JP2000001471A - 6,8―ジメルカプトオクタン酸誘導体及びそれを含有する医薬組成物 - Google Patents
6,8―ジメルカプトオクタン酸誘導体及びそれを含有する医薬組成物Info
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 アポトーシス誘発剤用の新規な6,8-ジメルカ
プトクタン酸誘導体を提供する。 【解決手段】 一般式I {Rは基 -OR3又は式3 R1とR2は同一又は異なり水素、-COCH 3又は式2 -CO(CH2)2SCH3 (2) の3-メチルチオプロパノイル基、R3は水素、直鎖/分
岐鎖アルキル基又は式4 nは1〜10の整数、r'とr"は同一又は異なり水素又は
直鎖/分岐鎖アルキル基を表すか、r'とr"は窒素と一
緒に酸素又は窒素置換されてもよい含窒素複素環、R4
とR5は同一又は異なり水素又は直鎖/分岐鎖アルキル
基を表す〔但しR1とR2の1つ以上は式2の 3-メチ
ルチオプロパノイル基〕}の6-S位及び/又は8-S位が
3-メチルチオプロパノイル基で置換された6,8-ジメルカ
プトオクタン酸誘導体、そのR-又はS-鏡像異性体及び
ラセミ混合物及び塩、医薬組成物及び癌性腫瘍の治療・
予防方法。
プトクタン酸誘導体を提供する。 【解決手段】 一般式I {Rは基 -OR3又は式3 R1とR2は同一又は異なり水素、-COCH 3又は式2 -CO(CH2)2SCH3 (2) の3-メチルチオプロパノイル基、R3は水素、直鎖/分
岐鎖アルキル基又は式4 nは1〜10の整数、r'とr"は同一又は異なり水素又は
直鎖/分岐鎖アルキル基を表すか、r'とr"は窒素と一
緒に酸素又は窒素置換されてもよい含窒素複素環、R4
とR5は同一又は異なり水素又は直鎖/分岐鎖アルキル
基を表す〔但しR1とR2の1つ以上は式2の 3-メチ
ルチオプロパノイル基〕}の6-S位及び/又は8-S位が
3-メチルチオプロパノイル基で置換された6,8-ジメルカ
プトオクタン酸誘導体、そのR-又はS-鏡像異性体及び
ラセミ混合物及び塩、医薬組成物及び癌性腫瘍の治療・
予防方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は6-S位及び/又は8-S
位が3-メチルチオプロパノイル基で置換されている6,8-
ジメルカプトオクタン酸誘導体及び細胞アポトーシス誘
発剤としてのその使用に関する。
位が3-メチルチオプロパノイル基で置換されている6,8-
ジメルカプトオクタン酸誘導体及び細胞アポトーシス誘
発剤としてのその使用に関する。
【0002】また、本発明は有効成分として6-S位及び
/又は8-S位が3-メチルチオプロパノイル基で置換され
ている6,8-ジメルカプトオクタン酸誘導体の少なくとも
1種を製薬学的に許容し得る付形剤中に含有する医薬組
成物、特に癌性腫瘍の治療、退縮及び予防用の医薬組成
物に関する。
/又は8-S位が3-メチルチオプロパノイル基で置換され
ている6,8-ジメルカプトオクタン酸誘導体の少なくとも
1種を製薬学的に許容し得る付形剤中に含有する医薬組
成物、特に癌性腫瘍の治療、退縮及び予防用の医薬組成
物に関する。
【0003】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】細胞死
のメカニズムの一つの型はいわゆる“アポトーシス”と
呼ばれるものであり、特にKERR J.F.R.らの論文、J. Ca
ncer, 265, 239(1972)により報告されている。細胞の自
己死の一つの高選択的な形であるアポトーシスの特徴は
容易に観察できる形態学的及び生化学的現象にあると理
解される。すなわち、エキソヌクレアーゼの活性化と関
連するか又は関連しないでクロマチンすなわち染色質が
凝縮し、アポトーシス小体を形成し、次いでデオキシリ
ボ核酸(以下、DNAと略記する)が180〜200塩基対のDNA断
片に断片化し、それによってアガロースゲル電気泳動に
より容易に認識できるプロフィルを与えることが認めら
れる。
のメカニズムの一つの型はいわゆる“アポトーシス”と
呼ばれるものであり、特にKERR J.F.R.らの論文、J. Ca
ncer, 265, 239(1972)により報告されている。細胞の自
己死の一つの高選択的な形であるアポトーシスの特徴は
容易に観察できる形態学的及び生化学的現象にあると理
解される。すなわち、エキソヌクレアーゼの活性化と関
連するか又は関連しないでクロマチンすなわち染色質が
凝縮し、アポトーシス小体を形成し、次いでデオキシリ
ボ核酸(以下、DNAと略記する)が180〜200塩基対のDNA断
片に断片化し、それによってアガロースゲル電気泳動に
より容易に認識できるプロフィルを与えることが認めら
れる。
【0004】現在、種々様々な天然抗癌剤又は合成抗癌
剤が入手できる。特に抗新生物剤として、アルキル化
剤、例えばシクロホスファミド、ニトロソウレア例えば
1,3-ビス(2-クロロエチル)-1-ニトロソウレア(BCNU);
挿入剤、例えばアクチノマイシンD又はアドリアマイシ
ン、プリン又はピリミジン塩基類縁体、例えば6-チオグ
アニジン及び5-フルオロウラシル;プリン塩基の新規合
成阻害剤、例えばメトトレキセート;及びチューブリン
重合阻害剤、例えばTaxol(登録商標)を挙げ得る。
剤が入手できる。特に抗新生物剤として、アルキル化
剤、例えばシクロホスファミド、ニトロソウレア例えば
1,3-ビス(2-クロロエチル)-1-ニトロソウレア(BCNU);
挿入剤、例えばアクチノマイシンD又はアドリアマイシ
ン、プリン又はピリミジン塩基類縁体、例えば6-チオグ
アニジン及び5-フルオロウラシル;プリン塩基の新規合
成阻害剤、例えばメトトレキセート;及びチューブリン
重合阻害剤、例えばTaxol(登録商標)を挙げ得る。
【0005】これらの物質の使用に関する主な不都合の
一つは、かかる物質が腫瘍細胞に対して選択的なアポト
ーシス活性がないことである。従って、かかる化合物を
合成するための大きな問題は、正常細胞をできるだけ傷
つけずにしかも可逆的な方法で腫瘍組織中で最大アポト
ーシスを誘発する分子を設計し、そして合成することで
ある。
一つは、かかる物質が腫瘍細胞に対して選択的なアポト
ーシス活性がないことである。従って、かかる化合物を
合成するための大きな問題は、正常細胞をできるだけ傷
つけずにしかも可逆的な方法で腫瘍組織中で最大アポト
ーシスを誘発する分子を設計し、そして合成することで
ある。
【0006】本出願人は先に、腫瘍細胞に対して選択性
がない点を克服することを目的として、特に特許出願国
際公開第 WO 96/20701号明細書において、メチオナー
ル、マロンアルデヒド及びこれらの化合物の細胞内濃度
の増大を促進することができるか又は図1に示すメチオ
ナールの代謝を阻害することができる因子の中から選ば
れるアポトーシス誘発化合物の使用を提案している〔QU
ASHらの論文、Biochem.,J., 305, 1017(1995)〕。
がない点を克服することを目的として、特に特許出願国
際公開第 WO 96/20701号明細書において、メチオナー
ル、マロンアルデヒド及びこれらの化合物の細胞内濃度
の増大を促進することができるか又は図1に示すメチオ
ナールの代謝を阻害することができる因子の中から選ば
れるアポトーシス誘発化合物の使用を提案している〔QU
ASHらの論文、Biochem.,J., 305, 1017(1995)〕。
【0007】特許出願国際公開第 WO 96/20701号明細書
には、メチオナールの細胞内濃度を高めることができる
因子として、L-メチオニンとピリドキサールとのエステ
ル化合物が記載されている。実際に、この化合物は4-
メチルチオ-2-オキソ酪酸(以下、MTOBと略記する)のM
TOBトランスアミナーゼ酵素によるメチオニンへの転化
を阻害し、それによってメチオナールの直接先駆物質で
あるMTOBの蓄積を生起する(図1参照)〔Rochらの論文、
Biochem., J., 313, 973(1996)〕。
には、メチオナールの細胞内濃度を高めることができる
因子として、L-メチオニンとピリドキサールとのエステ
ル化合物が記載されている。実際に、この化合物は4-
メチルチオ-2-オキソ酪酸(以下、MTOBと略記する)のM
TOBトランスアミナーゼ酵素によるメチオニンへの転化
を阻害し、それによってメチオナールの直接先駆物質で
あるMTOBの蓄積を生起する(図1参照)〔Rochらの論文、
Biochem., J., 313, 973(1996)〕。
【0008】しかしながら、腫瘍細胞に対するメチオナ
ール及びマロンアルデヒドの選択性もまた、これらの化
合物が腫瘍細胞と正常細胞の両方の増殖を同じ程度まで
阻害することから、不十分であることが証明された。
ール及びマロンアルデヒドの選択性もまた、これらの化
合物が腫瘍細胞と正常細胞の両方の増殖を同じ程度まで
阻害することから、不十分であることが証明された。
【0009】また、酵素アルデヒドデヒドロゲナーゼ
(以下、ALDHと略記する)、すなわちメチオナールのメチ
ルチオプロピオン酸への転化に関連する酵素、の阻害剤
としてアミノチオエステル誘導体(以下、AMPALTEと略記
する)を使用し、それによってメチオナールの蓄積を促
進することも、本出願人のフランス国特許出願第970428
3号明細書に記載されている。この化合物は、抗アポト
ーシス遺伝子bcl2の過剰発現により、アポトーシスに
対して耐性である形質転換細胞の増殖の選択的阻害剤で
ある。
(以下、ALDHと略記する)、すなわちメチオナールのメチ
ルチオプロピオン酸への転化に関連する酵素、の阻害剤
としてアミノチオエステル誘導体(以下、AMPALTEと略記
する)を使用し、それによってメチオナールの蓄積を促
進することも、本出願人のフランス国特許出願第970428
3号明細書に記載されている。この化合物は、抗アポト
ーシス遺伝子bcl2の過剰発現により、アポトーシスに
対して耐性である形質転換細胞の増殖の選択的阻害剤で
ある。
【0010】従って、かかる化合物は、bcl2遺伝子、
例えば乳がん、B-細胞リンパ腫、白血病、神経芽細胞
腫、前立腺腺肉腫、プロラクチノーマ及びその他の下垂
体腺腫の過剰発現に特徴がある病理学的異常(condition
s)によりいっそう特異的に使用される。
例えば乳がん、B-細胞リンパ腫、白血病、神経芽細胞
腫、前立腺腺肉腫、プロラクチノーマ及びその他の下垂
体腺腫の過剰発現に特徴がある病理学的異常(condition
s)によりいっそう特異的に使用される。
【0011】従って、腫瘍細胞に対して選択的な治療法
を開発し、しかも多数の癌病理を目標に定めることが望
まれていた。
を開発し、しかも多数の癌病理を目標に定めることが望
まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】種々のメチオナール誘導
体について研究を重ねた結果、チオク酸すなわちリポ酸
にチオエステル結合により連結されたメチオナールから
なる誘導体が、本明細書に示す実験データによって実証
されるように、形質転換細胞及び癌細胞に対して高い選
択的なアポトーシス活性を有することが認められた。本
発明の化合物はかかる活性により抗腫瘍治療法に有用で
ある。
体について研究を重ねた結果、チオク酸すなわちリポ酸
にチオエステル結合により連結されたメチオナールから
なる誘導体が、本明細書に示す実験データによって実証
されるように、形質転換細胞及び癌細胞に対して高い選
択的なアポトーシス活性を有することが認められた。本
発明の化合物はかかる活性により抗腫瘍治療法に有用で
ある。
【0013】従って、本発明は、新規な活性化合物とし
て、6-S位及び/又は8-S位が3-メチルチオプロパノイル
基で置換されている6,8-ジメルカプトオクタン酸誘導体
及びその形質転換細胞及び癌細胞のアポトーシス誘発剤
としての使用を提供するものである。
て、6-S位及び/又は8-S位が3-メチルチオプロパノイル
基で置換されている6,8-ジメルカプトオクタン酸誘導体
及びその形質転換細胞及び癌細胞のアポトーシス誘発剤
としての使用を提供するものである。
【0014】また、本発明は、有効量の本発明の活性化
合物の少なくとも1種を製薬学的に許容し得る付形剤中
に含有する医薬組成物を提供するものである。さらにま
た、本発明は、抗腫瘍剤として有効量の本発明の活性化
合物の少なくとも1種を含有する癌の治療、退縮及び予
防用の医薬組成物を提供するものである。
合物の少なくとも1種を製薬学的に許容し得る付形剤中
に含有する医薬組成物を提供するものである。さらにま
た、本発明は、抗腫瘍剤として有効量の本発明の活性化
合物の少なくとも1種を含有する癌の治療、退縮及び予
防用の医薬組成物を提供するものである。
【0015】さらにまた、本発明は、有効量の本発明の
活性化合物の少なくとも1種を患者に投与することから
なる形質転換細胞及び癌細胞のアポトーシス誘発方法を
提供するものである。さらにまた、本発明は、有効量の
本発明の活性化合物の少なくとも1種を投与することか
らなる患者の癌の治療、退縮及び予防方法を提供するも
のである。
活性化合物の少なくとも1種を患者に投与することから
なる形質転換細胞及び癌細胞のアポトーシス誘発方法を
提供するものである。さらにまた、本発明は、有効量の
本発明の活性化合物の少なくとも1種を投与することか
らなる患者の癌の治療、退縮及び予防方法を提供するも
のである。
【0016】本発明によれば、本発明の化合物は、次の
一般式(I): {式中、Rは基 -OR3又は次の基: を表し、R1及びR2は同一であるか又は異なり、それ
ぞれ水素原子、基-COCH 3又は次の式: -CO(CH2)2SCH3 (2) で示される3-メチルチオプロパノイル基を表し、R3は
水素原子、直鎖もしくは分岐鎖アルキル基又は次の式: で示される基を表し、nは1〜10の整数であり、r'及
びr"は同一であるか又は異なり、それぞれ水素原子又
は直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表すか、あるいは
r'及びr"は窒素原子と一緒になって酸素原子又は窒素
原子で置換されていてもよい含窒素複素環を表し、且つ
R4及びR5は同一か又は異なり、それぞれ水素原子又
は直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表す〔但し、R1及
びR2の少なくとも1つは前記の式(2)で示される 3
-メチルチオプロパノイル基を表すものとす る〕}で示
される6-S位及び/又は8-S位が3-メチルチオプロパノ
イル基で置換されている6,8-ジメルカプトオクタン酸誘
導体並びにそのR-又はS-鏡像異性体及びラセミ混合物
及び塩である。
一般式(I): {式中、Rは基 -OR3又は次の基: を表し、R1及びR2は同一であるか又は異なり、それ
ぞれ水素原子、基-COCH 3又は次の式: -CO(CH2)2SCH3 (2) で示される3-メチルチオプロパノイル基を表し、R3は
水素原子、直鎖もしくは分岐鎖アルキル基又は次の式: で示される基を表し、nは1〜10の整数であり、r'及
びr"は同一であるか又は異なり、それぞれ水素原子又
は直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表すか、あるいは
r'及びr"は窒素原子と一緒になって酸素原子又は窒素
原子で置換されていてもよい含窒素複素環を表し、且つ
R4及びR5は同一か又は異なり、それぞれ水素原子又
は直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表す〔但し、R1及
びR2の少なくとも1つは前記の式(2)で示される 3
-メチルチオプロパノイル基を表すものとす る〕}で示
される6-S位及び/又は8-S位が3-メチルチオプロパノ
イル基で置換されている6,8-ジメルカプトオクタン酸誘
導体並びにそのR-又はS-鏡像異性体及びラセミ混合物
及び塩である。
【0017】前記の直鎖又は分岐鎖アルキル基の中で、
炭素原子を1〜12個、さらに好ましくは1〜6個有する
アルキル基が好ましい。これらのアルキル基の中から、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イ
ソブチル基及びtert-ブチル基が挙げられる。
炭素原子を1〜12個、さらに好ましくは1〜6個有する
アルキル基が好ましい。これらのアルキル基の中から、
メチル基、エチル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イ
ソブチル基及びtert-ブチル基が挙げられる。
【0018】本発明によれば、前記のnは一般に2〜6
の範囲にあり、前記の二価の基はエチレン基、プロピレ
ン基、ブチレン基又はメチル-2-プロパン-1,2-ジイル基
であるのが好ましい。
の範囲にあり、前記の二価の基はエチレン基、プロピレ
ン基、ブチレン基又はメチル-2-プロパン-1,2-ジイル基
であるのが好ましい。
【0019】r'及びr"が一緒になって含窒素複素環を
形成する場合には、含窒素複素環はモルホリン、ピロリ
ジン、ピペラジン、ホモピペラジン及び N-アルキル(C
1〜C6)ピペラジンであり得る。
形成する場合には、含窒素複素環はモルホリン、ピロリ
ジン、ピペラジン、ホモピペラジン及び N-アルキル(C
1〜C6)ピペラジンであり得る。
【0020】本発明の化合物はC6位の炭素原子が非対
称である場合には、R-及びS-鏡像異性体の形で又はラ
セミ体で存在し得る。
称である場合には、R-及びS-鏡像異性体の形で又はラ
セミ体で存在し得る。
【0021】本発明の一般式(I)で示される化合物が塩
の形である場合には、本発明の化合物はカルボン酸基を
有する場合には無機塩基又は有機塩基との塩であり、塩
形成性のアミノ基を有する場合には鉱酸又は有機酸との
塩である。
の形である場合には、本発明の化合物はカルボン酸基を
有する場合には無機塩基又は有機塩基との塩であり、塩
形成性のアミノ基を有する場合には鉱酸又は有機酸との
塩である。
【0022】本発明の化合物が塩基との塩である場合に
は、塩は例えばラジウム塩、カリウム塩及びカルシウム
塩であり得る。本発明の化合物が酸との塩である場合に
は、塩は例えばハロゲン化塩、硝酸塩、硫酸塩、スルホ
ン酸塩、カルボン酸塩、チオシアン酸塩及びリン酸塩で
あり得る。
は、塩は例えばラジウム塩、カリウム塩及びカルシウム
塩であり得る。本発明の化合物が酸との塩である場合に
は、塩は例えばハロゲン化塩、硝酸塩、硫酸塩、スルホ
ン酸塩、カルボン酸塩、チオシアン酸塩及びリン酸塩で
あり得る。
【0023】本発明の好ましい態様においては、前記の
塩はアンモニウムハライド、すなわあちトリメチルアン
モニウムヨージド又はN-アルキルピペラゾニウムヨージ
ドのような沃素塩である。
塩はアンモニウムハライド、すなわあちトリメチルアン
モニウムヨージド又はN-アルキルピペラゾニウムヨージ
ドのような沃素塩である。
【0024】6位又は8位が置換されているか又はその
両方が置換されている本発明の前記一般式(I)で示され
る化合物の中から、特に次の化合物を挙げ得る。
両方が置換されている本発明の前記一般式(I)で示され
る化合物の中から、特に次の化合物を挙げ得る。
【0025】化合物No.1: 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸メチル 〔一般式(I)において、R1= -CO(CH2)2SCH3;R
2=H;R= -OCH3〕; 化合物No.2: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸メチル 〔一般式(I)において、R1=H;R2= -CO(CH2)2
SCH3;R= -OCH3〕; 化合物No.3: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸メ
チル 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3;R= -OCH3〕;
ン酸メチル 〔一般式(I)において、R1= -CO(CH2)2SCH3;R
2=H;R= -OCH3〕; 化合物No.2: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸メチル 〔一般式(I)において、R1=H;R2= -CO(CH2)2
SCH3;R= -OCH3〕; 化合物No.3: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸メ
チル 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3;R= -OCH3〕;
【0026】化合物No.4: 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸tert-ブチル 〔一般式(I)において、R1=-CO(CH2)2SCH3;R2
=H;R=-O(tert-C4H 9)〕;化合物No.5: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸tert-ブチル 〔一般式(I)において、R1=H;R2= -CO(CH2)2S
CH3; R= -O(tert-C4H9)〕; 化合物No.6: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸te
rt-ブチル 〔一般式(I)において、R1=R2=-CO(CH2)2SC
H3;R=-O(tert-C4H9)〕;
ン酸tert-ブチル 〔一般式(I)において、R1=-CO(CH2)2SCH3;R2
=H;R=-O(tert-C4H 9)〕;化合物No.5: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸tert-ブチル 〔一般式(I)において、R1=H;R2= -CO(CH2)2S
CH3; R= -O(tert-C4H9)〕; 化合物No.6: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸te
rt-ブチル 〔一般式(I)において、R1=R2=-CO(CH2)2SC
H3;R=-O(tert-C4H9)〕;
【0027】化合物No.7: 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸n-ブチル 〔一般式(I)において、R1=-CO(CH2)2SCH3;R2
=H;R=-O(n-C4H9)〕; 化合物No.8: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸n-ブチル 〔一般式(I)において、R1=H;R2=-CO(CH2)2S
CH3;R=-O(n-C4H9)〕; 化合物No.9: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸n-
ブチル 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3;R= -O(n-C4H9)〕;
ン酸n-ブチル 〔一般式(I)において、R1=-CO(CH2)2SCH3;R2
=H;R=-O(n-C4H9)〕; 化合物No.8: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸n-ブチル 〔一般式(I)において、R1=H;R2=-CO(CH2)2S
CH3;R=-O(n-C4H9)〕; 化合物No.9: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸n-
ブチル 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3;R= -O(n-C4H9)〕;
【0028】化合物No.10: 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸 〔一般式(I)において、R1= -CO(CH2)2SCH3;R
2=H;R= -OH)〕;化合物No.11: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸 〔一般式(I)において、R1=H;R2= -CO(CH2)2
SCH3;R= -OH〕; 化合物No.12: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3;R= -OH〕;
ン酸 〔一般式(I)において、R1= -CO(CH2)2SCH3;R
2=H;R= -OH)〕;化合物No.11: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸 〔一般式(I)において、R1=H;R2= -CO(CH2)2
SCH3;R= -OH〕; 化合物No.12: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3;R= -OH〕;
【0029】化合物No.13: 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸エチル 〔一般式(I)において、R1= -CO(CH2)2SCH3;R
2=H;R= -OC2H5〕; 化合物No.14: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸エチル 〔一般式(I)において、R1=H;R2= -CO(CH2)2
SCH3;R= -OC2H5〕; 化合物No.15: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸エ
チル 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3;R= -OC2H5〕;
ン酸エチル 〔一般式(I)において、R1= -CO(CH2)2SCH3;R
2=H;R= -OC2H5〕; 化合物No.14: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸エチル 〔一般式(I)において、R1=H;R2= -CO(CH2)2
SCH3;R= -OC2H5〕; 化合物No.15: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸エ
チル 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3;R= -OC2H5〕;
【0030】化合物No.16: 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸イソプロピル 〔一般式(I)において、R1=-CO(CH2)2SCH3;R2
=H;R=-OCH(CH3)2〕; 化合物No.17: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸イソプロピル 〔一般式(I)において、R1=H;R2=-CO(CH2)2S
CH3;R=-OCH(CH3)2〕; 化合物No.18: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸イ
ソプロピル 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3;R= -OCH(CH3)2〕;
ン酸イソプロピル 〔一般式(I)において、R1=-CO(CH2)2SCH3;R2
=H;R=-OCH(CH3)2〕; 化合物No.17: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸イソプロピル 〔一般式(I)において、R1=H;R2=-CO(CH2)2S
CH3;R=-OCH(CH3)2〕; 化合物No.18: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸イ
ソプロピル 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3;R= -OCH(CH3)2〕;
【0031】化合物No.19: 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド 〔一般式(I)において、R1= -CO(CH2)2SCH3;R
2=H; R= -O(CH2)2N+(CH3)2I−〕; 化合物No.20: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド 〔一般式(I)において、R1=H;R2= -CO(CH2)2
SCH3; R= -O(CH2)2N+(CH3)2I−〕; 化合物No.21: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸
2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3; R= -O(CH2)2N+(CH3)2I−〕;
ン酸2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド 〔一般式(I)において、R1= -CO(CH2)2SCH3;R
2=H; R= -O(CH2)2N+(CH3)2I−〕; 化合物No.20: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド 〔一般式(I)において、R1=H;R2= -CO(CH2)2
SCH3; R= -O(CH2)2N+(CH3)2I−〕; 化合物No.21: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸
2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3; R= -O(CH2)2N+(CH3)2I−〕;
【0032】化合物No.22: [6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタノイ
ル]-N-メチルピペラジン 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3; 〕; 化合物No.23: 6-S-アセチル,8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸メチル 〔一般式(I)において、R1=-CO(CH2)2SCH3;R2
=-COCH3;R=-COCH3〕; 化合物No.24: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル),8-S-アセチルオクタ
ン酸メチル 〔一般式(I)において、R1=-COCH3;R2=-CO(CH
2)2SCH3;R=-COCH3〕;
ル]-N-メチルピペラジン 〔一般式(I)において、R1=R2= -CO(CH2)2SCH
3; 〕; 化合物No.23: 6-S-アセチル,8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸メチル 〔一般式(I)において、R1=-CO(CH2)2SCH3;R2
=-COCH3;R=-COCH3〕; 化合物No.24: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル),8-S-アセチルオクタ
ン酸メチル 〔一般式(I)において、R1=-COCH3;R2=-CO(CH
2)2SCH3;R=-COCH3〕;
【0033】化合物No.25: 6-S-アセチル,8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸2′-トリメチルアンモニウム エチルヨージド 〔一般式(I)において、R1= -CO(CH2)2SCH3;R
2= -COCH3; R= -O(CH2)2N+(CH3)2I−〕;及び 化合物No.26: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル),8-S-アセチルオクタ
ン酸2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド 〔一般式(I)において、R1= -COCH3;R2= -CO(C
H2)2SCH3; R= -O(CH2)2N+(CH3)2I−〕
ン酸2′-トリメチルアンモニウム エチルヨージド 〔一般式(I)において、R1= -CO(CH2)2SCH3;R
2= -COCH3; R= -O(CH2)2N+(CH3)2I−〕;及び 化合物No.26: 6-S-(3-メチルチオプロパノイル),8-S-アセチルオクタ
ン酸2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド 〔一般式(I)において、R1= -COCH3;R2= -CO(C
H2)2SCH3; R= -O(CH2)2N+(CH3)2I−〕
【0034】前記の化合物の(R)-鏡像異性体及び(S)-
鏡像異性体は、以下、それぞれの化合物番号の後に(R)
又は(S)を付することにより表し、またラセミ混合物
は化合物番号の後に(RS)を付することにより表す。
鏡像異性体は、以下、それぞれの化合物番号の後に(R)
又は(S)を付することにより表し、またラセミ混合物
は化合物番号の後に(RS)を付することにより表す。
【0035】本発明の一般式(I)で示される化合物
は、図2に示す反応工程図に従って製造し得る。
は、図2に示す反応工程図に従って製造し得る。
【0036】前記の製造方法は、第1工程で式(1)で
示される6,8-チオクト酸すなわちリポ酸を、式(2)で
示されるエステルであって式中のR=-COCH3であるエ
ステルを得ることを望む場合にはジアゾメタンの存在下
でエステル化し、又は式(2)で示されるエステルであ
って式中のRがその他の意義を有するものであるエステ
ルを得ることを望む場合にはジシクロヘキシルカルボジ
イミド(以下、DCCと略記する)と4-ジメチルアミノピリ
ジン(以下、4-DMAPと略記する)の存在下でアルコ ール
ROHを用いてエステル化することからなる。このエステ
ル化の収率は出発化合物である酸に対して一般に約80〜
99%である。
示される6,8-チオクト酸すなわちリポ酸を、式(2)で
示されるエステルであって式中のR=-COCH3であるエ
ステルを得ることを望む場合にはジアゾメタンの存在下
でエステル化し、又は式(2)で示されるエステルであ
って式中のRがその他の意義を有するものであるエステ
ルを得ることを望む場合にはジシクロヘキシルカルボジ
イミド(以下、DCCと略記する)と4-ジメチルアミノピリ
ジン(以下、4-DMAPと略記する)の存在下でアルコ ール
ROHを用いてエステル化することからなる。このエステ
ル化の収率は出発化合物である酸に対して一般に約80〜
99%である。
【0037】次いで、得られたエステル(2)をメタノ
ール/テトラヒドロフランの混合物中で水素化硼素ナト
リウムの存在下で還元して、式(3)で示されるジチオ
ールが約95%を越える収率で得られる。
ール/テトラヒドロフランの混合物中で水素化硼素ナト
リウムの存在下で還元して、式(3)で示されるジチオ
ールが約95%を越える収率で得られる。
【0038】式(3)で示されるジチオールを用いて、
これにジクロロメタン中でDCC及び4-DMAPの存在下に1
モル当量の3-メチルチオプロピオン酸を反応させること
により式(Ia)で示される化合物と式(Ib)で示される
化合物が得られる。このようにして得られた式(Ia)で
示される化合物と式(Ib)で示される化合物との混合物
は、シリカゲルを用いた分離用クロマトグラフィーによ
り分離できるが、この場合には、式(Ia)で示される化
合物が多い(>90%)。おそらくは、式(Ia)で示される
化合物と式(Ib)で示される化合物は相互に転化し得る
からであろう。また、式(Ic)で示される化合物は、式
(3)で示されるジチオールから、過剰量、好ましくは
3モル当量の3-メチルチオプロピオン酸を反応させる以
外は前記と同じ条件下で得られる。この反応の収率は約
60〜80%である。
これにジクロロメタン中でDCC及び4-DMAPの存在下に1
モル当量の3-メチルチオプロピオン酸を反応させること
により式(Ia)で示される化合物と式(Ib)で示される
化合物が得られる。このようにして得られた式(Ia)で
示される化合物と式(Ib)で示される化合物との混合物
は、シリカゲルを用いた分離用クロマトグラフィーによ
り分離できるが、この場合には、式(Ia)で示される化
合物が多い(>90%)。おそらくは、式(Ia)で示される
化合物と式(Ib)で示される化合物は相互に転化し得る
からであろう。また、式(Ic)で示される化合物は、式
(3)で示されるジチオールから、過剰量、好ましくは
3モル当量の3-メチルチオプロピオン酸を反応させる以
外は前記と同じ条件下で得られる。この反応の収率は約
60〜80%である。
【0039】反応中にしかも過剰量の3-メチルチオプロ
ピオン酸を反応させたにもかかわらず式(Ia)で示され
る化合物及び/又は式(Ib)で示される化合物のうちの
一つが生成する場合には、それらはシリカゲルを用いた
クロマトグラフィーにより分離できる。
ピオン酸を反応させたにもかかわらず式(Ia)で示され
る化合物及び/又は式(Ib)で示される化合物のうちの
一つが生成する場合には、それらはシリカゲルを用いた
クロマトグラフィーにより分離できる。
【0040】一般式(I)で示される化合物であって式中
のR=OHである化合物は、リポ酸からこれを直接に還元
し且つ3-メチルチオプロピオン酸を用いてアシル化する
ことによって得ることができる。
のR=OHである化合物は、リポ酸からこれを直接に還元
し且つ3-メチルチオプロピオン酸を用いてアシル化する
ことによって得ることができる。
【0041】一般式(I)で示されるアミドはオクト酸か
ら前記と同じ順序で、すなわち、アミド化、還元及びア
シル化によって容易に得ることができる。
ら前記と同じ順序で、すなわち、アミド化、還元及びア
シル化によって容易に得ることができる。
【0042】一般式(I)で示される化合物であって式中
のR1又はR2=-COCH3である化合物 は、式(Ia)示
される化合物又は式(Ib)で示される化合物から直接に
ピリジンの存在下で無水酢酸を使用するアシル化反応に
より得られる。
のR1又はR2=-COCH3である化合物 は、式(Ia)示
される化合物又は式(Ib)で示される化合物から直接に
ピリジンの存在下で無水酢酸を使用するアシル化反応に
より得られる。
【0043】本発明の化合物の製造の工程について幾つ
かの特定の条件を挙げたが、これらの条件については、
特にエステル化工程、アミド化工程及びアシル化工程に
関しては変化させてもよいことは言うまでもない。
かの特定の条件を挙げたが、これらの条件については、
特にエステル化工程、アミド化工程及びアシル化工程に
関しては変化させてもよいことは言うまでもない。
【0044】また、本発明は、有効成分として、特に形
質転換細胞及び癌細胞のアポトーシス誘発剤として前記
の一般式(I)で示される6-位及び/又は8-位が3-メチル
チオプロパノイル基で置換されている6,8-ジメルカプト
オクタン酸誘導体の少なくとも1種の有効量を製薬学的
に許容し得る付形剤中に含有する医薬組成物を提供する
ものである。
質転換細胞及び癌細胞のアポトーシス誘発剤として前記
の一般式(I)で示される6-位及び/又は8-位が3-メチル
チオプロパノイル基で置換されている6,8-ジメルカプト
オクタン酸誘導体の少なくとも1種の有効量を製薬学的
に許容し得る付形剤中に含有する医薬組成物を提供する
ものである。
【0045】本発明の医薬組成物は前記のように形質転
換細胞及び癌細胞中で選択的にアポトーシスを誘発す
る。
換細胞及び癌細胞中で選択的にアポトーシスを誘発す
る。
【0046】さらに詳しくは、本発明は人体又は動物の
癌性腫瘍の治療、退縮及び予防用の医薬組成物を提供す
るものである。
癌性腫瘍の治療、退縮及び予防用の医薬組成物を提供す
るものである。
【0047】本発明の医薬組成物は生理学的に許容し得
る媒体を含有し、経腸投与、非経口投与又は局所投与し
得る。
る媒体を含有し、経腸投与、非経口投与又は局所投与し
得る。
【0048】本発明の医薬組成物は全身経路による投与
(注射又は注入用)に適した形態で包装するのが好まし
い。
(注射又は注入用)に適した形態で包装するのが好まし
い。
【0049】経腸経路に関しては、前記医薬組成物は錠
剤、ゼラチン剤、カプセル剤、糖衣錠剤、シロップ剤、
縣濁剤、溶液剤、散剤、顆粒剤、あるいは徐放を可能に
する脂質(lipid)又は重合状微小球も又はナノ微小球又
は小胞の形態で提供し得る。
剤、ゼラチン剤、カプセル剤、糖衣錠剤、シロップ剤、
縣濁剤、溶液剤、散剤、顆粒剤、あるいは徐放を可能に
する脂質(lipid)又は重合状微小球も又はナノ微小球又
は小胞の形態で提供し得る。
【0050】非経口投与に関しては、前記医薬組成物は
注入又は注射用の溶液又は縣濁液の形態で提供し得る。
注入又は注射用の溶液又は縣濁液の形態で提供し得る。
【0051】局所経路に関しては、本発明の医薬組成物
は皮膚及び粘膜の治療を目的とし、膏薬、クリーム、乳
液、軟膏、粉末、含浸パッド、溶液、ゲル、ローション
又は縣濁液の形態で提供し得る。
は皮膚及び粘膜の治療を目的とし、膏薬、クリーム、乳
液、軟膏、粉末、含浸パッド、溶液、ゲル、ローション
又は縣濁液の形態で提供し得る。
【0052】また、本発明の医薬組成物は徐放を可能に
する脂質又は重合状微小球もしくはナノ微小球又は小胞
の形態、重合体状貼付剤の形態及びハイドロゲルで提供
し得る。該組成物を局所経路により使用する場合には、
無水状態又は水性状態で提供し得る。
する脂質又は重合状微小球もしくはナノ微小球又は小胞
の形態、重合体状貼付剤の形態及びハイドロゲルで提供
し得る。該組成物を局所経路により使用する場合には、
無水状態又は水性状態で提供し得る。
【0053】本発明の組成物においては、前記の一般式
(I)で示される活性化合物は一般に組成物の全重量に対
して0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の濃度で
存在させる。
(I)で示される活性化合物は一般に組成物の全重量に対
して0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の濃度で
存在させる。
【0054】前記の組成物はもちろん、他の不活性又は
場合によっては薬理学的に活性な添加剤又はこれらの添
加剤の組み合わせ、特に他の抗新生物剤、例えばデキサ
メタゾン、シクロホスファミド、シスプラチン、エトポ
シド(etoposide)及びBCNU〔N,N-ビス(2-クロロエチ
ル)-N-ノトロソウレア〕も含有し得る。これらの化合物
もまたアポトーシスを誘発できる。
場合によっては薬理学的に活性な添加剤又はこれらの添
加剤の組み合わせ、特に他の抗新生物剤、例えばデキサ
メタゾン、シクロホスファミド、シスプラチン、エトポ
シド(etoposide)及びBCNU〔N,N-ビス(2-クロロエチ
ル)-N-ノトロソウレア〕も含有し得る。これらの化合物
もまたアポトーシスを誘発できる。
【0055】本発明の前記の一般式(I)で示される活
性化合物は、一般に体重1kg当たり約50 mg〜100 mgの
1日当たり投与量で1〜2回投与され、治療期間は対象
患者又は動物の病理状態に左右される。
性化合物は、一般に体重1kg当たり約50 mg〜100 mgの
1日当たり投与量で1〜2回投与され、治療期間は対象
患者又は動物の病理状態に左右される。
【0056】
【発明の実施の態様】本発明の種々の態様は以下の本発
明の態様を例証する種々の実施例によりさらに明確にな
るであろう。
明の態様を例証する種々の実施例によりさらに明確にな
るであろう。
【0057】
【実施例】実施例1: 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチ
オプロパノイル)オクタン酸メチル (化合物No.1)の調製 (a) 6,8-ジメルカプトオクタン酸メチルの調製 原料のリポ酸メチルは既知化合物であり、Gunsalusらの
論文 J. Am. Chem.Soc., 1956, 78, 1763-1766に記載さ
れている。
オプロパノイル)オクタン酸メチル (化合物No.1)の調製 (a) 6,8-ジメルカプトオクタン酸メチルの調製 原料のリポ酸メチルは既知化合物であり、Gunsalusらの
論文 J. Am. Chem.Soc., 1956, 78, 1763-1766に記載さ
れている。
【0058】85 mg(2.25ミリモル)の水素化ホウ素ナト
リウムを、444 mg(2.02ミリモル)のリポ酸メチルを25m
lのメタノール/テトラヒドロフラン混合物(5/1)中に
溶解させた溶液に2回に分けて0℃で添加した。0℃で
40分間撹拌した後、安定な白色の濁りが出現するまで、
5N塩酸を滴下した。溶剤を蒸発させた後、残渣をエー
テルに溶解し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
及びついで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸
ナトリウム上で乾燥した後、エーテルを蒸発させて、所
望のジチオール445 mg(収率99%)を得た。
リウムを、444 mg(2.02ミリモル)のリポ酸メチルを25m
lのメタノール/テトラヒドロフラン混合物(5/1)中に
溶解させた溶液に2回に分けて0℃で添加した。0℃で
40分間撹拌した後、安定な白色の濁りが出現するまで、
5N塩酸を滴下した。溶剤を蒸発させた後、残渣をエー
テルに溶解し、有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
及びついで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸
ナトリウム上で乾燥した後、エーテルを蒸発させて、所
望のジチオール445 mg(収率99%)を得た。
【0059】(b) 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロ
パノイル)オクタン酸メチルの調製 8 mg(0.065ミリモル)の4-ジメチルアミノピリジンを、
192mg(1.6ミリモル)の3-メチルチオプロパン酸を0.6 m
lのジクロルメタンに溶解させた溶液に添加しついで上
記で得られた6,8-ジメルカプトオクタン酸メチル355mg
(1.6ミリモル)を1mlのジクロルメタンに溶解させた溶
液を導入した。ついで33mg(1.6ミリモル)のジシクロヘ
キシルカルボジイミドを0℃で添加した後、 0℃で5
分間放置した。ついで、混合物を撹拌しながら18℃で3
時間加熱した。濾過し、濾液をエーテルで稀釈した後、
有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグ
ネシウム上で乾燥しついでエーテルを留去した。つい
で、得られた残渣をシリカゲル(25g)上でのクロマトグ
ラフィー(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル 85/15)に
より精製して、311 mg(収率60%)の所望のメルカプト
エステルを殆ど無色の油状物の形で単離した〔不純物:
6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸メチル5〜10%〕。
パノイル)オクタン酸メチルの調製 8 mg(0.065ミリモル)の4-ジメチルアミノピリジンを、
192mg(1.6ミリモル)の3-メチルチオプロパン酸を0.6 m
lのジクロルメタンに溶解させた溶液に添加しついで上
記で得られた6,8-ジメルカプトオクタン酸メチル355mg
(1.6ミリモル)を1mlのジクロルメタンに溶解させた溶
液を導入した。ついで33mg(1.6ミリモル)のジシクロヘ
キシルカルボジイミドを0℃で添加した後、 0℃で5
分間放置した。ついで、混合物を撹拌しながら18℃で3
時間加熱した。濾過し、濾液をエーテルで稀釈した後、
有機相を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグ
ネシウム上で乾燥しついでエーテルを留去した。つい
で、得られた残渣をシリカゲル(25g)上でのクロマトグ
ラフィー(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル 85/15)に
より精製して、311 mg(収率60%)の所望のメルカプト
エステルを殆ど無色の油状物の形で単離した〔不純物:
6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸メチル5〜10%〕。
【0060】実施例2: 6-S,8-S-ビス(3- メチルチオ
プロパノイル)オクタン酸メチル(化合物 No.3)の調
製 この化合物は、3モル当量の3-メチルプロピオン酸を使
用したこと以外は、実施例1(b)と同一の方法で調製し
た。所望の化合物が殆ど無色の油状物の形で、75%の収
率で得られた。 [α]D=−6.1(c: 1.93 CHCl3) R-鏡像異性体 [α]D=+6.8(c: 2CHCl3) S-鏡像異性体
プロパノイル)オクタン酸メチル(化合物 No.3)の調
製 この化合物は、3モル当量の3-メチルプロピオン酸を使
用したこと以外は、実施例1(b)と同一の方法で調製し
た。所望の化合物が殆ど無色の油状物の形で、75%の収
率で得られた。 [α]D=−6.1(c: 1.93 CHCl3) R-鏡像異性体 [α]D=+6.8(c: 2CHCl3) S-鏡像異性体
【0061】実施例3: 6-メルカプト-8-S-(3-メチル
チオプロパノイル)オクタン酸イソプロピル(化合物No
16 )の調製 (a) リポ酸イソプロピルの調製 12 mlの無水エーテルを、窒素雰囲気下、1 g(4.85ミリ
モル)のリポ酸、1.1g(5.33ミリモル)のジシクロヘキシ
ルカルボジイミド及び0.061g(0.5ミリモル)の4-ジメチ
ルアミノピリジンに添加した。室温で10分間撹拌した
後、0.41 ml(5.35ミリモル)のイソプロパノールを添加
しついで混合物を15時間撹拌した。固体を濾過し、濾液
をエーテルで稀釈した後、有機相を5%酢酸水溶液つい
で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液そして最後に飽和塩化
ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥
し、溶剤を蒸発させた後、残渣をシリカゲル(20g)上で
濾過した(溶離剤:石油エーテル/ 酢酸エチル85/15)。
溶離剤溶剤を蒸発させて、1.095g(収率91%)のリポ酸
イソプロピルを黄色油状物の形で得た。
チオプロパノイル)オクタン酸イソプロピル(化合物No
16 )の調製 (a) リポ酸イソプロピルの調製 12 mlの無水エーテルを、窒素雰囲気下、1 g(4.85ミリ
モル)のリポ酸、1.1g(5.33ミリモル)のジシクロヘキシ
ルカルボジイミド及び0.061g(0.5ミリモル)の4-ジメチ
ルアミノピリジンに添加した。室温で10分間撹拌した
後、0.41 ml(5.35ミリモル)のイソプロパノールを添加
しついで混合物を15時間撹拌した。固体を濾過し、濾液
をエーテルで稀釈した後、有機相を5%酢酸水溶液つい
で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液そして最後に飽和塩化
ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥
し、溶剤を蒸発させた後、残渣をシリカゲル(20g)上で
濾過した(溶離剤:石油エーテル/ 酢酸エチル85/15)。
溶離剤溶剤を蒸発させて、1.095g(収率91%)のリポ酸
イソプロピルを黄色油状物の形で得た。
【0062】(b) 6,8-ジメルカプトオクタン酸イソプロ
ピルの調製 この化合物はリポ酸イソプロピルを水素化ホウ素ナトリ
ウムで還元することにより、実施例1(a)と同一の方法で
得た。合成スケール:2ミリモル、収率:95%(殆ど無
色の油状物)。
ピルの調製 この化合物はリポ酸イソプロピルを水素化ホウ素ナトリ
ウムで還元することにより、実施例1(a)と同一の方法で
得た。合成スケール:2ミリモル、収率:95%(殆ど無
色の油状物)。
【0063】(c) 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロ
パノイル)オクタン酸イソプロピルの調製 この化合物は、6,8-ジメルカプトオクタン酸イソプロピ
ルを1モル当量の3-メチルチオプロパン酸でアシル化す
ることにより、実施例1(b)と同一の方法で得られた。
シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製した
後、 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オ
クタン酸イソプロピルを油状物の形で単離した(収率:
60%)〔不純物:6-S-(3-メチルチオプロパノイル) 8-
メルカプトオクタン酸イソプロピル及び6-S,8-S-ビス(3
-メチルチオプロパノイル)オクタン酸イソプロピル5〜
10%〕。合成スケール:2ミリモル、収率:11%。
パノイル)オクタン酸イソプロピルの調製 この化合物は、6,8-ジメルカプトオクタン酸イソプロピ
ルを1モル当量の3-メチルチオプロパン酸でアシル化す
ることにより、実施例1(b)と同一の方法で得られた。
シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製した
後、 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オ
クタン酸イソプロピルを油状物の形で単離した(収率:
60%)〔不純物:6-S-(3-メチルチオプロパノイル) 8-
メルカプトオクタン酸イソプロピル及び6-S,8-S-ビス(3
-メチルチオプロパノイル)オクタン酸イソプロピル5〜
10%〕。合成スケール:2ミリモル、収率:11%。
【0064】実施例4: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプ
ロパノイル)オクタン酸n-ブチル(化合物 No.9)の調
製 (a) リポ酸 n-ブチルの調製 リポ酸イソプロピルの合成について実施例3(a) で述べ
たものと同一の方法に従ってリポ酸をn-ブタノールでエ
ステル化することにより、所望の化合物を殆ど無色の油
状物の形で、78%の収率で得た。合成スケール:5ミリ
モル。
ロパノイル)オクタン酸n-ブチル(化合物 No.9)の調
製 (a) リポ酸 n-ブチルの調製 リポ酸イソプロピルの合成について実施例3(a) で述べ
たものと同一の方法に従ってリポ酸をn-ブタノールでエ
ステル化することにより、所望の化合物を殆ど無色の油
状物の形で、78%の収率で得た。合成スケール:5ミリ
モル。
【0065】(b) 6,8-ジメルカプトオクタン酸n-ブチル
の調製 6,8-ジメルカプトオクタン酸メチルの合成について実施
例1(a)で述べたものと同一の方法に従って、リポ酸 n-
ブチルを水素化ホウ素ナトリウムで還元することによ
り、所望の化合物を殆ど無色の油状物の形で、95%の収
率で得た。合成スケール:2ミリモル。
の調製 6,8-ジメルカプトオクタン酸メチルの合成について実施
例1(a)で述べたものと同一の方法に従って、リポ酸 n-
ブチルを水素化ホウ素ナトリウムで還元することによ
り、所望の化合物を殆ど無色の油状物の形で、95%の収
率で得た。合成スケール:2ミリモル。
【0066】(c) 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノ
イル)オクタン酸n-ブチルの調製 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸
メチルの合成について実施例2で述べたものと同一の方
法に従って、6,8-ジメルカプトオクタン酸n-ブチルを3
モル当量の3-メチルチオプロパン酸でアシル化すること
により、所望の化合物を殆ど無色の油の形で86%の収率
で得た。合成スケール:4ミリモル。
イル)オクタン酸n-ブチルの調製 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸
メチルの合成について実施例2で述べたものと同一の方
法に従って、6,8-ジメルカプトオクタン酸n-ブチルを3
モル当量の3-メチルチオプロパン酸でアシル化すること
により、所望の化合物を殆ど無色の油の形で86%の収率
で得た。合成スケール:4ミリモル。
【0067】実施例5:6-メルカプト-8-S-(3-メチルチ
オプロパノイル)オクタン酸tert- ブチル(化合物 No.
4)の調製 (a) リポ酸t-ブチルの調製 リポ酸イソプロピルの合成について実施例3(a)で述べ
たものと同一の方法を使用した。リポ酸をtert-ブタノ
ールでエステル化することにより、所望の化合物を殆ど
無色の油状物の形で、40%の収率で得た。合成スケー
ル:11ミリモル。 (b) 6,8-ジメルカプトオクタン酸t-ブチルの調製 6,8-ジメルカプトオクタン酸メチルの合成について実施
例1(a)で述べたものと同一の方法に従って、リポ酸t-
ブチルを水素化ホウ素ナトリウムで還元することによ
り、所望の化合物を殆ど無色の油状物の形で95%の収率
で得た。合成スケール:11ミリモル。
オプロパノイル)オクタン酸tert- ブチル(化合物 No.
4)の調製 (a) リポ酸t-ブチルの調製 リポ酸イソプロピルの合成について実施例3(a)で述べ
たものと同一の方法を使用した。リポ酸をtert-ブタノ
ールでエステル化することにより、所望の化合物を殆ど
無色の油状物の形で、40%の収率で得た。合成スケー
ル:11ミリモル。 (b) 6,8-ジメルカプトオクタン酸t-ブチルの調製 6,8-ジメルカプトオクタン酸メチルの合成について実施
例1(a)で述べたものと同一の方法に従って、リポ酸t-
ブチルを水素化ホウ素ナトリウムで還元することによ
り、所望の化合物を殆ど無色の油状物の形で95%の収率
で得た。合成スケール:11ミリモル。
【0068】(c) 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロ
パノイル)オクタン酸t-ブチルの調製 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸メチルの合成について実施例1(a)で述べたものと
同一の方法を使用した。6,8-ジメルカプトオクタン酸t-
ブチルを1モル当量の3-メチルチオプロパン酸でアシル
化することにより、所望の化合物を殆ど無色の油状物の
形で、60%の収率で得た〔不純物:6-S-(3-メチルチオ
プロパノイル)8-メルカプトオクタン酸t-ブチル5〜10
%〕。合成スケール:10ミリモル。
パノイル)オクタン酸t-ブチルの調製 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸メチルの合成について実施例1(a)で述べたものと
同一の方法を使用した。6,8-ジメルカプトオクタン酸t-
ブチルを1モル当量の3-メチルチオプロパン酸でアシル
化することにより、所望の化合物を殆ど無色の油状物の
形で、60%の収率で得た〔不純物:6-S-(3-メチルチオ
プロパノイル)8-メルカプトオクタン酸t-ブチル5〜10
%〕。合成スケール:10ミリモル。
【0069】実施例6: 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプ
ロパノイル)オクタン酸t-ブチル(化合物 No.6)の調
製 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸メ
チルの合成について実施例2で述べたものと同一の方法
を使用した。6,8-ジメルカプトオクタン酸tert-ブチル
を3モル当量の3-メチルチオプロパン酸でアシル化する
ことにより、所望の化合物を殆ど無色の油状物の形で、
77%の収率で得た。合成スケール:1ミリモル。
ロパノイル)オクタン酸t-ブチル(化合物 No.6)の調
製 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸メ
チルの合成について実施例2で述べたものと同一の方法
を使用した。6,8-ジメルカプトオクタン酸tert-ブチル
を3モル当量の3-メチルチオプロパン酸でアシル化する
ことにより、所望の化合物を殆ど無色の油状物の形で、
77%の収率で得た。合成スケール:1ミリモル。
【0070】実施例7:6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプ
ロパノイル)オクタン酸2´-トリメチルアンモニウムエ
チルヨージド(化合物 No 21)の調製 (a) リポ酸2-ジメチルアミノエチルの調製 12 mlの無水エーテルを、窒素雰囲気下、1g(4.85ミリ
モル)のリポ酸、1.1 g(5.33ミリモル)のジシクロヘキ
シルカルボジイミド及び0.061g(0.5ミリモル)の4-ジメ
チルアミノピリジンに添加した。室温で10分間撹拌した
後、0.506ml(5.35ミリモル)の2-ジメチルアミノエタノ
ールを一回で添加しついで混合物を18時間撹拌した。固
体を濾過し、濾液をジクロルメタンで稀釈した後、これ
を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウ
ム上で乾燥し、溶剤を蒸発させた後、粗生成物をシリカ
ゲル(80g)上でのクロマトグラフィー(溶離剤: CH2Cl
2: MeOH 90/10)により精製した。かくして、832mg(収
率62%)の所望のエステルが黄色油状物の形で得られ
た。
ロパノイル)オクタン酸2´-トリメチルアンモニウムエ
チルヨージド(化合物 No 21)の調製 (a) リポ酸2-ジメチルアミノエチルの調製 12 mlの無水エーテルを、窒素雰囲気下、1g(4.85ミリ
モル)のリポ酸、1.1 g(5.33ミリモル)のジシクロヘキ
シルカルボジイミド及び0.061g(0.5ミリモル)の4-ジメ
チルアミノピリジンに添加した。室温で10分間撹拌した
後、0.506ml(5.35ミリモル)の2-ジメチルアミノエタノ
ールを一回で添加しついで混合物を18時間撹拌した。固
体を濾過し、濾液をジクロルメタンで稀釈した後、これ
を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナトリウ
ム上で乾燥し、溶剤を蒸発させた後、粗生成物をシリカ
ゲル(80g)上でのクロマトグラフィー(溶離剤: CH2Cl
2: MeOH 90/10)により精製した。かくして、832mg(収
率62%)の所望のエステルが黄色油状物の形で得られ
た。
【0071】(b) 6,8-ジメルカプトオクタン酸2-ジメチ
ルアミノエチルの調製 134mg(3.6ミリモル)の水素化ホウ素ナトリウムを、上記
で得られた820 mg(3.0ミリモル)のリポ酸2-ジメチルア
ミノエチルを45mlのメタノール/テトラヒドロフラン5/
1混合物に溶解させた溶液に2回に分けて0℃で添加し
た。0℃で3時間撹拌した後、1N塩酸をpHが5になる
まで滴下し、ついで溶剤を留去しついでジクロルメタン
に溶解させた。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及
びついで残渣を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。
硫酸ナトリウム上で乾燥した後、蒸発させて、所望のジ
チオール780mg(収率93%)を殆ど無色の油状物の形で得
た。 (c) 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン
酸2-ジメチルアミノエ チルの調製 1.2 mlのピリジンを、233 mg(0.84ミリモル)の6,8-ジメ
ルカプトオクタン酸2-ジメチルアミノエチルを1.5 mlの
ジクロルメタンに溶解させた溶液に添加し、ついで 348
mg(2.5ミリモル)の3-メチルチオプロパノイルクロライ
ドを2.7 mlのジクロルメタンに溶解させた溶液を0℃で
導入した。混合物を室温に戻し、18時間撹拌した。反応
混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロルメタ
ンの間で分画した。ついで、水性相をジクロルメタンで
3回抽出しついで有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し
た。溶剤を蒸発させた後、粗生成物をシリカゲル(40g)
上でのクロマトグラフィー(溶離剤;CH2Cl2:MeOH 9
6/4)により精製した。かく して、242 mg(収率60%)
の所望の生成物が油状物の形で単離された。
ルアミノエチルの調製 134mg(3.6ミリモル)の水素化ホウ素ナトリウムを、上記
で得られた820 mg(3.0ミリモル)のリポ酸2-ジメチルア
ミノエチルを45mlのメタノール/テトラヒドロフラン5/
1混合物に溶解させた溶液に2回に分けて0℃で添加し
た。0℃で3時間撹拌した後、1N塩酸をpHが5になる
まで滴下し、ついで溶剤を留去しついでジクロルメタン
に溶解させた。溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及
びついで残渣を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。
硫酸ナトリウム上で乾燥した後、蒸発させて、所望のジ
チオール780mg(収率93%)を殆ど無色の油状物の形で得
た。 (c) 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン
酸2-ジメチルアミノエ チルの調製 1.2 mlのピリジンを、233 mg(0.84ミリモル)の6,8-ジメ
ルカプトオクタン酸2-ジメチルアミノエチルを1.5 mlの
ジクロルメタンに溶解させた溶液に添加し、ついで 348
mg(2.5ミリモル)の3-メチルチオプロパノイルクロライ
ドを2.7 mlのジクロルメタンに溶解させた溶液を0℃で
導入した。混合物を室温に戻し、18時間撹拌した。反応
混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とジクロルメタ
ンの間で分画した。ついで、水性相をジクロルメタンで
3回抽出しついで有機相を硫酸マグネシウム上で乾燥し
た。溶剤を蒸発させた後、粗生成物をシリカゲル(40g)
上でのクロマトグラフィー(溶離剤;CH2Cl2:MeOH 9
6/4)により精製した。かく して、242 mg(収率60%)
の所望の生成物が油状物の形で単離された。
【0072】(d) 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノ
イル)オクタン酸2´-トリメチルアンモニウムエチルヨ
ージドの調製 0.048 ml(0.77ミリモル)の沃化メチルを、250 mg(0.52
ミリモル)の6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)
オクタン酸2-ジメチルアミノエチルを5.2 mlの酢酸エチ
ルに溶解させた溶液に室温で添加し、5時間撹拌した。
溶剤を減圧下で蒸発させ、残渣を5 mlの無水エーテル
に溶解しついでエーテル相を除去した。粗生成物をシリ
カゲル(5 g)上でのクロマトグラフィー(溶離剤;CH2
Cl2:MeOH 90/100)により精製した。264 mg(81%)の所
望のアンモニウム塩が非結晶質のかつ吸湿性の形で得ら
れた。
イル)オクタン酸2´-トリメチルアンモニウムエチルヨ
ージドの調製 0.048 ml(0.77ミリモル)の沃化メチルを、250 mg(0.52
ミリモル)の6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)
オクタン酸2-ジメチルアミノエチルを5.2 mlの酢酸エチ
ルに溶解させた溶液に室温で添加し、5時間撹拌した。
溶剤を減圧下で蒸発させ、残渣を5 mlの無水エーテル
に溶解しついでエーテル相を除去した。粗生成物をシリ
カゲル(5 g)上でのクロマトグラフィー(溶離剤;CH2
Cl2:MeOH 90/100)により精製した。264 mg(81%)の所
望のアンモニウム塩が非結晶質のかつ吸湿性の形で得ら
れた。
【0073】実施例8: [6-S,8-S-ビス(3-メチルチオ
プロパノイル)オクタノイル]-N- メチルピペラジン(化
合物 No 22)の調製 (a) (リポイル)-N-メチルピペラジンの調製 107 mg(1.07ミリモル)のN-メチルピペラジンを1.2 ml
のジクロルメタンに溶解させた溶液を、200 mg(0.97ミ
リモル)のリポ酸、240 mg(1.16ミリモル)のジシクロヘ
キシルカルボジイミド及び12 mg(0.1ミリモル)の4,4-
ジメチルアミノピリジンを1mlのジクロルメタンに溶解
させた溶液に室温で添加した。23時間撹拌した後、固体
を濾過し、ついで濾液をジクロルメタンで稀釈しついで
混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナ
トリウム上で乾燥し、溶剤を蒸発させた後、粗生成物を
シリカゲル(22g)上でのクロマトグラフィー(溶離剤;CH
2Cl 2:MeOH 92/8)により精製した。216 mg(収率77
%)の所望のアミドが黄色油状物の形で単離された。
プロパノイル)オクタノイル]-N- メチルピペラジン(化
合物 No 22)の調製 (a) (リポイル)-N-メチルピペラジンの調製 107 mg(1.07ミリモル)のN-メチルピペラジンを1.2 ml
のジクロルメタンに溶解させた溶液を、200 mg(0.97ミ
リモル)のリポ酸、240 mg(1.16ミリモル)のジシクロヘ
キシルカルボジイミド及び12 mg(0.1ミリモル)の4,4-
ジメチルアミノピリジンを1mlのジクロルメタンに溶解
させた溶液に室温で添加した。23時間撹拌した後、固体
を濾過し、ついで濾液をジクロルメタンで稀釈しついで
混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。硫酸ナ
トリウム上で乾燥し、溶剤を蒸発させた後、粗生成物を
シリカゲル(22g)上でのクロマトグラフィー(溶離剤;CH
2Cl 2:MeOH 92/8)により精製した。216 mg(収率77
%)の所望のアミドが黄色油状物の形で単離された。
【0074】(b) (6,8-ジメルカプトオクタノイル)-N-
メチルピペラジンの調製 この化合物は実施例7(b)で述べたと同一の方法に従っ
て(リポイル)-N-メチルピペラジンと水素化ホウ素ナト
リウムとを反応させることにより調製した。所望の生成
物が殆ど無色の油状物の形で94%の収率で得られた。合
成スケール:0.4ミリモル。
メチルピペラジンの調製 この化合物は実施例7(b)で述べたと同一の方法に従っ
て(リポイル)-N-メチルピペラジンと水素化ホウ素ナト
リウムとを反応させることにより調製した。所望の生成
物が殆ど無色の油状物の形で94%の収率で得られた。合
成スケール:0.4ミリモル。
【0075】(c) [6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノ
イル)オクタノイル]-N-メチルピペラジンの調製 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸2-
ジメチルアミノエチルの合成について実施例7(c)で述
べたものと同一の方法を使用した。(6,8-ジメルカプト
オクタノイル)-N-メチルピペラジンを3モル当量の3-メ
チルチオプロパノイルクロライドでアシル化することに
より、所望の化合物を殆ど無色の油状物の形で、90%の
収率で得た。合成スケール:0.4ミリモル。
イル)オクタノイル]-N-メチルピペラジンの調製 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸2-
ジメチルアミノエチルの合成について実施例7(c)で述
べたものと同一の方法を使用した。(6,8-ジメルカプト
オクタノイル)-N-メチルピペラジンを3モル当量の3-メ
チルチオプロパノイルクロライドでアシル化することに
より、所望の化合物を殆ど無色の油状物の形で、90%の
収率で得た。合成スケール:0.4ミリモル。
【0076】実施例9:6-S-(3-メチルチオプロパノイ
ル)8-S-アセチルオクタン酸メチルの調製 (a) 6-メルカプト-8-S-アセチルオクタン酸メチルの調
製 実施例1(a)で得られた、3.045 g(13.7ミリモル)の6,8
-ジメルカプトオクタン酸メチルと11.08 ml(13.7ミリモ
ル)のピリジンの混合物に、12.9 ml(13.7ミリモル)の
無水酢酸を0℃で添加した。ついで20時間撹拌しなが
ら、温度を周囲温度に上昇させた。エーテルで稀釈した
後、有機相を塩酸(1N)及び飽和塩化ナトリウム溶液で
洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶剤を蒸発させ
た後、粗生成物をシリカゲル(200g)上でのクロマトグ
ラフィー(溶離剤;石油エーテル/酢酸エチル 90/10)に
より精製した。所望の生成物が僅かに黄色の油状物の形
で、61%の収率(2.235g)で得られた(混入物:6-S-アセ
チル-8-メルカプトオクタン酸メチル約10%)。 (b) 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-S-アセチルオ
クタン酸の調製 1.76 ml(10.1ミリモル)のジイソプロピルエチルアミン
を、2.23 g(8.4ミリモル)の6-メルカプト-8-S-アセチ
ルオクタン酸メチルを35mlのジクロルメタンに溶解させ
た溶液に添加した。ついで、1.403 g(10.1ミリモル)の
3-メチルチオプロパノイルクロライドを5 mlのジクロ
ルメタンに溶解させた溶液に−50℃で添加しついで反応
混合物の温度を30分で−25℃に上昇させた。エーテルで
稀釈後、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。
硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶剤を蒸発させた後、粗生
成物をシリカゲル(200 g)上でのクロマトグラフィー
(溶離剤;石油エーテル/酢酸エチル 90/10)により精
製した。 2.96 g(収率96%)の所望の生成物が得られた
〔不純物:6-S-アセチル-8-S-(3-メチルチオプロパノイ
ル)オクタン酸メチル約10%〕。
ル)8-S-アセチルオクタン酸メチルの調製 (a) 6-メルカプト-8-S-アセチルオクタン酸メチルの調
製 実施例1(a)で得られた、3.045 g(13.7ミリモル)の6,8
-ジメルカプトオクタン酸メチルと11.08 ml(13.7ミリモ
ル)のピリジンの混合物に、12.9 ml(13.7ミリモル)の
無水酢酸を0℃で添加した。ついで20時間撹拌しなが
ら、温度を周囲温度に上昇させた。エーテルで稀釈した
後、有機相を塩酸(1N)及び飽和塩化ナトリウム溶液で
洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶剤を蒸発させ
た後、粗生成物をシリカゲル(200g)上でのクロマトグ
ラフィー(溶離剤;石油エーテル/酢酸エチル 90/10)に
より精製した。所望の生成物が僅かに黄色の油状物の形
で、61%の収率(2.235g)で得られた(混入物:6-S-アセ
チル-8-メルカプトオクタン酸メチル約10%)。 (b) 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-S-アセチルオ
クタン酸の調製 1.76 ml(10.1ミリモル)のジイソプロピルエチルアミン
を、2.23 g(8.4ミリモル)の6-メルカプト-8-S-アセチ
ルオクタン酸メチルを35mlのジクロルメタンに溶解させ
た溶液に添加した。ついで、1.403 g(10.1ミリモル)の
3-メチルチオプロパノイルクロライドを5 mlのジクロ
ルメタンに溶解させた溶液に−50℃で添加しついで反応
混合物の温度を30分で−25℃に上昇させた。エーテルで
稀釈後、有機相を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄した。
硫酸ナトリウム上で乾燥し、溶剤を蒸発させた後、粗生
成物をシリカゲル(200 g)上でのクロマトグラフィー
(溶離剤;石油エーテル/酢酸エチル 90/10)により精
製した。 2.96 g(収率96%)の所望の生成物が得られた
〔不純物:6-S-アセチル-8-S-(3-メチルチオプロパノイ
ル)オクタン酸メチル約10%〕。
【0077】実施例10:6-S-アセチル-8-S-(3-メチルチ
オプロパノイル)オクタン酸メチル(化合物 No 23)の調
製 (a) 3-メチルチオプロパン酸無水物の調製 378mg(1.83ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミ
ドを、0.345 ml(3.33ミリモル)の3-メチルチオプロパン
酸を9 mlのエーテルに溶解させた溶液に添加した。室
温で24時間後、混合物を濾過して、生成したジシクロヘ
キシル尿素を除去し、濾液を蒸発乾固させた。所望の無
水物が定量的収率で得られ、これを直接次の工程で使用
した。
オプロパノイル)オクタン酸メチル(化合物 No 23)の調
製 (a) 3-メチルチオプロパン酸無水物の調製 378mg(1.83ミリモル)のジシクロヘキシルカルボジイミ
ドを、0.345 ml(3.33ミリモル)の3-メチルチオプロパン
酸を9 mlのエーテルに溶解させた溶液に添加した。室
温で24時間後、混合物を濾過して、生成したジシクロヘ
キシル尿素を除去し、濾液を蒸発乾固させた。所望の無
水物が定量的収率で得られ、これを直接次の工程で使用
した。
【0078】(b) 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロ
パノイル)オクタン酸メチルの調製 この化合物は、6-メルカプト-8-S-アセチルオクタン酸
メチルの合成について実施例9(a)で述べたものと同一
の方法に従って、酢酸無水物を上記工程(a)で述べたご
とき3-メチルチオプロパン酸で置換することにより調製
した。所望の生成物が60%の収率で得られた〔混入物:
6-S-(3-メチルチオプロパノイル)8-メルカプトオクタン
酸メチル約10%〕。合成スケール:1.7ミリモル上記生
成物をシリカゲル(60 g)上でのクロマトグラフィー(溶
離剤:石油エーテル/酢酸エチル90/10)により精製し
た。
パノイル)オクタン酸メチルの調製 この化合物は、6-メルカプト-8-S-アセチルオクタン酸
メチルの合成について実施例9(a)で述べたものと同一
の方法に従って、酢酸無水物を上記工程(a)で述べたご
とき3-メチルチオプロパン酸で置換することにより調製
した。所望の生成物が60%の収率で得られた〔混入物:
6-S-(3-メチルチオプロパノイル)8-メルカプトオクタン
酸メチル約10%〕。合成スケール:1.7ミリモル上記生
成物をシリカゲル(60 g)上でのクロマトグラフィー(溶
離剤:石油エーテル/酢酸エチル90/10)により精製し
た。
【0079】(c) 6-S-アセチル-8-S-(3-メチルチオプロ
パノイル)-オクタン酸メチルの調製 この化合物は、実施例9(a)において6-メルカプト-8-S-
アセチルオクタン酸メチルの合成について述べた方法
(ピリジン中での酢酸無水物によるアシル化)に従って
調製した。所望の生成物が88%の収率で得られた〔不純
物:6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-S-アセチルオ
クタン酸メチル約10%〕。 合成スケール:0.4ミリモル 上記生成物をシリカゲル(5 g)上でのクロマトグラフィ
ー(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル 85/15)により精
製した。
パノイル)-オクタン酸メチルの調製 この化合物は、実施例9(a)において6-メルカプト-8-S-
アセチルオクタン酸メチルの合成について述べた方法
(ピリジン中での酢酸無水物によるアシル化)に従って
調製した。所望の生成物が88%の収率で得られた〔不純
物:6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-S-アセチルオ
クタン酸メチル約10%〕。 合成スケール:0.4ミリモル 上記生成物をシリカゲル(5 g)上でのクロマトグラフィ
ー(溶離剤:石油エーテル/酢酸エチル 85/15)により精
製した。
【0080】活性の検討 I. 腫瘍細胞株及び非腫瘍形成(nonneoplastic)細胞株の
生長に対する、化合物 No.1(RS)、1(S)、1(R)、3(RS)、4(RS)、6(RS)、
9(RS)、21(RS)及び24(RS)の効果 本発明の化合物の生長抑制活性を子宮癌から得られるヘ
ーラ(HeLa)細胞、ヒトから得られる前立腺癌細胞株、即
ち、DU 145、PC3及び LNCaP又はB16マウスメラノーマ
細胞及び胚起源のヒト肺繊維芽細胞MRC-5 について試験
した。細胞株(cell line)を0.5×106個の濃度でペトリ
皿上に載せ、10容量%の透析ウシ胎児血清を含有する、
3mlのイーグルの基礎培地中で培養した。4時間後、細
胞を種々の供試化合物の存在下で培養した;その際、供
試化合物の濃度を1〜800μMの間で変動させた。72時間
インキュベートした後、細胞をリン酸緩衝溶液(PBS緩衝
液)pH 7.5中で2回洗浄しついで同一の緩衝液中に回収
した。
生長に対する、化合物 No.1(RS)、1(S)、1(R)、3(RS)、4(RS)、6(RS)、
9(RS)、21(RS)及び24(RS)の効果 本発明の化合物の生長抑制活性を子宮癌から得られるヘ
ーラ(HeLa)細胞、ヒトから得られる前立腺癌細胞株、即
ち、DU 145、PC3及び LNCaP又はB16マウスメラノーマ
細胞及び胚起源のヒト肺繊維芽細胞MRC-5 について試験
した。細胞株(cell line)を0.5×106個の濃度でペトリ
皿上に載せ、10容量%の透析ウシ胎児血清を含有する、
3mlのイーグルの基礎培地中で培養した。4時間後、細
胞を種々の供試化合物の存在下で培養した;その際、供
試化合物の濃度を1〜800μMの間で変動させた。72時間
インキュベートした後、細胞をリン酸緩衝溶液(PBS緩衝
液)pH 7.5中で2回洗浄しついで同一の緩衝液中に回収
した。
【0081】細胞生長の抑制の評価は、Lowryらの方法
(J. Biol. Chem., 193, 265, 1951)に従ってタンパク質
の含有量を測定するか、又は Westらの方法(Analytical
Biochem., 147, 289, 1985)に従ってヘキスト染料を使
用してDNA含有量を測定するか、又はMosmannらの方法
(J. Immunol. Method, 65, 55,1983)に従って脱水素酵
素の活性を測定することにより行われる。
(J. Biol. Chem., 193, 265, 1951)に従ってタンパク質
の含有量を測定するか、又は Westらの方法(Analytical
Biochem., 147, 289, 1985)に従ってヘキスト染料を使
用してDNA含有量を測定するか、又はMosmannらの方法
(J. Immunol. Method, 65, 55,1983)に従って脱水素酵
素の活性を測定することにより行われる。
【0082】化合物No.1(RS)、1(R)、1(S)、3(R
S)、4(RS)、6(RS)、9(RS)、21(RS)及び24(RS)につい
て得られた細胞生長の選択的抑制の結果を図3〜11に示
す。図3に示す結果は、化合物No.11(RS)は400μMの濃
度では40%まで、600μMの濃度では70%まで、HeLa細胞
の生長の抑制を誘導することができるが、繊維芽細胞 M
RC-5の生長の抑制率は、上記と同一の濃度で5〜10%を
越えないことを明らかに示している。
S)、4(RS)、6(RS)、9(RS)、21(RS)及び24(RS)につい
て得られた細胞生長の選択的抑制の結果を図3〜11に示
す。図3に示す結果は、化合物No.11(RS)は400μMの濃
度では40%まで、600μMの濃度では70%まで、HeLa細胞
の生長の抑制を誘導することができるが、繊維芽細胞 M
RC-5の生長の抑制率は、上記と同一の濃度で5〜10%を
越えないことを明らかに示している。
【0083】化合物No.1(S)も400μMの濃度では90%ま
で、600μMの濃度では100%まで、HeLa細胞の生長を選
択的に抑制することができるが、MRC-5細胞の生長の抑
制率は、 600〜800μMの高い濃度でも20%を越えない
(図4参照)。更に、化合物No.11(R)は400μMの濃度で
は40%まで、600〜800μM の濃度では100%まで、HeLa
細胞の生長を抑制する(図5参照)。
で、600μMの濃度では100%まで、HeLa細胞の生長を選
択的に抑制することができるが、MRC-5細胞の生長の抑
制率は、 600〜800μMの高い濃度でも20%を越えない
(図4参照)。更に、化合物No.11(R)は400μMの濃度で
は40%まで、600〜800μM の濃度では100%まで、HeLa
細胞の生長を抑制する(図5参照)。
【0084】ラセミ型であるか又は鏡像体の一つの形で
ある化合物No.1は、400〜600μMの濃度ではHeLa細胞の
生長を選択的にかつ効率的に抑制することができるが、
非腫瘍形成繊維芽細胞MRC-5の生長は極めて僅かしか抑
制できない。
ある化合物No.1は、400〜600μMの濃度ではHeLa細胞の
生長を選択的にかつ効率的に抑制することができるが、
非腫瘍形成繊維芽細胞MRC-5の生長は極めて僅かしか抑
制できない。
【0085】更に、図6に示すごとき化合物 No3(RS)を
使用した場合に得られる結果は、化合物No.3(RS)は、2
00〜600μMの濃度でHeLa細胞の生長を50%抑制するが、
MRC-5細胞の生長は変化しないことを示している。
使用した場合に得られる結果は、化合物No.3(RS)は、2
00〜600μMの濃度でHeLa細胞の生長を50%抑制するが、
MRC-5細胞の生長は変化しないことを示している。
【0086】図7に示す結果によれば、化合物No.4(R
S)は200μMの濃度でHeLa細胞の生長の70%の抑制を誘導
するので、該化合物はHeLa細胞の生長を高度に選択的に
抑制するが、MRC-5細胞の生長は同等の濃度で20%まで
しか抑制しない。
S)は200μMの濃度でHeLa細胞の生長の70%の抑制を誘導
するので、該化合物はHeLa細胞の生長を高度に選択的に
抑制するが、MRC-5細胞の生長は同等の濃度で20%まで
しか抑制しない。
【0087】ラセミ型の化合物No.6は50〜600μMの濃
度でHeLa細胞の生長を選択的にかつ効率的に抑制するこ
とができる。一方、MRC-5細胞の生長は約40%まで促進
される(図8参照)。
度でHeLa細胞の生長を選択的にかつ効率的に抑制するこ
とができる。一方、MRC-5細胞の生長は約40%まで促進
される(図8参照)。
【0088】ラセミ型の化合物No.9は50〜600μMの濃
度でHeLa細胞の生長を選択的にかつ効率的に抑制するこ
とができる。一方、MRC-5細胞の生長は約20%まで促進
される(図9参照)。
度でHeLa細胞の生長を選択的にかつ効率的に抑制するこ
とができる。一方、MRC-5細胞の生長は約20%まで促進
される(図9参照)。
【0089】図10に示す結果は、ラセミ型の化合物No.2
1は400μMの濃度で形質転換HeLa細胞の成長を80%まで
抑制することができるが、MRC-5細胞の生長は20%まで
しか抑制することができないことを示している。同様の
結果が化合物No.6、9及び21のR-及びS-立体異性体
に関して認められた。
1は400μMの濃度で形質転換HeLa細胞の成長を80%まで
抑制することができるが、MRC-5細胞の生長は20%まで
しか抑制することができないことを示している。同様の
結果が化合物No.6、9及び21のR-及びS-立体異性体
に関して認められた。
【0090】最後に、ラセミ型の化合物No.24を前立腺
癌細胞株 DU145、PC3、LNCaP 及びB16マウスメラノー
マ細胞について試験した;その結果、400μMの濃度で生
長が50〜60%抑制されることが認められた。MRC-5細胞
について上記と同一の濃度で試験した場合、化合物No.2
4は生長を10%しか抑制しなかった(図11参照)。
癌細胞株 DU145、PC3、LNCaP 及びB16マウスメラノー
マ細胞について試験した;その結果、400μMの濃度で生
長が50〜60%抑制されることが認められた。MRC-5細胞
について上記と同一の濃度で試験した場合、化合物No.2
4は生長を10%しか抑制しなかった(図11参照)。
【0091】HeLa細胞のごとき癌細胞の生長の抑制は、
以下に示すごときアポトーシスに入る細胞のパーセンテ
ージの増大によるものである。実際に、DNA断片化のパ
ーセンテージはアポトーシス現象に関連している。
以下に示すごときアポトーシスに入る細胞のパーセンテ
ージの増大によるものである。実際に、DNA断片化のパ
ーセンテージはアポトーシス現象に関連している。
【0092】II. HeLa細胞においてDNA 断片化定量分析
により測定した、アポトーシス誘導剤としての化合物N
o.1(RS)の効果 サイズが3Kbより小さいDNA 断片の定量分析は、Wright
Sらの方法(J. Cell.Biochem., 48, 344-355)に従っ
て、HeLa細胞2.5×105個/mlを0.5μCi[3H]チミ ジン
と共に37℃で40時間インキュベートすることにより行っ
た。培地で2回洗浄した後、細胞を200μMの化合物No.
1(RS)の存在下で培養した。6時間インキュ ベートし
た後、細胞を400g、5分の遠心分離により回収し、PBS
緩衝液で3回洗浄した。ペレット中に回収した細胞を、
0.1%のトリトン(Triton) X-100、20 mMの EDTA、5mM
のTris pH8を含有する、2mlの溶液中に溶解し(lys
e)、30,000g 、4℃で30分間遠心分離した。上澄液を回
収し、ペレットを0.3mlの0.5NNaOHに溶解させた。培養
培地のアリコート(1ml)、上澄液のアリコート(0.3ml)
及び溶 解ペレットのアリコート(0.1ml)をシンチレーシ
ョンカウンターで定量した。
により測定した、アポトーシス誘導剤としての化合物N
o.1(RS)の効果 サイズが3Kbより小さいDNA 断片の定量分析は、Wright
Sらの方法(J. Cell.Biochem., 48, 344-355)に従っ
て、HeLa細胞2.5×105個/mlを0.5μCi[3H]チミ ジン
と共に37℃で40時間インキュベートすることにより行っ
た。培地で2回洗浄した後、細胞を200μMの化合物No.
1(RS)の存在下で培養した。6時間インキュ ベートし
た後、細胞を400g、5分の遠心分離により回収し、PBS
緩衝液で3回洗浄した。ペレット中に回収した細胞を、
0.1%のトリトン(Triton) X-100、20 mMの EDTA、5mM
のTris pH8を含有する、2mlの溶液中に溶解し(lys
e)、30,000g 、4℃で30分間遠心分離した。上澄液を回
収し、ペレットを0.3mlの0.5NNaOHに溶解させた。培養
培地のアリコート(1ml)、上澄液のアリコート(0.3ml)
及び溶 解ペレットのアリコート(0.1ml)をシンチレーシ
ョンカウンターで定量した。
【0093】DNA断片のパーセンテージは下記の方法で
計算した:
計算した:
【0094】図12に示す結果は、化合物No.1(RS)は100
μMで約17%、200μMで30%、HeLa細胞におけるDNA断片
化の増大を誘導することを明らかに示している。
μMで約17%、200μMで30%、HeLa細胞におけるDNA断片
化の増大を誘導することを明らかに示している。
【0095】III.化合物No.1(RS)の生体内での制癌効
果 2×105個のB16マウスメラノーマ細胞を試験日(t-0 da
y)に皮下注射により接種したB6D2F1マウス(IFFA、CRED
O、フランス)について化合物No.1(RS)の抗腫瘍 効果
を生体内で試験した。試験前日(t-1 day)及び連続的に1
5日間、マウスに下記の溶液を腹腔内に注射した: 0.1
4M NaCl水溶液中の10%エタノール及び50 mg/kg 又は10
0 mg/kgの化合物No.1(RS)ついで、腫瘍の生長を10〜60
日間観察した。その結果は腫瘍を有するマウスの%で表
した。
果 2×105個のB16マウスメラノーマ細胞を試験日(t-0 da
y)に皮下注射により接種したB6D2F1マウス(IFFA、CRED
O、フランス)について化合物No.1(RS)の抗腫瘍 効果
を生体内で試験した。試験前日(t-1 day)及び連続的に1
5日間、マウスに下記の溶液を腹腔内に注射した: 0.1
4M NaCl水溶液中の10%エタノール及び50 mg/kg 又は10
0 mg/kgの化合物No.1(RS)ついで、腫瘍の生長を10〜60
日間観察した。その結果は腫瘍を有するマウスの%で表
した。
【0096】図13は、化合物No.1(RS)は癌の生長を制
御するのに非常に効果的であることを示している。実際
に、腫瘍を有するマウスの%は、0.14M NaCl水溶液中に
10%のエタノールを含有するビヒクルを投与した対照マ
ウスにおいては50%に達するのに対し、50 mg/kg及び10
0mg/kgの化合物No.1(RS)を投与したマウスにおいて
は、それぞれ、20%及び10%である。
御するのに非常に効果的であることを示している。実際
に、腫瘍を有するマウスの%は、0.14M NaCl水溶液中に
10%のエタノールを含有するビヒクルを投与した対照マ
ウスにおいては50%に達するのに対し、50 mg/kg及び10
0mg/kgの化合物No.1(RS)を投与したマウスにおいて
は、それぞれ、20%及び10%である。
【図1】図1はメチオナールについての代謝経路を表
す。図1中、MTOBは4-メチルチオ-2-オキソ酪酸を表
し、MTPAはメチルチオプロピオン酸を表し、E1は補因
子がチアミンピロホスゲナーゼであるデヒドロゲナーゼ
―分岐鎖オキソ酸のデカルボキシラーゼを表し、E2は
補因子がチオクト酸であるデヒド ロゲナーゼ−分岐鎖
オキソ酸のトランスシクラーゼを表し、ALDRはアルデヒ
ドレダクターゼを表し、ALDHはアルデヒドデヒドロゲナ
ーゼを表し、CoASHはアセチ ル補酵素Aを表し、NADH/
NADはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを表し 、
NADPH/NADPはニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
ホスファーゼを表す。
す。図1中、MTOBは4-メチルチオ-2-オキソ酪酸を表
し、MTPAはメチルチオプロピオン酸を表し、E1は補因
子がチアミンピロホスゲナーゼであるデヒドロゲナーゼ
―分岐鎖オキソ酸のデカルボキシラーゼを表し、E2は
補因子がチオクト酸であるデヒド ロゲナーゼ−分岐鎖
オキソ酸のトランスシクラーゼを表し、ALDRはアルデヒ
ドレダクターゼを表し、ALDHはアルデヒドデヒドロゲナ
ーゼを表し、CoASHはアセチ ル補酵素Aを表し、NADH/
NADはニコチンアミドアデニンジヌクレオチドを表し 、
NADPH/NADPはニコチンアミドアデニンジヌクレオチド
ホスファーゼを表す。
【図2】図2は式(I) の化合物を得るための反応工程を
示す。
示す。
【図3】図3は、化合物No.1(RS)を、その濃度を増大
させて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa
細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制
を示すグラフである。
させて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa
細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制
を示すグラフである。
【図4】図4は、化合物No.1(S)を、その濃度を増大さ
せて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa細
胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制を
示すグラフである。
せて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa細
胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制を
示すグラフである。
【図5】図5は、化合物No.1(R)を、その濃度を増大さ
せて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa細
胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制を
示すグラフである。
せて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa細
胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制を
示すグラフである。
【図6】図6は、化合物No.3(RS)のラセミ体を、その
濃度を増大させて使用してインキュベーションを行った
後の、HeLa細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の
生長の抑制を示すグラフである。
濃度を増大させて使用してインキュベーションを行った
後の、HeLa細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の
生長の抑制を示すグラフである。
【図7】図7は、化合物No.4(RS)を、その濃度を増大
させて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa
細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制
を示すグラフである。
させて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa
細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制
を示すグラフである。
【図8】図8は、化合物No.6(RS) を、その濃度を増大
させて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa
細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制
を示すグラフである。
させて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa
細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制
を示すグラフである。
【図9】図9は、化合物No.9(RS) を、その濃度を増大
させて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa
細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制
を示すグラフである。
させて使用してインキュベーションを行った後の、HeLa
細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制
を示すグラフである。
【図10】図10は、化合物 No 21(RS)を、その濃度を
増大させて使用してインキュベーションを行った後の、
HeLa細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の
抑制を示すグラフである。
増大させて使用してインキュベーションを行った後の、
HeLa細胞(−●−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の
抑制を示すグラフである。
【図11】図11は、化合物No.24(RS)を、その濃度を増
大させて使用してインキュベーションを行った後の、DU
145細胞(−△−)、PC3細胞(−▲−)、LNCaP細胞
(−□−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制を示
すグラフである。
大させて使用してインキュベーションを行った後の、DU
145細胞(−△−)、PC3細胞(−▲−)、LNCaP細胞
(−□−)及びMRC-5細胞(−○−)の生長の抑制を示
すグラフである。
【図12】図12は、200μMの化合物No.1(RS)を使用し
てインキュベーションを行った後の、HeLa細胞のDNA 断
片化の放射線標識による定量を示す。
てインキュベーションを行った後の、HeLa細胞のDNA 断
片化の放射線標識による定量を示す。
【図13】図13は0.14M NaCl水溶液中に10%のエタノー
ル(−○−)及び 50mg/kg(−▲−)及び100mg/kg(−□
−)の化合物 No 1(RS) を15日間注射したマウスにおけ
る腫瘍の生長を示す。
ル(−○−)及び 50mg/kg(−▲−)及び100mg/kg(−□
−)の化合物 No 1(RS) を15日間注射したマウスにおけ
る腫瘍の生長を示す。
MTOBは4-メチルチオ-2-オキソ酪酸を表す。MTPAはメチ
ルチオプロピオン酸を表す。E1は補因子がチアミンピ
ロホスファーゼであるデヒドロゲナーゼ−分岐鎖オキソ
酸のデカルボキシラーゼを表す。E2は補因子がチオク
ト酸であるデヒドロゲナーゼ−分岐鎖オキソ酸のトラン
スシクラーゼを表す。ALDRはアルデヒドレダクターゼを
表す。ALDHはアルデヒドデヒドロゲナーゼを表す。CoAS
Hはアセチル補酵素Aを表す。NADH/NADはニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチドを表す。NADPH/NADPはニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチドホスファーゼを表
す。
ルチオプロピオン酸を表す。E1は補因子がチアミンピ
ロホスファーゼであるデヒドロゲナーゼ−分岐鎖オキソ
酸のデカルボキシラーゼを表す。E2は補因子がチオク
ト酸であるデヒドロゲナーゼ−分岐鎖オキソ酸のトラン
スシクラーゼを表す。ALDRはアルデヒドレダクターゼを
表す。ALDHはアルデヒドデヒドロゲナーゼを表す。CoAS
Hはアセチル補酵素Aを表す。NADH/NADはニコチンアミ
ドアデニンジヌクレオチドを表す。NADPH/NADPはニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチドホスファーゼを表
す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 295/18 C07D 295/18 A (72)発明者 ゴル ジヤツク フランス国 69300 カルイル エ クイ ル,アレー デユ モン サンドル,7 (72)発明者 フールネ グイ フランス国 69100 ビルールバンヌ,プ ラス ジヤン コレル,4
Claims (17)
- 【請求項1】 次の一般式(I): {式中、Rは基 -OR3又は次の基: を表し、R1及びR2は同一であるか又は異なり、それ
ぞれ水素原子、基-COCH 3又は次の式: -CO(CH2)2SCH3 (2) で示される3-メチルチオプロパノイル基を表し、R3は
水素原子、直鎖もしくは分岐鎖アルキル基又は次の式: で示される基を表し、nは1〜10の整数であり、r'及
びr"は同一であるか又は異なり、それぞれ水素原子又
は直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表すか、あるいは
r'及びr"は窒素原子と一緒になって酸素原子又は窒素
原子で置換されていてもよい含窒素複素環を表し、且つ
R4及びR5は同一か又は異なり、それぞれ水素原子又
は直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を表す〔但し、R1及
びR2の少なくとも1つは前記の式(2)で示される3-
メチルチオプロパノイル基を表すものとする〕}で示さ
れる6-S位及び/又は8-S位が3-メチルチオプロパノイ
ル基で置換されている6,8-ジメルカプトオクタン酸誘導
体並びにそのR-又はS-鏡像異性体及びラセミ混合物及
び塩。 - 【請求項2】 直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が炭素原
子を1〜6個有するものである請求項1記載の化合物。 - 【請求項3】 nが2〜6の整数であり、前記の二価の
基がエチレン基、プロピレン基、ブチレン基及びメチル
-2-プロパン-1,2-ジイル基の中から選択されるものであ
る請求項1記載の化合物。 - 【請求項4】 含窒素複素環がモルホリン、ピロリジ
ン、ピペラジン、ホモピペラジン及びN-アルキル(C1
〜C6)ピペラジンの中から選択されるものである請求
項1記載の化合物。 - 【請求項5】 前記の化合物がカルボン酸基を有する
場合には、前記の塩が無機塩基又は有機塩基との塩の中
から選択されるものである請求項1記載の化合物。 - 【請求項6】 前記の化合物が塩形成性のアミノ基を
有する場合には、前記の塩が鉱酸又は有機酸との塩の中
から選択されるものである請求項1記載の化合物。 - 【請求項7】 前記の塩がハロゲン化物、硝酸塩、硫酸
塩、スルホン酸塩、カルボン酸塩、チオシアン酸塩及び
リン酸塩の中から選択されるものである請求項6記載の
化合物。 - 【請求項8】 次の化合物群:すなわち6-メルカプト-8
-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸メチル、 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸メチル、 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸メ
チル、 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸tert-ブチル、 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸tert-ブチル、 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸te
rt-ブチル、 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸n-ブチル、 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸n-ブチル、 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸n-
ブチル、 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸、 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸、 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸、 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸エチル、 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸エチル、 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸エ
チル、 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸イソプロピル、 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸イソプロピル、 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸イ
ソプロピル、 6-メルカプト-8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド、 6-S-(3-メチルチオプロパノイル)-8-メルカプトオクタ
ン酸2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド、 6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタン酸
2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド、 [6-S,8-S-ビス(3-メチルチオプロパノイル)オクタノイ
ル]-N-メチルピペラジン、6-S-アセチル,8-S-(3-メチル
チオプロパノイル)オクタン酸メチル、 6-S-(3-メチルチオプロパノイル),8-S-アセチルオクタ
ン酸メチル, 6-S-アセチル,8-S-(3-メチルチオプロパノイル)オクタ
ン酸2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージド、及び
6-S-(3-メチルチオプロパノイル),8-S-アセチルオクタ
ン酸2′-トリメチルアンモニウムエチルヨージドからな
る群から選択されるものである請求項1記載の化合物。 - 【請求項9】 有効成分として有効量の請求項1記載の
化合物の少なくとも1種を製薬学的に許容し得る付形剤
中に含有することを特徴とする医薬組成物。 - 【請求項10】 癌細胞のアポトーシスを誘発させるた
めに有効量の前記の化合物を含有する請求項9記載の医
薬組成物。 - 【請求項11】 癌の治療、退縮及び防止のために有効
量の前記の化合物を含有する請求項9又は10に記載の医
薬組成物。 - 【請求項12】 非経口投与を目的とした形態で提供さ
れる請求項9〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。 - 【請求項13】 経腸投与を目的とした形態で提供され
る請求項9〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。 - 【請求項14】 局所投与を目的とした形態で提供され
る請求項9〜11のいずれか1項に記載の医薬組成物。 - 【請求項15】 前記の化合物を組成物の全重量の0.1
〜10重量%の濃度で含有する請求項9〜14のいずれか1
項に記載の医薬組成物。 - 【請求項16】 前記の化合物を組成物の全重量の0.1
〜5重量%の濃度で含有する請求項9又は15記載の医薬
組成物。 - 【請求項17】 前記の化合物を体重1kg当たり50 mg
〜100 mgの1日当たりに投与量で投与する請求項9〜16
のいずれか1項に記載の医薬組成物。
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