WO2023084665A1 - 紫外光照射システム - Google Patents

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亜弥子 岩城
友宏 谷口
聖 成川
誉人 桐原
和秀 中島
隆 松井
裕之 飯田
千里 深井
悠途 寒河江
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日本電信電話株式会社
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    • A61L2/10Ultra-violet radiation
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    • G02OPTICS
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    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings

Abstract

本発明は、各照射対象域で公平な殺菌等の効果が得られ、安全性を担保することができ、且つ作業効率を向上させることができるP-MP構成の紫外光照射システムを提供することを目的とする。 本発明に係る紫外光照射システム301は、紫外光を発生させる紫外光源部11と、前記紫外光をN個(Nは2以上の自然数)の照射対象域ARに照射するN個の照射部13と、前記紫外光をそれぞれの照射部13への方路14へ分岐する光分配部12-4と、を備え、光分配部12-4は、少なくとも1つの光スイッチと少なくとも1つのカプラを有することを特徴とする。

Description

紫外光照射システム
 本開示は、紫外光を用いて殺菌やウィルスの不活化を行う紫外光照射システムに関する。
 感染症予防などの目的から、紫外光を用いた殺菌やウィルスの不活化を行うシステムの需要が高まっている。当該システムには、大きく3つのカテゴリの製品がある。なお、本明細書では、「殺菌等」と記載する場合、殺菌とウィルスの不活化を意味するものとする。
(I)移動型殺菌ロボット
 非特許文献1の製品は、紫外光を照射する自律移動型のロボットである。当該ロボットは、病室などの建物内の部屋の中を移動しながら紫外光を照射することで、人手を介さず、自動で広い範囲の殺菌等を実現できる。
(II)据え置き型空気清浄機
 非特許文献2の製品は、天井や室内の所定の場所に設置され、室内の空気を循環しながら殺菌等する装置である。当該装置は、直接紫外光を照射せず、人体への影響がないため、安全性の高い殺菌等が可能である。
(III)ポータブル型殺菌装置
 非特許文献3の製品は、紫外光源を搭載したポータブル型の装置である。ユーザが当該装置を所望のエリアに持って行って紫外光を照射できる。このため、当該装置は様々な場所で使用可能である。
カンタム・ウシカタ株式会社ウェブサイト(https://www.kantum.co.jp/product/sakkin_robot/sakkinn_robot/UVD_robot)、2020年6月22日検索 岩崎電気株式会社ウェブサイト(https://www.iwasaki.co.jp/optics/ARrilization/air/air03.html)、2020年6月22日検索 フナコシ株式会社ウェブサイト(https://www.funakoshi.co.jp/contents/68182)、2020年6月22日検索
 しかし、非特許文献に記載される装置には次のような課題がある。
(1)経済性
 非特許文献1の製品は、高出力の紫外光を照射するため、装置が大掛かりとなり高価となる。このため、非特許文献1の製品には経済的なシステムの実現が困難という課題がある。
(2)汎用性
 非特許文献1の製品は、紫外光照射箇所がロボットが移動/進入できる場所に限定されるため、細かい場所や奥まった場所などへの紫外光の照射が困難である。
 非特許文献2の製品は、循環させた室内の空気を殺菌等するため、殺菌等をしたい場所に直接紫外光を照射することができない。
 非特許文献3の製品は、例えば、細い管路や人が入られないエリアについては紫外光を照射することができない。
 このように、非特許文献の製品には、任意の場所に紫外光を照射できるという汎用性に課題がある。
(3)操作性
 非特許文献3の製品は、可搬性であり様々な場所で紫外光の照射が可能である。しかし、対象箇所で十分な殺菌等の効果が得られるためには、ユーザにスキルや知識を要求しており、操作性に課題がある。
 これらの課題に対して、図1のような光ファイバを用いた紫外光照射システム300が考えられる。この紫外光照射システムは、細くて曲げやすい光ファイバを用いて光源11から紫外光を伝送し、光ファイバ14の先端から出力される紫外光をピンポイントで殺菌等したい照射対象域ARへ照射する。光ファイバ14の先端の照射部13を移動させるだけで任意の場所に紫外光を照射できるため上記課題(2)の汎用性を解消できる。また、紫外光光源の移動や設定が不要でユーザにスキルや知識を求めないため、上記課題(3)の操作性も解消できる。さらに、光スイッチのような光分配部12を光伝送路16に設け、出力ポートを切り替えて紫外光を出力するP-MP(Point to MultiPoint)のシステム構成とすることで、単一の光源をシェアすることで複数の箇所を殺菌等できる。このため、上記課題(1)の経済性も解消できる。
 しかし、紫外光照射システムとしてのP-MP構成の実現には次のような課題がある。
 光ファイバ14の長さ、照射対象域ARの面積、及び照射対象域ARで求められるエネルギー(殺菌等に必要なエネルギー)はそれぞれ異なる。しかし、図1のような紫外光照射システム300が備える光分配部12は光を出力する出力ポートを切り替える切り替えタイミングが等しく、紫外光源部11から出力された紫外光は、複数の方路14(例えば単一コアの光ファイバ)に等しい時間ずつ供給される。なお、本明細書では、各方路へ供給する時間を考慮した紫外光のエネルギー及び照射対象域ARに照射する時間を考慮した紫外光のエネルギーを積算光量(単位J)とし、それら紫外光の単位時間あたりのエネルギーをパワー(単位W)とし、照射対象域ARに照射する紫外光の単位面積当たりのパワーを照度(単位W/m)として説明する。また、照射対象域ARにおける単位面積当たりのエネルギーを紫外光量(単位J/m又はW・s/m)として説明する。
(A)公平性
 それぞれの方路14は光ファイバの長さや照射部から照射対象域までの距離により伝送損失が異なり、照射対象域ARの面積も異なる。しかし、紫外光照射システム300の光分配部12が等しい時間だけ紫外光を各方路14に供給するため、照射対象域ARそれぞれは均等なエネルギーを得ることが難しい。つまり、紫外光照射システム300には各照射対象域ARで公平な殺菌等の効果が得られ難いという課題がある。
(B)安全性
 光ファイバ14の長さにより伝送損失が変わり、照射対象域ARの面積によって照度が変わる。しかし、紫外光照射システム300の光分配部12が等しい時間だけ紫外光を各方路14に供給するため、過剰なエネルギーの紫外光が照射対象域ARに照射されるケースがある。つまり、紫外光照射システム300には構成によって過剰なエネルギーの紫外光が照射されることもあり、安全性を担保することが困難という課題がある。
(C)効率性
 さらに、照射対象域ARには、照度を上げて短時間で殺菌等を終わらせたい場所や照度を下げた紫外光で長時間殺菌等を行う場所も存在する。しかし、紫外光照射システム300の光分配部12が等しい時間だけ紫外光を各方路14に供給するため、それぞれの照射対象域ARが所望するエネルギーの紫外光を供給することが難しい。つまり、紫外光照射システム300には照射対象域ARに応じた方法で殺菌等を行えず、作業効率を向上させることが困難という課題がある。
 本発明は、これらの課題を解決するために、各照射対象域で公平な殺菌等の効果が得られ、安全性を担保することができ、且つ作業効率を向上させることができるP-MP構成の紫外光照射システムを提供することを目的とする。
 上記目的を達成するために、本発明に係る紫外光照射システムは、紫外光を各方路へ分配する光分配部を光スイッチとカプラで構成し、当該光スイッチの切り替えタイミングと当該カプラの分岐比で各方路へ供給する紫外光のエネルギーを調整することとした。
 具体的には、本発明に係る紫外光照射システムは、
 紫外光を発生させる紫外光源部と、
 前記紫外光をN個(Nは2以上の自然数)の照射対象域に照射するN個の照射部と、
 前記紫外光をそれぞれの前記照射部への方路へ分岐する光分配部と、
を備え、
 前記光分配部は、少なくとも1つの光スイッチと少なくとも1つのカプラを有することを特徴とする。
 本紫外光照射システムは、紫外光源部から伝送された紫外光を光スイッチとカプラで構成される光分配部で複数の方路に分配する。
 前記光分配部は、前記光スイッチの少なくとも1つの出力ポートに前記カプラが接続されている構造であり、
 前記光スイッチの入力ポートに入力された前記紫外光源部からの前記紫外光は、
 前記カプラが接続されていない前記出力ポートからは前記方路へ出力され、
 前記カプラが接続されている前記出力ポートからは前記カプラに入力され、前記カプラで分配されて前記方路に出力されることであってもよい。
 また、前記光分配部は、前記カプラの少なくとも1つの出力ポートに前記光スイッチが接続されている構造であり、
 前記カプラの入力ポートに入力された前記紫外光源部からの前記紫外光は、
 前記光スイッチが接続されていない前記出力ポートからは前記方路へ出力され、
 前記光スイッチが接続されている前記出力ポートからは前記光スイッチに入力され、前記光スイッチで切り替えられた前記方路に出力されることであってもよい。
 ここで、前記カプラは、不等分岐カプラ又は分岐比可変カプラであってもよい。
 本紫外光照射システムは、照射対象域の条件に応じて光スイッチの切り替えタイミングとカプラの分岐比を調整する。具体的な分岐比の調整手法としては以下のようなものが考えられる。
 前記光分配部は、前記カプラの分岐比及び前記光スイッチの切り替えタイミングがそれぞれの前記照射対象域へ照射される前記紫外光の積算光量が等しくなるように設定されていることを特徴とする。前述の課題(A)を解決することができる。
 前記光分配部は、前記カプラの分岐比及び前記光スイッチの切り替えタイミングがそれぞれの前記照射対象域へ照射される前記紫外光の積算光量が所定の基準値以下となるように設定されていることを特徴とする。前述の課題(B)を解決することができる。
 前記光分配部は、前記カプラの分岐比及び前記光スイッチの切り替えタイミングがそれぞれの前記照射対象域が要求する前記紫外光の積算光量を満たすように設定されていることを特徴とする。前述の課題(C)を解決することができる。
 従って、本発明は、各照射対象域で公平な殺菌等の効果が得られ、安全性を担保することができ、且つ作業効率を向上させることができるP-MP構成の紫外光照射システム及びその設計方法を提供することができる。
 また、図1の紫外光照射システム300のように光スイッチの切り替えタイミングが等しい場合、次のような課題も生じる。
課題(D):強力に殺菌等を行う(紫外光のエネルギーが最も高い)照射対象域に合わせて光スイッチの切り替えタイミングを設定することになる。このように設定すると、全ての出力ポートに同じエネルギーの紫外光が分配され、紫外光源部が出力する紫外光のパワーによっては分岐数(照射対象域の数)が制限される。このため、紫外光源部やカプラのコストの割り勘効果を大きくすること(1つの照射対象域が負担する紫外光源部やカプラのコストを低減すること)が困難という課題がある。
課題(E):強力に殺菌等を行う(紫外光のエネルギーが最も高い)照射対象域に合わせて紫外光源部が出力する紫外光のパワーを設定することになる。このように設定すると、照射対象域によっては紫外光のエネルギーが過剰となることもあるが、全ての出力ポートに同じパワーの紫外光が分配され、紫外光源部の消費電力を低減することが困難という課題がある。
 本発明に係る紫外光照射システムであれば、光分配部の光スイッチの切り替えタイミングやカプラの分岐比を次のように調整することができる。
(調整手法)強力に殺菌等を行う(紫外光のエネルギーが最も高い)照射対象域への紫外光の供給時間を長くしたりパワーを高め、他の照射対象域へ供給する紫外光のエネルギーを低める。
 このように調整することで、照射対象域に過剰なエネルギーの紫外光を供給することを回避でき、分岐数の制限が緩和されてコストの割り勘効果の向上、及び紫外光源の消費電力の低減が可能となる。従って、本紫外光照射システムは、上記の課題(D)と(E)を解決することができる。
 さらに、本発明に係る紫外光照射システムは、方路14の長さ、照射対象域の面積、あるいは照射対象域の殺菌等の条件(短時間で殺菌等を行う、あるいは長時間かけて殺菌等を行う等)が事後的に変化した場合でも、変化後の条件に応じて光スイッチの切り替えタイミングやカプラの分岐比を調整することができるというメリットもある。
 また、図1の紫外光照射システム300は、紫外光源部11と光分配部12とが同じ場所に配置されていたり、同一筐体内に配置されることもある。このような構成の場合、次のような課題も生じる。
 課題(F):紫外光源部近傍から各照射対象域まで光ファイバの方路を敷設するため、照射対象域ARの数に応じて光ファイバの総延長が長くなり、システムの部材や施工のコストが高くなるという課題がある。
 本発明は、課題(F)を解決するために、前記紫外光源部と前記光分配部とが離隔されており、前記紫外光源部と前記光分配部とを接続する光伝送路をさらに備えることを特徴とする。本紫外照射システムは、光分配部を照射対象域の近くまで張り出して設置するため、紫外光源部から光分配部までの区間の光ファイバを共有でき、光ファイバ総延長を短くできる。このため、光ファイバを共有できた分だけ、部材や施工のコストを低減でき、課題(F)を解決することができる。
 なお、上記各発明は、可能な限り組み合わせることができる。
 本発明は、各照射対象域で公平な殺菌等の効果が得られ、安全性を担保することができ、且つ作業効率を向上させることができるP-MP構成の紫外光照射システム及びその設計方法を提供することができる。
本発明の課題を説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムを説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムの光分配部の構造を説明する図である。 光ファイバの断面構造を説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムの光スイッチにおける切り替えタイミングを説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムを説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムを説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムの光スイッチにおける切り替えタイミングを説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムを説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムの効果を説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムの効果を説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムの光分配部の構造を説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムを説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムの効果を説明する図である。 本発明に係る紫外光照射システムの紫外光照射方法を説明するフローチャートである。
 添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
(実施形態1)
 図2は、本実施形態の紫外光照射システム301を説明する図である。紫外光照射システム301は、
 紫外光を発生させる紫外光源部11と、
 前記紫外光をN個(Nは2以上の自然数)の照射対象域ARに照射するN個の照射部13と、
 前記紫外光をそれぞれの照射部13への方路14へ分岐する光分配部12-4と、
を備え、
 光分配部12-4は、少なくとも1つの光スイッチと少なくとも1つのカプラを有することを特徴とする。
 紫外光源部11は、殺菌等に有効である紫外領域の光(紫外光)を出力する。紫外光源部11が出力する紫外光のパワーをP[W]とする。紫外光源部11と光分配部12-4とは光ファイバ又は空間の光伝送路16で接続される。
 図3は、光分配部12-4の構成の一例を説明する図である。図3のように、光分配部12-4は、光スイッチ12-2の少なくとも1つの出力ポートにカプラ12-1が接続されている構造であり、
 光スイッチ12-2の入力ポートに入力された紫外光源部11からの前記紫外光は、
 カプラ12-1が接続されていない前記出力ポートからは方路14へ出力され、
 カプラ12-1が接続されている前記出力ポートからはカプラ12-1に入力され、カプラ12-1で分配されて方路14に出力されることを特徴とする。
 光スイッチ12-2は、紫外光源部11からの紫外光を切替制御部15-2からの指示に従って、複数の出力ポートのうち、いずれかの方路14に出力させる。ここで、光スイッチ12-2で経路切替に要する時間をTsw[s]とする。本例では、光スイッチ12-2はM個(Mは2以上の自然数)の出力ポートを有している。出力ポート1から出力ポートM-1から出力された紫外光はそれぞれ方路14を介して照射部13-1から照射部13-M-1へ供給される。一方、出力ポートMはカプラ12-1の入力ポートに接続されている。
 カプラ12-1は、入力ポートからの紫外光を所定の分岐比に従って複数の出力ポートへパワー分岐する。分岐比は、等分岐、不等分岐、あるいは可変であってもよい。本例ではカプラ12-1は(N-M+1)個の出力ポートを有する。
 カプラ12-1が等分岐カプラであれば、光スイッチ12-2の出力ポートMからの紫外光を各出力ポートに均等にパワー分岐し、各出力ポートへ出力する。
 カプラ12-1が特開2020-036068で開示されるような不等分岐カプラであれば、光スイッチ12-2の出力ポートMからの紫外光を出力ポート毎に予め設定された分岐比率となるようにパワー分岐し、各出力ポートへ出力する。
 カプラ12-1が、分岐比を設定部(不図示)が設定する分岐比可変カプラであれば、光スイッチ12-2の出力ポートMからの紫外光を分岐比に従ってパワー分岐し、各出力ポートへ出力する。不等分岐カプラは、例えば、参考文献1に開示されるような、ヒーターで分岐比を変化させるマッハツェンダ干渉計を備える構成である。
 出力ポートM~Nから出力された紫外光は方路14及び照射部13を介して、それぞれ照射対象域AR(M~N)に照射される。
(参考文献1)NTT技術ジャーナル(https://www.ntt.co.jp/journal/0505/files/jn200505012.pdf)、2005年5月発行
 方路14は、光分配部12-4で分配された紫外光をそれぞれの照射部13まで伝搬する。方路14は光ファイバである。光ファイバなので従来技術のロボットや装置が入り込めない細かい場所などにも敷設することができる。図4は、光伝送路16、方路14に使用可能な光ファイバの断面を説明する図である。また、光分配部12-4内のカプラ12-1と光スイッチ12-2とを光ファイバで接続する場合、接続に用いる光ファイバにも、図4のような光ファイバを採用することができる。
(1)充実コア光ファイバ
 この光ファイバは、クラッド60の中にクラッド60より高屈折率である1つの充実コア52を有する。「充実」とは「空洞ではない」という意味である。尚、充実コアは、クラッド内に円環状の低屈折率領域を形成することでも実現できる。
(2)空孔アシスト光ファイバ
 この光ファイバは、クラッド60の中に充実コア52とその外周に配置された複数の空孔53を有する。空孔53の媒質は空気であり、空気の屈折率は石英系ガラスに比べ十分小さい。このため、空孔アシスト光ファイバは、曲げなどでコア52から漏れた光を再びコア52に戻す機能があり、曲げ損失が小さいという特徴がある。
(3)空孔構造光ファイバ
この光ファイバは、クラッド60の中に複数の空孔53の空孔群53aを有し、ホスト材料(ガラス等)よりも実効的に屈折率が低い。本構造は、フォトニック結晶ファイバと呼ばれる。本構造には、屈折率を変化させた高屈折率コアが存在しない構造をとることができ、空孔53に取り囲まれた領域52aを実効的なコア領域として、光を閉じ込めることができる。充実コアを有する光ファイバに比べ、フォトニック結晶ファイバは、コアの添加剤による吸収や散乱損失の影響を低減することができるとともに、曲げ損失の低減や非線形効果の制御等、充実型光ファイバでは実現し得ない光学特性を実現できる。
(4)中空コア光ファイバ
この光ファイバは、コア領域が空気で形成される。クラッド領域に複数の空孔によるフォトニックバンドギャップ構造もしくはガラス細線によるアンチレゾナント構造をとることによって光をコア領域に閉じ込めることができる。この光ファイバは、非線形効果が小さく、高出力または高エネルギーレーザ供給が可能である。
(5)結合コア型光ファイバ
 この光ファイバは、クラッド60の中に複数の高屈折率である充実コア52が近接して配置される。この光ファイバは、充実コア52間で光波結合で光を導波する。結合コア型光ファイバは、コア数分だけ光を分散して送れるので、その分ハイパワー化して効率的な殺菌等ができる、また、結合コア型光ファイバは、紫外線によるファイバ劣化を緩和し長寿命化できるというメリットがある。
 照射部13は、方路14で伝送された紫外光を、殺菌等を行う所定の対象箇所(照射対象域AR)に照射する。照射部13は、紫外光の波長に対して設計されたレンズなどの光学系で構成されている。
 ここで、光スイッチ12-2の切り替えタイミングを設定する切替制御部15-2について説明する。
 切替制御部15-2は、光スイッチ12-2に対し、出力ポート1~Mにそれぞれ時間Tだけ紫外光を供給できる機会を与える動作を繰り返すよう制御する。図5は、切替制御部15-2が行う光スイッチ12-2の切り替え制御の一例を説明する図である。本制御は、全ての出力ポートに同じ時間だけ紫外光を供給する場合の動作である。時間Tは式(1)で求められる時間とする。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000001
 ここで、E[W・s/m]は殺菌等に必要な単位面積当たりの紫外光量(積算光量)である。また、紫外光源部11から照射部13までの損失(光スイッチ12-2の通過損失含む)をLfiber[a.u.]とし、照射部13から照射対象域ARまでの損失をLair[a.u.]とする。また、照射対象域ARに照射される紫外光のスポットの面積をS[m]とする。
 光スイッチ12-2をこのように動作させ、前記機会に紫外光を供給することで、照射対象域AR1~ARM-1に対して最短周期で殺菌等に必要な紫外光量E[W・s/m]を照射できる。つまり、紫外光照射システム301は、各照射対象域AR1~ARM-1に対し、式(2)の時間Tinact[s]おきに殺菌等の効果を担保することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
 また、切替制御部15-2が、光スイッチ12-2に対し、各出力ポートに紫外光を供給する機会の時間をT/W[s](Wは2以上の自然数)になるように制御しても、同様の効果が得られる。
 なお、光スイッチ12-2の出力ポートMにはカプラ12-1が接続され、紫外光がさらにパワー分岐されるので、図5のように均等な切り替えタイミングでは照射対象域ARM~ARNに対しては殺菌等に必要な紫外光量Eを供給できない。
 そこで、本実施形態の光分配部12-4には、前記カプラ12-1の分岐比及び光スイッチ12-2の切り替えタイミングがそれぞれの照射対象域ARへ照射される紫外光量が等しくなるように設定されている。具体的には、次のように分岐比や切り替えタイミングを設定する。
(a1)図6のように、光スイッチ12-2について、面積が大きい照射対象域AR1への出力ポート1の紫外光供給時間を長く、面積が小さい照射対象域AR2への出力ポート2の紫外光供給時間を短く、カプラ12-1が接続される出力ポートMにも紫外光供給時間を長くする切り替えタイミングとする(図8参照)。さらに、カプラ12-1についても、面積が大きい照射対象域ARNへの出力ポートNの分岐比率が大きく、面積が小さい照射対象域ARMへの出力ポートMの分岐比率が小さい分岐比とする。
 このように分岐比や切り替えタイミングを設定することで、各照射対象域ARの紫外光量が均一となり公平な殺菌等の効果が得られる。
(a2)図7のように、光スイッチ12-2について、方路14の距離や照射部13から照射対象域ARまでの距離が長く伝送損失が大きい照射対象域AR1への出力ポート1の紫外光供給時間を長く、方路14の距離や照射部13から照射対象域ARまでの距離が短く伝送損失が小さい照射対象域AR2への出力ポート2の紫外光供給時間を短く、カプラ12-1が接続される出力ポートMにも紫外光供給時間を長くする切り替えタイミングとする(図8参照)。さらに、カプラ12-1についても、方路14の距離や照射部13から照射対象域ARまでの距離が短く伝送損失が小さい照射対象域ARMへの出力ポートMの分岐比率が小さく、方路14の距離や照射部13から照射対象域ARまでの距離が長く伝送損失が大きい照射対象域ARNへの出力ポートNの分岐比率が大きい分岐比とする。
 このように分岐比や切り替えタイミングを設定することで、各照射対象域ARの紫外光量が均一となり公平な殺菌等の効果が得られる。
(a3)殺菌等に大きいエネルギーを要求する照射対象域ARへの供給時間を長く且つ分岐比率を大きく、小さなエネルギーでよい照射対象域ARへの供給時間を短く且つ分岐比率を小さくする。各照射対象域ARの要求を公平に満たすことができ、公平な殺菌等の効果が得られる。
 なお、照射対象域ARへの紫外光の伝送損失と照射面積が異なる場合、上記の(a1)(a2)を組み合わせ、各照射対象域ARへ照射される紫外光量が均一となり公平な殺菌等の効果が得られる切り替えタイミングとする。具体的には、次のような切り替えタイミングとする。
 紫外光源部11が出力する紫外光のパワーをP[W]とする。光スイッチ12-2で経路切り替えに要する時間をTsw[s]とする。紫外光源部11から照射部13までの損失(光スイッチ12-2の通過損失含む)を方路14毎にLfiber-1[a.u.]、とし、Lfiber-2[a.u.]、・・・、Lfiber-M-1[a.u.]とする。照射部(13-1~13-M-1)から各照射対象域(AR1~ARM-1)までの損失をLair-1[a.u.]、Lair-2[a.u.]、・・・、Lair-M-1[a.u.]とする。また、各照射対象域ARに照射される紫外光のスポットの面積をS[m]、S[m]、・・・、S[m]とする。
 切替制御部15-2は、光スイッチ12-2に対し、出力ポートi(i=1,2,・・・,M-1)にそれぞれ時間Tだけ紫外光を供給できる機会を与える動作を繰り返すよう制御する。Tは式(3)で求められる時間とする。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
 ここで、E[W・s/m]は殺菌等に必要な紫外光量である。
 また、出力ポートMについては時間Tだけ紫外光を供給できる機会を与える動作を繰り返すよう制御する。Tは式(4)で求められる時間とする。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
ただし、紫外光源部11から照射部13-n(ここで、nはMからNまでの整数)までの損失(光分配部12-4の通過損失含む)をLfiber-n[a.u.]とし、照射部13-nから照射対象域ARnまでの損失をLair-n[a.u.]とする。また、照射対象域ARnに照射される紫外光のスポットの面積をS[m]とする。
 一方、カプラ12-1の分岐比(任意の出力ポートnの分岐比率ε)を次のように設定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
 このように光分配部12-4の光スイッチ12-2の切り替えタイミングとカプラ12-1の分岐比を設定することで、各照射対象域ARで公平な殺菌等の効果が得られ、紫外光照射システム301の公平性を担保することができる。
 照射対象域ARへ人間の出入りがある場合、安全性を担保する必要がある。その場合、光分配部12-4は、カプラ12-1の分岐比及び光スイッチ12-2の切り替えタイミングがそれぞれの照射対象域ARへ照射される前記紫外光の積算光量が所定の基準値以下となるように設定されている。具体的には、次のように切り替えタイミング及び分岐比を設定する。
(b1)紫外光の照度には、人間への暴露量を小さくして安全に殺菌等を行うため、例えば、1日あたり8時間以内で6.0mJ/cm以下(単位時間あたり0.2μW/cm)という基準値(JISZ8812)がある。このため、紫外光源部11が出力する紫外光パワー、損失Lfiber-i[a.u.]、損失Lair-i[a.u.]、損失Lfiber-n[a.u.]、損失Lair-n[a.u.]、及び面積S[m]に基づき、それぞれの照射対象域ARへ照射される紫外光の照度が基準値以下となるような切り替えタイミング及び分岐比とする。
 このように光分配部12-4の切り替えタイミング及び分岐比を設定することで、過剰なエネルギーの紫外光が照射対象域ARへ照射されることを防止し、紫外光照射システム301の安全性を担保することができる。
 また、光分配部12-4は、カプラ12-1の分岐比及び光スイッチ12-2の切り替えタイミングがそれぞれの照射対象域ARが要求する紫外線量を満たすように設定されている。具体的には、次のように分岐比を設定する。
(c1)図9の照射対象域AR1からARM-1(光スイッチ12-2の出力ポート1~M-1)の場合、光スイッチ12-2において、短時間での殺菌等が必要な照射対象域AR2への紫外光供給時間Tを長く、長期間で殺菌等を行う照射対象域ARM-1への紫外光供給時間TM-1を短くする。所望の照射対象域ARに大きなエネルギーの紫外光を分配でき、短時間での殺菌等が可能となる。一方、長期間で殺菌等を行う照射対象域ARには小さなエネルギーの紫外光を分配する。
 また、図9の照射対象域ARMからARN(カプラ12-1の出力ポートM~N)の場合、カプラ12-1において、短時間での殺菌等が必要な照射対象域ARNへの分岐比率を大きく、時間をかけて殺菌等を行う照射対象域への分岐比率を小さくする。所望の照射対象域ARに大きなエネルギーの紫外光を分配でき、短時間での殺菌等が可能となる。一方、時間をかけて殺菌等を行う照射対象域ARには小さなエネルギーの紫外光を分配する。
 このように光分配部12-4の分岐比を設定することで、照射対象域ARの殺菌等の要望(短時間や長時間)に応じることができ、紫外光照射システム301の効率性を向上させることができる。
 なお、長時間かけて殺菌等を行う照射対象域ARとしては、大きなエネルギーの紫外光の暴露を回避したい部屋(人や動物の出入りがある場所)や空調設備の吸気口/吹出口などが例示できる。短時間で殺菌等を行う照射対象域ARとしては、UV除菌ボックスなど、人や動物が中に入らないような閉空間を構成するものが例示できる。
 また、上述した切り替えタイミングと分岐比の設定手法(a1)、(a2)、(a3)、(b1)及び(c1)を組み合わせて光分配部12-4の切り替えタイミング及び分岐比を設定してもよい。
(効果1)
 図10は、本効果を説明する図である。図10(A)は、方路14の長さや照射対象域ARの要求に関わらず、光スイッチ12-2が各方路14に紫外光を均等に時分割する例を説明する図である。図10(B)は、本紫外光照射システムであり、光分配部12-4の光スイッチ12-2とカプラ12-1で各方路14に紫外光を不等に時分割し、且つパワー分岐する例を説明する図である。
 前述のように、方路14の伝送距離が長く伝送損失が大きい照射対象域ARや面積が広い照射対象域ARには、所望の照度を得るために大きなエネルギーを振り分ける必要がある。また、照射対象域ARの不活化要求時間よっても求められるエネルギーも変わる。なお、不活化要求時間とは、所望の不活化率(照射前の状態と照射後の状態の菌の量の比率、あるいは照射前の状態と照射後の状態のウィルスの量の比率)を満たすために要する時間を意味する。
 図10(A)のように均等な切り替えタイミングで紫外光を分配する場合、最大の伝送損失、最大の照射対象域ARの面積、あるいは最大の不活化要求時間の方路など、最大のエネルギーが必要な方路に合わせたエネルギーを全ての方路に供給することになる。そうすると、方路数を増やした場合、切り替えタイミングの周期Tinactが同じであれば、各方路への紫外光の供給時間(T、T)が少なくなり、最大のエネルギーが必要な方路に供給される紫外光のエネルギーが不足する可能性もある。周期Tinactを変えることができず、紫外光源部11が出力できる紫外光のパワーを上げることができない場合、均等な切り替えタイミングで紫外光を分配すると方路数を制限する必要があり、方路数による紫外光源11や光スイッチ12-2の割り勘効果が限定的になるという課題もある。
 一方で、光スイッチ12-2が均等な切り替えタイミングで紫外光を分配すると、伝送損失が小さい方路、照射対象域ARの面積が小さい方路、あるいは不活化要求時間の小さな方路等、小さなエネルギーで十分な方路には過剰なエネルギーの紫外光を供給することになる。そこで、図5から図9で説明したように、伝送損失、照射対象域ARの面積、あるいは不活化要求時間に応じ、光スイッチ12-2の切り替えタイミングとカプラ12-1の分岐比率を変えて紫外光を分配する。具体的には、小さなエネルギーで十分な方路には紫外光のエネルギーを少なく、大きなエネルギーが必要な方路には紫外光のエネルギーを多くする。このように各方路の特性に合わせて光分配部12-4の切り替えタイミングと分岐比を設定することで、上述したようなパワー不足を解消でき、方路数の制限が緩和される(図10(B))。この結果、方路数による紫外光源部11や光分配部12-4の割り勘効果の向上が図れる。
(効果2)
 図11は、本効果を説明する図である。図11(A)は、図10(A)と同様に方路14の長さや照射対象域ARの要求に関わらず、各方路14に紫外光を均等に時分割する例を説明する図である。図11(B)は、本紫外光照射システムであり、光分配部12-4の光スイッチ12-2とカプラ12-1で各方路14に紫外光を不等に時分割し、且つパワー分岐する例を説明する図である。
 前述のように、方路14の伝送距離が長く伝送損失が大きい照射対象域ARや面積が広い照射対象域ARには、大きなエネルギーを振り分ける必要がある。また、照射対象域ARの不活化要求時間によっても求められるエネルギーも変わる。
 図11(A)のように紫外光を均等に時分割する場合、最大のエネルギーが必要な方路に合わせたエネルギーの紫外光を全ての方路に供給することになる。そうすると、小さなエネルギーで十分な方路には過剰なエネルギーを供給することになる。このため、方路14によっては無駄な紫外光のエネルギーを供給しなければならず、紫外光源部11の消費電力も無駄になる。このため、紫外光を均等に時分割する場合、紫外光源部11の消費電力を低減することが困難という課題もある。
 そこで、図5から図9で説明したように、伝送損失、照射対象域ARの面積、あるいは不活化要求時間に応じ、光スイッチ12-2の切り替えタイミングとカプラ12-1の分岐比を変えて紫外光を分配する。小さなエネルギーで十分な方路への紫外光の供給時間や分岐比率を小さくし、大きなエネルギーが必要な方路への紫外光の供給時間や分岐比率を大きくする。これにより、上述したような紫外光の無駄な供給を解消でき、紫外光源部11の消費電力を低減できる(図11(B))。この結果、紫外光照射システムの省電力化が図れる。
 本実施形態では、光スイッチ12-2の出力ポートの1つにカプラ12-1が接続する構成を説明したが、光スイッチ12-2の複数の出力ポートにそれぞれカプラ12-1が接続されていてもよい。上述したような効果を得ることができる。
(実施形態2)
 実施形態1では、光分配部12-4が図3の構成である場合を説明した。本実施形態では、光分配部12-4が図12の構成である場合を説明する。本実施形態の光分配部12-4は、カプラ12-1の少なくとも1つの出力ポートに光スイッチ12-2が接続されている構造であり、
 カプラ12-1の入力ポートに入力された紫外光源部11からの前記紫外光は、
 光スイッチ12-2が接続されていない出力ポート(1~M-1)からは方路14へ出力され、
 光スイッチ12-2が接続されている出力ポートMからは光スイッチ12-2に入力され、光スイッチ12-2で切り替えられた方路14に出力されることを特徴とする。
 光分配部12-4が図12の構成であっても、実施形態1で説明したような設定手法(a1)、(a2)、(a3)、(b1)及び(c1)、あるいはこれらを組み合わせて光分配部12-4の切り替えタイミング及び分岐比を設定することで、実施形態1で説明したような効果を得ることができる。
 本実施形態では、カプラ12-1の出力ポートの1つに光スイッチ12-2が接続する構成を説明したが、カプラ12-1の複数の出力ポートにそれぞれ光スイッチ12-2が接続されていてもよい。上述したような効果を得ることができる。
(実施形態3)
 図13は、本実施形態の紫外光照射システム302を説明する図である。ここでは、実施形態1で説明した紫外光照射システム301との相違点のみ説明する。紫外光照射システム302は、紫外光照射システム301に対し、光スイッチ12-2の切り替え動作に連動するように紫外光源部11に対して前記紫外光のパワーを変動させる光源制御部17をさらに備える。
 光源制御部17は、予め、方路14毎の特性に応じた紫外光パワーが設定されている。当該方路毎の特性に応じた紫外光パワーとは、伝送損失、照射対象域ARの面積、及び不活化要求時間に応じたパワーである。なお、光分配部12-4が図3の構成である場合、カプラ12-1に出力する出力ポートMについての紫外光パワーは、カプラ12-1から照射対象域(ARM~ARN)の全ての伝送損失、照射対象域の面積、及び不活化要求時間を考慮したパワーとする。
 光源制御部17は、切替制御部15-2から現時刻においていずれの方路14(もしくはカプラ12-1)に紫外光を出力しているのかという情報を得る。そして、光源制御部17は、当該情報に基づき、現時刻の方路14(もしくはカプラ12-1)に設定された紫外光のパワーを紫外光源部11に出力させる。
 紫外光源部11のパワー調整ができるため、実施形態1や2よりも、方路数による紫外光源部11や光スイッチ12-2の割り勘効果の向上、及び紫外光照射システムの省電力化が図れる。
(実施形態4)
 図14は、本実施形態の紫外光照射システム303を説明する図である。ここでは、実施形態1又は2で説明した紫外光照射システム(301又は302)との相違点のみ説明する。紫外光照射システム303は、紫外光源部11と光分配部12-4とが離隔されており、紫外光源部11と光分配部12-4とを接続する光伝送路(光ファイバ)26をさらに備えることを特徴とする。光伝送路26には、図3で説明した光ファイバを使用できる。
 図14は、本実施形態の効果を説明する図である。なお、「離隔」とは、紫外光源部11と光分配部12-4とが同じ場所にないこと、あるいは同一の筐体3の中にないことを意味する。
 図14(A)の紫外光照射システム(301又は302)は、前述のように光分配部12-4で紫外光を各方路14へ分配し、各照射対象域ARまで伝搬している。そして、紫外光源部11と光分配部12-4とは同一場所(例えば1つの筐体3内)に配置されている。このため、それぞれの照射対象域ARまで方路14である光ファイバを敷設しなければならず、照射対象域ARの数に応じて光ファイバの総延長が長くなり、システムの部材や施工のコストが高くなる。
 一方、図14(B)の紫外光照射システム303は、紫外光源部11と光分配部12-4とを光ファイバ26で接続した構成である。このため、紫外光照射システム303は、光分配部12-4を紫外光源部11と同一の筐体内に置かずに、照射対象域ARの近傍まで張り出し、そこから方路14で各照射対象域ARへ紫外光を供給することができる。光ファイバ26は、紫外光源部11から離れた照射対象域ARである部屋や設備までの区間をカバーする長さであり、例えば10m以上の長さである。要するに、紫外光照射システム303は、同じ場所にない、あるいは同一筐体内にない紫外光源部11と光分配部12-4とを光ファイバ26が接続し、光分配部12-4を紫外光源部11と異なる場所に配置できることが特徴である。
 紫外光照射システム303の構成とすることで次のような効果が発生する。この構成では、敷設する光ファイバは1本の長い光ファイバ26及び光分配部12-4から照射部13との間の短い光ファイバだけである。このため、照射対象域ARの数が増加しても光ファイバの総延長は紫外光照射システム(301又は302)ほど伸びず、システムの部材や施工のコストが照射対象域ARの数に応じて高くなることを回避できる。
 このように、紫外光照射システム303は、紫外光照射システム(301又は302)に対し、照射対象域ARの数の増加による光ファイバの総延長が伸びることを回避し、コスト低減を図ることができる。以下に具体例を説明する。
 光伝送路(光ファイバ)16の長さをX(m)、光伝送路(光ファイバ)26の長さをY(m)、光分配部12-4での分岐数をNとする。紫外光照射システム303は、紫外光照射システム(301又は302)と比較して、
(Y-X)×(N-1)(m)
だけ光ファイバの総延長を短くできる。
 一例として、X=1(m)、Y=10(m)、N=10とすると、
(10-1)×(10-1)=81(m)
となり、光ファイバの総延長を81(m)削減することができる。
 なお、紫外光照射システム303は、実施形態1から3で説明した切替制御部15-2を紫外光源部11の近傍に配置することができる。この構成であれば、光分配部12-4の分岐比可変カプラの分岐比や光スイッチの切り替えタイミングを紫外光源部11側から遠隔操作をすることができる。また、切替制御部15-2は光分配部12-4の近傍にある、あるいは光分配部12-4に内蔵されていてもよい。作業者が光分配部12-4の傍らで分岐比を設定することができる。
 図14(C)と図14(D)は、それぞれ本実施形態の紫外光照射システム304と紫外光照射システム305を説明する図である。紫外光照射システム304と紫外光照射システム305は、光分配部12-4内の光スイッチ12-2およびカプラ12-1の間の光ファイバ16aを長くし、カプラ12-1又は光スイッチ12-2を照射対象域ARの近傍まで張り出し、そこから方路14で各照射対象域ARへ紫外光を供給する構成である。
 紫外光照射システム304や紫外光照射システム305も切替制御部15-2を紫外光源部11の近傍に配置することで、光分配部12-4の分岐比可変カプラの分岐比や光スイッチの切り替えタイミングを紫外光源部11側から遠隔操作をすることができる。また、切替制御部15-2を張り出し先(紫外光照射システム304であればカプラ12-1、紫外光照射システム305であれば光スイッチ12-2)の近傍に配置してもよい。作業者が張り出し先でカプラ12-1の分岐比や光スイッチ12-2の切り替えタイミングを設定することができる。
 このように、本実施形態の紫外光照射システム(303~305)は、紫外光照射システム(301又は302)に対し、照射対象域ARの数の増加による光ファイバの総延長が伸びることを回避し、コスト低減を図ることができる。
(実施形態5)
 図15は、紫外光照射システム(301~305)の光分配部12-4の切り替えタイミングと分岐比を設定する方法を説明するフローチャートである。本方法は、1つの紫外光源部11で発生させた紫外光を光分配部12-4で分岐して前記紫外光を複数の照射対象域ARに照射する紫外光照射システム(301~305)において、前記紫外光をそれぞれの照射部13への方路14へ分岐する切り替えタイミングと分岐比を照射対象域ARへ照射される前記紫外光の照度に基づいて設定することを特徴とする。
 具体的には、次のように設計する。
 ステップS01:紫外光源11の紫外光出力パワーP[W]、損失Lfiber-n[a.u.]、損失Lair-n[a.u.]、面積S[m]、及び各照射対象域ARが要求する紫外光量[W・s/m]又は不活化要求時間の情報を入手する。
 ステップS02:紫外光照射システム(301~305)で担保させたい効果は公平性であるかを判断する。
 ステップS03:紫外光照射システム(301~305)で担保させたい効果は公平性である場合(ステップS02で“Yes”)、前述の(a1)、(a2)又は(a3)によって光分配部12-4の切り替えタイミングと分岐比を設定する。
 ステップS04:紫外光照射システム(301~305)で担保させたい効果は安全性であるかを判断する。
 ステップS05:紫外光照射システム(301~305)で担保させたい効果は安全性である場合(ステップS04で“Yes”)、前述の(b1)によって光分配部12-4の切り替えタイミングと分岐比を設定する。
 ステップS06:紫外光照射システム(301~305)で担保させたい効果は効率性であるかを判断する。
 ステップS07:紫外光照射システム(301~305)で担保させたい効果は効率性である場合(ステップS06で“Yes”)、前述の(c1)によって光分配部12-4の切り替えタイミングと分岐比を設定する。
 ステップS08:紫外光照射システム(301~305)で担保させたい効果が公平性、安全性及び効率性のいずれでもない場合、切り替えタイミングと分岐比の設定を中止する。
3:筐体
11:紫外光源部
12:光スイッチ
12-1:カプラ(等分岐、不等分岐、又は分岐比可変)
12-2:光スイッチ
12-4:光分配部
13、13-1、・・・、13-M、・・・、13-N:照射部
14:方路(光ファイバ)
15-2:切替制御部
16:光伝送路(光ファイバ)
16a:光ファイバ
17:光源制御部
26:光伝送路(光ファイバ)
52:充実コア
52a:領域
53:空孔
53a:空孔群
53c:空孔
60:クラッド
300~305:紫外光照射システム
AR1、AR2、・・・、ARM、・・・、ARN:照射対象域(紫外光を照射しようとする領域)

Claims (8)

  1.  紫外光を発生させる紫外光源部と、
     前記紫外光をN個(Nは2以上の自然数)の照射対象域に照射するN個の照射部と、
     前記紫外光をそれぞれの前記照射部への方路へ分岐する光分配部と、
    を備え、
     前記光分配部は、少なくとも1つの光スイッチと少なくとも1つのカプラを有することを特徴とする紫外光照射システム。
  2.  前記光分配部は、前記光スイッチの少なくとも1つの出力ポートに前記カプラが接続されている構造であり、
     前記光スイッチの入力ポートに入力された前記紫外光源部からの前記紫外光は、
     前記カプラが接続されていない前記出力ポートからは前記方路へ出力され、
     前記カプラが接続されている前記出力ポートからは前記カプラに入力され、前記カプラで分配されて前記方路に出力されることを特徴とする請求項1に記載の紫外光照射システム。
  3.  前記光分配部は、前記カプラの少なくとも1つの出力ポートに前記光スイッチが接続されている構造であり、
     前記カプラの入力ポートに入力された前記紫外光源部からの前記紫外光は、
     前記光スイッチが接続されていない前記出力ポートからは前記方路へ出力され、
     前記光スイッチが接続されている前記出力ポートからは前記光スイッチに入力され、前記光スイッチで切り替えられた前記方路に出力されることを特徴とする請求項1に記載の紫外光照射システム。
  4.  前記カプラは、不等分岐カプラ又は分岐比可変カプラであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の紫外光照射システム。
  5.  前記紫外光源部と前記光分配部とが離隔されており、
     前記紫外光源部と前記光分配部とを接続する光伝送路をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の紫外光照射システム。
  6.  前記光分配部は、前記カプラの分岐比及び前記光スイッチの切り替えタイミングがそれぞれの前記照射対象域へ照射される前記紫外光の積算光量が等しくなるように設定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の紫外光照射システム。
  7.  前記光分配部は、前記カプラの分岐比及び前記光スイッチの切り替えタイミングがそれぞれの前記照射対象域へ照射される前記紫外光の積算光量が所定の基準値以下となるように設定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の紫外光照射システム。
  8.  前記光分配部は、前記カプラの分岐比及び前記光スイッチの切り替えタイミングがそれぞれの前記照射対象域が要求する前記紫外光の積算光量を満たすように設定されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の紫外光照射システム。
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