振れを防ぐシステムについて簡
単に説明する。
【0005】撮影時のカメラの手振れは、周波数として
通常1Hzないし10Hzの振動であるが、シャッタの
レリーズ時点においてこのような手振れを起こしても像
振れの無い写真を撮影可能とするための基本的な考えと
して、上記手振れによるカメラの振動を検出し、その検
出値に応じて補正レンズを変位させなければならない。
従って、カメラ振れが生じても像振れが生じない写真を
撮影するためには、第1に、カメラの振動を正確に検出
し、第2に、手振れによる光軸変化を補正することが必
要となる。
【0006】この振動(カメラ振れ)の検出は、原理的
にいえば、加速度,角加速度,角速度,角変位等を検出
する振れ検出センサと、カメラ振れ補正の為にその出力
を適宜演算処理する演算部を具備した振動検出装置をカ
メラに搭載することによって行うことができる。そし
て、この検出情報に基づき、撮影光軸を偏心させる補正
手段を駆動させて像振れ抑制が行われる。
【0007】振動検出装置,補正手段及び該補正手段を
駆動する駆動手段を有した防振システムについては、特
開平2−58037号に詳細が公開されているが、ここ
では図16を用いてその概略について説明する。
【0008】図16(a)は防振システムを搭載したコ
ンパクトカメラの斜視図であり、61はカメラのカバ
ー、62はカメラの撮影レンズであり、撮影をしないと
きはレンズバリアで保護されている(図16(a)は撮
影状態のためにレンズバリアは待避して見えない)。6
3はカメラのメインスイッチで、図16(a)は防振シ
ステムがオンされた撮影可能状態であり、このメインス
イッチ63を指標“OFF”に合せると撮影不能状態に
なり、このメインスイッチ63をスポーツモード(高速
シャッタモード)を示す位置64或いはストロボモード
を示す位置65にセットしたときは、防振システムがオ
フされた撮影可能状態に切り換わる(このようなモード
では防振システムは必要ないため)。66はレリーズボ
タンであり、該レリーズボタン66を押し込むことでカ
メラは測光,測距を行い、ピント合せ終了後に振れ補正
を始め、フィルムへの露光を行う。67は被写体が暗い
とき等に自動的に発光、或いは、強制的に発光するスト
ロボ発光部である。
【0009】図16(b)は図16(a)の内部斜視図
であり、68はカメラ本体、69は補正光学系70を図
中X,Y方向に自在に駆動して振れ補正を行う補正手
段、71p,71yは各々ピッチ方向の振れ72p,ヨ
ー方向の振れ72yを検出する振れ検出センサである。
73は前述したレンズバリアであり、図16(a)に示
したノブ74に連動して開閉する。ノブ74は図16
(a)に示す様にメインスイッチ63と隣接しており、
このメインスイッチ63を操作すると該ノブ74も押さ
れてレンズバリア73は開く構造になっている。レンズ
バリア73は閉状態の時に補正手段69(詳しくは、補
正光学系70を支持した支持枠)を機械的にロックし
て、携帯時等の撮影しないときに該補正手段69が暴れ
て破損することを防いでいる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】図16(b)に示す補
正手段69は駆動手段を成すコイルと磁石の関連で電磁
的に駆動され、振れ補正を行う訳であるが、外部からの
衝撃等によりコイルが断線したり、磁石が破損した場合
には駆動が出来なくなる。また、外部からのゴミ等が補
正手段69に付着し動きが悪くなった場合も良好な振れ
補正が出来なくなる。
【0011】この様な時には、早急に修理に出して貰う
為に振れ補正駆動ができない事をユーザーに伝えること
から、故障判定を行う必要がある。この為、本願出願人
は、防振システムの故障判定を行う装置を先願(未公
開)している。これによれば、例えばカメラのメインス
イッチがオンされ、その後レリーズスイッチの半押し操
作がなされると、上記防振システムの異常判定動作を行
うようにしている。
【0012】しかしながら、上記の様に異常判定動作
は、通常の撮影動作に先駆けて行われるものである為、
この異常判定動作を行った為にシャッタチャンスを逃し
たりする恐れがあった。
【0013】さらに、上記異常判定動作を撮影の度に行
うことにより、電源電池の消耗が早くなってし舞う等の
問題を有していた。
【0014】(発明の目的)本発明の第1の目的は、振
れの小さい時には、防振システムの故障と判定される確
率を下げ、該光学機器の通常の動作を可能な限り行える
ようにすることのできる防振制御装置を提供しようとす
るものである。
【0015】本発明の第2の目的は、防振システムを機
能させる必要性が無いか低い場合には、防振システムの
故障判定を行わず、該光学機器の通常の動作への移行を
素早く行うと共に、省電化を達成することのできる防振
制御装置を提供しようとするものである。
【0016】本発明の第3の目的は、故障判定手段の駆
動負荷が大きくなる様な場合であっても、防振システム
の故障判定を制度よく行うことのできる防振制御装置を
提供しようとするものである。
【0017】本発明の第4の目的は、防振システムの故
障判定を省電力で行うことのできる防振制御装置を提供
しようとするものである。
【0018】本発明の第5の目的は、防振システムの故
障判定時に生じる駆動音が使用者に不快感を与えること
のできる防振制御装置を提供しようとするものである。
【0019】本発明の第6の目的は、使用者の意図で防
振システムの故障チェックを行うことのできる防振制御
装置を提供しようとするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1〜8記載の本発明は、振れを抑制す
る防振システムの故障を判定する故障判定手段と、この
防振制御装置が搭載される光学機器の動作条件によって
前記故障判定手段を制御する故障判定制御手段とを有す
る防振制御装置とするものである。
【0021】上記構成においては、前記故障判定制御手
段は、前記光学機器の動作条件によって前記故障判定手
段の故障判定基準を変更する基準変更手段を有し、該基
準変更手段は、前記光学機器の撮影条件によって前記故
障判定基準を変更する、具体的には、前記光学機器の撮
影シャッタスピードが速い時や、前記光学機器のレンズ
の焦点距離が短い時や、前記光学機器に加わる振れが小
さい時や、前記光学機器がセルフタイマモード或いはリ
モコンモードである時や、前記光学機器が固定部材に設
置されている時には、前記故障判定基準を下げる(甘く
する)ようにしている。
【0022】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項9〜13記載の本発明は、前記故障判定制御手段
に、前記光学機器の動作条件によって前記故障判定手段
の動作,非動作を選択する動作選択手段を有した請求項
1記載の防振制御装置とするものである。
【0023】上記構成においては、前記動作選択手段
は、防振非使用モードの時や、前記光学機器の電力が所
定値以下の時や、前記光学機器がセルフタイマモード或
いはリモコンモードである時や、前記光学機器が固定部
材に設置されている時には、前記故障判定手段を非動作
状態にするようにしている。
【0024】また、上記第3の目的を達成するために、
請求項14〜17記載の本発明は、前記故障判定制御手
段に、前記光学機器の撮影条件によって前記故障判定手
段の故障判定の動作様式を変更する判定動作変更手段を
有する請求項1記載の防振制御装置とするものである。
【0025】上記構成においては、前記光学機器の撮影
条件によって前記補正手段の駆動様式を変更する判定動
作変更手段を有し、前記光学機器の使用時における環境
温度が低い時は、前記補正手段への駆動力を大きくした
り、前記光学機器の使用時の姿勢により前記補正手段の
駆動負荷が大きくなる時に、前記補正手段への駆動力を
大きくするようにしている。
【0026】また、上記第4の目的を達成するために、
請求項18〜20記載の本発明は、振れを補正する補正
手段、及び、該補正手段を駆動する補正用駆動手段とを
具備した防振システムの故障を判定する故障判定手段を
有し、該故障判定手段は、前記補正用駆動手段とは独立
した、この防振制御装置が搭載される光学機器の駆動手
段の駆動力を利用して前記補正手段を駆動させ、この時
の前記補正手段の駆動状態より前記防振システムの故障
判定を行う防振制御装置とするものである。
【0027】上記構成においては、撮影光学系を保持す
る鏡筒を駆動する駆動手段の駆動力を利用して前記補正
手段を駆動させ、或いは、前記鏡筒の非撮影状態から撮
影状態までの繰り出し動作により、前記補正手段を駆動
させ、この時の前記補正手段の駆動状態より前記防振シ
ステムの故障判定を行うようにしている。
【0028】同じく上記第4の目的を達成するために、
請求項21及び22記載の本発明は、振れを補正する補
正手段を具備した防振システムの故障を判定する故障判
定手段を有し、該故障判定手段は、前記振れ抑制を行わ
なれていない時にこの防振制御装置に加わる振動により
位置変動する前記補正手段の、該位置変動状態より前記
防振システムの故障判定を行う防振制御装置とするもの
である。
【0029】上記構成においては、前記光学機器の何れ
かの操作部材の操作に伴って前記光学機器に加わる振動
により揺動する前記補正手段の、該揺動状態により前記
防振システムの故障判定を行うようにしている。
【0030】また、上記第5の目的を達成するために、
請求項23〜25記載の本発明は、防振システムに具備
された振れを補正する補正手段を駆動させ、前記防振シ
ステムの故障を判定する故障判定手段と、この防振制御
装置が搭載される光学機器に駆動音が生じている際に、
前記故障判定手段を動作させる故障動作制御手段とを有
した防振制御装置とするものである。
【0031】上記構成においては、前記光学機器のフィ
ルム送り中に、前記故障判定手段を動作させたり、前記
光学機器の撮影光学系を保護するレンズバリアの開又は
閉動作中に、前記故障判定手段を動作させるようにして
いる。
【0032】また、上記第6の目的を達成するために、
請求項26記載の本発明は、振れを抑制する防振システ
ムと、該防振システムの故障を判定する故障判定手段
と、該故障判定手段を動作させる故障判定動作開始操作
部材とを有した防振制御装置とするものである。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0034】図1〜図3は本発明の実施の第1の形態に
係るコンパクトカメラに具備される補正手段を示す図で
あり、詳しくは、図1は補正手段の正面図、図2(a)
は図1のA−A断面図、図2(b)は図1の矢印38方
向より見た図、図3は図1に示す補正手段の斜視図であ
る。
【0035】これらの図において、補正レンズ31(図
2(a)に示す様に、該補正レンズ31は支持枠32に
固定される2枚のレンズより成り、地板35に固定され
るレンズ39と共に撮影光学系の群を構成している)
は、支持枠32に固定されている。支持枠32には強磁
性材料のヨーク33が取り付けられ、該ヨーク33の裏
側にはネオジウム等の永久磁石が吸着固定されている
(図1に、かくれ線で示している)。又、支持枠32か
ら放射状に延出する3本のピン32aは、地板35の側
壁35aに設けられた長孔35bに嵌合している。
【0036】図2(b)及び図3に示す様に、ピン32
aと長孔35bの関係は補正レンズ31の光軸方向には
嵌合しており、ガタは生じないが光軸と直交する方向に
長孔が延びている。従って、支持枠32は地板35に対
し光軸311方向には移動規制されるが、光軸と直交す
る平面内には自由に移動(図1の矢印310p,310
y,310r方向)できる。但し、支持枠32上のフッ
ク32bと地板上のフック35c間に引っ張りバネ37
が掛けられている為に、各々の方向(310p,310
y,310r方向)に弾性的に規制されている。地板3
5には、永久磁石34p,34yに対向してコイル36
p,36yが取り付けられている。
【0037】前記ヨーク33,永久磁石34p,コイル
36pの各配置は図2(a)に示す様になっており(永
久磁石34y,コイル36yも同配置)、コイル36p
に電流を流すと支持枠32は矢印310p方向に駆動さ
れ、コイル36yに電流を流すと支持枠32は矢印31
0y方向に駆動される。そして、その駆動量は各々の方
向における引っ張りバネ37のバネ定数とコイル36
p,36yと永久磁石34p,34yの関連で生ずる推
力との釣り合いで求まる。即ち、コイル36p,36y
に流す電流の量に基づいて、補正レンズ31の偏心量を
制御できる。
【0038】図4は、上記構成の補正手段を備えたコン
パクトカメラの、異常判定を行う部分の回路構成を示す
ブロック図であり、ここではカメラ縦振れ(図1の31
0p方向の振れであり、以下ピッチ方向の振れと云う)
のみの系を示しているが、カメラ横振れ(図1の310
y方向の振れであり、以下ヨー方向の振れと云う)も同
じ構成である。
【0039】カメラマイコン11には、カメラのメイン
スイッチ13,レリーズスイッチ14の状態信号や図1
6の振れ検出センサ71p及びその出力を演算する演算
部を備えた振動検出装置10pの振れ信号が入力されて
いる。
【0040】前記メインスイッチ13のオンにより振動
検出装置10pが振れ検出を始め、振れ信号がカメラマ
イコン11に入力され、レリ−ズスイッチ14の押し切
り操作がなされると(実際にはその前にレリ−ズスイッ
チ14を半押しする事で被写体の測光,測距が行われて
いる)、カメラマイコン11は、前記振動検出装置10
pからの振れ信号を基にして駆動回路12pを介してコ
イル36pに電流を流す。これにより、コイル36pは
永久磁石34pとの関係で支持枠32を310p方向に
振れ補正を行う。
【0041】図4において、コイル36pに直列に一定
の抵抗値を持つ抵抗(定抵抗)312pを接続し、該抵
抗312pの両端出力をバンドパスフィルタ16pに入
力させるようにしている。
【0042】抵抗312pはコイル36pの抵抗を20
Ωとすると1Ω程度に設定され、駆動回路12pからコ
イル36pに与えると電圧の略「1/21」が該抵抗3
12p間に表われる。ここで略「1/21」と表現した
のは、抵抗312p間に表われる電圧はコイル36pに
印加する電圧の周波数によって変化する為である。
【0043】図5(a)は、コイル36pに印加する電
圧の周波数(横軸)に対しコイル36pのインピーダン
ス(縦軸)の関係を示しており、引っ張りバネ37のバ
ネ定数と補正手段の質量で求まる固有振動数f0 におい
て、インピーダンスが高くなっている(波形315参
照)。これは、固有振動数f0 においては補正手段は共
振して大きく振動する為、逆起電力の発生が大きくなる
事による。又、より高周波側でコイル36pのインピー
ダンスが高くなるのは、該コイル36pのインダクタン
スの影響である。
【0044】ところで、補正手段が壊れ、動けなくなっ
た場合には、該補正手段を駆動しても共振は生じない
為、固有振動数におけるインピーダンスの持ち上がりは
生じない(波形316参照)。
【0045】今、図4のブロック図において、例えば振
れ補正開始前にコイル36pに固有振動数f0 の電圧を
与えた場合、抵抗312p間に発生する電圧は、図5
(b)の波形313となる。この波形は補正手段が壊れ
ている時には、コイル36pのインピーダンスが低くな
る為に波形314と大きくなる。
【0046】そこで、固有振動数f0 近辺のみ通過する
バンドパスフィルタ16pでノイズをカットした後、ウ
インドコンパレータ15pの出力から異常判定を行う。
具体的には、ウインドコンパレータ15pの出力から、
図5(b)において、抵抗312p間のピーク電圧が範
囲V2 を越えていることを検出した場合は補正手段が動
いていないと判定し、範囲V1 以下であることを検出し
たらコイル36pが断線していると判定し、何れの場合
もカメラマイコン11は異常であると判定して、不図示
の表示装置を駆動してその事をユーザーに報知する。一
方、抵抗312p間のピーク電圧が、範囲V1 からV2
の間にある時は正常に補正手段が動けると判定して、通
常のカメラシーケンスへ移行する。
【0047】図6は、本発明の実施の第1の形態に係る
カメラマイコン11の補正手段の状態判定を行う部分の
みの動作を示すフローチャートであり、以下これに従っ
て説明する。
【0048】メインスイッチ13がオンすると、カメラ
マイコン11は図6の動作を開始し、まずステップ#3
001において、レリーズスイッチ14の半押しがなさ
れるまで(スイッチS1がオンするまで)待機する。そ
の後、スイッチS1がオンするとステップ#3002へ
進み、コイル36pに上記の固有振動数f0 で電圧を印
加し、補正手段を図1の矢印310pの方向に振動させ
る。
【0049】次のステップ#3003においては、この
際に抵抗312pに生じるピーク電圧Vpを、バンドパ
スフィルタ16p及びウインドコンパレータ15pを介
して取り込む。続くステップ#3004においては、ウ
インドコンパレータ15pの出力から前記抵抗312p
のピーク電圧Vpが所定範囲(V1 <Vp<V2 )に収
まっているか否かを判定し、収まっていない場合は補正
手段の動きが異常であるのでステップ#3006へ進
み、前記コイル36pへの通電を止め、続くステップ#
3007において、不図示の表示装置を駆動してユーザ
ーのその事を報知する。
【0050】一方、抵抗312pのピーク電圧Vpが所
定範囲(V1 <Vp<V2 )に収まっている場合はステ
ップ#3005へ進み、前記コイル36pへの通電を止
め、続くステップ#3008において、今度はコイル3
6yに上記の固有振動数f0で電圧を印加し、補正手段
を図1の矢印310yの方向に振動させる。そして、次
のステップ#3009において、この際に不図示の抵抗
312yに生じるピーク電圧Vyを、バンドパスフィル
タ16y及びウインドコンパレータ15y(何れも不図
示)を介して取り込む。
【0051】次のステップ#3010においては、ウイ
ンドコンパレータ15yの出力から前記抵抗312yの
ピーク電圧Vyが所定範囲(V1 <Vy<V2 )に収ま
っているか否かを判定し、収まっていない場合は補正手
段の動きが異常であるのでステップ#3012へ進み、
前記コイル36yへの通電を止め、続くステップ#30
07において、不図示の表示装置を駆動してユーザーの
その事を報知する。また、抵抗312yのピーク電圧V
yが所定範囲(V1 <Vy<V2 )に収まっている場合
はステップ#3011へ進み、前記コイル36yへの通
電を止め、通常のカメラシーケンスへ移行する。
【0052】以上のフローにおいて、コイル36p,3
6yへの通電を同時に行わないで時間をずらしているの
は、同時に通電する事により2方向の駆動干渉が生ずる
のを避ける為である。なお、必ずしも両方行う必要はな
く、片方のコイルへの通電のみにて異常判定は可能であ
る。
【0053】又、このフローにおいては、スイッチS1
のオンがなされた際に異常判定動作を始めているが、実
際には上記スイッチS1のオンで測光,測距動作も行っ
ており、異常判定動作は測光,測距に先だって行われて
も、測光,測距動作後に行われても良く、防振を使用し
ない時は異常判定動作を省いても良い。さらに、カメラ
のメインスイッチ13のオンより異常判定動作を行うよ
うにしても良い。
【0054】尚、実際にコイル36p,36yに通電し
ている時間は、例えば 0.1秒程度であり、ユーザーへの
不快感は与えない。
【0055】図7は図4のブロック図をより詳細に示し
た図であり、カメラマイコン11には、図4で示したメ
インスイッチ13,レリーズスイッチ14,振動検出装
置10p(10y)からの情報の他に、各種情報が以下
に示す回路より入力されている。
【0056】17は被写体輝度情報をカメラマイコン1
1へ出力する測光回路であり、カメラマイコン11はこ
の情報を基にシャッタスピードを決定する。18は撮影
レンズのズーム位置情報をカメラマイコン11に出力す
る焦点距離検出回路であり、カメラマイコン11はこの
ズーム位置情報を合焦の為のレンズ繰り出し量や防振の
為の補正レンズ駆動量を求めるのに利用する。19は撮
影者が操作するセルフ/リモコンモード信号をカメラマ
イコン11に出力するセルフ/リモコンモードスイッチ
である。110はカメラに三脚が取り付けられたか否か
を例えば三脚に設けられたスイッチ等で検出してカメラ
マイコン11に出力する三脚検知回路、111はカメラ
の撮影姿勢(カメラの縦,横,上,下の構え方)を検出
し、カメラマイコン11に出力する姿勢検知回路、11
2は防振システムを使用するか否かをカメラマイコン1
1に出力する防振スイッチ、113は撮影時の周囲温度
をカメラマイコン11に出力する温度検出回路、114
は電池の消耗状態をカメラマイコン11に出力する電源
状態検出回路である。
【0057】又、カメラマイコン11からはウインドコ
ンパレータ15pにしきい値変更信号11aを出力して
いる。このしきい値変更信号11aは、図5(b)にお
ける範囲V2 を変更するものである。例えばV2 を広く
すると、補正手段の動作が若干低下した程度では事故判
定はされなくなる。
【0058】このしきい値変更信号11aが出力される
とウインドコンパレータ15pのしきい値範囲V2 が広
くなる訳であるが、それは以下の様な状況の時である。
【0059】シャッタスピードが速い時:シャッタスピ
ードが速いか否かは測光回路17の情報に基づいて検知
する。
【0060】ズームワイドの時 :ズームワイド
か否かは焦点距離検出回路15からの情報により検知す
る。
【0061】手振れが少ない時 :手振れが少な
いか否かは振動検出手段10p,10yからの情報によ
り検知する。
【0062】この様な時はフィルム面上への像振れの影
響が少ない為に、事故判定のレベルを甘くしても良く
(ほどほどの防振効果があれば良い為)、その分(事故
と判定される確率が減る分)シャッタチャンスに強いカ
メラとする事ができる。
【0063】又、以下の様な状況の時には事故判定動作
は行わない。
【0064】セルフ/リモコン撮影の時:セルフ/リモ
コン撮影か否かはセルフ/リモコンモードスイッチ19
の状態で検知する。
【0065】三脚撮影の時 :三脚撮影の時
か否かは三脚検知回路110からの情報で検知する。
【0066】防振しない時 :防振しないか
どうかは防振スイッチ112の状態で検知する。
【0067】電池消耗時 :電池が消耗し
ているか否かは電源状態検出回路114からの情報で検
知する。
【0068】この様な時は振れが生じない、或いは、防
振を必要としない時の為に事故判定動作は行わない。
又、電池消耗時は省電力の為に事故判定動作はしない。
【0069】これにより、事故判定動作の為の撮影タイ
ムラグを無くす事ができ、省電力化もできる。
【0070】次に、以下の時には事故判定の動作様式を
変更する。
【0071】カメラ上向き/下向きの時:カメラが上向
きもしくは下向きかは姿勢検知回路111からの情報で
検知する。
【0072】撮影時温度低い時 :撮影時温度低
いか否かは温度検出回路113からの情報で検知する。
【0073】この様な時、補正手段の駆動負荷は大きく
なっている。図2(b)で、支持枠32はピン32aと
地板35の長孔35bにより地板35に対して支持され
ているが、例えば光軸311が重力方向(カメラ上向
き、又は下向き)の時は補正手段の重量が総てピン32
aと長孔35bの摩擦になり駆動負荷となる。
【0074】又、カメラが上向き、下向きでなくても温
度が低い時は駆動負荷が増す。これはピン32aと長孔
35b間の接触部には粘性油が塗布されているが、温度
が低いとこの粘度が高くなる程駆動負荷となるからであ
る。従って、この様な時には故障判定の為の駆動回路1
2pの駆動電圧を上げて補正手段の駆動力を大きくし、
故障判定精度の劣化を防いでいる。
【0075】以上の各撮影条件毎の故障判定の制御状況
をまとめた図が、図8である。
【0076】尚、セルフ/リモンコンモードや三脚撮影
モード時には、設置条件(振動に弱い三脚等)で撮影時
に僅かなカメラ振れ(シャッタ開閉ショックによる)が
生じる可能性がある。よって、この様なモードの時も防
振使用は前提とし、故障判定レベルの変更を行う様にし
ても良い。
【0077】図9は上記故障判定時の制御を説明する為
のフローチャートであり、このフローはカメラのメイン
スイッチ13のオンでスタートする。
【0078】ステップ#2001においては、レリーズ
ボタン14の半押し、つまりスイッチS1がオンするま
で待機する。その後、スイッチS1がオンするとステッ
プ#2002へ進むが、スイッチS1がオンするとこの
フローには図示していないが、図7の各回路17〜11
4が動作し、撮影条件を決定する。ステップ#2002
においては、三脚検知回路110からの情報より三脚が
取り付けられているか否かを判別し、三脚が取り付けら
れている時はカメラの通常シーケンスに戻る(故障判定
は行わない)。
【0079】また、三脚が取り付けられていない場合は
ステップ#2003へ進み、セルフ/リモコンモードス
イッチ19にてセルフ/リモコンモードが設定されてい
るか否かを判別し、リモコン/セルフモードが設定され
ている時はカメラの通常シーケンスに戻る(故障判定は
行わない)。
【0080】また、リモコン/セルフモードが設定され
ていない時はステップ#2004へ進み、防振スイッチ
(ISSW)112の状態を判別し、該防振スイッチ1
12がオフの時はカメラの通常シーケンスに戻る(故障
判定は行わない)。
【0081】また、防振スイッチ112がオンの時はス
テップ#2005へ進み、電源状態検出回路14からの
入力されている情報より電池の状態を判別し、電源が少
ない(電源電圧が低い)時はカメラの通常シーケンスに
戻る(故障判定は行わない)。
【0082】また、電源電圧が高い時はステップ#20
06へ進み、測光回路17にて得られた測光情報等によ
り求まるシャッタスピードの状態を判別し、シャッタス
ピードが速い時(例えば1/60秒以上)はステップ#
2009へ進み、そうでない時はステップ#2007へ
進む。
【0083】ステップ#2007においては、焦点距離
検出回路18にて得られている情報からズームがワイド
寄り(例えば50mmより短い時)か否かを判別し、ワ
イド寄りの時はステップ#2009へ進み、そうでない
時はステップ#2008へ進む。ステップ#2008に
おいては、振動検出装置10p(10y)にて得られて
いる情報から振れ量が小さいか否かを判別し、小さい時
はステップ#2009へ進み、そうでない時はステップ
#2010へ進む。
【0084】ステップ#2009においては、故障判定
の基準を変更(甘く)する(図5(b)の範囲V2 を広
げる)。
【0085】ステップ#2010においては、姿勢検知
回路111からの情報よりカメラの姿勢を判別し、カメ
ラの姿勢が上向き或いは下向きの時はステップ#201
2に進み、そうでない時はステップ#2011に進む。
ステップ#2011においては、温度検出回路113か
らの情報より周囲温度が低温(例えば0°c以下)の時
はステップ#2012に進み、そうでない時は図6のス
テップ#3002へ進み、故障判定動作を開始する。
【0086】ステップ#2012においては、故障判定
動作の為の補正手段の駆動力を変更(強くする)して、
図6のステップ#3002へと進み、故障判定動作を開
始する。
【0087】以上説明した様に、カメラの撮影条件によ
って故障判定を制御するようにしている。詳しくは、セ
ルフ/リモコンモード,三脚取り付け時,電源消耗時に
は、故障判定を行わず、無用に故障判定が働く事での電
源消耗や無駄時間を無くし、又、シャッタスピードが速
い時,ズームワイドの時,振れ少ない時には、故障判定
基準を甘くして、過剰な故障判定により撮影に支障が出
る事を防ぎ、又、カメラが上/下向き,低温時には、故
障判定の為の補正手段の駆動力を強くして故障判定の劣
化を防ぐことが可能となった。
【0088】尚、故障判定を行う際、補正手段を駆動さ
せている為に、撮影者はこの駆動音の発生原因が解らず
不快となる恐れがある。
【0089】しかしながら実際はこの様なコンパクトカ
メラにおいては、メインスイッチ13をオンとすると同
時に撮影レンズ鏡筒が沈胴状態からスタンバイ状態に移
行する繰り出し動作が行われ、この駆動音は補正手段の
駆動音と比べて極めて大きい。つまり、図9のフローチ
ャートにおいて、カメラのメインスイッチ13のオンか
ら故障判定フローと同時進行して鏡筒の繰り出し動作が
行われており、故障判定の為の補正手段の駆動音は殆ど
気にならない。
【0090】この様にカメラに駆動音が生じている時に
故障判定を行う事で、故障判定の為の騒音を気にする事
がなくなる。
【0091】カメラの駆動音としては、鏡筒の繰り出し
動作の他に、レンズバリアの開閉動作,フィルム送り動
作があり、フィルム送り動作を利用する場合には故障判
定はカメラのメインスイッチ13の動作でなく、カメラ
のレリーズスイッチ14を押し切って離した後(1枚目
の撮影完了後)に故障判定を行う様にすれば良い。
【0092】(実施の第2の形態)図10は本発明の実
施の第2の形態に係るコンパクトカメラの回路構成を示
すブロック図であり、図7と同じ部分は同一符号を付し
ている。
【0093】上記実施の第1の形態においては、故障判
定の動作,非動作はカメラのメインスイッチ13のオン
後、レリーズスイッチ14の半押しで自動的に選択され
ていた。
【0094】図10のブロック図が、図7と異なるの
は、故障判定操作スイッチ115が設けられている点で
あり、撮影者はこの故障判定操作スイッチ115を操作
する事で、必要に応じて防振システムの状態を知る事が
できるようにしている。
【0095】即ち、カメラのメインスイッチ13のオン
の後、レリーズスイッチ14の半押し(スイッチS1の
オン)で自動的に故障判定が行われる(セルフ/リモコ
ンモード,三脚取り付け時,防振スイッチオフの時は行
われない)のとは別に、撮影者が故障判定操作スイッチ
115を操作する事で任意に防振システムのチェックが
でき、これはセルフ/リモコンモード,三脚取り付け
時,防振スイッチオフの時でも行われる。そして、この
時はスイッチS1はオンされていないのでシャッタスピ
ードやズーム状態は分からない為に故障判定の基準を甘
くすることは行わず、温度やカメラの姿勢により、補正
手段の駆動力を変更する。
【0096】以上の様に、故障判定動作開始用の操作部
材(故障判定操作スイッチ115)を設ける事で、撮影
者は必要な時に防振システムのチェックを行える事がで
きる様になった。
【0097】(実施の第3の形態)上記実施の第1の形
態においては、故障判定の為に補正手段を駆動しなくて
はならず、その分電池を消耗してしまう。そこで、電池
の消耗を抑えて故障判定を行う方法を考えてみる。
【0098】図11は本発明の実施の第3の形態に係る
防振システムを搭載したコンパクトカメラの沈胴状態の
断面図である。
【0099】図11において、カメラ外枠41の内径に
嵌合して回転筒42が設けられており、モータ43のピ
ニオン43aと噛み合って回転する。また、前記回転筒
42の内径に嵌合して直進筒44が設けられ、該回転筒
42と公知のカム,キー結合して、回転筒42の回転に
伴って直進筒44はカメラ外枠41に対し繰り出し,繰
り込みを行う。
【0100】前記直進筒44には、図1〜図3で説明し
た補正手段が設けられている。この補正手段の支持枠3
2の一部は波形をしており、同相同波形の波面45aを
持つ固定軸45(カメラ外枠41と一体になっている)
と接触している。
【0101】今、カメラを撮影状態にすべく、モータ4
3を駆動し、直線筒44を繰り出して沈胴状態からスタ
ンバイ状態にする。この時、補正手段も繰り出される訳
であるが、固定軸45はカメラ外枠41と一体の為に支
持枠32と波面45aの間の位相がずれ、支持枠32は
波面45a上を上下動する。直進筒44の繰り出し速度
と波面45aの波のピッチを調整する事で、この上下動
の振動は補正手段の固有振動数と一致させる事ができ
る。
【0102】そこで、鏡筒繰り出し時に、補正手段の各
コイル36p,36yに逆起電力が生ずれば、該補正手
段のコイル36p,36y及び磁石34p,34yに異
常が無い事がわかる。
【0103】具体的には、カメラのメインスイッチ13
のオンから鏡筒の沈胴から繰り出し完了までの時間は分
かっている為に、この間にコイル36p,36yの逆起
電圧をそれぞれ測定する。
【0104】図12は本発明の第3の形態に係るカメラ
の主要部分の動作を示すフローチャートであり、このフ
ローはカメラのメインスイッチのオンでスタートする。
【0105】ステップ#4001においては、タイマt
をスタートさせる。これは、このタイマtが一定時間T
をカウントすると鏡筒の繰り出し動作が完了される為、
それ以降の事故判定を無効とする為にある。次のステッ
プ#4002においては、鏡筒の繰り出しを行い、続く
ステップ#4003において、コイル36p間に生じる
逆起電圧を測定する。詳しくは、コイル36p間の電圧
を、図7と同様のバンドパスフィルタ16pを通した後
にウインドコンパレータ15pに入力し、その出力が一
定出力を越えていると逆起電圧が発生している事になる
為、コイル36p及び磁石34pは正常と判別してステ
ップ#4006へ進む。
【0106】そうでない時はステップ#4004へ進
み、ここで「t≧T」、すなわち鏡筒繰り出しが完了す
るまで上記ステップ#4003の動作を繰り返し、「t
≧T」となっても逆起電圧が発生しない場合はステップ
#4005へ進み、異常表示を行い、通常カメラシーケ
ンスに進む。
【0107】ステップ#4006も上記ステップ#40
03と同様の動作をコイル36yで行い、一定時間Tま
でにコイル36yに逆起電圧が見られない時はステップ
#4008へ進み、異常表示を行い、一方、ステップ#
4006にて逆起電圧が見られた時はそのまま通常カメ
ラのシーケンスに進む。
【0108】この様に、防振システムとその故障を判定
する故障判定手段を有し、防振とは独立した要素の駆動
力を利用して故障判定を行う事で、電源の有効利用が可
能にできた。
【0109】(実施の第4の形態)上記実施の第3の形
態においては、鏡筒の繰り出しを利用して故障判定を行
った。
【0110】補正手段は、図1〜図3で説明した様に、
バネで支持されている為に外部から大きな振動(手振れ
に比べて大きい)が加わった場合はその影響で揺動す
る。(外部からの振動によりフィルム面上に発生する像
振れと、補正手段が揺動する事による光軸偏心作用でフ
ィルム面上に発生する像振れは逆極性に設定される(光
学設計上)為に、外部からの振動により補正手段が揺動
する事自体は悪影響は少ない。) この揺動を利用して故障判定を行うのが、図13
(a),(b)に示す本発明の実施の第4の形態であ
る。
【0111】図13(a)が上記図11と異なるのは、
支持軸45が無く、モータ43の背面にアンバランサ5
1(図13(b)に平面図を示す)が設けられている点
である。
【0112】支持軸45が無い為に鏡筒繰り出しに連結
して補正手段が強性的に動かされる事は無いが、鏡筒繰
り出し時のモータ43の回転とアンバランサ51の関連
により鏡筒繰り出し中はカメラに振動が生じ、この振動
により補正レンズが揺動する。この揺動を実施の第3の
形態と同様に、鏡筒繰り出し中に発生するコイル36
p,36yの逆起電圧で検出すれば、補正手段の故障判
定ができる。
【0113】上記実施の第3の形態では、鏡筒繰り出し
時に強性的に補正手段を動かす為に該補正手段のメカニ
カルな要因による故障(例えば、ピン32aと長孔35
bの接触キズにより駆動が渋くなった)は判別できなか
ったが、外乱振動を利用する本実施の第4の形態におい
ては上記状態(動きが渋い)となると外乱振動があって
も補正手段は揺動しなくなる為に故障判定が可能であ
る。
【0114】尚、外乱振動を図13の様に故意に発生さ
せなくても、振動が多く発生するタイミングに補正手段
の故障判定を行っても良い。例えば、フィルムを給送す
る時の振動を利用したり、カメラの操作部材の操作時の
振動を利用しても良い。
【0115】また、撮影者がカメラの操作部材(ズーム
スイッチ,メインスイッチ等)を操作する時はカメラを
構えて被写体を狙っている時に比べて大きな振動が発生
している。よって、その様な操作部材が操作されてから
所定時間の間にコイル36p,36yに生ずる逆起電圧
を測定すれば、補正手段の故障判定が行える。
【0116】図14は本発明の実施の第4の形態に係る
カメラの故障判定のブロック図であり、コイル36p
(36y)の両端の逆起電圧を測定すれば良い為に、図
7の様な抵抗312pは省かれている。又、補正手段の
揺動はその固有振動数とは限らないのでバンドパスフィ
ルタ16pも省かれている。
【0117】図15は上記操作部材の操作に伴う故障判
定の動作を示すフローチャートである。図12と殆ど同
一であり、又図12のステップ#4002の鏡筒繰り出
しが省かれている。
【0118】メインスイッチやズームスイッチの操作で
このフローはスタートし、その後前記スイッチ操作によ
る補正手段の揺動が1秒間位は継続する為(ステップ#
4004,ステップ#4007のT=1)、その間のコ
イル36p,36yの両端電圧を測定する事で故障判定
を行う事ができる。
【0119】この様に、振れ抑制を行わない時にカメラ
に加わる振動を利用して防振システムの故障を判定する
事で省電力で故障判定を行うことができた。
【0120】(発明と実施の形態の対応)上記実施の各
形態において、マイコン11の図6のステップ#300
2〜#3004の動作を行う部分が本発明の故障判定手
段に、マイコン11の図9のステップ#2002〜#2
012の動作を行う部分が本発明の故障判定制御手段
に、マイコン11の図9のステップ#2009の動作を
行う部分が本発明の基準変更手段に、マイコン11の図
9のステップ#2002〜#2005の動作を行う部分
が本発明の動作選択手段に、マイコン11の図9のステ
ップ#2012の動作を行う部分が本発明の判定動作変
更手段に、それぞれ相当する。
【0121】また、図1〜図3に示す機構が本発明の補
正手段に相当し、故障判定操作スイッチ115が本発明
の故障判定動作開始操作部材に相当する。
【0122】以上が実施の形態の各構成と本発明の各構
成の対応関係であるが、本発明は、これら実施の形態の
構成に限定されるものではなく、請求項で示した機能、
又は実施の形態がもつ機能が達成できる構成であればど
のようなものであってもよいことは言うまでもない。
【0123】(変形例)本発明は、各請求項記載の発明
または実施の各形態の構成が、全体として一つの装置を
形成する様なものであっても、又は、分離もしくは他の
装置と結合する様なものであっても、又は、装置を構成
する要素のようなものであっても良い。
【0124】また、補正手段として、光軸に垂直な面内
で光学部材を動かすシスト光学系を例にしているが、可
変頂角プリズム等の光束変更手段や、光軸に垂直な画面
内で撮影面を動かすものであっても良い。
【0125】また、コンパクトカメラに適用している例
を述べているが、一眼レフカメラや電子スチルカメラ等
の種々の形態のカメラ、さらにはカメラ以外の光学機器
やその他の装置、更にはそれらカメラや光学機器やその
他の装置に適用される装置、又はこれらを構成する要素
に対しても適用できるものである。
【0126】更に、本発明は、以上の実施の各形態、又
はそれらの技術を適当に組み合わせた構成にしてもよ
い。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
振れの小さい時には、防振システムの故障と判定される
確率を下げ、該光学機器の通常の動作を可能な限り行え
るようにすることができる防振制御装置を提供できるも
のである。
【0128】また、本発明によれば、防振システムを機
能させる必要性が無いか低い場合には、防振システムの
故障判定を行わず、該光学機器の通常の動作への移行を
素早く行うと共に、省電化を達成することができる防振
制御装置を提供できるものである。
【0129】また、本発明によれば、故障判定手段の駆
動負荷が大きくなる様な場合であっても、防振システム
の故障判定を制度よく行うことができる防振制御装置を
提供できるものである。
【0130】また、本発明によれば、防振システムの故
障判定を省電力で行うことができる防振制御装置を提供
できるものである。
【0131】また、本発明によれば、防振システムの故
障判定時に生じる駆動音が使用者に不快感を与えること
ができる防振制御装置を提供できるものである。
【0132】また、本発明によれば、使用者の意図で防
振システムの故障チェックを行うことができる防振制御
装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1の形態に係る補正手段の正
面図である。
【図2】図1のA−A断面及び矢印38方向より見た図
である。
【図3】図1の補正手段の斜視図である。
【図4】図1の補正手段を具備したカメラの主要部分の
構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の各形態において防振システムの
異常判定時の動作説明を助ける為の図である。
【図6】本発明の実施の各形態において防振システムの
故障判定時の動作を示すフローチャートである。
【図7】図4の構成をより詳しく示したブロック図であ
る。
【図8】本発明の実施の第1の形態において撮影条件と
故障判定制御の関係をまとめた図である。
【図9】本発明の実施の第1の形態に係るカメラの主要
部分の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の第2の形態に係るカメラの主
要部分の回路構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの概
略を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の第3の形態に係るカメラの主
要部分の動作を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施の第4の形態に係るカメラの概
略を示す断面図である。
【図14】本発明の実施の第4の形態に係るカメラの主
要部分の回路構成を示すブロック図である。
【図15】本発明の実施の第4の形態に係るカメラの主
要部分の動作を示すフローチャートである。
【図16】従来の防振システムを搭載したコンパクトカ
メラを示す斜視図である。
【符号の説明】
11 マイコン 10p 振動検出装置 12p 駆動回路 31 補正レンズ 32 支持枠 33 ヨーク 35 地板 36p,36y コイル 42 回転筒 43 モータ 44 直進筒 51 アンバランサ 115 故障判定操作スイッチ 312p 抵抗

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振れを抑制する防振システムの故障を判
    定する故障判定手段と、この防振制御装置が搭載される
    光学機器の動作条件によって前記故障判定手段を制御す
    る故障判定制御手段とを有することを特徴とする防振制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記故障判定制御手段は、前記光学機器
    の動作条件によって前記故障判定手段の故障判定基準を
    変更する基準変更手段を有することを特徴とする請求項
    1記載の防振制御装置。
  3. 【請求項3】 前記防振システムは、振れを補正する補
    正手段と、該補正手段を駆動する駆動手段とを具備して
    おり、前記故障判定手段は、前記偏心手段が光軸を偏心
    させる方向に移動した際の前記駆動手段の出力と所定の
    故障判定基準値との比較により、前記偏心手段の故障判
    定を行う手段であり、 前記故障判定制御手段内の前記基準変更手段は、前記光
    学機器の撮影条件によって前記故障判定基準を変更する
    ことを特徴とする請求項2記載の防振制御装置。
  4. 【請求項4】 前記基準変更手段は、前記光学機器の撮
    影シャッタスピードが速い時は、前記故障判定基準を下
    げることを特徴とする請求項2又は3記載の防振制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記基準変更手段は、前記光学機器のレ
    ンズの焦点距離が短い時は、前記故障判定基準を下げる
    ことを特徴とする請求項2又は3記載の防振制御装置。
  6. 【請求項6】 前記基準変更手段は、前記光学機器に加
    わる振れが小さい時は、前記故障判定基準を下げること
    を特徴とする請求項2又は3記載の防振制御装置。
  7. 【請求項7】 前記基準変更手段は、前記光学機器がセ
    ルフタイマモード或いはリモコンモードである時は、前
    記故障判定基準を下げることを特徴とする請求項2又は
    3記載の防振制御装置。
  8. 【請求項8】 前記基準変更手段は、前記光学機器が固
    定部材に設置されている時は、前記故障判定基準を下げ
    ることを特徴とする請求項2又は3記載の防振制御装
    置。
  9. 【請求項9】 前記故障判定制御手段は、前記光学機器
    の動作条件によって前記故障判定手段の動作,非動作を
    選択する動作選択手段を有することを特徴とする請求項
    1記載の防振制御装置。
  10. 【請求項10】 前記動作選択手段は、防振非使用モー
    ドの時は、前記故障判定手段を非動作状態にすることを
    特徴とする請求項9記載の防振制御装置。
  11. 【請求項11】 前記動作選択手段は、前記光学機器の
    電力が所定値以下の時は、前記故障判定手段を非動作状
    態にすることを特徴とする請求項9記載の防振制御装
    置。
  12. 【請求項12】 前記動作選択手段は、前記光学機器が
    セルフタイマモード或いはリモコンモードである時は、
    前記故障判定手段を非動作状態にすることを特徴とする
    請求項9記載の防振制御装置。
  13. 【請求項13】 前記動作選択手段は、前記光学機器が
    固定部材に設置されている時は、前記故障判定手段を非
    動作状態にすることを特徴とする請求項9記載の防振制
    御装置。
  14. 【請求項14】 前記故障判定制御手段は、前記光学機
    器の撮影条件によって前記故障判定手段の故障判定の動
    作様式を変更する判定動作変更手段を有することを特徴
    とする請求項1記載の防振制御装置。
  15. 【請求項15】 前記防振システムは、振れを補正する
    補正手段と、該補正手段を駆動する駆動手段とを具備し
    ており、前記故障判定手段は、前記補正手段が前記駆動
    手段にて駆動されている際の、前記補正手段の駆動状態
    より故障判定を行う手段であり、 前記判定動作変更手段は、前記光学機器の撮影条件によ
    って前記補正手段の駆動様式を変更することを特徴とす
    る請求項14記載の防振制御装置。
  16. 【請求項16】 前記判定動作変更手段は、前記光学機
    器の使用時における環境温度が低い時は、前記補正手段
    への駆動力を大きくすることを特徴とする請求項14記
    載の防振制御装置。
  17. 【請求項17】 前記判定動作変更手段は、前記光学機
    器の使用時の姿勢により前記補正手段の駆動負荷が大き
    くなる時に、前記補正手段への駆動力を大きくすること
    を特徴とする請求項14記載の防振制御装置。
  18. 【請求項18】 振れを補正する補正手段、及び、該補
    正手段を駆動する補正用駆動手段とを具備した防振シス
    テムの故障を判定する故障判定手段を有し、該故障判定
    手段は、前記補正用駆動手段とは独立した、この防振制
    御装置が搭載される光学機器の駆動手段の駆動力を利用
    して前記補正手段を駆動させ、この時の前記補正手段の
    駆動状態より前記防振システムの故障判定を行うことを
    特徴とする防振制御装置。
  19. 【請求項19】 前記光学機器は撮影光学系を保持する
    鏡筒を有し、前記故障判定手段は、前記鏡筒を駆動する
    駆動手段の駆動力を利用して前記補正手段を駆動させ、
    この時の前記補正手段の駆動状態より前記防振システム
    の故障判定を行うことを特徴とする請求項18記載の防
    振制御装置。
  20. 【請求項20】 前記鏡筒の非撮影状態から撮影状態ま
    での繰り出し動作により、前記補正手段を駆動させ、こ
    の時の前記補正手段の駆動状態より前記防振システムの
    故障判定を行うことを特徴とする請求項19記載の防振
    制御装置。
  21. 【請求項21】 振れを補正する補正手段を具備した防
    振システムの故障を判定する故障判定手段を有し、該故
    障判定手段は、前記振れ抑制を行わなれていない時に該
    防振制御装置に加わる振動により位置変動する前記補正
    手段の、該位置変動状態より前記防振システムの故障判
    定を行うことを特徴とする防振制御装置。
  22. 【請求項22】 前記故障判定手段は、前記光学機器の
    何れかの操作部材の操作に伴って前記光学機器に加わる
    振動により揺動する前記補正手段の、該揺動状態により
    前記防振システムの故障判定を行うことを特徴とする請
    求項21記載の防振制御装置。
  23. 【請求項23】 防振システムに具備された振れを補正
    する補正手段を駆動させ、前記防振システムの故障を判
    定する故障判定手段と、この防振制御装置が搭載される
    光学機器に駆動音が生じている際に、前記故障判定手段
    を動作させる故障動作制御手段とを有したことを特徴と
    する防振制御装置。
  24. 【請求項24】 前記故障動作制御手段は、前記光学機
    器のフィルム送り中に、前記故障判定手段を動作させる
    ことを特徴とする請求項23記載の防振制御装置。
  25. 【請求項25】 前記故障動作制御手段は、前記光学機
    器の撮影光学系を保護するレンズバリアの開又は閉動作
    中に、前記故障判定手段を動作させることを特徴とする
    請求項23記載の防振制御装置。
  26. 【請求項26】 振れを抑制する防振システムと、該防
    振システムの故障を判定する故障判定手段と、該故障判
    定手段を動作させる故障判定動作開始操作部材とを有す
    ることを特徴とする防振制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003091028A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Canon Inc 補正手段の位置制御装置
JP2012230330A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Nikon Corp カメラ

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