WO2024070881A1 - 走査光学系 - Google Patents

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Abstract

走査光学系は偏向器と、該偏向器により近い第1の走査レンズ及び該偏向器からより離れた第2の走査レンズを備えた結像光学系と、を備える。走査の方向は、該偏向器の回転軸及び該結像光学系の光軸に垂直な方向であり、走査幅の半値を偏向角θの最大値で除した値をシステム焦点距離fとし、該光軸上において、該偏向器の偏向面から該走査面までの距離をLとし、該偏向面から該第2の走査レンズの該偏向器からより離れた面までの距離をdとして、 0.88≦f/L d/L≦0.3 を満たし、該走査の方向をy軸方向とし、該光軸のy座標を0として、該光束の主光線の該走査面上の位置のy座標を偏向角θの関数で表したときに該関数の微分関数dy/dθの絶対値が偏向角θの絶対値にしたがって増加し、偏向角θの絶対値の最大値に対する偏向角の比率をrとして該微分関数dy/dθは -1 ≦ r ≦ -0.4 及び 0.4 ≦ r ≦ 1 の範囲でそれぞれ複数の変曲点を有する。

Description

走査光学系
 本発明は、走査光学系に関する。
 プリンタ及び複合機に使用される結像光学系には、光束を走査面上で収束させる機能(収束機能)の他に走査面上の走査スポットを一定速度で走査する機能(等速走査機能)が要求される。しかし、収束機能及び等速走査機能を実現する走査光学系を小型化するのは困難である。そこで、収束機能及び等速走査機能をある程度犠牲にして小型化を実現する走査光学系が提案されている(たとえば、特許文献1)。
 そのような走査光学系において走査スポットの等速走査機能については、走査光学系によって実現できなくとも光源の発光タイミングを電気的に制御することによって実現することが可能である。他方、そのような光学系の収束機能に関し、特に走査領域の周縁において光束の走査スポット径が増加するという問題がある。
 そこで、収束機能及び等速走査機能をある程度犠牲にして小型化を実現する走査光学系であって、走査領域の周縁における光束の走査スポット径の増加を抑えた走査光学系に対するニーズがある。
特開2015-31824号公報
 本発明の課題は収束機能及び等速走査機能をある程度犠牲にして小型化を実現する走査光学系であって、走査領域の周縁における光束の走査スポット径の増加を抑えた走査光学系を提供することである。
 本発明の走査光学系は、光源からの光束を偏向する偏向器と、該偏向器により近い第1の走査レンズ及び該偏向器からより離れた第2の走査レンズを備え、偏光された光束を走査面に導く結像光学系と、を備えている。走査の方向は、該偏向器の回転軸及び該結像光学系の光軸に垂直な方向であり、偏向された光束の主光線の該偏向器の回転軸に垂直な平面への投影である直線及び該光軸の該平面への投影である直線のなす角度を偏向角θとして、走査幅Wの半値W/2を偏向角θの最大値で除した値をシステム焦点距離fとし、該光軸上において、該偏向器の偏向面から該走査面までの距離をLとし、該偏向面から該第2の走査レンズの該偏向器からより離れた面までの距離をdとして、
0.88≦f/L
d/L≦0.3
を満たし、該走査の方向をy軸方向とし、該光軸のy座標を0として、該光束の主光線の該走査面上の位置のy座標を偏向角θの関数で表したときに該関数の微分関数dy/dθの絶対値が偏向角θの絶対値にしたがって増加し、偏向角θの絶対値の最大値に対する偏向角の比率をrとして該微分関数dy/dθは
-1 ≦ r ≦ -0.4 及び
0.4 ≦ r ≦ 1 
の範囲でそれぞれ複数の変曲点を有する。
 本発明の走査光学系は、
0.88≦f/L
を満たすのでfが相対的に大きく、第2の走査レンズのy軸方向の長さが相対的に小さい。また、本発明の走査光学系は、
d/L≦0.3
を満たすので、第2の走査レンズが相対的に偏向器の近くに配置されており走査光学系がコンパクトとなる。
 本発明の走査光学系においては、光束の主光線の走査面上の位置のy座標を偏向角θの関数で表したときに該関数の微分関数dy/dθの曲線の形状を適切に定めることによって、走査領域の周縁における光束の走査スポット径の増加を抑えることができる。
 本発明の第1の実施形態の走査光学系においては、該光軸の方向をz軸方向として、該第1の走査レンズのyz断面における屈折力は、該光軸の近傍を通過する光線について正で光線の通過する位置のy座標の絶対値にしたがって減少しy軸方向の周縁部を通過する光線について負で、該第2の走査レンズのyz断面における屈折力は、該光軸の近傍を通過する光線について負で光線の通過する位置のy座標の絶対値にしたがって増加しy軸方向の周縁部を通過する光線について正である。
 本実施形態の走査光学系においては、光線の通過する位置のy座標の絶対値とその光線に関する第1及び第2の走査レンズの屈折力との関係を調整し、微分関数dy/dθの曲線の形状を適切に規定することによって、走査領域の周縁における光束の走査スポット径の増加を抑えることができる。
 本発明の第2の実施形態の走査光学系においては、(|dy/dθ| - f)/fの値は、偏向角θが0のときに-3%以下であり、偏向角θの絶対値が最大値のときに5%以上である。
 本発明は(|dy/dθ| - f)/fの値が上記の条件を満足する場合に特に有効である。
本発明の走査光学系を含む光学系の一例を示す透視図である。 本発明の走査光学系を含む光学系の一例を示す平面図である。 後で説明する本発明の走査光学系の実施例を示す図である。 走査光学系の偏向角を説明するための図である。 種々のBの値について式(1)の関係を満たす走査光学系の、偏向角と像高との関係を示す図である。 種々のBの値について式(1)の関係を満たす走査光学系の像高とBが0である走査光学系の像高との差との差を示す図である。 種々のBの値について式(1)の関係を満たす走査光学系の偏向角とその偏向角の光線の部分倍率との関係を示す図である。 種々のBの値について式(1)の関係を満たす走査光学系の偏向角とその偏向角の光線の走査面上の光束スポットの主走査方向の径を示す図である。 本発明の比較例の走査光学系を示す図である。 比較例の走査光学系の部分倍率を示す図である。 比較例の走査光学系の走査面上の光束スポットの主走査方向の径を示す図である。 走査レンズのyz断面における屈折力を説明するための図である。 比較例の第1の走査レンズのyz断面における屈折力を示す図である。 比較例の第2の走査レンズのyz断面における屈折力を示す図である。 実施例の第1の走査レンズのyz断面における屈折力を示す図である。 実施例の第2の走査レンズのyz断面における屈折力を示す図である。 実施例の第1の走査レンズ301及び第2の走査レンズ302の機能を説明するための図である。 実施例の走査光学系の部分倍率を示す図である。 実施例の走査光学系の部分倍率の偏向角に関する微分値を示す図である。 実施例の走査光学系の走査面上の光束スポットの主走査方向の径を示す図である。
 図1は、本発明の走査光学系を含む光学系の一例を示す透視図である。
 図2は、本発明の走査光学系を含む光学系の一例を示す平面図である。
 図1及び図2に示す例において、1個のポリゴンミラーである偏向器に複数の光束を入射させて複数の走査面上の走査を実施する。図1及び図2に示す例においては4個の光源により4個の光束を1個のポリゴンミラーに入射させる。第1の走査光学系は第1の光源1と、入射光学系の第1のレンズ1と、ポリゴンミラーと、第1の走査レンズ1と、第3の走査レンズ3と、を含む。第2の走査光学系は第2の光源2と、入射光学系の第2のレンズ2と、ポリゴンミラーと、第2の走査レンズ2と、第4の走査レンズ4と含む。第3の走査光学系は第3の光源3と、入射光学系の第3のレンズ3と、ポリゴンミラーと、第1の走査レンズ1と、第3の走査レンズ3と、を含む。第4の走査光学系は第4の光源4と、入射光学系の第4のレンズ4と、ポリゴンミラーと、第2の走査レンズ2と、第4の走査レンズ4と含む。すなわち、ポリゴンミラーは第1-第4の走査光学系によって共有され、第1の走査レンズ1及び第3の走査レンズ3は第1及び第3の走査光学系によって共有され、第2の走査レンズ2及び第4の走査レンズ4は第2及び第4の走査光学系によって共有される。
 図3は、後で説明する本発明の走査光学系の実施例を示す図である。光源101から放出された光束はアパーチャ及びレンズ103を通過し、ポリゴンミラーである偏向器200によって偏向された後、第1の走査レンズ301及び第2の走査レンズ303を含む結像光学系によって走査面400上に集光される。偏向器の回転軸の方向のx軸、結像光学系の光軸の方向のz軸及びx軸及びz軸に直交するy軸を定める。走査の方向はy軸の方向である。y軸の方向を主走査方向、x軸の方向を副走査方向とも呼称する。
 図4は、走査光学系の偏向角を説明するための図である。偏向角θは、偏向器200によって偏向された光束の主光線のyz平面への投影である直線及び結像光学系の光軸のyz平面への投影である直線のなす角度である。図4においてPは主光線の偏向器200の偏向面における反射点を表す。図4において、偏向角θの最大値が比較的小さい第1の走査光学系の主光線の経路を実線で示し、偏向角θの最大値が比較的大きい第2の走査光学系の主光線の経路を実線で示す。両方の走査光学系の有効走査幅をWとすると、第1の走査光学系の第1の走査レンズ301及び第2の走査レンズ303の光線の通過範囲は、第2の走査光学系の第1の走査レンズ301及び第2の走査レンズ303の光線の通過範囲よりも小さい。
 一方、走査光学系においては、走査面400における走査スポットの等速走査機能を実現するように
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
の関係が求められる。この関係をfθ特性と呼称する。ここで、yは光軸の座標を0とした場合の走査面400上の主光線の位置、すなわち結像位置のy座標であり像高とも呼称する。上記の関係が成立する場合に偏向器が一定速度で回転すると走査面上の走査スポットは一定速度で移動する。走査光学系の有効走査幅をWとして、fは有効走査幅の半値W/2を偏向角θの絶対値の最大値で除した値でありシステム焦点距離と呼称する。
 走査光学系の収束機能を及び等速走査機能を実現するには、走査レンズを偏向器から十分に離して配置する必要があり、結果として走査レンズ及び走査光学系を十分に小型化できなくなる。
 特許文献1は、コンパクトな走査光学系を実現するために、走査スポットのy座標と偏向角θが以下の関係を有する走査光学系を提案している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
Bは0から1の範囲の値のパラメータでありKは定数である。Bが0の場合に
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
であり、Bが1の場合に
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
である。
 つぎに、種々のBの値について式(1)の関係を満たす走査光学系の性質について考察する。一例として、走査幅Wは220ミリメータであり、偏向角の絶対値の最大値は45度であるとすると、種々のBの値と対応するKの値は以下の表1のとおりである。Kの単位はミリメータである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 図5Aは、種々のBの値について式(1)の関係を満たす走査光学系の、偏向角と像高との関係を示す図である。図5Aの横軸は偏向角の絶対値の最大値に対する偏向角の比率を示す。図5Aの縦軸は横軸の偏向角の光線の走査面におけるy座標、すなわち像高を示す。縦軸の単位はミリメータである。
 図5Bは、種々のBの値について式(1)の関係を満たす走査光学系の像高とBが0である走査光学系の像高との差との差を示す図である。図5Bの横軸は偏向角の絶対値の最大値に対する偏向角の比率を示す。図5Bの縦軸は走査光学系の横軸の偏向角の光線の走査面におけるy座標と、Bが0である走査光学系の同じ偏向角の光線の走査面におけるy座標との差を示す。縦軸の単位はミリメータである。
 図6は、種々のBの値について式(1)の関係を満たす走査光学系の偏向角とその偏向角の光線の部分倍率との関係を示す図である。図6の横軸は偏向角の絶対値の最大値に対する偏向角の比率を示す。図6の縦軸は部分倍率を示す。縦軸の単位はパーセントである。部分倍率は以下の式で定義する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000006
ここで、式(2)中のyrは式(1)の関係を有しBが0ではない走査光学系による偏向角θの光線の走査面上のy座標を表し、式(2)中のyはy = fθの関係を有する走査光学系による偏向角θの光線の走査面上のy座標を表す。
 図6に示す部分倍率は、走査光学系の走査スポットの等速特性からのずれを示す。部分倍率が0のときに走査スポットは等速である。部分倍率の絶対値が大きくなると、走査スポットの等速特性からのずれが大きくなる。
 図7は、種々のBの値について式(1)の関係を満たす走査光学系の偏向角とその偏向角の光線の走査面上の光束スポットの主走査方向の径を示す図である。図7の横軸は偏向角の絶対値の最大値に対する偏向角の比率を示す。横軸の単位はミリメータである。図7の縦軸は光束スポットの主走査方向の径を示す。図7において光束スポットの主走査方向の径を主スポット径と表記した。縦軸の単位はマイクロメータである。偏向角0のときの主スポット径は60マイクロメータである。
 図7に示す光束スポットの径は走査光学系の収束機能を示す。
 結局、Bを1に近づけると、結像光学系をコンパクトにすることができるが、部分倍率及び走査面上の光束スポットの主走査方向の径は偏向角θの絶対値にしたがって増加し、偏向角θの絶対値の最大値で最大となる。ここで、走査スポットの等速走査機能については、走査光学系によって実現できなくとも光源の発光タイミングを電気的に制御することによって実現することが可能である。そこで、Bが0ではない走査光学系であって、特に偏向角θの絶対値の最大値付近で光束スポットの主走査方向の径の比較的小さい走査光学系が求められる。
 つぎに本発明の比較例及び実施例を説明する。
 比較例及び実施例の第1の走査レンズの入射面及び出射面の形状は以下の式Aで表せる。以下の記載において、主走査方向断面とはx軸に垂直なyz断面を意味し、副走査方向断面とはy軸に垂直なxz断面を意味する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000007
ただし、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000008
y:主走査方向座標
x:副走査方向座標
z:サグ
k:コーニック係数
Ry:主走査方向断面曲率半径
rx(y):副走査方向断面の主走査方向座標yにおける曲率半径
rx(0):副走査方向断面の光軸上の曲率半径
Ai:主走査方向断面の非球面係数(i = 1、2、3、4・・・)
Bi:副走査方向断面曲率半径を決定する係数(i = 1、2、3、4・・・)
 比較例及び実施例の第2の走査レンズの入射面及び出射面の形状は以下の式Bで表せる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000009
ただし、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000010
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000011
ただし、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000012
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000013
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000014
y:主走査方向座標
x:副走査方向座標
z:サグ
zs:主走査方向サグ
zm:副走査方向サグ
ky:主走査方向コーニック係数
Ry:主走査方向断面曲率半径
h:母線湾曲関数
rx(y):副走査方向断面の主走査方向座標yにおける曲率半径
rx(0):副走査方向断面の光軸上の曲率半径
Ai:主走査方向断面の非球面係数(i = 1、2、3、4・・・)
Bi:副走査方向断面曲率半径を決定する係数(i = 1、2、3、4・・・)
Ci:母線湾曲係数(i = 1、2、3、4・・・)
Di:副走査方向断面の非球面係数(i = 1、2、3、4・・・)
ただし、係数Ai、Biは主走査方向座標符号+/-によって個別の値をとる。+y領域ではApi、Bpi、-y領域ではAmi、Bmiをとる。
比較例
 図8は本発明の比較例の走査光学系を示す図である。光源101から放出された光束はアパーチャ及びレンズ103’を通過し、ポリゴンミラーである偏向器200によって偏向された後、第1の走査レンズ301’及び第2の走査レンズ303’を含む結像光学系によって走査面400上に集光される。
 比較例の走査光学系は、それぞれの偏向角の光線に関して式(1)の関係が満たされ、収差が適切に補正され、かつ光束のスポット径が使用可能であるように設計した。
 比較例の走査光学系において、式(1)
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000015
のBは0.62であり、有効走査幅が216ミリメータであり、偏向角θの絶対値の最大値は44度である。
 表2は、比較例の走査光学系の数値データを示す表である。表2及び以下の表において第1の走査レンズをレンズA(Lens A)、第2の走査レンズをレンズB(Lens B)と表記する。また、「偏向基準点」とは、偏向後の光束の主光線をyz平面へ投影した直線がz軸方向である場合の、該主光線の偏向器の面における反射点である。また、「主入射角」及び「副入射角」とはそれぞれyz平面及びxz平面の入射角である。
 結像光学系の光軸上において、偏向器の偏向面から該走査面までの距離をLとし、該偏向面から第2の走査レンズの該偏向器からより離れた面までの距離をdとして、以下の関係が成立する。

f/L= 139.4/158.32=0.88
d/L= (38.4+4.5)/158.32=0.270
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000016
 表3A及び表3Bは、比較例の第1及び第2の走査レンズの面形状を表す式の係数を示す表である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000017
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000018
 図9は比較例の走査光学系の部分倍率を示す図である。図9の横軸は偏向角の絶対値の最大値に対する偏向角の比率を示す。図9の縦軸は横軸に示す偏向角の光線についての走査光学系の部分倍率を示す。図9の部分倍率を示す曲線は、図6のBが0.6の場合の部分倍率を示す曲線と近似している。
 図10は、比較例の走査光学系の走査面上の光束スポットの主走査方向の径を示す図である。図10の横軸は光束の実結像位置の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。図10の縦軸は横軸に示す実結像位置の座標の光線の走査面上の光束スポットの主走査方向の径を示す。図10の光束スポットの主走査方向の径を示す曲線は、図7のBが0.6の場合の光束スポットの主走査方向の径を示す曲線と近似している。
 図11は、走査レンズのyz断面における屈折力を説明するための図である。図11は、それぞれの偏向角の主光線と光学面が交わる点を含むyz断面を示す。光入射面の入射位置Ym1における曲率半径をRm1、出射面の光入射面位置Ym2における曲率半径をRm2とする。入射面へ入射する光束の主光線と入射面の法線とのなす角をθo1、入射面を通過した光束の主光線と入射面の法線とのなす角をθi1とする。出射面の出射位置に到達する光束の主光線と出射面の法線とのなす角をθo2、出射面を通過した光束の主光線と出射面の法線とのなす角をθi2、入射面から出射面までの光路長をdmとする。走査レンズ材料の屈折率をNとする。このときの走査レンズのyz断面における屈折力φmを下式で定義する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000019
 図12は、比較例の第1の走査レンズ301’のyz断面における屈折力を示す図である。図12の横軸は光束の実結像位置の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。図12の縦軸は横軸に示す実結像位置の座標に到達する光線について比較例の第1の走査レンズ301’のyz断面における屈折力を示す。
 図13は、比較例の第2の走査レンズ302’のyz断面における屈折力を示す図である。図13の横軸は光束の実結像位置の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。図13の縦軸は横軸に示す実結像位置の座標に到達する光線について比較例の第2の走査レンズ302’のyz断面における屈折力を示す。
実施例
 実施例の走査光学系は、比較例の走査光学系を基準として、後に説明する手順によって第1及び第2の走査レンズの面形状を調整して設計した。
 実施例の走査光学系において有効走査幅が216ミリメータであり、偏向角θの絶対値の最大値は42度である。
 表4は、実施例の走査光学系の数値データを示す表である。
 結像光学系の光軸上において、偏向器の偏向面から該走査面までの距離をLとし、該偏向面から第2の走査レンズの該偏向器からより離れた面までの距離をdとして、以下の関係が成立する。

0.88≦f/L=147.3/158.07=0.93
d/L=(37.93+4.5)/158.07=0.268≦0.3

実施例の走査光学系におけるf/Lは比較例の走査光学系におけるf/Lよりも大きいので実施例の第2の走査レンズのy軸方向の長さは比較例のものより短くすることができる。また、実施例の走査光学系におけるd/Lは比較例の走査光学系におけるd/Lよりも小さいので実施例の走査光学系は比較例の走査光学系よりコンパクトとなる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000020
 表5A及び表5Bは、実施例の第1及び第2の走査レンズの面形状を表す式の係数を示す表である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000021
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000022
 図14は、実施例の第1の走査レンズ301のyz断面における屈折力を示す図である。図14の横軸は光束の実結像位置の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。図14の縦軸は横軸に示す実結像位置の座標に到達する光線について実施例の第1の走査レンズ301のyz断面における屈折力を示す。図14において実線は実施例の第1の走査レンズ301のyz断面における屈折力を示し、破線は図12に示した比較例の第1の走査レンズ301’のyz断面における屈折力を示す。図14によると、比較例の第1の走査レンズ301’のyz断面における屈折力は実結像位置の座標にかかわらず正のほぼ一定の値であるが実施例の第1の走査レンズ301のyz断面における屈折力は実結像位置の座標の絶対値が比較的小さな領域において正で、実結像位置の座標の絶対値の増加にしたがって減少し、実結像位置の座標の絶対値が比較的大きな領域において負である。
 換言すれば、第1の走査レンズ301のyz断面における屈折力は、光軸の近傍を通過する光線について正で光線の通過する位置のy座標の絶対値にしたがって減少しy軸方向の周縁部を通過する光線について負である。
 図15は、実施例の第2の走査レンズ302のyz断面における屈折力を示す図である。図15の横軸は光束の実結像位置の座標を示す。横軸の単位はミリメータである。図15の縦軸は横軸に示す実結像位置の座標に到達する光線について実施例の第2の走査レンズ302のyz断面における屈折力を示す。図15において実線は実施例の第2の走査レンズ302のyz断面における屈折力を示し、破線は図13に示した比較例の第2の走査レンズ302’のyz断面における屈折力を示す。図15によると、比較例及び実施例の第2の走査レンズのyz断面における屈折力はともに実結像位置の座標の絶対値の増加にしたがって増加する。比較例の第2の走査レンズ302’のyz断面における屈折力は実結像位置の座標の全領域で正である。実施例の第2の走査レンズ302のyz断面における屈折力は、実結像位置の座標の絶対値が比較的小さな領域において負で、実結像位置の座標の絶対値の増加にしたがって増加し、実結像位置の座標の絶対値が比較的大きな領域において正であり、走査領域の周縁において比較例の第2の走査レンズ302’のyz断面における屈折力よりも大きい。
 換言すれば、第2の走査レンズ302のyz断面における屈折力は、光軸の近傍を通過する光線について負で光線の通過する位置のy座標の絶対値にしたがって増加しy軸方向の周縁部を通過する光線について正である。
 図16は、実施例の第1の走査レンズ301及び第2の走査レンズ302の機能を説明するための図である。第1の走査レンズ301のy座標の絶対値が比較的小さな領域においてはyz断面における屈折力が正であるので光束は集光される。第1の走査レンズ301のy座標の絶対値が比較的大きな領域においてはyz断面における屈折力が負であるので光束は発散される。第2の走査レンズ302のy座標の絶対値が比較的小さな領域においてはyz断面における屈折力が負であるので光束は発散される。第2の走査レンズ302のy座標の絶対値が比較的大きな領域においてはyz断面における屈折力が正であるので光束は集光される。
 図17は実施例の走査光学系の部分倍率を示す図である。図17の横軸は偏向角の絶対値の最大値に対する偏向角の比率を示す。図17の縦軸は横軸に示す偏向角の光線についての走査光学系の部分倍率を示す。縦軸の単位はパーセントである。図17において実線は実施例の部分倍率を示し、破線は図9に示した比較例の部分倍率を示す。実施例及び比較例の部分倍率は偏向角が0のときに負で最小であり、偏向角の絶対値にしたがって増加し、偏向角の絶対値の最大値において最大となる。実施例の走査光学系の部分倍率は、特に、偏向角の絶対値の最大値の近傍、すなわち、偏向角の絶対値の最大値に対する偏向角の比率が1及び-1の近傍において比較例の部分倍率よりも小さい。
 実施例の偏向角が0のときの部分倍率は約-8%であり、偏向角の絶対値が最大値のときの部分倍率は約10%である。
 図18は実施例の走査光学系の部分倍率の偏向角に関する微分値を示す図である。図18の横軸は偏向角の絶対値の最大値に対する偏向角の比率を示す。図18の縦軸は横軸に示す偏向角の光線についての走査光学系の部分倍率の偏向角に関する微分値を示す。縦軸の単位はパーセントである。図18において実線は実施例の部分倍率の偏向角に関する微分値を示し、破線は図9に示した比較例の部分倍率の偏向角に関する微分値を示す。図18によると、実施例の走査光学系の部分倍率の偏向角に関する微分値は、偏向角の絶対値の最大値に対する偏向角の比率をrとして
-1 ≦ r ≦ -0.4 及び
0.4 ≦ r ≦ 1 
の範囲でにおいて、それぞれ3個の極値を有する。したがって、実施例の走査光学系の部分倍率の偏向角の関数は
-1 ≦ r ≦ -0.4 及び
0.4 ≦ r ≦ 1 
の範囲において、それぞれ3個の変曲点を有する。
 式(2)から、光束の主光線の該走査面上の位置のy座標を偏向角θの関数で表したときに該関数の偏向角θに関する微分の絶対値
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000023
が偏向角θの絶対値にしたがって増加し、偏向角θの絶対値の最大値に対する偏向角の比率をrとして該関数の偏向角θに関する微分
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000024

-1 ≦ r ≦ -0.4 及び
0.4 ≦ r ≦ 1 
の範囲でそれぞれ3個の変曲点を有する。
 比較例の走査光学系を基準として、光束の実結像位置の座標とその座標に到達する光線に関する第1及び第2の走査レンズの屈折力との関係を調整することによって、実施例の走査光学系の図17に示す部分倍率の曲線の形状を調整することができる。
 図19は、実施例の走査光学系の走査面上の光束スポットの主走査方向の径を示す図である。図19の横軸は光束の実結像位置のy座標を示す。横軸の単位はミリメータである。図19の縦軸は横軸に示す実結像位置の座標を通過する主光線を有する光束の走査面上の光束スポットの主走査方向の径を示す。図19において実線は実施例の走査光学系の走査面上の光束スポットの主走査方向の径を示し、破線は図10に示した比較例の走査光学系の走査面上の光束スポットの主走査方向の径を示す。図19において、実施例の走査光学系の走査面上の光束スポットの主走査方向の径の最大値は、比較例の走査光学系の走査面上の光束スポットの主走査方向の径の最大値よりも小さくその差は3マイクロメータよりも大きい。

Claims (3)

  1.  光源からの光束を偏向する偏向器と、
     該偏向器により近い第1の走査レンズ及び該偏向器からより離れた第2の走査レンズを備え、偏光された光束を走査面に導く結像光学系と、を備えた走査光学系であって、走査の方向は、該偏向器の回転軸及び該結像光学系の光軸に垂直な方向であり、偏向された光束の主光線の該偏向器の回転軸に垂直な平面への投影である直線及び該光軸の該平面への投影である直線のなす角度を偏向角θとして、走査幅Wの半値W/2を偏向角θの最大値で除した値をシステム焦点距離fとし、該光軸上において、該偏向器の偏向面から該走査面までの距離をLとし、該偏向面から該第2の走査レンズの該偏向器からより離れた面までの距離をdとして、
    0.88≦f/L
    d/L≦0.3
    を満たし、該走査の方向をy軸方向とし、該光軸のy座標を0として、該光束の主光線の該走査面上の位置のy座標を偏向角θの関数で表したときに該関数の微分関数dy/dθの絶対値が偏向角θの絶対値にしたがって増加し、偏向角θの絶対値の最大値に対する偏向角の比率をrとして該微分関数dy/dθは
    -1 ≦ r ≦ -0.4 及び
    0.4 ≦ r ≦ 1 
    の範囲でそれぞれ複数の変曲点を有する走査光学系。
  2.  該光軸の方向をz軸方向として、該第1の走査レンズのyz断面における屈折力は、該光軸の近傍を通過する光線について正で光線の通過する位置のy座標の絶対値にしたがって減少しy軸方向の周縁部を通過する光線について負で、該第2の走査レンズのyz断面における屈折力は、該光軸の近傍を通過する光線について負で光線の通過する位置のy座標の絶対値にしたがって増加しy軸方向の周縁部を通過する光線について正である請求項1に記載の走査光学系。
  3.  (|dy/dθ| - f)/fの値は、偏向角θが0のときに-3%以下であり、偏向角θの絶対値が最大値のときに5%以上である請求項1に記載の走査光学系。
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