JP2000001041A

JP2000001041A - 孔版印刷装置及び孔版印刷用版胴

Info

Publication number: JP2000001041A
Application number: JP10165198A
Authority: JP
Inventors: Yoshitaka Tanaka; 義高田中; Hideo Negishi; 秀生根岸
Original assignee: Riso Kagaku Corp
Current assignee: Riso Kagaku Corp
Priority date: 1998-06-12
Filing date: 1998-06-12
Publication date: 2000-01-07
Also published as: US6173646B1; EP0963856B1; DE69905311D1; EP0963856A1; DE69905311T2

Abstract

(57)【要約】【課題】孔版印刷装置において印刷領域の全面について
正常な印刷を行う。【解決手段】版胴１は駆動軸３により回転する。周壁２
には多数の貫通孔４が形成された開口部５（印刷領域）
と、その周囲に設けられた非開口部６（非印刷領域）が
ある。開口部５には、外周面側に凹部７がある。凹部７
がなく貫通孔４だけの従来の開口部５の剛性よりも、本
例の非開口部６に接している開口部５の剛性の方が小さ
い。即ち、従来の開口部５よりも、本例の凹部付き開口
部５の方が外力に対して曲がりやすい。版胴１内にはイ
ンキ供給ローラ１２があり、版胴１の下方にはプレスロ
ーラ１４がある。版胴１の軸線方向において非開口部６
に隣接する開口部５の両縁部は、その剛性が非開口部６
の剛性と比較して極端に低くなり、変形しやすい。印刷
圧は開口部５の全体に均一に加わる。印刷用紙に転写さ
れるインキの量は均一になり、掠れのない印刷画像が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、鮮明な印刷を行う
ことができる孔版印刷装置と、該装置に使用される版胴
に関する。

【０００２】

【従来の技術】図１６及び図１７は従来の孔版印刷装置
の印刷部を示す断面図であり、図１８は前記印刷部の要
部である版胴の周壁の展開図の一部を示したものであ
る。版胴１００は、円筒状の周壁１０１を有している。
版胴１００は、不図示の駆動手段により軸１０２の周り
に回転可能に支持されている。周壁１０１には、多数の
貫通孔１０３が形成された開口部１０４（印刷領域）
と、前記開口部１０４の周囲に設けられた非開口部１０
５（非印刷領域）が形成されている。周壁１０１の外周
面の非開口部１０５にはクランプ手段１０６が設けられ
ている。製版された孔版原紙１０７は、先端部がクラン
プ手段１０６に固定され、周壁１０１の外周面に巻装さ
れる。版胴１００内には、周壁１０１の内周面にインキ
を供給するインキ供給ローラ１０８が設けられている。
版胴１００の下方には、周壁１０１の外周面に向けて昇
降自在のプレスローラ１０９が設けられている。プレス
ローラ１０９は、少なくとも表面がゴム等の弾性材料か
ら構成されている。版胴１００の回転に同期して供給さ
れた印刷用紙は、上昇したプレスローラ１０９によって
版胴１００の周面の孔版原紙１０７に押しつけられる。
版胴１００の内周面から供給されたインキは開口部１０
４と孔版原紙１０７の製版部を通過して印刷用紙に転移
し、画像を形成する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記の構成において印
刷を行う際、図１６に示すように、プレスローラ１０９
は、図示しない印刷用紙を介して、版胴１００の孔版原
紙１０７を押圧する。この時、版胴１００に関してプレ
スローラ１０９と反対側では、インキ供給ローラ１０８
が版胴１００の内周面に接している。このように、版胴
１００とプレスローラ１０９とインキ供給ローラ１０８
が互いに接している印刷時において、従来は、版胴１０
０の軸線方向について中央の部分のみにしか印刷に必要
な圧力が作用せず、軸方向の両端では印刷圧が不十分と
なって当該部分の画像が掠れてしまうことがあった。

【０００４】これは、版胴１００の周壁１０１の剛性
が、版胴１００の軸線方向について中央の開口部１０４
と両側の非開口部１０５とで大きく異なること、またプ
レスローラ１０９が版胴１００に押しつけられる際に両
端が変形して押圧力が逃げてしまうなどのため、版胴１
００の軸方向の両端では印刷用紙にインキが十分に転写
されないためと考えられる。

【０００５】このような問題を改善するために、版胴１
００に対するプレスローラ１０９の押圧力を増大させれ
ば、版胴１００の軸方向に関する開口部１０４の両端に
おいて十分な印刷圧を確保でき、当該部分での画像の掠
れは解消できる。しかしながら、当然に開口部１０４の
中央部分での印刷圧も大きくなり、印刷用紙の中央部分
に対するインキ転移量は過剰となり、裏写り、画像の太
り等の別の問題が発生する。

【０００６】本発明は、以上の問題点に鑑みて成された
ものであり、版胴の開口部の全体に均一な印刷圧を与え
ることができるため、開口部に対応する有効印刷面積の
全面について正常な印刷が行える孔版印刷装置を提供す
ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載された孔
版印刷装置は、多数の貫通孔（４）が形成された開口部
（５）と、前記開口部の周りに設けられた非開口部
（６）とを有する円筒状の周壁（２）を有し、前記周壁
の外周面には製版された孔版原紙（１１）が巻装されて
自身の軸線の周りに回転する版胴（１）と、前記版胴の
周壁の内周面にインキを供給するインキ供給ローラ（１
２）と、前記版胴の周壁の外周面に向けて圧接されるプ
レスローラ（１４）とを有している。そして、前記孔版
印刷装置において、前記版胴の軸線方向について、前記
開口部の前記非開口部と隣接する部分（１６）に、貫通
しない凹部（７，８，９，１７，１８）を設けたことを
特徴としている。

【０００８】請求項２に記載された孔版印刷装置は、請
求項１記載の孔版印刷装置において、前記凹部（８，
９，１８）が、前記貫通孔（４）に対して連続している
ことを特徴としている。

【０００９】請求項３に記載された孔版印刷装置は、請
求項２記載の孔版印刷装置において、前記凹部（８）
が、前記貫通孔（４）の周囲に連続して形成されている
ことを特徴としている。

【００１０】請求項４に記載された孔版印刷装置は、請
求項２記載の孔版印刷装置において、前記凹部（９，１
８）が、隣接する前記貫通孔（４）と前記貫通孔（４）
を連通していることを特徴としている。

【００１１】請求項５に記載された孔版印刷装置は、請
求項１記載の孔版印刷装置において、前記凹部（８，１
７）が、前記貫通孔（４）に対して独立していることを
特徴としている。

【００１２】請求項６に記載された孔版印刷装置は、請
求項５記載の孔版印刷装置において、前記凹部が、隣接
する前記貫通孔と前記貫通孔の間の前記周壁に形成され
ていることを特徴としている。

【００１３】請求項７に記載された孔版印刷装置は、請
求項２又は５記載の孔版印刷装置において、前記凹部
（１７，１８）が、前記版胴の周方向（）に沿って隣
接する前記貫通孔（４）と前記貫通孔（４）の間に形成
されていることを特徴としている。

【００１４】請求項８に記載された孔版印刷装置は、請
求項１記載の孔版印刷装置において、前記凹部が、前記
周壁（２）の外周面に形成されたことを特徴としてい
る。

【００１５】請求項９に記載された孔版印刷用版胴は、
多数の貫通孔（４）が形成された開口部（５）と、前記
開口部の周りに設けられた非開口部（６）とを有する円
筒状の周壁（２）を有し、前記周壁の外周面には製版さ
れた孔版原紙（１１）が巻装されて自身の軸線の周りに
回転する孔版印刷用版胴である。そして、前記孔版印刷
用版胴において、前記版胴の軸線方向（）について前
記非開口部（６）に接する前記開口部（５）の剛性が、
前記非開口部（６）の剛性と、前記貫通孔（４）のみが
形成された開口部（５）の剛性の間の値となるように、
前記版胴（１）の軸線方向（）について、前記開口部
（５）の前記非開口部（６）と接する部分に、貫通しな
い凹部（７，８，９，１７，１８）を設けたことを特徴
とする。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図１〜図１
５を参照して説明する。第１の例を図１〜図３を参照し
て説明する。

【００１７】版胴１は、円筒状の周壁２を有している。
版胴１は、不図示の駆動手段により軸３の周りに回転可
能に支持されている。図３に示すように、周壁２には、
多数の貫通孔４が形成された開口部５（印刷領域）と、
前記開口部５の周囲に設けられた非開口部６（非印刷領
域）が形成されている。

【００１８】図１及び図３に示すように、貫通孔４は円
形であり、所定の間隔で配置・形成されている。この開
口部５には、周壁２の外周面側に凹部７が形成されてい
る。本例の凹部７は、周壁２を貫通しない孔又は溝を意
味する。凹部７の形状、貫通孔４との位置関係、周壁２
の内外面のいずれに形成されるかについては、特に限定
はない。本例で版胴１に形成する凹部７は、版胴１の軸
線方向について、非開口部６と接する開口部５の少なく
とも一部分に設けられていることが条件である。従っ
て、凹部７は開口部５の全部に設けてもよい。

【００１９】この条件が満たされれば、版胴１の軸線方
向について、非開口部６に隣り合う開口部５の剛性は、
非開口部６の剛性と、貫通孔４のみが形成されている場
合の開口部５の剛性との間の値になる。即ち、凹部７が
なく貫通孔４だけで構成された従来の開口部５の剛性よ
りも、本例の非開口部６に接している開口部５の剛性の
方が小さい。即ち、従来の前記開口部５よりも、本例の
凹部付き開口部５の方が外力に対して曲がりやすくなっ
ている。

【００２０】本例では、各貫通孔４の周囲に形成された
円形の凹部８と、隣接する円形の凹部８，８同士を放射
状に連絡する溝型の凹部９がある。即ち、円形の凹部８
は、貫通孔４に連続するように貫通孔４の周囲に形成さ
れている。また、溝型の凹部９は、円形の凹部８を介し
て、隣接する貫通孔４と貫通孔４を連通している。この
ように、本例では、開口部５の全面にわたって凹部７が
形成されている。

【００２１】周壁２の外周面の非開口部６にはクランプ
手段１０が設けられている。製版された孔版原紙１１
は、先端部がクランプ手段１０に固定され、周壁２の外
周面に巻装される。版胴１内には、周壁２の内周面にイ
ンキを供給するインキ供給ローラ１２が設けられてい
る。インキ供給ローラ１２の近傍には、ドクターローラ
１３が設けられている。

【００２２】版胴１の下方には、周壁２の外周面を選択
的に押圧するプレスローラ１４が設けられている。プレ
スローラ１４は、版胴１の回転駆動に同期して昇降自在
である。プレスローラ１４は、少なくとも表面がゴム等
の弾性材料から構成されている。

【００２３】版胴１の回転に同期して供給された印刷用
紙は、上昇したプレスローラ１４によって版胴１の周面
の孔版原紙１１に押しつけられる。版胴１の内周面から
供給されたインキは開口部５と孔版原紙１１の製版部を
通過して印刷用紙に転移し、画像を形成する。

【００２４】本例によれば、版胴１の軸線方向において
非開口部６に隣接する開口部５の両縁部は、その剛性が
非開口部６の剛性と比較して極端に低くなる。従って開
口部５の両縁部は変形しやすくなる。このため、印刷圧
は開口部５の全体に均一に加わる。従って、印刷用紙に
転写されるインキの量は均一になり、掠れのない印刷画
像が得られる。

【００２５】排版時、使用済みの孔版原紙１１を剥がす
と、孔版原紙１１と版胴１との間に溜まったインキが孔
版原紙１１に付着して版胴１から取り去られてしまう。
その後、次の孔版原紙１１を着版し、印刷を始めても、
孔版原紙１１と版胴１の間に十分な量のインキが行き渡
るまでに時間がかかるので、初期の印刷物はインキが不
足して正常な印刷結果が得られない。その点、本例によ
れば、凹部７が版胴１の外周面に形成されているので、
版胴１の内周面から押し出されたインキは凹部７内に保
持される。このため、孔版原紙１１を除去した時点でも
版胴１の外周面にはある程度のインキが残っている。従
って、その後に新しい孔版原紙１１を版胴１に巻き付け
て印刷を始めた場合にも、一枚目から正常な印刷が行え
る。

【００２６】また、本例では、凹部７が互いに連続して
いるので、版胴１の内部から外部に供給されたインキは
凹部７を介してむらなく版胴１の印刷領域（開口部５）
に行き渡る。このため、得られる印刷物の濃度等は均一
になり、品質は一層安定する。

【００２７】第２の例を図４を参照して説明する。孔版
印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一である。
版胴の開口部５ａにおける凹部のパターンが前述した例
と異なる。本例においては、版胴の回転方向（周方
向、又は印刷用紙に対する印刷方向）について、開口部
５（印刷領域）の上端（天）と下端（地）に、パターン
の異なる部分を設けた。この天地領域１５に形成された
各凹部は、各貫通孔４に連絡する円形の凹部８である。
この天地領域１５では、円形の凹部８同士は独立してお
り、互いに接続していない。

【００２８】本例によれば、周壁２ａの剛性が大きいの
は、非開口部６、天地領域１５、中央の開口部５の順に
なる。周方向についての周壁２ａの剛性は、中間的な
値の天地領域１５を経て段階的に増大又は減少するの
で、各部の境界の剛性が急激に変化する場合に比べてプ
レスローラ１４の押圧によって割れにくい。

【００２９】また、版胴１の軸線方向に関する剛性の
変化の状態は、第１の例と同一である。従って第１の例
と同様に掠れのない印刷画像が得られる。

【００３０】第３の例を図５を参照して説明する。孔版
印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一である。
版胴の開口部５ｂにおける凹部のパターンが前述した例
と異なる。本例においては、版胴の軸線方向につい
て、非開口部６と隣接する開口部５ｂ（印刷領域）の両
縁部、即ち軸方向に関する開口部５ｂの両縁部に、中間
領域１６を設けた。この中間領域１６に形成された凹部
は、各貫通孔４に連絡する円形の凹部８である。この中
間領域１６では、円形の凹部８同士は独立しており、互
いに接続していない。

【００３１】本例によれば、版胴の軸線方向におい
て、非開口部６、中間領域１６、中央の開口部５ｂの順
に剛性が小さくなっていく。よって、開口部５ｂの両縁
部（中間領域１６）は無理なく変形することができ、印
刷圧は開口部５ｂの全体に均一に加わる。従って、印刷
用紙に転写されるインキの量は均一になり、掠れのない
印刷画像が得られる。また、繰り返される変形によって
開口部５ｂの両縁部が破壊するおそれも少ない。

【００３２】第４の例を図６を参照して説明する。孔版
印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一である。
版胴の開口部５ｃにおける凹部のパターンは前述した例
と異なり、図４で説明した天地領域１５と、図５で説明
した中間領域１６を合わせたものとなっている。即ち、
本例においては、版胴の軸線方向について、開口部５
ｃの両縁部に中間領域１６を設けた。また、版胴１の回
転方向について、開口部５ｃ（印刷領域）の上端
（天）と下端（地）に、天地領域１５を設けた。天地領
域１５と中間領域１６に形成された凹部は、各貫通孔４
に連絡する円形の凹部８である。凹部８は独立してお
り、互いに接続していない。本例によれば、図４と図５
に示した各例の効果を合わせた効果が得られる。

【００３３】第５の例を図７を参照して説明する。孔版
印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一である。
版胴の開口部５ｄにおける凹部のパターンが前述した例
と異なる。本例においては、版胴の回転方向（周方
向、又は印刷用紙に対する印刷方向）について、開口部
５ｄ（印刷領域）の上端（天）と下端（地）に、パター
ンの異なる部分を設けた。この天地領域１５ｄの開口部
５ｄには凹部がない。その他の部分の開口部５ｄには、
凹部８が形成されている。この凹部８は、各貫通孔４に
連絡する円形の凹部８である。円形の凹部８同士は独立
しており、互いに接続していない。本例によれば、図４
に示した第２の例と略同一の作用・効果が得られる。開
口部５ｄの剛性は、本例の方が大きい。

【００３４】第６の例を図８を参照して説明する。孔版
印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一である。
版胴の開口部５ｅにおける凹部のパターンは前述した例
と異なる。本例においては、版胴の軸線方向に関し
て、非開口部６に隣接する開口部５ｅの両縁部（中間領
域１６ｅ）に、凹部１７が形成されている。凹部１７は
矩形状である。本例の凹部１７は貫通孔４に対して独立
している。即ち、凹部１７と貫通孔４はつながっていな
い。また、凹部１７は、版胴の周方向に沿って隣接す
る貫通孔４と貫通孔４の間に形成されている。

【００３５】本例によれば、版胴の軸線方向におい
て、非開口部６、開口部５ｅの中央、中間領域１６ｅの
順に剛性が小さくなっていく。即ち、非開口部６と開口
部５ｅの境界の領域が最も変形しやすい。よって、開口
部５ｅの両縁部は無理なく変形することができ、印刷圧
は開口部５ｅの全体に均一に加わる。従って、印刷用紙
に転写されるインキの量は均一になり、掠れのない印刷
画像が得られる。また、繰り返される変形によって開口
部５ｅの両縁部が破壊するおそれも少ない。

【００３６】第７の例を図９を参照して説明する。孔版
印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一である。
版胴の開口部５ｆにおける凹部のパターンが前述した例
と異なる。本例においては、開口部５ｆの全領域に凹部
１７が形成されている。凹部１７は矩形状である。本例
の凹部１７は貫通孔４に対して独立している。即ち、凹
部１７と貫通孔４はつながっていない。また、凹部１７
は、版胴１の周方向に沿って隣接する貫通孔４と貫通孔
４の間に形成されている。

【００３７】本例によれば、版胴の軸線方向において
非開口部６に隣接する開口部５ｆの両縁部は、その剛性
が非開口部６の剛性と比較して極端に低くなる。従って
開口部５ｆの両縁部は変形しやすくなる。このため、印
刷圧は開口部５ｆの全体に均一に加わる。従って、印刷
用紙に転写されるインキの量は均一になり、掠れのない
印刷画像が得られる。

【００３８】第８の例を図１０を参照して説明する。孔
版印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一であ
る。版胴の開口部５ｇにおける凹部のパターンが前述し
た例と異なる。本例においては、版胴の軸線方向に関
して、非開口部６に隣接する開口部５の両縁部（中間領
域１６ｇ）に、凹部１８が形成されている。凹部１８は
矩形の溝状である。本例の凹部１８は周方向に沿って
貫通孔４と連続している。即ち、周方向に並ぶ貫通孔
４と貫通孔４は凹部１８によってつながっている。

【００３９】本例によれば、図８に示す第６の例と略同
様の効果が得られるが、開口部５ｇの両縁部の剛性は第
６の例よりも小さく、変形しやすい。

【００４０】第９の例を図１１を参照して説明する。孔
版印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一であ
る。版胴の開口部５ｈにおける凹部のパターンが前述し
た例と異なる。本例においては、開口部５ｈの全領域に
凹部１８が形成されている。凹部１８は矩形の溝状であ
る。本例の凹部１８は周方向に沿って並ぶ貫通孔４を
連通させている。

【００４１】本例によれば、図９に示す第７の例と略同
様の効果が得られるが、開口部５ｈの剛性は第７の例よ
りも小さく、変形しやすい。

【００４２】第１０の例を図１２を参照して説明する。
孔版印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一であ
る。版胴の開口部５ｉにおける凹部のパターンが前述し
た例と異なる。本例においては、開口部５ｉのすべての
貫通孔４の周囲に、円形の凹部８が形成されている。ま
た、版胴の軸線方向に関して、非開口部６に隣接する
開口部５ｉの両縁部（中間領域１６ｉ）には、さらに溝
状の凹部１８が形成されている。溝状の凹部１８は、周
方向に沿って並ぶ円形の凹部８を連通させている。即
ち、周方向に並ぶ貫通孔４と貫通孔４は、円形の凹部８
と溝状の凹部１８によってつながっている。

【００４３】本例によれば、図８の第６の例又は図１０
の第８の例と略同様の効果が得られるが、開口部５ｉ及
び開口部５ｉの両縁部１６ｉの剛性はこれらの例よりも
小さく、変形しやすい。

【００４４】第１１の例を図１３を参照して説明する。
孔版印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一であ
る。版胴の開口部５ｊにおける凹部のパターンが前述し
た例と異なる。本例においては、開口部５ｊのすべての
貫通孔４の周囲に、円形の凹部８が形成されている。ま
た、すべての円形の凹部８は、周方向に沿って並ぶ凹
部１８によってつながっている。即ち、周方向に並ぶ
貫通孔４と貫通孔４は円形の凹部１８と溝状の凹部１８
によってつながっている。

【００４５】本例によれば、図９の第７の例又は図１１
の第９の例と略同様の効果が得られるが、開口部５ｊ及
び開口部５ｊの両縁部の剛性はこれらの例よりも小さ
く、変形しやすい。

【００４６】第１２の例を図１４を参照して説明する。
孔版印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一であ
る。版胴の開口部５ｋにおける凹部のパターンが前述し
た例と異なる。本例においては、開口部５ｋのすべての
貫通孔４の周囲に円形の凹部８が形成されている。さら
に、版胴の軸線方向に関して、非開口部６に隣接する
開口部５ｋの両縁部（中間領域１６ｋ）に、矩形状の凹
部１７が形成されている。矩形の凹部１７は、版胴の周
方向に沿って隣接する貫通孔４と貫通孔４の間に形成
されており、貫通孔４及び円形の凹部８に対して独立し
ている。即ち、貫通孔４と貫通孔４はつながっていな
い。

【００４７】本例によれば、図８の第６の例と略同様の
効果が得られるが、開口部５ｋ及び開口部５ｋの両縁部
１６ｋの剛性はこれらの例よりも小さく、変形しやす
い。

【００４８】第１３の例を図１５を参照して説明する。
孔版印刷装置としての大略の構成は第１の例と同一であ
る。版胴の開口部５ｌにおける凹部のパターンが前述し
た例と異なる。本例においては、開口部５ｌのすべての
貫通孔４の周囲に円形の凹部８が形成されている。さら
に、開口部５ｌのすべての領域において、版胴の周方向
に沿って隣接する貫通孔４と貫通孔４の間に矩形状の
凹部１７が形成されている。矩形状の凹部１７は、貫通
孔４及び円形の凹部８に対して独立している。即ち、貫
通孔４と貫通孔４はつながっていない。

【００４９】本例によれば、図９の第７の例と略同様の
効果が得られるが、開口部５ｌ及び開口部５ｌの両縁部
の剛性はこれらの例よりも小さく、変形しやすい。

【００５０】以上説明した例においては、版胴の周壁に
形成した凹部の形、深さ、形状等によって周壁の当該箇
所の剛性を任意に設定することができる。貫通孔と凹部
は、エッチングによって形成することができる。

【００５１】

【発明の効果】本発明によれば、開口部と非開口部を有
する版胴に孔版原紙を巻装して回転させ、版胴の内周面
にインキを供給するとともに、プレスローラで印刷用紙
を孔版原紙に押し付けて印刷を行う孔版印刷装置におい
て、版胴の軸線方向に関して、開口部の非開口部と隣接
する部分に、周壁を貫通しない凹部を設けた。従って、
版胴の印刷領域における軸方向の剛性が低下し、印刷時
のプレスローラに対する形状追従性が改善される。この
ため、開口部の全体に均一な印刷圧を与えることがで
き、印刷領域の全面について正常な印刷が行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態の第１の例の断面図であ
る。

【図２】図１において紙面に垂直な面で切断した第１の
例の断面図である。

【図３】第１の例の周壁の展開図である。

【図４】第２の例の周壁の展開図である。

【図５】第３の例の周壁の展開図である。

【図６】第４の例の周壁の展開図である。

【図７】第５の例の周壁の展開図である。

【図８】第６の例の周壁の展開図である。

【図９】第７の例の周壁の展開図である。

【図１０】第８の例の周壁の展開図である。

【図１１】第９の例の周壁の展開図である。

【図１２】第１０の例の周壁の展開図である。

【図１３】第１１の例の周壁の展開図である。

【図１４】第１２の例の周壁の展開図である。

【図１５】第１３の例の周壁の展開図である。

【図１６】従来の孔版印刷装置の断面図である。

【図１７】図１６において紙面に垂直な面で切断した従
来例の断面図である。

【図１８】従来例における周壁の展開図である。

【符号の説明】

１…版胴２，２ａ，２ｂ，２ｃ，２ｄ，２ｅ，２ｆ，２ｇ，２
ｈ，２ｉ，２ｊ，２ｋ，２ｌ…周壁４…貫通孔５，５ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄ，５ｅ，５ｆ，５ｇ，５
ｈ，５ｉ，５ｊ，５ｋ，５ｌ…開口部６…非開口部７，８，９，１７，１８…凹部１１…孔版原紙１２…インキ供給ローラ１４…プレスローラ１６，１６ｅ，１６ｇ，１６ｉ，１６ｋ…版胴の軸線方
向について非開口部に接する開口部である中間領域

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】多数の貫通孔が形成された開口部と、前
記開口部の周りに設けられた非開口部とを有する円筒状
の周壁を有し、前記周壁の外周面には製版された孔版原
紙が巻装されて自身の軸線の周りに回転する版胴と、前記版胴の周壁の内周面にインキを供給するインキ供給
ローラと、前記版胴の周壁の外周面に向けて圧接されるプレスロー
ラとを有する孔版印刷装置において、前記版胴の軸線方向について、前記開口部の前記非開口
部と隣接する部分に、貫通しない凹部を設けたことを特
徴とする孔版印刷装置。
【請求項２】前記凹部が、前記貫通孔に対して連続し
ている請求項１記載の孔版印刷装置。
【請求項３】前記凹部が、前記貫通孔の周囲に連続し
て形成されている請求項２記載の孔版印刷装置。
【請求項４】前記凹部が、隣接する前記貫通孔と前記
貫通孔を連通している請求項２記載の孔版印刷装置。
【請求項５】前記凹部が、前記貫通孔に対して独立し
ている請求項１記載の孔版印刷装置。
【請求項６】前記凹部が、隣接する前記貫通孔と前記
貫通孔の間の前記周壁に形成されている請求項５記載の
孔版印刷装置。
【請求項７】前記凹部が、前記版胴の周方向に沿って
隣接する前記貫通孔と前記貫通孔の間に形成されている
請求項２又は５記載の孔版印刷装置。
【請求項８】前記凹部が、前記周壁の外周面に形成さ
れた請求項１記載の孔版印刷装置。
【請求項９】多数の貫通孔が形成された開口部と、前
記開口部の周りに設けられた非開口部とを有する円筒状
の周壁を有し、前記周壁の外周面には製版された孔版原
紙が巻装されて自身の軸線の周りに回転する孔版印刷用
版胴において、前記版胴の軸線方向について前記非開口部に接する前記
開口部の剛性が、前記非開口部の剛性と、前記貫通孔の
みが形成された開口部の剛性の間の値となるように、前記版胴の軸線方向について、前記開口部の前記非開口
部と接する部分に、貫通しない凹部を設けたことを特徴
とする孔版印刷用版胴。