WO2024062515A1

WO2024062515A1 - エレベーター装置

Info

Publication number: WO2024062515A1
Application number: PCT/JP2022/034910
Authority: WO
Inventors: 雄哉池内
Original assignee: 三菱電機ビルソリューションズ株式会社
Priority date: 2022-09-20
Filing date: 2022-09-20
Publication date: 2024-03-28

Abstract

エレベーター装置（１）は、乗場４に設置された第１ビーコン（１１）と、ピット（１０）内に設置された第２ビーコン（１３）と、第１ビーコン（１１）及び第２ビーコン（１３）からの電波を受信可能な携帯端末（１２）と、エレベーターのカゴ（７）の昇降を制御する制御装置（９）とを備える。制御装置（９）は、携帯端末（１２）における第１ビーコン（１１）の電波強度及び第２ビーコン（１３）の電波強度から、携帯端末（１２）が、第１ビーコン（１１）より第２ビーコン（１３）の近くに存在すると判断したとき、カゴ（７）の昇降を制限する。

Description

エレベーター装置

　本発明は、保守点検作業者の位置を検出するエレベーター装置に関する。

　エレベーターの保守点検の際には、エレベーターのカゴの運転を保守モードに切り替え、手動でカゴの運転を行う。保守点検では、昇降路のピットに降りて作業をすることがあり、ピットでの点検作業中は、カゴの昇降を制限（カゴの運転を禁止）する必要がある。

　特許文献１には、最下階の乗場敷居の端部にセンサを取り付けて、乗場扉が全閉位置から移動したことを検出した場合にカゴの昇降を制限するエレベーター装置が記載されている。

国際公開番号ＷＯ２０２１／０７５０４８号公報

　特許文献１のエレベーター装置は、ピット内の作業者の存在を検知するものではないため、ピット内に作業者がいるときにカゴの昇降の制限を解除した場合、再度ピット内にいる作業者を検知することができない。従って、ピット内に作業者がいる状態を検知して、より確実にカゴの昇降の制限を行う必要がある。

　本発明の目的は、ピット内にいる作業者を検知して、より確実にカゴの昇降を制限することができるエレベーター装置を提供することである。

　本発明のエレベーター装置は、乗場に設置された第１ビーコンと、ピット内に設置された第２ビーコンと、第１ビーコン及び第２ビーコンからの電波を受信可能な携帯端末と、エレベーターのカゴの昇降を制御する制御装置とを備える。制御装置は、携帯端末における第１ビーコンの電波強度及び第２ビーコンの電波強度から、携帯端末が、第１ビーコンより第２ビーコンの近くに存在すると判断したとき、カゴの昇降を制限することを特徴とする。

　更に本発明のエレベーター装置の制御装置は、第１ビーコンの電波強度と第２ビーコンの電波強度の差が所定値以内の場合も、カゴの昇降を制限するように構成してもよい。

　更に本発明のエレベーター装置は、乗場扉の開閉を検知する手段を有し、制御装置は、乗場の扉が開いているときは、携帯端末における第１ビーコンの電波強度及び第２ビーコンの電波強度に関わらず、カゴの昇降を制限するように構成してもよい。

　本発明のエレベーター装置は、ピット内にいる作業者を検知することで、より確実にカゴの昇降を制限することができる。

本発明の実施形態のエレベーター装置の外観図である。本発明の実施形態のエレベーター装置の動作を説明する図であり、作業者が乗場にいるときの図である。本発明の実施形態のエレベーター装置の動作を説明する図であり、作業者がピットにいるときの図である。本発明の他の実施形態のエレベーター装置の動作を説明する図であり、乗場扉が開いており、作業者が乗場にいるときの図である。本発明の他の実施形態のエレベーター装置の動作を説明する図であり、乗場扉が開いており、作業者がピットにいるときの図である。

　以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明において、具体的な形状、方向、数値等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等に合わせて適宜変更することができる。また、以下で説明する実施形態および変形例の構成要素を選択的に組み合わせることは当初から想定されている。

　＜第１実施形態＞
　図１に本発明の実施形態のエレベーター装置１の外観図を示す。エレベーター装置１は、昇降路２と、昇降路２の最上階の上に設けられた機械室３と、機械室３に設置された巻上機５と制御装置９と、巻上機５に主ロープ６を介して吊下げられ昇降路２内を昇降するカゴ７とを備える。更にエレベーター装置１は、各階に乗場４と乗場扉８を備える。乗場４にはカゴ７の呼び出しを行うための乗場操作盤１４が設置されている。図１においては、最下階の乗場４にのみ乗場操作盤１４を図示しているが、各階の乗場４も乗場操作盤１４を備える。

　制御装置９は、エレベーター装置１のカゴ７の運転、停止等を制御する。制御装置９は、通常のカゴ７の運転（通常モードと呼ぶ）と、保守点検時のカゴ７の運転（保守モードと呼ぶ）を切り替えてカゴ７の昇降を制御する。制御装置９は、例えば、作業者の保守コントローラ（図示せず）の操作に応じて、カゴ７の運転を保守モードに切り替えるように構成される。また、制御装置９は、カゴ７が最下階以外に停止し、最下階の乗場扉８が開いている場合にカゴ７の運転を保守モードに切り替えるように構成されてもよい。

　制御装置９は、プログラムに従って動作するプロセッサ、メモリ、入出力ポート、制御プログラム等が記憶された記憶部を含むコンピュータで構成される。制御装置９の各機能は、例えば、記憶部に記憶された制御プログラムを実行することで実現できる。制御装置９は、後述する携帯端末１２と通信可能に構成される。

　昇降路２の下部にはピット１０が設けられている。ピット１０は、最下階の床面から昇降路２の底部までを言う。ピット１０には、図示しないバッファー等の安全装置が設置されている。保守点検時に作業者はピット１０に降りて作業を行う。

　ピット１０で作業する作業者は携帯端末１２を所持している。携帯端末１２は、例えばスマートフォン、タブレット等である。但し、携帯端末１２は、後述するビーコン（第１ビーコン１１、第２ビーコン１３）の発信する電波を受信し、制御装置９に情報を送受信する機能を有する機器であればよい。

　第１ビーコン１１は、乗場操作盤１４に設置されている。本発明における第１ビーコン１１は、後述する呼び登録システムが備えるビーコンを流用することが好適である。既存システムが備えるビーコンを流用することで、ピット１０内にいる作業者を検知して、カゴ７の昇降を制限するエレベーター装置１を容易に構成することができる。

　第２ビーコン１３は、ピット１０に設置されている。第２ビーコン１３は、本発明のエレベーター装置１に特有の構成である。

　携帯端末１２は、第１ビーコン１１、第２ビーコン１３のそれぞれの電波を受信し、電波強度を検知するように構成されている。携帯端末１２は受信した電波強度を制御装置９に送信する。

　制御装置９は、携帯端末１２から受信した第１ビーコン１１の電波強度及び第２ビーコンの電波強度から、第１ビーコンの電波強度より第２ビーコンの電波強度が大きいとき、携帯端末１２が第１ビーコン１１よりも第２ビーコン１３の近くに存在すると判断する。そして、携帯端末１２が第２ビーコンの近くに存在する場合に、作業者がピット１０内にいると判断して、制御装置９は、カゴ７の昇降を制限する。一方、第２ビーコンの電波強度より第１ビーコン１１の電波強度の方が大きいときには、作業者はピット１０内にいないと判断して、制御装置９は、カゴ７の昇降の制限は行わない。

　＜乗場操作盤に設置される第１ビーコンについて＞
　エレベーター装置には、エレベーターのカゴを自動で呼び出す、呼び登録システムが設置されているものがある。

　呼び登録システムとは、エレベーターの乗場に設置され電波信号を発信するビーコンと、ビーコン信号を検出して目的階の登録情報を送信する携帯端末と、携帯端末から送信された登録情報を受信して、エレベーターのカゴを移動させる制御装置とを備えるエレベーター装置である。エレベーター利用者が、専用アプリケーションをインストールした携帯端末を携えて、エレベーターの乗場に近づくと、乗場に設置されたビーコンとの間で通信を行い、エレベーターのカゴを呼び出し、予めアプリケーションで設定した行き先階の設定を自動で行うものである。

　本発明のエレベーター装置１は、乗場４に設置される第１ビーコン１１として、呼び登録システムが備えるビーコンを利用するように構成することができる。これによって、第１ビーコン１１として既存システムの設備を利用することができ、本発明のエレベーター装置１を容易に構成することができる。

　図２、３を参照して、第１の実施形態のエレベーター装置１の動作について更に説明する。図２は作業者が最下階の乗場４にいるときを示し、図３は作業者がピット１０にいるときを示す。図２、３において乗場扉８は閉じられている。

　図２に示すように作業者が乗場４にいる場合には、例えば点検作業を始める前、又は点検作業を終えた後である。よって、制御装置９は、カゴ７の昇降は制限しない。この場合において、作業者は、ピット１０での点検作業のためにカゴ７を最下階よりも上の階に移動させる等の操作を行うことができる。カゴ７を最下階以外の階に移動させた後、最下階の乗場４の乗場扉８を開きピット１０に降りる。

　図３は作業者がピット１０に降りた状態である。作業者がピット１０内にいる場合には、制御装置９は、カゴ７の昇降は制限してカゴ７が動かないようにし、ピット１０内の作業者の安全を確保する。

　本実施形態のエレベーター装置１は、ピット１０内に作業者がいる場合に、カゴ７の昇降を制限する。以下、ピット１０内にいる作業者を検知する方法について説明する。

　図２に示すように作業者が乗場４にいるときは、第１ビーコン１１の方が携帯端末１２に近い位置にあるので、携帯端末１２において受信する第２ビーコンからの電波強度よりも、第１ビーコン１１からの電波強度が大きくなる。従って、第１ビーコンの電波強度が、第２ビーコンの電波強度よりも大きい場合は、携帯端末１２は、乗場４にあると検知できる。即ち作業者が乗場４にいることが検知できる。

　図３に示すように作業者がピット１０内にいるときは、第２ビーコンの方が携帯端末１２に近い位置にあるので、携帯端末１２において受信する第１ビーコン１１からの電波強度よりも、第２ビーコン１３からの電波強度が大きくなる。従って、第２ビーコンの電波強度が第１ビーコンの電波強度よりも大きい場合は、携帯端末１２は、ピット１０内にあると検知できる。即ち作業者がピット１０内にいることが検知できる。

　携帯端末１２は、乗場４に設置された第１ビーコン１１とピット１０内に設置された第２ビーコン１３からの電波を受信し、第１ビーコン１１の電波強度と第２ビーコン１３の電波強度を制御装置９に送信するように構成されている。

　制御装置９は、携帯端末１２から第１ビーコン１１の電波強度と第２ビーコン１３の電波強度を受信する。制御装置９は、携帯端末における第１ビーコン１１の電波強度と第２ビーコンの電波強度から、第２ビーコン１３の電波強度が、第１ビーコンの電波強度より大きい場合は、携帯端末１２が第１ビーコン１１より第２ビーコン１３の近くにあると判断する。そしてこの場合には、携帯端末１２を所持する作業者がピット１０内にいると判断し、カゴ７の昇降を制限する。

　一方、制御装置９は、第１ビーコン１１の電波強度が、第２ビーコン１３の電波強度より大きい場合には、作業者はピット１０内にいないと判断し、カゴ７の昇降の制限は行わない。

　即ち本実施形態のエレベーター装置１は、携帯端末１２が受信した電波強度から、第１ビーコン１１の電波強度と第２ビーコン１３の電波強度の何れが大きいかによって、携帯端末１２が、第２ビーコンの近くにあるのか、第１ビーコンの近くにあるのかを検知できる。即ち携帯端末１２と第１ビーコン１１と第２ビーコン１３との位置関係を、電波強度の大きさで判断することで、携帯端末１２を所持する作業者が、ピット１０内にいるか否を判断することができる。

　以上のように本実施形態のエレベーター装置１は、ピット１０内にいる作業者を検知可能である。ピット１０内に作業者がいる場合にカゴ７の昇降を制限することで作業者の安全が確保される。

　従来のように乗場扉８の開閉によって作業者のピット１０への侵入を検知する場合、ピット１０内に作業者がいる状態でカゴ７の昇降の制限を解除した場合、再度ピット１０内の作業者を検知することができなかった。

　本実施形態のエレベーター装置１は、ピット１０内に作業者がいる状態でカゴ７の昇降の制限を解除した場合でも、携帯端末１２で第１ビーコン１１、第２ビーコン１３の電波強度を常に検知するので、作業者がピット１０内にいることが検知可能で、よってカゴ７の昇降を制限することができる。

　また携帯端末１２は、第１ビーコンの電波強度と第２ビーコンの電波強度を制御装置９に送信する代わりに、第１ビーコン１１の電波強度と第２ビーコン１３の電波強度の差分を送信するように構成してもよい。

　これにより、例えば制御装置９は、携帯端末１２より受信した値電波強度の差分（＝第１ビーコンの電波強度－第２ビーコンの電波強度）の正負により第１ビーコンと第２ビーコンのどちらの電波強度が大きいかを判断することができる。制御装置９は、第２ビーコンからの電波が大きい場合に、カゴ７の昇降を制限し、カゴ７が動かないように動作することは同様である。

　具体的には、携帯端末１２が、（第１ビーコンの電波強度）－（第２ビーコンの電波強度）を送信する場合は、制御装置９は受信した値が、マイナスの値の場合に、第２ビーコンの電波強度の方が、第１ビーコンの電波強度よりも大きいと判断し、カゴ７の昇降を制限する。

　本実施形態のエレベーター装置１は、第１ビーコン１１の電波強度と第２ビーコン１３の電波強度の大きさを制御装置９で判断している。しかし、第１ビーコン１１の電波強度と第２ビーコンの電波強度の大きさの判断は、制御装置９と携帯端末１２の何れで行うかは限定されない。携帯端末１２が、第１ビーコンの電波強度と第２ビーコンの電波強度を比較して、電波強度の大きい方のビーコンの情報を制御装置９に送信するように構成してもよい。

　本実施形態のエレベーター装置１は、携帯端末１２の第１ビーコン１１と第２ビーコン１３との位置関係を携帯端末１２で受信する電波強度から特定して、作業者がピット１０内にいるか否かの判断を行っている。即ち、携帯端末１２が受信した第２ビーコンの電波強度が、第１ビーコンの電波強度より大きい場合は、携帯端末１２が第２ビーコンの近くに存在すると判断し、作業者がピット１０にいると判断する。

　本実施形態のエレベーター装置１は、乗場４に設置された第１ビーコン１１とピット１０に設置された第２ビーコン１３からの電波強度を検出することで、作業者の位置を特定して、作業者がピット１０内にいると判断したとき、カゴ７の昇降を制限する。

　＜第２実施形態＞
　図４は本発明の他の実施形態のエレベーター装置１の動作を説明する図である。図４はピット１０での点検作業を開始するために最下階の乗場扉８を開いた状態である。本実施形態においても、カゴ７は最下階以外に停止しているものとする。本実施形態のエレベーター装置１は、乗場扉８の開閉を検知する開閉検知手段１５を備えている。乗場扉８の開閉検知手段１５は、光学式或いは電波式のセンサやスイッチ等によって実現できる。

　作業者が乗場４にいる場合には、携帯端末１２が第１ビーコン１１と第２ビーコン１３から受信する電波強度は、第１ビーコン１１の方が大きいと考えられる。しかし、この場合にもカゴ７の昇降は制限して動かないように構成することが好ましい。即ち制御装置９は、開閉検知手段１５によって、最下階の乗場扉８が開いていることを検知した場合には、携帯端末１２の受信する第１ビーコン１１と第２ビーコン１３の電波強度に関わらず、カゴ７の昇降を制限するように動作させる。

　以上のように、携帯端末１２が受信する第１ビーコン１１、第２ビーコン１３からの電波強度だけでなく、乗場扉８が開いていることを検知して、乗場４からピット１０に降りる際にもカゴ７の昇降を制限するように構成することで、保守点検作業における安全性をより向上させることができる。

　＜第３実施形態＞
　図５は本発明の更に他の実施形態のエレベーター装置１の動作を説明する図である。図５は作業者がピット１０にいる状態で乗場扉８を開いた場合である。この場合にもカゴ７の昇降を制限するように構成することが好ましい。

　図３に示すような乗場扉８が閉じた状態で、作業者がピット１０にいる場合は、携帯端末１２が第１ビーコン１１と第２ビーコンから受信する電波強度は、第２ビーコンの方が強く、携帯端末１２はピット１０内の第２ビーコンにより近いと判断できる。しかし、乗場扉８が開いた状態においては、ピット１０内の第２ビーコンの配置や作業者の位置によっては、第１ビーコンの電波強度が大きくなる、或いは、第１ビーコン１１の電波強度と第２ビーコン１３の電波強度に大きな差が無い可能性がある。特に作業者が乗場４寄りの壁側にいるときは、第１ビーコン１１と第２ビーコン１３の中間に位置するので、第１ビーコン１１の電波強度と第２ビーコン１３の電波強度の差が小さくなることが考えられる。

　この場合において、開閉検知手段１５によって、乗場扉８が開いていることを検知した場合は、携帯端末１２の受信する第１ビーコンの電波強度と第２ビーコンの電波強度に関わらず、カゴ７の昇降を制限するように動作させる。

　作業者がピット１０にいて、乗場扉８を開く場合は、ピット１０内の点検作業を終えて乗場４に登る場合、あるいは乗場扉８を開いたまま作業を行う場合が考えられる。何れの場合にもカゴ７の昇降を制限することで、より安全性を向上させることができる。

　＜第２ビーコンの配置＞
　第１～第３の実施形態においては何れも第２ビーコン１３は、乗場扉８の反対側のピット１０の壁に配置されていたが、第２ビーコン１３の配置は、図示した位置に限定されない。第２ビーコン１３は、乗場扉８を設置している側のピット１０の壁に配置してもよい。このように配置することで、作業者がピット１０内の乗場４寄りの位置にいる場合でも、第２ビーコン１３の電波強度が第１ビーコン１１の電波強度よりも大きくなる。従って、ピット１０内の作業者の存在を確実に検出することができる。また、第２ビーコン１３をピット１０内で配置する高さは、最下階の乗場４の床の高さよりも下方が好ましい。第１ビーコン１１は、乗場４の乗場操作盤１４に配置されているので、第２ビーコン１３を乗場４の床よりも下方に配置することで、ピット１０内の作業者に近い高さに配置される。よって作業者の位置において、第２ビーコン１３の電波強度が第１ビーコン１１の電波強度よりも大きくなるようにできる。

　＜その他の実施形態＞
　第３実施形態は、乗場扉８を開いた状態において、ピット１０内の第２ビーコン１３の配置や作業者の位置によって、携帯端末１２が受信する第１ビーコンの電波強度と第２ビーコンの電波強度が同程度となる場合であった。更に乗場扉８の開閉の状態にかかわらず、ピット１０内の第２ビーコンの配置や作業者の位置によっては、携帯端末１２の受信する第１ビーコンの電波強度と第２ビーコンの電波強度の差が大きくない場合も考えられる。即ち携帯端末１２で受信した電波強度の差が受信誤差程度の差しかない場合である。

　この場合、携帯端末１２で受信した電波強度の大きさからは、携帯端末１２の位置を特定することが困難である。誤検出によって、ピット１０内に作業者がいるにも関わらず、カゴ７の昇降の制限が解除される可能性がある。従ってこの場合には、安全性を優先してカゴ７の昇降を制限することが好ましい。これによって、誤検出の可能性を排除し、より安全性を向上させることができる。

　以上のように第１ビーコンの電波強度と第２ビーコンの電波強度の差が小さく、作業者がピット１０内にいるかどうかの判断が困難な場合には、カゴ７の昇降を制限するように構成することで、安全性を向上させた保守モードの制御ができる。

　なお、本発明は上述した実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において種々の変更や改良が可能であることは勿論である。

　１　エレベーター装置、２　昇降路、３　機械室、４　乗場、５　巻上機、６　主ロープ、７　カゴ、８　乗場ドア、９　制御装置、１０　ピット、１１　第１ビーコン、１２　携帯端末、１３　第２ビーコン、１４　乗場操作盤、１５　開閉検知手段

Claims

　乗場に設置された第１ビーコンと、
　ピット内に設置された第２ビーコンと、
　前記第１ビーコン及び前記第２ビーコンからの電波を受信可能な携帯端末と、
　エレベーターのカゴの昇降を制御する制御装置と、
　を備え、
　前記制御装置は、前記携帯端末における前記第１ビーコンの電波強度及び前記第２ビーコンの電波強度から、前記携帯端末が前記第１ビーコンより前記第２ビーコンの近くに存在すると判断したとき、前記カゴの昇降を制限する、
　エレベーター装置。
　前記制御装置は、前記第１ビーコンの前記電波強度と前記第２ビーコンの前記電波強度の差が所定値以内の場合も、前記カゴの昇降を制限する、
　請求項１に記載のエレベーター装置。
　乗場扉の開閉を検知する手段を更に有し、
　前記制御装置は、前記乗場扉が開いているときは、前記携帯端末における前記第１ビーコンの前記電波強度及び前記第２ビーコンの前記電波強度に関わらず、前記カゴの昇降を制限する、
　請求項１または２に記載のエレベーター装置。