JPH08300789A - 版の固定が容易な押圧式孔版印刷方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 押圧式孔版印刷装置の孔版原紙押圧手段に孔
版原紙ユニットを容易に固定させることができ、その位
置決め調節も容易に行なえるようにした孔版原紙支持手
段であって、特に、可撓性の高い孔版原紙押圧手段を採
用する減圧式の押圧式孔版印刷装置において大型の孔版
原紙ユニットを固定するのに好適なものを提供する。 【構成】 マジックテープ（５１、５２）等を用いるこ
とにより孔版原紙支持手段（５１）を該孔版原紙押圧手
段（２１）に対して着脱自在に構成し、孔版原紙支持手
段（５１）の孔版原紙押圧手段（２１）に対する貼着操
作によって孔版原紙ユニットの枠（４２）を孔版原紙支
持手段（５１）と孔版原紙押圧手段（２１）との間に挟
持させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、孔版印刷方法及び装置
に関し、特に、押圧式の孔版印刷方法及び装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】押圧式の孔版印刷装置としては、基台
と、該基台に一端をヒンジ接続された押圧板と、基台に
設けられたスポンジ等による弾性体製の印刷用紙載置台
と、枠に孔版原紙が張設された孔版原紙ユニットを前記
押圧板と前記印刷用紙載置台との間に支持する孔版原紙
支持手段とを備えてなるものがよく知られており、この
型式の孔版印刷装置は、例えば実開昭６２−１９６５６
７号公報に示されている。

【０００３】かかる孔版印刷装置は、形状を自己保持で
きる硬度の印刷インキを用い、当該印刷インキを孔版原
紙上にインキ塊として載置し、該孔版原紙をそのインキ
塊載置面側を押圧板側として該押圧板に取り付け、手な
どによる押圧板の押し下げ回動操作によって当該押圧板
に装着されている孔版原紙を印刷用紙載置台上の印刷用
紙に押しつけることにより孔版印刷を行なうものであ
り、印刷面が小さな孔版印刷を行なうのに適していると
されている。

【０００４】一方、印刷面が大きくても所定濃度、均一
濃度の孔版印刷を行なうに適している押圧式の印刷装置
として、可撓性または弾性の少なくとも何れか一方を備
えたダイヤフラムを枠体に張設して構成された壁体を備
えた圧力チャンバと、該圧力チャンバを減圧する減圧手
段と、枠に孔版原紙が張設された孔版原紙ユニットを前
記圧力チャンバ内に前記ダイヤフラムに対向させて支持
する孔版原紙支持手段とを備えてなる減圧式の孔版印刷
装置が、特開平６−２７０５２３号公報に提案されてい
る。

【０００５】この減圧式の孔版印刷装置は、形状を自己
保持できる硬度の印刷インキを用い、当該印刷インキを
孔版原紙上にインキ塊として載置し、枠体の圧力チャン
バ側に孔版原紙をそのインキ塊載置面側をダイヤフラム
側としてダイヤフラムに対向させて取り付け、圧力チャ
ンバを減圧することにより、ダイヤフラムを孔版原紙上
のインキ塊に密着させると共に孔版原紙を被印刷面に密
着させ、ダイヤフラムにより孔版原紙上のインキ塊に押
圧力を与えて前記被印刷面に孔版印刷を行なうものであ
る。

【０００６】上記２つの型式の押圧式の孔版印刷装置の
何れにおいても孔版原紙としては、枠に孔版原紙を予め
張設してユニット化した孔版原紙ユニットを用い、孔版
原紙支持手段としては、前者の孔版印刷装置では押圧板
上、後者の孔版印刷装置では圧力チャンバ内にレールを
設け、該レールに孔版原紙ユニットの枠の側縁を差し込
むことにより孔版原紙ユニットを保持するのが一般的で
ある。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
従来の孔版原紙支持手段の場合、孔版原紙ユニットの枠
をレールに差し込むためには注意深い操作が必要であ
り、差し込んだ状態で孔版原紙ユニットをレール内で移
動させて取付位置の微調整をすることは極めて難しい。
また、レールの所定位置に孔版原紙ユニットを正確に配
置させたとしても、一旦レールから抜いた後に同じ場所
にもう一度差し込むには更に注意深い操作が必要であ
る。

【０００８】また、大型の孔版原紙ユニットを用いる
と、レールに差し込んで装着するだけでは印刷時に孔版
原紙ユニットがインキと印刷用紙の粘着性に負け、印刷
用紙に張り付き、印刷用紙から離す際に撓んで湾曲し、
レールより脱落してしまう傾向がある。

【０００９】また、上記特開平６−２７０５２３号公報
に記載の減圧式の孔版印刷装置の改良型として、ダイヤ
フラムが張設された枠体を全ての方向に可撓性のある材
質で構成して枠体にも減圧時の変形を許容して減圧効率
を高め、ダイヤフラムの孔版原紙及びその上に載置され
たインキ塊への密着性を高めるとともに、ダイヤフラム
の反りの負担を軽減してダイヤフラムの劣化を防止する
ことが考えられているが、このような可撓性の枠体に孔
版原紙支持手段としてのレールを形成すると、レールに
対して垂直方向に枠体の可撓性が損なわれ、印刷時のダ
イヤフラムの変形に追随できなくなり印刷性能に悪影響
を及ぼす。

【００１０】本発明は、上記孔版印刷装置の押圧板や上
記減圧式孔版印刷装置のダイヤフラムを備えた壁体のよ
うな孔版原紙押圧手段に孔版原紙ユニットを容易に脱着
させることができ、その位置決め調節も容易に行なえる
ようにした孔版印刷方法、それに使用する孔版印刷装置
および孔版原紙支持手段を提供することを目的とする。

【００１１】また、本発明は、大型の孔版原紙ユニット
を用いた場合でも、孔版原紙ユニットを容易に脱落させ
ないで孔版原紙押圧手段に保持させるようにした孔版印
刷方法およびそれに用いる装置を提供することにある。

【００１２】また、本発明は、ダイヤフラムが張設され
た枠体を孔版原紙押圧手段とする上記減圧式孔版印刷装
置において、該枠体を全ての方向に可撓性のある材質で
構成した場合でも、該枠体の可撓性やダイヤフラムの動
き、延いては印刷性能にも悪影響を及ぼすことなく該枠
体に孔版原紙ユニットを装着できるようにした孔版印刷
方法およびそれに使用する装置を提供することを目的と
する。

【００１３】

【課題を解決しようとする手段】本発明によれば、上述
の目的は、孔版原紙として枠に孔版原紙が張設された孔
版原紙ユニットを用い、その孔版原紙上に形状を自己保
持できる硬度の印刷インキをインキ塊として載置し、孔
版原紙押圧手段に該孔版原紙ユニットをそのインキ塊載
置面側が該孔版原紙押圧手段に対向するように固定し、
前記孔版原紙を被印刷面に密着させるとともに前記孔版
原紙押圧手段により前記孔版原紙上のインキ塊に押圧力
を加えて前記被印刷面に印刷を行なう孔版印刷方法にお
いて、孔版原紙ユニットの枠を前記孔版原紙押圧手段に
対して着脱自在にされた孔版原紙支持手段によって前記
孔版原紙押圧手段と該孔版原紙支持手段との間に挟持せ
しめることにより孔版原紙ユニットを固定することを特
徴とする孔版印刷方法によって達成される。

【００１４】ここにおいて、孔版原紙押圧手段とは、押
圧式の孔版印刷装置において印刷時に孔版原紙上に載置
されたインキ塊に押圧力を加える手段を全般的に意味す
るが、具体的には、前記の実開昭６２−１９６５６７号
公報に記載のような孔版印刷装置においては押圧板が該
当し、前記特開平６−２７０５２３号公報に記載の減圧
式の孔版印刷装置においては孔版原紙に載置されたイン
キ塊に押圧力を加える圧力チャンバの壁面部分が該当
し、更に具体的には孔版原紙と対向するダイヤフラムと
これが張設された枠体を意味する。

【００１５】該孔版原紙支持手段は一対のマジックテー
プから構成し、孔版原紙押圧手段に該マジックテープの
一方を取り付けておくことにより該マジックテープの他
方を該孔版原紙押圧手段に対して着脱自在にして、該一
対のマジックテープを相互に貼着させると同時にその間
に孔版原紙ユニットの枠を挟持させるようにすることが
好ましい。ここにおいて、一対のマジックテープとは、
非粘着性の互いに繰り返し付けたり剥がしたりできる付
着テープの一組を意味し、具体的には、多数のループが
表面上に設けられた一方と該ループと係合する繊維が表
面上に設けられた他方の一組からなる付着テープであ
り、「ベルクロ(Velcro)」等の商品名で市販されてい
る。該孔版原紙支持手段として該一対のマジックテープ
をそのまま用いてもよいし、該マジックテープの一方ま
たは両方に適当な裏打ちをして補強し挟持性を高めても
よい。

【００１６】かくして、本発明の方法は、基台と、該基
台に一端をヒンジ接続された押圧板と、基台に設けられ
た印刷用紙載置台と、枠に孔版原紙が張設された孔版原
紙ユニットを前記押圧板と前記印刷用紙載置台との間に
支持する孔版原紙支持手段とを備えてなる押圧式孔版印
刷装置において、前記孔版原紙支持手段は一対のマジッ
クテープからなり、前記印刷用紙載置台に対向する前記
押圧板の面に該マジックテープの一方を取り付けておく
ことにより該マジックテープの他方を該押圧板に着脱自
在にして、該一対のマジックテープを相互に貼着させる
と同時にその間に前記孔版原紙ユニットの枠を挟持させ
るようにした押圧式孔版印刷装置によって実施すること
ができる。

【００１７】また、本発明の方法は、可撓性または弾性
の少なくとも何れか一方を備えたダイヤフラムを枠体に
張設して構成された壁体を備えた圧力チャンバと、該圧
力チャンバを減圧する減圧手段と、孔版原紙を枠に張設
してなる孔版原紙ユニットを前記圧力チャンバ内に前記
ダイヤフラムに対向させて支持する孔版原紙支持手段と
を備えてなる減圧式の押圧式孔版印刷装置において、前
記孔版原紙支持手段は一対のマジックテープからなり、
前記ダイヤフラムの枠体の圧力チャンバ側の面に該マジ
ックテープの一方を取り付けておくことにより該マジッ
クテープの他方を該枠体に着脱自在にして、該一対のマ
ジックテープを相互に貼着させると同時にその間に前記
孔版原紙ユニットの枠を挟持させるようにした押圧式孔
版印刷装置によって実施することができる。

【００１８】孔版原紙ユニットは、孔版原紙を厚紙、プ
ラスチック等による枠に張設してなり、枠にインキカバ
ーシートが開閉可能に貼着された形態のものであっても
よい。なお、この孔版原紙ユニットは実開昭５１−１３
２００７号公報に示されている孔版原紙ユニットと実質
的に同一構造のものであってよく、その詳細については
当該公報を参照されたい。また、孔版原紙は、感熱孔版
原紙として、インキ不通過性の熱可塑性プラスチックス
フィルムとインキの通過を自由に許す和紙、織布等によ
るシート上の多孔性支持体との積層体により構成された
ものを用いることができる。

【００１９】そして、本発明においては、孔版原紙支持
手段を構成する一対のマジックテープによって孔版原紙
ユニットの枠を、例えばその側縁に沿って挟持させるこ
とにより、孔版原紙ユニットを孔版原紙押圧手段に容易
に取り付けることができる。

【００２０】この場合、孔版原紙ユニットの枠に１以上
の穴を設け、該穴を介して孔版原紙押圧手段上に設けら
れた一方のマジックテープに他方のマジックテープを貼
着して孔版原紙ユニットを挟持すると該ユニットの固定
を確かなものとすることができるので好ましい。穴の形
状に特に制限はなく円形でも四角形でもよく、穴の大き
さは孔版原紙ユニットを保持するに十分なマジックテー
プの貼着面積がとれる大きさであれば良い。

【００２１】また、孔版原紙ユニットの枠の側縁に１以
上の切り込みを設け、該切り込みを介して孔版原紙押圧
手段上に設けられた一方のマジックテープに他方のマジ
ックテープを貼着して孔版原紙ユニットを挟持させるこ
とにより、同様に該ユニットの固定を確かなものとする
ことができるので好ましい。切り込みの形状に特に制限
はないが、孔版原紙ユニットの側縁に向かうにしたがっ
て幅が狭くなる形状にすると、孔版原紙ユニットが印刷
時にインキと印刷用紙の粘着性により印刷用紙に張り付
き、印刷用紙から離す際に撓んで湾曲した場合でも抜け
難くなるので好ましい。切り込みの大きさは孔版原紙ユ
ニットを保持するに十分なマジックテープの貼着面積が
とれる大きさであれば良い。

【００２２】このように孔版原紙ユニットとして枠に穴
または切り込みを設けたものを使用する場合、孔版原紙
押圧手段に取り付けられるマジックテープを、孔版原紙
ユニットを配置させた時にその穴または切り込みに収容
される形状の突起として形成しておくと、該突起状マジ
ックテープに孔版原紙ユニットの枠に設けられた穴また
は切り込みを嵌合させるだけで容易に孔版原紙ユニット
の位置決めができるので好ましい。この場合、孔版原紙
ユニットの穴または切り込みを複数上下、左右非対称に
設ければ、孔版原紙ユニットの表裏を誤って取り付ける
ことが防止できるので好ましい。

【００２３】

【作用】本発明の孔版印刷方法および装置では、孔版原
紙支持手段が、孔版原紙押圧手段に対して着脱自在にさ
れているので、孔版原紙ユニットを孔版原紙押圧手段に
配置させた後、孔版原紙支持手段を孔版原紙押圧手段に
貼着させるという操作のみで、孔版原紙ユニットを孔版
押圧手段に固定することができる。

【００２４】

【実施例】以下に、添付の図を参照して本発明の実施例
について説明する。

【００２５】図１乃至３は本発明の孔版印刷装置の一具
体例を示す断面図であり、減圧式の押圧式孔版印刷装置
として構成されており、概略的には、基台１と、上板２
と、パッキン３と、孔版原紙ユニット支持手段５と、減
圧手段６とから構成されている。

【００２６】基台１は矩形の下板１１からなり、その中
央部に印刷用紙載置台１３が載置されており、周辺部に
沿って枠状のパッキン３が載置されている。上板２は、
矩形の枠体２１とその中央の矩形開口部に張設されたダ
イヤフラム２２とからなり、更に減圧手段６と連通する
吸引ポート２４を備えている。そして、パッキン３の上
に上板２の枠体２１を載置することにより（図２および
３参照）、下板１１と上板２とパッキン３とで壁面が構
成された圧力チャンバが形成される。

【００２７】図２に示されるように、印刷時、孔版原紙
ユニット４の孔版原紙４１上に、形状を自己保持できる
硬度の印刷インキをインキ塊４４として載置し、その上
にインキカバーシート４３を被覆させた後、該孔版原紙
ユニット４を、そのインキ塊載置面をダイヤフラム２２
に対向させて上板２に装着させる。

【００２８】なお、ここで使用される印刷インキとして
は、特公昭５４−２３６０１号公報に示されるような、
スプレッドメータによる１分値が３２以下で、形状を自
己保持できる硬度を有するエマルジョンタイプの印刷イ
ンキであることが好ましく、更にはチキソトロピー性を
有していてもよい。

【００２９】図２に示されるように、この孔版印刷装置
において、孔版原紙支持手段５は一対のマジックテープ
５１及び５２からなり、該マジックテープの一方５２を
枠体２１の下面にダイアフラム２２の対向する２つの側
縁に沿って取り付け、該マジックテープの他方５１を断
面略Ｌ字状の基材に取り付け、該マジックテープ５１を
枠体２１上のマジックテープ５２に着脱自在としてい
る。なお、断面略Ｌ字状の基材は必ずしも必要ではな
く、帯状のマジックテープをそのまま用いてもよい。か
くして、孔版原紙ユニット４の枠４２を上板２の枠体２
１のマジックテープ５２に一部重ならせ、孔版原紙ユニ
ット４の外方にはみ出したマジックテープ５２の部分に
マジックテープ５１を貼着させることにより、孔版原紙
ユニット４の枠４２を枠体２１とマジックテープ５１と
の間に挟持させることができる。孔版原紙ユニット４の
位置を調節したい場合は、マジックテープ５１を取り外
し、孔版原紙ユニット４を移動させた後、再度、マジッ
クテープ５１を貼着させることで容易に行なえる。な
お、マジックテープ５２はできるだけ薄いものを使用し
た方が、ダイヤフラム２２から印刷用紙Ｐまでの距離が
短くでき印刷効率が上げられるので好ましい。また、マ
ジックテープ５１及び５２として、押しつけたときに薄
く変形するものを使用することも好ましい。

【００３０】かくして、図２に示すように、基台１の印
刷用紙載置台１３に印刷用紙Ｐを載置し、孔版原紙ユニ
ット４が装着された上板２の枠体２１を基台１の上へパ
ッキン３を介して積層して圧力チャンバを形成し、図３
に示すように、上板の吸引ポート２４に連通した減圧手
段６によって圧力チャンバを減圧させると、ダイヤフラ
ム２２が孔版原紙上のインキ塊４４に密着するとともに
孔版原紙４１を印刷用紙Ｐに密着させ、さらに孔版原紙
上のインキ塊４４に押圧力を加えるので、印刷用紙Ｐに
孔版印刷が施される。

【００３１】ここにおいて、ダイヤフラム２２は減圧時
に、インキが施された孔版原紙上に押圧力を与えて印刷
用紙Ｐに印刷を施し得るものであれば、いかなる材質の
ものであってもよいが、例えば、軟質塩化ビニル、ゴム
等の可撓性または弾性を備えた柔軟な薄膜により構成す
ることができる。枠体２１はダイヤフラム２２よりも硬
質の金属、プラスチック等で構成することができる。

【００３２】図４乃至９は、図１乃至３の具体例に改変
を施した他の具体例を示すものであり、図１乃至３の具
体例と同様の要素は同様の符号で示してある。この具体
例では、上板２は、図７及び８から明らかなように、枠
体２１に該枠体の外周形状と同じ形状のダイヤフラム２
２と枠状のパッキン３を順次積層して構成され、また、
枠体２１は全ての方向に可撓性の材質で作られている。
また、図８に明瞭に示されるように、この具体例で使用
される孔版原紙ユニット４は各長辺に沿って枠４２上に
夫々５個の穴４５が穿孔されている。そして、孔版原紙
支持手段５は一対のマジックテープ５１及び５２からな
り、該マジックテープの一方５２は、孔版原紙ユニット
４の装着時に各穴４５が対向する上板２の部分に穴４５
と同形状の突起として一列に配置され、該マジックテー
プの他方５１はマジックテープそのものを利用した帯状
の形状であり、該マジックテープ５１を上板２のマジッ
クテープ５２の列に沿って着脱自在に貼着できるように
用意されている。

【００３３】図５および図７に示されるように、孔版原
紙ユニット４の各穴４５を突起状の各マジックテープ５
２に嵌合させた状態で、該マジックテープ５２の列に帯
状のマジックテープ５１を貼着することで、孔版原紙ユ
ニット４を上板２とマジックテープ５１との間に挟持さ
せて固定することができる。この場合、図５に示される
ように、図１乃至３の装置よりも、ダイヤフラム２２か
ら孔版原紙ユニット４までの距離が近くなり、ダイヤフ
ラム２２から印刷用紙Ｐまでの距離も短く設定できるた
め、ダイヤフラム２２の押圧力が効率的に印刷用紙Ｐに
伝えられるので好ましい。なお、図７に数字２５で示さ
れるスリットを用いて、下板１１に設けられた同様のス
リット（図示せず）とベルト等で連結して、上板２を基
台１に対して開閉可能に連結することもできる。

【００３４】かくして、図５に示すように、基台１の印
刷用紙載置台１３に印刷用紙Ｐを載置し、孔版原紙ユニ
ット４が装着された上板２をパッキン３を介して基台１
に積層して圧力チャンバを形成し、図６に示すように、
上板の吸引ポート２４に連通した減圧手段６によって圧
力チャンバを減圧させると、ダイヤフラム２２が孔版原
紙上のインキ塊４４に密着するとともに孔版原紙４１を
印刷用紙Ｐに密着させ、さらに孔版原紙上のインキ塊４
４に押圧力を加えるので、印刷用紙Ｐに孔版印刷が施さ
れる。この時、枠体２１が全ての方向に可撓性の材料で
作られているため、開口部周縁が下方に撓むので、ダイ
ヤフラム２２を孔版原紙４１及びそれに載置されたイン
キ塊４４に良好に密着させることができるとともに、ダ
イヤフラム２２に加えられる変形度を小さくおさえるこ
とができ、ダイヤフラム２２に過度の変形を強いること
なくその劣化を防止することもできる。この時、孔版原
紙ユニット４を支持する孔版原紙支持手段５も柔軟な一
対のマジックテープ５１及び５２によって作られている
ので枠体２１の動きに良く追随し、従来のレールによる
孔版原紙支持手段のように枠体２１の可撓性を阻害する
こともない。また、マジックテープ５１および５２とし
て、押しつけたときに薄く変形するものを使用すれば、
減圧時にマジックテープ５１が下板１１に当接した場合
でも枠板２１の撓みを阻害することがないので好まし
い。

【００３５】また、図５で用いられている上板２にはパ
ッキン３が取り付けられているので、建築物等の壁面や
ガラスに直接印刷を施すような場合には、上板２を、孔
版原紙ユニット４を取り付けた図７に示す状態で被印刷
面としての当該壁面やガラスに直接パッキン３を介して
載置すれば、当該被印刷面と上板２とパッキン３とで圧
力チャンバが形成されるので、直接当該壁面やガラスに
孔版印刷を施すことも可能である。また、上板２に設け
られたマジックテープ５１及び５２も柔軟性があるので
枠体２１も自由に撓むことができ、該壁面が必ずしも平
面でなくてもダイヤフラム２２を密着させることがで
き、曲面等にも孔版印刷を施すことができる。

【００３６】図９及び１０は、図７及び８に示した具体
例の変形例を示すものであり、孔版原紙ユニット４に、
穴４５の代わりに、枠２１の各長辺の側縁に５つの切り
込み４６を形成した点で図７及び８の具体例と異なる。
該切り込み４６は枠２１の側縁に向かうに従って幅が狭
くなった楔状の形状にされている。そして、孔版原紙支
持手段５は一対のマジックテープ５１及び５２からな
り、該マジックテープの一方５２は、孔版原紙ユニット
４の装着時に各切り込み４６が対向する上板２の部分に
該切り込み４６と同形状の突起として一列に配置され、
該マジックテープの他方５１はマジックテープそのもの
を利用した帯状の形状であり、該マジックテープ５１を
上板２のマジックテープ５２の列に沿って着脱自在に貼
着できるように用意されている。

【００３７】図９に示されるように、孔版原紙ユニット
４の各切り込み４６を突起状の各マジックテープ５２に
嵌合させた状態で孔版原紙ユニット４を上板２に積層
し、該マジックテープ５２の列に沿って帯状のマジック
テープ５１を貼着することで、孔版原紙ユニット４を上
板２と帯状のマジックテープ５１との間に挟持させて固
定することができる。この場合、切り込み４６が側縁に
向かうに従って幅が狭くなった楔状の形状であるため、
図６のような減圧状態で枠体２１の開口部周縁が下方に
撓むにつれて孔版原紙ユニット４も湾曲した場合や、印
刷後印刷用紙Ｐから孔版原紙４１を剥離させる工程で孔
版原紙ユニット４が湾曲した場合でも、孔版原紙ユニッ
ト４がマジックテープ５２から脱落するのを防止するこ
とができる。

【００３８】また、図１１に示されるように、上記切り
込み４６や穴４５を孔版原紙ユニット４の枠４２に複数
設ける際、隣り合う穴４５または切り込み４６のピッチ
Ｂ及びＣを異ならせる等により、穴４５及び切り込み４
６を上下、左右等非対称に配置すれば、孔版原紙ユニッ
トが表裏を誤って取り付けられるのを防止することが可
能である。

【００３９】

【発明の効果】本発明は、一対のマジックテープ等を利
用して孔版原紙押圧手段に着脱自在とした孔版原紙支持
手段を提供したので、該孔版原紙支持手段の着脱操作に
よって、孔版原紙押圧手段、例えば手などで操作される
孔版印刷装置の押圧板や減圧式孔版印刷装置のダイヤフ
ラムを備えた壁体に対して、孔版原紙ユニットを簡単に
固定でき、固定後の位置調節も容易に行なえる。

【００４０】また、孔版原紙ユニットの枠に穴または切
り込みを設け、この穴または切り込みに収容される突起
を孔版原紙押圧手段側に設けた場合は、該枠の穴または
切り込みを突起に嵌合させるだけで孔版原紙ユニットの
位置決めを簡単に行うことができ、さらに該穴または切
り込みを介して孔版原紙支持手段を貼着することによっ
て孔版原紙ユニットを確実に固定でき、大型の孔版原紙
ユニットを用いた場合等、印刷工程中に該ユニットに湾
曲が生じた時でも、該ユニットを脱落させないで孔版原
紙押圧手段に安定に保持させることができる。

【００４１】また、本発明において、孔版原紙支持手段
は一対の柔軟で薄いマジックテープをそのまま用いて構
成することができるので、孔版原紙押圧手段が可撓性の
枠体とこれに張設されたダイヤフラムとから構成された
減圧式孔版印刷装置において該枠体に設けた場合でも、
該枠体の可撓性を阻害することがなく、ダイヤフラムの
動き、延いては印刷性能にも実質的な悪影響を及ぼすこ
とがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の孔版印刷装置の具体例を分解して示す
断面図である。

【図２】図１の孔版印刷装置を組み立てた常圧時の状態
を示す断面図である。

【図３】図２の孔版印刷装置の減圧時の状態を示す断面
図である。

【図４】本発明の孔版印刷装置の別の具体例を分解して
示す断面図である。

【図５】図４の孔版印刷装置を組み立てた常圧時の状態
を示す断面図である。

【図６】図５の孔版印刷装置の減圧時の状態を示す断面
図である。

【図７】(a)は図４の上板を、孔版原紙ユニットを取り
付けた状態で示す平面図であり、(b)はその底面図であ
る。

【図８】図７の上板を分解して示す斜視図である。

【図９】図７の変形例を示す底面図である。

【図１０】図９の要素を分解した状態で示す斜視図であ
る。

【図１１】図１０の孔版原紙ユニットの変形例を示す平
面図である。

【符号の説明】

１ 基台 １１ 下板 １３ 印刷用紙載置台 ２ 上板 ２１ 枠体 ２２ ダイヤフラム ２４ 吸引ポート ２５ 連結スリット ３ パッキン ４ 孔版原紙ユニット ４１ 孔版原紙 ４２ 枠 ４３ カバーシート ４４ インキ塊 ４５ 穴 ４６ 切り込み ５ 孔版原紙支持手段 ５１ マジックテープ ５２ マジックテープ ６ 減圧手段 Ｂ ピッチ Ｃ ピッチ Ｐ 印刷用紙

Claims (11)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 孔版原紙として枠に孔版原紙が張設され
   た孔版原紙ユニットを用い、その孔版原紙上に形状を自
   己保持できる硬度の印刷インキをインキ塊として載置
   し、孔版原紙押圧手段に該孔版原紙ユニットをそのイン
   キ塊載置面側が該孔版原紙押圧手段に対向するように固
   定し、前記孔版原紙を被印刷面に密着させるとともに前
   記孔版原紙押圧手段により前記孔版原紙上のインキ塊に
   押圧力を加えて前記被印刷面に印刷を行なう孔版印刷方
   法において、孔版原紙ユニットの枠を前記孔版原紙押圧
   手段に対して着脱自在にされた孔版原紙支持手段によっ
   て前記孔版原紙押圧手段と該孔版原紙支持手段との間に
   挟持せしめることにより孔版原紙ユニットを固定するこ
   とを特徴とする孔版印刷方法。
2. 【請求項２】 前記孔版原紙支持手段は一対のマジック
   テープからなり、前記孔版原紙押圧手段に該マジックテ
   ープの一方を取り付けておくことにより該マジックテー
   プの他方を該孔版原紙押圧手段に着脱自在とし、該一対
   のマジックテープを相互に貼着させることによりその間
   に前記孔版原紙ユニットの枠を挟持させること特徴とす
   る請求項１に記載の孔版印刷方法。
3. 【請求項３】 孔版原紙ユニットの枠は１以上の穴を備
   え、該穴を介して前記一対のマジックテープを相互に貼
   着して孔版原紙ユニットの枠を挟持することを特徴とす
   る請求項２に記載の孔版印刷方法。
4. 【請求項４】 孔版原紙ユニットの枠は側縁に１以上の
   切り込みを備え、該切り込みを介して前記一対のマジッ
   クテープを相互に貼着して孔版原紙ユニットを挟持する
   ことを特徴とする請求項２に記載の孔版印刷方法。
5. 【請求項５】 前記孔版原紙押圧手段に取り付けられた
   マジックテープは該孔版原紙押圧手段から突出する突起
   として形成されており、前記孔版原紙ユニットの枠に設
   けられた穴または切り込みは該突起を収容する形状に形
   成されていることを特徴とする請求項３または４に記載
   の孔版印刷方法。
6. 【請求項６】 前記切り込みが孔版原紙ユニットの枠の
   側縁に向かうに従って幅が狭くされている請求項４に記
   載の孔版印刷方法。
7. 【請求項７】 孔版原紙ユニットの枠に設けられた前記
   穴または切り込みを複数非対称に配置し、前記孔版原紙
   押圧手段に形成された突起も該穴または切り込みと同様
   に複数非対称に配置した請求項５に記載の孔版印刷方
   法。
8. 【請求項８】 基台と、該基台に一端をヒンジ接続され
   た押圧板と、基台に設けられた印刷用紙載置台と、孔版
   原紙を枠に張設してなる孔版原紙ユニットを前記押圧板
   と前記印刷用紙載置台との間に支持する孔版原紙支持手
   段とを備えてなる押圧式孔版印刷装置において、前記孔
   版原紙支持手段は一対のマジックテープからなり、前記
   印刷用紙載置台に対向する前記押圧板の面に該マジック
   テープの一方を取り付けておくことにより該マジックテ
   ープの他方を該押圧板に着脱自在とし、該一対のマジッ
   クテープを相互に貼着させることによりその間に前記孔
   版原紙ユニットの枠を挟持させるようにした押圧式孔版
   印刷装置。
9. 【請求項９】 可撓性または弾性の少なくとも何れか一
   方を備えたダイヤフラムを枠体に張設して構成された壁
   体を備えた圧力チャンバと、該圧力チャンバを減圧する
   減圧手段と、孔版原紙を枠に張設してなる孔版原紙ユニ
   ットを前記圧力チャンバ内に前記ダイヤフラムに対向さ
   せて支持する孔版原紙支持手段とを備えてなる減圧式の
   押圧式孔版印刷装置において、前記孔版原紙支持手段は
   一対のマジックテープからなり、前記ダイヤフラムの枠
   体の圧力チャンバ側の面に該マジックテープの一方を取
   り付けておくことにより該マジックテープの他方を該枠
   体に着脱自在とし、該一対のマジックテープを相互に貼
   着させることによりその間に前記孔版原紙ユニットの枠
   を挟持させるようにした押圧式孔版印刷装置。
10. 【請求項１０】 前記ダイヤフラムの枠体が全ての方向
    に可撓性のある材質からなる請求項９に記載の孔版印刷
    装置。
11. 【請求項１１】 孔版原紙を枠に張設してなる孔版原紙
    ユニットを押圧式孔版印刷装置の孔版原紙押圧手段に固
    定するための孔版原紙支持手段であって、該孔版原紙支
    持手段は一対のマジックテープからなり、孔版原紙押圧
    手段に該マジックテープの一方を取り付けておくことに
    より該マジックテープの他方を該孔版原紙押圧手段に着
    脱自在にして、該一対のマジックテープを貼着させるこ
    とによりその間に前記孔版原紙ユニットの枠を挟持させ
    るようにした孔版原紙支持手段。