JPH07153388A - 陰極線管用電子銃 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 陰極線管６内の電子銃のフォーカス電極３１
上の内蔵抵抗体２の一方の端子は内装カーボン４を介し
て端子５に接続され、他方の端子は外付け可変抵抗３に
接続されており、この外付け可変抵抗３を調節してフォ
ーカス電圧を取り出す。 【効果】 フォーカス電極から取り出されるフォーカス
電圧の供給の信頼性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カラーテレビジョンの
陰極線管用電子銃に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のカラーテレビジョンの陰極線管用
の電子銃において、電子銃支持体（ビードガラス）上に
配置された内蔵抵抗によりフォーカス電圧を供給する場
合には、高圧電極を分圧して供給する方法が提案されて
いる。この場合には、内蔵抵抗の端子とフォーカス電極
とを導電性を有する電極を用いて導通させている。この
ときの概略的な構成を図５に示す。

【０００３】図５の陰極線管６内には電子銃３０が内蔵
されている。ここで、一方の端子は内装カーボン４に接
触した端子５に接続され、他方の端子は接地された高圧
ブロックであるフォーカス電極３１内の可変抵抗３７を
調節することにより、フォーカス電圧を取り出してい
る。

【０００４】図６には、従来の陰極線管用電子銃の具体
的な構成を示す。この電子銃３０を構成する、第３グリ
ッド電極１６、第４グリッド電極１５、第５グリッド電
極１４、第６グリッド電極１３は、ビードガラス７で支
持されている。このビードガラス７上には、内蔵抵抗基
板１が設けられており、この内蔵抵抗基板１内に設けら
れた内蔵抵抗体の一方の端子３５は接地され、他方の端
子３３は金属性の電極３６により高圧なコンバーカップ
１９と接触されている。また、上記第５グリッド電極１
４は高圧電極であり、この第５グリッド電極１４と内蔵
抵抗基板１上に露出した端子３２とを金属性の電極３４
で接続することにより、上記第５グリッド電極１４の高
圧を分圧してフォーカス電圧を取り出す。

【０００５】図７は端子３２における内蔵抵抗基板１の
第１の断面図を示す。この図７に示すように、図６に示
す端子３２は内蔵抵抗基板１の上面に露出している端子
３２ａと内蔵抵抗基板１の下面に露出している端子３２
ｂとから成り、この端子３２ａと端子３２ｂとは内蔵抵
抗基板１を貫通して接続されている。この端子３２ｂに
上記電極３４を接触させることにより、フォーカス電圧
を取り出す。また、図８には、端子３２における内蔵抵
抗基板１の第２の断面図を示している。この図８に示す
場合には、内蔵抵抗基板１の上面にある端子３２ａに上
記電極３４を接触させることにより、フォーカス電圧を
取り出している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の内蔵
抵抗を用いてフォーカス電圧等の中間電圧を取り出す場
合には、内蔵抵抗を大きく可変させたフォーカス電圧を
取り出すことはできない。

【０００７】また、フォーカス電極は高圧電極の２０〜
３０％の電圧であり、図示しないネックガラスのネック
内壁は高圧に近い電位となるので、フォーカス電極とネ
ック内壁との電位差はかなり高いものとなる。ここで、
上記金属性の端子３２は露出しているので、電位差によ
り電極から端子３２の表面に電子が移動して、上記端子
３２とネックガラスの内壁との間にさらに電位差が生じ
る。これにより、放出される電子がネック内壁やビード
ガラス等に衝突し、ネックガラスやビードガラス７が発
光する。これをストレーと呼ぶ。このストレーにより、
さらに電位差が大きくなり、放電またはリークが生じる
ことになる。

【０００８】そこで、本発明は上述の実情に鑑み、放電
を生じさせずに、フォーカス電圧等の中間電圧を取り出
すことができる陰極線管用電子銃を提供するものであ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明に係る陰極線管用
電子銃は、抵抗基板の電子銃支持体と対向する面に内蔵
抵抗体が配置され、この内蔵抵抗体の一方の端子は上記
複数の電極の内の高圧電極に接続され、他方の端子は低
圧電極に接続され、又は接地されて、接触電極パターン
を所定の電極から上記電子銃支持体に設けられた貫通孔
を介して上記内蔵抵抗体に電気的に接触させて中間電圧
を取り出すことにより上述した課題を解決する。

【００１０】また、上記中間電圧が取り出されて供給さ
れる電極はフォーカス電極であることを特徴とする。

【００１１】

【作用】本発明においては、内蔵抵抗基板上の抵抗体と
フォーカス電極からの電極とを直接に接触させることに
より、フォーカス電圧を取り出す。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について、図
面を参照しながら説明する。図１には、本発明に係る陰
極線管用電子銃の概略的な構成を示す。

【００１３】図１の陰極線管６内の電子銃３０上のフォ
ーカス電極３１上の内蔵抵抗体２の一方の端子は内装カ
ーボン４を介して端子５に接続され、他方の端子は外付
け可変抵抗３に接続されている。この外付け可変抵抗３
を調節してフォーカス電圧を取り出す。

【００１４】図２には、本発明に係る陰極線管用電子銃
の上面からの具体的な構成を示し、図３には、本発明に
係る陰極線管用電子銃の断面からの具体的な構成を示
す。図１の電子銃３０は、図２及び図３に示すように、
低圧電極である第１グリッド電極１８と第２グリッド電
極１７、高圧電極である第３グリッド電極１６、中圧電
極である第４グリッド電極１５、高圧電極である第５グ
リッド電極１４及び第６グリッド電極１３から構成され
ている。

【００１５】具体的には、例えば、上記第１グリッド電
極１８には２００Ｖの電圧が、第２グリッド電極１７に
は５００Ｖの電圧がそれぞれ印加される。また、フォー
カス電極である上記第５グリッド電極１４、第６グリッ
ド電極１３、及びコンバーカップ１９には、例えば３０
ｋＶの電圧が印加される。上記第５グリッド電極１４と
第３グリッド電極１６とは高圧コネクタ２１で接続され
ており、上記第５グリッド電極１４と第３グリッド電極
１６とには同電圧が印加される。

【００１６】内蔵抵抗基板１の上記電子銃３０を支持す
るビードガラス７と対向する面には、内蔵抵抗体２が設
けられている。この内蔵抵抗体２の一方の端子である低
圧電極端子１０はリード線等の導電性にある線材１２で
ステム１１に接続される。また、他方の端子である高圧
電極端子８も導電性の線材でコンバーカップ１９に接続
されている。

【００１７】ここで、上記内蔵抵抗基板１にはセラミッ
クを用いている。また、上記内蔵抵抗体２には抵抗値の
高いカーボンが、上記高圧電極端子８、中圧電極端子
９、低圧電極端子１０の各端子には抵抗値の低いカーボ
ンが用いられている。従って、上記高圧電極端子８と上
記中圧電極端子９との間の内蔵抵抗体及び上記中圧電極
端子９と上記低圧電極端子１０との間の内蔵抵抗体のそ
れぞれの長さを調整することにより、上記中圧電極端子
９で所定のフォーカス電圧等の中間電圧を取り出すこと
ができる。

【００１８】また、上記ビードガラス７には貫通孔が設
けられている。上記フォーカス電極である第５グリッド
電極１４上からの接触電極パターンである電極２０が、
上記ビードガラス７の貫通孔を介して上記中圧電極端子
９に接触することにより、フォーカス電圧が取り出され
る。

【００１９】また、図４には図３に示したフォーカス電
極である第５グリッド電極１４の拡大図を示す。上記電
極２０はビードガラス７を貫通して上記中圧電圧端子９
に接触している。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る陰極線管用電子銃は、抵抗基板の電子銃支持体
と対向する面に内蔵抵抗体が配置され、この内蔵抵抗体
の一方の端子は上記複数の電極の内の高圧電極に接続さ
れ、他方の端子は低圧電極に接続されて、接触電極パタ
ーンを所定の電極から上記電子銃支持体に設けられた貫
通孔を介して上記内蔵抵抗体に電気的に接触させてフォ
ーカス電極である中間電圧を取り出すことにより、内蔵
抵抗を大きく可変させたフォーカス電圧等の中間電圧を
取り出すことができる。

【００２１】また、内蔵抵抗体と中間電極端子との接触
の信頼性が向上する。

【００２２】さらに、フォーカス電極からの電極を表面
に露出させないので、電極における電位差によって生じ
るストレーが発生しなくなる。従って、このストレーに
よって誘発される放電現象がなくなり、フォーカス電圧
の供給の信頼性が向上する。

【００２３】そのうえ、電極がネックガラスのネック内
壁側に存在しないので、耐電圧特性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る陰極線管用電子銃の概略的な構成
を示す図である。

【図２】本発明に係る陰極線管用電子銃の上面からの具
体的な構成を示す図である。

【図３】本発明に係る陰極線管用電子銃の側面からの具
体的な構成を示す図である。

【図４】図３に示す陰極線管用電子銃の拡大図である。

【図５】従来の陰極線管用電子銃の概略的な構成を示す
図である。

【図６】従来の陰極線管用電子銃の具体的な構成を示す
図である。

【図７】従来の陰極線管用電子銃における端子３２と電
極との接触部分の第１の拡大図である。

【図８】従来の陰極線管用電子銃における端子３２と電
極との接触部分の第２の拡大図である。

【符号の説明】

１・・・・・内蔵抵抗基板 ２・・・・・内蔵抵抗体 ３・・・・・外付け可変抵抗 ４・・・・・内装カーボン ８・・・・・高圧電極端子 ９・・・・・中圧電極端子 １０・・・・低圧電極端子 １３・・・・第６グリッド電極 １４・・・・第５グリッド電極 １５・・・・第４グリッド電極 １６・・・・第３グリッド電極 １７・・・・第２グリッド電極 １８・・・・第１グリッド電極 １９・・・・コンバーカップ ２０・・・・電極

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の電極と、上記複数の電極を支持す
   る電子銃支持体と、内蔵抵抗が配置された抵抗基板とを
   備える陰極線管用電子銃において、 上記抵抗基板の上記電子銃支持体と対向する面に内蔵抵
   抗体が配置され、この内蔵抵抗体の一方の端子は上記複
   数の電極の内の高圧電極に接続され、他方の端子は低圧
   電極に接続されて、接触電極パターンを所定の電極から
   上記電子銃支持体に設けられた貫通孔を介して上記内蔵
   抵抗体に電気的に接触させて中間電圧を取り出すことを
   特徴とする陰極線管用電子銃。
2. 【請求項２】 上記中間電圧が取り出されて供給される
   電極はフォーカス電極であることを特徴とする請求項１
   記載の陰極線管用電子銃。