WO2023203949A1 - 車両用空調装置 - Google Patents

Abstract

【課題】部品点数及び組立工数を低減させつつ、耐振動性を確保する。 【解決手段】車両に搭載され、送風機から送風された空気を熱交換器により温調して車室内に供給する車両用空調装置１であって、複数の筐体部材２１ａ，２１ｂ，３１ａ，３１ｂを結合して、前記送風機及び前記熱交換器の収容空間と空気流路Ｆとを形成する筐体２１，３１と、前記送風機から送風され前記空気流路を通過する空気と熱交換を行う放熱部５２を有する制御ユニット５０と、を備え、少なくとも２つの前記筐体部材が、前記制御ユニットにより結合される車両用空調装置を提供する。

Description

車両用空調装置

　本発明は、例えば、車両用空調装置に関するものである。

　車両に搭載され、複数の筐体部材からなる筐体内にブロワ及び熱交換器等が収容された車両用空調装置であって、ブロワによって取り込んだ車両内部又は車両外部の空気を熱交換器によって温調し、温調された空気を車室内に供給するものが知られている。

　このような車両用空調装置として、例えば、特許文献１には、通風方向に対し上下に分割された第１のケース部材と第２のケース部材とを熱交換器等を収納しつつ接合し、ブロワのモータを冷却するための冷却用空気取入室の開口部をレジスタが装着されたプレートにより閉塞した空調ユニットが開示されている。

特開平１０－２１７７４５号公報

　ところで、車両用空調装置は、車両用空調装置が搭載される車両の走行環境に鑑みて、耐振動性を確保するように設けられることが肝要である。特に、車両用空調装置が、建設機械などの特殊な環境で用いられる車両に搭載される場合には、乗用車などの一般車両に搭載される場合に比して高い耐振動性が求められる。

　このため、建設機械などの車両に適用される車両用空調装置の場合には、特許文献１の空調ユニットのように、上下に分割された２つのケース部材を接合するのみでは、耐振動性が十分とは言い難い。
　一方、耐振動性を高めるために、複数のケース部材を互いに結合して固定するための固定部品を用いると、部品点数及び組立工数が増加し、車両用空調装置の製造コストが嵩んでしまう。

　本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、車両用空調装置において、部品点数及び組立工数を低減させつつ、耐振動性を確保すること、などを課題としている。

　本発明の一態様は、車両に搭載され、送風機から送風された空気を熱交換器により温調して車室内に供給する車両用空調装置であって、複数の筐体部材を結合して、前記送風機及び前記熱交換器の収容空間と空気流路とを形成する筐体と、前記送風機から送風され前記空気流路を通過する空気と熱交換を行う放熱部を有する制御ユニットと、を備え、少なくとも２つの前記筐体部材が、前記制御ユニットにより結合されることを特徴とする車両用空調装置を提供する。

　本発明によれば、車両用空調装置において、部品点数及び組立工数を低減させつつ、耐振動性を確保することができる。

本発明の実施形態に係る車両用空調装置が車両に適用された場合の概略構成を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る車両用空調装置の概略構成を示す全体斜視図である。 本発明の実施形態に係る車両用空調装置の概略構成を示す全体斜視図である。 図２のＡ部分を拡大した分解斜視図である。 図２のＡ部分を拡大した分解斜視図である。 図３のＢ部分を拡大した分解斜視図である。 図３のＢ部分を拡大した斜視図である。 本発明の実施形態に係る車両用空調装置の変形例であって、図３のＢ部分に相当する部分を拡大した分解斜視図である。

　以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の説明において、同一の符号は同一の機能の部位を示しており、各図における重複説明は適宜省略する。また、各図において、Ｘ－Ｙ－Ｚの方向は、Ｘ－Ｙ方向が水平方向を示し、Ｚ方向が鉛直方向を示している。

　図１に示すように、車両用空調装置１は、例えば、建設機械等車両のキャビン内の運転席シート１１下部において、運転席シート１１を支持するシートブラケット１２と床面（フロア）１３との間に設置され、車室内の温度及び湿度を調整する。

　図２、図３は、本発明の実施形態に係る車両用空調装置１の概略構成を示す全体斜視図である。各図において、Ｙ方向は車両の前後方向、Ｘ方向は車両の左右方向（幅方向）を示す。

　車両用空調装置１は、ブロワユニット２と、ブロワユニット２に接続される熱交換器ユニット３とを備えている。ブロワユニット２と熱交換器ユニット３とは、キャビン内の床面１３に沿い、かつ、車両に搭載されたときに車両の幅方向に沿う空気流路Ｆ（図中のＸ方向）を形成するように接続される。

（ブロワユニットについて）
　図１～図３に示すように、ブロワユニット２は、車両の床面１３に沿い、かつ、熱交換器ユニット３に対して空気流路Ｆと交差する方向（図中Ｙ方向）に着脱可能に設けられている。
　ブロワユニット２は、ブロワ及びインテーク部品が一体的に配備され、車両の内気（内気モード）又は外気を取り込み（外気モード）、取り込んだ空気を熱交換器ユニット３に供給する。

　すなわち、ブロワユニット２は、ブロワケース２１（第３筐体部材）、ブロワケース２１に外側から取り付けられるファンドライバ５０、ブロワケース２１内に収容されるブロワ（送風機）、ブロワを駆動するブロワモータ、インテークダンパ、インテークダンパを駆動するインテークアクチュエータ、内気フィルタ、及び、内気モード又は外気モードを切り替えるレバー等の切替機構（いずれも図示せず）を有している。

　ブロワケース２１は、互いに結合される筐体部材としての上側ケース２１ａ及び下側ケース２１ｂを備え、鉛直方向の上下に分割可能となっている。上側ケース２１ａと下側ケース２１ｂとが結合して、ブロワ等の収容空間を形成する。

　ブロワケース２１には、車両内部の空気をブロワユニット２内に取り込む内気取込口２２、車両外部の空気をブロワユニット２内に取り込む外気取込口２３、ファンを収容するファン収容部２４，２５、ブロワモータ収容部２６、ブロワユニット２内に取込んだ空気を熱交換器ユニット３に送風する送風用開口部２７、ブロワユニット２を熱交換器ユニット３から着脱する際に空気流路Ｆと直交する水平方向（図中、Ｙ方向）に引き出し又は押し込むための把手２８が設けられている。

　内気取込口２２には、内気フィルタ（図示せず）が設けられる。内気フィルタを設けることにより、内気取込口２２から車両内の空気を取り込む際のブロワユニット２への粉塵等の侵入を抑制する。

　外気取込口２３には、インテークダンパ及び外気フィルタ（いずれも図示せず）が設けられる。インテークダンパは、インテークアクチュエータにより駆動され、ブロワケース２１に取り込む空気を外気又は内気とするか、選択的に切り替えることができる。外気フィルタを設けることにより、外気取込口２３から外気を取り込む際に外気に含まれる粉塵等のブロワユニット２への侵入を抑制する。
　なお、内気取込口２２及び外気取込口２３に夫々フィルタを設けることに代えて、ブロワケース２１の出口となる送風用開口部にフィルタを設ける構成とすることもできる。

　ファン収容部２４，２５には、周方向に複数のブレードを有するファンがそれぞれ収容される。ファン収容部２４，２５に収容される２つのファンは、互いの回転軸が略一直線上に位置するように、ブロワユニット２内において空気流路Ｆと直交する水平方向（図中、Ｙ方向）に並んで配置される。

　ブロワモータ収容部２６は、２つのファン収容部２４，２５の間に設けられている。ブロワモータ収容部２６に収容されるブロワモータは、ファン収容部２４，２５内の各ファンを回転させて、ブロワユニット２内に取り込まれた空気を、送風用開口部２７を介して熱交換器ユニット３に送風する。

　送風用開口部２７は、ファン収容部２４，２５の側面を包含する大きさの略矩形状をなし、熱交換器ユニット３のブロワユニット２との接続面に設けられた取入開口部（図示せず）と嵌合する。これにより、ブロワユニット２と熱交換器ユニット３とが一体化するようになっている。

　ブロワユニット２と熱交換器ユニット３とが接続されることにより、ブロワユニット２から熱交換器ユニット３への空気流路Ｆが形成される。空気流路Ｆは、車両用空調装置１が車両に設置されたときに、車両の床面に沿い、かつ、車両の幅方向に沿うようになっている。

　送風用開口部２７の周縁部又は熱交換器ユニット３の取込開口部の周縁部には、空気流路Ｆと交差する方向に延びるスライドレール又はスライド溝が設けられ、ブロワユニット２を熱交換器ユニット３に対してスライドさせることにより着脱可能となっている。

　送風用開口部２７の端部であって、ブロワユニット２の車両前後方向に対して外気取込口２３の反対側に位置する端部には、ブロワユニット２の熱交換器ユニット３に対する車両前後方向の動きを規制する規制部２９が設けられている。規制部２９は、送風用開口部２７の端部において鉛直方向に沿って形成され、ブロワユニット２が熱交換器ユニット３に取り付けられた際に、ブロワユニット２と熱交換器ユニット３との境界を覆うように、熱交換器ユニット３側に突出している。

　また規制部２９は、熱交換器ユニット３に後述するファンドライバ５０が取り付けられた際に、ファンドライバ５０の支持プレート５５と熱交換器ユニット３の側面の間に挿入されるように設けられた締結片２９Ａを有している。更に、締結片２９Ａには、熱交換器ケース３１の第１締結孔４１及びファンドライバ５０の第３締結孔５４（いずれも後述）に対応する切欠き２９Ｂが設けられている。

　把手２８は、ブロワユニット２の車両前後方向に対して外気取込口２３の反対側に設けられている。把手２８を引き出すことにより、ブロワユニット２を空気流路Ｆと直交する方向（車両前方）にスライドさせて熱交換器ユニット３から取り外すことができ、把手２８を押し込むことにより、ブロワユニット２を空気流路Ｆと直交する方向にスライドさせて熱交換器ユニット３に取り付けることができる。

　ブロワケース２１の側面において、把手２８と内気取込口２２との間には、上側ケース２１ａに締結部２１０が、下側ケース２１ｂに締結部２２０が設けられている。締結部２１０と締結部２２０とが互いに係合して一体的に車両に締結されることにより、上側ケース２１ａと下側ケース２１ｂとが結合して固定されると共に、ブロワユニット２が車両の床面１３に固定される。つまり、本実施形態においては、鉛直方向が上側ケース２１ａと下側ケース２１ｂの車両に対する締結方向となる。

　ブロワケース２１の側面には、上側ケース２１ａと下側ケース２１ｂとを結合して固定するための固定部２８Ａが複数箇所に設けられている。各固定部２８Ａは、上側ケース２１ａに設けられた孔及び爪と、下側ケース２１ｂに設けられたピン及び嵌合部とを含み、ピンが孔に挿入され、爪が嵌合部に嵌合することで、上側ケース２１ａと下側ケース２１ｂとが位置合わせされつつ連結されて固定される。

（熱交換器ユニットについて）
　熱交換器ユニット３は、熱交換器ケース３１内に複数の熱交換器（例えば、空気を冷却する冷却用熱交換器、空気を加熱する加熱用熱交換器）が配備され、熱交換器ユニット３に取り込まれた空気を熱交換器に通過させることで温調された空気を車室内に供給する。
　すなわち、熱交換器ユニット３は、熱交換器ケース３１と、熱交換器ケース３１に収容される冷却用熱交換器、加熱用熱交換器、及び、冷却用熱交換器と加熱用熱交換器を通過する空気の混合割合を調整するエアミックスダンパ（いずれも図示せず）を有している。

　熱交換器ケース３１は、互いに結合される筐体部材としての上側ケース３１ａ（第１筐体部材）及び下側ケース３１ｂ（第２筐体部材）から構成され、鉛直方向上下に分割可能となっている。熱交換器ケース３１では、上側ケース３１ａと下側ケース３１ｂとを連結させることで、冷却用熱交換器収容部３２、加熱用熱交換器収容部３３、冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器によって温度又は湿度が調節された空気を車両前方に吹き出す前方吹出口３４，３５，３６、車両後方に吹き出す後方吹出口３７が形成される。

　熱交換器ケース３１の、ブロワケース２１との接続面には、ブロワケース２１の送風用開口部２７と嵌合しブロワケース２１から送風される空気を取込む取入開口部（図示せず）が設けられている。

　冷却用熱交換器収容部３２と加熱用熱交換器収容部３３とは、冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器が、熱交換器ケース３１内において空気流路Ｆに沿って並んで設けられるように形成されている。このように構成することで、取込開口部を介してブロワケース２１から送風された空気を、冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器に導入し、通過させることができる。

　熱交換器ケース３１内において、エアミックスダンパは、冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器の間に設けられ、冷却用熱交換器を通過した空気のうち加熱用熱交換器を通過させる空気の割合をエアミックスダンパにより調整するようになっている。

　図２中、熱交換器ケース３１の側面には、上側ケース３１ａに締結部３１０，４１０が、下側ケース３１ｂに締結部３２０，４２０が設けられている。締結部３１０，４１０と対応する締結部３２０，４２０とが互いに係合して一体的に車両に締結されることにより、上側ケース３１ａと下側ケース３１ｂとが結合し、併せて、熱交換器ユニット３が車両の床面１３に固定されるようになっている。つまり、本実施形態においては、鉛直方向が、上側ケース３１ａと下側ケース３１ｂの車両に対する締結方向となる。

　なお、説明の便宜上、図２に示す車両用空調装置１の斜視図において視認可能な位置に設けられた締結部３１０，４１０及びこれらと対応する締結部３２０，４２０とについて説明したが、熱交換器ケース３１において締結部を設ける箇所及びその数は適宜定めることができる。例えば、締結部を、ブロワユニット２と熱交換器ユニット３とを取り付けた際に、対角となる位置に夫々１箇所以上設けることができる。

　また、熱交換器ケース３１の側面であって、車両前後方向の前方側となる側面の取込開口部近傍には、後述するファンドライバ５０を取り付ける開口部４０が設けられている。すなわち、開口部４０は、ブロワケース２１のブロワ収容部２５と冷却用熱交換器収容部３２との間に設けられている。

　以下、開口部４０及び開口部４０に取り付けられるファンドライバ５０について説明する。図４、図５に、図２のＡ部分を拡大した分解斜視図また、図６に図３のＢ部分を拡大した分解斜視図、図７に図３のＢ部を拡大した斜視図を示す。

　図４～図７に示すように、開口部４０は、熱交換器ケース３１の側面であって、車両前後方向の前方側となる側面において、取込開口部近傍に設けられている。開口部４０の水平方向の開口部４０を挟む一方側と他方側の夫々には、上側ケース３１ａにファンドライバ５０を取り付けるための第１締結孔４１が、下側ケース３１ｂにファンドライバ５０を取り付けると共に位置合わせを行うための突起部４２が設けられている。開口部４０は、上側ケース３１ａと下側ケース３１ｂとが結合したときに、ファンドライバ５０の放熱部５２（後述）に応じた形状且つ大きさを有している。

　ファンドライバ５０は、ブロワモータを制御してブロワを駆動する制御ユニットであり、開口部４０に取り付けられる。ファンドライバ５０は、制御部５１と、制御部５１において生じる熱を放熱させる放熱部５２と、制御部５１を支持すると共に開口部４０を閉塞する支持プレート５５とを備えている。放熱部５２は、支持プレート５５の制御部５１と反対側の面に設けられ、開口部４０に挿入されたときに、熱交換器ケース３１の内側に位置するようになっている。

　ファンドライバ５０には、支持プレート５５の水平方向において、制御部５１を挟む一方側及び他方側に夫々、突起部４２が挿入される挿入孔５３と、第１締結孔４１と共通する第３締結孔５４が設けられている。

　熱交換器ケース３１の側面には、上側ケース３１ａと下側ケース３１ｂと固定するための固定部３８が複数箇所に設けられている。各固定部３８は、上側ケース３１ａに設けられた孔及び爪と、下側ケース３１ｂに設けられたピン及び嵌合部とを含み、ピンが孔に挿入され、爪が嵌合部に嵌合することで、上側ケース３１ａと下側ケース３１ｂとが位置合わせされつつ結合される。

（車両用空調装置の組立工程について）
　以上のように構成された車両用空調装置１は、以下のように組み立てられ、車両に取り付けられる。

　ブロワユニット２は、ブロワユニット２に含まれる各構成を下側ケース２１ｂの所定の位置に収容した状態で、上側ケース２１ａを下側ケース２１ｂに対して載せ、固定部２８Ａのピンを孔に挿入し、爪を嵌合部に嵌合させることで、上側ケース２１ａと下側ケース２１ｂとを位置合わせしつつ結合する。

　同様に、熱交換器ユニット３は、熱交換器ユニット３に含まれる各構成を下側ケース３１ｂの所定の位置に収容した状態で、上側ケース３１ａを下側ケース３１ｂに対して載せ、固定部３８のピンを孔に挿入し、爪を嵌合部に嵌合させることで、上側ケース３１ａと下側ケース３１ｂとを位置合わせしつつ結合する。

　この状態で、上側ケース３１ａと下側ケース３１ｂとにより形成された開口部４０にファンドライバ５０の放熱部５２を挿入し、支持プレート５５の挿入孔５３に下側ケース３１ｂの突起部４２を挿入する。これにより、上側ケース３１ａの第１締結孔４１と支持プレート５５の第３締結孔５４とが位置決めされ、一つの締結孔となる。

　熱交換器ユニット３に対して、ブロワユニット２を取付け、ブロワユニット２の規制部２９によりブロワユニット２と熱交換器ユニット３との境界を覆うと共に、締結片２９Ａを支持プレート５５と熱交換器ケース３１との間に挿入する。これにより、切欠き２９Ｂが第１締結孔４１と第３締結孔５４とからなる一つの締結孔に位置決めされる。その後、第１締結孔４１、第３締結孔５４及び切欠き２９Ｂを一つの締結具Ｓにより共締めする。

　これにより、熱交換器ケース３１の上側ケース３１ａ及び下側ケース３１ｂ、ブロワケース２１が一体的に結合される。熱交換器ケース３１では、上側ケース３１ａと下側ケース３１ｂとが、第１締結孔４１及び第３締結孔５４により構成される一つの締結孔を締結具Ｓによって共締めすることにより結合される。つまり、ファンドライバ５０によって上側ケース３１ａと下側ケース３１ｂとが結合し、固定される。

　また、ブロワケース２１は、送風用開口部２７の周縁部又は熱交換器ユニット３の取込開口部の周縁部に設けられたスライドレール又はスライド溝により熱交換器ケース３１に取り付けられ、締結片２９Ａがファンドライバ５０の支持プレート５５と熱交換器ケース３１の側面とにより挟持される。

　さらに、締結片２９Ａの切欠き２９Ｂが第１締結孔４１及び第３締結孔５４と共に締結具Ｓによって共締めされているので、熱交換器ケース３１に対してブロワケース２１の空気流路Ｆと直交する水平方向の動きが規制され、ブロワケース２１が熱交換器ケース３１に対して固定される。つまり、ブロワケース２１がファンドライバ５０によって熱交換器ケース３１に結合される。

　車体への取付前において、ブロワユニット２は上側ケース２１ａと下側ケース２１ｂとが固定部２８Ａによって固定され、熱交換器ユニット３は上側ケース３１ａと下側ケース３１ｂが固定部３８によって固定され、これらが、さらにファンドライバ５０によって結合して固定されている。このため、各ケース同士を固定させるためだけの締結具とその締結工程がなくとも、各ケースが互いに強固に結合されて固定される。

　（変形例）
　図８に、上記した実施形態に係る車両用空調装置の変形例であって、図３のＢ部分に相当する部分を拡大した分解斜視図を示す。
　図８に示すように、本変形例に係るは車両用空調装置では、規制部２９から延在する締結片２９Ａに、切欠き２９Ｂに代えて、熱交換器ケース３１の第１締結孔４１及びファンドライバ５０の第３締結孔５４と共通する第２締結孔２９Ｃが設けられている。

　従って、熱交換器ユニット３に対して、ブロワユニット２を取付ける際に、締結片２９Ａを支持プレート５５と熱交換器ケース３１との間に挿入することで、第２締結孔２９Ｃが第１締結孔４１と第３締結孔５４と共に位置決めされて一つの締結孔となる。その後、第１締結孔４１、第２締結孔２９Ｃ、及び第３締結孔５４を一つの締結具Ｓにより共締めする。

　これにより、締結片２９Ａがファンドライバ５０の支持プレート５５と熱交換器ケース３１の側面とにより挟持され、締結片２９Ａの第２締結孔２９Ｃが第１締結孔４１及び第３締結孔５４と共に締結具Ｓによって共締めされているので、熱交換器ケース３１に対してブロワケース２１の空気流路Ｆと直交する水平方向の動きが規制され、ブロワケース２１が熱交換器ケース３１に対して固定される。つまり、ブロワケース２１がファンドライバ５０によって熱交換器ケース３１に結合される。

　このように、上述した実施形態及びその変形例によれば、ブロワケース２１を構成する上側ケース２１ａ及び下側ケース２１ｂ、さらに熱交換器ケース３１を構成する上側ケース３１ａ及び下側ケース３１ｂを含む各筐体部材同士の結合を、車両用空調装置に用いられるファンドライバの筐体部材への取付と同時に１つの締結具によって一体的に行うことができる。このため、筐体部材同士を結合し固定させるための締結具とその締結工程を必要とせず、部品点数及び組立工数を低減させつつ、耐振動性を確保することができる。

　なお、このように組み立てられた車両用空調装置１を、車両に設置する際には、ブロワケース２１では、上側ケース２１ａの締結部２１０と下側ケース２１ｂの締結部２２０とを係合させて設けられる締結孔を車体に対して共締めする。
　同様に、熱交換器ケース３１では、上側ケース３１ａの締結部３１０，４１０と下側ケース３１ｂの締結部３２０，４２０とをそれぞれ係合させて設けられる締結孔を車体に対して共締めする。

　従って、筐体部材同士の締結と車両用空調装置としての車体への締結とを１つの締結具によって一体的に行うことができるので、部品点数及び組立工数を低減させつつ、耐振動性を確保することができる。

　以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。

１：車両用空調装置、２：ブロワユニット、３：熱交換器ユニット
２１：ブロワケース、２１ａ：上側ケース、２１ｂ：下側ケース
２２：内気取込口、２３：外気取込口
２４，２５：ファン収容部、２６：ブロワモータ収容部、２７：送風用開口部、
２８：把手、２８Ａ：固定部、
２９：規制部、２９Ａ：締結片、２９Ｂ：切欠き、２９Ｃ：第２締結孔
３１：熱交換器ケース、３１ａ：上側ケース、３１ｂ：下側ケース
３２：冷却用熱交換器収容部、３３：加熱用熱交換器収容部、
３４，３５，３６：前方吹出口、３７：後方吹出口、３８：固定部
４０：開口部、４１：第１締結孔、４２：突起部
５０：ファンドライバ、５１：制御部、５２：放熱部、５３：挿入孔、５４：第３締結孔
５５：支持プレート
２１０，２２０，３１０，３２０，４１０，４２０：締結部、
Ｆ：空気流路
Ｓ：締結具
　

Claims (5)

1. 　車両に搭載され、送風機から送風された空気を熱交換器により温調して車室内に供給する車両用空調装置であって、
   　複数の筐体部材を結合して、前記送風機及び前記熱交換器の収容空間と空気流路とを形成する筐体と、
   　前記送風機から送風され前記空気流路を通過する空気と熱交換を行う放熱部を有する制御ユニットと、を備え、
   　少なくとも２つの前記筐体部材が、前記制御ユニットにより結合されることを特徴とする車両用空調装置。
2. 　前記制御ユニットは、前記熱交換器の収容空間を形成する第１筐体部材及び第２筐体部材を結合する、請求項１記載の車両用空調装置。
3. 　前記制御ユニットは、前記熱交換器の収容空間を形成する第１筐体部材及び第２筐体部材と、前記送風機の収容空間を形成する第３筐体部材とを結合する、請求項１記載の車両用空調装置。
4. 　前記第１筐体部材は、第１締結孔を有し、
   　前記第２筐体部材は、突起部を有し、
   　前記第３筐体部材は、前記第１締結孔と共通する第２締結孔を有し、
   　前記制御ユニットは、前記突起部が挿入される挿入孔と、前記第１締結孔及び第２締結孔と共通する第３締結孔を有し、
   　前記挿入孔に前記突起部を挿入しつつ、前記第１締結孔、前記第２締結孔及び前記第３締結孔を共締めすることにより、前記第１筐体部材、前記第２筐体部材及び前記第３筐体部材を一体的に結合する、請求項３記載の車両用空調装置。
5. 　前記制御ユニットは、前記送風機の駆動を制御するファンドライバであり、
   　前記放熱部が、前記筐体の前記送風機の収容空間と前記熱交換器の収容空間との間に収容されるように設けられる、請求項１記載の車両用空調装置。

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