JP2001058485A - カード状媒体及びその製造方法 - Google Patents

カード状媒体及びその製造方法

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JP2001058485A
JP2001058485A JP23499899A JP23499899A JP2001058485A JP 2001058485 A JP2001058485 A JP 2001058485A JP 23499899 A JP23499899 A JP 23499899A JP 23499899 A JP23499899 A JP 23499899A JP 2001058485 A JP2001058485 A JP 2001058485A
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ink receiving
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Tadaki Inamoto
忠喜 稲本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性や耐汚染性、耐傷性にも優れたカード
状媒体、窓口発行にも対応できるカード状媒体、安全衛
生の面からも問題が無く、コスト的にも安価なカード状
媒体の提供及びこのようなカード状媒体の製造方法の提
供。 【解決手段】 耐水性基材の少なくとも片面の少なくと
も一部にインク受容層が積層され、更にその上面に非孔
質性樹脂からなる最表層を有するカード状媒体におい
て、カード状媒体端部の少なくともインク受容層端部
が、非孔質性の樹脂で封止されていることを特徴とする
カード状媒体、及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録方式により画像形成したカード状媒体、特にクレジッ
トカード、バンクカード、プリペイドカード、クリニッ
クカード、メンバーズカード等に好適に用いられるカー
ド状媒体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、クレジットカード、バンクカ
ード、プリペイドカード、クリニックカード、メンバー
ズカード等のカード類には種々の情報が埋設されてい
る。情報の記録方法としては、情報をデジタル化し、磁
気、バーコード、或いはレーザー光を用いて情報記録坦
体上の光記録層の一部を揮散させるか、反射率の変化を
生じさせるか、或いは変形を生じさせて、光学的な反射
率又は透過率の差によって情報の記録再生を行う方法が
用いられており、このようなカードは光カード等と称さ
れている。又、情報の記録方法としては、カード類を凹
凸に変形させた凸部で文字や数字を表したエンボスや、
スクリーン印刷やオフセット印刷等の一般の印刷も用い
られている。
【0003】しかし、情報をデジタル化して行う磁気記
録や、バーコードによる記録、或いは上記のような光カ
ードでは、記録されたデータを直接眼で見ることはでき
ない。そこで、カードに記録された情報が本当にカード
の所有者自身の情報であるかを確認することは容易では
ない。
【0004】又、カード類に、使用の際の注意事項や規
約等を文字情報で印刷したり、ロゴや下地の模様、絵柄
等を印刷することは、予めスクリーン印刷やオフセット
印刷等の一般の印刷方法で行われている。しかし、この
ような印刷方法では、印刷する色数分の印刷版を作成す
る必要があり、短時間での作成は困難であるし、又、少
量製作、若しくは顔写真を入れたような一枚一様の印刷
を行うのでは単価が非常に高くなってしまうという問題
がある。このように一般の印刷方法は、画一的な情報を
埋設する場合に限られ、個々の情報は、前示したデジタ
ルデータで別途記録しているのが現状である。
【0005】又、エンボス加工は直接眼で確認できるも
のであるが、扱える情報は文字や数字等に限られてしま
うという問題がある。一方、個別の情報、例えば、カー
ドの所有者の顔写真をカードに記録したりすることは、
既に一部で実施されている。しかし、例えば、写真その
ものをカードに貼り付ける方法では短時間でのカード作
成は困難である。又、写真を直接カードに印刷する方法
では、表面処理や印刷による情報記録媒体への影響等の
問題も生じる。
【0006】又、昇華熱転写型の印刷方法を用いる場合
は、インクリボンのコストが高くランニングコストが高
いという欠点があった。又、下地の材質は、印刷性の良
いものを選ぶ必要があった。従来より使用されている塩
化ビニル樹脂は、昇華熱転写性の良い材料であるが、近
年環境問題の観点から他の素材に変わりつつある。その
候補の素材としては、主にポリエチレン樹脂、ABS樹
脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂
(PETG:イーストマンケミカル社商標。構造式は下
記の通り)等がある。
【0007】
【化1】
【0008】これらの樹脂は、昇華熱転写印刷の転写性
が良くないため、表面に転写層を設けるのが一般的であ
る。又、昇華熱転写印刷は、印刷ヘッドがインクリボン
を介して直接媒体に接する印刷方法であるため、媒体表
面に凹凸が有るものには、奇麗に印刷できないという問
題もある。これは、ICチップをカード媒体に直接埋め
込んだいわゆるICカードでは、表面に凹凸が残るため
無視できない問題である。
【0009】これらの問題点を解決する方法として、特
開昭64−43826号公報(登録第2,515,55
7号、平成8年4月30日登録。)では、カード基材に
インク受容層を積層し、インクジェット記録により情報
を記録したカードが開示されている。この方法によれ
ば、短時間の内に簡便に情報を印刷することができる。
この方法は、前示したカード全てに適用できるものであ
る。又、他の情報記録方法との併用も可能である。
【0010】一般に、インクジェット記録に用いるイン
クは、安全性、印刷特性の面から主として水系のものが
使用されている。従って、インク受容層はインクを吸収
する性質が必須なので、親水性材料が使用されている。
一方、印字物、特に本発明で実施すべきカード類に対す
る印刷では、通常の事務での印刷物より高い耐久性が求
められる。特に、耐水性、耐汚染性及び耐傷性等が要求
される。
【0011】これらの要求を満足するため、特開昭62
−56184号公報、特開昭62−59076号公報、
特開昭62−60683号公報、特開昭62−2027
94号公報、特開昭62−273889号公報、特開昭
62−273890号公報、特開昭62−280085
号公報、特開昭62−280086号公報等に記載され
ているように、印字物上にプラスチックフィルムをラミ
ネートする方法が提案されている。
【0012】しかしながら、このようなラミネート方法
では、カード類の端部におけるシールが難しく、端部か
ら水分が侵入して印字が滲んだり、汚れたり、プラスチ
ックフィルムとの剥離を生じたりすることがある。
【0013】又、特公平2―31673号公報では、基
材にインク吸収性の大なる無機顔料層を設け、更に最表
層に熱可塑性有機高分子微粒子層が順次積層されたイン
クジェット記録媒体が開示されている。特開平7―23
7348号公報では、基材上にアルミナ水和物からなる
多孔質層を設け、更に最表層に多孔質高分子層が順次積
層されたインクジェット記録シートが開示されている。
又、特開平8−2090号公報では、同様のカード型イ
ンクジェット記録媒体が開示されている。
【0014】これらはインクジェット記録を行った後、
熱処理により最表層の樹脂多孔質層を緻密化するもので
ある。画像の形成、即ちインクの吸収乃至定着は、主に
アルミナ水和物多孔質等の無機顔料層で行い、最表層の
緻密化した樹脂多孔質層により耐水性を出している。し
かし、これらの技術においても、カード端部における水
の侵入という問題は解決されていない。
【0015】これは、上記の先行技術が、一般の用紙に
印刷することを意識しているためと考えられる。事務用
のプリンター或いはグラフィックアーツ用の大面積用の
プリンターでは、用紙の端まで印刷できるものはない。
これは、プリンターの機構上の問題である。又、従来の
慣習で、端部に余白は必ず有るものであり、又、必要上
設けられているものである。用紙サイズが大きい場合
は、多少の余白は気にならないこともある。そのため、
情報は用紙の端部にまでは及ばず、端部の問題について
は特に問題視されていないためと考えられる。しかし、
カード類のような小さな媒体においては、媒体の隅まで
印字されることがデザイン上好ましく、一般的に行われ
ている。そのため、インクジェット記録をカード類の印
刷に応用する場合、端部の問題は重要である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、上記
のような端部の問題を解決することで、耐水性、耐汚染
性及び耐傷性にも優れたカード状媒体を提供することを
目的とする。又、窓口発行にも対応できるカード状媒体
を提供することも本発明の目的の一つである。又、安全
衛生の面からも問題が無く、コスト的にも安価なカード
状媒体の提供も他の目的である。又、このようなカード
状媒体の製造方法を提供することも本発明の目的の一つ
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、耐水性基材の
少なくとも片面の少なくとも一部にインク受容層が積層
され、更にその上面に非孔質性樹脂からなる最表層を有
するカード状媒体において、カード状媒体端部の少なく
ともインク受容層端部が、非孔質性の樹脂で封止されて
いることを特徴とするカード状媒体、及びその製造方法
を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳細に説明する。本発明のカード状媒体の
基材は、耐水性の基材を使用する。耐水性の基材でない
と、記録面及び端部をいくら耐水性として保護しても基
材側から水の侵入があっては、耐久性のあるカード状媒
体が得られないからである。従って、基材として、通常
オフィスの記録物に用いられている紙等は適さない。
【0019】基材として適するものとしては、例えば、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート等のポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ
塩化ビニリデン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹
脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリ
ル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、グリコー
ル変性ポリエチレンテレフタレート樹脂(PETG)等
の樹脂類等が挙げられ、又、金属等も用途によっては適
する。
【0020】これらの基材は、耐水性であるので、イン
クジェット記録用の水性インクの吸収性は良くない。そ
こで、インク受容層をこの基材上の少なくとも片面の少
なくとも一部に形成する。尚、このインク受容層を基材
上に設ける前、又は設けた後に、基材上乃至インク受容
層上にデジタル情報の記録用として磁気ストライプを設
けてもよいし、又、スクリーン印刷やオフセット印刷等
でロゴや使用上の注意事項、規約等、画一的に決まった
情報を予め印刷しておいてもよい。又、インク受容層は
基材の両面に設け、両面にインクジェット記録を行って
もよいし、片面のみインク受容層を設けてもよい。但
し、光により記録された情報を読み取るいわゆる光カー
ドの場合は、光記録の記録又は再生に使用する面の反対
側にインク受容層を設けるのが一般的である。
【0021】又、インク受容層を基材上に塗工する際の
基材の大きさは、最終形状に予め成型したものであって
もよいし、カード状媒体複数枚分の大きさの基材(以下
「大判の基材」という)上にインク受容層を設けた後、
最終形状に成型してもよい。通常は、大判の基材を用い
た方が生産コスト上有利である。又、必要ならばスクリ
ーン印刷やオフセット印刷等の通常の印刷が既に成され
た基材を用いてもよいし、インク受容層を設けた後、上
記のような通常の印刷を行ってもよい。
【0022】インク受容層の材質としては、吸水性又は
親水性のポリマー類や、インクが吸収される隙間を形成
するための隙間形成材料が用いられる。吸水性又は親水
性のポリマーとしては、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリウレ
タン(メタ)アクリレート、エーテル化澱粉、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カ
ゼイン又はこれらの誘導体等が挙げられる。
【0023】隙間形成材料としては、例えば、シリカゲ
ル、アルミナ、酸化チタン、珪酸カルシウム、合成ゼオ
ライト、酸化亜鉛、又はプラスチックピグメント等の無
機系又は有機系の顔料が利用できる。これらの隙間形成
材料は、通常バインダー樹脂とともに基材に塗工され
る。バインダー樹脂としては、上記した吸水性又は親水
性のポリマーが用いられる。又、これらの隙間形成材料
は、インク受容層の基材への塗工性を上げるために、塗
工液にチキソ性を付与するために添加される場合もあ
る。
【0024】上記した隙間形成材料は、吸水性又は親水
性のポリマーに全く加えなくてもよいが、塗工液にチキ
ソ性を付与するためには、吸水性又は親水性のポリマー
に対して、5重量%以上添加することが好ましい。5重
量%未満では、塗工液に十分なチキソ性を与えられない
ので、インク受容層の塗工の際には、チキソ性によらず
塗工できる方法で行う必要がある。又、隙間形成の目的
で使用する場合には、吸水性又は親水性のポリマーに対
して50〜1,000重量%の範囲で用いることが好ま
しい。50重量%未満では、隙間の形成が望めないの
で、吸水性又は親水性のポリマー自体に高いインク吸収
性のあるものを使用する必要がある。1,000重量%
を超えると、バインダーとしての吸水性又は親水性ポリ
マーの量が少なく、隙間形成材料が粉状に落ちてきた
り、ひび割れ等、インク受容層の機械的特性が悪くなる
場合がある。
【0025】又、後示するように、インクの色材として
アニオン性の色材が使用される場合、色材の定着性や発
色性を良くするために、インク受容層にカチオン性の材
料を用いることも好ましいことである。カチオン性の材
料としては、分子内にカチオン性部分を含むカチオン性
樹脂が好適に使用される。一般的に、カチオン性の化合
物を含有するインク受容層に染料系インクで記録した場
合、その記録画像の耐水性や画像濃度は向上するが、耐
光性は悪くなる傾向にある。
【0026】故に、できるだけ微量の添加で満足しうる
程度の画像の耐水性及び画像濃度を得るには、カチオン
性樹脂は重量平均分子量が好ましくは500以上、より
好ましくは1,000以上であり、好ましくは50,0
00以下、より好ましくは10,000以下である。即
ち、重量平均分子量が500未満の場合は、画像の耐水
性が不十分になる場合があり、50,000を超える
と、分子構造的な立体障害による染料分子との結合効率
が悪くなる傾向があるため、微量添加による効果が小さ
くなってしまう場合がある。
【0027】又、顔料インクを使用して記録が行われる
場合は、画像濃度は向上し、印字デューティーの高い多
色間の境界における混色を防止することができる。顔料
インクの場合、記録画像の耐光性が悪くなることはない
が、インク受容層にカチオン性樹脂を多量に用いると、
インク受容層自体の耐水性が低下してくるので、添加量
は必要最小限に留めるべきである。
【0028】カチオン性樹脂としては、例えば、ポリア
クリルアミドのカチオン変性物或いはアクリルアミドと
カチオン性モノマーの共重合体、ポリアリルアミン、ポ
リアミンスルホン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイ
ミン、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、ポリビニル
ピリジニウムハライド、ポリジメチルジアリルアンモニ
ウムクロライド等が挙げられる。更にビニルピロリドン
系モノマーと他の一般的なモノマーとの共重合体、ビニ
ルオキサゾリドン系モノマーと他の一般的なモノマーと
の共重合体、ビニルイミダゾール系モノマーと他の一般
的なモノマーとの共重合体等のカチオン性モノマーと他
の一般的なモノマーとの共重合体等が挙げられる。以上
のようなカチオン性樹脂が好適に用いられるが、これら
は単独でも複数を混合して使用もよく、勿論、これらに
限られるものではない。
【0029】カチオン性樹脂の使用量は、インク受容層
の30重量%以内で使用することが好ましい。30重量
%を超えて使用すると、インク受容層のインク吸収性が
低下し、ベタ均一性が低下し、異色間の境界滲みが発生
し易くなり、更にインク定着性も低下する場合がある。
又、染料インクの場合、画像の耐光性が悪くなる場合が
ある。更に必要ならば、顔料分散剤、増粘剤、消泡剤、
抑泡剤、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防黴
剤等を適宜配合することもできる。
【0030】これらのインク受容層を形成すべき材料
を、前述の基材上に塗工する際には、適当な溶媒を用い
て、ポリマー成分を溶解乃至はエマルジョン状態にし、
隙間形成材料成分は可能な限り細かく分散し塗工液とし
て塗工する。基材上における塗工領域は、特に限定され
るものではないが、本発明は、少なくともカード状に成
型された場合にカード状媒体端部にインク受容層の端部
が有るものに有効に適用される。
【0031】基材上にインク受容層を塗工する方法とし
ては、例えば、一般に行われるブレードコーター、スピ
ンコーター、ロールコーター、カーテンコーター、バー
コーター、スプレーコーター等の塗工装置が用いられ
る。塗工量としては、乾燥固形分として好ましくは3〜
80g/m2、より好ましくは、5〜40g/m2であ
る。3g/m2未満では、単色の画像においてもインク
の吸収性が充分でなく良好な画像が形成できない場合が
ある。5g/m2未満では、多色の画像においてインク
の吸収性が充分でなく良好な画像が形成できない場合が
ある。通常のインクジェット記録においては、乾燥固形
分として40g/m2程度のインク受容層が形成されて
いれば、インク吸収性において問題は無い。
【0032】特に、高印刷濃度の画像を得たり、階調性
を出すために薄い濃度のインクを通常の使用量より多く
付与する場合でも、80g/m2程度のインク受容層を
設ければ充分である。これ以上の塗工量とすることは、
1回の塗工でこの塗工量を得ることは困難で多数回の塗
工操作が必要になることから、プロセス的にも、又、必
要以上に材料を使用することからコスト的にも有利な点
は見い出せない。
【0033】塗工後、例えば、熱風乾燥炉、熱ドラム等
を用いて塗工液を乾燥し、インク受容層が形成される。
更に必要に応じてインク受容層の平滑化或いは表面強度
を上げるためにスーパーカレンダー処理等を施してもよ
い。以上のようにしてインク受容層が設けられた後に、
インクジェット記録を行うが、基材が大判のものを使用
した場合は、ここでカード状媒体に成型する打ち抜き加
工を行ってもよいし、大判のまま一度にインクジェット
記録した後に、上記加工を行ってもよい。
【0034】以上のようにして基材上にインク受容層が
形成された後、必要に応じてインクジェット記録方式に
より必要な情報を記録することができる。インクジェッ
ト記録を行う場合のインクは、公知のものが何等問題な
く使用可能である。又、色材としては直接染料、酸性染
料、塩基性染料、反応性染料、食用色素等に代表される
水溶性染料、更には分散染料、顔料等が使用可能であ
り、通常のインクジェット記録用のものであれば特に制
限なく使用できる。但し、インク受容層にカチオン性樹
脂が含有されている場合には、イオン的結合性の点か
ら、アニオン性の染料或いは顔料分散体を用いるのが好
適である。これら色材は、従来のインク中においては一
般にインク全量に対して0.1〜20重量%の割合で使
用されており、本発明においてもこの割合と同様でよ
い。
【0035】上記インクジェット記録に用いるインクに
使用する溶媒は、水又は水と水溶性有機溶剤との混合溶
媒である。水溶性有機溶剤を使用する場合は、一種又は
二種以上を使用することができるが、最も好ましい水溶
性有機溶剤は、1価又は多価アルコール及びその誘導体
を少なくとも1種含有するものである。中でも、チオジ
グリコール、ビスヒドロキシエチルスルホン、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレン
グリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコ
ールジメチルエーテル、エタノール等は特に良好なもの
である。
【0036】前記のインク受容層に上記のインクを付与
して記録を行うためのインクジェット記録方式は、イン
クをノズルより効果的に離脱させて射程体であるインク
受容層にインクを付与し得る方法であればいかなる方式
でもよい。特に、特開昭54−59936号公報に記載
されている方法で、熱エネルギーの作用を受けてインク
が急激な体積変化を生じ、この状態変化による作用力に
よって、インク滴をノズルから吐出させるインクジェッ
ト方式は有効に使用することができる。
【0037】印字直後のインク受容層は、インクに使用
されている溶媒である水或いは水溶性有機溶剤を含んで
いるため、これらを除去することが好ましい。除去する
方法としては、例えば、加熱、減圧、乾燥気体の吹き付
け等が挙げられ、これらの複数の方法を組み合わせて行
ってもよい。
【0038】次にインク受容層上に最表層を塗工する。
最表層としての材料は、インク受容層及びインク受容層
上に印刷された色材を、水、紫外線、酸素、オゾン、汚
れ等から守るものであるから、これらに対して耐性のあ
るものが使用される。具体的には、以下の樹脂が挙げら
れる。即ち、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリ
エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデ
ン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリ
ル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、グリコー
ル変性ポリエチレンテレフタレート樹脂(PETG)等
の樹脂類等が挙げられる。又、熱硬化性又は光硬化性の
樹脂を塗工した後、硬化させることも有効な方法であ
る。
【0039】これら樹脂の塗工方法としては、例えば、
ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、
カーテンコーター、バーコーター、スプレーコーター、
刷毛塗り等が挙げられる。最表層の塗工量としては、乾
燥時で2〜10g/m2が適当量である。2g/m2未満
では、上記した最表層の機能を満足に満たすことができ
ない場合があり、10g/m2以上では、過剰でありプ
ロセス的にもコスト的に不利である。尚、基材が大判の
ままここまで処理されたものは、ここでカード状媒体の
大きさに成型される。
【0040】次にカード状媒体の端部の封止を行う。封
止に用いる樹脂は、最表層に用いたものと同じ樹脂が使
用できるが、異なった樹脂を用いてもよい。封止する領
域は、端部が全て封止されても、勿論かまわないが、少
なくとも、インク受容層の端部が完全に封止される必要
がある。封止を行う際、カード状媒体一枚ずつ行っても
よいが、大きさや形状が揃ったもので、且つ厚さが有る
ものなので、多数枚を重ねあわせれば、端部がほぼ平面
に揃い、通常の塗工方法で樹脂を塗工すれば、一度に封
止することができる。
【0041】以上の説明では、最表層とカード状媒体端
部の封止に使用する樹脂を別々に塗工したが、同一の工
程で行うことも可能である。即ち、インク受容層が設け
られ、インクジェット記録方式により必要な情報が書き
込まれ、且つカード状媒体の大きさに成型されたもの
に、最表層とカード状媒体の端部の封止を同時に行うこ
とである。
【0042】カード状媒体の表面及び端部に同時に上記
の樹脂を塗工するには、塗工方法によってその条件を調
整する必要がある。例えば、スピンコーターでは、塗工
液の粘度、表面張力、回転数等を調整する必要がある。
この場合、カード状媒体の端部については、前示したよ
うに端部の全てを封止する必要はなく、少なくともイン
ク受容層の端部を完全に封止すればよい。
【0043】次に図面を用いて本発明を説明する。図1
は、本発明の具体例の一つを説明するためのカード状媒
体の断面図である。基材101上にはインク受容層10
2が設けられ、更に最表層103が設けられている。端
部については、樹脂104で少なくともインク受容層1
02が封止されている。これにより、カード状媒体端部
においても、インク受容層102及びインク受容層10
2上に印刷された情報は、水、紫外線、酸素、オゾン、
汚れ等から守られる。
【0044】図2は、本発明の他の具体例を説明するた
めのカード状媒体の断面図である。基材201上にはイ
ンク受容層202が設けられ、更に最表層203が設け
られている。端部の封止樹脂204は、最表層203と
同じ樹脂を用いている。即ち、最表層の形成と端部の封
止が同一工程で行われた場合の例を示してある。
【0045】図3は、本発明の他の具体例を説明するた
めのカード状媒体の断面図である。基材301の両面
に、インク受容層302が設けられ、更に最表層303
が設けられている。端部については、樹脂304で少な
くともインク受容層302が封止されている。本図で
は、インク受容層302がカード状媒体基材301の両
面に設けられている例を示している。
【0046】尚、図4は従来のカード状媒体の端部の断
面図である。基材401上にはインク受容層402が設
けられ、更に最表層403が設けられている。しかし、
カード状媒体の端部が樹脂等で封止されていないため
に、ここから水等が侵入し、インク受容層402上に記
録された情報が劣化してしまう。
【0047】更に最表層を形成する樹脂及びカード状媒
体端部を封止する樹脂に、熱可塑性樹脂粒子を使用する
ことにより、最表層及びカード状媒体端部を多孔質層と
して形成することができる。この場合、最表層は多孔質
層であるため、インク透過性とすることができるので、
インクジェット記録は、最表層を設けた後で行うことが
できる。又、カード状媒体端部の封止も多孔質層とした
場合、封止樹脂の塗工工程は最表層の塗工工程と同時と
することができるため、一回で済ますことが可能であ
る。
【0048】又、多孔質層の上からインクジェット記録
を行った後には、最表層及びカード状媒体端部の熱可塑
性樹脂粒子を加熱処理することにより、非孔質性とし
て、インク受容層を水、紫外線、酸素、オゾン、汚れ等
から保護することが好ましい。しかも、この工程も、一
工程で済ますことができる。この方法では、最表層及び
カード状媒体端部の封止樹脂が塗工された未印字のカー
ド状媒体を製造し、それ以降のインクジェット記録及び
加熱処理はユーザーが行うことができるので、クリニッ
クカード、メンバーズカード等の発行窓口で即時発行す
ることができ非常に便利である。
【0049】多孔質層を形成することができる熱可塑性
樹脂のとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリエ
チレン等の樹脂の粒子を使用することができる。又、こ
れらに対応するモノマーの共重合体の粒子も使用するこ
とができる。
【0050】熱可塑性樹脂粒子の平均粒子径としては、
好ましくは、0.1〜3μm、更に好ましくは0.2〜
2μm、最も好ましくは0.2〜0.8μmの範囲であ
る。この熱可塑性樹脂の平均粒子径が0.1μm未満で
あると、熱可塑性樹脂層の絶対的な空孔容積が小さくな
り、インク吸収性やインクジェット記録によって得られ
る画質が低下する場合がある。又、平均粒子径が5μm
を超えると、印字後、加熱等によって非孔質化処理を行
った場合、表面が平滑化しにくくなり、カード状媒体の
光度が低下する場合がある。
【0051】かかる熱可塑性樹脂粒子からなる多孔質層
を形成するには、熱可塑性樹脂粒子の固形分を10〜5
0重量%の範囲に調整した塗工液を、先に設けたインク
受容層の上に最表層として塗工する。又、カード状媒体
端部の少なくともインク受容層端部を封止するように塗
工してもよい。最表層の塗布と、カード状媒体端部への
塗布は、別々の工程で行ってもよいし、同一の工程で行
ってもよい。同一の工程で行えば、生産コストの低減に
なりより好ましいといえる。
【0052】熱可塑性樹脂粒子の最表層の塗工量として
は、印字後の処理により表面光沢性を付与し、干渉光の
発現を抑え、且つ保護層として充分機能する程度の厚さ
が必要であり、通常2〜10g/m2の範囲になるよう
に塗工されるのが好ましい。端部における塗工量は、2
〜30g/m2の範囲が好ましい。塗工量が2g/m2
満であると、保護層としての機能を発揮することが困難
になる場合がある。カード状媒体端部については、イン
クジェット印刷はされないので、画質や表面光沢につい
ては問題とならないため、最表層より厚く塗工すること
ができる。しかし、30g/m2を超えるのは過剰であ
るし、剥離等の問題も発生し易くなる場合がある。
【0053】上記のように最表層としての多孔質層が形
成された後、インクジェット記録を行うが、これについ
ては既に述べているのでここでは割愛する。次に最表層
及びカード状媒体端部を多孔質層として形成した熱可塑
性樹脂を熱処理し、非孔質化する。かかる処理を施すこ
とで、耐水性、耐光性等の耐候性が良好となり、画像に
光沢性を付与することができ、インクジェット記録によ
る印字物の長期保存を可能とする。
【0054】この際の加熱温度としては、基材、インク
受容層及びインク等の材料への影響、非孔質化後の表面
性を考慮すると、時間との関係もあるが、90〜180
℃の範囲が好ましい。ここで、基材が塩化ビニル樹脂の
ような軟化点の低い材料の場合では、加熱温度が60〜
70℃を超えると基材の変形が始まる。そこで、このよ
うな基材の場合は、カード状媒体全体を加熱することを
せず、熱源とは非接触とし、最表面のみに赤外線等の熱
線を照射し、最表層のみ加熱するか、加熱ラミネーター
のようなものを用い、短時間のうちに加熱処理を行うこ
とが望ましい。
【0055】
【実施例】以下、実施例により、本発明を更に具体的に
説明する。又、カード状媒体への記録は、キヤノン製バ
ブルジェットカラープリンターBJ F800を用い
た。印字モードは高品位専用紙モードとした。
【0056】実施例1 まず、インク受容層の塗工液を以下に従い調製した。無
機フィラーとしてアルミニウムイソプロポキシドの加水
分解・解膠法により、毛状束(繊毛状)構造のアルミナ
水和物(ゾル)を合成した。このアルミナ水和物の固形
分100重量部に対して、10重量部のポリビニルアル
コール(商品名:PVA117、クラレ製)及び0.5
重量部の硼酸(H3BO3)を加え、塗工液とした。この
塗工液を、寸法500mm×500mm、厚さ0.1m
mの透明硬質塩化ビニル樹脂シート(商品名:Genother
m ZE84、東亜化成製)に塗工し、60℃で20分間乾燥
した。乾燥後のインク受容層の厚さは33μmであっ
た。
【0057】次に厚さ0.28mmの白色硬質塩化ビニ
ル樹脂シート(商品名:GenothermFZ88、東亜化成製)
を2枚重ね、この上に上記したインク受容層を塗工した
塩化ビニルシートをインク受容層が外側になるように重
ね、下部にはインク受容層を塗工していない上記の厚さ
0.1mmの透明硬質塩化ビニル樹脂シートを重ねた。
これを、以下のように熱溶着処理して1枚のシートにし
た。即ち、150℃に加熱した表面が平滑なステンレス
板に挟み、5kg/cm2の圧力をかけながら5分間加
熱した後、1時間かけて40℃まで徐冷し、取り出し
た。次に打ち抜き加工を行いカード状媒体に成型した。
【0058】次に最表層及びインク受容層端部封止用の
樹脂として、熱可塑性樹脂の塩化ビニル樹脂粒子(商品
名:G−351、日本ゼオン製、塩化ビニルラテック
ス、皮膜形成温度100〜110℃)を用い、水で固形
分濃度40重量%に希釈した塗工液を用意した。塗工は
スピンコーターにより行った。塗工の条件は、上記塗工
液を、上記の通り成型したカード状媒体に適量滴下した
後、1,500rpmで60秒間処理した。その後、5
0℃で15分間乾燥した。乾燥後の表面の塗工厚は3〜
5μmであり、インク受容層端部の塗工厚は約5〜9μ
mで、インク受容層端部は全て覆われていた。
【0059】次に前示したインクジェット記録装置を用
いてインクジェット記録を行った。その後、160℃に
加熱したシリコンゴムロールの間を30mm/sec.
の送りスピードで通し、最表層及びインク受容層端部を
同時に加熱処理し、塗工した熱可塑性樹脂粒子を非孔質
化した。得られたカード状媒体の画像は美しいものが得
られた。又、インクをカード状媒体の表面及び端部全域
に付着させたが、カード状媒体はインクを吸収すること
がなく汚れなかった。
【0060】実施例2 実施例1と同様に、インク受容層を形成する塗工液を調
製した。この塗工液を、寸法200mm×300mm、
厚さ0.1mmの透明硬質塩化ビニル樹脂シート(実施
例1と同一のもの)に塗工し、60℃で20分間乾燥し
た。乾燥時のインク受容層の厚さは32μmであった。
次に厚さ0.28mmの白色硬質塩化ビニル樹脂シート
(実施例1と同一のもの)を2枚重ね、この上に上記し
たインク受容層を塗工した塩化ビニルシートをインク受
容層が外側になるように重ね、下部にはインク受容層を
塗工していない上記の厚さ0.1mmの透明硬質塩化ビ
ニル樹脂シートを重ねた。
【0061】これを実施例1と同様に加熱加圧処理し、
1枚のシートを得た。次に打ち抜き加工は行わず、イン
ク受容層の形成された面に、前示したインクジェット記
録装置を用いてインクジェット記録を行った。次に紫外
線硬化型表面処理材(製品名:スリーボンド3070、
スリーボンド製、ハードコートタイプ、プラスチック
用)を線径10ミルのワイヤーバーで塗工した。その
後、500Wの超高圧水銀灯を、シートからの照射距離
20cmで30秒間照射した。その結果、表面処理材の
タックはなくなり、硬化したことが確認できた。尚、塗
工量は3g/m2であった。
【0062】次に上記のシートを打ち抜き加工を行いカ
ード状媒体に成型した。次にこのカード状媒体100枚
を重ね合わせて端部を揃えた。この端部に上記した紫外
線硬化型表面処理材を刷毛により塗工した。常温で10
分間乾燥した後、同様に紫外線照射して硬化させた。得
られたカード状媒体の画像は美しいものが得られた。
又、インクをカード状媒体の表面及び端部全域に付着さ
せたが、カード状媒体はインクを吸収することがなく汚
れることはなかった。
【0063】実施例3 インク受容層を塗工した基材として、0.1mm厚の透
明PETG(製品名:ディアフィクスPG−C、三菱樹
脂製)を用い、コア材として0.28mmの白色PET
G(製品名:ディアフィクスPG−W、三菱樹脂製)を
用いた以外は実施例1と同様に行い、大判のインク受容
層を設けたシートを作成した。これを打ち抜き加工し、
カード状媒体に成型した。これに、前示したインクジェ
ット記録装置を用いてインクジェット記録を行った。次
に以下の組成の熱硬化型のエポキシ樹脂をスピンコータ
ーで2,000rpmで60秒間処理し、塗工した。 ・CS−2340−5(製品名:セメダイン製) 120部 ・メチルエチルケトン(希釈剤)(キシダ化学製) 200部
【0064】CS−2340−5は、主材と硬化材がセ
ットになっており、混合比は主材/硬化材=5/1であ
る。主材の100部とメチルエチルケトン200部を混
合したものに硬化材20部をすばやく混合し、塗工し
た。その後、50℃で10分間乾燥した後、70℃で2
時間加熱硬化した。表面の塗工量は2g/m2で、端部
については2〜8g/m2であった。インク受容層の端
部は全て覆うことができた。得られたカード状媒体の画
像は美しいものが得られた。又、インクをカード状媒体
の表面及び端部全域に付着させたが、カード状媒体はイ
ンクを吸収することがなく汚れることはなかった。
【0065】比較例1 実施例1と同様に、インク受容層を片面に設けた塩化ビ
ニル製の大判シートを作成した。これに、打ち抜き加工
を行わず大判の状態で、最表層として、実施例1と同じ
熱可塑性樹脂粒子の固形分15重量%液を、ワイヤー径
10ミルのワイヤーバーを用いて塗工した。その後、5
0℃で15分間乾燥した。乾燥後の表面の塗工厚は4〜
6μmであった。次に打ち抜き加工を行いカード状媒体
に成型した。尚、カード状媒体の端部のインク受容層は
むき出しの状態である。これに実施例1と同じインクジ
ェット記録を行った。その後、160℃に加熱したシリ
コンゴムロールの間を30mm/secの送りスピード
で通し、最表層を加熱処理し、非孔質化した。得られた
カード状媒体の画像は美しいものが得られた。しかし、
インクをカード状媒体の表面及び端部全域に付着させた
ところ、端部はインクを吸収し汚れてしまった。
【0066】比較例2 実施例2と同様に、大判でインク受容層を設けた硬質塩
化ビニル樹脂シートを作成した。次に実施例2と同様に
インクジェット記録を行った。更に実施例2と同様に紫
外線硬化型表面処理材を塗布し、紫外線硬化した。次に
打ち抜き加工を行いカード状媒体に成型した。カード状
媒体の端部の処理は行わなかった。得られたカード状媒
体の画像は美しいものが得られた。しかし、インクをカ
ード状媒体の表面及び端部全域に付着させたところ、端
部はインクを吸収し汚れてしまった。
【0067】比較例3 実施例3と同様に、大判のインク受容層を設けたシート
を作成した。これに打ち抜き加工をしない状態で、イン
クジェット記録を行い、更に実施例3と同じ熱硬化型の
エポキシ樹脂をスピンコーターで2,000rpmで6
0秒間処理し、塗工した。その後硬化処理を行った。そ
の後、打ち抜き加工を行いカード状媒体を得た。カード
状媒体の端部の処理は行わなかった。得られたカード状
媒体の画像は美しいものが得られた。しかし、インクを
カード状媒体の表面及び端部全域に付着させたところ、
端部はインクを吸収し汚れてしまった。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクジェット記録により個人の情報が容易に奇麗に印
刷されたカードを安価に得ることができる。又、得られ
たカードの画像は、特に端部が汚れに強く、耐水性や耐
薬品性に優れたものが得られる。又、従来から行われて
いる磁気や光記録等のデジタル記録、スクリーン印刷や
オフセット印刷等との併用も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例を示すカード状媒体の端部の断面
模式図。
【図2】本発明の他の例を示すカード状媒体の端部の断
面模式図。
【図3】本発明の他の例を示すカード状媒体の端部の断
面模式図。
【図4】従来例を示すカード状媒体の端部の断面模式
図。
【符号の説明】
101:基材 102:インク受容層 103:最表層 104:端部封止樹脂 201:基材 202:インク受容層 203:最表層 204:端部封止樹脂(最表層203と同一の樹脂を用
い、同一工程で塗工されているため、最表層との境界は
ない。) 301:基材 302:インク受容層 303:最表層 304:端部封止樹脂 401:基材 402:インク受容層 403:最表層

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック、金属等の耐水性基材の少
    なくとも片面の少なくとも一部にインクジェットインク
    受容層が積層され、更にその上面に非孔質性樹脂からな
    る最表層を有するカード状媒体において、カード状媒体
    端部の少なくともインク受容層端部が、非孔質性の樹脂
    で封止されていることを特徴とするカード状媒体。
  2. 【請求項2】 インク受容層の上面に積層された最表層
    が、熱可塑性樹脂粒子からなる多孔質層を加熱処理する
    ことにより得られた非孔質性樹脂からなる請求項1に記
    載のカード状媒体。
  3. 【請求項3】 インク受容層の上面に積層された最表層
    が、熱硬化性樹脂の硬化物よりなる請求項1に記載のカ
    ード状媒体。
  4. 【請求項4】 インク受容層の上面に積層された最表層
    が、活性エネルギー線硬化性樹脂の硬化物よりなる請求
    項1に記載のカード状媒体。
  5. 【請求項5】 最表層の樹脂及びカード状媒体端部に設
    けられた非孔質性の樹脂が、同一の樹脂である請求項1
    に記載のカード状媒体。
  6. 【請求項6】 インク受容層に、インクジェット記録方
    式により画像が形成されている請求項1に記載のカード
    状媒体。
  7. 【請求項7】 インクジェット記録方式が、インクに熱
    エネルギーを作用させてインク滴を形成する方式である
    請求項6に記載のカード状媒体。
  8. 【請求項8】 耐水性基材の少なくとも片面の少なくと
    も一部にインク受容層が積層され、更にその上面に非孔
    質性樹脂からなる最表層を有するカード状媒体の製造方
    法において、カード状媒体複数枚分の大きさの基材にイ
    ンク受容層を積層する工程、次いで所定の大きさのカー
    ド状媒体に成型する工程、最表層を設ける工程及びカー
    ド状媒体端部のインク受容層端部を樹脂によって封止す
    る工程を有することを特徴とするカード状媒体の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 最表層を設ける工程及びカード状媒体端
    部のインク受容層端部を樹脂によって封止する工程を同
    時に行う請求項8に記載のカード状媒体の製造方法。
  10. 【請求項10】 インク受容層上にインクジェット記録
    方式により情報を形成する工程を有する請求項8に記載
    のカード状媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】 インクジェット記録方式が、インクに
    熱エネルギーを作用させてインク滴を形成する方式であ
    る請求項9に記載のカード状媒体の製造方法。
  12. 【請求項12】 最表層及びカード状媒体端部のインク
    受容層端部を封止する樹脂が、多孔質層を形成する熱可
    塑性樹脂粒子であって、該多孔質層を通してインク受容
    層にインクジェット記録方式により情報を形成した後、
    上記熱可塑性樹脂粒子を加熱処理することにより非孔質
    性とする工程を有する請求項8に記載のカード状媒体の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 インクジェット記録方式が、インクに
    熱エネルギーを作用させてインク滴を形成する方式であ
    る請求項12に記載のカード状媒体の製造方法。
  14. 【請求項14】 耐水性基材の少なくとも片面の少なく
    とも一部にインク受容層が積層され、更にその上面に非
    孔質性樹脂からなる最表層を有するカード状媒体の製造
    方法において、カード状媒体複数枚分の大きさの基材に
    インク受容層を積層する工程、次いでインク受容層にイ
    ンクジェット記録方式により情報を形成し、非孔質性樹
    脂からなる最表層を設けた後、所定の大きさのカード状
    媒体に成型する工程、及びカード状媒体端部の少なくと
    もインク受容層端部を樹脂によって封止する工程を有す
    ることを特徴とするカード状媒体の製造方法。
  15. 【請求項15】 インクジェット記録方式が、インクに
    熱エネルギーを作用させてインク滴を形成する方式であ
    る請求項14に記載のカード状媒体の製造方法。
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