JP2000001311A - 人工ゼオライトの製造方法 - Google Patents

人工ゼオライトの製造方法

Info

Publication number
JP2000001311A
JP2000001311A JP16454098A JP16454098A JP2000001311A JP 2000001311 A JP2000001311 A JP 2000001311A JP 16454098 A JP16454098 A JP 16454098A JP 16454098 A JP16454098 A JP 16454098A JP 2000001311 A JP2000001311 A JP 2000001311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
artificial zeolite
glass
alkali
ash
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP16454098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3431499B2 (ja
Inventor
Akio Henmi
彰男 逸見
Etsuro Sakagami
越朗 坂上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP16454098A priority Critical patent/JP3431499B2/ja
Priority to US09/329,226 priority patent/US6299854B1/en
Priority to CN99109018A priority patent/CN1239074A/zh
Priority to DE69916364T priority patent/DE69916364D1/de
Priority to EP99111444A priority patent/EP0963949B1/en
Priority to KR10-1999-0021654A priority patent/KR100383362B1/ko
Priority to AT99111444T priority patent/ATE264267T1/de
Publication of JP2000001311A publication Critical patent/JP2000001311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3431499B2 publication Critical patent/JP3431499B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silicates, Zeolites, And Molecular Sieves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】焼却灰のような非結晶性の珪酸アルミニウム塩
を含有している原料を用いて、アルカリ処理を行い、高
い陽イオン交換容量をもつ人工ゼオライトを工業的に製
造するためには、反応時間をいかに短縮するか、また生
成した人工ゼオライトの粒子をいかに容易に揃えるか、
が課題となっていた。 【解決手段】焼却灰または焼却灰およびガラスを含む混
合物を、水およびアルカリの存在下で100℃以上に加
熱処理することにより、人工ゼオライトを製造するため
の反応時間を短縮することができた。このとき、加熱処
理を120〜230℃とすることにより、加熱処理時間
を大幅に短縮することができた。また、反応生成物を分
級することにより、粒子径の揃った人工ゼオライトを製
造することができた。このとき、水力分級によること
が、微細な粒子を分級するうえで効率的であり、しか
も、反応生成物に残存したアルカリを洗浄することがで
きた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼却灰または焼却
灰およびガラスを含む混合物、を水およびアルカリの存
在下で100℃以上に加熱処理する人工ゼオライトの製
造方法、並びに水およびアルカリの存在下で100℃以
上に加熱処理した後、反応生成物を分級する人工ゼオラ
イトの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、人工ゼオライトは、石炭灰、特に
火力発電所などで石炭を燃焼したときに生じるフライア
ッシュといわれる微粉となった焼却灰、または都市ゴミ
などの焼却灰、を原料としたものであり、これらに2〜
4Nのアルカリ水溶液を加え、大気圧の下で加熱処理す
ることにより製造していた。従って、人工ゼオライトの
陽イオン交換容量を300cmol(+)・kg-1以上
にするためには、加熱温度が100℃未満の場合、人工
ゼオライトが生成するまでの反応時間は、少なくとも2
4時間、場合によっては90時間を要していた。また、
人工ゼオライトの用途によっては、Ca型、Mg型など
に変換するが、それらの粒子を揃えるために篩別または
分級することがあったが、人工ゼオライトの粒径が細か
い場合には、その操作は困難である場合が多かった。
【0003】一方、合成ゼオライトといわれる触媒用ゼ
オライトの合成は、100℃以上の高温域で反応が行わ
れている。しかも、使用する珪酸およびアルミニウムな
どの原料の純度は高いものでなければ、ゼオライトの生
成が阻害されるために、純度の低い原料は使用されなか
った。しかし、人工ゼオライトの原料である焼却灰は非
結晶性の珪酸アルミニウム塩が含有されているので、高
温域で反応させることはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、焼却灰などの
ような非結晶性の珪酸アルミニウム塩を含有している原
料を用いて、アルカリ処理を行い、陽イオン交換容量が
300cmol(+)・kg-1以上である人工ゼオライ
トを工業的に製造するためには、反応時間をいかに短縮
するか、また生成した人工ゼオライトの粒子をいかに容
易に揃えるか、が課題となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するためいに種々の検討を行った結果、焼却
灰を原料として、短時間で人工ゼオライトを製造する方
法を提供するにいたった。すなわち、焼却灰を水および
アルカリの存在下で100℃以上に加熱処理することを
特徴とする、人工ゼオライトの製造方法である。このと
き、焼却灰が石炭灰のフライアッシュまたは都市ゴミの
焼却灰であることが、本発明を実施するうえで、好まし
く、さらに本発明の主旨に沿うものである。また、加熱
処理は120〜230℃であれば、加熱処理時間を短縮
するうえで、特に好ましい。
【0006】本発明の第二は、焼却灰およびガラスを含
む混合物を、水およびアルカリの存在下で100℃以上
に加熱処理することを特徴とする、人工ゼオライトの製
造方法である。このとき、焼却灰が石炭灰のフライアッ
シュまたは都市ゴミの焼却灰であり、ガラスが廃ガラス
のカレットであることが、本発明を実施するうえで、好
ましく、さらに廃棄物の利用の面からも好ましい。ま
た、加熱処理は120〜230℃であれば、加熱処理時
間を短縮するうえで、特に好ましい。
【0007】本発明の第三は、焼却灰または焼却灰およ
びガラスを含む混合物、を水およびアルカリの存在下で
100℃以上に加熱処理した後、反応生成物を分級する
ことを特徴とする、人工ゼオライトの製造方法である。
このとき、水力分級によることが、微細な粒子を分級す
るうえで効率的であり、且つ、反応生成物に付着したア
ルカリを洗浄することができるので、本発明を実施する
うえで好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明にいう人工ゼオライトと
は、焼却灰などの非結晶性の珪酸アルミニウム塩を含む
組成物を、アルカリ処理により人工的に転換して得られ
たゼオライトのことであって、その主成分はフィリップ
サイト、ホージャサイト、ゼオライトA、ヒドロキシソ
ーダライトなどであり、他の成分を少量含むこともあ
る。また、ゼオライト以外の部分、すなわち非ゼオライ
ト成分として、有機物、鉄分、その他の不純物およびゼ
オライトに至るまでの中間生成物なども共存する。
【0009】本発明にいう焼却灰とは、珪酸およびアル
ミナを非結晶性の珪酸アルミニウム塩として含む焼却灰
であって、石炭灰、製紙スラッジ焼却灰、活性汚泥焼却
灰、可燃性廃棄物の焼却灰、などを例示することができ
る。また、フライアッシュとよばれる石炭灰は、石炭を
微粉にして微粉炭燃焼ボイラーにより燃焼した際、集塵
機により採取されるような微小な灰の粒子をいい、シリ
カ45%以上、湿分1%以下、強熱減量5%以下、比重
1.95以上、比面積2700cm2/g以上、44μm
標準篩を75%以上通過するものである。ここで、可燃
性廃棄物とは、人間の各種活動によって生じた廃棄物の
うち、可燃性のものをいい、一般廃棄物および産業廃棄
物とを問わない。産業廃棄物としては、土木・建築工事
などにともなって生ずる木材、紙などの可燃性の廃棄
物、などを例示することができる。また、本発明にいう
都市ゴミとは、可燃性廃棄物のうち、一般廃棄物として
家庭よりでる生ゴミその他の可燃性のゴミのことをい
う。さらに、本発明にいう製紙スラッジとは、古紙を離
解した後、繊維を回収する工程において、除塵操作によ
り生じる汚泥のことをいい、製紙スラッジ焼却灰とは、
該汚泥を焼却して得られた灰のことをいう。
【0010】本発明にいうガラスとは、ケイ酸塩ガラス
のことをいい、ケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、カリ
石灰ガラス、鉛ガラス、バリウムガラス、ホウケイ酸ガ
ラスなどを例示することができる。また、ソーダ石灰ガ
ラスとしては、板ガラス、ビンガラス、クラウンガラス
などを例示することができる。従って、本発明では板ガ
ラス、ビンガラス、食卓用品ガラス、家庭用品ガラス、
電気用ガラス、照明用ガラス、理化学用ガラス、医療用
ガラス、光学ガラス、などを使用したあとの廃棄物であ
るカレットを使用することができる。さらには、廃棄物
としてのガラスを回収するために粉砕した際に生じるガ
ラスの粉末をも含むものである。本発明を実施するため
には、焼却灰にガラスを添加して混合するので、粒子の
小さい粉末状のものが好ましい。
【0011】本発明におけるガラスの添加量は、使用す
る原料の珪礬比、すなわち(SiO 2 とAl2 3 の重
量組成の比)×1.7、および製造すべき人工ゼオライ
トの種類に依存している。すなわち、焼却灰を原料とし
て、ガラスを添加しないでアルカリによる加熱処理を行
って得られる人工ゼオライトは、ヒドロキシソーダライ
トであって、その孔径は小さく、陽イオン交換容量は大
きいが、脱臭作用はない。焼却灰の固形分に対して、ガ
ラスを20重量%以上添加することにより、珪礬比が2
以上になり、得られる人工ゼオライトのなかのフィリッ
プサイトの割合が増加してくる。ガラスを、焼却灰の固
形分に対して、40乃至50重量%添加し、珪礬比を
2.5以上にすると人工ゼオライトのほとんどが、フィ
リップサイトとなる。さらに、ガラスの添加量を高め6
0重量%以上添加することにより、珪礬比を4以上にす
ると、人工ゼオライトのなかにホージャサイトの割合が
増加してくる。
【0012】本発明にいうアルカリとは、水酸化物であ
って水に溶解する物質をいい、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、など
を例示することができる。本発明を実施するためには、
上記の物質を水溶液として用いてもよいし、水の存在下
に固形の状態で直接添加してもよい。
【0013】本発明では、焼却灰を人工ゼオライトの原
料とした場合、原料粒子内の非結晶性の珪酸アルミニウ
ムが原料粒子内からアルカリ溶液に拡散する速度が律速
となること、アルミナ分子と可溶性珪酸塩の反応は粒子
の表面で行われ、アルカリ溶液中の可溶性珪酸塩濃度に
依存すること、などがわかった。その結果、珪酸アルミ
ニウム塩からの可溶性珪酸塩の粒子内拡散と、粒子表面
でのアルミナと可溶性珪酸塩との固相反応を、同一反応
層で連続的に行い、一定の品質の人工ゼオライトを確保
するためには、反応温度を高くすることが有利である。
まず第一段として珪酸アルミニウム塩のゼオライト化を
目的に原料とアルカリとの混合により、すなわち原料表
面から、生成した可溶性珪酸塩を速やかに取り除き、新
しいアルカリの拡散を促すことにより、ゼオライト化を
短時間で行い、第二段として、水蒸気を放出し、可溶性
珪酸塩濃度の高くなった状態で、アルミナとの反応を行
わせるものである。
【0014】原料のゼオライト化反応の進行によりアル
カリ溶液に溶解してくる可溶性珪酸塩の濃度の調整は、
原料と混合するアルカリの供給量で調整する。また、反
応槽内のアルカリ濃度の調整を行うため、該反応槽より
水蒸気として水分を放出することにより調整することが
できる。原料がフライアッシュの場合には、2〜4Nの
水酸化ナトリウム水溶液を用いるのが、好ましい。ま
た、100℃以上に加熱するためには、飽和蒸気を使用
する場合、耐圧反応容器内で合成を行うのが、一般的で
ある。このとき、反応容器内の圧力を2〜30kg/cm2
すなわち120〜230℃、に保つのが反応を円滑に行
ううえで好ましい。
【0015】本発明を実施するための加熱処理は、上述
のように飽和蒸気を使用する場合には、耐圧反応容器内
で反応を行うことができる。また、大気圧下では反応容
器を所定温度まで加熱し、そこへ過熱蒸気を供給するこ
とにより、反応条件を満たすことができる。従って、上
記のゼオライト化反応を行うための装置は、特に限定さ
れるものではなく、飽和蒸気を使用する場合には、攪拌
機付耐圧反応容器(オートクレーブ)または製紙工場で
使用しているダイジェスターといわれる機械を利用する
ことができる。また、外部から加熱する場合には、加熱
装置を外部に備えたスクリューコンベアーまたはニーダ
ー(捏和機)など、さらには熱風を利用して加熱する回
転乾燥装置などを利用することができる。図1には、攪
拌機付耐圧反応容器の1例を示した。
【0016】本発明にいう分級とは、焼却灰または焼却
灰およびガラスを含む混合物、を水およびアルカリの存
在下で加熱処理することにより生成した反応生成物、す
なわちNa型の人工ゼオライトを分級することであっ
て、分級の段階および程度は人工ゼオライトの使用目的
によって、任意に選ぶことができる。例えば、原料の粒
子径が、30〜100μmのような場合には、重力場分
級として、シックナー、風篩機、多段流動層分級機、な
どを、遠心場分級として、サイクロン、渦流式分級機、
などを利用することができる。このとき、該反応生成物
の粒子径が凡そ30μm以下のように細かい場合には、
水力分級によることが、乾式のサイクロンを使用するの
に比べ小型の分級機を使用することができるので、分級
の効率を高め、且つ、余剰のアルカリを除去することが
できるので、本発明を実施するうえで、好ましい。特
に、アルカリとして水酸化ナトリウムを用いた場合に
は、反応生成物はNa型の人工ゼオライトとして得られ
るので、Ca型またはMg型などと異なり、粒径が20
〜30μm程度の微細な粒子に分級することができる。
従って、このような微細な粒子の人工ゼオライトは合成
樹脂製のフィルムに練り込むことができるので、人工ゼ
オライトの用途を拡大することができる。
【0017】
【実施例】本発明の概要について説明する。本発明に使
用する焼却灰が石炭灰のフライアッシュまたは都市ゴミ
などの可燃性廃棄物の焼却灰の飛散灰である場合には、
そのまま人工ゼオライトの原料として使用することがで
きるが、焼却灰が焼却炉灰である場合には、粒子が大き
いので、粉砕する必要がある。粉砕後の粒子径は、一般
的には20〜100μmにするのが好ましいが、用途に
よっては粒子径をさらに小さく20μm以下にする必要
がある。また、本発明に使用するガラスは、焼却灰と混
合して使用するので、焼却灰と同程度の粒子に粉砕する
ことが、ゼオライト化反応を行ううえで好ましい。
【0018】上記の焼却灰または焼却灰とガラスの混合
物を、原料として反応装置に入れ、水およびアルカリを
加える。このとき、予め原料と水およびアルカリを混合
しておくことが、反応装置内でゼオライトの合成を円滑
に行ううえで好ましい。例えば、図1に示すように、ス
クリューコンベアー2 により予め原料、水、アルカリを
混合し、原料供給口6 を経て攪拌機付耐圧反応容器1 に
原料、アルカリなどを供給し、次いで反応容器内に蒸気
入口8 より飽和蒸気を吹き込むことにより圧力と共に、
温度を上昇させる。このとき、予めアルカリを加える
が、水溶液であっても、固形物であっても差し支えな
い。水は水蒸気によって供給されるので、必ずしも原料
と共に供給する必要はない。また、加熱手段が飽和蒸気
以外の場合、例えば、電熱、熱風などによるときには、
反応容器は必ずしも耐圧構造でなくてもよい。このとき
には、予めアルカリを加えるが、水溶液であっても、固
形物であっても差し支えないが、水は過熱蒸気として供
給することが必要である。
【0019】焼却灰または焼却灰とガラスの混合物を、
原料としてアルカリと共に攪拌機付耐圧反応容器1 に入
れた後、蒸気入口8 より飽和蒸気を加え、所定の温度に
加熱し、所定時間ゼオライト化反応を行う。反応終了
後、水蒸気を蒸気出口9 より減圧弁を通して排出するこ
とにより、攪拌機付耐圧反応容器1 内は常圧となり、粉
末状の反応生成物が得られる。この反応生成物を反応生
成物排出口7 より取り出すことにより、洗浄することな
く人工ゼオライトとして用いることができる。さらに、
反応生成物を分級する場合には、分級工程に移し、所定
の粒径の人工ゼオライトを得ることができる。次に、本
発明の詳細を実施例に基づいて説明するが、本発明の趣
旨はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】(実施例1)1L容の攪拌機付きオートク
レーブ(東洋高圧株式会社製)に非結晶性の珪酸アルミ
ニウムの含有量が95%であり、珪礬比約2.5のフラ
イアッシュ(電源開発株式会社松浦発電所製、フライア
ッシュ協会より入手)20gおよび4Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液200mlを入れ、蓋を閉めた後、飽和蒸気
により加圧し、内部の温度が120℃に達するまで加熱
した。この状態を10時間保った後、蒸気を抜いて大気
圧に戻し、内部の反応生成物を取り出した。この反応生
成物を水洗することなく、X線回折法により構造を確認
した結果、フィリップサイト生成していることを認め
た。このフィリップサイトの陽イオン交換容量は350
cmol(+)・kg-1であった。
【0021】(実施例2)1L容の攪拌機付きオートク
レーブ(東洋高圧株式会社製)に非結晶性の珪酸アルミ
ニウムの含有量が95%であり、珪礬比約2.5のフラ
イアッシュ(電源開発株式会社松浦発電所製、フライア
ッシュ協会より入手)20gおよび4Nの水酸化ナトリ
ウム水溶液200mlを入れ、蓋を閉めた後、飽和蒸気
により加圧し、内部の温度が200℃に達するまで加熱
した。この状態を3時間保った後、蒸気を抜いて大気圧
に戻し、内部の反応生成物を取り出した。この反応生成
物を水洗することなく、X線回折法により構造を確認し
た結果、フィリップサイトが生成していることを認め
た。このフィリップサイトの陽イオン交換容量は400
cmol(+)・kg-1であった。また、反応生成物の
粒径を沈定法で測定した結果、その粒径は40μm以下
であった。
【0022】(実施例3)実施例2と同じ方法で、反応
生成物を得た後、超小型液体サイクロン(ラサ工業株式
会社製、L.M.C#5型)を用いて水力分級を行った
結果、所望の粒径内に得られた粒子を沈定法で測定した
結果、粒径20μm以下の人工ゼオライトが約60重量
%得られた。また、粗大品として粒径20μmを超える
人工ゼオライトが得られた。
【0023】(実施例4)1L容の攪拌機付きオートク
レーブ(東洋高圧株式会社製)に非結晶性の珪酸アルミ
ニウムの含有量が80%であり、珪礬比約2.0の都市
ゴミの焼却灰(東京都町田市清掃局焼却場製)20gお
よび4Nの水酸化ナトリウム水溶液200mlを入れ、
蓋を閉めた後、飽和蒸気により加圧し、内部の温度が1
20℃に達するまで加熱した。この状態を10時間保っ
た後、蒸気を抜いて大気圧に戻し、内部の生成物を取り
出した。この生成物を水洗することなく、X線回折法に
より構造を確認した結果、ヒドロキシソーダライトが生
成していることを認めた。このヒドロキシソーダライト
の陽イオン交換容量は400cmol(+)・kg-1
あった。
【0024】(実施例5)1L容の攪拌機付きオートク
レーブ(東洋高圧株式会社製)に非結晶性の珪酸アルミ
ニウムの含有量が80%であり、珪礬比約2.0の都市
ゴミの焼却灰(東京都町田市清掃局焼却場製)20gお
よび4Nの水酸化ナトリウム水溶液200mlを入れ、
蓋を閉めた後、飽和蒸気により加圧し、内部の温度が2
00℃に達するまで加熱した。この状態を3時間保った
後、蒸気を抜いて大気圧に戻し、内部の生成物を取り出
した。この生成物を水洗することなく、X線回折法によ
り構造を確認した結果、ヒドロキシソーダライトが生成
していることを認めた。このヒドロキシソーダライトの
陽イオン交換容量は600cmol(+)・kg-1であ
った。また、反応生成物の粒径を沈定法で測定した結
果、粒径は60μm以下であった。
【0025】(実施例6)実施例5と同じ方法で、反応
生成物を得た後、超小型液体サイクロン(ラサ工業株式
会社製、L.M.C#5型)を用いて水力分級を行った
結果、得られた粒子を沈定法で測定した結果、粒径30
μm以下の人工ゼオライトが約70重量%得られた。ま
た、粗大品として粒径30μmを超える人工ゼオライト
が得られた。
【0026】(実施例7)1L容の攪拌機付きオートク
レーブ(東洋高圧株式会社製)に非結晶性の珪酸アルミ
ニウムの含有量が95%であり、珪礬比約2.5のフラ
イアッシュ(電源開発株式会社松浦発電所製、フライア
ッシュ協会より入手)20gおよびガラス粉末(西日本
環境開発協同組合製)5gを入れて珪礬比約4とし、そ
の上から4Nの水酸化ナトリウム水溶液200mlを入
れ、蓋を閉めた後、飽和蒸気により加圧し、内部の温度
が200℃に達するまで加熱した。この状態を3時間保
った後、蒸気を抜いて大気圧に戻し、内部の生成物を取
り出した。この生成物を水洗することなく、X線回折法
により構造を確認した結果、ホージャサイトが生成して
いることを認めた。このホージャサイトの陽イオン交換
容量は300cmol(+)・kg-1であった。また、
反応生成物の粒径を沈定法で測定した結果、粒径は50
μm以下であった。
【0027】(実施例8)実施例7と同じ方法で、反応
生成物を得た後、超小型液体サイクロン(ラサ工業株式
会社製、L.M.C#5型)を用いて水力分級を行った
結果、得られた粒子を沈定法で測定した結果、粒径30
μm以下の人工ゼオライトが約85重量%得られた。ま
た、粗大品として粒径30μmを超える人工ゼオライト
が得られた。
【0028】(実施例9)1L容の攪拌機付きオートク
レーブ(東洋高圧株式会社製)に非結晶性の珪酸アルミ
ニウムの含有量が80%であり、珪礬比約2.0の都市
ゴミの焼却灰(東京都町田市清掃局焼却場製)20gお
よびガラス粉末(西日本環境開発協同組合製)5gを入
れて珪礬比約2.5とし、その上から4Nの水酸化ナト
リウム水溶液200mlを入れ、蓋を閉めた後、飽和蒸
気により加圧し、内部の温度が120℃に達するまで加
熱した。この状態を10時間保った後、蒸気を抜いて大
気圧に戻し、内部の生成物を取り出した。この生成物を
水洗することなく、X線回折法により構造を確認した結
果、フィリップサイトが生成していることを認めた。こ
のフィリップサイトの陽イオン交換容量は350cmo
l(+)・kg-1であった。
【0029】(比較例1)1L容の三角フラスコに、非
結晶性の珪酸アルミニウムの含有量が95%であり、珪
礬比約2.5のフライアッシュ(電源開発株式会社松浦
発電所製、フライアッシュ協会より入手)20gおよび
4Nの水酸化ナトリウム水溶液200mlを入れ、該三
角フラスコをプレートヒーター上に置き、内部の温度が
95℃に達するまで加熱した。この状態を24時間保っ
た後、内部の生成物を取り出し、アルカリを除去するた
めに水洗した。この生成物を、X線回折法により構造を
確認した結果、フィリップサイトが生成していることを
認めた。このフィリップサイトの陽イオン交換容量は2
00cmol(+)・kg-1であった。
【0030】(比較例2)1L容の三角フラスコに、非
結晶性の珪酸アルミニウムの含有量が95%であり、珪
礬比約2.5のフライアッシュ(電源開発株式会社松浦
発電所製、フライアッシュ協会より入手)20gおよび
ガラス粉末(西日本環境開発協同組合製)5gを入れて
珪礬比約4とし、その上から4Nの水酸化ナトリウム水
溶液200mlを入れ、該三角フラスコをプレートヒー
ター上に置き、内部の温度が95℃に達するまで加熱し
た。この状態を24時間保った後、内部の生成物を取り
出し、アルカリを除去するために水洗した。この生成物
を、X線回折法により構造を確認した結果、ホージャサ
イトが生成していることを認めた。このホージャサイト
の陽イオン交換容量は250cmol(+)・kg-1
あった。
【0031】
【発明の効果】本発明は、焼却灰または焼却灰とガラス
の混合物を、水およびアルカリの存在下で100℃以上
に加熱処理することにより、ゼオライト化反応の反応時
間を大幅に短縮することができた。すなわち、加熱温度
が100℃未満の場合には、陽イオン交換容量を300
cmol(+)・kg-1以上にするためには、反応時間
を少なくとも24時間、場合によっては90時間を要し
ていたが、本発明では反応時間は、3乃至10時間で目
的を達することができた。また、本発明により生成した
人工ゼオライトは粉末状であって、アルカリを除去する
ための洗浄を必要としなかった。従って、焼却灰または
焼却灰とガラスの混合物、から人工ゼオライトを工業的
に製造する場合、コスト面からも非常に有利な製造方法
を提供するものである。
【0032】さらに、本発明は、反応生成物を分級する
ことにより、用途に適した粒径にすることができる。特
に、水力分級により、反応生成物を分級するときには、
粒子径が20〜30μm程度の微細な粒子を得ることが
できるので、人工ゼオライトを合成樹脂のフィルムに練
り込むことができる。また、同時に、余剰のアルカリを
洗浄することができるので、非常に有用な人工ゼオライ
トを製造する方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】攪拌機付耐圧反応容器による人工ゼオライト製
造装置の1例
【符号の説明】
1.攪拌機付耐圧反応容器 2.スクリューコンベアー 3.リボン型スクリュー 4.標準型スクリュー 5.原料投入口 6.原料供給口 7.反応生成物排出口 8.蒸気入口 9.蒸気出口 10. 11. バルブ 12. 13. 蒸気用バルブ 14. 減圧弁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年7月22日(1999.7.2
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】焼却灰を水およびアルカリの存在下で10
    0℃以上に加熱処理することを特徴とする、人工ゼオラ
    イトの製造方法。
  2. 【請求項2】焼却灰を水およびアルカリの存在下で10
    0℃以上に加熱処理した後、反応生成物を分級すること
    を特徴とする、人工ゼオライトの製造方法。
  3. 【請求項3】焼却灰およびガラスを含む混合物を、水お
    よびアルカリの存在下で100℃以上に加熱処理するこ
    とを特徴とする、人工ゼオライトの製造方法。
  4. 【請求項4】焼却灰およびガラスを含む混合物を、水お
    よびアルカリの存在下で100℃以上に加熱処理した
    後、反応生成物を分級することを特徴とする、人工ゼオ
    ライトの製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1から4の少なくとも1項に記載の
    焼却灰がフライアッシュである、人工ゼオライトの製造
    方法。
  6. 【請求項6】請求項1から4の少なくとも1項に記載の
    焼却灰が都市ゴミの焼却灰である、人工ゼオライトの製
    造方法。
  7. 【請求項7】請求項3または4に記載のガラスが廃ガラ
    スのカレットである、人工ゼオライトの製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1から7の少なくとも1項に記載の
    加熱処理が、120乃至230℃である、人工ゼオライ
    トの製造方法。
  9. 【請求項9】請求項2または4に記載の分級が水力分級
    である、人工ゼオライトの製造方法。
JP16454098A 1998-06-12 1998-06-12 人工ゼオライトの製造方法 Expired - Fee Related JP3431499B2 (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16454098A JP3431499B2 (ja) 1998-06-12 1998-06-12 人工ゼオライトの製造方法
US09/329,226 US6299854B1 (en) 1998-06-12 1999-06-10 Method of producing artificial zeolite
DE69916364T DE69916364D1 (de) 1998-06-12 1999-06-11 Verfahren zur Herstellung von künstlichem Zeolith
EP99111444A EP0963949B1 (en) 1998-06-12 1999-06-11 Method of producing artificial zeolite
CN99109018A CN1239074A (zh) 1998-06-12 1999-06-11 人造沸石的制造方法
KR10-1999-0021654A KR100383362B1 (ko) 1998-06-12 1999-06-11 인공 제올라이트의 제조방법
AT99111444T ATE264267T1 (de) 1998-06-12 1999-06-11 Verfahren zur herstellung von künstlichem zeolith

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP16454098A JP3431499B2 (ja) 1998-06-12 1998-06-12 人工ゼオライトの製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003009135A Division JP2003238146A (ja) 2003-01-17 2003-01-17 都市ゴミ焼却灰からの人工ゼオライトの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000001311A true JP2000001311A (ja) 2000-01-07
JP3431499B2 JP3431499B2 (ja) 2003-07-28

Family

ID=15795111

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP16454098A Expired - Fee Related JP3431499B2 (ja) 1998-06-12 1998-06-12 人工ゼオライトの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3431499B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000107726A (ja) * 1998-10-02 2000-04-18 Mie Prefecture ゴミ焼却灰からの吸着剤の製造方法
KR100375785B1 (ko) * 2000-05-03 2003-03-15 최충렬 제오라이트의 제조방법
JP2004083342A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Yuushin Sangyo:Kk 人工ゼオライトの製造装置
WO2006090955A1 (en) * 2005-02-22 2006-08-31 Korea Institute Of Geoscience And Mineral Resources Method for synthesizing zeolite using coal-fired powerplant bottom ash
JP2007516930A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー 高固体物質の処理
JP2008273793A (ja) * 2007-05-01 2008-11-13 Takeji Hirota 人工ゼオライトの製造方法及び人工ゼオライト、並びにセメント組成物
JP2018158888A (ja) * 2018-07-19 2018-10-11 一般財団法人電力中央研究所 ゼオライト含有硬化体の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170000372A (ko) 2016-12-18 2017-01-02 서희동 석탄회로부터 칼륨형 인공제올라이트를 제조하는 방법

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000107726A (ja) * 1998-10-02 2000-04-18 Mie Prefecture ゴミ焼却灰からの吸着剤の製造方法
KR100375785B1 (ko) * 2000-05-03 2003-03-15 최충렬 제오라이트의 제조방법
JP2004083342A (ja) * 2002-08-27 2004-03-18 Yuushin Sangyo:Kk 人工ゼオライトの製造装置
JP2007516930A (ja) * 2003-12-30 2007-06-28 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー 高固体物質の処理
JP4825684B2 (ja) * 2003-12-30 2011-11-30 エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー 高固体物質の処理
WO2006090955A1 (en) * 2005-02-22 2006-08-31 Korea Institute Of Geoscience And Mineral Resources Method for synthesizing zeolite using coal-fired powerplant bottom ash
JP2008273793A (ja) * 2007-05-01 2008-11-13 Takeji Hirota 人工ゼオライトの製造方法及び人工ゼオライト、並びにセメント組成物
JP2018158888A (ja) * 2018-07-19 2018-10-11 一般財団法人電力中央研究所 ゼオライト含有硬化体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3431499B2 (ja) 2003-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6299854B1 (en) Method of producing artificial zeolite
Wang et al. Influence of NaOH concentrations on synthesis of pure-form zeolite A from fly ash using two-stage method
CN101020182B (zh) 造纸工业碱回收固体废渣综合利用的方法
CN101704526B (zh) 一种利用气化后剩余稻壳灰生产白炭黑和活性炭的方法
CN107855108A (zh) 利用煤气化细渣合成沸石的方法及制得的沸石材料
WO2001010780A1 (fr) Procede et dispositif de production de zeolite
JP2000001311A (ja) 人工ゼオライトの製造方法
JP2021104916A (ja) 非晶質シリカの製造方法及び化粧品原料の製造方法
KR100656177B1 (ko) 화력발전소 바닥재를 이용한 NaP1형 제올라이트 합성방법
CN108383131A (zh) 一种利用固相转化法将粉煤灰制备成不同沸石的方法
RU2006119475A (ru) Способ изготовления целлюлозной массы и переработки черного щелока
CN107857274A (zh) 托勃莫来石纤维材料的合成方法及托勃莫来石纤维材料
JPH062574B2 (ja) P型ゼオライトの製造方法
JP3357571B2 (ja) 循環流動層による人工ゼオライトの連続製造方法および人工ゼオライトの連続製造装置
KR101295854B1 (ko) 석탄비산재를 이용한 폐플라스틱 열분해용 비정질 실리카알루미나 촉매의 제조공정
Setiadji et al. The increased use value of bamboo leaves as silica source for t-type zeolite synthesis
JP2003238146A (ja) 都市ゴミ焼却灰からの人工ゼオライトの製造方法
JPS63182214A (ja) ゼオライトの製造方法
JP2005231906A (ja) 人工ゼオライトの製造方法
WO1998026101A1 (en) Method for preparing zeolites from fly ash
JP3370267B2 (ja) 都市ゴミの焼却灰およびガラスの混合物を原料とした人工ゼオライト並びにその製造方法
JP3420055B2 (ja) 古紙由来の人工ゼオライト原料および該原料による人工ゼオライトの製造方法
JP3476123B2 (ja) ゴミ固形化燃料の燃焼灰を原料とした人工ゼオライトの製造方法
CN109798526B (zh) 一种水冷控温可连续生产无定型纳米SiO2的稻壳焚烧装置
RU2129986C1 (ru) Способ получения жидкого стекла

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090523

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100523

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees