JP2002203641A - 電気コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、プラグコネクタとレセプタクルコ
ネクタとからなり、両者間に軸ずれがあると、嵌合でき
ない電気コネクタを提供するものである。 【解決手段】 かゝる本発明は、雄雌型の各嵌合部２２
０，３２０が互いに嵌め込まれるプラグコネクタ２００
とレセプタクルコネクタ３００とからなる電気コネクタ
において、雄型嵌合部２２０の軸方向に凸状又は凹状の
位置決めガイド部２６０を設けると共に、雌型嵌合部３
２０の軸方向に位置決めガイド部２６０が案内される凹
状又は凸状の被位置決めガイド部３６０を設けてあるた
め、これらの両ガイド部２６０，３６０により、プラグ
コネクタ２００とレセプタクルコネクタ３００との間に
軸ずれがあると、嵌合できず、これによって、コンタク
トの損傷を効果的に防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プラグコネクタと
レセプタクルコネクタとからなり、信頼性の高い嵌合を
可能とした電気コネクタに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、プラグコネクタとレセプ
タクルコネクタとからなる電気コネクタの場合、プラグ
コネクタ側の雄型嵌合部が、レセプタクルコネクタの雌
型嵌合部に嵌め込れるようになっている。この嵌め込み
により、例えば雄型嵌合部内に配列された金属ピンなど
の雄型コンタクトが、雌型嵌合部内に配列された金属筒
体や挟持体構造などの雌型コンタクトに挿入されて、電
気的に接続される。

【０００３】そして、取り扱う情報量（データ量）の多
い電気コネクタにあっては、ケーブルの芯線数に対応し
た多数の雄型コンタクト、及びこれに対応した雌型コン
タクトが必要とされる。このようなケースに対応する電
気コネクタの場合、プラグコネクタやレセプタクルコネ
クタの各嵌合部を、例えば横長の長方体形状とし、この
部分に多数の必要なコンタクトを配列させてある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような構造の電気
コネクタにおいて、プラグコネクタの雄型嵌合部を、レ
セプタクルコネクタの雌型嵌合部に嵌め込む際、両者の
軸線方向が合致していれば、特に問題のないのはもちろ
んであるが、両者の軸線方向が多少ずれていても、その
態様によっては、嵌め込みが可能であった。このため、
かえって、コンタクトの損傷を招くなどの問題があっ
た。

【０００５】基本的にプラグコネクタの雄型嵌合部とレ
セプタクルコネクタの雌型嵌合部の間に軸ずれがある
と、両者の嵌合は、無理な構造となっている。しかしな
がら、実際には、プラグコネクタの嵌め込み時、その嵌
合部が長方体形状であって、幅方向にある程度の長さが
あるため、少々傾いた状態で、その一端、例えば隅部
を、レセプタクルコネクタの一端に、仮止め的に嵌め込
み、その後、この斜めの仮止め状態から、プラグコネク
タの軸線方向を、レセプタクルコネクタの軸線方向に合
わせる形で、強引に押し込むことがよくある。

【０００６】つまり、初めに、プラグコネクタの雄型嵌
合部の一端を、斜め方向から（軸ずれした状態で）、レ
セプタクルコネクタの雌型嵌合部の対応する部分に一時
的に引っ掛け、位置決めして、仮止めする。そして、こ
の後、本格的な嵌め込みを行うケースである。

【０００７】このような嵌め込みの態様では、上記のよ
うに、斜め方向からの引っ掛けにより、雄型嵌合部側の
コンタクトや、レセプタクルコネクタの雌型嵌合部側の
コンタクトに斜め方向からの力が作用するため、変形が
生じ易く、その後の押し込みにより、コンタクトが折れ
曲がったり、大きく変形する恐れがあった。特に、近年
の電子機器の小型化、これに対応した電気コネクタ側の
小型化により、コンタクト自体の小径化が進んできてお
り、コンタクトの変形の問題は、無視できない大きな問
題となっている。

【０００８】しかも、一旦コンタクトが変形すると、そ
の高密度配列や小径化などの問題も絡んで、その修理は
難しく、電気コネクタ全部を取り換えるか、最悪の場合
（電気コネクタと基板側との接合状態によっては）、基
板全体を取り換えるなどの事態に至ることがあった。も
ちろん、この場合、大幅なコスト上昇を招く。

【０００９】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、基本的には、プラグコネクタの雄型嵌合部
と、レセプタクルコネクタの雌型嵌合部との間に軸ずれ
（各軸線方向のずれ）があると、嵌合できない構造とし
て、上記のような問題点を根本的に解消するようにした
電気コネクタを提供せんとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の本発明
は、雄雌型の各嵌合部が互いに嵌め込まれるプラグコネ
クタとレセプタクルコネクタとからなる電気コネクタに
おいて、前記プラグコネクタの雄型嵌合部の軸方向に凸
状又は凹状の位置決めガイド部を設けると共に、前記レ
セプタクルコネクタの雌型嵌合部の軸方向に前記位置決
めガイド部が案内される凹状又は凸状の被位置決めガイ
ド部を設けたことを特徴とする電気コネクタにある。

【００１１】請求項２記載の本発明は、プラグコネクタ
の雄型嵌合部の外周の複数箇所に前記位置決めガイド部
を設け、かつ、前記レセプタクルコネクタの雌型嵌合部
の嵌合面内周の複数箇所に前記被位置決めガイド部を設
けたことを特徴とする請求項１記載の電気コネクタにあ
る。

【００１２】

【発明の実施の形態】図１は、本発明に係る電気コネク
タの一例を示したものである。図中、１００Ａは電気コ
ネクタ、２００はそのプラグコネクタ、３００はそのレ
セプタクルコネクタである。

【００１３】このプラグコネクタ２００やレセプタクル
コネクタ３００では、ハウジング部分を主に絶縁体樹脂
で形成し、必要により金属シャルなどを組み込み、もち
ろん内部の電気的な導通部分（コンタクトなど）は、金
属製としてある。

【００１４】プラグコネクタ２００の場合、鍔状の台座
ベース部２１０の一端面側に、突起状の雄型嵌合部２２
０を形成する一方、その他端側には、ケーブル接続部２
３０を形成してある。さらに、台座ベース部２１０の左
右の端部寄りには、必要により長尺ネジなどからなる固
定具２４０，２４０を取り付けてある。この部分には、
図示しないが、レセプタクルコネクタ３００側のフック
爪と引っ掛けられるクリップ手段を設けることもでき
る。

【００１５】上記雄型嵌合部２２０の形状は、横長の長
方体形状とし、その内部には、多数の金属ピンなどから
なるコンタクト２５０が、例えば２列として配列させて
ある。そして、その外周の両面（図中上下の外周面）に
は、適当な間隔を置いて、２本の軸方向に延びる凸状の
位置決めガイド部２６０が設けてある。この本数は、特
に限定されない。また、後述する位置決めガイド部２６
０の機能（軸ずれ時の嵌合禁止機能）からすると、なる
べくこの雄型嵌合部２２０の左右の縁部寄りに近接して
設けるのがよい。

【００１６】この位置決めガイド部２６０は、雄型嵌合
部２２０部分の素材と一体に形成されることが、コスト
的に好ましい。この部分が、金属シェルの場合にはプレ
ス成形などで対応すればよく、ダイキャストシェルや樹
脂ブロッグの場合には、型成形などで対応すればよい。
なお、コスト的には不利であるが、位置決めガイド部２
６０を、別体のガイド片などとして、雄型嵌合部２２０
部分に別個に取り付けることも可能である。

【００１７】レセプタクルコネクタ３００の場合も、鍔
状の台座ベース部３１０の一端面側には、上記雄型嵌合
部２２０が嵌め込まれる、嵌合穴（横長の長方体形状の
穴）からなる雌型嵌合部３２０を形成する一方、その他
端側には、ケーブル接続部３３０を形成してある。そし
て、台座ベース部３１０の左右の端部寄りには、上記固
定具２４０，２４０に対応したネジ穴などの固定部３４
０，３４０を設けてある。さらに、また、その嵌合穴内
の両面（図中上下の内周面）には、雄型嵌合部２２０の
対応する位置決めガイド部２６０が案内される、凹状の
被位置決めガイド部３６０を設けてある。もちろん、こ
の被位置決めガイド部３６０も、雌型嵌合部３２０部分
の素材と一体に形成されることが、コスト的に好まし
い。この部分は、通常樹脂ブロックで形成されるこめ、
型成形で対応すればよい。

【００１８】この構成から、本発明の電気コネクタ１０
０Ａの場合、プラグコネクタ２００の嵌め込み時、多少
でも傾いていると、その雄型嵌合部２２０の外周面に形
成された位置決めガイド部２６０が、レセプタクルコネ
クタ３００側の雌型嵌合部３２０の嵌合穴縁部に引っ掛
かって、対応する被位置決めガイド部３６０と嵌め合わ
すことができない。

【００１９】つまり、プラグコネクタ２００の雄型嵌合
部２２０と、レセプタクルコネクタ３００の雌型嵌合部
３２０との間に軸ずれがあると、嵌合できない構造とな
っているのである。この位置決めガイド部２６０によ
る、軸ずれ時の嵌合禁止機能は、その位置が雄型嵌合部
２２０の左右の縁部寄りに近いほど効果的に発揮される
ため、位置決めガイド部２６０は、なるべく左右の縁部
寄りに設けるとよい。この軸ずれ時の嵌合禁止機能によ
り、プラグコネクタ２００やレセプタクルコネクタ３０
０のコンタクトの曲げや変形が効果的に防止される。

【００２０】図２は、本発明に係る電気コネクタの他の
例を示したものである。この電気コネクタ１００Ｂも、
基本的には、図１のものと同構造のものであるが、位置
決めガイド部２６０′及び被位置決めガイド部３６０′
の形状において相違する。つまり、位置決めガイド部２
６０′は、凹状の形状とする一方、これに対応する、被
位置決めガイド部３６０′は、凸状の形状としてある。
もちろん、これらの形状であっても、上記図１のものと
同様の作用、効果が得られる。

【００２１】なお、上記の例では、プラグコネクタ２０
０の雄型嵌合部２２０の形状が、横長の長方体形状であ
ったが、本発明は、この形状は、特に限定されず、円形
形状の場合などにも適用することが可能である。また、
位置決めガイド部２６０，２６０′及びこれに対応した
被位置決めガイド部３６０，３６０′の個数も、長方体
形状のプラグコネクタ２００の雄型嵌合部２２０やレセ
プタクルコネクタ３００の雌型嵌合部３２０の場合、好
ましい形として、上下の２箇所に設ける構成であった
が、本発明は、これに限定されない。ガイド部の幅や形
状などによっては、１個のガイド部で対応することもで
きる。例えば幅の広いガイド部とすれば、上下にそれぞ
れ１個、さらには、何れかの側に１個設けるもみでも、
十分対応可能である。

【００２２】

【発明の効果】このように本発明に係る電気コネクタに
よると、プラグコネクタの雄型嵌合部及びこれに対応す
るレセプタクルコネクタの雌型嵌合部の部分に、軸ずれ
があるときには、嵌合できない機能（働き）を有する、
位置決めガイド部、及び被位置決めガイド部が設けてあ
るため、結局、嵌合時には、常に正しく軸合わせをする
必要がある。このため、従来のような軸ずれ時の嵌合に
よる、コンタクトなどの損傷の問題は、根本的に解消さ
れる。また、この結果、コンタクト変形による修理や、
電気コネクタ全体の取り換え、さらには、基板全体の取
り換えなどの懸念が低減し、大幅なコストダウンも可能
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係る電気コネクタの一例になるプラ
グコネクタとレセプタクルコネクタの展開状態を示した
斜視図である。

【図２】 本発明に係る電気コネクタの他の例になるプ
ラグコネクタとレセプタクルコネクタの展開状態を示し
た斜視図である。

【符号の説明】 １００Ａ〜Ｂ 電気コネクタ ２００ プラグコネクタ ２２０ 雄型嵌合部 ２５０ コンタクト ２６０，２６０′ 位置決めガイド部 ３００ レセプタクルコネクタ ３２０ 雌型嵌合部 ３６０，３６０′ 被位置決めガイド部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 雄雌型の各嵌合部が互いに嵌め込まれる
   プラグコネクタとレセプタクルコネクタとからなる電気
   コネクタにおいて、 前記プラグコネクタの雄型嵌合部の軸方向に凸状又は凹
   状の位置決めガイド部を設けると共に、前記レセプタク
   ルコネクタの雌型嵌合部の軸方向に前記位置決めガイド
   部が案内される凹状又は凸状の被位置決めガイド部を設
   けたことを特徴とする電気コネクタ。
2. 【請求項２】 プラグコネクタの雄型嵌合部の外周の複
   数箇所に前記位置決めガイド部を設け、かつ、前記レセ
   プタクルコネクタの雌型嵌合部の嵌合面内周の複数箇所
   に前記被位置決めガイド部を設けたことを特徴とする請
   求項１記載の電気コネクタ。