JP2006322912A - レーザ測長器およびレーザ測長方法 - Google Patents

レーザ測長器およびレーザ測長方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 レーザ素子の自己結合効果を利用した距離計測を信頼性良く、しかも無駄なく実行することのできるレーザ測長器を提供する。
【解決手段】 計測対象物に向けて波長変調したレーザ光を照射すると共に、上記計測対象物にて反射した上記レーザ光が導入される自己結合型のレーザ素子を備え、このレーザ素子におけるレーザ光の自己結合効果により生じた変調レーザ光を周波数分析して前記計測対象物までの距離を測定するレーザ測長器であって、前記変調レーザ光を周波数分析して求める周波数成分の検出範囲を制限することで前記計測対象物の検出距離領域を規定する手段(ハイパスフィルタおよび/またはローパスフィルタからなるフィルタ回路)を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザ素子における自己結合効果を利用して計測対象物までの距離を計測するレーザ測長器およびレーザ測長方法に関する。
光学的な距離計測技術の1つに半導体レーザ素子の自己結合効果(自己混合効果とも言う)を利用したものがある(例えば特許文献1,2を参照)。この手法は、例えば図3に示すように所定の変調信号を用いて駆動したレーザ素子(LD)1から検出対象物2に照射レーザ光(出力光)を照射すると共に、検出対象物2により反射されて前記レーザ素子1に戻った反射レーザ光(戻り光)と前記出力光との自己結合効果により生じた干渉信号が重畳した出力光を受光器(PD)3にて受光し、その出力を周波数分析する等して前記検出対象物2までの距離(L)や速度、振動等の状態を測定するものである。
即ち、レーザ素子1の出力光の発振波長を連続的に変化させると、検出対象物2により反射した戻り光と上記レーザ素子1の出力光とが干渉を生じ、共振条件(強めあう)を満たす波長においてはレーザ素子1の増幅効率が僅かに上がり、また減衰条件(弱めあう)を満たす波長においては増幅効率が僅かに下がり、この結果、受光器3の出力が増減を繰り返す。例えば付与した電流値に応じて出力光の発振波長が変化するタイプのレーザー素子に、三角波形の駆動電流を付与すると、三角波の一周期分において、電流値が時間の経過に比例して連続的に増加し、ピークに達した後に減少する。これに応じてレーザ素子から放出される出力光の波長は連続的に長くなり、ピークに達した後、出力光の波長は連続的に短くなる。
このようにして出力光の波長が連続的に増減する中で、上記出力光とその戻り光との間の共振条件および減衰条件が交互に何度も満たされる。この結果、前記受光器3からは上記三角波に微小な干渉成分(共振成分および減衰成分)が重畳した波形が得られる。この干渉成分は、レーザ素子1と検出対象物2との距離L等の情報を含んでいる。従ってこの波形を解析すれば、上記共振成分の周波数から検出対象物2までの距離や速度、振動等の状態を求めることが可能となる。例えば上記変調光を微分して三角波に重畳した信号成分を抽出し、この信号成分を計数することによって検出対象物2の状態を求めることが可能となる。
特開平10−246782号公報 特開平11−287859号公報
ところでレーザ素子が出力するレーザ光を光ファイバを介して計測基準位置まで導き、該光ファイバの先端から計測対象物に向けて照射する場合、前記レーザ素子における自己結合効果により生じた干渉成分の周波数から計測される距離は、上記光ファイバの光路長を含んだものとなる。従って計測基準位置から計測対象物までの距離Lsを求めるには、例えば予め光ファイバの長さLoを計測しておき、レーザ素子の出力から求められた距離Lから上記光ファイバの長さLoを差し引くことが必要である。しかし光ファイバは、専ら、レーザ測長器の設置現場においてその計測環境に応じて敷設し、計測基準位置となる点で切断して用いられることが多い。この為、一般的には光ファイバの長さLoを正確に求めておくことが困難である。
また測定環境によっては観測窓をなすガラス等の透明体を介して計測対象領域にレーザ光を照射し、その反射光を検出することも多い。この場合、上記透明体よりも遠くにある計測対象領域に存在する物体までの距離を計測すれば良いにも拘わらず、前記透明体の手前側に物体が進入すると、不本意ながらこの物体を検出し、その検出結果を出力してしまうことになる。従ってレーザ測長器としては、計測対象領域に計測対象物体が存在するときにだけ、その計測結果(計測対象物体までの距離)を出力するように構成することが望ましい。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、レーザ素子の自己結合効果を利用した距離計測を信頼性良く、しかも無駄なく実行することのできるレーザ測長器およびレーザ測長方法を提供することにある。
上述した目的を達成するべく本発明に係るレーザ測長器は、計測対象物に向けて波長変調したレーザ光を照射すると共に、上記計測対象物にて反射した上記レーザ光が導入される自己結合型のレーザ素子を備え、このレーザ素子におけるレーザ光の自己結合効果により生じた変調レーザ光を周波数分析して前記計測対象物までの距離を測定するものであって、
特に本発明は、前記変調レーザ光を周波数分析して求められる周波数成分が、静止した計測対象物までの距離に比例することに着目して成されており、前記変調レーザ光を周波数分析して求める周波数成分の検出範囲を制限することで前記計測対象物の検出距離領域を規定する手段を備えたことを特徴としている。
ちなみに前記変調レーザ光を周波数分析して求める周波数成分の検出範囲を制限する手段は、請求項2に記載するようにハイパスフィルタおよび/またはローパスフィルタを用いて実現される。この場合、前記ハイパスフィルタおよび/またはローパスフィルタの遮断周波数を、外部設定可能に設けることが望ましい(請求項3)。また前記ハイパスフィルタの遮断周波数については、前記レーザ素子から測距の基準となる位置までの光路長に応じて定めることが望ましい(請求項4)。
また請求項5に記載するように前記レーザ素子を、光ファイバ等の透明体を介して前記計測対象物に対するレーザ光を入出力するように設け、この際、前記ハイパスフィルタの遮断周波数を、前記レーザ素子のレーザ光出力端面から上記透明体の前記計測対象物側の端面までの光路長に応じて定めるようにしても良い。更には請求項6に記載するように、前記ハイパスフィルタの遮断周波数については、前記干渉レーザ光の共振周波数を解析して求められる周波数スペクトルにおいてピーク値をとる最低周波数として設定するようにしても良い。
また本発明に係るレーザ測長方法は、請求項7に記載するように計測対象物に向けて波長変調したレーザ光を照射すると共に、上記計測対象物にて反射した上記レーザ光が導入される自己結合型のレーザ素子を備え、このレーザ素子におけるレーザ光の自己結合効果により生じた変調レーザ光を周波数分析して前記計測対象物までの距離を測定するに際して、特に照射されるレーザ光の光路中に複数の検出対象物を配置し、これらの検出対象物までの距離を同時に測定することを特徴としている。
この際、請求項8に記載するように、計測した複数の検出対象物までの距離のうち、予め定めた距離条件に適合するものを選択するようにすれば良い。また請求項9に記載するように複数の検出対象物のうち、最も距離の近い位置に置かれる検出対象物を透明体、特に請求項9に記載するように光ファイバとし、この光ファイバを通してレーザ素子からのレーザ光を他の検出対象物に向けて照射し、他の検出対象物によって反射した上記レーザ光を上記光ファイバを通してレーザ素子へ戻すようにすることが望ましい。また請求項11に記載するように上記透明体の二つの端面のうち、上記他の検出対象物に近い側の端面を基準として、上記他の検出対象物までの距離を測定するようにすれば良い。
本発明に係るレーザ測長器によれば、変調レーザ光を周波数分析して求める周波数成分の検出範囲を制限し、これによって前記計測対象物の検出距離領域を規定するので、計測対象領域(検出距離領域)外に存在する物体を検出して、その物体までの距離を不本意に計測して計測出力を得ることがない。特にハイパスフィルタおよび/またはローパスフィルタを用い、当該フィルタの遮断周波数を調整して上記検出距離領域を規定するだけなので、非常に簡単に、しかも精度良く物体の検出対象領域を設定することができる。
また上述した如くして計測対象とする距離領域、ひいては周波数領域を制限すれば、例えば迷光に起因する高周波ノイズ成分等を除去することが可能となるので、S/Nの高い距離計測を行うことが可能となる。更にはハイパスフィルタにて遮断した周波数に相当する計測距離を基準として計測対象物の検出を行うことにより、いわゆるレーザ測長器のゼロ調整(計測基準点の設定)を簡単に行うことが可能となる等の効果が奏せられる。
また本発明に係るレーザ測長方法によれば、レーザ光の光路中に置かれた複数の検出対象物までの距離を同時に測長するので、これらの検出対象物間の距離を正確に測定することができる。特に検出対象物を透明体、具体的には光ファイバとし、この光ファイバを通してレーザ光を入出力して複数の検出対象物による上記レーザ光の反射点をそれぞれ計測することで、例えば光ファィバの端面を基準として他の検出対象物までの距離を正確に測定することが可能となる等の効果が奏せられる。
以下、図面を参照して本発明の一実施形態に係るレーザ測長器について説明する。
図1は本発明の実施形態に係るレーザ測長器の要部概略構成図であり、1はVCSEL型のレーザダイオード(LD)等からなる自己結合効果を有する半導体レーザ素子、2はレーザ素子1から出力されるレーザ光を受光するフォトトランジスタ(PD)等の受光器である。このレーザ測長器は、基本的には変調器3により三角波等の変調信号を用いて上記レーザ素子1を駆動して該レーザ素子1から波長変調したレーザ光を発振出力させ、このレーザ光を計測対象物4に向けて照射すると共に、この計測対象物4による上記レーザ光の反射光を前記レーザ素子1に導入するように構成される。そしてレーザ素子1において上記戻り光(反射レーザ光)と出力レーザ光とを自己結合効果によって干渉させ、図2に示すような変調レーザ光を出力するものとなっている。
尚、図2は、時間経過に伴って電流値が変化する三角波を用いてレーザ素子1を駆動した際に得られる波長変調されたレーザ光、即ち、波長が連続的に増加した後、波長が連続的に減少するレーザ光αと、このようにしてレーザ光の波長が連続的に増減する中で、出力レーザ光とその戻りレーザ光との間の共振条件および減衰条件が何度も満たされることによって生じる微小な干渉成分βが上記レーザ光αに重畳した様子を示している。
レーザ測長器は、このようにして上記レーザ素子1の自己結合効果により生じた干渉成分βが重畳したレーザ光を前記受光器2にて受光し、微分回路等の変調成分検出器5にて上記受光強度の変化から上記干渉成分βを検出するように構成される。この自己結合効果によるレーザ光の干渉作用と、その干渉成分の検出による距離計測の原理的な作用については、前述した特許文献1,2等に記載される通りである。そして変調成分検出器5にて検出された干渉成分βをフィルタ回路6を介してフィルタリングし、その出力からカウンタや高速フーリエ変換回路(FFT)等の処理回路7を用いて上記干渉成分βの周波数成分fを求めるように構成される。尚、変調成分の検出と上記フィルタリング処理については、これをハードウェアにより実行する場合には、これらを同時に実行するようにしても良く、フィルタリングした後に変調成分を検出するようにしても良い。
ところで上述した出力レーザ光とその戻りレーザ光との干渉の状態は、レーザ素子1から計測対象物4までの距離(光路長)に依存する。そしてその干渉成分βを分析して求められる周波数成分も、上記レーザ素子1から計測対象物4までの距離(光路長)に依存する。従って前記レーザ光の干渉成分βを分析してその周波数fを求めれば、この周波数fから計測対象物2までの距離Lを求めることが可能となる。換言すればレーザ素子1の自己結合効果により生じた干渉成分βの周波数fは該レーザ素子1から計測対象物2までの距離Lに比例しており、従って上記レーザ光の干渉成分βの周波数fを解析することによって計測対象物2までの距離Lを計測することができる。
そこで本発明に係るレーザ測長器においては、変調成分検出器5にて検出された干渉成分βを分析するに際し、フィルタ回路6を用いて分析処理する周波数帯域を制限するようにしている。このフィルタ回路6は、予め設定した遮断周波数以下の成分をカット(遮断)するハイパスフィルタおよび/または予め設定した遮断周波数以上の成分をカット(遮断)するローパスフィルタからなる。尚、ハイパスフィルタとローパスフィルタとを組み合わせた機能を有し、予め設定された周波数帯域の成分だけを抽出するバンドパスフィルタを用いて上記フィルタ回路6を構成することも勿論可能である。
ハイパスフィルタを用いて実現されるフィルタ回路6は、基本的には上記干渉成分βの周波数が低い程、計測対象物2までの距離Lが短いことから、レーザ測長器による最短検出距離を規定する役割を担う。またローパスフィルタを用いて実現されるフィルタ回路6は、逆にレーザ測長器による最長検出距離を規定する役割を担う。そしてハイパスフィルタとローパスフィルタとを用いて実現される、或いはバンドパスフィルタを用いて実現されるフィルタ回路6は、レーザ測長器による計測対象物2の最短検出距離と最長検出距離とをそれぞれ規定することで、その検出距離幅(計測距離レンジ)を規定する役割を担う。
このようなフィルタ回路6を備えて構成されるレーザ測長器によれば、計測対象とする距離範囲に相当する周波数領域以外の周波数成分を除去した後、前記干渉成分βを分析してその周波数成分を求めることができるので、その分析処理負担を軽減することができる。しかも計測対象とする距離範囲から外れた位置に存在する物体を不本意に検出することもなくなる。更には迷光等の混入によって前記レーザ光に重畳する高周波ノイズの影響も軽減することができるので、S/N(対雑音比)を高めて距離計測精度を高くすることが可能となる。
ここで図1に示すレーザ測長器の具体的な実施形態を図4を参照して説明する。前述した半導体レーザ素子1およびモニタ用の受光器2は金属製のキャン・パッケージ40の中に密閉収納されている。半導体レーザ素子1とレンズ42と光ファイバ8とは、それぞれの光軸が一致するように配置される。パッケージ40の一端面(裏面側)から複数の導線41が導出されており、それぞれその内部のレーザ素子1および受光器2と電気的に接続されている。パッケージ40の他端面(表面側)は上記一端面に対して傾斜して設けられている。おり、その中央には貫通孔が設けられている。この貫通孔を完全に塞ぐ平板ガラス40aが、パッケージ40の内側に接着剤(溶融させたガラス)によって固定されており、レーザ光に対する光学的な窓を形成すると共にパッケージ40の内部の密閉性を保っている。
半導体レーザ素子1から放射されたレーザ光の大部分は平板ガラスを透過するが、その一部は平板ガラス40aの表面で反射する。このとき、平板ガラス40aが半導体レーザ素子1の光軸に対して傾いて設けられているので、平板ガラス40aの表面で反射された光は半導体レーザ素子1の方向には向かわずに、受光器2の方向へ向かう。このようにして受光器2は半導体レーザ素子1から放射されたレーザ光の一部を受光する。また光ファイバ8の端面81から放射される戻り光はレンズ42によって半導体レーザ素子1に向けて集光されるので、受光器2が戻り光を受光することはない。
一方、前記パッケージ40の外側を覆って、透光性の樹脂で形成されたケース43が設けられている。ケース43の内側には内壁面431によって空間が形成されており、この空間部に前記レーザ素子に1に対峙させて集光用の片凸レンズ42が固定されている。この片凸レンズ42は、後述するようにレーザ素子1から放射されたレーザ光を集光して光ファイバ8に導入する役割を担う。またケース43の外側には光ファイバ保持部432がケース43と一体に形成されている。この光ファイバ保持部432は有底の中空円筒形状をなしており、その内径は光ファイバ8の外径よりもやや大きく形成されていて、該光ファイバ保持部432に光ファイバ8の一端部分が着脱可能に嵌め込まれて保持される。この光ファイバ保持部432の底面は、またケースの外壁面433でもあり、上記底面に光ファイバ8の一端面81が突き当てられることによって光ファイバ8が位置決めされる。尚、光ファイバ8の固定を完全にするために、光ファイバ8の外周を圧迫して把持する構造のクランプ44(破線で示す)が設けられる。光ファイバ8の一端面81から他端面82までが光ファイバ8の長さLoをなす。
さてレーザ素子1から或る放射角をもって円錐状(あるいは楕円錐状)に放射されたレーザ光の大部分は、前記片凸レンズ42によって集光され、ケース43を透過して光ファイバ8の一端面81に入射する。レーザ素子1、レンズ42およびケース43の位置関係は、レンズ42およびケース43によるレーザ光の屈折を考慮して、光ファイバ8の一端面81の位置にレーザ素子1の発光面が結像するように設定されている。またレーザ光の一部は片凸レンズ42の平面で反射されてパッケージ40の内部へ戻り、受光器2に受光される。この際、パッケージ40の内部へ戻った光がレーザ素子1に入射しないように考慮して設計しておくことが重要である。
このような光路が形成された場合、レーザ素子1から射出されたレーザ光は、レンズ42の凸側の表面、ケース内壁面431、ケース外壁面433、光ファイバ端面81、光ファイバ端面82のそれぞれに置いては反射し、これらの各面からの反射光がレーザ素子1へ戻って受光される。これらの各面からの反射光は、それぞれレーザ素子1に干渉を生じさせる(物体として検出される)が、これらの干渉によって生じた検出信号は、基準位置に相当する光ファイバ端面82を除き、レーザ測長器には不必要な検出信号である。そのため、光ファイバ端面82よりもレーザ素子1に近い反射面(レンズ42の凸側の表面、ケース内壁面431、ケース外壁面433、光ファイバ端面81)からの反射光によって生じた検出信号を前述したフィルタ回路6(ハイパスフィルタ)を用いて減衰させるようにしている。このとき、上記フィルタ回路6(ハイパスフィルタ)の遮断周波数は、ファイバ端面81による検出信号の周波数よりも高く、ファイバ端面82による検出信号の周波数よりも低く設定される。
尚、前記フィルタ回路6の回路時定数(遮断周波数)については、理論計算値や該レーザ測長器を用いた距離計測の実測値等に基づいて外部から可変設定可能に設けておくことが好ましい。例えばレーザ測長器の仕様として最短計測距離Lminと最大計測距離Lmaxとがそれぞれ指定された場合には、これらの指定された距離Lmin,Lmaxにそれぞれ対応する前記干渉成分βの周波数fmin,fmaxを求め、これらの周波数fmin,fmaxを前記ハイパスフィルタおよびローパスフィルタの遮断周波数として、その回路時定数を設定するようにすれば良い。
またレーザ測長器の設置現場において計測対象物2の検出領域を、その計測環境等に応じて設定する場合には、サンプルとしての計測対象物2を最短計測距離Lminおよび最大計測距離Lmaxにそれぞれ位置付けたときに計測される周波数fmin,fmaxを求め、これらの各周波数fmin,fmaxを前記ハイパスフィルタおよびローパスフィルタの遮断周波数として、その回路時定数を設定するようにすれば良い。尚、フィルタ回路6の回路時定数の可変設定については、例えばハイパスフィルタ用、およびローパスフィルタ用のポテンショメータ(可変抵抗器)等をそれぞれ調整し得るようにしておけば良い。
またレーザ測長器の使用環境によっては、例えば図1に示すようにレーザ素子1から出力されたレーザ光を光ファイバ8を介して計測対象領域まで導き、光ファイバ8の先端から計測対象物2に向けてレーザ光を照射すると共に、その反射光(戻り光)を前記光ファイバ8を介してレーザ素子1に導くことがある。この場合、レーザ素子1を介して計測される計測対象物2までの距離は、光ファイバ8の先端からレーザ光が計測対象物2まで空間伝播される距離だけでなく、光ファイバ8の長さも含まれることになる。従って光ファイバ8の先端を計測基準点(計測原点)として計測対象物2までの距離Lsを計測する場合には、レーザ素子1にて計測された計測対象物2までの距離Lから光ファイバ8の長さ(光路長)Loを差し引き、[Ls = L−Lo]として求めることが必要である。
しかしながら上述した光ファイバ8は、専らレーザ測長器の設置現場において、その測定環境に応じた適度な長さに切断して用いられることが多い。これ故、光ファイバ8の長さ(光路長)Loを正確に計測できないことが多い。しかし光ファイバ8の先端(端面)においても、光ファイバ8の材質と空気との屈折率の違いによって、若干ではあるが該光ファイバ8を導かれたレーザ光が反射することに鑑みれば、その反射光によって生じるレーザ素子1での共振成分から上記光ファイバ8の先端までの距離Loを計測することができる。
従って、例えば光ファィバ8の先端に計測対象物2を密着させた状態、或いは計測対象物2そのものを無くして計測対象物2による戻り光が生じない状態を設定し、この状態で上記光ファィバ8の先端にて生じた戻り光による干渉成分βの周波数foから該光ファイバ8の先端までの距離(光ファイバ8の光路長)Loを計測し、この計測値Loを前記計測基準点(計測原点)を規定する為の情報としてレーザ測長器に設定するようにすれば良い。同時に上記周波数foを前述したハイパスフィルタの遮断周波数として設定すれば、光ファイバ8の先端からのレーザ光の出力領域だけを該レーザ測長器の計測対象領域として規定することが可能となる。
尚、ガラス等の透明体からなる観測窓を介して計測対象物2を検出し、その計測対象物2までの距離を計測する場合にも、上記観測窓を計測基準点(計測の原点)とすることが多い。この場合においても前述した光ファイバ8を用いた場合と同様に観測窓にてレーザ光の反射が若干生じるので、この反射光(戻り光)によるレーザ素子1での干渉成分の周波数foから、レーザ素子1と観測窓との離間距離Loを求め、この距離Loに従って計測基準点(計測原点)を規定すると共に、ハイパスフィルタの遮断周波数を設定するようにすれば良い。
従ってレーザ素子1から離れた位置に計測基準点(計測原点)が設定される場合には、上述したようにして計測基準点(計測原点)までの距離Loを求めることにより、容易にレーザ測長器の、いわゆるゼロ点調整を行うことが可能となるので、その実用的利点が多大である。またゼロ点調整に用いた周波数foをハイパスフィルタの遮断周波数とし、上記距離Loに計測対象物2の監視対象領域の幅Lsを加えた距離L(=Lo+Ls)に相当する周波数を前記ローパスフィルタの遮断周波数として設定すれば、これによって上記計測対象物2の監視対象とする領域の幅Ls、つまりその計測レンジ(計測スパン)を容易に規定することが可能となる。
尚、レーザ光の照射光路上に複数の透明な計測対象物2が存在する場合、これらの計測対象物2においてそれぞれレーザ光の反射が生じる。するとこれらの異なる位置にてそれぞれ生じた反射光(戻り光)に対応して前記レーザ光の干渉成分が、例えば図3に示すように互いに異なる周波数成分として生じることになる。従って或るレベル以上に強度が高くなった干渉成分の周波数fo,f1,f2,〜をそれぞれ求めれば、これらの各周波数fo,f1,f2,〜から複数の計測対象物2の存在と、これらの計測対象物2までの距離をそれぞれ同時に計測することが可能となる。この際、例えば前記レーザ素子1から最も短い距離位置(最小周波数)に存在するとして検出された物体の位置を、前述した光ファイバ8の先端位置として認識するようにすれば、そのゼロ点調整を同時に行い得ることになる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば複数のバンドパスフィルタを用いて、互いに異なる複数の周波数帯域の周波数成分をそれぞれ個別に検出するようにすれば、検出距離範囲(計測スパン)を多段階に分けた計測を一括して実行することができる。また干渉成分をフィルタリングした後にその周波数成分を検出することに代えて、干渉成分の周波数の全てを求めておき、その後、必要な周波数帯域に含まれる周波数の干渉成分だけを抽出するようにしても良い。即ち、フィルタ回路6を用いた周波数成分のフィルタリング処理を、干渉成分の周波数を求める前に行っても良く、或いは干渉成分の周波数を求めた後の後処理として行うようにしても良い。その他、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態に係るレーザ測長器の概略構成図。 レーザ素子の自己結合効果により生じる変調レーザ光を示す図。 複数の反射点からの戻り光により生じる干渉成分の周波数の違いを示す図。 本発明に係るレーザ測長器の具体的な構成例を示す図。
符号の説明
1 レーザ素子
2 受光器
3 波長変調器
4 計測対象物
5 変調成分検出器(微分回路)
6 フィルタ回路
7 処理回路(周波数検出器)
8 光ファイバ

Claims (11)

  1. 計測対象物に向けて波長変調したレーザ光を照射すると共に、上記計測対象物にて反射した上記レーザ光が導入される自己結合型のレーザ素子を備え、このレーザ素子におけるレーザ光の自己結合効果により生じた変調レーザ光を周波数分析して前記計測対象物までの距離を測定するレーザ測長器であって、
    前記変調レーザ光を周波数分析して求める周波数成分の検出範囲を制限して前記計測対象物の検出距離領域を規定する手段を備えたことを特徴とするレーザ測長器。
  2. 前記変調レーザ光を周波数分析して求める周波数成分の検出範囲の制限は、ハイパスフィルタおよび/またはローパスフィルタを用いて行われるものである請求項1に記載のレーザ測長器。
  3. 前記ハイパスフィルタおよび/またはローパスフィルタの遮断周波数を、外部設定可能に設けたことを特徴とする請求項2に記載のレーザ測長器。
  4. 前記ハイパスフィルタの遮断周波数は、前記レーザ素子から測距の基準となる位置までの光路長に応じて定められるものである請求項2に記載のレーザ測長器。
  5. 前記レーザ素子は、透明体を介して前記計測対象物に対するレーザ光を入出力するものであって、
    前記ハイパスフィルタの遮断周波数は、前記レーザ素子のレーザ光出力端面から上記透明体の前記計測対象物側の端面までの光路長に応じて定められるものである請求項2に記載のレーザ測長器。
  6. 前記ハイパスフィルタの遮断周波数は、前記干渉レーザ光の共振周波数を解析して求められる周波数スペクトルにおいてピーク値をとる最低周波数として設定されるものである請求項2に記載のレーザ測長器。
  7. 計測対象物に向けて波長変調したレーザ光を照射すると共に、上記計測対象物にて反射した上記レーザ光が導入される自己結合型のレーザ素子を備え、このレーザ素子におけるレーザ光の自己結合効果により生じた変調レーザ光を周波数分析して前記計測対象物までの距離を測定するレーザ測長方法であって、
    照射されるレーザ光の光路中に複数の検出対象物を配置し、これらの検出対象物までの距離を同時に測定することを特徴とするレーザ測長方法。
  8. 請求項7に記載のレーザ測長方法において、計測した複数の検出対象物までの距離のうち、予め定めた距離条件に適合するものを選択することを特徴とするレーザ測長方法。
  9. 請求項7に記載のレーザ測長方法において、複数の検出対象物のうち、最も距離の近い位置に置かれる検出対象物を透明体としたレーザ測長方法。
  10. 請求項9に記載のレーザ測長方法において、最も距離の短い位置の検出対象物は光ファイバであり、この光ファイバを通してレーザ素子からのレーザ光を他の検出対象物に向けて照射し、他の検出対象物によって反射した上記レーザ光を上記光ファイバを通してレーザ素子へ戻すことを特徴とするレーザ測長方法。
  11. 請求項9または10のレーザ測長方法において、上記透明体の二つの端面のうち、上記他の検出対象物に近い側の端面を基準として、上記他の検出対象物までの距離を測定することを特徴とするレーザ測長方法。
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