WO2024053257A1 - 成膜用材料及び皮膜の製造方法 - Google Patents

成膜用材料及び皮膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

X線回折測定において希土類フッ化物(REF)と希土類オキシフッ化物(RE-O-F)が観察され、RE-O-Fの結晶子サイズ(SRE-O-F)に対するREFの結晶子サイズ(SREF3)の比(SREF3/SRE-O-F)が0.90以上1.35以下である成膜用材料を提供する。REFとRE-O-Fのそれぞれの結晶子サイズが40nm以上100nm以下であることが好ましい。走査型電子顕微鏡(SEM)において観察される一次粒子の平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下であることも好ましい。

Description

成膜用材料及び皮膜の製造方法
 本発明は、希土類フッ化物及び希土類オキシフッ化物を含む成膜用材料及び皮膜の製造方法に関する。
 Yなどの希土類酸化物、YFなどの希土類フッ化物、及びYなどの希土類オキシフッ化物は、耐食性の高いセラミックスとして半導体製造プロセスにおいてその皮膜や焼結体が保護材料として用いられている。
 とりわけ希土類オキシフッ化物を含む成膜用材料の皮膜や焼結体は、化学的なプラズマ耐食性が高いことや半導体製造装置のシーズニング時間を短縮できることが知られている。
 希土類オキシフッ化物と希土類フッ化物を含む成膜用材料としては、特許文献1~3のものが知られている。
米国特許出願公開第2015/096462号明細書 米国特許出願公開第2016/326623号明細書 米国特許出願公開第2017/114440号明細書
 先行技術文献に記載の成膜用材料は溶融度合いのばらつきが比較的大きく、成膜条件によっては部分的に溶融が不十分である場合があった。このことに起因して、得られる皮膜のプラズマエッチングに対する耐食性が十分でない場合があった。
 したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る、希土類フッ化物及び希土類オキシフッ化物を含む成膜用材料を提供することにある。
 本発明者は希土類フッ化物及び希土類オキシフッ化物を含む成膜用材料についてプラズマエッチングに対する耐食性を効果的に高める構成について鋭意検討した。その結果、希土類オキシフッ化物の結晶子サイズに対して希土類フッ化物の結晶子サイズが同程度から若干大きい程度であることが良いことを見出した。
 本発明は、上記知見に基づくものであり、以下の〔1〕~〔11〕を提供するものである。
〔1〕X線回折測定において希土類フッ化物(REF)と希土類オキシフッ化物(RE-O-F)が観察され、RE-O-Fの結晶子サイズ(SRE-O-F)に対するREFの結晶子サイズ(SREF3)の比(SREF3/SRE-O-F)が0.90以上1.35以下である成膜用材料。
〔2〕REFとRE-O-Fのそれぞれの結晶子サイズが40nm以上100nm以下である〔1〕に記載の成膜用材料。
〔3〕走査型電子顕微鏡(SEM)において観察される一次粒子の平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下である〔1〕又は〔2〕に記載の成膜用材料。
〔4〕顆粒の形態である、〔1〕~〔3〕の何れか1項に記載の成膜用材料。
〔5〕SEMにおいて観察される顆粒内部断面中の空隙率が10%以上35%以下である〔4〕に記載の成膜用材料。
〔6〕SEMインデンターで測定した解砕圧力が25kPa以上130kPa以下である〔4〕又は〔5〕に記載の成膜用材料。
〔7〕顆粒の平均粒子径が10μm以上60μm以下である〔4〕に記載の成膜用材料。
〔8〕嵩密度が1.3g/cm以上の顆粒である〔1〕~〔7〕の何れか1項に記載の成膜用材料。
〔9〕酸素含有量が1質量%以上9質量%以下である〔1〕~〔8〕の何れか1項に記載の成膜用材料。
〔10〕前記希土類元素(RE)が、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、エルビウム(Er)及びイッテルビウム(Yb)から選択される少なくとも1種である〔1〕~〔9〕の何れか1項に記載の成膜用材料。
〔11〕〔1〕~〔10〕の何れか1項に記載の成膜用材料を溶射法又はPVD法によって成膜する、皮膜の製造方法。
図1は、実施例1における結晶子サイズの測定に用いたXRDチャートである。 図2は、実施例1における空隙率測定に用いた走査型電子顕微鏡写真である。 図3は、実施例1における解砕圧力の測定開始前の走査型電子顕微鏡写真である。 図4は、実施例1における解砕圧力の測定終了時の走査型電子顕微鏡写真である。
 以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。
1.成膜用材料
 本発明の成膜用材料は希土類元素(以下、REともいう。)を含むものであり、X線回折測定において希土類フッ化物(以下、REFともいう。)と希土類オキシフッ化物(以下、RE-O-Fともいう。)が観察される。
 希土類元素(RE)としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユーロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)及びルテチウム(Lu)の16種類の元素を挙げることができる。本発明の成膜用材料は、この16種類の希土類元素の少なくとも1種を含む。本発明の成膜用材料を用いて後述する方法によって成膜された膜の耐食性を更に一層高める観点から、REはこれらの元素のうち、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、エルビウム(Er)及びイッテルビウム(Yb)から選択される少なくとも1種であることが好ましく、とりわけイットリウム(Y)であることが好ましい。
 希土類オキシフッ化物(RE-O-F)は希土類元素(RE)、酸素(O)、フッ素(F)からなる化合物である。RE-O-Fとしては、希土類元素(RE)、酸素(O)、フッ素(F)のモル比がRE:O:F=1:1:1である化合物(RE)であってもよく、その他の形態の希土類オキシフッ化物(RE、RE、RE等)であってもよい。オキシフッ化物の製造しやすさや、後述する方法によって成膜された膜の耐食性を更に一層高める観点から、RE-O-Fは、REO(0.5≦x≦1、1≦y≦2)で表されることが好ましい。特に上記の観点から、上記式において、0.6≦x≦0.9であることがより好ましく、0.7≦x≦0.82であることが更に好ましい。また1.2≦y≦1.8であることがより好ましく、1.35≦y≦1.6であることが更に好ましい。また上記式において、2x+y=3を満たすものが好ましい。
 上述の観点から、希土類オキシフッ化物はRE、RE、RE、RE及びREから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、REであることが特に好ましい。
 本発明の成膜用材料において、希土類オキシフッ化物と希土類フッ化物における希土類元素は同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。更に、希土類オキシフッ化物は、単一の希土類元素のオキシフッ化物であることが好ましく、単相であることが特に好ましい。単相とは、XRD分析において、希土類オキシフッ化物の単一化合物の相が観察されるとともに、それ以外の希土類オキシフッ化物の結晶相が観察されない状態を指す。
 所望の組成のRE-O-Fを有する成膜用材料を得るためには、例えば後述する成膜用材料の好適な製造方法の第1工程において、滴下するフッ酸の量を調整したり、第4工程において、焼成の雰囲気や焼成温度を適切に制御したりすればよい。
 本発明の成膜用材料がREFとRE-O-Fとを含むことは上述のとおりであるところ、成膜用材料中にREFが含有されている程度は、例えば後述する成膜用材料の好適な製造方法の第1工程において、滴下するフッ酸の量を調節することで制御することができる。
 なお、本発明の成膜用材料に含まれるフッ素の量を正確に測定することは容易でない。そこで本発明においては、成膜用材料をCu-Kα線でX線回折測定したときに、2θ=20°~60°の走査範囲におけるRE-O-Fの最大高さの回折ピーク(以下、メインピークともいう。)に対するREFのメインピークの相対強度の値から、REFの含有量を推定している。具体的には、Cu-Kα線を用いた粒子のX線回折測定において、2θ=20°~60°の範囲に観察されるRE-O-Fのメインピークの強度(S1)と、同範囲に観察されるREFのメインピークの強度(S2)の比(S1/S2)を求める。例えばこのS1/S2が0.05以上35以下であると、特に成膜用材料から得られる膜の耐食性に優れるため好ましい。この観点からS1/S2は0.1以上15以下がより好ましく、0.5以上10以下であることが更に好ましく、1以上7以下であることが特に好ましい。
 Cu-Kα線を用いた2θ=20°~60°範囲のXRD分析において、Yのメインピークは(151)ピークであり、通常2θ=28.11°に観察される。またYのメインピークは(161)ピークであり、通常2θ=28.14°に観察される。またYのメインピーク(171)ピークであり、通常2θ=28.14°に観察される。
 Gdのメインピークは(021)ピークであり、通常2θ=27.60°に観察される。
 Erのメインピークは(151)ピークであり、通常2θ=28.25°に観察される。
 Ybのメインピークは(151)ピークであり、通常2θ=28.50°に観察される。
 Smのメインピークは(111)ピークであり、通常2θ=27.59°に観察される。
 Euのメインピークは(111)ピークであり、通常2θ=28.04°に観察される。
 Luのメインピークは(171)ピークであり、通常2θ=28.60°に観察される。
 Yのメインピークは(012)ピークであり、通常2θ=28.74°に観察される。
 Gdのメインピークは(012)ピークであり、通常2θ=28.20°に観察される。
 また、YFのメインピークは(111)ピークであり、通常2θ=27.88°に観察される。
 GdFのメインピークは(111)ピークであり、通常2θ=27.54°に観察される。
 ErFのメインピークは(111)ピークであり、通常2θ=27.95°に観察される。
 YbFのメインピークは(111)ピークであり、通常2θ=27.98°に観察される。
 SmFのメインピークは(111)ピークであり、通常2θ=27.33°に観察される。
 EuFのメインピークは(111)ピークであり、通常2θ=27.46°に観察される。
 LuFのメインピークは(111)ピークであり、通常2θ=27.97°に観察される。
 ただし、RE-O-FとREFが観察される場合において、YとYF、GdとGdF、ErとErFのように組成の組み合わせによってメインピーク同士が近い位置(0.4°内)に検出される場合は、下記のように測定することができる。
 具体的には、後述する所定の面のピークに相当する強度(I)を所定の面の相対強度(メインピークの強度が100)(PDFカードに記載の強度:I)で割り返した数値をメインピークの強度(I)としてそれぞれ使用してもよい。
 ※I=I/I×100
 Yの(010 0)面のピークは通常2θ=32.29°に観察され、メインピークに対する相対強度は23.4%となる。
 Gdの(100)面のピークは通常2θ=31.77°に観察され、メインピークに対する相対強度は14.5%となる。
 Erの(171)面のピークは通常2θ=32.48°に観察され、メインピークに対する相対強度は14.2%となる。
 Smの(002)面のピークは通常2θ=31.91°に観察され、メインピークに対する相対強度は80%となる。
 Euの(002)面のピークは通常2θ=32.41°に観察され、メインピークに対する相対強度は80%となる。
 Luの(014 0)面のピークは通常2θ=32.87°に観察され、メインピークに対する相対強度は19%となる。
 REFの所定のピークは(020)面のピークとすることができる。
 例えば、YFの(020)面のピークは通常2θ=25.98°に観察され、メインピークに対する相対強度は67.6%となる。
 GdFの(020)面のピークは通常2θ=25.47°に観察され、メインピークに対する相対強度は60.0%となる。
 ErFの(020)面のピークは通常2θ=26.03°に観察され、メインピークに対する相対強度は75.0%となる。
 SmFの(020)面のピークは通常2θ=25.22°に観察され、メインピークに対する相対強度は85%となる。
 EuFの(020)面のピークは通常2θ=25.37°に観察され、メインピークに対する相対強度は70%となる。
 LuFの(020)面のピークは通常2θ=26.33°に観察され、メインピークに対する相対強度は90%となる。
 上記ピーク位置の誤差は、±0.05°以内が好ましく、±0.03°以内がより好ましく、±0.02°以内が更に好ましく、±0.01°以内が最も好ましい。
 なお、本発明の成膜用材料がYbとYbFとを含む場合、YとYFとを含む場合、及びGdとGdFとを含む場合は、両者のメインピークの位置の差が2θでそれぞれ、0.52°、0.86°及び0.66°と、0.4°よりも大きいため、メインピークそのものの強度を使用してS1/S2を求めることが好ましい。
 本明細書に記載のRE-O-FとREFのメインピーク比の各記載は、メインピークそのもののピーク高さ(強度)を用いてメインピーク高さ比を計算して該当した場合、及び、上述したようにメインピークでないピークのピーク高さ(強度)をPDFカード記載のメインピークの高さ(強度)を100とした場合の相対強度で割り戻して得たメインピーク換算高さを用いてメインピーク高さ比を計算して該当した場合のいずれであってもよく、仮に両方の方法で測定が可能であった場合は、一方の場合において本明細書に記載の比率に該当すれば、他方の場合に該当しなくても、該当したものとする。
 本発明の成膜用材料はRE-O-Fを含んでいることから、酸素を含有している。成膜用材料に含まれる酸素の量(以下、酸素含有量ともいう。)は、1質量%以上9質量%であることが好ましい。成膜用材料の酸素含有量を1質量%以上とすることで、例えば後述するように溶射法によって本発明の成膜用材料を成膜する場合、溶射時に成膜用材料を安定に供給することができ、そのことによって平滑な溶射膜が得られやすくなる。一方、酸素含有量を9質量%以下とすることで、成膜用材料の耐食性を低下させる一因となる物質である、後述する希土類酸化物が成膜用材料中に生成することが効果的に防止され、そのことによって成膜された膜の耐食性の低下を効果的に防止することができる。これらの観点から、成膜用材料の酸素含有量は1質量%以上7質量%以下であることが更に好ましく、2質量%以上5質量%以下であることが一層好ましい。成膜用材料に含まれる酸素の量を上述の範囲内とするためには、例えば後述する成膜用材料の好適な製造方法において、第1工程において、滴下するフッ酸の量を調整したり第4工程の焼成条件を調整したりすればよい。
 成膜用材料の酸素含有量は、不活性ガス中融解―赤外吸収法(ハロゲントラップ使用)によって測定することができる。
 本発明の成膜用材料は、希土類元素のみの酸化物であるRE(以下、希土類酸化物ともいう。)を極力含まないことが、膜の耐食性等の観点、特に塩素系ガスに対する耐食性の観点から好ましい。本発明の成膜用粉末に含まれるREの量を極力減らすためには、例えば後述する成膜用材料の好適な製造方法の第1工程において反応性が適度に高い希土類原料を用い、更に希土類化合物由来の希土類元素(RE)のモル数とフッ酸由来のフッ素原子(F)のモル数の比(F/RE)を後述の好適範囲に制御したり、該製造方法の第4工程において焼成条件を調整したりすればよい。
 本発明の成膜用粉末に含まれるREの量を化学分析によって定量することは容易でないことから、本発明においては、成膜用粉末をX線回折測定したときの回折ピークの強度からREの含有量を推定することとしている。詳細には、本発明の成膜用粉末は、Cu-Kα線を用いるX線回折測定において、2θ=20°~60°の範囲に観察される希土類酸化物のメインピークの強度(S0)と、同範囲に観察される希土類オキシフッ化物のメインピークの強度(S1)との比(S0/S1)を求める。本発明で用いるX線回折測定は粉末X線回折測定法による。
 本発明において、S0/S1は0.1以下であることが好ましく、0.05以下がより好ましく、0.01以下が更に好ましく、0.005以下が特に好ましい。S0/S1は小さければ小さいほど好ましく、0であることが最も好ましい。本発明においてS0/S1が0.1以下、特に0.05以下と小さいことにより、フッ素系プラズマのみならず、塩素系プラズマに対しても耐食性の高いものとなる。
 希土類オキシフッ化物(RE-O-F)、希土類酸化物(RE)及び希土類フッ化物(REF)のCu-Kα線を用いる粉末X線回折測定による最大の回折ピークは、通常2θ=20°~60°の範囲に観察される。
 例えば、Yのメインピークは(222)であり、通常2θ=29.14°に観察される。
 Gdのメインピークは(222)であり、通常2θ=28.57°に観察される。
 Erのメインピークは(222)であり、通常2θ=29.21°に観察される。
 Ybのメインピークは(222)であり、通常2θ=29.63°に観察される。
 Smのメインピークは(222)であり、通常2θ=28.26°に観察される。
 Euのメインピークは(222)であり、通常2θ=28.42°に観察される。
 Luのメインピークは(222)であり、通常2θ=29.75°に観察される。
 なお、希土類酸化物(RE)のメインピークは、希土類オキシフッ化物(RE-O-F)のピーク及び希土類フッ化物(REF)のピークと近接していないため、S0/S1の測定に際してはREのメインピークの強度をそのまま使用できる。
 なお本発明の成膜用材料をシュウ酸塩や炭酸塩を大気中で焼成して製造した場合、希土類酸化物(RE)は通常、希土類元素がセリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、テルビウム(Tb)のときを除いて、z=2、w=3のセスキ酸化物(RE)である。酸化セリウムは通常z=1、w=2のCeOであり、酸化プラセオジムは通常z=6、w=11のPr11であり、酸化テルビウムは通常z=4、w=7のTbである。他の形態の酸化物、例えばCe、Pr、PrO、EuO等は特別な製造条件にて製造することは可能ではあるが、大気中に放置すると上記通常の形態に戻ってしまうため、上記通常の形態が好ましい。
 本発明の成膜用材料は、XRD分析において、希土類元素のオキシフッ化物以外に含まれる結晶相が、実質的にREFで表される希土類元素のフッ化物のみから構成されることが好ましい。「希土類元素のオキシフッ化物以外に含まれる結晶相が、実質的に、REFで表される希土類元素のフッ化物のみから構成される」とは、Cu-Kα線を用いて、2θ=20~60°を走査範囲とするXRD分析において、希土類元素のオキシフッ化物及びREFで表される希土類元素のフッ化物以外の化合物(以下「その他の成分」と記載することもある)に由来する結晶相のメインピークのピーク高さが、RE-O-Fに由来する結晶相のメインピークのピーク高さに対して10%以下であることを意味することが好ましく、5%以下であることを意味することがより好ましく、3%以下であることを意味することが更に好ましく、1%以下であることを意味することが最も好ましい。
 本発明の成膜用材料は、RE-O-Fの結晶子サイズに対するREFの結晶子サイズが所定の関係を満たすものである。詳細には、X線回折測定においてRE-O-Fの特定ピークの半値幅から求められるRE-O-Fの結晶子サイズをSRE-O-Fとし、REFの特定ピークの半値幅から求められるREFの結晶子サイズをSREF3とした際に、両者の比(SREF3/SRE-O-F)が0.90以上1.35以下である。SREF3/SRE-O-Fが上述の範囲内であることによって、成膜用材料を成膜して得られる皮膜の、プラズマエッチングに対する耐食性が向上する。この観点から、SREF3/SRE-O-Fは1.00以上1.35以下であることが好ましく、1.02以上1.30以下であることがより好ましく、1.04以上1.25以下であることが更に好ましい。結晶子サイズはシェラーの式によって求められ例えば後述する実施例に記載の方法にて求めることができるが、同等以上の測定精度であれば別機種であってもよい。RE-O-FのメインピークとREFのメインピークは近接していて少なくとも一方の半値幅を求めることが困難な場合が多いため、メインピークとは異なり他のピークと近接していない特定ピークの半値幅を求めて結晶子サイズを算出することとしたものである。
 なお、以下に示す特定ピークの2θの角度は、Cu-Kα線を用いた2θ=20°~60°範囲のXRD分析の場合の角度を示す。
 RE-O-Fの結晶子サイズを求める際に用いる特定ピークについて説明する。
 Yの特定ピークは(0 10 0)ピークであり、通常2θ=32.29°に観察される。
 Gdの特定ピークは(100)ピークであり、通常2θ=31.77°に観察される。
 Erの特定ピークは(171)ピークであり、通常2θ=32.48°に観察される。
 Ybの特定ピークは(171)ピークであり、通常2θ=32.82°に観察される。
 Smの特定ピークは(002)ピークであり、通常2θ=31.91°に観察される。
 Euの特定ピークは(002)ピークであり、通常2θ=32.41°に観察される。
 Luの特定ピークは(0 14 0)ピークであり、通常2θ=32.87°に観察される。
 Yの特定ピークは(012)ピークであり、通常2θ=28.74°に観察される。
 Gdの特定ピークは(012)ピークであり、通常2θ=28.20°に観察される。
 次に、REFの結晶子サイズを求める際に用いる特定ピークについて説明する。
 REFの結晶子サイズを求める際には、(020)ピークを用いる。
 例えば、YFの特定ピークは(020)ピークであり、通常2θ=25.98°に観察される。
 GdFの特定ピークは(020)ピークであり、通常2θ=25.47°に観察される。
 ErFの特定ピークは(020)ピークであり、通常2θ=26.03°に観察される。
 YbFの特定ピークは(020)ピークであり、通常2θ=26.24°に観察される。
 SmFの特定ピークは(020)ピークであり、通常2θ=25.22°に観察される。
 EuFの特定ピークは(020)ピークであり、通常2θ=25.37°に観察される。
 LuFの特定ピークは(020)ピークであり、通常2θ=26.33°に観察される。
 なお、本発明の成膜用材料がYbとYbFとを含む場合、YとYFとを含む場合、及びGdとGdFとを含む場合は、両者のピーク強度比を求める場合には上述のようにメインピーク同士を使用することが好ましいが、両者の結晶子サイズを求める場合はより確実にピークが分離していることが好ましいため前記特定ピークを用いることとする。
 結晶子サイズは、上記特定ピークを用いて、JIS K 0131-1996「X線回折分析通則」の「12.結晶子の大きさと不均一ひずみの測定」に準じて該JISに記載の式(8)、いわゆるシェラーの式にて計算できる。
 その際、CuKα線による回折データをCu-Kα線及びCu-Kα線による回折データに分離し、Cu-Kα線だけの回折図形を描き、上記特定ピークの半値幅及び回折角を求める。また、標準物質を測定し半値幅を補正する。
 なお、上記方法による結晶子サイズの算出は各種X線解析ソフトウェア、例えば、PDXL2(株式会社リガク製)によって行うことができる。
 SREF3/SRE-O-Fが上述の範囲内である場合にプラズマエッチングに対する耐食性が向上する理由は明確ではないが、本発明者は以下のように考察している。通常、希土類フッ化物に比して、希土類オキシフッ化物は融点が高い。希土類オキシフッ化物より低融点である希土類フッ化物の結晶子サイズが希土類オキシフッ化物と同程度から若干大きい程度であると、各組成の粒子溶融タイミングが同程度となり均一溶融することで滑らかな皮膜が得やすくなる。また、基材衝突時の粒子エネルギーが希土類オキシフッ化物と希土類フッ化物とで同程度となり均一な皮膜構造を得やすくなる。上記理由から、皮膜のプラズマエッチングに対する耐食性が向上する。
 REFの結晶子サイズSREF3は40nm以上100nm以下であることが好ましく、50nm以上95nm以下であることがより好ましく、60nm以上90nm以下であることが更に好ましい。SREF3が40nm以上であることには、結晶粒子の構造的欠陥を抑制でき、結晶性の良い比較的均一な粒子が得やすくなる利点がある。SREF3が100nm以下であることには、過度に粒成長を抑制でき、各粒子の易溶融性が向上しやすくなる利点がある。
 また、RE-O-Fの結晶子サイズSRE-O-Fは40nm以上100nm以下であることが好ましく、50nm以上95nm以下であることがより好ましく、60nm以上90nm以下であることが更に好ましい。SRE-O-Fが40nm以上100nm以下であることには、前述のSREF3と同様の利点がある。
 SREF3及びSRE-O-Fが上述の条件を満たす成膜用材料を得るためには、例えば後述する本発明の成膜用材料の好ましい製造方法の第1工程における希土類化合物を適切に選択するほか、更に第3工程における解砕条件を適切に調整し、且つ、第4工程において、焼成温度を適切に調整すればよい。
 本発明の成膜用材料は、そのBET比表面積が0.1m/g以上10m/g以下であることが好ましく、0.5m/g以上8m/g以下であることがより好ましく、1m/g以上6m/g以下であることが更に好ましい。BET比表面積が0.1m/g以上であることには、成膜の際に粒子が程よく溶融するため緻密な皮膜が得やすいという利点がある。またBET比表面積が10m/g以下であることには、高温下での成膜の際に熱影響による粒子の酸化をある程度抑えることができ、希土類酸化物の生成を抑制できるという利点がある。BET比表面積はBET1点法により求める。
 BET比表面積が上記範囲内である成膜用材料は、例えば後述する好ましい製造方法によって本発明の成膜用材料を製造し、且つ、第1工程に用いる原料の種類、第2工程での粉砕条件や第4工程での焼成条件を調整することで得ることができる。
 本発明の成膜用材料は、粉末の形態でもよいし、造粒して顆粒の形態でもよいが、顆粒の形態であることが本発明におけるプラズマ耐食性に優れる点や成膜用材料の流動性が良くなり成膜時の成膜用材料の供給性が向上する点から好ましい。いずれの形態であっても、走査型電子顕微鏡(SEM)において観察される、成膜用材料の一次粒子の平均粒子径は0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましい。一次粒子の平均粒子径を上述の範囲内に設定することには、粒子の運動エネルギーが比較的同程度となり均一な膜質を得やすくなる利点がある。また、一次粒子の平均粒子径を1.0μm以下に設定することには、本発明の成膜用材料が顆粒の形態の場合に、顆粒に適度なサイズの粒子が存在するため顆粒強度(外力に対して顆粒の形を維持できる強度)が高まり、原料供給性が向上する利点がある。これらの観点から、本発明の成膜用材料の一次粒子の平均粒子径は0.2μm以上0.9μm以下であることがより好ましく、0.4μm以上0.7μm以下であることが更に好ましい。一次粒子の平均粒子径をこの範囲内とするためには、例えば後述する成膜用材料の好適な製造方法の第1工程において適切な希土類化合物を選択するほか、第2工程において解砕の程度を調整する、第3工程の焼成温度を調整すればよい。
 なお、平均粒子径はフェレ径の平均値であり、フェレ径とは、粒子の像を2本の平行線で挟んだときの間隔であり、本発明では該平行線として垂直線を使用するものとする(水平フェレ径)。
 本発明において、顆粒の形態の成膜用材料は、顆粒の平均粒子径(以下、「顆粒径」ともいう。)が10μm以上60μm以下であることが好ましい。顆粒の平均粒子径をこの範囲に設定することによって、本発明の成膜用材料の流動性が向上し、滑らかな皮膜が得られやすくなる。この観点から、顆粒の平均粒子径は15μm以上55μm以下であることがより好ましく、25μm以上45μm以下であることが更に好ましい。顆粒の平均粒子径をこの範囲内とするためには、例えば後述する成膜用材料の好適な製造方法においてスプレードライヤーによる造粒条件におけるアトマイザー回転数を調整するほか、第4工程の焼成条件を調整すればよい。
 なお、ここでいう平均粒子径とは、レーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定器を用いて測定した累積体積50容量%における体積累積粒径D50のことである。D50の測定方法は後述する実施例にて説明する。ここでいう顆粒の平均粒子径は、試料を超音波処理に供さずに測定するものである。
 上記顆粒の形態の成膜用材料において、該顆粒は一次粒子と空隙とからなる。顆粒内部断面をSEMで観察し、該断面中における空隙の面積を顆粒の面積で除すことで算出される空隙率は、10%以上であることが、顆粒内部までエネルギー(熱など)が均一に伝わりやすくなる利点があるため好ましく、15%以上であることがより好ましく、20%以上であることが特に好適である。
 また前記空隙率は、35%以下であることが、顆粒強度が向上する点と緻密な皮膜が得やすくなる利点があるため好ましく、30%以下であることがより好ましく、25%以下であることが更に好ましい。
 上述の空隙率を有する顆粒を得るためには、例えば後述する本発明の成膜用材料の好適な製造方法を採用し、且つ第3工程に用いる成膜用材料前駆体スラリーの濃度のほか、スラリーの粘度を適切に調整すればよい。空隙率は、一つの顆粒断面面積の30%以上が一の画像内に含まれる画像に基づいて測定するものとする。また顆粒断面の画像は一つの顆粒断面の中に、少なくとも50個以上の一次粒子が現れている画像を用いるものとする。空隙率の具体的な測定方法は後述する実施例にて説明する。
 本発明において、顆粒の形態の成膜用材料は、適切な解砕圧力を有することが好ましい。より具体的には、SEMインデンターで測定した解砕圧力が25kPa以上であることが、顆粒が運搬中に壊れにくい観点から好ましく、この観点から、50kPa以上であることがより好ましく、75kPa以上であることが更に好ましい。顆粒の形態の成膜用材料はSEMインデンターで測定した解砕圧力が130kPa以下であることが、顆粒が固すぎず、成膜時の基材との密着性が向上しやすくなる観点から好ましく、115kPa以下であることがより好ましく、100kPa以下であることが更に好ましい。SEMインデンターで測定した解砕圧力は後述する実施例に記載の方法にて測定することができるほか、同等以上の精度の機種を用いるならば別機種であってもよい。上述の解砕圧力を有する顆粒を得るためには、例えば後述する本発明の成膜用材料の好適な製造方法を採用し、且つ第4工程の焼成温度を適切に調整すればよい。
 本発明の成膜用材料が顆粒の形態である場合、その嵩密度(「静置法見掛け密度」ともいう。)が1.3g/cm以上であることが成膜用の原料供給器への充填率が上がり生産性が向上する観点から好ましい。この観点から、嵩密度は1.4g/cm以上であることがより好ましく、2.0g/cm以上であることが更に好ましい。
 また、嵩密度は3.0g/cm以下であることが原料供給性やハンドリングの観点の点から好ましい。この観点から、嵩密度は2.7g/cm以下であることがより好ましく、2.4g/cm以下であることが更に好ましい。
 嵩密度は、後述する実施例に記載の方法によって測定することができるが、同等以上の測定精度であれば別機種であってもよい。
 嵩密度が上記範囲内である成膜用材料は、例えば後述する好適な製造方法によって本発明の成膜用材料を製造し、且つ、解砕条件やスプレードライヤー噴霧時のスラリー濃度を調整すればよい。
2.成膜用材料の製造方法
 続いて、本発明の成膜用材料の好適な製造方法について説明する。本発明の成膜用材料は、顆粒の場合、好適には、以下の第1工程~第4工程を備えた製造方法によって製造される。成膜用材料が顆粒ではない粉末である場合は、例えば第3工程の造粒を行わずに第4工程に供することが考えられる。
・第1工程:希土類化合物とフッ酸とを反応させて、成膜用材料前駆体を得る工程。
・第2工程:第1工程で得られた成膜用材料前駆体を解砕して、成膜用材料前駆体スラリーを得る工程。
・第3工程:第2工程で得られた成膜用材料前駆体スラリーをスプレードライヤーで造粒して造粒物を得る工程。
・第4工程:第3工程で得られた造粒物を300℃~900℃の温度で焼成して、希土類フッ化物(REF)及び希土類オキシフッ化物(RE-O-F)からなる、顆粒の形態の成膜用材料を得る工程。
 ただし、第1工程で用いる前記希土類化合物は、水に難溶性又は不溶性の希土類化合物を含む。
 以下、各工程について詳述する。
(第1工程)
 本工程は、成膜用材料前駆体を得る工程である。
 まず、希土類化合物と純水を混合して所定の濃度の溶液又はスラリーとした後、その溶液又はスラリーにフッ酸(HF水溶液)を滴下してフッ素化反応を行う。次いで、フッ素化反応後のスラリーをろ過してケーキを得る。このとき、ろ過は減圧脱水機、遠心脱水機及びフィルタープレス等から選ばれる1種のろ過機を用いることが工数の観点から好ましい。
 前記のフッ素化反応においては、希土類元素の部分的フッ素化反応が進行する。本フッ素化反応は、希土類化合物からREF及びRE-O-Fを得るため行うものであるが、フッ素化反応の進行を部分的にとどめることによって、REFに加えてRE-O-Fをも含む成膜用材料を得ることができる。
 本製法では、フッ化物を焼成して酸化させるなどの他製法に比べて、REF及びRE-O-Fを同時に製造することで、REF及びRE-O-Fの結晶子サイズが均一なものが得られやすいと考えられる。
 フッ素化反応の進行度合いを適切に制御する観点から、希土類化合物由来の希土類元素(RE)のモル数MREとフッ酸由来のフッ素原子(F)のモル数MFとの比MF/MREは、1.4超3.0未満であることが好ましく、1.5以上2.8以下であることがより好ましく、1.6以上2.5以下であることが更に好ましい。実際に使用するフッ酸の量は、成膜用材料中のREFとRE-O-Fの目的とする比率に応じて、上記の範囲内で適宜調整することができる。
 第1工程で用いる希土類化合物としては、水に難溶性又は不溶性の希土類化合物を用いることが好ましい。水に難溶性又は不溶性の希土類化合物としては希土類炭酸塩、希土類シュウ酸塩及び希土類水酸化物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。これらの化合物はフッ酸との反応性が適度に高い。このように、希土類化合物はフッ酸との反応性が適度に高く、且つ水に難溶性又は不溶性の希土類化合物を少なくとも含むことで、フッ酸と希土類化合物とを反応させたときに、フッ素化反応が適度な速度で、且つ均一に進行しやすい。
 なお、希土類化合物として希土類酸化物も使用可能であるが、上述の化合物に比べてフッ酸との反応性が低いためフッ素化反応に時間がかかる。
 第1工程で得られる前駆体としては、希土類化合物の根(例えば希土類炭酸塩であれば炭酸根)の一部がフッ素原子で置換された成分が挙げられる。
 MF/MREの好適範囲が上述のように1.4超3.0未満である本製法において、希土類化合物として水に難溶性又は不溶性の希土類化合物を使用することが好ましい理由を以下述べる。
 希土類化合物として水溶性希土類化合物のみを使用したとすると、水溶性希土類化合物の水溶液とフッ酸とを反応させるとREFが生成する。したがって、水溶性の希土類化合物由来の希土類元素(RE)のモル数をMREとすると、MF/MREが3.0以上でないと未反応の水溶性希土類化合物が残留してしまう。希土類化合物として水溶性希土類化合物のみを使用してMF/MRE=MF/MREが1.4超3.0未満である場合は、未反応の水溶性希土類化合物が残留してしまい、固液分離により回収可能であるのはREFのみであり、未反応の水溶性化合物は固液分離により固体として回収できない。固液分離せずに全量乾燥すれば未反応の水溶性希土類化合物も固体として回収できるが、高コストであるだけでなく、REFとフッ素を含まない希土類化合物とが混在することになり、後述の第4工程における焼成時、REFのまま残留する成分の結晶子サイズがREFとフッ素を含まない希土類化合物が反応して生成するRE-O-Fの結晶子サイズよりかなり大きくなりやすい。
 また、希土類化合物として水溶性希土類化合物及び水に難溶性又は不溶性の希土類化合物を両方使用した場合、水溶性希土類化合物の方がフッ酸との反応性が高くREFが優先的に生成しやすい。MF/MREが3以下である場合は、REFが生成し、MF/MREが3の場合を除いて未反応の水溶性化合物が残る。水に難溶性又は不溶性の希土類化合物についてはほとんどフッ素化されないため、やはりREFとフッ素を含まない部分とが混在することになる。
 MF/MREが3より大きい場合は水に難溶性又は不溶性の希土類化合物については均一に部分フッ素化されるが、REFの部分とフッ素濃度に差があり、全体としてみれば、フッ素化が均一に進行していないことになり、後述の第4工程における焼成により結晶子サイズがかなり大きなREFが生成する可能性がある。この影響をできるだけ抑制するためには、後述の第4工程における焼成開始時に存在するREFの量をできる限り少なくすることが好ましい。また、フッ素化により生成するREFは極めて微粒であるため第1工程のろ過におけるろ過性の観点からもフッ素化により生成するREFの量をできる限り少なくすることが好ましい。したがって水に難溶性又は不溶性の希土類化合物由来の希土類元素(RE)のモル数MREと、水溶性の希土類化合物由来の希土類元素(RE)のモル数MREとの比MRE/MREは1以上が好ましく、2以上がより好ましく、5以上が更に好ましく、10以上が特に好ましい。
 なお、最も好ましいのはMRE=0(MRE/MRE=∞)、即ち水溶性希土類化合物を使用しないで、水に難溶性又は不溶性の希土類化合物のみ使用することである。水に難溶性又は不溶性の希土類化合物のみ使用すれば、全体としてフッ素化が均一に進行する。水に難溶性又は不溶性の希土類化合物のみ使用すれば、均一にフッ化された前駆体が得られ、後述の第4工程における焼成時前駆体が分解してREFとRE-O-Fが生成するため、REFの結晶子サイズがRE-O-Fの結晶子サイズよりも大きすぎず、所望の結晶子サイズの比の範囲内のものが得られやすい。
 更に、水に難溶性又は不溶性の希土類化合物のみ使用すればフッ素化したときに極めて微粒のREFが生成しないため、ろ過が極めて容易であるという利点もある。
 フッ酸の添加速度は例えば1~50mol/minが挙げられるが、これに限定されない。
(第2工程)
 本工程においては、成膜用材料前駆体を解砕して、成膜用材料前駆体スラリーを得る。解砕には乾式解砕及び湿式解砕のいずれも適用可能であるが、湿式解砕であることが、解砕時の粒度分布がシャープになり、粒子径が均一な粒子が得られやすくなる点で好ましい。解砕は1段階で実施してもよく、あるいは2段階以上で実施してもよい。コストと手間の点から1段階で解砕を行うことが好ましい。乾式解砕を行う場合には、例えば擂潰機、ジェットミル、ボールミル、ハンマーミル及びピンミルなどの各種乾式解砕機を用いることができる。一方、湿式解砕を行う場合には、例えばボールミルやビーズミルなどの各種湿式解砕機を用いることができる。
 第2工程における解砕の程度は、レーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定器を用いて測定した累積体積50容量%における体積累積粒径D50が0.1μm以上2.0μm以下となる程度が好ましい。上述の範囲のD50となるように解砕することによって、後述する第3工程でスプレードライヤーを行う際に均一な顆粒を作製しやすくなる。顆粒が均一であると、成膜したときに膜に気孔が生じにくくなり、膜のプラズマエッチングに対する耐食性が向上する。この観点から、D50が0.5μm以上1.5μm以下となるように解砕することがより好ましい。
 第2工程の解砕後、第3工程に供する成膜用材料前駆体スラリーの濃度は、50g/L以上1500g/L以下とすることが好ましく、100g/L以上1000g/L以下とすることがより好ましい。スラリーの濃度をこの範囲内に設定することで上記の空隙率が好適に得やすいという利点がある。また、後の工程におけるエネルギーの過度の消費を抑制することができ、またスラリーの粘度が適切なものになって第3工程における噴霧を安定させることができる。
(第3工程)
 第3工程においては、第2工程で得られたスラリーを、スプレードライヤーで造粒して成膜用材料前駆体の造粒物を得る。スプレードライヤーを運転するときのアトマイザーの回転数は5000min-1以上30000min-1以下とすることが好ましい。回転数を5000min-1以上とすることで、均一な造粒物を得ることができる。一方、回転数を30000min-1以下とすることで、目的の顆粒径を得やすくなる。これらの観点から、アトマイザーの回転数は6000min-1以上25000min-1以下とすることが更に好ましい。
 スプレードライヤーを運転するときの入口温度は150℃~300℃とすることが好ましい。入口温度を150℃以上とすることで、固形分の乾燥を十分に行うことができ、残存する水分が少ない顆粒が得やすくなる。一方、入口温度を300℃以下とすることで、無駄なエネルギーの消費を抑制できる。
(第4工程)
 本工程においては、第4工程で得られた造粒物を焼成して希土類フッ化物を含む希土類オキシフッ化物の顆粒の形態である成膜用材料を得る。この焼成の程度は、結晶子サイズを制御する因子となる。詳細には、焼成温度は300℃~900℃であることが好ましい。焼成温度を300℃以上とすることで、原料由来のカーボンなどの不純物を除去できる利点がある。一方、焼成温度を900℃以下とすることで、REFの結晶子サイズが所定以下となりやすく、本発明の所定の比率が得やすい、目的の組成が得やすくする等の利点がある。これらの観点から、焼成温度は400℃~800℃とすることが更に好ましく、500℃~700℃とすることが一層好ましい。
 本製法では、比較的低温で行い、且つフッ化物と希土類化合物との反応から成膜用材料の製造までの焼成回数が一回のみであることで、結晶子サイズを制御しやすいと本発明者は考えている。
 焼成時間は、焼成温度が上述の範囲内であることを条件として、1時間~48時間とすることが好ましく。3時間~24時間とすることがより好ましい。焼成の雰囲気は特に制限はないが、コストの観点から大気中などの含酸素雰囲気中で行うことが好ましい。
 上述した好適な製造方法は、REFとRE-O-Fが均一に混合された成膜用材料が得られる点で、予め単離したREFとRE-O-Fとを混合して成膜用材料を製造する方法よりも優れている。REFとRE-O-Fが均一に混合されていることで、成膜した際に均一な皮膜が得られ、そのような皮膜はプラズマエッチングに対する耐食性に優れる。
 上述した好適な製造方法によって本発明の成膜用材料を製造すると、第4工程での焼成によって、前駆体が分解してREFとRE-O-Fとの混合物が得られるが、少なくともREがY、Er又はYbである場合、RE-O-Fとしては、酸素の少ないREのみが生成しやすく、RE、RE及びREOF(RE)等の酸素をREより多く含むRE-O-Fは生成し難いと考えられる。また、REがSm、Eu及びGdから選ばれる少なくとも一種の場合は、RE-O-Fとしては酸素含有量が比較的少ないSm6。Eu及びGd等が生成しやすいと考えられる。
3.成膜方法
 続いて、本発明の成膜用材料を用いて膜を形成する場合に使用可能な成膜方法について説明する。
 本発明に適用可能な主な成膜方法としては、溶射法や物理的蒸着法(PVD法)等を挙げることができる。
(1)溶射法
 本発明の成膜用材料を溶射する方法としては、フレーム溶射、高速フレーム溶射、爆発溶射、レーザー溶射、プラズマ溶射、レーザー・プラズマ複合溶射等が適用可能である。
(2)PVD法(物理的蒸着(Physical Vapor Deposition)法)
 PVD法は大別して、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法がある(特許庁ホームページにて公開されている、「技術分野別特許マップ 化学16 物理的蒸着」の「図4.1.1-3」等を参照)。
 本発明の成膜用材料は、真空蒸着法、スパッタリング法及びイオンプレーティング法が適用可能である。真空蒸着法は真空中で成膜用材料を蒸発又は昇華させ、その蒸気が成膜の対象となる基材に到達して堆積することで膜を形成する方法である。真空蒸着法としては電子ビーム法、レーザー蒸着法が希土類オキシフッ化物を含む粉末を蒸気化させるために十分大きなエネルギーがあり好ましい。スパッタリング法とは、プラズマ等により高いエネルギーをもった粒子を材料(ターゲット)に衝突させて、その衝撃で材料成分をたたき出し、それにより生じた材料成分の粒子を基材上に膜を堆積させることで膜を形成する方法である。またイオンプレーティング法とは、蒸着法とほぼ同じ原理の成膜方法であるが、異なるところは、蒸発粒子をプラズマ中を通過させることで、プラスの電荷を帯びさせ、基材にマイナスの電荷を印加して蒸発粒子を引き付けて堆積させ膜を作成する点である。
 本発明の成膜用材料は、上述した各種の成膜方法に好適に用いることができ、そのようにして形成された膜は、プラズマエッチングに対する優れた耐食性を有する。成膜の対象となる基材としては、例えばアルミニウム等の各種の金属、アルミニウム合金等の各種の合金、アルミナ等の各種のセラミックス、石英等を用いることができる。
 本発明の成膜用材料から得られる膜は、気孔率が10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。気孔率の下限としては、0%である。また、成膜用材料から得られる膜は、表面粗さRaが0.01μm以上10μm以下が好ましく、0.1μm以上5μm以下がより好ましい。表面粗さRzが0.1μm以上100μm以下が好ましく、1μm以上50μm以下がより好ましい。気孔率、表面粗さRa及びRzは後述する実施例に記載の方法にて測定できる。
 Cu-Kα線を用いた膜のX線回折測定において、2θ=20°~60°の範囲に観察されるRE-O-Fのメインピークの強度(S1’)と、同範囲に観察されるREFのメインピークの強度(S2’)の比(S1’/S2’)を求める。例えばこのS1’/S2’が0.05以上100以下であると、耐食性の点から好ましい。この観点からS1’/S2’は0.1以上10以下であることがより好ましく、1以上5以下であることが更に好ましい。
 また、本発明の成膜用材料から得られる膜は、Cu-Kα線を用いるX線回折測定において、2θ=20°~60°の範囲に観察される希土類酸化物のメインピークの強度(S0’)と、同範囲に観察される希土類オキシフッ化物のメインピークの強度(S1’)との比(S0’/S1’)は0.1以下であることが好ましく、0.01以下がより好ましい。
 本実施形態の膜は、その優れたプラズマ耐食性を生かし、エッチング装置における真空チャンバー及び該チャンバー内における試料台やチャック、フォーカスリング、エッチングガス供給口といった半導体製造装置内部やその構成部材のコーティングに用いることができる。また本実施形態の膜は半導体製造装置内部やその構成部材以外にも各種プラズマ処理装置、化学プラントの構成部材の用途に用いることができる。本実施形態の膜は、後述する実施例に記載のとおり、フッ素系プラズマ、塩素系プラズマの両方に優れた耐食性を示す。
 以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
(第1工程)
 イットリウム(Y)換算で20molの炭酸イットリウム水和物(Y(CO・nHO)と純水とを合成槽に投入した後、十分に攪拌混合して、イットリウムを0.5mol/Lの濃度で含むスラリーとした。このスラリーに、添加するHF水溶液中のフッ素原子(F)とスラリー中のイットリウム原子(Y)との比F/Y(モル比)=2.1となる量の50質量%HF水溶液を2.1mol/minにて滴下して、部分的フッ素化反応を進行させ、次いで、フッ素化反応後のスラリーをろ過して成膜用材料前駆体ケーキを得た。
(第2工程)
 第1工程で得られた成膜用材料前駆体ケーキに純水を加え、ビーズミルにて、レーザー回折・散乱式粒子径・粒度分布測定器を用いて測定したD50が0.8μmになるように成膜用材料前駆体を解砕した。解砕後更に純水を加えて500g/Lの成膜用材料前駆体スラリーとした。
 なおD50は、後述する顆粒径の測定方法において、マイクロトラック3300EXIIの試料循環器のチャンバーに試料を、装置が適正濃度であると判定するまで添加した後に、装置に備え付けの超音波照射装置にて測定前に40Wにて5分間分散させる超音波分散処理を行った以外は顆粒径と同様の測定方法で測定した。
(第3工程)
 第2工程で得られた成膜用材料前駆体スラリーを、スプレードライヤー(大川原加工機(株)製)を用い、アトマイザーとして回転ディスクを使用して造粒及び乾燥し、造粒物を得た。スプレードライヤーの操作条件は以下のとおりとした。
・スラリー供給速度:75mL/min
・アトマイザー回転数:18000min-1
・入口温度:250℃
(第4工程)
 第3工程で得られた造粒物を、大気雰囲気下、電気炉中で焼成して造粒顆粒を得た。焼成温度は600℃、焼成時間は5時間とした。顆粒の形状は略球状であった。このようにして、フッ化イットリウムとオキシフッ化イットリウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例2〕
 実施例1の第1工程において50質量%HF水溶液の滴下量を、HF中のFとスラリー中のYの比率F/Y(モル比)=2.5となる量とした以外は、実施例1と同様にして、フッ化イットリウムとオキシフッ化イットリウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例3〕
 実施例1の第1工程において50質量%HF水溶液の滴下量を、HF中のFとスラリー中のYの比率F/Y(モル比)=2.8となる量とした以外は、実施例1と同様にして、フッ化イットリウムとオキシフッ化イットリウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例4〕
 実施例1の第1工程において50質量%HF水溶液の滴下量を、HF中のFとスラリー中のYの比率F/Y(モル比)=1.6となる量とした以外は、実施例1と同様にして、フッ化イットリウムとオキシフッ化イットリウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例5〕
 実施例2の第3工程のアトマイザー回転数を12000min-1に変更した以外は、実施例2と同様にして、フッ化イットリウムとオキシフッ化イットリウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例6〕
 実施例2の第2工程においてD50が0.3μmになるように成膜用材料前駆体を解砕して、解砕後更に純水を加えて350g/Lのスラリーとし、更に第3工程において回転ディスクに代えて二流体ノズルで混合スラリーを噴霧した以外は、実施例2と同様にして、フッ化イットリウムとオキシフッ化イットリウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例7〕
 実施例1の第1工程において炭酸イットリウム水和物を用いる代わりにガドリニウム(Gd)換算で10molの炭酸ガドリニウム水和物(Gd(CO・nHO)と純水とを合成槽に投入した後、十分に攪拌混合して、ガドリニウムを0.2mol/Lの濃度で含むスラリーとした。そのスラリーに、添加するHF水溶液中のフッ素原子(F)とスラリー中のガドリニウム原子(Gd)との比F/Gd(モル比)=2.8となる量の50質量%HF水溶液を滴下した。上記の点以外は、実施例1と同様にして、フッ化ガドリニウムとオキシフッ化ガドリニウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例8〕
 実施例7の第1工程において50質量%HF水溶液の滴下量を、HF中のFとスラリー中のGdの比率F/Gd(モル比)=2.5となる量とした以外は、実施例7と同様にして、フッ化ガドリニウムとオキシフッ化ガドリニウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例9〕
 実施例7の第1工程において50質量%HF水溶液の滴下量を、HF中のFとスラリー中のGdの比率F/Gd(モル比)=2.0となる量とした以外は、実施例7と同様にして、フッ化ガドリニウムとオキシフッ化ガドリニウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例10〕
 実施例7の第1工程において50質量%HF水溶液の滴下量を、HF中のFとスラリー中のGdの比率F/Gd(モル比)=1.8となる量とした以外は、実施例7と同様にして、フッ化ガドリニウムとオキシフッ化ガドリニウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例11〕
 実施例1の第1工程において炭酸イットリウム水和物を用いる代わりにエルビウム(Er)換算で10molの炭酸エルビウム水和物(Er(CO・nHO)と純水とを合成槽に投入した後、十分に攪拌混合して、エルビウムを0.2mol/Lの濃度で含むスラリーとした。そのスラリーに、フッ素原子(F)とエルビウム原子(Er)との比F/Er(モル比)=2.7となる量の50質量%HF水溶液を滴下した。上記の点以外は、実施例1と同様にして、フッ化エルビウムとオキシフッ化エルビウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例12〕
 実施例11の第1工程において50質量%HF水溶液の滴下量を、HF中のFとスラリー中のErの比率F/Er(モル比)=2.5となる量とした以外は、実施例11と同様にして、フッ化エルビウムとオキシフッ化エルビウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例13〕
 実施例11の第1工程において50質量%HF水溶液の滴下量を、HF中のFとスラリー中のErの比率F/Er(モル比)=2.0となる量とした以外は、実施例11と同様にして、フッ化エルビウムとオキシフッ化エルビウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例14〕
 実施例1の第1工程において炭酸イットリウム水和物を用いる代わりにイッテルビウム(Yb)換算で10molの炭酸イッテルビウム水和物(Yb(CO・nHO)と純水とを合成槽に投入した後、十分に攪拌混合して、イッテルビウムを0.2mol/Lの濃度で含むスラリーとした。そのスラリーに、フッ素原子(F)とイッテルビウム原子(Yb)との比F/Yb(モル比)=2.7となる量の50質量%HFを滴下した。上記の点以外は、実施例1と同様にして、フッ化イッテルビウムとオキシフッ化イッテルビウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例15〕
 実施例14の第1工程においてF/Yb(モル比)=2.5倍となる量の50質量%HF水溶液を滴下した以外は、実施例14と同様にして、フッ化イッテルビウムとオキシフッ化イッテルビウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔実施例16〕
 実施例14の第1工程においてF/Yb(モル比)=2.0倍となる量の50質量%HF水溶液を滴下した以外は、実施例14と同様にして、フッ化イッテルビウムとオキシフッ化イッテルビウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔比較例1〕
 実施例5の第1工程においてF/Y(モル比)=1.4となるように50質量%HF水溶液を滴下した以外は、実施例5と同様にして、オキシフッ化イットリウムからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔比較例2〕
 実施例5の第1工程においてF/Y(モル比)=1.0となるように50質量%HF水溶液を滴下した以外は、実施例5と同様にして、オキシフッ化イットリウムからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔比較例3〕
 フッ化イットリウム(YF)を、大気雰囲気下、電気炉中で焼成温度1050℃、焼成時間12時間で焼成した。得られた焼成品を湿式解砕にてD50が1~2μmとなるように解砕した。その後、純水を加えて500g/Lのスラリーとし、スプレードライヤー(アトマイザー:回転ディスク)にて造粒を行った。スプレードライヤーの操作条件は以下のとおりとした。
・スラリー供給速度:300mL/min
・アトマイザー回転数:12000min-1
・入口温度:200℃
 得られた造粒粉を大気雰囲気下、電気炉中で焼成温度600℃、焼成時間12時間で焼成して、フッ化イットリウムとオキシフッ化イットリウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔比較例4〕
 酸化イットリウム(Y)30wt%とフッ化アンモニウム複塩((YFNHF・HO)70wt%を混合した。その後、純水を加えて500g/Lのスラリーとし、スプレードライヤー(アトマイザー:回転ディスク)にて造粒を行った。スプレードライヤーの操作条件は以下のとおりとした。
・スラリー供給速度:300mL/min
・アトマイザー回転数:12000min-1
・入口温度:200℃
 得られた造粒粉を真空雰囲気下、電気炉中で焼成温度900℃、焼成時間12時間で焼成してフッ化イットリウムとオキシフッ化イットリウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
〔比較例5〕
 フッ化イットリウム(YF、D50=0.6μm)とY(D50=1μm)を混合・スラリー化して、スプレードライヤー(アトマイザー:回転ディスク)にて造粒を行い、フッ化イットリウムとオキシフッ化イットリウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。スプレードライヤーの操作条件は以下のとおりとした。
・スラリー供給速度:300mL/min
・アトマイザー回転数:9000min-1
・入口温度:200℃
〔比較例6〕
 実施例7の第1工程においてF/Gd(モル比)=1.0となるように50質量%HF水溶液を滴下した以外は、実施例7と同様にして、フッ化ガドリニウムとオキシフッ化ガドリニウムとからなる、顆粒の形態の成膜用材料を得た。
<成膜用材料の評価>
 各実施例及び比較例の成膜用材料及びその溶射膜について、以下の評価を行った。これらの評価によって得られた各種測定値は表1及び2に示した。
(酸素含有量の測定)
 不活性ガス中融解―赤外吸収法(ハロゲントラップ使用)を用いて、成膜用材料の酸素含有量(質量%)を測定した。
(X線回折測定)
 下記の条件にてX線回折測定を実施し、REF、RE-O-F及びREのメインピークの強度(S0~S2)を求めた。表1におけるX線回折ピーク強度は、各化合物に由来する結晶相のメインピークに対するピーク強度比であって、2θ=20°~60°のメインピークのピーク強度を100としたときの値を示す。ここでいうピーク強度比とは、ピーク高さ比である。ただし、ピーク強度比を求めるとき、RE;YbとYbFとの組み合わせ;YとYFとの組み合わせ及びGdとGdFとの組み合わせを除き、各化合物に由来する結晶相のメインピークのピーク高さを直接使用するのではなく、上記したピークのピーク高さをメインピークのピーク高さに換算して使用した。
 結晶子サイズは、成膜用材料の下記の条件におけるX線回折測定をもとにしてJIS K 0131-1996「X線回折分析通則」の「12.結晶子の大きさと不均一ひずみの測定」に準じて算出した。その際、下記の条件にて測定したCuKα線によるX線回折データについて、Cu-Kα線及びCu-Kα線による回折データに分離し、Cu-Kα線だけの回折図形を描き、半値幅及び回折角を求めた。また、標準物質としてSiを測定し半値幅を補正した。
 詳細には実施例1~6で得られた成膜用材料においてRE-O-FはY相であった。YFの結晶子サイズは(020)ピークの半値幅、Yの結晶子サイズはYの(010 0)ピークの半値幅から、それぞれシェラーの式(D=Kλ/(βcosθ))によって算出した。
 実施例7~10で得られた成膜用材料においてRE-O-FはGd相であった。GdF及びGdについて、上記した特定ピークの半値幅から、それぞれシェラーの式(D=Kλ/(βcosθ))によって算出した。
 実施例11~13で得られた成膜用材料においてRE-O-FはEr相であった。ErF及びErについて、上記した特定ピークの半値幅から、それぞれシェラーの式(D=Kλ/(βcosθ))によって算出した。
 実施例14~16ではRE-O-FはYb相であった。YbF及びYbについて、上記した特定ピークの半値幅から、それぞれシェラーの式(D=Kλ/(βcosθ))によって算出した。
 なお、Kの値としては、JIS K 0131-1996「X線回折分析通則」の「12.結晶子の大きさと不均一ひずみの測定」に記載されている、0.94を用いた。
 上記結晶子サイズの計算は下記の条件にて測定したX線回折データについて統合粉末X線解析ソフトウェアPDXL2 Version 2.9.1.0(株式会社リガク製)を用いて行った。
 比較例1~6については、適宜生成した相の特定ピークの半値幅から求めた。比較例1、3~5はRE-O-FがY相、比較例2がRE-O-FがY相、比較例6はRE-O-FがGd相であった。
 このようにして得られた結晶子サイズを用いて、結晶子サイズの比を以下の計算式によって求めた。
(結晶子サイズの比)=(REFの結晶子サイズ)/(RE-O-Fの結晶子サイズ)
 実施例1について得られたXRDチャートを図1として示す。
<X線回折測定条件>
・装置:UltimaIV(株式会社リガク製)
・線源:Cu-Kα線
・管電圧:40kV
・管電流:40mA
・スキャン速度:2度/min
・ステップ:0.02度
・スキャン範囲:2θ=20°~60°
(一次粒子の平均粒子径の測定)
 顆粒断面の一部分が観察されるSEM(20,000倍)の視野にて個々の一次粒子のフェレ径を測定し、各一次粒子で0.1μm以上に相当するフェレ径100粒子分を測定して平均した値をそれぞれの一次粒子の平均粒子径とした。0.1μm未満に相当する長さを除いた理由は、粒子の境目が不明瞭となってしまい粒子径の測定誤差も大きくなるためである。SEMとしては、日本電子社製JSM-7900Fを用いた。加速電圧は4kVとした。
 また顆粒断面が現れた試料の調製方法は、以下とした。
 顆粒をエポキシ樹脂に埋めた後、イオンミリング加工にて顆粒の断面が露出したサンプルを作製した。
(空隙率の測定)
 前記のSEM(20,000倍、加速電圧は4kV)の視野のSEM画像を画像処理ソフトImageJを用いて、メニューバーのAdjust→Color Thereshold(閾値 Brightness 75)→Analyze Particle(粒子解析)により粒子面積率(%Area)を求め、その残りの面積率を空隙率とした。空隙率は5個の顆粒断面について測定した平均値とした。SEM画像としては上記の条件を満たす顆粒の画像を用いた。なお、実施例1における空隙率測定に用いた画像の一つを図2に示す。
(解砕圧力の測定)
 SEMインデンターを用い、下記の測定条件にて解砕圧力測定を行った。
 SEMインデンターに供する試料は、石英ブロック上にイソプロパノール(IPA)を分散媒として用いて分散させることで調製した。このようにして調製した試料を石英ブロックごと下記装置の試料載置部に戴置させ、各顆粒3個ずつのinsituその場圧縮試験として応力-歪み曲線を求め、応力のピーク値(最大値)を解砕応力の値として読み取り、圧子の先端部の面積で割って解砕圧力を求めた。解砕圧力は3個の平均値とした。実施例1の解砕圧力測定時におけるSEM画像を図3及び図4として示す。
<解砕圧力測定条件>
・装置:FT-NMT04(Femto Tools社製)
・搭載SEM:SUPRA 55VP(Carl Zeiss社製、観察倍率2000倍)
・使用Sensor:FT-S20000-(登録意匠)-FP-10um
(ダイヤモンド圧子、フラットパンチ(圧子先端がφ10μm))
・測定モード:Compression
・押込み荷重:最大20,000μN・押込み変位:最大10μm
(BET比表面積の測定)
 BET比表面積は測定装置としてマウンテック社製Macsorbを用い、BET1点法で求めた。測定用のガスとしては窒素30体積%-ヘリウム70体積%の混合ガスを、キャリブレーション用のガスとしては純窒素を用いた。BET比表面積の測定に供するスラリーの乾燥はスラリー20gを120℃の環境で2時間乾燥させることにより行った。
(顆粒径の測定)
 顆粒径はMicrotracBEL社製マイクロトラック3300EXIIにて測定した。測定の際には、分散媒として0.2質量%ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液を用い、マイクロトラック3300EXIIの試料循環器のチャンバーに試料(顆粒)を、装置が適正濃度であると判定するまで添加した。
(嵩密度の測定)
 嵩密度(g/cm)は東京蔵持科学器械製作所社製カサ比重測定器を用いて、JIS K 5101-12-1に準拠して求めた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に記載のとおり、各実施例の成膜用材料は、いずれもX線回折測定において希土類フッ化物(REF)と希土類オキシフッ化物(RE-O-F)が観察され、結晶子サイズの比SREF3/SRE-O-Fが0.90以上1.35以下であった。一方、比較例1、2及び6は希土類フッ化物(REF)が観測されず、比較例3~5は結晶子サイズの比SREF3/SRE-O-Fが0.90以上1.35以下の範囲外であった。
(溶射膜の製造)
 各実施例及び比較例の成膜用材料を以下の方法にて成膜し、溶射膜を作成した。
 基材としてアルミニウム合金板を使用した。この基材の表面にプラズマ溶射を行った。成膜用材料の供給装置として、プラズマテクニック製のTWIN-SYSTEM 10-Vを用いた。プラズマ溶射装置として、スルザーメテコ製のF4を用いた。
 攪拌回転数50%、キャリアガス流量2.5L/min、供給目盛10%、プラズマガスAr/H、出力35kW、装置-基材間距離150mmの条件で、膜厚約150μmになるようにプラズマ溶射を行った。
 (膜組成の分析)
 上記方法で得られた各実施例及び比較例の膜についてXRD測定を成膜用材料と同様の方法で測定して、メインピークの強度比を求めた。
(膜の表面粗さの測定)
 上述の方法によって溶射膜を形成した20mm角のアルミニウム合金板における溶射膜の表面粗さを測定した。
 触針式表面粗さ測定器(JIS B0651:2001)を用いて、算術平均粗さ(Ra)及び最大高さ粗さ(Rz)(JIS B 0601:2001)を求めた。触針式表面粗さ測定器としては、ミツトヨ社製のSJ-210を用いた。測定条件は、評価長さ:5mm、測定速度:100μm/sとした。3点の平均値を求めた。
(膜の気孔率)
 上述の方法によって溶射膜を形成した20mm角(厚み5mm)のアルミニウム合金板における膜の20mm×5mm面に鏡面研磨を行い、SEM(1,000倍、加速電圧は10kV)の視野にて観察した皮膜断面を、前記の空隙率の測定と同様の方法で画像処理し、気孔率を算出した。
(エッチングレートの測定)
 上述の方法によって溶射膜を形成した20mm角(厚み5mm)アルミニウム合金板における該皮膜の半分にカプトンテープを貼り、エッチング装置(SAMCO社製RIE-10NR)のチャンバーに皮膜が上を向いた状態で戴置してプラズマエッチングを行った。プラズマエッチング条件は以下のとおりにした。
 エッチングレートの測定は、プラズマ暴露面と、プラズマ照射後テープをはがした非暴露面の段差を前述の表面粗さ測定によって計測した。測定点は皮膜1枚につき3点とし、3点の平均値を求めた。
<プラズマエッチング条件>・雰囲気ガス:CF/O/Ar=40/20/40(cc/min)・高周波電力:RF 300W・圧力:5Pa・エッチング時間:5時間
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 
(異相を含むとは、REFに溶射による変質物が存在することを意味する。)
 表2において、各実施例の溶射膜は各比較例に比して概ね表面粗さが小さい。また各実施例の溶射膜は、各比較例に比して気孔率が小さく、且つ、エッチングレートが低い。よって、各実施例の成膜用材料が成膜されて形成した膜は、各比較例で得られた膜に比べて緻密でプラズマエッチングに対する耐食性に優れることが分かる。
 本発明によれば、緻密でプラズマエッチングに対して優れた耐食性を有する皮膜を製造可能な成膜用材料が提供される。

Claims (11)

  1.  X線回折測定において希土類フッ化物(REF)と希土類オキシフッ化物(RE-O-F)が観察され、RE-O-Fの結晶子サイズ(SRE-O-F)に対するREFの結晶子サイズ(SREF3)の比(SREF3/SRE-O-F)が0.90以上1.35以下である成膜用材料。
  2.  REFとRE-O-Fのそれぞれの結晶子サイズが40nm以上100nm以下である請求項1に記載の成膜用材料。
  3.  走査型電子顕微鏡(SEM)において観察される一次粒子の平均粒子径が0.1μm以上1.0μm以下である請求項1又は2に記載の成膜用材料。
  4.  顆粒の形態である、請求項1又は2に記載の成膜用材料。
  5.  SEMにおいて観察される顆粒内部断面中の空隙率が10%以上35%以下である請求項4に記載の成膜用材料。
  6.  SEMインデンターで測定した解砕圧力が25kPa以上130kPa以下である請求項4に記載の成膜用材料。
  7.  顆粒の平均粒子径が10μm以上60μm以下である請求項4に記載の成膜用材料。
  8.  嵩密度が1.3g/cm以上の顆粒である請求項1又は2に記載の成膜用材料。
  9.  酸素含有量が1質量%以上9質量%以下である請求項1又は2に記載の成膜用材料。
  10.  前記希土類元素(RE)が、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、エルビウム(Er)及びイッテルビウム(Yb)から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の成膜用材料。
  11.  請求項1又は2に記載の成膜用材料を溶射法又はPVD法によって成膜する、皮膜の製造方法。
     
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