WO2023176462A1 - フィルムコンデンサ、それを用いたインバータおよび電動車両 - Google Patents

フィルムコンデンサ、それを用いたインバータおよび電動車両 Download PDF

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Abstract

フィルムコンデンサは、第1電極および第2電極を有するフィルムコンデンサ素子と、第1電極に接続される第1接続部、および外部接続用の第1端子部を有する第1バスバーと、第2電極に接続される第2接続部、および外部接続用の第2端子部を有する第2バスバーと、フィルムコンデンサ素子を収容する、一面が開口した箱体と、箱体の開口を塞ぐ蓋体であって、第1バスバーおよび第2バスバーを保持する蓋体と、を備える。フィルムコンデンサ素子は、第1電極および第2電極を除いて周囲全面が低含水エポキシ樹脂硬化物で被覆されてなり、さらに蓋体の下の第1バスバーの上側であって、箱体の内側全体が高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物で被覆されてなる。

Description

フィルムコンデンサ、それを用いたインバータおよび電動車両
 本開示は、フィルムコンデンサ、それを用いたインバータおよび電動車両に関する。
 従来技術のフィルムコンデンサは、例えば特許文献1に記載されている。
特開2021-22608号公報
 本開示のフィルムコンデンサは、第1電極および第2電極を有するフィルムコンデンサ素子と、前記第1電極に接続される第1接続部、および外部接続用の第1端子部を有する第1バスバーと、前記第2電極に接続される第2接続部、および外部接続用の第2端子部を有する第2バスバーと、前記フィルムコンデンサ素子を収容する、一面が開口した箱体と、前記箱体の開口を塞ぐ蓋体であって、前記第1バスバーおよび前記第2バスバーを保持する蓋体と、を備え、前記フィルムコンデンサ素子は、前記第1電極および前記第2電極を除いて周囲全面が低含水エポキシ樹脂硬化物で被覆されてなり、さらに前記蓋体の下の第1バスバーの上側であって、前記箱体の内側全体が高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物で被覆されてなる。
 本開示のインバータは、スイッチング素子により構成されたブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部と、を備え、該容量部は、前記フィルムコンデンサを含む。
 本開示の電動車両は、電源と、該電源に接続されたインバータと、該インバータに接続されたモータと、該モータにより駆動する車輪と、を備え、インバータが、前記インバータである。
 本開示の目的、特色、及び利点は、下記の詳細な説明と図面とからより明確になるであろう。
本開示の一実施形態のフィルムコンデンサの一例を示す箱体および蓋体を省略した分解斜視図である。 図1のフィルムコンデンサ素子の製造手順を説明するための斜視図である。 本開示の一実施形態のフィルムコンデンサの一例を示す蓋体を省略した斜視図である。 図2のフィルムコンデンサに蓋を装着した状態を示す斜視図である。 図4におけるX-Y軸を含む平面で切断したときの断面図である。 インバータの構成を説明するための電気回路図である。 電動車両の構成を説明するための概略構成図である。
 以下、図面を参照しつつ、本開示のフィルムコンデンサ、インバータおよび電動車両の実施形態について説明する。
 従来、樹脂フィルムを誘電体として用いるフィルムコンデンサ素子を備えたフィルムコンデンサが知られている。フィルムコンデンサ素子は、例えば、樹脂フィルムの一方面にアルミニウム、亜鉛等からなる金属膜を蒸着してなる金属化フィルムで構成された本体部と、該本体部の両端面に配された一対の金属電極とを含んでいる。
 フィルムコンデンサは一般的に水分に脆弱で、電極に使用されている金属の酸化により短寿命化する。そのためにモジュールの素子周辺を低含水エア、不活性ガスで封じ、ハーメチック構造を形成する封止構造を取ることで、金属電極膜の酸化を抑制する方法が取られている。しかし、気体である低含水エア、不活性ガスは、モジュールが高温になった際に、膨張し、素子を圧縮し、素子に直接的なダメージを与えるおそれがある。
 フィルムコンデンサの耐湿性を向上させるために、例えば上記特許文献1には、フィルムコンデンサ素子を樹脂から構成される外装部材で被覆したフィルムコンデンサが提案されている。
 しかしながら、上記特許文献1に記載される従来技術では、外装部材を構成する樹脂から水分が発生した場合に、誘電体フィルムに蒸着された金属膜が陽極酸化して、フィルムコンデンサの静電容量を減少させてしまうことがあり、耐湿性、耐久性の改善が求められている。
 本開示のフィルムコンデンサの基本的な構成は、第1電極および第2電極を有するフィルムコンデンサ素子と、前記第1電極に接続される第1接続部、および外部接続用の第1端子部を有する第1バスバーと、前記第2電極に接続される第2接続部、および外部接続用の第2端子部を有する第2バスバーと、前記フィルムコンデンサ素子を収容する、一面が開口した箱体と、前記箱体の開口を塞ぐ蓋体であって、前記第1バスバーおよび前記第2バスバーを保持する蓋体と、を備えていれば限定はない。
 図1は、本開示の一実施形態のフィルムコンデンサの一例を示す蓋体を省略した分解斜視図である。図2は、図1のフィルムコンデンサ素子の製造手順を説明するための斜視図である。なお、以下の各図において、各部位の寸法は図解を容易にするために誇張して示されており、各実製品の寸法を正確に再現したものではない。
 本実施形態のフィルムコンデンサ1は、第1電極2および第2電極3を有する複数のフィルムコンデンサ素子4と、第1電極2に接続される第1接続部5、および外部接続用の第1端子部6を有する第1バスバー7と、第2電極3に接続される第2接続部8、および外部接続用の第2端子部9を有する第2バスバー10と、フィルムコンデンサ素子4を収容する、一面が開口した箱体11と、箱体11の開口12を塞ぐ蓋体13であって、第1バスバー7および第2バスバー10を保持する蓋体13(図4を参照)と、を備える。
 第1バスバー7は、複数(本実施形態では5)のフィルムコンデンサ素子4上に位置する平板状の前述の第1接続部5、第1接続部5の長手方向に垂直な幅方向一側部に第1接続部5に対して垂直に屈曲して連なる側壁部7a、および側壁部7aの上端部、すなわち側壁部7aの第1接続部5とは反対側の一側部に垂直に屈曲して連なる前述の第1端子部6を有する。
 第1接続部5には、複数対の短円柱状の端子部25が設けられる。各対を成す端子部25の周囲には、略C字状の貫通孔26が形成される。各対を成す端子部25は、第1接続部5の各貫通孔26を除いた残余の領域の主面25aよりも僅かにフィルムコンデンサ素子4側に突出し、各フィルムコンデンサ素子4の第1電極2に弾発的に当接して、確実な導通状態が得られるように構成される。
 第1接続部5の幅方向の他側部には、第1接続部5に対して垂直に屈曲して連なる側壁部7bが形成され、この側壁部7bの上端部に前述の第1端子部6が形成される。第1端子部6は、側壁部7bに垂直に屈曲して連なる。
 第2バスバー10は、第2接続部8を有する。第2接続部8には、複数対の短円柱状の端子部27が設けられる。各対を成す端子部27の周囲には、略C字状の貫通孔28が形成される、各対を成す端子部27は、第2接続部8の各貫通孔28を除いた残余の領域の主面27aよりも僅かにフィルムコンデンサ素子4側に突出し、各フィルムコンデンサ素子4の第2電極3に弾発的に当接して、確実な導通状態が得られるように構成される。
 第2バスバー10は、複数のフィルムコンデンサ素子4を支持する平板状の第2接続部8、第2接続部8の長手方向に垂直な幅方向の一側部に第2接続部8に対して垂直に屈曲して連なる下側側壁部10a、下側側壁部10aの上端部から下側側壁部10aと平行に延びる上側側壁部10b、上側側壁部10bの上端部に第2接続部8とは反対側に垂直に屈曲して連なる屈曲部10c、屈曲部10cの幅方向一側部に連なり、屈曲部10cと平行に延びる前述の第2端子部9を有する。
 第2接続部8の幅方向の他側部には、第2接続部8に対して垂直に屈曲して連なる側壁部10dが形成され、この側壁部10dの上端部に前述の第2端子部9が形成される。第2端子部9は、側壁部10dに垂直に屈曲して設けられる。
 フィルムコンデンサ素子4は、図2に示されるように、例えば、第1金属化フィルム21の金属膜非形成部23と、第1金属化フィルム21に隣り合う第2金属化フィルム22の金属膜非形成部24とが、第1誘電体膜21aおよび第2誘電体膜22aの幅方向(図2における左右方向)における異なる端部に交互に位置するように構成されてもよい。
 フィルムコンデンサ素子4は、図2に示されるように、巻回型の素子を使用することができる。巻回型の場合、第1金属化フィルム21および第2金属化フィルム22を巻回して円柱(または円筒)状のフィルム巻回体を構成し、フィルム巻回体の一対の両端面にメタリコン電極23a,23bを形成したもの、フィルム巻回体を直径方向にプレスして断面が小判形の扁平な柱状体を構成し、両端面にメタリコン電極23a,23bが形成されたもの等を用いることができる。
 フィルムコンデンサ素子4は、第1金属化フィルム21および第2金属化フィルム22を備えることにより、フィルムコンデンサ素子4を製造する際の歩留り、フィルムコンデンサ素子4の耐電圧性を向上することができる。また、フィルムコンデンサ素子4は、隣り合う第1金属化フィルム21および第2金属化フィルム22が密着することを抑制し、絶縁欠陥部で短絡が生じた際のガス抜け性を確保し、自己回復性を向上することができる。
 第1金属化フィルム21は、第1誘電体膜21aと、第1誘電体膜21aの面21b上の第1金属蒸着膜21cとを備える。第2金属化フィルム22は、第2誘電体膜22aと、第2誘電体膜22aの面22b上の第2金属蒸着膜22cとを備える。第1金属化フィルム21および第2金属化フィルム22を積層状態で略円柱状に巻回し、その両端面にメタリコン電極23a,23bが形成される。
 第1誘電体膜21aおよび第2誘電体膜22aに用いる絶縁性の有機樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアリレート(PAR)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエーテルイミド(PEI)、及びシクロオレフィンポリマー(COP)等が挙げられる。特に、シクロオレフィンポリマー(COP)は、絶縁破壊電圧が高い。
 第1誘電体膜21aおよび第2誘電体膜22aは、例えば次のようにして得られる。絶縁性の有機樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液を、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材フィルムの表面にシート状に成形する。成形したシートを乾燥して、溶剤を揮発させることによって第1誘電体膜21aおよび第2誘電体膜22aが得られる。成形方法としては、例えばメタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサン、又はこれらから選択された2種以上の混合物を含んだ有機溶媒を用いてもよい。また、溶融押し出し法で作製した有機樹脂のフィルムを延伸加工してもよい。
 第1誘電体膜21aおよび第2誘電体膜22aは、上述の絶縁性の有機樹脂のみにより構成されてもよいが、他の材料を含んでいてもよい。第1誘電体膜21aおよび第2誘電体膜22aに含まれる有機樹脂以外の構成要素としては、例えば上述の有機溶剤、無機フィラー等が挙げられる。無機フィラーには、例えばアルミナ、酸化チタン、二酸化珪素等の無機酸化物、窒化珪素等の無機窒化物、ガラス等を用いることができる。特に無機フィラーとして、ペロプスカイト型構造を有する複合酸化物等の比誘電率の高い材料を用いると、誘電体フィルム全体の比誘電率が向上し、フィルムコンデンサの体積を小さくすることができる。また無機フィラーと有機樹脂との相溶性を高めるために、無機フィラーにシランカップリング処理、チタネートカップリング処理等の表面処理を行ってもよい。
 フィルムコンデンサ素子4は、例えば、前述のように巻回型のフィルムコンデンサであってもよい。フィルムコンデンサ素子4は、巻回型のフィルムコンデンサである場合であっても、第1金属化フィルム21および第2金属化フィルム22を備えることによって、絶縁欠陥部で短絡が生じた際のガス抜け性を確保することができるため、自己回復性を向上することができる。
 図3は、複数のフィルムコンデンサ素子4を第1バスバー7および第2バスバー10によって把持された状態で箱体11に収納した状態を示す斜視図である。箱体11は、中空の直方体形状であって、低透湿樹脂である例えばポニフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリレートやオレフィン系接着剤、アクリル樹脂等が用いられてよい。
 箱体11を構成する金属としては、ステンレス鋼を含む鉄、アルミニウム、マグネシウム、銅、チタン、アルミニウム合金、マグネシウム合金、銅合金、チタン合金等を用いることができる。
 図4は、図3の箱体11内にセットされたフィルムコンデンサ素子、第1バスバー、第2バスバーの上から蓋体13が装着された状態を示す斜視図である。蓋体13は、箱体11と同一材料によって形成することができる。図5は、図4の切断面線X-Yから見たフィルムコンデンサの断面図である。
 図5において、フィルムコンデンサ素子4は、第1電極2および第2電極3(図5においては、フィルムコンデンサ素子4の上下端の位置に相当)を除いて周囲全面が低含水エポキシ樹脂硬化物14で被覆されている。これにより、フィルムコンデンサ素子の周辺が低含水エポキシ樹脂硬化物で被覆されていると、フィルムコンデンサ素子に、水分が供給されにくいので、耐湿性が良好となり、長寿命化が可能となる。低含水エポキシ樹脂硬化物の含水量は50ppm未満となるようにするのが好ましい。低含水エポキシ樹脂硬化物の含水量が50ppm未満であると、フィルムコンデンサ素子に、いっそう水分が供給されにくいのでさらに耐湿性が良好となり、長寿命化が可能となる。
 本実施形態においては、エポキシ樹脂とはエポキシ基を含有するプレポリマー(たとえば、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのプレポリマーなど)のことをいい、これとエポキシ樹脂硬化剤との反応によって得られる硬化物をエポキシ樹脂硬化物という。低含水エポキシ樹脂硬化物の場合は、反応前のエポキシ樹脂の脱水工程を必要とし、含水量を50ppm未満に下げておき、エポキシ樹脂硬化剤も含水していないものを使用する。これによって低含水エポキシ樹脂硬化物の含水量50ppm未満を達成することができる。
 低含水エポキシ樹脂硬化物の透湿性は下記の高含水低透湿性エポキシ樹脂に対し、高い。低含水エポキシ樹脂硬化物の透湿度は4.0g/24hrs以上であるのが好ましい。
 低含水エポキシ樹脂硬化物の線膨張係数はフィルムコンデンサ材料と同等であるのが好ましい。フィルムコンデンサ材料の線膨張係数は30×10-5/K~100×10-5/Kである。低含水エポキシ樹脂硬化物の線膨張係数はフィルムコンデンサ材料と同等であると、被覆された低含水エポキシ樹脂硬化物がフィルムコンデンサに追随するので、加熱、冷却によっても剥がれ、ひび割れがない。
 低含水エポキシ樹脂硬化物の被覆の膜厚は1mm以上4mm以下が好ましい。4mm以上であれば、フィルムコンデンサ素子に、いっそう水分が供給されにくいので、耐湿性が良好となる。2mm以下であれば材料コストも高くならずフィルムコンデンサが軽量となる。
 また、メルティングしたプラスチック材料(PET、PC、PENなど)も低含水エポキシ樹脂硬化物に替えて使用できる。また箱体11内へは、封止樹脂が充填されないので、樹脂の硬化時に樹脂から水分が発生することはなく、フィルムコンデンサ素子4の第1金属蒸着膜21cおよび第2金属蒸着膜22cのうち正電圧が印加される一方が陽極酸化することが抑制され、静電容量の低下を防ぐことができる。
 図5において、さらに蓋体13の下の第1バスバー7の上側であって、箱体11の内側全体が高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物15で被覆されている。これにより、蓋体の下の第1バスバーの上側であって、箱体の内側全体の被覆はフィルムコンデンサの最外装であり、外部環境から内部への水分の侵入を抑制することが出来、フィルムコンデンサ素子に、水分が供給されにくいので、耐湿性が良好であり、長寿命化できる。
 高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物は、一般的なフィルムコンデンサモジュールの封止に封止樹脂として使用されており、高含水、低透湿性を示す。高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物の含水量は、市販のエポキシ樹脂がそのまま使用できるので100ppm以上である。含水量が、100ppm以上であると、高温、高電圧で使用するフィルムコンデンサにおいて、金属電極膜の酸化が促進され、使用に適していない。
 高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物の透湿度が3.0g/24hrs以下と低いものが好ましい。高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物の透湿度が3.0g/24hrs以下であると、外部環境から内部への水分の侵入を抑制することが出来、フィルムコンデンサ素子に、水分が供給されにくいので、いっそう耐湿性が良好であり、さらに長寿命化が可能となる。
 透湿度はエポキシ樹脂の内疎水性の大きいものが低くなるので、疎水性の大きいエポキシ樹脂(プレポリマー)を選択する。エポキシ樹脂硬化剤もフタル酸系の硬化剤、フェノール系の硬化剤など疎水性の大きい硬化剤を選択するのが好ましい。このようにすると透湿度が3.0g/24hrs以下を達成することができる。
 高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物の線膨張係数はフィルムコンデンサ材料と同等であるのが好ましい。フィルムコンデンサ材料の線膨張係数は30×10-5/K~100×10-5/Kである。高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物の線膨張係数はフィルムコンデンサ材料と同等であると、被覆された高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物がフィルムコンデンサ材料(たとえば、第1バスバー)に追随するので、加熱、冷却によっても剥がれ、ひび割れがない。
 高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物の被覆の膜厚は2mm以上20mm以下が好ましい。6mm以上であれば、内部に水分が供給されにくいので、耐湿性が良好となる。20mm以下であれば材料コストも高くならずフィルムコンデンサが軽量となる。
 蓋体13によって開口12が塞がれた状態における箱体11内は、フィルムコンデンサ素子のある内部は低透湿性の高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物で被覆されているので、外部から箱体11内への水分の侵入を実質上、遮断することができる。
 上記のように、フィルムコンデンサの最外装、フィルムコンデンサ素子の被覆とフィルムコンデンサの全てをエポキシで封止するので、ハーメチック構造で発生していた素子への直接的なダメージが発生しないので、フィルムコンデンサの長寿命化に繋がる。また箱体11および箱体11内で蓋体13によって規定される空間には、樹脂が充填されていないので、樹脂の硬化時の水分の発生はなく、フィルムコンデンサ素子4の陽極酸化を抑制することができるとともに、樹脂使用量が削減され、材料コストを低減することができ、低コストで達成できる。
 また、蓋体13の内部であって高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物の被覆の下の箱体11内の空間には従来と同様に乾燥空気、不活性ガス等を封入するようにしてもよい。低含水エポキシ樹脂硬化物としては、例えば超脱水ビスフェノール系主剤とジメチル-p-アセトキシフェニルスルホニウム=ヘキサフルオロアンチモナート系硬化剤との硬化物であってもよく、超脱水ビスフェノール系主剤と(4―アセトキシフェニル)ベンジル(メチル)スルホニウム=テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート系硬化剤との硬化物等であってもよい。また高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物としては、例えばビスフェノール系主剤と酸無水物、イミダゾール系、フェノール系硬化剤等との硬化物であってもよい。
 図6は、インバータの構成を説明するための電気回路図である。図6には、モータを駆動するための三相交流を作り出すインバータAの例を示している。本実施形態のインバータ100は、図6に示されるように、ブリッジ回路131と、容量部133とを備えている。ブリッジ回路131は、例えば、IGBT(Insulate Gate Bipolar Transistor)のようなスイッチング素子と、ダイオードとによって構成される。容量部133は、ブリッジ回路131の入力端子間に配置され、電圧を安定化する。インバータ100は、容量部133として、上記のフィルムコンデンサ1が用いられる。
 なお、このインバータ100の入力は、直流電源の電圧を昇圧する昇圧回路135に接続される場合と、直流電源に接続される場合とがある。一方、ブリッジ回路131は駆動源となるモータ駆動装置(モータM)に接続される。
 図7は、電動車両の構成を説明するための概略構成図である。図7には、電動車両200としてハイブリッド自動車(HEV)の例を示している。
 図7における電動車両200は、駆動用のモータ241、エンジン243、トランスミッション245、インバータ100、電源(電池)249、前輪251aおよび後輪251bを備えている。
 この電動車両Bは、駆動源としてモータ241またはエンジン243、もしくはその両方を備えている。駆動源の出力は、トランスミッション245を介して左右一対の前輪251aに伝達される。電源249は、インバータ100に接続され、インバータ100はモータ241に接続されている。
 また、図7に示した電動車両200は、車両ECU253およびエンジンECU257を備えている。車両ECU253は電動車両B全体の統括的な制御を行う。エンジンECU257は、エンジン243の回転数を制御し電動車両200を駆動する。電動車両200は、さらに運転者等に操作されるイグニッションキー255、図示しないアクセルペダル、及びブレーキ等の運転装置を備えている。車両ECU253には、運転者等による運転装置の操作に応じた駆動信号が入力される。この車両ECU253は、その駆動信号に基づいて指示信号をエンジンECU257、電源249、および負荷としてのインバータ100に出力する。エンジンECU257は、指示信号に応答してエンジン243の回転数を制御し、電動車両Bを駆動する。本実施形態のフィルムコンデンサ、または連結型コンデンサを容量部233として適用したインバータ100を、図7に示すような電動車両200に搭載することができる。
 なお、本実施形態のインバータAは、上記のハイブリッド自動車(HEV)のみならず、電気自動車(EV)や電動自転車、発電機、太陽電池など種々の電力変換応用製品に適用できる。
 本開示によれば、耐湿性が改善された、低コスト、高寿命のフィルムコンデンサ、それを備えるインバータおよび電動車両を提供することができる。
 本開示の係るフィルムコンデンサは、以下の構成(1)~(3)の態様で実施可能である。
(1)第1電極および第2電極を有するフィルムコンデンサ素子と、
 前記第1電極に接続される第1接続部、および外部接続用の第1端子部を有する第1バスバーと、
 前記第2電極に接続される第2接続部、および外部接続用の第2端子部を有する第2バスバーと、
 前記フィルムコンデンサ素子を収容する、一面が開口した箱体と、
 前記箱体の開口を塞ぐ蓋体であって、前記第1バスバーおよび前記第2バスバーを保持する蓋体と、を備え、
 前記フィルムコンデンサ素子は、前記第1電極および前記第2電極を除いて周囲全面が低含水エポキシ樹脂硬化物で被覆されてなり、
 さらに前記蓋体の下の第1バスバーの上側であって、前記箱体の内側全体が高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物で被覆されてなる、フィルムコンデンサ。
(2)前記低含水エポキシ樹脂硬化物の含水量が50ppm未満である、上記構成(1)に記載のフィルムコンデンサ。
(3)前記高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物の含水量が100ppm以上であり、透湿度が3.0g/24hrs以下である、上記構成(1)または(2)記載のフィルムコンデンサ。
 本開示の係るインバータは、以下の構成(4)の態様で実施可能である。
(4)スイッチング素子により構成されたブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部と、を備え、
 該容量部は、上記構成(1)~(3)のいずれか1つに記載のフィルムコンデンサを含む、インバータ。
 本開示の係る電動車両は、以下の構成(5)の態様で実施可能である。
(5)電源と、該電源に接続されたインバータと、該インバータに接続されたモータと、該モータにより駆動する車輪と、を備え、
 前記インバータが、上記構成(4)に記載のインバータである、電動車両。
 以上、本開示の実施形態について詳細に説明したが、また、本開示は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。上記各実施形態をそれぞれ構成する全部または一部を、適宜、矛盾しない範囲で組み合わせ可能であることは、言うまでもない。
 1 フィルムコンデンサ
 2 第1電極
 3 第2電極
 4 フィルムコンデンサ素子
 5 第1接続部
 6 第1端子部
 7 第1バスバー
 7a,7b 側壁部
 8 第2接続部
 9 第2端子部
 10 第2バスバー
 10a 下側側壁部
 10b 上側側壁部
 10c 屈曲部
 10d 側壁部
 11 箱体
 12 開口
 13 蓋体
 14 低含水エポキシ樹脂硬化物
 15 高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物
 21 第1金属化フィルム
 21a 第1誘電体膜
 22 第2金属化フィルム
 22a 第2誘電体膜
 23,24 金属膜非形成部
 25 端子部
 25a 主面
 26 貫通孔
 27 端子部
 27a 主面
 28 貫通孔
 100 インバータ
 131 ブリッジ回路
 133 容量部
 135 昇圧回路
 200 電動車両
 241 駆動用のモータ
 243 エンジン
 245 トランスミッション
 249 電源(電池)
 251a 前輪
 251b 後輪
 253 車両ECU
 255 イグニッションキー
 257 エンジンECU

Claims (5)

  1.  第1電極および第2電極を有するフィルムコンデンサ素子と、
     前記第1電極に接続される第1接続部、および外部接続用の第1端子部を有する第1バスバーと、
     前記第2電極に接続される第2接続部、および外部接続用の第2端子部を有する第2バスバーと、
     前記フィルムコンデンサ素子を収容する、一面が開口した箱体と、
     前記箱体の開口を塞ぐ蓋体であって、前記第1バスバーおよび前記第2バスバーを保持する蓋体と、を備え、
     前記フィルムコンデンサ素子は、前記第1電極および前記第2電極を除いて周囲全面が低含水エポキシ樹脂硬化物で被覆されてなり、
     さらに前記蓋体の下の第1バスバーの上側であって、前記箱体の内側全体が高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物で被覆されてなる、フィルムコンデンサ。
  2.  前記低含水エポキシ樹脂硬化物の含水量が50ppm未満である、請求項1に記載のフィルムコンデンサ。
  3.  前記高含水低透湿性エポキシ樹脂硬化物の含水量が100ppm以上であり、透湿度が3.0g/24hrs以下である、請求項1または2記載のフィルムコンデンサ。
  4.  スイッチング素子により構成されたブリッジ回路と、該ブリッジ回路に接続された容量部と、を備え、
     該容量部は、請求項1~3のいずれか1項に記載のフィルムコンデンサを含む、インバータ。
  5.  電源と、該電源に接続されたインバータと、該インバータに接続されたモータと、該モータにより駆動する車輪と、を備え、
     前記インバータが、請求項4に記載のインバータである、電動車両。
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