WO2024106334A1 - デバイス、観察方法、回収方法、培養方法、及び、デバイスの製造方法 - Google Patents

デバイス、観察方法、回収方法、培養方法、及び、デバイスの製造方法 Download PDF

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享史 大坂
隆宏 浅井
杏奈 高橋
亮正 仲村
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東京応化工業株式会社
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Abstract

このデバイス(1)は、細胞又は粒子を個別に格納可能な試料室(2)を有するユニット(3)を複数備えるデバイスであって、前記ユニット(3)は、前記試料室(2)に対応する格納部(4)を有する格納層(5)と、前記格納部(4)に液体を流通するための構造体(6)と、を備え、複数の前記ユニット(3)は、互いに前記液体の流通がなく独立している。

Description

デバイス、観察方法、回収方法、培養方法、及び、デバイスの製造方法
 本発明は、デバイス、観察方法、回収方法、培養方法、及び、デバイスの製造方法に関する。
 本発明は、2022年11月14日に、日本に出願された特願2022-181803号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 例えば、特許文献1には、細胞をスクリーニングするための細胞スクリーニングデバイスが開示されている。細胞スクリーニングデバイスは、底板部と、底板部上に設けられ、細胞載置面を構成する細胞載置膜と、底板部上に細胞載置膜とは区画して設けられた一対の流体注入部と、底板部と細胞載置膜との間に設けられ、流体注入部まで流路端部が延びている流路と、を備える。細胞載置膜の細胞載置面には、スクリーニングすべき細胞を個別に収容可能なサイズを有する複数のウェルと、ウェルの内底面から流路に通じる貫通孔と、が形成されている。このデバイスでは、機械的な嵌合で、細胞載置膜を有する試料室と流路とが形成されている。
国際公開第2021/065771号
 しかし、機械的な嵌合で試料室と流路とが形成される場合は、互いに独立して流体を扱える複数の試料室を設けることが困難である。そのため、1つのデバイスの中で複数の試料(細胞又は粒子)を観察することができない可能性が高い。
 そこで本発明は、1つのデバイスの中で複数の試料(細胞又は粒子)を独立に観察することを目的とする。
(1)本発明の一態様に係るデバイスは、細胞又は粒子を個別に格納可能な試料室を有するユニットを複数備えるデバイスであって、前記ユニットは、前記試料室に対応する格納部を有する格納層と、前記格納部に液体を流通するための構造体と、を備え、複数の前記ユニットは、互いに前記液体の流通がなく独立している。
 この構成によれば、各ユニットの間で格納部が独立するため、1つのデバイスに複数の独立した試料室を設けることができる。したがって、1つのデバイスの中で複数の試料(細胞又は粒子)を独立に観察することができる。例えば、1つのデバイスの中で複数の独立した条件の実験を行うことができる。
(2)上記(1)に記載のデバイスでは、前記構造体は、前記格納部に前記液体を流通するための通液ポートを有し、前記格納層が貼り付けられた通液部材と、前記格納層を介して前記通液部材に貼り付けられ、前記試料室、前記格納層、前記通液ポートの間の前記液体の流通を可能にする流路形成体と、を備えていてもよい。
 なお、前記構造体は、前記格納部に前記液体を流通するための通液ポートを有し、前記格納層が貼り付けられた通液部材を備えていてもよい。また、前記構造体は、前記格納層を介して前記通液部材に貼り付けられ、前記試料室、前記格納層、前記通液ポートの間の前記液体の流通を可能にする流路形成体を備えていてもよい。
 この構成によれば、3つの部材(通液部材、格納層、流路形成体)でデバイスを構成可能となる。
(3)上記(2)に記載のデバイスでは、前記通液部材は、前記試料室を有し、前記格納層が貼り付けられる第1部材と、前記通液ポートを有し、前記第1部材に組み合わせられる第2部材と、を備えていてもよい。
 なお、前記通液部材は、前記試料室を有し、前記格納層が貼り付けられる第1部材を備えていてもよい。また、前記通液部材は、前記通液ポートを有し、前記第1部材に組み合わせられる第2部材と、を備えていてもよい。
 この構成によれば、通液部材を2つの部材(第1部材、第2部材)に分割することで、格納層を貼り付ける部分が第1部材のみになる。第1部材は第2部材よりも小さいので、第1部材に対応する複数の格納層を1つの基材上に形成し、これを第1部材に貼り付ける場合、上記の3つの部材のみ(単一の通液部材、格納層、流路形成体)でデバイスを構成する場合と比較して、より高密度に基材上に格納層を形成することができる。したがって、同一面積の基材当たりの格納層の取れ数を大幅に増やすことができる。
(4)上記(2)又は(3)に記載のデバイスでは、前記流路形成体は、透明な第1シートと、前記第1シートに積み重ねられ、前記通液ポートと前記試料室とをつなぐ連通穴を有する第2シートと、を備えていてもよい。
 なお、前記流路形成体は、透明な第1シートを備えていてもよい。また、前記流路形成体は、前記第1シートに積み重ねられ、前記通液ポートと前記試料室とをつなぐ連通穴を有する第2シートを備えていてもよい。
 この構成によれば、1つのユニットに1つの試料室がある場合の流路形成体を得ることができる。例えば、第1シート及び第2シートのそれぞれの片面に接着層を設けてもよい。または、第2シートの両面に接着層を設けてもよい。
(5)上記(2)又は(3)に記載のデバイスでは、前記流路形成体は、透明な第1シートと、前記第1シートに積み重ねられ、前記通液ポートと前記試料室とをつなぐ連通穴を有する第2シートと、前記第2シートに積み重ねられ、前記通液部材の前記通液ポート及び前記試料室に対応する位置に開口孔を有する第3シートと、を備えていてもよい。
 なお、前記流路形成体は、前記第2シートに積み重ねられ、前記通液部材の前記通液ポート及び前記試料室に対応する位置に開口孔を有する第3シートを備えていてもよい。
 この構成によれば、1つのユニットに複数の試料室がある場合の流路形成体を得ることができる。例えば、各シート間に接着層を設けることで、各シートを接着することができる。どのシートに接着層を設けるかの組み合わせは、下記の3通りがある。
(A)第1シート、第2シート及び第3シートのそれぞれの片面に接着層を設けてもよい。
(B)第2シートの両面と第3シートの片面とに接着層を設けてもよい。
(C)第2シートの片面と第3シートの両面とに接着層を設けてもよい。
(6)上記(2)又は(3)に記載のデバイスでは、前記流路形成体は、透明な第1シートと、前記第1シートに積み重ねられ、前記通液ポートと前記試料室とをつなぐ連通穴を有する第2シートと、前記第2シートに積み重ねられ、前記通液部材の前記通液ポート及び前記試料室に対応する位置に開口孔を有する第3シートと、前記第3シートに積み重ねられ、前記第3シートと同じ平面視形状を有する第4シートと、を備え、前記第2シートの両面と前記第4シートの両面には、接着層が設けられていてもよい。
 なお、前記流路形成体は、前記第3シートに積み重ねられ、前記第3シートと同じ平面視形状を有する第4シートを備えていてもよい。また、前記第2シートの両面には、接着層が設けられていてもよい。また、前記第4シートの両面には、接着層が設けられていてもよい。
 この構成によれば、第3シートの両面には接着層を設けなくて済むため、第3シートの接着層と流通する液体との接触を可及的に減らすことができる。例えば、上記の接着層を設ける組み合わせのうち(A)又は(B)を採用することで、第3シートの両面には接着層を設けなくて済むため、本効果を得ることができる。
 例えば、接着層を有しない透明な第1シートと、両面に接着層を有するシートとで流路を形成する場合、上記の第2シートと第3シートとの間に、接着層を有せず、第3シートと同じ平面視形状を有する第4シートを挿入するとよい。
(7)上記(2)から(6)の何れか一つに記載のデバイスでは、前記流路形成体の厚みは、2mm以下であってもよい。
 なお、前記流路形成体の厚みは、1.5mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい。
 この構成によれば、流路形成体の厚みが2mm超過の場合と比較して、高倍率観察が容易となる。
(8)上記(1)から(7)の何れか一つに記載のデバイスでは、前記格納層は、前記細胞又は前記粒子が通過可能な大きさのウェル開口を有するウェルアレイフィルターであり、前記ウェル開口に対応するウェル底部を備え、前記ウェル底部は、前記液体のみを通過させる貫通孔を有していてもよい。
 なお、前記格納層は、前記細胞又は前記粒子が通過可能な大きさのウェル開口を有していてもよい。また、前記格納層は、前記ウェル開口に対応するウェル底部を備えていてもよい。また、前記ウェル底部は、前記液体のみを通過させる貫通孔を有していてもよい。
 この構成によれば、ウェルアレイフィルターを備えた1つのデバイスの中で複数の試料(細胞又は粒子)を観察することができる。
(9)上記(1)から(8)の何れか一つに記載のデバイスでは、前記格納層は、ネガ型レジストで形成されていてもよい。
 なお、前記格納層は、ポジ型レジストで形成されていてもよい。
 この構成によれば、微細加工に好適なフォトリソグラフィ(例えば、フォトレジスト塗布、露光、現像の工程)により格納層を製造することができる。
(10)上記(1)から(9)の何れか一つに記載のデバイスでは、前記デバイスは、平面視でスライドガラスと同じ大きさの外形を有し、前記試料室は、前記デバイスに、2個、4個、6個又は8個設けられていてもよい。
 なお、前記デバイスは、平面視でスライドガラスと同じ大きさの外形を有していてもよい。また、前記試料室は、前記デバイスに、2個、4個、6個又は8個設けられていてもよい。
 この構成によれば、平面視でスライドガラスと同じ大きさのデバイスを得ることができる。
(11)上記(1)から(9)の何れか一つに記載のデバイスでは、前記デバイスは、平面視でマイクロプレートと同じ長方形の外形を有し、前記試料室は、前記デバイスの短辺方向にA個、前記デバイスの長辺方向にB個設けられ、前記デバイスにおいて前記短辺方向に並んだ前記試料室の数Aと前記長辺方向に並んだ前記試料室の数Bとの比A:Bは、2:3、2:1.5又は2:1であってもよい。
 なお、前記デバイスは、平面視でマイクロプレートと同じ長方形の外形を有していてもよい。また、前記試料室は、前記デバイスの短辺方向にA個設けられていてもよい。また、前記試料室は、前記デバイスの長辺方向にB個設けられていてもよい。また、前記デバイスにおいて前記短辺方向に並んだ前記試料室の数Aと前記長辺方向に並んだ前記試料室の数Bとの比A:Bは、2:3、2:1.5又は2:1であってもよい。
 この構成によれば、比A:Bが2:3である場合は、市販のマイクロプレートのウェルと同じ位置に試料室を設けることができる。例えば、マイクロプレートのウェルと同様、試料室間のピッチは、縦、横が同じにするとよい。比A:Bが2:1.5である場合は、通液ポート1+試料室1の配置(96マイクロプレートに48個の試料室を設ける場合)を、マイクロプレートの隣り合う2つのウェルと同じ位置に設けることができる。比A:Bが2:1である場合は、通液ポート2+試料室1の配置(96マイクロプレートに32個の試料室を設ける場合)を、縦又は横方向に連なった3つのウェルと同じ位置に設けることができる。例えば、試料室と2つの通液ポートとは、試料室が2つの通液ポートで挟まれるように配置するのがよい。 
(12)上記(1)から(9)の何れか一つに記載のデバイスでは、前記デバイスは、平面視でマイクロプレートと同じ大きさの外形を有し、前記試料室は、前記デバイスに、32個又は48個設けられていてもよい。
 なお、前記デバイスは、平面視でマイクロプレートと同じ大きさの外形を有していてもよい。また、前記試料室は、前記デバイスに、32個又は48個設けられていてもよい。
 この構成によれば、平面視でマイクロプレートと同じ大きさのデバイスを得ることができる。
(13)本発明の一態様に係る観察方法は、上記(1)から(12)の何れか一つに記載のデバイスを用いた、顕微鏡による前記細胞又は前記粒子を個別に観察する観察方法である。
 なお、前記観察方法は、上記(1)から(12)の何れか一つに記載のデバイスを用いていてもよい。また、前記観察方法は、顕微鏡による前記細胞又は前記粒子を個別に観察する観察方法であってもよい。
 この方法によれば、上記のデバイスを用いるため、1つのデバイスの中で複数の試料(細胞又は粒子)を独立に観察することができる。
(14)本発明の一態様に係る回収方法は、上記(1)から(12)の何れか一つに記載のデバイスを用いた、前記細胞又は前記粒子を個別に回収する回収方法である。
 なお、前記回収方法は、上記(1)から(12)の何れか一つに記載のデバイスを用いていてもよい。また、前記回収方法は、前記細胞又は前記粒子を個別に回収する回収方法であってもよい。
 この方法によれば、上記のデバイスを用いるため、1つのデバイスの中で複数の試料(細胞又は粒子)を独立に回収することができる。
(15)本発明の一態様に係る培養方法は、上記(1)から(12)の何れか一つに記載のデバイスを用いた、前記細胞を培養する培養方法である。
 なお、前記培養方法は、上記(1)から(12)の何れか一つに記載のデバイスを用いていてもよい。また、前記培養方法は、前記細胞を培養する培養方法であってもよい。
 この方法によれば、上記のデバイスを用いるため、1つのデバイスの中で複数の試料(細胞)を独立に培養することができる。
(16)本発明の一態様に係るデバイスの製造方法は、上記(1)から(12)の何れか一つに記載のデバイスの製造方法であって、前記格納部に前記液体を流通するための通液ポートを有する通液部材に、前記格納層を貼り付ける第1工程と、前記第1工程の後、前記試料室、前記格納層、前記通液ポートの間の前記液体の流通を可能にする流路形成体を、前記格納層を介して前記通液部材に貼り付ける第2工程と、を含む。
 なお、前記デバイスの製造方法は、上記(1)から(12)の何れか一つに記載のデバイスの製造方法であってもよい。また、前記デバイスの製造方法は、前記格納部に前記液体を流通するための通液ポートを有する通液部材に、前記格納層を貼り付ける第1工程を含んでいてもよい。また、前記デバイスの製造方法は、前記第1工程の後、前記試料室、前記格納層、前記通液ポートの間の前記液体の流通を可能にする流路形成体を、前記格納層を介して前記通液部材に貼り付ける第2工程を含んでいてもよい。
 この方法によれば、2つの工程(第1工程、第2工程)により、3つの部材(通液部材、格納層、流路形成体)を備えたデバイスを得ることができる。
(17)上記(16)に記載のデバイスの製造方法では、前記第1工程は、前記試料室を有する第1部材に、前記格納層を貼り付ける貼付工程と、前記貼付工程の後、前記通液ポートを有する第2部材を、前記第1部材に組み合わせることで前記通液部材を作製する組合工程と、を含んでいてもよい。
 なお、前記第1工程は、前記試料室を有する第1部材に、前記格納層を貼り付ける貼付工程を含んでいてもよい。また、前記第1工程は、前記貼付工程の後、前記通液ポートを有する第2部材を、前記第1部材に組み合わせることで前記通液部材を作製する組合工程を含んでいてもよい。
 この方法によれば、通液部材を2つの部材(第1部材、第2部材)に分割することで、貼付工程において格納層を貼り付ける部分が第1部材のみになる。そのため、別の基材上に個々の格納層を作製したもの、又は、個々の格納層を連結して連続体としたものを用いる場合、上記(16)に記載の2つの工程(第1工程、第2工程)を単に用いる場合と比較して、高密度に格納層を集合させたものを用いることができる。したがって、基材又は連続体の単位面積当たりの取れ数を大幅に増やすことができる。
 本態様のデバイス、観察方法、回収方法、培養方法、及び、デバイスの製造方法によれば、1つのデバイスの中で複数の試料(細胞又は粒子)を独立に観察することができる。
第1実施形態のデバイスの斜視図。 第1実施形態のユニットの高倍率観察の一例の説明図。 第1実施形態の独立した複数の試料室の一例の説明図。 第1実施形態のユニットの分解図。 第1実施形態の第1部材の上面図。 第1実施形態の格納層を図5のVI-VI断面とともに示す図。 第1実施形態の格納層の下面図。 第1実施形態の第1部材の下面図。 図6の一部拡大図とともにキャピラリーを示す図。 第1実施形態の格納層(ウェルアレイフィルターの一例)を示す図。 第1実施形態の第2部材の上面図。 図11のXII-XII断面図。 図12の断面図とともに第1部材を示す図。 図11のXIV-XIV断面図。 図11のXV-XV断面図。 図15の断面図とともに第1部材を示す図。 第1実施形態の第2部材の下面図。 第1実施形態の流路形成体の構成の説明図。図18(A)は第1シートの上面図、図18(B)は第2シートの上面図、図18(C)は第3シートの上面図、図18(D)は第4シートの上面図。 図18のXIX-XIX断面における流路形成体の断面図。 図18のXX-XX断面における流路形成体の断面図。 第1実施形態の流路形成体における液体の流れの一例の説明図。 第1実施形態の流路形成体における連通穴の形状の説明図。 96マイクロプレートに32個の試料室を設ける場合の説明図。 第2実施形態のユニットの分解図。 第3実施形態のユニットの上面図。 第3実施形態のユニットを分解した上面図。 第3実施形態のユニットの側面図。 第3実施形態のユニットを分解した側面図。 第4実施形態のデバイスの上面図。 第5実施形態のデバイスの上面図。 第5実施形態のデバイスを用いた実験例の説明図。 第1変形例の格納層の下面図。 第2変形例の格納層の下面図。 第3変形例の格納層の下面図。 第4変形例の流路形成体における連通穴の形状の説明図。 第5変形例の流路形成体における連通穴の形状の説明図。 第6変形例の流路形成体における連通穴の形状の説明図。 第7変形例の流路形成体における連通穴の形状の説明図。 第6実施形態のデバイスの上面図。 第6実施形態のデバイスの下面図。 第6実施形態のボディ及びベースの断面を含む斜視図。 第6実施形態のボディ及びベースの断面図。 第6実施形態のデバイスにおける液体の流れの説明図。 第6実施形態のボディの上面図。 第6実施形態のボディの下面図。 第6実施形態のベースの上面図。 第6実施形態のベースの下面図。 第6実施形態の流路形成体の下面図。 第6実施形態の流路形成体を構成する接着層の下面図。 第6実施形態の流路形成体を構成するシートの下面図。 第6実施形態の格納層のレチクルパターンの一例(支持層)を示す図。 第6実施形態の格納層のレチクルパターンの一例(ウェル層)を示す図。 マイクロプレートでの試料室及び通液ポートの配置の一例を示す図。 図53に示すY方向に並んだ試料室の数AとX方向に並んだ試料室の数Bとの比A:Bが2:3である場合の試料室数の一例を示す図。 図53に示すY方向に並んだ試料室の数AとX方向に並んだ試料室の数Bとの比A:Bが2:1.5である場合の試料室数の一例を示す図。
 以下に、本発明の実施形態について図面を基に説明する。図面には、必要に応じてXYZ座標系を示している。本明細書においては、必要に応じてXYZ座標系に沿って各方向を定めて説明する。本実施形態において、X方向は第1方向の一例であり、水平面に沿う方向である。Y方向は、水平面において第1方向と直交する第2方向の一例である。Z方向は、第1方向及び第2方向のそれぞれと直交する第3方向の一例であり、鉛直方向に沿う方向である。+Z方向は、鉛直方向の上側に相当する。-Z方向は、鉛直方向の下側に相当する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、特徴となる部分を拡大して示している場合がある。以下の説明で用いる図面では、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<第1実施形態>
<デバイス>
 図1は、第1実施形態のデバイス1の斜視図である。図2は、第1実施形態のユニット3の高倍率観察の一例の説明図である。図3は、第1実施形態の独立した複数の試料室2の一例の説明図である。図4は、第1実施形態のユニット3の分解図である。
 図1から図4に示すように、デバイス1は、試料(細胞又は粒子)を個別に格納可能な試料室2を有するユニット3を複数備える。
 ユニット3は、試料室2に対応する格納部4を有する格納層5と、格納部4に液体を流通するための構造体6と、を備える。複数の前記ユニット3は、互いに液体の流通がなく独立している。なお、図2において、矢印A1,A2,A3はデバイス1における液体の流通方向、矢印B1はデバイス1における試料(細胞又は粒子)の観察方向をそれぞれ示す。
<構造体>
 構造体6は、格納部4に液体を流通するための通液ポート7を有し、格納層5が貼り付けられた通液部材8と、格納層5を介して通液部材8に貼り付けられ、試料室2、格納層5、通液ポート7の間の液体の流通を可能にする流路形成体9と、を備える。
 なお、構造体6は、格納部4に液体を流通するための通液ポート7を有し、格納層5が貼り付けられた通液部材8を備えていてもよい。また、構造体6は、格納層5を介して通液部材8に貼り付けられ、試料室2、格納層5、通液ポート7の間の液体の流通を可能にする流路形成体9を備えていてもよい。
 例えば、流路形成体9の厚みC1を薄くするほど、デバイス1下面から格納層5までの距離を短くできるため、高倍率観察が容易となる。本実施形態では、構造体6の底部がデバイス1の機械的強度を担う構成ではないため、流路形成体9の厚みC1を薄くすることができる。流路形成体9の厚みC1は、機械的な嵌合で試料室と流路とが形成される場合と比較して、薄くしやすい。
 通液部材8は、試料室2を有し、格納層5が貼り付けられる第1部材10と、通液ポート7を有し、第1部材10に組み合わせられる第2部材20と、を備える。本実施形態では、第1部材10及び第2部材20は、別体の部品である。第1部材10及び第2部材20は、互いに着脱可能に構成されている。
 なお、通液部材8は、試料室2を有し、格納層5が貼り付けられる第1部材10を備えていてもよい。また、通液部材8は、通液ポート7を有し、第1部材10に組み合わせられる第2部材20を備えていてもよい。
 本実施形態に係るデバイス1は、平面視でマイクロプレートと同じ長方形の外形を有する。マイクロプレートは、複数のくぼみ(穴又はウェル)を有する板状部材である。マイクロプレートは、実験・検査器具としては、各ウェルを試験管又はシャーレとして利用される。例えば、マイクロプレートの平面視サイズは、長辺方向(X方向)の長さ(長辺の外寸)が127.76mm(約128mm)、短辺方向(Y方向)の長さ(短辺の外寸)が85.48mm(約85mm)である。
 試料室2は、デバイス1の短辺方向(Y方向)にA個、デバイス1の長辺方向(X方向)にB個設けられている。本実施形態では、デバイス1において短辺方向に並んだ試料室2の数Aと長辺方向に並んだ試料室2の数Bとの比A:Bは、2:1である。なお、比A:Bは、上記に限らず、設計仕様に応じて変更可能である。
 なお、デバイス1は、平面視でマイクロプレートと同じ長方形の外形を有してもよい。また、試料室2は、デバイス1の短辺方向(Y方向)にA個設けられていてもよい。また、試料室2は、デバイス1の長辺方向(X方向)にB個設けられていてもよい。また、デバイス1において短辺方向に並んだ試料室2の数Aと長辺方向に並んだ試料室2の数Bとの比A:Bは、2:3、2:1.5又は2:1であってもよい。
 本実施形態では、デバイス1において短辺方向に並んだ試料室2の数Aは8個、長辺方向に並んだ試料室2の数Bは4個である。試料室2は、デバイス1に32個設けられている。なお、デバイス1に設けられる試料室2の数は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更可能である。
<第1部材>
 図5は、第1実施形態の第1部材10の上面図である。図6は、第1実施形態の格納層5を図5のVI-VI断面とともに示す図である。図7は、第1実施形態の格納層5の下面図である。図8は、第1実施形態の第1部材10の下面図である。
 図の例では、図示都合上、3個の試料室2を有する第1部材10を示す。実際は、第1部材10は6個以上の試料室2を有する。なお、第1部材10が有する試料室2の数は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更可能である。
 第1部材10を構成する材料は、試料室2に格納する対象に応じて任意に選択することができる。ただし、試料室2に細胞を格納する場合は、第1部材10を構成する材料自体が細胞毒性を有さず(例えば、ISO10993-5及びこれに類似した規格の細胞毒性試験で細胞毒性がないことが認められたもの)、水溶液、アルコールによって細胞毒性成分が溶出しないことが必要である。さらに、第1部材10を構成する材料は、自家蛍光が低く、ガンマ線照射、エチレンオキシド蒸気暴露、紫外線照射などの滅菌処理で著しく変質せず、アルコールに溶解しない材料が望ましい。
 なお、第1部材10は、それ自体が細胞毒性を有さない材料、細胞毒性成分が溶出しない材料、自家蛍光が低い材料、ガンマ線照射で著しく変質しない材料、エチレンオキシド蒸気暴露で著しく変質しない材料、紫外線照射で著しく変質しない材料、滅菌処理で著しく変質しない材料、アルコールに溶解しない材料及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される一つ以上の材料を更に含むことができ、それ自体が細胞毒性を有さず且つ細胞毒性成分が溶出しない材料を含むことが好ましい。
 第1部材10の色は、試料室2に格納する対象に応じて任意に選択することができる。ただし、材料の自家蛍光、顕微鏡観察時の光の反射の影響を軽減するための観点からは、第1部材10の色は、黒色であることが望ましい。
 図5から図8を併せて参照し、第1部材10は、試料(細胞又は粒子)が通過可能な(例えば、ピペットで液体試料を添加可能な)大きさの試料室開口11を有する筒状の筒壁部12と、筒壁部12が連結される板状の板壁部13と、を備える。第1部材10は、板壁部13上に3個の筒壁部12が連なった構造を有する。なお、板壁部13上に設けられる筒壁部12(試料室2)の数は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更可能である。
 筒壁部12は、円筒状に形成されている。試料室2の形状は、円柱である。なお、試料室2の形状は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更可能である。例えば、試料室2の形状は、楕円柱、長円柱又は多角形柱であってもよい。例えば、試料室2の形状は、真円柱であることが望ましい。例えば、試料室2上部の開口径と試料室2下部(底部)の開口径とは、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。例えば、試料室2の形状は、試料室2下部(底部)の開口径のほうが試料室2上部の開口径よりも小さい円錐形状であってもよい。
 例えば、試料室2の開口部の形状は、円錐形状でもよいし、四角錐形状でもよい。例えば、試料室2の開口部の形状は、上記の形状に限らず、設計仕様に応じて変更することができる。
 筒壁部12の厚みは、筒壁部12の機械的強度を保つことができる厚みであれば、制限はない。筒壁部12の厚みは、筒壁部12の内周と外周との間隔(内半径と外半径との差)に相当する。例えば、筒壁部12の厚みは、0.1mm以上25mm以下であることが望ましい。
 試料室開口11の内径(内寸)は、試料(細胞又は粒子)が通過可能な大きさであれば、制限はない。例えば、試料室開口11の内径は、1mm以上50mm以下である。例えば、格納層5の撓みを抑制する観点からは、試料室開口11の内径は、30mm以下であることが望ましい。例えば、観察の容易性も考慮すると、試料室開口11の内径は、1.5mm以上10mm以下であることがより望ましい。
 試料室2の高さは、液体を収納できるだけの容積を確保できれば、制限はない。試料室2の高さは、筒壁部12の上端と下端との間の長さ(Z方向の長さ)に相当する。言い換えると、試料室2の高さは、板壁部13の上面と第1部材10の上端間の距離に相当する。例えば、操作性を考慮すると、試料室2の高さは、0mm以上30mm以下であることが望ましい。なお、板壁部13は厚みがあるため、試料室2の高さは0mmでも機能する。
 板壁部13には、格納層5を貼り付けるための孔部14が形成されている。孔部14の形状は、試料室2の形状に対応する円筒状である。板壁部13の外形の平面視形状は、長方形である。例えば、板壁部13の平面視サイズは、長辺方向の長さ(長辺の外寸)が4.5mm以上、短辺方向の長さ(短辺の外寸)が1.5mm以上である。例えば、板壁部13の長辺方向の長さは、マイクロプレートの長辺方向の長さ(127.76mm)以下の長さであれば、制限はない。例えば、板壁部13の短辺方向の長さは、試料室開口11の寸法に格納層5の貼り付け寸法(格納層5を接着するための糊代の寸法)を加えた長さ以上であれば、制限はない。
 図9は、図6の一部拡大図とともに、格納部4の内容物を回収するためのキャピラリー19を示す図である。
 図9を併せて参照し、例えば、板壁部13において孔部14の縁部15(下部内周縁部)は、傾斜を持つことが望ましい。図の例では、孔部14の縁部15は、-Z方向に向かうにつれて径方向内方に位置するように傾斜している。板壁部13において孔部14の縁部15に傾斜をつけることで、試料(細胞又は粒子)をピックアップする際に、ピックアップ用のキャピラリー19が格納部4の端(最外周)までアクセスできるようになる。
<格納層>
 図10は、第1実施形態の格納層5(ウェルアレイフィルターの一例)を示す図である。
 図10を併せて参照し、格納層5は、試料室2に対応する格納部4を有するフィルム状の部材である。本実施形態に係る格納層5は、試料(細胞又は粒子)が通過可能な大きさのウェル開口30を有するウェルアレイフィルターであり、ウェル開口30に対応するウェル底部31を備える。ウェル底部31は、液体のみを通過させる貫通孔32を有している。
 なお、格納層5は、試料(細胞又は粒子)が通過可能な大きさのウェル開口30を有していてもよい。また、格納層5は、ウェル開口30に対応するウェル底部31を備えていてもよい。また、ウェル底部31は、液体のみを通過させる貫通孔32を有していてもよい。
 図の例では、ウェル開口30の平面視形状は六角形であるが、試料(細胞又は粒子)が通過可能な大きさであれば、どのような平面視形状であってもよい。図の例では、ウェル底部31の中央部に平面視円形の貫通孔32を2つ有するが、液体のみを通過させることが可能であれば、どのような平面視形状であってもよいし、貫通孔32の個数も限定されない。
 なお、格納層5は、試料(細胞又は粒子)を格納可能であれば、どのようなものであってもよい。例えば、格納層5は、細胞サイズの開口径を持ったウェルの底部に液体のみを通過させる貫通孔32を持つものであってもよい。例えば、格納層5は、ウェルの底部に貫通孔32を有しないものであってもよい。例えば、格納層5は、ウェルの底部に単に細胞を通過させないサイズの貫通孔32を有するものであってもよい。例えば、細胞をシングルセルとして格納する場合は、上記のうち底部に貫通孔32を有する細胞サイズのウェル構造であることが最も望ましい。
 本実施形態に係る格納層5は、ネガ型レジストで形成されている。なお、格納層5を構成する材料は、試料室2に格納する対象に応じて任意に選択することができる。ただし、ウェル構造を持つもの、又は、細胞を通過しないサイズの貫通孔32が規則的に整列したものである場合は、格納層5を構成する材料は、ネガ型フォトレジスト、重合性官能基を有するポリエチレングリコール又はポリジメチルシロキサン(PDMS)であることが望ましく、ネガ型フォトレジストが最も望ましい。
 なお、格納層5は、ネガ型フォトレジスト、重合性官能基を有するポリエチレングリコール又はポリジメチルシロキサン(PDMS)及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される一つ以上の材料を更に含むことができ、ネガ型フォトレジストを含むことが好ましい。
 格納層5の表面は、細胞非接着性ポリマー又は細胞接着因子でコーティングされていてもよい。例えば、細胞非接着性ポリマーとしては、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)ポリマー、ポリオリゴエチレングリコールメタクリレート(PEG)、ポリ-2-メトキシエチルアクリレート(PMEA)、ポリビニルアルコール(PVA)等が挙げられる。
 例えば、第1部材10に複数の試料室2を設ける場合は、第1部材10に応じた形状を持つ格納部4を有する1枚のフィルムを第1部材10の底部貼り付けることで、各試料室2に格納部4を設けることが望ましい。本実施形態では、試料室2に対応した位置にのみ格納部4を設けた1枚のフィルムを第1部材10の下面に接着している。
 例えば、格納層5がウェル構造等の多孔構造を持つ場合は、第1部材10と格納層5とを接着する際に接着剤を用いると、ウェル内部に接着剤が入り込んでしまい、接着剤が余分に必要となる。また、接着シートを用いた場合は、接着シートと格納層5との間で十分な接触面積を確保できず、十分な接着強度が得られない可能性が高い。これらを避けるためには、格納層5において試料室2に対応した部分にのみ格納部4を設け、他の部分は平坦な平坦部とすることが望ましい。このような構造とすることで、少量の接着剤で十分な接着強度を得ることができ、接着シートを用いた場合でも、接着シートと格納層5との間で十分な接触面積を確保することができる。
 例えば、格納層5において試料室2に対応した部分にのみ格納部4を設ける場合は、格納部4の平面視サイズは、試料室2下部(底部)の開口よりも大きくするとよい。これにより、試料室2全体に格納層5を設けることができる。
 例えば、格納層5において試料室2に対応した部分にのみ格納部4を設ける場合は、格納部4の外周に接着層39を設けるとよい。これにより、格納部4と第1部材10とを十分に接着することができるため、液漏れを抑制することができる。例えば、格納部4の外周全体に沿うように接着層39を設けた場合は、液漏れをより効果的に抑制することができる。
<接着層>
 接着層39は、フィルム(格納部4を含む格納層5)を接着するために、第1部材10の下面に設けられる。接着層39は、第1部材10の下面全体に設けられてもよいし、試料室開口11下部の周囲のみに設けられてもよい。
 接着層39は、エポキシ系やアクリル系などの液体接着剤を任意の方法で塗布することで設けてもよいし、両面に接着層39を有する接着シートを用いてもよい。例えば、第1部材10及びフィルム(格納部4を含む格納層5)の表面同士を化学的、物理的に直接改質して接合できる場合は、この方法で両方を接着してもよい。
 接着層39を構成する材料は、試料室2に格納する対象に応じて任意に選択することができる。ただし、試料室2に細胞を格納する場合は、接着層39を構成する材料自体が細胞毒性を有さず(例えば、ISO10993-5及びこれに類似した規格の細胞毒性試験で細胞毒性がないことが認められたもの)、水溶液、アルコールによって細胞毒性成分が溶出しないことが必要である。さらに、接着層39を構成する材料は、自家蛍光が低く、ガンマ線照射、エチレンオキシド蒸気暴露、紫外線照射などの滅菌処理で著しく変質せず、アルコールに溶解しない材料が望ましい。アルコール耐性が必要な理由は、製造時の格納層5の表面処理(例えば、格納層5そのもの、又は、格納層5を貼り付けた第1部材10の表面処理)、使用時の格納層5のプリウェット処理にエタノールを用いるためである。
 なお、接着層39は、それ自体が細胞毒性を有さない材料、細胞毒性成分が溶出しない材料、自家蛍光が低い材料、ガンマ線照射で著しく変質しない材料、エチレンオキシド蒸気暴露で著しく変質しない材料、紫外線照射で著しく変質しない材料、滅菌処理で著しく変質しない材料、アルコールに溶解しない材料及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される一つ以上の材料を更に含むことができ、それ自体が細胞毒性を有さず且つ細胞毒性成分が溶出しない材料を含むことが好ましい。
 例えば、第1部材10にフィルム(格納部4を含む格納層5)を接着する際は、接着層39が試料室2内にはみ出るようにする。これにより、第1部材10とフィルム(格納部4を含む格納層5)との隙間を無くすことができるため、隙間に試料(細胞又は粒子)が入り込まないようにすることができる。
<第2部材>
 図11は、第1実施形態の第2部材20の上面図である。図12は、図11のXII-XII断面図である。図13は、図12の断面図とともに第1部材10を示す図である。図14は、 図11のXIV-XIV断面図である。図15は、図11のXV-XV断面図である。図16は、図15の断面図とともに第1部材10を示す図である。図17は、第1実施形態の第2部材20の下面図である。
 図11から図17を併せて参照し、第2部材20は、デバイス1の本体を構成している。第2部材20は、通液ポート7を有し、第1部材10に組み合わせられる部材である。
 第2部材20は、第1部材10の筒壁部12を挿入して固定するための孔21を有する固定壁部22を備える。固定壁部22は、第1部材10の板壁部13を嵌め込んで固定するための溝23を下面に有する。固定壁部22の孔21は、第1部材10の試料室2に対応した位置に形成されている。固定壁部22の溝23の外形は、第1部材10の板壁部13が嵌まり合うように平面視長方形をなしている。
 例えば、第1部材10と第2部材20とを組み合わせる際は、第2部材20の固定壁部22の孔21に対して、第2部材20の下面側から第1部材10を挿入する(例えば、図4の矢印方向)。これにより、第2部材20の固定壁部22の孔21に第1部材10の筒壁部12を挿入するとともに、固定壁部22の溝23に第1部材10の板壁部13を嵌め込む。例えば、組み立てられた第1部材10及び第2部材20の下面同士は、フラットになるように構成されている。
 固定壁部22の孔21(試料室2に対応する孔)の周囲には、1つ以上の通液ポート7を設けることができる。第2部材20は、通液ポート7を有する筒状の通液筒部24を備える。なお、第2部材20には、通液筒部24の先端を貫通可能に開口する貫通孔が形成されていてもよい。図の例(図11の上面視)では、通液ポート7は、平面視で固定壁部22の孔21(試料室2に対応する孔)を介して対称な位置に一対形成されている。
 通液ポート7は、格納部4に液体を流通できる孔であれば、どのようなものであってもよく、通液ポート7の設置数に制限はない。例えば、通液ポート7は、固定壁部22の孔21(試料室2に対応する孔)の両側の対称な位置に2個設けることが望ましい。これにより、試料室2の両側から同時に液体を抜くことができるため、格納層5に試料(細胞又は粒子)を偏りなく格納することができる。また、ポンプ等により、2個のうち一方の通液ポート7から液体を入れ、他方の通液ポート7から液体を抜くことで、試料室2及び流路に液体を灌流することができる。
 例えば、平面視で通液ポート7を試料室2に対して対称に2個設ける場合は、通液ポート7の中心間距離は、マルチチャンネルピペットにおいて互いに隣り合う2つのチャンネルの中心間距離の整数倍にするとよい。これにより、マルチチャンネルピペットの2つのチャンネルを使うことで、2つの通液ポート7から同時に液体を抜き出すことができる。
 図の例(図14の断面視)では、通液ポート7の上側の開口部は、容量100μLのピペットチップの先端形状に対応した円錐状の孔に形成されている。通液ポート7の底部(第2部材20の通液筒部24の内径)は、ピペットチップの先端の開口径に対応する径を有する。
 第2部材20は、固定壁部22の上面に、平面視で角丸を有する矩形枠状の囲繞壁部25を備える。囲繞壁部25は、平面視で試料室2及び通液ポート7全体の周囲を囲うように設けられている。例えば、囲繞壁部25には、サンプルの蒸発を防ぐために試料室2及び通液ポート7全体を覆う蓋部材(不図示)が着脱可能に取り付けられる。例えば、囲繞壁部25は、サンプルをロードする際にデバイス1を固定するための持ち手としても機能する。
 例えば、第2部材20の底部には、デバイス1の底面を地面に接触させないためのリブ26が設けられていてもよい。図の例(図12の断面視)では、リブ26は、第2部材20の底部において短辺の端部(Y方向の外端部)に設けられている。例えば、リブ26の高さ(Z方向の長さ)は、高倍率での顕微鏡観察を可能とするため、1mm以下であることが望ましい。
 例えば、通液ポート7の貫通孔下(固定壁部22の下面の貫通孔部に相当)の形状は、円形若しくは円錐形状又は多角錐形状である。例えば、通液ポート7の貫通孔下の形状は、円錐形状又は多角錐形状であることが望ましい。これにより、気泡が流路に溜まりにくくなる。
<流路形成体>
 図18は、第1実施形態の流路形成体9の構成の説明図である。図18(A)は第1シート41の上面図、図18(B)は第2シート42の上面図、図18(C)は第3シート43の上面図、図18(D)は第4シート44の上面図である。図19は、図18のXIX-XIX断面における流路形成体9の断面図である。図20は、図18のXX-XX断面における流路形成体9の断面図である。図21は、第1実施形態の流路形成体9における液体の流れの一例の説明図である。図22は、第1実施形態の流路形成体9における連通穴45の形状の説明図である。 
 図18から図22を併せて参照し、流路形成体9は、格納層5を介して通液部材8に貼り付けられている。流路形成体9は、試料室2、格納層5、通液ポート7の間の液体の流通を可能にする構造体である。複数の試料室2を設ける場合は、流路形成体9は、各試料室2間の液体の流通を防いで独立させるためのものである。
 本実施形態に係る流路形成体9は、透明な第1シート41と、第1シート41に積み重ねられ、通液ポート7と試料室2とをつなぐ連通穴45を有する第2シート42と、第2シート42に積み重ねられ、通液部材8の通液ポート7及び試料室2に対応する位置に開口孔46を有する第3シート43と、第3シート43に積み重ねられ、第3シート43と同じ平面視形状を有する第4シート44と、を備える。第4シート44は、第3シート43の開口孔46に対応する位置に、開口孔47を有する。第2シート42の両面と第4シート44の両面とには、接着層40が設けられている。
 なお、流路形成体9は、透明な第1シート41を備えていてもよい。また、流路形成体9は、第1シート41に積み重ねられ、通液ポート7と試料室2とをつなぐ連通穴45を有する第2シート42を備えていてもよい。また、流路形成体9は、第2シート42に積み重ねられ、通液部材8の通液ポート7及び試料室2に対応する位置に開口孔46を有する第3シート43を備えていてもよい。また、流路形成体9は、第3シート43に積み重ねられ、第3シート43と同じ平面視形状を有する第4シート44を備えていてもよい。また、第2シート42の両面には、接着層40が設けられていてもよい。また、第4シート44の両面には、接着層40が設けられていてもよい。
 例えば、流路形成体9の厚みC1は、2mm以下である。例えば、倒立顕微鏡(顕微鏡の一例)による高倍率の観察を可能にするためには、流路形成体9の厚みC1は、1mm以下であることが好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい。なお、流路形成体9の厚みC1は、デバイス1下面から格納層5までの距離に相当する(図2参照)。
 なお、流路形成体9の厚みC1は、1.5mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい。
 流路形成体9の厚みC1を薄くするためには、フィルムを積層することで流路形成体9を作製することが好ましい。穴のない第1シート41と、通液ポート7と試料室2とをつなぐ連通穴45を有する第2シート42と、通液部材8の通液ポート7及び試料室2に対応する位置に開口孔46を有する第3シート43と、第3シート43と同じ平面視形状を有する第4シート44と、をZ方向に積層することで、流路形成体9を作製することができる。例えば、流路形成体9の上面を、組み立てた第1部材10及び第2部材20の底面に接着することで、通液ポート7と試料室2との間で液体の流通が可能になる。
 第2シート42の連通穴45の形状は、平面視で固定壁部22の孔21(第2部材20において試料室2に対応する孔)よりも幅が広い部分があり、かつ、試料室2及び通液ポート7の開口部を囲むことができる形状であれば、制限はない。本実施形態では、第2シート42の連通穴45の平面視形状は、試料室2及び通液ポート7の開口部を囲む楕円形状である。第2シート42の連通穴45の形状は、平面視で試料室2側の幅よりも通液ポート7側の幅のほうが狭い形状である。この構成によれば、流路の容積を最小化することができる。なお、第2シート42の連通穴45の平面視形状は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更することができる。
 第2シート42の連通穴45の容積は、連通穴45の平面視での面積と、連通穴45の深さ(第2シート42の厚み)とを基に計算される。第2シート42の連通穴45の容積は、第1部材10の試料室2の容積よりも小さい容積とする。
 1つのデバイス1に複数の試料室2を設ける場合は、第1シート41及び第2シート42に加えて、通液部材8の通液ポート7及び試料室2に対応する位置に開口孔46を有する第3シート43を積層するとよい。これにより、第1シート41及び第2シート42の嵌合部に沿って各試料室2間で液体が流通することを防ぐことができる。
 なお、流路形成体9を構成する各シートは、1枚のフィルム(単層体)からなっていてもよいし、複数のフィルムの積層体からなっていてもよい。例えば、流路形成体9を構成する各シートの構成(フィルムの枚数)は、設計仕様に応じて変更することができる。
 シート及びフィルムの積層は、シート又はフィルムの少なくとも片面に接着層40を設けることで、互いに接着して積層するとよい。この接着層40は、接着層40を構成する材料自体が細胞毒性を有さず(例えば、ISO10993-5及びこれに類似した規格の細胞毒性試験で細胞毒性がないことが認められたもの)、水溶液、アルコールによって細胞毒性成分が溶出しないことが望ましい。例えば、シート及びフィルムが熱可塑性を有する場合は、積層したシート又はフィルムを加熱プレスで互いに接着して積層してもよい。
 なお、接着層40は、それ自体が細胞毒性を有さない材料、細胞毒性成分が溶出しない材料及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される一つ以上の材料を更に含むことができ、それ自体が細胞毒性を有さず且つ細胞毒性成分が溶出しない材料を含むことが好ましい。
 例えば、第1シート41及び第2シート42の各々の厚みは、流路形成体9の全体の厚みが上記の厚みC1(例えば2mm以下)であれば、任意である。例えば、第1シート41の厚みは、188μm程度である。例えば、第2シート42の厚みは、50μm程度である。例えば、第3シート43の厚みは、第1シート41の厚みと同じ(188μm程度)である。例えば、第4シート44の厚みは、第2シート42の厚みと同じ(50μm程度)である。
 例えば、第1シート41は、蛍光顕微鏡の励起に用いる青から近赤外の波長領域において透明なものを用いる。例えば、第1シート41は、第1シート41を構成する材料自体が蛍光を発せず、ガンマ線照射、紫外線照射、エチレンオキシド蒸気への暴露などの滅菌過程を経ても着色、白濁又は変性しないものを用いる。例えば、第1シート41を構成する材料は、シクロオレフィン・コポリマー(COC)又はシクロオレフィンポリマー(COP)であることが望ましい。
 なお、第1シート41は、それ自体が蛍光を発しない材料、ガンマ線照射を経ても着色、白濁又は変性しない材料、紫外線照射を経ても着色、白濁又は変性しない材料、エチレンオキシド蒸気への暴露を経ても着色、白濁又は変性しない材料、滅菌過程を経ても着色、白濁又は変性しない材料及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される一つ以上の材料を更に含むことができ、シクロオレフィン・コポリマー(COC)又はシクロオレフィンポリマー(COP)を含むことが好ましい。
 第2シート42及び第4シート44の少なくとも一つは、顕微鏡観察時の光の反射等を抑制するために、黒色であることが望ましい。例えば、第2シート42及び第4シート44は、ポリエチレンテレフタラート(PET)を基材とし、基材の表面にエタノールに対して耐性のある接着剤を備えたものであってもよい。 なお、第2シート42は、ポリエチレンテレフタラート(PET)を基材としていてもよい。また、第2シート42は、基材の表面にエタノールに対して耐性のある接着剤を備えたものであってもよい。
 なお、第4シート44は、ポリエチレンテレフタラート(PET)を基材としていてもよい。また、第4シート44は、基材の表面にエタノールに対して耐性のある接着剤を備えたものであってもよい。
 図23は、96マイクロプレートに32個の試料室2を設ける場合の説明図である。本実施形態では、デバイス1は、平面視でマイクロプレートと同じ大きさの外形を有する。試料室2は、デバイス1に32個設けられている。
 例えば、マイクロプレートのX1,X3の位置に通液ポート7を配置し、X2の位置に試料室2を配置した8連のユニット3をX方向に4つ並べる。これにより、96マイクロプレートのX2,X5,X8,X11列のウェルと同じ位置に試料室2を設けたデバイス1を得ることができる。このようにマイクロプレートと同じ位置に試料室2を設けることで、顕微鏡での自動観察が行いやすくなる。
 例えば、流路形成体9は、8連ユニット(ユニット3をY方向に8つ連ねたもの)毎に1つとしてX方向に4つ並べたものを貼り合わせてもよいし、デバイス1全体で1枚であってもよい。例えば、流路形成体9の枚数は、設計仕様に応じて変更することができる。
 本実施形態では、上記のデバイス1を用いることで、試料(細胞又は粒子)を、観察、回収、培養等することができる。
<デバイスの製造方法>
 本実施形態に係るデバイス1の製造方法は、上記のデバイス1の製造方法であって、格納部4に液体を流通するための通液ポート7を有する通液部材8に、格納層5を貼り付ける第1工程と、第1工程の後、試料室2、格納層5、通液ポート7の間の液体の流通を可能にする流路形成体9を、格納層5を介して通液部材8に貼り付ける第2工程と、を含む。
 本実施形態に係る第1工程は、試料室2を有する第1部材10に、格納層5を貼り付ける貼付工程と、貼付工程の後、通液ポート7を有する第2部材20を、第1部材10に組み合わせることで通液部材8を作製する組合工程と、を含む。
 例えば、第1工程において、貼付工程では、試料室2に対応した位置にのみ格納部4を設けた1枚のフィルムを第1部材10の下面に接着する(例えば、図6参照)。例えば、組合工程では、第2部材20の下面側から第1部材10を組み合わせる(例えば、図4の矢印方向)。これにより、格納層5、第1部材10及び第2部材20を含む組み合わせ体(格納層5及び通液部材8の結合体)が作製される。
 例えば、第2工程では、流路形成体9を、上記の結合体の下面に接着する。その後、試料室2及び通液ポート7全体を覆う蓋部材(不図示)を、通液部材8の上部に取り付ける。これにより、本実施形態に係るデバイス1が作製される。
<作用効果>
 以上説明したように、本実施形態に係るデバイス1は、細胞又は粒子を個別に格納可能な試料室2を有するユニット3を複数備えるデバイスである。ユニット3は、試料室2に対応する格納部4を有する格納層5と、格納部4に液体を流通するための構造体6と、を備える。複数の前記ユニット3は、互いに液体の流通がなく独立している。
 この構成によれば、各ユニット3の間で格納部4が独立するため、1つのデバイス1に複数の独立した試料室2を設けることができる。したがって、1つのデバイス1の中で複数の試料(細胞又は粒子)を独立に観察することができる。例えば、1つのデバイス1の中で複数の独立した条件の実験を行うことができる。
 本実施形態に係る構造体6は、格納部4に液体を流通するための通液ポート7を有し、格納層5が貼り付けられた通液部材8と、格納層5を介して通液部材8に貼り付けられ、試料室2、格納層5、通液ポート7の間の液体の流通を可能にする流路形成体9と、を備える。
 この構成によれば、3つの部材(通液部材8、格納層5、流路形成体9)でデバイス1を構成可能となる。
 本実施形態に係る通液部材8は、試料室2を有し、格納層5が貼り付けられる第1部材10と、通液ポート7を有し、第1部材10に組み合わせられる第2部材20と、を備える。
 この構成によれば、通液部材8を2つの部材(第1部材10、第2部材20)に分割することで、格納層5を貼り付ける部分が第1部材10のみになる。第1部材10は第2部材20よりも小さいので、第1部材10に対応する複数の格納層5を1つの基材上に形成し、これを第1部材10に貼り付ける場合、上記の3つの部材のみ(単一の通液部材、格納層、流路形成体)でデバイスを構成する場合と比較して、より高密度に基材上に格納層5を形成することができる。したがって、同一面積の基材当たりの格納層5の取れ数を大幅に増やすことができる。
 本実施形態に係る流路形成体9は、透明な第1シート41と、第1シート41に積み重ねられ、通液ポート7と試料室2とをつなぐ連通穴45を有する第2シート42と、第2シート42に積み重ねられ、通液部材8の通液ポート7及び試料室2に対応する位置に開口孔46を有する第3シート43と、第3シート43に積み重ねられ、第3シート43と同じ平面視形状を有する第4シート44と、を備える。第2シート42の両面と第4シート44の両面には、接着層40が設けられている。
 この構成によれば、第3シート43の両面には接着層40を設けなくて済むため、第3シート43の接着層と流通する液体との接触を可及的に減らすことができる。例えば、上記の接着層を設ける組み合わせのうち、(A)第1シート41、第2シート42及び第3シート43のそれぞれの片面に接着層を設ける、又は、(B)第2シート42の両面と第3シート43の片面とに接着層を設ける、を採用することで、第3シート43の両面には接着層を設けなくて済むため、本効果を得ることができる。
 例えば、接着層を有しない透明な第1シート41と、両面に接着層を有するシートとで流路を形成する場合、上記の第2シート42と第3シート43との間に、接着層を有せず、第3シート43と同じ平面視形状を有する第4シート44を挿入するとよい。
 本実施形態に係る流路形成体9の厚みC1は、2mm以下である。
 この構成によれば、流路形成体9の厚みC1が2mm超過の場合と比較して、高倍率観察が容易となる。
 本実施形態に係る格納層5は、細胞又は粒子が通過可能な大きさのウェル開口30を有するウェルアレイフィルターである。格納層5は、ウェル開口30に対応するウェル底部31を備える。ウェル底部31は、液体のみを通過させる貫通孔32を有している。
 この構成によれば、ウェルアレイフィルターを備えた1つのデバイス1の中で複数の試料(細胞又は粒子)を観察することができる。
 本実施形態に係る格納層5は、ネガ型レジストで形成されている。
 この構成によれば、微細加工に好適なフォトリソグラフィ(例えば、フォトレジスト塗布、露光、現像の工程)により格納層5を製造することができる。
 本実施形態に係るデバイス1は、平面視でマイクロプレートと同じ長方形の外形を有する。試料室2は、デバイス1の短辺方向にA個、デバイス1の長辺方向にB個設けられている。デバイス1において短辺方向に並んだ試料室2の数Aと長辺方向に並んだ試料室2の数Bとの比A:Bは、2:1である。
 この構成によれば、比A:Bが2:1であることで、通液ポート2+試料室1の配置(96マイクロプレートに32個の試料室2を設ける場合)を、縦又は横方向に連なった3つのウェルと同じ位置に設けることができる。例えば、試料室2と2つの通液ポート7とは、試料室2が2つの通液ポート7で挟まれるように配置するのがよい。
 本実施形態に係るデバイス1は、平面視でマイクロプレートと同じ大きさの外形を有する。試料室2は、デバイス1に、32個設けられている。
 この構成によれば、平面視でマイクロプレートと同じ大きさのデバイス1を得ることができる。
 本実施形態に係る観察方法は、上記のデバイス1を用いた、顕微鏡による細胞又は粒子を個別に観察する観察方法である。
 この方法によれば、上記のデバイス1を用いるため、1つのデバイス1の中で複数の試料(細胞又は粒子)を独立に観察することができる。
 なお、観察方法は、上記のデバイス1を用いていてもよい。また、観察方法は、顕微鏡による細胞又は粒子を個別に観察する観察方法であってもよい。
 本実施形態に係る回収方法は、上記のデバイス1を用いた、細胞又は粒子を個別に回収する回収方法である。
 この方法によれば、上記のデバイス1を用いるため、1つのデバイス1の中で複数の試料(細胞又は粒子)を独立に回収することができる。
 なお、回収方法は、上記のデバイス1を用いていてもよい。また、回収方法は、細胞又は粒子を個別に回収する回収方法であってもよい。
 本実施形態に係る培養方法は、上記のデバイス1を用いた、細胞を培養する培養方法である。
 この方法によれば、上記のデバイス1を用いるため、1つのデバイス1の中で複数の試料(細胞)を独立に培養することができる。
 なお、培養方法は、上記のデバイス1を用いていてもよい。また、培養方法は、細胞を培養する培養方法であってもよい。
 本実施形態に係るデバイス1の製造方法は、上記のデバイス1の製造方法であって、格納部4に液体を流通するための通液ポート7を有する通液部材8に、格納層5を貼り付ける第1工程と、第1工程の後、試料室2、格納層5、通液ポート7の間の液体の流通を可能にする流路形成体9を、格納層5を介して通液部材8に貼り付ける第2工程と、を含む。
 この方法によれば、2つの工程(第1工程、第2工程)により、3つの部材(通液部材8、格納層5、流路形成体9)を備えたデバイス1を得ることができる。
 なお、デバイス1の製造方法は、上記のデバイス1の製造方法であってもよい。また、デバイス1の製造方法は、格納部4に液体を流通するための通液ポート7を有する通液部材8に、格納層5を貼り付ける第1工程を含んでいてもよい。また、デバイス1の製造方法は、第1工程の後、試料室2、格納層5、通液ポート7の間の液体の流通を可能にする流路形成体9を、格納層5を介して通液部材8に貼り付ける第2工程と、を含んでいてもよい。
 本実施形態に係る第1工程は、試料室2を有する第1部材10に、格納層5を貼り付ける貼付工程と、貼付工程の後、通液ポート7を有する第2部材20を、第1部材10に組み合わせることで通液部材8を作製する組合工程と、を含む。
 この方法によれば、通液部材8を2つの部材(第1部材10、第2部材20)に分割することで、貼付工程において格納層5を貼り付ける部分が第1部材10のみになる。そのため、別の基材上に個々の格納層を作製したもの、又は、個々の格納層を連結して連続体としたものを用いる場合、上記の2つの工程(第1工程、第2工程)を単に用いる場合と比較して、高密度に格納層を集合させたものを用いることができる。したがって、基材又は連続体の単位面積当たりの取れ数を大幅に増やすことができる。
 なお、第1工程は、試料室2を有する第1部材10に、格納層5を貼り付ける貼付工程を含んでいてもよい。また、第1工程は、貼付工程の後、通液ポート7を有する第2部材20を、第1部材10に組み合わせることで通液部材8を作製する組合工程と、を含んでいてもよい。
<第2実施形態>
 図24は、第2実施形態のユニット203の分解図である。
 上述した第1実施形態では、通液部材8を2つの部材(第1部材10、第2部材20)に分割した例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、図24に示すように、通液部材208は2つの部材(第1部材10、第2部材20)に分割されていなくてもよい。第2実施形態において、上述した第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
 本実施形態に係る通液部材208は、試料室2を有し、格納層5が貼り付けられる第1通液部210と、通液ポート7を有する第2通液部220と、を備える。本実施形態では、通液部材208は、一体物である。例えば、第1通液部210及び第2通液部220は、同一の部材で一体に形成されていてもよい。
<作用効果>
 以上説明したように、本実施形態に係る通液部材208は、一体物である。
 この構成によれば、通液部材8を2つの部材(第1部材10、第2部材20)に分割した場合と比較して、部品点数を削減することができる。
<第3実施形態>
 図25は、第3実施形態のユニット303の上面図である。図26は、第3実施形態のユニット303を分解した上面図である。図27は、第3実施形態のユニット303の側面図である。図28は、第3実施形態のユニット303を分解した側面図である。
 上述した第1実施形態では、流路形成体9を4枚のシート(第1シート41、第2シート42、第3シート43及び第4シート44)で構成した例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、図25から図28に示すように、流路形成体309は第3シート43及び第4シート44を含んでいなくてもよい。第3実施形態において、上述した第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
 本実施形態に係る流路形成体309は、透明な第1シート41と、第1シート41に積み重ねられ、通液ポート7と試料室2とをつなぐ連通穴45を有する第2シート42と、を備える。第3シート43及び第4シート44を含んでいなくても、穴のない第1シート41と、通液ポート7と試料室2とをつなぐ連通穴45を有する第2シート42と、を積層することで、流路形成体309を作製することができる。
 第2シート42の両面には、接着層40が設けられている。第2シート42は、顕微鏡観察時の光の反射等を抑制するために、黒色であることが望ましい。例えば、第2シート42は、ポリエチレンテレフタラート(PET)を基材とし、基材の表面にエタノールに対して耐性のある接着剤を備えたものであってもよい。 
<作用効果>
 以上説明したように、本実施形態に係る流路形成体309は、透明な第1シート41と、第1シート41に積み重ねられ、通液ポート7と試料室2とをつなぐ連通穴45を有する第2シート42と、を備える。
 この構成によれば、1つのユニット303に1つの試料室2がある場合の流路形成体309を得ることができる。例えば、第2シート42の両面に接着層を設けることに限らず、第1シート41及び第2シート42のそれぞれの片面に接着層を設けてもよい。
<第4実施形態>
 図29は、第4実施形態のデバイス401の上面図である。
 上述した第1実施形態では、デバイス1が平面視でマイクロプレートと同じ長方形の外形を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、図29に示すように、デバイス401は、平面視でスライドガラスと同じ大きさの外形を有してもよい。第4実施形態において、上述した第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
 スライドガラスは、主に光学顕微鏡を用いた観察を行う際に、微小な試料を載せるために用いるガラス板である。通常、スライドガラスの平面視サイズは、長辺方向(Y方向)の長さ(長辺の外寸)が75mm程度、短辺方向(X方向)の長さ(短辺の外寸)が25mm程度である。
 図の例(図29の上面視)では、試料室2は、デバイス401に6個設けられている。なお、試料室2は、上記の個数に限定されず、デバイス401に2個、4個又は8個設けられていてもよい。例えば、デバイス401の平面視形状、及び、試料室2の設置数は、設計仕様に応じて変更することができる。
<作用効果>
 以上説明したように、本実施形態に係るデバイス401は、平面視でスライドガラスと同じ大きさの外形を有する。試料室2は、デバイス401に6個設けられている。
 この構成によれば、平面視でスライドガラスと同じ大きさのデバイス401を得ることができる。
<第5実施形態>
 図30は、第5実施形態のデバイス501の上面図である。図31は、第5実施形態のデバイス501を用いた実験例の説明図である。 
 上述した第1実施形態では、デバイス1において短辺方向(Y方向)に並んだ試料室2の数Aと長辺方向(X方向)に並んだ試料室2の数Bとの比A:Bは、2:1である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、図30に示すように、デバイス501において短辺方向に並んだ試料室2の数Aと長辺方向に並んだ試料室2の数Bとの比A:Bは、2:1.5であってもよい。
 図30及び図31を併せて参照し、本実施形態では、デバイス501において短辺方向に並んだ試料室2の数Aは8個、長辺方向に並んだ試料室2の数Bは6個である。試料室2は、デバイス501に48個設けられている。なお、デバイス501に設けられる試料室2の数は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更可能である。
 本実施形態では、デバイス501は、試料室2の片側のみに通液ポート7を配置した8連のユニット503をX方向に6つ並べて構成されている。例えば、マイクロプレートのX1の位置に通液ポート7を配置し、X2の位置に試料室2を配置した8連のユニット3をX方向に6つ並べる。これにより、96マイクロプレートのX2,X4,X6,X8,X10,X12列のウェルと同じ位置に試料室2を設けたデバイス501を得ることができる。このようにマイクロプレートと同じ位置に試料室2を設けることで、顕微鏡での自動観察が行いやすくなる。
 このようにデバイス501が48個の試料室2を有する場合は、細胞の薬剤応答をシングルセルレベルで調べることができる。例えば、6種類の薬剤応答(例えば、薬剤1から薬剤6の応答)を、濃度4条件(例えば、未添加、濃度1、濃度2、濃度3の4条件)において、実験2回分(例えば、実験1及び実験2の分)調べることができる。
<作用効果>
 以上説明したように、本実施形態に係るデバイス501は、平面視でマイクロプレートと同じ長方形の外形を有する。試料室2は、デバイス501の短辺方向にA個、デバイス501の長辺方向にB個設けられている。デバイス501において短辺方向に並んだ試料室2の数Aと長辺方向に並んだ試料室2の数Bとの比A:Bは、2:1.5である。
 この構成によれば、比A:Bが2:1.5であることで、通液ポート1+試料室1の配置(96マイクロプレートに48個の試料室2を設ける場合)を、マイクロプレートの隣り合う2つのウェルと同じ位置に設けることができる。
<変形例>
 上述した実施形態では、構造体は、格納部に液体を流通するための通液ポートを有し、格納層が貼り付けられた通液部材と、格納層を介して通液部材に貼り付けられ、試料室、格納層、通液ポートの間の液体の流通を可能にする流路形成体と、を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、構造体は、格納部に液体を流通するための構造を有していればよい。例えば、2つの部材(格納層、構造体)のみでデバイスを構成可能としてもよい。例えば、構造体の構成態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
 上述した実施形態では、通液部材は、試料室を有し、格納層が貼り付けられる第1部材と、通液ポートを有し、第1部材に組み合わせられる第2部材と、を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、通液部材は、2つの部材(第1部材、第2部材)に分割されていなくてもよい。例えば、通液部材は、1つの部材のみで構成されていてもよい。例えば、通液部材の構成態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
 上述した実施形態では、流路形成体の厚みは、2mm以下である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、流路形成体の厚みは、2mm超過であってもよい。例えば、流路形成体の厚みは、設計仕様に応じて変更可能である。
 上述した実施形態では、格納層は、細胞又は粒子が通過可能な大きさのウェル開口を有するウェルアレイフィルターであり、ウェル開口に対応するウェル底部を備える。ウェル底部は、液体のみを通過させる貫通孔を有している例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ウェル底部は、特定のサイズより小さい細胞又は粒子のみを通過させる貫通孔を有していてもよい。例えば、貫通孔は、液体以外も通過可能に構成されていてもよい。例えば、ウェル底部の貫通孔の態様は、設計仕様に応じて変更することができる。
 上述した実施形態では、格納層は、ネガ型レジストで形成されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、格納層は、ポジ型レジストで形成されていてもよい。例えば、格納層の形成材料は、設計仕様に応じて変更することができる。
 上述した実施形態では、構造体において短辺方向に並んだ試料室の数Aと長辺方向に並んだ試料室の数Bとの比A:Bは、2:1.5又は2:1である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、比A:Bは、2:3であってもよい。比A:Bが2:3である場合は、市販のマイクロプレートのウェルと同じ位置に試料室を設けることができる。例えば、マイクロプレートのウェルと同様、試料室間のピッチは、縦、横が同じにするとよい。例えば、構造体は、平面視でマイクロプレートと同じ長方形の外形を有しなくてもよい。例えば、比A:Bは、上記(2:3、2:1.5又は2:1)以外の比であってもよい。例えば、構造体の平面視形状、比A:Bの態様、及び、試料室の数は、設計仕様に応じて変更することができる。
 上述した実施形態では、流路形成体を4枚のシート(第1実施形態)又は2枚のシート(第3実施形態)で構成した例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、流路形成体は、3枚のシートで構成されていてもよい。例えば、流路形成体は、透明な第1シートと、第1シートに積み重ねられ、通液ポートと試料室とをつなぐ連通穴を有する第2シートと、第2シートに積み重ねられ、通液部材の通液ポート及び試料室に対応する位置に開口孔を有する第3シートと、を備えていてもよい。この構成によれば、1つのユニットに複数の試料室がある場合の流路形成体を得ることができる。例えば、各シート間に接着層を設けることで、各シートを接着することができる。どのシートに接着層を設けるかの組み合わせは、下記の3通りがある。
(A)第1シート、第2シート及び第3シートのそれぞれの片面に接着層を設けてもよい。
(B)第2シートの両面と第3シートの片面とに接着層を設けてもよい。
(C)第2シートの片面と第3シートの両面とに接着層を設けてもよい。
 例えば、流路形成体を構成するシートの枚数は、設計仕様に応じて変更することができる。
 上述した実施形態では、試料室に対応した位置にのみ格納部を設けた1枚のフィルムを第1部材の下面に接着している例を挙げて説明したが、これに限らない。図32は、第1変形例の格納層の下面図である。図33は、第2変形例の格納層の下面図である。図34は、第3変形例の格納層の下面図である。例えば、図32に示すように、格納層を構成するフィルム605Aは、フィルム全体が格納部で構成されたものであってもよい。例えば、図33に示すように、格納層を構成するフィルム605Bは、第1部材の試料室開口11下部にのみ格納部が設けられたものであってもよい。例えば、図34に示すように、格納層を構成するフィルム605Cにおいて、格納部の平面視形状は、試料室開口11下部の平面視形状(円形)よりも大きい円形であってもよい。例えば、格納層の平面視形状、サイズ、及び、格納部の配置構成等は、設計仕様に応じて変更することができる。
 上述した実施形態では、流路形成体において第2シートの連通穴の平面視形状は、試料室及び通液ポートの開口部を囲む楕円形状である例を挙げて説明したが、これに限らない。図35は、第4変形例の流路形成体における連通穴745Aの形状の説明図である。図36は、第5変形例の流路形成体における連通穴745Bの形状の説明図である。図37は、第6変形例の流路形成体における連通穴745Cの形状の説明図である。図38は、第7変形例の流路形成体における連通穴745Dの形状の説明図である。例えば、図35に示すように、流路形成体において第2シートの連通穴745Aの平面視形状は、試料室2の開口部を囲む円形状と通液ポート7の開口部を囲む矩形形状とを組み合わせた形状であってもよい。この構成によれば、第2シートの連通穴745Aの形状は、平面視で試料室2側の幅よりも通液ポート7側の幅のほうが狭い形状であるため、流路の容積を最小化することができる。例えば、図36に示すように、流路形成体において第2シートの連通穴745Bの平面視形状は、試料室2の開口部を囲む矩形形状と通液ポート7の開口部を囲む楕円形状とを組み合わせた形状であってもよい。この構成によれば、第2シートの連通穴745Bの形状は、平面視で試料室2側の幅よりも通液ポート7側の幅のほうが広い形状であるため、図35に示した形状の場合と比較して、通液ポート7からの液体の吸引に要する圧力を低くすることができる。例えば、図37に示すように、流路形成体において第2シートの連通穴745Cの平面視形状は、試料室2の開口部を囲む矩形形状と通液ポート7の開口部を囲む円形状とを組み合わせた形状であってもよい。この構成によれば、第2シートの連通穴745Cの形状は、図36に示した形状の場合と同様、平面視で試料室2側の幅よりも通液ポート7側の幅のほうが広い形状であるため、通液ポート7からの液体の吸引に要する圧力を低くすることができる。例えば、図38に示すように、流路形成体において第2シートの連通穴745Dの平面視形状は、試料室2の開口部を囲む円形状と通液ポート7の開口部を囲む長円形状とを細く絞った連結部分を介して組み合わせた形状であってもよい。この構成によれば、第2シートの連通穴745Dの形状は、図35に示した形状の場合と同様、通液ポート7からの液体の吸引に要する圧力を強くしつつ、通液ポート7側の容積を十分に大きくできるので、試料室2下から観察の妨げになる気泡を流路側に移動させやすくなる。なお、第2シートの連通穴の形状は、平面視で試料室側の幅よりも通液ポート側の幅のほうが狭い形状でもよいし、平面視で試料室側の幅よりも通液ポート側の幅のほうが広い形状でもよい。例えば、第2シートの連通穴の平面視形状は、設計仕様に応じて変更することができる。
 本実施形態において観察、回収、培養等する試料(細胞又は粒子)は、特に限定されない。例えば、試料として細胞を用いる場合は、単一の細胞のみからなっていてもよいし、複数の細胞の集合体であってもよい。例えば、細胞には、細胞塊(細胞集団)が含まれる。
<第6実施形態>
 図39は、第6実施形態のデバイス801の上面図である。図40は、第6実施形態のデバイス801の下面図である。図41は、第6実施形態のボディ808及びベース850の断面を含む斜視図である。図42は、第6実施形態のボディ808及びベース850の断面図である。図43は、第6実施形態のデバイス801における液体の流れの説明図である。
 第6実施形態において、上述した実施形態と同様の構成には同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
 図39から図43に示すように、デバイス801は、試料(細胞又は粒子)を個別に格納可能な試料室2を有するユニット803を複数備える。デバイス801は、平面視でスライドガラスと同じ大きさの外形を有してもよい。
 ユニット803は、試料室2に対応する格納部4を有する格納層5と、格納部4に液体を流通するための構造体806と、を備える。複数のユニット803は、互いに液体の流通がなく独立している。なお、図42及び図43において、矢印はデバイス801(各ユニット803)における液体の流通方向を示す。
 デバイス801は、試料室2及び通液ポート7を有するボディ808(通液部材に相当)と、ボディ808が組み合わされるベース850と、試料室2、格納層5、通液ポート7の間の液体の流通を可能にする流路形成体809と、を備える。
 例えば、流路形成体809の厚みC1を薄くするほど、デバイス801下面から格納層5までの距離を短くできるため、高倍率観察が容易となる。本実施形態では、試料室と通液ポートとを分割した構造と比較して、流路形成体809の厚みC1を薄くしやすい。
 図44は、第6実施形態のボディ808の上面図である。図45は、第6実施形態のボディ808の下面図である。図44において、1個の試料室2と1個の通液ポート7との組み合わせを太線で示す。
 図44及び図45を併せて参照し、ボディ808は、試料室2及び通液ポート7を有する。ボディ808は、試料室2が形成された第1筒部810と、通液ポート7が形成された第2筒部820と、を備える。第1筒部810及び第2筒部820は、X方向及びY方向に対して互いに斜めに連なっている。
 試料室2は、デバイス801の短辺方向(Y方向)にA個、デバイス801の長辺方向(X方向)にB個設けられている。本実施形態では、デバイス801において短辺方向に並んだ試料室2の数Aと長辺方向に並んだ試料室2の数Bとの比A:Bは、2:3である。なお、比A:Bは、上記に限らず、設計仕様に応じて変更可能である。
 本実施形態では、デバイス801において短辺方向に並んだ試料室2の数Aは2個、長辺方向に並んだ試料室2の数Bは3個である。試料室2は、デバイス801に6個設けられている。なお、デバイス801に設けられる試料室2の数は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更可能である。
 本実施形態では、通液ポート7は、試料室2に対応した位置に試料室2と同じ数設けられている。各通液ポート7は、対応する位置の試料室2に対して-X方向かつ-Y方向の斜めオフセットした位置に配置されている。通液ポート7は、デバイス801に6個設けられている。なお、デバイス801に設けられる通液ポート7の配置及び数は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更可能である。
 本実施形態では、通液ポート7の上部の形状は、逆円錐形状(上方に向かって拡径する形状)である。通液ポート7の下部の形状は、ドーム状(上方に湾曲した半球形状)である。これにより、気泡が流路に溜まりにくくなる。
 ボディ808を構成する材料は、試料室2に格納する対象に応じて任意に選択することができる。なお、ボディ808は、それ自体が細胞毒性を有さない材料、細胞毒性成分が溶出しない材料、自家蛍光が低い材料、ガンマ線照射で著しく変質しない材料、エチレンオキシド蒸気暴露で著しく変質しない材料、紫外線照射で著しく変質しない材料、滅菌処理で著しく変質しない材料、アルコールに溶解しない材料及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される一つ以上の材料を更に含むことができ、それ自体が細胞毒性を有さず且つ細胞毒性成分が溶出しない材料を含むことが好ましい。
 ボディ808の色は、試料室2に格納する対象に応じて任意に選択することができる。ただし、材料の自家蛍光、顕微鏡観察時の光の反射の影響を軽減するための観点からは、ボディ808の色は、黒色であることが望ましい。
 本実施形態に係るボディ808は、試料室2及び通液ポート7を有する連通壁部821と、連通壁部821が連結される板状の基板部822と、隣り合う連通壁部821同士を連結する連結部823と、を備える。ボディ808は、1個の部品で構成されている。例えば、連通壁部821、基板部822及び連結部823は、同一の部材で一体に形成されていてもよい。ボディ808は、基板部822上に6個の連通壁部821が連なった構造を有する。なお、基板部822上に設けられる連通壁部821の数は、上記に限らず、設計仕様に応じて変更可能である。
 図46は、第6実施形態のベース850の上面図である。図47は、第6実施形態のベース850の下面図である。
 図46及び図47を併せて参照し、ベース850は、ボディ808が組み合わされる部材である。
 ベース850は、ボディ808を挿入するための開口孔851を有する底壁部852を備える。底壁部852は、ボディ808の基板部822を嵌め込むための凹部853を下面に有する。底壁部852の開口孔851は、ボディ808の複数の連通壁部821の外形に沿うように形成されている。底壁部852の凹部853の外形は、ボディ808の基板部822が嵌まり合うように平面視長方形をなしている。
 例えば、ボディ808とベース850とを組み合わせる際は、ベース850の底壁部852の開口孔851に対して、ベース850の下面側からボディ808を挿入する。これにより、ベース850の底壁部852の開口孔851にボディ808の連通壁部821を挿入するとともに、底壁部852の凹部853にボディ808の基板部822を嵌め込む。例えば、組み立てられたボディ808及びベース850の下面同士は、フラットになるように構成されている。
 ベース850は、底壁部852の上面に、平面視で角丸を有する矩形枠状の枠壁部855を備える。枠壁部855は、平面視で複数の連通壁部821の全体(試料室2及び通液ポート7全体)の周囲を囲うように設けられている。
 例えば、枠壁部855には、サンプルの蒸発を防ぐために試料室2及び通液ポート7全体を覆う蓋部材(不図示)が着脱可能に取り付けられてもよい。例えば、枠壁部855は、サンプルをロードする際にデバイス801を固定するための持ち手としても機能してもよい。
 図48は、第6実施形態の流路形成体809の下面図である。図49は、第6実施形態の流路形成体809を構成する接着層840の下面図である。図50は、第6実施形態の流路形成体809を構成するシート841の下面図である。
 図48から図50を併せて参照し、流路形成体809は、平面視でベース850の外形に沿う長方形状を有する。流路形成体809は、試料室2、格納層5、通液ポート7の間の液体の流通を可能にする構造体である。流路形成体809は、各試料室2間の液体の流通を防いで独立させるためのものである。流路形成体809は、通液ポート7と試料室2とをつなぐ連通孔845を有する接着層840と、接着層840を介してベース850に取り付けられるシート841と、を備えて構成されていてもよい。
 例えば、接着層840は、通液ポート7と試料室2とをつなぐ流路の形を切り抜いた両面テープ(両面に接着層を有する接着シート)であってもよい。接着層840は、シート841を接着するために、ベース850の下面に設けられる。接着層840は、通液ポート7と試料室2とをつなぐ流路を除く、ベース850の下面全体に設けられてもよい。
 なお、接着層840は、両面テープに限らず、エポキシ系やアクリル系などの液体接着剤を任意の方法で塗布することで設けてもよい。例えば、ベース850及びシート841の表面同士を化学的、物理的に直接改質して接合できる場合は、この方法で両方を接着してもよい。
 接着層840を構成する材料は、試料室2に格納する対象に応じて任意に選択することができる。例えば、接着層840としては、アクリル系、シリコーン系、ゴム系の接着剤を用いた接着シートが挙げられる。なお、接着層840は、それ自体が細胞毒性を有さない材料、細胞毒性成分が溶出しない材料、自家蛍光が低い材料、ガンマ線照射で著しく変質しない材料、エチレンオキシド蒸気暴露で著しく変質しない材料、紫外線照射で著しく変質しない材料、滅菌処理で著しく変質しない材料、アルコールに溶解しない材料及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される一つ以上の材料を更に含むことができ、それ自体が細胞毒性を有さず且つ細胞毒性成分が溶出しない材料を含むことが好ましい。
 なお、接着層840がアルコール等で溶出する成分を含んでいたとしても、溶出物を含んだアルコールに水を添加した際に析出物を発生させずに除去できるのであれば、使用できる。例えば、実施形態のデバイスは、デバイス全体をエタノールでプリウェットした後、エタノールを水に置換して使用してもよい。例えば、大半のテープでエタノールによる溶出物がある場合は、水に置換する際に、流路に通らない粒子が析出したり、水に溶解しない析出物がデバイスに付着したりすることがなければ、使用してもよい。
 例えば、シート841は、蛍光顕微鏡の励起に用いる青から近赤外の波長領域において透明なものを用いてもよい。なお、シート841は、それ自体が蛍光を発しない材料、ガンマ線照射を経ても着色、白濁又は変性しない材料、紫外線照射を経ても着色、白濁又は変性しない材料、エチレンオキシド蒸気への暴露を経ても着色、白濁又は変性しない材料、滅菌過程を経ても着色、白濁又は変性しない材料及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される一つ以上の材料を更に含むことができ、シクロオレフィン・コポリマー(COC)又はシクロオレフィンポリマー(COP)を含むことが好ましい。
 例えば、流路形成体809の厚みC1は、2mm以下である。例えば、倒立顕微鏡(顕微鏡の一例)による高倍率の観察を可能にするためには、流路形成体809の厚みC1は、1.5mm以下であることが好ましく、1.0mm以下であることがより好ましく、0.5mm以下であることが更に好ましい。なお、流路形成体809の厚みC1は、デバイス801下面から格納層5までの距離に相当する(図43参照)。
 なお、流路形成体809を構成するシート841は、1枚のフィルム(単層体)からなっていてもよいし、複数のフィルムの積層体からなっていてもよい。例えば、流路形成体809を構成するシート841の構成(フィルムの枚数)は、設計仕様に応じて変更することができる。
 例えば、シート841及び接着層840の各々の厚みは、流路形成体809の全体の厚みが上記の厚みC1(例えば2mm以下)であれば、任意である。例えば、シート841の厚みは、188μm程度である。例えば、接着層840の厚みは、50μm程度である。
 なお、顕微鏡の高倍率の対物レンズは、レンズとカバーガラスとの間の媒体(例えば、空気、水、オイル等)及びガラスの厚みを考慮して焦点の位置が設計されている。実施形態のデバイスの構成では、光はレンズとデバイス底面までの媒体、流路を満たす水、格納部を通って観察対象物に達する。水はガラスに比べて屈折率が低いため、流路の高さが高く、水の層が厚いと、光学収差が大きくなり、高倍率観察が難しくなる。これを防ぐために、流路の高さは、液体の流通を妨げない範囲で低い方が良い。流路の高さは、接着層840の厚みで決まる。接着層840の厚みは、流路の水による収差の影響を少なくするために、100μm以下、より好ましくは50μm以下にするのが良い。接着層840の厚みの下限値は、液体の流通が妨げられなければ制限はないが、20μm以上であることが好ましい。
 シート841の厚みには制限はないが、薄すぎると液体の吸引時に生じる負圧でシート841が上側(格納層側)に変形し、細胞が格納層外に出てしまう可能性がある。シート841は、液吸引時の負圧による変形が少なくなる厚みであることが好ましい。光学収差の観点では、シート841は屈折率がガラスに近い素材であることが好ましく、厚みも市販のカバーガラスに近い170μm以上200μm以下であることが好ましい。上記から、シート841としては、厚み188μm程度のCOCまたはCOPが望ましい。
 図51は、第6実施形態の格納層のレチクルパターンの一例(支持層)を示す図である。図52は、第6実施形態の格納層のレチクルパターンの一例(ウェル層)を示す図である。なお、レチクルパターンは、ネガ型レジストで格納層を作る場合のパターンである。
 図51及び図52を併せて参照し、格納層5は、レチクル(フォトマスクの一例)を用いて作製したパターン(レチクルパターン)を有する支持層及び/又はウェル層を備えて構成されていてもよい。
 図51及び図52において、黒丸囲み部は、試料室2の開口部に対応する。黒丸囲み部の内側は、貫通孔があってもよい。黒丸囲み部の外側は、貫通孔がなくてもよい。例えば、支持層及び/又はウェル層に相当するフィルムをボディ808に対して接着剤で貼り付けてもよい。
 格納層5は、試料室2に対応する格納部4を有するフィルム状の部材である。図10を併せて参照し、格納層5は、試料(細胞又は粒子)が通過可能な大きさのウェル開口30を有していてもよい。また、格納層5は、ウェル開口30に対応するウェル底部31を備えていてもよい。また、ウェル底部31は、液体のみを通過させる貫通孔32を有していてもよい。
 図の例では、ウェル開口30の平面視形状は六角形であるが、試料(細胞又は粒子)が通過可能な大きさであれば、どのような平面視形状であってもよい。図の例では、ウェル底部31の中央部に平面視円形の貫通孔32を2つ有するが、液体のみを通過させることが可能であれば、どのような平面視形状であってもよいし、貫通孔32の個数も限定されない。
 格納層5を構成する材料は、試料室2に格納する対象に応じて任意に選択することができる。なお、格納層5は、ネガ型フォトレジスト、重合性官能基を有するポリエチレングリコール又はポリジメチルシロキサン(PDMS)及び/又はそれらの混合物からなる群から選択される一つ以上の材料を更に含むことができ、ネガ型フォトレジストを含むことが好ましい。
 図51及び図52を併せて参照し、支持層及びウェル層において、白抜き部(通液ポートに相当)は、レジストが無くなり、孔が開いた部分に相当する。例えば、通液ポート以外の全面に、ウェルを設けてもよい。これにより、接着剤の濡れ広がりをコントロールしてもよい。
 例えば、試料室2の部分にのみ、ウェルの底部に貫通孔を設けてもよい。すなわち、試料室2以外の部分には、貫通孔を設けなくてもよい。これにより、格納層5がボディ808(接着対象部材)と必要個所以外で接着してしまう事態を防ぐことができる。
 以上説明したように、本実施形態に係るデバイス801は、試料室2及び通液ポート7を有するボディ808が1個の部品で構成されている。
 この構成によれば、試料室2を有する部品と通液ポート7を有する部品とに分割した場合と比較して、部品点数を削減することができる。加えて、流路高さを低くして、高倍率観察の際の光学収差の影響を少なくすることができ、構成部品の数を減らすこともできる。
 図53は、マイクロプレートでの試料室及び通液ポートの配置の一例を示す図である。図54は、図53に示すY方向に並んだ試料室の数AとX方向に並んだ試料室の数Bとの比A:Bが2:3である場合の試料室数の一例を示す図である。図55は、図53に示すY方向に並んだ試料室の数AとX方向に並んだ試料室の数Bとの比A:Bが2:1.5である場合の試料室数の一例を示す図である。
 図53から図55を併せて参照し、デバイスは、平面視でマイクロプレートと同じ長方形の外形を有してもよい。例えば、試料室及び通液ポートをX方向及びY方向に対して斜めに並ぶように(一対となるように)設けてもよい。例えば、試料室間のピッチの1/2の位置に通液ポートを配置してもよい。これにより、マイクロプレートにおいて互いに同じ数の試料室及び通液ポートを配置することができる。
 図54及び図55において、試料室数は下記の式(1)で算出される。
 試料室数=A×B×n ・・・(1)
 例えば、通液性、操作性を考慮すると、図54及び図55に示すハッチング範囲をデバイスに適用することが望ましい。
 その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは可能である。また、上述した各変形例を組み合わせても構わない。
 本発明のデバイス、観察方法、回収方法、培養方法、及び、デバイスの製造方法を利用すれば、1つのデバイスの中で複数の試料(細胞又は粒子)を独立に観察することが可能となる。
 1…デバイス、2…試料室、3…ユニット、4…格納部、5…格納層、6…構造体、7…通液ポート、8…通液部材、9…流路形成体、10…第1部材、20…第2部材、30…ウェル開口、31…ウェル底部、32…貫通孔、40…接着層、41…第1シート、42…第2シート、43…第3シート、44…第4シート、45…連通穴、46…開口孔、C1…流路形成体の厚み

Claims (17)

  1.  細胞又は粒子を個別に格納可能な試料室を有するユニットを複数備えるデバイスであって、
     前記ユニットは、
      前記試料室に対応する格納部を有する格納層と、
      前記格納部に液体を流通するための構造体と、を備え、
     複数の前記ユニットは、互いに前記液体の流通がなく独立している、
     デバイス。
  2.  前記構造体は、
      前記格納部に前記液体を流通するための通液ポートを有し、前記格納層が貼り付けられた通液部材と、
      前記格納層を介して前記通液部材に貼り付けられ、前記試料室、前記格納層、前記通液ポートの間の前記液体の流通を可能にする流路形成体と、を備える、
     請求項1に記載のデバイス。
  3.  前記通液部材は、
      前記試料室を有し、前記格納層が貼り付けられる第1部材と、
      前記通液ポートを有し、前記第1部材に組み合わせられる第2部材と、を備える、
     請求項2に記載のデバイス。
  4.  前記流路形成体は、
      透明な第1シートと、
      前記第1シートに積み重ねられ、前記通液ポートと前記試料室とをつなぐ連通穴を有する第2シートと、を備える、
     請求項2又は3に記載のデバイス。
  5.  前記流路形成体は、
      透明な第1シートと、
      前記第1シートに積み重ねられ、前記通液ポートと前記試料室とをつなぐ連通穴を有する第2シートと、
      前記第2シートに積み重ねられ、前記通液部材の前記通液ポート及び前記試料室に対応する位置に開口孔を有する第3シートと、を備える、
     請求項2又は3に記載のデバイス。
  6.  前記流路形成体は、
      透明な第1シートと、
      前記第1シートに積み重ねられ、前記通液ポートと前記試料室とをつなぐ連通穴を有する第2シートと、
      前記第2シートに積み重ねられ、前記通液部材の前記通液ポート及び前記試料室に対応する位置に開口孔を有する第3シートと、
      前記第3シートに積み重ねられ、前記第3シートと同じ平面視形状を有する第4シートと、を備え、
     前記第2シートの両面と前記第4シートの両面には、接着層が設けられている、
     請求項2又は3に記載のデバイス。
  7.  前記流路形成体の厚みは、2mm以下である、
     請求項2又は3に記載のデバイス。
  8.  前記格納層は、前記細胞又は前記粒子が通過可能な大きさのウェル開口を有するウェルアレイフィルターであり、
     前記ウェル開口に対応するウェル底部を備え、
     前記ウェル底部は、前記液体のみを通過させる貫通孔を有する、
     請求項1又は2に記載のデバイス。
  9.  前記格納層は、ネガ型レジストで形成されている、
     請求項1又は2に記載のデバイス。
  10.  前記デバイスは、平面視でスライドガラスと同じ大きさの外形を有し、
     前記試料室は、前記デバイスに、2個、4個、6個又は8個設けられている、
     請求項1又は2に記載のデバイス。
  11.  前記デバイスは、平面視でマイクロプレートと同じ長方形の外形を有し、
     前記試料室は、前記デバイスの短辺方向にA個、前記デバイスの長辺方向にB個設けられ、
     前記デバイスにおいて前記短辺方向に並んだ前記試料室の数Aと前記長辺方向に並んだ前記試料室の数Bとの比A:Bは、2:3、2:1.5又は2:1である、
     請求項1又は2に記載のデバイス。
  12.  前記デバイスは、平面視でマイクロプレートと同じ大きさの外形を有し、
     前記試料室は、前記デバイスに、32個又は48個設けられている、
     請求項1又は2に記載のデバイス。
  13.  請求項1又は2に記載のデバイスを用いた、顕微鏡による前記細胞又は前記粒子を個別に観察する観察方法。
  14.  請求項1又は2に記載のデバイスを用いた、前記細胞又は前記粒子を個別に回収する回収方法。
  15.  請求項1又は2に記載のデバイスを用いた、前記細胞を培養する培養方法。
  16.  請求項1又は2に記載のデバイスの製造方法であって、
     前記格納部に前記液体を流通するための通液ポートを有する通液部材に、前記格納層を貼り付ける第1工程と、
     前記第1工程の後、前記試料室、前記格納層、前記通液ポートの間の前記液体の流通を可能にする流路形成体を、前記格納層を介して前記通液部材に貼り付ける第2工程と、を含む、
     デバイスの製造方法。
  17.  前記第1工程は、
     前記試料室を有する第1部材に、前記格納層を貼り付ける貼付工程と、
     前記貼付工程の後、前記通液ポートを有する第2部材を、前記第1部材に組み合わせることで前記通液部材を作製する組合工程と、を含む、
     請求項16に記載のデバイスの製造方法。
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JP2019146548A (ja) * 2018-02-28 2019-09-05 国立大学法人横浜国立大学 培養装置、2種類以上の細胞構造体を構築する方法及びオンチップ臓器デバイス
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WO2021065771A1 (ja) * 2019-09-30 2021-04-08 東京応化工業株式会社 細胞スクリーニングデバイスおよび細胞スクリーニングキット

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