WO2023243662A1 - 固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

複数の固体電解コンデンサ素子10が第1方向Tに沿って配置された重畳体11と、上記重畳体11の周囲に設けられた封止樹脂20とを含み、上記第1方向Tと直交する第2方向Lにおいて対向する第1面110e及び第2面110fを有する素体110と、上記第1面110eに形成された第1外部電極120と、上記第2面110fに形成された第2外部電極130と、を備え、上記複数の固体電解コンデンサ素子10は、各々、金属基体層40a及び上記金属基体層40a上の多孔質層40bを有する陽極40と、上記多孔質層40bの表面上に設けられた誘電体層41と、上記誘電体層41上に設けられた陰極43とを含み、上記陰極43は、上記第1面110eにおいて上記第1外部電極120と電気的に接続されており、上記陽極40は、上記第2面110fにおいて上記第2外部電極130と電気的に接続されており、隣り合う少なくとも一組の固体電解コンデンサ素子10の陰極43の中央部43aで挟まれた領域R1が、上記封止樹脂20で充填されている、固体電解コンデンサ100。

Description

固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法
 本発明は、固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法に関する。
 特許文献1には、内部において複数のコンデンサ素子を積み重ねて一体化した電解コンデンサが記載されている(例えば、段落[0062]、図10参照)。
 また、特許文献2にも、隣接するコンデンサ素子間に導電性接着剤を配置し、複数の素子を一体化した電解コンデンサが記載されている(例えば、段落[0042]、[0060]、図2参照)
特開2019-083237号 国際公開第2020/179170号
 しかしながら、特許文献1、2に記載された電解コンデンサにおいては、複数枚のコンデンサ素子間、特に陰極の中央部で挟まれた領域に接着剤等の熱硬化性樹脂や粘着物を配置し、積層方向に圧力と熱を加えることで圧着し、一体化した積層素子ブロック体を形成していた。その際に、アルミニウム箔や導電性高分子等で形成された素子にストレスを与え、特に誘電体層である酸化被膜部にクラック等の欠陥を生じさせ、ショート不良や漏れ電流不良につながるおそれがあった。
 本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、製造時に固体電解コンデンサ素子に欠陥が発生するのを抑制することが可能な固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
 本発明の固体電解コンデンサは、複数の固体電解コンデンサ素子が第1方向に沿って配置された重畳体と、上記重畳体の周囲に設けられた封止樹脂とを含み、上記第1方向と直交する第2方向において対向する第1面及び第2面を有する素体と、上記第1面に形成された第1外部電極と、上記第2面に形成された第2外部電極と、を備え、上記複数の固体電解コンデンサ素子は、各々、金属基体層及び上記金属基体層上の多孔質層を有する陽極と、上記多孔質層の表面上に設けられた誘電体層と、上記誘電体層上に設けられた陰極とを含み、上記陰極は、上記第1面において上記第1外部電極と電気的に接続されており、上記陽極は、上記第2面において上記第2外部電極と電気的に接続されており、隣り合う少なくとも一組の固体電解コンデンサ素子の陰極の中央部で挟まれた領域が、上記封止樹脂で充填されている。
 本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、複数の固体電解コンデンサ素子を準備する工程と、上記複数の固体電解コンデンサ素子を重畳した重畳体を準備する工程と、封止樹脂により上記重畳体を封止する工程と、を備え、上記重畳体を準備する工程では、隣り合う固体電解コンデンサ素子の間に隙間を空けて上記複数の固体電解コンデンサ素子を重畳し、上記封止樹脂により上記重畳体を封止する工程では、樹脂材料を含む液状材料により上記重畳体の周囲及び上記隙間を埋めて、上記液状材料を硬化させる。
 本発明によれば、製造時に固体電解コンデンサ素子に欠陥が発生するのを抑制することが可能な固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法を提供することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示す固体電解コンデンサのX-X線に沿った断面図である。 図3は、図1に示す固体電解コンデンサのY-Y線に沿った断面図である。 図4は、図1に示す固体電解コンデンサが備える固体電解コンデンサ素子の一例を模式的に示す平面図である。 図5は、図4に示す固体電解コンデンサ素子のA-A線に沿った断面図である。 図6は、図5に示す固体電解コンデンサ素子のマスク層部分を拡大した断面図である。 図7Aは、隣り合う固体電解コンデンサ素子の陰極の中央部が実質的に同じ位置に存在する状態を示す模式図である。図7Bは、隣り合う固体電解コンデンサ素子の陰極の中央部が互いに異なる位置に存在する状態を示す模式図である。 図8は、本発明の他の実施形態に係る固体電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図であり、図2に示す断面図に対応する。 図9は、本発明のさらに他の実施形態に係る固体電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図であり、図2に示す断面図に対応する。 図10は、本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法で使用する封止樹脂の第1部分の一例を模式的に示す斜視図であり、一部の貫通孔を透視した状態を示す。 図11は、本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法で使用するワークの一例を模式的に示す平面図である。 図12は、複数の固体電解コンデンサ素子が高さ方向に沿って配置された重畳体を準備する工程の一例を模式的に示す図である。 図13は、粘着性シートを封止樹脂の第1部分に貼り付ける工程の一例を模式的に示す図である。 図14は、粘着性シート上に導電性ペーストを供給する工程の一例を模式的に示す図である。 図15Aは、重畳体を貫通孔内に挿入する工程の一例を模式的に示す図である。図15Bは、各素子の先端部を導電性ペースト内に埋め込む工程の一例を模式的に示す図である。図15Cは、貫通孔内に挿入された各素子の周囲に液状材料を充填する工程の一例を模式的に示す図である。 図16は、貫通孔の周囲において封止樹脂の第1部分を切断する工程の一例を模式的に示す図である。
 以下、本発明の固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
 しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
[固体電解コンデンサ]
 図1は、本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの一例を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示す固体電解コンデンサのX-X線に沿った断面図である。図3は、図1に示す固体電解コンデンサのY-Y線に沿った断面図である。
 なお、図2及び図3では、固体電解コンデンサ素子10の誘電体層41の図示は省略している。また、図3では、固体電解コンデンサ素子10の陰極43の積層構造の図示は省略している。
 また、図1~図3においては、固体電解コンデンサ100及び素体110の長さ方向をL、幅方向をW、高さ方向をTで示している。ここで、長さ方向Lと幅方向Wと高さ方向Tとは互いに直交している。また、高さ方向Tは、本発明の電子部品における第1方向の一例であり、長さ方向Lは、本発明の電子部品における第2方向の一例である。なお、幅方向Wは、本発明の電子部品において、第1方向及び第2方向と直交する第3方向の一例となり得る。
 固体電解コンデンサ100は、図1~図3に示すように、略直方体状の外形を有している。固体電解コンデンサ100は、素体110と、第1外部電極120と、第2外部電極130と、を備える。
 素体110は、複数の固体電解コンデンサ素子10(以下、単に「素子10」と略記する場合がある)を備え、複数の素子10が高さ方向Tに沿って配置された重畳体(コンデンサ素子集合体)11を備える。複数の素子10は、互いに重なり合うように配置されることによって重畳体11を形成している。さらに、素体110は、重畳体11の周囲に設けられた封止樹脂(外装体)20と、集電電極13と、金属層(コンタクト層)15と、を備える。
 なお、重畳体11に含まれる素子10の数は、2以上であれば特に限定されず、適宜設定可能である。
 素体110は、略直方体状の外形を有している。素体110は、高さ方向Tにおいて対向する第1主面110a及び第2主面110b、高さ方向Tに直交する幅方向Wにおいて対向する第1側面110c及び第2側面110d、並びに、高さ方向T及び幅方向Wに直交する長さ方向Lにおいて対向する第1端面110e及び第2端面110fを有している。ここで、素体110の第1端面110eは、本発明の固体電解コンデンサにおける素体の第1面の一例であり、素体110の第2端面110fは、本発明の固体電解コンデンサにおける素体の第2面の一例である。
 上記のように素体110は、略直方体状の外形を有しているが、角部及び稜線部に丸みが付けられていてもよい。角部は、素体110の3面が交わる部分であり、稜線部は、素体110の2面が交わる部分である。
 第1外部電極120は、素体110の第1端面110eに形成されており、第2外部電極130は、素体110の第2端面110fに形成されている。
 複数の素子10は高さ方向Tに重ねて配置されている。複数の素子10の各々の延在方向は、素体110の第1主面110a及び第2主面110bと略平行となっている。
 図4は、図1に示す固体電解コンデンサが備える固体電解コンデンサ素子の一例を模式的に示す平面図である。図5は、図4に示す固体電解コンデンサ素子のA-A線に沿った断面図である。図6は、図5に示す固体電解コンデンサ素子のマスク層部分を拡大した断面図である。
 なお、図4及び図5では、固体電解コンデンサ素子10の誘電体層41の図示は省略している。
 図4~図6に示すように、各素子10は、略平板状の電子部品素子であり、金属基体層40a及び金属基体層40a上の多孔質層40bを有する平面視四角形状の薄膜(箔)である陽極40と、多孔質層40bの表面上に設けられた誘電体層41と、陽極40の陽極端子領域と陰極形成領域とを区画するマスク層42と、誘電体層41上に設けられた陰極43と、を備える。各素子10において、陰極43は、誘電体層41を介して陽極40と対向している。
 なお、本明細書にて、「平面視」とは、陽極の主面の法線方向から見ることを意味する。
 図2に示したように、各陰極43は、素体110の第1端面110eにおいて集電電極13を介して第1外部電極120と電気的に接続されており、各陽極40は、素体110の第2端面110fにおいて金属層15を介して第2外部電極130と電気的に接続されている。
 そして、図2~図4に示すように、隣り合う各組の素子10の陰極43(すなわち隣り合う2つの陰極43)の中央部43aで挟まれた領域R1が、封止樹脂20で充填されている。換言すると、隣り合う各組の素子10の層間は、当該2つの陰極43の中央部43aと重なる領域において、封止樹脂20で充填されている。
 このように、領域R1を封止樹脂20で充填することによって、後述する固体電解コンデンサの製造方法で説明するように、重ね合わせた複数の素子10を熱プレス等により一体化することなく、固体電解コンデンサ100を製造できるため、素子10に与えるストレスが小さく、素子10を構成する部材、特に誘電体層41に欠陥が生じるのを抑制することができる。その結果、ショート不良や漏れ電流不良を低減でき、信頼性の高い固体電解コンデンサを実現できる。
 なお、ここで、「固体電解コンデンサ素子の陰極の中央部」とは、図4に示すように、高さ方向Tから見たとき(素子10の主面をその法線方向から見たとき)の陰極43の中心部に相当し、例えば、高さ方向Tから見た状態において陰極43の四隅を通る2本の対角線(図4中の一点鎖線)の交点が存在する部分であってもよい。
 図7Aは、隣り合う固体電解コンデンサ素子の陰極の中央部が実質的に同じ位置に存在する状態を示す模式図である。図7Bは、隣り合う固体電解コンデンサ素子の陰極の中央部が互いに異なる位置に存在する状態を示す模式図である。
 隣り合う素子10のうち、一方の陰極43の中央部43a1と、他方の陰極43の中央部43a2とは、高さ方向Tから見たときに、実質的に同じ位置に存在してもよいし(図7A参照)、互いに異なる位置に存在してもよい(図7B参照)。後者の場合、隣り合う素子10の2つの陰極43の中央部43aで挟まれた領域R1は、高さ方向Tから見たときに2つの中央部43a1及び43a2を含む領域(例えば円形の領域)であってもよい。
 さらに、高さ方向Tから見たときの領域R1の面積は特に限定されず、適宜設定可能であるが、高さ方向Tから見たときに2つの陰極43が重なり合う領域の面積の10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。
 より具体的には、図2に示したように、隣り合う2つの陰極43の中央部43aで挟まれた領域R1から、それらの陰極43の第2端面110f側の端部43bで挟まれた領域R2に至る領域が、封止樹脂20で充填されていることが好ましい。すなわち、隣り合う各組の素子10の層間は、当該2つの陰極43の中央部43aと重なる領域から、それらの陰極43の端部43bと重なる領域に至るまで、封止樹脂20で充填されていることが好ましい。
 また、図2に示したように、集電電極13が存在する領域を除いて、各組の素子10の2つの陰極43で挟まれた領域全体が、封止樹脂20で充填されていることが好ましい。すなわち、2つの陰極43で挟まれた領域のうち、集電電極13が存在する領域を除いた他の領域全体が、封止樹脂20で充填されていることが好ましい。
 このように、ここでは、隣り合う2つの陰極43の中央部43aで挟まれた領域R1から、それらの陰極43の第1端面110e側の端部で挟まれた領域に至る領域(ただし、集電電極13の間際まで)が、封止樹脂20で充填されている。すなわち、隣り合う各組の素子10の層間は、当該2つの陰極43の中央部43aと重なる領域から、それらの陰極43の第1端面110e側の端部と重なる領域に至るまで(ただし、集電電極13の間際まで)、封止樹脂20で充填されている。また、封止樹脂20は、各素子10の周囲に、すなわち、隣り合う素子10の間と、重畳体11の周囲とに設けられている。
 固体電解コンデンサ100における各構成について以下に詳しく説明する。まず、各素子10の各構成について説明する。
 図4に示すように、陽極40は、弁作用金属から構成された、4つの辺を有する平面視四角形状の薄膜(箔)であり、好ましくは、一対の長辺及び一対の短辺を有する平面視矩形状(短冊状)である。図2に示したように、陽極40は、素体110の第1端面110e及び第2端面110fの間に延設されている。
 陽極40は、図6に示したように、金属基体層40aと、複数の凹部が設けられた多孔質層40bとを有している。そのため、陽極40の各主面は、多孔質状になっている。これにより、陽極40の表面積が大きくなっている。なお、陽極40の両主面が多孔質状(多孔質層40b)である場合に限られず、陽極40の両主面の一方のみが多孔質状(多孔質層40b)であってもよい。
 金属基体層40aは、陽極40の芯金部であり、図5に示したように、その厚みは略一定である。
 陽極40は、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム等の金属単体、又は、これらの金属を含む合金等の弁作用金属によって構成されている。弁作用金属の表面には、酸化被膜を形成することができる。
 なお、陽極40は、金属基体層40aと、金属基体層40aの少なくとも一方の主面上に設けられた多孔質層40bとによって構成されていればよく、金属箔の表面をエッチングしたもの、金属箔の表面に多孔質状の微粉焼結体を形成したもの等を適宜採用することができる。
 誘電体層41は、ここでは、陽極40の多孔質層40bの表面上に設けられている(図6参照)。すなわち、誘電体層41は、金属基体層40aの一方の端面40a1(図5参照)を除いて陽極40上の全体に設けられている。
 ただし、誘電体層41は、少なくとも端面40a1を除いて陽極40の両主面の少なくとも一方上に設けられていればよい。
 誘電体層41は、陽極40の多孔質層40bの表面に設けられた酸化被膜によって構成されていることが好ましい。例えば、誘電体層41は、アルミニウムの酸化物で構成されている。アルミニウムの酸化物は、後述するように、弁作用金属基体の表面が陽極酸化処理されることにより形成される。
 陰極43は、図4~図6に示したように、誘電体層41上に設けられた固体電解質層44と、固体電解質層44上に設けられた導電層45と、を有している。また、陰極43は、マスク層42よりも第1外部電極120側において誘電体層41上に設けられている。
 固体電解質層44は、誘電体層41上に設けられている。図6に示したように、固体電解質層44は、陽極40の多孔質層40bの複数の細孔(凹部)を充填するように設けられていることが好ましい。ただし、固体電解質層44によって誘電体層41の外表面の一部が覆われていればよく、固体電解質層44によって充填されていない陽極40の多孔質層40bの細孔(凹部)が存在していてもよい。
 固体電解質層44は、マスク層42よりも第1外部電極120側において誘電体層41上に設けられている。ここでは、固体電解質層44は、マスク層42と接触しているが、マスク層42の手前まで配置されていてもよい。
 導電層45は、図5に示したように、固体電解質層44上に設けられている。導電層45は、固体電解質層44の略全域を覆っている。ここでは、導電層45は、マスク層42の手前まで配置されているが、マスク層42に接触していてもよい。導電層45は、略一定の厚さを有している。
 導電層45は、例えば、カーボン層45aの外表面に陰極導体層45bが設けられた複合層である。なお、導電層45は、カーボン層45a又は陰極導体層45bの一方のみを含むものや、カーボン及び陰極導体層材料を含む混合層であってもよい。
 図4に示すように、マスク層42は、陽極40の第2外部電極130側の辺40c(好ましくは短辺)に沿って誘電体層41上に設けられた部材であり、陽極40と陰極43とを隔て、両者間の絶縁を確保している。マスク層42は、陽極40の辺40cに沿って直線状に設けられている(帯状に延在している)。
 なお、ここでは、マスク層42は、陽極40の周囲を取り囲むように環状(例えば四角リング状)に設けられているが、陽極40の少なくとも一方の主面(ただし誘電体層41が設けられた主面)上に設けられていればよい。
 また、ここでは、図2に示すように、隣り合うマスク層42の間に封止樹脂20(後述する封止樹脂20の第2部分22)が介在しているが、隣り合うマスク層42は互いに接触していてもよく、隣り合うマスク層42の間には封止樹脂20(第2部分22)が介在していなくてもよい。
 さらに、ここでは、図4に示すように、マスク層42は、陽極40の辺40cの際まで配置されているが、辺40cから所定の間隔を空けて配置されていてもよい。
 図2及び図3に示したように、封止樹脂(外装体)20は、複数の素子10を封止している。すなわち、封止樹脂20には、複数の素子10の重畳体11が埋設されている。また、封止樹脂20は、集電電極13を封止している。そして、封止樹脂20は、第1樹脂材料を含む第1部分21と、第2樹脂材料を含む第2部分22と、を有している。
 第1部分21は、貫通孔23を有する管構造(例えば四角管構造)であり、貫通孔23内に複数の素子10(重畳体11)を収納している。第2部分22は、複数の素子10(重畳体11)の収納された貫通孔23内に存在している。
 なお、ここで、「四角管構造」とは、管構造の外周面が4つの平面を含む構造であって、4つの平面のうちの隣り合う2つの面がいずれも互いに交差(好ましくは直交)する構造であり、貫通孔23の形状は、特に限定されない。
 第2部分22は、複数の素子10(重畳体11)の収納された貫通孔23内に充填されている。すなわち、第2部分22は、第1部分21の内側であって複数の素子10(重畳体11)の周囲に充填されている。
 なお、ここで、第2部分22が複数の素子10(重畳体11)の収納された貫通孔23内に充填された状態とは、第2部分22が、第1部分21の内側であって複数の素子10(重畳体11)の周囲の空間を完全に満たしていてもよいし、完全には満たしていなくてもよい。後者の場合、例えば、第2部分22に気泡がわずかに残っていてもよいし、第2部分22と第1部分21との間に隙間がわずかに残っていてもよいし、第2部分22と少なくとも1つの素子10との間に隙間がわずかに残っていてもよい。
 第1樹脂材料は、第2樹脂材料と同じ材料であってもよいが、第2樹脂材料と異なる材料であることが好ましい。
 第1部分21の第1樹脂材料としては、射出成型可能な樹脂が好適であり、具体的には、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、LCP(液晶ポリマー)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ポリイミド、ポリアミド等の熱可塑性樹脂が好適である。第1樹脂材料は、強化材として、シリカ粒子、アルミナ粒子、金属粒子等のフィラーや、セラミック繊維等の繊維を含んでいてもよい。
 第2部分22の第2樹脂材料としては、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が好適である。第2樹脂材料は、強化材として、シリカ粒子、アルミナ粒子、金属粒子等のフィラーや、セラミック繊維等の繊維を含んでいてもよい。
 図2に示したように、集電電極13は、複数の素子10の複数の陰極43と電気的に接続されている。集電電極13は、素体110の第1端面110eに露出しており、少なくとも素体110の第1端面110e側の部分に設けられている。また、集電電極13は、第1端面110eから奥まった位置に厚みを持った形状で形成されている。
 そして、図2に示したように、各陰極43の少なくとも第1外部電極120側の部分が集電電極13内に埋め込まれており、これにより、各陰極43と集電電極13との間の電気的接続が確保されている。
 なお、各陰極43は、少なくとも第1外部電極120側の部分が集電電極13内に埋め込まれていればよく、集電電極13の第2外部電極130側の端面の位置は、陰極43が設けられた範囲内であれば特に限定されないが、ショート防止の観点からは、陰極導体層45bが設けられた範囲内であることが好ましい。また、集電電極13の材料の使用量を削減する観点からは、集電電極13は、素体110の第1端面110e近傍だけに設けられてもよい。より具体的には、長さ方向Lにおける陰極43の全長をLcとしたときに、集電電極13の第2外部電極130側の端面は、陰極43の第1外部電極120側の先端から0.2×Lc(好ましくは0.1×Lc、より好ましくは0.05×Lc)だけ離れた地点を超えなくてもよい。
 集電電極13は、導電成分(導電材料)及び樹脂成分(樹脂材料)の複合材料である。導電成分は、銀、銅、ニッケル、錫等の金属単体、又は、これらの金属の少なくとも1種を含有する合金等を主成分として含むことが好ましい。樹脂成分は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を主成分として含むことが好ましい。集電電極13は、例えば、銀ペースト等の導電性ペーストを用いて形成可能である。
 図2に示したように、金属層15は、少なくとも各陽極40の第2外部電極130側の端面上に設けられており、これにより、各陽極40と第2外部電極130との間の電気的接続をより確実にしている。
 金属層15は、素体110の第2端面110fにエアロゾルデポジション法により金属微粒子(例えば、Cuの微粒子)を噴出して衝突させ、各陽極40の端面上に金属微粒子を堆積させることによって形成される。
 図2に示したように、第1外部電極120は、素体110の第1端面110eに設けられている。図1では、第1外部電極120は、素体110の第1端面110eから、第1主面110a、第2主面110b、第1側面110c及び第2側面110dの各々に亘って設けられている。第1外部電極120は、第1端面110eにおいて素体110から露出した集電電極13と電気的に接続されている。すなわち、第1外部電極120は、集電電極13を介して各陰極43と電気的に接続されている。
 また、集電電極13は、複数の素子10(重畳体11)の収納された貫通孔23内に存在しており、集電電極13及び封止樹脂20の第1部分21が素体110の第1端面110eを形成しているため、第1外部電極120は、この第1端面110e上に形成することができる。したがって、第1外部電極120と集電電極13との電気的接続が容易であり、かつ、第1外部電極120を薄い厚みで形成することが可能となる。
 具体的には、第1外部電極120は、スパッタ法により形成される、いわゆるスパッタ膜を有していてもよい。スパッタ膜の材質としては、例えば、Ni、Sn、Ag、Cu、Ag等が挙げられる。
 また、第1外部電極120は、蒸着法により形成される、いわゆる蒸着膜を有していてもよい。蒸着膜の材質としては、例えば、Ni、Sn、Ag、Cu等が挙げられる。
 このように、第1外部電極120は、スパッタ膜及び/又は蒸着膜から形成可能であることから、第1外部電極120の膜厚は、第2外部電極130の膜厚に比べて薄くてもよい。具体的には、第1外部電極120の膜厚は、1μm以上、100μm以下であることが好ましく、5μm以上、50μm以下であることがより好ましく、10μm以上、30μm以下であることがさらに好ましい。
 図2に示したように、第2外部電極130は、素体110の第2端面110fに設けられている。図1では、第2外部電極130は、素体110の第2端面110fから、第1主面110a、第2主面110b、第1側面110c及び第2側面110dの各々に亘って設けられている。第2外部電極130は、第2端面110fにおいて素体110から露出する金属層15と電気的に接続されている。すなわち、第2外部電極130は、金属層15を介して各陰極43と電気的に接続されている。なお、第2外部電極130は、素体110の第2端面110fにおいて陽極40と直接的に接続されてもよい。
 第1外部電極120及び第2外部電極130の少なくとも一方は、導電成分と樹脂成分とを含む樹脂電極層を有していてもよい。導電成分は、銀、銅、ニッケル、錫等の金属単体、又は、これらの金属の少なくとも1種を含有する合金等を主成分として含むことが好ましい。樹脂成分は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等を主成分として含むことが好ましい。樹脂電極層は、例えば、銀ペースト等の導電性ペーストを用いて形成可能である。
 第1外部電極120及び第2外部電極130の少なくとも一方は、めっき法により形成される、いわゆるめっき層を有していてもよい。めっき層としては、例えば、亜鉛・銀・ニッケル層、銀・ニッケル層、ニッケル層、亜鉛・ニッケル・金層、ニッケル・金層、亜鉛・ニッケル・銅層、ニッケル・銅層等が挙げられる。これらのめっき層上には、例えば、銅めっき層と、ニッケルめっき層と、錫めっき層とが順に(あるいは、一部のめっき層を除いて)設けられることが好ましい。
 第1外部電極120及び第2外部電極130の少なくとも一方は、樹脂電極層及びめっき層をともに有していてもよい。例えば、第1外部電極120は、集電電極13に接続された樹脂電極層と、樹脂電極層の表面上に設けられた外層めっき層と、を有していてもよい。また、第1外部電極120は、集電電極13に接続された内層めっき層と、内層めっき層を覆うように設けられた樹脂電極層と、樹脂電極層の表面上に設けられた外層めっき層と、を有していてもよい。また、第2外部電極130は、陽極40に接続された樹脂電極層と、樹脂電極層の表面上に設けられた外層めっき層と、を有していてもよい。また、第2外部電極130は、陽極40に接続された内層めっき層と、内層めっき層を覆うように設けられた樹脂電極層と、樹脂電極層の表面上に設けられた外層めっき層と、を有していてもよい。
 図8は、本発明の他の実施形態に係る固体電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図であり、図2に示す断面図に対応する。
 図8に示す固体電解コンデンサ100Aは、以下の点で図2に示した固体電解コンデンサ100と異なっている。すなわち、固体電解コンデンサ100Aは、集電電極13を備えておらず、各素子10の陰極43が素体110の第1端面110e(陰極端面)において第1外部電極120と直接接続されている(接触している)。
 そして、各組の素子10の2つの陰極43で挟まれた領域全体が、封止樹脂20で充填されている。この場合も、図2に示した固体電解コンデンサ100と同様の効果を奏することができる。
 図9は、本発明のさらに他の実施形態に係る固体電解コンデンサの一例を模式的に示す断面図であり、図2に示す断面図に対応する。
 図9に示す固体電解コンデンサ100Bは、以下の点で図2に示した固体電解コンデンサ100と異なっている。すなわち、固体電解コンデンサ100Bは、封止樹脂20の第1部分21を備えておらず、封止樹脂20が第2樹脂材料を含む第2部分22のみから構成されている。
 この場合も、図2に示した固体電解コンデンサ100と同様の効果を奏することができる。
[固体電解コンデンサの製造方法]
 以下、本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
 本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法は、複数の固体電解コンデンサ素子を準備する工程と、上記複数の固体電解コンデンサ素子を重畳した重畳体を準備する工程と、封止樹脂により上記重畳体を封止する工程と、を備える。
 そして、上記重畳体を準備する工程では、隣り合う固体電解コンデンサ素子の間に隙間を空けて上記複数の固体電解コンデンサ素子を重畳し、上記封止樹脂により上記重畳体を封止する工程では、樹脂材料(上述の第2樹脂材料に相当)を含む液状材料により上記重畳体の周囲及び上記隙間を埋めて、上記液状材料を硬化させる。そのため、固体電解コンデンサ素子に与えるストレスが小さく、固体電解コンデンサ素子を構成する部材、特に誘電体層に欠陥が生じるのを抑制することができる。その結果、ショート不良や漏れ電流不良を低減でき、信頼性の高い固体電解コンデンサを実現できる。
 上記封止樹脂により上記重畳体を封止する工程は、樹脂材料(上述の第1樹脂材料に相当)を含み、貫通孔を有する上記封止樹脂の第1部分を準備する工程と、上記貫通孔内に上記重畳体を挿入する工程と、上記隙間と、上記貫通孔内に挿入された上記重畳体及び上記第1部分の間の隙間とに上記液状材料を充填する工程と、充填された上記液状材料を硬化させて上記封止樹脂の第2部分とする工程と、を含むことが好ましい。
 前記封止樹脂により前記重畳体を封止する工程は、上記液状材料を充填する工程の前に、上記貫通孔の一方の開口を閉じるように粘着性シートを上記第1部分に貼り付ける工程をさらに含むことが好ましい。
 本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法は、上記液状材料を硬化する工程の後に、上記貫通孔の周囲において上記第1部分を切断する工程をさらに備えることが好ましい。
 硬化前の上記液状材料は、25℃で100Pa・s以下の粘度であることが好ましい。
 以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法についてより詳細に説明する。
 固体電解コンデンサ100は、以下の方法により製造することができる。以下の例では、大判の弁作用金属基体を用いて、複数の固体電解コンデンサ素子を同時に製造する方法について説明する。
 図10は、本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法で使用する封止樹脂の第1部分の一例を模式的に示す斜視図であり、一部の貫通孔を透視した状態を示す。
 まず、図10に示すように、上述の第1樹脂材料を含み、複数の貫通孔223を有する封止樹脂220の第1部分221(封止樹脂20の第1部分21となる部材)を準備する。第1部分221は、所定の厚さを有する平面視長方形状の平らな板材に、貫通孔223が縦横にそれぞれ複数ずつ設けられた部材である。各貫通孔223は、第1部分221の主面に対して直交する方向に設けられており、その両端部は開放されている。第1部分221は射出成型により作成できる。第1部分221に使用する第1樹脂材料としては、射出成型可能な樹脂が好適であり、具体的には、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、LCP(液晶ポリマー)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、ポリイミド、ポリアミド等の熱可塑性樹脂が好適である。第1樹脂材料は、強化材として、シリカ粒子、アルミナ粒子、金属粒子等のフィラーや、セラミック繊維等の繊維を含んでいてもよい。第1部分221の各貫通孔223の内側の各角部には、丸みを付ける加工(図3参照)やコーナー加工(傾斜面形成)を施してもよい。
 次に、複数の固体電解コンデンサ素子10を準備し、その後、重畳体11を準備する。
 図11は、本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法で使用するワークの一例を模式的に示す平面図である。
 まず、図11に示すように、帯状の保持部211に素子部212(複数の固体電解コンデンサ素子10)が一定間隔で短冊状に連結されたワーク210を準備する。各素子部212にはマスク層42が形成されている。
 詳細には、まず、金属基体層の表面に多孔質層を有する弁作用金属基体をレーザー加工又は打ち抜き加工等で切断することにより、複数の素子部212と保持部211とを含む形状に加工する。
 弁作用金属基体は、例えば、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ジルコニウム等の金属単体、又は、これらの金属を含む合金等の弁作用金属によって構成されている。
 なお、弁作用金属基体は、金属基体層と当該金属基体層の少なくとも一方の主面に設けられた多孔質層とによって構成されていればよく、金属箔の表面をエッチングしたもの、金属箔の表面に多孔質状の微粉焼結体を形成したもの等を適宜採用することができる。
 次に、各々の素子部212の短辺に沿うように、素子部212の両主面及び両側面にマスク層42を形成する。
 マスク層42は、例えば、絶縁性樹脂を含む組成物等のマスク材をスクリーン印刷、ローラー転写、ディスペンサ、インクジェット印刷等により塗布して形成される。絶縁性樹脂としては、例えば、ポリフェニルスルホン(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、シアン酸エステル樹脂、フッ素樹脂(テトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体等)、可溶性ポリイミドシロキサンとエポキシ樹脂からなる組成物、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、及び、それらの誘導体又は前駆体等が挙げられる。
 この後、マスク層42に親水性部材を塗布してもよいし、塗布しなくてもよい。
 次に、弁作用金属基体に陽極酸化処理を行うことにより、弁作用金属基体の表面に誘電体層となる酸化被膜を形成する。例えば、誘電体層は、アルミニウムの酸化物で構成されている。この際、レーザー加工又は打ち抜き加工等で切断された素子部212の側面にも酸化被膜が形成される。なお、すでにアルミニウムの酸化物が形成されている化成箔を弁作用金属基体として用いてもよい。この場合も、切断後の弁作用金属基体に陽極酸化処理を行うことにより、切断された素子部212の側面に酸化被膜を形成する。
 次に、素子部212の誘電体層上に固体電解質層を形成する。具体的には、素子部212を、固体電解質を含有する処理液に浸漬することにより、処理液が弁作用金属基体の多孔質部に含浸される。所定時間の浸漬後、素子部212を処理液から引き上げ、所定温度及び所定時間で乾燥させる。処理液への浸漬、引き上げ及び乾燥を所定回数繰り返すことにより、固体電解質層が形成される。
 固体電解質を含有する処理液として、例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類等の導電性高分子の分散液が用いられる。これらの中では、ポリチオフェン類が好ましく、PEDOTと呼ばれるポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。また、上記導電性高分子は、ポリスチレンスルホン酸(PSS)等のドーパントを含んでいてもよい。導電性高分子の分散液を誘電体層の外表面に付着し乾燥させることで、導電性高分子膜を形成することができる。あるいは、固体電解質を含有する処理液として、重合性モノマー、例えば3,4-エチレンジオキシチオフェン等の重合性モノマーと酸化剤との含有液が用いられてもよい。この含有液を誘電体層の外表面に付着させて、化学重合により導電性高分子膜を形成することができる。この導電性高分子膜が、固体電解質層となる。
 その後、固体電解質層の表面にカーボンペーストを塗布して乾燥させることにより、カーボン層を所定の領域に形成する。例えば、カーボンペーストに素子部212を浸漬、引き上げ及び乾燥することにより、カーボン層を形成する。カーボンペーストの塗布は、この浸漬法の他、例えば、スポンジ転写、スクリーン印刷、スプレー塗布、ディスペンサ、インクジェット印刷等により行ってもよい。なお、カーボンペーストは、導電成分としてのカーボン粒子と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成分とを含有する導電性ペーストである。
 そして、カーボン層の表面に導電性ペーストを塗布して乾燥させることにより、陰極導体層を所定の領域に形成する。例えば、導電性ペーストに素子部212を浸漬、引き上げ及び乾燥することにより、陰極導体層を形成する。導電性ペーストの塗布は、この浸漬法の他、例えば、スポンジ転写、スクリーン印刷、スプレー塗布、ディスペンサ、インクジェット印刷等により行ってもよい。なお、陰極導体層形成用の導電性ペーストとしては、例えば、導電成分としての金属粒子と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成分とを含有するものが挙げられる。金属粒子としては、例えば、金、銀、銅、白金等が挙げられる。なかでも、陰極導体層形成用の導電性ペーストとしては、導電成分として銀粒子を含有する銀ペーストが好適である。
 以上の結果、各素子部212に固体電解コンデンサ素子10が形成されたワーク210(複数の素子10)が作成される。
 ここで、上述の第1部分221には、短冊状のワーク210の素子10と同じ個数とピッチで略直方体状の貫通孔223が空いており、そのような貫通孔223の列を複数備えている。
 図12は、複数の固体電解コンデンサ素子が高さ方向に沿って配置された重畳体を準備する工程の一例を模式的に示す図である。
 続いて、図12に示すように、短冊状に複数の素子10が形成されたワーク210を複数枚準備し、複数の素子10が重なり合うように所定枚数のワーク210を束ねた状態でクランプ等の治具(図示せず)で固定する。これにより、複数の素子10が高さ方向Tに沿って配置された重畳体11が複数作成される。また、この段階では、隣り合う素子10同士を導電性接着剤等で直接固定せず、隙間が空いた構造としておく。そして、後述する封止樹脂220の第2部分222a形成時に液状材料222を流入させることで素子10間の隙間を埋める。なお、複数の重畳体11は、一列(図12の紙面に対して垂直方向に並んだ列)に配列されている。
 図13は、粘着性シートを封止樹脂の第1部分に貼り付ける工程の一例を模式的に示す図である。
 次に、封止樹脂220(第2部分222a)により重畳体11を封止する。まず、図13に示したように、各貫通孔223の第1の開口223aを閉じるように粘着性シート250(以下、単に「シート250」と略記する場合がある)を第1部分221に貼り付ける。すなわち、粘着性を有するシート250を第1部分221の片面全面に貼り付けて各貫通孔223の片側を閉じるようにする。これにより、封止後にシート250を剥離することで素体110の第1端面110eに集電電極13を容易に露出することが可能となる。
 なお、各貫通孔223は、第1の開口223a(下側の開口)が蓋をされた状態となればよく、粘着性シート250を貼り付ける代わりに、例えば、第1部分221を平らな台に配置することによって第1の開口223aに蓋をしてもよい。
 図14は、粘着性シート上に導電性ペーストを供給する工程の一例を模式的に示す図である。
 次に、図14に示したように、各貫通孔223の第1の開口223aを粘着性シート250で蓋をした状態で、各貫通孔223の第2の開口223b(上側の開口)からシート250上に導電性ペースト230を供給する。この結果、各貫通孔223内においてシート250上に導電性ペースト230が塗布される。導電性ペースト230としては、例えば、導電成分としての金属粒子と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の樹脂成分とを含有するものが挙げられる。金属粒子としては、例えば、銀、銅、ニッケル、錫等が挙げられる。なかでも、導電性ペースト230としては、導電成分として銀粒子を含有する銀ペーストが好適である。また、導電性ペースト230の供給には、例えばディスペンサ等を用いることが可能である。
 図15Aは、重畳体を貫通孔内に挿入する工程の一例を模式的に示す図である。図15Bは、各素子の先端部を導電性ペースト内に埋め込む工程の一例を模式的に示す図である。図15Cは、貫通孔内に挿入された各素子の周囲に液状材料を充填する工程の一例を模式的に示す図である。
 次に、図15Aに示すように、貫通孔223内に重畳体11を挿入する。より詳細には、固定した複数のワーク210を第1部分221に対して相対的に移動させ、同一列の貫通孔223内に、第2の開口223bから重畳体11を挿入する。
 このように、保持部211に複数の素子10が一定間隔で短冊状に連結されたワーク210を用いることによって、第1部分221への素子10の挿入を短冊単位で実施できるため、素子10を一枚ずつ、又は重畳体11を1体ずつ第1部分221へ挿入するよりも、大幅に生産性を向上することができる。
 このとき、図15Bに示すように、各素子10の先端部、すなわち、陰極43の先端部で導電性ペースト230を押し広げ、各素子10の陰極43の先端部を導電性ペースト230内に埋め込む。すなわち、全ての素子10に導電性ペースト230が接続されるようにする。
 そして、各陰極43が埋め込まれた状態で、シート250上で導電性ペースト230を例えば加熱することによって硬化させる。この結果、各素子10の陰極43の少なくとも先端部が集電電極13内に埋め込まれた状態で集電電極13が形成される(図2参照)。
 続いて、図15Cに示すように、各貫通孔223内に挿入された各素子10の周囲、すなわち隣り合う素子10の間の隙間と、重畳体11及び第1部分221の間の隙間とに液状材料222を充填する。例えば、液状材料222を各貫通孔223内にディスペンサ等により注入し、真空脱泡を行うことによって各素子10の周囲に液状材料222を充填する。この結果、集電電極13が存在する領域を除いて、隣り合う各組の素子10の2つの陰極43で挟まれた領域全体が、液状材料222で充填される。ここでは、隣り合うマスク層42の間にも液状材料222を充填しているが、隣り合うマスク層42が互いに接触している場合は、それらの間に液状材料222が充填されなくてもよい。また、注入や真空脱泡の際に加熱して液状材料222の粘度を下げてもよい。液状材料222は、上述の第2樹脂材料(ただし、硬化前の液状のもの)を含んでいる。液状の第2樹脂材料に含まれる樹脂は、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂が好適である。液状の第2樹脂材料は、強化材として、シリカ粒子、アルミナ粒子、金属粒子等のフィラーや、セラミック繊維等の繊維を含んでいてもよい。
 硬化前の液状材料222は、25℃で、100Pa・s以下の粘度であることが好ましい。100Pa・s以下の粘度であれば、真空オーブンで脱泡と加熱するだけで容易に充填可能であるため、生産性を上げることができる。硬化前の液状材料222の粘度は、25℃で、30Pa・s以下であることがより好ましく、5Pa・s以下であることがさらに好ましい。
 なお、硬化前の液状材料222の粘度の下限に制限はないが、液状材料222を充填した後から加熱硬化するまでの間に、第1部分221とシート250との隙間から液状材料222が漏れることがないように、粘度は低すぎないことが好ましい。より具体的には、硬化前の液状材料222の粘度は、25℃で、通常では0.01Pa・s以上であり、好ましくは0.1Pa・s以上であり、より好ましくは0.3Pa・s以上である。
 そして、各貫通孔223内に充填された液状材料222を硬化する。例えば、真空オーブンで液状材料222を加熱して硬化させて封止樹脂220の第2部分222a(封止樹脂20の第2部分22となる部分)とする。この結果、図2に示したように、隣り合う各組の素子10の陰極43の中央部43aで挟まれた領域R1が、封止樹脂20(第2部分222a)で充填される。ここでは、集電電極13が存在する領域を除いて、各組の素子10の2つの陰極43で挟まれた領域全体が、封止樹脂20(第2部分222a)で充填される。
 なお、液状材料222の硬化物である第2部分222aには気泡がわずかに残っていてもよい。また、第2部分222aと第1部分221との間、及び/又は、第2部分222aと少なくとも1つの素子10との間には、隙間がわずかに残っていてもよい。
 その後、他の列の貫通孔223についても、列毎に、導電性ペースト230の供給、複数の素子10(重畳体11)の挿入、導電性ペースト230の硬化、液状材料222の充填、及び液状材料222の硬化を行い、全ての貫通孔223内に複数の素子10(重畳体11)及び第2部分222aを収納する。
 続いて、液状材料222を硬化した後、第1部分221からシート250を剥離する。剥離面には各素子10が接続された集電電極13が露出し、この剥離面が素体110の第1端面110eになる。なお、少なくとも1つの陰極の端面がこの剥離面に露出してもよい。
 他方、第1部分221の上部には各素子10の不要部分や液状材料222の不要な部分、さらにはワーク210の保持部211が存在する。また、第1部分221の高さはチップの長手方向の長さになるため、所定長さに整える必要がある。そのため、まず、所定のカットライン(例えば図15C中の一点鎖線)に沿って、第1部分221の上部の不要部分をグラインダ等で削り取る。不要部分が削り取られて露出した面が、素体110の第2端面110fになる。第2端面110fには各素子10の陽極40(弁作用金属基体から構成された箔)が露出している。
 次に、個片化のためにカットを行う。
 図16は、貫通孔の周囲において封止樹脂の第1部分を切断する工程の一例を模式的に示す図である。
 図16に示すように、各貫通孔223の周囲において第1部分221を切断する。これにより、第1部分221から管構造の第1部分21を容易に形成することができる。例えば、各貫通孔223の外側の所定のカットライン(例えば図16中の一点鎖線)をダイサー等で切断する。
 以上により素子10の重畳体11を備える素体110を得る。
 この後、素体110をバレル研磨してもよい。具体的には、素体110を、バレル槽内に研磨材とともに封入し、当該バレル槽を回転させることにより、素体110を研磨してもよい。これにより、素体110の角部及び稜線部に丸みがつけられる。
 次に、バレル研磨された素体110の第2端面110f(陽極端面)に、エアロゾルデポジション法により金属微粒子(例えば、Cuの微粒子)を噴出して衝突させる。これにより、素体110の第2端面110f(陽極端面)に露出した陽極40上に金属層(コンタクト層)15を形成する。
 なお、この金属層15は省略してもよく、その場合、第2端面110fに露出した陽極40を第2外部電極130と直接接続させてもよい。
 次に、素体110の第1端面110e(陰極端面)及び第2端面110f(陽極端面)にそれぞれ第1外部電極120及び第2外部電極130を形成する。例えば、導電性ペーストをスクリーン印刷法等で塗布して硬化し、第1外部電極120及び第2外部電極130として樹脂電極層をそれぞれ形成する。樹脂電極層形成用の導電性ペーストとしては、導電成分として銀粒子を含有する銀ペーストが好適である。その後、めっきすることによって樹脂電極層上にめっき層を形成してもよい。
 このとき、第1外部電極120として、スパッタ法や蒸着法により例えば数μm厚の薄いスパッタ膜及び/又は蒸着膜を形成してもよい。
 上記方法により図1~図3に示した固体電解コンデンサ100を得ることができる。
 図8に示した集電電極13を備えない固体電解コンデンサ100Aは、例えば、以下の点を除いて固体電解コンデンサ100と同様に作製することができる。すなわち、まず、封止樹脂220の第1部分221に貼り付けられた粘着性シート250上に導電性ペースト230を供給せずに、各貫通孔223内に複数の素子10(重畳体11)を挿入する。次に、各貫通孔223内に液状材料222をディスペンサ等により注入し、挿入された各素子10の周囲に液状材料222を充填する。次に、各貫通孔223内に充填された液状材料222を硬化して、封止樹脂220の第2部分222aを形成する。次に、シート250を剥離し、必要に応じてシート250が貼り付けられていた第1部分221及び第2部分222aの下部をグラインダ等で削り取ることによって、各陰極43を露出させる。その後は固体電解コンデンサ100Aと同様に、個片化を行い、素体110の第1端面110e(陰極端面)に露出した各陰極43上に第1外部電極120を形成する。
 なお、集電電極13を設けない場合は、まず、第1部分221の各貫通孔223内に液状材料222をディスペンサ等により注入し、次に、液状材料222が充填された各貫通孔223内に複数の固体電解コンデンサ素子10(重畳体11)を挿入して各素子10の周囲に液状材料222を充填し、そして、液状材料222を硬化してもよい。
 図9に示した封止樹脂20の第1部分21を備えない固体電解コンデンサ100Bは、例えば、以下の点を除いて固体電解コンデンサ100と同様に作製することができる。すなわち、まず、上面が開口された例えば樹脂製の浅い箱形の容器を準備する。次に、容器の底部上に導電性ペースト230を供給する。次に、容器内に複数の素子10(重畳体11)を挿入し、各素子10の先端部、すなわち、陰極43の先端部で導電性ペースト230を押し広げ、各素子10の陰極43の先端部を導電性ペースト230内に埋め込む。そして、各陰極43が埋め込まれた状態で導電性ペースト230を硬化させる。次に、容器内に液状材料222をディスペンサ等により注入し、各素子10の周囲に液状材料222を充填する。次に、容器内に充填された液状材料222を硬化して、封止樹脂220の第2部分222aを形成する。次に、容器の底部及び第2部分222aの下部をグラインダ等で削り取ることによって各陰極43を露出させる。その後は固体電解コンデンサ100Aと同様に、個片化を行い、素体110の第1端面110e(陰極端面)に露出した各陰極43上に第1外部電極120を形成する。
 なお、封止樹脂20の第1部分21を設けない場合は、例えば、個片化のためのカット工程において、各貫通孔223の内側にカットラインを設定し、第1部分221を全てカットして除去してもよい。この方法によっても固体電解コンデンサ100Bを作製可能である。
 また、上記実施形態では、隣り合う各組の素子10の陰極43(隣り合う2つの陰極43)の中央部43aで挟まれた領域R1が、封止樹脂20で充填されている場合について説明したが、本発明の固体電解コンデンサでは、隣り合う少なくとも一組の固体電解コンデンサ素子の陰極(隣り合う2つの陰極)の中央部で挟まれた領域が、封止樹脂で充填されていればよい。また、本発明の固体電解コンデンサ内には封止樹脂が充填されていない空洞が存在していてもよい。
 また、上記実施形態では、重畳体11に含まれる複数の素子10が互いに略平行に配置され、かつ隣り合う各組の素子10間の間隔が略一定である場合について説明したが、本発明の固体電解コンデンサでは、複数の固体電解コンデンサ素子は、必ずしも完全に互いに平行でなくてもよく、また、隣り合う固体電解コンデンサ素子の間隔は組によってばらついていてもよい。例えば、少なくとも1つの固体電解コンデンサ素子は、第1方向に直交する平面(例えば素体110の第1主面110a又は第2主面110b)に対してある程度傾いていてもよい。また、隣り合う2つの固体電解コンデンサ素子の間隔は、当該平面内における位置によって変化してもよい。さらに、隣り合う2つの固体電解コンデンサ素子の少なくとも一部が互いに接触していてもよく、当該接触部では素子間に封止樹脂も集電電極も存在していなくてもよい。隣り合う2つの固体電解コンデンサ素子の間隔は、例えば、0mm以上、0.1mm以下であってもよい。
 また、上記実施形態では、封止樹脂20が2種類の樹脂材料、すなわち第1部分21及び第2部分22のみから構成される場合、又は、1種類の樹脂材料、すなわち第2部分22のみから構成される場合について説明したが、本発明の固体電解コンデンサにおける封止樹脂は3種類の樹脂材料から構成されてもよい。例えば、第1部分及び第2部分の間に樹脂材料からなる1層以上の中間樹脂層を設けてもよい。このような中間樹脂層は、例えば、複数の固体電解コンデンサ素子の重畳体を封止する第2部分を、第1部分の貫通孔より小さい寸法でトランスファ成形等により形成しておき、その後、固体電解コンデンサ素子の重畳体を第2部分ごと第1部分の貫通孔内に挿入し、そして、第2部分と第1部分との間の隙間に液状の樹脂材料を充填して硬化することによって形成することができる。
 また、上記実施形態では、略直方体状の素体110を用いる場合について説明したが、本発明の固体電解コンデンサにおいて、素体は、対向する第1面及び第2面を有する形状であれば特に限定されず、略直方体状の他に、例えば、円柱状等であってもよい。
 また、上記実施形態では、複数の貫通孔223の空いた第1部分221を用いて複数の素体110を同時に作製する場合について説明したが、貫通孔が1つだけ空いた第1部分を用いて素体を1個ずつ作製してもよい。
 本明細書には、以下の内容が開示されている。
<1>
 複数の固体電解コンデンサ素子が第1方向に沿って配置された重畳体と、前記重畳体の周囲に設けられた封止樹脂とを含み、前記第1方向と直交する第2方向において対向する第1面及び第2面を有する素体と、
 前記第1面に形成された第1外部電極と、
 前記第2面に形成された第2外部電極と、を備え、
 前記複数の固体電解コンデンサ素子は、各々、金属基体層及び前記金属基体層上の多孔質層を有する陽極と、前記多孔質層の表面上に設けられた誘電体層と、前記誘電体層上に設けられた陰極とを含み、
 前記陰極は、前記第1面において前記第1外部電極と電気的に接続されており、
 前記陽極は、前記第2面において前記第2外部電極と電気的に接続されており、
 隣り合う少なくとも一組の固体電解コンデンサ素子の陰極の中央部で挟まれた領域が、前記封止樹脂で充填されている、固体電解コンデンサ。
<2>
 前記陰極の前記中央部で挟まれた領域から、前記陰極の前記第2面側の端部で挟まれた領域に至る領域が、前記封止樹脂で充填されている、<1>に記載の固体電解コンデンサ。
<3>
 前記複数の固体電解コンデンサ素子の複数の陰極は、前記第1面において集電電極を介して前記第1外部電極と電気的に接続されており、
 前記集電電極が存在する領域を除いて、前記少なくとも一組の固体電解コンデンサ素子の前記陰極で挟まれた領域全体が、前記封止樹脂で充填されている、<1>又は<2>に記載の固体電解コンデンサ。
<4>
 前記複数の固体電解コンデンサ素子の複数の陰極は、前記第1面において前記第1外部電極と直接接続されており、
 前記少なくとも一組の固体電解コンデンサ素子の前記陰極で挟まれた領域全体が、前記封止樹脂で充填されている、<1>又は<2>に記載の固体電解コンデンサ。
<5>
 隣り合う各組の固体電解コンデンサ素子の陰極の中央部で挟まれた領域が、前記封止樹脂で充填されている、<1>から<4>のいずれか1つに記載の固体電解コンデンサ。
<6>
 複数の固体電解コンデンサ素子を準備する工程と、
 前記複数の固体電解コンデンサ素子を重畳した重畳体を準備する工程と、
 封止樹脂により前記重畳体を封止する工程と、を備え、
 前記重畳体を準備する工程では、隣り合う固体電解コンデンサ素子の間に隙間を空けて前記複数の固体電解コンデンサ素子を重畳し、
 前記封止樹脂により前記重畳体を封止する工程では、樹脂材料を含む液状材料により前記重畳体の周囲及び前記隙間を埋めて、前記液状材料を硬化させる、固体電解コンデンサの製造方法。
<7>
 前記封止樹脂により前記重畳体を封止する工程は、
 樹脂材料を含み、貫通孔を有する前記封止樹脂の第1部分を準備する工程と、
 前記貫通孔内に前記重畳体を挿入する工程と、
 前記隙間と、前記貫通孔内に挿入された前記重畳体及び前記第1部分の間の隙間とに前記液状材料を充填する工程と、
 充填された前記液状材料を硬化させて前記封止樹脂の第2部分とする工程と、を含む、<6>に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
<8>
 前記封止樹脂により前記重畳体を封止する工程は、前記液状材料を充填する工程の前に、前記貫通孔の一方の開口を閉じるように粘着性シートを前記第1部分に貼り付ける工程をさらに含む、<7>に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
<9>
 前記液状材料を硬化する工程の後に、前記貫通孔の周囲において前記第1部分を切断する工程をさらに備える、<7>又は<8>に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
<10>
 硬化前の前記液状材料は、25℃で100Pa・s以下の粘度である、<6>から<9>のいずれか1つに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
 10 固体電解コンデンサ素子
 11 重畳体
 13 集電電極
 15 金属層(コンタクト層)
 20 封止樹脂(外装体)
 21 第1部分
 22 第2部分
 23 貫通孔
 40 陽極
 40a 金属基体層
 40a1 金属基体層の一方の端面
 40b 多孔質層
 40c 辺
 41 誘電体層
 42 マスク層
 43 陰極
 43a、43a1、43a2 陰極の中央部
 43b 陰極の第2端面側の端部
 44 固体電解質層
 45 導電層
 45a カーボン層
 45b 陰極導体層
 100、100A、100B 固体電解コンデンサ
 110 素体
 110a 第1主面
 110b 第2主面
 110c 第1側面
 110d 第2側面
 110e 第1端面
 110f 第2端面
 120 第1外部電極
 130 第2外部電極
 210 ワーク
 211 保持部
 212 素子部
 220 封止樹脂(外装体)
 221 第1部分
 222 液状材料
 222a 第2部分
 223 貫通孔
 223a 第1の開口
 223b 第2の開口
 230 導電性ペースト
 250 粘着性シート

 

Claims (10)

  1.  複数の固体電解コンデンサ素子が第1方向に沿って配置された重畳体と、前記重畳体の周囲に設けられた封止樹脂とを含み、前記第1方向と直交する第2方向において対向する第1面及び第2面を有する素体と、
     前記第1面に形成された第1外部電極と、
     前記第2面に形成された第2外部電極と、を備え、
     前記複数の固体電解コンデンサ素子は、各々、金属基体層及び前記金属基体層上の多孔質層を有する陽極と、前記多孔質層の表面上に設けられた誘電体層と、前記誘電体層上に設けられた陰極とを含み、
     前記陰極は、前記第1面において前記第1外部電極と電気的に接続されており、
     前記陽極は、前記第2面において前記第2外部電極と電気的に接続されており、
     隣り合う少なくとも一組の固体電解コンデンサ素子の陰極の中央部で挟まれた領域が、前記封止樹脂で充填されている、固体電解コンデンサ。
  2.  前記陰極の前記中央部で挟まれた領域から、前記陰極の前記第2面側の端部で挟まれた領域に至る領域が、前記封止樹脂で充填されている、請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3.  前記複数の固体電解コンデンサ素子の複数の陰極は、前記第1面において集電電極を介して前記第1外部電極と電気的に接続されており、
     前記集電電極が存在する領域を除いて、前記少なくとも一組の固体電解コンデンサ素子の前記陰極で挟まれた領域全体が、前記封止樹脂で充填されている、請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
  4.  前記複数の固体電解コンデンサ素子の複数の陰極は、前記第1面において前記第1外部電極と直接接続されており、
     前記少なくとも一組の固体電解コンデンサ素子の前記陰極で挟まれた領域全体が、前記封止樹脂で充填されている、請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
  5.  隣り合う各組の固体電解コンデンサ素子の陰極の中央部で挟まれた領域が、前記封止樹脂で充填されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  6.  複数の固体電解コンデンサ素子を準備する工程と、
     前記複数の固体電解コンデンサ素子を重畳した重畳体を準備する工程と、
     封止樹脂により前記重畳体を封止する工程と、を備え、
     前記重畳体を準備する工程では、隣り合う固体電解コンデンサ素子の間に隙間を空けて前記複数の固体電解コンデンサ素子を重畳し、
     前記封止樹脂により前記重畳体を封止する工程では、樹脂材料を含む液状材料により前記重畳体の周囲及び前記隙間を埋めて、前記液状材料を硬化させる、固体電解コンデンサの製造方法。
  7.  前記封止樹脂により前記重畳体を封止する工程は、
     樹脂材料を含み、貫通孔を有する前記封止樹脂の第1部分を準備する工程と、
     前記貫通孔内に前記重畳体を挿入する工程と、
     前記隙間と、前記貫通孔内に挿入された前記重畳体及び前記第1部分の間の隙間とに前記液状材料を充填する工程と、
     充填された前記液状材料を硬化させて前記封止樹脂の第2部分とする工程と、を含む、請求項6に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  8.  前記封止樹脂により前記重畳体を封止する工程は、前記液状材料を充填する工程の前に、前記貫通孔の一方の開口を閉じるように粘着性シートを前記第1部分に貼り付ける工程をさらに含む、請求項7に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  9.  前記液状材料を硬化する工程の後に、前記貫通孔の周囲において前記第1部分を切断する工程をさらに備える、請求項7又は8に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  10.  硬化前の前記液状材料は、25℃で100Pa・s以下の粘度である、請求項6~9のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。

     
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