WO2023127913A1 - アンテナ、及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

アンテナは、円形状の放射導体と、放射導体に給電を行う給電線路と、給電線路に接続される端子と、を備え、給電線路のインピーダンスは、端子における給電点のインピーダンスよりも大きく、給電線路の線路長は、放射導体の半径より長い。

Description

アンテナ、及び表示装置
 本開示は、アンテナ、及び表示装置に関する。
 従来、放射素子と、放射素子に接続された給電用のストリップ素子と、を備えるアンテナが知られている(例えば、特許文献1)。このアンテナにおいて、ストリップ素子の長さdは、放射素子の長さをxとした場合に、0<d≦0.125xの範囲に設定される。
特開平6-276013号
 ここで、上述のようなアンテナにおいては、広帯域で良好なリターンロス特性を得ることが求められていた。
 そこで、本開示は、広帯域で良好なリターンロス特性を得ることができるアンテナ、及び表示装置を提供することを目的とする。
 本開示の一側面に係るアンテナは、円形状の放射導体と、放射導体に給電を行う給電線路と、給電線路に接続される端子と、を備え、給電線路のインピーダンスは、端子における給電点のインピーダンスよりも大きく、給電線路の線路長は、放射導体の半径より長い。
 本開示の一側面に係る表示装置は、上述のアンテナを備える。
 本開示の一側面によれば、広帯域で良好なリターンロス特性を得ることができるアンテナ、及び表示装置を提供することができる。
アンテナを備える導電性フィルムの一実施形態を示す平面図である。 図1のII-II線に沿う断面図である。 変形例に係るアンテナを示す断面図である。 表示装置の一実施形態を示す断面図である。 アンテナの平面図である。 インピーダンスについて説明するための図である。 変形例に係るアンテナの平面図である。 変形例に係るアンテナの平面図である。 変形例に係るアンテナの平面図である。 比較例に係るアンテナの平面図である。 実施例1のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施例2のシミュレーション結果を示すグラフである。 実施例3のシミュレーション結果を示すグラフである。 比較例のシミュレーション結果を示すグラフである。
 以下、本開示のいくつかの実施形態について詳細に説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
 図1は本開示の一実施形態に係るアンテナを備える導電性フィルムを示す平面図であり、図2は図1のII-II線に沿う断面図である。図1及び図2に示される導電性フィルム20は、フィルム状の光透過性基材1(基材)と、光透過性基材1の一方の主面1S上に設けられた導電性層5と、光透過性基材1の一方の主面1S上に設けられた光透過性樹脂層7Bとを備える。導電性層5は、光透過性基材1の主面1Sに沿った方向に延在し複数の開口3aを含むパターンを有する部分を含む導体部3と、導体部3の開口3a内を埋める絶縁樹脂部7Aとを有する。図2では、導電性層5がデフォルメされた状態で示されており、導体部3の幅が強調された状態で示されている。また、各層の厚みもデフォルメされた状態で示されている。各層の厚みの詳細については後述する。また、図1に示す例では、導電性フィルム20の一方の短辺付近に導電性層5が形成されているが、導電性層5が形成される位置は特に限定されず、長辺付近に導電性層5が形成されてもよい。
 光透過性基材1は、導電性フィルム20が表示装置に組み込まれたときに必要とされる程度の光透過性を有する。具体的には、光透過性基材1の全光線透過率が90~100%であってもよい。光透過性基材1のヘイズが0~5%であってもよい。
 光透過性基材1は、例えば透明樹脂フィルムであってもよく、その例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、シクロオレフィンポリマー(COP)、又はポリイミド(PI)のフィルムが挙げられる。あるいは、光透過性基材1がガラス基板であってもよい。
 例えば図3に示すように、光透過性基材1は、光透過性の支持フィルム11と、支持フィルム11上に順に設けられた中間樹脂層12及び下地層13とを有する積層体であってもよい。支持フィルム11は上記透明樹脂フィルムであることができる。下地層13は無電解めっき等によって導体部3を形成するために設けられる層である。他の方法によって導体部3を形成する場合、下地層13は必ずしも設けられなくてもよい。支持フィルム11と下地層13との間に中間樹脂層12が設けられていなくてもよい。
 光透過性基材1又はこれを構成する支持フィルム11の厚みは、10μm以上、20μm以上、又は35μm以上であってよく、500μm以下、200μm以下、又は100μm以下であってよい。
 中間樹脂層12が設けられることにより、支持フィルム11と下地層13との間の密着性が向上し得る。下地層13が設けられない場合、中間樹脂層12が支持フィルム11と光透過性樹脂層7Bとの間に設けられることにより、支持フィルム11と光透過性樹脂層7Bとの間の密着性が向上し得る。
 中間樹脂層12は、樹脂及び無機フィラーを含有する層であってもよい。中間樹脂層12を構成する樹脂の例としては、アクリル樹脂が挙げられる。無機フィラーの例としては、シリカが挙げられる。
 中間樹脂層12の厚みは、例えば5nm以上、100nm以上、又は200nm以上であってもよく、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下であってもよい。
 下地層13は、触媒及び樹脂を含有する層であってもよい。樹脂は、硬化性樹脂組成物の硬化物であってもよい。硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂の例としては、アミノ樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエステル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フラン樹脂、COPNA樹脂、ケイ素樹脂、ジクロペンタジエン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、エピスルフィド樹脂、エン-チオール樹脂、ポリアゾメチン樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物、アセナフチレン、並びに、不飽和二重結合、環状エーテル、及びビニルエーテル等の紫外線で重合反応を起こす官能基を含む紫外線硬化樹脂が挙げられる。
 下地層13に含まれる触媒は、無電解めっき触媒であってもよい。無電解めっき触媒は、Pd、Cu、Ni、Co、Au、Ag、Pd、Rh、Pt、In、及びSnから選ばれる金属であってもよく、Pdであってもよい。触媒は、1種類単独若しくは2種類以上の組合せであってもよい。通常、触媒は触媒粒子として樹脂中に分散している。
 下地層13における触媒の含有量は、下地層13全量を基準として、3質量%以上、4質量%以上、又は5質量%以上であってもよく、50質量%以下、40質量%以下、又は25質量%以下であってもよい。
 下地層13の厚みは、10nm以上、20nm以上、又は30nm以上であってもよく、500nm以下、300nm以下、又は150nm以下であってもよい。
 光透過性基材1は、支持フィルム11の光透過性樹脂層7B及び導体部3とは反対側の主面上に設けられた保護層を更に有していてもよい。保護層が設けられることにより、支持フィルム11の傷付きが抑制される。保護層は、中間樹脂層12と同様の層であることができる。保護層の厚みは、5nm以上、50nm以上、又は500nm以上であってもよく、10μm以下、5μm以下、又は2μm以下であってもよい。
 導電性層5を構成する導体部3は、開口3aを含むパターンを有する部分を含む。開口3aを含むパターンは、互いに交差する複数の線状部によって形成された、規則的に配置された複数の開口3aを含むメッシュ状のパターンを備える。メッシュ状のパターンを有する導体部3は、後述のアンテナ200の放射導体及び給電線路として機能する。また、導体部3は、開口3aを有さないべた塗りの平面状のパターンを備える。平面状のパターンを有する導体部3は、後述の端子パッド部及びグラウンドパッド部として機能する。なお、導電性層5における導体部3のパターンの構成の詳細については後述する。
 導体部3は、金属を含んでいてもよい。導体部3は、銅、ニッケル、コバルト、パラジウム、銀、金、白金及びスズから選ばれる少なくとも1種の金属を含んでいてもよく、銅を含んでいてもよい。導体部3は、めっき法によって形成された金属めっきであってもよい。導体部3は、適切な導電性が維持される範囲で、リン等の非金属元素を更に含んでいてもよい。
 導体部3は、複数の層から構成される積層体であってもよい。また、導体部3は、光透過性基材1とは反対側の表層部として、黒化層を有していてもよい。黒化層は、導電性フィルムが組み込まれた表示装置の視認性向上に寄与し得る。
 絶縁樹脂部7Aは、光透過性を有する樹脂によって形成されており、導体部3の開口3aを埋めるように設けられており、通常、絶縁樹脂部7Aと導体部3とで平坦な表面が形成されている。
 光透過性樹脂層7Bは、光透過性を有する樹脂によって形成されている。光透過性樹脂層7Bの全光線透過率が90~100%であってもよい。光透過性樹脂層7Bのヘイズが0~5%であってもよい。
 光透過性基材1(又は光透過性基材1を構成する支持フィルムの屈折率)と、光透過性樹脂層7Bの屈折率との差が0.1以下であってもよい。これにより、表示画像の良好な視認性がより一層確保され易い。光透過性樹脂層7Bの屈折率(nd25)は、例えば、1.0以上であってもよく、1.7以下、1.6以下、又は1.5以下であってよい。屈折率は、反射分光膜厚計により測定することができる。光路長の均一性の観点から、導体部3、絶縁樹脂部7A、及び光透過性樹脂層7Bが実質的に同じ厚みを有していてもよい。
 絶縁樹脂部7A及び光透過性樹脂層7Bを形成する樹脂は、硬化性樹脂組成物(光硬化性樹脂組成物又は熱硬化性樹脂組成物)の硬化物であってもよい。絶縁樹脂部7A及び/又は光透過性樹脂層7Bを形成する硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂を含み、その例としては、アクリル樹脂、アミノ樹脂、シアネート樹脂、イソシアネート樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、ポリエステル、アリル樹脂、フェノール樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、フラン樹脂、COPNA樹脂、ケイ素樹脂、ジクロペンタジエン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、エピスルフィド樹脂、エン-チオール樹脂、ポリアゾメチン樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物、アセナフチレン、及び不飽和二重結合、並びに、環状エーテル、ビニルエーテル等の紫外線で重合反応を起こす官能基を含む紫外線硬化樹脂が挙げられる。
 絶縁樹脂部7Aを形成する樹脂と光透過性樹脂層7Bを形成する樹脂とが同じであってもよい。同じ樹脂によって形成された絶縁樹脂部7A及び光透過性樹脂層7Bは屈折率が等しいことから、導電性フィルム20を透過する光路長の均一性がより一層向上することができる。絶縁樹脂部7Aを形成する樹脂と光透過性樹脂層7Bを形成する樹脂とが同じである場合、例えば1層の硬化性樹脂層からインプリント法等によってパターン形成することによって、絶縁樹脂部7A及び光透過性樹脂層7Bを容易に一括して形成することができる。
 導電性フィルム20は、例えばインプリント法によるパターン形成を含む方法によって製造することができる。導電性フィルム20を製造する方法の一例は、支持フィルムと支持フィルムの一方の主面上に設けられた、中間樹脂層及び触媒を含有する下地層とを有する光透過性基材1を準備することと、光透過性基材1の下地層側の主面1S上に、硬化性樹脂層を形成させることと、凸部を有するモールドを用いたインプリント法により、下地層が露出するトレンチを形成させることと、トレンチを充填する導体部3を、下地層から金属めっきを成長させる無電解めっき法により形成することとを含む。硬化性樹脂層にモールドが押し込まれた状態で硬化性樹脂層を硬化させることにより、モールドの凸部の反転形状を有する開口を含むパターンを有する絶縁樹脂部7Aと光透過性樹脂層7Bとが一括して形成される。開口を含むパターンを有する絶縁樹脂部7Aを形成する方法は、インプリント法に限られず、フォトリソグラフィー等の任意の方法を適用できる。
 以上例示的に説明された導電性フィルムを、平面状の透明のアンテナ200として表示装置に組み込むことができる。表示装置は、例えば、液晶表示装置、又は有機EL表示装置であってもよい。図4は、導電性フィルムが組み込まれた表示装置の一実施形態を示す断面図である。図4に示される表示装置100は、画像表示領域10Sを有する画像表示部10と、誘電体層15と、導電性フィルム20(アンテナ200)と、偏光板30と、カバーガラス40とを備える。ここでは、画像表示部10は、導電性フィルム20のアンテナ200に対するグラウンド導体として機能する。これにより、平面状の透明のアンテナ200は、パッチアンテナの構成となる。誘電体層15、導電性フィルム20、偏光板30、及びカバーガラス40は、画像表示部10の画像表示領域10S側において、画像表示部10側からこの順に積層されている。表示装置の構成は図4の形態に限られず、必要により適宜変更が可能である。例えば、偏光板30が画像表示部10と導電性フィルム20との間に設けられてもよい。画像表示部10は、例えば液晶表示部であってもよい。偏光板30及びカバーガラス40として、表示装置において通常用いられているものを用いることができる。偏光板30及びカバーガラス40は、必ずしも設けられなくてもよい。画像表示部10の画像表示領域10Sから出射される画像表示のための光が、導電性フィルム20を含む均一性の高い光路長の経路を通過する。これにより、モワレが抑制された均一性の高い良好な画像表示が可能である。
 次に、図5を参照して、本開示の実施形態に係るアンテナ200の構成について詳細に説明する。アンテナ200は、前述の導電性層5を含んで構成される。図5は、アンテナ200の平面図である。図5は、アンテナの一部を拡大して示している。なお、以降の説明においては、主面1Sと平行な平面に対してXY座標を設定して、説明を行うものとする。Y軸方向は、主面1Sに沿った方向であり、図1に示す例においては、導電性フィルム20の辺部と直交する方向に対応する。導電性フィルム20の中央側をY軸方向の正側とし、導電性フィルム20の外周側をY軸方向の負側とする。X軸方向は、主面1Sに沿ってY軸方向と直交する方向であり、図1に示す例においては、導電性フィルム20の辺部20aが延びる方向に対応する。導電性フィルム20の辺部20aが延びる一方側をX軸方向の正側とし、他方側をX軸方向の負側とする。
 アンテナ200の導電性層5は、放射導体21と、給電線路22A,22Bと、端子パッド部23A,23B(端子)と、グラウンドパッド部24A,24B,24Cと、を有する。アンテナ200は、Y軸方向に平行な中心線CLに対して線対称な構成を有する。
 放射導体21は、アンテナとして信号を放射する領域である。放射導体21は、円形状の形状を有する。放射導体21の中心は、中心線CL上に配置される。放射導体21は、導電性フィルム20の辺部20aからY軸方向の正側へ離間した位置に配置される。放射導体21は、直径Rの寸法を有する。
 給電線路22A,22Bは、放射導体21に給電を行う線路である。つまり、アンテナ200は、2偏波アンテナとして機能する。例えば、給電線路22Aの傾斜部22bが延びる方向の斜め偏波信号を、給電線路22Aを介して給電し、給電線路22Bの傾斜部22bの延びる方向の斜め偏波信号を、給電線路22Bを介して給電することができる。給電線路22A,22Bは、導電性フィルム20の辺部20aに対して垂直に延びる垂直部22aと、Y軸方向に対して傾斜する傾斜部22bと、を有する。給電線路22Aの垂直部22aは、導電性フィルム20の辺部20a側に形成された端子パッド部23AからY軸方向の正側へ延びる。給電線路22Aの垂直部22aは、中心線CLからX軸方向の負側へ離間した位置にて、当該中心線CL(すなわちY軸方向)と平行に延びる。
 給電線路22Aの傾斜部22bは、垂直部22aのY軸方向の正側の端部から、Y軸方向の正側へ向かうに従って中心線CL側(すなわちX軸方向の正側)へ近付くように傾斜する。傾斜部22bのY軸方向の正側の端部は、放射導体21の外周縁21aに接続される。給電線路22Aは、垂直部22a及び傾斜部22bにおいて一定の幅寸法W1を有する。また、給電線路22Aは、垂直部22aの長さ寸法と傾斜部22bの長さ寸法の合計寸法である線路長L1を有する。ここで、幅寸法W1は、平面状のアンテナ200の面内方向における垂直部22a及び傾斜部22bの延在方向と直交する方向の寸法であり、線路長L1は、平面状のアンテナ200の面内方向における垂直部22a及び傾斜部22bの延在方向に沿った寸法である。
 なお、図5に示す例では、給電線路22Aの垂直部22aは、放射導体21のX軸方向の負側の端部よりも、X軸方向の負側へ離間した位置に配置される。また、給電線路22Aの垂直部22aのY軸方向の正側の端部(すなわち傾斜部22bとの接続部)は、放射導体21のY軸方向の負側の端部よりも、Y軸方向の負側へ離間した位置に配置される。ただし、垂直部22a及び傾斜部22bの配置及び形状は、後述のインピーダンス、及び寸法関係を満たしている限り、特に限定されるものではない。給電線路22Bは、給電線路22Aと中心線CLを基準として線対称な構造を有する。本実施形態では、給電線路22Aの傾斜部22bと給電線路22Bの傾斜部22bは、給電線路22Aの傾斜部22bを延ばした仮想線と給電線路22Bの傾斜部22bを延ばした仮想線とが直交するように放射導体21の外周縁21aに接続されている。つまり、給電線路22Aの傾斜部22bを延ばした仮想線と給電線路22Bの傾斜部22bを延ばした仮想線とが成す角度は90度である。
 端子パッド部23A,23Bは、給電線路22A,22Bにそれぞれ接続される端子である。端子パッド部23A,23Bは、外部の入出力端子と接続されることで、給電線路22A,22Bを介して放射導体21に給電する。端子パッド部23A,23Bは、導電性フィルム20の辺部20a付近に配置される。端子パッド部23A,23Bは、給電線路22A,22Bの垂直部22aのY軸方向の負側の端部から、辺部20aまでY軸方向の負側へ延びる。端子パッド部23A,23Bは、一定の幅寸法W2にて、Y軸方向に延びる。端子パッド部23A,23Bは、長さ寸法L2にてY軸方向に延びる。ここで、幅寸法W2は、平面状のアンテナ200の面内方向における端子パッド部23A,23Bの延在方向と直交する方向の寸法であり、長さ寸法L2は、平面状のアンテナ200の面内方向における端子パッド部23A,23Bの延在方向に沿った寸法である。
 グラウンドパッド部24A,24B,24Cは、電気的にグラウンド状態となる領域である。グラウンドパッド部24A,24B,24Cは、図示されないグラウンド端子と接続される。グラウンドパッド部24A,24B,24Cは、端子パッド部23A,23Bに対して隙間GPを空けて配置されることで、端子パッド部23A,23Bと絶縁されている。グラウンドパッド部24Aは、端子パッド部23A,23B間の領域において、辺部20aに沿ってX軸方向に延びるように形成される。グラウンドパッド部24Bは、端子パッド部23AのX軸方向の負側の領域において、辺部20aに沿ってX軸方向に延びるように形成される。グラウンドパッド部24Cは、端子パッド部23BのX軸方向の正側の領域において、辺部20aに沿ってX軸方向に延びるように形成される。グラウンドパッド部24A,24B,24Cは、Y軸方向において一定の幅寸法にて、X軸方向に帯状に延びる。グラウンドパッド部24A,24B,24Cの幅寸法は、端子パッド部23A,23Bの長さ寸法L2と同じである。
 上述のように、信号ラインである端子パッド部23Aは、X軸方向の両側からグラウンドパッド部24A,24Bに囲まれる構造を有する。信号ラインである端子パッド部23Bは、X軸方向の両側からグラウンドパッド部24A,24Cに囲まれる構造を有する。このように、端子パッド部23A,23Bは、コプレナー線路である。
 図5に示すように、アンテナ200は、導体部3として、メッシュ状の導体パターン50を有する。アンテナ200の構成要素のうち、放射導体21及び給電線路22A,22Bは、当該メッシュ状の導体パターン50を有する。メッシュ状の導体パターン50は、第1の導電線51、及び複数の第2の導電線52を含む。第1の導電線51は、Y軸方向に平行に延びる直線状の導体部3である。複数の第1の導電線51は、X軸方向に互いに離間するように配置される。複数の第1の導電線51は、等ピッチで離間するように配置される。第2の導電線52は、X軸方向に平行に延びる直線状の導体部3である。複数の第2の導電線52は、Y軸方向に互いに離間するように配置される。複数の第2の導電線52は、等ピッチで離間するように配置される。導電線51,52の太さは特に限定されないが、例えば1~3μmに設定されてよい。また、導電線51,52のピッチも特に限定されないが、例えば100~300μmに設定されてよい。なお、第1の導電線51は、Y軸方向に延びていれば、Y軸方向と平行でなくても構わず、第2の導電線52は、X軸方向に延びていれば、X軸方向と平行でなくても構わない。
 本実施形態では、放射導体21及び給電線路22A,22Bは、外周縁を構成する端部導電線を有する。放射導体21は、この端部導電線により形成される形状が円形状となっている。なお、円形状の放射導体21は、厳密な真円形状に限られず、製造誤差等により生じるばらつきは含まれるものとする。また、放射導体21の外周縁を構成する端部導電線は、曲線だけで構成されるものだけでなく、一部に直線、波線部分などが含まれていても構わない。さらに、放射導体21及び給電線路22A,22Bは、端部導電線を含まなくてもよく、この場合、メッシュ状の導体パターン50に含まれる第1の導電線51又は第2の導電線52の先端を結んだ形状が円形状となっていればよい。
 アンテナ200は、導体部3として、導電性材料をベタ塗りすることで形成される平面状の導体パターン54を有する。アンテナ200の構成要素のうち、端子パッド部23A,23B及びグラウンドパッド部24A,24B,24Cは、平面状の導体パターン54を有する。なお、端子パッド部23A,23B及びグラウンドパッド部24A,24B,24Cは、ベタ塗りの平面状の導体パターン54の代わりに、放射導体21及び給電線路22A,22Bと同様に、メッシュ状の導体パターン50を有する構成であってもよい。
 次に、アンテナ200の各構成要素の寸法について説明する。所定の周波数において、給電線路22A,22B内の電磁波の波長を「λ」とする。この波長は、導電性層5とグラウンド導体(図4の画像表示部10)との間の誘電体(図4の光透過性基材1及び誘電体層15)を伝搬する電磁波の波長である。アンテナ200の周波数は特に限定されないが24.25~29.5GHzに設定されてよい。本実施形態では、周波数は27.5GHzに設定した例を用いて説明する。
 放射導体21の直径Rは、波長λの半分、すなわち波長λの1/2の値と略等しくなる。給電線路22A,22Bの線路長L1は、放射導体21の半径(直径Rの1/2)より長くてよい。すなわち、給電線路22A,22Bの線路長L1は、給電線路22A,22B内の電磁波の波長λの1/4より長くてよい。また、給電線路22A,22Bの線路長L1は、放射導体21の直径以下であってよい。すなわち、給電線路22A,22Bの線路長L1は、給電線路22A,22B内の電磁波の波長λの1/2以下であってよい。特に限定されないが、放射導体21の直径Rは、3~3.5mmに設定されてよい。給電線路22A,22Bの線路長L1は、直径Rに対して上記関係を満たす範囲であればよい。本実施形態では、給電線路22A,22Bの線路長L1は、放射導体21の直径と同じである。
 給電線路22A,22Bの幅寸法W1は、特性インピーダンスの値によって決まり、放射導体21端部での特性インピーダンスと端子パッド部23A,23Bの特性インピーダンスの間の値となり、0.1~0.3mmに設定されてよい。端子パッド部23A,23Bの幅寸法W2は、給電線路22A,22Bの幅より大きくてよく、0.3~0.5mmに設定されてよい。端子パッド部23A,23Bの長さ寸法L2は、0.5~1.5mmに設定されてよい。
 次に、アンテナ200における伝送線路(給電線路22A,22B、及び端子パッド部23A,23B)のインピーダンスについて説明する。給電線路22A,22Bのインピーダンスは、端子パッド部23A,23Bにおける給電点のインピーダンスよりも大きい。端子パッド部23A,23Bにおける給電点とは、外部の入出力端子と接続される点である。具体的には、外部の入出力端子は端子パッド部23A,23B全体と接続されることから、端子パッド部23A,23B全体が給電点となる。
 ここでは、給電線路22A,22B、及び端子パッド部23A,23Bに対して定義される特性インピーダンスが、アンテナ200における伝送線路のインピーダンスとして採用される。特性インピーダンスは、電気信号を一様な伝送線路(伝送線路の媒体の種類や構造が一定)により伝送する場合に、ある伝送線路上において発生する電圧と電流の比として表現される。特性インピーダンスは、式(1)によって定義される。なお、「R[Ω/m]」は、単位長さあたりの直列抵抗である。「L[H/m]」は、単位長さあたりの直列インダクタンスである。「G[s/m]」は、単位長さあたりのシャントコンダクタンスである。「C[F/m]」は、単位長さあたりのシャントキャパシタンスである。「j」は虚数単位であり、「ω」は交流の角周波数である。図6に示すような回路のモデルにおいて、伝送線路の特性インピーダンスZ、伝送線路端の負荷インピーダンスZ、伝送線路端の入力インピーダンスZinが一致している場合に信号の反射が起きない。この状態を、インピーダンスが整合しているという。特性インピーダンスは、インピーダンスが整合している状態における値が採用される。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 
 特性インピーダンスの測定方法について説明する。まず、伝送線路端の負荷インピーダンスZの位置においてショートさせたときの入力インピーダンスを測定する。その測定にはLCRメーターまたはネットワークアナライザを使用する。その入力インピーダンスを「Zshort」とする。また、伝送線路端の負荷インピーダンスZの位置においてオープンにしたときの入力インピーダンスを測定する。その測定にはLCRメーターまたはネットワークアナライザを使用する。その入力インピーダンスを「Zopen」とする。これらの測定値を用いた場合、伝送線路の特性インピーダンスは以下の式(2)によって求められる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 
 なお、給電線路22A,22Bにおいて、伝送線路端の負荷インピーダンスZの位置と、伝送線路端の入力インピーダンスの位置は、放射導体21、端子パッド部23A又は端子パッド部23Bとの接続点の位置である。また、伝送線路端の負荷インピーダンスZの位置においてショートさせるとは、給電線路22A,22Bをグラウンドと接続した状態にすることである。また、伝送線路端の負荷インピーダンスZの位置においてオープンにするとは、給電線路22A,22Bを他の構造から切断し、導体と接続されていない状態にすることである。
 端子パッド部23A,23Bにおいて、伝送線路端の負荷インピーダンスZの位置と、伝送線路端の入力インピーダンスの位置は、放射導体21、端子パッド部23A又は端子パッド部23Bとの接続点の位置である。また、伝送線路端の負荷インピーダンスZの位置においてショートさせるとは、端子パッド部23A,23Bをグラウンドと接続した状態にすることである。また、伝送線路端の負荷インピーダンスZの位置においてオープンにするとは、端子パッド部23A,23Bを他の構造から切断し、導体と接続されていない状態にすることである。
 次に、本実施形態に係るアンテナ200、及び表示装置100の作用・効果について説明する。
 アンテナ200によれば、端子パッド部23A,23B(端子)から給電線路22A,22Bを介して放射導体21に給電が行われる。従って、端子パッド部23A,23B及び給電線路22A,22Bが伝送線路として機能する。このような構成において、給電線路22A,22Bのインピーダンスは、端子パッド部23A,23Bにおける給電点のインピーダンスよりも大きい。また、給電線路22A,22Bの線路長は、放射導体21の半径より長い。このような構成によれば、広帯域で良好なリターンロス特性を得ることができる。
 給電線路22A,22Bの線路長は、放射導体21の直径以下であってよい。この場合、広帯域で良好なリターンロス特性を実現しつつ、給電線路22A,22Bが長すぎることでアンテナ200が大型化することを抑制できる。
 端子パッド部23A,23Bは、コプレナー線路であってよい。この場合、電気的特性を保ちつつ、外部の入出力端子であるケーブル等を容易に接続することができる。
 端子パッド部23A,23Bの幅は、給電線路22A,22Bの幅より大きくてよい。この場合、広帯域で良好なリターンロス特性を実現しつつ、外部の入出力端子と端子パッド部23A,23Bとの接続性を向上できる。
 放射導体21及び給電線路22A,22Bは、メッシュ状の導体パターン50を有してよい。この場合、放射導体21及び給電線路22A,22Bにおいては導電性を確保しつつ、高い透過性を実現できる。また、放射導体21及び給電線路22A,22Bにおける導体パターン50を高い精度で一括して容易に形成することができる。
 本開示の一側面に係る表示装置100は、上述のアンテナ200を備える。
 上述の表示装置100によれば、上述のアンテナ200と同様な作用・効果を得ることができる。
 本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。
 例えば、図7に示すアンテナ200を採用してもよい。図7に示すアンテナ200は、図5に示すメッシュ状の放射導体21及び給電線路22A,22Bに代えて、ベタ塗りの平面状の導体パターン54による放射導体21及び給電線路22A,22Bを採用したものである。図7に示すアンテナ200の、その他の構成は、図5に示すアンテナ200と同様である。
 例えば、図8に示すアンテナ200を採用してもよい。図8に示すアンテナ200は、図5に示すような、給電線路22A,22Bよりも幅広な端子パッド部23A,23Bに代えて、給電線路22A,22Bと同じ幅の端子パッド部23A,23Bを採用したものである。また、給電線路22A,22Bの垂直部22aの長さが、図5に示すものに比べて短くなっている。また、図5に示すグラウンドパッド部24Aが、図8においては中央位置にて分割されることで、グラウンドパッド部24D,24Eとなっている。さらに、図8においては、放射導体21の直径は、波長λの1/2の値より小さくなっており、給電線路22A,22Bの線路長L1は、給電線路22A,22B内の電磁波の波長λの1/2より小さくなっている。図8に示すアンテナ200の、その他の構成は、図5に示すアンテナ200と同様である。
 例えば、図9に示すアンテナ200を採用してもよい。図9に示すアンテナ200は、図7に示す給電線路22A,22Bに代えて、幅寸法W1が狭い給電線路22A,22Bを採用したものである。また、図9に示すアンテナ200は、図7に示す端子パッド部23A,23Bに代えて、給電線路22A,22Bと同じ幅であり短い端子パッド部23A,23Bを採用したものである。また、図9に示すアンテナ200は、グラウンドパッド部24A,24B,24Cを有していない。また、図9に示すアンテナ200は、周囲導体60A,60Bを有する。周囲導体60A,60Bは、いわゆる「無給電素子」と称されるものである。ただし、周囲導体60A,60Bは、給電線路22A,22Bに直結はしていないものの、放射導体21に高周波の電流が流れることで、周囲導体60A,60Bにも高周波の電流が流れる。さらに、図9においては、放射導体21の直径は、波長λの1/2の値より小さくなっており、給電線路22A,22Bの線路長L1は、給電線路22A,22B内の電磁波の波長λの1/2より小さくなっている。またさらには、図9においては、給電線路22A,22Bの線路長L1は、放射導体21の直径よりも小さくなっている。図9に示すアンテナ200のその他の構成は、図7に示すアンテナ200と同様である。
 周囲導体60A,60Bは、放射導体21の周囲において、当該放射導体21の径方向及び周方向に広がるように形成され、放射導体21から離隔して配置された導体である。周囲導体60A,60Bは、放射導体21のY軸方向の正側の部分の周囲に設けられる。周囲導体60Aは、中心線CLをX軸方向の負側に45°傾斜させた基準線SL1を基準として設けられる。周囲導体60Bは、中心線CLをX軸方向の正側に45°傾斜させた基準線SL2を基準として設けられる。周囲導体60Aは、放射導体21のうち、中心線CLよりもX軸方向の負側の部分の周囲に設けられる。周囲導体60Bは、放射導体21のうち、中心線CLよりもX軸方向の正側の部分の周囲に設けられる。
 周囲導体60A,60Bは、径方向内側の内周縁60aと、径方向外側の外周縁60bと、周方向における両端側の一対の横縁60cと、を有する。周囲導体60Aの一対の横縁60cは、基準線SL1と平行をなして両側へ離間した位置に配置される。周囲導体60Bの一対の横縁60cは、基準線SL2と平行をなして両側へ離間した位置に配置される。
 周囲導体60A,60Bの内周縁60aは、放射導体21の外周縁21aから僅かな隙間を空けるように、径方向外側へ離間した位置に配置される。周囲導体60A,60Bの外周縁60bは、内周縁60aから径方向外側へ離間した位置に配置される。周囲導体60A,60Bの径方向における幅寸法W3は、放射導体21の半径より大きくてよい。具体的に、幅寸法W3は、1.5~2mmに設定されてよい。
 周囲導体60A,60Bの内周縁60aは放射導体21の外周縁21aに沿った円弧状の形状を有する。周囲導体60A,60Bの外周縁60bも円弧状の形状を有する。周囲導体60A,60Bの外周縁60bの曲率半径は、周囲導体60A,60Bの内周縁60aの曲率半径より大きい。本実施形態では、周囲導体60A,60Bの内周縁60aの曲率半径は、内周縁60aから放射導体21の中心までの距離である。周囲導体60A,60Bの外周縁60bの曲率半径は、外周縁60bから放射導体21の中心までの距離である。
 周囲導体60A,60Bの径方向内側の内周縁60aの長さは、放射導体21の外周縁21aの長さの1/4未満である。本実施形態では、周囲導体60Aは、放射導体21の給電線路22Bの接続箇所に対して、放射導体21を挟んで対向する位置に設けられる。周囲導体60Aの内周縁60aは、当該位置において、放射導体21の外周縁21aの長さの略1/4の領域と対向する範囲に設けられる。周囲導体60Bは、放射導体21の給電線路22Aの接続箇所に対して、放射導体21を挟んで対向する位置に設けられる。周囲導体60Bの内周縁60aは、当該位置において、放射導体21の外周縁21aの長さの略1/4の領域と対向する範囲に設けられる。
 図9に示すアンテナ200によれば、放射導体21の周囲において、当該放射導体21の径方向及び周方向に広がるように形成され、放射導体21から離隔して配置された周囲導体60A,60Bを更に備えてよい。この場合、更に良好なリターンロス特性を得ることができる。
 周囲導体60A,60Bの径方向における幅は放射導体21の半径より大きくてよい。この場合、周囲導体60A,60Bの面積を十分に広くすることができ、更に広帯域で良好なリターンロス特性を得ることができる。
 周囲導体60A,60Bの径方向内側の内周縁60aは放射導体21の外周縁21aに沿った形状を有してよい。この場合、放射導体21に対して近接した位置に周囲導体60A,60Bを配置することができ、放射導体21と周囲導体60A,60Bの結合が高まり、更に広帯域で良好なリターンロス特性を実現できる。
 周囲導体60A,60Bの径方向外側の外周縁60bの曲率半径は、周囲導体60A,60Bの径方向内側の内周縁60aの曲率半径より大きくてよい。この場合、周囲導体60A,60Bの基準線SL1,SL2における長さと、周囲導体60A,60Bの周方向における両端側の一対の横縁60cにおける長さとの差が大きくなり、更に広帯域で良好なリターンロス特性を実現できる。
 周囲導体60A,60Bの径方向内側の内周縁60aの長さは、放射導体21の外周縁21aの長さの1/4未満であってよい。この場合、適切な位置に適切な大きさの周囲導体60A,60Bを配置することができる。つまり、偏波方向に対して周囲導体60A,60Bを対称に配置することができることから、指向性が乱れることを抑制できる。
 その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の図5、図7~9に示すアンテナ200から、更に給電線路22A,22B、及び端子パッド部23A,23Bの形状や大きさを適宜変更してもよい。
[実施例]
 上述の実施形態のうち、図5に示すアンテナを実施例1として準備した。実施例1のアンテナの放射導体21の直径Rは3.5mmである。この直径Rは、波長λの1/2(27.5GHz)に略等しい。実施例1のアンテナの給電線路22A,22Bの線路長L1は3.5mmであり、幅寸法W1は0.2mmである。給電線路22A,22Bの特性インピーダンスZは約100[ohm]である。端子パッド部23A,23Bの特性インピーダンスZは約50[ohm]である。メッシュ状の導体パターン50の導電線51,51の太さは1μmであり、ピッチは100μmである。上述の実施形態のうち、図7に示すアンテナを実施例2として準備した。実施例2のアンテナの寸法、インピーダンスは実施例1と同様である。
 上述の実施形態のうち、図9に示すアンテナを実施例3として準備した。実施例3のアンテナの放射導体21の直径Rは3mmである。実施例3のアンテナの給電線路22A,22Bの線路長L1は2.7mmであり、幅寸法W1は0.1mmである。給電線路22A,22Bの特性インピーダンスZは約100[ohm]である。端子パッド部23A,23Bの特性インピーダンスZは約50[ohm]である。周囲導体60A,60Bの幅寸法W3は1.7mmである。
 比較例として、図10に示すようなアンテナ300を準備した。比較例に係るアンテナ300の放射導体21の直径Rは3.2mmである。比較例のアンテナの給電線路22A,22Bの線路長L1は1.5mmであり、幅寸法W1は0.3mmである。このように、線路長L1が放射導体21の半径より短い。給電線路22A,22Bの特性インピーダンスZは約100[ohm]である。端子パッド部23A,23Bの特性インピーダンスZは約50[ohm]である。
 実施例及び比較例について、リターンロス、及びアイソレーションをシミュレーションにより評価した。このシミュレーションには、電磁界解析ソフトウエアHFSS(ANSYS社)を用いた。実施例1~3のシミュレーション結果を図11~13に示し、比較例のシミュレーション結果を図14に示す。図11~14(a)のグラフの縦軸はリターンロスの値(dB)を示し、横軸は周波数を示す。図11~14(b)のグラフの縦軸はアイソレーションの値(dB)を示し、横軸は周波数を示す。
 図11~14(a)に示されるように、実施例1~3は比較例に比べて広帯域で良好なリターンロス特性が得られている。特に、周囲導体を有する実施例3は、実施例1,2に比して、更にリターンロスが良好になっている。一方、図11~14(b)に示されるように、実施例1~3は、広帯域で良好なリターンロス特性を得つつも、比較例に比べて絶縁性が低下していない。
 本開示に係る技術には、以下の構成例が含まれるが、これに限定されるものではない。
 本開示の一側面に係るアンテナは、円形状の放射導体と、放射導体に給電を行う給電線路と、給電線路に接続される端子と、を備え、給電線路のインピーダンスは、端子における給電点のインピーダンスよりも大きく、給電線路の線路長は、放射導体の半径より長い。
 上述のアンテナによれば、端子から給電線路を介して放射導体に給電が行われる。従って、端子及び給電線路が伝送線路として機能する。このような構成において、給電線路のインピーダンスは、端子における給電点のインピーダンスよりも大きい。また、給電線路の線路長は、放射導体の半径より長い。このような構成によれば、広帯域で良好なリターンロス特性を得ることができる。
 給電線路の線路長は、放射導体の直径以下であってよい。この場合、広帯域で良好なリターンロス特性を実現しつつ、給電線路が長すぎることでアンテナが大型化することを抑制できる。
 端子は、コプレナー線路であってよい。この場合、電気的特性を保ちつつ、外部の入出力端子であるケーブル等を容易に接続することができる。
 端子の幅は、給電線路の幅より大きくてよい。この場合、広帯域で良好なリターンロス特性を実現しつつ、外部の入出力端子と端子パッド部との接続性を向上できる。
 放射導体の周囲において、当該放射導体の径方向及び周方向に広がるように、放射導体から離隔して配置された周囲導体を更に備えてよい。この場合、更に良好なリターンロス特性を得ることができる。
 周囲導体の径方向における幅は放射導体の半径より大きくてよい。この場合、周囲導体の面積を十分に広くすることができ、更に広帯域で良好なリターンロス特性を得ることができる。
 周囲導体の径方向内側の内周縁は放射導体の外周縁に沿った形状を有してよい。この場合、放射導体に対して近接した位置に周囲導体を配置することができ、放射導体と周囲導体の結合が高まり、更に広帯域で良好なリターンロス特性を実現できる。
 周囲導体の径方向外側の外周縁の曲率半径は、周囲導体の径方向内側の内周縁の曲率半径より大きくてよい。この場合、周囲導体の基準線における長さと、周囲導体の周方向における両端側の一対の横縁における長さとの差が大きくなり、更に広帯域で良好なリターンロス特性を実現できる。
 周囲導体の径方向内側の内周縁の長さは、放射導体の外周縁の長さの1/4未満であってよい。この場合、適切な位置に適切な大きさの周囲導体を配置することができる。つまり、偏波方向に対して周囲導体を対称に配置することができることから、指向性が乱れることを抑制できる。
 放射導体及び給電線路は、メッシュ状の導体パターンを有してよい。この場合、放射導体及び給電線路においては導電性を確保しつつ、高い透過性を実現できる。また、放射導体及び給電線路における導体パターンを高い精度で一括して容易に形成することができる。
 本開示の一側面に係る表示装置は、上述のアンテナを備える。
 上述の表示装置によれば、上述のアンテナと同様な作用・効果を得ることができる。
[形態1]
 円形状の放射導体と、
 前記放射導体に給電を行う給電線路と、
 前記給電線路に接続される端子と、を備え、
 前記給電線路のインピーダンスは、前記端子における給電点のインピーダンスよりも大きく、
 前記給電線路の線路長は、前記放射導体の半径より長い、アンテナ。
[形態2]
 前記給電線路の線路長は、前記放射導体の直径以下である、形態1に記載のアンテナ。
[形態3]
 前記端子は、コプレナー線路である、形態1又は2に記載のアンテナ。
[形態4]
 前記端子の幅は、前記給電線路の幅より大きい、形態1~3の何れか一項に記載のアンテナ。
[形態5]
 前記放射導体の周囲において、当該放射導体の径方向及び周方向に広がるように、前記放射導体から離隔して配置された周囲導体を更に備える、形態1~4の何れか一項に記載のアンテナ。
[形態6]
 前記周囲導体の前記径方向における幅は前記放射導体の半径より大きい、形態5に記載のアンテナ。
[形態7]
 前記周囲導体の前記径方向内側の内周縁は前記放射導体の外周縁に沿った形状を有する、形態5又は6に記載のアンテナ。
[形態8]
 前記周囲導体の前記径方向外側の外周縁の曲率半径は、前記周囲導体の前記径方向内側の内周縁の曲率半径より大きい、形態5~7の何れか一項に記載のアンテナ。
[形態9]
 前記周囲導体の前記径方向内側の内周縁の長さは、前記放射導体の外周縁の長さの1/4未満である、形態5~8の何れか一項に記載のアンテナ。
[形態10]
 前記放射導体及び前記給電線路は、メッシュ状の導体パターンを有する、形態1~9の何れか一項に記載のアンテナ。
[形態11]
 形態1~10の何れか一項に記載のアンテナを備える、表示装置。
 21…放射導体、22A,22B…給電線路、23A,23B…端子パッド部(端子)、60A,60B…周囲導体、100…表示装置、200…アンテナ。

Claims (11)

  1.  円形状の放射導体と、
     前記放射導体に給電を行う給電線路と、
     前記給電線路に接続される端子と、を備え、
     前記給電線路のインピーダンスは、前記端子における給電点のインピーダンスよりも大きく、
     前記給電線路の線路長は、前記放射導体の半径より長い、アンテナ。
  2.  前記給電線路の線路長は、前記放射導体の直径以下である、請求項1に記載のアンテナ。
  3.  前記端子は、コプレナー線路である、請求項1に記載のアンテナ。
  4.  前記端子の幅は、前記給電線路の幅より大きい、請求項1に記載のアンテナ。
  5.  前記放射導体の周囲において、当該放射導体の径方向及び周方向に広がるように、前記放射導体から離隔して配置された周囲導体を更に備える、請求項1に記載のアンテナ。
  6.  前記周囲導体の前記径方向における幅は前記放射導体の半径より大きい、請求項5に記載のアンテナ。
  7.  前記周囲導体の前記径方向内側の内周縁は前記放射導体の外周縁に沿った形状を有する、請求項5に記載のアンテナ。
  8.  前記周囲導体の前記径方向外側の外周縁の曲率半径は、前記周囲導体の前記径方向内側の内周縁の曲率半径より大きい、請求項5に記載のアンテナ。
  9.  前記周囲導体の前記径方向内側の内周縁の長さは、前記放射導体の外周縁の長さの1/4未満である、請求項5に記載のアンテナ。
  10.  前記放射導体及び前記給電線路は、メッシュ状の導体パターンを有する、請求項1に記載のアンテナ。
  11.  請求項1に記載のアンテナを備える、表示装置。
     
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