JP2004118243A - ネットワーク印刷システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ユーザはクライアントで印刷命令を指示し、クライアントはプリントサーバに印刷データを送信すると同時に、後で管理者が検察、閲覧する際にユーザを一意に特定できるキーとなる情報を送信する。プリントサーバはクライアントから送信された印刷データとユーザ情報をもとに、印刷のログを作成し管理者による検索、閲覧、再印刷の指示時に利用するための閲覧データを作成する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、漏洩すると企業への影響が非常に大きい顧客情報等の機密情報を扱う部署で使用するプリンタシステムに関するものであり、出力した情報、日付、出力者などの履歴を保存し、検索可能にし、漏洩が発覚した時に容易に漏洩元を特定できるようにすることで、漏洩の抑止力となることを目的とするネットワーク印刷システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば金融、証券業界などでは顧客のプライバシーにかかわる情報を取り扱う機会が多い。また他の業界でも顧客個々のプロファイルに合わせたセールスを行おうとして顧客の個人情報を蓄積している。ところが、それらの個人情報が漏洩して、顧客の意図していない利用をされる事例が増えており、企業が蓄積している個人情報の扱いに関する顧客の関心は非常に高くなっている。
【0003】
現在の状況において顧客の個人情報の漏洩は社会問題となり、企業の社会的信頼を損なうにとどまらず、経済的にも大きな損失となり得る。しかし残念なことに情報漏洩事件は、企業内部の犯行が全体のおよそ80%を占めるといわれている。
【0004】
上記のような事情から、従来においても機密漏洩防止のためのいくつかの手段が開示されている。このような機密漏洩防止手段としては、本来権限の無い人間が情報を出力できないようにする方式がある(例えば、特許文献1、2、3、4参照)。また、通信回線を通じて印字データを送る際に盗聴されないようにする方式がある(例えば、特許文献5、6、7参照)。あるいは本来は印刷してはいけないデータを印刷されることを防ぐ方式がある(例えば、特許文献8参照)。
【0005】
上記の本来権限の無い人間が情報を出力できないようにする方式の従来例としては、プリンタのリボンカセットにロックがついており、認証されて受付けられないとロックが外れず印字できないことを特徴とするプリンタがある(例えば、特許文献1参照)。また、文書画像に付加された識別子とプリンタが保持している識別子をプリンタで比較し、等しければ出力し、等しくないときには文書画像中の非出力領域を空白にして出力するデータ出力装置がある(例えば、特許文献2参照)。また、印刷時プリンタにおいて認証を行い、認証が成功しないと出力できないことを特徴とする画像形成装置(例えば、特許文献3参照)。また、プリンタに該プリンタを使用できるユーザを登録しておくユーザ登録テーブルを保持しておき、テーブルに登録されていないユーザからの印刷要求は受付けないことを特徴とするネットワーク印刷システムがある(特許文献4参照)。
【0006】
また、上記の通信回線を通じて印字データを送る際に盗聴されないようにする方式としては、イメージ情報をテーブルにより文字コードに換えて出力し、それをFAXにて送り、受信した方ではそれを文字認識装置にかけてコードに変換しそれをテーブルに引くことで元の画像情報に戻し、画像そのものを送らない上にテーブルを秘匿しておくことで、秘密を保って画像情報をやり取りできる画像処理装置、画情報送信装置および画情報受信装置がある(例えば、特許文献5参照)。また、印刷終了後プリンタやプリンタサーバに残っている不要となったデータを電子的にシュレッダーすることを特徴とするネットワークシステムがある(例えば、特許文献6参照)。また、印刷時プリンタに送る印刷データを暗号化して送ることを特徴とする符号システム、画増処理装置およびその方法がある(特許文献7参照)。
【0007】
上記の本来は印刷してはいけないデータを印刷されることを防ぐ方式の従来例として、ホストコンピュータ側で端末の構成を予め登録しておき、端末がアクセスしてきた時に現在の構成が登録してある構成と異なるとアクセスを拒否することを特徴とする機密情報防止機能つきコンピュータネットワークがある(特許文献8参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平06−293173号公報
【特許文献2】
特開平11−355545号公報
【特許文献3】
特開平11−045034号公報
【特許文献4】
特開2001−75751号公報
【特許文献5】
特開平08−149315号公報
【特許文献6】
特開平11−143658号公報
【特許文献7】
特開平07−320064号公報
【特許文献8】
特許3001501号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来において機密漏洩を防止する様々なシステムを用いても、残念なことに情報にアクセスできる権限をもった者がデータを印字して社外に持ち出す事例は後を絶たないし、そうかといって無条件にそのようなデータを印刷できなくするのでは、本来の業務に支障をきたす場合も多くなってしまう。
【0010】
また、上記の本来権限の無い人間が情報を出力できないようにする方式の従来例(特許文献1、2、3、4)は、印刷時に印刷者の正当性を認証するものであり誰がいつ何を出力したのかという履歴をとっておき、後から履歴を検索し、印刷の追跡ができるものではない。
【0011】
また、上記の通信回線を通じて印字データを送る際に盗聴されないようにする方式の従来例(特許文献5、6、7)において、特許文献5の方式は誰がいつ何を出力したかの履歴を残しておき後から検索できない。また、特許文献6および7の方式も出力したものについて履歴をとっておくことによる追跡はできない。
【0012】
また、上記の本来は印刷してはいけないデータを印刷されることを防ぐ方式の従来例(特許文献8)においても、出力したものの履歴をとっておくことはできず、追跡はできない。
【0013】
本発明は上記事情を鑑みてなされたものであり、プリンタから印刷された情報、日付、出力者などの履歴を蓄積しておき、また、蓄積された情報を検索可能にするプリンタシステムを提供し、万が一情報が漏洩した場合にも履歴を追跡可能にする手段によって、情報を不正に漏洩することの抑止力とする機密漏洩防止のためのネットワーク印刷システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1記載のネットワーク印刷システムは、ユーザが印刷要求を行うネットワークに繋がったクライアントコンピュータと、クライアントコンピュータから送られてくる中間データを受信し処理するプリントサーバと、プリントサーバから送られてくる中間データを出力するプリンタと、過去に印刷された中間データを検察、閲覧、再印刷を行う管理者用クライアントから構成されるネットワークシステムであり、ユーザがクライアントコンピュータを介して印刷指示を行う際、印刷指示を受けてプリンタに印刷出力すると同時に、後で管理者による検索、閲覧、再印刷を行うための中間データを蓄積するプリントサーバを有することを特徴としている。
【0015】
請求項2記載のネットワーク印刷システムは、請求項1記載のネットワーク印刷システムにおいて、ユーザから印刷指示を受けたクライアントコンピュータは、中間データをプリンタで出力するために、プリントサーバに送ると同時に、後の検索、閲覧、再印刷を行う際に必要な中間データを蓄積するために、中間データをプリントサーバに送ることを特徴としている。
【0016】
請求項3記載のネットワーク印刷システムは、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、クライアントコンピュータから検索、閲覧、再印刷のために蓄積するためのプリントサーバに中間データを送る際、ユーザを一意に特定できるユーザ名、クライアントを一意に特定するクライアント名、印刷日時、印刷しようとするファイル名など、後で検索する際にキーとなりえる情報を同時に送付することを特徴としている。
【0017】
請求項4記載のネットワーク印刷システムは、請求項3記載のネットワーク印刷システムにおいて、クライアントコンピュータから送られてきた中間データを検索する際、内容で検索できるように中間データを変換しておくことを特徴としている。
【0018】
請求項5記載のネットワーク印刷システムは、請求項4記載のネットワーク印刷システムにおいて、中間データを検索する際、内容で検索できるように中間データを変換しておく際に、既に印刷済みであることを示す印を付加することを特徴としている。
【0019】
請求項6記載のネットワーク印刷システムは、請求項5記載のネットワーク印刷システムにおいて、付加する印として透かし印刷を使用することを特徴としている。
【0020】
請求項7記載のネットワーク印刷システムは、請求項4、5、および6記載のネットワーク印刷システムにおいて、中間データを変換するフォーマットとして、後で全文検索可能なフォーマットを使用することを特徴としている。
【0021】
請求項8記載のネットワーク印刷システムは、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、クライアントコンピュータ上の仮想プリンタドライバが、実際に出力するプリンタ用のプリンタドライバを呼んで、プリンタ用のピーディーエルに変換してからプリンタサーバに送ることを特徴としている。
【0022】
請求項9記載のネットワーク印刷システムは、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、クライアントコンピュータ上の仮想プリンタドライバは中間データを前記プリンタサーバに送り、プリンタサーバで実際に出力するプリンタ用のプリンタドライバを呼んで、プリンタ用のピーディーエルに変換することを特徴としている。
【0023】
請求項10記載のネットワーク印刷システムは、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、中間データとしてマイクロソフト社のイーエムエフフォーマットを使用することを特徴としている。
【0024】
請求項11記載のネットワーク印刷システムは、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、中間データとしてアドビ社のポストスクリプトフォーマットを使用することを特徴としている。
【0025】
請求項12記載のネットワーク印刷システムは、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、プリントサーバで中間データを受け取るスプーラが、中間データを実際にプリンタで印刷するために、プリンタドライバに渡すと同時に、スプーラが検索情報を生成するために、中間データを検索情報システムに渡すことを特徴としている。
【0026】
請求項13記載のネットワーク印刷システムは、請求項3記載のネットワーク印刷システムにおいて、プリントサーバで中間データを受け取るスプーラが、中間データを実際にプリンタで印刷するために、プリンタドライバに渡すと同時に、スプーラが検索情報を生成するために中間データおよびキーとなる情報を検索情報システムに渡すことを特徴としている。
【0027】
請求項14記載のネットワーク印刷システムは、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、プリントサーバで中間データを受け取るスプーラが、中間データを実際にプリンタで印刷するために、プリンタドライバに渡すと、プリンタドライバが検索情報を生成するために、中間データを検索情報システムに渡すことを特徴としている。
【0028】
請求項15記載のネットワーク印刷システムは、請求項3記載のネットワーク印刷システムにおいて、プリントサーバで中間データを受け取るスプーラが、中間データを実際にプリンタで印刷するために、プリンタドライバに渡すと、プリンタドライバが検索情報を生成するために中間データおよび前記キーとなる情報を検索情報システムに渡すことを特徴としている。
【0029】
請求項16記載のネットワーク印刷システムは、請求項7記載のネットワーク印刷システムにおいて、後で全文検索可能なフォーマットとしてアドビ社のピーディーエフを使用することを特徴としている。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0031】
図1に示すように、本発明のネットワーク印刷システムは、ネットワークに繋がったユーザが印刷要求を行うクライアントと、クライアントから送られてくる印刷データを受信し処理するプリントサーバとプリントサーバから送られる印刷データを実際に出力するプリンタと、過去に印刷されたデータを検索、閲覧および再印刷を行える管理者用のクライアントからなる。
【0032】
図1に示す本発明のクライアントには、ユーザの印刷指示により印刷データをプリントサーバに対して送信する機能を持つ。また送信時に印刷を行ったユーザのユーザ情報を同時に送信する機能を備える。
【0033】
図1に示す本発明のプリントサーバ上には、クライアントから送られてきた印刷データとユーザ情報をもとに、印刷のログを作成する機能と、管理者による検索、閲覧および再印刷の指示時に利用するための閲覧データを作成する機能を備える。プリントサーバでは、これらと同時に必要ならば印刷データをプリンタで出力可能なデータ形式に変換しプリンタに送る機能を備える。
【0034】
図1に示す管理者用クライアントは、管理者の指示により、印刷履歴の検索、閲覧、印刷の機能や閲覧データの検索・閲覧・再印刷の機能を備える。
【0035】
本発明の一実施の形態を示す図1を参照にすると、ネットワーク印刷システムにおいて、ユーザはクライアントにおいて印刷命令を指示すると、クライアントはプリントサーバに対して印刷データを送信する。この時に印刷するデータと共に、ユーザを一意に特定できるユーザ名、クライアントを一意に特定するクライアント名、印刷日時、印刷しようとするファイル名など、後で管理者が検索、閲覧する際にキーなり得る情報を送信する。ここで挙げた前記情報はキーとなり得る情報の例であり、前記情報に限るわけでもないし、必ずこれらが全て含まれる必要があるわけではない。キーとなり得る情報であるならば、なるべく多種の内容の情報を送信する方が好ましい。
【0036】
尚、図1ではクライアントとプリントサーバはネットワークで繋がった別のマシンとなっているが、クライアントとプリントサーバが1台のマシンであっても構わない。
【0037】
印刷データを受信したプリントサーバは印刷データを全文検索可能な、例えばAdobe社のPDFフォーマットの変換し、印刷データと共に送られてきたキーとなりえる情報と共に検索、閲覧できるようにデータベースに格納する。プリントサーバは同時に印刷データをプリンタが印字可能なデータ(PDL)に変換してプリンタに送信し実際に印字する。
【0038】
上記においてPDFは単なる一例であり、後で全文検索可能なフォーマットであれば何でも良い。また、図1ではプリントサーバとプリンタはネットワーク経由で繋がっているが、プリントサーバとプリンタは他の手段、例えばセントロニクスで繋がっていても構わない。
【0039】
管理者は必要に応じて管理者用クライアントからデータベースを検索し、必要なら蓄積されているPDF文書を全文検索する。また、必要に応じてPDF文書を印刷し再印刷を行う。
【0040】
また、前記管理者用クライアントは、プリンタサーバあるいはクライアントと同じであっても、独立していても構わない。
【0041】
次に、実施の形態を示す図2および図3を参照にして、本発明の動作を詳細に説明する。
【0042】
現在一般に使われているクライアントではMicrosoft社のWindows(R)がOS環境として動いている。ここではWindows(R)環境を例として説明する。Windows(R)ではユーザの印刷要求を受けてアプリケーションプログラムが印刷を行おうとする際、ユーザのデータはプリンタドライバと呼ばれるプログラムに渡される。一般にはプリンタドライバはデータを各社のプリンタ固有の表現形式(PDL)に変換してプリンタに渡される。プリンタにデータを渡す場合にはプリンタドライバは標準ポートドライバと呼ばれるプログラムを読んで、実際にプリンタが接続されている方式、セントロニクスなのか、RS232Cなのか、それともネットワーク経由なのかにあわせて送ってもらう。以上のようにすることにより、どのような方式で実際にプリンタが接続されているかをプリンタドライバは意識しなくてすむようになっている。そして、ネットワークで送られた出力データは、プリンタサーバにおいて一旦スプーラと呼ばれるプログラムで蓄積され、順番にプリンタに送られて実際に出力される。
【0043】
図2に従って、本発明の第1の実施の形態を詳細に説明する。仮想プリンタドライバ1は中間データ(Windows (R)ではExtended Meta File、以下EMFという)を作成し、データ転送プログラム(Windows (R)では標準ポートモニタ3)を使用してプリントサーバのスプーラ9に送る。そして、中間データを受け取ったスプーラ9はプリンタ12で実際に印刷するために、プリンタドライバ10に中間データを渡してプリンタ固有のデータ形式(PDL)に変換し、標準ポートモニタ11を介して実際のプリンタ12に印刷データを渡して実際に印刷する。今の説明では中間データからPDLに変換するのはプリントサーバ側で行ったが、クライアント側で行っても良い。
【0044】
また、仮想プリンタドライバ1は上述の場合において、同時に中間データとともに、ユーザを一意に特定できるユーザ名、クライアントを一意に特定するクライアント名、印刷日時、印刷しようとするファイル名など、後で管理者が検索、閲覧する際にキーなり得る情報をデータベース4に蓄積する。蓄積されたデータは転送ソフト5によって履歴情報を保持するためにプリントサーバに送られる。
【0045】
プリントサーバで上記の情報を受け取った転送ソフト6は、一旦データベース7に蓄積した後、中間データを検索可能な形式に変換するために、例えばEMFをAdobe 社のPDF形式に変換するためにAdobe 社のPDFWriterのようなEMFをPDFフォーマットに変換するプログラム13を呼び出し、PDFフォーマットに変換した後、中間データと共に送られてきたキーとなる情報と共に検索データベース8に登録しておく。
【0046】
尚、図2では実際にプリンタに出力するプリントサーバ機能と検索可能な情報に変換する機能が同一のマシン上にあるように表現したが、それぞれの機能が別のマシン上で実現されていても構わない。
【0047】
また、PDFなどに変換する際に、後に再印刷を行い出力した場合に、履歴として保存されたものであることを明確にするために、透かしを入れる等、保存されたことがわかるように自動的に情報を付加することもできる。
【0048】
保存された検索データベース8は、必要に応じて管理者用クライアントからキーにしたがって検索ができたり、PDFなどのように全文対象にして条件に合う内容のものを検索し、その結果PDFを閲覧して内容を検討したり、必要に応じて再印刷することが可能になる。
【0049】
図3に従って、本発明の第2の実施の形態を詳細に説明する。プリンタドライバ2は中間データ(Windows (R)ではExtended Meta File)を作成し、データ転送プログラム(Windows (R)では標準ポートモニタ3)を使用してプリントサーバのスプーラ9に送る。その際にユーザを一意に特定できるユーザ名、クライアントを一意に特定するクライアント名、印刷日時、印刷しようとするファイル名など後で管理者が検索、閲覧する際にキーなり得る情報も同時に送信する。
【0050】
中間データとキーとなる情報を受け取ったスプーラ9は、プリンタ12で実際に印刷するために、プリンタドライバ10に中間データを渡して、プリンタ固有のデータ形式(PDL)に変換し、標準ポートモニタ11を介して実際のプリンタ12に印刷データを渡して実際に印刷する。それと同時にスプーラ9は中間データを検索可能な形式に変換するために、例えば、EMFをAdobe 社のPDF形式に変換するためにAdobe 社のPDFWriterのようなEMFをPDFフォーマットに変換する変換プログラム13を呼び出しPDFフォーマットに変換した後中間データと共に送られてきたキーとなる情報と共に、検索データベース8に登録しておく。
【0051】
尚、中間データを検索可能な形式に変換して検索データベース8に登録する際に、上記の説明ではスプーラ9が中間データを渡すように説明したが、スプーラ9は中間データをプリンタドライバ10に渡し、プリンタドライバ10がプリンタ特有のPDLに変換すると同時に、検索可能な形式に変換する変換プログラム13にデータを渡し、検索データベース8に登録するのを同時に行うようにしても良い。
【0052】
以上、実施の形態の説明から明らかなように、本発明のネットワーク印刷システムは、プリンタから印刷された情報、日付、出力者などの履歴をデータベースに蓄積しておき、蓄積された情報を印刷後に検索可能にし、また、万が一情報が漏洩した場合でも印刷履歴を追跡可能にすることによって、情報を不正に漏洩することを抑止することができる。
【0053】
【発明の効果】
請求項1記載のネットワーク印刷システムによれば、ユーザが印刷要求を行うネットワークに繋がったクライアントと、クライアントから送られてくる中間データを受信し処理するプリントサーバと、プリントサーバから送られてくる中間データを出力するプリンタと、過去に印刷された中間データを検索閲覧、再印刷を行う管理者用クライアントから構成されるネットワークシステムであり、ユーザがクライアントコンピュータを介して印刷指示を行う際、印刷指示を受けてプリンタに印刷出力すると同時に、印刷後で管理者による検索、閲覧再印刷を行うための中間データを蓄積するプリントサーバを有することを特徴としているので、万一情報が印刷物を介して漏洩した場合にも履歴により追跡可能となり、追跡により情報が不正に漏洩することの抑止力となり得る。
【0054】
請求項2記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項1記載のネットワーク印刷システムにおいて、ユーザから印刷指示を受けたクライアントは、中間データを前記プリンタで出力するためプリントサーバに送ると同時に、印刷後の検索、閲覧、再印刷を行う際に必要な中間データを蓄積するために、中間データをプリントサーバに送ることを特徴としているので、クライアント上で中間データを実際に印刷するためのプリンタ側と、検索、閲覧再印刷用に蓄積する側とに、クライアントから別々に送ることによってプリンタ側と検索、閲覧、再印刷用に蓄積するコンピュータ側が同一である必要が無く、構成の自由度が高い。
【0055】
請求項3記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、クライアントから検索、閲覧、再印刷のために蓄積するためのプリントサーバに中間データを送る際、ユーザを一意に特定できるユーザ名、クライアントを一意に特定するクライアント名、印刷日時、印刷しようとするファイル名など、印刷後で検索する際にキーとなりえる情報を同時に送付することを特徴としているので、後で検索する際、それらの情報をキーとして使用でき、検索が容易になる。
【0056】
請求項4記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項3記載のネットワーク印刷システムにおいて、クライアントコンピュータから送られてきた中間データを検索する際、内容で検索できるように中間データを変換しておくことを特徴としているので、検索する際に印刷した内容も検索対象とでき、検索効率が上がる。
【0057】
請求項5記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項4記載のネットワーク印刷システムにおいて、中間データを検索する場合、内容で検索できるように中間データを変換しておく際に、既に印刷済みであることを示す印を付加することを特徴としているので、再印刷をした時に、既に印刷したものが再印刷したものであると明確にわかり、利便性が高まる。
【0058】
請求項6記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項5記載のネットワーク印刷システムにおいて、付加する印として、透かし印刷を使用することを特徴としているので、本来の印刷内容をつぶすことなく情報を付加することが可能であり、利便性が高まる。
【0059】
請求項7記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項4、5、および6記載のネットワーク印刷システムにおいて、中間データを変換するフォーマットとして、後で全文検索可能なフォーマットを使用することを特徴としているので既存のフォーマットであるため、それを操作するアプリケーションが既に存在しており、特別なソフトウェアを別に用意しなくても済み、便利である。
【0060】
請求項8記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、クライアントコンピュータ上の仮想プリンタドライバが、実際に出力するプリンタ用のプリンタドライバを呼んで、プリンタ用のPDLに変換してからプリンタサーバに送ることを特徴としているので、既存のネットワークプリンタをそのまま利用可能であり、システムの自由度が高まる。
【0061】
請求項9記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、クライアントコンピュータ上の仮想プリンタドライバは中間データをプリンタサーバに送り、プリンタサーバで実際に出力するプリンタ用のプリンタドライバを呼んで、プリンタ用のPDLに変換することを特徴としているので、各クライアントにプリンタ毎のプリンタドライバをインストールする必要が無く、管理が容易となる。
【0062】
請求項10記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、中間データとしてMicrosoft社のEMFフォーマットを使用することを特徴としているので、Windows(R)環境下では標準的なフォーマットであり、実現が容易である。
【0063】
請求項11記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、中間データとしてAdobe社のPostscriptフォーマットを使用することを特徴としているので、Postscriptフォーマットは全文検索可能なフォーマットであるPDFフォーマットに容易に変換可能である。
【0064】
請求項12記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、プリントサーバで中間データを受け取るスプーラが、中間データを実際にプリンタで印刷するために、プリンタドライバに渡すと同時に、スプーラが検索情報を生成するために、中間データを検索情報システムに渡すことを特徴としているので、スプーラが検索情報を既存のプリンタドライバをそのまま利用することができ、利便性が高い。
【0065】
請求項13記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項3記載のネットワーク印刷システムにおいて、プリントサーバで中間データを受け取るスプーラが、中間データを実際にプリンタで印刷するために、プリンタドライバに渡すと同時に、スプーラが検索情報を生成するために中間データおよびキーとなる情報を検索情報システムに渡すことを特徴としているので検索する際に利用可能なキーが増えて検索で絞り込むことが容易になり、利便性が高い。
【0066】
請求項14記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項2記載のネットワーク印刷システムにおいて、プリントサーバで中間データを受け取るスプーラが、中間データを実際にプリンタで印刷するためにプリンタドライバに渡すと、プリンタドライバが検索情報を生成するために、中間データを検索情報システムに渡すことを特徴としているので、プリンタドライバを改造する方が容易に実現できる。
【0067】
請求項15記載のネットワーク印刷システムによれば、請求項3記載のネットワーク印刷システムにおいて、プリントサーバで中間データを受け取るスプーラが、中間データを実際にプリンタで印刷するために、プリンタドライバに渡すと、プリンタドライバが検索情報を生成するために中間データおよび前記キーとなる情報を検索情報システムに渡すことを特徴としているので、検索する際に利用可能なキーが増え検索で絞り込むことが容易になり利便性が高い。
【0068】
請求項16記載のネットワーク印刷システムは、請求項7記載のネットワーク印刷システムにおいて、後で全文検索可能なフォーマットとしてAdobe社のPDF形式を使用することを特徴としているので、既存のフォーマットであるため、それを操作するアプリケーションが既に存在しており、特別なソフトウェアを別に用意しなくても済み、便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における動作を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における動作を示す図である。
【符号の説明】
1 仮想プリンタドライバ
2 プリンタドライバ
3 標準ポートモニタ
4 データベース
5 転送ソフト
6 転送ソフト
7 データベース
8 検索データベース
9 スプーラ
10 プリンタドライバ
11 標準ポートモニタ
12 プリンタ
13 変換プログラム
Claims (16)
- ユーザが印刷要求を行うクライアントコンピュータと、
前記クライアントコンピュータから送信される中間データを受信し処理するプリントサーバと、
前記プリントサーバから送信される前記中間データを出力するプリンタと、
過去に印刷された前記中間データを検索、閲覧、再印刷を行う管理者用クライアントから構成されるネットワーク印刷システムであって、
ユーザが前記クライアントコンピュータを介して印刷指示を行う際、前記印刷指示を受けてプリンタに印刷出力すると同時に、印刷後に管理者による検索、閲覧、再印刷を行うための前記中間データを蓄積する前記プリントサーバを有することを特徴とするネットワーク印刷システム。 - ユーザから印刷指示を受けた前記クライアントコンピュータは、前記中間データを前記プリンタで出力するために、前記プリントサーバに送ると同時に、印刷後に検索、閲覧、再印刷を行う際に必要な前記中間データを蓄積するために、前記中間データを前記プリントサーバに送ることを特徴とする請求項1記載のネットワーク印刷システム。
- 前記クライアントコンピュータから検索、閲覧、再印刷のために蓄積するための前記プリントサーバに前記中間データを送る際、ユーザを一意に特定できるユーザ名、クライアントを一意に特定するクライアント名、印刷日時、印刷しようとするファイル名など、印刷後に検索する際にキーとなりえる情報を同時に送付することを特徴とする請求項2記載のネットワーク印刷システム。
- 前記クライアントコンピュータから送られてきた前記中間データを検索する際、内容で検索できるように前記中間データを変換しておくことを特徴とする請求項3記載のネットワーク印刷システム。
- 前記中間データを検索する際、内容で検索できるように前記中間データを変換しておく際に、既に印刷済みであることを示す印を付加することを特徴とする請求項4記載のネットワーク印刷システム。
- 前記付加する印として、透かし印刷を使用することを特徴とする請求項5記載のネットワーク印刷システム。
- 前記中間データを変換するフォーマットとして、後で全文検索可能なフォーマットを使用することを特徴とする請求項4、5および6記載のネットワーク印刷システム。
- 前記クライアントコンピュータ上の仮想プリンタドライバが実際に出力するプリンタ用の前記プリンタドライバを呼んで、プリンタ用のピーディーエルに変換してから前記プリンタサーバに送ることを特徴とする請求項2記載のネットワーク印刷システム。
- 前記クライアントコンピュータ上の仮想プリンタドライバは前記中間データを前記プリンタサーバに送り、前記プリンタサーバで実際に出力するプリンタ用の前記プリンタドライバを呼んで、プリンタ用のピーディーエルに変換することを特徴とする請求項2記載のネットワーク印刷システム。
- 前記中間データとしてマイクロソフト社のイーエムエフフォーマットを使用することを特徴とする請求項2記載のネットワーク印刷システム。
- 前記中間データとしてアドビ社のポストスクリプトフォーマットを使用することを特徴とする請求項2記載のネットワーク印刷システム。
- 前記プリントサーバで前記中間データを受け取るスプーラが、前記中間データを実際に前記プリンタで印刷するために、前記プリンタドライバに渡すと同時に、前記スプーラが検索情報を生成するために、前記中間データを検索情報システムに渡すことを特徴とする請求項2記載のネットワーク印刷システム。
- 前記プリントサーバで前記中間データを受け取るスプーラが、前記中間データを実際に前記プリンタで印刷するために、前記プリンタドライバに渡すと同時に、前記スプーラが検索情報を生成するために前記中間データおよび前記キーとなる情報を検索情報システムに渡すことを特徴とする請求項3記載のネットワーク印刷システム。
- 前記プリントサーバで前記中間データを受け取るスプーラが、前記中間データを実際に前記プリンタで印刷するために、前記プリンタドライバに渡すと、前記プリンタドライバが検索情報を生成するために、前記中間データを検索情報システムに渡すことを特徴とする請求項2記載のネットワーク印刷システム。
- 前記プリントサーバで前記中間データを受け取るスプーラが、前記中間データを実際に前記プリンタで印刷するために、前記プリンタドライバに渡すと、前記プリンタドライバが検索情報を生成するために前記中間データおよび前記キーとなる情報を検索情報システムに渡すことを特徴とする請求項3記載のネットワーク印刷システム。
- 前記全文検索可能なフォーマットとして、アドビ社のピーディーエフを使用することを特徴とする請求項7記載のネットワーク印刷システム。
Priority Applications (1)
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