WO2023063378A1 - 配線シート - Google Patents

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Abstract

複数の第一導電性線状体(21)が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体(2)と、第一導電性線状体(21)のうちの1本以上に電気的に接続する第一電極(41)と、第一電極(41)と対となり、第一導電性線状体(21)のうちの第一電極(41)と電気的に接続していないものに電気的に接続する第二電極(42)と、複数の第二導電性線状体(71)が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体(7)と、を備える配線シート(100)であって、配線シート(100)の平面視において、第一導電性線状体(21)と第二導電性線状体(71)とは、交差しており、第二疑似シート構造体(7)は、第一疑似シート構造体(2)に対向するように離間して配置され、第一電極(41)及び第二電極(42)と電気的に接続していない、配線シート(100)。

Description

配線シート
 本発明は、配線シートに関する。
 面状ヒータには、例えば、人が触れたりした部分のみを保温したりすることが求められる場合がある。例えば、特許文献1には、一定の間隔を置いて対向する一対の電極成分からなる複数の電極部と発熱素子とからなる面状ヒータが記載されている。この面状ヒータでは、電極部以外が二重構造の織編成組織を形成している。
 しかしながら、特許文献1に記載の面状ヒータでは、織編成組織を用いて、感圧スイッチ機能を達成している。そして、この織編成組織を除くことができないため、例えば、面状ヒータを透明にしたりできず、設計の自由度が低いという問題がある。
特開平1-197990号公報
 本発明の目的は、圧力がかかった部分を、選択的に通電できる配線シートを提供することである。
[1] 複数の第一導電性線状体が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体と、前記第一導電性線状体のうちの1本以上に電気的に接続する第一電極と、前記第一電極と対となり、前記第一導電性線状体のうちの前記第一電極と電気的に接続していないものに電気的に接続する第二電極と、複数の第二導電性線状体が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体と、を備える配線シートであって、前記配線シートの平面視において、前記第一導電性線状体と前記第二導電性線状体とは、交差しており、前記第二疑似シート構造体は、前記第一疑似シート構造体に対向するように離間して配置され、前記第一電極及び前記第二電極と電気的に接続していない、配線シート。
[2] [1]に記載の配線シートにおいて、前記第二疑似シート構造体は、前記第二疑似シート構造体から前記第一疑似シート構造体に向かう方向に応力が負荷されない状態のとき、前記第一疑似シート構造体と接触しておらず、前記第二疑似シート構造体から前記第一疑似シート構造体に向かう方向に応力が負荷された状態のとき、前記第一疑似シート構造体と接触する、配線シート。
[3] [1]又は[2]に記載の配線シートにおいて、前記第一導電性線状体の体積抵抗率と、前記第二導電性線状体の体積抵抗率とが異なる、配線シート。
[4] [1]から[3]のいずれかに記載の配線シートにおいて、前記第一導電性線状体の体積抵抗率は、前記第二導電性線状体の体積抵抗率よりも小さい、配線シート。
[5] [1]から[4]のいずれかに記載の配線シートにおいて、前記第一疑似シート構造体と前記第二疑似シート構造体とが電気的に接続したとき、接触間における前記第一導電性線状体同士の抵抗値がそれぞれ等しく、かつ、接触間における前記第二導電性線状体同士の抵抗値がそれぞれ等しい、配線シート。
[6] [1]から[5]のいずれかに記載の配線シートにおいて、前記第一疑似シート構造体を支持する樹脂層をさらに備え、前記樹脂層は、前記樹脂層が前記第二疑似シート構造体と接触したとき、前記第二疑似シート構造体に接触した状態を保持しない、配線シート。
[7] [1]から[6]のいずれかに記載の配線シートにおいて、前記第一電極が前記第二導電性線状体と電気的に接続しているか、或いは、前記第二電極が前記第二導電性線状体と電気的に接続している、配線シート。
[8] [1]から[7]のいずれかに記載の配線シートにおいて、前記配線シートは、前記第一疑似シート構造体と、前記第二疑似シート構造体との間を隔てるスペーサー部材を備える、配線シート。
[9] [1]から[8]のいずれかに記載の配線シートにおいて、前記第一導電性線状体及び前記第二導電性線状体は、金めっきが施された線状体である、配線シート。
 本発明によれば、圧力がかかった部分を、選択的に通電できる配線シートを提供できる。
本発明の第一実施形態に係る配線シートを示す概略分解斜視図である。 図1のII-II断面を示す断面図である。 図1のIII-III断面を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る配線シートを示す概略平面図である。 本発明の第二実施形態に係る配線シートを示す概略平面図である。 本発明の第三実施形態に係る第一疑似シート構造体、第一電極及び第二電極を示す概略斜視図である。
[第一実施形態]
 以下、本発明について実施形態を例に挙げて、図面に基づいて説明する。本発明は実施形態の内容に限定されない。なお、図面においては、説明を容易にするために拡大又は縮小をして図示した部分がある。
(配線シート)
 本実施形態に係る配線シート100は、図1、図2、図3、及び図4に示すように、第一基材1と、複数の第一導電性線状体21が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体2と、第一樹脂層3と、第一電極41と、第二電極42と、スペーサー部材5と、第二基材6と、複数の第二導電性線状体71が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体7と、第二樹脂層8と、を備える。
 第一電極41と、第二電極42とは、対になっている。また、第一電極41は、第一導電性線状体21のうちの1本以上に電気的に接続している。第二電極42は、第一導電性線状体21のうちの第一電極41と電気的に接続していないものに電気的に接続している。
 配線シート100の平面視において、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とは、交差している。
 そして、スペーサー部材5は、第一疑似シート構造体2、第一電極41及び第二電極42と、第二疑似シート構造体7との間に配置される。そのため、第二疑似シート構造体7は、第一疑似シート構造体2に対向するように離間して配置され、第一電極41及び第二電極42と電気的に接続していない。
 本実施形態に係る配線シート100においては、第二疑似シート構造体7は、第二疑似シート構造体7から第一疑似シート構造体2に向かう方向に応力が負荷されない状態のとき、第一疑似シート構造体2と接触しておらず、第二疑似シート構造体7から第一疑似シート構造体2に向かう方向に応力が負荷された状態のとき、第一疑似シート構造体2と接触することが好ましい。
 このような構造であれば、配線シート100の一部に手等が接触して、応力が負荷されたときに、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とが電気的に接続する接続箇所ができる。この接続箇所が2箇所以上となれば、接続箇所同士の間が通電できる。このように通電した範囲を、発熱させることができる。一方で、応力が負荷されていない範囲では、接続箇所が存在しないことで、通電が起こらず、発熱しない。このように、配線シート100は、手等が接触して、圧力がかかった部分を、選択的に発熱させることができる。すなわち、配線シート100は、感圧機能を有するとともに、発熱機能も有するものである。なお、感圧機能とは圧力がかかった部分を、選択的に通電する機能をいう。
(基材)
 第一基材1は、第一疑似シート構造体2を直接的又は間接的に支持できる。第二基材6は、第二疑似シート構造体7を直接的又は間接的に支持できる。なお、第一基材1及び第二基材6は、必ずしも備えていなくてもよい。第一基材1及び第二基材6は必要に応じて設けられる部材である。
 第一基材1及び第二基材6としては、例えば、合成樹脂フィルム、紙、不織布、布及びガラスフィルム等が挙げられる。第一基材1及び第二基材6は、透明な基材、又は視認性を有する基材であることが好ましい。このような構成にすれば、配線シート100を、透明にしたり、視認性を有するものにできる。
 また、第一基材1及び第二基材6は、伸縮性基材であってもよい。例えば、第一基材1が伸縮性基材であれば、第一疑似シート構造体2を第一基材1上に設けた場合でも、配線シート100の伸縮性を確保できる。
 第一基材1及び第二基材6としては、合成樹脂フィルム、不織布、及び布等を用いることができる。
 合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、及びポリイミドフィルム等が挙げられる。その他、伸縮性基材としては、これらの架橋フィルム及び積層フィルム等が挙げられる。
 また、不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブロー不織布、及びスパンレース不織布等が挙げられる。布としては、例えば、織物及び編物等が挙げられる。伸縮性基材としての紙、不織布、及び布はこれらに限定されない。
 第一基材1及び第二基材6の厚さは特に限定されない。第一基材1及び第二基材6の厚さは、10μm以上10mm以下であることが好ましく、15μm以上3mm以下であることがより好ましく、50μm以上1.5mm以下であることがさらに好ましい。
(疑似シート構造体)
 第一疑似シート構造体2は、複数の第一導電性線状体21が、互いに間隔をもって配列された構造とされている。また、第一疑似シート構造体2は、第一導電性線状体21の軸方向と交差する方向に、複数配列された構造とされている。
 第二疑似シート構造体7も同様に、複数の第二導電性線状体71が、互いに間隔をもって配列された構造とされている。また、第二疑似シート構造体7は、第二導電性線状体71が、第二導電性線状体71の軸方向と交差する方向に、複数配列された構造とされている。
 第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71は、配線シート100の平面視において、直線状であってもよいが、波形状を成していてもよい。波形状としては、例えば、正弦波、矩形波、三角波、及びのこぎり波等が挙げられる。例えば、第一疑似シート構造体2が、このような構造であれば、第一導電性線状体21の軸方向に、配線シート100を伸張した際に、第一導電性線状体21の断線を抑制できる。
 第一導電性線状体21の体積抵抗率と、第二導電性線状体71の体積抵抗率とは、異なることが好ましい。このような構成であれば、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とが電気的に接続したときに、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とで、発熱の度合いを変えることができる。また、第一導電性線状体21の体積抵抗率は、第二導電性線状体71の体積抵抗率よりも小さいことが好ましい。このような構成であれば、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とが電気的に接続したときに、第一導電性線状体21での発熱を小さくでき、第二導電性線状体71での発熱を大きくできる。なお、第二導電性線状体71が発熱する方が、加圧された部分に対応する箇所をより適切に発熱させることができる。
 第一導電性線状体21の体積抵抗率は、1.0×10-9Ω・m以上1.0×10-5Ω・m以下であることが好ましく、5.0×10-9Ω・m以上5.0×10-6Ω・m以下であることがより好ましい。第一導電性線状体21の体積抵抗率を上記範囲にすると、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とが電気的に接続したときに、第一導電性線状体21での発熱を小さくでき、第二導電性線状体71での発熱を大きくできる。
 第二導電性線状体71の体積抵抗率は、1.0×10-9Ω・m以上1.0×10-3Ω・m以下であることが好ましく、1.0×10-8Ω・m以上1.0×10-4Ω・m以下であることがより好ましい。第二導電性線状体71の体積抵抗率を上記範囲にすると、第二疑似シート構造体7の面抵抗が低下しやすくなる。
 第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71の体積抵抗率の測定は、次のとおりである。第一導電性線状体21又は第二導電性線状体71の一方の端部及び端部からの長さ40mmの部分に銀ペーストを塗布し、端部及び端部から長さ40mmの部分の抵抗を測定し、第一導電性線状体21又は第二導電性線状体71の抵抗値を求める。そして、第一導電性線状体21又は第二導電性線状体71の断面積(単位:m)を上記の抵抗値に乗じ、得られた値を上記の測定した長さ(0.04m)で除して、第一導電性線状体21又は第二導電性線状体71の体積抵抗率を算出する。
 第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71の断面の形状は、特に限定されず、多角形状、扁平形状、楕円形状、又は円形状等を取り得る。第一樹脂層3及び第二樹脂層8との馴染み等の観点から、第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71の断面の形状は、楕円形状、又は円形状であることが好ましい。
 第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71の断面が円形状である場合には、第一導電性線状体21の太さ(直径)D1及び第二導電性線状体71の太さ(直径)D2(図2及び図3参照)は、それぞれ、5μm以上200μm以下であることが好ましい。シート抵抗の上昇抑制と、配線シート100の発熱効率及び耐絶縁破壊特性の向上との観点から、第一導電性線状体21の直径D1及び第二導電性線状体71の直径D2は、8μm以上150μm以下であることがより好ましく、12μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。
 第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71の断面が楕円形状である場合には、長径が上記の直径D1、及び直径D2と同様の範囲にあることが好ましい。
 第一導電性線状体21の直径D1及び第二導電性線状体71の直径D2は、デジタル顕微鏡を用いて、第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71を観察し、無作為に選んだ5箇所で、第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71の直径を測定し、その平均値とする。
 第一導電性線状体21の間隔L1(図2参照)、及び第二導電性線状体71の間隔L2(図3参照)は、0.3mm以上50mm以下であることが好ましく、0.5mm以上30mm以下であることがより好ましく、0.8mm以上20mm以下であることがさらに好ましい。
 第一導電性線状体21同士、又は第二導電性線状体71同士の間隔が上記範囲であれば、導電性線状体がある程度密集しているため、疑似シート構造体の抵抗を低く維持し、配線シート100を発熱体として用いる場合の温度上昇の分布を均一にする等の、配線シート100の機能の向上を図ることができる。
 第一導電性線状体21の間隔L1及び第二導電性線状体71の間隔L2は、デジタル顕微鏡を用いて、例えば、第一疑似シート構造体2の第一導電性線状体21を観察し、隣り合う2つの第一導電性線状体21の間隔を測定する。
 なお、隣り合う2つの第一導電性線状体21の間隔とは、第一導電性線状体21を配列させていった方向に沿った長さであって、2つの第一導電性線状体21の対向する部分間の長さである(図2参照)。間隔L1は、第一導電性線状体21の配列が不等間隔である場合には、全ての隣り合う第一導電性線状体21同士の間隔の平均値である。また、間隔L2は、第二導電性線状体71の配列が不等間隔である場合には、全ての隣り合う第二導電性線状体71同士の間隔の平均値である。
 ただし、本実施形態においては、第一導電性線状体21の間隔L1は、等間隔であることが好ましい。また、第二導電性線状体71の間隔L2は、等間隔であることが好ましい。さらに、第一導電性線状体21同士の材質及び太さは、同じものとし、第二導電性線状体71同士の材質及び太さは、同じものにすることが好ましい。このような構成であれば、第一疑似シート構造体2と第二疑似シート構造体7とが接触したとき、接触間における第一導電性線状体21同士の抵抗値がそれぞれ等しく、かつ、接触間における第二導電性線状体71同士の抵抗値がそれぞれ等しくなるようにできる。そして、配線シート100における温度ムラを抑制できる。
 第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71の態様は、特に制限はないが、金属ワイヤーを含む線状体(以下「金属ワイヤー線状体」とも称する)であることがよい。金属ワイヤーは高い熱伝導性、高い電気伝導性、高いハンドリング性、及び汎用性を有する。金属ワイヤー線状体は抵抗を大きく低下させることが可能であり、金属ワイヤー線状体の直径を極めて小さくしても、配線シート100の発熱に必要な電流で通電できる。これにより、第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71が視認されにくい状態にできる。すなわち、第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71として金属ワイヤー線状体を適用すると、第一疑似シート構造体2及び第二疑似シート構造体7の抵抗値を低減しつつ、光線透過性が向上しやすくなる。また、配線シート100は、速やかな発熱が実現されやすくなる。さらに、上述したように直径が細い線状体を得られやすい。
 なお、第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71としては、金属ワイヤー線状体の他に、カーボンナノチューブを含む線状体、及び、糸に導電性被覆が施された線状体が挙げられる。
 金属ワイヤー線状体は、1本の金属ワイヤーからなる線状体であってもよいし、複数本の金属ワイヤーを撚った線状体であってもよい。
 金属ワイヤーとしては、銅、アルミニウム、タングステン、鉄、モリブデン、ニッケル、チタン、銀、金等の金属、又は、金属を2種以上含む合金(例えば、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼鉄、真鍮、りん青銅、ジルコニウム銅合金、ベリリウム銅、鉄ニッケル、ニクロム、ニッケルチタン、カンタル、ハステロイ、及びレニウムタングステン等)を含むワイヤーが挙げられる。また、金属ワイヤーは、錫、亜鉛、銀、ニッケル、クロム、ニッケルクロム合金、又は、はんだ等でめっきされたものであってもよく、後述する炭素材料等により表面が被覆されたものであってもよい。特に、タングステン及びモリブデン、並びにこれらを含む合金から選ばれる一種以上の金属を含むワイヤーが、低い体積抵抗率の観点から好ましい。
 金属ワイヤーとしては、炭素材料で被覆された金属ワイヤーも挙げられる。金属ワイヤーは、炭素材料で被覆されていると、金属光沢が低減し、金属ワイヤーの存在を目立たなくすることが容易となる。また、金属ワイヤーは、炭素材料で被覆されていると金属腐食も抑制される。
 金属ワイヤーを被覆する炭素材料としては、非晶質炭素(例えば、カーボンブラック、活性炭、ハードカーボン、ソフトカーボン、メソポーラスカーボン、及びカーボンファイバー等)、グラファイト、フラーレン、グラフェン及びカーボンナノチューブ等が挙げられる。
 カーボンナノチューブを含む線状体は、例えば、カーボンナノチューブフォレスト(カーボンナノチューブを、基板に対して垂直方向に配向するよう、基板上に複数成長させた成長体のことであり、「アレイ」と称される場合もある)の端部から、カーボンナノチューブをシート状に引き出し、引き出したカーボンナノチューブシートを束ねた後、カーボンナノチューブの束を撚ることにより得られる。このような製造方法において、撚りの際に捻りを加えない場合には、リボン状のカーボンナノチューブ線状体が得られ、捻りを加えた場合には、糸状の線状体が得られる。リボン状のカーボンナノチューブ線状体は、カーボンナノチューブが捻られた構造を有しない線状体である。このほか、カーボンナノチューブの分散液から、紡糸をすること等によっても、カーボンナノチューブ線状体を得ることができる。紡糸によるカーボンナノチューブ線状体の製造は、例えば、米国特許出願公開第2013/0251619号明細書(日本国特開2012-126635号公報)に開示されている方法により行うことができる。カーボンナノチューブ線状体の直径の均一さが得られる観点からは、糸状のカーボンナノチューブ線状体を用いることが望ましく、純度の高いカーボンナノチューブ線状体が得られる観点からは、カーボンナノチューブシートを撚ることによって糸状のカーボンナノチューブ線状体を得ることが好ましい。カーボンナノチューブ線状体は、2本以上のカーボンナノチューブ線状体同士が編まれた線状体であってもよい。また、カーボンナノチューブ線状体は、カーボンナノチューブと他の導電性材料が複合された線状体(以下「複合線状体」とも称する)であってもよい。
 複合線状体としては、例えば、(1)カーボンナノチューブフォレストの端部から、カーボンナノチューブをシート状に引き出し、引き出したカーボンナノチューブシートを束ねた後、カーボンナノチューブの束を撚るカーボンナノチューブ線状体を得る過程において、カーボンナノチューブのフォレスト、シート若しくは束、又は撚った線状体の表面に、金属単体又は金属合金を蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、湿式めっき等により担持させた複合線状体、(2)金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体と共に、カーボンナノチューブの束を撚った複合線状体、(3)金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体と、カーボンナノチューブ線状体又は複合線状体とを編んだ複合線状体等が挙げられる。なお、(2)の複合線状体においては、カーボンナノチューブの束を撚る際に、(1)の複合線状体と同様にカーボンナノチューブに対して金属を担持させてもよい。また、(3)の複合線状体は、2本の線状体を編んだ場合の複合線状体であるが、少なくとも1本の金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体が含まれていれば、カーボンナノチューブ線状体又は金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体若しくは複合線状体の3本以上を編み合わせてあってもよい。
 複合線状体の金属としては、例えば、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、クロム、スズ、及び亜鉛等の金属単体、及び、これら金属単体の少なくとも一種を含む合金(銅-ニッケル-リン合金、及び、銅-鉄-リン-亜鉛合金等)が挙げられる。
 第一導電性線状体21及び第二導電性線状体71は、糸に導電性被覆が施された線状体であってもよい。糸としては、ナイロン、又はポリエステル等の樹脂から紡糸した糸等が挙げられる。また、糸としては、金属繊維、炭素繊維、又はイオン導電性ポリマーの繊維等の糸も挙げられる。導電性被覆としては、金属、導電性高分子、及び炭素材料等の被膜等が挙げられる。導電性被覆は、めっき、又は蒸着法等により形成することができる。糸に導電性被覆が施された線状体は、糸の柔軟性を維持しつつ、線状体の導電性を向上させることができる。つまり、第一疑似シート構造体2及び第二疑似シート構造体7の抵抗を、低下させることが容易となる。
 第一導電性線状体21は、第一導電性線状体21と第一電極41及び第二電極42との接触抵抗を抑制する観点で、金めっきが施されていることが好ましい。第一導電性線状体21は、金めっきが施されていることにより、第一疑似シート構造体2の抵抗値が安定するため、発熱ムラを抑制しやすくなる。また、同様の観点から、第二導電性線状体71も、金めっきが施されていることが好ましい。
(樹脂層)
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、樹脂を含む層である。この第一樹脂層3により、第一疑似シート構造体2を、直接的又は間接的に支持できる。第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、必ずしも備えていなくてもよい。第一樹脂層3及び第二樹脂層8は必要に応じて設けられる部材である。また、この第二樹脂層8により、第二疑似シート構造体7を、直接的又は間接的に支持できる。第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、接着剤を含む層であることが好ましい。例えば、第一樹脂層3に第一疑似シート構造体2を形成する際に、接着剤により、第一導電性線状体21の第一樹脂層3への貼り付けが容易となる。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、乾燥又は硬化可能な樹脂からなる層であってもよい。これにより、第一疑似シート構造体2及び第二疑似シート構造体7を保護するために十分な硬度が第一樹脂層3及び第二樹脂層8に付与され、第一樹脂層3及び第二樹脂層8は保護膜としても機能する。また、硬化又は乾燥後の第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、耐衝撃性を有し、衝撃による配線シート100の変形も抑制できる。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、短時間で簡便に硬化することができる点で、紫外線、可視エネルギー線、赤外線、又は電子線等のエネルギー線硬化性であることが好ましい。なお、「エネルギー線硬化」には、エネルギー線を用いた加熱による熱硬化も含まれる。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8に含まれる接着剤は、熱により硬化する熱硬化性の接着剤、熱により接着するいわゆるヒートシールタイプの接着剤、湿潤させて貼付性を発現させる接着剤等も挙げられる。ただし、適用の簡便さからは、第一樹脂層3及び第二樹脂層8が、エネルギー線硬化性であることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
 前記アクリレート系化合物としては、例えば、鎖状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート(トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等)、環状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート(ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート等)、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、オリゴエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ変性(メタ)アクリレート、前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート以外のポリエーテル(メタ)アクリレート、及びイタコン酸オリゴマー等が挙げられる。
 エネルギー線硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、100以上30000以下であることが好ましく、300以上10000以下であることがより好ましい。
 接着剤組成物が含有するエネルギー線硬化性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。さらに、後述する熱可塑性樹脂と組み合わせてもよく、組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、粘着剤(感圧性接着剤)から形成される粘着剤層であってもよい。粘着剤層の粘着剤は、特に限定されない。例えば、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、及びポリビニルエーテル系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、粘着剤は、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及びゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくともいずれかであることが好ましく、アクリル系粘着剤であることがより好ましい。
 アクリル系粘着剤としては、例えば、直鎖のアルキル基又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含む重合体(つまり、アルキル(メタ)アクリレートを少なくとも重合した重合体)、環状構造を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含むアクリル系重合体(つまり、環状構造を有する(メタ)アクリレートを少なくとも重合した重合体)等が挙げられる。ここで「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方を示す語として用いており、他の類似用語についても同様である。
 アクリル系重合体が共重合体である場合、共重合の形態としては、特に限定されない。アクリル系共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、又はグラフト共重合体のいずれであってもよい。
 アクリル系共重合体は架橋剤により架橋されていてもよい。架橋剤としては、例えば、公知のエポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。アクリル系共重合体を架橋する場合には、アクリル系重合体の単量体成分に由来する官能基として、これらの架橋剤と反応する水酸基又はカルボキシル基等をアクリル系共重合体に導入することができる。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8が、粘着剤から形成される場合、第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、粘着剤の他に、さらに上述したエネルギー線硬化性樹脂を含有していてもよい。また、粘着剤としてアクリル系粘着剤を適用する場合、エネルギー線硬化性の成分として、アクリル系共重合体における単量体成分に由来する官能基と反応する官能基と、エネルギー線重合性の官能基の両方を一分子中に有する化合物を用いてもよい。当該化合物の官能基と、アクリル系共重合体における単量体成分に由来する官能基との反応により、アクリル系共重合体の側鎖がエネルギー線照射により硬化可能となる。粘着剤がアクリル系粘着剤以外の場合においても、アクリル系重合体以外の重合体成分として、同様に側鎖がエネルギー線重合性である成分を用いてもよい。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8に用いられる熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノキシ樹脂、アミン系化合物、及び酸無水物系化合物等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、イミダゾール系硬化触媒を使用した硬化に適すという観点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アミン系化合物及び酸無水物系化合物を使用することが好ましく、特に、優れた硬化性を示すという観点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、それらの混合物、又はエポキシ樹脂と、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アミン系化合物及び酸無水物系化合物からなる群から選択される少なくとも1種との混合物を使用することが好ましい。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8に用いられる湿気硬化性樹脂としては、特に限定されず、湿気でイソシアネート基が生成してくる樹脂であるウレタン樹脂、変性シリコーン樹脂等が挙げられる。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8に用いられる樹脂として、エネルギー線硬化性樹脂を用いる場合、光重合開始剤等を用いることが好ましい。また、第一樹脂層3及び第二樹脂層8に用いられる樹脂として、熱硬化性樹脂を用いる場合、熱重合開始剤等を用いることが好ましい。第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、光重合開始剤、熱重合開始剤等が用いられることで、第一樹脂層3及び第二樹脂層8に架橋構造が形成され、第一疑似シート構造体2及び第二疑似シート構造体7を、より強固に保護することが可能になる。
 光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4-ジエチルチオキサントン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、2-クロロアントラキノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニル-ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
 熱重合開始剤としては、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸塩(ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、及びペルオキソ二硫酸カリウム等)、アゾ系化合物(2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、及び2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等)、及び有機過酸化物(過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過コハク酸、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド、及びクメンヒドロパーオキサイド等)等が挙げられる。
 これらの重合開始剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
 これらの重合開始剤を用いて架橋構造を形成する場合、その使用量は、エネルギー線硬化性樹脂、及び熱硬化性樹脂の少なくともいずれかの硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、1質量部以上100質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上10質量部以下であることがさらに好ましい。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、硬化性でなく、例えば、熱可塑性樹脂組成物からなる層であってもよい。そして、熱可塑性樹脂組成物中に溶剤を含有させることで、熱可塑性樹脂層を軟化させることができる。これにより、例えば、第一樹脂層3に第一疑似シート構造体2を形成する際に、第一導電性線状体21の第一樹脂層3への貼り付けが容易となる。一方で、熱可塑性樹脂組成物中の溶剤を揮発させることで、熱可塑性樹脂層を乾燥させ、固化させることができる。
 熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエーテルサルホン、ポリイミド及びアクリル樹脂等が挙げられる。
 溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤、ハロゲン化アルキル系溶媒及び水等が挙げられる。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、無機充填材を含有していてもよい。無機充填材を含有することで、硬化後の第一樹脂層3及び第二樹脂層8の硬度をより向上させることができる。
 無機充填材としては、例えば、無機粉末(例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、及び窒化ホウ素等の粉末)、無機粉末を球形化したビーズ、単結晶繊維、及びガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、無機充填材としては、シリカフィラー及びアルミナフィラーが好ましい。無機充填材は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8には、その他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては、例えば、有機溶媒、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、及び濡れ性調整剤等の周知の添加剤が挙げられる。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、硬化性であるか、又は硬化性でなくてもよい。
第一導電性線状体21を第一樹脂層3に配置するとき、及び第二導電性線状体71を第二樹脂層8に配置するときには、配置のしやすさから、第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、タック性を有することが好ましい。この場合、第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、タック性は大きいほうが好ましい。一方、第二疑似シート構造体7から第一疑似シート構造体2に向かう方向に応力が負荷された状態から、当該応力が負荷されない状態に移行したときに、第二疑似シート構造体7と第一疑似シート構造体2とが再び非接触の状態となるように、第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、タック性が小さいほうが好ましい。この場合、第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、タック性を有さないことが好ましい。この観点で、第一樹脂層3及び第二樹脂層8は、硬化性であることが好ましく、エネルギー線硬化性樹脂を含む硬化性の接着剤層であることがより好ましい。
 ここで、タック性とは、物質の表面に生じるベタつき感を意味する。本実施形態では、タック性は、第一樹脂層3及び第二樹脂層8の表面に生じるベタつき感を意味する。
 このような構成とすれば、第一樹脂層3が第二疑似シート構造体7と接触したとき、第二疑似シート構造体7に接触した状態を保持しないようにすることができる。
 第一樹脂層3及び第二樹脂層8の厚さは、配線シート100の用途に応じて決定される。例えば、接着性の観点から、第一樹脂層3及び第二樹脂層8の厚さは、3μm以上150μm以下であることが好ましく、5μm以上100μm以下であることがより好ましい。
(電極)
 第一電極41及び第二電極42は、第一導電性線状体21に電流を供給するために用いられる。第一電極41と、第二電極42とは、対になっている。また、第一電極41は、第一導電性線状体21のうちの1本以上に電気的に接続している。第二電極42は、第一導電性線状体21のうちの第一電極41と電気的に接続していないものに電気的に接続している。なお、複数の配列された第一導電性線状体21は、第一電極41及び第二電極42と交互に、接触していることが好ましい。このような構成であれば、配線シート100の平面視において、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とが交差している点を、バラツキなく配置できる。
 第一電極41及び第二電極42は、公知の電極材料を用いて形成できる。電極材料としては、導電性ペースト(銀ペースト等)、金属箔(銅箔等)、及び金属ワイヤー等が挙げられる。電極材料が金属ワイヤーである場合、金属ワイヤーは、1本であってもよいが、2本以上であることが好ましい。
 電極材料が、金属箔又は金属ワイヤーである場合、金属箔又は金属ワイヤーの金属としては、銅、アルミニウム、タングステン、鉄、モリブデン、ニッケル、チタン、銀、金等の金属、又は、金属を2種以上含む合金(例えば、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼鉄、真鍮、りん青銅、ジルコニウム銅合金、ベリリウム銅、鉄ニッケル、ニクロム、ニッケルチタン、カンタル、ハステロイ、及びレニウムタングステン等)が挙げられる。また、金属箔又は金属ワイヤーは、金、錫、亜鉛、銀、ニッケル、クロム、ニッケルクロム合金、又は、はんだ等でめっきされたものであってもよい。
 第一電極41及び第二電極42のうち、一方の電極の幅は、配線シート100の平面視において、10mm以下であることが好ましく、3000μm以下であることがより好ましく、1500μm以下であることがさらに好ましい。なお、一方の電極が金属ワイヤーである場合には、電極の幅は、金属ワイヤーの直径であり、金属ワイヤーを2本以上用いた場合の一方の電極の幅とは、各金属ワイヤーの直径の和のことをいう。
 第一電極41及び第二電極42の厚さは、2μm以上200μm以下であることが好ましく、2μm以上170μm以下であることがより好ましく、10μm以上150μm以下であることがさらに好ましい。第一電極41及び第二電極42の厚さが、上記範囲内であれば、電気伝導率が高く低抵抗となり疑似シート構造体との抵抗値を低く抑えられる。また、電極として十分な強度が得られる。なお、電極が金属ワイヤーである場合には、電極の厚さは、金属ワイヤーの直径である。
(スペーサー部材)
 図1及び図4に示されるように、配線シート100は、スペーサー部材5を備えている。スペーサー部材5は、第一疑似シート構造体2、第一電極41及び第二電極42と、第二疑似シート構造体7の間を隔てるために用いられる。これに限定されず、本実施形態に係る配線シート100は、第二疑似シート構造体7が、第一疑似シート構造体2に対向するように離間して配置できるのであれば、スペーサー部材5を備えていてもよく、スペーサー部材5を備えていなくてもよい。スペーサー部材5は必要に応じて設けられる部材である。
 スペーサー部材5を設ける箇所は、配線シート100の平面視において、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とが交差している箇所以外の箇所であれば、特に限定されない。例えば、図1及び図4に示されるように、スペーサー部材5を配線シート100の隅の4箇所に設けてもよい。
 配線シート100は、スペーサー部材5を備えているため、第二疑似シート構造体7から第一疑似シート構造体2に向かう方向に応力が負荷されていない状態のときに、第一疑似シート構造体2と第二疑似シート構造体7とが接触していない状態を保持しやすくなる。このため、配線シート100は、スペーサー部材5を備えることにより、絶縁状態が保たれる。第二疑似シート構造体7から第一疑似シート構造体2に向かう方向に応力が負荷されたとき、例えば、第二疑似シート構造体7及び第一疑似シート構造体2が変形したり、スペーサー部材5が変形することで、第二疑似シート構造体7と第一疑似シート構造体2とが接触する。
 スペーサー部材5の材質は、絶縁性を有する材料であれば、特に限定されない。スペーサー部材5は、公知の絶縁材料を用いることができる。スペーサー部材5の形態は、例えば、シート状物、帯状物、及び線状物等が挙げられる。スペーサー部材5の材質は、例えば、熱可塑性樹脂を含む材質等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。スペーサー部材5が熱可塑性樹脂を含む場合、これら熱可塑性樹脂を含むフィルム、樹脂発泡体、布帛、及び不織布等が挙げられる。第二疑似シート構造体7から第一疑似シート構造体2に向かう方向に応力が負荷されたとき、第二疑似シート構造体7と第一疑似シート構造体2とが接触することができれば、スペーサー部材5の態様は、限定されない。
 スペーサー部材5の厚さは、第一疑似シート構造体2と、第二疑似シート構造体7との間を隔てることができれば、特に限定されない。スペーサー部材5の厚さは、例えば、5mm以下であってもよく、0.1mm以上3mm以下であってもよい。スペーサー部材5の絶縁性としては、スペーサー部材5の体積抵抗率が1012Ω・cm以上であってもよい。
(配線シートの製造方法)
 本実施形態に係る配線シート100の製造方法は、特に限定されない。配線シート100は、例えば、次の工程により、製造できる。
 まず、第一基材1の上に、第一樹脂層3の形成用組成物を塗布し、塗膜を形成する。次に、塗膜を乾燥させて、第一樹脂層3を作製する。次に、第一樹脂層3上に、第一導電性線状体21を配列しながら配置して、第一疑似シート構造体2を形成する。例えば、ドラム部材の外周面に第一基材1付きの第一樹脂層3を配置した状態で、ドラム部材を回転させながら、第一樹脂層3上に第一導電性線状体21を螺旋状に巻き付ける。その後、螺旋状に巻き付けた第一導電性線状体21の束をドラム部材の軸方向に沿って切断する。これにより、第一疑似シート構造体2を形成すると共に、第一樹脂層3に配置する。そして、第一疑似シート構造体2が形成された第一基材1付きの第一樹脂層3をドラム部材から取り出し、第一シート状導電部材が得られる。この方法によれば、例えば、ドラム部材を回転させながら、第一導電性線状体21の繰り出し部をドラム部材の軸と平行な方向に沿って移動させることで、第一疑似シート構造体2における隣り合う第一導電性線状体21の間隔L1を調整することが容易である。
 次に、第一電極41及び第二電極42を、シート状導電部材の第一疑似シート構造体2における第一導電性線状体21の両端部に、貼り合わせる。このとき、第一電極41は、第一導電性線状体21のうちの1本以上に電気的に接続させる。第二電極42は、第一導電性線状体21のうちの第一電極41と電気的に接続していないものに電気的に接続させる。そのために、第一導電性線状体21の一部を切断して、短くしてもよく、第一導電性線状体21の両端部の一方の上に、絶縁テープを貼ってもよい。
 次に、前述の第一シート状導電部材の作製方法と同様にして、第二基材6と、第二疑似シート構造体7と、第二樹脂層8とを備える第二シート状導電部材を作製する。そして、第二シート状導電部材の第二樹脂層8を硬化させる。
 次いで、第一電極41及び第二電極42が設けられた第一シート状導電部材の上に、スペーサー部材5を配置して、第一樹脂層3を硬化させる。さらに、この上に、第二疑似シート構造体7が第一疑似シート構造体2に対向するように離間して、第二樹脂層8が硬化した第二シート状導電部材を配置する。
 以上のようにして、配線シート100を作製できる。
(第一実施形態の作用効果)
 本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
(1)配線シート100は、手等が接触して、圧力がかかった部分を、選択的に通電させることができる。すなわち、感圧機能を有する配線シート100を提供できる。
[第二実施形態]
 次に、本発明の第二実施形態を図面に基づいて説明する。本発明は本実施形態の内容に限定されない。なお、図面においては、説明を容易にするために拡大又は縮小をして図示した部分がある。
 第二実施形態においては、配線シート100Aの平面視において、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とが交差している箇所の一部に、接点固定部9が設けられている点が、第一実施形態とは異なっている。
 以下の説明では、第一実施形態との相違に係る部分を主に説明し、重複する説明については省略又は簡略化する。第一実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
 本実施形態に係る配線シート100Aは、図5に示すように、第一基材1と、複数の第一導電性線状体21が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体2と、第一樹脂層3と、第一電極41と、第二電極42と、スペーサー部材5と、第二基材6と、複数の第二導電性線状体71が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体7と、第二樹脂層8と、を備える。
 そして、配線シート100Aには、配線シート100Aの平面視において、第一導電性線状体21のうちの第二電極42と電気的に接続している第一導電性線状体21と、第二導電性線状体71とが交差している箇所に、接点固定部9が設けられている。この接点固定部9により、第二電極42と電気的に接続している第一導電性線状体21と、第二導電性線状体71とが、電気的に接続することになる。なお、第一電極41と電気的に接続している第一導電性線状体21と、第二導電性線状体71とを、電気的に接続させてもよい。
 このような構造とすれば、次のようにして、圧力に対する感度を向上できる。すなわち、前述の第一実施形態に係る配線シート100では、配線シート100に応力が負荷されたときに、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とが電気的に接続する接続箇所ができる。この接続箇所が2箇所以上となったときに、接続箇所同士の間が通電できる。これに対し、配線シート100Aでは、予め接点固定部9により接続された接続箇所が存在する。そのため、この接続箇所に隣接する別の接続箇所が1箇所でも生ずれば、通電させることができる。よって、配線シート100よりも圧力に対する感度を向上できる。
 接点固定部9は、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71との電気的な接続を安定的に確保できるものである。
 接点固定部9としては、金属、接着剤、及びカシメからなる群から選択される少なくとも1つが挙げられる。
 金属としては、はんだ等が挙げられる。はんだを使用する場合には、はんだ付けにより、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とを接合できる。はんだ合金としては、公知のはんだ合金を用いることができ、例えば、スズ、銀、及び銅を含有する鉛フリーはんだを用いることができる。
 接着剤としては、前述の第一樹脂層3で用いた接着剤を使用できる。また、接着剤は、導電性接着剤であってもよい。さらに、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71とを強固に固定できるという観点から、接着剤は、硬化性の接着剤であることが好ましい。なお、硬化性の接着剤としては、熱により硬化する熱硬化性の接着剤、及びエネルギー線硬化性の接着剤等が挙げられる。エネルギー線としては、紫外線、可視エネルギー線、赤外線、及び電子線等が挙げられる。なお、「エネルギー線硬化」には、エネルギー線を用いた加熱による熱硬化も含まれる。
 カシメとしては、第一導電性線状体21と第二導電性線状体71の接点でカシメることで、接点固定部9を設けることができる。
 接点固定部9は、第一基材1、第一樹脂層3、第二基材6及び第二樹脂層8の少なくとも1つを構成する樹脂を溶融させ、固化させることで形成できる。より具体的には、接点固定部9を、熱プレス法、高周波ウェルダー融着法、熱風融着法、熱板融着法、及び超音波ウェルダー融着法からなる群から選択される少なくとも1つの方法により形成できる。これらの方法の中でも、短時間で溶融できる点から、超音波ウェルダー融着法が好ましい。
(第二実施形態の作用効果)
 本実施形態によれば、前記第一実施形態における作用効果(1)に加え、下記作用効果(2)を奏することができる。
(2)配線シート100Aでは、予め接点固定部9により接続された接続箇所が存在する。そのため、この接続箇所に隣接する別の接続箇所が1箇所でも生ずれば、通電させることができる。よって、配線シート100よりも圧力に対する感度を向上できる。
[第三実施形態]
 次に、本発明の第三実施形態を図面に基づいて説明する。本発明は本実施形態の内容に限定されない。なお、図面においては、説明を容易にするために拡大又は縮小をして図示した部分がある。
 第三実施形態においては、第一電極41及び第二電極42を設ける方法が、第一実施形態とは異なっている。
 以下の説明では、第一実施形態との相違に係る部分を主に説明し、重複する説明については省略又は簡略化する。第一実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
 本実施形態においては、図6に示すように、第一導電性線状体21の両端部の一方に、絶縁部材10が設けられている。第一導電性線状体21のうち、左側から2本目及び4本目には、第一導電性線状体21と第一電極41との間に、絶縁部材10が設けられているため、第一導電性線状体21と第一電極41とは、電気的に接続していない。一方、第一導電性線状体21のうち、左側から1本目、3本目及び5本目には、第一導電性線状体21と第二電極42との間に、絶縁部材10が設けられているため、第一導電性線状体21と第二電極42とは、電気的に接続していない。
 このように、第一電極41は、第一導電性線状体21のうちの左側から1本目、3本目及び5本目に、電気的に接続している。第二電極42は、第一導電性線状体21のうちの第一電極41と電気的に接続していない左側から2本目及び4本目に、電気的に接続している。
 このような構造であれば、前述の第一実施形態に係る配線シート100のように、第一導電性線状体21の一部を短くしなくても、第一電極41を第一導電性線状体21のうちの一部に電気的に接続でき、かつ、第二電極42を第一導電性線状体21のうちの第一電極41と電気的に接続していないものに電気的に接続できる。
 絶縁部材10としては、公知の絶縁テープ等を適宜用いることができ、例えば、ポリイミドテープを使用できる。
(第三実施形態の作用効果)
 本実施形態によれば、前記第一実施形態における作用効果(1)に加え、下記作用効果(3)を奏することができる。
(3)第一導電性線状体21の一部を短くしなくても、第一電極41を第一導電性線状体21のうちの一部に電気的に接続でき、かつ、第二電極42を第一導電性線状体21のうちの第一電極41と電気的に接続していないものに電気的に接続できる。
[実施形態の変形]
 本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
 例えば、前述の実施形態では、配線シート100は、第一基材1及び第二基材6を備えているが、これに限定されない。例えば、配線シート100は、第一基材1及び第二基材6を備えていなくてもよい。このような場合には、第一樹脂層3又は第二樹脂層8により、配線シート100を被着体に貼り付けて使用できる。
 以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を限定するものではない。
[調製例1]
 アクリル系ブロック共重合体(クラレ社製、商品名「LA2250」)を固形分濃度が55%となるようにメチルエチルケトンに溶解した(溶液1)。この溶液1の100質量部に対し、アクリル系2官能硬化性樹脂(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)を27.5質量部、光重合開始剤(IGM Resins B.V.社製、商品名「Omnirad 184」)を固形分濃度が30%となるように、メチルエチルケトンに溶解した(溶液2)。この溶液2を3質量部量り取り、希釈溶剤として、メチルエチルケトンを配合して、接着剤を得た。
[実施例1](第一シート状導電部材の作製)
 剥離フィルム(リンテック社製、商品名「SP-PET381130」)上に、調製例1で得られた接着剤を塗布・乾燥し、乾燥後の厚みが20μmの第一樹脂層を形成した。形成された第一樹脂層に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製,製品名「ルミラーT60」、剥離剤層なし、厚さ:50μm)を貼付して、接着シートを得た。
 第一導電性線状体として、金めっき銅線(直径100μm、メーカー名:株式会社トクサイ製、製品名:C1100-H AuP)を準備した。次に、接着シートの剥離フィルム(リンテック社製、商品名「SP-PET381130」)を剥がし、第一樹脂層の表面を外側に向け、外周面がゴム製のドラム部材にしわのないように接着シートを巻きつけた。円周方向における接着シートの両端部を両面テープで固定した。ドラム部材を回転させながら、第一樹脂層上に第一導電性線状体を螺旋状に巻き付けた。第一導電性線状体は、等間隔に5本設けられ、間隔は20mmであった。その後、螺旋状に巻き付けた第一導電性線状体の束をドラム部材の軸方向に沿って切断した。これにより、第一疑似シート構造体を形成すると共に、第一樹脂層に配置した。そして、第一疑似シート構造体が形成された接着シートをドラム部材から取り出し、第一シート状導電部材を得た。なお、第一シート状導電部材は、110mm×110mmの寸法である正方形に裁断した。
 次に、第一電極及び第二電極として、金めっき銅リボン(厚み80μm、幅2mm、金めっき厚み:100nm)を電極間の距離が100mmとなるように、接着剤層の表面に付着させた。このとき、第一導電性線状体のうち、上側から2本目及び4本目には、第一導電性線状体と第一電極との間に、絶縁部材としてのポリイミドテープを貼付した。また、第一導電性線状体のうち、上側から1本目、3本目及び5本目には、第一導電性線状体と第二電極42との間に、絶縁部材としてのポリイミドテープを貼付した。
 次いで、金めっき銅リボン上に、スペーサー部材として幅5mmにカットした不織布(倉敷繊維加工社製、商品名「TS60E」)を貼付した。その後、SP-PET381130を第一樹脂層に貼り合わせ、片面ずつ、それぞれUV照射[照度:180mW/cm、積算光量:500mJ/cm、アイグラフィックス社製照度光量計(制御部EYE UV METER UVPF-A2、受光部 EYE UV METER PD-365A2)を用いて測定]を行い(両面からの積算光量:1000mJ/cm)、第一樹脂層を硬化させた。
(第二シート状導電部材の作製)
 剥離フィルム(リンテック社製、商品名「SP-PET381130」)上に、調製例1で得られた接着剤を塗布・乾燥し、乾燥後の厚みが20μmの第二樹脂層を形成した。形成された第一樹脂層に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製,製品名「ルミラーT60」、剥離剤層なし、厚さ:50μm)を貼付して、接着シートを得た。
 第二導電性線状体として、金めっきタングステンワイヤー(直径25μm、メーカー名:株式会社トクサイ、製品名:Au(0.1)-TWG)を準備した。次に、接着シートの剥離フィルム(リンテック社製、商品名「SP-PET381130」)を剥がし、第二樹脂層の表面を外側に向け、外周面がゴム製のドラム部材にしわのないように接着シートを巻きつけた。円周方向における接着シートの両端部を両面テープで固定した。ドラム部材を回転させながら、第二樹脂層上に第二導電性線状体を螺旋状に巻き付けた。第二導電性線状体は、等間隔に5本設けられ、間隔は20mmであった。その後、螺旋状に巻き付けた第二導電性線状体の束をドラム部材の軸方向に沿って切断した。これにより、第二疑似シート構造体を形成すると共に、第二樹脂層に配置した。そして、第二疑似シート構造体が形成された接着シートをドラム部材から取り出し、第二シート状導電部材を得た。なお、第二シート状導電部材は、110mm×110mmの寸法である正方形に裁断した。
 その後、SP-PET381130を第二樹脂層に貼り合わせ、片面ずつ、それぞれUV照射[照度:180mW/cm、積算光量:500mJ/cm、アイグラフィックス社製照度光量計(制御部EYE UV METER UVPF-A2、受光部 EYE UV METER PD-365A2)を用いて測定]を行い(両面からの積算光量:1000mJ/cm)、第二樹脂層を硬化させた。
(配線シートの作製)
 第一電極及び第二電極が設けられた第一シート状導電部材の第一電極及び第二電極の外側に5mm幅の両面テープ(3M社製、商品名「PCA-05」)を貼付し、第一導電性線状体と第二導電性線状体とが直交するようにして、第二シート状導電部材を貼り合わせた。さらに、第一疑似シート構造体の上側から2本目と4本目の第一導電性線状体と、第二疑似シート構造体の第二導電性線状体との交点部分を、超音波ウェルダー装置を用いて、次の条件(溶着部:8×8mm、発振周波数:39kHz、圧力:0.5MPa、印加時間:2.0秒)で接点固定部を形成して、配線シートを得た。
[実施例2]
 接点固定部を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、配線シートを得た。
[抵抗値評価]
 配線シートにおける第一導電性線状体と第二導電性線状体との交点部分に、底面が直径1cm、50gのおもりを、1つ又は2つ載せた。その際の抵抗値を、取り出し電極(第一電極及び第二電極)にデジタルマルチメーター(三和電気計器社製、商品名「PC700」)を接続して測定した。そして、おもりを載せる交点部分を変更しながら、同様に抵抗値を測定した。なお、実施例1の配線シートには、おもりを1つ載せ、実施例2の配線シートには、おもりを2つ載せた。得られた結果を表1に示す。
[発熱性評価]
 配線シートに直流電源を用いて、0.5Vの電圧を印加した。その後、配線シートにおける第一導電性線状体と第二導電性線状体との交点部分に、底面が直径1cm、50gのおもりを、1つ又は2つ載せた。その際の発熱した部分の温度を測定した。そして、おもりを載せる交点部分を変更しながら、同様に温度を測定した。なお、実施例1の配線シートには、おもりを1つ載せ、実施例2の配線シートには、おもりを2つ載せた。得られた結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示す結果から、実施例1及び2で得られた配線シートによれば、平面内のいずれも箇所に応力がかかった場合でも、応力がかかった箇所を加熱できることが分かった。また、加熱時の温度は、平面内のいずれでも、ほぼ均一であることが分かった。
 1…第一基材、2…第一疑似シート構造体、21…第一導電性線状体、3…第一樹脂層、41…第一電極、42…第二電極、5…スペーサー部材、6…第二基材、7…第二疑似シート構造体、71…第二導電性線状体、8…第二樹脂層、9…接点固定部、10…絶縁部材、100,100A…配線シート。

Claims (9)

  1.  複数の第一導電性線状体が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体と、
     前記第一導電性線状体のうちの1本以上に電気的に接続する第一電極と、
     前記第一電極と対となり、前記第一導電性線状体のうちの前記第一電極と電気的に接続していないものに電気的に接続する第二電極と、
     複数の第二導電性線状体が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体と、を備える配線シートであって、
     前記配線シートの平面視において、前記第一導電性線状体と前記第二導電性線状体とは、交差しており、
     前記第二疑似シート構造体は、前記第一疑似シート構造体に対向するように離間して配置され、前記第一電極及び前記第二電極と電気的に接続していない、
     配線シート。
  2.  請求項1に記載の配線シートにおいて、
     前記第二疑似シート構造体は、
     前記第二疑似シート構造体から前記第一疑似シート構造体に向かう方向に応力が負荷されない状態のとき、前記第一疑似シート構造体と接触しておらず、
     前記第二疑似シート構造体から前記第一疑似シート構造体に向かう方向に応力が負荷された状態のとき、前記第一疑似シート構造体と接触する、
     配線シート。
  3.  請求項1又は請求項2に記載の配線シートにおいて、
     前記第一導電性線状体の体積抵抗率と、前記第二導電性線状体の体積抵抗率とが異なる、
     配線シート。
  4.  請求項1又は請求項2に記載の配線シートにおいて、
     前記第一導電性線状体の体積抵抗率は、前記第二導電性線状体の体積抵抗率よりも小さい、
     配線シート。
  5.  請求項1又は請求項2に記載の配線シートにおいて、
     前記第一疑似シート構造体と前記第二疑似シート構造体とが電気的に接続したとき、接触間における前記第一導電性線状体同士の抵抗値がそれぞれ等しく、かつ、接触間における前記第二導電性線状体同士の抵抗値がそれぞれ等しい、
     配線シート。
  6.  請求項1又は請求項2に記載の配線シートにおいて、
     前記第一疑似シート構造体を支持する樹脂層をさらに備え、
     前記樹脂層は、
     前記樹脂層が前記第二疑似シート構造体と接触したとき、前記第二疑似シート構造体に接触した状態を保持しない、
     配線シート。
  7.  請求項1又は請求項2に記載の配線シートにおいて、
     前記第一電極が前記第二導電性線状体と電気的に接続しているか、或いは、前記第二電極が前記第二導電性線状体と電気的に接続している、
     配線シート。
  8.  請求項1又は請求項2に記載の配線シートにおいて、
     前記配線シートは、
     前記第一疑似シート構造体と、前記第二疑似シート構造体との間を隔てるスペーサー部材を備える、
     配線シート。
  9.  請求項1又は請求項2に記載の配線シートにおいて、
     前記第一導電性線状体及び前記第二導電性線状体は、金めっきが施された線状体である、
     配線シート。
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