JP2005001320A - インクジェットインク受容層形成用インクおよびそれを用いたシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】疎水性を有するバインダ樹脂、前記バインダ樹脂と相溶性のある有機溶剤、親水性多孔質微粒子およびパール顔料を含むインクジェットインク受容層形成用インクを用いる。シート基材の少なくとも一方の面の所定部にこのインクを用いてインクジェットインク受容層を形成してなるシートにより課題を解決できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェットインク受容層形成用インクおよびそれを用いたシートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラチックカードの利用が広がる中で、その文字の形成方式としては、熱転写方式のプリンタによるもの(UG:Ultra Graphic)やレーザー方式による方法(レーザー光により色剤を発色させる方法)などが実用化されている。一方、インクジェットインクを使用するインクジェットプリンタによる記録形態は、高速、低騒音、機構が簡単で小型軽量、マルチカラー化が容易で、画像の大型化が容易、現像定着が不要、記録パターンの融通性が大きいなど多くの特徴があり、文字だけでなく画像の処理をも含んだハードコピーを得る方法として広く普及している。紙や紙カードへの印字については実用化されているが、インクジェットインクを使用して印字可能なプラスチックフィルムやプラチックカードが求められている。
インクジェットインクを使用するインクジェットプリンタでは、ジェットノズル部においてインクの乾燥によりインクの粘度が上昇して噴出不良となるのを防ぐため、比較的乾燥し難いインクが用いられており、しかも、インクジェットインクは一般に水溶性の染料や親水性顔料、バインダ、添加剤などを水に溶解したものからなるため、プラスチックフィルムやプラチックカードはインクジェットインクの受容性がなく乾燥や定着が不良となり印字困難である。
そこで、印字可能なプラスチックフィルムやプラチックカードの特性としては、(1)インクの定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらないこと、(2)印字濃度が高く、発色性に優れていること、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならないこと、などが求められる。
【0003】
一般的にインクジェットインク印字性向上のためには、通常の紙やインクジェット記録用紙と称されるシート基材上に非晶質シリカなどの微粒子とポリビニルアルコールなどの水溶性バインダ樹脂からなる多孔質のインクジェットインク受容層を設けてなる記録材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしこれらの記録材料は何れも通常の紙やインクジェット記録用紙などをシート基材として用いるものであり、プラスチックフィルムやプラチックカードなどのシート基材に対しては適用できない。
【0004】
そこで、透明な合成樹脂シート表面に、ポリビニルピロリドンを含有するインク受容層を設けたインクジェット記録用シート(特許文献2参照)、透明な熱可塑性樹脂フィルム上に、ポリビニルアルコールやゼラチンなどの水溶性樹脂とコロイダルシリカとを含有する透明なインク受容層を設けた記録用シート(特許文献3参照)、透明なプラスチックフィルム上に、平均粒径1〜100mμの超微粒子と平均粒径1〜20μmの微粒子とを含有する水溶性高分子の薄膜を設けた記録用シート(特許文献4参照)、透明フィルム上に粒径5〜50μm程度の透明性微粒子(ガラスビーズや合成樹脂球状マイクロビーズなど)を含有させた透明性接着剤を塗布したオーバーヘッドプロジェクタ用フィルム(特許文献5参照)、水溶性高分子化合物(例えば、ポリビニルピロリドン)と水不溶性高分子化合物(例えば、ソルビトールと芳香族アルデヒドの縮合生成物)を含む少なくとも2種の成分と、一方の成分に対して良溶媒であり、他方の成分に対して貧溶媒である溶媒とを含む加熱溶液を基材に直接塗布し、溶媒を高温で乾燥除去してインク受容層を形成する方法(特許文献6参照)、などが提案されている。
【0005】
しかし、ポリビニルピロリドンを含有するインク受容層は、インク液滴の付着により膨潤する膨潤型であるため、インクの固化能力が不十分であり、印字後の経時変化により画像のシャープさが低下する問題があり、また、膨潤型のインクジェット記録媒体は吸湿によりインク受容層が粘着性を持つようになるためブロッキングして取扱性が低下し易い問題がある。
コロイダルシリカやアルミナなどの無機粒子を高比率で混入した水溶性高分子からなるインク受容層は、インク液滴を吸収する吸収型であるため、インクの固化能力は良好であるものの、透明性が不十分であったり、脆くて割れ易い問題がある。
ガラスビーズや合成樹脂球状マイクロビーズなどを水溶性高分子バインダで結合固定してなるインク受容層は、インクの吸収性は良好であるが、定着性に劣り、滲みが多く、しかも脆くて割れ易い問題がある。
【0006】
これらの水溶性高分子を含有するインク受容層は、耐水性および耐候性が不十分であり、水との接触により水溶性高分子が溶解してインク受容層が破壊され易く、また厳しい環境下に置かれると画像が変化(変色や退色)を起こしたり、インク受容層の劣化が進み易い。そのため水溶性高分子を含有するインク受容層が形成されたインクジェット記録媒体は屋外におけるサイン用途や自動車への貼付など、耐水性および耐候性が要求される用途分野への適用に制限があった。
吸収型のインク受容層の場合には、水溶性高分子を架橋することにより耐水性および耐候性を向上することができるものの十分でなく、屋外では1ケ月程度でインク受容層が劣化して割れが発生する。
水溶性高分子化合物と水不溶性高分子化合物を含むインク受容層は、水不溶性高分子化合物の配合により耐ブロッキング性が改善されるものの、インク吸収性を水溶性高分子化合物や水溶性有機化合物により得ており、インク受容性、耐水性および耐候性が不十分である。
【0007】
また、以上に記載した従来のインク受容層形成用インクは基材に対して全面塗工を行うものであり、プラスチックフィルムやプラチックカードなどの基材の必要な部分に部分的にインク受容層を形成することはできなかった。
【0008】
本発明者は前記諸問題を解決するため、疎水性を有するバインダ樹脂、前記バインダ樹脂と相溶性のある有機溶剤、親水性多孔質微粒子を含むインクジェットインク受容層形成用インクを提案した(特許文献7参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開昭64−11877号公報
【特許文献2】
特開昭61−32788号公報
【特許文献3】
特開昭61−19389号公報
【特許文献4】
特開昭61−280983号公報
【特許文献5】
特開昭61−24494号公報
【特許文献6】
特許第2694042号公報
【特許文献7】
特願2003−11427号
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前記インクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインク受容層は、(1)インクの吸収、定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらず、(2)印字濃度が高く、発色性に優れており、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならない上、耐ブロッキング性、耐ひび割れ性、耐水性や耐候性にも優れる特性を有することが判ったが、光沢感に乏しいという問題があった。
昨今、偽造防止や改竄防止のためにパール光沢を付与するためにパール顔料を含むインクを用いて印刷してパール光沢を有する層を形成することが増加しているが、パール光沢を有する層上にコロイダルシリカやアルミナなどの多孔質微粒子を含むインクを塗布してインクジェットインク受容層を形成するとパール光沢が損なわれてしまう。
本発明の第1の目的は、前記インクジェットインク受容層形成用インクの特性を損なわずにパール光沢を有するインクジェットインク受容層を形成できるインクジェットインク受容層形成用インクを提供することであり、
本発明の第2の目的は、そのようなインクを用いてシート基材の所定部に形成されたパール光沢を有するインクジェットインク受容層を有するシートを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクは疎水性を有するバインダ樹脂、前記バインダ樹脂と相溶性のある有機溶剤、親水性多孔質微粒子およびパール顔料を含むことを特徴とする。
【0012】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、印刷インク適性に優れるため印刷機でシート基材(カード基材と称すこともある)の必要な所定の箇所に容易にパール光沢を有するインク受容層を形成でき、しかもこのインクを用いて形成されたインクジェットインク受容層は、(1)インクの吸収、定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらず、(2)印字濃度が高く、発色性に優れており、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならない上、耐ブロッキング性、耐ひび割れ性、耐水性や耐候性に優れる。
【0013】
本発明の請求項2記載のインクジェットインク受容層形成用インクは、請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクにおいて、インク全体100質量部に対して、親水性多孔質微粒子およびパール顔料が合計で5〜50質量部配合されており、かつ親水性多孔質微粒子:パール顔料の質量比が4:1〜1:4であることを特徴とする。
【0014】
親水性多孔質微粒子およびパール顔料の合計配合量およびその質量比が前記範囲内であると、本発明のインクの印刷インク適性が損なわれず、かつ光沢感、耐ひび割れ性などの表面強度、インクジェットインクの受容性に優れた受容層を形成できる。
【0015】
本発明の請求項3はシート基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1あるいは請求項2記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有してなることを特徴とするシートである。
【0016】
本発明のシートは、構成が簡単で安価であり、インクジェットインク受容層は光沢感に優れる上、(1)インクの吸収、定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらず、(2)印字濃度が高く、発色性に優れており、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならず、耐ブロッキング性、耐ひび割れ性、耐水性や耐候性に優れるので、磁気カード、ICカード、リライトカードなど各種カード、会員カード、健康保健証カードなどに適用できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
図1(イ)〜(ヘ)は、本発明のシートの1実施の形態の製造過程を模式的に説明する説明図である。
図1(イ)は断面説明図であり、(ロ)はその平面説明図である。(イ)、(ロ)に示したように、センターコア1にオーバーシート2(裏面)を積層してなるカード基材のセンターコア1上に公知のインクを用いて印刷して印刷層3が形成されている。4は印刷部である。
図1(ハ)は断面説明図であり、(ニ)はその平面説明図である。(ハ)、(ニ)に示したように、印刷層3上に本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて図示しない公知の印刷機により印刷し、乾燥して光沢感に優れるインクジェットインク受容層5が形成されており、インクジェットインク受容層5の上に公知のインクジェットインクを用いてインクジェットプリンタにより印刷してインクジェット印字部6が形成されている。
図1(ホ)は断面説明図であり、(ヘ)はその平面説明図である。(ホ)、(ヘ)に示したように、インクジェット印字部6を形成したインクジェットインク受容層5の上にオーバーシート7(表面)を積層して本発明のシート8が形成されている。
【0018】
図2(イ)〜(ロ)は、本発明のシートの他の実施の形態を模式的に説明する説明図である。
図2(イ)は断面説明図であり、(ロ)はその平面説明図である。(イ)、(ロ)に示したように、センターコア1にオーバーシート2(裏面)を積層してなるカード基材のセンターコア1上に公知のインクを用いて印刷して印刷層3が形成されている。4は印刷部である。印刷層3の上にさらにオーバーシート9が積層されており、そしてオーバーシート9上に本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて図示しない公知の印刷機により印刷し、乾燥して光沢感に優れるインクジェットインク受容層5が形成されており、インクジェットインク受容層5の上に公知のインクジェットインクを用いてインクジェットプリンタにより印刷してインクジェット印字部6が印字されて本発明のシート10が形成されている。
インクジェット印字部6を印字したインクジェットインク受容層5の上に保護するためにさらに図示しない保護層を設けることができる。
【0019】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、印刷インク適性に優れるため公知の印刷機でシート基材の必要な所定の箇所に容易にインクジェットインク受容層5を形成できる。
【0020】
公知のインクジェットインクを使用して、図示しないインクジェットプリンタにより、インクジェットインク受容層5上に印字(この例では被保険者番号、被保険者氏名、事業所名)すると、(1)インクの吸収、定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらず、(2)印字濃度が高く、発色性に優れており、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならない。またインクジェットインク受容層5は光沢感に優れるとともに透明性に優れる。
【0021】
本発明のシート8、10は、耐ブロッキング性、耐ひび割れ性、耐水性や耐候性に優れるので、耐水性および耐候性が要求される用途分野への適用が可能である。
【0022】
本発明で用いる疎水性を有するバインダ樹脂は疎水性を有する公知のインク用バインダ樹脂を用いることができ、インクのタイプは溶剤インク、赤外線、紫外線、電子線などの放射線を照射して硬化する放射線硬化型インク、特殊インクなどいずれでもよく、特に限定されるものではない。疎水性を有するバインダ樹脂としては、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、ハロゲン化ポリオレフィン系、ポリイミド系、アクリル系、エチレン・ビニルアルコール共重合体系、ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合系、ポリエーテルスルホン系などの1つ以上のバインダ樹脂を挙げることができる。
【0023】
ポリエステル系、ハロゲン化ポリオレフィン系、アクリル系、ポリ塩化ビニル系から選ばれる樹脂はバインダ樹脂としての特性により優れるとともに、入手が容易で安価であるので本発明において好ましく使用できる。
【0024】
アクリル系バインダの例として疎水性を有するアクリル系光硬化性成分を挙げることができる。親水性を有するアクリル系光硬化性成分が常温の水によく溶解し放置しても分離したり沈殿を生じたりない、例えばエチレングリコール単位を分子内にもつポリエチレングリコール(nは3以上であり、およそ14以下)ジアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)トリアクリレートなどのアクリル系光硬化性成分と異なり、疎水性を有するアクリル系光硬化性成分は常温の水に溶解したりしない疎水性を有するものであって、公知の疎水性を有するアクリル系光重合性モノマーおよび/または疎水性を有するアクリル系光重合性オリゴマーから任意に選んで用いることができる。
例えば、エチレングリコール単位を分子内にもたないか、あるいは持っていてもn=2以下のポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは2以下)トリアクリレートなどのアクリル系光硬化性成分を挙げることができる。
【0025】
疎水性を有する光重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体などを挙げることができる。
【0026】
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマーを用いることができる。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0027】
疎水性を有するアクリル系光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介して飽和ポリエステルセグメントが連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。
これらのアクリル系光重合性オリゴマーは、重量平均分子量凡そ2000〜30000の範囲のものが適当である。
【0028】
光重合開始剤は、従来公知のもので良く、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド−ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、通常アクリル系光硬化性成分100質量部当り、5〜15質量部の範囲で選ばれるのが好ましい。
【0029】
本発明で用いる有機溶剤は本発明で用いる前記バインダ樹脂と相溶性のある有機溶剤であればよく、特に限定されるものではない。しかし、有機溶剤として沸点50〜200℃の有機溶剤を用いることにより安全性、乾燥性、作業性などのバランスに優れるインクジェットインク受容層形成用インクが得られるので本発明において好ましく使用できる。沸点50℃未満では引火の危険性があり不安全となる恐れがあり、沸点200℃を超えると乾燥性が悪くなり乾燥温度を高くしたり、乾燥時間を長くしたり、減圧にするなどの必要があるので作業性が悪くなり、コストアップとなる恐れがある。
【0030】
前記有機溶剤の配合量は特に限定されないが、インク全体に対して30〜80質量%であることが印刷インク適性、取り扱い性、作業効率を向上できるので望ましい。30質量%未満では粘度が高過ぎて印刷インク適性が劣る恐れがあり、80質量%を超えると粘度が低過ぎて取り扱い性や乾燥性が悪くなり、また作業効率が悪くなり、コストアップとなる恐れがある。
【0031】
本発明で用いる親水性多孔質微粒子は、疎水性多孔質微粒子が水に分散し難く、水に分散させても、静置して放置すると、沈殿して、2層に分離してしまうのに対して、水に容易に分散でき、分散させた後、静置して放置しても沈殿が起きず、均一な懸濁状態を維持するような多孔質微粒子である。
【0032】
親水性多孔質微粒子としては、親水性無機酸化物多孔質微粒子と親水性樹脂多孔質微粒子が挙げられる。親水性多孔質微粒子の具体例としては、例えば、アルミナ微粒子、各種デンプン系微粒子、微粒状アクリル樹脂、微粒状メタクリル樹脂、天然ゼオライト微粒子、合成ゼオライト微粒子、炭酸カルシウム微粒子、活性白土微粒子、シリカ微粒子などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0033】
本発明で用いる親水性多孔質微粒子としてシリカ微粒子はインクジェットインクの吸収性、定着性などの特性により優れるとともに、入手が容易で安価であるので本発明において好ましく使用できる。
【0034】
本発明で用いるパール顔料は真珠光沢を有する顔料で、光が入射した時規則的に多重反射し、真珠光沢が表れるものである。パール顔料の例として、雲母に反射性(高虹彩反射)を与える金属酸化物を被覆したものを挙げることができる。金属酸化物の被覆の例としては、Sb2 S3 、Fe2 O3 、PbO、ZnSe、CdS、Bi2 O3 、TiO2 、PbCl2 、CeO2 、Ta2 O5 、ZnS、ZnO、CdO、Nd2 O3 、Sb2 O3 、SiOおよびInO3 の単層の被覆もしくは2層に被覆する例を挙げることができる。雲母と金属酸化膜が組み合わされた時、その屈折率の差が0.4より大きいパール顔料は入射した白色光の反射量が多く、また、同時に雲母と金属酸化膜の界面で副屈折を起こすことから、高虹彩反射性となるので本発明において好ましく使用できる。雲母を被覆する金属酸化膜の膜厚を制御することで任意の色調の高虹反射性を持ったパール顔料とすることができる膜厚は10〜10000オングストローム、望ましくは200〜2000オングストロームの範囲の膜厚が可視域に対して高虹彩反射性となるので望ましい。
【0035】
このようなパール顔料の市販のものとしては「Iriodin」(商品名:MERCK社製)がある。「Iriodin」は天然マイカの表面を酸化チタンおよび酸化鉄などの高屈折率の金属酸化物で被覆した安定した無機パール顔料であり、屈折率の高い酸化チタンの層と屈折率の低いマイカおよび周りの媒体との境界で反射した光が真珠光沢をもたらすものである。
この「Iriodin」には、被覆された酸化チタンの膜厚を変えることによって虹彩色の特定な色を強調させることができる。このようなパール顔料は単独で、あるいはさらに有色顔料との混合物として用いることもできる。
【0036】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクに対する親水性多孔質微粒子およびパール顔料の配合量は特に限定されるものではないが、本発明のインク全体100質量部に対して、親水性多孔質微粒子およびパール顔料が合計で5〜50質量部配合されており、かつ親水性多孔質微粒子:パール顔料の質量比が4:1〜1:4であると、本発明のインクの印刷インク適性が損なわれず、かつ光沢感、耐ひび割れ性などの表面強度、インクジェットインクの受容性に優れた受容層を形成できるので好ましい。
【0037】
また、本発明のインク全体100質量部に対して、親水性多孔質微粒子が2.5〜25質量部の範囲で配合されていることが良好なインクジェットインクの受容性が得られるので好ましく、5〜15質量部の範囲で配合されていることがさらに好ましく、パール顔料が2.5〜25質量部の範囲で配合されていることが良好な光沢感が得られるので好ましく、5〜15質量部の範囲で配合されていることがさらに好ましい。
【0038】
本発明のインク全体100質量部に対して、親水性多孔質微粒子およびパール顔料が合計で5質量部未満であるとインクジェットインクの受容性および/または光沢感が損なわれる恐れがあり、逆に両者の合計量が50質量部を超えると本発明のインクの印刷適性が損なわれたり、形成されたインクジェットインク受容層の表面強度が低下する恐れがある。
【0039】
そして親水性多孔質微粒子:パール顔料の質量比が前記範囲内にあることが良好なインクジェットインクの受容性および光沢感が得られるので好ましく、パール顔料がこの質量比の下限値未満であるとインクジェットインクの受容性はよいが光沢感が損なわれる恐れがあり、逆にパール顔料がこの質量比の上限値を超えると光沢感はよいが親水性多孔質微粒子の割合が適正値を下回り、インクジェットインクの受容性が損なわれる恐れが生じる。
【0040】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクに、吸水性、定着性、耐水性をさらに向上するなど吸水性、定着性、耐水性を調整するために、固体の1級〜3級アミンまたは4級アンモニウム塩のオリゴマー、ポリマーなどのカチオン性樹脂を適宜添加することができる。
特に好ましいカチオン性樹脂の例として、具体的には、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物などあるいはこれらの2種以上の混合物などである。本発明におけるカチオン性樹脂としては市販のものを好適に利用できる。
【0041】
市販の粉末状微細粒子のカチオン性樹脂の具体例としては、例えば、三洋化成工業(株)製ポリアミン系のサンフィクス555、サンフィクス555C、サンフィクス555NK、サンフィクス555US、第一工業製薬(株)製のレオックスAS(特殊カチオン樹脂)、シャロールDM−254P(メタクリル酸エステルクロライド4級塩ポリマー)、シャロールDM−283P(メタクリル酸エステルクロライド4級塩ポリマー)、日東紡績(株)製のPAA−HCI−3S(ポリアリルアミン塩酸塩)、PAA−HCI−10S(ポリアリルアミン塩酸塩)などを挙げることができる。
【0042】
本発明のインク中へのカチオン性樹脂の配合量は、特に限定されないが、バインダ樹脂成分100質量部に対してカチオン性樹脂1〜40質量部が好ましく、より好ましくは5〜35質量部である。カチオン性樹脂がこの範囲を超えて多いとシート基材との接着性が劣る恐れがあり、逆にカチオン性樹脂がこの範囲未満であると水性インクの吸着性、吸収性、定着性、耐水性に劣る恐れがあり、それぞれ好ましくない。
【0043】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクには、さらに、所望に応じて慣用されている添加成分、例えば、反応性希釈剤、粘着付与剤、粘度調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、消泡剤、各種安定剤、着色剤、滑剤、増感剤などを含有させることもできる。
【0044】
本発明のインクジェットインク受容層形成用インクは、オフセット印刷機、シルクスクリーン印刷機、グラビアコーター、フレキソ、エアナイフコーター、バーコーターなどの塗工手段によりシート基材の少なくとも一方の面の所定部に塗工し、必要に応じて乾燥、紫外線照射して、インクジェットインク受容層を有する本発明のシートを形成することができる。
【0045】
本発明で用いるシート基材としては、通常の紙、コート紙、アート紙、それにオーバーコート層(保護層)をもつ用紙やフィルム、プロセスカラー印刷を施したパンフレットやカタログ、書類などの他に、合成紙、あるいはポリエチレン、透明性を有するポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、塩化ビニルなどあるいはこれらの2種以上を組み合わせた合成フィルムや合成シートを用いることもできる。これらの合成フィルムや合成シートを用いる場合には基材の表面をマット処理、コロナ処理などの表面処理を施すのが好ましい。また、シート基材面への本発明のインクの塗工量は特に限定されないが、例えば1〜30g/m2、好ましくは3〜20g/m2 、さらに好ましくは5〜15g/m2 とする。
【0046】
本発明において用いるインクジェットインクとしては、たとえばアントラキノン系、ベンゾキノン系、ナフトキシキノン系、キサンテン系、トリフェニルメタン系、キノリン系、インジゴイド系、アジン系、オキサジン系、チアジン系およびメチン系染料からなる群から選ばれた少なくとも1種のアニオン性インクが好適に用いられる。このインクに使用する媒体としては、水系、油系、水と水溶性有機溶媒などの混合溶媒系を用いることができる。このほかに、pH調整剤、粘度調整剤、表面張力調整剤などを含有させることができる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
(実施例1)
下記の原料(1)〜(7)を高速ミルを使用して混練し、本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製した。
【0048】
得られた本発明のインクを用いて図1に示すようにポリ塩化ビニル樹脂製カード基材上に10μmの厚みになるようにスクリーン印刷し、45℃/50分間乾燥し、インクジェットインク受容層を形成した。このインクジェットインク受容層の上に図1(ハ)(ニ)に示すようにScitex社インクジェットプリンタ#6240で印字してインクジェット印字部6を形成した。得られたカードについてオーバーシートを重ね多段プレス(ラミプレス)にて140℃下で成型し、図1(ホ)、(ヘ)に示す本発明のシート(カード)を完成させた。そして下記の方法で評価を行った結果を表1に示す。
【0049】
(評価方法)
1.ひび割れ
得られたインクジェットインク受容層を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:全くひび割れなし。
○:ややひび割れあり。
△:ひび割れあるが、実用上問題ない。
×:ひび割れ多く実使用不可。
【0050】
2.表面欠陥
得られたインクジェットインク受容層を目視で観察し、以下の基準で乾燥時の風紋を評価した。
◎:全く風紋なし。
○:やや風紋あり。
△:風紋あるが、実用上問題ない。
×:風紋多く実使用不可。
【0051】
3.インクジェットインク受容性
Scitex社インクジェットプリンタ#6240で印字直後にPPC用紙を印字部に重ねて軽く圧着し、PPC用紙に転写したインク量を目視で観察し、以下の基準で評価した。
◎:全く転写なし。
○:やや転写あり。
△:転写するが、実用上問題ない。
×:転写が大きく実使用不可。
【0052】
4.光沢感
比較例1で得られたカードの光沢感(光沢感が最もよい)と比較して実施例および他の比較例の光沢感を評価した。
◎:全く変わらない。
○:やや光沢感が減衰した印象があるが、単独で見た場合には十分な光沢感がある。
×:光沢感が大きく減衰し、実使用不可。
【0053】
(実施例2)
下記の原料(1)〜(7)を高速ミルを使用して混練し、本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製した。
【0054】
得られた本発明のインクを用いて実施例1と同様して本発明のシート(カード)を作り、実施例1と同様して評価を行った結果を表1に示す。
【0055】
(実施例3)
下記の原料(1)〜(8)を、高速ミルを使用して混練し、本発明のインクジェットインク受容層形成用インクを調製した。
【0056】
得られた本発明のインクを用いて実施例1と同様して本発明のシート(カード)を作り、実施例1と同様して評価を行った結果を表1に示す。
【0057】
(実施例4)
実施例1で使用したパール顔料をパール顔料(商品名:Iriodin299、メルク社製)に変更した以外は実施例1と同様して本発明のシート(カード)を作り、実施例1と同様して評価を行った結果を表1に示す。
【0058】
(実施例5)
実施例1において、合成親水性シリカ微粒子を7.5質量部に、パール顔料を7.5質量部に変更した以外は実施例1と同様して本発明のシート(カード)を作り、実施例1と同様して評価を行った結果を表1に示す。
【0059】
(実施例6)
実施例1において、合成親水性シリカ微粒子を5質量部に、パール顔料を10質量部に変更した以外は実施例1と同様して本発明のシート(カード)を作り、実施例1と同様して評価を行った結果を表1に示す。
【0060】
(比較例1)
実施例1で用いた合成親水性シリカ微粒子を用いなかった以外は実施例1と同様にして比較のシート(カード)を作り、実施例1と同様して評価を行った結果を表1に示す。
【0061】
(比較例2)
比較例1で用いた比較のためのインクを用いて実施例1と同様にしてポリ塩化ビニル樹脂製カード基材上に5μmの厚みになるようにスクリーン印刷し、45℃/50分間乾燥した後、その上にさらに実施例1で用いたパール顔料を用いなかった以外は実施例1と同様にして調製した比較のためのインクを用いて5μmの厚みになるようにスクリーン印刷し、45℃/50分間乾燥した以外は実施例1と同様にして比較のシート(カード)を作り、実施例1と同様して評価を行った結果を表1に示す。
【0062】
(比較例3)
図2(イ)に示したオーバーシート9上に、比較例2と同様にして、先ず比較例1で用いた比較のためのインクを用いてスクリーン印刷し、乾燥後、その上にさらに実施例1で用いたパール顔料を用いなかった以外は実施例1と同様にして調製した比較のためのインクを用いてスクリーン印刷し、乾燥した。その上にScitex社インクジェットプリンタ#6240で図2(ロ)に示したような印字を行ってインクジェット印字部6を形成した。得られたカードについて下記の処方にて作成したOPニスを5μmの厚みになるようにフレキソ印刷し、70℃の温風乾燥機中で5秒間レベリング処理した後、160w/cmのメタルハライドランプを使用し、コンベアスピード40m/min.の紫外線硬化条件で硬化させ、保護層を形成して比較のシート(カード)を作り、実施例1と同様して評価を行った結果を表1に示す。
【0063】
(OPニスの調製)
トリメチロールプロパンEO付加トリアクリレート(商品名:V#360、大阪有機化学工業社製)55質量部とパラクミルフェノールEO変性(n≒1)アクリレート(商品名:アニロックスM−110、東亜合成社製)35質量部および硬化性架橋剤ビスフェノールA(EO)nジアクリレート(商品名:ネオマーBA−641、三洋化成社製)2質量部を混合し、これに光重合開始剤(商品名:KAYACURE BDMK、日本化薬社製)8質量部を溶解して、OPニスを得た。
【0064】
【表1】
【0065】
表1から、実施例1〜6の本発明のシートはひび割れ、表面欠陥、インクジェットインク受容性、光沢感ともに優れていることが判る。それに対して比較例1のシートはインクジェットインク受容性が劣り、比較例2、3のシートは光沢感が劣る。
【0066】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクは、疎水性を有するバインダ樹脂、前記バインダ樹脂と相溶性のある有機溶剤、親水性多孔質微粒子およびパール顔料を含むことを特徴とするものであり、印刷インク適性に優れるため印刷機でシート基材(カード基材)の必要な所定の箇所に容易にパール光沢を有するインクジェットインク受容層を形成でき、しかもこのインクを用いて形成されたインクジェットインク受容層は、(1)インクの吸収、定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらず、(2)印字濃度が高く、発色性に優れており、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならない上、耐ブロッキング性、耐ひび割れ性、耐水性や耐候性に優れるという顕著な効果を奏する。
【0067】
本発明の請求項2記載のインクジェットインク受容層形成用インクは、請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インクにおいて、インク全体100質量部に対して、親水性多孔質微粒子およびパール顔料が合計で5〜50質量部配合されており、かつ親水性多孔質微粒子:パール顔料の質量比が4:1〜1:4であることを特徴とするものであり、親水性多孔質微粒子およびパール顔料の合計配合量およびその質量比が前記範囲内であると、本発明のインクの印刷インク適性を損なわずに、光沢感、耐ひび割れ性などの表面強度、インクジェットインクの受容性により優れたインクジェットインク受容層を形成できるというさらなる顕著な効果を奏する。
【0068】
本発明の請求項3はシート基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1あるいは請求項2記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有してなるシートであり、構成が簡単で安価であり、インクジェットインク受容層は光沢感に優れる上、(1)インクの吸収、定着が速やかで、かつ良好であり、印刷後インクの液だれなどが起こらず、(2)印字濃度が高く、発色性に優れており、(3)インク液滴が拡散してドットの径が必要以上に大きくならず、耐ブロッキング性、耐ひび割れ性、耐水性や耐候性に優れるので、磁気カード、ICカード、リライトカードなど各種カード、会員カード、健康保健証カードなど各種用途に広く適用できるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(イ)〜(ヘ)は、本発明のシートの1実施の形態の製造過程を模式的に説明する説明図である。
【図2】(イ)〜(ロ)は、本発明のシートの他の実施の形態を模式的に説明する説明図である。
【符号の説明】
1 センターコア
2、7、9 オーバーシート
3 印刷層
4 印刷部
5 インクジェットインク受容層
6 インクジェット印字部
8、10 本発明のシート
Claims (3)
- 疎水性を有するバインダ樹脂、前記バインダ樹脂と相溶性のある有機溶剤、親水性多孔質微粒子およびパール顔料を含むことを特徴とするインクジェットインク受容層形成用インク。
- インク全体100質量部に対して、親水性多孔質微粒子およびパール顔料が合計で5〜50質量部配合されており、かつ親水性多孔質微粒子:パール顔料の質量比が4:1〜1:4であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットインク受容層形成用インク。
- シート基材の少なくとも一方の面の所定部に請求項1あるいは請求項2記載のインクジェットインク受容層形成用インクを用いて形成されたインクジェットインク受容層を有してなることを特徴とするシート。
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