JP6782470B2 - 計測装置及び計測方法 - Google Patents

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Description

本開示は、例えば大気中のエアロゾルの分布の観測を行う計測装置及び計測方法に関するものである。
計測装置の一例として、ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)技術を用いたライダー装置が知られている。ライダーは、観測領域の大気中に短パルスのレーザ光を照射し、その散乱光を信号として測定し、解析することにより黄砂、花粉、埃、又は微小水滴などの空気中を浮遊する計測対象物、すなわち、エアロゾルの状態を観測する技術である。散乱光にはミー散乱光成分とレイリー散乱光成分とが含まれる。ミー散乱は、計測対象物による散乱現象であり、レーザ光の波長と同等以上の粒径の微粒子によって起こる散乱現象である。レイリー散乱は、レーザ光の波長よりも小さな微粒子によって起こる散乱現象である。散乱光からレイリー散乱光成分を分離することでミー散乱光成分を得ることができる。
従来、単一縦モードのレーザ光を用いたエアロゾルによるミー散乱と、大気構成分子によるレイリー散乱とが含まれる散乱光をフィルタで分光分離する方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
エアロゾルによるミー散乱の半値全幅は、照射されたレーザ光の半値全幅にほぼ等しい。大気構成分子によるレイリー散乱の半値全幅は、大気構成分子の熱運動によるドップラー効果で、半値全幅は広がる。特許文献1に記載された方法は、これらのことを利用して分光分離する方法である。
この方法においては、レーザの狭帯域化及びその波長と分光素子の吸収スペクトル又はバンドパススペクトルとを合わせる必要があり、その制御は容易ではなく、長期間の連続観測を困難とすることが考えられる。
また、マルチ縦モードレーザを用いて、エアロゾルによるミー散乱と大気構成分子によるレイリー散乱とが含まれる散乱光を分光により検出し、これらを分離する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特許文献2に記載された技術では、マルチ縦モードレーザのスペクトルモード間隔が一定であることを利用し、これと同じスペクトル間隔の光を選択的に透過させる干渉計を用いて分光する。レイリー散乱光成分は、レーザ光のスペクトルモード間隔の間を埋めるようなスペクトルを持つ。特許文献2に記載された技術では、ミー散乱光成分を干渉計により除去し、レイリー散乱信号を得る。
国際公開第2003/073127号 特許第6243088号公報
しかしながら、これらの上記従来技術では、レーザ光のピークの位置が変化した場合に、光路差をレーザ光の1波長分掃引させながら同調する必要がある。
そこで、本開示は、レーザの波長と分光素子のスペクトルとを同調させる必要なく、簡易な方法でミー散乱を分離検出することができる計測装置及び計測方法を提供する。
本開示の一態様に係る計測装置は、互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射する光源と、前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を干渉させる干渉計と、前記干渉計により干渉された散乱光中に含まれるミー散乱光を受光する受光器と、前記受光器の信号から前記ミー散乱光の量を検出する信号処理部と、を備え、前記周波数間隔は、前記大気を構成する分子によって生じるレイリー散乱光の周波数スペクトルにおけるピークの半値全幅未満である。
また、本開示の別の一態様に係る計測装置は、互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射する光源と、前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を、第1の散乱光と、前記第1の散乱光と光路が異なる第2の散乱光とに分岐し、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光とを干渉させることによりインターフェログラムを取得する干渉計と、前記インターフェログラムを信号に変換する受光器と、前記受光器によって得られた前記信号を信号処理する信号処理部と、前記干渉計に、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光との光路差を掃引させる制御部と、を備え、前記信号処理部は、前記インターフェログラムの信号成分から、前記光路差が前記周波数間隔に対応する波長間隔であるときに生じる第1の干渉フリンジを含む信号成分を抽出することにより、前記散乱光に含まれるミー散乱光に相当する信号成分を取得する。
また、本開示の一態様に係る計測方法は、互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射することと、前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を干渉させることと、前記干渉計により干渉された散乱光中に含まれるミー散乱光を受光することと、前記受光により得られた信号から前記ミー散乱光の量を検出することと、を含み、前記周波数間隔は、前記大気を構成する分子によって生じるレイリー散乱光の周波数スペクトルにおけるピークの半値全幅未満である。
また、本開示の別の一態様に係る計測方法は、互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射することと、前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を、第1の散乱光と、前記第1の散乱光と光路が異なる第2の散乱光とに分岐し、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光とを干渉させることによりインターフェログラムを取得することと、前記インターフェログラムを信号に変換することと、前記信号を信号処理することと、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光との光路差を掃引させることと、を含み、前記信号処理することでは、前記インターフェログラムの信号成分から、前記光路差が前記周波数間隔に対応する波長間隔であるときに生じる第1の干渉フリンジを含む信号成分を抽出することにより、前記散乱光に含まれるミー散乱光に相当する信号成分を取得する。
また、本開示の一態様は、上記計測方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。あるいは、本開示の一態様は、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
本開示によれば、マルチレーザの波長と分光素子のスペクトルとを同調させる必要なく、簡易な方法でミー散乱を分離検出することができる計測装置及び計測方法を提供することができる。
図1は、本開示の実施の形態に係る計測装置の概略構成を示す図である。 図2Aは、本開示の計測処理の一例を示すフローチャートである。 図2Bは、本開示の計測処理の別の一例を示すフローチャートである。 図3は、本開示の実施の形態に係るマルチレーザ光のスペクトルの一例及びその拡大を示す図である。 図4は、本開示の実施の形態に係るマルチレーザ光が照射された場合に大気及びエアロゾルから散乱した散乱光のスペクトルの一例及びその拡大を示す図である。 図5は、本開示の実施の形態に係るマルチレーザ光による大気及びエアロゾルから散乱した散乱光のスペクトルを干渉計で分光した際に生じるインターフェログラムの計算結果の一例を示す図である。 図6は、本開示の実施の形態に係るマルチレーザ光による大気及びエアロゾルから散乱した散乱光のスペクトルを干渉計で分光した際に生じるインターフェログラムの計算結果の一例及びその拡大を示す図である。 図7は、本開示の実施の形態に係る計測装置が生成するインターフェログラムの、大気及びエアロゾルによる散乱光強度Iに対する依存性の計算結果の一例を示す図である。 図8は、本開示の実施の形態に係る信号強度の、第2の可動ミラー板の駆動量に対する依存性を示す図である。 図9は、本開示の実施の形態に係る計測装置が生成するインターフェログラムの、マルチレーザ光の波長スペクトルのずれ量に対する依存性の計算結果の一例を示す図である。 図10は、本開示の実施の形態に係る計測装置が生成するインターフェログラムの、測定箇所数に対する依存性の計算結果の一例を示す図である。 図11は、本開示の実施の形態に係る計測装置が生成するインターフェログラムの、マルチレーザ光源のモード間隔LW2に対する依存性の計算結果の一例を示す図である。 図12は、本開示の実施の形態に係るフーリエ変換後の信号比の、マルチレーザ光源のモード間隔LW2に対する依存性の計算結果の一例を示す図である。 図13は、エアロゾルによる散乱がなく、大気散乱だけを考慮した場合のマイケルソン干渉計による干渉フリンジの周波数間隔の依存性を説明するための図である。 図14は、本開示の実施の形態の変形例に係る計測装置の概略構成を示す図である。 図15Aは、本開示の実施の形態又は変形例に係る計測装置を備える浄化システムを示す図である。 図15Bは、本開示の実施の形態又は変形例に係る計測装置を備える浄化システムを示す図である。
(本開示の概要)
本開示に係る計測装置と計測方法の態様は、以下である。
本開示の一態様の計測装置は、互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射する光源と、前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を干渉させる干渉計と、前記干渉計により干渉された散乱光中に含まれるミー散乱光を受光する受光器と、前記受光器の信号から前記ミー散乱光の量を検出する信号処理部と、を備え、前記周波数間隔は、前記大気を構成する分子によって生じるレイリー散乱光の周波数スペクトルにおけるピークの半値全幅未満である。
これにより、大気構成分子によるレイリー散乱光と、エアロゾルによるミー散乱光との周波数スペクトルの差を利用することができるので、マルチレーザの波長と分光素子のスペクトルとを同調させる必要なく、簡易な方法でミー散乱を分離検出することができる。
また、本開示の一態様の計測装置において、前記干渉計は、前記散乱光を、第1の散乱光と、前記第1の散乱光と光路が異なる第2の散乱光とに分岐し、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光との光路差を変化させ、かつ前記第1の散乱光と前記第2の散乱光とを干渉させることにより干渉光を生成してもよい。
これにより、大気構成分子によるレイリー散乱光と、エアロゾルによるミー散乱光との周波数スペクトルの差を利用することができるので、マルチレーザの波長と分光素子のスペクトルとを同調させる必要なく、簡易な方法でミー散乱を分離検出することができる。
また、本開示の別の一態様の計測装置では、前記周波数間隔は、3.9GHz以下であってもよい。
これにより、散乱光に含まれるミー散乱光成分をより高い精度で検出することができる。
また、本開示の別の一態様の計測装置は、互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射する光源と、前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を、第1の散乱光と、前記第1の散乱光と光路が異なる第2の散乱光とに分岐し、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光とを干渉させることによりインターフェログラムを取得する干渉計と、前記インターフェログラムを信号に変換する受光器と、前記受光器によって得られた前記信号を信号処理する信号処理部と、前記干渉計に、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光との光路差を掃引させる制御部と、を備え、前記信号処理部は、前記インターフェログラムの信号成分から、前記光路差が前記周波数間隔に対応する波長間隔であるときに生じる第1の干渉フリンジを含む信号成分を抽出することにより、前記散乱光に含まれるミー散乱光に相当する信号成分を取得する。
これにより、大気構成分子によるレイリー散乱光と、エアロゾルによるミー散乱光との周波数スペクトルの差を利用することができるので、マルチレーザの波長と分光素子のスペクトルとを同調させる必要なく、簡易な方法でミー散乱を分離検出することができる。
また、本開示の別の一態様の計測装置では、前記インターフェログラムは、複数の干渉フリンジを含み、前記制御部は、前記レーザ光の中心波長の1/4より大きく、前記複数の干渉フリンジ間の間隔の1/2より小さい範囲の光路差を掃引してもよい。
これにより、散乱光に含まれるミー散乱光成分を高い精度で検出することができる。
また、本開示の別の一態様の計測装置では、前記信号処理部は、前記第1の干渉フリンジを含む前記信号成分を基に、フーリエ変換を行ってもよい。
これにより、受信信号の強度の大きさを一意に決めることができ、ミー散乱光の強度に基づいてエアロゾルを精度良く検出することができる。
また、本開示の別の一態様の計測装置では、前記干渉計は、第1の可動ミラーと第2の可動ミラーとを含んでもよい。
これにより、分岐させた2つの散乱光の光路差を簡単な構成で変化させることができる。
また、本開示の別の一態様の計測装置では、前記複数のピークの周波数間隔は、5GHz以下であってもよい。
これにより、散乱光に含まれるレイリー散乱光を有効に除去することができ、ミー散乱光成分を精度良く検出することができる。
また、本開示の別の一態様の計測装置では、前記複数のピークの周波数間隔は、3.9GHz以下であってもよい。
これにより、散乱光に含まれるミー散乱光成分をより高い精度で検出することができる。
また、本開示の別の一態様の計測装置は、前記散乱体と前記干渉計との間の光路上に、前記散乱光を集光する集光部をさらに備えてもよい。
これにより、散乱光の強度が弱い場合であっても、集光部が散乱光を集光することで、ミー散乱光の分離検出を精度良く行うことができる。
本開示の一態様の計測方法は、互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射することと、前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を干渉させることと、前記干渉計により干渉された散乱光中に含まれるミー散乱光を受光することと、前記受光により得られた信号から前記ミー散乱光の量を検出することと、を含み、前記周波数間隔は、前記大気を構成する分子によって生じるレイリー散乱光の周波数スペクトルにおけるピークの半値全幅未満である。
これにより、大気構成分子によるレイリー散乱光と、エアロゾルによるミー散乱光との周波数スペクトルの差を利用することができるので、マルチレーザの波長と分光素子のスペクトルとを同調させる必要なく、簡易な方法でミー散乱を分離検出することができる。
また、本開示の別の一態様の計測方法は、互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射することと、前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を、第1の散乱光と、前記第1の散乱光と光路が異なる第2の散乱光とに分岐し、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光とを干渉させることによりインターフェログラムを取得することと、前記インターフェログラムを信号に変換することと、前記信号を信号処理することと、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光との光路差を掃引させることと、を含み、前記信号処理することでは、前記インターフェログラムの信号成分から、前記光路差が前記周波数間隔に対応する波長間隔であるときに生じる第1の干渉フリンジを含む信号成分を抽出することにより、前記散乱光に含まれるミー散乱光に相当する信号成分を取得する。
これにより、大気構成分子によるレイリー散乱光と、エアロゾルによるミー散乱光との周波数スペクトルの差を利用することができるので、マルチレーザの波長と分光素子のスペクトルとを同調させる必要なく、簡易な方法でミー散乱を分離検出することができる。
また、本開示の別の態様の計測方法では、前記干渉計は、前記レーザ光源の中心波長の1/4より大きく、干渉フリンジ間隔Δxの1/2より小さい前記光路差を掃引してもよい。
また、本開示の一態様は、上記計測方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。あるいは、本開示の一態様は、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
本開示において、回路、ユニット、装置、部材又は部の全部又は一部、あるいはブロック図における機能ブロックの全部又は一部は、例えば、半導体装置、半導体集積回路(IC)、又はLSI(large scale integration)を含む1つ又は複数の電子回路によって実行され得る。LSI又はICは、1つのチップに集積されてもよいし、複数のチップを組み合わせて構成されてもよい。例えば、記憶素子以外の機能ブロックは、1つのチップに集積されてもよい。ここでは、LSI又はICと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(very large scale integration)、又はULSI(ultra large scale integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、Field Programmable Gate Array(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画のセットアップができるreconfigurable logic deviceも同じ目的で使うことができる。
さらに、回路、ユニット、装置、部材又は部の全部又は一部の機能又は操作は、ソフトウェア処理によって実行することが可能である。この場合、ソフトウェアは1つ又は複数のROM、光学ディスク、ハードディスクドライブなどの非一時的記録媒体に記録され、ソフトウェアが処理装置(processor)によって実行されたときに、そのソフトウェアで特定された機能が処理装置(processor)及び周辺装置によって実行される。システムまたは装置は、ソフトウェアが記録されている1つまたは複数の非一時的記録媒体、処理装置(processor)、及び必要とされるハードウェアデバイス、例えばインタフェースを備えていてもよい。
以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
(実施の形態)
[1.概要]
まず、本実施の形態に係る計測装置100について、図1を用いて説明する。図1は、本開示の実施の形態に係る計測装置100の概略構成を示す図である。
本実施の形態に係る計測装置100は、空間に対し所定の方向に向けてレーザ光線を照射し、測定対象物である計測対象物2から反射された後方散乱光を受光し、受光信号を光学的処理及び数値処理することでノイズを削減し、エアロゾルの濃度、及び、空間内のエアロゾル分布情報を検出する。
図1に示されるように、本実施の形態に係る計測装置100は、マルチレーザ光源1と、ミラー板3と、集光部50と、干渉計10と、受光器6と、信号処理部7とを備える。干渉計10は、第1の可動ミラー板11、ハーフミラー板12、及び、第2の可動ミラー板13を備える。
干渉計10では、ハーフミラー板12により散乱光は2つの光路に分岐される。干渉計10は、第1の可動ミラー板11、及び、第2の可動ミラー板13を備えている。2つの光路の光路差は、第1の可動ミラー板11及び第2の可動ミラー板13により形成される。
次に、本実施の形態に係る計測装置100が適用される計測空間及び対象物について説明する。
計測空間は、例えば、住居、オフィス、介護施設又は病院などの建物の一部屋である。計測空間は、例えば、壁、窓、ドア、床及び天井などで仕切られた空間であり、閉じられた空間であるが、これに限らない。計測空間は、屋外の開放された空間であってもよい。また、計測空間は、バス又は飛行機などの移動体の内部空間であってもよい。
計測装置100による検出の対象となる計測対象物2は、計測空間内に存在している。計測対象物2はエアロゾル等であり、具体的には、計測空間内を浮遊している塵若しくは埃などの粉塵、PM2.5などの浮遊粒子状物質、花粉などの生物系粒子、又は、微小水滴が含まれる。生物系粒子には、空中に浮遊するカビ又はダニなども含まれる。また、計測対象物2には、咳又はくしゃみなどの人体から動的に発生する物質、及び微小水滴が含まれてもよい。
[2.動作]
まず、本開示に係る計測装置100が行う計測処理の一例について、図2Aを用いて説明する。
図2Aは、本開示の計測処理の一例を示すフローチャートである。図2Aに示されるように、まず、マルチレーザ光源1が、レーザ光を大気中の散乱体へ出射する(S1)。散乱体は、計測対象物2に含まれる。次に、干渉計10が、レーザ光が散乱体で散乱することにより生じた散乱光を干渉させる(S2)。次に、干渉計10により干渉された散乱光中に含まれるミー散乱光を、受光器6が受光する(S3)。受光器6は、ミー散乱光の強度に応じた信号を出力する。次に、信号処理部7が、受光器6の信号からミー散乱光の量を検出する(S4)。
次に、本開示の計測装置100が行う計測処理のより具体的な動作について、図2Bを用いて説明する。
図2Bは、本開示の計測処理の別の一例を示すフローチャートである。図2Bに示されるように、まず、第1の可動ミラー板11の位置を設定する(S10)。具体的には、第1の可動ミラー板11を所定の位置に配置する。その後、マルチレーザ光源1から、モード間隔LW2のマルチレーザ光を照射する(S20)。モード間隔LW2は、マルチレーザ光が有する複数本のピークの周波数間隔、すなわちマルチレーザ光の複数の発振周波数の周波数間隔に相当する。照射したレーザ光は計測対象物2により散乱される。散乱光には、計測対象物2及び大気構成分子によるものが含まれる。これらの散乱光をレンズ等の集光部50で集光する(S21)。図1に示されるように、集光部50は、計測対象物2とミラー板3との間に配置される。なお、集光部50は、ミラー板3とハーフミラー板12との間に配置されていてもよい。
次に、干渉計10において、集光された散乱光を、光路が異なる2つの光に分岐させて、当該2つの光を干渉させる(S22)。具体的には、集光された散乱光は、干渉計10にて2つの光路に分岐される。具体的には、散乱光は、ハーフミラー板12によって、第1の散乱光と、当該第1の散乱光とは光路が異なる第2の散乱光とに分岐される。第1の散乱光は、第1の可動ミラー板11で反射され、第1の反射光としてハーフミラー板12に戻る。第2の散乱光は、第2の可動ミラー板13で反射され、第2の反射光としてハーフミラー板12に戻る。第1の可動ミラー板11からの第1の反射光と第2の可動ミラー板13からの第2の反射光とにより生じた干渉光を生成する。
生成した干渉光は、受光器6にて受光され、信号処理部7に送信される(S23)。信号処理部7にて、第2の可動ミラー板13の駆動量を確認する。第2の可動ミラー板13の駆動量が所定値に達して、第2の可動ミラー板13の駆動が完了の場合(S24でYes)はステップS25に進む。第2の可動ミラー板13の駆動が未完了の場合(S24でNo)は、制御部30は、干渉計10の第2の可動ミラー板13の位置を変更する(S30)。具体的には、制御部30は、アクチュエータ31を制御することで、第2の可動ミラー板13を所定量動かし、ステップS20に戻る。
第2の可動ミラー板13の駆動が完了した場合(S24でYes)は、信号処理部7にて受光器6で得られた信号より、インターフェログラムが形成される。インターフェログラムとは2つの光路に分岐した光がその光路差により干渉を起こし、生成される干渉フリンジのことである。信号処理部7は、インターフェログラムを用いてミー散乱光成分を算出する(S25)。
ここで、第2の可動ミラー板13の駆動量について図1を用いて説明する。なお、第2の可動ミラー板13の駆動量とは、第2の可動ミラー板13の移動量dx2に相当する。
光路L2は、第2の散乱光の光路である。光路L2は、具体的には、ハーフミラー板12と第2の可動ミラー板13との距離の2倍である。光路L1は、第1の散乱光の光路である。光路L1は、具体的には、ハーフミラー板12と第1の可動ミラー板11との距離の2倍である。
受光器6は、光路L1を通る第1の散乱光と光路L2を通る第2の散乱光との両方の散乱光を受光する。第2の可動ミラー板13を移動させた場合、光路L2が変化し、光路L1と光路L2との光路差の散乱光を受光できる。第2の可動ミラー板13を移動(具体的には、掃引)させるのは、第2の可動ミラー板13に接続されたアクチュエータ31で行う。制御部30は、アクチュエータ31を動かし光路差を掃引させて、インターフェログラムを生成する。受光器6により、生成したインターフェログラムを信号に変換し、変換された信号を信号処理部7で取得する。
信号処理部7は、上記光路差を掃引させて得られるインターフェログラムの信号成分から、マルチレーザ光源1が出射するレーザ光の波長間隔に対応した第1の干渉フリンジ近傍の信号成分を抽出し、信号成分を用いてミー散乱光に相当する信号成分を取得する。
なお、本実施の形態では、制御部30と信号処理部7と別々に構成したが、制御部30と信号処理部7とを1つのLSIなどの電子回路で構成してもよい。
その結果、生成される干渉フリンジにより、ミー散乱光成分が強調され、レイリー散乱光成分が除去される。
従って、ミー散乱光成分のみ、高精度で検出することができる。
以下、詳細に説明する。
図3は、本開示の実施の形態に係るマルチレーザ光のスペクトル及びその拡大図の一例である。図3では、横軸はスペクトル差、縦軸は各スペクトルでのレーザ光の信号の強度を図示している。図3の部分(a)では、例えば、マルチレーザ光の複数の波長スペクトルの中心値λが400nm、モード間隔LW2が6GHzである。モード間隔LW2は、マルチレーザ光に含まれる複数本のピークの周波数間隔である。
図3の部分(b)は、図3の部分(a)のマルチレーザ光に含まれる複数のピークの1つの拡大図である。マルチレーザ光の1つのピークの半値全幅LW1は、例えば、360MHzである。マルチレーザ光源1は、例えば、半値全幅LW1が360MHzのピークを41本含むマルチレーザ光を出射する。
一般に干渉計10で2つの波面の差を計測するとき、干渉フリンジは波長の差に対応する。マルチレーザ光では、レーザ光のモード間隔LW2に対応した干渉フリンジによるインターフェログラムが生成され、図6に示すように干渉フリンジの間隔Δxは以下の式1にて、求められる。ここで、Cは、光速(3×10m/s)である。
Δx=C/LW2 (式1)
干渉フリンジの間隔Δxについて説明すると、例えば、複数の波長スペクトルの中心値λが400nm、スペクトルの間隔LW2が6GHzの時、式1により計算し、干渉フリンジの間隔Δxは50mmとなる。
また、マルチレーザ光の複数の波長スペクトルの中心値λが400nm、スペクトルの間隔LW2が3GHzの時、式1により計算し、干渉フリンジの間隔Δxは100mmとなる。
図4は、本開示の実施の形態に係るマルチレーザ光が照射された場合に大気及びエアロゾルから散乱した散乱光のスペクトルの一例及びその拡大図である。図4では、横軸はスペクトル差、縦軸は各スペクトルでの大気及びエアロゾルから散乱した散乱光の信号の強度を図示している。図4の部分(b)は、図4の部分(a)の拡大を図示している。以下、図4から図6は、大気散乱の信号強度Imとエアロゾルの信号強度Iの比率を3:1として計算を行っている。ここで、散乱光のスペクトル間隔MW2は、レーザモード間隔LW2に等しい。また、エアロゾルによるミー散乱光の周波数スペクトルにおけるピークの半値全幅MW1は、マルチレーザ光の周波数スペクトルにおけるピークの半値全幅LW1に等しい。
一方、大気構成分子によるレイリー散乱光のピークの半値全幅RWは熱運動により広がる。実測でのレイリー散乱光のピークの半値全幅RWは3.4GHzから3.9GHz程度であることが知られている。半値全幅RWはこれを考慮し3.6GHz(1.9pm)として計算している。
本開示の一態様は、この半値全幅の違いからエアロゾル信号を抽出する技術を提供する。
図5は、本開示の実施の形態に係るマルチレーザ光による大気及びエアロゾルから散乱した散乱光のスペクトルを干渉計10で分光した際に生じるインターフェログラムの計算結果の一例である。図5では、横軸は干渉計10の光路差、縦軸は干渉計10からの出力信号の強度を図示している。周波数スペクトルの間隔LW2を6GHzとして計算した一例である。なお、周波数スペクトルの間隔LW2を波長間隔に換算すると、周波数間隔LW2に相当する波長間隔は、3.2pmになる。
図6は、図5を拡大したものである。図6では、横軸は干渉計10の光路差dx、縦軸は干渉計10からの出力信号の強度を図示している。
以下、dx=0での干渉フリンジを第0の干渉フリンジ、dx=Δxでの干渉フリンジを第1の干渉フリンジ、dx=n×Δxでの干渉フリンジを第nの干渉フリンジと定義する。本開示の一態様は、干渉計10において第2の可動ミラー板13を掃引することで波長間隔に対応した第1の干渉フリンジ近傍の信号を取得し、レイリー散乱光を除去し、ミー散乱光を選択的に得ることを特徴とする。
測定は、例えば以下の条件で行われる。具体的には、第1の可動ミラー板11の位置(1/2×dx1)に対して、dx1を50mmに設定する。第2の可動ミラー板13の位置(1/2×dx2)に対して、dx2を−0.1mm、0mm、0.1mmの各々に設定する。すなわち、一例として、測定箇所数Nを3とする。この条件において、インターフェログラムを生成する。測定範囲sxは、以下のように表せる。
測定範囲sx=0.1×(N−1)
測定範囲sxは、マルチレーザ光の中心波長λの1/4波長より大きく、干渉フリンジ間隔Δxの1/2より小さく設定する。
図7は、本開示の実施の形態に係る干渉計10で分光した際に生じるインターフェログラムの、大気及びエアロゾルによる散乱光強度Iに対する依存性の計算結果の一例である。
図7では、横軸は干渉計10の光路差dx、縦軸は干渉計10からの出力信号の強度を図示している。インターフェログラムに現れる干渉フリンジの内、第1の干渉フリンジに対応して、第1の可動ミラー板11の位置(1/2×dx1)に対して、dx1を50mmに設定し、第2の可動ミラー板13の位置(1/2×dx2)に対して、dx2を−1、−0.9、・・・、1mmと測定箇所数Nを21として、インターフェログラムを生成する。インターフェログラムは、計算した第1の干渉フリンジ周辺信号以外の部分をゼロで補間して図示している。図7の部分(a)から(d)はそれぞれ、大気構成分子による散乱光強度Imを一定とし、エアロゾルによる散乱光強度Iを散乱光強度Imの0倍、1倍、2倍、4倍にそれぞれ変えて計算した場合の計算結果を表している。
図7の部分(a)に示すように、エアロゾルによる散乱光の信号がゼロの場合、インターフェログラムの信号強度は、ほぼゼロであり、大気構成分子による散乱光が本開示の一態様によりほぼ除去できていることがわかる。また、図7の部分(b)から(d)を比較して分かるように、エアロゾルの散乱光強度に比例して、インターフェログラムの信号強度が増加していることがわかる。
第2の可動ミラー板13の駆動量は、マルチレーザ光の中心波長λの1/4波長より大きく、干渉フリンジ間隔Δxの1/2より小さく設定する。
図8は、本開示の実施の形態に係る信号強度の、第2の可動ミラー板13の駆動量に対する依存性を示す図である。図8では、横軸は駆動量、縦軸は信号強度を図示している。
図8では、複数の波長スペクトルの中心値λが400nm、モード間隔LW2が3GHz、測定箇所数Nが11の条件での計算結果を図示している。また、中心値λを0GHz、10GHz、20GHzとずらしたときの、信号強度ばらつきの駆動量依存性の計算結果を図示している。
図8では、波長λの1/4以下にあたる駆動量が10−4mm(=100nm)以下で急激にばらつきが大きくなる。これは波長λの1/4以下では、中心値のわずかなズレの情報を得ることができないためである。
図8では、フリンジ間隔Δxの1/2以上にあたる駆動量が50mm以上では、信号強度が低下する。これはフリンジ間隔Δxの1/2近傍では、干渉フリンジの情報がなくなるためである。従って、第2の可動ミラー板13の駆動量は、マルチレーザ光の中心波長λの1/4波長より大きく、フリンジ間隔Δxの1/2より小さく設定することで、中心値のズレに対応でき、さらに信号強度が大きい結果が得られる。
すなわち、第1の干渉フリンジは、大気分子による散乱の影響はエアロゾルと比較して、きわめて小さい。よって、エアロゾルによる散乱光強度が増加すると、第1の干渉フリンジが単調に増加し、これを計測することで、エアロゾルによる散乱光強度を測定できることがわかる。
従って、干渉計10を掃引することで波長間隔に対応した第1の干渉フリンジ近傍の信号を取得し、それによりレイリー散乱光を除去し、ミー散乱光を選択的に得ることができる。
第1の干渉フリンジの大きさは、インターフェログラム信号の最大値と最小値との差を用いて、表すことができる。
また、測定した第1の干渉フリンジ周辺信号以外の部分をゼロで補間したインターフェログラムを用いて、フーリエ変換することにより、波長スペクトルデータを求め、その最大値を用いて表してもよい。
これにより、受信信号の強度の大きさを一意に決めることができる。
以下、図9から図13は、大気散乱の後方散乱係数とエアロゾルの後方散乱係数との比率を1:1として計算を行っている。
図9は、本実施の形態に係る計測装置100が生成するインターフェログラムの、マルチレーザ光の波長スペクトルのずれ量に対する依存性の計算結果の一例を示す図である。図9では、複数の波長スペクトルの中心値λ(=400nm)が、ずれ量(shift)0GHz、2GHz、4GHzの各々に対応する波長分ずれた場合をそれぞれ図9の部分(a)、図9の部分(b)、図9の部分(c)に示している。
また、図9の部分(a)から(c)の各々において、上段のグラフが散乱光スペクトル、中段のグラフが生成されたインターフェログラム、下段のグラフが、インターフェログラムをフーリエ変換後のスペクトルを表している。また、散乱光スペクトル及びフーリエ変換後のスペクトルについては、横軸が周波数差dfで、縦軸が強度を表している。なお、周波数差dfは、波長スペクトルの差dλに対応している。インターフェログラムについては、横軸が干渉計10の光路差dxで、縦軸が強度を表している。これらは、後述する図10及び図11についても同様である。
それぞれのずれ量に対して、dx2を−0.1mm、0mm、0.1mmと測定箇所数Nを3として、インターフェログラムを生成する。取得したインターフェログラムをもとにフーリエ変換後の信号はどのずれ量でも、信号強度は変わらず、またずれ量に対応した信号変化が得られる。
それぞれのずれ量に対して、dx2を−0.1mm、0mm、0.1mmと測定箇所数Nを3として、インターフェログラムを生成する。取得したインターフェログラムをもとにフーリエ変換後の信号はどのずれ量でも、信号強度は変わらず、またずれ量に対応した信号変化が得られる。
このことより、本開示の実施の形態ではマルチレーザ光の波長スペクトルがずれても、マルチレーザ光源1と干渉計10を同調することなく信号を受信できる。
図10は、本開示の実施の形態に係る干渉計10で分光した際に生じるインターフェログラムの、測定箇所数に対する依存性の計算結果の一例である。具体的には、図10の部分(a)から(e)はそれぞれ、測定箇所数Nが1、2、3、9、21の場合を示している。なお、図10の部分(a)におけるフーリエ変換後のスペクトルは、図10の部分(b)から(e)のフーリエ変換後のスペクトルと比較して、縦軸を10倍に拡大して示している。また、図10では、複数の波長スペクトルの中心値λ(=400nm)のずれ量を4GHzと固定して計算を行っている。
図10に示されるように、測定箇所数Nが増えた場合、フーリエ変換後の信号の信号強度が増加する。
図11は、本開示の実施の形態に係る計測装置が生成するインターフェログラムの、マルチレーザ光源1のモード間隔LW2に対する依存性の計算結果の一例を示す図である。具体的には、図11では、マルチレーザ光源1のモード間隔LW2が1.5GHz、3GHz、4GHz、5GHz、6GHz、12GHzと変えた場合をそれぞれ図11の部分(a)、図11の部分(b)、図11の部分(c)、図11の部分(d)、図11の部分(e)、図11の部分(f)に示している。
また、図11の部分(a)から(f)の上段のグラフに示すように、モード間隔LW2、すなわち、散乱光のスペクトル間隔MW2が、大気構成分子によるレイリー散乱の半値全幅RW(3.4GHzから3.9GHz程度)に近づいた場合、レイリー散乱による反射強度の波長スペクトルは、平坦に近づく。これにより、レイリー散乱による光成分は、第0の干渉フリンジ近傍に集中し、第1の干渉フリンジは、ミー散乱による光成分のみに近づく。本開示の一態様は、このレイリー散乱とミー散乱との半値全幅の違いからエアロゾル信号を抽出する技術を提供する。
つまり、マルチレーザ光源1の出射光を、等しい周波数間隔で、かつ、大気構成分子のレイリー散乱光の周波数スペクトルにおけるピークの半値全幅未満の周波数間隔の複数本のピークを有する光とする。そのことにより、散乱体の散乱光で生成される干渉フリンジにおいて、レイリー散乱による光成分の強度により、ミー散乱による光成分の強度が増加するので、ミー散乱光成分が強調され、レイリー散乱光成分が除去される。従って、ミー散乱光成分のみ、高精度で検出することができる。
図12は、本開示の実施の形態に係る干渉計10で分光した際に生じるインターフェログラムのフーリエ変換後の信号比の、マルチレーザ光源1のモード間隔LW2に対する依存性の計算結果の一例を示す図である。
図12では、横軸はモード間隔LW2、縦軸は各モード間隔でのフーリエ変換後の信号比を図示している。信号比は、エアロゾルによる散乱光強度Iが0の場合と、大気構成分子による散乱光強度Imの6倍の場合との比率を図示している。図12では信号比が1000を超えた場合は図示を省略している。また、測定箇所数Nが2、3、11と変えたときのそれぞれの依存性を図示している。測定箇所数Nの依存性がないのに対して、モード間隔LW2が大きくなるほど、信号比は低下する。
一般に、大気散乱信号を無視できるのは、有効数字1桁が必要であり、信号比が10以上である必要がある。
図12では、本開示の実施の形態に係るモード間隔LW2が5GHz以下で大気散乱信号を除去する効果があることがわかる。
図13は、エアロゾルによる散乱がなく、大気散乱だけを考慮した場合のマイケルソン干渉計による干渉フリンジの周波数間隔の依存性を説明するための図である。図13の部分(a)から(l)ではそれぞれ、横軸がdxを表し、縦軸が信号強度を表している。図13の部分(a)から(l)はそれぞれ、出射光の周波数間隔LW2が2.4GHz、3.0GHz、3.6GHz、3.7GHz、3.8GHz、3.9GHz、4GHz、5GHz、6GHz、10GHz、15GHz、30GHzの場合のインターフェログラムの計算結果を表している。
図13に示されるように、モード間隔LW2(すなわち、周波数間隔LW2)が大きくなるにつれて、出現する干渉フリンジの個数が増加し、かつ、出現する干渉フリンジの信号強度が大きくなっている。例えば、周波数間隔LW2が2.4GHzの場合は、実質的に第0の干渉フリンジのみが出現しており、第1以上の干渉フリンジが出現していない。周波数間隔LW2が3.0GHzから4GHzの範囲では、第0の干渉フリンジと第1の干渉フリンジとが出現しており、第2以上の干渉フリンジが出現していない。周波数間隔LW2が5GHzの場合には、第0の干渉フリンジ及び第1の干渉フリンジに加えて、第2の干渉フリンジが出現している。図13では、第1の干渉フリンジ以上が現れている範囲を破線の枠で表している。
大気散乱だけを考慮に入れた場合に第2以上の干渉フリンジが現れているということは、レイリー散乱光のみによる干渉が起きていることを意味する。すなわち、干渉計10にレイリー散乱光を入射させた場合に、レイリー散乱光が透過することを意味する。したがって、周波数間隔LW2は3.9GHz以下であれば、第1の干渉フリンジが小さくなるので、レイリー散乱光の透過が抑制される。
すなわち、周波数間隔LW2が3.9GHzの場合の第1の干渉フリンジの大きさは、周波数間隔LW2が5GHzの場合の第1の干渉フリンジの大きさの50%以下になっている。このため、第1の干渉フリンジが小さくなっているので、レイリー散乱光が干渉計10を透過するのを抑制することができる。
以上のことから、周波数間隔LW2は3.9GHz以下であることで、散乱光からレイリー散乱光を効率良く除去することができる。
このように、マルチレーザ光源1の周波数間隔が5GHz以下の場合には、大気散乱に基づくレイリー散乱光成分を有効に除去することができ、ミー散乱光成分に基づきエアロゾルを精度良く検出することができる。さらに、マルチレーザ光源1の周波数間隔が3.9GHz以下の場合には、ミー散乱光成分をより高い精度で検出することができるので、エアロゾルの検出精度をさらに高めることができる。
[3.構成]
以下では、計測装置100の構成要素の詳細について、図1を適宜参照しながら説明する。
[3−1.マルチレーザ光源]
マルチレーザ光源1は、互いに等しい周波数間隔で離れた複数本のピークを含む周波数スペクトルを示すレーザ光を大気中の散乱体へ出射する光源の一例である。言い換えると、マルチレーザ光源1は、等しい波長間隔で互いに波長が異なる複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射する光源の一例である。
周波数間隔は、大気構成分子のレイリー散乱光の周波数スペクトルにおけるピークの半値全幅未満である。具体的には、図3及び図4に示されるように、周波数間隔LW2が、大気構成分子によるレイリー散乱光成分のピークの半値全幅RW未満である。
本実施の形態に係るシステムにおいてマルチレーザ光源1は例えば、マルチモードレーザによって実現される。また、レーザ光源の前方にエタロン等の多重干渉フィルタを用いてもよい。どちらも波長領域において、周期的なスペクトルピークを持つことができ、半値全幅の狭い鋭い波形が得られる。また、周期的なスペクトルピークを持つように準備された複数のレーザを用いてもよい。
[3−2.干渉計]
干渉計10は、マルチレーザ光源1が出射したレーザ光が散乱体で散乱することにより生じた散乱光を干渉させる。具体的には、干渉計10は、散乱光を、第1の散乱光と、当該第1の散乱光と光路が異なる第2の散乱光とに分岐し、第1の散乱光と第2の散乱光との光路差を変化させ、かつ、第1の散乱光と第2の散乱光とを干渉させることにより干渉光を生成する。干渉計10は、第1の散乱光と第2の散乱光とを干渉させることによりインターフェログラムを取得する。
本実施の形態では、図1に示すように、干渉計10がマイケルソン干渉計である場合について説明したが、これに限らない。干渉計10は、例えばマッハツェンダー干渉計、ファブリペロー干渉計、等であってもよい。
干渉計10は、第1の可動ミラー板11と、ハーフミラー板12と、第2の可動ミラー板13とを備える。
第2の可動ミラー板13とハーフミラー板12との初期の距離を1/2×Lとする。第1の可動ミラー板11とハーフミラー板12との距離は、当該初期の距離に、干渉フリンジの間隔Δxに対応した距離dx1(=Δx)の半分を加えた距離(すなわち、1/2×L+1/2×dx1)に、第1の可動ミラー板11を動かして設定する。第2の可動ミラー板13を、1/2×L±dx2の範囲で掃引して計測を行う。これにより、第1の可動ミラー板11で反射される第1散乱光と、第2の可動ミラー板で反射される第2散乱光との光路差は、以下のように算出される。
光路差=2×(1/2×L+1/2×dx1)−2×(1/2×L±1/2×dx2)
=dx1±dx2
2つの可動ミラー板を用いることで、可動長が長く、測定中は固定となる第1の可動ミラー板11と、可動長が短く、測定中も可動する第2の可動ミラー板13とで可動域を分担させることができる。これにより、小型で精度が高い分光を行うことができる。
ここでは、移動距離別に2種類の可動ミラー板を用いたが、例えば可動ミラー板と固定ミラー板を用いて実現することもできる。また、第2の可動ミラー板13が測定中は固定であり、第1の可動ミラー板11が測定中に可動させてもよい。
[3−3.受光器]
受光器6は、干渉された散乱光中に含まれるミー散乱光を受光する。具体的には、受光器6は、干渉計10から出力される干渉光を受光し、干渉光の強度に対応する信号を出力する。つまり、受光器6は、干渉計10が取得したインターフェログラムを信号に変換する。
受光器6は、例えば、PMT(PhotoMultiplier Tube)を用いるがこれに限らない。受光器6は、PMTとフォトンカウンタとを有した構成であってもよい。また、受光器6は、APD(Avalanche PhotoDiode)を有する構成であってもよい。
[3−4.信号処理部]
信号処理部7は、受光器6によって得られた信号を信号処理する。具体的には、信号処理部7は、受光器6が出力する信号からミー散乱光の量を検出する。例えば、信号処理部7は、信号から干渉光のインターフェログラムを生成することにより、散乱光に含まれるミー散乱光に相当する信号成分を検出する。
信号処理部7の構成要素は、コンピュータ、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)などが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
[3−5.集光部]
集光部50は、計測対象物2である散乱体からの散乱光を集光する光学部品である。集光部50は、例えば、少なくとも1つの集光レンズ、若しくは、少なくとも1つの反射鏡、又は、これらの組み合わせである。例えば、集光部50は、集光レンズと、コリメートレンズとを含むレンズ群を含んでもよい。集光レンズで集光された光が、コリメートレンズによって平行光に変換されて出射される。これにより、集光部50によって集光された散乱光は、ミラー板3に入射される。集光部50は、ピンホールを含んでもよい。
集光部50は、散乱体と干渉計10との間の光路上に配置されている。例えば、図1に示す例では、集光部50は、散乱体とミラー板3との間に配置されている。
なお、散乱光の強度が強い場合には、集光部50が配置されなくてもよい。つまり、図14に示されるように、計測装置は、集光部50を備えなくてもよい。なお、図14に示される計測装置200は、計測装置100の変形例であり、集光部50を備えない点を除いて、計測装置100と同じである。
[4.計測装置の適用例]
続いて、本実施の形態に係る計測装置100の適用例について、図15A及び図15Bを用いて説明する。図15A及び図15Bは、本実施の形態に係る計測装置100を備える浄化システム300を示す図である。
図15A及び図15Bに示されるように、浄化システム300は、計測装置100と、浄化装置310とを備える。なお、浄化システム300は、計測装置100の代わりに、図14に示される計測装置200を備えてもよい。
浄化装置310は、エアロゾルを浄化する装置である。なお、本実施の形態において、エアロゾルの浄化とは、検知領域内で検出されるエアロゾルを減らすことを意味する。これにより、エアロゾルによる健康被害の発生を抑制することができる。また、エアロゾルの浄化とは、エアロゾルに含まれるウイルスを無害化すること、及び/又は、エアロゾルを対象空間から単に排出することも意味する。
浄化装置310は、例えば、エアロゾルを無害化する薬液311を噴霧する噴霧装置である。薬液311は、例えば、次亜塩素酸水又はオゾン水である。あるいは、薬液311は、アルコール溶液であってもよい。薬液311は、菌又はウイルスを除菌する機能を有する。浄化装置310は、例えば、薬液311をミスト化して噴霧する。このとき、浄化装置310は、ミスト化した薬液311を、渦輪状にして噴霧してもよい。
また、浄化装置310は、気流を生成する気流生成装置であってもよい。気流は、例えば、浄化装置310から離れる方向に押し出す気流、及び/又は、浄化装置310に近づく方向に吸い込む気流である。
浄化装置310は、計測装置100による計測結果に基づいてエアロゾルを浄化する。具体的には、図15Aに示されるように、計測装置100は、レーザ光320を散乱体に向けて出射し、散乱体からの散乱光を受光することにより、散乱体に含まれるエアロゾルを検出する。例えば、レーザ光の出射方向を空間内で走査することにより、計測装置100は、空間内におけるエアロゾルの有無及び/又は濃度を示す分布を生成することができる。図15Bに示すように、浄化装置310は、計測装置100が生成した分布に基づいて、エアロゾルが存在する位置、及び/又は、エアロゾルの濃度が所定の閾値を超えている位置に向けて、薬液311を噴霧する。
このように、浄化システム300では、計測装置100の計測結果を用いることで、エアロゾルに向けて薬液311を放出することができる。これにより、浄化システム300では、薬液311がエアロゾルの無害化に有効に利用されるので、エアロゾルを効率良く浄化させることができる。
また、浄化装置310が気流生成装置である場合は、エアロゾルに向けて押し出す方向に気流を生成することで、エアロゾルを検知領域から押し出すことができ、エアロゾルを浄化することができる。あるいは、浄化装置310は、エアロゾルを吸い込むことで、エアロゾルを浄化してもよい。浄化システム300では、エアロゾルの位置を利用することで、エアロゾルが気流によって拡散されるのを抑制することができるので、エアロゾルを効率良く浄化することができる。
(他の実施の形態)
以上、1つ又は複数の態様に係る計測装置及び計測方法について説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
また、上記の各実施の形態は、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、大気中のエアロゾルの分布の観測を行う計測装置及び計測方法などとして利用でき、例えば、屋外での気象観測、及び屋内での有害微粒子計測に利用できる。
1 マルチレーザ光源
2 計測対象物
3 ミラー板
6 受光器
7 信号処理部
10 干渉計
11 第1の可動ミラー板
12 ハーフミラー板
13 第2の可動ミラー板
30 制御部
31 アクチュエータ
50 集光部
100、200 計測装置
300 浄化システム
310 浄化装置
311 薬液
320 レーザ光

Claims (12)

  1. 互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射する光源と、
    前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を干渉させる干渉計と、
    前記干渉計により干渉された散乱光中に含まれるミー散乱光を受光する受光器と、
    前記受光器の信号から前記ミー散乱光の量を検出する信号処理部と、を備え、
    前記周波数間隔は、前記大気を構成する分子によって生じるレイリー散乱光の周波数スペクトルにおけるピークの半値全幅未満である、
    計測装置。
  2. 前記干渉計は、前記散乱光を、第1の散乱光と、前記第1の散乱光と光路が異なる第2の散乱光とに分岐し、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光との光路差を変化させ、かつ前記第1の散乱光と前記第2の散乱光とを干渉させることにより干渉光を生成する、
    請求項1に記載の計測装置。
  3. 前記周波数間隔は、3.9GHz以下である、
    請求項1又は2に記載の計測装置。
  4. 互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射する光源と、
    前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を、第1の散乱光と、前記第1の散乱光と光路が異なる第2の散乱光とに分岐し、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光とを干渉させることによりインターフェログラムを取得する干渉計と、
    前記インターフェログラムを信号に変換する受光器と、
    前記受光器によって得られた前記信号を信号処理する信号処理部と、
    前記干渉計に、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光との光路差を掃引させる制御部と、を備え、
    前記信号処理部は、
    前記インターフェログラムの信号成分から、前記光路差が前記周波数間隔に対応する波長間隔であるときに生じる第1の干渉フリンジを含む信号成分を抽出することにより、前記散乱光に含まれるミー散乱光に相当する信号成分を取得する、
    計測装置。
  5. 前記インターフェログラムは、複数の干渉フリンジを含み、
    前記制御部は、前記レーザ光の中心波長の1/4より大きく、前記複数の干渉フリンジ間の間隔の1/2より小さい範囲の光路差を掃引する、
    請求項4に記載の計測装置。
  6. 前記信号処理部は、前記第1の干渉フリンジを含む前記信号成分を基に、フーリエ変換を行う、
    請求項4又は5に記載の計測装置。
  7. 前記干渉計は、第1の可動ミラーと第2の可動ミラーとを含む、
    請求項4から6のいずれか1項に記載の計測装置。
  8. 前記複数のピークの周波数間隔は、5GHz以下である、
    請求項4から7のいずれか1項に記載の計測装置。
  9. 前記複数のピークの周波数間隔は、3.9GHz以下である、
    請求項4から7のいずれか1項に記載の計測装置。
  10. 前記散乱体と前記干渉計との間の光路上に、前記散乱光を集光する集光部をさらに備える、
    請求項1から9のいずれか1項に記載の計測装置。
  11. 互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射することと、
    前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を干渉させることと、
    前記干渉計により干渉された散乱光中に含まれるミー散乱光を受光することと、
    前記受光により得られた信号から前記ミー散乱光の量を検出することと、を含み、
    前記周波数間隔は、前記大気を構成する分子によって生じるレイリー散乱光の周波数スペクトルにおけるピークの半値全幅未満である、
    計測方法。
  12. 互いに等しい周波数間隔で離れた複数の発振周波数を有するレーザ光を大気中の散乱体へ出射することと、
    前記レーザ光が前記散乱体で散乱することにより生じた散乱光を、第1の散乱光と、前記第1の散乱光と光路が異なる第2の散乱光とに分岐し、前記第1の散乱光と前記第2の散乱光とを干渉させることによりインターフェログラムを取得することと、
    前記インターフェログラムを信号に変換することと、
    前記信号を信号処理することと、
    前記第1の散乱光と前記第2の散乱光との光路差を掃引させることと、を含み、
    前記信号処理することでは、
    前記インターフェログラムの信号成分から、前記光路差が前記周波数間隔に対応する波長間隔であるときに生じる第1の干渉フリンジを含む信号成分を抽出することにより、前記散乱光に含まれるミー散乱光に相当する信号成分を取得する、
    計測方法。
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