JP2000000229A - 採血管 - Google Patents

採血管

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JP2000000229A
JP2000000229A JP10165746A JP16574698A JP2000000229A JP 2000000229 A JP2000000229 A JP 2000000229A JP 10165746 A JP10165746 A JP 10165746A JP 16574698 A JP16574698 A JP 16574698A JP 2000000229 A JP2000000229 A JP 2000000229A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】凝固時間が従来より極めて速く、かつムラなく
血液凝固を完了することができ、個人差のない、確実か
つ安定した血液検査が行える採血管を提供すること。 【解決手段】本発明は、シリカ粒子等の無機物である第
1の血液凝固促進剤と、トロンビン等の生物由来の血液
凝固活性を有する物質を顆粒とした第2の血液凝固促進
剤とが封入された採血管であり、さらに顆粒の血液凝固
促進剤が、血清分離剤に接着または捕捉されて血液凝固
活性物質の持つ凝固能を低下することを防ぐため、プラ
スチック製フィルムによって空間を2分したり、水溶性
シリコーンにより顆粒または血清分離剤をコーティング
した採血管である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血液検査に用いる
血液試料を採取するための採血管に関する。
【0002】
【従来の技術】採血後の血液凝固時間を短縮するべく採
血管内に封入される血液凝固促進剤としては、シリカ粒
子、トロンビン、蛇毒抽出物等が用いられ、この内1種
類の血液凝固促進剤が単独で封入されているものが多か
った。従来用いられているシリカ粒子では血液凝固時間
に20分を要するが、トロンビン、蛇毒抽出物等の血液
凝固促進剤では20分より短い時間で凝固できた。しか
しながら、トロンビン、蛇毒抽出物等の血液凝固促進剤
では凝固時間に個人差があり、おおよそ5分〜20分と
大きなばらつきを生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、採血
管内に異なる種類の血液凝固促進物質を異なる形態で配
置することにより血液の凝固速度をコントロールし、凝
固時間が早く、個人差のない、確実かつ安定した採血管
を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は次の手段によっ
て達成される。
【0005】(1)2種類以上の血液凝固促進剤が封入
された採血管であって、そのうち少なくとも1種類以上
の血液凝固促進剤が顆粒であることを特徴とする採血
管。
【0006】(2)前記2種類以上の血液凝固促進剤の
うち、1種類が無機物であり、かつ他の1種類が血液凝
固活性を有する物質である(1)に記載の採血管。
【0007】(3)第1の血液凝固促進剤および第2の
血液凝固促進剤が封入された採血管であって、いずれか
一方の血液凝固促進剤が顆粒であり、第1の血液凝固促
進剤、第2の血液凝固促進剤の順に血液に接触または溶
解するように構成された(1)に記載の採血管。
【0008】(4)無機物である血液凝固促進剤と、血
液凝固活性を有する物質を含む顆粒である血液凝固促進
剤とからなる(1)〜(3)に記載の採血管。
【0009】(5)顆粒の血液凝固促進剤が血液凝固活
性を有する物質とバインダーとからなる請求項(1)〜
(4)に記載の採血管。
【0010】(6)前記バインダーが、ポリビニルピロ
リドン、ポリビニルアルコール等の水溶性物質、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒドロキシエチ
ルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、
カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等の水溶性セルロース誘導体、2−
ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート等の水溶性アクリル酸誘導体、ゼラチ
ン、でんぷん等の水溶性多種タンパク質の混合物質から
なる群のいずれか1種以上の物質を含む(5)に記載の
採血管。
【0011】(7)前記無機物がシリカ粒子、ガラス粉
末、または珪藻土やカオリン等のSiO2を含む混合物
である(2)および(4)に記載の採血管。
【0012】(8)前記血液凝固活性を有する物質が、
トロンビン、トロンビン様酵素、またはそれらを含む蛇
毒抽出物質である(2)および(4)に記載の採血管。
【0013】(9)採血管内に血清分離剤が封入され、
前記血液凝固促進剤が血清分離剤に接着しないように、
または捕捉されないように封入された(1)に記載の採
血管。
【0014】(10)採血管内が空間遮断部材により2
つの空間に分割され、一方の空間に血清分離剤、他方の
空間に顆粒の血液凝固促進剤が封入された(9)に記載
の採血管。
【0015】(11)採血管内で血清分離剤の露出して
いる部分の上にシリコーンの層が存在している(9)に
記載の採血管。
【0016】(12)顆粒の血液凝固促進剤に水溶性シ
リコーンが表面コートされた(9)に記載の採血管。
【0017】(13)顆粒の血液凝固促進剤に水溶性シ
リコーンが混合された(9)に記載の採血管。
【0018】(14)血液安定剤として抗プラスミン剤
を含む第2の血液凝固促進剤が封入された(9)に記載
の採血管。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明は2種類以上の血液凝固促
進剤が封入された採血管であって、2種類以上の血液凝
固促進剤を用いることにより、血液凝固時間の短縮を図
ることを目的とする。そして、そのうちの少なくとも1
種類以上の血液凝固促進剤が顆粒であることが必要であ
る。
【0020】また、2種類以上の血液凝固促進剤のう
ち、1種類が無機物であり、かつ他の1種類が血液凝固
活性を有する物質であることが望ましい。例えばシリカ
粒子等の無機物である第1の血液凝固促進剤と、トロン
ビンや蛇毒抽出物質等の生物由来の第2の血液凝固促進
剤とを用いることにより、血液凝固時間を大幅に短縮す
ることが可能となる。
【0021】前述の組み合わせの採血管では、採血後血
液は先に第1の血液凝固促進剤であるシリカに接触する
ため、シリカは血液中に素早く均一に分散し血液は緩慢
な凝固を開始する。続いて第2の血液凝固促進剤に血液
が触れ、血液中にバインダーが溶解することによりトロ
ンビンが血液中に溶解し、更に凝固が促進される。その
結果急速で安定した凝固が可能となる。
【0022】バインダーがない場合ではシリカとトロン
ビンが同時に溶解するが、トロンビンの凝固促進が非常
に急速なため、トロンビンが血液全体に拡散する以前に
部分凝固してしまい、トロンビンの分散ムラを生じ、ひ
いては血液全体の凝固ムラを生じやすい。
【0023】しかし本発明では、バインダーが徐々に溶
解するのに伴ってトロンビンも徐々に溶解するため、ト
ロンビンが血液中に均一に分散し、トロンビンが溶解し
た後はさらに血液の凝固が促進される。
【0024】従って、本発明は、第1および第2の血液
凝固促進剤が同一の速度で溶解するのではなく、シリカ
すなわち無機質の血液凝固促進剤の方を分散速度が速
く、トロンビンすなわち生物由来の血液凝固促進剤の方
を分散速度が遅くすることによって、それぞれの血液凝
固促進剤の反応のタイミングをずらし、血液全体をムラ
なく凝固させることを可能とした。
【0025】本発明の第1の血液凝固促進剤として採血
管に封入される無機物としては、シリカ粒子、ガラス粉
末、または珪藻土やカオリン等のSiO2を含む混合物
等がある。
【0026】本発明の第2の血液凝固促進剤として採血
管に封入される血液凝固活性を有する物質としては、ト
ロンビン、トロンビン様酵素がある。また、透析患者等
のヘパリン加血に対してはトロンビン様酵素を含む蛇毒
抽出物質等がある。さらに、これらの物質を適宜組み合
わせても良い。
【0027】本発明の顆粒である第2の血液凝固促進剤
を得る方法としては、一旦、バインダーと血液凝固活性
を有する物質とを水に溶かし、これを凍結乾燥した後に
砕き、更にふるいを通し粒径を揃えて顆粒の血液凝固促
進剤を得る方法がある。粒径は約32meshのふるい
を通り約60meshのふるいを通らない範囲のもの
が、計量および採血管への分注に適している。また、こ
の範囲であれば血液に触れたときの分散速度が適当であ
り、急速な溶解による凝固ムラを防ぐことができる。
【0028】本発明のバインダーとしては、例えば、ポ
リビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等の水溶性
物質、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルヒ
ドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、メチル
セルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性セルロース
誘導体、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート等の水溶性アクリル酸誘導
体、ゼラチン、でんぷん等の水溶性多種タンパク質の混
合物質などが挙げられる。
【0029】上記方法によって得られた顆粒である第2
の血液凝固促進剤の表面に、無機物の第1の血液凝固促
進剤を存在させることによって、第1の血液凝固促進剤
よりも第2の血液凝固促進剤の溶解速度が遅くなり、そ
れぞれの血液凝固促進剤の反応のタイミングをずらすこ
とが可能となる。例えば、適切な有機溶媒中にシリカ粒
子を分散させ、その中へ顆粒の血液凝固促進剤をディッ
ピングさせたのち乾燥させるという方法がある。
【0030】本発明において、血液安定剤を顆粒である
第2の血液凝固促進剤に含有させてもよい。血液安定剤
である抗プラスミン剤としては、アプロチニン等があ
る。
【0031】本発明において、採血管内に血清分離剤が
収納されていてもよい。血清分離剤としてはオレフィン
系樹脂に無機充填剤を配合したもの、ポリエステル系樹
脂に無機充填剤を配合したもの、ポリブテン系樹脂に無
機充填剤を配合したもの、アクリル系樹脂に無機充填剤
を配合したもの等が挙げられる。
【0032】血清分離剤が封入されている採血管におい
ては、第1および第2の血液凝固促進剤は血清分離剤と
接触していないのが好ましい。血液凝固促進剤が血清分
離剤に接触し血清分離剤に接着、または血清分離剤中に
捕捉された場合は血液凝固促進能の低下を生じる。これ
を防止するには、成形物やフィルムを空間遮断物として
用い、血清分離剤表面から離れた位置に配置してもよい
し、血清分離剤の表面を密着して覆うように配置しても
よい。いずれの方法においても、成形物やフィルムは採
血管の空間を2つに分ける壁の様に存在させ、一方の空
間には血清分離剤、他方の空間には血液凝固促進剤を封
入する。血清分離剤と顆粒の血液凝固促進剤を物理的に
離すことにより、血清分離剤と顆粒が直接接触せず、血
清分離剤の影響を受けないようにできる。
【0033】このような採血管の製造方法としては、例
えば、採血管内に血清分離剤を分注後、射出成形、ブロ
ー成形、プレス成形等の各種成形方法または切削によっ
て得られた成形品、フィルム、不織布またはそれらを重
ねたものを挿入して壁の代わりとし、更にその上に血液
凝固促進剤を分注する方法がある。
【0034】また、上記フィルムに、第1の血液凝固促
進剤をコートする方法もある。具体的には、シリカ粒子
及びポリビニルピロリドンをアルコール中に分散させ、
この溶液をフィルムまたは不織布に噴霧またはコーティ
ングの方法により塗布し乾燥する。更にこのフィルムま
たは不織布を円形に打ち抜き採血管内に封入するという
方法である。
【0035】こうすることにより血清分離剤と顆粒を分
離するものと、血液凝固促進剤の支持体とが兼用でき、
部材を少なくすることが可能となる。
【0036】成形品としては、プラスチック製のもので
あれば何でもよく、ポリプロピレン・ポリエチレン等の
オレフィン樹脂、ポリアミド、ポリスチレン、ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリロニトリル
ブタジエンスチレン樹脂等の各種熱可塑性樹脂、および
フィラー入りポリプロピレン、フィラー入りポリカーボ
ネート等の各種充填剤入り熱可塑性樹脂、各種熱可塑性
エラストマー、熱硬化性樹脂等が用いられ、天然ゴム・
合成ゴム等のゴム材質や、金属、ガラス等でも可能であ
り、血清より比重の大きいものが好ましい。
【0037】フィルムとしては、プラスチック製フィル
ムであれば何でもよく、例えば、延伸PETフィルム、
ナイロンフィルム、フィラー充填PPフィルム、フィラ
ー充填PEフィルム、プラスチックラミネートアルミ箔
フィルム等が用いられ、さらに血液凝固促進剤が付着し
やすいように、表面処理、例えばプラズマ処理やエンボ
ス加工を施したものも用いられる。不織布の材料として
は、ポリエステル、ナイロン、レーヨンおよびそれらを
組み合わせたものが用いられる。いずれも血清より比重
の大きいものが好ましい。
【0038】さらに、血液凝固促進剤が血清分離剤に接
着しないように、または血清分離剤中に捕捉されないよ
うにするその他の方法としては、採血管内の血清分離剤
が露出している部分の表面にシリコーンを噴霧しコート
する方法。または、採血管内にシリコーン溶液を満たし
た後除去し、風乾、減圧乾燥等の方法により乾燥すると
いう方法(ディッピング方式)。水溶性シリコーンを顆
粒の血液凝固促進剤の表面に噴霧しコートする方法。造
粒時に血液凝固促進剤やポリビニルピロリドン等と一緒
に水溶性シリコーンを混合し造粒する方法などがある。
【0039】これらの方法により、長期保存後でも血液
凝固促進剤が血清分離剤の影響を受けて血液への溶解が
血清分離剤により阻害されることがなく、凝固時間に誤
差が生じる等の問題がなくなる。
【0040】本発明の採血管の材質としては、ポリエチ
レンテレフタレート、共重合ポリエチレンテレフタレー
ト等のポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリメチ
ルメタアクリレート、ポリメタアクリル酸等のアクリル
樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィ
ン、ポリ塩化ビニル、ナイロン等のポリアミド、ポリス
チレンなどの熱可塑性樹脂のほか、ガラス等の無機材質
が用いられ、ガスバリアー性の高いものがより好まし
い。
【0041】また、採血管の内面には血餅剥離性物質を
塗布することが好ましい。血餅剥離性物質としては、ポ
リエーテル変性シリコーンオイル等の水溶性シリコー
ン、ジメチルポリシロキサン等の変性シリコーンオイ
ル、ポリプロピレングリコール等のグリコール類、パラ
フィン、ワックス類、フタル酸ジオクチル等の可塑剤、
各種セルロース誘導体等が好ましい。
【0042】採血管内に血餅剥離性物質を塗布する方法
としては、採血管内に噴霧または採血管内に血餅剥離性
物質を満たした後除去し、風乾、熱乾燥、減圧乾燥等の
方法により乾燥するという方法がある。
【0043】
【実施例】(減圧採血管の作成) (実施例1)血液凝固活性を有する物質としてトロンビ
ン(牛血漿由来:持田製薬株式会社製)を200IU、
バインダーとしてポリビニルピロリドン(PVP)を1
00mg、これらを一旦水に溶解させ、凍結乾燥した。
更に得られたものを砕き、ふるいにかけて粒径を揃え
た。得られた顆粒の粒径は32mesh〜60mesh
のものであった。
【0044】採血管に、作製した顆粒を採血管1本当た
り10mg分注した。
【0045】更にシリカ粒子及びポリビニルピロリドン
をアルコール溶液中に分散させ、この溶液をポリエステ
ルフィルムにコーティングし、乾燥したものを円形に打
ち抜き封入した(図1参照)。
【0046】(実施例2)血液凝固活性を有する物質と
してトロンビン(牛血漿由来:持田製薬株式会社製)を
200IU、バインダーとしてポリビニルピロリドン
(PVP)を100mg、これらを一旦水に溶解させ、
凍結乾燥した。更に得られたものを砕き、ふるいにかけ
て粒径を揃えた。得られた顆粒の粒径は32mesh〜
60meshのものであった。
【0047】採血管にオレフィン系樹脂に無機充填剤を
配合した分離剤をノズルの後方より圧力をかけて1.6
ml充填した。
【0048】分離剤が存在する側と空間を2分するよう
に円形に打ち抜いたポリエステルフィルムを挿入し、こ
のポリエステルフィルムの上に先に造粒した顆粒を10
mg分注した。
【0049】更にシリカ粒子及びポリビニルピロリドン
をアルコール溶液中に分散させ、この溶液をポリエステ
ルフィルムにコーティングし、乾燥したものを円形に打
ち抜き封入した(図2参照)。
【0050】(実施例3)血液凝固活性を有する物質と
してトロンビン(牛血漿由来:持田製薬株式会社製)を
200IU、バインダーとしてポリビニルピロリドン
(PVP)を100mg、水溶性シリコーン5mg、こ
れらを一旦水に溶解させ、凍結乾燥した。更に得られた
ものを砕き、ふるいにかけて粒径を揃えた。得られた顆
粒の粒径は32mesh〜60meshのものであっ
た。
【0051】採血管にオレフィン系樹脂に無機充填剤を
配合した分離剤をノズルの後方より圧力をかけて1.6
ml充填した。
【0052】採血管に、作製した顆粒を採血管1本当た
り10mg分注した。
【0053】更にシリカ粒子及びポリビニルピロリドン
をアルコール溶液中に分散させ、この溶液をポリエステ
ルフィルムにコーティングし、乾燥したものを円形に打
ち抜き封入した(図3参照)。
【0054】(実施例4)血液凝固活性を有する物質と
してトロンビン(牛血漿由来:持田製薬株式会社製)を
200IU、バインダーとしてポリビニルピロリドン
(PVP)を100mg、これらを一旦水に溶解させ、
凍結乾燥した。更に得られたものを砕き、ふるいにかけ
て粒径を揃えた。得られた顆粒の粒径は32mesh〜
60meshのものであった。更に、シリカ粒子を1%
濃度になるように適切な有機溶媒に分散させ、造粒した
顆粒を浸した後取り出して風乾させた。
【0055】採血管に、オレフィン系樹脂に無機充填剤
を配合した分離剤をノズルの後方より圧力をかけて1.
6ml充填し、更に血清分離剤の露出している部分に、
水溶性シリコーンを塗布し、作製した顆粒を分注した。
【0056】(比較例1)血液凝固活性を有する物質と
してトロンビン(牛血漿由来:持田製薬株式会社製)を
用い100IU/ml濃度のトロンビン水溶液を調整。
採血管にトロンビン溶液を100μl分注し、採血管ご
と凍結乾燥機に入れトロンビンを凍結乾燥させた。
【0057】(比較例2)シリカ粒子及びポリビニルピ
ロリドンをアルコール溶液中に分散させ、この溶液をポ
リエステルフィルムにコーティングし、乾燥したものを
円形に打ち抜いた。
【0058】採血管に、打ち抜いたフィルムを挿入し
た。
【0059】(比較例3)清浄されたガラス試験管を用
意した。
【0060】上記各実施例及び比較例において作製した
採血管を減圧下にて、採血管材質と熱融着する性質を持
つフィルムを採血管の開口部に熱融着、減圧採血管を作
製した。
【0061】(凝固時間の測定)上記の減圧採血管を用
い、人より9mlの採血を行い血液の凝固時間を観察し
た。
【0062】血液凝固完了時点の見極めは、採血管を横
に倒し血液の流動性を確認、流動性が無くなった時点を
血液の血液凝固完了時間とした。採血後は1200Gの
強さで10分間の遠心分離を行い血清の分離を行った。
【0063】各実施例および比較例の結果を表1に示す
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明は、2種類以上の血液凝固促進剤
のうち少なくとも1種類以上の血液凝固促進剤を顆粒と
するものであり、また、2種類以上の血液凝固促進剤の
うち、1種類が無機物であり、かつ他の1種類が血液凝
固活性を有する物質である。
【0066】本発明では、シリカ粒子等の第1の血液凝
固促進剤と、トロンビンのように急速に血液凝固を促進
する生物由来の第2の血液凝固促進剤とを併用し、順に
血液に接触させることにより、トロンビン単独よりも短
時間でかつ安定して血液を凝固させることが可能とな
る。さらにバインダーを用いて顆粒を形成することによ
り、血液への溶解速度をコントロールすることができ、
血液の凝固速度も同時にコントロールすることが可能と
なる。
【0067】また、血液凝固促進剤を顆粒状にすること
で容易に管体に封入し効率よく生産でき、血液凝固促進
剤の塗布や凍結乾燥の工程等が不必要となり製造効率の
高い製品が提供できる。
【0068】前述の実施例によれば、血液は初めに無機
物の血液凝固促進剤に触れて緩慢な凝固を開始し、続い
て血液凝固活性を有する生物由来の血液凝固促進剤に触
れて急速に凝固が促進され、ムラなく確実に凝固を完了
することができる。顆粒に含まれたバインダーの作用に
よりトロンビンの溶解がシリカ粒子よりも遅れることで
血液凝固速度にばらつきが生じない。
【0069】さらに採血管内に血清分離剤が封入される
場合は、プラスチック製フィルムによって空間を2分
し、それぞれの空間に血液凝固促進剤と血清分離剤を存
在させることで両者の接触を防止できる。また、水溶性
シリコーンを血清分離剤や顆粒に塗布したり、顆粒の中
に混合することによっても、血液凝固促進剤が血清分離
剤に接着しないように、または血清分離剤中に捕捉され
ないように工夫でき、長期保存後でも血液凝固促進能の
低下を防ぐことを可能にし、血液凝固時間に誤差を生じ
ることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の減圧採血管を説明するため
の中央断面図である。
【図2】本発明の一実施例の減圧採血管を説明するため
の中央断面図である。
【図3】本発明の一実施例の減圧採血管を説明するため
の中央断面図である。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2種類以上の血液凝固促進剤が封入された
    採血管であって、そのうち少なくとも1種類以上の血液
    凝固促進剤が顆粒であることを特徴とする採血管。
  2. 【請求項2】前記2種類以上の血液凝固促進剤のうち、
    1種類が無機物であり、かつ他の1種類が血液凝固活性
    を有する物質である請求項1に記載の採血管。
  3. 【請求項3】第1の血液凝固促進剤および第2の血液凝
    固促進剤が封入された採血管であって、いずれか一方の
    血液凝固促進剤が顆粒であり、第1の血液凝固促進剤、
    第2の血液凝固促進剤の順に血液に接触または溶解する
    ように構成された請求項1に記載の採血管。
  4. 【請求項4】無機物である血液凝固促進剤と、血液凝固
    活性を有する物質を含む顆粒である血液凝固促進剤とか
    らなる請求項1〜3に記載の採血管。
  5. 【請求項5】顆粒の血液凝固促進剤が血液凝固活性を有
    する物質とバインダーとからなる請求項1〜4に記載の
    採血管。
  6. 【請求項6】前記無機物がシリカ粒子、ガラス粉末、ま
    たは珪藻土やカオリン等のSiO2を含む混合物である
    請求項2および請求項4に記載の採血管。
  7. 【請求項7】前記血液凝固活性を有する物質が、トロン
    ビン、トロンビン様酵素、またはそれらを含む蛇毒抽出
    物質である請求項2および請求項4に記載の採血管。
  8. 【請求項8】採血管内に血清分離剤が封入され、前記血
    液凝固促進剤が血清分離剤に接着しないように、または
    捕捉されないように封入された請求項1に記載の採血
    管。
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