WO2023100400A1 - (メタ)アクリル樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

抗ウイルス性、透明性、帯電防止性を維持する。 (メタ)アクリル樹脂とフッ化ビニリデン樹脂とグリセリン脂肪酸エステルとを含有する(メタ)アクリル樹脂組成物であって、グリセリン脂肪酸エステルが、HLB値が5以上12以下の範囲であるグリセリン脂肪酸エステルであり、(メタ)アクリル樹脂組成物中、(メタ)アクリル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂及びグリセリン脂肪酸エステルの含有量の合計を100質量%としたときに、(メタ)アクリル樹脂の含有量が40質量%以上84質量%以下の範囲であり、フッ化ビニリデン樹脂の含有量が15質量%以上50質量%以下の範囲であり、グリセリン脂肪酸エステルの含有量が1質量%以上10質量%以下の範囲である、(メタ)アクリル樹脂組成物。

Description

(メタ)アクリル樹脂組成物
 本発明は、(メタ)アクリル樹脂組成物、当該(メタ)アクリル樹脂組成物を成形したシート、さらには当該シートを含む積層体に関する。
 (メタ)アクリル樹脂組成物の成形体の表面硬度を向上させ、成形体の耐溶剤性や衝撃強度を向上させることを目的として、例えば、(メタ)アクリル樹脂組成物にフッ素系樹脂を配合する態様が知られている(特許文献1参照。)。
 また、(メタ)アクリル樹脂組成物の帯電防止性を向上させることを目的として、(メタ)アクリル樹脂組成物に、グリセリンモノ脂肪酸エステルを配合する態様が知られている(特許文献2参照)。
特開2013-32513号公報 特開平5-239305号公報
 近年の新型コロナウイルス感染症の蔓延により、特に人体と接触しうる機器、器具等については抗ウイルス性の付与が望まれており、(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した成形体が人体と接触する態様で、例えば部材として含まれる機器、器具等についても同様である。
 しかしながら、上記特許文献にかかる(メタ)アクリル樹脂組成物及びその成形体においては、例えば、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性の付与については何ら考慮されておらず、また仮に抗ウイルス性を発揮し得たとしても、例えば、新型コロナウイルスの感染を防止する観点から、機器、器具等の処理において推奨されているエタノールによる表面処理(アルコール消毒処理)によって、当該機器、器具等から抗ウイルス性が失われてしまったり、さらには透明性や帯電防止性が失われてしまう場合があった。
 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を進めたところ、(メタ)アクリル樹脂とフッ化ビニリデン樹脂とグリセリン脂肪酸エステルとを所定量含有する(メタ)アクリル樹脂組成物を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
 すなわち、本発明は、下記〔1〕~〔6〕を提供する。
〔1〕 (メタ)アクリル樹脂とフッ化ビニリデン樹脂とグリセリン脂肪酸エステルとを含有する(メタ)アクリル樹脂組成物であって、
 グリセリン脂肪酸エステルが、HLB値が5以上12以下の範囲であるグリセリン脂肪酸エステルであり、
 (メタ)アクリル樹脂組成物中、(メタ)アクリル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂およびグリセリン脂肪酸エステルの含有量の合計を100質量%としたときに、(メタ)アクリル樹脂の含有量が40質量%以上84質量%以下の範囲であり、
 フッ化ビニリデン樹脂の含有量が15質量%以上50質量%以下の範囲であり、
 グリセリン脂肪酸エステルの含有量が1質量%以上10質量%以下の範囲である、(メタ)アクリル樹脂組成物。
〔2〕 グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリン飽和脂肪酸エステルである、〔1〕に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
〔3〕 〔1〕または〔2〕に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した、素形材。〔4〕 前記(メタ)アクリル樹脂組成物を成形したシートである、〔3〕に記載の素形材。
〔5〕 〔4〕に記載のシートを1層以上含む、積層シート。
〔6〕 基材層をさらに含み、前記(メタ)アクリル樹脂組成物の層が、当該基材層の厚さ方向に対向している第1主表面および第2主表面の両面に、当該基材層を挟むように設けられている、〔5〕に記載の積層シート。
 本発明によれば、(メタ)アクリル樹脂組成物の成形体において、エタノールによる表面処理によっても、例えば、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性を維持することができ、ひいては透明性を維持することができ、さらには静電気の発生、および静電気の発生による粉塵の付着を抑制することができる(メタ)アクリル樹脂組成物を提供することができる。
 以下、本発明の実施形態について具体的にて説明する。なお、本発明は以下の記載によっては限定されない。以下に説明する実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。
 本実施形態にかかる(メタ)アクリル樹脂組成物は、(メタ)アクリル樹脂とフッ化ビニリデン樹脂とグリセリン脂肪酸エステルとを含有する(メタ)アクリル樹脂組成物であって、グリセリン脂肪酸エステルが、HLB値が5以上12以下の範囲であるグリセリン脂肪酸エステルであり、(メタ)アクリル樹脂組成物中、(メタ)アクリル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂およびグリセリン脂肪酸エステルの含有量の合計を100質量%としたときに、(メタ)アクリル樹脂の含有量が40質量%以上84質量%以下の範囲であり、フッ化ビニリデン樹脂の含有量が15質量%以上50質量%以下の範囲であり、グリセリン脂肪酸エステルの含有量が1質量%以上10質量%以下の範囲である、(メタ)アクリル樹脂組成物である。
 まず、本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物に含まれうる成分について具体的に説明する。
<(メタ)アクリル樹脂>
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物に用いられうる(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリルといった(メタ)アクリル系モノマーの単独重合体または2種以上のモノマーの共重合体、(メタ)アクリル系モノマーとその他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。
 なお、本明細書において、用語「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を意味する。
 (メタ)アクリル樹脂としては、優れた硬度、耐候性、透明性を有することから、メタクリル樹脂を用いることが好ましい。メタクリル樹脂は、メタクリル酸エステル(メタクリル酸アルキル)を主体とする単量体を重合して得られる重合体である。
 (メタ)アクリル樹脂としては、例えば、単量体であるメタクリル酸エステルの単独重合体(ポリアルキルメタクリレート)、メタクリル酸エステルの共重合体、および50質量%以上のメタクリル酸エステルと50質量%以下のメタクリル酸エステル以外の単量体との共重合体が挙げられる。
 (メタ)アクリル樹脂が、メタクリル酸エステルとメタクリル酸エステル以外の単量体との共重合体である場合には、単量体の総量100質量%に対して、メタクリル酸エステルが70質量%以上であって、メタクリル酸エステル以外の単量体が30質量%以下であることが好ましく、メタクリル酸エステルが90質量%以上であって、メタクリル酸エステル以外の単量体が10質量%以下であることがより好ましい。
 メタクリル酸エステル以外の単量体としては、例えば、アクリル酸エステル、分子内に重合性の炭素-炭素2重結合を1個有する単官能単量体が挙げられる。
 このような単官能単量体としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン等のスチレン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化アルケニル;アクリル酸;メタクリル酸;無水マレイン酸;フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、メチルマレイミド等のN-置換マレイミドが挙げられる。(メタ)アクリル樹脂の主鎖(主骨格)中には、耐熱性を向上させる観点から、ラクトン環構造、グルタル酸無水物構造、またはグルタルイミド構造が導入されていてもよい。
 (メタ)アクリル樹脂は、より具体的には、下記条件(a1)または条件(a2)に該当する(メタ)アクリル樹脂であることが好ましい。
(a1)メタクリル酸メチルの単独重合体
(a2)メタクリル酸メチルに由来する構成単位50~99.9質量%と、下記式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する少なくとも1つの構成単位0.1~50質量%とを含む共重合体
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 前記式(1)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rが水素原子である場合にはRは炭素原子数1~8のアルキル基を表し、Rがメチル基である場合にはRは炭素原子数2~8のアルキル基を表す。
 前記条件(a2)においては、メタクリル酸メチルに由来する構成単位と、前記式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステルに由来する少なくとも1つの構成単位との合計量が100質量%であることが好ましい。
 前記式(1)中、Rが水素原子である場合のRで表される炭素原子数1~8のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が挙げられる。前記式(1)中、Rがメチル基である場合のRで表される炭素原子数2~8のアルキル基の例としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基が挙げられる。
 前記式(1)で表される(メタ)アクリル酸エステルは、好ましくはアクリル酸メチルまたはアクリル酸エチルであり、より好ましくはアクリル酸メチルである。
 本実施形態において、(メタ)アクリル樹脂は、JIS K 7210に準拠した方法に従って3.8kg荷重で測定した230℃におけるメルトマスフローレート(MFR)が、通常0.1~30g/10分であり、(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した成形体の強度を向上させ、またその成形性を向上させる観点から、好ましくは0.2~20g/10分であり、より好ましくは0.5~15g/10分である。
 本実施形態において、(メタ)アクリル樹脂は、GPC測定によって求められる重量平均分子量(Mw)が、例えば60℃および相対湿度90%の条件下に曝露したときの透明性を向上させ、また成形性を向上させる観点から、30,000~300,000であることが好ましく、40,000~250,000であることがより好ましく、50,000~200,000であることがさらに好ましい。
 本実施形態において、(メタ)アクリル樹脂は、耐熱性を向上させる観点から、JIS
 K 7206に準拠した方法に従って測定されるビカット軟化温度(VST)が90℃以上であることが好ましく、100℃以上であることがより好ましく、102℃以上であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル樹脂のVSTは、単量体の種類やその割合、さらには(メタ)アクリル樹脂の分子量を調整することにより、適宜設定することができる。
 (メタ)アクリル樹脂は、既に説明した単量体を、懸濁重合、バルク重合といった従来公知の任意好適な方法によって重合させることにより調製(合成)することができる。調製にあたっては、例えば従来公知の任意好適な連鎖移動剤をさらに添加することにより、(メタ)アクリル樹脂のMFR、Mw、VSTといった特性を好ましい範囲に調整することができる。連鎖移動剤の添加量は、選択される単量体の種類およびその割合、さらには求められる特性に応じて、適宜決定することができる。
<フッ化ビニリデン樹脂>
 本実施形態において、(メタ)アクリル樹脂組成物に用いられうるフッ化ビニリデン樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデンの単独重合体、およびフッ化ビニリデンの共重合体が挙げられる。フッ化ビニリデンの共重合体としては、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル及びエチレンからなる群から選択される少なくとも1種の単量体とフッ化ビニリデンとを共重合させた重合体が挙げられる。フッ化ビニリデン樹脂は、成形体の透明性を向上させる観点から、好ましくはフッ化ビニリデン単独重合体(ポリフッ化ビニリデン)である。
 本実施形態において、フッ化ビニリデン樹脂は、JIS K 7210に準拠した方法に従って3.8kg荷重で測定した230℃におけるメルトマスフローレート(MFR)が、通常、0.1~30g/10分であり、成形体の長期間の使用による透明性の低下を抑制し、成形性を向上させる観点から、好ましくは0.2~25g/10分であり、より好ましくは0.5~20g/10分である。
 本実施形態において、フッ化ビニリデン樹脂は、GPC測定によって求められる重量平均分子量(Mw)が、例えば、60℃および相対湿度90%の条件下に曝露したときの成形体の透明性を向上させ、また成形性を向上させる観点から、100,000~500,000であることが好ましく、150,000~450,000であることがより好ましく、200,000~450,000であることがさらに好ましい。
 フッ化ビニリデン樹脂は、工業的には、懸獨重合法または乳化重合法により製造される。懸濁重合法は水を媒体とし、単量体を分散剤で媒体中に液滴として分散させ、単量体中に溶解した有機過酸化物を重合開始剤として重合させることにより実施することができ、100~300μmの粒状の重合体を得ることができる。乳化重合法により製造された重合体と比較すると、懸濁重合法により製造された重合体は、簡便に製造することができ、粉体の取扱性に優れ、また乳化重合法により重合された重合体のようにアルカリ金属を含む乳化剤や塩析剤を含まないため好ましい。
<グリセリン脂肪酸エステル>
 グリセリン脂肪酸エステルは、新型コロナウイルスを不活性化できる抗ウイルス性を有しうることが知られている。
 本実施形態において、グリセリン脂肪酸エステルは、特に新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性を発揮させる機能を有しており、さらには、成形体の表面に滲み出て(ブリードして)表面を覆うことにより、静電気の発生、さらには粉塵の付着を抑制する機能を有している。
 本実施形態において、グリセリン脂肪酸エステルは、HLB値が5以上12以下の範囲であるグリセリン脂肪酸エステルである。HLB値は、グリセリン脂肪酸エステルを表面にブリードさせ、さらにはふき取られてしまったとしてもグリセリン脂肪酸エステルを再度ブリードさせる再ブリードによる抗ウイルス性、静電気の発生さらには粉塵の付着の効果的な抑制の回復の観点から、5.4以上であることが好ましく、9.4以下であること
が好ましい。HLB値は、5以上9.4以下の範囲または5.4以上12以下の範囲であることが好ましく、5.4以上9.4以下の範囲であることがより好ましい。
 ここで、HLB(Hydrophilic Lipophilic Balance)値とは、0~20までの値を取りうるパラメータであって、0に近いほど親油性(疎水性)が高く、20に近いほど親水性が高いことを表すパラメータである。親水性基を有さず疎水性基のみを有する例えばパラフィンのような化合物はHLB値が0であり、疎水性基を有さず親水性基のみを有する例えばポリエチレングリコールのような化合物はHLB値が20であり、1つの分子内に親水性基および疎水性基の両方を有する化合物は1~20の間の数値を取ることになる。よって、分子内の疎水性基部分の疎水性に対して親水性基の親水性が大きければ大きいほどHLB値は大きくなって水溶性が高くなり、分子内の疎水性基部分の疎水性に対して、親水性基の親水性が小さければ小さいほどHLB値は小さくなって、水溶性が低くなることとなる。
 所定の化合物(分子)におけるHLB値は、例えば、下記式(2)を用いるグリフィン法により算出することができる。

HLB値=20×親水性部分の化学式量の総和/疎水性部分の化学式量の総和  (2)
 本実施形態において、グリセリン脂肪酸エステルのアルキル鎖の炭素原子数は特に限定されない。具体的には、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられる。また、グリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸エステルとしては、例えば、モノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステルが挙げられる。これらの中でも、脂肪酸エステルとしては、モノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルであることが好ましい。
 本実施形態において用いられうるグリセリン脂肪酸エステルを構成しうるグリセリンとしては、例えば、モノグリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ペンタグリセリン、デカグリセリンが挙げられる。これらの中でも、グリセリン脂肪酸エステルを構成しうるグリセリンとしては、モノグリセリン、ジグリセリン、さらにはデカグリセリンであることが好ましく、ジグリセリンであることがより好ましい。
 グリセリン脂肪酸エステルとして、具体的には、モノグリセリンモノカプリレート(HLB値7.0)、モノグリセリンモノカプレート(HLB値6.8)、モノグリセリンモノラウレート(グリセリンモノラウレート(HLB値5.4)、モノグリセリンモノミリスチレート、、ジグリセリンモノカプリレート、ジグリセリンモノカプレート、ジグリセリンモノラウレート(HLB値9.4)、ジグリセリンモノミリスチレート、トリグリセリンモノカプリレート、トリグリセリンモノカプレート、トリグリセリンモノラウレート、トリグリセリンモノミリスチレート、テトラグリセリンモノカプリレート、テトラグリセリンモノカプレート、テトラグリセリンモノラウレート、テトラグリセリンモノミリスチレート、ペンタグリセリンモノカプリレート、ペンタグリセリンモノカプレート、ペンタグリセリンモノラウレート、ペンタグリセリンモノミリスチレート、デカグリセリンモノオレート(デカグリセリンオレート)(HLB値12)を挙げることができる。これらの中でも、モノグリセリンモノカプレート(HLB値6.8)、モノグリセリンモノラウレート(HLB値5.4)、ジグリセリンモノラウレート(HLB値9.4)などのグリセリン飽和脂肪酸エステルが好ましく、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルであるジグリセリンモノラウレート(HLB値9.4)を用いることがより好ましい。
 なお、グリセリン脂肪酸エステルのHLB値は、例えば、従来公知の文献に開示されている値を参照して適用することができる。また、グリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、市販の製品を入手して使用してもよい。
<(メタ)アクリル樹脂組成物>
 (1)(メタ)アクリル樹脂
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物において、(メタ)アクリル樹脂の含有量は、既に説明した(メタ)アクリル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂およびグリセリン脂肪酸エステルの含有量の合計を100質量%としたときに、通常、20質量%を超えて85質量%未満であり、抗ウイルス性の維持、透明性の維持、静電気の発生さらには粉塵の付着の効果的な抑制の観点から、40質量%以上84質量%以下の範囲とすればよく、42質量%以上とすることが好ましく、45質量%以上とすることがより好ましく、47.5質量%以上とすることがさらに好ましく、55質量%以下とすることが好ましく、70質量%以下とすることがより好ましく、特に透明性を向上させる観点から、42質量%以上84質量%以下の範囲とすることが好ましく、45質量%以上84質量%以下の範囲とすることがより好ましく、42質量%70質量%以下の範囲とすることがさらに好ましく、47.5質量%以上70質量%以下の範囲とすることが特に好ましい。
 (2)フッ化ビニリデン樹脂
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物において、フッ化ビニリデン樹脂の含有量は、既に説明した(メタ)アクリル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂およびグリセリン脂肪酸エステルの含有量の合計を100質量%としたときに、通常、10質量%を超えて75質量%未満であり、抗ウイルス性の維持、透明性の維持、静電気の発生、さらに粉塵の付着の効果的な抑制、特に透明性を確保する観点から、15質量%以上50質量%以下の範囲とすればよく、25質量%以上とすることが好ましく、50質量%以下とすることが好ましく、40質量%以下とすることがより好ましく、特に透明性を向上させる観点から、25質量%以上50質量%以下の範囲とすることが好ましく、40質量%以上50質量%以下の範囲とすることがより好ましい。
 (3)グリセリン脂肪酸エステル
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物において、グリセリン脂肪酸エステルの含有量は、既に説明した(メタ)アクリル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂およびグリセリン脂肪酸エステルの含有量の合計を100質量%としたときに、通常、0.5質量%を超えて15質量%未満であり、抗ウイルス性の維持、透明性の維持、静電気の発生さらには粉塵の付着の効果的な抑制、特に透明性の確保と再ブリードによる抗ウイルス性、静電気の発生さらには粉塵の付着の効果的な抑制の回復との観点から、1質量%以上10質量%以下の範囲とすればよく、2.5質量%以上とすることが好ましく、8質量%以下とすることが好ましく、5質量%以下とすることがより好ましく、特に抗ウイルス性の効果的な維持の観点から、2.5質量%以上5.0質量%以下の範囲とすることが好ましい。
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物において、(メタ)アクリル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂およびグリセリン脂肪酸エステルを上記の割合として配合することにより、抗ウイルス性、成形体である素形材の透明性、さらには素形材の表面における静電気の発生ひいては粉塵の付着を効果的に抑制することができ、特に抗ウイルス性を付与するグリセリン脂肪酸エステルを表面にブリードさせ、さらには例えばエタノールを用いるアルコール消毒処理によって素形材の表面にブリードしていたグリセリン脂肪酸エステルがふき取られてしまったとしても、グリセリン脂肪酸エステルをその表面に再ブリードさせることができ、抗ウイルス性、さらには静電気の発生ひいては粉塵の付着を効果的に抑制し、これらの特性を所定期間にわたって維持することができる。
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物が含有しうるその他の樹脂の量は、(メタ)アクリル樹脂組成物の全量(100質量%)に対して、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物が含有しうるその他の樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体、メタクリル酸メチル-スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。
 (4)その他の成分
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物は、本発明の作用効果を損なわないことを条件として、メタクリル樹脂組成物に一般的に用いられうるその他の成分をさらに含んでいてもよい。
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物が含有しうるその他の成分としては、例えば、架橋ゴム粒子、紫外線吸収剤、滑り剤、酸化防止剤、離型剤、帯電防止剤が挙げられる。
 その他の成分である架橋ゴム粒子としては、例えば、少なくともコア部と当該コア部を覆う被覆層とを有しており、コア部および被覆層のうちの少なくとも一方が、炭素-炭素不飽和結合を2以上有する多官能単量体に由来する構成単位を有する材料から形成される多層のゴム粒子が挙げられる。
 その他の成分である紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、マロン酸エステル系紫外線吸収剤、オキサルアニリド系紫外線吸収剤が挙げられる。
 その他の成分である滑り剤としては、例えば、シリコーンオイル、ポリシロキサン系化合物が挙げられる。
 その他の成分である酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
 その他の成分である離型剤としては、例えば、既に説明した「グリセリン脂肪酸エステル」とは異なる高級脂肪酸エステル、高級脂肪族アルコール、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、脂肪酸誘導体が挙げられる。
 その他の成分である帯電防止剤としては、例えば、導電性無機粒子、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、カチオン系アクリル酸エステル誘導体、カチオン系ビニルエーテル誘導体が挙げられる。
<(メタ)アクリル樹脂組成物の製造方法>
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物は、既に説明した、(メタ)アクリル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、グリセリン脂肪酸エステル、さらには所望のその他の成分を、従来公知の任意好適な機器および条件による混練工程を実施することにより製造(調製)することができる。
 本実施形態において、(溶融)混練工程における温度条件については特に限定されない。温度条件は、選択された成分、その分量、性状等を勘案した任意好適な条件とすることができる。溶融混練工程においては、例えば、押出機の原料投入口から出口までの間の温度を180℃~260℃とすればよい。
 混練工程に用いられうる機器としては、従来公知の任意好適な混合機や混練機を用いることができる。このような機器の具体例としては、一軸混練機、二軸混練機、多軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールミルが挙げられる。また、混練工程において回転速度をより速める必要がある場合には、例えば、高剪断加工装置を用いてもよい。
<素形材>
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物は、従来公知の任意好適な成形方法により成形することにより所望の形状に成形された素形材とすることができる(素形材の製造方法については後述する。)。
 本実施形態の素形材によれば、透明性を低下させることなく、既に説明したグリセリン脂肪酸エステルがその表面にブリードしており、当該グリセリン脂肪酸エステルが有効成分として抗ウイルス性を発揮し、さらには素形材の表面における静電気の発生ひいては粉塵の付着を効果的に抑制することができ、しかもグリセリン脂肪酸エステルがふき取られてしまったとしても、当該グリセリン脂肪酸エステルを再ブリードさせることにより、抗ウイルス性、静電気の発生ひいては粉塵の付着を抑制する効果を回復(維持)することができる素形材として用いることができる。
 ここで、素形材とは、例えば、樹脂組成物、ゴム、ガラス、金属といった材料に、所定の熱、力を加えることにより、所定の形状が与えられた部品、部材、さらには最終製品自体をいう。すなわち、本実施形態の抗ウイルス性を有する素形材は、既に説明した(メタ)アクリル樹脂組成物を成形することにより所定の形状とされた成形体である。
 本実施形態において、製造されうる素形材の形状、厚さ等のサイズは特に限定されない。本実施形態においては、素形材は、既に説明した(メタ)アクリル樹脂組成物を成形したシート(層状体、板状体)とすることが好ましい。
 また、本実施形態においては、既に説明した(メタ)アクリル樹脂組成物を成形したシートを(メタ)アクリル樹脂組成物の層として1層以上含む、積層シートとすることもできる。すなわち、本実施形態の素形材には、既に説明した(メタ)アクリル樹脂組成物を含有する層を含む積層シート(積層体)が含まれる。
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した素形材は、高い透明性に加えて、特に新型コロナウイルス対する抗ウイルス性、さらには素形材の表面における静電気の発生ひいては粉塵の付着を効果的に抑制することができる。よって、特に人体と接触しうる機器、器具等、または当該機器、器具等に含まれる素形材として好適に用いることができる。
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した素形材は、既に説明したとおりの特性を有するので、具体的には、例えば、店舗等において隣り合うかあるいは対面する顧客同士間、または会議等において隣り合うかあるいは対面する出席者同士間を仕切るための(机上に設置されうる)衝立、パーティション、自動販売機における商品見本をカバーするためのカバー部材、灯火類用のカバー部材、さらにはタッチセンサーパネルの最表面に位置する保護シートといったディスプレイパネル用の部材、自動車、自動二輪車等の車両用のメーターパネル用部材として好適に用いることができる。
 (1)シート
 本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した素形材であるシートの厚さは、適用される用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されない。本実施形態において、シートの厚さは、例えば、衝立、パーティションに適用される場合には、100~4000μmであることが好ましく、200~3000μmであることがより好ましい。
 (2)積層シート
 本実施形態において、積層シートは、既に説明した(メタ)アクリル樹脂組成物を成形したシートを当該(メタ)アクリル樹脂組成物の層として1層以上含む。この(メタ)アクリル樹脂組成物の層は、人体との接触が予想される表面を少なくとも覆うように設けることが好ましい。
 本実施形態において、積層シートは、硬度、強度を向上させる観点から、基材層をさらに含み、(メタ)アクリル樹脂組成物の層が、当該基材層の厚さ方向に対向している第1主表面および第2主表面の両面に、当該基材層を挟むように設けられている構成とすることが好ましい。なお、基材層は1層のみならず、2層以上が含まれていてもよい。
 ここで、基材層の厚さは積層シートの用途を考慮して任意好適な厚さとすることができる。積層シートが、例えば、衝立、パーティションに適用される場合には、基材層の厚さは、形状維持の観点から、500~4000μmであることが好ましく、1000~3000μmであることがより好ましい。
 基材層の材料は、積層シートの用途に応じて従来公知の任意好適な材料を選択すればよく、特に限定されない。基材層の材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、スチレン樹脂、MS樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。特に本実施形態のシート((メタ)アクリル樹脂組成物の層)は透明性が高く、透明性が高い基材層と組み合わせれば積層シート全体の透明性を高めることができるため、基材層の材料としては透明性を有する材料を用いることが好ましい。
 積層シートが、例えば、対面での使用が想定される衝立、パーティションであって、特に透明性(可視光透過性)が求められる場合には、基材層の材料は、本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物とは異なる組成、配合比を有していてもよい(メタ)アクリル樹脂組成物であることが好ましい。ここで、透明性を確保する観点から、基材層の材料は、(メタ)アクリル樹脂のみから構成されることが好ましく、フッ化ビニリデン樹脂などの他の樹脂をさらに含む(メタ)アクリル樹脂組成物であってもよい。
<素形材の製造方法>
 本実施形態の素形材の製造方法は、特に限定されない。本実施形態の素形材の製造方法としては、例えば、既に説明した(メタ)アクリル樹脂組成物を、従来公知の任意好適な成形機を用いて成形する方法が挙げられる。
 本実施形態の素形材の製造方法の例としては、押出成形法、および射出成形法が挙げられる。素形材をより複雑な形状の素形材とする場合には、例えば、成形機として射出成形機を用い、成形機の金型内に(メタ)アクリル樹脂組成物を射出して成形する射出成形法を用いればよい。
 既に説明したシート、積層シートとする場合には、押出成形法により成形することが好ましい。特に基材層の材料が(メタ)アクリル樹脂組成物に代表される押出成形法が適用できる樹脂組成物である積層シートを製造する場合には、基材層と本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物を含む(メタ)アクリル樹脂組成物の層とを同時に成形することができ、積層シートを一体的により簡便に製造することができる。
 以下、本実施形態の素形材の製造方法について、押出成形法による製造方法を例にとって説明する。
 本実施形態の素形材の製造方法は、(メタ)アクリル樹脂組成物を用意する工程と、用意した(メタ)アクリル樹脂組成物を押出成形することにより素形材とする工程とを含む。以下、各工程について具体的に説明する。
 (1)(メタ)アクリル樹脂組成物を用意する工程
 本工程は、押出成形機に供するための(メタ)アクリル樹脂組成物を用意する工程である。
 本実施形態において、押出成形機に供されるメタクリル樹脂組成物の性状は、特に限定されない。押出成形機に供される(メタ)アクリル樹脂組成物の形状、サイズ等は、用いられる押出成形機、適用される条件などを勘案して、任意好適な範囲で設定すればよい。
 (2)(メタ)アクリル樹脂組成物を押出成形することにより素形材とする工程
 本工程は、(メタ)アクリル樹脂組成物を、押出成形機により成形して、素形材とする工程である。
 本実施形態の素形材の一例であるシートは、具体的には、常法に従って、押出成形機のダイから溶融させた(メタ)アクリル樹脂組成物を押し出して、ダイリップにより成形することにより製造することができる。
 本実施形態の素形材の一例である積層シートであって、例えば、上記シートを(メタ)アクリル樹脂組成物の層として、基材層の厚さ方向に対向している第1主表面および第2主表面の両面に、当該基材層を挟むように設けられている、2種3層構造を有する積層シート((メタ)アクリル樹脂組成物の層/基材層/(メタ)アクリル樹脂組成物の層の順に積層された積層シート)は、例えば下記のとおり製造することができる。
 まず、既に説明した本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物の溶融物、および基材層の材料である樹脂組成物の溶融物をそれぞれ調製する。
 次に、例えば、マルチマニホールド型ダイを備える押出成形機を用いて、中段のダイリップからは溶融した基材層の材料である樹脂組成物を押し出し、同時に、上段のダイリップおよび下段のダイリップからは溶融した本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物を押し出して、押し出された成形体を、必要に応じて、従来公知の任意好適な冷却ロールを用いて冷却したり、搬送ロールなどのその他のロールを用いてさらに成形したりなどして、中段において成形される基材層の第1主表面および第2主表面の両面に、当該基材層を挟むように、本実施形態の(メタ)アクリル樹脂組成物の層(シート)である(メタ)アクリル樹脂組成物の層を含む、2種3層構造を有する積層体である積層シートを製造することができる。
 本実施形態の積層シートを製造するにあたり、(メタ)アクリル樹脂組成物の層を押出成形法により成形するための温度条件は、(メタ)アクリル樹脂組成物の組成、必要とされる(メタ)アクリル樹脂組成物の層の厚さなどを勘案して、適宜選択することができる。(メタ)アクリル樹脂組成物の層を成形するための温度条件は、例えば、180~300℃とすることが好ましく、200~290℃とすることがより好ましく、220~280℃とすることがさらに好ましい。なお温度は、ダイのダイリップ(または押し出し直後)における(メタ)アクリル樹脂組成物の溶融物の温度である。
 基材層を形成するための樹脂組成物の溶融物は、必要に応じて加熱した状態でダイから押し出すことができる。本実施形態の積層シートを製造するにあたり、基材層を押出成形法により成形するための温度条件は、材料である樹脂組成物の成分、配合割合、必要とされる基材層の厚さなどを勘案して、適宜選択することができる。基材層を成形するための温度条件は、基材層が(メタ)アクリル樹脂組成物により形成される場合には、例えば180~300℃とすることが好ましく、200~290℃とすることがより好ましく、220~280℃とすることがさらに好ましい。なお温度は、ダイのダイリップ(または押し出し直後)における樹脂組成物の溶融物の温度である。
 本実施形態の積層シートにおける(メタ)アクリル樹脂組成物の層の厚さは特に限定されない。(メタ)アクリル樹脂組成物の層の厚さは、透明性、抗ウイルス性、静電気の発生さらには粉塵の付着の効果的な抑制、再ブリードにより抗ウイルス性、静電気の発生さらには粉塵の付着の効果的な抑制の回復の観点から、0.05mm以上1.0mm以下とすることが好ましく、0.1mm以上0.5mm以下とすることがより好ましい。積層シートに(メタ)アクリル樹脂組成物の層が2層以上含まれる場合には、2層以上の(メタ)アクリル樹脂組成物の層の厚さは、同一であっても異なっていてもよい。
 本実施形態の積層シートにおける基材層の厚さは特に限定されない。基材層の厚さは、例えば、積層シートの硬度、強度を確保する観点から、0.05mm以上4mm以下とすることが好ましく、0.1mm以上3mm以下とすることがより好ましい。
<評価方法>
 (1)ヘイズ(haze)およびその測定方法
 本実施形態のシートおよび積層シートに含まれる(メタ)アクリル樹脂組成物の層は、高い透明性を有している。透明性の尺度として評価されるヘイズ(Haze 2mmt(%))は、JIS K 7136(ISO14782、Plastics-Determination of haze for transparent materialsに対応している。)に準拠して測定することができる。以下、具体的に説明する。
 まず、ヘイズとは、本実施形態の素形材(成形体)のうちの少なくとも一部分である試験片を透過する透過光のうちの前方散乱によって、入射光から0.044rad(2.5°)以上それた透過光の百分率をいう。
 本実施形態において、ヘイズは従来公知の任意好適な装置(例、ヘーズメーターHR-100(村上色彩研究所製))により測定することができる。ヘイズを測定するための装置としては、例えば、安定した光源、接続光学系、開口部を備えた積分球および測光器を備える装置が挙げられる。測光器は、受光器、信号処理装置および表示装置または記録計から構成されることが好ましい。
 ヘイズの測定には、通常、切り出された複数の試験片が用いられる。試験片のサイズは、積分球の入口開口および補償開口を覆うのに十分な大きさであることを条件として限定されない。
 まず、試験片は、ヘイズの測定の前に、ISO291に準じて、温度(23±2)℃、相対湿度(50±10)%の条件で15分間状態調節される。
 次に、測定に用いられる装置は、必要に応じて、温度(23±2)℃、相対湿度(50±10)%に保たれた雰囲気中に設置し、測定前に十分に時間をおいて熱平衡に到達させる。
 次いで、試験片を装置に設置して、試験片を透過した入射光の光束を観測して、下記式(3)によりヘイズ(%)を算出する。

ヘイズ=[(τ4/τ2)-τ3(τ2/τ1)]×100  (3)
 上記式(3)中、
 τ1は入射光の光束を表し、
 τ2は試験片を透過した全光束を表し、
 τ3は装置で拡散した光束を表し、
 τ4は装置および試験片で拡散した光束を表す。
 (2)表面抵抗率およびその測定方法
 本実施形態のシートおよび積層シートに含まれる(メタ)アクリル樹脂組成物の層は、その表面の全面に抗ウイルス性にかかる有効成分であるグリセリン脂肪酸エステルがブリードすることに起因して、表面抵抗率(Ω/sq)が、少なくとも1.0E+14Ω/sq未満には低減されており、ブリードしたグリセリン脂肪酸エステルが拭き取られてしまい、表面抵抗率が上昇してしまった場合であってもグリセリン脂肪酸エステルが再度ブリードすることにより表面抵抗率は再度低減される。結果として、抗ウイルス性、さらには素形材の表面における静電気の発生ひいては粉塵の付着を効果的に抑制することができるという作用効果を所定期間にわたって維持することができる。
 本実施形態において、表面抵抗率は従来公知の任意好適な測定装置である抵抗率計(例、((株)三菱化学アナリテック社製 ハイレスタUP MCP-HT-450型)を使用して、JIS K 6911に準拠して測定することができる。
 表面抵抗率の測定にあたっては、例えば、23℃、50%RHの条件下で24時間放置することにより状態調節を行った後、既に説明した装置を用いて、JIS K 6911に準拠した方法にて測定を行うことができる。
 以下、本発明の実施例について具体的に説明する。本発明は、後述の実施例によって限定されない。
 後述する実施例および比較例で用いられたグリセリン脂肪酸エステル(C-1)~(C-5)及びこれらのHLB値は下記のとおりである。グリセリン脂肪酸エステルは、全て理研ビタミン(株)社製の市販品を入手して用いた。
 C-1:DL-100 ジグリセリンモノラウレート  HLB値 9.4
 C-2:M-300 グリセリンモノラウレート    HLB値 5.4
 C-3:J-0381V デカグリセリンオレート   HLB値 12
 C-4:H-100 グリセリンステアレート     HLB値 4.3
 C-5:J-0021 デカグリセリンラウレート   HLB値 15.5
 <実施例1>
 〔(メタ)アクリル樹脂組成物の調製〕
 (メタ)アクリル樹脂であるポリメチルメタクリレート(PMMA)(スミペックス(Sumipex)LG2 住友化学(株)社製)47.5質量部と、フッ化ビニリデン樹脂であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)(KFポリマー #1300 (株)クレハ社製)50質量部と、ジグリセリンモノラウレート(DL-100 理研ビタミン(株)社製)2.5質量部を、ME型ラボプラストミル(東洋精機社製)を用いて、回転数80rpmで5分間混錬することにより、(メタ)アクリル樹脂組成物を得た。(メタ)アクリル樹脂組成物の組成(質量%)を表1に示した。
 〔成形体(プレート)の製造〕
 上記のとおり得られた(メタ)アクリル樹脂組成物を、厚さ2mmの枠型に入れ、210℃で5分間予熱した。次いで、2MPaの圧力で3分間プレスし、さらに12MPaの圧力で1分間プレスし、その後、常温で2MPaの圧力で1分間冷却することにより、平板状の成形体(プレート)(厚さ2mm)を得た。
 〔ヘイズの測定〕
 「ヘイズ(Haze 2mmt(%))」は、ヘーズメーターHR-100(村上色彩研究所製)を使用して、JIS K 7136に準拠する方法で測定した。結果を下記表1に示した。
 〔表面抵抗率の測定〕
 「表面抵抗率(Ω/sq)」は、抵抗率計((株)三菱化学アナリテック社製 ハイレスタUP MCP-HT-450型)を使用して、JIS K 6911に準拠して測定した。
 上記のとおり製造されたプレートを50mm×50mmの大きさに切断したサンプルを、23℃、50%RHの条件下で24時間放置した。その後、当該プレートの表面抵抗率を測定した。
 なお、上記抵抗率計により測定できる表面抵抗率の上限は1.0E+14Ω/sqであり、表面抵抗率が当該数値を超える場合には、「OVER」とされることとなる。
 〔ふき取り直後およびふき取り3日後の表面抵抗率の測定〕
 上記のとおり製造されたプレートの表面を、特級エタノールをしみ込ませたベンコットンを用いて拭った(ふき取った)。
 まず、ふき取り直後に、プレートの拭き取りが行われた表面における表面抵抗率を測定した。次いで、ふき取りが行われた後のプレートを23℃、50%RHの条件下で72時間放置した。その後、プレートの拭き取りが行われた表面における表面抵抗率を測定した。
<実施例2~7>
 組成を下記表1に示すとおりとした以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2~7にかかる(メタ)アクリル樹脂組成物を調製し、上記実施例1と同様にして、ヘイズおよび表面抵抗率を測定した。結果を下記表1に示した。
<比較例1~6>
 組成を下記表2に示すとおりとした以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1~6にかかる(メタ)アクリル樹脂組成物を調製し、上記実施例1と同様にして、ヘイズおよび表面抵抗率を測定した。結果を下記表2に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002

Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003

 本発明の要件を満たす実施例1~7によれば、透明性を損なうことなく、表面抵抗率を低減することができており、結果として、成形体の表面にグリセリン脂肪酸エステルがブリードしており、抗ウイルス性、さらには静電気の発生、および静電気の発生による粉塵の付着を抑制しうることが示された。
 また、本発明の要件を満たす実施例1~7によれば、成形体の表面からアルコール消毒処理によりグリセリン脂肪酸エステルがふき取られてしまったとしても、少なくとも3日後までには、グリセリン脂肪酸エステルが表面に再ブリードすることにより、抗ウイルス性、さらには静電気の発生、および静電気の発生による粉塵の付着を抑制する作用が回復しうることが示された。
 他方、本発明の要件のうちの少なくとも1つを満たさない比較例1~6によれば、透明性の確保、表面抵抗率の低減(抗ウイルス性の付与)および/または再ブリードによる表面抵抗率の低減の回復(抗ウイルス性の回復)ができなかったことが示された。
 本発明によれば、(メタ)アクリル樹脂組成物の成形体において、エタノールによる表面処理によっても、例えば、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性を維持することができ、ひいては透明性を維持することができ、さらには静電気の発生、および静電気の発生による粉塵の付着を抑制することができる(メタ)アクリル樹脂組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1.  (メタ)アクリル樹脂とフッ化ビニリデン樹脂とグリセリン脂肪酸エステルとを含有する(メタ)アクリル樹脂組成物であって、
     グリセリン脂肪酸エステルが、HLB値が5以上12以下の範囲であるグリセリン脂肪酸エステルであり、
     (メタ)アクリル樹脂組成物中、(メタ)アクリル樹脂、フッ化ビニリデン樹脂およびグリセリン脂肪酸エステルの含有量の合計を100質量%としたときに、(メタ)アクリル樹脂の含有量が40質量%以上84質量%以下の範囲であり、
     フッ化ビニリデン樹脂の含有量が15質量%以上50質量%以下の範囲であり、
     グリセリン脂肪酸エステルの含有量が1質量%以上10質量%以下の範囲である、(メタ)アクリル樹脂組成物。
  2.  グリセリン脂肪酸エステルが、グリセリン飽和脂肪酸エステルである、請求項1に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物。
  3.  請求項1または2に記載の(メタ)アクリル樹脂組成物を成形した素形材。
  4.  前記(メタ)アクリル樹脂組成物を成形したシートである、請求項3に記載の素形材。
  5.  請求項4に記載のシートを1層以上含む、積層シート。
  6.  基材層をさらに含み、前記(メタ)アクリル樹脂組成物の層が、当該基材層の厚さ方向に対向している第1主表面および第2主表面の両面に、当該基材層を挟むように設けられている、請求項5に記載の積層シート。
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