JP2005280311A - インクジェット記録媒体及びその記録物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、インクジェット記録方式において光沢があり、インク吸収性、画像色彩性に優れたインクジェット画像が得られ、屋外などで使用した場合でも耐水性の良い、インクジェット記録物を提供することを目的とするものである。
【解決手段】支持体上に少なくとも1層以上のインク受容層を設けてなるインクジェット記録媒体において、該インク受容層の最表層が熱可塑性微粒子と結着剤と水溶性多価金属塩を含有してなることを特徴とするインクジェット記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明はインクジェット記録媒体に関するものであり、更に詳しくは、最表層に熱可塑性微粒子と結着剤と水溶性多価金属塩を含有するインク受容層を設けたインクジェット記録媒体に関するものである。本発明のインクジェット記録媒体は、インクジェット記録後にインク受容層を被膜化することにより、光沢があり、色彩性、インク吸収性及び耐水性に優れた記録物が得られる。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録媒体に付着させて画像や文字等の記録を行なうものである。このインクジェット記録方式は、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として種々の用途において急速に普及している。又、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して、遜色のない記録を得ることが可能であり、更に、作成部数が少なくて済む用途においては、写真技術によるものよりも安価であることから、フルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
インクジェット記録方式で使用される記録媒体としては、通常の印刷や筆記に使われる上質紙やコーテッド紙を使うべく、装置やインク組成の面から努力がなされてきた。しかし、装置の高速化・高精細化或はフルカラー化等インクジェット記録装置の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録媒体に対して、より高度な特性が要求されるようになった。即ち、該記録媒体としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早くて印字ドットが重なった場合においてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が均一で必要以上に大きくなく、且つ周辺が滑らかでぼやけないこと、経時や環境で画質の変化がないこと、例えば、耐光性、耐水性、耐オゾン性に優れていること等が要求される。
このような要求に対して、従来からいくつかの提案が行われてきた。インク吸収性向上や印字ドットの拡散防止に対しては支持体上にインク受容層を設ける方法(例えば、特許文献1参照)、インク受容層中におけるインク中の染料成分の分布状態が色彩性や鮮鋭性に影響することに着目して、染料成分を吸着する特定の薬剤を用いる方法(例えば、特許文献2参照)等が示されている。又、耐光性、耐水性、耐オゾン性を向上させるために、塩基性オリゴマーを含有させること(例えば、特許文献3参照)、基材中又は基材上の塗工層にポリビニルアミン共重合物を用いること(例えば、特許文献4参照)等が開示されている。
更に、用途の多様化に伴ってポスターやPOPアートに使用されたり、裏面に粘着剤層を設けて価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示用ラベル、計量表示用ラベル、広告宣伝用ラベル(ステッカー)等のラベル用途に使用されている。また、広い範囲の被着体に良く接着し、貼り付け作業が簡単なため、他面に接着層を介して感熱特性、磁気特性、オフセット印刷適性を有するシート等と貼り合わせて複合した機能を付加させることも可能となることから、切符、定期券、各種カード等への応用も広がりつつある。
しかしながら、これらの特性に対する要求は次第に高度になり、厳しくなる一方で、大判のポスター等に使用される用途においては、これらが屋外で使用され、風雨にさらされたり、直射日光にさらされたりすることも多くなった。従って、これらの環境に対抗できる能力をも保有することが、インクジェット記録媒体に要求される場合がある。
従来からインクジェット記録方式では、インクとして水性或は油性の溶媒中に染料や顔料を溶解あるいは分散させたインクが使用されてきた。中でも各種の水溶性染料を水または水と有機溶媒との混合物に溶解させた水溶性染料インクが主流である。水溶性染料インクはインクジェット記録装置のインク吐出ヘッドのメンテナンス性に優れており、また、印字後の発色性、解像力等に優れている。しかし、水溶性なるが故に記録画像の耐水性に問題がある。また、水溶性染料は本来耐候性(光や空気、温湿度による画像の退色や消失)が劣るため、特に記録媒体を屋外展示する場合、急速に画像が退色したり、消失したりする欠点がある。顔料インクは耐候性に優れているものの、屋外展示するにはインク受容層の耐水性が不十分なために顔料インクで印字後、PETフィルム等でラミネート加工してから屋外用途に使用する場合が多い。
インクジェット記録媒体の形態としては、所謂、上質紙・ボンド紙等に代表される普通紙タイプと上質紙等の紙、合成紙、合成樹脂フィルム等の支持体面上にインク受容層を設けた塗工タイプに大別される。塗工タイプのインクジェット記録媒体は、塗設されたインク受容層の特性が印字品質に直接影響することから、吸収性に対しては顔料の比表面積や形状の選択、色彩性や色再現性等については顔料の透明性や屈折率の検討、画像品質に対しては塗層構造や表面形状等、用紙の波打ち等の改善については水中伸度、合成繊維やガラス繊維の配合といった種々の検討、更には塗工方法等について種々検討がなされてきた。
更にインクジェット記録後に、表面にフィルムを貼り合せたり、クリアーな樹脂層を塗工したり、前もってインク受容層表面に熱可塑性微粒子の層を設けておき、インクジェット記録後に該熱可塑性微粒子を溶融する事によって耐水性や光沢を得ようとする試み(例えば、特許文献5参照)もなされている。
インクジェット記録後にインク受容層表面の熱可塑性微粒子層を被膜化する方法としては、バライタ写真印画紙の乾燥に用いられるフェロタイプ乾燥機のような熱ドラムに圧着する、あるいは加圧と加熱の2本のロールの間を通す等種々の方法があるが、一般的には加熱した平滑な金属ロールに圧着することにより被膜化する場合が多い。この被膜化処理により熱可塑性微粒子層が溶解または融解して成膜され、耐水性、耐候性、光沢性或は透明性を得るという提案であるが、熱ドラムや熱ロールの表面に該熱可塑性微粒子が粘着してしまうとか、光沢が発現しないとか、更なる改善が求められていた。
また、インク受容層の上に熱可塑性微粒子層を塗工して設ける際に、下層のインク受容層の空気が塗工した熱可塑性微粒子層側に抜けることより、熱可塑性微粒子層に塗工欠陥(以下、ピンホールとする)が発生し、耐水性、耐候性、光沢性に悪影響を与えることがある。
特開昭58−72495号公報 特開昭55−144172号公報 特開昭60−11389号公報 特開平1−8085号公報 特開平7−237348号公報
本発明は、インクジェット記録方式においてインク吸収性、画像色彩性に優れた光沢のあるインクジェット画像が得られるインクジェット記録媒体、および屋外などで使用した場合でも耐水性の良いインクジェット記録物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究した結果、支持体上に少なくとも1層以上のインク受容層を設けてなるインクジェット記録媒体であって、該インク受容層の最表層に熱可塑性微粒子と結着剤と水溶性多価金属塩を含有する層を設けることによって、前記目的を達成できるインクジェット記録媒体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
該水溶性多価金属塩が、Mg、Zn、Al、Ca、Baから選ばれる少なくとも1種以上の塩であるとより好ましい。
該結着剤がソープフリータイプの高分子乳化物で、乳化剤がポリビニルアルコールであるとより好ましい。
該熱可塑性微粒子がポリオレフィン系熱可塑性微粒子であると好ましく、更にポリオレフィン系熱可塑性微粒子がポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体のいずれかであるとより好ましい。
さらに本発明は、インクジェット記録後、該熱可塑性微粒子と結着剤と水溶性多価金属塩を含有するインク受容層を加熱等により、溶解または融解して被膜化するインクジェット記録物である。
本発明によれば、インクジェット記録方式においてインク吸収性、画像色彩性に優れた光沢のあるインクジェット画像が得られ、さらに屋外などで使用した場合でも耐水性の良いインクジェット記録物が得られる。
以下、本発明のインクジェット記録媒体について、詳細に説明する。本発明で使用するインクジェット記録媒体は、インク受容層最表層(以下、単に最表層とする)に熱可塑性微粒子と結着剤と水溶性多価金属塩を含有するインク受理層を形成するものであり、印字後にこの最表層を溶解または融解して被膜化(透明化)することにより、画像の耐水性に優れ、かつ優れた光沢性を有した画像が得られるものである。
本発明者らは、最表層に発生するピンホールによって耐水性や光沢性が低下することから、ピンホールの発生を防止する手法及び物質に関して鋭意検討した結果、熱可塑性微粒子と結着剤からなる最表層塗工液に特定の水溶性多価金属塩(以下、単に多価金属塩とする)を添加することにより、ピンホールの発生がなくなり、優れた耐水性と光沢性のインクジェット記憶媒体を作製できることを見いだした。ピンホールが改良される理由は定かではないが、多価金属塩が熱可塑性微粒子の分散剤や結着剤に作用して最表層塗工液の下層への浸透性が上がり、下層のインク受容層の空気がすばやく抜けることより、最表層のピンホールがなくなったと考える。
また、二次的な効果として多価金属塩が顔料インクの色材顔料あるいは分散剤に作用してこれを凝集、固着することにより最表層での顔料インク吸収性や発色性を大幅に向上することが出来た。
本発明で使用される多価金属塩は、2価以上の多価金属塩であれば特に限定されるものではなく、例えばMg、Al、Ca、Zn、Ba、Cu、Fe、Ni、Bi、Co、Mn、Pb、Cr等多価金属の硫酸塩、硝酸塩、塩化物等、またミョウバンに代表されるような多価と1価の硫酸塩との複塩等が挙げられる。これら多価金属塩は結晶水が付加した状態で安定に存在する場合があるが、このような結晶水が存在してもその効果に影響はない。また、これら多価金属塩は、単独で使用しても2種以上を併用してもかまわない。この場合、異なる多価金属塩同士でも良いし、同金属の硫酸塩と塩化物のような組合せでもかまわない。これら多価金属塩中でもMg、Al、Ca、Zn、Ba、Fe、Cuの多価金属塩は他の多価金属塩と比較して、人体への危険度、毒性が低いもの、水溶液が呈色を示さないものが多いことから特に好ましい。
更に本発明者らは、多価金属塩の効果を良好に発現させるために必要とされる添加量についても検討を行った。その結果、多価金属塩の種類によって異なるが、熱可塑性微粒子に対して0.5質量%以上で最表層のピンホール防止効果がある。また、12質量%以上使用すると塗工液性が悪くなる傾向がある。よって、多価金属塩の含有率は最表層の固形分量に対して0.5質量%以上12質量%未満が好ましい。
本発明は2価以上の多価金属塩であれば特に問題なく使用できるが、これがNaやKといった1価金属塩の場合、ピンホール防止効果は低く、多価金属塩と同等の効果を引き出すためには多量に使用する必要があり、結果として塗工液の特性やインクジェット記録用紙としての特性に影響をもたらすため現実的でない。
本発明で使用される結着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、シリル変性ポリビニルアルコール等;無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体、アクリル酸又はメタクリル酸の重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或いはこれらの各種重合体のカルボキシル基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系等の水性バインダー;ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系バインダーを挙げることができる。これらの結着剤は、単独または複数を併用してもよく、通常は熱可塑性微粒子に対して1〜30質量%を添加して使用され、好ましくは3〜20質量%である。上記の添加量の範囲未満では熱可塑性微粒子の接着性が悪化する傾向になり、添加量の範囲より多くなるとインク吸収性を低下する傾向を示す。
さらに、本発明で使用されるより好ましい結着剤は、ソープフリータイプの高分子乳化物である。ソープフリータイプの高分子乳化物とは、非水溶性高分子の重合反応時の乳化剤として、界面活性剤ではなく、水溶性高分子を使って乳化したもので、ソープレスとも称されるものである。この水溶性高分子は非水溶性高分子の保護コロイドまたは共重合体成分として非水溶性高分子を親水性化する。このソープフリータイプの高分子乳化物は、界面活性剤を使用して乳化重合したものより耐水性や被膜強度が向上する。この非水溶性高分子としては、例えば、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステル類、ポリアクリル酸エチルなどのポリアクリル酸エステル類等を挙げることが出来る。熱可塑性微粒子と結着剤からなる最表層を溶解または融解して被膜化した後の被膜の耐水性や透明性の点から、アクリル酸エステル重合体エマルジョンやスチレン−アクリル共重合体エマルジョンを使用することがより好ましい。非水性溶高分子の重合時に乳化剤として使用される水溶性高分子としては、非水溶性高分子のオリゴマー、ポリビニルアルコール、澱粉、水溶性セルロース誘導体、ポリビニルピロリドン等、またはこれらの共重合物が挙げられる。より好ましくはポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールを乳化剤として乳化重合した高分子乳化物を使用すると、界面活性剤で乳化重合した高分子乳化物とポリビニルアルコールをそれぞれ別々に調製したものを使用する場合より、最表層被膜の耐水性が良好で、熱可塑性微粒子との混合性も良好となる。さらに、最表層塗工液にポリビニルアルコールを併用した場合の混合性も良好となる。最表層被膜の耐水性が良好で、しかもインク吸収性が改良される理由は定かではないが、熱可塑性微粒子と結着剤の混合性が改良され、均一に分布するためではないかと考える。
乳化剤としてのポリビニルアルコールは、重合度1700以下のもので、重合度300〜500程度の低重合度のものやオリゴマータイプのものが好ましく使用される。このポリビニルアルコールは乳化される高分子に対して0.5〜50質量%で、好ましくは1〜10質量%で使用される。これらのソープフリータイプの高分子乳化物は単独または複数を併用してもよく、通常は熱可塑性微粒子に対して1〜30質量%を添加して使用され、好ましくは3〜20質量%である。上記の添加量の範囲未満では熱可塑性微粒子の接着性が悪化する傾向を示し、添加量の範囲より多くなるとインク吸収性を低下する傾向がある。
本発明で使用出来る熱可塑性微粒子としては、例えばポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリメトキシスチレン、ポリクロルスチレン等のポリモノビニリデン芳香族、ポリ塩化ビニル、ポリビニルシクロヘキサン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデン等のポリオレフィン及びポリハロオレフィン類、ポリメタクリレート、ポリクロルアクリレート、ポリメチルメタクリレート等のα、β−エチレン性不飽和酸のエステル類の重合体等及びこれらの共重合体等が挙げられる。より好ましくは、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体等の低密度ポリオレフィンである。
熱可塑性微粒子は、通常平均粒子径(直径)0.01μm〜50μmのものが使用され、特に平均粒子径0.1μm〜20μmのものが好ましく使用される。直径が0.01μmより小さいと形成される空隙が小さくなりすぎ、インクの吸収性を遅くする傾向がある。また50μmより大きいと、インクのドットより大きな面積を占める粒子が表面に存在することになり、画質が低下する傾向を示す。
熱可塑性微粒子の最低造膜温度(MFT)は、50℃以上、160℃以下であることが好ましい。最低造膜温度(MFT)が50℃に満たない場合は、最表層塗工液を塗工し、乾燥する際に緻密な被膜となりやすく、最表層の多孔性を得るのが困難となり、最表層のインク吸収性が低下する傾向がある。最低造膜温度(MFT)が160℃を超える場合は、被膜形成時の加熱処理温度を高くする必要があり、樹脂の分解や変色、基材あるいは画像の熱変性等の問題が発生することがある。
一般に熱可塑性微粒子は低温域で高い弾性率を示し、ガラス転移温度(Tg)付近でゴム状にその状態を変化する。多くの熱可塑性微粒子はこのTg付近で造膜を開始し、さらに高温域では流動化する。大部分の熱可塑性微粒子の最低造膜温度(MFT)はほぼTgと一致する。
熱可塑性微粒子と結着剤と多価金属塩を含有する最表層には、更にポリビニルアルコールやその変性物またはポリビニルピロリドン等を結着剤として併用してもよい。これらの結着剤を併用することにより、最表層のインク吸収性は向上するが、被膜化したときの耐水性や透明性が低下する傾向があるため、併用する結着剤の添加量としては熱可塑性微粒子に対して20質量%以下が好ましい。また、その他の添加剤として、消泡剤、抑泡剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、染料定着剤(カチオン性高分子)等の公知の添加剤を添加することもできる。
熱可塑性微粒子と結着剤と多価金属塩を含有する最表層を支持体上に形成する場合、好ましい塗工量(乾燥固形分)は0.5g/m2〜60g/m2である。支持体上に最表層を単独で形成する場合のより好ましい塗工量は10g/m2〜50g/m2であり、これより塗工量が少ない場合はインク吸収性がやや不十分な場合がある。また、後述するような予めインク受容層を設けた支持体上に最表層を形成する場合のより好ましい塗工量は0.5g/m2〜30g/m2である。塗工量が0.5g/m2以下の場合は被膜化が不十分となり、耐水性や光沢性が充分に得られないことがある。
熱可塑性微粒子と結着剤と多価金属塩を含有する最表層の塗工方法としては、例えば、スライドホッパー方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等の通常用いられている各種塗工方式が挙げられるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
塗工後に乾燥する手段としては、一般の公知の方法を用いることができ、限定されない。例えば、熱源により発生した加熱空気を送風した加温器内に搬送する方法、ヒーター等の熱源近傍を通過させる方法等がある。塗工表面の温度が熱可塑性微粒子の最低造膜温度(MFT)以下の温度で乾燥を行うことができれば、どんな方法でもよい。
本発明においては、熱可塑性微粒子と結着剤と多価金属塩を含有する最表層を支持体上に単独で形成してもよいし、支持体上にインク受容層を設けた後に該最表層を形成してもよい。この場合のインク受容層は、本発明に係る最表層の形成に先立って支持体上に設けられ、熱可塑性微粒子と結着剤と多価金属塩を含有する最表層に付与されたインクを吸収・保持して画像が形成される層であり、顔料を主体としてなる多孔質層である。
インク受容層に使用する顔料としては、公知の顔料を一種類以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、チタンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリスチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などが挙げられる。上記の中でもインク吸収層の主体成分として含有する顔料としては多孔性無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナが挙げられ、特に細孔容量の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
インク受容層に使用する顔料の結着剤としては、例えば、澱粉およびその変性物、ゼラチンおよびそれらの変性物、カゼイン、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリビニルアルコールまたはそのカチオン変性物や、シラノール変性物、SBRラテックス、NBRラテックス、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体や、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のラテックス類、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸の重合体またはその共重合体等を挙げることができ、単独または二種以上を組み合わせて使用してもよい。
インク受容層には、顔料および結着剤に加え、必要に応じて、界面活性剤、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤等の公知の各種添加剤を使用することもできる。
インク受容層の支持体への塗工量(乾燥固形分)としては30g/m2以下が好ましい。塗工量が30g/m2より多くなると支持体との接着性が不良になったり、インク受容層にヒビ割れが発生したりすることがある。
インク受容層の塗工方法としては、例えば、スライドホッパー方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式、ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等の通常用いられている各種塗工方式が挙げられるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
また、塗工後に乾燥する手段としては、一般の公知の方法を用いることができ、限定されるものではない。例えば、熱源により発生した加熱空気を送風した加温器内に搬送する方法、ヒーター等の熱源近傍を通過させる方法等がある。
本発明で使用される支持体としては、透明、不透明のいずれの基材も使用でき、例えば、一般紙、コーテッド紙、バライタ紙、樹脂被覆紙等、ポリエステル、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン等の透明フィルム、あるいは、これらに白色顔料を充填したり、あるいは微細な発砲により白色化したフィルムや合成紙、更に、ガラス、アルミニウム箔、蒸着紙、蒸着フィルム、布地等、熱可塑性微粒子と結着剤と多価金属塩を含有する最表層を設けることができる支持体であれば特に限定されるものではない。
本発明における支持体には、接着性向上等の目的でアンカー層を設けてもよい。アンカー層にはゼラチン等の親水性バインダー、ポリビニルブチラール等の溶剤可溶性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有させることができる。
本発明における支持体には、帯電防止性、搬送性、カール防止性、筆記性、糊付け性等のために、各種のバックコート層を塗設することができる。バックコート層には、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、滑剤、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有させることができる。
また、写真の印画紙調の光沢感、風合いを得るためには、白色のポリエステルフィルムまたは樹脂被覆紙を用いることが好ましく、また、支持体のJIS−P−8123で測定したハンター白色度が65%以上であることが特に好ましく、JIS−Z−8741で測定した60度鏡面光沢が30%以上であることが好ましい。
本発明に用いる支持体の厚さについては特に制限する必要はないが、ハンドリング性とプリンタの通紙適性から、50〜300μm程度のものが好ましい。また、写真の印画紙の風合いを得るためには200〜300μm程度のものが好ましい。
以下に本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例及び比較例において「部」及び「%」は、特に明示しない限り質量部及び質量%を示す。なお、配合において示す部数は実質成分(固形分)の数量である。
<支持体Aの作製>
濾水度450mlCSFのLBKP100部からなる木材パルプに、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、市販アルキルケテンダイマー0.1部、市販カチオン性ポリアクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉1.0部、硫酸バンド0.5部を調整後、長網抄紙機をもちいて坪量100g/m2で抄造し、市販酸化澱粉をサイズプレスで乾燥付着量3g/m2付着させて乾燥し、カレンダー処理して「支持体A」を得た。
<インク受容層A塗工液>
合成非晶質シリカ(ミズカシルP78D:株式会社水澤化学工業製)100部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ株式会社製)30部、カチオン性ポリマー(スミレーズレジン1001:住友化学工業株式会社製)20部を用い、固形分濃度16%に調整して塗工液を得た。
この塗工液を「支持体A」上に乾燥後の塗工量が20g/m2になるように塗工し、乾燥して「インク受容層A」を設けた。
<支持体Bの作製>
LBKPからなる坪量103g/m2の原紙の表面に、低密度ポリエチレン85部と二酸化チタン15部からなる樹脂組成物を25g/m2塗工し、裏面に、高密度ポリエチレン50部と低密度ポリエチレン50部からなる樹脂組成物を20g/m2塗工して、樹脂被覆紙を作製した。この樹脂被覆紙表面側にゼラチン95部とクロムみょうばん5部からなる組成物をアンカー層として0.05g/m2塗工し、「支持体B」を得た。
<インク受容層B塗工液>
合成非晶質シリカ(ファインシールX37B:株式会社トクヤマ製)100部、ポリビニルアルコールのシラノール変性物(R1130:クラレ株式会社製)30部、カチオン性ポリマー(スミレーズレジン1001:住友化学工業株式会社製)20部を用い、固形分濃度16%に調整して塗工液を得た。
この塗工液を「支持体B」上の表面に乾燥後の塗工量が20g/m2になるように塗工し、乾燥して「インク受容層B」を設けた。
<最上層塗工液1>
熱可塑性微粒子としてポリゾールAT−2000(スチレン・アクリル系共重合体、MFT=85℃:昭和高分子株式会社製)100部、結着剤としてヨドゾールA−4100(アクリル系重合体エマルジョン、ポリアクリル酸を乳化剤として使用:日本エヌエスシー株式会社製)20部、多価金属塩として硫酸マグネシウム2部を用い、固形分濃度を40%に調整した最上層塗工液1を得た。
この最上層塗工液1を「支持体A」上に「インク受容層A」を設けたものにワイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が20g/m2 となるように塗工し、最上層を設け、60℃熱風乾燥して実施例1のインクジェット記録媒体を得た。
実施例1における熱可塑性微粒子をアクアテックスMC4400(エチレン・酢酸ビニル系共重合体:中央理化工業株式会社)に替える以外は、実施例1と同様の方法で実施例2のインクジェット記録媒体を得た。
実施例1における熱可塑性微粒子をポリオレフィン系熱可塑性微粒子のケミパールWP−100(ポリプロピレン、MFT=142℃:三井化学株式会社製)に替える以外は、実施例1と同様の方法で実施例3のインクジェット記録媒体を得た。
実施例1における熱可塑性微粒子をポリオレフィン系熱可塑性微粒子のケミパールM−200(ポリエチレン、MFT=105℃:三井化学株式会社製)に替える以外は、実施例1と同様の方法で実施例4のインクジェット記録媒体を得た。
実施例1における結着剤をスミカフレックスS−400(エチレン・酢酸ビニル系共重合体エマルジョン、ポリビニルアルコールを乳化剤として使用:住友化学工業株式会社製)に替える以外は、実施例1と同様の方法で実施例5のインクジェット記録媒体を得た。
実施例4における結着剤をスミカフレックスS−400(エチレン・酢酸ビニル系共重合体エマルジョン、ポリビニルアルコールを乳化剤として使用:住友化学工業株式会社製)に替える以外は、実施例4と同様の方法で実施例6のインクジェット記録媒体を得た。
実施例1における多価金属塩を硫酸カリウムアルミニウム5部に替える以外は、実施例1と同様の方法で実施例7のインクジェット記録媒体を得た。
実施例4における多価金属塩を硫酸カリウムアルミニウム5部に替える以外は、実施例4と同様の方法で実施例8のインクジェット記録媒体を得た。
実施例5における多価金属塩を硫酸カリウムアルミニウム5部に替える以外は、実施例5と同様の方法で実施例9のインクジェット記録媒体を得た。
実施例6における多価金属塩を硫酸カリウムアルミニウム5部に替える以外は、実施例6と同様の方法で実施例10のインクジェット記録媒体を得た。
<最上層塗工液2>
ポリオレフィン系熱可塑性微粒子としてケミパールA−100(エチレン・プロピレン系共重合体、MFT=85℃:三井化学株式会社製)100部、結着剤としてヨドゾールA−4100(アクリル系重合体エマルジョン、ポリアクリル酸を乳化剤として使用:日本エヌエスシー株式会社製)20部、多価金属塩として塩化亜鉛7部を用い、固形分濃度を40%に調整した最上層塗工液2を得た。
この最上層塗工液2を「支持体A」上にワイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が40g/m2となるように塗工し、最上層を設け、60℃熱風乾燥して実施例11のインクジェット記録媒体を得た。
実施例11における結着剤をニューコートPV−400(アクリル系重合体エマルジョン、ポリビニルアルコールを乳化剤として使用:新中村化学工業株式会社製)に替える以外は、実施例11と同様の方法で実施例12のインクジェット記録媒体を得た。
実施例11における結着剤をレジン125−1025(酢酸ビニル系重合体エマルジョン、ポリビニルアルコールを乳化剤として使用:日本エヌエスシー株式会社製)に替える以外は、実施例11と同様の方法で実施例13のインクジェット記録媒体を得た。
<最上層塗工液3>
ポリオレフィン系熱可塑性微粒子としてケミパールM−200(ポリエチレン、MFT=105℃:三井化学株式会社製)100部、結着剤としてニューコートPV−400(アクリル系重合体エマルジョン、ポリビニルアルコールを乳化剤として使用:新中村化学工業株式会社製)20部、多価金属塩として塩化マグネシウム3部を用い、固形分濃度を40%に調整した最上層塗工液3を得た。
この最上層塗工液3を「支持体B」上に「インク受容層B」を設けたものにワイヤーバーを用いて乾燥後の塗工量が20g/m2となるように塗工し、最上層を設け、60℃熱風乾燥して実施例14のインクジェット記録媒体を得た。
実施例14における結着剤をヨドゾールAD−81B(スチレン・アクリル系共重合体エマルジョン、変性ポリビニルアルコールを乳化剤として使用:日本エヌエスシー株式会社製)に替える以外は、実施例14と同様の方法で実施例15のインクジェット記録媒体を得た。
実施例14における結着剤をモビニール760H(酢酸ビニル・アクリル系共重合エマルジョン、ポリビニルアルコールを乳化剤として使用:クラリアントポリマー株式会社製)に替える以外は、実施例14と同様の方法で実施例16のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例1)
実施例1における多価金属塩を使用しない以外は、実施例1と同様の方法で比較例1のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例2)
実施例4における多価金属塩を使用しない以外は、実施例4と同様の方法で比較例2のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例3)
実施例6における多価金属塩を使用しない以外は、実施例6と同様の方法で比較例3のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例4)
実施例7における多価金属塩を使用しない以外は、実施例7と同様の方法で比較例4のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例5)
実施例9における多価金属塩を使用しない以外は、実施例9と同様の方法で比較例5のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例6)
実施例14における多価金属塩を使用しない以外は、実施例14と同様の方法で比較例6のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例7)
実施例1における多価金属塩を硫酸カリウム10部に替える以外は、実施例1と同様の方法で比較例7のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例8)
実施例6における多価金属塩を硫酸ナトリウム8部に替える以外は、実施例6と同様の方法で比較例8のインクジェット記録媒体を得た。
(比較例9)
実施例14における多価金属塩を硫酸ナトリウム8部に替える以外は、実施例14と同様の方法で比較例9のインクジェット記録媒体を得た。
<インクジェット記録物の作製>
上記により得られたインクジェット記録媒体について、インクジェットプロッタ(JV2−130:ミマキ株式会社製)を用い、顔料インクを使用して4原色のベタ印字及び高精細な写真画像の印字を行った。更に、120℃(実施例3と比較例3は160℃)の鏡面ロールに押し当てて最表層を溶融し被膜化(透明化)させてインクジェット記録物を作製し、下記の評価方法により評価を行った。その結果をまとめて表1と表2に示す。
<光沢度>
光沢度の評価は光沢度計(GM−26D型 株式会社村上色彩技術研究所製)を使用し、未印字部の75度鏡面光沢をJIS−P−8142の方法で測定した光沢度を表す。
<インク吸収性>
4原色のベタ印字部及び高精細な写真画像を描画した部分のインクの溢れや滲み具合を目視で評価し、特に優れているものを◎、優れているものを○、やや滲みがあるものを△、使用に耐えないものを×とする。○以上がインク吸収性として良好で、実用上問題ないレベルであると判断する。
<画像色彩性>
記録画像の画質は、最表層を被膜化した後の、画像が完全にクリアーに見えるものを◎、クリアーに見えるものを○、ややかすみがかかったようにくすんで見えるものを△、白っぽく彩度が低下しているものを×とする。○以上が色彩性として良好で、実用上問題ないレベルであると判断する。
<耐水性>
耐水性は最表層を被膜化した後、被膜面の上にゴムにより水漏れ防止加工をした直径10cmの金属リングを載せ、リングの中に赤色インクで着色した水を入れ10分間放置後、ピンホールの影響による被膜面からのインク着色水染み込みの有無を評価した。染み込みの無かったものを○、僅かに染み込みの発生しているものを△、明らかに染み込みがあるものを×とする。○が耐水性として良好で、実用上問題ないレベルであると判断する。
Figure 2005280311
Figure 2005280311
表1と表2から判るように、本発明の実施例のようにインク受容層最表層に熱可塑性微粒子と結着剤と水溶性多価金属塩を含有するインク受容層を形成することにより、インク吸収性が良好で、光沢があり、画像色彩性、耐水性も良好なインクジェット記録物が得られる。比較例は、最表層のピンホール発生が耐水性に悪影響を及ぼしている。

Claims (6)

  1. 支持体上に少なくとも1層以上のインク受容層を設けてなるインクジェット記録媒体であって、該インク受容層の最表層が熱可塑性微粒子と結着剤と水溶性多価金属塩を含有してなることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 該水溶性多価金属塩が、Mg、Zn、Al、Ca、Baから選ばれる少なくとも1種以上の塩であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体。
  3. 該結着剤がソープフリータイプの高分子乳化物で、乳化剤がポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録媒体。
  4. 該熱可塑性微粒子がポリオレフィン系熱可塑性微粒子である請求項1〜3のいずれか一項記載のインクジェット記録媒体。
  5. 該ポリオレフィン系熱可塑性微粒子がポリエチレンまたはエチレン−プロピレン共重合体である請求項4記載のインクジェット記録媒体。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載のインクジェット記録媒体に、インクジェット記録後、該熱可塑性微粒子と結着剤を含有するインク受容層を溶解または融解して被膜化することを特徴とするインクジェット記録物。
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