WO2024071095A1 - 撮像装置、測距装置及び撮像装置の製造方法 - Google Patents

撮像装置、測距装置及び撮像装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

撮像装置(100)は、基板と、基板内に設けられた光電変換部(211)と、第1の制御端子(221g)を含み、光電変換部(211)に接続された第1の転送トランジスタと、第2の制御端子(231g)を含み、光電変換部(211)に接続された第2の転送トランジスタと、を備える。光電変換部(211)は、基板(170)内に設けられた第1の導電型の第1の半導体領域を含む。基板の平面視において、第1の制御端子(221g)及び第2の制御端子(231g)はそれぞれ、第1の半導体領域に重なる。第1の制御端子(221g)と第1の半導体領域とが重なる面積(S1)と、第2の制御端子(231g)と第1の半導体領域とが重なる面積(S2)は、光電変換部(211)の面積(SPD)の20%以上である。

Description

撮像装置、測距装置及び撮像装置の製造方法
 本開示は、撮像装置、測距装置及び撮像装置の製造方法に関する。
 特許文献1には、基板に形成された光電変換部と、光電変換部から読み出された電荷を転送する電荷転送部と、を備える固体撮像素子が開示されている。光電変換部は、基板に形成されたn型不純物領域と、当該n型不純物領域の表面部分に形成されたp型不純物領域と、を有する。p型不純物領域では、不純物濃度が高い高濃度p型不純物層を含んでいる。高濃度p型不純物層を設けることにより、暗電流を抑制することができるとされている。
特開2010-287610号公報
 特許文献1に開示された固体撮像素子では、電荷転送部の電極と光電変換部の表面にある高濃度p型不純物層との間隔を確保する必要がある。しかしながら、画素の微細化を行うためには、高濃度p型不純物領域及び電極に対する間隔を確保することが難しい。その結果、界面準位に起因した暗電流を抑制することが難しくなるという問題がある。
 そこで、本開示は、画素を微細化した場合であっても暗電流を抑制することができる撮像装置等を提供する。
 本開示の一態様に係る撮像装置は、基板と、前記基板内に設けられた光電変換部と、第1の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第1の転送トランジスタと、第2の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第2の転送トランジスタと、を備え、前記光電変換部は、前記基板内に設けられた第1の導電型の第1の半導体領域を含み、前記基板の平面視において、前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子はそれぞれ、前記第1の半導体領域に重なり、前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積と、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積との合計は、前記光電変換部の面積の20%以上である。
 本開示の一態様に係る撮像装置は、基板と、前記基板内に設けられた光電変換部と、第1の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第1の転送トランジスタと、第2の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第2の転送トランジスタと、を備え、前記光電変換部は、前記基板内に設けられた第1の導電型の第1の半導体領域を含み、前記基板の平面視において、前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子はそれぞれ、前記第1の半導体領域に重なり、かつ、第1の方向に並んで配置され、前記第1の方向において、前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる長さと、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる長さとの合計は、前記光電変換部の長さの20%以上である。
 本開示の一態様に係る測距装置は、光源と、上記各態様のいずれかに係る撮像装置と、前記撮像装置から出力される信号に基づいて、対象物までの距離を算出する演算回路と、を備え、前記第2の波長の点滅光は、前記光源から発せられた点滅光のうち、前記対象物によって反射された反射光である。
 本開示の一態様に係る撮像装置の製造方法は、基板内に設けられた第1の導電型の第1の半導体領域を含む光電変換部を形成する第1の工程と、前記光電変換部に接続された第1の転送トランジスタ及び第2の転送トランジスタを形成する第2の工程と、を含み、前記第2の工程では、前記第1の転送トランジスタの第1の制御端子、及び、前記第2の転送トランジスタの第2の制御端子をそれぞれ、前記基板の平面視において、前記第1の半導体領域に重ねて形成する。
 また、本開示の一態様は、上記撮像装置又は測距装置の制御方法をコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。あるいは、本開示の一態様は、当該プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現することもできる。
 本開示によれば、画素を微細化した場合であっても暗電流を抑制することができる撮像装置等を提供することができる。
図1は、実施の形態に係る内視鏡システムの構成を示す図である。 図2は、実施の形態に係る撮像装置の構成を示す図である。 図3は、実施の形態に係る単位セルの回路構成を示す図である。 図4は、実施の形態に係る撮像装置における動作モードの制御の一例を示す図である。 図5は、CW-ToF方式に基づく測距方法を説明するための図である。 図6は、パルスToF方式に基づく測距方法を説明するための図である。 図7Aは、CW-ToF方式の測距モードの第1の駆動例を示すタイミングチャートである。 図7Bは、図7Aに示す第1の駆動例において、照射光及び反射光と各フレーム期間との関係を示す図である。 図8は、CW-ToF方式の測距モードの第2の駆動例を示すタイミングチャートである。 図9Aは、CW-ToF方式の測距モードの第3の駆動例を示すタイミングチャートである。 図9Bは、CW-ToF方式の測距モードの第3の駆動例の変形例を示すタイミングチャートである。 図10Aは、パルスToF方式の測距モードの駆動例を示すタイミングチャートである。 図10Bは、図10Aに示す例において、照射光及び反射光と各フレーム期間との関係を示す図である。 図10Cは、図10Aに示す例において、2つの転送トランジスタに供給される制御信号の一例を示す図である。 図11は、RGBモードの第1の駆動例を示すタイミングチャートである。 図12は、RGBモードの第2の駆動例を示すタイミングチャートである。 図13Aは、RGBモードにおける単位セル内のポテンシャルを示す図である。 図13Bは、ToFモードにおける単位セル内のポテンシャルを示す図である。 図14は、実施の形態に係る画素の一例を示す概略的な平面図である。 図15Aは、実施の形態に係る画素の別の一例を示す概略的な平面図である。 図15Bは、実施の形態に係る画素の別の一例を示す概略的な平面図である。 図15Cは、実施の形態に係る画素の別の一例を示す概略的な平面図である。 図15Dは、実施の形態に係る画素の別の一例を示す概略的な平面図である。 図15Eは、実施の形態に係る画素の別の一例を示す概略的な平面図である。 図15Fは、実施の形態に係る画素の別の一例を示す概略的な平面図である。 図16は、実施の形態に係る駆動回路の構成を示す図である。 図17は、実施の形態に係る画素制御回路及び基板電圧供給回路の回路構成を示す図である。 図18Aは、RGBモードにおける転送トランジスタの制御端子に供給される電位の例を示す図である。 図18Bは、ToFモードにおける転送トランジスタの制御端子に供給される電位の例を示す図である。 図18Cは、ToFモードにおける転送トランジスタの制御端子に供給される電位の別の一例を示す図である。 図19Aは、RGBモードにおいて転送トランジスタ及びリセットトランジスタの各制御端子に供給される電位の例を示す図である。 図19Bは、ToFモードにおいて転送トランジスタ及びリセットトランジスタの各制御端子に供給される電位の例を示す図である。 図20Aは、RGBモードにおいて転送トランジスタ及びリセットトランジスタの各制御端子、並びに、基板の各々に供給される電位の例を示す図である。 図20Bは、ToFモードにおいて転送トランジスタ及びリセットトランジスタの各制御端子、並びに、基板の各々に供給される電位の例を示す図である。 図20Cは、ToFモードにおいて転送トランジスタ及びリセットトランジスタの各制御端子、並びに、基板の各々に供給される電位の変形例を示す図である。 図21は、ToFモードにおいて、キャパシタの電圧を制御した場合の単位セル内のポテンシャルを示す図である。 図22は、実施の形態に係る光電変換部の平面図である。 図23Aは、図22のXXIII-XXIII線における断面図である。 図23Bは、図22のXXIII-XXIII線に相当する比較例に係る画素の断面図である。 図24は、転送トランジスタの制御端子に負電圧を供給した場合における光電変換部の断面構成を示す断面図である。 図25は、ホール蓄積領域の面積割合に対する撮像装置のダイナミックレンジを示す図である。
 (本開示の概要)
 本開示の第1の態様に係る撮像装置は、基板と、前記基板内に設けられた光電変換部と、第1の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第1の転送トランジスタと、第2の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第2の転送トランジスタと、を備え、前記光電変換部は、前記基板内に設けられた第1の導電型の第1の半導体領域を含み、前記基板の平面視において、前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子はそれぞれ、前記第1の半導体領域に重なり、前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積と、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積との合計は、前記光電変換部の面積の20%以上である。
 本開示の第2の態様に係る撮像装置は、基板と、前記基板内に設けられた光電変換部と、第1の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第1の転送トランジスタと、第2の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第2の転送トランジスタと、を備え、前記光電変換部は、前記基板内に設けられた第1の導電型の第1の半導体領域を含み、前記基板の平面視において、前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子はそれぞれ、前記第1の半導体領域に重なり、かつ、第1の方向に並んで配置され、前記第1の方向において、前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる長さと、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる長さとの合計は、前記光電変換部の長さの20%以上である。
 このように、本態様に係る撮像装置では、第1の制御端子及び第2の制御端子の各々を光電変換部に重なるように設けている。各制御端子に負電圧を印加した場合には、各制御端子の直下の領域にはホール蓄積層を形成することができる。これにより、ホール蓄積層が高濃度p型不純物層と同等の機能を果たすことができる。このため、画素の微細化によって高濃度p型不純物層を設けることが困難であっても、暗電流を抑制することができる。つまり、画素を微細化した場合であっても暗電流を抑制することができる撮像装置を提供することができる。
 本開示の第3の態様に係る撮像装置は、第1の態様又は第2の態様に係る撮像装置であって、前記光電変換部は、前記第1の半導体領域上に設けられた、前記第1の導電型とは逆極性である第2の導電型の第2の半導体領域をさらに含み、前記基板の平面視において、前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子はそれぞれ、前記第2の半導体領域上に絶縁膜を介して配置されている。
 このように、本態様に係る撮像装置では、画素を微細化した場合であっても暗電流を抑制することができる撮像装置を提供することができる。
 本開示の第4の態様に係る撮像装置は、第1の態様~第3の態様のいずれか1つに係る撮像装置であって、前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子に前記基板の電位以下の電圧を供給する駆動回路を備える。
 これにより、第2の半導体領域の一部がホール蓄積層として、高濃度p型不純物層と同等の機能を果たすことができる。このため、画素の微細化によって高濃度p型不純物層を設けることが困難であっても、暗電流を抑制することができる。つまり、画素を微細化した場合であっても暗電流を抑制することができる。
 本開示の第5の態様に係る撮像装置は、第1の態様~第4の態様のいずれか1つに係る撮像装置であって、前記第1の転送トランジスタと前記第2の転送トランジスタとは、互いに対向するように配置される。
 これにより、各制御端子の直下の領域にはホール蓄積層を形成することができる。このため、画素の微細化によって高濃度p型不純物層を設けることが困難であっても、暗電流を抑制することができる。
 本開示の第6の態様に係る撮像装置は、第1の態様~第5の態様のいずれか1つに係る撮像装置であって、前記基板の平面視において、前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積と、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積とは、同等である。
 これにより、第1の転送トランジスタと第2の転送トランジスタとで動作特性を同等にすることができる。例えば、オン及びオフの切り替えの制御性が高まるので、画質又は測距精度を高めることができる。
 本開示の第7の態様に係る撮像装置は、第1の態様~第6の態様のいずれか1つに係る撮像装置であって、前記基板に設けられた単位セルであって、n個(nは自然数)の画素、及び、n個の前記画素で発生する電荷を蓄積するための電荷蓄積部を含む単位セルを備え、n個の前記画素の各々は、前記光電変換部、前記第1の転送トランジスタ及び前記第2の転送トランジスタを含み、n個の前記画素の各々において、前記第1の転送トランジスタは、同一画素内の前記光電変換部に接続された第1の入出力端子、及び、前記電荷蓄積部に接続された第2の入出力端子を有し、前記第2の転送トランジスタは、同一画素内の前記光電変換部に接続された第3の入出力端子、及び、電源線に接続された第4の入出力端子を有する。
 これにより、第1の制御端子及び第2の制御端子の各々を、各入出力端子とは接続していない。これにより、第1の制御端子に供給される制御信号と第2の制御端子に供給される制御信号との波形の鈍りの差を抑制することができるので、測距精度の低下を抑制することができる。つまり、高精度な測距に利用することができる撮像装置を提供することができる。
 本開示の第8の態様に係る撮像装置は、第7の態様に係る撮像装置であって、複数の動作モードから選択された1つの動作モードに応じて、前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子を駆動する駆動回路を備え、前記複数の動作モードは、前記n個の画素の少なくとも1つを第1の波長の光に露光する第1の動作モードと、前記n個の画素の少なくとも1つを第2の波長の点滅光に露光する第2の動作モードと、を含む。
 これにより、第1の動作モードで可視光画像の取得を行い、第2の動作モードで測距を行うことができる。
 本開示の第9の態様に係る撮像装置は、第8の態様に係る撮像装置であって、前記第1の動作モードは、可視光画像を生成する撮像モードであり、前記第2の動作モードは、距離画像を生成する測距モードである。
 これにより、高精細な可視光画像の取得と高精度な測距とを両立させることができる。
 本開示の第10の態様に係る測距装置は、光源と、第8の態様又は第9の態様に係る撮像装置と、前記撮像装置から出力される信号に基づいて、対象物までの距離を算出する演算回路と、を備え、前記第2の波長の点滅光は、前記光源から発せられた点滅光のうち、前記対象物によって反射された反射光である。
 これにより、上述した撮像装置と同様に、画素を微細化した場合であっても暗電流を抑制することができる測距装置を提供することができる。
 本開示の第11の態様に係る撮像装置の製造方法は、基板内に設けられた第1の導電型の第1の半導体領域を含む光電変換部を形成する第1の工程と、前記光電変換部に接続された第1の転送トランジスタ及び第2の転送トランジスタを形成する第2の工程と、を含み、前記第2の工程では、前記第1の転送トランジスタの第1の制御端子、及び、前記第2の転送トランジスタの第2の制御端子をそれぞれ、前記基板の平面視において、前記第1の半導体領域に重ねて形成する。
 これにより、画素を微細化した場合であっても暗電流を抑制することができる撮像装置を製造することができる。
 本開示の第12の態様に係る撮像装置の製造方法では、第11の態様に係る撮像装置の製造方法であって、前記第2の工程では、前記基板の平面視において、(i)前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積と、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積との合計が、前記光電変換部の面積の20%以上になるように、又は、(ii)前記第1の制御端子と前記第2の制御端子との並び方向において、前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる長さと、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる長さとの合計が、前記光電変換部の長さの20%以上になるように、前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子をそれぞれ、前記第1の半導体領域に重ねて形成する。
 これにより、画素を微細化した場合であっても暗電流を抑制することができる撮像装置を提供することができる。
 本開示の第13の態様に係る撮像装置の製造方法では、第11の態様又は第12の態様に係る撮像装置の製造方法であって、前記第1の工程では、前記第1の半導体領域上に、前記第1の導電型とは逆極性である第2の導電型の第2の半導体領域をさらに含む前記光電変換部を形成し、前記第2の工程では、前記第1の制御端子、及び前記第2の制御端子をそれぞれ、前記基板の平面視において、前記第2の半導体領域上に絶縁膜を介して配置する。
 これにより、画素を微細化した場合であっても暗電流を抑制することができる撮像装置を提供することができる。
 以下では、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
 なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
 また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
 また、本明細書において、平行又は垂直等の要素間の関係性を示す用語、矩形等の要素の形状を示す用語、及び、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
 また、本明細書において、「上方」及び「下方」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上方」及び「下方」という用語は、2つの構成要素が互いに間隔を空けて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合のみならず、2つの構成要素が互いに密着して配置されて2つの構成要素が接する場合にも適用される。
 また、本明細書において、「厚み方向」とは、基板の厚み方向を意味し、基板の主面に垂直な方向のことである。また、「平面視」とは、特に断りの無い限り、基板の主面に対して垂直な方向から見たときのことをいう。
 また、本明細書において、可視光帯域は、380nm以上780nm以下の波長帯域とみなす。近赤外光帯域は、780nm以上2500nm以下の波長帯域とみなす。
 また、本明細書において、トランジスタの「入出力端子」とは、電流(電荷)又は電圧の入力若しくは出力又はその両方が行われる端子を意味する。トランジスタがMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)又はTFT(Thin Film Transistor)のような電界効果トランジスタ(FET)の場合、ソース及びドレインがそれぞれ入出力端子である。トランジスタがバイポーラトランジスタの場合、エミッタ及びコレクタがそれぞれ入出力端子である。なお、FETのゲート及びバイポーラトランジスタのベースは、制御端子である。
 また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
 (実施の形態)
 [内視鏡システム]
 まず、実施の形態に係る内視鏡システムについて、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る内視鏡システム1の構成を示す図である。
 内視鏡システム1は、撮像装置を備える測距装置の一例である。図1に示すように、内視鏡システム1は、対象物2に対して光L1を照射し、照射した光L1の、対象物2による反射光L2を受光することによって、対象物2までの距離を計測することができる。また、内視鏡システム1は、対象物2の可視光画像を得ることができる。本実施の形態に係る内視鏡システム1は、複数の動作モードを有する。複数の動作モードは、可視光画像を生成する撮像モードと、距離画像を生成する測距モードと、を含む。
 図1に示すように、内視鏡システム1は、本体部10と、挿入部20と、を備える。内視鏡システム1は、挿入部20を人間又は動物等の体内に挿入して使用される。すなわち、対象物2は、体内の一部である。
 本体部10は、内視鏡システム1のうち、体内には挿入されない部分である。図1に示すように、本体部10は、光源11と、光源駆動回路12と、ISP(Image Signal Processor)13と、出力部14と、システム制御回路15と、電源IC(Integrated Circuit)16と、を備える。
 光源11は、対象物2に照射するための光を出射する。具体的には、光源11は、撮像モード用の第1の波長の光と、測距モード用の第2の波長の点滅光とを出射することができる。第1の波長は、例えば、可視光帯域に含まれる。第1の波長の光は、例えば白色光である。第2の波長は、第1の波長とは異なる波長である。例えば、第2の波長は、近赤外光帯域に含まれる。点滅光は、周期的に明暗が変化する光である。点滅光の周期は、例えば、1MHz以上200MHz以下であり、一例として50MHzであるが、これに限定されない。
 光源11は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、半導体レーザ素子又は有機EL(Electroluminescence)素子等を含む。一例として、光源11は、青色光を発する青色LED又は青色レーザ素子と、青色光によって励起されて黄色光を発する黄色蛍光体と、を含み、青色光及び黄色光の混合光として白色光を第1の波長の光として出射する。また、光源11は、近赤外光を第2の波長の点滅光として発する近赤外レーザ素子を含む。
 光源駆動回路12は、光源11を駆動する回路であり、具体的には、光源11の点灯及び消灯のタイミングを制御する。光源駆動回路12は、例えば、電源IC16から供給される電力に基づいて、光源11を点灯させるための電力を生成し、生成した電力を光源11に供給する。光源駆動回路12は、光源11への電力の供給開始及び停止のタイミングを調整することによって、光源11の点灯及び消灯のタイミングを制御することができる。
 光源駆動回路12は、IC、抵抗、トランジスタ、ダイオード、キャパシタ、インダクタ及びトランス等の各種電子部品を1つ以上組み合わせて構成されている。光源駆動回路12は、電源IC16又はシステム制御回路15等の他の構成要素と一体化されて構成されていてもよい。
 ISP13は、演算回路の一例であり、撮像装置100から出力される信号、すなわち、センサ出力データを処理する。ISP13は、撮像モードでは、センサ出力データを用いて、可視光画像を生成する。ISP13は、測距モードでは、センサ出力データを用いて、対象物2までの距離を算出する。ISP13は、画素毎に対象物2までの距離を示す距離画像を生成する。可視光画像及び距離画像はそれぞれ、静止画又は動画像(映像)である。
 出力部14は、ISP13によって生成された可視光画像及び距離画像を出力する。例えば、出力部14は、ディスプレイ等の外部機器と有線又は無線で通信するための通信IFである。例えば、出力部14は、通信ケーブルを接続可能な出力端子である。あるいは、出力部14は、アンテナ及び無線処理回路を含んでもよい。
 システム制御回路15は、内視鏡システム1の全体的な制御を行う。具体的には、システム制御回路15は、内視鏡システム1の動作モードの選択(切り替え)、及び、選択した動作モードに応じて、内視鏡システム1が備える各構成要素への制御信号の出力等を行う。
 システム制御回路15は、例えば、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)によって実現される。なお、集積回路は、LSIに限られず、専用回路又は汎用プロセッサであってもよい。例えば、システム制御回路15は、マイクロコントローラであってもよい。マイクロコントローラは、例えば、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサなどを含んでいる。また、システム制御回路15は、プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又は、LSI内の回路セルの接続及び設定が再構成可能なリコンフィギュラブルプロセッサであってもよい。システム制御回路15が実行する機能は、ソフトウェアで実現されてもよく、ハードウェアで実現されてもよい。
 電源IC16は、商用電源又は蓄電装置等の外部電源から供給される電力を処理する電源回路である。例えば、電源IC16は、AC/DCコンバータ、及び/又は、DC/DCコンバータ等を含む。
 図1には示されていないが、内視鏡システム1は、ユーザからの操作入力を受け付ける操作部を備えてもよい。操作部は、物理的な操作ボタン又は操作スイッチであってもよく、タッチパネル等であってもよい。操作部は、リモコン等の遠隔操作端末を介して操作入力を受け付ける通信IFであってもよい。
 挿入部20は、柔軟性を有する部分であり、内視鏡システム1の使用時に少なくとも先端部(本体部10とは反対側の端部)が体内に挿入される。挿入部20の長さは、3m以上5m以内であるが、特に限定されない。図1に示すように、挿入部20は、導光部材21と、対物レンズ22と、集光レンズ23と、撮像装置100と、を備える。
 導光部材21は、光源11で発せられた光を先端部まで導き、先端部から対象物2に向けて光L1として出射させる。導光部材21は、例えば、光ファイバであるが、これに限定されない。
 対物レンズ22及び集光レンズ23は、対象物2からの反射光L2を撮像装置100に受光させるための光学系である。反射光L2を撮像装置100に受光させることができれば、レンズの種類及び個数は、特に限定されない。また、レンズ以外の光学素子が設けられていてもよい。
 撮像装置100は、対象物2からの反射光L2を光電変換することによって得られる画像信号を出力する。具体的には、撮像装置100は、撮像モードでは、光源11から発せられた第1の波長の光のうち、対象物2によって反射された光(反射光L2)を光電変換する。撮像装置100は、測距モードでは、光源11から発せられた第2の波長の点滅光のうち、対象物2によって反射された光(反射光L2)を光電変換する。
 撮像装置100は、ISP13と1以上のケーブル(図示せず)で接続されている。撮像装置100は、ISP13からケーブルを介して送信されるセンサ制御パルスに基づいて動作する。センサ制御パルスは、例えば、マスタークロックMCLK、垂直同期信号VD等である。また、撮像装置100は、画像信号をセンサ出力データとしてISP13に出力する。本実施の形態では、撮像装置100は、いわゆるCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサ(CIS)である。撮像装置100は、例えば、裏面照射型のCISである。
 [撮像装置]
 続いて、撮像装置100の具体的な構成について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態に係る撮像装置100の構成を示す図である。
 図2に示すように、撮像装置100は、センサアレイ110と、駆動回路130と、信号出力回路140と、を備える。また、撮像装置100は、複数の制御線150と、複数の電源線(図示せず)と、複数の垂直信号線160と、を備える。
 センサアレイ110は、行列状に二次元配列された複数の単位セル120を含んでいる。単位セル120の個数は、例えば、行方向及び列方向の各々に数百個又は数千個以上であるが、これに限定されない。複数の単位セル120は、第1の半導体層に設けられている。第1の半導体層は、例えば基板である。基板は、例えば、シリコン等の半導体を主成分として含む半導体基板である。第1の半導体層は、ウェル領域又はエピタキシャル層であってもよい。
 複数の単位セル120はそれぞれ、n個の画素を有する。ここで、nは、自然数である。n個の画素はそれぞれが、光電変換部を含む。画素及び単位セル120の具体的な構成については、後で説明する。
 なお、図2において、センサアレイ110内の破線で囲まれた領域は有効画素領域である。有効画素とは、映像信号として記録や出力、及び、測距演算に用いる画素のことである。有効画素以外の画素は、例えばダミー画素とも呼ばれ、図2では、有効画素領域の周囲に配置されている。なお、ダミー画素が設けられていなくてもよく、センサアレイ110に含まれる全ての単位セル120の画素が有効画素であってもよい。
 駆動回路130は、複数の単位セル120の各々を制御する回路である。駆動回路130と各単位セル120とは、複数の制御線150によって電気的に接続されている。駆動回路130は、複数の動作モードから選択された1つの動作モードに応じて、各制御線150を駆動する。具体的には、駆動回路130は、各制御線150に制御信号を出力することにより、各単位セル120に含まれる各画素の露光のタイミング、信号の出力タイミング等を制御する。また、駆動回路130は、複数の電源線に供給する電源電圧の値(電位、電圧レベル)を変更してもよい。駆動回路130の具体的な構成及び動作の例については、後で説明する。
 信号出力回路140は、複数の垂直信号線160を介して各単位セル120に接続されている。信号出力回路140は、複数の垂直信号線160を介して各単位セル120又は各画素から読み出した信号を、画像信号としてISP13へ出力する。
 [単位セル]
 続いて、単位セル120の具体的な回路構成について、図3を用いて説明する。図3は、本実施の形態に係る単位セル120の回路構成を示す図である。
 なお、センサアレイ110に設けられた複数の単位セル120は、互いに同じ構成を有するため、以下では代表して、そのうちの1つについて説明を行う。また、本実施の形態では、単位セル120が含む画素の個数nが4である場合を例に説明する。
 図3に示すように、単位セル120は、4個の画素201、202、203及び204と、4個の画素201、202、203及び204で発生する電荷を蓄積するための電荷蓄積部FDと、を含む。さらに、単位セル120は、リセットトランジスタ121と、容量接続トランジスタ122と、キャパシタ123と、読出しトランジスタ124と、選択トランジスタ125と、を含む。
 また、単位セル120には、複数の制御線150として、制御線TG1、TG2、TG3及びTG4、PRS1、PRS2、PRS3及びPRS4、並びに、RS、GC及びSELが接続されている。制御線TG1、TG2、TG3及びTG4、PRS1、PRS2、PRS3及びPRS4、並びに、RS、GC及びSELは、行方向に並んだ複数の単位セル120の各々の同一構成要素に接続されている。例えば、制御線TG1は、第1の制御線の一例であり、行方向に並んだ複数の単位セル120の各々の画素201の第1の転送トランジスタ221のゲートに接続されている。制御線PRS1は、第2の制御線の一例であり、行方向に並んだ複数の単位セル120の各々の画素201の第2の転送トランジスタ231のゲートに接続されている。また例えば、制御線RSは、行方向に並んだ複数の単位セル120の各々のリセットトランジスタ121のゲートに接続されている。
 また、単位セル120には、複数の電源線として、電源線AVDDP及びVMIM、並びに、グランド電位に設定された電源線GND(図示せず)が設けられている。なお、グランド電位は、基準電位の一例であり、例えば0Vである。電源線AVDDP、VMIM及びGNDはそれぞれ、行方向及び列方向の少なくとも一方に並んだ複数の単位セル120の各々の同一構成要素に接続されている。例えば、電源線VMIMは、行列状に並んだ複数の単位セル120の各々のキャパシタ123の電極の1つ(第2の電極)に接続されている。また、複数の電源線のうちの少なくとも1つは、複数の単位セル120(複数の画素)が設けられた基板に電圧(基板電圧)を供給するための電源線であってもよい。
 4個の画素201、202、203及び204は、可視光画像の一例であるRGB画像(カラー画像)を生成するのに必要な赤色画素(R)、緑色画素(Gr、Gb)及び青色画素(B)に対応している。具体的には、画素201及び204が緑色画素(Gr、Gb)であり、画素202が赤色画素(R)であり、画素203が青色画素(B)である。RGBがいわゆるベイヤ配列で配列されている。なお、RGBの配列は、特に限定されない。
 また、4個の画素201、202、203及び204はそれぞれ、可視光帯域だけでなく、第2の波長(近赤外光帯域)に対しても感度を有する。これにより、4個の画素201、202、203及び204の各々で第2の波長の点滅光を受光させることができ、距離画像を生成することができる。
 画素201は、光電変換部211と、光電変換部211に接続された第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231と、を含む。なお、画素201は、入射する光のうち、緑色光(第1の波長の光)及び近赤外光(第2の波長の光)を通過させて、これら以外の光の通過を抑制するフィルタ(図示せず)を有してもよい。
 光電変換部211は、入射した光を光電変換し、光強度に応じた量の電荷を生成する。光電変換部211は、例えば、基板内に設けられたフォトダイオードである。光電変換部211は、緑色光及び近赤外光の各々に対して感度を有する。
 光電変換部211(フォトダイオード)のアノードは、グランド電位に接続されている。光電変換部211のカソードは、第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231の各々に接続されている。なお、第1の転送トランジスタ221、第2の転送トランジスタ231及び光電変換部211の接続点をノードN1として図示している。
 第1の転送トランジスタ221は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。第1の転送トランジスタ221のゲートは、第1の制御端子の一例であり、制御線TG1に接続されている。第1の転送トランジスタ221のソース及びドレインの一方は、第1の入出力端子の一例であり、光電変換部211に接続されている。第1の転送トランジスタ221のソース及びドレインの他方は、第1の入出力端子とは異なる第2の入出力端子の一例であり、電荷蓄積部FDに接続されている。
 第2の転送トランジスタ231は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。第2の転送トランジスタ231のゲートは、第2の制御端子の一例であり、制御線PRS1に接続されている。第2の転送トランジスタ231のソース及びドレインの一方は、第3の入出力端子の一例であり、光電変換部211に接続されている。第2の転送トランジスタ231のソース及びドレインの他方は、第3の入出力端子とは異なる第4の入出力端子の一例であり、電源線AVDDPに接続されている。
 画素202は、光電変換部212と、光電変換部212に接続された第1の転送トランジスタ222及び第2の転送トランジスタ232と、を含む。なお、画素202は、入射する光のうち、赤色光(第1の波長の光)及び近赤外光(第2の波長の光)を通過させて、これら以外の光の通過を抑制するフィルタ(図示せず)を有してもよい。
 光電変換部212は、入射した光を光電変換し、光強度に応じた量の電荷を生成する。光電変換部212は、例えば、基板内に設けられたフォトダイオードである。光電変換部212は、赤色光及び近赤外光の各々に対して感度を有する。
 光電変換部212(フォトダイオード)のアノードは、グランド電位に接続されている。光電変換部212のカソードは、第1の転送トランジスタ222及び第2の転送トランジスタ232の各々に接続されている。なお、第1の転送トランジスタ222、第2の転送トランジスタ232及び光電変換部212の接続点をノードN2として図示している。
 第1の転送トランジスタ222は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。第1の転送トランジスタ222のゲートは、第1の制御端子の一例であり、制御線TG2に接続されている。第1の転送トランジスタ222のソース及びドレインの一方は、第1の入出力端子の一例であり、光電変換部212に接続されている。第1の転送トランジスタ222のソース及びドレインの他方は、第1の入出力端子とは異なる第2の入出力端子の一例であり、電荷蓄積部FDに接続されている。
 第2の転送トランジスタ232は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。第2の転送トランジスタ232のゲートは、第2の制御端子の一例であり、制御線PRS2に接続されている。第2の転送トランジスタ232のソース及びドレインの一方は、第3の入出力端子の一例であり、光電変換部212に接続されている。第2の転送トランジスタ232のソース及びドレインの他方は、第3の入出力端子とは異なる第4の入出力端子の一例であり、電源線AVDDPに接続されている。
 画素203は、光電変換部213と、光電変換部213に接続された第1の転送トランジスタ223及び第2の転送トランジスタ233と、を含む。なお、画素203は、入射する光のうち、青色光(第1の波長の光)及び近赤外光(第2の波長の光)を通過させて、これら以外の光の通過を抑制するフィルタ(図示せず)を有してもよい。
 光電変換部213は、入射した光を光電変換し、光強度に応じた量の電荷を生成する。光電変換部213は、例えば、基板内に設けられたフォトダイオードである。光電変換部213は、青色光及び近赤外光の各々に対して感度を有する。
 光電変換部213(フォトダイオード)のアノードは、グランド電位に接続されている。光電変換部213のカソードは、第1の転送トランジスタ223及び第2の転送トランジスタ233の各々に接続されている。なお、第1の転送トランジスタ223、第2の転送トランジスタ233及び光電変換部213の接続点をノードN3として図示している。
 第1の転送トランジスタ223は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。第1の転送トランジスタ223のゲートは、第1の制御端子の一例であり、制御線TG3に接続されている。第1の転送トランジスタ223のソース及びドレインの一方は、第1の入出力端子の一例であり、光電変換部213に接続されている。第1の転送トランジスタ223のソース及びドレインの他方は、第1の入出力端子とは異なる第2の入出力端子の一例であり、電荷蓄積部FDに接続されている。
 第2の転送トランジスタ233は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。第2の転送トランジスタ233のゲートは、第2の制御端子の一例であり、制御線PRS3に接続されている。第2の転送トランジスタ233のソース及びドレインの一方は、第3の入出力端子の一例であり、光電変換部213に接続されている。第2の転送トランジスタ233のソース及びドレインの他方は、第3の入出力端子とは異なる第4の入出力端子の一例であり、電源線AVDDPに接続されている。
 画素204は、光電変換部214と、光電変換部214に接続された第1の転送トランジスタ224及び第2の転送トランジスタ234と、を含む。なお、画素204は、入射する光のうち、緑色光(第1の波長の光)及び近赤外光(第2の波長の光)を通過させて、これら以外の光の通過を抑制するフィルタ(図示せず)を有してもよい。
 光電変換部214は、入射した光を光電変換し、光強度に応じた量の電荷を生成する。光電変換部214は、例えば、基板内に設けられたフォトダイオードである。光電変換部214は、緑色光及び近赤外光の各々に対して感度を有する。
 光電変換部214(フォトダイオード)のアノードは、グランド電位に接続されている。光電変換部214のカソードは、第1の転送トランジスタ224及び第2の転送トランジスタ234の各々に接続されている。なお、第1の転送トランジスタ224、第2の転送トランジスタ234及び光電変換部214の接続点をノードN4として図示している。
 第1の転送トランジスタ224は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。第1の転送トランジスタ224のゲートは、第1の制御端子の一例であり、制御線TG4に接続されている。第1の転送トランジスタ224のソース及びドレインの一方は、第1の入出力端子の一例であり、光電変換部214に接続されている。第1の転送トランジスタ224のソース及びドレインの他方は、第1の入出力端子とは異なる第2の入出力端子の一例であり、電荷蓄積部FDに接続されている。
 第2の転送トランジスタ234は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。第2の転送トランジスタ234のゲートは、第2の制御端子の一例であり、制御線PRS4に接続されている。第2の転送トランジスタ234のソース及びドレインの一方は、第3の入出力端子の一例であり、光電変換部214に接続されている。第2の転送トランジスタ234のソース及びドレインの他方は、第3の入出力端子とは異なる第4の入出力端子の一例であり、電源線AVDDPに接続されている。
 電荷蓄積部FDは、4個の画素201、202、203及び204で共用される。具体的には、電荷蓄積部FDは、各画素の光電変換部211、212、213及び214の各々で生じた電荷を蓄積することができる。電荷蓄積部FDは、半導体基板に設けられた不純物領域、及び、当該不純物領域に接続されたプラグ及び配線等である。
 リセットトランジスタ121は、電荷蓄積部FDの電位をリセットするために設けられている。リセットトランジスタ121は、スイッチング素子の一例であり、電源線AVDDPと電荷蓄積部FDとの間に直列接続されている。本実施の形態では、リセットトランジスタ121は、容量接続トランジスタ122を介して電荷蓄積部FDに接続されている。リセットトランジスタ121は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。リセットトランジスタ121のゲートは、制御線RSに接続されている。リセットトランジスタ121のソース及びドレインの一方は、電源線AVDDPに接続されている。リセットトランジスタ121のソース及びドレインの他方は、容量接続トランジスタ122を介して電荷蓄積部FDに接続されている。リセットトランジスタ121を導通させた場合(本実施の形態では、さらに容量接続トランジスタ122も導通させる)、電荷蓄積部FDが電源線AVDDPと接続されるので、電荷蓄積部FDの電位がリセットされる。
 容量接続トランジスタ122は、キャパシタ123と電荷蓄積部FDとの接続を切り替えるために設けられている。容量接続トランジスタ122は、スイッチング素子の一例であり、キャパシタ123と電荷蓄積部FDとの間に直列接続されている。容量接続トランジスタ122は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。容量接続トランジスタ122のゲートは、制御線GCに接続されている。容量接続トランジスタ122のソース及びドレインの一方は、キャパシタ123の電極の1つ(第1の電極)に接続されている。容量接続トランジスタ122のソース及びドレインの他方は、電荷蓄積部FDに接続されている。なお、容量接続トランジスタ122を電荷蓄積部FDの電位のリセットに利用してもよい。
 キャパシタ123は、単位セル120が蓄積できる電荷量を増やし、ダイナミックレンジを広げるために設けられている。キャパシタ123は、第1の電極及び第2の電極を有する。キャパシタ123の第1の電極は、容量接続トランジスタ122を介して電荷蓄積部FDに接続される。キャパシタ123の第2の電極は、電源線VMIMに接続されている。容量接続トランジスタ122を導通させた場合、各画素から電荷蓄積部FDに流入する電荷の一部をキャパシタ123に蓄積させることができる。キャパシタ123は、例えば、半導体基板の上方に設けられたMIM(Metal Insulator Metal)構造を有するキャパシタであるが、具体的な構成は特に限定されない。例えば、キャパシタ123として、配線及び電極等に起因する寄生容量が利用されてもよい。
 読出しトランジスタ124は、電荷蓄積部FDに蓄積された電荷を読み出すため、具体的には、電荷量に応じた信号を垂直信号線160に出力するために設けられている。読出しトランジスタ124は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。読出しトランジスタ124のゲートは、電荷蓄積部FDに接続されている。読出しトランジスタ124のソース及びドレインの一方は、電源線AVDDPに接続されている。読出しトランジスタ124のソース及びドレインの他方は、選択トランジスタ125を介して垂直信号線160に接続されている。
 選択トランジスタ125は、読出しトランジスタ124による電荷蓄積部FDに蓄積された電荷の読出しタイミングを制御するために設けられている。選択トランジスタ125は、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。選択トランジスタ125のゲートは、制御線SELに接続されている。選択トランジスタ125のソース及びドレインの一方は、読出しトランジスタ124に接続されている。選択トランジスタ125のソース及びドレインの他方は、垂直信号線160に接続されている。選択トランジスタ125を導通させた場合に、読出しトランジスタ124による電荷の読み出しが行われる。
 単位セル120に含まれる各トランジスタは、半導体基板に設けられた不純物領域をソース及びドレインとして含み、かつ、半導体基板の上方にゲート絶縁膜を介して設けられた電極をゲートとして含む。直列に接続された2つのトランジスタは、不純物領域を共用していてもよい。例えば、リセットトランジスタ121のソース及びドレインの他方と容量接続トランジスタ122のソース及びドレインの一方とが、1つの不純物領域を共用していてもよい。
 なお、上述した単位セル120の構成は、一例にすぎず、適宜変更が可能である。例えば、単位セル120に含まれる画素の個数nは、1であってもよく、2であってもよく、5以上であってもよい。また、例えば、選択トランジスタ125は、読出しトランジスタ124と電源線AVDDPとの間に接続されていてもよい。また、例えば、容量接続トランジスタ122及びキャパシタ123は設けられていなくてもよい。また、例えば、単位セル120に含まれる各トランジスタは、nチャネルトランジスタであるが、pチャネルトランジスタであってもよい。あるいは、各トランジスタは、バイポーラトランジスタであってもよい。
 [動作]
 続いて、本実施の形態に係る内視鏡システム1の動作について説明する。
 上述したように、内視鏡システム1は、撮像モードと測距モードとを含む複数の動作モードを有する。内視鏡システム1が備える撮像装置100は、動作モードに応じて異なる動作を行う。
 撮像モードは、撮像装置100の第1の動作モードの一例であり、単位セル120に含まれるn個の画素201~204の少なくとも1つを、第1の波長の光に露光する動作モードである。本実施の形態では、撮像モードは、RGB画像(カラー画像)を生成するRGBモードであるので、単位セル120に含まれる4個の画素201~204の全てを露光する。RGBモードでは、光源11が第1の波長の光として白色光を発し、その反射光を撮像装置100の各画素に受光させる。なお、RGB画像とは、画像の各画素が撮像装置100の単位セル120に対応しており、RGBの各々の値(輝度値)を含む画像である。
 測距モードは、撮像装置100の第2の動作モードの一例であり、単位セル120に含まれるn個の画素201~204の少なくとも1つを、第2の波長の点滅光に露光する動作モードである。本実施の形態では、測距モードは、ToF(Time of Flight)方式を利用するToFモードである。ToFモードでは、光源11から出射された光が対象物2を経由して各画素に戻るまでの時間(光の飛行時間)に基づいて対象物2までの距離を算出して、距離画像を生成する。具体的には、ToFモードでは、光源11が近赤外光帯域の点滅光を第2の波長の点滅光として発し、その反射光を撮像装置100の複数の画素の少なくとも1つに受光させる。なお、距離画像とは、各画素が対象物2までの距離を表す画像である。
 図4は、本実施の形態に係る撮像装置100における動作モードの切り替えの一例を示す図である。図4に示すように、RGBモードとToFモードとは、交互に切り替えながら連続的に実行される。これにより、1回の計測(体内への挿入部20の1回の挿入)でRGB画像と距離画像とを得ることができる。距離画像に基づいて体内への挿入部20の接触を避けながら、RGB画像に基づいて目視による体内の確認を同時並行的に行うことができる。なお、RGBモードとToFモードとの切り替えは、ユーザの操作入力等に基づいて手動で切り替えられてもよい。
 詳細については後述するが、本実施の形態に係る撮像装置100の制御方法では、ToFモードでは、第2の波長の点滅光(反射光L2)への露光期間中に、第1の転送トランジスタと第2の転送トランジスタとの各々が互いに同時に導通状態にならないように、導通及び非導通を繰り返し切り替える。また、RGBモードでは、第1の波長の光(反射光L2)への露光期間中に、第1の転送トランジスタ及び第2の転送トランジスタを非導通状態で維持し、所定のタイミング(パルス期間内)で第1の転送トランジスタのみを導通状態にする。これにより、高精度な測距と高精細なRGB画像の取得とを両立させることができる。
 [ToFモード]
 続いて、ToFモードの具体例について説明する。
 ToFモードは、対象物2に対して点滅光を照射し、対象物2による反射光(点滅光)を受光し、光電変換により得られる電気信号を処理することによって行われる。ToFモードには、連続波(光)を利用するCW(Continuous-Wave)-ToF方式、又は、パルス光を利用するパルスToF方式がある。
 図5は、CW-ToF方式に基づく測距方法を説明するための図である。図5に示すように、対象物2に照射する照射光は、所定の周期で強度が連続的に変化する。照射光は、周期及び振幅が一定の連続波である。強度変化の周期は、変調周波数fmodを用いて、1/fmodとして表される。
 反射光は、対象物2までの距離に応じて、照射光に比べて位相の遅延φが生じる。CW-ToF方式では、照射光の周期を4分割した露光区間毎に受光し、露光区間毎の強度C0、C1、C2及びC3を用いて、式(1)に基づいて位相遅延φを算出する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 光速をcとすると、対象物2までの距離Zは、位相遅延φを用いて式(2)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 なお、反射光には、背景光成分(ノイズ成分)が含まれるが、式(1)の右辺の分母及び分子の各々において、強度の差分が算出されるので背景光成分は相殺されている。
 CW-ToF方式では、変調周波数fmodを高くすることにより、測距の精度を高めることができる。一方で、変調周波数fmodが高くなると、測距可能な範囲(測距レンジ)が小さくなる。測距可能な距離Zの最大値Zmaxは、式(2)において、φ=2π(=360°)のときであり、c/(2fmod)で表されるためである。測距レンジの縮小に対しては、複数の異なる変調周波数を利用して測距を行い、測距結果を組み合わせることによって、測距レンジを拡大することができる。
 図6は、パルスToF方式に基づく測距方法を説明するための図である。図6に示すように、パルス幅(期間)Tpのパルス光が照射光として、所定の時間間隔で繰り返し対象物2に照射される。
 反射光は、対象物2までの距離に応じて、パルス光よりも一定の時間ΔTの遅延が生じる。パルスToF方式では、パルス光に対して相対的に異なる時間に設定された少なくとも2つの露光区間で受光する。図6に示す例では、第1の露光区間としてパルス光と同じ区間が設定され、第2の露光区間としてパルス光の停止と同時に開始される区間が設定され、第3の露光区間として反射光を受光し得ない区間が設定されている。第3の露光区間は、背景光成分BGを検出するために設けられている。背景光成分BGが十分に少ない場合には、第3の露光区間は設定されていなくてもよい。
 対象物2までの距離Zは、遅延時間ΔTに基づいて以下の式(3)で表される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 A0及びA1はそれぞれ、第1の露光区間及び第2の露光区間の各々で受光された反射光の強度である。具体的には、A0は、第1の露光区間で得られた信号強度から第3の露光区間で得られた信号強度(背景光成分BG)を減算することで得られる。A1は、第2の露光区間で得られた信号強度から第3の露光区間で得られた信号強度(背景光成分BG)を減算することで得られる。
 パルスToF方式では、パルス幅Tpを短くすることにより、測距の精度を高めることができる。一方で、パルス幅Tpが長くなると、測距可能な範囲(測距レンジ)が小さくなる。測距可能な距離Zの最大値Zmaxは、式(3)において、A0=0のときであり、(c×Tp)/2で表されるためである。測距レンジの縮小に対しては、複数の露光で測距を行い、測距結果を組み合わせることによって、測距レンジを拡大することができる。
 [CW-ToF方式]
 以下では、CW-ToF方式の測距モードにおける撮像装置100の具体的な動作を説明する。
 なお、本実施の形態において、単位セル120に含まれるリセットトランジスタ121、容量接続トランジスタ122、選択トランジスタ125、第1の転送トランジスタ221、222、223及び224、並びに、第2の転送トランジスタ231、232、233及び234はいずれも、ゲートに供給される電圧レベル(電位)がハイレベル(High)である場合に導通状態(オン)になり、ゲートに供給される電圧レベル(電位)がローレベル(Low)である場合に非導通状態(オフ)になるとする。
 <第1の駆動例>
 まず、CW-ToF方式における撮像装置100の第1の駆動例について、図7A及び図7Bを用いて説明する。第1の駆動例では、単位セル120に含まれる4個の画素201~204の全てを測距に利用する。
 図7Aは、CW-ToF方式の測距モードの第1の駆動例を示すタイミングチャートである。図7Bは、図7Aに示す第1の駆動例において、照射光及び反射光と各フレーム期間との関係を示す図である。
 図7Aにおいて、RSは、リセットトランジスタ121のゲートに接続された制御線RSの電圧レベル(電位)の時間変化を示している。GCは、容量接続トランジスタ122のゲートに接続された制御線GCの電圧レベル(電位)の時間変化を示している。VMIMは、キャパシタ123の第2の電極に接続された電源線VMIMの電圧レベル(電位)の時間変化を表している。
 PRSn(n=1~4)はそれぞれ、第2の転送トランジスタ231、232、233及び234の各ゲートに接続された制御線PRS1、PRS2、PRS3及びPRS4の電圧レベル(電位)の時間変化を表している。TG1、TG2、TG3及びTG4はそれぞれ、第1の転送トランジスタ221、222、223及び224の各ゲートに接続された制御線TG1、TG2、TG3及びTG4の電圧レベル(電位)の時間変化を示している。なお、本明細書では、TG1~TG4をTGn(n=1~4)として表記する場合がある。
 フレーム1、フレーム2、フレーム3及びフレーム4は、互いに同じ長さのフレーム期間である。フレーム期間は、撮像装置100(内視鏡システム1)による処理の単位期間に相当する。フレーム1、フレーム2、フレーム3及びフレーム4はそれぞれ、露光期間と読出期間とを含んでいる。
 露光期間は、単位セル120に含まれる各画素に反射光を受光させる期間である。読出期間は、電荷蓄積部FD(及びキャパシタ123)に蓄積された電荷を垂直信号線160に読み出す期間である。読み出し処理は、一般的なCMOSイメージセンサによる読み出し処理と同じであるため、説明を省略する。なお、読出し期間中に制御線RSがハイレベルになることで、電荷蓄積部FDの電位がリセットされる。これにより、フレーム間での信号の混合が抑制されて測距精度を高めることができる。
 図7Aの最下段に示す2行2列に並んだ4つの四角は、単位セル120に含まれる4個の画素201、202、203及び204に相当する。四角内に示されるC0、C1、C2及びC3は、フレーム毎に各画素で得られる信号強度の種類を表しており、具体的には、図5に示したC0、C1、C2及びC3に対応している。
 露光期間では、制御線TG1~TG4、及び、制御線PRS1~PRS4の各々の電圧レベルがハイレベルとローレベルとを繰り返している。すなわち、第1の転送トランジスタ221~224と、第2の転送トランジスタ231~234とはそれぞれ、オンとオフとを交互に繰り返している。
 ここで、制御線TG1~TG4の各電圧レベルは、同位相で変化している。すなわち、第1の転送トランジスタ221~224は、同じタイミングでオンになり、同じタイミングでオフになる。同様に、制御線PRS1~PRS4の各電圧レベルは、同位相で変化している。第2の転送トランジスタ231~234は、同じタイミングでオンになり、同じタイミングでオフになる。
 また、1つの画素に着目すると制御線PRSnと制御線TGnとは、ハイレベルとローレベルとが互いに排他的になっている。言い換えると、制御線PRSnの電圧レベルと制御線TGnの電圧レベルとは、位相が180°逆転した関係にある。
 すなわち、1つの画素内において、第1の転送トランジスタのオン及びオフと、第2の転送トランジスタのオン及びオフとは、互いに排他的である。例えば、第1の転送トランジスタ221がオンの期間に、第2の転送トランジスタ231はオフであり、第1の転送トランジスタ221がオフの期間に、第2の転送トランジスタ231はオンである。
 各フレーム及び各画素において、第2の転送トランジスタ231~234がオフになった(制御線PRSnがハイレベルからローレベルに切り替わった)タイミングで、光電変換部211~214で生成される電荷の蓄積が可能になる(電荷蓄積期間の開始)。光電変換部211~214で生成される電荷は、第1の転送トランジスタ221~224を介して電荷蓄積部FD(及びキャパシタ123)に蓄積される。第1の転送トランジスタ221~224がオフになった(制御線TGnがハイレベルからローレベルに切り替わった)タイミングで、光電変換部211~214で生成される電荷の蓄積が終了する(電荷蓄積期間の終了)。第1の転送トランジスタ221~224がオフになったときには、第2の転送トランジスタ231~234がオンになるので、光電変換部211~214及びノードN1~N4の電位をリセットすることができる。本実施の形態では、各画素の電荷蓄積期間は、第1の転送トランジスタのオン期間(又は第2の転送トランジスタのオフ期間)と実質的に同じになる。
 図7Aに示す例では、フレーム1~フレーム4の各電荷蓄積期間は、図5に示した第1~第4の露光区間に対応している。ここで、電荷蓄積期間の長さは、照射光の周期の1/2(180°相当)であり、フレーム1~フレーム4の順で位相が90°ずつシフトするように設定されている。このため、フレーム1とフレーム3とでは電荷蓄積期間の重複はなく、フレーム2とフレーム4とでは電荷蓄積期間の重複はない。
 図7Bに示すように、フレーム1~フレーム4の各電荷蓄積期間(信号レベルがハイレベルになっている期間)において、反射光の強度に応じて信号強度C0~C3がそれぞれ得られる。各フレーム期間では、露光期間内において電荷蓄積期間が繰り返し設定されているので、各電荷蓄積期間で得られる信号強度が微弱であっても、露光期間内で十分な強度の信号強度を得ることができる。また、電荷蓄積期間毎のばらつきを抑制することができる。よって、SN比を向上させることができる。
 また、第1の駆動例では、4個の画素201~204の全てを反射光の検出用に利用している。4個の画素201~204の各々で得られる信号電荷を電荷蓄積部FDに蓄積することができる。このため、画素間のばらつきも抑制することができるので、SN比をより一層高めることができる。
 このように、第1の駆動例では、フレーム期間毎に異なるタイミングで、単位セル120に含まれる4個の画素201~204を反射光L2に露光させる。フレーム期間内では、4個の画素201~204の露光の開始及び終了の各タイミングが同じである。フレーム1~フレーム4で順に、露光期間内に信号強度C0~C3を得ることができる。信号強度C0~C3が複数の単位セル120の各々から読み出されて、撮像装置100からISP13にセンサ出力データとして出力される。ISP13は、単位セル120毎の信号強度C0~C3を用いて、上述した式(1)及び(2)から対象物2までの距離を単位セル120毎に算出することができ、距離画像を生成することができる。
 なお、図7Aに示す例では、制御線GCの電圧レベルはハイレベルで維持されている。すなわち、容量接続トランジスタ122は、常にオン状態であり、電荷蓄積部FDとキャパシタ123とが接続された状態である。このため、キャパシタ123にも電荷の蓄積が可能になる。このため、蓄積可能な電荷量を増やすことができるので、ダイナミックレンジを大きくすることができる。
 <第2の駆動例>
 次に、CW-ToF方式における撮像装置100の第2の駆動例について、図8を用いて説明する。第2の駆動例では、単位セル120に含まれる4個の画素201~204のうちの2個のみを測距に利用する。
 図8は、CW-ToF方式の測距モードの第2の駆動例を示すタイミングチャートである。なお、図8のRS、GC、VMIM、PRS1~PRS4、TG1~TG4の各々が表す内容は、図7Aと同じである。以下では、第1の駆動例との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略する。
 本駆動例では、測距に画素201と画素204とを利用し、画素202と画素203とを利用しない。具体的には、各フレーム期間において、制御線PRS2及びPRS3の電圧レベルをハイレベルで維持し、かつ、制御線TG2及びTG3の電圧レベルをローレベルで維持しており、画素202及び203で発生する電荷が電荷蓄積部FDに蓄積されないようにしている。制御線PRS1及びPRS4、並びに、制御線TG1及びTG4の電圧レベルの時間変化は、図7Aに示した第1の駆動例と同じである。このため、電荷蓄積部FDには、フレーム1~フレーム4の各々において、画素201の光電変換部211及び画素204の光電変換部214の各々で発生した信号電荷が蓄積される。
 なお、本駆動例では、4個の画素のうちの2個の画素のみを利用する例を示したが、これに限らない。利用する画素数は、1個のみであってもよく、3個のみであってもよい。すなわち、単位セル120がn個の画素を含む場合に、m個(mはn未満の自然数)のみの画素をCW-ToF方式の測距モードに利用してもよい。すなわち、測距モードでは、n個全てを利用せずに、m個の画素を反射光L2に露光してもよい。駆動する画素数を減らすことができるので、消費電力を低減することができる。
 <第3の駆動例>
 次に、CW-ToF方式における撮像装置100の第3の駆動例について、図9A及び図9Bを用いて説明する。
 図9Aは、CW-ToF方式の測距モードの第3の駆動例を示すタイミングチャートである。なお、図9AのRS、GC、VMIM、PRS1~PRS4、TG1~TG4の各々が表す内容は、図7Aと同じである。以下では、第1の駆動例との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略する。
 図9Aに示すように、一のフレーム期間内で、Pix群(単位セル120)毎に、電荷蓄積期間が異なっている。具体的には、Pix群0、Pix群1、Pix群2、Pix群3の順で、制御線PRSn(n=1~4)の電圧レベルの時間変化の位相が90°ずつシフトするように設定されている。Pix群(単位セル120)内では、PRSn(n=1~4)の電圧レベルは、同位相で変化している。
 制御線TGn(n=1~4)についても同様である。Pix群0、Pix群1、Pix群2、Pix群3の順で、制御線TGn(n=1~4)の電圧レベルの時間変化の位相が90°ずつシフトするように設定されている。Pix群(単位セル120)内では、TGn(n=1~4)の電圧レベルは、同位相で変化している。
 このように、一のフレーム期間内で、単位セル120毎に電荷蓄積期間が異なることにより、モーションブラーの発生を抑制することができる。
 なお、本実施の形態では、4個の画素201~204に共通する電荷蓄積部FDが設けられた例を示したが、各画素内に電荷蓄積部(メモリ)を設けてもよい。この場合、図9Bに示すように、一のフレーム期間内で、各画素の電荷蓄積期間を異ならせることができる。すなわち、フレーム期間内で、4個の画素の露光の開始及び終了の各タイミングを異ならせることができる。図9Bは、CW-ToF方式の測距モードの第3の駆動例の変形例を示すタイミングチャートである。
 具体的には、制御線PRS1~PRS4の各電圧レベルの時間変化は、この順で位相が90°ずつシフトするように設定されている。制御線TG1~TG4の各電圧レベルの時間変化は、この順で位相が90°ずつシフトするように設定されている。この場合も、モーションブラーを抑制することができる。
 [パルスToF方式]
 続いて、パルスToF方式の測距モードにおける撮像装置100の具体的な動作について、図10A、図10B及び図10Cを用いて説明する。
 図10Aは、パルスToF方式の測距モードの駆動例を示すタイミングチャートである。図10Bは、図10Aに示す例において、照射光及び反射光と各フレーム期間との関係を示す図である。図10Cは、図10Aに示す例において、2つの転送トランジスタに供給される制御信号の一例を示す図である。なお、図10AのRS、GC、VMIM、PRS1~PRS4、TG1~TG4の各々が表す内容は、図7Aと同じである。以下では、CW-ToF方式の第1の駆動例との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略する。
 図10Aに示すように、フレーム1~フレーム3の各電荷蓄積期間は、図6に示した第1~第3の露光区間に対応している。具体的には、図10Bに示すように、フレーム1では、照射光(パルス光)と同じ区間に電荷蓄積期間が設定されている。フレーム2では、照射光の停止と同時に開始される区間に電荷蓄積期間が設定されている。フレーム3では、反射光が存在しない区間に電荷蓄積期間が設定されている。すなわち、フレーム3では、光源11は発光を停止している。各フレームの電荷蓄積期間の長さは、照射光のパルス幅と同じである。フレーム3では、背景光の信号強度A2(図6の背景光成分BGに相当)が得られる。背景光の信号強度A2を利用することで、フレーム1及びフレーム2の検出結果からそれぞれ、反射光の信号強度A0及びA1を得ることができる。得られた信号強度A0及びA1を用いて、上述した式(3)から対象物2までの距離を単位セル120毎に算出することができ、距離画像を生成することができる。
 なお、電荷蓄積期間は、図10Cに示すように、第2の転送トランジスタ231~234がオフになった(制御線PRSnがハイレベルからローレベルに切り替わった)タイミングから、第1の転送トランジスタ221~224がオフになった(制御線TGnがハイレベルからローレベルに切り替わった)タイミングまでの期間である。
 図10Cに示すように、制御線PRSnの電圧レベルの立ち下がりよりも、制御線TGnの電圧レベルの立ち上がりを遅らせている。また、制御線TGnの電圧レベルの立ち下がりよりも、制御線PRSnの電圧レベルの立ち上がりを遅らせている。これにより、第1の転送トランジスタ221~224と第2の転送トランジスタ231~234とが同時にオンすることを抑制することができる。電荷蓄積部FDに蓄積される電荷の予期しない流入及び/又は流出を抑制することができるので、測距の精度を高めることができる。このような駆動方式は、CW-ToF方式にも利用可能である。
 パルスToF方式においても、単位セル120に含まれる4個の画素の一部を利用しなくてもよい。すなわち、単位セル120がn個の画素を含む場合に、m個(mはn未満の自然数)のみの画素をパルスToF方式の測距モードに利用してもよい。駆動する画素数を減らすことによって、消費電力を低減することができる。
 [RGBモード]
 続いて、RGBモードにおける撮像装置100の具体的な動作を説明する。
 <第1の駆動例>
 まず、RGBモードにおける撮像装置100の第1の駆動例について、図11を用いて説明する。第1の駆動例では、容量接続トランジスタ122を電荷蓄積部FDのリセットに利用する。
 図11は、RGBモードの第1の駆動例を示すタイミングチャートである。図11のRS、GC、VMIM、PRS1~PRS4、TG1~TG4の各々が表す内容は、図7Aと同じである。以下では、CW-ToF方式の第1の駆動例との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略する。
 図11に示す1/2Hは、水平期間Hの半分の長さの期間(1/2水平期間)であり、測距モードにおけるフレーム期間に対応している。水平期間Hは、撮像装置100が備える複数の画素のうち、行方向に並ぶ画素の読み出しを行うための期間である。
 図11に示す例では、1/2水平期間の最初に制御線GCの電圧レベルをハイレベルにすることで、電荷蓄積部FDの電位をリセットする。なお、制御線RSの電圧レベルはハイレベルで維持されているので、リセットトランジスタ121は、導通状態(オン)が維持されている。このため、容量接続トランジスタ122をオンすることで、電荷蓄積部FDと電源線AVDDPとを導通させることができる。なお、電源線VMIMは、一定の電圧レベルで維持されている。電源線VMIMの電圧レベルは、例えば、電源線AVDDPと同じ電圧レベルに維持される。なお、電源線VMIMの電圧レベルは、特に限定されず、例えば、0Vで維持されてもよい。
 RGBモードでは、制御線PRSnの電圧レベルは、ローレベルで維持される。制御線TG1~TG4の電圧レベルは、所定のパルス期間(電荷蓄積期間)を除いてローレベルで維持される。例えば、フレーム1では、制御線TG1の電圧レベルがハイレベルになり、第1の転送トランジスタ221がオンされる。これにより、光電変換部211で生成した電荷(緑色光の強度に相当)が電荷蓄積部FDに蓄積される。電荷蓄積部FDに蓄積された電荷の読み出しについては、図11には示していないが、制御線TG1の電圧レベルがハイレベルからローレベルに切り替わった後、ローレベルで維持されているフレーム1内の期間の所定のタイミングで、選択トランジスタ125がオンされて垂直信号線160に読み出される。
 フレーム2では、制御線TG2の電圧レベルをハイレベルにすることにより、第1の転送トランジスタ222がオンされる。これにより、光電変換部212で生成した電荷(赤色光の強度に相当)が電荷蓄積部FDに蓄積され、その後、読み出される。フレーム3では、制御線TG3の電圧レベルをハイレベルにすることにより、第1の転送トランジスタ223がオンされる。これにより、光電変換部213で生成した電荷(青色光の強度に相当)が電荷蓄積部FDに蓄積され、その後、読み出される。フレーム4では、制御線TG4の電圧レベルをハイレベルにすることにより、第1の転送トランジスタ224がオンされる。これにより、光電変換部214で生成した電荷(緑色光の強度に相当)が電荷蓄積部FDに蓄積され、その後、読み出される。
 このようにして、単位セル120からRGBの各々の信号強度を得ることができる。複数の単位セル120の各々からRGBの信号強度が読み出されて、撮像装置100からISP13にセンサ出力データとして出力される。ISP13は、単位セル120毎のRGBの信号強度を用いて、RGB画像を生成することができる。
 第1の駆動例によれば、容量接続トランジスタ122をオフさせた状態で信号読み出しを行い、容量接続トランジスタ122をオンすることで電荷蓄積部FDのリセットを行う。読出しトランジスタ124のゲートに接続された容量成分を電荷蓄積部FDのみの小さい容量とすることで、高いゲインでの信号読み出しが可能になる。
 <第2の駆動例>
 次に、RGBモードにおける撮像装置100の第2の駆動例について、図12を用いて説明する。第2の駆動例では、リセットトランジスタ121を電荷蓄積部FDのリセットに利用する。
 図12は、RGBモードの第2の駆動例を示すタイミングチャートである。図12のRS、GC、VMIM、PRS1~PRS4、TG1~TG4の各々が表す内容は、図7Aと同じである。以下では、CW-ToF方式の第1の駆動例との相違点を中心に説明を行い、共通点の説明を省略する。
 図12に示す例では、1/2水平期間の最初に制御線RSの電圧レベルをハイレベルにすることで、電荷蓄積部FDの電位をリセットする。なお、制御線GCの電圧レベルはハイレベルで維持されているので、容量接続トランジスタ122は、導通状態(オン)が維持されている。このため、リセットトランジスタ121をオンすることで、電荷蓄積部FDと電源線AVDDPとを導通させることができる。なお、電源線VMIMは、一定の電圧レベルで維持されている。電源線VMIMの電圧レベルは、例えば、電源線AVDDPと同じ電圧レベルに維持される。なお、電源線VMIMの電圧レベルは、特に限定されず、例えば、0Vで維持されてもよい。
 第2の駆動例によれば、容量接続トランジスタ122をオンさせた状態で維持し、リセットトランジスタ121をオフさせた状態で信号読み出しを行い、リセットトランジスタ121をオンすることで電荷蓄積部FDのリセットを行う。読出しトランジスタ124のゲートに接続された容量成分を電荷蓄積部FD及びキャパシタ123によって大きくすることができ、低いゲインでの信号読み出しが可能になる。ゲインが低くなることにより、後段回路のダイナミックレンジを逸脱せずに、飽和信号の読み出しが可能になる。
 [キャパシタ]
 続いて、キャパシタ123の機能について、図13A及び図13Bを用いて説明する。
 図13Aは、RGBモードにおける単位セル120内のポテンシャルを示す図である。図13Bは、ToFモードにおける単位セル120内のポテンシャルを示す図である。
 図13A及び図13Bにおいて、PRS、TG、GC及びRSは、制御線PRS、TG、GC及びRSの各々に対応し、第2の転送トランジスタ231(又は232~234のいずれか)、第1の転送トランジスタ221(又は222~224のいずれか)、容量接続トランジスタ122及びリセットトランジスタ121の各ゲートを表している。Lowは、対応する制御線の電圧レベルがローレベルであることを表しており、対応するトランジスタがオフ状態となっている。Highは、対応する制御線の電圧レベルがハイレベルであることを表しており、対応するトランジスタがオン状態となっている。Pulseは、ハイレベルとローレベルとが交互に入れ替わる信号が供給されることを意味する。PDは、光電変換部211(又は212~214のいずれか)を表し、FDは、電荷蓄積部FDを表し、MIMは、キャパシタ123を表している。PD及びFDの近傍に表された丸印は、信号電荷を表している。
 RGBモードでは、図13Aに示すように、光電変換部211を露光させている期間では、第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231がオフ状態である。このため、生成した信号電荷は、光電変換部211及びノードN1等に蓄積される。信号の読み出し時には、第1の転送トランジスタ221がオンされた後、選択トランジスタ125(図示せず)がオンされることによって、垂直信号線160に読み出される。RGBモードでは、キャパシタ123を利用せずに、高いゲインでの読み出しを行うことによって、ノイズを抑制することができる。
 一方で、ToFモードでは、容量接続トランジスタ122がオン状態で維持される。このため、図13Bに示すように、光電変換部211~214で発生する信号電荷は、電荷蓄積部FD及びキャパシタ123に蓄積される。電荷の蓄積量が増大することで、高飽和を実現することができる。
 このように、本実施の形態では、容量接続トランジスタ122は、ToFモードにおいて、キャパシタ123と電荷蓄積部FDとを導通状態で維持し、RGBモードにおいて、キャパシタ123と電荷蓄積部FDとを非導通にする。これにより、高精度の測距と高画質なRGB画像の取得とを両立することができる。
 [転送トランジスタと制御線との関係]
 続いて、各画素における第1の転送トランジスタ及び第2の転送トランジスタと、各々のゲートに接続される制御線との関係について、図14を用いて説明する。以下では、画素201を代表して説明するが、画素202~204についても同様である。
 図14は、本実施の形態に係る画素201の一例を示す概略的な平面図である。光電変換部211の平面視形状は、例えば矩形(正方形又は長方形)である。光電変換部211は、半導体基板に設けられたp型の半導体領域とn型の半導体領域とを含む(後で示す図23Aを参照)。n型の半導体領域とp型の半導体領域は、基板の厚み方向に積層されている。p型の半導体領域は、n型の半導体領域よりも、半導体基板の表面(上面)側に設けられている。
 図14に示すように、平面視において、光電変換部211の一部に重なるように、第1の転送トランジスタ221のゲート221gと、第2の転送トランジスタ231のゲート231gとが設けられている。ゲート221g及び231gと光電変換部211(p型の半導体領域)との間には、絶縁膜(図示せず)が設けられている。ゲート221g及び231gはそれぞれ、金属又は導電性ポリシリコン等の導電性材料を用いて形成されている。ゲート221g及び231gの各平面視形状は、矩形であるが、これに限定されない。本実施の形態では、ゲート221g及び231gの材料、形状及び大きさが同一である。
 なお、大きさが同一とは、互いの面積(又は体積)が完全に等しいことを意味するだけでなく、互いの面積(又は体積)の差分が一方の面積(又は体積)の5%以下である場合も含む意味で用いられている。また、形状が同一とは、互いの形状が完全に一致することを意味するだけでなく、互いの形状の差に起因する面積(又は体積)の差分が一方の面積(又は体積)の5%以下である場合も含む意味で用いられている。また、材料が同一とは、材料の組成比が完全に一致することを意味するだけでなく、組成比の差分が一方の組成比の5%以下である場合も含む意味で用いられている。製造誤差に起因する大きさ、形状及び材料の差、並びに、製造時に不可避的に混入する不純物に起因する組成比の差などが生じた場合も、「同一」であるとみなす。現状の製造誤差等を鑑み5%以下としたが、製造要因又は設計要素として誤差を許容できる場合は、必ずしも5%に限定されるものではない。これらは、ゲート221g及び231gに適用されるだけでなく、他の構成要素(例えば、後述する制御線)の材料、形状及び大きさについても適用される。
 ゲート221gは、配線241及びビア241vを介して駆動回路130に接続されている。具体的には、配線241は、平面視でゲート221gに重なるように、ゲート221gの上方に層間絶縁膜(図示せず)を介して配置されている。ビア241vは、当該層間絶縁膜を貫通し、配線241とゲート221gとを接続している。配線241及びビア241vは、第1の制御線の一例である制御線TG1を構成している。
 ゲート231gは、配線251及びビア251vを介して駆動回路130に接続されている。具体的には、配線251は、平面視でゲート231gに重なるように、ゲート231gの上方に層間絶縁膜(図示せず)を介して配置されている。ビア251vは、当該層間絶縁膜を貫通し、配線251とゲート231gとを接続している。配線251及びビア251vは、第2の制御線の一例である制御線PRS1を構成している。
 本実施の形態では、制御線TG1の負荷と制御線PRS1の負荷とは等しい。具体的には、駆動回路130からゲート221gに至るまでの制御線TG1の負荷と、駆動回路130からゲート231gに至るまでの制御線PRS1の負荷とが等しい。制御線の負荷とは、制御線が有する寄生抵抗及び寄生容量(RC成分)である。具体的には、配線241及びビア241vのRC成分と、配線251及びビア251vのRC成分とが等しい。
 なお、負荷(RC成分)が等しいとは、互いの負荷が完全に等しいことを意味するだけでなく、互いの負荷の差分が一方の負荷の5%以下である場合も含む意味で用いられている。なお、製造要因又は設計要素として誤差を許容できる場合は、必ずしも5%に限定されるものではない。
 例えば、制御線TG1と制御線PRS1とは、材料、形状及び大きさが同一である。具体的には、配線241と配線251とは、材料、形状及び大きさが同一である。ビア241vとビア251vとは、材料、形状及び大きさが同一である。材料、形状及び大きさを同一にすることにより、配線同士及びビア同士の互いの負荷を簡単に等しくすることができる。つまり、負荷を等しくするための材料の選択及びレイアウトの設計を容易に行うことができる。
 本実施の形態では、単位セル120の平面視において、制御線TG1及び第1の転送トランジスタ221と、制御線PRS1及び第2の転送トランジスタ231とは、光電変換部211の中心を通る直線(図14の一点鎖線)を軸として線対称に配置されている。線対称に配置することにより、制御線TG1及びPRS1の負荷を簡単に等しくすることができる。つまり、負荷を等しくするためのレイアウトの設計を容易に行うことができる。
 制御線の負荷は、駆動回路130から出力される制御信号の波形を鈍らせる要因になりうる。特にToFモードでは、制御線TG1及びPRS1が互いに排他的に高速でハイレベルとローレベルとを繰り返すので、一方の波形に鈍りが他方よりも大きく生じると、蓄積される電荷量に差が生じ、測距精度の低下に繋がりうる。
 これに対して、本実施の形態では、制御線TG1の負荷と制御線PRS1の負荷とが等しい。これにより、駆動回路130から出力される制御信号の波形の鈍りが生じたとしても、制御線TG1及びPRS1間での鈍りの差を小さくすることができる。このため、測距精度の低下を抑制することができる。
 また、本実施の形態では、制御線TG1に接続されている有効画素数と、制御線PRS1に接続されている有効画素数とは等しい。これにより、制御線TG1及び制御線PRS1の負荷を容易に等しくすることができ、測距精度の低下を抑制することができる。
 なお、図14では、制御線TG1と制御線PRS1とが材料、形状及び大きさが同一で、線対称に配置されている例を示したが、これに限らない。図15Aに示すように、制御線TG1と制御線PRS1との形状が異なっていてもよい。
 図15Aは、本実施の形態に係る画素201の別の一例を示す概略的な平面図である。図15Aに示す例では、第1の転送トランジスタ221のゲート221gは、配線241a及び241bと、ビア241v、241c及び241dとを介して駆動回路130に接続されている。
 配線241bは、配線241aとは異なる高さに位置しており、ビア241c及び241dを介して配線241aに接続されている。例えば、他の配線又は電極等が配置されていることにより、制御線TG1と制御線PRS1とを同一の高さ(同層)に配置できない場合がある。図15Aに示す例は、このような場合に対応した例である。
 なお、制御線が、異なる高さに位置した配線を複数含む場合、駆動回路130から第1の転送トランジスタ又は第2の転送トランジスタに接続するまでの総距離において、総距離に占める割合がもっとも大きい配線を主たる配線と呼ぶことにする。例えば、図15Aにおいて駆動回路130からゲート221gまでの総距離において、配線241aと配線241bとの距離が1:9の割合だとすると、制御線TG1における主たる配線は配線241bである。例えば、図14に示す例では、制御線TG1の主たる配線は、配線241であり、制御線PRS1の主たる配線は、配線251である。配線241と配線251とは高さが等しい。一方で、図15Aは、制御線TG1の主たる配線である配線241bと、制御線PRS1の主たる配線である配線251とは、高さが異なる例を示している。
 制御線TG1は、制御線PRS1よりも経路が長くなっている。通常、経路が長くなると、配線抵抗が大きくなる。そこで、配線241bを配線241aよりも太くしている。つまり、配線241bの断面積を配線241aの断面積よりも大きくすることにより、配線241bの配線抵抗を小さくすることができる。このように、配線抵抗を調整することにより、制御線TG1の負荷と制御線PRS1の負荷とを等しくすることができる。なお制御線TG1と制御線PRS1との材料を異ならせることによって、制御線TG1の負荷と制御線PRS1の負荷とを等しくしてもよい。制御線TG1の負荷と制御線PRS1の負荷とを等しくできれば、その具体的な実現方法は特に限定されない。
 図15B~図15Fはいずれも、本実施の形態に係る画素201の別の一例を示す概略的な平面図である。図15Bに示す例では、ビア241vの個数とビア251vの個数とが異なっている。ビア241vの個数は、第1の制御線(制御線TG1)と第1の転送トランジスタ221とを接続する第1のコンタクト数の一例である。ビア251vの個数は、第2の制御線(制御線PRS1)と第2の転送トランジスタ231とを接続する第2のコンタクト数の一例である。図15Bに示す例では、ビア241vの個数が3個であるのに対して、ビア251vの個数が1個である。なお、個数が同じで、ビア241vの形状とビア251vの形状とが異なっていてもよい。あるいは、ビア241vとビア251vとでは、個数及び形状の両方が異なっていてもよい。
 このように、コンタクト数を異ならせて2本の制御線TG1及びPRS1の負荷を調整することができる。2本の制御線TG1及びPRS1をそれぞれ伝搬される制御信号の波形の鈍りの差を小さくすることができるので、測距精度の低下を抑制することができる。
 また、図15Cに示す例では、単位セル120の平面視において、制御線TG1及び第1の転送トランジスタ221と制御線PRS1及び第2の転送トランジスタ231とは、光電変換部211の中心Qに対して180°回転した位置に配置されている。すなわち、第1の転送トランジスタ221と第2の転送トランジスタ231とは、光電変換部211の中心Qを対称の中心とする点対称な位置関係及び形状を有する。
 図15Dに示す例では、単位セル120の平面視において、制御線TG1及び第1の転送トランジスタ221と制御線PRS1及び第2の転送トランジスタ231とは、光電変換部211の中心を通る直線(図中の一点鎖線)を軸として線対称に配置されている。図15Dに示す例では、第1の転送トランジスタ221のゲート221g及び第2の転送トランジスタ231のゲート231gの各々は、平面視形状が矩形の光電変換部211の四辺のうちの同一の一辺に重なるように配置されている。このように、光電変換部211の中心から一方に偏った位置に、第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231が配置されていてもよい。
 図15Eに示す例では、単位セル120の平面視において、制御線TG1及び第1の転送トランジスタ221と制御線PRS1及び第2の転送トランジスタ231とは、光電変換部211の中心Qに対して90°回転した位置に配置されている。具体的には、制御線TG1及び第1の転送トランジスタ221は、制御線PRS1及び第2の転送トランジスタ231を時計回りに90°回転させた位置に配置されている。なお、回転方向は、反時計回りであってもよい。
 各図において、第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231のみが、光電変換部211の中心を通る直線を軸として線対称に配置され、又は、光電変換部211の中心Qに対して90°若しくは180°回転した位置に配置されていてもよい。すなわち、制御線TG1及びPRS2は、光電変換部211の中心を通る直線を軸として線対称に配置されていなくてもよく、光電変換部211の中心Qに対して90°若しくは180°回転した位置に配置されていなくてもよい。
 また、図15Fに示す例では、第1の転送トランジスタ221と第2の転送トランジスタ231とは、対称な関係にはなく、制御線TG1と制御線PRS1とは、対称な関係にはない。図15Fに示す例では、平面視において、ゲート221gの第1の辺221gaと第1の直線VL1との距離D1、及び、ゲート231gの第2の辺231gaと第2の直線VL2との距離D2の少なくとも一方は、光電変換部211の一辺の長さDPDより短い。なお、第1の辺221gaは、ゲート221gの四辺のうち、光電変換部211の中心Qに最も近い辺である。第2の辺231gaは、ゲート231gの四辺のうち、光電変換部211の中心Qに最も近い辺である。第1の直線VL1は、光電変換部211の中心Qを通り、第1の辺221gaに平行な辺である。第2の直線VL2は、光電変換部211の中心Qを通り、第2の辺231gaに平行な辺である。なお、長さDPDは、例えば、光電変換部211の四辺のうち、最も短い一辺の長さであるが、これに限定されない。
 このように、光電変換部211から遠く離れすぎないようにゲート221g及び231gの各位置を調整することができる。すなわち、寄生容量等の負荷を調整することが可能となる。これにより、2本の制御線TG1及びPRS1を伝搬される制御信号の波形の鈍りの差を小さくすることができるので、測距精度の低下を抑制することができる。
 図15A~図15Fに示したとおり、制御線TG1及びPRS1、並びに、第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231の材料、形状及び大きさ等に応じて、各々の配置を適宜調整して配置することにより、制御線TG1の負荷と制御線PRS1の負荷とを等しくしてもよい。すなわち、制御線TG1の負荷と制御線PRS1の負荷とを等しくできれば、その具体的な実現方法は特に限定されない。
 [駆動回路の具体的な構成及び動作]
 続いて、駆動回路130の具体的な構成及び動作について説明する。なお、以下では、駆動回路130の制御対象となる複数の画素のうち、画素201を例に挙げて説明する。画素202~204については、画素201と同様であるので説明を省略する。
 <構成>
 まず、図16及び図17を用いて、駆動回路130の構成について説明する。図16は、本実施の形態に係る駆動回路130の構成を示す図である。図17は、本実施の形態に係る画素制御回路136及び基板電圧供給回路134の回路構成を示す図である。
 本実施の形態に係る駆動回路130は、基板170、又は、第1の転送トランジスタの第1の制御端子若しくは第2の転送トランジスタの第2の制御端子に、複数の動作モードから選択された1つの動作モードに応じた電圧を供給する。具体的には、駆動回路130は、動作モードに応じて基板170に供給する電圧の電圧レベルを変更する。また、駆動回路130は、動作モードに応じて第1の転送トランジスタのゲート及び第2の転送トランジスタのゲートに供給する電圧のハイレベル及びローレベルの少なくとも一方の大きさ(電位)を変更する。
 図16に示すように、駆動回路130は、動作モード制御回路132と、基板電圧供給回路134と、画素制御回路136と、を含む。
 動作モード制御回路132は、モード制御回路の一例であり、動作モードに応じて基板電圧供給回路134及び画素制御回路136を制御する。具体的には、動作モード制御回路132は、複数の動作モードから選択された1つの動作モードに応じた第1の制御信号を基板電圧供給回路134に出力する。また、動作モード制御回路132は、複数の動作モードから選択された1つの動作モードに応じた第2の制御信号を画素制御回路136に出力する。
 基板電圧供給回路134は、第1の電圧供給回路の一例であり、基板170に電圧を供給する。基板電圧供給回路134は、動作モード制御回路132から出力される第1の制御信号に基づいて、基板170に供給する電圧の値(電圧レベル)を変更することができる。基板電圧供給回路134は、図17に示すように、2つの信号線311及び312と、第1の接続回路321と、を含む。
 信号線311は、第1の電位に設定される第1の信号線の一例である。第1の電位は、例えば、グランド電位(0V)である。信号線311は、グランド電位に設定されたグランド配線である。
 信号線312は、第1の電位とは異なる第2の電位に設定される第2の信号線の一例である。具体的には、第2の電位は、第1の電位より低い電位である。第2の電位は、例えば、-1Vであるが、これに限定されない。
 第1の接続回路321は、信号線311及び312を動作モードに応じて切り替えて基板170に接続する。本実施の形態では、第1の接続回路321は、信号線311及び312を第1の制御信号に基づいて切り替えて基板170に接続する。具体的には、第1の接続回路321は、撮像モードが選択された場合に、信号線311を基板170に接続する。第1の接続回路321は、測距モードが選択された場合に、信号線312を基板170に接続する。
 図17に示すように、第1の接続回路321は、2つのスイッチング素子301及び302を含む。例えば、スイッチング素子301及び302はそれぞれ、ゲート、ソース及びドレインを有するFETである。
 スイッチング素子301は、信号線311と基板170との導通及び非導通を切り替える。スイッチング素子301のゲートは、動作モード制御回路132に接続され、第1の制御信号の入力を受ける。スイッチング素子301のソース及びドレインの一方は、信号線311に接続されている。スイッチング素子301のソース及びドレインの他方は、基板170に接続されている。
 スイッチング素子302は、信号線312と基板170との導通及び非導通を切り替える。スイッチング素子302のゲートは、インバータ(反転器)135を介して動作モード制御回路132に接続され、第1の制御信号の入力を受ける。スイッチング素子302のソース及びドレインの一方は、信号線312に接続されている。スイッチング素子302のソース及びドレインの他方は、基板170に接続されている。
 スイッチング素子302のゲートには、インバータ135を介して、スイッチング素子301のゲートに入力される第1の制御信号を反転させた信号が入力される。このため、スイッチング素子301及び302は、互いに排他的な動作を行う。具体的には、スイッチング素子301がオンしている場合には、スイッチング素子302がオフされ、スイッチング素子302がオンしている場合には、スイッチング素子301がオフされる。
 画素制御回路136は、第2の電圧供給回路の一例であり、第1の転送トランジスタ221のゲート221g及び第2の転送トランジスタ231のゲート231gの少なくとも一方に電圧を供給する。画素制御回路136は、動作モード制御回路132から出力される第2の制御信号に基づいて、ゲート221g及び231gに供給する電圧の値(電圧レベル)を変更することができる。画素制御回路136は、図17に示すように、信号線313a、313b、314a及び314bと、第2の接続回路322と、を備える。
 信号線313a及び313bは、第3の電位と、当該第3の電位より高い第4の電位との少なくとも一方に設定される1以上の第3の信号線の一例である。具体的には、信号線313aは、第3の電位(ローレベル)に設定される。第3の電位は、例えば-1.4Vであるが、これに限定されず、例えば、-1Vであってもよい。本実施の形態では、信号線313aは、信号線312と同じであるが、異なっていてもよい。信号線313bは、第4の電位(ハイレベル)に設定される。第4の電位は、例えば3.3Vであるが、これに限定されず、例えば、2.8V又は3.8Vであってもよい。
 信号線314a及び314bは、第5の電位と、当該第5の電位より高い第6の電位との少なくとも一方に設定される1以上の第4の信号線の一例である。具体的には、信号線314aは、第5の電位(ローレベル)に設定される。第5の電位は、例えばグランド電位(0V)である。信号線314aは、グランド電位に設定されたグランド配線である。信号線314aは、信号線311と同じであってもよい。信号線314bは、第6の電位(ハイレベル)に設定される。第6の電位は、例えば2Vであるが、これに限定されず、1.2Vであってもよい。
 なお、信号線314aは、第7の電位に設定される第7の信号線の一例でもあり、信号線313aは、第8の電位に設定される第8の信号線の一例でもある。この場合の第8の電位は、第7の電位より低い電位であり、上記の第3の電位(例えば、-1.4V)に対応している。この場合の第7の電位は、上記の第5の電位(例えば、0V)に対応している。
 また、信号線313bは、第7の電位に設定される第7の信号線の一例でもあり、信号線314bは、第8の電位に設定される第8の信号線の一例でもある。この場合の第8の電位は、第7の電位より低い電位であり、上記の第6の電位(例えば、2V)に対応している。この場合の第7の電位は、上記の第4の電位(例えば、3.3V)に対応している。
 本実施の形態では、第4の電位と第3の電位との電位差は、第6の電位と第5の電位との電位差とは異なっている。具体的には、第4の電位と第3の電位との電位差は、第6の電位と第5の電位との電位差よりも大きい。一例として、第4の電位と第3の電位との電位差は、第6の電位と第5の電位との電位差の2倍以上であるが、3倍以上であってもよい。
 第2の接続回路322は、信号線313a及び313bと信号線314a及び314bとを動作モードに応じて切り替えてゲート221g及び231gの少なくとも一方に接続する。本実施の形態では、第2の接続回路322は、信号線313a及び313bと信号線314a及び314bとを第2の制御信号に基づいて切り替えてゲート221g及び231gに接続する。具体的には、第2の接続回路322は、撮像モードが選択された場合に、信号線313a及び313bをゲート221g及び231gに接続する。具体的には、第2の接続回路322は、信号線313a及び313bの一方をゲート221g及び231gの一方に接続し、信号線313a及び313bの他方をゲート221g及び231gの他方に接続する。すなわち、信号線313a及び313bが同時に、1つのゲートに接続されないようにしている。また、第2の接続回路322は、測距モードが選択された場合に、信号線314a及び314bをゲート221g及び231gに接続する。具体的には、第2の接続回路322は、信号線314a及び314bの一方をゲート221g及び231gの一方に接続し、信号線314a及び314bの他方をゲート221g及び231gの他方に接続する。すなわち、信号線314a及び314bが同時に、1つのゲートに接続されないようにしている。
 図17に示すように、第2の接続回路322は、スイッチング素子301n、302n、303n、304n、305n、306n、301p、302p、303p、304p、305p及び306pと、制御信号生成回路323と、を含む。
 スイッチング素子301n~306nはそれぞれ、ゲート、ソース及びドレインを有するnチャネルFETである。スイッチング素子301p~306pはそれぞれ、ゲート、ソース及びドレインを有するpチャネルFETである。
 スイッチング素子301n及び301pは、ローレベル側の信号線313a及び314aのセットと、ハイレベル側の信号線313b及び314bのセットとの一方を選択して、制御線TG1に接続するよう構成されている。具体的には、スイッチング素子301n及び301pの接続点(互いのソース及びドレインの一方)が制御線TG1(ゲート221g)に接続されている。スイッチング素子301n及び301pの各々のゲートは、互いに接続されており、制御信号生成回路323からの制御信号が入力される。このため、スイッチング素子301n及び301pは、一方が導通状態(オン)である場合に、他方が非導通状態(オフ)になる。具体的には、スイッチング素子301nがオンである場合、信号線313a及び314aの一方の電位が制御線TG1(ゲート221g)に供給され、スイッチング素子301pがオンである場合、信号線313b及び314bの一方の電位が制御線TG1(ゲート221g)に供給される。
 スイッチング素子302n及び302pは、ローレベル側の信号線313a及び314aのセットと、ハイレベル側の信号線313b及び314bのセットとの一方を選択して、制御線PRS1に接続するよう構成されている。具体的には、スイッチング素子302n及び302pの接続点(互いのソース及びドレインの一方)が制御線PRS1(ゲート231g)に接続されている。スイッチング素子302n及び302pの各々のゲートは、互いに接続されており、制御信号生成回路323からの制御信号が入力される。このため、スイッチング素子302n及び302pは、一方が導通状態(オン)である場合に、他方が非導通状態(オフ)になる。具体的には、スイッチング素子302nがオンである場合、信号線313a及び314aの一方の電位が制御線PRS1(ゲート231g)に供給され、スイッチング素子302pがオンである場合、信号線313b及び314bの一方の電位が制御線PRS1(ゲート231g)に供給される。
 スイッチング素子303nは、信号線313aと制御線TG1(ゲート221g)との導通及び非導通を切り替えるために設けられている。スイッチング素子304nは、信号線313aと制御線PRS1(ゲート231g)との導通及び非導通を切り替えるために設けられている。スイッチング素子303n及び304nの各々のゲートは、互いに接続されて制御信号生成回路323からの制御信号が入力される。このため、スイッチング素子303n及び304nは、同時にオンされ、同時にオフされる。スイッチング素子303nがオンであり、かつ、スイッチング素子301nがオンである場合に、信号線313aの電位が制御線TG1に供給される。スイッチング素子304nがオンであり、かつ、スイッチング素子302nがオンである場合に、信号線313aの電位が制御線PRS1に供給される。
 スイッチング素子303pは、信号線313bと制御線TG1(ゲート221g)との導通及び非導通を切り替えるために設けられている。スイッチング素子304pは、信号線313bと制御線PRS1(ゲート231g)との導通及び非導通を切り替えるために設けられている。スイッチング素子303p及び304pの各々のゲートは、互いに接続されて制御信号生成回路323からの制御信号が入力される。このため、スイッチング素子303p及び304pは、同時にオンされ、同時にオフされる。スイッチング素子303pがオンであり、かつ、スイッチング素子301pがオンである場合に、信号線313bの電位が制御線TG1に供給される。スイッチング素子304pがオンであり、かつ、スイッチング素子302pがオンである場合に、信号線313bの電位が制御線PRS1に供給される。
 スイッチング素子305nは、信号線314aと制御線TG1(ゲート221g)との導通及び非導通を切り替えるために設けられている。スイッチング素子306nは、信号線314aと制御線PRS1(ゲート231g)との導通及び非導通を切り替えるために設けられている。スイッチング素子305n及び306nの各々のゲートは、互いに接続されて制御信号生成回路323からの制御信号が入力される。このため、スイッチング素子305n及び306nは、同時にオンされ、同時にオフされる。スイッチング素子305nがオンであり、かつ、スイッチング素子301nがオンである場合に、信号線314aの電位が制御線TG1に供給される。スイッチング素子306nがオンであり、かつ、スイッチング素子302nがオンである場合に、信号線314aの電位が制御線PRS1に供給される。
 スイッチング素子305pは、信号線314bと制御線TG1(ゲート221g)との導通及び非導通を切り替えるために設けられている。スイッチング素子306pは、信号線314bと制御線PRS1(ゲート231g)との導通及び非導通を切り替えるために設けられている。スイッチング素子305p及び306pの各々のゲートは、互いに接続されて制御信号生成回路323からの制御信号が入力される。このため、スイッチング素子305p及び306pは、同時にオンされ、同時にオフされる。スイッチング素子305pがオンであり、かつ、スイッチング素子301pがオンである場合に、信号線314bの電位が制御線TG1に供給される。スイッチング素子306pがオンであり、かつ、スイッチング素子302pがオンである場合に、信号線314bの電位が制御線PRS1に供給される。
 制御信号生成回路323は、動作モード制御回路132からの第2の制御信号に基づいて、スイッチング素子301n~306n及び301p~304pの各々のオン及びオフを制御する。制御信号生成回路323は、スイッチング素子301n~306n及び301p~304pの各々のゲートに接続されており、各ゲートに制御信号を出力する。制御信号は、ハイレベル及びローレベルのいずれかをとりうる。
 <動作>
 続いて、駆動回路130の具体的な動作について、図18A、図18B及び図18Cを用いて説明する。
 図18Aは、RGBモードにおける第1の転送トランジスタ221のゲート221gに供給される電位の例を示す図である。図18B及び図18Cはいずれも、ToFモードにおける第1の転送トランジスタ221のゲート221gに供給される電位の例を示す図である。図18A~図18Cの各々において、TG及びSUBはそれぞれ、制御線TG1及び基板170の電圧レベル(電位)の時間変化を表している。
 図18Aに示すように、RGBモードでは、制御線TG1のローレベルが-1.4Vであり、ハイレベルが3.3Vである。これに対して、図18B及び図18Cに示すように、ToFモードでは、制御線TG1のローレベルが0Vであり、ハイレベルが2.0Vである。このように、RGBモードにおける制御線TG1のハイレベルとローレベルとのレベル差(電位差、振幅)よりも、ToFモードにおける制御線TG1のハイレベルとローレベルとのレベル差(電位差、振幅)が小さくなっている。
 RGBモードでは、高精細なRGB画像を得るためには、高飽和な光電変換部211が望まれる。高飽和な光電変換部211を実現するためには、光電変換部211のポテンシャルを深く(高く)する必要があるため、信号電荷の読み出しの際には、第1の転送トランジスタ221のポテンシャルをより高くする必要がある。この場合、第1の転送トランジスタ221のゲート221gに供給される電圧レベルを高くする必要がある。本実施の形態では、図18Aに示すように、制御線TG1(ゲート221g)のハイレベルとローレベルとの差を大きく確保している。これにより、高精細なRGB画像を得ることができる。
 一方、ToFモードでは、測距精度の向上のために、制御線TG1のハイレベルとローレベルとが高速で繰り返し切り替えることが求められる。しかしながら、ハイレベルの電圧レベルが高い場合には、高速の切り替えによって消費電力が増大する。
 そこで、本実施の形態では、図18Bに示すように、ハイレベルの電圧レベルを抑制して、ハイレベルとローレベルとのレベル差を小さくしている。これにより、消費電力の増大を抑制することができる。このように、本実施の形態に係る撮像装置100及び内視鏡システム1によれば、高精細なRGB画像の取得と、消費電力を抑制した測距とを両立させることができる。
 なお、ToFモードにおいて、制御線TG1のレベル差が小さくなると、光電変換部211のポテンシャルが深いために、光電変換部211からの信号電荷の読み出しが十分に行えなくなるおそれがある。これに対して、図18Cに示すように、基板170の電圧レベルを低くすることにより、光電変換部211のポテンシャルを低くすることができ、信号電荷の高速読み出しを実現することができる。このように、本実施の形態に係る撮像装置100及び内視鏡システム1によれば、高精細なRGB画像の取得と、消費電力を抑制した高精度な測距とを両立させることができる。
 以下では、図18A~図18Cに示した動作モードを実現するための駆動回路130の動作について、図17を参照しながら説明する。
 図18Aに示すRGBモードの場合、基板電圧供給回路134では、スイッチング素子301がオン状態を維持し、スイッチング素子302がオフ状態を維持する。これにより、基板170には、信号線311からグランド電位(0V)が供給される。画素制御回路136では、制御線TG1の電圧レベルをローレベルにする場合、スイッチング素子301n及び303nをオンして、信号線313aに設定された電位(-1.4V)を制御線TG1に供給する。制御線TG1の電圧レベルをハイレベルにする場合、スイッチング素子301p及び303pをオンして、信号線313bに設定された電位(3.3V)を制御線TG1に供給する。
 なお、RGBモードでは、第2の転送トランジスタ231はオフ状態が維持される。具体的には、スイッチング素子302n及び304nがオンされて、信号線313aに設定された電位(-1.4V)を制御線PRS1に供給する。
 図18Bに示すToFモードの場合、基板電圧供給回路134では、スイッチング素子301がオン状態を維持し、スイッチング素子302がオフ状態を維持する。これにより、基板170には、信号線311からグランド電位(0V)が供給される。画素制御回路136では、制御線TG1の電圧レベルをローレベルにする場合、スイッチング素子301n及び305nをオンして、信号線314aに設定された電位(0V)を制御線TG1に供給する。制御線TG1の電圧レベルをハイレベルにする場合、スイッチング素子301p及び305pをオンして、信号線314bに設定された電位(2.0V)を制御線TG1に供給する。
 なお、ToFモードでは、第2の転送トランジスタ231は、第1の転送トランジスタ221とは、位相が反転した状態でオン及びオフの切り替えが繰り返し行われる。具体的には、制御線PRS1の電圧レベルをローレベルにする場合、スイッチング素子302n及び306nをオンして、信号線314aに設定された電位(0V)を制御線PRS1に供給する。制御線PRS1の電圧レベルをハイレベルにする場合、スイッチング素子302p及び306pをオンして、信号線314bに設定された電位(2.0V)を制御線PRS1に供給する。
 図18Cに示すToFモードの場合、図18Bに示すToFモードの場合と比較して、基板電圧供給回路134の動作が異なる。具体的には、基板電圧供給回路134では、スイッチング素子302がオン状態を維持し、スイッチング素子301がオフ状態を維持する。これにより、基板170には、信号線312からグランド電位より低い電位(-1.4V)が供給される。
 なお、図18A~図18Cに示した動作は、一例にすぎない。RGBモード及びToFモードにおいて各種変更が可能である。
 図19Aは、RGBモードにおいて第1の転送トランジスタ221及びリセットトランジスタ121の各ゲートへ供給される電位の例を示す図である。図19Bは、ToFモードにおいて第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231並びにリセットトランジスタ121の各ゲートへ供給される電位の例を示す図である。なお、図19A及び図19Bにおいて、TG、PRS、RSはそれぞれ、制御線TG1、PRS1、RSの電圧レベル(電位)の時間変化を表している。
 RGBモードでは、図11及び図12にも示したように、1フレーム内で1回、第1の転送トランジスタ221がオンされる。具体的には、図19Aに示すように、制御線TG1の電圧レベルは、ローレベル(-1V)で維持され、所定のタイミングでハイレベル(2.8V)に切り替わった後、再び、ローレベルで維持される。この場合、制御線TG1のハイレベルとローレベルとのレベル差は、3.8Vになる。これにより、上述したように、高精細なRGB画像を得ることができる。
 これに対して、ToFモードでは、図11及び図12にも示したように、1フレーム内で、第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231が排他的にオン及びオフを高速で繰り返す。具体的には、図19Bに示すように、制御線TG1の電圧レベルは、ローレベル(1.2V)とハイレベル(2.8V)とを繰り返す。これは、制御線PRS1も同様である。この場合、制御線TG1のハイレベルとローレベルとのレベル差は、2.6Vになる。これにより、ToFモードでは、RGBモードの場合よりも制御線TG1のレベル差を小さくすることができるので、高速切り替えに伴う消費電力の増大を抑制することができる。
 このように、図19A及び図19Bに示す例では、制御線TG1のハイレベルの値は同じである。つまり、制御線TG1のローレベルの値を変更するだけでもよく、この場合であっても、高精細なRGB画像の取得と、消費電力を抑制した測距とを両立させることができる。
 また、図18Cに示したように、基板170に供給する電圧レベルを変更してもよい。図20Aは、RGBモードにおいて第1の転送トランジスタ221及びリセットトランジスタ121の各ゲート、並びに、基板170へ供給される電位の例を示す図である。図20Bは、ToFモードにおいて第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231並びにリセットトランジスタ121の各ゲートと、基板170とへ供給される電位の例を示す図である。
 図20Aに示すように、RGBモードでは、基板170に供給される電圧レベルが0Vである。また、図20Aに示す例では、制御線TG1のハイレベルが3.8Vになっており、RGBモードで光電変換部211の更なる高飽和化を実現している。すなわち、フォトダイオードの高飽和信号を読み出すことが可能である。
 これに対して、図20Bに示すように、ToFモードでは、基板170に供給される電圧レベルが、RGBモードよりも低い-1Vになっている。これにより、ToFモードでの光電変換部211のポテンシャルを低くし、信号読み出しの高速化を実現することができる。
 なお、本実施の形態では、駆動回路130が基板に供給する電圧と、転送トランジスタのゲートに供給する電圧との両方を動作モードに応じて変更する例を示したが、これに限定されない。駆動回路130は、基板に供給する電圧と、転送トランジスタのゲートに供給する電圧との一方を変更しなくてもよい。具体的には、駆動回路130は、動作モードによらず、基板には一定の電圧を供給してもよい。あるいは、駆動回路130は、動作モードによらず、転送トランジスタのゲートに供給する電圧のハイレベル及びローレベルの値が同じであってもよい。
 あるいは、図20Cに示すように、駆動回路130は、露光期間と読出し期間とで基板170に供給する電圧を変更してもよい。なお、図20Cは、ToFモードにおいて第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231並びにリセットトランジスタ121の各ゲート、並びに、基板170の各々に供給される電位の変形例を示す図である。
 また、本実施の形態では、第3の信号線及び第4の信号線をそれぞれ2本ずつ備える例を示したが、1本ずつ備えてもよい。この場合、1本の第3の信号線に設定する電圧レベル(電位)を第3の電位と第4の電位とで切り替える。同様に、1本の第4の信号線に設定する電圧レベル(電位)を第5の電位と第6の電位とで切り替える。
 また、本実施の形態では、駆動回路130は、電源線VMIMの電圧レベルを制御してもよい。図21は、ToFモードにおいて、キャパシタ123の電圧を制御した場合の単位セル120内のポテンシャルを示す図である。
 駆動回路130は、RGBモードでは、電源線VMIMに電圧レベルV1を供給し、ToFモードでは、電源線VMIMに電圧レベルV2を供給する。電圧レベルV2は、電圧レベルV1より高い。なお、電圧レベルV1は、例えば、電源線AVDDPに供給される電圧レベルと同じである。すなわち、駆動回路130は、ToFモードにおいて、キャパシタ123の第2の電極に供給する電位を、電源線AVDDPに供給された電位よりも高くする。
 図21には、RGBモードの場合の電荷蓄積部FD及びキャパシタ123のポテンシャルを破線で示している。図21に示すように、ToFモードでは、電荷蓄積部FD及びキャパシタ123のポテンシャルが深くなるので、光電変換部211からの信号読み出しを容易にすることができる。このため、高速読み出しが可能になるので、測距精度を高めることができる。
 なお、キャパシタ123は、MIM構造を有するキャパシタであるが、これに限定されない。例えば、電荷蓄積部FD又は容量接続トランジスタ122のソース若しくはドレインに接続された配線と電源線との間に生じる寄生容量をキャパシタ123として利用してもよい。
 [光電変換部と転送トランジスタのゲートとの位置関係]
 続いて、光電変換部211と第1の転送トランジスタ221のゲート221g及び第2の転送トランジスタ231のゲート231gとの位置関係について説明する。なお、以下では、駆動回路130の制御対象となる複数の画素のうち、画素201を例に挙げて説明する。画素202~204については、画素201と同様であるので説明を省略する。
 図22は、本実施の形態に係る光電変換部211の平面図である。図23Aは、図22のXXIII-XXIII線における断面図である。図23Aに示すように、光電変換部211は、n型の不純物領域211nと、p型の不純物領域211pと、を含む。
 なお、n型は、第1の導電型の一例である。n型不純物の濃度が高い、いわゆるヘビードープの状態をn型と呼び、n型不純物の濃度が低い、いわゆるライトドープの状態をn型と呼び、これらも第1の導電型の一例である。p型は、第1の導電型とは逆極性である第2の導電型の一例である。p型不純物の濃度が高い、いわゆるヘビードープの状態をp型と呼び、p型不純物の濃度が低い、いわゆるライトドープの状態をp型と呼び、これらも第2の導電型の一例である。基板170がシリコン基板である場合、n型不純物としては、リン、ヒ素等の5価元素を利用でき、p型不純物としては、ホウ素、アルミニウム等の3価元素を利用できる。
 n型の不純物領域211nは、第1の半導体領域の一例であり、基板170内に設けられている。不純物領域211nは、不純物領域211pよりも基板170の裏面側(光入射側)に設けられている。
 p型の不純物領域211pは、第2の半導体領域の一例であり、基板170内で不純物領域211n上に設けられている。不純物領域211pは、不純物領域211nよりも基板170の表面側(光入射側とは反対側)に設けられている。不純物領域211pの上面は、基板170の上面に相当する。
 不純物領域211n及び211pはそれぞれ、イオン注入等によって基板170の所定の領域にn型不純物又はp型不純物をドープすることにより形成される。あるいは、不純物領域211n及び211pは、基板本体に対して、選択的に不純物を導入しながらエピタキシャル成長を行うことによって形成されてもよい。
 本実施の形態では、光電変換部211の厚さは、3μm以下である。なお、光電変換部211の厚さは、光電変換部211の深さに相当し、基板170の上面、すなわち、p型の不純物領域211pの上面から、n型の不純物領域の下面までの距離である。光電変換部211の厚さ(深さ)を薄くすることにより、信号電荷の高速読み出しを実現することができる。
 仮に、光電変換部211の厚さが6μm以上である場合、光電変換部211を画素毎に分離するための素子分離領域(DTI:Deep Trench Isolation)との界面に欠陥が生じやすくなり、当該欠陥を介した暗電流が多くなる。光電変換部211の厚さを3μm以下にすることにより、暗電流の発生を抑制することができ、測距精度を高めることができる。特に、測距用の光として可視光帯域を利用する場合には、光電変換部211の厚さを3μm以下としても高い精度で測距を行うことができる。なお、界面の欠陥を十分に抑制できる場合には、光電変換部211の厚さを3μmより大きくしてもよい。
 本実施の形態では、図22に示すように、第1の転送トランジスタ221のゲート221g及び第2の転送トランジスタ231のゲート231gはそれぞれ、基板170の平面視において、不純物領域211nに重なっている。このとき、ゲート221gと不純物領域211nとが重なる面積S1は、ゲート221gの面積Sg1の半分以上である。ゲート231gと不純物領域211nとが重なる面積S2は、ゲート231gの面積Sg2の半分以上である。なお、ゲート221gと不純物領域211nとが重なる面積S1は、ゲート221gの面積Sg1の55%以上であってもよく、60%以上であってもよく、70%以上であってもよく、80%以上であってもよい。ゲート231gと不純物領域211nとが重なる面積S2は、ゲート231gの面積Sg2の55%以上であってもよく、60%以上であってもよく、70%以上であってもよく、80%以上であってもよい。
 あるいは、ゲート221gと不純物領域211nとが重なる面積S1と、ゲート231gと不純物領域211nとが重なる面積S2との合計は、光電変換部211の面積SPDの20%以上である。なお、ゲート221gと不純物領域211nとが重なる面積S1と、ゲート231gと不純物領域211nとが重なる面積S2との合計は、光電変換部211の面積SPDの30%以上であってもよく、40%以上であってもよく、50%以上であってもよく、60%以上であってもよく、70%以上であってもよく、80%以上であってもよい。
 また、ゲート221g及び231gの並び方向(第1の方向、図22におけるXXIII-XXIII線に平行な方向)において、ゲート221gと不純物領域211nとが重なる長さL1と、ゲート231gと不純物領域211nとが重なる長さL2との合計は、光電変換部211の長さLの20%以上である。なお、長さL1と長さL2との合計は、長さLの30%以上であってもよく、40%以上であってもよく、50%(半分)以上であってもよい。
 このように、本実施の形態では、第1の転送トランジスタ221のゲート221g及び第2の転送トランジスタ231のゲート231gは、基板170の平面視で、光電変換部211を重ねて設けられている。
 従来、ゲート221g及び231gはいずれも、基板170の平面視において光電変換部211を覆わずに光電変換部211を挟むように配置されている。また、ゲート221gとゲート231gとの間を、基板170の表面を介して流れる暗電流を抑制するために、図23Bで示されるように、不純物領域211pよりp型の不純物濃度が高いp型あるいは十分に高いp++型の不純物領域211ppを形成している。なお、図23Bは、図22のXXIII-XXIII線に相当する比較例に係る画素の断面図である。
 しかしながら、画素の微細化を図る場合、第1の転送トランジスタ221のゲート221gと第2の転送トランジスタ231のゲート231gとの距離が近づくために、p++型の不純物領域を精度良く形成することができない。特に、測距やグローバルシャッタ用に複数のゲートを含む画素の場合には、p++型の不純物領域の確保が難しい。その結果、暗電流が増大して、測距精度の低下に繋がる。
 これに対して、本実施の形態では、ゲート221g及び231gの各々を、基板170の平面視において、p型の不純物領域211pに重なるように設けている。図24に示すように、駆動回路130がゲート221g及び231gに負電圧を供給した場合、不純物領域211pのうち、ゲート221g及び231gの直下領域には、ホールが蓄積したホール蓄積領域211paが形成される。なお、図24は、第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231の各ゲートに負電圧を供給した場合における光電変換部211の断面構成を示す断面図である。
 ホール蓄積領域211paは、第5の半導体領域の一例であり、不純物領域211pの一部である。不純物領域211pの他の一部である第4の半導体領域、具体的には、不純物領域211pbよりも、ホール蓄積領域211paのキャリア濃度は高くなる。これにより、p++型の不純物領域を設けなくても暗電流を抑制することができる。
 暗電流を抑制することで、撮像装置100のダイナミックレンジを拡大することができる。ダイナミックレンジは、撮像装置100によって測定可能な光強度の範囲を示すパラメータである。ダイナミックレンジは、光電変換部211の飽和と暗電流の大きさとに基づいて決まる。光電変換部211の飽和は、光電変換部211の面積SPDに比例する。暗電流の大きさは、ホール蓄積領域211paの面積S1+S2に反比例する。
 光電変換部211の面積SPDは、通常、単位セル120のサイズで決まるために、所定の固定値になる。このため、ダイナミックレンジを拡大するためには、ホール蓄積領域211paの面積を大きくすることが求められる。
 図25は、ホール蓄積領域211paの面積割合に対する撮像装置100のダイナミックレンジを示す図である。図25において、横軸は、光電変換部211の面積SPDに対するホール蓄積領域211paの面積S1+S2の割合を示している。縦軸は、撮像装置100のダイナミックレンジを示している。なお、ホール蓄積領域211paの面積は、ゲート221gと不純物領域211nとが重なる面積S1と、ゲート231gと不純物領域211nとが重なる面積S2との合計に相当する。
 図25に示すように、ホール蓄積領域211paの面積S1+S2が大きくなる程、撮像装置100のダイナミックレンジが大きくなっている。特に、光電変換部211の面積SPDに対するホール蓄積領域211paの面積S1+S2の割合が10%から20%にかけて、ダイナミックレンジの拡大幅が大きい。光電変換部211の面積SPDに対するホール蓄積領域211paの面積S1+S2の割合が20%以上になることで、ダイナミックレンジを十分に大きくすることができる。
 なお、今後のプロセス技術の発展に伴い、ホール蓄積領域211paの面積割合とダイナミックレンジとの関係が改善された場合には、光電変換部211の面積SPDに対するホール蓄積領域211paの面積S1+S2の割合は必ずしも20%以上でなくてもよい。例えば、光電変換部211の面積SPDに対するホール蓄積領域211paの面積S1+S2の割合は、10%以上であってもよい。
 また、光電変換部は、p型の第2の半導体領域上に設けられた第3の半導体領域を備えてもよい。第3の半導体領域は、例えば、p型又はp++型の不純物領域である。この場合、p型又はp++型の不純物領域がホール蓄積領域となり、界面欠陥による暗電流の抑制が可能になる。この場合、第1の転送トランジスタの制御端子(ゲート)と光電変換部とが重なる面積と、第2の転送トランジスタの制御端子(ゲート)と光電変換部とが重なる面積との合計は、光電変換部の面積の10%以上でもよく、上述した実施の形態と同様の暗電流の抑制効果を見込める。
 また、撮像装置は、光電変換部上で、第1の転送トランジスタの制御端子(ゲート)及び第2の転送トランジスタの制御端子(ゲート)が配置されていない領域の一部に配置された電極と、この電極に基板の電位以下の電圧を供給する駆動回路と、を備えてもよい。この場合、電極の直下の領域にはホール蓄積層を形成することができる。これにより、ホール蓄積層は、高濃度p型不純物層と同等の機能を果たすことができる。これにより、ホール蓄積層の領域を増やすことができるので、第1の転送トランジスタの制御端子(ゲート)と光電変換部とが重なる面積と、第2の転送トランジスタの制御端子(ゲート)と光電変換部とが重なる面積との合計は、光電変換部の面積の10%以上でもよく、上述した実施の形態と同様の暗電流の抑制効果を見込める。
 また、ゲート絶縁膜による暗電流は、エネルギー禁制帯幅に支配される。広いエネルギー禁制帯幅をもつ絶縁膜材料が使用された場合、ゲート絶縁膜による暗電流の抑制が可能になる。この場合、第1の転送トランジスタの制御端子(ゲート)と光電変換部とが重なる面積と、第2の転送トランジスタの制御端子(ゲート)と光電変換部とが重なる面積との合計は、光電変換部の面積の10%以上でもよく、上述した実施の形態と同様の暗電流の抑制効果を見込める。なお、上記実施例は、ゲート絶縁膜による暗電流の抑制の一例である。
 このような撮像装置100の製造方法は、基板170内に光電変換部211を形成する第1の工程と、光電変換部211に接続された第1の転送トランジスタ221及び第2の転送トランジスタ231を形成する第2の工程と、を含む。
 第1の工程では、不純物領域211n上に不純物領域211pを含む光電変換部211を形成する。第1の工程では、例えば、基板170の所定の領域にイオン注入によってn型不純物又はp型不純物をドープすることにより、不純物領域211n及び211pを形成する。あるいは、基板本体に対して、選択的に不純物を導入しながらエピタキシャル成長を行うことによって、不純物領域211n及び211pを形成してもよい。
 第2の工程では、第1の転送トランジスタ221のゲート221g及び第2の転送トランジスタ231のゲート231gをそれぞれ、基板170の平面視において、不純物領域211pに重ねて形成する。例えば、第2の工程では、ゲート221g及び231gをそれぞれ、基板170の平面視において、不純物領域211p上に絶縁膜を介して配置する。具体的には、第2の工程では、基板170の平面視において、ゲート221gと不純物領域211pとが重なる面積S1が、ゲート221gの面積Sg1の半分以上になり、かつ、ゲート231gと不純物領域211pとが重なる面積S2が、ゲート231gの面積Sg2の半分以上になるように、ゲート221g及び231gをそれぞれ、不純物領域211pに重ねて形成する。あるいは、第2の工程では、基板170の平面視において、ゲート221gと不純物領域211pとが重なる面積S1と、ゲート231gと不純物領域211pとが重なる面積S2との合計が、光電変換部211の面積SPDの20%以上になるように、ゲート221g及び231gをそれぞれ、不純物領域211pに重ねて形成する。あるいは、第2の工程では、基板170の平面視において、ゲート221gとゲート231gとの並び方向において、ゲート221gと不純物領域211pとが重なる長さL1と、ゲート231gと不純物領域211pとが重なる長さL2との合計が、光電変換部211の長さLの20%以上になるように、ゲート221g及び231gをそれぞれ、不純物領域211pに重ねて形成する。
 例えば、まず、基板170の表面を覆うように絶縁膜を形成する。絶縁膜は、例えば、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)等によって形成される。絶縁膜を形成した後、導電膜を形成する。導電膜は、スパッタリング、蒸着法等によって形成される。形成した導電膜をパターニングすることにより、ゲート221g及び231gを形成する。パターニングは、フォトリソグラフィ及びドライエッチング又はウェットエッチング等によって行われる。このとき、導電膜のうち、光電変換部211を覆う部分を残すようにパターニングを行うことで、基板170の平面視でゲート221g及び231gを光電変換部211に重ねて形成する。
 (他の実施の形態)
 以上、1つ又は複数の態様に係る撮像装置、測距装置、撮像装置の制御方法及び製造方法等について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、及び、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
 例えば、上記の実施の形態では、測距装置の一例として内視鏡システム1を示したが、これに限らない。測距装置は、例えば、所定の建造物又は構造物に設置された監視カメラ又は物体検知装置であってもよい。あるいは、測距装置は、自動運転車両、ドローン等の移動体に搭載されるセンサ装置であってもよい。なお、これらの場合、対象物2は、静止物体又は移動体等である。
 また、例えば、可視光画像は、RGB画像でなくてもよい。可視光画像は、白黒画像等の単色画像であってもよい。また、例えば、第1の動作モードで利用される光の第1の波長と、第2の動作モードで利用される点滅光の第2の波長とは同じであってもよい。また、撮像モードにおいて取得される画像は、静止画であってもよく、動画像であってもよい。
 また、第1の動作モード及び第2の動作モードは、撮像モード及び測距モードでなくてもよい。例えば、第1の動作モード及び第2の動作モードは、撮像モードにおける短時間露光モード、長時間露光モード等であってもよい。
 あるいは、第1の動作モード及び第2の動作モードは、ToFモードにおける周波数が異なる2つのモード、あるいはパルス幅が異なる2つのモード等であってもよい。あるいは、第1の動作モード及び第2の動作モードは、パルスToFモード、CW-ToFモードであってもよい。
 また、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法については特に限定されるものではない。装置間で無線通信が行われる場合、無線通信の方式(通信規格)は、例えば、ZigBee(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、又は、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信である。あるいは、無線通信の方式(通信規格)は、インターネットなどの広域通信ネットワークを介した通信でもよい。また、装置間においては、無線通信に代えて、有線通信が行われてもよい。有線通信は、具体的には、電力線搬送通信(PLC:Power Line Communication)又は有線LANを用いた通信などである。
 また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよく、あるいは、複数の処理が並行して実行されてもよい。また、測距装置(測距システム)が備える構成要素の複数の装置への振り分けは、一例である。例えば、一の装置が備える構成要素を他の装置が備えてもよい。
 例えば、上記実施の形態において説明した処理は、単一の装置(システム)を用いて集中処理することによって実現してもよく、又は、複数の装置を用いて分散処理することによって実現してもよい。また、上記プログラムを実行するプロセッサは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、又は分散処理を行ってもよい。
 また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、あるいは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサなどのプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
 また、制御部などの構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
 1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC又はLSIなどが含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGAも同じ目的で使うことができる。
 また、本開示の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。あるいは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
 また、上記の各実施の形態は、請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
 本開示は、高精度な測距に利用することができる撮像装置として利用でき、例えば、内視鏡システム、監視カメラ等に利用することができる。
1 内視鏡システム
2 対象物
10 本体部
11 光源
12 光源駆動回路
13 ISP
14 出力部
15 システム制御回路
16 電源IC
20 挿入部
21 導光部材
22 対物レンズ
23 集光レンズ
100 撮像装置
110 センサアレイ
120 単位セル
121 リセットトランジスタ
122 容量接続トランジスタ
123 キャパシタ
124 読出しトランジスタ
125 選択トランジスタ
130 駆動回路
132 動作モード制御回路
134 基板電圧供給回路
135 インバータ
136 画素制御回路
140 信号出力回路
150 制御線
160 垂直信号線
170 基板
201、202、203、204 画素
211、212、213、214 光電変換部
211n、211p、211pb、211pp 不純物領域
211pa ホール蓄積領域
221、222、223、224 第1の転送トランジスタ
221g、231g ゲート
221ga 第1の辺
231、232、233、234 第2の転送トランジスタ
231ga 第2の辺
241、241a、241b、251 配線
241c、241d、241v、251v ビア
301、301n、301p、302、302n、302p、303n、303p、304n、304p、305n、305p、306n、306p スイッチング素子
311、312、313a、313b、314a、314b 信号線
321 第1の接続回路
322 第2の接続回路
323 制御信号生成回路

Claims (13)

  1.  基板と、
     前記基板内に設けられた光電変換部と、
     第1の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第1の転送トランジスタと、
     第2の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第2の転送トランジスタと、を備え、
     前記光電変換部は、前記基板内に設けられた第1の導電型の第1の半導体領域を含み、
     前記基板の平面視において、前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子はそれぞれ、前記第1の半導体領域に重なり、前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積と、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積との合計は、前記光電変換部の面積の20%以上である、
     撮像装置。
  2.  基板と、
     前記基板内に設けられた光電変換部と、
     第1の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第1の転送トランジスタと、
     第2の制御端子を含み、前記光電変換部に接続された第2の転送トランジスタと、を備え、
     前記光電変換部は、前記基板内に設けられた第1の導電型の第1の半導体領域を含み、
     前記基板の平面視において、
      前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子はそれぞれ、前記第1の半導体領域に重なり、かつ、第1の方向に並んで配置され、
      前記第1の方向において、前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる長さと、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる長さとの合計は、前記光電変換部の長さの20%以上である、
     撮像装置。
  3.  前記光電変換部は、前記第1の半導体領域上に設けられた、前記第1の導電型とは逆極性である第2の導電型の第2の半導体領域をさらに含み、
     前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子はそれぞれ、前記第2の半導体領域上に絶縁膜を介して配置されている、
     請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4.  前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子に前記基板の電位以下の電圧を供給する駆動回路を備える、
     請求項1~3のいずれか1項に記載の撮像装置。
  5.  前記第1の転送トランジスタと前記第2の転送トランジスタとは、互いに対向するように配置される、
     請求項1~4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6.  前記基板の平面視において、前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積と、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積とは、同等である、
     請求項1~5のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7.  前記基板に設けられた単位セルであって、n個(nは自然数)の画素、及び、n個の前記画素で発生する電荷を蓄積するための電荷蓄積部を含む単位セルを備え、
     n個の前記画素の各々は、前記光電変換部、前記第1の転送トランジスタ及び前記第2の転送トランジスタを含み、
     n個の前記画素の各々において、
      前記第1の転送トランジスタは、同一画素内の前記光電変換部に接続された第1の入出力端子、及び、前記電荷蓄積部に接続された第2の入出力端子を有し、
      前記第2の転送トランジスタは、同一画素内の前記光電変換部に接続された第3の入出力端子、及び、電源線に接続された第4の入出力端子を有する、
     請求項1~6のいずれか1項に記載の撮像装置。
  8.  複数の動作モードから選択された1つの動作モードに応じて、前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子を駆動する駆動回路を備え、
     前記複数の動作モードは、
     前記n個の画素の少なくとも1つを第1の波長の光に露光する第1の動作モードと、
     前記n個の画素の少なくとも1つを第2の波長の点滅光に露光する第2の動作モードと、を含む、
     請求項7に記載の撮像装置。
  9.  前記第1の動作モードは、可視光画像を生成する撮像モードであり、
     前記第2の動作モードは、距離画像を生成する測距モードである、
     請求項8に記載の撮像装置。
  10.  光源と、
     請求項8又は9に記載の撮像装置と、
     前記撮像装置から出力される信号に基づいて、対象物までの距離を算出する演算回路と、を備え、
     前記第2の波長の点滅光は、前記光源から発せられた点滅光のうち、前記対象物によって反射された反射光である、
     測距装置。
  11.  基板内に設けられた第1の導電型の第1の半導体領域を含む光電変換部を形成する第1の工程と、
     前記光電変換部に接続された第1の転送トランジスタ及び第2の転送トランジスタを形成する第2の工程と、を含み、
     前記第2の工程では、前記第1の転送トランジスタの第1の制御端子、及び、前記第2の転送トランジスタの第2の制御端子をそれぞれ、前記基板の平面視において、前記第1の半導体領域に重ねて形成する、
     撮像装置の製造方法。
  12.  前記第2の工程では、前記基板の平面視において、
     (i)前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積と、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる面積との合計が、前記光電変換部の面積の20%以上になるように、
    又は、
     (ii)前記第1の制御端子と前記第2の制御端子との並び方向において、前記第1の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる長さと、前記第2の制御端子と前記第1の半導体領域とが重なる長さとの合計が、前記光電変換部の長さの20%以上になるように、
     前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子をそれぞれ、前記第1の半導体領域に重ねて形成する、
     請求項11に記載の撮像装置の製造方法。
  13.  前記第1の工程では、前記第1の半導体領域上に、前記第1の導電型とは逆極性である第2の導電型の第2の半導体領域をさらに含む前記光電変換部を形成し、
     前記第2の工程では、前記第1の制御端子及び前記第2の制御端子をそれぞれ、前記基板の平面視において、前記第2の半導体領域上に絶縁膜を介して配置する、
     請求項11又は12に記載の撮像装置の製造方法。
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