WO2023209889A1 - 車体構造 - Google Patents

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武志 太刀川
孝則 牧野
亮 竹添
洋平 鈴木
大輔 工藤
翔太 奥野
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日産自動車株式会社
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Abstract

車体構造は、閉断面を有するサイドメンバ(2)と、閉断面を有するフードリッジメンバ(4)と、フードリッジメンバ(4)の前端から下方に向けて延設された、閉断面を有するジョイントメンバ(5)と、を備えている。サイドメンバ(2)は、一定の第一水平幅を有する前部(2a)と、第一水平幅よりも小さい第二水平幅を有する後部(2c)と、前部(2a)と後部(2c)との間に設けられた水平幅が第一水平幅から第二水平幅へと徐変する移行部(2b)とを備えている。移行部(2b)の外側面には傾斜面(2g)が形成されており、ジョイントメンバ(5)の前端は傾斜面(2g)においてサイドメンバ(2)に接合されている。

Description

車体構造
 本発明は、車体構造に関する。
 衝撃力が車両前部の角部に入力される衝突形態、いわゆる、スモールオーバーラップ衝突(スモールオフセット衝突とも言う)に対して有効な車体構造が要望されている。下記特許文献1は、スモールオーバーラップ衝突を考慮した車体前部構造を開示している。特許文献1に開示された車体前部構造は、先端が側外方に拡張されたサイドメンバと、サイドメンバの上方で前方に延出されたフードリッジメンバと、フードリッジメンバの前端か斜め下方に延出されたジョイントメンバとを備えている。
 なお、上述したサイドメンバは、特許文献1ではサイドフレームと呼ばれている。上述したフードリッジメンバ及びジョイントメンバは、特許文献1では合わせてサイドメンバと呼ばれている。また、フードリッジメンバ及びジョイントメンバは、特許文献1では(サイドメンバの)アッパメンバ及びロアメンバとそれぞれ呼ばれている。
 サイドメンバの前端とジョイントメンバの前端とは横に並んで配置され、その前方にクラッシュボックスが配置されている。クラッシュボックスの前端にはバンパレインフォースが取り付けられている。スモールオーバーラップ衝突時の衝突荷重は、クラッシュボックスを介してサイドメンバ及びジョイントメンバの両方に入力され、二つのロードパスによって伝達される。サイドメンバ及びジョイントメンバは、衝突荷重を伝達するだけでなく、衝突荷重を伝達しつつそれら自身の圧潰によってその衝突エネルギーを吸収する。
日本国特開2017-100555号
 特許文献1に開示された車体前部構造では、サイドメンバの側外方に拡張された前端とジョイントメンバの前端とが横に並んで配置されている。このため、スモールオーバーラップ衝突時の衝突荷重が適切にサイドメンバ及びジョイントメンバの両方に入力されずに、二つのロードパスが有効に機能しないおそれがあった。従って、本発明の目的は、衝突荷重を適切に分岐させて、二つのロードパスにより有効に衝突荷重に対抗することのできる車体構造を提供することにある。
 本発明の特徴に係る車体構造は、閉断面を有するサイドメンバと、閉断面を有するフードリッジメンバと、フードリッジメンバの前端から下方に向けて延設された、閉断面を有するジョイントメンバと、を備えている。サイドメンバは、一定の第一水平幅を有する前部と、第一水平幅よりも小さい第二水平幅を有する後部と、前部と後部との間に設けられた水平幅が第一水平幅から第二水平幅へと徐変する移行部とを備えている。移行部の外側面には側外方かつ後方に向けられた傾斜面が形成されており、ジョイントメンバの前端はこの傾斜面においてサイドメンバに接合されている。
 上記特徴によれば、衝突荷重をサイドメンバ及びジョイントメンバに適切に分岐させて、二つのロードパスにより有効に衝突荷重に対抗することができる。
図1は、実施形態に係る車体構造の斜視図である。 図2は、上記車体構造の拡大部分斜視図である。 図3は、上記車体構造の拡大分解斜視図である。 図4は、上記車体構造の底面図である。 図5は、上記車体構造の底部斜視図である。 図6は、図5におけるVI-VI線断面図である。
 以下、図面を参照しつつ実施形態に係る車体構造について説明する。本実施形態の車体構造は、車体の左右に対称に構築される。従って、以下には、左側の構造を例に説明する。まず、本実施形態の車体構造における車体前部の構造について、図1~図4を参照しつつ説明する。本実施形態の車両はハイブリッド電気自動車(HEV)であり、車体前部には発電用の内燃機関及びモータジェネレータと車両駆動用のモータジェネレータとを収容するモータルームが設けられている。
 図1に示されるように、モータルームと車室とを隔てるバルクヘッド1の下部から前方に向けてサイドメンバ2が延設されている。なお、サイドメンバ2の高さは後端に向けて徐々に大きくされ、サイドメンバ2の後端は車室のフロアパネル6の下面に潜り込んでいる(図3及び図5参照)。サイドメンバ2は、縦に長い長方形の閉断面を有している。後述するが、その閉断面の水平幅はサイドメンバの長さ方向に沿って変化する。
 バルクヘッド1の上部、より詳しくは、バルクヘッド1の上部とAピラー3との接合部から前方に向けてフードリッジメンバ4が延設されている。即ち、フードリッジメンバ4は、サイドメンバ2の上方でサイドメンバ2と平行に前方に延設されている。ただし、平面視において、フードリッジメンバ4はサイドメンバよりも側外方に位置している。フードリッジメンバ4は、横に長い長方形の閉断面を有している。ただし、フードリッジメンバ4の高さは、Aピラー3(バルクヘッド1)の下部に向けて徐々に大きくされており、フードリッジメンバ4の閉断面は、その後部では縦に長い閉断面となる。
 フードリッジメンバ4の前端からは、斜め下方に向けてジョイントメンバ5が延設されている。ただし、ジョイントメンバ5の端部近傍は、垂直に延在されている。即ち、フードリッジメンバ4及びジョイントメンバ5は連続的に形成されている。追って詳しく説明するが、ジョイントメンバ5の先端はサイドメンバ2の側面に接合されており、ジョイントメンバ5によってフードリッジメンバ4とサイドメンバ2とがつながれる。ジョイントメンバ5も、フードリッジメンバ4と同様に、基本的には横に長い長方形の閉断面を有している。ただし、追って詳しく説明するが、その先端近傍の垂直部の閉断面は若干異なる。即ち、フードリッジメンバ4及びジョイントメンバ5は、サイドメンバ2の側外方で、前輪の上方を囲むように配置されている。
 なお、図1中の二点鎖線で示されるように、フードリッジメンバ4の前端からは、ラジエータを支持するラジエータコアサポートアッパメンバ(図示せず)へと続く、ハット形断面を有するエクステンションメンバ15も接合されている。サイドメンバ2、フードリッジメンバ4及びジョイントメンバ5は、プレス成形された鋼板を溶接することで形成されており、上述したように閉断面を有している。サイドメンバ2、フードリッジメンバ4及びジョイントメンバ5は、車体剛性を確保する主要部材であると共に、車両の前部衝突時には衝突荷重を受ける。これらのメンバは衝突荷重を伝達するロードパスとして機能する。また、これらのメンバは、衝突荷重が大きい場合は、衝突荷重を伝達しつつ、それら自身の圧潰によってその衝突エネルギーを吸収する。
 サイドメンバ2の後部2cとフードリッジメンバ4とをつなぐようにストラットタワー7も設けられている。サイドメンバ2の前端にはプレート部材8を介してクラッシュボックス9が取り付けられている。左右のクラッシュボックス9をつなぐようにバンパレインフォースメント10が取り付けられている。クラッシュボックス9は、サイドメンバ2よりも潰れやすく作られており、衝突荷重が小さい場合は、クラッシュボックス9のみが圧潰してサイドメンバ2の変形を抑止する。即ち、衝突荷重が小さい場合は、クラッシュボックス9(及びバンパレインフォースメント10)のみを交換することで修理が可能となる。
 図4の底面図に示されるように、サイドメンバ2は、その前方から順に、前部2a、移行部2b、及び、後部2cを備えている。サイドメンバ2は上述したように閉断面を有しているので、前部2a、移行部2b、及び、後部2cもそれぞれ閉断面を有している。前部2aは、サイドメンバ2の前端から所定長さの範囲に設けられており、一定の第一水平幅を有している。後部2cは、前部2aよりも後方に設けられており、前部2aの第一水平幅よりも小さい第二水平幅を有している。移行部2bは、前部2aと後部2cとの間に設けられており、その水平幅は第一水平幅から第二水平幅へと徐変する。
 サイドメンバ2は、インナパネル2i及びアウタパネル2oがそれらの上下縁に形成されたフランジで溶接されて形成されている。図4中にはこの溶接されたフランジ2dが示されている。移行部2bの水平幅は、アウタパネル2oを前方に向けて徐々に側外方に拡張することで徐変されている。なお、後部2cの下面には、サスペンションが取り付けられるサブフレームの取付ブラケット2eが結合され、後部2cの外側面には、転舵されたタイヤとの干渉を避けるための凹部2fも設けられている(図2~図5参照)。移行部2bの外側面には、側外方かつ後方に向けられた傾斜面2gが形成されている。
 ジョイントメンバ5の垂直延在部は、移行部2bの傾斜面2gにおいてサイドメンバ2に接合されている。より詳しくは、ジョイントメンバ5の表面が傾斜面2gに面接触された状態で、ジョイントメンバ5がサイドメンバ2に接合されている。図4に示されるように、ジョイントメンバ5の垂直延在部は、上述した横長の長方形断面が内側後方に向けて斜めに拡張することで形成された閉断面を有している。この内側後方に拡張された部分の傾斜部が移行部2bの傾斜面2gと面接している。
 なお、本実施形態において、クラッシュボックス9も閉断面を有しており、その閉断面形状はサイドメンバ2の前部2aの閉断面形状と同じである。そして、クラッシュボックス9と前部2aとは水平及び垂直にズレることなくプレート部材8を介して連結されている。従って、クラッシュボックス9からサイドメンバ2の前部2aへと、プレート部材8を介して衝突荷重が効率よく伝達される。
 図1~図3に示されるように、移行部2bにおけるサイドメンバ2とジョイントメンバ5の接合部において、サイドメンバ2は車体の前後方向に延設し、かつ、ジョイントメンバ5は垂直方向に延設している。なお、図4に示されるように、ジョイントメンバ5の端部は下方に向けて開放されておらず、底板5aが取り付けられて閉じられている。
 スモールオーバーラップ衝突時には、車体前部の左側及び右側に対称に構築される上述した構造の一方のみで衝突荷重を受ける。このとき、図4に示されるように、障害物Xは車体に対して後方に相対移動し、衝突荷重は、まず、バンパレインフォースメント10及びクラッシュボックス9に入力される。クラッシュボックス9は圧潰し、衝突荷重は、サイドメンバ2の前部2aに伝達される。さらに、衝突荷重は、移行部2bにおいて、後部2cへのロードパス及びジョイントメンバ5へのロードパスへと伝達される。
 即ち、衝突荷重に対してサイドメンバ2のロードパスとジョイントメンバ5及びフードリッジメンバ4のロードパスとで有効に対抗できる。本実施形態では、衝突荷重は、サイドメンバ2の前部2aで確実に受けられてから、移行部2bで二つのロードパスに分岐される。従って、二つのロードパスにより衝突荷重に確実に対抗できる。車体前部での衝突荷重に有効に対抗でき、車体前部での衝突エネルギーの吸収効率が向上するため、車室の補強を低減することもできる。
 移行部2bにおけるロードパスの分岐において、サイドメンバ2のロードパスでは、水平幅が段階的に小さくなる前部2a、移行部2b及び後部2cによって衝突荷重が確実に伝達される。サイドメンバ2は、衝突荷重によって座屈する場合、その縦長の閉断面のために水平に座屈する。一方、ジョイントメンバ5及びフードリッジメンバ4のロードパスでは、側外方かつ後方に向けられた傾斜面2gによって、衝突荷重が移行部2bからジョイントメンバ5へと確実に伝達される。ジョイントメンバ5及びフードリッジメンバ4は、衝突荷重によって座屈する場合、その横長の閉断面のために垂直に座屈する。
 ここで、移行部2bにおいて、サイドメンバ2は車体の前後方向に延設し、かつ、ジョイントメンバ5は垂直方向に延設している。前後方向に伸びるサイドメンバ2は、衝突荷重をその直線的なロードパスによって効率よく受けることができる。垂直方向に延びるジョイントメンバ5は、移行部2bの傾斜面2gとの接触面積を増やして衝突荷重の伝達効率を向上させることができる。また、ジョイントメンバ5を垂直方向に延設することで、ジョイントメンバ5の前後長を短くでき、フロントオーバーハングが長くなるのを防止できる。
 移行部2bから垂直方向に延びるジョイントメンバ5の先端への衝撃荷重の伝達において、ジョイントメンバ5の閉断面が潰れると伝達効率が低下する。上述した底板5aはジョイントメンバ5の閉断面の潰れを防止する。また、衝撃荷重が大きく、移行部2bよりも前方の車体構造が全て潰れてしまった場合は、サイドメンバ2(移行部2b及び後部2c)に加えて、ジョイントメンバ5の垂直延在部でも衝撃荷重を効率よく受けることができる。この場合も、引き続き二つのロードパスは有効である。
 スモールオーバーラップ衝突だけでなく、車体の左右に対称に構築される上述した構造の両方で衝撃荷重を受けることのできるフルラップ全面衝突でも同様に上述した利点は得られる。しかし、上述した構造によれば、車体の左側及び右側の一方のみにおいて、スモールオーバーラップ衝突時に二つのロードパスにより有効に衝突荷重に対抗することができる。
 次に、図5を参照しつつ、本実施形態に係る車体構造の更なる特徴を説明する。本実施形態では、サイドメンバ2のバルクヘッド1及びフロアパネル6との接合部に、アウトリガ11に加えてガセットプレート12も設けられている。アウトリガ11は、フロアパネル6の下面に接合されて、サイドメンバ2の後端部とサイドシル13とをつないでいる。アウトリガ11によって、サイドメンバ2のロードパスがサイドシル13へと延長される。ガセットプレート12は、サイドメンバ2の後端部のサイドシル13とは反対側においてフロアパネル6の下面に接合されて、サイドメンバ2の後端部をフロアパネル6に接合している。
 本実施形態の車両は上述したようにHEVであり、フロアパネル6の前端中央には比較的小さいセンタトンネル14が形成されている。モータルーム内の内燃機関から延出された排気管、及び、モータルーム内のモータジェネレータなどとフロアパネル6下方に搭載されたバッテリパック(図示せず)とを電気的に接続するケーブルがセンタトンネル14内に配設される。ガセットプレート12は、このセンタトンネル14とサイドメンバ2の後端部との間に接合されている。
 アウトリガ11は、底面視でほぼ直角台形状を有しており、フロアパネル6の下面に接合されることでフロアパネル6と共に閉断面を形成する。アウトリガ11の後縁は、フロアパネル6の下面に接合されている。アウトリガ11の斜めの前縁は、上方に立ち上げられてからバルクヘッド1の下縁に接合されている。アウトリガ11の内端は、サイドメンバ2の後端部の底面及び外側面に接合されている。アウトリガ11の外端は、サイドシル13の最先端部の内側面に接合されている。
 ガセットプレート12も、底面視でアウトリガ11の形状とほぼ対称なほぼ直角台形状を有しており、フロアパネル6の下面に接合されることで、フロアパネル6と共に閉断面を形成する。ガセットプレート12の後縁は、フロアパネル6の下面に接合されている。ガセットプレート12の斜めの前縁は、バルクヘッド1の下縁及びサイドメンバ2の内側面に接合されている。ガセットプレート12の内端は、センタトンネル14に沿ってフロアパネル6に接合されている。ガセットプレート12の外端は、サイドメンバ2の下面に接合されている。
 サイドメンバ2の後端部は、アウトリガ11及びガセットプレート12によって両側から強固に車体に接合される。このため、サイドメンバ2をフロアパネル6の下面上に延設する必要がなくなり、フロアパネル6の下面をほぼ平坦にできる。この結果、フロアパネル6の下方にバッテリパックを搭載させやすく、バッテリパックの容積を減じることもない。また、フロアパネル6の下面でアウトリガ11及びガセットプレート12による補強を行うため、車室内での補強が不要又は最小限になり、車室容積を減じることもない。
 サイドメンバ2によって伝達される衝突荷重は、アウトリガ11によってサイドシル13へと更に伝達されると共に、アウトリガ11及びガセットプレート12によってフロアパネル6にも伝達される。従って、衝突荷重に有効に対抗することができる。なお、衝突荷重のフロアパネル6への伝達時には、アウトリガ11及びガセットプレート12の前縁が後方に向けて広がるように配置されるので、衝突荷重を好適に分散させることができる。また、サイドメンバ2の後端部がアウトリガ11及びガセットプレート12によってしっかりと支持されるので、衝撃荷重によってサイドメンバ2の前方部を確実に圧潰させて衝突エネルギーを確実に吸収することができる。
 次に、図6を参照しつつ、本実施形態に係る車体構造の更なる特徴を説明する。スモールオーバーラップ衝突時には、上述したように、車体前部の左側及び右側に対称に構築された上述した構造の一方のみで衝突荷重を受ける。衝突荷重が大きい場合、車体前部のみで衝突エネルギーを吸収しきれず、サイドシル13の前端にも衝突荷重が入力される場合がある。サイドシル13の前端には、上述したアウトリガ11を経由した衝突荷重や、衝突によって車体に対して後方に相対移動された前輪との接触による荷重が入力される。
 サイドシル13の前端に上述した衝突荷重が入力されると、サイドシル13には外方に湾曲させようとする荷重が作用する。即ち、サイドシル13をフロアパネル6から側外方に引き離す荷重が作用する。本実施形態では、この側外方への荷重に有効に対抗し得る構造も構築されている。図6は、図5中のVI-VI線断面図である。図6に示されるように、フロアパネル6はサイドシル13の上面及び内側面に溶接(スポット溶接又は線溶接)されている。図6中の*で示される位置が溶接位置である。鋼板同士を面接させての溶接部は、鋼板のグレードにも左右されるが、せん断強度(接合面内方向の強度)の方が、剥離強度(接合面に垂直な方向の強度)よりも高い。
 そこで、本実施形態では、フロアパネル6が、サイドシル13の側面13bだけでなく、上面13aにも溶接されている。本実施形態では、図6に示される断面図上では、フロアパネル6は、サイドシル13の上面13aに一箇所で溶接され、サイドシル13の側面13bに二箇所で溶接されている。サイドシル13の上面13aはほぼ水平であり、上面13aに接合されるフロアパネル6の面上の溶接部には、上述したフロアパネル6からサイドシル13を側外方に引き離す荷重がせん断荷重として作用する。一方、サイドシル13の側面13bに接合されるフロアパネル6の面上の溶接部には、上述したフロアパネル6からサイドシル13を側外方に引き離す荷重が剥離荷重として作用する。
 このように、フロアパネル6をサイドシル13の上面13a及び側面13bの両方に溶接することで、サイドシル13を側外方に引き離す荷重に対して有効に対抗することができる。即ち、フロアパネル6とサイドシル13との接合部は、せん断と剥離の両方に対して有効に対応することができる。また、上面13aと溶接されるフロアパネル6の第一面6aと側面13bと溶接されるフロアパネル6の第二面6bとは、アングル補強部材としてサイドシル13を補強するので、車体剛性を向上させることもできる。
 本発明の車体構造によれば、当該車体構造が、閉断面を有する上述したサイドメンバ2、フードリッジメンバ4及びジョイントメンバ5を備える。サイドメンバ2は、一定の第一水平幅を有する前部2aと、第一水平幅よりも小さい第二水平幅を有する後部2cと、前部2aと後部2cとの間に設けられた水平幅が第一水平幅から第二水平幅へと徐変する移行部2bとを備えている。ジョイントメンバ5の前端が、移行部2bの側外方かつ後方に向けられた傾斜面2gにおいてサイドメンバ2に接合されている。
 このため、(特にスモールオーバーラップ衝突時の)衝突荷重は、サイドメンバ2の前部2aを経て、移行部2bおいて、確実にサイドメンバ2の後部2cへのロードパスとジョイントメンバ5及びフードリッジメンバ4のロードパスとの両方に確実に伝達される。前部2aを経てからロードパスが分岐されるため、サイドメンバ2の後部2cへのロードパス及びジョイントメンバ5及びフードリッジメンバ4のロードパスの何れか一方にのみにしか伝達されないということはない。従って、(特にスモールオーバーラップ衝突時の)衝突荷重を適切に分岐させて、二つのロードパスにより有効に衝突荷重に対抗することができる。
 ここで、本発明の車体構造によれば、移行部2bにおけるサイドメンバ2とジョイントメンバ5の接合部において、サイドメンバ2は車体の前後方向に延設し、かつ、ジョイントメンバ5は垂直方向に延設している。前後方向に伸びるサイドメンバ2は、衝突荷重をその直線的なロードパスによって効率よく受けることができる。垂直方向に延びるジョイントメンバ5は、移行部2bの傾斜面2gとの接触面積を増やして衝突荷重の伝達効率を向上させている。また、ジョイントメンバ5を垂直方向に延設することで、ジョイントメンバ5の前後長を短くでき、フロントオーバーハングが長くなるのを防止できる。
 また、本発明の車体構造は、上述したアウトリガ11とガセットプレート12とをさらに備えている。このため、サイドメンバ2の後端部は、アウトリガ11及びガセットプレート12によって両側から強固に車体に接合される。サイドメンバ2をフロアパネル6の下面上に延設する必要がなくなり、フロアパネル6の下面をほぼ平坦にできる。また、フロアパネル6の下面でアウトリガ11及びガセットプレート12による補強を行うため、車室内での補強が不要又は最小限になり、車室容積を減じることもない。
 さらに、本発明の車体構造によれば、フロアパネル6が、サイドシル13の上面13a及び側面13bの両方に溶接される。このため、(特にスモールオーバーラップ衝突時の)サイドシル13を側外方に引き離す荷重に対して有効に対抗することができる。また、フロアパネル6のサイドシル13との接合部がアングル補強部材としてサイドシル13を補強するので、車体剛性を向上させることもできる。
1 バルクヘッド
2 サイドメンバ
2a (サイドメンバ2の)前部
2b (サイドメンバ2の)移行部
2c (サイドメンバ2の)後部
2g (移行部2bの)傾斜面
3 Aピラー
4 フードリッジメンバ
5 ジョイントメンバ
6 フロアパネル
11 アウトリガ
12 ガセットプレート
13 サイドシル
13a (サイドシル13の)上面
13b (サイドシル13の)側面

Claims (4)

  1.  車体構造であって、
     車体の前部と車室とを隔てるバルクヘッドの下部から前方に向けて延設された、閉断面を有するサイドメンバと、
     前記バルクヘッドの上部とAピラーとの接合部から前方に向けて延設された、閉断面を有するフードリッジメンバと、
     前記フードリッジメンバの前端から下方に向けて延設された、閉断面を有するジョイントメンバと、を備えており、
     前記サイドメンバは、その前端から所定長さの範囲に設けられた一定の第一水平幅を有する前部と、前記前部より後方に設けられた前記第一水平幅よりも小さい第二水平幅を有する後部と、前記前部と前記後部との間に設けられた水平幅が前記第一水平幅から前記第二水平幅へと徐変する移行部とを備えており、
     前記移行部の外側面には、側外方かつ後方に向けられた傾斜面が形成されており、
     前記ジョイントメンバの前端が、前記移行部の前記傾斜面において前記サイドメンバに接合されている、車体構造。
  2.  請求項1に記載の車体構造であって、
     前記移行部における前記サイドメンバと前記ジョイントメンバの接合部において、前記サイドメンバは前記車体の前後方向に延設し、かつ、前記ジョイントメンバは垂直方向に延設している、車体構造。
  3.  請求項1又は2に記載の車体構造であって、
     前記車室のフロアパネルの下面に接合されて、前記サイドメンバの後端部とサイドシルとをつなぐアウトリガと、
     前記サイドメンバの前記後端部の前記サイドシルとは反対側において前記フロアパネルの下面に接合されて、前記後端部を前記フロアパネルに接合するガセットプレートとをさらに備えている、車体構造。
  4.  請求項3に記載の車体構造であって、
     前記フロアパネルが、前記サイドシルの上面及び側面の両方に溶接されている、車体構造。
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