WO2023074025A1 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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浩幸 松本
与志男 加地
洸 野村
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株式会社ブリヂストン
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C11/00Tyre tread bands; Tread patterns; Anti-skid inserts
    • B60C11/03Tread patterns
    • B60C11/12Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes

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  • a plurality of (five in the illustrated example) land portions 3 (3a to 3e) are defined by the circumferential main groove 2 and the tread edge TE. That is, the land portion 3a is defined by the tread edge TE and the circumferential main groove 2a, the land portion 3b is defined between the circumferential main grooves 2a and 2b, and the land portion 3c is defined between the circumferential main grooves 2b and 2c. , a land portion 3d is defined between the circumferential main grooves 2c and 2d, and a land portion 3e is defined by the tread edge TE and the circumferential main groove 2d.
  • the tire thus has at least one land portion 3 .

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Abstract

本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に、少なくとも1つの陸部を有し、前記陸部の少なくとも1つに、1つ以上の連結体サイプが配置され、前記連結体サイプは、第1の所定の方向に延びる主部と、前記主部から前記主部の側方に前記第1の所定の方向に対して傾斜して延びる側部と、を有し、前記側部は、前記主部の一方側の側方に配置された第1の側部と、前記主部の他方側の側方に配置された第2の側部と、を有し、前記第1の側部と前記第2の側部とが、タイヤ周方向に交互に配列されている。

Description

空気入りタイヤ
 本発明は、空気入りタイヤに関するものである。
 従来、空気入りタイヤ、特にスタッドレスタイヤのトレッド部の陸部には、氷上グリップ性能を向上するためにサイプと称される細溝が設けられていた。このサイプにより、タイヤ接地面において氷路面が融解することで湧出する水を接地面外に排出することができ、これにより氷上グリップ性能を向上させ得る。
 陸部の剛性の低下を抑制しつつサイプを高密度に配置することにより、氷上グリップ性能の向上を図った技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2005-186827号公報
 しかしながら、特許文献1では、陸部の剛性とサイプによる水の排出との両立は十分でなく、氷上グリップ性能を向上させることには改善の余地があった。
 そこで、本発明は、氷上グリップ性能を向上させた、空気入りタイヤを提供することを目的とする。
 本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)トレッド踏面に、少なくとも1つの陸部を有する空気入りタイヤであって、
 前記陸部の少なくとも1つに、1つ以上の連結体サイプが配置され、
 前記連結体サイプは、第1の所定の方向に延びる主部と、前記主部から前記主部の側方に前記第1の所定の方向に対して傾斜して延びる側部と、を有し、
 前記側部は、前記主部の一方側の側方に配置された第1の側部と、前記主部の他方側の側方に配置された第2の側部と、を有し、
 前記第1の側部と前記第2の側部とが、タイヤ周方向に交互に配列されていることを特徴とする、空気入りタイヤ。
 ここで、「トレッド踏面」とは、空気入りタイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填して、最大負荷荷重を負荷した際に、路面と接地することとなるトレッド表面の、タイヤ周方向全域にわたる面をいう。また、「連結体サイプ」の「サイプ」とは、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷とした状態において、サイプ深さの50%以上の領域においてサイプ幅が1mm以下であるものをいう。ここで、サイプ深さは、上記状態において、トレッド踏面に垂直な方向に測るものとし、サイプ幅は、トレッド踏面における延在方向に垂直な断面において、トレッド踏面と平行な方向に測るものとする。
 本明細書において、「適用リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA  YEAR  BOOK、欧州ではETRTO(The  European  Tyre  and  Rim  Technical  Organisation)のSTANDARDS  MANUAL、米国ではTRA(The  Tire  and  Rim  Association,Inc.)のYEAR  BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS  MANUALではMeasuring  Rim、TRAのYEAR  BOOKではDesign  Rim)を指す(即ち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTO  2013年度版において「FUTURE  DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。また、「規定内圧」とは、上記JATMA等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)を指し、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、「規定内圧」は、タイヤを装着する車両毎に規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。また、「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいう。
 本発明によれば、氷上グリップ性能を向上させた、空気入りタイヤを提供することができる。
本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。 連結体サイプの構成を示す平面図である。 連結体サイプの寸法について説明するための図である。 実施例及び比較例を示した表である。 ブロック剛性と剪断時の実接地面積との関係を示す図である。 エッジ密度と実接地面積との関係を示す図である。
 以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
 まず、空気入りタイヤ(以下、単にタイヤとも称する)の内部構造等については、従来のものと同様の構造とすることができる。一例としては、該タイヤは、一対のビード部と、該一対のビード部に連なる一対のサイドウォール部と、該一対のサイドウォール部間に配置されたトレッド部とを有するものとすることができる。また、該タイヤは、一対のビード部間をトロイダル状に跨るカーカスと、該カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側に配置されたベルトと、を有するものとすることができる。
 以下、特に断りのない限り、寸法等は、タイヤを適用リムに装着し、規定内圧を充填し、無負荷状態とした際の寸法等を指す。
 図1は、本発明の一実施形態にかかる空気入りタイヤのトレッドパターンを示す図である。図1に示すように、このタイヤは、トレッド踏面1に、タイヤ周方向に延びる1本以上(図示例では4本)の周方向主溝2(2a~2d)を有している。なお、周方向主溝2の本数は、この例に限定されることはなく、適宜変更することができる。
 周方向主溝2の溝幅(開口幅)は、特に限定されないが、例えば、4~15mmとすることができ、周方向主溝2の深さ(最大深さ)は、特に限定されないが、例えば、6~20mmとすることができる。図示例では、周方向主溝2は、タイヤ周方向に真っすぐ延びているが、ジグザグ状に延びたり、屈曲しながら延びたりしても良い。周方向主溝2は、タイヤ周方向に対して5°以下の傾斜角度で傾斜していても良い。
 図1に示すように、周方向主溝2及びトレッド端TEにより複数の(図示例では5つの)陸部3(3a~3e)が区画形成されている。すなわち、トレッド端TEと周方向主溝2aとにより陸部3aが区画形成され、周方向主溝2a、2b間に陸部3bが区画形成され、周方向主溝2b、2c間に陸部3cが区画形成され、周方向主溝2c、2d間に陸部3dが区画形成され、トレッド端TEと周方向主溝2dとにより陸部3eが区画形成されている。このように、タイヤは、少なくとも1つの陸部3を有する。
 各陸部3a~3eには、タイヤ幅方向に延びる幅方向溝5が複数本、タイヤ周方向に間隔をあけて配置されている。陸部3a、3c、3d、3eにおいては、幅方向溝5は、隣接する2つの周方向主溝2に連通しており、陸部3a、3c、3d、3eは、ブロック状に区画されている。一方で、陸部3bにおいては、幅方向溝5は、一端が周方向主溝2bに連通しており、他端は陸部3b内で終端しており、陸部3bはリブ状の陸部(幅方向溝5によっては、周方向に完全には分断されていない陸部)である。幅方向溝5の他端には、タイヤ幅方向に延びる幅方向サイプ6が接続されており、幅方向サイプ6は、幅方向溝5の他端から延びて周方向主溝2aに連通している。
 幅方向溝5の溝幅(開口幅であり、溝幅が変化する場合は最大幅)は、特に限定されないが、例えば、2~10mmとすることができ、幅方向溝5の深さ(最大深さ)は、特に限定されないが、例えば、5~20mmとすることができる。さらに、幅方向溝5は、タイヤ幅方向に延び、あるいは、タイヤ幅方向に対して、0°超45°以下の角度で傾斜していることが好ましい。幅方向溝5は、タイヤ周方向に等間隔に配置することができ、あるいは、パターンノイズ低減のためにピッチ間隔を変更して配置しても良い。
 幅方向サイプ6のサイプ幅(開口幅)は、特に限定されないが、0.3~1mmとすることができ、幅方向サイプ6のサイプ深さ(最大深さ)は、特に限定されないが、例えば、3~10mmとすることができる。さらに、幅方向サイプ6は、タイヤ幅方向に延び、あるいは、タイヤ幅方向に対して、0°超45°以下の角度で傾斜していることが好ましい。
 なお、陸部3a、3eには、トレッド端TEから延びて陸部内で終端する幅方向サイプ8が複数本、タイヤ周方向に略等間隔に設けられている。
 ここで、このタイヤは、陸部3の少なくとも1つ(図示例ではすべての陸部3)に、1つ以上の連結体サイプ4が配置されている。図示例では、幅方向溝5により区画された各ブロック(又は幅方向溝5及び幅方向サイプ6により区画された各部分)に1つ以上の連結体サイプ4が配置されている。
 図2は、連結体サイプ4の構成を示す平面図である。図1、図2に示すように、連結体サイプ4は、第1の所定の方向(図示例ではタイヤ周方向)に延びる主部4aと、主部4aから主部4aの側方に上記第1所定の方向に対して(図示例ではタイヤ周方向に対して)傾斜して延びる側部4b1、4b2と、を有し、これらが連結されてなる、枝状のサイプである。主部4a及び側部4b1、4b2はサイプ部分である。側部は、主部4aの一方側の側方に配置された第1の側部4b1と、主部4aの他方側の側方に配置された第2の側部4b2とを有し、第1の側部4b1と第2の側部4b2とが、タイヤ周方向に交互に配列されている。第1の側部4b1は、図示例では、タイヤ幅方向一方側(図示左側)に延びて陸部3内で終端し、第2の側部4b2は、図示例では、タイヤ幅方向他方側(図示右側)に延びて陸部3内で終端している。
 主部4a1は、図示例では、タイヤ周方向に延びているが、タイヤ周方向に対して15°以下の傾斜角度で延びていても良い。また、図示例では、陸部3a、3c、3d、3eは、ブロック状陸部であり、また、陸部3bはリブ状陸部ではあるものの幅方向サイプ6によっては区画されており、従って、主部4aの延在長さは、ブロック(又は幅方向サイプ6により区画されたブロック状部分)のタイヤ周方向長さよりも短くなっている。また、主部4aの少なくとも片側の端は、陸部3内で終端している。図示例では主部3aの第1の所定の方向(本例ではタイヤ周方向)の片側の端e1のみが陸部3内で終端し、他方の端e2は幅方向溝5又は幅方向サイプ6に連通している。一方で、陸部3がリブ状陸部の場合、主部4aは、タイヤ周方向に連続して1周延びるものとすることもできる。
 側部4b1、4b2は、主部4aの延在方向である第1の所定の方向に対して、特には限定されないが、例えば45~90°の傾斜角度で傾斜して延びることができる。典型的には、側部4b1、4b2は、タイヤ幅方向に延び、又はタイヤ幅方向に対して傾斜して延びている(例えばタイヤ幅方向に対して45°以下の傾斜角度とすることができる)。図示例では、側部4b1、4b2は、その両方が、主部4aの延在方向の一方側(タイヤ周方向一方側)に向かって延びているが、第1の側部4b1と第2の側部4b2とは、主部4aの延在方向の互いに反対側に延びていても良い(このとき、側部4b1は、一方側に延びていても他方側に延びていても良い)。
 ここで、連結体サイプ4のタイヤ幅方向長さ(タイヤ幅方向に投影した際の長さ)をw1(mm)とし、連結体サイプを構成する微小サイプ(4a、4b1、4b2)の深さ(最大深さ)をh(mm)とするとき、w1×hは150(mm)以下であることが好ましい。連結体サイプ4を小さくすることで、連結体サイプ4を高密度に配置して、氷上性能をさらに向上させ得るからである。同様の理由により、w1×hは、100(mm)以下であることがより好ましく、50(mm)以下であることがさらに好ましい。
 また、陸部3内の連結体サイプ4の本数をn、陸部3のタイヤ幅方向の最大幅をBW(mm)、陸部3の外輪郭面積(外輪郭で囲まれた面積)(mm)をBW(mm)で除した「相当陸部タイヤ周方向長さ」をBL(mm)とし、(陸部を完全に横切るように設けられた横断サイプに換算したサイプの本数である)相当サイプ本数Nを、w1×n/BW、として定義し、タイヤ周方向の平均サイプ間隔をBL/(N+1)、として表し、サイプ密度SDをタイヤ周方向の平均サイプ間隔の逆数として定義することにより、SD=(N+1)/BL=((w1×n/BW)+1)/BL、として表すとき、SDが0.15(1/mm)以上であることが好ましい。連結体サイプを高密度に配置して、氷上性能をさらに向上させ得るからである。同様の理由により、サイプ密度SDは0.20(1/mm)以上であることがより好ましく、0.30(1/mm)以上であることがさらに好ましい。
 なお、連結体サイプの本数n、陸部のタイヤ幅方向の最大幅BW、及び陸部の外輪郭面積は、トレッド踏面の展開視で計測した値とする。「外輪郭面積」とは、トレッド踏面の展開視にて外輪郭で囲まれた面積をいい、従って、陸部内にサイプ、小穴、細溝等の非接地部分が配置されている場合であっても当該サイプ、小穴、細溝等の面積を除外しない面積を意味する。
 以下、本実施形態の空気入りタイヤの作用効果について説明する。
 本実施形態の空気入りタイヤでは、まず、陸部3の少なくとも1つに、1つ以上の連結体サイプ4が配置され、連結体サイプ4が、第1の所定の方向に延びる主部4aと主部4aから主部4bの側方に第1の所定の方向に対して傾斜して延びる側部4b1、4b2とを有しているため、これらのサイプ部分により水膜を切断しつつも、主部4aによって水を第1の所定の方向(本例ではタイヤ周方向)に排出し、さらに主部4aに連結された側部4b1、4b2によっても水を側方に排出することができるため、効率的な水膜の除去が可能となる。そして、側部は、主部4aの一方側の側方に配置された第1の側部4b1と、主部4aの他方側の側方に配置された第2の側部4b2とが、タイヤ周方向に交互に配列されているため、これらの側部を高密度に配置することができ、上記の水膜を除去する効果をさらに高めることができる。
 一方で、側部4b1、4b2は、陸部3内で終端しているため、例えば2本の周方向主溝間を延びる幅方向サイプによりブロックがタイヤ周方向に完全に分断されブロック片をなすような場合と比べて、陸部3の剛性の低下を抑制することができる。
 以上のように、本実施形態の空気入りタイヤによれば、陸部3の剛性の低下を抑制しつつも、水膜を効果的に除去することができるため、氷上グリップ性能を向上させることができる。
 とりわけ、本実施形態では、主部4aの少なくとも片側の端e1は、陸部3内で終端しているため、陸部3の剛性の低下をより一層抑制することができ、氷上グリップ性能をより一層向上させることができる。陸部3の剛性の低下を抑制する観点からは、主部4aの両端が陸部3内で終端していることが好ましいが、水膜を効果的に除去する観点からは、他方の端4e又は両端が幅方向溝や幅方向サイプに連通していても良い。本例では、片側の端が陸部3内で終端し、他方の端が幅方向溝5又は幅方向サイプ6に連通しているため、片側の端の方で陸部の剛性を確保しつつ、他方の端の方で効果的な水膜の除去を実現している。
 さらに、w1×hを上記の範囲とすれば、連結体サイプをより高密度に配置し得るため、氷上グリップ性能がさらに向上し得る。また、サイプ密度SDを上記の範囲とすれば、連結体サイプが高密度に配置されるため、水膜を除去する効果を向上させて、氷上グリップ性能をさらに向上させることができる。
 さらに、本実施形態では、主部4aは、タイヤ周方向に延び、側部4b1、4b2は、タイヤ幅方向に延び又は本例のようにタイヤ幅方向に傾斜して延びている。これにより、主部4aによりタイヤ周方向のエッジ成分(タイヤ幅方向に対するエッジ成分)を確保することができるため、コーナリング時の横方向グリップ性能等を向上させることができる。また、側部4b1、4b2によりタイヤ幅方向のエッジ成分(タイヤ周方向に対するエッジ成分)を確保することができるため、直進時の氷上トラクション性能及び氷上ブレーキ性能を向上させることができる。
 ところで、図1に示すように、本実施形態のタイヤは、連結体サイプ4の列(図示例では連結体サイプ4がタイヤ周方向に間隔をあけて複数配置されて1つの列をなしている)が第2の所定の方向(本例ではタイヤ幅方向)に、複数列配列された、陸部3b、3c、3dを有している。まず、これにより、各陸部3に1列のみの連結体サイプ4を配置する場合と比べて、水膜を除去する効果を高めることができる。なお、主部4がタイヤ周方向に連続して1周延びている場合は、1つの連結体サイプが1つの列をなす。また、上記第2の所定の方向は、タイヤ幅方向に対して傾斜していても良く、例えばタイヤ幅方向に対する傾斜角度を0°超30°以下とすることができる。
 また、図1に示すように、一の列の連結体サイプ4の側部(4b1又は4b2)と、上記一の列に第2の所定の方向に隣接する隣接列の連結体サイプ4の側部(4b2又は4b1)とが、タイヤ周方向に交互に配列されるように、第2の所定の方向に隣接する2つの列がタイヤ周方向に位相をずらして配列されている。これにより、連結体サイプ4を高密度に配置して水膜を除去する効果をより一層得ることができ、また、側部に区画される陸部の大きさもバランス化される。さらに本例のように、一の列の連結体サイプ4の側部(4b1又は4b2)と、上記一の列に第2の所定の方向に隣接する隣接列の連結体サイプ4の側部(4b2又は4b1)とが、タイヤ周方向に投影した際に互いに重なるように配置することが好ましく、これにより連結体サイプ4をより高密度に配置して水膜を除去する効果をより効果的に得ることができる。
 なお、本例では、第1の側部4b1と第2の側部4b2とが、タイヤ周方向の同じ方向に傾斜してタイヤ幅方向に延びており、且つ、一の列の連結体サイプ4と上記隣接列の連結体サイプ4とが幅方向に沿った軸に対して対称(図示で上下対称)であることから、上記のような配置とした際に、区画される陸部の大きさを均一化することができる。
 さらに、本実施形態では、図1に示すように、主部4aの片側の端e1のみが、陸部3内で終端している。そして、一の列の連結体サイプ4の主部4aの第1の所定の方向の一方側の端4aが陸部3内で終端し、一の列に第2の所定の方向に隣接する隣接列の連結体サイプ4の主部4aの第1の所定の方向の他方側(反対側)の端が陸部3内で終端するように、隣接する2つの列間で、陸部3内で終端する端e1が(周方向一方側と他方側とに)互い違いに配置されている。これにより、剛性の低下を抑制する箇所をバランス良く配置して局所的に剛性が低下する箇所が生じないようにして、氷上運動性能を向上させることができる。
 上記の各効果は、各陸部で得ることが好ましく、従って、全ての陸部3が(ブロック状陸部であるかリブ状陸部であるかにかかわらず)上記の連結体サイプ4を有していることが好ましい。
 主部4b1が周方向に連続して延びる場合を除いて、連結体サイプ4は、列内でタイヤ周方向に並べて配置することができる。その際、図1に示すように、各列につき、各ブロック(又は幅方向サイプ6により区画されるブロック状陸部)に1つの連結体サイプ4を配置することが好ましい。連結体サイプ4を高密度に配置して水膜を除去する効果をより一層高めることができるからである。
 図1に示すように、各陸部3には、連結体サイプ4とは離間して配置された、複数本の副サイプ7が配置されている。本例で、副サイプ7は、長辺と短辺とが連結されてなる。副サイプ7の長辺は、連結体サイプ4の側部4b1、4b2と点対称な構成を有しており、副サイプ7の短辺は、連結体サイプ4の主部4aの一部と点対称な構成を有している。副サイプ7の長辺は、タイヤ幅方向に延び又はタイヤ幅方向に対して傾斜して延び、また、副サイプ7の短辺は、タイヤ周方向に延びている。副サイプ7と、連結体サイプ4の主部4aの一部と側部4b1(4b2)とが、タイヤ幅方向にオフセットしながら対向するように配置され、一対の対サイプをなしている。これにより、サイプをさらに高密度に配置することができる。本例で、副サイプ7の長辺と短辺とがなす角度は鈍角である。短辺の延在長さに対する、長辺の延在長さの比は、1~15とすることが好ましい。当該比を15以下として短辺の長さを確保して排水を誘導する効果を十分なものとすることができ、一方で、当該比を1以上として短辺の長さを適度に短くしてサイプを高密度で配置することができるからである。副サイプ7は、図示のように、タイヤ周方向に(例えば等間隔で)複数本配列されており、短辺同士は、同一直線上に位置している。対サイプは、タイヤ幅方向に沿うタイヤ幅方向長さに対する、タイヤ周方向に沿うタイヤ周方向長さの比が、0.1~2.6であることが好ましい。当該比を0.1以上として、対サイプ間の距離を確保してブロック剛性を確保することができ、一方で、当該比を2.6以下としてφが過大とならないように、且つ、幅方向長さが短くなり過ぎないようにして、制駆動力に対する効果を十分なものとすることができるからである。
 図3は、連結体サイプ4の寸法について説明するための図である。
 ここで、図3に示すように、連結体サイプ4の側部4b1、4b2の延在長さをa(mm)とし、側部4b1、4b2のタイヤ幅方向長さ(タイヤ幅方向投影長さ)をd(mm)とし、一の連結体サイプの側部4b1(4b2)の端(陸部内で終端している端)と、一の連結体サイプに隣接する連結体サイプの主部4aとのタイヤ幅方向距離をs(mm)とし、側部4b1、4b2のタイヤ幅方向に対する傾斜角度をφとする。このとき、d=a×cоsφと表すことができる。
 ここで、sは1.5mm以上であることが好ましい。sを1.5(mm)以上とすることにより、ブロック剛性の低下をより一層抑制することができるからである、また、d>sとすることが好ましい。側部同士がタイヤ周方向に投影した際にオーバーラップするようにして、側部であるサイプ部分によって水膜を除去する効果をより一層高めることができるからである。
 また、側部4b1間(又は4b2間)の周方向ピッチをp(mm)、一の連結体サイプの側部4b1(4b2)と、一の連結体サイプに隣接する連結体サイプの側部4b2(4b1)とのタイヤ周方向離間距離をq(mm)、r(mm)(q≦r)とするとき、p=q+r、と表すことができる。また、一の連結体サイプにおける主部4aと枝部4b1との接続点と、一の連結体サイプに隣接する連結体サイプにおける主部4aと枝部4b2との接続点とのタイヤ周方向離間距離c(mm)は、
c=α(d+s)-q、α=tanφ、
と表すことができる。
 ここで、q=α×(d+s)のときc=0となり、隣接するサイプ列の分岐点の周方向位置が幅方向に並ぶ。これによりタイヤ幅方向入力に対する枝部のサイプ密度に連続性が確保され、ブロック剛性の周方向変動を抑え、安定した横方向グリップ性能を発揮することができる。このため、q=α×(d+s)×0.8~α×(d+s)×1.2の範囲が望ましい。また、特に、q=p/2であるとき、r=qとなり、サイプ列に含まれる全てのサイプがタイヤ周方向に等間隔で並ぶ。このため、好ましくはqをP/2×0.8~p/2×1.2の範囲とし、より好ましくはqをp/2とすることで、ブロック陸部におけるタイヤ周方向のサイプ密度を均一化することができる。
 以下に、図4を参照して、実施例について説明する。図4は、実施例及び比較例を示した表である。
 図4に示される実施例1~3及び比較例1~3のタイヤについて有限要素法(FEM:Finite Element Method)を用いたシミュレーションを行い、ブロック陸部の無負荷時における接地面の面積に乗用車用タイヤの標準的な接地圧230kPaを乗じた垂直荷重を負荷した条件で、ブロック剛性及び接地面積を評価した。実施例1~3及び比較例1~3では、タイヤ周方向の最大長さが30mm、タイヤ幅方向の幅が27mmのブロック陸部に、それぞれ図4のサイプ形状図に示されるサイプを配置したものとして評価を行った。サイプは全て、幅が0.4mm、深さが6.7mm、先端Rが0.2mmとした。
 図5は、ブロック剛性と剪断時の実接地面積との関係を示す図である。図6は、エッジ密度と実接地面積との関係を示す図である。ここで、ブロック剛性Kx(N/mm)は、タイヤ周方向の横変位が1mmとなる時の同方向のせん断入力値であり、剪断時の実接地面積Ar(mm)は、タイヤ周方向のせん断入力が上記垂直荷重の0.3倍の時の、部分的に浮き上がりが生じた状態の残存接地面積である。図5に示すように、実施例1~3では、比較例1~3に対し、ブロック剛性と実接地面積とを両立させることができていることがわかる。図6に示すように、実施例1~3では、比較例1~3に対し、同じエッジ密度であれば実接地面積が増大していることがわかる。
1:トレッド踏面、
2:周方向主溝、
3:陸部、
4:連結体サイプ、
5:幅方向溝、
6:幅方向サイプ、
7:副サイプ、
8:幅方向サイプ、
CL:タイヤ赤道面、
TE:トレッド端

Claims (6)

  1.  トレッド踏面に、少なくとも1つの陸部を有する空気入りタイヤであって、
     前記陸部の少なくとも1つに、1つ以上の連結体サイプが配置され、
     前記連結体サイプは、第1の所定の方向に延びる主部と、前記主部から前記主部の側方に前記第1の所定の方向に対して傾斜して延びて前記陸部内で終端する側部と、を有し、
     前記側部は、前記主部の一方側の側方に配置された第1の側部と、前記主部の他方側の側方に配置された第2の側部と、を有し、
     前記第1の側部と前記第2の側部とが、タイヤ周方向に交互に配列されていることを特徴とする、空気入りタイヤ。
  2.  前記主部の少なくとも片側の端は、前記陸部内で終端する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3.  前記主部は、タイヤ周方向に延び、
     前記側部は、タイヤ幅方向に延び又はタイヤ幅方向に傾斜して延びる、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4.  前記連結体サイプの列が、第2の所定の方向に複数列配列された、前記陸部を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5.  一の前記列の前記連結体サイプの前記側部と、前記一の前記列に前記第2の所定の方向に隣接する隣接列の前記連結体サイプの前記側部とが、タイヤ周方向に交互に配列されるように、前記第2の所定の方向に隣接する2つの前記列がタイヤ周方向に位相をずらして配列されている、請求項4に記載の空気入りタイヤ。
  6.  前記主部の片側の端のみが、前記陸部内で終端し、
     一の前記列の前記連結体サイプの前記主部の前記第1の所定の方向の一方側の端が前記陸部内で終端し、前記一の前記列に前記第2の所定の方向に隣接する隣接列の前記連結体サイプの前記主部の前記第1の所定の方向の他方側の端が前記陸部内で終端するように、前記第2の所定の方向に隣接する2つの前記列間で、前記陸部内で終端する端が互い違いに配置されている、請求項4又は5に記載の空気入りタイヤ。
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