WO2024019142A1 - 弾性波装置、通信装置、および製造方法 - Google Patents

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Abstract

IDT電極が微細なため、マイグレーションに対する耐電力性を向上する必要がある。圧電体層と、圧電体層の上に設けられた電極と、電極の側面の少なくとも一部を覆い、酸素および窒素以外の圧電体層を構成する元素を含むカバー部と、を有する。

Description

弾性波装置、通信装置、および製造方法
 本開示は弾性波装置に関する。
 弾性波装置では、圧電基板上に、IDT電極をアルミニウム膜によって形成している。
日本国特開2003-078384号公報
 本開示の一態様によれば、圧電体層と、前記圧電体層の上に設けられた電極と、前記電極の側面の少なくとも一部を覆うカバー部と、を有し、前記カバー部は、前記圧電体層を構成する酸素および窒素以外の元素を含む。
 本開示の別の態様によれば、圧電体層を形成するステップと、前記圧電体層の上に設けられた電極を形成するステップと、前記圧電体層と前記電極とをドライエッチングするステップと、を含む。
実施形態1に係る弾性波装置の断面構造を示す模式図である。 比較例と実施形態1とに係る弾性波装置を並べて比較した図である。 図1に記載の弾性波装置に対して、保護膜を形成した図である。 実施形態1に係る弾性波装置の断面構造を示す一例である。 図4の一部を拡大した写真である。 図5における特定の線分上のタンタルの組成量を示すグラフである。 ドライエッチングをした場合としていない場合での、耐電力を比較した結果である。 実施形態2に係る弾性波装置の断面構造を示す模式図である。 実施形態3における通信装置の概略的な構成を例示する図である。 弾性波装置の断面構造を示す模式図である。
 IDT電極が微細なため、エレクトロマイグレーションによる耐電力性が小さいという課題があった。また、エレクトロマイグレーションによる耐電力性を向上させるために、IDT電極の側面を覆うカバー部を形成する工程を追加する場合、製造プロセスに複数の工程を追加する必要があり、製造コストが上昇するという課題があった。
 〔実施形態1〕
 (板波)
 弾性波装置は、例えば、板波を励振する。または、弾性波装置は、バルク波を励振してもよい。板波は、その振動面が板表面に対して垂直であるラム波と、その振動面が板表面に対して平行であるSH波と、に分類される。ラム波は、対称モードであるSモードと、反対称モードであるAモードと、に分類される。A1モードは、1次の反対称モードに該当する。本実施形態では、A1モードラム波を用いた弾性波装置に関して記載するが、これに限定されない。例えば、厚み滑りモードのバルク波を用いた弾性波装置であってもよい。板波は、種々の波の中で、後述する圧電体層3の厚みが変化する場合、共振特性の変化が大きい。バルク波もまた、後述する圧電体層3の厚みが変化する場合、共振特性の変化が大きい。
 弾性波装置の断面構造の一例に関して説明する。図9は、弾性波装置100の断面構造を示す模式図である。弾性波装置100は、支持基板2と、多層膜6と、圧電体層3と、電極4と、をこの順に重畳して構成される。
 支持基板2は、圧電体層3および電極4を支持する基板である。支持基板2はシリコンによって構成されてもよいし、サファイア、またはガラス等の種々の材料が用いられてもよい。
 多層膜6は、低音響インピーダンス層6aおよび高音響インピーダンス層6bが多数交互に積層された、音響反射膜である。図9においては、低音響インピーダンス層6aおよび高音響インピーダンス層6bが4層ずつ交互に積層されている。すなわち、多層膜6は、弾性波装置100の上方から伝播してきたラム波を、低音響インピーダンス層6aおよび高音響インピーダンス層6bの界面で反射することになる。また、低音響インピーダンス層6aは、SiO2を含んでいてもよい。高音響インピーダンス層6bは、HfO、Ta、およびZrOの少なくとも1つを含んでいてもよく、例えばHfOである。多層膜6はなくてもよい。
 圧電体層3は、比較的薄く形成されている。圧電体層3の厚みWは、後述する電極4のピッチによって定まる、電極4が励振する板波の1波長以下であってもよい。圧電体層3としては、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、または水晶である。また、圧電体層3は、これらに限定されず種々の圧電材料が用いられてもよい。以降の説明では、圧電体層3は、タンタル酸リチウムとして説明する。
 電極4は、櫛歯状のIDT(interdigital transducer)電極、すなわち多数の電極指が形成されている。また、電極4が形成されていない部分においては、圧電体層3が露出している。IDT電極のピッチによって、圧電体層3が励振する板波の波長は決定される。電極4は、アルミニウム、銅、またはこれらを用いた合金である。
 また、圧電体層3は、電極4に交流が印加されることによって、圧電体層3に板波が励振するように構成されてもいる。
 (比較例の構成)
 比較例に係る弾性波装置100では、図9に示すように、圧電体層3の表面と、圧電体層3および電極4の界面と、はほぼ一致する。すなわち、圧電体層3の上に、電極4が形成され、その後、エッチング等は行われていない。
 (周波数特性の調整方法の概要)
 比較例の弾性波装置100では、支持基板2の位置に応じて、圧電体層3および/または電極4の厚みが異なっている。支持基板2は、例えばシリコンウエハである。そのため、弾性波装置100は、支持基板2の位置に応じて周波数特性が異なってくる。
 弾性波装置100の周波数特性を調整するために、圧電体層3および電極4の厚みをエッチングなどによって削って調整することができる。
 (弾性波装置1の概要)
 実施形態1に係る弾性波装置1では、事前に計測した厚みを基にして、各弾性波装置の素子ごと、または素子の部分ごとに、異なる厚みでドライエッチングする。図1は、実施形態1に係る弾性波装置1の断面構造を示す模式図である。また、図2は、比較例と実施形態1とに係る弾性波装置100および1を並べて比較した図である。
 図2に示すように、弾性波装置1では、圧電体層3と電極4が、弾性波装置100よりも薄くなっている。そのため、当該弾性波装置1は、所望の周波数特性が得られるように調整されて、周波数特性が改善している。また、図3は、実施形態1に係る弾性波装置1の断面構造を示す一例である。図3では、撮像方法として、SEM(走査電子顕微鏡)を用いた。
 特に、圧電体層3の表面と、電極4が位置した圧電体層3と電極4との界面とでは、圧電体層3の表面が露出した領域の方が薄く、その厚みの差は、50nm以下である。すなわち、圧電体層3における電極4の領域の厚みは、圧電体層3におけるその表面が露出した領域の厚みより、大きくなっており、電極4の領域の厚みと、圧電体層3の表面が露出した領域の厚みと、の差は50nm以下である。
 また、図2に示すように、ドライエッチングによって電極4の端部のエッジが削れ、符号43において、ベベリングされたことがわかる。これにより、電極4の振動によるストレスマイグレーションを低減するという効果が得られる。
 (カバー部5の形成)
 また、弾性波装置1は、電極4の側面の少なくとも一部を覆うカバー部5が形成されている。このカバー部5は、弾性波装置100には存在しない部分である。ここで、支持基板2は、圧電体層3、電極4およびカバー部5を支持する。
 カバー部5における、最も厚い部分の厚みは、3nm以上である。また、カバー部5は、第1部分51と、第1部分51より電極4の上方側に位置しており、第1部分より薄い第2部分と、を有する。すなわち、カバー部5は一様な厚さを有するのではなく、第1部分51と第2部分52とでは、カバー部5は異なる厚みである。また、電極4の上方側に行くほど薄くなってもよい。
 また、電極4の側面は、圧電体層3の表面に対して非垂直の、第1面41を有する。当該第1面は、電極4の上方側に位置する。第1面にも、カバー部5は接している。
 さらに、電極4の側面は、圧電体層3の表面の近傍に、第1面41よりも、圧電体層3の表面に対して垂直に近い、第2面42を有する。第1面と第2面とは連続している。当該第2面42にも、カバー部は接している。
 ここで、第1面41に第2部分52が含まれており、第2面42に第1部分51が含まれる。すなわち、圧電体層3の表面に対して垂直な方向と第2面42とがなす角度は、圧電体層3の表面に対して垂直な方向と第1面41とがなす角度よりも小さい。そのため、第2面42は、カバー部5の厚みが大きくなり易い。
 第1面41が、圧電体層3の表面に対して傾斜していることによって、電極4とカバー部5との接触面積は増加している。これにより、電極4の表面におけるヒロック(突出部)の形成を低減することができ、エレクトロマイグレーションに対する耐電力性を向上させる効果が得られる。また、第2面42は、圧電体層3の表面に対して垂直に近いため、カバー部5の堆積量が大きくなる。そのため、圧電体層3および電極4を覆う保護膜を作成した場合、第2面42の近傍における保護膜の被覆性が良くなり、電蝕を低減する効果が得られる。
 図3は、図1に記載の弾性波装置1に対して、保護膜7を形成した図である。保護膜7は、圧電体層3、および電極4の少なくとも一部を覆う。具体的には、保護膜7は、第1部分51を介して、電極4の下方側、すなわち電極4における、圧電体層3に近い部分を覆う。保護膜7は、SiO,SiN、SiON、AlN、ZrO、Ta、ZnO、Al、およびHfO等の種々の材料が考えられ、例えばSiO、SiN、AlN、Ta等である。
 (カバー部5の組成)
 図3に示すようにSEM画像において、圧電体層3とカバー部5との組成が類似している可能性が高い。これは、ドライエッチングによって削られた部分がリデポジションしたと考えられる。すなわち、カバー部5によって電極4がカバレッジされたと考えられる。
 次に、カバー部5の組成を詳細に分析するために、図3の写真の一部(符号8)を拡大したものが図4である。また、図4における符号9に示す線分上のタンタルの組成量を測定したものが図5である。
 図5の下側に示すように、60nmから80nmの間において、タンタルの構成量において計測値が大きくなっている。すなわち、カバー部5の当該区間において、タンタル元素が含まれることがわかる。実際に、当該区間と、それに対応した図5の上側において、濃淡が変化し、組成が変化しているであろうことから、タンタル元素を計測していると考えられる。
 圧電体層3の組成によって、電極4はカバレッジしたと考えられる。圧電体層3がタンタル酸リチウムであるとき、カバー部5を構成する元素としては、リチウムまたはタンタルを含んでもよい。圧電体層3がニオブ酸リチウムであるとき、カバー部5を構成する元素としては、リチウムまたはニオブを含んでもよい。圧電体層3が水晶であるとき、カバー部5を構成する元素としては、シリコンを含んでもよい。圧電体層3が、その他の圧電材料であるとき、カバー部5は、当該圧電材料が含む種々の元素を含んでもよい。種々の元素は、例えば金属元素である。すなわち、カバー部5は、酸素および窒素以外の圧電体層3を構成する元素を含む。本記載は、カバー部5が、圧電体層3を構成する元素のうち酸素および窒素とは別の元素を含んでいれば十分であり、カバー部5が酸素および窒素を含むことを否定するものではない。
 また、圧電体層3がタンタル酸リチウムであるとき、カバー部5はタンタル酸リチウムつまり酸化タンタルであってもよい。圧電体層3がニオブ酸リチウムであるとき、カバー部5はニオブ酸リチウムつまり酸化ニオブであってもよい。
 (耐電力の向上)
 図6は、ドライエッチングをした場合としていない場合での、耐電力を比較した結果である。すなわち、ドライエッチングをした場合は弾性波装置1を試験した場合であり、ドライエッチングをしていない場合は弾性波装置100を試験した場合である。また、試験は弾性波装置1または100の素子の破壊電力の測定と、電極4においてエレクトロマイグレーションが起こり始めるマイグレーション電力の測定の2種類で行った。
 図6に示すように、ドライエッチングを行うことで、破壊電力およびマイグレーション電力は大きくなっている。すなわち、ドライエッチングによって、耐電力が向上していることがわかる。
 これは、カバー部5が電極4をカバレッジした効果だと考えられる。すなわち、電極4を構成するアルミニウムよりも高密度な元素である、タンタルまたはニオブなどによって電極4がカバレッジされることで、エレクトロマイグレーションが起き辛くなったためである。
 また、カバー部5によって電極4がカバレッジされることによって、絶縁距離が大きくなってもいる。更に、カバー部5によって電極4がカバレッジされることによって、ヒロックが形成される可能性を低減する。
 また、第1面41および第2面42における、圧電体層3に対する傾斜角度の違いによって、カバー部5の堆積量またはカバー部5に接する面積をかせぐことができる。その結果、エレクトロマイグレーションが起こり辛くなる。
 (製造方法)
 弾性波装置1は、次の工程で製造される。まず、支持基板2の上に、圧電体層3を形成する。さらに、圧電体層3の上に、アルミニウム膜を形成し、当該アルミニウム膜をフォトレジストのマスクを用いてエッチングすることによって、電極4を形成する。
 その後、種々の厚みを計測する方法によって、圧電体層3および電極4の厚みを計測する。これは周波数特性を所望の値に合わせ込んだ弾性波装置1を得るために、どの程度エッチングすればよいかを算出するためである。
 計測した厚みから、所望の周波数特性にするためのエッチング量を求め、素子ごとに異なるエッチング量で、圧電体層3および電極4をドライエッチングして、弾性波装置1を得る。ここで、ドライエッチングによって圧電体層3から離脱した材料を電極4の側面の少なくとも一部に付着させることで、カバー部5を形成する。つまり、ドライエッチングすることで、所望の周波数特性にするために圧電体層3の厚みの調整を行うと同時に、耐電力性を向上させるカバー部5を形成することができる。そのため、所望の周波数特性を得る工程なため元から必要な必要最小限の工程であり、製造プロセスに複数の工程を追加する必要がない。
 〔実施形態2〕
 図7は、実施形態2に係る弾性波装置1aの断面構造を示す模式図である。弾性波装置1aは、弾性波装置1と異なり、電極4の一部が圧電体層3に埋め込まれている。その上で、実施形態1と同様にドライエッチングされ、その結果としてカバー部5が形成されている。
 そのため、電極4はカバー部5に加えて、埋め込まれている部分において圧電体層3によってカバレッジされている、すなわち、電極4はアルミニウムよりも高密度な元素である、タンタルまたはニオブなどによってカバレッジされている。その結果、電極4はエレクトロマイグレーションが起き辛くなっており、耐電力が向上している。
 〔実施形態3〕
 図8は、実施形態3における通信装置151の概略的な構成を例示する図である。通信装置151は、本開示の一態様に係る弾性波装置の一適用例であり、電波を利用した無線通信を行う。通信装置151は、送信フィルタ109としての1つの分波器101と、受信フィルタ111としての別の1つの分波器101とを含んでいてよい。2つの分波器101のそれぞれは、本開示の一態様に係る弾性波装置を含んでいてよい。弾性波装置としては、弾性波装置1または弾性波装置1aであってもよい。このように、通信装置151は、本開示の一態様に係る弾性波装置を含んでいてよい。
 通信装置151において、送信すべき情報を含む送信情報信号TISは、RF-IC(Radio Frequency-Integrated Circuit)153によって変調および周波数の引き上げがなされ、送信信号TSへと変換されてよい。変調および周波数の引き上げとは、搬送波周波数を有する高周波信号への変換であってもよい。バンドパスフィルタ155は、TSについて、送信用の通過帯以外の不要成分を除去してよい。次いで、不要成分除去後のTSは、増幅器157によって増幅されて、送信フィルタ109に入力されてよい。
 送信フィルタ109は、入力された送信信号TSから送信用の通過帯以外の不要成分を除去してよい。送信フィルタ109は、アンテナ端子を介して、不要成分除去後のTSをアンテナ159に出力してよい。アンテナ端子としては、例えば、上述したTCinなどであってもよい。アンテナ159は、自身に入力された電気信号であるTSを、無線信号としての電波に変換し、当該電波を通信装置151の外部に送信してよい。
 また、アンテナ159は、受信した外部からの電波を、電気信号である受信信号RSに変換し、アンテナ端子を介して当該RSを受信フィルタ111に入力してよい。受信フィルタ111は、入力されたRSから受信用の通過帯以外の不要成分を除去してよい。受信フィルタ111は、不要成分除去後の受信信号RSを増幅器161へ出力してよい。出力されたRSは、増幅器161によって増幅されてよい。バンドパスフィルタ163は、増幅後のRSについて、受信用の通過帯以外の不要成分を除去してよい。不要成分除去後のRSは、RF-IC153によって周波数の引き下げおよび復調がなされ、受信情報信号RISへと変換されてよい。
 TISおよびRISは、適宜な情報を含む低周波信号(ベースバンド信号)であってよい。例えば、TISおよびRISは、アナログ音声信号であってもよいし、あるいはデジタル化された音声信号であってよい。無線信号の通過帯は、適宜に設定されてよく、公知の各種の規格に準拠してよい。
 〔まとめ〕
 本開示の態様1に係る弾性波装置は、圧電体層と、前記圧電体層の上に設けられた電極と、前記電極の側面の少なくとも一部を覆い、酸素および窒素以外の前記圧電体層を構成する元素を含むカバー部と、を有している。
 上記の構成によれば、カバー部によって電極のエレクトロマイグレーションの恐れを低減することができ、弾性波装置の耐電力が向上する。
 本開示の態様2に係る弾性波装置は、前記態様1において、前記圧電体層が、タンタル酸リチウムを含み、前記元素はリチウムまたはタンタルであってもよい。
 本開示の態様3に係る弾性波装置は、前記態様1において、前記圧電体層が、ニオブ酸リチウムを含み、前記元素はリチウムまたはニオブであってもよい。
 本開示の態様4に係る弾性波装置は、前記態様1において、前記圧電体層が、水晶を含み、前記元素はシリコンであってもよい。
 上記の構成によれば、カバー部は、圧電体層を構成する元素の一部を含む。そのため、ドライエッチングによってリデポジションした圧電体層の構成元素が電極をカバレッジする。
 本開示の態様5に係る弾性波装置は、前記態様1または2において、前記圧電体層が、タンタル酸リチウムであり、前記カバー部は酸化タンタルを含んでもよい。
 本開示の態様6に係る弾性波装置は、前記態様1または3において、前記圧電体層が、ニオブ酸リチウムであり、前記カバー部は酸化ニオブを含んでもよい。
 上記の構成によれば、カバー部は、圧電体層を構成する元素の化合物を含む。そのため、ドライエッチングによってリデポジションした圧電体層に関係した化合物が電極をカバレッジする。
 本開示の態様7に係る弾性波装置は、前記態様1から6のいずれか1つにおいて、前記カバー部の密度は、前記電極の密度より大きくてもよい。
 上記の構成によれば、電極よりも高密度な元素で構成されたカバー部によって、電極がカバレッジされることによって、電極のエレクトロマイグレーションを防ぐことができる。
 本開示の態様8に係る弾性波装置は、前記態様1から7のいずれか1つにおいて、前記カバー部における最も厚い部分の厚みは、3nm以上であってもよい。
 上記の構成によれば、カバー部を3nm以上とすることができ、十分なカバー部の厚さで電極をカバレッジすることができる。そのため、弾性波装置の耐電力を向上させることができる。
 本開示の態様9に係る弾性波装置は、前記態様1から8のいずれか1つにおいて、前記カバー部は、第1部分と、前記第1部分より前記電極の上方側に位置しており前記第1部分より薄い第2部分と、を有してもよい。
 上記の構成によれば、カバー部は、圧電体層側に厚くすることができる。
 本開示の態様10に係る弾性波装置は、前記態様1から9のいずれか1つにおいて、前記圧電体層、および前記電極の少なくとも一部を覆う保護膜を有し、前記保護膜は、第1部分を介して、前記電極における、前記圧電体層に近い部分を覆ってもよい。
 上記の構成によれば、保護膜の電極の下方側近傍における被覆性がよくなり、電蝕を低減する効果が得られる。
 本開示の態様11に係る弾性波装置は、前記態様1から10のいずれか1つにおいて、前記電極の側面は、前記圧電体層の表面に対して非垂直の、第1面を有し、前記第1面に前記カバー部が接してもよい。
 上記の構成によれば、電極の側面は、圧電体層の表面に対して非垂直な第1面を有することができる。そのため、電極とカバー部との接触面積を大きくすることができる。
 本開示の態様12に係る弾性波装置は、前記態様11において、前記電極の側面は、前記圧電体層の表面の近傍に位置しており、第1面と連続した第2面を更に有し、前記圧電体層の表面に対して垂直な方向と前記第2面とがなす角度は、前記垂直な方向と前記第1面とがなす角度よりも小さく、前記第2面に前記カバー部が接してもよい。
 上記の構成によれば、電極の側面は、圧電体層の表面の近傍に、第1面よりも垂直に近い第2面を有することができる。そのため、第2面において、カバー部の堆積量を大きくすることができる。
 本開示の態様13に係る弾性波装置は、前記態様1から12のいずれか1つにおいて、前記圧電体層における前記電極の領域の厚みは、前記圧電体層におけるその表面が露出した領域の厚みより大きくてもよい。
 上記の構成によれば、電極が重なった領域よりも、圧電体層の表面が露出した領域の方が、圧電体層の厚みを薄くすることができる。すなわち、圧電体層も電極とまとめてドライエッチングすることができ、加工が容易である。
 本開示の態様14に係る弾性波装置は、前記態様1から13のいずれか1つにおいて、前記電極の領域の厚みと、前記圧電体層の表面が露出した領域の厚みと、の差は、50nm以下であってもよい。
 上記の構成によれば、電極が重なった領域の圧電体層の厚みと、圧電体層の表面が露出した領域の圧電体層の厚みの差を50nm以下とすることができる。
 本開示の態様15に係る弾性波装置は、前記態様1から14のいずれか1つにおいて、前記圧電体層、前記電極、および前記カバー部を支持する支持基板を更に有し、前記電極は電極指であり、前記圧電体層の厚みは、前記電極指のピッチによって定まる1波長以下であり、前記圧電体層は、板波を励振するように構成されてもよい。
 上記の構成によれば、弾性波装置として機能するように弾性波装置を構成することができる。
 本開示の態様16に係る弾性波装置は、前記態様1から14のいずれか1つにおいて、波を励振してもよい。
 本開示の態様17に係る弾性波装置は、前記態様1から14のいずれか1つにおいて、バルク波を励振してもよい。
 本開示の態様18に係る通信装置は、前記態様1から17のいずれか1つに記載の弾性波装置を備えてもよい。
 本開示の態様19に係る製造方法は、圧電体層を形成するステップと、前記圧電体層の上に電極を形成するステップと、前記圧電体層と前記電極とをドライエッチングし、当該ドライエッチングによって前記圧電体層から離脱した材料を前記電極の側面の少なくとも一部に付着させるステップと、を含む。
 〔付記事項〕
 以上、本開示に係る発明について、諸図面および実施例に基づいて説明してきた。しかし、本開示に係る発明は上述した各実施形態に限定されるものではない。すなわち、本開示に係る発明は本開示で示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示に係る発明の技術的範囲に含まれる。つまり、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。また、これらの変形または修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。
 1、100 弾性波装置
 2 支持基板
 3 圧電体層
 4 電極
 5 カバー部
 6 多層膜
 6a 低音響インピーダンス層
 6b 高音響インピーダンス層
 7 保護膜
 41 第1面
 42 第2面
 51 第1部分
 52 第2部分

Claims (19)

  1.  圧電体層と、
     前記圧電体層の上に設けられた電極と、
     前記電極の側面の少なくとも一部を覆い、酸素および窒素以外の前記圧電体層を構成する元素を含むカバー部と、を有している、弾性波装置。
  2.  前記圧電体層が、タンタル酸リチウムを含み、前記元素はリチウムまたはタンタルである、請求項1に記載の弾性波装置。
  3.  前記圧電体層が、ニオブ酸リチウムを含み、前記元素はリチウムまたはニオブである、請求項1に記載の弾性波装置。
  4.  前記圧電体層が、水晶を含み、前記元素はシリコンである、請求項1に記載の弾性波装置。
  5.  前記圧電体層が、タンタル酸リチウムであり、前記カバー部は酸化タンタルを含む、請求項1または2に記載の弾性波装置。
  6.  前記圧電体層が、ニオブ酸リチウムであり、前記カバー部は酸化ニオブを含む、請求項1または3に記載の弾性波装置。
  7.  前記カバー部の密度は、前記電極の密度より大きい、請求項1から6のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  8.  前記カバー部における最も厚い部分の厚みは、3nm以上である、請求項1から7のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  9.  前記カバー部は、第1部分と、前記第1部分より前記電極の上方側に位置しており前記第1部分より薄い第2部分と、を有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  10.  前記圧電体層、および前記電極の少なくとも一部を覆う、保護膜を有し、
     前記保護膜は、第1部分を介して、前記電極における、前記圧電体層に近い部分を覆う、請求項1から9のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  11.  前記電極の側面は、前記圧電体層の表面に対して非垂直の、第1面を有し、
     前記第1面に前記カバー部が接している、請求項1から10のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  12.  前記電極の側面は、前記圧電体層の表面の近傍に位置しており、第1面と連続した第2面を更に有し、
     前記圧電体層の表面に対して垂直な方向と前記第2面とがなす角度は、前記垂直な方向と前記第1面とがなす角度よりも小さく、
     前記第2面に前記カバー部が接している、請求項11に記載の弾性波装置。
  13.  前記圧電体層における前記電極の領域の厚みは、前記圧電体層におけるその表面が露出した領域の厚みより大きい、請求項1から12のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  14.  前記電極の領域の厚みと、前記圧電体層の表面が露出した領域の厚みと、の差は、50nm以下である、請求項1から13のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  15.  前記圧電体層、前記電極、および前記カバー部を支持する支持基板を更に有し、
     前記電極は電極指であり、
     前記圧電体層の厚みは、前記電極指のピッチによって定まる1波長以下であり、
     前記圧電体層は、板波を励振するように構成された、請求項1から14のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  16.  波を励振する、請求項1から14のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  17.  バルク波を励振する、請求項1から14のいずれか1項に記載の弾性波装置。
  18.  請求項1から15のいずれか1項に記載の弾性波装置を備えた、通信装置。
  19.  圧電体層を形成するステップと、
     前記圧電体層の上に電極を形成するステップと、
     前記圧電体層と前記電極とをドライエッチングし、当該ドライエッチングによって前記圧電体層から離脱した材料を前記電極の側面の少なくとも一部に付着させるステップと、を含む製造方法。
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