JP2000001681A - 潤滑油基油 - Google Patents

潤滑油基油

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JP2000001681A
JP2000001681A JP10165234A JP16523498A JP2000001681A JP 2000001681 A JP2000001681 A JP 2000001681A JP 10165234 A JP10165234 A JP 10165234A JP 16523498 A JP16523498 A JP 16523498A JP 2000001681 A JP2000001681 A JP 2000001681A
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Japan
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oil
ester
pyromellitic acid
lubricating
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JP10165234A
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Mikio Saitou
未来生 斎藤
Yasuyuki Kawahara
康行 川原
Koji Takahashi
孝司 高橋
Makiko Shinojima
真希子 篠島
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New Japan Chemical Co Ltd
Original Assignee
New Japan Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 (1)低温から高温までの幅広い温度範囲
で安定した潤滑が得られる粘度指数を有し、(2)高温
での酸化安定性に優れ、(3)更に、酸化劣化した場合
でもタール分ができにくい、これらの特長を有する潤滑
油基油を提供する。 【構成】 一般式(1)で表される1種若しくは2種以
上のピロメリット酸エステルからなり、且つ粘度指数が
90以上であることを特徴とする。 [式中、4つのRは同一又は異なって、炭素数6〜18
の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、潤滑油基油に関
し、より詳しくは、耐熱性及び低タール性に優れ、更に
高粘度指数を有するピロメリット酸エステル系潤滑油基
油に関するものである。
【0002】
【従来の技術】潤滑油は基油に種々の添加剤を加えたも
ので、機械の摺動部の潤滑、シール、冷却、錆止め等を
行う。近年、機械類は高効率化(高負荷・高速条件)、省
エネルギー化、メンテナンスフリー化が進み、潤滑油が
使用される条件は過酷になってきている。これらの状況
の中、潤滑油基油に対する要求性能は、高い酸化安定性、
低タール性及び良好な粘度特性(粘度指数が高い)の3
点が特に重要になっている。
【0003】基油は酸化劣化が進むと粘度が上昇し、機
械効率の低下(消費電力の上昇等)を招く。この場合潤
滑油の交換が必要となるが、酸化安定性の良い基油は、
エネルギー消費を抑えると共に、潤滑油の交換期間を長
くすることができる。また、基油は酸化劣化した際のタ
ールやコーク(炭化物)の生成量が多いと摺動部付近に
堆積して潤滑油が行き渡らなくなり、焼き付き、摩耗又
は軋み音の原因となる。また、機械の分解・清掃が必要
となるため、メンテナンス上の問題が生じることにな
る。そのため、タールの生成量は極力少ないことが望ま
しい。
【0004】粘度指数はJIS K 2283に規定さ
れており、温度による粘度変化の度合いを示す。粘度指
数が低い潤滑油は、低温での粘度と高温での粘度の差が
大きく、低温においては起動トルクや消費電力が大きく
なり、また、高温では油膜切れによる摺動部材の焼き付
き、摩耗が生じる。一方、粘度指数が高い(粘度指数9
0以上)潤滑油は高温時と低温時の粘度変化が小さく、
幅広い温度範囲で安定した潤滑が可能である。従って、
エネルギー消費の節約や機器管理の負担を軽減する。ま
た、粘度指数の高い潤滑油は、同等粘度の粘度指数の低
いものに比較して、高温での蒸発損失が少なく、潤滑油
の消費量が少ない利点がある。粘度指数の向上は、基油
に粘度指数向上剤を混合することによっても達成される
が、その場合、より低い粘度の基油を用いることにな
り、高温での蒸発損失が多くなる。更に、添加剤自身の
酸化安定性が高くないため、基油自身の粘度指数が高い
ことが重要である。
【0005】従来ピロメリット酸エステルは芳香族エス
テルの1種として、フタル酸エステル、トリメリット酸
エステルと同様に潤滑油基油として使用することが知ら
れている。例えば特開平10−130673号では、ト
リメリット酸テトラ(3',5',5'-トリメチルヘキシル)
エステルからなる潤滑油基油は、耐熱性及び低タール性
に優れたエステルであり、潤滑油基油として有効である
ことが記載されている。
【0006】ところが、上記公報では、ピロメリット酸
エステルを構成するアルコールの主成分として3,5,5-ト
リメチルヘキサノールが用いられており、当該エステル
は耐熱性及び低タール性の面では優れているが、粘度指
数は80であり、高温使用時は非常に優れた性能を示す
一方、低温特性を要求される用途では使用が制限される
問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、(1)低温
から高温までの幅広い温度範囲で安定した潤滑が得られ
る粘度指数を有し、(2)高温での酸化安定性に優れ、
(3)更に、酸化劣化した場合でもタール分ができにく
い、これらの特長を有する潤滑油基油を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意検討の結果、ピロメリット酸エステル
のうち特定の構造を有するものが高い粘度指数を有し、
当該エステルを用いた潤滑油基油は幅広い温度範囲で安
定した性能を示すことを見いだし、かかる知見に基づい
て本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明に係る潤滑油基油は、一般式
(1)で表される1種若しくは2種以上のピロメリット
酸エステルからなり、且つ粘度指数が90以上であるこ
とを特徴とする。
【0010】 [式中、4つのRは同一又は異なって、炭素数6〜18
の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。]
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のエステル(以下「本エス
テル」という)中のRで表される基は、R−OHで表さ
れるアルコール由来の基であり、ピロメリット酸とアル
コール(R−OH)とのエステル化反応により本エステ
ルが形成される。Rとしては、炭素数6〜18の直鎖状
又は分岐鎖状の脂肪族アルキル基が挙げられる。炭素数
が5以下では、ピロメリット酸エステルの粘度指数が低
くなり、また、炭素数が19以上では直鎖状、分岐鎖状
を問わず常温で固体になりやすい。
【0012】R−OHで表されるアルコールの具体例と
しては、n−ヘキサノール、イソヘキサノール、n−ヘ
プタノール、イソヘプタノール、n−オクタノール、イ
ソオクタノール、2−エチルヘキサノール、n−ノナノ
ール、イソノナノール(オキソアルコール)、3,5,
5−トリメチルヘキサノール、n−デカノール、イソデ
カノール、n−ウンデカノール、イソウンデカノール、
n−ドデカノール、イソドデカノール、n−トリデカノ
ール、イソトリデカノール、n−テトラデカノール、イ
ソテトラデカノール、n−ペンタデカノール、イソペン
タデカノール、n−ヘキサデカノール、イソヘキサデカ
ノール、n−ヘプタデカノール、イソヘプタデカノー
ル、n−オクタデカノール、イソオクタデカノール等が
例示される。又、これらのアルコールの代わりに酢酸エ
ステル等のエステルを用いることも可能である。
【0013】本発明で重要となる粘度指数は、Rで表さ
れるアルキル基の鎖長及び、アルキル鎖の構造に依存す
る。即ち、直鎖状アルキル基の鎖長が長いほど粘度指数
は上昇する。逆に、分岐アルキル基の分子屈曲性が大き
いほど、(即ち、分岐アルキル基の分岐度が高いほど、
特に4級炭素の存在等)、粘度指数は低下しやすい。従
って、本エステルのR中の、4級炭素を有するアルキル
基の含有率が50%未満が好ましい。4級炭素を有する
アルキル基は、3級炭素を有する分岐鎖状アルキル基と
比べて分子屈曲性が大きく、粘度指数に大きく影響を与
える。4級炭素を有するアルキル基の含有率が50%を
越えると粘度指数が低くなる傾向にある。具体的な4級
炭素を有するRとして例えば、3,5,5-トリメチルヘキシ
ル基、3,3-ジメチルペンチル基等がある。
【0014】本エステルは1種若しくは2種以上のピロ
メリット酸エステルからなる。本エステルのアルキル基
Rが直鎖状アルキルエステルでは、鎖長が増加すれば粘
度指数は高くなるが、流動点も高くなりやすい。一方、
分岐鎖状のアルキルエステルでは分岐度が増加すれば流
動点は低くなるが、粘度指数も低下する。従って、潤滑
油基油の流動点の面からは、本エステルのR中の、炭素
数10以上の直鎖状アルキル基の含有率は60%未満が
好ましい。
【0015】粘度指数の面から或いは流動点の面から、
本エステルの1種のみではバランスが悪い場合、直鎖状
アルキルエステルと分岐鎖状アルキルエステルを混合物
にするとバランスのよいエステルが得られる。混合物
は、ピロメリット酸と2種以上の混合アルコールとのエ
ステル化反応による、又は2種以上のピロメリット酸エ
ステル同士を任意の割合で混合することにより得られ
る。
【0016】かくして得られるピロメリット酸エステル
のうちで、アルコール成分をn−オクタノール、イソオ
クタノール、2−エチルヘキサノール、n−ノナノー
ル、イソノナノール、n−デカノール、イソデカノー
ル、n−ウンデカノール、イソウンデカノールとするも
のが特に好ましく、具体的な化合物としては、ピロメリ
ット酸テトラ(n−オクチル)、ピロメリット酸テトラ
(2−エチルヘキシル)、ピロメリット酸テトラ(イソ
オクチル)、ピロメリット酸テトラ(n−ノニル)ピロ
メリット酸テトラ(イソノニル)、ピロメリット酸テト
ラ(n−デシル)、ピロメリット酸テトラ(イソデシ
ル)、ピロメリット酸テトラ(n−ウンデシル)、ピロ
メリット酸テトラ(イソウンデシル)およびこれらの混
合物が推奨される。
【0017】更に、ピロメリット酸とアルコール混合物
との混基エステル中で好ましい例として、ピロメリット
酸テトラ(n−オクチルと2−エチルヘキシル混合
物)、ピロメリット酸テトラ(n−オクチルとイソヘプ
チル混合物)、ピロメリット酸テトラ(n−ノニルと2
−エチルヘキシル混合物)、ピロメリット酸テトラ(n
−デシルと2−エチルヘキシル混合物)、ピロメリット
酸テトラ(n−オクチルとイソノニル混合物)、ピロメ
リット酸テトラ(n−オクチルとイソデシル混合物)、
ピロメリット酸テトラ(n−オクチルとイソウンデシ
ル)、ピロメリット酸テトラ(n−ノニルとイソノニ
ル)等が挙げられる。
【0018】本エステルの製造方法としては、従来公知
の方法で製造することが可能であり、例えば特開平10
−130673号に記載の方法により製造できる。
【0019】又、本発明に係る潤滑油基油は、鉱油やポ
リ−α−オレフィン、ポリブテン、アルキルベンゼン等
の炭化水素油、本エステル以外のエステル(以下「併用
エステル」という。)及びポリアルキレングリコール、
フェニルエーテル、シリコーン油よりなる群から選ばれ
る1種若しくは2種以上の化合物を適宜併用して混合基
油とすることができる。本エステルの混合により、耐熱
性、粘度指数の向上、タール溶解性を付与することができ
る。混合基油における本エステルの割合は5重量%以上
であり、併用する油種に応じて好適な混合比は異なる。
【0020】鉱油としては、粘度が3〜30mm/s
(100℃)程度のものが適当である。
【0021】α−オレフィンオリゴマーとしては、炭素
数8〜12の直鎖状のα−オレフィィンの3〜10量体
が推奨される。
【0022】アルキルベンゼンとしてはアルキル基が直
鎖型でも分岐型でもよく、平均分子量が200〜100
0のものが推奨される。
【0023】炭化水素油を併用する場合には、混合基油
全体に対して本エステルの割合が5〜40重量%、望ま
しくは10〜30重量%が適当である。そのような混合
基油を用いれば、潤滑油の添加剤溶解性、ゴム膨潤性、
酸化安定性の良好なものが得られる。
【0024】併用エステルとしては、従来の脂肪族エス
テル、芳香族エステル及びポリオールエステルが例示さ
れ、本エステルと併用エステルとを混合して用いる場
合、混合基油全体に対する本エステルの割合としては2
0重量%以上、望ましくは50重量%以上が適当であ
る。このように当該エステルを併用することによりエス
テル全体の高温安定性を改良できる。
【0025】ポリアルキレングリコールとしては、プロ
ピレンオキサイド或いはエチレンオキサイドとプロピレ
ンオキサイドの共重合物が例示され、特に40℃の粘度が
10〜4,000mm/sの範囲のものが推奨される。
【0026】これらのポリアルキレングリコールに本エ
ステルを混合して用いる場合、混合基油全体に対する本
エステルの割合としては50〜95重量%、望ましくは
70〜90重量%が適当である。当該混合により高温安
定性を改良できる。
【0027】フェニルエーテルとしては、モノアルキル
ジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、
ポリフェニルエーテル[ビス(m−フェノキシフェニ
ル)エーテルやm−ビス(m−フェノキシフェノキシ)
ベンゼン等]等が例示され、本エステルとフェニルエー
テルを混合して用いる場合、混合基油全体に対する本エ
ステルの割合としては10重量%以上、望ましくは50
重量%以上が適当である。当該混合により、基油全体の
酸化安定性や潤滑性を向上することが可能となる。
【0028】シリコーン油としてはジメチルシリコーン
やフェニルシリコーン等が例示され、本エステルとシリ
コーン油を混合して用いる場合、混合基油全体に対する
本エステルの割合としては10重量%以上、望ましくは
50重量%以上が適当である。当該混合により、潤滑性
や添加剤の溶解性を向上することが可能となる。
【0029】本発明に係る潤滑油基油には、その性能を
向上させるために、酸化防止剤の他に耐摩耗剤、清浄分
散剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、金属不活性剤、
金属腐食防止剤、防錆剤、増稠剤、消泡剤等の添加剤の
1種又は2種以上を適宜配合することも可能である。所
定の効果を奏する限り特に限定されるものではないが、
その具体的処方例を以下に示す。
【0030】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル系、芳香族アミン系、硫黄系、フォスファイト系、ジ
チオリン酸亜鉛系の化合物が例示され、通常、基油に対
して0.1〜5重量%添加される。
【0031】耐摩耗剤としては、有機硫黄系、有機リン
系、ジチオリン酸亜鉛系、長鎖脂肪酸系の化合物が例示
され、通常、基油に対して0.05〜5重量%添加され
る。
【0032】粘度指数向上剤としては、ポリアルキルメ
タクリレート系、エチレン−プロピレンコポリマー系、
スチレン−ブタジエンコポリマー系の化合物が例示さ
れ、通常、基油に対して1〜20重量%添加される。
【0033】流動点降下剤としては、ポリメタクリレー
ト系、アルキル化ナフタレン系の化合物が例示され、通
常、基油に対して0.1〜2重量%の範囲で添加され
る。
【0034】金属不活性剤及び腐食防止剤としては、ベ
ンゾトリアゾール系、チアジアゾール系の化合物が例示
され、通常、基油に対して0.01〜0.4重量%程度
配合される。
【0035】防錆剤としては、スルフォン酸塩系、カル
ボン酸系、有機アミン石けん系、ソルビタン部分エステ
ル系の化合物が例示され、基油に対して0.05〜3重
量%が通常の添加量である。
【0036】増稠剤としては、グリースに用いられるも
ので、石けん系、非石けん系の化合物があり、通常、基
油に対して5〜20重量%加えられる。
【0037】消泡剤としては、ポリジメチルシリコーン
等のシリコーン系化合物が例示され、通常、基油に対し
て10ppmオーダーの量で添加される。
【0038】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を詳しく説明す
るが、本発明は実施例に限定されるものではない。ま
た、各例における潤滑油の物理性状は以下の方法により
評価した。
【0039】潤滑油基油の動粘度および粘度指数はJI
S K 2283に基づき測定を行った。粘度指数は温
度と粘度の関係を表す指標であり、高温時(100℃)
と低温時(40℃)における粘度の差が小さいほど数値
が大きく、潤滑油基油として好ましい。好適な粘度特性
を有する潤滑油基油とは、通常粘度指数90以上であ
る。
【0040】潤滑油基油の流動点はJIS K 226
9に基づき測定を行った。流動点は潤滑油を冷却したと
き、流動性を失う直前の温度であり、この値が低いほど
低温での使用が可能になり、潤滑油基油として好まし
い。
【0041】潤滑油基油及び組成物の酸価はJIS K
0070に基づき測定を行った。
【0042】実施例1 撹拌器、温度計、冷却管付き水分分留受器を備えた1リ
ットルの四ツ口フラスコに無水ピロメリット酸218g
(1モル)、2−エチルヘキサノール572g(4.4
モル)を仕込み、窒素気流下、240℃まで昇温した。
理論的にできる水の量を目処にして生成した水を水分分
留受器にとりながらエステル化反応を約6時間行った。
反応終了後、過剰のアルコールを蒸留で除去し、苛性ソ
ーダ水溶液で中和して、その後中性になるまで水洗し
た。次いで活性炭処理を行い、更に濾過をしてピロメリ
ット酸テトラ(2−エチルヘキシル)(エステルA)6
69g(収率95%)得た。第1表に用いた原料の種類
及び組成を示す。また、エステルAの動粘度(40℃、
100℃)、粘度指数、流動点を第2表に示す。
【0043】潤滑油の酸化安定性試験は通常酸化防止剤
などの添加剤を加えて行われる。本エステル及び比較油
も同一の添加剤を配合して酸化安定性試験を行った。
【0044】酸化安定性試験方法 エステルAに対し、フェニル−1−ナフチルアミン0.
7重量%、p,p’−ジオクチルジフェニルアミン0.
7重量%、リン酸トリクレジル2.0重量%及びベンゾ
トリアゾール0.1重量%を添加溶解させて添加油を調
製した。次いで、内径33mm、高さ85mmのガラス製試
験管に上記添加油0.1gと鋼、アルミ、銅の針金をそ
れぞれ2mmの長さに切ったものを入れて共栓の蓋をし、
蓋が開かないように止め金を付けた。その試験管をオー
ブンに入れ、204℃で72時間加熱する。その後、試
料油の酸価を測定して加熱試験前の酸価との比較を行っ
た。更に、試験後の試料油の色を観察した。又、試料油
に20倍量のヘキサンを入れて溶かし、不溶部をタール
分(重量%)とした。その結果を第2表に示す。
【0045】潤滑油は高温で酸化を受けるとカルボン酸
が生成し酸価が上昇する。カルボン酸はタールの前駆体
となるため酸価の上昇値は極力低い方が良い。本発明の
ピロメリット酸エステルは、比較例に示した従来からよ
く知られているエステル系潤滑油基油に対して、酸価の
上昇が低いことが特長である。
【0046】潤滑油が劣化してタール分が生じると、潤
滑に必要な適正な粘度を保てなくなったり、摺動部に堆
積して潤滑油が行き渡らなくなる問題が生じる。そのた
めタール分の生成は少ない程良い。本発明のピロメリッ
ト酸エステルはタール分の生成が低いことも特長であ
る。
【0047】実施例2〜7 第1表に示されたアルコールを用いて実施例1と同様の
操作によりエステルB〜Gを合成した。その動粘度、粘
度指数、流動点を第2表に示す。また、当該エステルに
実施例1と同様の添加剤を配合して調製した添加油の酸
化安定性を実施例1と同様にして評価した。得られた結
果を第2表に示す。
【0048】実施例8 エステルA、Bを重量比7:3で混合し、エステルGを
調製した。その動粘度、粘度指数、流動点を第2表に示
す。また、当該エステルに実施例1と同様の添加剤を配
合して調製した添加油の酸化安定性を実施例1と同様に
して評価した。得られた結果を第2表に示す。
【0049】比較例1〜3 第1表に示された酸及びアルコールを用いて実施例1と
同様の操作によりエステルa〜cを合成した。その動粘
度、粘度指数、流動点を第2表に示す。また、当該エス
テルに実施例1と同様の添加剤を配合して調製した添加
油の酸化安定性を実施例1と同様にして評価した。得ら
れた結果を第2表に示す。
【0050】比較例1、2に示されたピロメリット酸エ
ステルa、bは、酸化安定性に優れるものの、本発明の
エステルに比較して粘度指数が低い。
【0051】比較例3に示されたエステルc(アジピン
酸ジイソデシル)はエステル系潤滑油基油として一般的
な化合物であり、自動車エンジン油、金属加工油、グリ
ース基油等に使用されている。このエステルは非常に高
い粘度指数を有するものの、本エステルに比較して著し
く酸化が上昇し、また、タールの生成量が多い。
【0052】本発明の潤滑油基油は他の油種を適用して
混合基油としても使用可能である。本発明のエステルを
用いることにより、酸化安定性の向上やタール生成の抑
制をすることが出来る。
【0053】実施例9 パラフィン系精製鉱油(粘度=11.1mm/s、10
0℃、以下「鉱油」と略記する。)80重量部とエステ
ルA20重量部からなる混合基油を調製し、当該混合基
油を適用して実施例1と同様に添加油を調製した。添加
油の酸化安定性試験方法は実施例1に記載の方法と同様
であるが、試験時間は72時間から24時間に変更して
行った。得られた結果を第3表に示す。
【0054】実施例10 デセン−1オリゴマー(粘度=5.60mm/s、10
0℃、以下「PAO」と略記する。)80重量部とエス
テルA20重量部からなる混合基油を調製し、当該混合
基油を適用して調製した添加油油の酸化安定性を実施例
9と同様にして評価した。得られた結果を第3表に示
す。
【0055】実施例11 アルキルベンゼン(粘度=8.6mm/s、40℃、平
均分子量250、以下「AB」と略記する。)60重量
部とエステルB40重量部からなる混合基油を調製し、
当該混合基油を適用して調製した添加油油の酸化安定性
を実施例9と同様にした評価した。得られた結果を第3
表に示す。
【0056】実施例12 ポリアルキレングリコール(粘度=631mm/s、1
00℃、以下「PAG」と略記する。)10重量部とエ
ステルC90重量部からなる混合基油を調製し、当該混
合基油を適用して調製した添加油油の酸化安定性を実施
例9と同様にした評価した。得られた結果を第3表に示
す。
【0057】実施例13 アルキルジフェニルエーテル(粘度=106mm/s、
40℃、13mm/s、100℃、以下「ADE」と略
記する。)40重量部とエステルC60重量部からなる
混合基油を調製し、当該混合基油を適用して調製した添
加油油の酸化安定性を実施例9と同様にした評価した。
得られた結果を第3表に示す。
【0058】実施例14 ペンタエリスリトールテトラ(2−エチルヘキサノエー
ト)(粘度=44.9mm/s、40℃、6.3mm
s、100℃、以下「POE」と略記する。)とエステ
ルAの当重量混合物を適用して調製した試験油の酸化安
定性を実施例9と同様にした評価した。得られた結果を
第3表に示す。
【0059】比較例4 鉱油を適用して調製した添加油油の酸化安定性試験を実
施例9と同様にして行った。得られた結果を第3表に示
す。
【0060】比較例5 PAOを適用して調製した添加油油の酸化安定性を実施
例9と同様にして評価した。得られた結果を第3表に示
す。
【0061】比較例6 ABを適用して調製した添加油の酸化安定性を実施例9
と同様にして評価した。得られた結果を第3表に示す。
【0062】比較例7 PAGを適用して調製した添加油油の酸化安定性を実施
例9と同様にして評価した。得られた結果を第3表に示
す。
【0063】比較例8 ADEを適用して調製した添加油の酸化安定性を実施例
9と同様にして評価した。得られた結果を第3表に示
す。
【0064】比較例9 POEを適用して調製した添加油の酸化安定性を実施例
9と同様にして評価した。得られた結果を第3表に示
す。
【0065】
【0066】
【0067】
【発明の効果】本発明に係る潤滑油基油は、従来公知の
ピロメリット酸エステル基油と比較して高い粘度指数を
有しており、広範囲の温度下での作動が可能であり、自
動車エンジン油、ガスエンジン油、2サイクルエンジン
油、ジェットエンジン油、ガスタービン油、セラミック
ガスタービン油、コンプレッサー油、チェーン油、油圧
作動油、ギヤ油、軸受油、グリース基油等に適用でき、
0℃以上から230℃の幅広い温度範囲で十分に機能す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10N 40:12 40:25 40:30 40:32 (72)発明者 篠島 真希子 京都府京都市伏見区葭島矢倉町13番地 新 日本理化株式会社内 Fターム(参考) 4H104 BB33A BC09A EA02A LA01 LA04 LA05 PA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される1種若しくは2
    種以上のピロメリット酸エステルからなり、且つ粘度指
    数が90以上であることを特徴とする潤滑油基油。 [式中、4つのRは同一又は異なって、炭素数6〜18
    の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を表す。]
  2. 【請求項2】 ピロメリット酸エステルを構成するアル
    キル基Rの、50%未満が4級炭素を有するアルキル基
    である請求項1に記載の潤滑油基油。
  3. 【請求項3】 ピロメリット酸エステルを構成するアル
    キル基Rの、60%未満が炭素数10以上の直鎖状アル
    キル基である請求項1に記載の潤滑油基油。
  4. 【請求項4】 Rが、n−オクチル基、2−エチルヘキ
    シル基、n−ノニル基、イソノニル基、n−デシル基、
    イソデシル基、n−ウンデシル基、イソウンデシル基の
    群から選択される1種又は2種以上である請求項1〜3
    のいずれかの請求項に記載の潤滑油基油。
  5. 【請求項5】 ピロメリット酸エステルが、ピロメリッ
    ト酸テトラ(n-オクチル)、ピロメリット酸テトラ(2'
    -エチルヘキシル)である請求項1に記載の潤滑油基
    油。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のピロメ
    リット酸エステルからなる潤滑油基油の含有率が5重量
    %以上である潤滑油混合基油。
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