WO2023176403A1

WO2023176403A1 - コネクタ及びコネクタ接続構造体

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Publication number: WO2023176403A1
Application number: PCT/JP2023/007074
Authority: WO
Inventors: 智明谷川; 貴之樋口; 猛渡辺
Original assignee: 古河電気工業株式会社; 古河As株式会社
Priority date: 2022-03-18
Filing date: 2023-02-27
Publication date: 2023-09-21

Abstract

電線に振動が作用しても振動の影響が及ぶことを抑制できるコネクタ及びコネクタ接続構造体を提供することを目的とする。　先端にハーネス側端子２１が装着された高圧電線２０１と、ハーネス側端子２１を内部に配置するハウジング２２，２３とが備えられたハーネス側コネクタ２０におけるハウジング２２，２３は、ハーネス側端子２１を内部に配置する本体２２２，２３２と、本体２２２，２３２と連通するとともに、高圧電線２０１を挿入する挿通筒部２２１，２３１とを有し、ハーネス挿通筒外部２３１に設けられ、高圧電線２０１を保持する電線保持部２８は、挿通された高圧電線２０１を保持する電線挿通孔２８１を有し、ハーネス挿通筒外部２３１に構成され、固定側円弧溝２８１ａを構成する固定側保持部２８２と、装着側円弧溝２８１ｂを構成し、固定側保持部２８２に対して装着される装着保持部２８３とが設けられた。

Description

コネクタ及びコネクタ接続構造体

　この発明は、例えば、ワイヤーハーネス等に装着され、モータなどの機器に接続されるコネクタ及びコネクタ接続構造体に関する。

　自動車等に装備された電装機器は、被覆電線を束ねたワイヤーハーネスを介して、別の電装機器や電源装置と接続して電気回路を構成している。この際、ワイヤーハーネスと電装機器や電源装置とは、それぞれに装着したコネクタ同士で接続される。

　例えば、特許文献１に示すようなハーネス側コネクタを、モータなどの機器に備えた機器側コネクタに接続する。　
　具体的には、ハーネス側コネクタに設けた端子と、機器側コネクタに設けた端子とを接続し、ハーネス側コネクタと機器側コネクタとを導通可能に接続する。

　なお、このようなコネクタの接続構造において、導通する電圧が高電圧化して電線が太径化するとコネクタハウジングに挿入される電線の剛性が増大する。電線の剛性が増大すると、電線に振動が作用された場合、振動の影響がコネクタに及ぶ恐れがあった。

特開２０１２－１０９０３５号公報

　本発明は、電線に振動が作用しても振動の影響が及ぶことを抑制できるコネクタ及びコネクタ接続構造体を提供することを目的とする。

　この発明は、先端にハーネス側端子が装着された電線と、前記ハーネス側端子を内部に配置するハウジングとが備えられたコネクタであって、前記ハウジングは、前記ハーネス側端子を内部に配置するハウジング本体部と、該ハウジング本体部と連通するとともに、前記電線を挿入する電線挿入部とを有し、前記電線挿入部に、前記電線を保持する電線保持部が設けられ、該電線保持部は、挿通された前記電線を保持する電線挿通孔を有し、さらに、前記ハウジング本体部に構成され、前記電線挿通孔の一部を構成する固定側保持部と、前記電線挿通孔の他の部分を構成し、前記固定側保持部に対して装着される装着保持部とが設けられたことを特徴とする。

　前記電線挿入部は、断面が楕円形、円形、多角形、あるいは、電線が挿入できる適宜の断面形状の筒状であることを含む。　
　前記電線挿通孔は、断面形状が、前記電線の外周に沿う断面形状であり、円形、楕円形あるいは多角形状であってもよい。また、前記電線挿通孔は、前記電線の外周の全周に沿う周状であってもよいし、周方向の一部分が開放されていてもよい。

　この発明により、電線に振動が作用しても振動の影響が及ぶことを抑制できる。　
　詳述すると、前記ハーネス側端子を内部に配置するハウジング本体部とともに前記ハウジングを構成し、該ハウジング本体部と連通するとともに、前記電線を挿入する電線挿入部に、前記電線を保持する電線挿通孔を有する電線保持部が設けられている。また、該電線保持部は、前記ハウジング本体部に構成され、前記電線挿通孔の一部を構成する固定側保持部と、前記電線挿通孔の他の部分を構成し、前記固定側保持部に対して装着される装着保持部とが設けられている。

　そのため、前記ハウジング本体部に構成された固定側保持部に前記装着保持部を装着することで前記電線挿通孔を有する前記電線保持部を構成し、前記電線挿通孔で前記電線を保持することができる。つまり、前記ハウジング本体部に構成された固定側保持部に対して前記装着保持部を装着することで前記ハウジングを構成するとともに、前記電線保持部を構成して前記電線を保持するため、前記電線に振動が作用しても、振動の影響が前記ハウジングに及ぶことを抑制できる。

　この発明の態様として、前記電線挿通孔を形成する内面の少なくとも一部に、前記電線の外面のうち前記電線挿通孔に挿通する部分の少なくとも一部を局所的に押圧する押圧部が設けられてもよい。　
　上述の前記電線の外面のうち前記電線挿通孔に挿通する部分の少なくとも一部とは、電線において電線挿通孔に挿通された部分における外面の一部、あるいは全部をいう。

　上述の前記電線挿通孔を形成する内面とは、前記固定側保持部において前記電線挿通孔の一部を構成する内面と、前記装着保持部において前記電線挿通孔の他の部分を構成する内面とのうち少なくとも一方の内面であることを指す。

　なお、押圧部は、前記電線挿入部の内面に形成された突起や凹凸など、電線の外面に対して局所的な圧力を増大させることができる形状であればよい。　
　前記押圧部は、前記電線の周方向に沿って形成された押圧部、電線の長手方向に沿って形成された押圧部、あるいは点在する押圧部であってもよい。また、押圧部は前記電線挿通孔に対してひとつ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。

　この発明により、前記装着保持部を前記固定側保持部に装着することで電線挿通孔に挿通された前記電線の外面のうち前記電線挿通孔に挿通する部分の少なくとも一部を局所的に押圧部が押圧するため、前記電線挿通孔に対する前記電線の固定力を増大させて、確実に電線を保持することができる。

　またこの発明の態様として、前記電線挿通孔は、前記電線の同程度の径の円形であり、前記押圧部は、前記電線挿通孔を形成する内周面において、周方向に沿って延設するとともに、前記電線挿通孔の中心に向かって突出するリブ形状に形成されてもよい。

　この発明により、前記電線挿通孔に挿入された電線の外面に対して、周方向に沿って延設するとともに、前記電線挿通孔の中心に向かって突出するリブ形状の押圧部で押圧することができる。したがって、電線に引き抜き方向の外力が作用しても、外面を押圧する押圧部が周方向に沿って延設されているため、引き抜き方向の外力に対して効率よく抗することができる。

　また、押圧部が周方向に沿って延設するとともに、前記電線挿通孔の中心に向かって突出するリブ形状であるため、電線の外面を伝わる水分が前記電線挿通孔からコネクタの内部に侵入することを防止できる。

　またこの発明の態様として、リブ形状に形成された前記押圧部は、前記電線挿通孔の貫通方向に所定間隔を隔てて複数設けられてもよい。　
　この発明により、貫通方向に所定間隔を隔てた複数のリブ形状の前記押圧部で、電線の外面を押圧することができる。したがって、電線に作用する引き抜き方向の外力に対する抗力を増大することができる。また、複数のリブ形状の前記押圧部が貫通方向に所定間隔を隔てて複数設けているため、電線の外面を伝わる水分に対する止水性を向上することができる。

　またこの発明の態様として、前記装着保持部と前記固定側保持部とは別体構成され、別体構成された前記装着保持部と前記固定側保持部とを組み付けて固定する固定部が設けられてもよい。　
　この発明により、前記装着保持部が別体構成された前記固定側保持部に設けた前記電線挿通孔に対して前記電線を容易に配置することができる。そして、電線を配置した前記固定側保持部に対して前記装着保持部を装着するとともに固定部で固定することで、前記電線挿通孔に挿通された電線を容易且つ確実に保持することができる。

　またこの発明の態様として、前記固定部は、前記装着保持部と前記固定側保持部とを締結固定する締結部材であってもよい。　
　前記締結部材は、組付けた前記装着保持部と前記固定側保持部とを締結固定するボルトとナット（締結孔）であり、前記装着保持部と前記固定側保持部とは別体構成したボルトとナットであってもよいし、前記装着保持部と前記固定側保持部の一方に設けたナットや締結孔に対して、他方からボルトで締結する構成であってもよいし、前記装着保持部と前記固定側保持部の一方に植設されたボルトを他方に挿通し、別体構成したナットを締結する構成であってもよい。

　この発明により、組付けた前記装着保持部と前記固定側保持部とを締結部材で締結することで、締結力を作用させて前記装着保持部と前記固定側保持部とを確実に固定することができる。　
　また、組付けた前記装着保持部と前記固定側保持部とを、締結部材を締結して固定するため、締結部材の締結力を調整することで、所定の固定状態で固定することができる。

　またこの発明の態様として、前記電線において前記電線挿入部に挿入された部分に外嵌し、前記電線保持部よりも前記ハウジング本体部の側で前記電線挿入部と前記電線との間を封止する電線シールが設けられてもよい。　
　この発明により、前記電線保持部よりも前記ハウジング本体部の側で前記電線挿入部と前記電線との間を封止することができる。また、前記電線シールが前記電線保持部よりも前記ハウジング本体部の側に配置されているため、前記電線保持部によって、前記電線シールが不用意に抜け出ることを防止できる。

　なお、前記電線保持部によって前記電線シールを押圧してプレストレスを作用させて前記電線シールのシール性を向上してもよいし、単に前記電線シールと前記電線保持部とが当接して、あるいは隙間を設けて前記電線シールと前記電線保持部とを配置して、前記電線シールの不用意な抜出しを規制する構成であってもよい。

　またこの発明の態様として、前記電線は複数設けられ、前記電線挿通孔は、電線数に応じて複数設けられてもよい。　
　この発明により、複数の電線を各前記電線挿通孔に挿通して、それぞれを確実に保持することができる。なお、電線数に応じて設けられた前記電線挿通孔同士が連結されていてもよい。

　またこの発明の態様として、前記ハウジング本体部に前記ハーネス側端子が接続される相手方端子を有する相手方コネクタに対して前記ハウジングを固定する相手方固定部が設けられてもよい。

　この発明により、前記コネクタと前記相手方コネクタとをしっかりと接続することができる。したがって、前記ハウジングの内部に配置したコネクタ側端子と、前記相手方コネクタの内部に配置した前記相手方端子とを安定した接続状態で接続することができる。

　仮に、前記ハウジング本体部が金属製であり、前記相手方コネクタにおけるハウジングなどの一部が金属製である場合、前記相手方固定部によって前記ハウジングを前記相手方コネクタの金属部分に固定することで、金属製の前記ハウジング本体部と前記相手方コネクタの金属部分とを導電可能に接続することができる。

　またこの発明の態様として、前記ハウジングは、外部シェルと、該外部シェルの内部に配置される内部ハウジングとが設けられ、前記外部シェルは、前記ハウジング本体部に対応する外部シェル本体部と、前記電線挿入部に対応する外部電線挿入部を有し、前記内部ハウジングは、前記ハウジング本体部に対応する内部ハウジング本体部と、前記電線挿入部に対応する内部電線挿入部を有してもよい。

　この発明により、前記外部シェル本体部の内部に前記内部ハウジング本体部が配置され、前記外部電線挿入部の内部に前記内部電線挿入部が配置される。そして、電線は前記内部電線挿入部から挿入され、電線の先端に設けたハーネス側端子を前記内部ハウジング本体部の内部に配置することができる。

　またこの発明の態様として、前記内部ハウジング本体部は、前記ハーネス側端子が接続される相手方端子を有する相手方コネクタとの接続状態において前記相手方コネクタにおける相手方ハウジングと嵌合し、前記内部ハウジング本体部に、嵌合する前記相手方ハウジングとの間に配置するハウジングシールが設けられてもよい。

　この発明により、前記内部ハウジング本体部と前記相手方ハウジングとのガタツキなく、安定した接続状態で接続できる。また、前記相手方コネクタにおける相手方ハウジングと嵌合する前記内部ハウジング本体部において、嵌合する前記相手方ハウジングとの間にハウジングシールを配置するため、相手方ハウジングと前記内部ハウジング本体部との嵌合部分における止水性を確保することができる。

　またこの発明の態様として、前記外部シェルは、前記電線保持部を有し、前記内部電線挿入部は、前記外部電線挿入部において、前記電線保持部より前記ハウジング本体部の側に配置されてもよい。

　この発明により、前記内部電線挿入部が、前記外部電線挿入部において、前記電線保持部より前記ハウジング本体部の側に配置されているため、前記外部シェルにおいて前記装着保持部を前記固定側保持部に組み付けて構成した前記電線保持部で前記電線を確実に保持することができるとともに、前記内部ハウジングに振動の影響が及ぶことを抑制できる。

　またこの発明の態様として、前記電線挿入部は筒状に形成され、前記装着保持部は、前記外部電線挿入部における一部に構成され、前記装着保持部と前記固定側保持部とを前記固定部で固定することで、前記外部電線挿入部が前記筒状となってもよい。　
　この発明により、前記外部電線挿入部における一部に構成された前記装着保持部を前記固定側保持部に組み付けることで、筒状の前記電線挿入部を構成することができる。

　またこの発明の態様として、前記内部電線挿入部の少なくとも一部は、前記装着保持部に構成された前記外部電線挿入部の内部に配置されてもよい。　
　この発明により、前記外部電線挿入部における一部に構成された前記装着保持部を前記固定側保持部に組み付けることで、前記外部電線挿入部において、前記内部電線挿入部を固定することができる。

　またこの発明の態様として、前記外部シェルは、金属製であってもよい。　
　これにより、金属製の前記外部シェルによって、シールド性を奏する二重構造のハウジングを構成することができる。

　またこの発明の態様として、金属製の前記外部シェルにおける前記電線保持部は、前記電線との間に、前記電線挿通孔を有する樹脂製のリテーナが配置されてもよい。　
　この発明により、前記固定側保持部と前記装着保持部とを組み付けて構成した、金属製の前記外部シェルにおける前記電線保持部は、樹脂製の前記リテーナを介して、前記電線を保持することができる。

　またこの発明の態様として、前記内部電線挿入部と、前記外部電線挿入部との間を封止する電線挿入部シールが設けられてもよい。　
　この発明により、前記内部電線挿入部と、前記外部電線挿入部との間を封止するため、前記内部電線挿入部と、前記外部電線挿入部との間を通って、コネクタ内部に異物が侵入することを防止できる。

　またこの発明は、先端にハーネス側端子が装着された電線と、前記ハーネス側端子を内部に配置するハウジングとが備えられたコネクタと、前記ハウジング本体部に前記ハーネス側端子が接続される相手方端子を有する相手方コネクタとを接続したコネクタ接続構造体であり、前記ハウジングは、前記ハーネス側端子を内部に配置するハウジング本体部と、該ハウジング本体部と連通するとともに、前記電線を挿入する電線挿入部とを有し、前記電線挿入部に、前記電線を保持する電線保持部が設けられ、該電線保持部は、挿通された前記電線を保持する電線挿通孔を有し、さらに、前記ハウジング本体部に構成され、前記電線挿通孔の一部を構成する固定側保持部と、前記電線挿通孔の他の部分を構成し、前記固定側保持部に対して装着される装着保持部とが設けられたことを特徴とする。

　そのため、前記ハウジング本体部に構成された固定側保持部に前記装着保持部を装着することで前記電線挿通孔を有する前記電線保持部を構成し、前記電線挿通孔で前記電線を保持することができる。つまり、前記ハウジング本体部に構成された固定側保持部に対して前記装着保持部を装着することで前記ハウジングを構成するとともに、前記電線保持部を構成して前記電線を保持するため、前記電線に振動が作用しても、振動の影響が前記ハウジングに及ぶことを抑制できる。したがって、相手方コネクタとを接続したコネクタ接続構造体において、前記電線に作用する振動の影響が及ぶことなく、安定した接続状態を実願することができる。

　またこの発明の態様として、前記ハウジング本体部に前記相手方コネクタに対して前記ハウジングを固定する相手方固定部が設けられてもよい。　
　この発明により、コネクタ接続構造体において前記コネクタと前記相手方コネクタとをしっかりと接続することができる。したがって、前記ハウジングの内部に配置したコネクタ側端子と、前記相手方コネクタの内部に配置した前記相手方端子とを安定した接続状態で接続することができる。

　またこの発明の態様として、前記ハウジングは、外部シェルと、該外部シェルの内部に配置される内部ハウジングとが設けられ、前記外部シェルは、前記ハウジング本体部に対応する外部シェル本体部と、前記電線挿入部に対応する外部電線挿入部を有し、前記内部ハウジングは、前記ハウジング本体部に対応する内部ハウジング本体部と、前記電線挿入部に対応する内部電線挿入部を有し、前記内部ハウジング本体部は、前記相手方コネクタにおける相手方ハウジングと嵌合し、前記内部ハウジング本体部に、嵌合する前記相手方ハウジングとの間に配置するハウジングシールが設けられてもよい。

　また、コネクタ接続構造体において前記相手方コネクタにおける相手方ハウジングと嵌合する前記内部ハウジング本体部に、嵌合する前記相手方ハウジングとの間に配置するハウジングシールが設けられているため、前記内部ハウジング本体部と前記相手方ハウジングとのガタツキなく、安定した接続状態で接続できる。また、前記相手方コネクタにおける相手方ハウジングと嵌合する前記内部ハウジング本体部において、嵌合する前記相手方ハウジングとの間にハウジングシールを配置するため、相手方ハウジングと前記内部ハウジング本体部との嵌合部分における止水性を確保することができる。

　この発明によれば、電線に振動が作用しても振動の影響が及ぶことを抑制できるコネクタ及びコネクタ接続構造体を提供することができる。

コネクタ接続構造の説明図。分離状態のコネクタ接続構造の説明図。分離状態のコネクタ接続構造の説明図。機器側コネクタの分解斜視図。ハーネス側コネクタの分解斜視図。ハーネス側コネクタの分解斜視図。電線保持部の説明図。図１（ａ）におけるＡ－Ａ断面図。ハーネス側コネクタの組付け手順についての説明図。ハーネス側コネクタの組付け手順についての説明図。ハーネス側コネクタの組付け手順についての説明図。ハーネス側コネクタの組付け手順についての説明図。ハーネス側コネクタの組付け手順についての説明図。ハーネス側コネクタの組付け手順についての説明図。

　この発明の一実施形態を以下図面とともに詳述する。　
　なお、図１はコネクタ接続構造１の説明図を示し、図２及び図３は分離状態のコネクタ接続構造１の説明図を示している。　
　詳しくは、図１（ａ）はコネクタ接続構造１の正面、右側面及び底面をあらわす斜視図を示し、図１（ｂ）はコネクタ接続構造１の正面、左側面及び平面をあらわす斜視図を示している。

　図２は分離状態のコネクタ接続構造１の上方側Ｈｕからの斜視図による説明図を示しており、詳しくは、図２（ａ）は機器側コネクタ１０の正面、左側面及び平面をあらわす斜視図を示し、図２（ｂ）はハーネス側コネクタ２０の背面、左側面及び平面をあらわす斜視図を示している、

　図３は分離状態のコネクタ接続構造１の下方側Ｈｄからの斜視図による説明図を示しており、詳しくは、図３（ａ）はハーネス側コネクタ２０の背面、右側面及び底面をあらわす斜視図を示し、図３（ｂ）は機器側コネクタ１０の正面、右側面及び底面をあらわす斜視図を示している。

　図４は機器側コネクタ１０の分解斜視図であり、機器側コネクタ１０の正面、右側面及び底面を表している。図５は、ハーネス側コネクタ２０の分解斜視図であり、分解状態のハーネス側コネクタ２０の背面、右側面及び底面を表している。図６も、ハーネス側コネクタ２０の分解斜視図であり、分解状態のハーネス側コネクタ２０の背面、左側面及び平面を表している。

　図７は電線保持部２８の説明図を示している。詳しくは、図７（ａ）は電線保持部２８の背面、底面及び左側面を表している。図７（ｂ）は分解状態の電線保持部２８の背面、底面及び左側面を表しており、図７（ｃ）は図７（ａ）におけるＢ－Ｂ断面図を示している。　
　図８は図１（ａ）におけるＡ－Ａ断面図及びａ部の拡大図を示している。

　図９乃至図１４はハーネス側コネクタ２０の組付け手順についての説明図を示している。　
　詳述すると、図９（ａ）はワイヤーハーネス２００に対して電線保持部２８を構成するロアシェル３２を予め挿通した状態の上方側且つ背面側からの斜視図を示し、図９（ｂ）はワイヤーハーネス２００に対してワイヤーシール２６を予め挿通し、ハーネス側端子２１を取り付ける前の状態の上方側且つ背面側からの斜視図を示している。

　図１０（ａ）はワイヤーハーネス２００の先端の電線２０２にハーネス側端子２１を取り付けるとともに、メス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１にシェルシール２７を装着する前の状態の上方側且つ背面側からの斜視図を示している。図１０（ｂ）はワイヤーハーネス２００に対して、シェルシール２７を装着したメス型内側ハウジング２２を装着した背面側からの斜視図を示している。

　図１１（ａ）は予め挿通したワイヤーシール２６を所定位置に配置した状態の上方側且つ背面側からの斜視図を示し、図１１（ｂ）は装着したメス型内側ハウジング２２に対してロアシェル３２を所定位置に配置するとともに、ハウジングシール２４及びハウジングシールカバー２５を取り付ける前の状態の上方側且つ背面側からの斜視図を示している。

　図１２（ａ）はメス型内側ハウジング２２に対してハウジングシール２４及びハウジングシールカバー２５を取り付けるとともに、ロアシェル３２とともにハウジングシェル２３を構成するアッパーシェル３１を取り付ける前の状態の上方側且つ背面側からの斜視図を示している。　
　図１２（ｂ）は所定位置に配置したロアシェル３２に対してアッパーシェル３１を装着した状態の上方側且つ背面側からの斜視図を示している。

　図１３（ａ）は電線保持部２８を構成する保持カバー６０を取り付ける前の状態の上方側且つ背面側からの斜視図を示し、図１３（ｂ）は同状態、つまり電線保持部２８を構成する保持カバー６０を取り付ける前の状態の下方側且つ背面側からの斜視図を示している。　
　図１４は装着保持部２８３を有する保持カバー６０を固定側保持部２８２に対して装着してハーネス側コネクタ２０の組立が完了した状態の下方側且つ背面側からの斜視図を示している。

　なお、図１（ａ）における上下方向を高さ方向Ｈとし、左下と右上とを結ぶ方向を幅方向Ｗとし、右下と左上とを結ぶ方向を奥行き方向Ｄとしている。さらには、上下方向の高さ方向Ｈにおける上側を上方側Ｈｕとし、下側を下方側Ｈｄとしている。また、右下と左上とを結ぶ奥行き方向Ｄにおける右下側を奥側Ｄｂとし、左上側を手前側Ｄｆとしている。

　なお、当該高さ方向Ｈ、幅方向Ｗ及び奥行き方向Ｄは、コネクタ接続構造１の構成の説明において便宜的に、機器側コネクタ１０とハーネス側コネクタ２０との脱着方向を奥行き方向Ｄとして、機器側コネクタ１０に対してハーネス側コネクタ２０を取付ける方向を奥側Ｄｂ、機器側コネクタ１０からハーネス側コネクタ２０を取り外す方向を手前側Ｄｆとしている。さらに、奥行き方向Ｄに対して直交する方向を幅方向Ｗ及び高さ方向Ｈに設定している。しかしながら、機器側コネクタ１０、ハーネス側コネクタ２０及びコネクタ接続構造１の構成に関して方向を規定するものではない。

　コネクタ接続構造１は、図１に示すように、例えば、自動車等に装備されたモータなどの電装機器や電源機器などの機器に設けられた機器側コネクタ１０と、被覆電線を束ねたワイヤーハーネス２００に装着したハーネス側コネクタ２０とを接続する接続構造である。

　機器側コネクタ１０は、図２及び図３に示すように、電装機器の機器筐体１００（図１乃至図３で破線で示す）に取付けられている。　
　機器側コネクタ１０は、図４に示すように、取付台座１１、機器側端子１２、規制リング１３、機器側シール１４、オス型ハウジング１５及び固定ボルト１６を備えている。

　取付台座１１は、破線で示す機器筐体１００に取付けられ、後述するオス型ハウジング１５やハーネス側コネクタ２０を固定する台座である。　
　取付台座１１は、正面視中央に奥行き方向Ｄに貫通する貫通孔１１１を有し、幅方向Ｗより高さ方向Ｈに長い縦長の長方形状であり、奥行き方向Ｄに所定の厚みを有している。

　取付台座１１における貫通孔１１１より上方側Ｈｕを、取付けられるハーネス側コネクタ２０を固定するための固定部分１１２とし、固定部分１１２には、ハーネス側コネクタ２０をボルト固定するための締結孔１１３を設けている。

　貫通孔１１１より下方側Ｈｄには、オス型ハウジング１５を固定ボルト１６で固定する締結孔１１４を幅方向中央に設けている。　
　このように構成された取付台座１１は、後述するハーネス側コネクタ２０が取付けられた状態で導電可能に接続され、電磁シールド機能を奏するように、金属製で構成している。

　機器側端子１２は、機器筐体１００の内部に配置された電装機器本体と電気的に接続され、ハーネス側コネクタ２０の内部に配置されるハーネス側端子２１と接続されるものであり、幅方向Ｗに所定間隔を隔てて２つ備えている。

　規制リング１３は、後述するオス型ハウジング１５の挿入筒部１５３に装着する機器側シール１４の奥行き方向Ｄの位置を規制するものであり、挿入筒部１５３に外嵌する円筒状に形成している。　
　機器側シール１４は、後述するオス型ハウジング１５の挿入筒部１５３に装着し、オス型ハウジング１５の挿入筒部１５３と取付台座１１との間を封止するシール部材であり、リング状のゴム製である。

　オス型ハウジング１５は、取付台座１１に機器側端子１２を保持するためのものである。オス型ハウジング１５は、機器側端子１２を保持する保持部分１５１と、保持部分１５１の周囲を囲繞するフード部１５２と、取付台座１１の貫通孔１１１に挿入する円筒状の挿入筒部１５３と、高さ方向Ｈの下方側Ｈｄに突出する固定凸部１５４とを備えている。

　保持部分１５１は、幅方向Ｗに所定間隔を隔てて配置した機器側端子１２のそれぞれを絶縁した状態で保持できる構成である。　
　フード部１５２は手前側Ｄｆが開口された周壁状に形成されている。　
　固定凸部１５４は、オス型ハウジング１５を取付台座１１に固定する固定ボルト１６を装着する箇所である。

　このように各要素を構成した機器側コネクタ１０は、オス型ハウジング１５の保持部分１５１に機器側端子１２を組付けるとともに、挿入筒部１５３に機器側シール１４と規制リング１３とを外嵌して組み付ける。

　そして、機器側端子１２、規制リング１３及び機器側シール１４を組み付けたオス型ハウジング１５の挿入筒部１５３を取付台座１１の貫通孔１１１に挿入し、固定凸部１５４に装着した固定ボルト１６を締結孔１１４に螺合して、取付台座１１とオス型ハウジング１５とを固定して機器側コネクタ１０の組み付けは完了する。

　ハーネス側コネクタ２０は、図１に示すように、上述の機器側コネクタ１０に取付けてコネクタ接続構造１を構成し、機器側コネクタ１０の機器側端子１２と内部に配置したハーネス側端子２１とを接続するコネクタである。

　ハーネス側コネクタ２０は、図５及び図６に示すように、ワイヤーハーネス２００、ハーネス側端子２１、メス型内側ハウジング２２、ハウジングシェル２３、ハウジングシール２４、ハウジングシールカバー２５、ワイヤーシール２６、シェルシール２７及び電線保持部２８を備えている。

　ハーネス側端子２１は、絶縁被覆２０３で電線２０２を被覆した高圧電線２０１の先端から露出した電線２０２に装着した高圧用端子である。なお、２本の高圧電線２０１で構成したワイヤーハーネス２００の場合、各高圧電線２０１にハーネス側端子２１を装着しており、ハーネス側コネクタ２０には２つのハーネス側端子２１を備えている。

　メス型内側ハウジング２２は、２つのハーネス側端子２１をハーネス側コネクタ２０の内部における所定の位置に保持するものであり、ワイヤーハーネス２００を挿通するハーネス挿通筒部２２１と、ハーネス挿通筒部２２１に挿通されたワイヤーハーネス２００の先端に設けたハーネス側端子２１を配置する保持部本体２２２とを備えている。なお、メス型内側ハウジング２２は樹脂製である。

　ハーネス挿通筒部２２１は、下方側Ｈｄの端部（下端部）が開口された底面視長円状（小判型）の筒状体であり、上方側Ｈｕの端部（上端部）は保持部本体２２２の内部と連通している。　
　保持部本体２２２は、ハーネス挿通筒部２２１の上方側Ｈｕの端部に配置され、奥側Ｄｂが開放された略直方体状であり、内部にハーネス側端子２１を保持するように構成している。

　保持部本体２２２は、外壁２２２ａと内壁２２２ｂとの２重壁で構成され、内壁２２２ｂの内部にハーネス側端子２１を保持するように構成している。　
　外壁２２２ａと内壁２２２ｂとの間は、機器側コネクタ１０とハーネス側コネクタ２０とを組み付けた状態において、機器側コネクタ１０のオス型ハウジング１５のフード部１５２が挿入される空間であり、ハウジングシール２４が装着される。

　ハウジングシェル２３は、メス型内側ハウジング２２の外側を覆うとともに、ハーネス側コネクタ２０の外形を形成するものである。　
　ハウジングシェル２３は、メス型内側ハウジング２２よりひとまわり大きく、ハーネス挿通筒外部２３１と、シェル本体２３２と、コネクタ固定部２３３とを備えている。

　詳しくは、ハーネス挿通筒外部２３１は、ワイヤーハーネス２００を挿通するハーネス挿通筒部２２１を内部に配置するように、ハーネス挿通筒部２２１よりひとまわり大きく、下方側Ｈｄの端部が開口された底面視長円状の筒状体であり、上方側Ｈｕの端部はシェル本体２３２の内部と連通している。

　なお、ハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの側は、底面視長円状の筒状体における奥側Ｄｂの半分を開放した開口部２３６が設けられている。また、ハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの端部には、後述する電線保持部２８を備えている。

　シェル本体２３２は、ハーネス挿通筒外部２３１の上方側Ｈｕの端部に配置されるとともに、内部に配置する保持部本体２２２よりひとまわり大きな、奥側Ｄｂが開放された略直方体形状である。　
　なお、奥側Ｄｂが開放された略直方体状に形成されたシェル本体２３２において、ハーネス側端子２１が奥側Ｄｂに露出する嵌合開口２３５としている。

　コネクタ固定部２３３は、シェル本体２３２より上方側Ｈｕに突出する正面視三角形状であり、ハウジングシェル２３を取付台座１１に固定するためのボルト（図示省略）を装着する板状に形成している。

　また、メス型内側ハウジング２２を外包するハウジングシェル２３は、取付台座１１に取付けられ、コネクタ固定部２３３を取付台座１１の固定部分１１２にボルト固定することで導通し、電磁シールドを奏するように金属製である。

　このように構成されたハウジングシェル２３は、シェル本体２３２を高さ方向Ｈに分割した分割シェル３１，３２を組み付けて構成している。　
　詳述すると、幅方向Ｗ及び奥行き方向Ｄに沿う仮想水平面（図示省略）でシェル本体２３２を分割し、仮想水平面より上方側Ｈｕのアッパーシェル３１と、仮想水平面より下方側Ｈｄのロアシェル３２とを高さ方向Ｈに組み付けて構成している。なお、仮想水平面は、ハーネス側コネクタ２０を組み付けた状態で、ハーネス挿通筒部２２１における上方側Ｈｕの端部に近い位置となる。

　シェル本体２３２の仮想水平面より上方側Ｈｕの部分とコネクタ固定部２３３とでアッパーシェル３１を構成するとともに、シェル本体２３２の仮想水平面より下方側Ｈｄの部分とハーネス挿通筒外部２３１とでロアシェル３２を構成し、アッパーシェル３１とロアシェル３２とを接合部３３で高さ方向Ｈに組み付けてハウジングシェル２３を構成している。

　なお、接合部３３を構成するアッパーシェル３１における下方側Ｈｄの端部とロアシェル３２における上方側Ｈｕの端部とは高さ方向Ｈから視て奥行き方向Ｄの奥側Ｄｂに向かって開放された角型Ｕ字状である。当該角型Ｕ字状の縁部のうち幅方向Ｗの両側に配置された側面部分の縁部に沿って形成した接合凸部３４をロアシェル３２の上方側Ｈｕの端部の内面側に沿わせて組み付けた接合部３３で接合している。

　詳述すると、接合凸部３４は、底面視角型Ｕ字状に形成されたアッパーシェル３１における幅方向Ｗの両側に配置された側面部分の下方側Ｈｄの端縁の内面側に沿って下方側Ｈｄに突出するように形成している。　
　上述したように、接合凸部３４をロアシェル３２の上方側Ｈｕの端部の内面側に沿わせて、アッパーシェル３１とロアシェル３２を接合して組付けたシェル本体２３２の接合部３３は面一となる。

　また、底面視角型Ｕ字状に形成したアッパーシェル３１の奥側Ｄｂの下方側Ｈｄの端縁の内面側に沿って下方側Ｈｄに突出するよう導電接続片３６を設けている。なお、アッパーシェル３１の下方側Ｈｄの端部から突出する幅方向Ｗの両側の接合凸部３４と導電接続片３６とは連続し、導電接続片３６には固定ボルトを螺合するボルト孔を設けている。

　このように構成した導電接続片３６は、アッパーシェル３１とロアシェル３２とを組み付けた状態において、平面視角型Ｕ字状に形成したロアシェル３２の奥側Ｄｂの側面の内面側に配置され、ボルト締結されて、アッパーシェル３１とロアシェル３２とを導電可能に接続する導電接続部３７（図１参照）を構成することとなる。

　ハウジングシール２４は、保持部本体２２２における内壁２２２ｂの背面視形状と一致する平面視四角形状のリング状のゴム製であり、機器側コネクタ１０のオス型ハウジング１５とハーネス側コネクタ２０のメス型内側ハウジング２２との間を封止するシール材である。

　ハウジングシール２４は、図８に示すように、後述するハウジングシールカバー２５の手前側Ｄｆの部分に外嵌し、ハウジングシールカバー２５を保持部本体２２２に対して装着することで、内壁２２２ｂの奥側Ｄｂに配置され、ハウジングシールカバー２５によって抜出しを規制される。なお、装着状態において、ハウジングシール２４は、外壁２２２ａと間隔を隔てて対向する。そのため、機器側コネクタ１０とハーネス側コネクタ２０との組付け状態において、ハウジングシール２４は、外壁２２２ａと内壁２２２ｂとの間に挿入されるオス型ハウジング１５のフード部１５２と密着し、機器側コネクタ１０のオス型ハウジング１５とハーネス側コネクタ２０のメス型内側ハウジング２２との間を封止することができる。

　ハウジングシールカバー２５は、メス型内側ハウジング２２の内壁２２２ｂに奥行き方向Ｄの奥側Ｄｂから取付けて、メス型内側ハウジング２２の保持部本体２２２に配置したハーネス側端子２１を固定するものである。また、ハウジングシールカバー２５は、メス型内側ハウジング２２の内壁２２２ｂに取付けることで、手前側Ｄｆの部分に外嵌したハウジングシール２４を、内壁２２２ｂの先端に配置することができる。

　ワイヤーシール２６は、２本の高圧電線２０１を挿通する挿通孔２６１を有し、ハーネス挿通筒部２２１に挿通した高圧電線２０１とハーネス挿通筒部２２１の内面との間を封止するシール部材である。そのため、ワイヤーシール２６はハーネス挿通筒部２２１の内部に配置できる長円状に形成している。

　シェルシール２７は、メス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１に外嵌し、ハーネス挿通筒部２２１とハーネス挿通筒外部２３１との間を封止するシール部材である。シェルシール２７はハーネス挿通筒部２２１に外嵌できる長円状に形成している。

　ハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの端部に備えた電線保持部２８は、ハーネス挿通筒部２２１に挿通した高圧電線２０１をハーネス挿通筒外部２３１に保持するものであり、高圧電線２０１を挿通する電線挿通孔２８１を有している。

　電線挿通孔２８１は、ワイヤーハーネス２００を構成する２本の高圧電線２０１に対応して、幅方向Ｗに所定間隔を隔てて２つ設けており、電線挿通孔２８１は挿通する高圧電線２０１の外径と同じあるいはわずかに小径に形成し、電線挿通孔２８１を構成する内面には、高圧電線２０１の外面、つまり絶縁被覆２０３に食い込むリブ２８８（図５，図７参照）を設けている。

　また、電線保持部２８は、ハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄにおいて、挿通された高圧電線２０１を保持する電線挿通孔２８１を有し、ハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄにおいて、ハーネス挿通筒外部２３１と一体で構成された固定側保持部２８２と、固定側保持部２８２に対して装着される装着保持部２８３とが設けられている。

　固定側保持部２８２は電線挿通孔２８１の手前側Ｄｆの半分である固定側円弧溝２８１ａを有し、装着保持部２８３は、電線挿通孔２８１の奥側Ｄｂの半分を構成する装着側円弧溝２８１ｂを有している。

　具体的には、電線保持部２８は、ハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの端部において一体構成された固定側保持部２８２と、固定側保持部２８２と別体構成され、固定側保持部２８２に組み付けて固定する装着保持部２８３と、固定側保持部２８２に組み付けた装着保持部２８３を締結固定する固定ボルト２８４とを備えている。なお、装着保持部２８３は、ハーネス挿通筒外部２３１の開口部２３６を塞ぐカバー部２３７と一体構成され、保持カバー６０を構成している。

　固定側保持部２８２は、板状材を下方側Ｈｄから視て断面長円状となる筒状であるハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの端部において、断面長円状を奥行き方向Ｄに分断した手前側Ｄｆの半断面長円状に形成されるととともに、高さ方向Ｈに所定の厚みを有するように形成されている。そして、手前側Ｄｆの半断面長円状に形成された固定側保持部２８２における奥側Ｄｂに、幅方向Ｗの所定間隔を隔てて固定側円弧溝２８１ａを設けている。なお、固定側保持部２８２における固定側円弧溝２８１ａの幅方向Ｗの外側には、固定ボルト２８４を締結する締結孔２８５を備えている。

　装着保持部２８３は、板状材を下方側Ｈｄから視て断面長円状となる筒状であるハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの端部において、断面長円状を奥行き方向Ｄに分断した手前側Ｄｆの半断面長円状に形成された固定側保持部２８２に対して組み付けて、電線保持部２８を構成するものであり、奥側Ｄｂの半断面長円状に形成されている。なお、装着保持部２８３は、固定側保持部２８２と同様に、高さ方向Ｈに所定の厚みを有するように形成され、手前側Ｄｆ側の半断面長円状に形成された装着保持部２８３における奥側Ｄｂに、幅方向Ｗの所定間隔を隔てて装着側円弧溝２８１ｂを設けている。なお、装着保持部２８３における装着側円弧溝２８１ｂの幅方向Ｗの外側には、固定ボルト２８４を挿通する挿通孔２８６を備えている。

　なお、装着保持部２８３は、上述したように、カバー部２３７と一体形成して保持カバー６０を構成している。　
　具体的には、保持カバー６０は、ハーネス挿通筒外部２３１に形成された開口部２３６に装着することで底面視長円状の筒状体を構成するカバー部２３７が上方側Ｈｕに配置され、カバー部２３７の下方側Ｈｄに装着保持部２８３が配置されている。

　金属製のハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１における開口部２３６をカバー部２３７で塞ぐ保持カバー６０は、ハウジングシェル２３と同様に、通電性を有する金属製であり、組付け状態において、保持カバー６０はハウジングシェル２３と通電可能に接続された状態となる。

　このように構成された保持カバー６０を、ハーネス挿通筒外部２３１に組み付けることで、筒状を構成するとともに、電線保持部２８が形成される。そして、装着保持部２８３の挿通孔２８６に固定ボルト２８４を挿通し、固定側保持部２８２の締結孔２８５に螺合することで、ハーネス挿通筒外部２３１に対して保持カバー６０を締結固定することができる。ハーネス挿通筒外部２３１に対して保持カバー６０を締結固定すると、ハーネス挿通筒外部２３１に形成された開口部２３６を保持カバー６０のカバー部２３７で塞ぎ筒状を形成できるとともに、組付け状態の固定側保持部２８２と装着保持部２８３とを締結固定することができる。

　電線保持部２８に設けた電線挿通孔２８１の内面に設けたリブ２８８は、高圧電線２０１の絶縁被覆２０３に対して局所的に押圧するためのものであり、周方向に沿って形成されている。　
　詳しくは、電線挿通孔２８１の内面に、周方向に沿って形成された周溝２８９が高さ方向Ｈに所定間隔を隔てて設けられており、周溝２８９の高さ方向Ｈの両外側及び間にリブ２８８が形成されている。

　なお、リブ２８８及び周溝２８９は、電線挿通孔２８１を構成する固定側円弧溝２８１ａ及び装着側円弧溝２８１ｂの両方に形成され、固定側保持部２８２と装着保持部２８３とを組み付けて電線保持部２８を構成した状態において、電線挿通孔２８１の内面に、周方向に連続するリブ２８８及び周溝２８９が形成される。

　上述のように構成した各要素は、以下で説明するように組み付けてハーネス側コネクタ２０を構成することができる。　
　ハウジングシール２４はメス型内側ハウジング２２の保持部本体２２２における内壁２２２ｂに外嵌して、外壁２２２ａと内壁２２２ｂの間に配置され、ハウジングシールカバー２５は内壁２２２ｂの開口側に装着される。

　ワイヤーシール２６は挿通孔２６１に高圧電線２０１を挿通して、ワイヤーハーネス２００に装着され、シェルシール２７は、メス型内側ハウジング２２におけるハーネス挿通筒部２２１に外嵌して装着される。　
　先端にハーネス側端子２１が装着された高圧電線２０１で構成するワイヤーハーネス２００は、ハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１及びメス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１から挿入され、保持部本体２２２の内部にハーネス側端子２１が配置されるように装着される。

　メス型内側ハウジング２２は、接合部３３でアッパーシェル３１とロアシェル３２とが組付けされたハウジングシェル２３の内部に配置される。なお、メス型内側ハウジング２２の保持部本体２２２はハウジングシェル２３のシェル本体２３２の内部に配置され、ハーネス挿通筒部２２１はハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１の内部に配置される。

　このとき、ハーネス挿通筒部２２１の下方側Ｈｄの端部はハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの端部に設けられた固定側保持部２８２より上方側Ｈｕに配置され、保持カバー６０を装着する前の状態において開口部２３６から露出する（図１３（ｂ）参照）。

　ハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの端部に、ハーネス挿通筒外部２３１に対して保持カバー６０を組み付け、固定ボルト２８４を螺合して締結固定することで、ハーネス挿通筒外部２３１の開口部２３６をカバー部２３７で塞いで筒状を構成する。また、ハーネス挿通筒外部２３１に対して保持カバー６０を組み付け締結固定することで、ハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの端部に設けた固定側保持部２８２と保持カバー６０の装着保持部２８３とで電線保持部２８を構成する。

　そして、構成した電線保持部２８において、電線挿通孔２８１を挿通する高圧電線２０１の外周面を、電線挿通孔２８１を構成する電線保持部２８の内面に設けたリブ２８８が局所的に押圧して、ハーネス挿通筒外部２３１に対して高圧電線２０１が固定される。

　また、開口部２３６から露出したメス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１は、開口部２３６を塞ぐ保持カバー６０のカバー部２３７に当接して、ハーネス挿通筒外部２３１とカバー部２３７とで挟まれて保持されている。

　このように組み付けられたハーネス側コネクタ２０と、機器側コネクタ１０とを嵌合し、取付台座１１の締結孔１１３に対してハーネス側コネクタ２０におけるハウジングシェル２３のコネクタ固定部２３３を図示省略するボルトで固定する。　

　これにより、機器側コネクタ１０の機器側端子１２とハーネス側コネクタ２０の保持部本体２２２の内部に配置したハーネス側端子２１とが接続され、図１及び図８に示すように、機器側コネクタ１０とハーネス側コネクタ２０とが導通するコネクタ接続構造１を構成することができる。

　上述のように機器側コネクタ１０と嵌合させてコネクタ接続構造１を構成するハーネス側コネクタ２０の組付け手順について、図９乃至図１４とともに説明する。　
　まず、図９（ａ）に示すように、ワイヤーハーネス２００に対してロアシェル３２を予め挿通し、図９（ｂ）に示すように、挿通孔２６１に高圧電線２０１を挿通して、ワイヤーシール２６を予め挿通する。このとき、ワイヤーハーネス２００を構成する高圧電線２０１の先端にはハーネス側端子２１は取り付けられず、電線２０２が露出した状態である。

　図１０（ａ）に示すように、ワイヤーハーネス２００の先端の電線２０２にハーネス側端子２１を取り付ける。そして、メス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１にシェルシール２７を装着する。

　なお、ハーネス挿通筒部２２１へのシェルシール２７の装着及びワイヤーハーネス２００へのロアシェル３２の装着は、ハーネス側コネクタ２０に装着したメス型内側ハウジング２２を収容するようにアッパーシェル３１とロアシェル３２とを組み付けるステップまでの間であればいつ行ってもよい。

　また、高圧電線２０１の先端から露出する電線２０２にハーネス側端子２１を取り付ける方法としては、例えば、超音波振動溶接等によって取り付ければよい。また、上述の説明では、ハーネス側端子２１を高圧電線２０１の先端から露出する電線２０２に取り付けるまでのステップにおいて、高圧電線２０１の先端から電線２０２が露出する態様で説明したが、ハーネス側端子２１を取り付ける当該ステップで先端の絶縁被覆２０３を所定長さ分剥がして電線２０２を露出させてからハーネス側端子２１を取り付けてもよい。

　図１０（ｂ）に示すように、ワイヤーハーネス２００に対して、シェルシール２７を装着したメス型内側ハウジング２２を装着し、ハーネス側端子２１が先端に取り付けられた高圧電線２０１に対して、図１１（ａ）に示すように、予め挿通したワイヤーシール２６を、ハーネス挿通筒部２２１の内部の所定位置に配置する。なお、所定位置とは、ハーネス挿通筒部２２１の下方側Ｈｄの端部から上方側Ｈｕの内部に挿入された位置となり、挿通孔２６１に挿通された高圧電線２０１とハーネス挿通筒部２２１との間をワイヤーシール２６でシールすることができる。

　続いて、図１１（ｂ）に示すように、装着したメス型内側ハウジング２２に対してロアシェル３２を所定位置に配置する。また、メス型内側ハウジング２２の内壁２２２ｂに対してハウジングシール２４及びハウジングシールカバー２５を装着する（図１２（ａ）参照）。　
　このとき、２本の高圧電線２０１は、ロアシェル３２のハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの端部に設けた固定側保持部２８２の固定側円弧溝２８１ａに配置されることとなる。

　なお、メス型内側ハウジング２２の内壁２２２ｂへのハウジングシール２４及びハウジングシールカバー２５の取付けは、高圧電線２０１へのメス型内側ハウジング２２の装着後であればどのタイミングで行ってもよい。

　図１２（ｂ）に示すように、所定位置に配置したロアシェル３２に対して、接合凸部３４及び導電接続片３６をロアシェル３２の周縁部に沿わせて接合部３３で嵌合させてアッパーシェル３１を装着する。このとき、アッパーシェル３１における手前側Ｄｆの導電接続片３６とロアシェル３２とをボルト（図示省略する）で締結して組み付けたアッパーシェル３１とロアシェル３２とを固定し、ハウジングシェル２３を構成する。

　アッパーシェル３１とロアシェル３２とを固定して構成したハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１に対して、図１３（ａ）及び図１３（ｂ）に示すように、電線保持部２８を構成する装着保持部２８３を有する保持カバー６０を所定位置に装着する。

　詳しくは、ハーネス挿通筒外部２３１に対して組み付けて電線保持部２８を構成する保持カバー６０の装着保持部２８３を固定側保持部２８２に対して組み付けるとともに、装着保持部２８３に設けた挿通孔２８６に固定ボルト２８４を挿通し、固定側保持部２８２に設けた締結孔２８５を螺合する。これにより、図１４に示すように、固定側保持部２８２に対して装着保持部２８３を締結固定し、ハーネス側コネクタ２０の組み付けを完了することができる。

　つまり、ハーネス挿通筒外部２３１に対して保持カバー６０を締結固定することができ、保持カバー６０に設けたカバー部２３７でハーネス挿通筒外部２３１の開口部２３６を塞いで筒状を形成するとともに、電線保持部２８を構成することができる。

　このようにして組付けられた電線保持部２８は、固定側保持部２８２の固定側円弧溝２８１ａと装着保持部２８３の装着側円弧溝２８１ｂとで下方側Ｈｄから視て円形状の電線挿通孔２８１を構成することができる。そのため、固定側保持部２８２の固定側円弧溝２８１ａに配置された高圧電線２０１は、電線挿通孔２８１を挿通する態様となり、固定側円弧溝２８１ａと装着側円弧溝２８１ｂとで挟み込まれ、電線挿通孔２８１の内面に設けたリブ２８８が高圧電線２０１の電線２０２に対して局所的に押圧し、電線保持部２８で高圧電線２０１を保持することができる。

　上述したように、先端にハーネス側端子２１が装着された高圧電線２０１と、ハーネス側端子２１を内部に配置するメス型内側ハウジング２２及びハウジングシェル２３とが備えられたハーネス側コネクタ２０におけるメス型内側ハウジング２２及びハウジングシェル２３は、ハーネス側端子２１を内部に配置する保持部本体２２２及びシェル本体２３２と、保持部本体２２２及びシェル本体２３２と連通するとともに、高圧電線２０１を挿入するハーネス挿通筒外部２３１及びハーネス挿通筒部２２１とを有し、ハーネス挿通筒外部２３１に、高圧電線２０１を保持する電線保持部２８が設けられている。

　そして、電線保持部２８は、挿通された高圧電線２０１を保持する電線挿通孔２８１を有し、さらに、ハーネス挿通筒外部２３１と一体で構成され、電線挿通孔２８１の一部である固定側円弧溝２８１ａを構成する固定側保持部２８２と、電線挿通孔２８１の他の部分である装着側円弧溝２８１ｂを構成し、固定側保持部２８２に対して装着される装着保持部２８３とが設けられている。

　また、先端にハーネス側端子２１が装着された高圧電線２０１と、ハーネス側端子２１を内部に配置するメス型内側ハウジング２２及びハウジングシェル２３とが備えられたハーネス側コネクタ２０と、保持部本体２２２及びシェル本体２３２にハーネス側端子２１が接続される機器側端子１２を有する機器側コネクタ１０とを接続したコネクタ接続構造１における、メス型内側ハウジング２２及びハウジングシェル２３は、ハーネス側端子２１を内部に配置する保持部本体２２２及びシェル本体２３２と、保持部本体２２２及びシェル本体２３２と連通するとともに、高圧電線２０１を挿入するハーネス挿通筒外部２３１とを有し、ハーネス挿通筒外部２３１に、高圧電線２０１を保持する電線保持部２８が設けられ、電線保持部２８は、挿通された高圧電線２０１を保持する電線挿通孔２８１を有し、さらに、保持部本体２２２及びシェル本体２３２に構成され、電線挿通孔２８１の一部を構成する固定側保持部２８２と、電線挿通孔２８１の他の部分を構成し、固定側保持部２８２に対して装着される装着保持部２８３とが設けられている。　
　そのため、高圧電線２０１に振動が作用しても振動の影響が及ぶことを抑制できる。

　詳述すると、ハウジングシェル２３を構成し、シェル本体２３２と連通するとともに、高圧電線２０１を挿入するハーネス挿通筒外部２３１に、高圧電線２０１を保持する電線挿通孔２８１を有する電線保持部２８が設けられている。また、電線保持部２８は、ハーネス挿通筒外部２３１と一体で構成され、電線挿通孔２８１の一部である固定側円弧溝２８１ａを構成する固定側保持部２８２と、電線挿通孔２８１の他の部分である装着側円弧溝２８１ｂを構成し、固定側保持部２８２に対して装着される装着保持部２８３とが設けられている。

　そのため、ハーネス挿通筒外部２３１を介してシェル本体２３２と一体構成された固定側保持部２８２に装着保持部２８３を装着することで電線挿通孔２８１を有する電線保持部２８を構成し、電線挿通孔２８１で高圧電線２０１を保持することができる。つまり、シェル本体２３２と一体構成された固定側保持部２８２に対して装着保持部２８３を装着することでハウジングシェル２３を構成するとともに、電線保持部２８を構成して高圧電線２０１を保持する。したがって、高圧電線２０１に振動が作用しても、振動の影響がメス型内側ハウジング２２及びハウジングシェル２３に及ぶことを抑制できる。

　また、電線挿通孔２８１を形成する内面に、高圧電線２０１の外面を局所的に押圧するリブ２８８が設けられているため、装着保持部２８３を固定側保持部２８２に装着することで高圧電線２０１のうち電線挿通孔２８１に挿通された部分の外面の一部を局所的にリブ２８８が押圧し、電線挿通孔２８１に対する高圧電線２０１の固定力を増大させて、高圧電線２０１を確実に保持することができる。

　また、電線挿通孔２８１は、高圧電線２０１の同程度の径の円形であり、リブ２８８は、電線挿通孔２８１を形成する内周面において、周方向に沿って延設するとともに、電線挿通孔２８１の中心に向かって突出するリブ形状に形成されている。

　そのため、電線挿通孔２８１に挿入された高圧電線２０１の外面に対して、周方向に沿って延設するとともに、電線挿通孔２８１の中心に向かって突出するリブ形状のリブ２８８で押圧することができる。したがって、高圧電線２０１に引き抜き方向の外力が作用しても、外面を押圧するリブ２８８が周方向に沿って延設されているため、引き抜き方向の外力に対して効率よく抗することができる。

　また、リブ２８８が周方向に沿って延設するとともに、電線挿通孔２８１の中心に向かって突出するリブ形状であるため、高圧電線２０１の外面を伝わる水分が電線挿通孔２８１からハーネス側コネクタ２０の内部に侵入することを防止できる。

　また、リブ形状に形成されたリブ２８８は、電線挿通孔２８１の貫通方向に所定間隔を隔てて複数設けられている。そのため、高さ方向Ｈに所定間隔を隔てた複数のリブ形状のリブ２８８で、高圧電線２０１の外面を押圧することができる。したがって、高圧電線２０１に作用する引き抜き方向の外力に対する抗力を増大することができる。また、複数のリブ形状のリブ２８８が高さ方向Ｈに所定間隔を隔てて複数設けているため、高圧電線２０１の外面を伝わる水分に対する止水性を向上することができる。

　また、装着保持部２８３と固定側保持部２８２とは別体構成され、別体構成された装着保持部２８３と固定側保持部２８２とを組み付けて固定する固定ボルト２８４が設けられている。そのため、装着保持部２８３が別体構成された固定側保持部２８２に設けた固定側円弧溝２８１ａに対して高圧電線２０１を容易に配置し、固定ボルト２８４で固定することで、電線挿通孔２８１に挿通された高圧電線２０１を容易且つ確実に保持することができる。　
　また、組付けた装着保持部２８３と固定側保持部２８２とを、固定ボルト２８４を締結して固定するため、固定ボルト２８４の締結力を調整することで、所定の固定状態で固定することができる。

　また、高圧電線２０１においてハーネス挿通筒部２２１に挿入された部分に外嵌し、電線保持部２８よりも上方側Ｈｕでハーネス挿通筒部２２１と高圧電線２０１との間を封止するワイヤーシール２６が設けられているため、電線保持部２８よりも上方側Ｈｕでハーネス挿通筒部２２１と高圧電線２０１との間を封止することができる。また、ワイヤーシール２６が電線保持部２８よりも上方側Ｈｕに配置されているため、電線保持部２８によって、ワイヤーシール２６が不用意に抜け出ることを防止できる。

　また、２本の高圧電線２０１が設けられ、電線保持部２８において電線挿通孔２８１は、高圧電線２０１の数に応じて二孔設けられているため、複数の高圧電線２０１を各電線挿通孔２８１に挿通して、それぞれを確実に保持することができる。

　また、保持部本体２２２及びシェル本体２３２にハーネス側端子２１が接続される機器側端子１２を有する機器側コネクタ１０に対してメス型内側ハウジング２２及びハウジングシェル２３を固定するコネクタ固定部２３３が設けられている。

　そのため、ハーネス側コネクタ２０と機器側コネクタ１０とをしっかりと接続することができる。したがって、メス型内側ハウジング２２の内部に配置したハーネス側端子２１と、機器側コネクタ１０の内部に配置した機器側端子１２とを安定した接続状態で接続することができる。

　また、ハーネス側コネクタ２０は、ハウジングシェル２３と、ハウジングシェル２３の内部に配置されるメス型内側ハウジング２２とが設けられ、ハウジングシェル２３は、シェル本体２３２とハーネス挿通筒外部２３１を有し、メス型内側ハウジング２２は、保持部本体２２２とハーネス挿通筒部２２１を有する。

　そのため、ハウジングシェル２３のシェル本体２３２の内部にメス型内側ハウジング２２の保持部本体２２２が配置され、ハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１の内部にメス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１が配置される。

　そして、高圧電線２０１はメス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１から挿入され、高圧電線２０１の先端に設けたハーネス側端子２１をメス型内側ハウジング２２の保持部本体２２２の内部に配置することができる。

　また、ハーネス側端子２１が接続される機器側端子１２を有する機器側コネクタ１０との接続状態において機器側コネクタ１０におけるオス型ハウジング１５と嵌合する保持部本体２２２に、嵌合するオス型ハウジング１５との間に配置するハウジングシール２４が設けられている。

　そのため、保持部本体２２２とオス型ハウジング１５とのガタツキなく、安定した接続状態で接続できる。また、機器側コネクタ１０におけるオス型ハウジング１５と嵌合する保持部本体２２２において、嵌合するオス型ハウジング１５との間にハウジングシール２４を配置するため、オス型ハウジング１５と保持部本体２２２との嵌合部分における止水性を確保することができる。

　また、ハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１に電線保持部２８を有し、メス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１は、ハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１において、電線保持部２８より上方側Ｈｕに配置されているため、ハウジングシェル２３において装着保持部２８３を固定側保持部２８２に組み付けて構成した電線保持部２８で高圧電線２０１を確実に保持することができる。

　また、装着保持部２８３は、ハウジングシェル２３の開口部２３６を塞ぐカバー部２３７と一体構成され、装着保持部２８３と固定側保持部２８２とを組付けた状態で、固定ボルト２８４で固定することで、筒状のハーネス挿通筒外部２３１を構成することができる。

　また、メス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１における下方側Ｈｄの一部は、固定側保持部２８２と一体構成されたハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１の内部において開口部２３６に対応する部分に配置されているため、カバー部２３７と一体構成された装着保持部２８３を固定側保持部２８２に組み付けることで、ハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１において、ハーネス挿通筒外部２３１とカバー部２３７とで挟み込んでメス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１を保持することができる。　
　また、ハウジングシェル２３は、通電性を有する金属製であるため、シールド性を奏する二重構造のハーネス側コネクタ２０を構成することができる。

　また、メス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１と、ハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１との間を封止するシェルシール２７が設けられているため、メス型内側ハウジング２２のハーネス挿通筒部２２１と、ハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１との間を通って、ハーネス側コネクタ２０の内部に異物が侵入することを防止できる。　
　また、ハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの端部に電線保持部２８を設けているため、シェルシール２７が不用意に抜け出ることを防止することができる。

　この発明の構成と、実施形態との対応において、この発明のハーネス側端子はハーネス側端子２１に対応し、
以下同様に、
電線は高圧電線２０１に対応し、
ハウジングはメス型内側ハウジング２２及びハウジングシェル２３に対応し、
コネクタはハーネス側コネクタ２０に対応し、
ハウジング本体部は保持部本体２２２及びシェル本体２３２に対応し、
電線挿入部はハーネス挿通筒外部２３１に対応し、
電線保持部は電線保持部２８に対応し、
電線挿通孔は電線挿通孔２８１に対応し、
固定側保持部は固定側保持部２８２に対応し、
装着保持部は装着保持部２８３に対応し、
押圧部はリブ２８８に対応し、
相手方固定部はコネクタ固定部２３３に対応し、
固定部及び締結部材は固定ボルト２８４に対応し、
電線シールはワイヤーシール２６に対応し、
外部シェルはハウジングシェル２３に対応し、
内部ハウジングはメス型内側ハウジング２２に対応し、
外部シェル本体部はシェル本体２３２に対応し、
外部電線挿入部はハーネス挿通筒外部２３１に対応し、
内部ハウジング本体部は保持部本体２２２に対応し、
内部電線挿入部はハーネス挿通筒部２２１に対応し、
ハウジングシールはハウジングシール２４に対応し、
電線挿入部シールはシェルシール２７に対応し、
コネクタ接続構造体はコネクタ接続構造１に対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。

　例えば、上述の説明では、固定側保持部２８２に略半円状の固定側円弧溝２８１ａを設けるとともに、装着保持部２８３に略半円状の装着側円弧溝２８１ｂを設け、固定側保持部２８２と装着保持部２８３とを組み付けて略円形状の電線挿通孔２８１を構成したが、固定側保持部２８２に高さ方向Ｈから視て略Ｕ字状の固定側円弧溝２８１ａを構成し、略Ｕ字状の固定側円弧溝２８１ａの開口を装着保持部２８３で塞ぐように構成してもよい。

　また、高圧電線２０１に外嵌して、ハーネス挿通筒部２２１の内部に配置されたワイヤーシール２６は、ハーネス挿通筒外部２３１の下方側Ｈｄの端部に設けた電線保持部２８によってワイヤーシール２６を押圧してプレストレスを作用させてシール性を向上してもよい。

　また、電線保持部２８において高圧電線２０１の本数（２本）に対応してふたつの電線挿通孔２８１が設けられたが、例えば、幅方向Ｗに所定間隔を隔てて配置したふたつの電線挿通孔２８１同士を幅方向Ｗに延びるスリットを設けて連通するように構成されていてもよい。なお、ワイヤーハーネス２００を１本の高圧電線２０１で構成してもよいし、３本以上の高圧電線２０１で構成してもよい。

　さらにまた、電線保持部２８を、別体構成された固定側保持部２８２と装着保持部２８３とで構成したが、固定側保持部２８２の２つの固定側円弧溝２８１ａのそれぞれに対して、装着側円弧溝２８１ｂを有する別々の装着保持部２８３を組み付けるように構成してもよい。

　さらには、上述の説明では、底面視長円状の電線保持部２８を奥行き方向Ｄの中央で分断した固定側保持部２８２と装着保持部２８３とを組み付けて構成した。これに対し、電線保持部２８における幅方向Ｗの中央部分、具体的には、幅方向Ｗに並んだ電線挿通孔２８１の幅方向Ｗの中央で分断し、幅方向Ｗの中央に配置され、電線挿通孔２８１を構成する固定側円弧溝を幅方向Ｗの両側に有する固定側保持部に対して、電線挿通孔２８１の幅方向Ｗの外側の装着側円弧溝を有する装着保持部を、幅方向Ｗの両外側から組み付けて電線保持部２８を構成するようにしてもよい。

　また、上述のハーネス側コネクタ２０では、組付け状態の固定側保持部２８２と装着保持部２８３を固定ボルト２８４で締結したが、装着保持部２８３と固定側保持部２８２の一方に植設されたボルトを他方に挿通し、別体構成したナットを締結してもよいし、さらには楔などの締結ではない固定方法で固定してもよい。

　また、装着保持部２８３を固定側保持部２８２に対してヒンジ結合して一体構成してもよい。　
　この場合、枢動した装着保持部２８３を固定側保持部２８２に対して適宜の締め付け圧力を作用させて固定する固定手段で組付け状態を固定することとなる。

　また、電線挿通孔２８１を形成する内面に周方向に延びるリブ２８８を設けたが、高さ方向Ｈに延びるリブで構成してもよいし、リブ２８８の代わりに点在させた半球状の凸状などリブ以外の凸部を設けてもよいし、電線挿通孔２８１を形成する内面を凹凸面で構成してもよい。

　また、ハーネス挿通筒部２２１における下方側Ｈｄの一部を、ハウジングシェル２３のハーネス挿通筒外部２３１の内部において開口部２３６に対応する部分に配置し、装着保持部２８３を固定側保持部２８２に組み付けることで、ハーネス挿通筒外部２３１とカバー部２３７とで挟み込んでハーネス挿通筒部２２１を保持したが、カバー部２３７とハーネス挿通筒部２２１が当接するだけでもよいし、カバー部２３７とハーネス挿通筒部２２１との間に隙間が設けられてもよい。

　また、上述の説明では、シールド性を奏するため、内部に樹脂製のメス型内側ハウジング２２を配置するハウジングシェル２３を金属製で構成したが、内部に配置するメス型内側ハウジング２２を金属製とし、ハウジングシェル２３を樹脂製としてもよい。

　さらには、上述のハーネス側コネクタ２０では、固定側保持部２８２に組み付けて、ハウジングシェル２３と導通可能に接続する装着保持部２８３を有する保持カバー６０を通電可能な金属製で構成したが、保持カバー６０を樹脂で構成してもよい。この場合、固定側保持部２８２と導通可能に接続するため、内面あるいは外面に金属層を設けるとより好ましい。

　さらに、上述の説明ではハウジングシェル２３をアッパーシェル３１とロアシェル３２と接合部３３で組み付けて構成したが、一体型のハウジングシェルであってもよい。ハウジングシェル２３が分割型か一体型か、或いは分割型における分割の位置などは、設計形状と組み立ての都合で、適宜選択しうる。

　また、ハーネス挿通筒部２２１及びハーネス挿通筒外部２３１は、長円状でなくても、円形、多角形、あるいは、高圧電線２０１が挿入できる適宜の断面形状の筒状であってもよい。　
　電線挿通孔２８１は、楕円形あるいは多角形状であってもよいし、周方向の一部分が開放されていてもよい。

　また、上述のハーネス側コネクタ２０では、金属製のハウジングシェル２３における電線保持部２８において、金属製の固定側保持部２８２と金属製の保持カバー６０の装着保持部２８３とで、電線挿通孔２８１に配置した高圧電線２０１を挟み込むように保持させたが、金属製の固定側保持部２８２及び装着保持部２８３と高圧電線２０１との間に、電線挿通孔２８１を有する樹脂製のリテーナが配置されてもよい。

　これにより、固定側保持部２８２と装着保持部２８３とを組み付けて構成した、金属製のハウジングシェル２３における電線保持部２８は、樹脂製のリテーナを介して、高圧電線２０１を保持することができる。これにより、電線保持部２８のすべてを金属製とした上述のハーネス側コネクタ２０より軽量化を図ることができる。

１…コネクタ接続構造
２０…ハーネス側コネクタ
２１…ハーネス側端子
２２…メス型内側ハウジング
２３…ハウジングシェル
２４…ハウジングシール
２６…ワイヤーシール
２７…シェルシール
２８…電線保持部
２０１…高圧電線
２２１…ハーネス挿通筒部
２２２…保持部本体
２３１…ハーネス挿通筒外部
２３２…シェル本体
２３３…コネクタ固定部
２３７…カバー部
２８１…電線挿通孔
２８２…固定側保持部
２８３…装着保持部
２８４…固定ボルト
２８８…リブ

Claims

　先端にハーネス側端子が装着された電線と、
前記ハーネス側端子を内部に配置するハウジングとが備えられたコネクタであって、
前記ハウジングは、
前記ハーネス側端子を内部に配置するハウジング本体部と、
該ハウジング本体部と連通するとともに、前記電線を挿入する電線挿入部とを有し、
前記電線挿入部に、前記電線を保持する電線保持部が設けられ、
該電線保持部は、挿通された前記電線を保持する電線挿通孔を有し、さらに、
前記ハウジング本体部に構成され、前記電線挿通孔の一部を構成する固定側保持部と、
前記電線挿通孔の他の部分を構成し、前記固定側保持部に対して装着される装着保持部とが設けられた
コネクタ。
　前記電線挿通孔を形成する内面の少なくとも一部に、前記電線の外面のうち前記電線挿通孔に挿通する部分の少なくとも一部を局所的に押圧する押圧部が設けられた
請求項１に記載のコネクタ。
　前記電線挿通孔は、前記電線の同程度の径の円形であり、
前記押圧部は、前記電線挿通孔を形成する内周面において、周方向に沿って延設するとともに、前記電線挿通孔の中心に向かって突出するリブ形状に形成された
請求項２に記載のコネクタ。
　リブ形状に形成された前記押圧部は、前記電線挿通孔の貫通方向に所定間隔を隔てて複数設けられた
請求項３に記載のコネクタ。
　前記装着保持部と前記固定側保持部とは別体構成され、
別体構成された前記装着保持部と前記固定側保持部とを組み付けて固定する固定部が設けられた
請求項１乃至請求項４のうちいずれかに記載のコネクタ。
　前記固定部は、前記装着保持部と前記固定側保持部とを締結固定する締結部材である
請求項５に記載のコネクタ。
　前記電線において前記電線挿入部に挿入された部分に外嵌し、前記電線保持部よりも前記ハウジング本体部の側で前記電線挿入部と前記電線との間を封止する電線シールが設けられた
請求項１乃至請求項６のうちいずれかに記載のコネクタ。
　前記電線は、複数設けられ、
前記電線挿通孔は、電線数に応じて複数設けられた
請求項１乃至請求項７のうちいずれかに記載のコネクタ。
　前記ハウジング本体部に
前記ハーネス側端子が接続される相手方端子を有する相手方コネクタに対して前記ハウジングを固定する相手方固定部が設けられた
請求項１乃至請求項８のうちいずれかに記載のコネクタ。
　前記ハウジングは、
外部シェルと、該外部シェルの内部に配置される内部ハウジングとが設けられ、
前記外部シェルは、前記ハウジング本体部に対応する外部シェル本体部と、前記電線挿入部に対応する外部電線挿入部を有し、前記内部ハウジングは、前記ハウジング本体部に対応する内部ハウジング本体部と、前記電線挿入部に対応する内部電線挿入部を有する
請求項１乃至請求項９のうちいずれかに記載のコネクタ。
　前記内部ハウジング本体部は、
前記ハーネス側端子が接続される相手方端子を有する相手方コネクタとの接続状態において前記相手方コネクタにおける相手方ハウジングと嵌合し、
　前記内部ハウジング本体部に、
嵌合する前記相手方ハウジングとの間に配置するハウジングシールが設けられた
請求項１０に記載のコネクタ。
　前記外部シェルは、前記電線保持部を有し、
前記内部電線挿入部は、前記外部電線挿入部において、前記電線保持部より前記ハウジング本体部の側に配置された
請求項１１に記載のコネクタ。
　前記電線挿入部は筒状に形成され、
前記装着保持部は、前記外部電線挿入部における一部に構成され、
前記装着保持部と前記固定側保持部とを前記固定部で固定することで、前記外部電線挿入部が前記筒状となる
請求項１０乃至請求項１２のうちいずれかに記載のコネクタ。
　前記内部電線挿入部の少なくとも一部は、
前記装着保持部に構成された前記外部電線挿入部の内部に配置された
請求項１３に記載のコネクタ。
　前記外部シェルは、金属製である
請求項１２乃至請求項１４のうちいずれかに記載のコネクタ。
　金属製の前記外部シェルにおける前記電線保持部は、
前記電線との間に、前記電線挿通孔を有する樹脂製のリテーナが配置された
請求項１５に記載のコネクタ。
　前記内部電線挿入部と、前記外部電線挿入部との間を封止する電線挿入部シールが設けられた
請求項１０乃至請求項１６のうちいずれかに記載のコネクタ。
　先端にハーネス側端子が装着された電線と、
前記ハーネス側端子を内部に配置するハウジングとが備えられたコネクタと、
前記ハーネス側端子が接続される相手方端子を有する相手方コネクタとを接続したコネクタ接続構造体であり、
前記ハウジングは、
前記ハーネス側端子を内部に配置するハウジング本体部と、
該ハウジング本体部と連通するとともに、前記電線を挿入する電線挿入部とを有し、
前記電線挿入部に、前記電線を保持する電線保持部が設けられ、
該電線保持部は、挿通された前記電線を保持する電線挿通孔を有し、さらに、
前記ハウジング本体部に構成され、前記電線挿通孔の一部を構成する固定側保持部と、
前記電線挿通孔の他の部分を構成し、前記固定側保持部に対して装着される装着保持部とが設けられた
コネクタ接続構造体。
　前記ハウジング本体部に
前記相手方コネクタに対して前記ハウジングを固定する相手方固定部が設けられた
請求項１８に記載のコネクタ接続構造体。
　前記ハウジングは、
外部シェルと、該外部シェルの内部に配置される内部ハウジングとが設けられ、
前記外部シェルは、前記ハウジング本体部に対応する外部シェル本体部と、前記電線挿入部に対応する外部電線挿入部を有し、前記内部ハウジングは、前記ハウジング本体部に対応する内部ハウジング本体部と、前記電線挿入部に対応する内部電線挿入部を有し、
　前記内部ハウジング本体部は、前記相手方コネクタにおける相手方ハウジングと嵌合し、
　前記内部ハウジング本体部に、
嵌合する前記相手方ハウジングとの間に配置するハウジングシールが設けられた
請求項１９に記載のコネクタ接続構造体。