JP2023059085A - 面状発熱体 - Google Patents

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Takashi Morioka
雅春 伊藤
Masaharu Ito
郷 大西
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Abstract

【課題】指などが触れた場合であっても、触れた部分が不快に感じられないように、触れた部分の温度が低くなる面状発熱体を提供すること。【解決手段】複数の第一導電性線状体が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体11と、前記第一導電性線状体13に電気的に接続する一対の電極50と、前記第一疑似シート構造体11に対向するように離間して配置され、前記第一疑似シート構造体11及び前記一対の電極50と電気的に接続していないシート状導電部材(第二シート状導電部材30)と、を備える、面状発熱体100。【選択図】図1

Description

本発明は、面状発熱体に関する。
従来、発熱装置として、発熱部を備えた輻射ヒータが提案されている。
特許文献1には、輻射面材と、ヒータ素子を有する輻射ヒータが記載されている。特許文献1に記載される輻射ヒータは、輻射面材とヒータ素子が一体化しており、輻射面材が、耐炎化繊維または炭素繊維の布体からなる。
特許文献2には、車両に搭載され、発熱して輻射熱を放射する輻射ヒータが記載されている。特許文献2に記載される輻射ヒータは、車両のステアリングホイール側の表面を有する放射部を備え、表面から放射部の外部に輻射熱が放射され、放射部が、表面に対する法線方向にステアリングホイールが位置するように、ステアリングホイールから離されて配置された構成とされている。
特開2020-177778号公報 特開2017-149198号公報
従来、発熱部を備えた発熱装置は、発熱している部分の温度が高くなり、発熱している部分に指などが触れると、熱いと感じる場合があった。
本発明の目的は、指などが触れた場合であっても、触れた部分が不快に感じられないように、触れた部分の温度が低くなる面状発熱体を提供することである。
本発明の一態様によれば、複数の第一導電性線状体が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体と、前記第一導電性線状体に電気的に接続する一対の電極と、前記第一疑似シート構造体に対向するように離間して配置され、前記第一疑似シート構造体及び前記一対の電極と電気的に接続していないシート状導電部材と、を備える面状発熱体が提供される。
本発明の一態様に係る面状発熱体において、前記シート状導電部材は、複数の第二導電性線状体が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体を備えることが好ましい。
本発明の一態様に係る面状発熱体において、前記シート状導電部材は、前記シート状導電部材から前記第一疑似シート構造体に向かう方向に応力が負荷されない状態のとき、前記第一疑似シート構造体と接触しておらず、前記シート状導電部材から前記第一疑似シート構造体に向かう方向に応力が負荷された状態のとき、前記第一疑似シート構造体と接触することが好ましい。
本発明の一態様に係る面状発熱体において、前記面状発熱体は、前記第一疑似シート構造体と、前記シート状導電部材との間を隔てるスペーサー部材を備えることが好ましい。
本発明の一態様に係る面状発熱体において、前記第一疑似シート構造体を支持する樹脂層をさらに備え、前記樹脂層は、前記樹脂層が前記シート状導電部材と接触したとき、前記シート状導電部材に接触した状態を保持しないことが好ましい。
本発明の一態様に係る面状発熱体において、前記面状発熱体の平面視において、前記第一導電性線状体は、波形状を成していることが好ましい。
本発明の一態様に係る面状発熱体において、前記面状発熱体の平面視において、前記第二導電性線状体は、前記第一導電性線状体の少なくとも一部と重なっていることが好ましい。
本発明の一態様に係る面状発熱体において、前記面状発熱体の平面視において、前記第一導電性線状体及び前記第二導電性線状体は、いずれも波形状を成していることが好ましい。
本発明の一態様に係る面状発熱体において、前記第一導電性線状体は、金めっきが施された線状体であることが好ましい。
本発明によれば、指などが触れた場合であっても、触れた部分が不快に感じられないように、触れた部分の温度が低くなる面状発熱体が提供できる。
本発明の第一実施形態に係る面状発熱体を示す概略分解斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る面状発熱体を示す概略平面図である。 図2のIII-III断面を示す断面図である。 本発明の第一実施形態に係る面状発熱体の製造方法を説明するための図である。 本発明の第二実施形態に係る面状発熱体を示す概略斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る面状発熱体を示す概略平面図である。 図5及び図6のVII-VII断面を示す断面図である。 本発明の第二実施形態に係る面状発熱体の製造方法を説明するための図である。 本発明の第三実施形態に係る面状発熱体を示す概略斜視図である。 本発明の一態様に係る面状発熱体を備える輻射ヒータの一例を表す概略図である。
[第一実施形態]
以下、本発明について実施形態を例に挙げて、図面に基づいて説明する。本発明は実施形態の内容に限定されない。なお、図面においては、説明を容易にするために拡大又は縮小をして図示した部分がある。
(面状発熱体)
本実施形態に係る面状発熱体100は、図1、図2、及び図3に示すように、複数の第一導電性線状体13が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体11と、第一導電性線状体13に電気的に接続する一対の電極50とを備える。また、面状発熱体100は、第一疑似シート構造体11に対向するように離間して配置され、第一疑似シート構造体11及び一対の電極50と電気的に接続していないシート状導電部材を備えている。面状発熱体100は、第一疑似シート構造体11及び一対の電極50と電気的に接続していないシート状導電部材として、第二シート状導電部材30を備える。
本実施形態に係る面状発熱体100において、第二シート状導電部材30は、複数の第二導電性線状体33が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体31を備えている。そして、面状発熱体100は、第一疑似シート構造体11と、第二疑似シート構造体31との間を隔てるスペーサー部材70を備えている。
具体的には、面状発熱体100は、第一疑似シート構造体11を支持する第一樹脂層15上に、第一疑似シート構造体11が積層されているシート状導電部材としての第一シート状導電部材10と、第二疑似シート構造体31を支持する第二樹脂層35上に、第二疑似シート構造体31が積層されている第二シート状導電部材30と、一対の電極50と、スペーサー部材70とを備えている。面状発熱体100は、一対の電極50とスペーサー部材70とが、第一シート状導電部材10と第二シート状導電部材30との間に挟まれて配置されている。この構造により、第一シート状導電部材10と第二シート状導電部材30との間には、空間部が形成されている。面状発熱体100は、第一樹脂層15、第一疑似シート構造体11、一対の電極50、スペーサー部材70、第二疑似シート構造体31、及び第二樹脂層35が、この順で積層されている。
第一実施形態に係る面状発熱体100において、複数の第二導電性線状体33が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体31を備える第二シート状導電部材30は、疑似シート構造体(第一疑似シート構造体11)に対向するように離間して配置されるシート状導電部材の一例である。
図2に示すように、面状発熱体100の平面視において、第一導電性線状体13は、波形状を成している。また、面状発熱体100の平面視において、第二導電性線状体33も波形状を成している。つまり、面状発熱体100の平面視において、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33は、いずれも波形状を成している。
また、図2に示すように、面状発熱体100の平面視において、第二導電性線状体33は、第一導電性線状体13が一対の電極50に向かって延びる方向(第一導電性線状体13の軸方向)に対して、ほぼ平行方向に、第一導電性線状体13の一部と重なっている。第一導電性線状体13と第二導電性線状体33とは、波形状の位相がずれるように重なっている。また、第二導電性線状体33、及び第一導電性線状体13の一部が重なっている部分に隣り合って、スペーサー部材70が設けられている。そして、スペーサー部材70は、第二導電性線状体33、及び第一導電性線状体13の軸方向に沿って、一対の電極50の一方の電極から、他方の電極にわたって設けられている。本実施形態において、スペーサー部材70は、いわゆる弾性体であり、スペーサー部材70に対して、応力を受けると変形し、応力が除かれると元の形状に戻る性質を有する。
面状発熱体100は、第二シート状導電部材30が有する第二疑似シート構造体31と、第一シート状導電部材10が有する第一疑似シート構造体11とは、離間して配置されている。面状発熱体100において、第二シート状導電部材30から第一疑似シート構造体11に向かう方向に応力が負荷されない状態のとき、第二疑似シート構造体31は、第一疑似シート構造体11と接触しない。一方、第二シート状導電部材30から第一疑似シート構造体11に向かう方向に応力が負荷された状態のとき、第二疑似シート構造体31は、第一疑似シート構造体11と接触する。そして、第二シート状導電部材30から第一疑似シート構造体11に向かう方向に応力が再び負荷されなくなると、第二シート状導電部材30は、第一疑似シート構造体11から離れて、再び、第一疑似シート構造体11と接触しない状態となる。
本実施形態に係る面状発熱体100は、上記構成を備えることで、指などが触れた場合であっても、触れた部分が不快に感じられないように、触れた部分の温度が低くなる。第二シート状導電部材30に指などが触れることで、触れた部分の温度が低くなる理由は、次のような作用機序によるためである。
第一導電性線状体13が、一対の電極50と電気的に接続して配置されていることにより、第一導電性線状体13に通電されると、第一疑似シート構造体11が発熱する。第二シート状導電部材30から第一疑似シート構造体11に向かう方向に応力が負荷された状態のとき、応力が負荷された部分における第二シート状導電部材30は、発熱している状態の第一疑似シート構造体11と接触する。つまり、第二シート状導電部材30から第一疑似シート構造体11に向かう方向に応力が負荷された面状発熱体100の任意の一部において、第二シート状導電部材30の一部と、発熱している状態の第一導電性線状体13の軸方向との一部とが接触する。具体的には、第一導電性線状体13の軸方向の一部と、第二シート状導電部材30が備える第二導電性線状体33の軸方向との一部とが接触する。すなわち、面状発熱体100は、前述の応力が負荷された状態において、第一導電性線状体13と、第二導電性線状体33とが互いに接触する接触部と、第一導電性線状体13と、第二導電性線状体33とが互いに接触しない非接触部とを備えている。
第一導電性線状体13と、第二導電性線状体33とが互いに接触した接触部は、接触部の断面視において、見かけ上、断面積が増大した状態となる。このため、第一導電性線状体13は、接触部における抵抗が低下する。つまり、第一導電性線状体13は、第一導電性線状体13の軸方向における接触部の長さ部分の抵抗が低下する。
一方、第一導電性線状体13と、第二導電性線状体33とが互いに接触しない非接触部において、第一導電性線状体13は、抵抗が低下することなく、元の抵抗のままである。例えば、前述の接触部、及び非接触部は、第一導電性線状体13の軸方向に沿って、非接触部、接触部、及び非接触部が、この順で構成されている。当該非接触部は、相対的に高抵抗であり、当該接触部は、相対的に低抵抗である。
第一導電性線状体13の挙動としてみると、第一導電性線状体13は、電気回路として、抵抗器の直列回路をなす。このとき、1本の直列回路の中では電流が一定である。そして、第一導電性線状体13は、発生するジュール熱としては、高抵抗の非接触部が高発熱量となり、低抵抗の接触部が低発熱量となる。そして、応力が負荷された部分に対応する接触部が低温となり、応力が負荷されていない部分に対応する非接触部が高温となることにより、温度分布が形成される。
以上により、第二シート状導電部材30と第一疑似シート構造体11とが接触していない部分は、発熱した状態の元の温度のままであり、第二シート状導電部材30と第一疑似シート構造体11とが接触した部分の温度が低くなる。
面状発熱体100は、第一疑似シート構造体11全体の抵抗値と、第二疑似シート構造体31全体の抵抗値との関係は、同じであるか、又は、異なっていてもよい。第一疑似シート構造体11全体の抵抗値と、第二疑似シート構造体31全体の抵抗値とが異なる場合、第二疑似シート構造体31全体の抵抗値は、第一疑似シート構造体11全体の抵抗値よりも高くてもよく、第二疑似シート構造体31全体の抵抗値は、第一疑似シート構造体11全体の抵抗値よりも低くてもよい。第二シート状導電部材30と第一疑似シート構造体11とが触れた部分の温度が低くなりやすくなる観点で、第二疑似シート構造体31全体の抵抗値は、第一疑似シート構造体11全体の抵抗値よりも低いほうが好ましい。
(疑似シート構造体)
第一疑似シート構造体11は、複数の第一導電性線状体13が、互いに間隔をもって配列された構造とされている。また、第一疑似シート構造体11は、第一導電性線状体13の軸方向と交差する方向に、複数配列された構造とされている。
第二疑似シート構造体31も同様に、複数の第二導電性線状体33が、互いに間隔をもって配列された構造とされている。また、第二疑似シート構造体31は、第二導電性線状体33が、第二導電性線状体33の軸方向と交差する方向に、複数配列された構造とされている。
第一導電性線状体13、及び第二導電性線状体33は、図2に示すとおり、平面視において、第一導電性線状体13、及び第二導電性線状体33は、波形状である。第二シート状導電部材30から第一疑似シート構造体11に向かう方向に応力が負荷された状態のとき、第一導電性線状体13と、第二導電性線状体33とが接触しやすくなる観点で、第一導電性線状体13、及び第二導電性線状体33の少なくともいずれかは、波形状であることが好ましく、第一導電性線状体13、及び第二導電性線状体33のいずれも波形状であることがより好ましい。波形状は、図2に示す波形状に限らず、例えば、正弦波、円形波、矩形波、三角波、及びのこぎり波等の波形状であってもよい。
なお、第一導電性線状体13、及び第二導電性線状体33が波形状であると、第一導電性線状体13、及び第二導電性線状体33の軸方向に、面状発熱体100を伸張したときに、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の断線を抑制できるという利点も得られる。
第一導電性線状体13の体積抵抗率と、第二導電性線状体33の体積抵抗率との関係は、同じであるか、又は、異なっていてもよい。第一導電性線状体13の体積抵抗率と、第二導電性線状体33の体積抵抗率とは、異なることが好ましい。このような構成であれば、第一導電性線状体13と第二導電性線状体33とが接触したときに、第一導電性線状体13の発熱の度合いを変えることができる。また、第一導電性線状体13の体積抵抗率は、第二導電性線状体33の体積抵抗率よりも大きいことが好ましい。このような構成であれば、第二シート状導電部材30と第一疑似シート構造体11とが触れた部分の温度が低くなりやすくなる。
第一導電性線状体13の体積抵抗率は、1.0×10-9Ω・m以上1.0×10-3Ω・m以下であることが好ましく、1.0×10-8Ω・m以上1.0×10-4Ω・m以下であることがより好ましい。第一導電性線状体13の体積抵抗率を上記範囲にすると、第二疑似シート構造体31の面抵抗が低下しやすくなる。
第二導電性線状体33の体積抵抗率は、1.0×10-9Ω・m以上1.0×10-3Ω・m以下であることが好ましく、1.0×10-8Ω・m以上1.0×10-4Ω・m以下であることがより好ましい。第二導電性線状体33の体積抵抗率を上記範囲にすると、第一導電性線状体13と第二導電性線状体33とが接触したときに、第一導電性線状体13での発熱を小さくできる。したがって、第二シート状導電部材30と第一疑似シート構造体11とが触れた部分の温度が低くなりやすくなる。
第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の体積抵抗率の測定は、次のとおりである。第一導電性線状体13又は第二導電性線状体33の一方の端部及び端部からの長さ40mmの部分に銀ペーストを塗布し、端部及び端部から長さ40mmの部分の抵抗を測定し、第一導電性線状体13又は第二導電性線状体33の抵抗値を求める。そして、第一導電性線状体13又は第二導電性線状体33の断面積(単位:m)を上記の抵抗値に乗じ、得られた値を上記の測定した長さ(0.04m)で除して、第一導電性線状体13又は第二導電性線状体33の体積抵抗率を算出する。
第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の断面の形状は、特に限定されず、多角形状、扁平形状、楕円形状、又は円形状等を取り得る。第一樹脂層15及び第二樹脂層35との馴染み等の観点から、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の断面の形状は、楕円形状、又は円形状であることが好ましい。
第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の断面が円形状である場合には、第一導電性線状体13の太さ(直径)D及び第二導電性線状体33の太さ(直径)D(図3参照)は、それぞれ、5μm以上3mm以下であることが好ましい。シート抵抗の上昇抑制と、面状発熱体100の発熱効率及び耐絶縁破壊特性の向上との観点から、第一導電性線状体13の直径D及び第二導電性線状体33の直径Dは、8μm以上1mm以下であることがより好ましく、12μm以上100μm以下であることがさらに好ましい。
第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の断面が楕円形状である場合には、長径が上記の直径D、及び直径Dと同様の範囲にあることが好ましい。
第一導電性線状体13の直径D及び第二導電性線状体33の直径Dは、デジタル顕微鏡を用いて、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33を観察し、無作為に選んだ5箇所で、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の直径を測定し、その平均値とする。
面状発熱体100の平面視において、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33が互いに重なっている部分における第一導電性線状体13と第二導電性線状体33との最大間隔L12は(図3参照)、1mm以上40mm以下であることが好ましく、2mm以上20mm以下であることがより好ましく、3mm以上10mm以下であることがさらに好ましい。また、平面視において、第一疑似シート構造体11における、隣り合う第一導電性線状体13の間隔L11は、20mm以下であることが好ましく、0.5mm以上15mm以下であることがより好ましく、1mm以上10mm以下であることがさらに好ましい。第二疑似シート構造体31における、隣り合う第二導電性線状体33の間隔L22は、20mm以下であることが好ましく、0.5mm以上15mm以下であることがより好ましく、1mm以上10mm以下であることがさらに好ましい。
最大間隔L12、間隔L11、及び間隔L22が、それぞれ上記範囲であれば、導電性線状体がある程度密集しているため、疑似シート構造体の抵抗を低く維持し、面状発熱体100を発熱体として用いる場合の温度上昇の分布を均一にする等、面状発熱体100の機能の向上を図ることができる。
上記の最大間隔L12、間隔L11、及び間隔L22は、目視又はデジタル顕微鏡を用いて、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33を観察する。そして、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33が互いに重なっている部分における第一導電性線状体13と第二導電性線状体33との最大間隔、隣り合う第一導電性線状体13の間隔、及び隣り合う第二導電性線状体33の間隔について、それぞれ測定する。
なお、隣り合う第一導電性線状体13、及び隣り合う第二導電性線状体33の間隔とは、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33を配列させていった方向に沿った長さであって、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の対向する部分間の長さである(図3参照)。間隔L11、及び間隔L22は、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の配列が不等間隔である場合には、全ての隣り合う第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の間隔の平均値である。
第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の態様は、特に制限はないが、金属ワイヤーを含む線状体(以下「金属ワイヤー線状体」とも称する)であることがよい。金属ワイヤーは高い熱伝導性、高い電気伝導性、高いハンドリング性、及び汎用性を有する。金属ワイヤー線状体は抵抗を大きく低下させることが可能であり、金属ワイヤー線状体の直径を極めて小さくしても、面状発熱体100の発熱に必要な電流で通電できる。これにより、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33が視認されにくい状態にできる。すなわち、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33として金属ワイヤー線状体を適用すると、第一疑似シート構造体11及び第二疑似シート構造体31の抵抗値を低減しつつ、光線透過性が向上しやすくなる。また、面状発熱体100は、速やかな発熱が実現されやすくなる。さらに、上述したように直径が細い線状体を得られやすい。
なお、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33としては、金属ワイヤー線状体の他に、カーボンナノチューブを含む線状体、及び、糸に導電性被覆が施された線状体が挙げられる。
金属ワイヤー線状体は、1本の金属ワイヤーからなる線状体であってもよいし、複数本の金属ワイヤーを撚った線状体であってもよい。
金属ワイヤーとしては、銅、アルミニウム、タングステン、鉄、モリブデン、ニッケル、チタン、銀、金等の金属、又は、金属を2種以上含む合金(例えば、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼鉄、真鍮、りん青銅、ジルコニウム銅合金、ベリリウム銅、鉄ニッケル、ニクロム、ニッケルチタン、カンタル、ハステロイ、及びレニウムタングステン等)を含むワイヤーが挙げられる。また、金属ワイヤーは、錫、亜鉛、銀、ニッケル、クロム、ニッケルクロム合金、又は、はんだ等でめっきされたものであってもよく、後述する炭素材料、ポリマー等により表面が被覆されたものであってもよい。特に、タングステン及びモリブデン、並びにこれらを含む合金から選ばれる一種以上の金属を含むワイヤーが、低い体積抵抗率の観点から好ましい。
金属ワイヤーとしては、炭素材料で被覆された金属ワイヤーも挙げられる。金属ワイヤーは、炭素材料で被覆されていると、金属光沢が低減し、金属ワイヤーの存在を目立たなくすることが容易となる。また、金属ワイヤーは、炭素材料で被覆されていると金属腐食も抑制される。
金属ワイヤーを被覆する炭素材料としては、非晶質炭素(例えば、カーボンブラック、活性炭、ハードカーボン、ソフトカーボン、メソポーラスカーボン、及びカーボンファイバー等)、グラファイト、フラーレン、グラフェン及びカーボンナノチューブ等が挙げられる。
カーボンナノチューブを含む線状体は、例えば、カーボンナノチューブフォレスト(カーボンナノチューブを、基板に対して垂直方向に配向するよう、基板上に複数成長させた成長体のことであり、「アレイ」と称される場合もある)の端部から、カーボンナノチューブをシート状に引き出し、引き出したカーボンナノチューブシートを束ねた後、カーボンナノチューブの束を撚ることにより得られる。このような製造方法において、撚りの際に捻りを加えない場合には、リボン状のカーボンナノチューブ線状体が得られ、捻りを加えた場合には、糸状の線状体が得られる。リボン状のカーボンナノチューブ線状体は、カーボンナノチューブが捻られた構造を有しない線状体である。このほか、カーボンナノチューブの分散液から、紡糸をすること等によっても、カーボンナノチューブ線状体を得ることができる。紡糸によるカーボンナノチューブ線状体の製造は、例えば、米国特許出願公開第2013/0251619号明細書(日本国特開2012-126635号公報)に開示されている方法により行うことができる。カーボンナノチューブ線状体の直径の均一さが得られる観点からは、糸状のカーボンナノチューブ線状体を用いることが望ましく、純度の高いカーボンナノチューブ線状体が得られる観点からは、カーボンナノチューブシートを撚ることによって糸状のカーボンナノチューブ線状体を得ることが好ましい。カーボンナノチューブ線状体は、2本以上のカーボンナノチューブ線状体同士が編まれた線状体であってもよい。また、カーボンナノチューブ線状体は、カーボンナノチューブと他の導電性材料が複合された線状体(以下「複合線状体」とも称する)であってもよい。
複合線状体としては、例えば、(1)カーボンナノチューブフォレストの端部から、カーボンナノチューブをシート状に引き出し、引き出したカーボンナノチューブシートを束ねた後、カーボンナノチューブの束を撚るカーボンナノチューブ線状体を得る過程において、カーボンナノチューブのフォレスト、シート若しくは束、又は撚った線状体の表面に、金属単体又は金属合金を蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、湿式めっき等により担持させた複合線状体、(2)金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体と共に、カーボンナノチューブの束を撚った複合線状体、(3)金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体と、カーボンナノチューブ線状体又は複合線状体とを編んだ複合線状体等が挙げられる。なお、(2)の複合線状体においては、カーボンナノチューブの束を撚る際に、(1)の複合線状体と同様にカーボンナノチューブに対して金属を担持させてもよい。また、(3)の複合線状体は、2本の線状体を編んだ場合の複合線状体であるが、少なくとも1本の金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体又は複合線状体が含まれていれば、カーボンナノチューブ線状体又は金属単体の線状体若しくは金属合金の線状体若しくは複合線状体の3本以上を編み合わせてあってもよい。
複合線状体の金属としては、例えば、金、銀、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛等の金属単体、及び、これら金属単体の少なくとも一種を含む合金(銅-ニッケル-リン合金、及び、銅-鉄-リン-亜鉛合金等)が挙げられる。
第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33は、糸に導電性被覆が施された線状体であってもよい。糸としては、ナイロン、ポリエステル等の樹脂から紡糸した糸等が挙げられる。また、糸としては、金属繊維、炭素繊維、イオン導電性ポリマーの繊維等の糸も挙げられる。導電性被覆としては、金属、導電性高分子、炭素材料等の被膜等が挙げられる。導電性被覆は、めっき、蒸着法等により形成することができる。糸に導電性被覆が施された線状体は、糸の柔軟性を維持しつつ、線状体の導電性を向上させることができる。つまり、第一疑似シート構造体11及び第二疑似シート構造体31の抵抗を、低下させることが容易となる。
第一導電性線状体13は、第一導電性線状体13と電極50との接触抵抗を抑制する観点で、金めっきが施された線状体であることが好ましい。第一導電性線状体13は、金めっきが施されていることにより、第一疑似シート構造体11の抵抗値が安定するため、発熱ムラを抑制しやすくなる。また、第二導電性線状体33も、金めっきが施された線状体であることが好ましい。
面状発熱体100において、第一疑似シート構造体11は、発熱部となる。このため、第一疑似シート構造体11の厚さを調節することで、発熱の度合いを調節することができる。例えば、第一疑似シート構造体11の厚さを小さくすると、第一疑似シート構造体11の熱容量が小さくなるため、指などが触れた場合であっても、触れた部分の温度がより低くなる。第一疑似シート構造体11の厚さは、例えば、第一導電性線状体13の直径で調製できる。
(樹脂層)
第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、樹脂を含む層である。この第一樹脂層15により、第一疑似シート構造体11を、直接的又は間接的に支持できる。また、この第二樹脂層35により、第二疑似シート構造体31を、直接的又は間接的に支持できる。第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、接着剤を含む層であることが好ましい。例えば、第一樹脂層15に第一疑似シート構造体11を形成する際に、接着剤により、第一導電性線状体13の第一樹脂層15への貼り付けが容易となる。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、乾燥固化又は硬化可能な樹脂からなる層であってもよい。これにより、第一疑似シート構造体11及び第二疑似シート構造体31を保護するために十分な硬度が第一樹脂層15及び第二樹脂層35に付与され、第一樹脂層15及び第二樹脂層35は保護膜としても機能する。また、硬化又は乾燥固化後の第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、耐衝撃性を有し、衝撃による面状発熱体100の変形も抑制できる。
ここで、乾燥固化可能な樹脂とは、樹脂層を形成させるための樹脂組成物(接着剤組成物も含む)を塗布した後、乾燥させることで水分又は溶剤を取り除き、固体化することが可能な樹脂を表す。硬化可能な樹脂とは、樹脂層を形成させるための樹脂組成物(接着剤組成物も含む)を塗布し、任意に乾燥させた後、加熱処理、及びエネルギー線の照射処理の少なくともいずれかの処理を施して重合反応等の化学反応をさせることで、固体化することが可能な樹脂を表す。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、短時間で簡便に硬化することができる点で、紫外線、可視エネルギー線、赤外線、電子線等のエネルギー線硬化性であることが好ましい。なお、「エネルギー線硬化」には、エネルギー線を用いた加熱による熱硬化も含まれる。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35に含まれる接着剤は、熱により硬化する熱硬化性の接着剤、熱により接着するいわゆるヒートシールタイプの接着剤、湿潤させて貼付性を発現させる接着剤等も挙げられる。ただし、適用の簡便さからは、第一樹脂層15及び第二樹脂層35が、エネルギー線硬化性であることが好ましい。エネルギー線硬化性樹脂としては、例えば、分子内に少なくとも1個の重合性二重結合を有する化合物が挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有するアクリレート系化合物が好ましい。
前記アクリレート系化合物としては、例えば、鎖状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート(トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等)、環状脂肪族骨格含有(メタ)アクリレート(ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、及びジシクロペンタジエンジ(メタ)アクリレート等)、ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート(ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、オリゴエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ変性(メタ)アクリレート、前記ポリアルキレングリコール(メタ)アクリレート以外のポリエーテル(メタ)アクリレート、及びイタコン酸オリゴマー等が挙げられる。
エネルギー線硬化性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、100以上30000以下であることが好ましく、300以上10000以下であることがより好ましい。
接着剤組成物が含有するエネルギー線硬化性樹脂は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に選択できる。さらに、後述する熱可塑性樹脂と組み合わせてもよく、組み合わせ及び比率は任意に選択できる。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、粘着剤(感圧性接着剤)から形成される粘着剤層であってもよい。粘着剤層の粘着剤は、特に限定されない。例えば、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、及びポリビニルエーテル系粘着剤等が挙げられる。これらの中でも、粘着剤は、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、及びゴム系粘着剤からなる群から選択される少なくともいずれかであることが好ましく、アクリル系粘着剤であることがより好ましい。
アクリル系粘着剤としては、例えば、直鎖のアルキル基又は分岐鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含む重合体(つまり、アルキル(メタ)アクリレートを少なくとも重合した重合体)、環状構造を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含むアクリル系重合体(つまり、環状構造を有する(メタ)アクリレートを少なくとも重合した重合体)等が挙げられる。ここで「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の双方を示す語として用いており、他の類似用語についても同様である。
アクリル系重合体が共重合体である場合、共重合の形態としては、特に限定されない。アクリル系共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、又はグラフト共重合体のいずれであってもよい。
アクリル系重合体が共重合体である場合、共重合の形態としては、特に限定されない。アクリル系共重合体としては、ブロック共重合体、ランダム共重合体、又はグラフト共重合体のいずれであってもよい。
アクリル系共重合体は架橋剤により架橋されていてもよい。架橋剤としては、例えば、公知のエポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。アクリル系共重合体を架橋する場合には、アクリル系重合体の単量体成分に由来する官能基として、これらの架橋剤と反応する水酸基やカルボキシル基等をアクリル系共重合体に導入することができる。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35が、粘着剤から形成される場合、第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、粘着剤の他に、さらに上述したエネルギー線硬化性樹脂を含有していてもよい。また、粘着剤としてアクリル系粘着剤を適用する場合、エネルギー線硬化性の成分として、アクリル系共重合体における単量体成分に由来する官能基と反応する官能基と、エネルギー線重合性の官能基の両方を一分子中に有する化合物を用いてもよい。当該化合物の官能基と、アクリル系共重合体における単量体成分に由来する官能基との反応により、アクリル系共重合体の側鎖がエネルギー線照射により硬化可能となる。粘着剤がアクリル系粘着剤以外の場合においても、アクリル系重合体以外の重合体成分として、同様に側鎖がエネルギー線重合性である成分を用いてもよい。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35に用いられる熱硬化性樹脂としては、特に限定されず、具体的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フェノキシ樹脂、アミン系化合物、酸無水物系化合物などが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、イミダゾール系硬化触媒を使用した硬化に適すという観点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アミン系化合物及び酸無水物系化合物を使用することが好ましく、特に、優れた硬化性を示すという観点から、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、それらの混合物、又はエポキシ樹脂と、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、アミン系化合物及び酸無水物系化合物からなる群から選択される少なくとも1種との混合物を使用することが好ましい。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35に用いられる湿気硬化性樹脂としては、特に限定されず、湿気でイソシアネート基が生成してくる樹脂であるウレタン樹脂、変性シリコーン樹脂等が挙げられる。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35に用いられる樹脂として、エネルギー線硬化性樹脂を用いる場合、光重合開始剤等を用いることが好ましい。また、第一樹脂層15及び第二樹脂層35に用いられる樹脂として、熱硬化性樹脂を用いる場合、熱重合開始剤等を用いることが好ましい。第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、光重合開始剤、熱重合開始剤等が用いられることで、第一樹脂層15及び第二樹脂層35に架橋構造が形成され、第一疑似シート構造体11及び第二疑似シート構造体31を、より強固に保護することが可能になる。
光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン安息香酸、ベンゾイン安息香酸メチル、ベンゾインジメチルケタール、2,4-ジエチルチオキサントン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、2-クロロアントラキノン、ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキサイド、及びビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニル-ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
熱重合開始剤としては、過酸化水素、ペルオキソ二硫酸塩(ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、及びペルオキソ二硫酸カリウム等)、アゾ系化合物(2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリン酸)、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、及び2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)等)、及び有機過酸化物(過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酢酸、過コハク酸、ジ-t-ブチルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイド、及びクメンヒドロパーオキサイド等)等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの重合開始剤を用いて架橋構造を形成する場合、その使用量は、エネルギー線硬化性樹脂、及び熱硬化性樹脂の少なくともいずれかの硬化性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上100質量部以下であることが好ましく、1質量部以上100質量部以下であることがより好ましく、1質量部以上10質量部以下であることがさらに好ましい。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、硬化性でなく、例えば、熱可塑性樹脂組成物からなる層であってもよい。そして、熱可塑性樹脂組成物中に溶剤を含有させることで、熱可塑性樹脂層を軟化させることができる。これにより、例えば、第一樹脂層15に第一疑似シート構造体11を形成する際に、第一導電性線状体13の第一樹脂層15への貼り付けが容易となる。一方で、熱可塑性樹脂組成物中の溶剤を揮発させることで、熱可塑性樹脂層を乾燥固化させることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエーテルサルホン、ポリイミド及びアクリル樹脂等が挙げられる。
溶剤としては、アルコール系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、エーテル系溶剤、炭化水素系溶剤、ハロゲン化アルキル系溶媒及び水等が挙げられる。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、無機充填材を含有していてもよい。無機充填材を含有することで、硬化後の第一樹脂層15及び第二樹脂層35の硬度をより向上させることができる。
無機充填材としては、例えば、無機粉末(例えば、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、及び窒化ホウ素等の粉末)、無機粉末を球形化したビーズ、単結晶繊維、及びガラス繊維等が挙げられる。これらの中でも、無機充填材としては、シリカフィラー及びアルミナフィラーが好ましい。無機充填材は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35には、その他の成分が含まれていてもよい。その他の成分としては、例えば、有機溶媒、難燃剤、粘着付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、可塑剤、消泡剤、及び濡れ性調整剤等の周知の添加剤が挙げられる。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、硬化性であるか、又は硬化性でなくてもよい。
第一導電性線状体13を第一樹脂層15に配置するとき、及び第二導電性線状体33を第二樹脂層35に配置するときには、配置のしやすさから、第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、タック性を有することが好ましい。この場合、第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、タック性は大きいほうが好ましい。一方、第二シート状導電部材30から第一疑似シート構造体11に向かう方向に応力が負荷された状態から、当該応力が負荷されない状態に移行したときに、第二シート状導電部材30と第一疑似シート構造体11とが再び非接触の状態となるように、第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、タック性が小さいほうが好ましい。この場合、第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、タック性を有さないことが好ましい。この観点で、第一樹脂層15及び第二樹脂層35は、硬化性であることが好ましく、エネルギー線硬化性樹脂を含む硬化性の接着剤層であることがより好ましい。
ここで、タック性とは、物質の表面に生じるベタつき感を意味する。本実施形態では、タック性は、第一樹脂層15及び第二樹脂層35の表面に生じるベタつき感を意味する。
このような構成とすれば、第一樹脂層15が第二シート状導電部材30と接触したとき、第二シート状導電部材30に接触した状態を保持しないようにすることができる。
第一樹脂層15及び第二樹脂層35の厚さは、面状発熱体100の用途に応じて決定される。例えば、接着性の観点から、第一樹脂層15及び第二樹脂層35の厚さは、3μm以上150μm以下であることが好ましく、5μm以上100μm以下であることがより好ましい。
(電極)
電極50は、第一導電性線状体13に電流を供給するために用いられる。電極50は、第一導電性線状体13に直接的に接触する。そして、電極50は、第一導電性線状体13の両端部に電気的に接続されて配置される。電極50は、公知の電極材料を用いて形成できる。電極材料としては、導電性ペースト(銀ペースト等)、金属箔(銅箔等)、及び金属ワイヤー等が挙げられる。電極材料が金属ワイヤーである場合、金属ワイヤーは、1本であってもよいが、2本以上であることが好ましい。
電極材料が、金属箔又は金属ワイヤーである場合、金属箔又は金属ワイヤーの金属としては、銅、アルミニウム、タングステン、鉄、モリブデン、ニッケル、チタン、銀、金等の金属、又は、金属を2種以上含む合金(例えば、ステンレス鋼、炭素鋼等の鋼鉄、真鍮、りん青銅、ジルコニウム銅合金、ベリリウム銅、鉄ニッケル、ニクロム、ニッケルチタン、カンタル、ハステロイ、及びレニウムタングステン等)が挙げられる。また、金属箔又は金属ワイヤーは、金、錫、亜鉛、銀、ニッケル、クロム、ニッケルクロム合金、又は、はんだ等でめっきされたものであってもよい。
一対の電極50のうち、一方の電極の幅は、面状発熱体100の平面視において、10mm以下であることが好ましく、3000μm以下であることがより好ましく、1500μm以下であることがさらに好ましい。なお、一方の電極が金属ワイヤーである場合には、電極の幅は、金属ワイヤーの直径であり、金属ワイヤーを2本以上用いた場合の一方の電極の幅とは、各金属ワイヤーの直径の和のことをいう。
電極50の厚さは、2μm以上200μm以下であることが好ましく、2μm以上170μm以下であることがより好ましく、10μm以上150μm以下であることがさらに好ましい。電極50の厚さが、上記範囲内であれば、電気伝導率が高く低抵抗となり疑似シート構造体との抵抗値を低く抑えられる。また、電極として十分な強度が得られる。なお、電極が金属ワイヤーである場合には、電極の厚さは、金属ワイヤーの直径である。
(スペーサー部材)
図1、図2、及び図3に示されるように、面状発熱体100は、スペーサー部材70を備えている。スペーサー部材70は、第一疑似シート構造体11を含む第一シート状導電部材10と、第二疑似シート構造体31を含む第二シート状導電部材30との間を隔てるために用いられる。スペーサー部材70を備えることにより、第一疑似シート構造体11の少なくとも一部と、第二シート状導電部材30の少なくとも一部とが、接触した状態、又は非接触の状態に切り替えられる。そして、スペーサー部材70の設置により、第二シート状導電部材30が通電した状態、又は第一疑似シート構造体11と、第二シート状導電部材30との間の絶縁が保たれた状態が切り替えられる。これに限定されず、本実施形態に係る面状発熱体100は、第二シート状導電部材30が、第一疑似シート構造体11に対向するように離間して配置できるのであれば、スペーサー部材70を備えていてもよく、スペーサー部材70を備えていなくてもよい。スペーサー部材70は必要に応じて設けられる部材である。
スペーサー部材70を設ける箇所は、面状発熱体100の平面視において、第一導電性線状体13と第二導電性線状体33とが重なる箇所以外の箇所であれば、特に限定されない。
面状発熱体100は、スペーサー部材70を備えているため、第二シート状導電部材30から第一疑似シート構造体11に向かう方向に応力が負荷されていない状態のときに、第一シート状導電部材10と第二シート状導電部材30とが接触していない状態を保持しやすくなる。このため、面状発熱体100は、スペーサー部材70を備えることにより、絶縁状態が保たれる。第二シート状導電部材30から第一疑似シート構造体11に向かう方向に応力が負荷されたとき、例えば、スペーサー部材70が変形することで、第二シート状導電部材30と第一疑似シート構造体11とが接触する。
スペーサー部材70の材質は、絶縁性を有する材料であれば、特に限定されない。スペーサー部材70は、公知の絶縁材料を用いることができる。スペーサー部材70の材質は、応力を受けると変形し、応力が除かれると元の形状に戻る性質を有することが好ましい。スペーサー部材70の形態は、例えば、シート状物、帯状物、及び線状物等が挙げられる。スペーサー部材70の材質は、例えば、熱可塑性樹脂を含む材質などが挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、及びポリアミドイミド樹脂等が挙げられる。スペーサー部材70が熱可塑性樹脂を含む場合、これら熱可塑性樹脂を含むフィルム、樹脂発泡体、布帛、及び不織布等が挙げられる。第二シート状導電部材30から第一疑似シート構造体11に向かう方向に応力が負荷されたとき、第二シート状導電部材30と第一疑似シート構造体11とが接触することができれば、スペーサー部材70の態様は、限定されない。
スペーサー部材70の厚さは、第一シート状導電部材10と、第二シート状導電部材30の間を隔てることができれば、特に限定されない。スペーサー部材70の厚さは、例えば、5mm以下であってもよく、0.1mm以上3mm以下であってもよい。スペーサー部材70の絶縁性としては、スペーサー部材70の体積抵抗率が1012Ω・cm以上であってもよい。
(面状発熱体100の製造方法)
次に、本実施形態に係る面状発熱体100の製造方法の一例について説明する。面状発熱体100は、図4(A)から図4(E)に示す製造過程を経ることによって製造できる。図4(A)から図4(E)は、第一実施形態に係る面状発熱体100の製造方法の説明図を表している。
本実施形態に係る面状発熱体100の製造方法は、例えば、以下の工程を備える。
・工程(A):「第一シート状導電部材作製工程」
第一樹脂層15上に、第一疑似シート構造体11を形成して、図4(A)に示す第一シート状導電部材10を得る工程。
・工程(B):「第二シート状導電部材作製工程」
第二樹脂層35上に、第二疑似シート構造体31を形成して、図4(B)に示す第二シート状導電部材30を得る工程。
・工程(C):「電極取付工程」
図4(C)に示すように、第一シート状導電部材10における第一導電性線状体13の両端部に、一対の電極50を取り付ける工程。
・工程(D):「スペーサー部材取付工程」
図4(D)に示すように、一対の電極50上に接するように、スペーサー部材70を取り付ける工程。
・工程(E):「重ね合せ工程」
図4(E)に示すように、第一導電性線状体13、及び一対の電極50の上に、スペーサー部材70を介して、第一疑似シート構造体11に対向するように離間して配置し、第一疑似シート構造体11及び一対の電極50と電気的に接続しないように、第二シート状導電部材30を取り付ける工程。
「工程(A)」
第一樹脂層15上に、図4(A)に示すような複数の第一導電性線状体13が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体11を設ける。
第一疑似シート構造体11を設ける方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、まず、ドラム部材(図示しない)の外周面に、図示しない支持部材(例えば、基材など)上に設けられた第一樹脂層15を、第一樹脂層15が上となるように配置する。この状態で、ドラム部材を回転させながら、第一樹脂層15が粘着状態(未硬化、乾燥前、ヒートシールでの加熱時等の状態)にあるときに、第一導電性線状体13を所定形状(波形など)となるように、第一樹脂層15と第一導電性線状体13とを相対移動させる。そして、第一樹脂層15と第一導電性線状体13とを相対移動させながら、第一樹脂層15と第一導電性線状体13とを付着させ、ロール状に巻き取る。その後、必要に応じて、第一樹脂層15を硬化する。さらにその後、螺旋状に巻き付けた第一導電性線状体13の束をドラム部材の軸方向に沿って切断し、必要に応じて流れ方向にも切断し所定の寸法に切断する。これにより、第一疑似シート構造体11を形成すると共に、第一樹脂層15上に配置する。そして、第一疑似シート構造体11が形成された基材などの支持部材(不図示)をドラム部材から取り出す。この方法によれば、例えば、ドラム部材を回転させながら、第一導電性線状体13の繰り出し部をドラム部材の軸と平行な方向に沿って移動させることで、第一疑似シート構造体11における隣り合う第一導電性線状体13の間隔を調整することが容易である。
「工程(B)」
支持部材(例えば、剥離性を有する部材など)上に設けられた第二樹脂層35上に、図4(B)に示すような複数の第二導電性線状体33が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体31を設ける。
第二疑似シート構造体31を設ける方法としては、前述の第一疑似シート構造体11を設ける方法と同様である。
「工程(C)」
図4(C)に示すように、前記第一シート状導電部材10における第一導電性線状体13の両端部に、一対の電極50を取り付ける。
電極50を取り付ける方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、第一樹脂層15上に、第一導電性線状体13と電極50とが接するように、電極50を配置する。その後、電極50を第一樹脂層15に対して圧着させることで、第一疑似シート構造体11に、電極50を取り付けることができる。
「工程(D)」
図4(D)に示すように、一対の電極50の一方の電極から他方の電極にわたって、スペーサー部材70を取り付ける。
スペーサー部材70を取り付ける方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、一対の電極50とスペーサー部材70とが接するように、一対の電極50の一方の電極から他方の電極にわたって配置する。このとき、スペーサー部材70は、複数の第一導電性線状体13の間に配置し、スペーサー部材70と、第一導電性線状体13とが、交互になるように配置する。
「工程(E)」
図4(E)に示すように、第一導電性線状体13、及び一対の電極50上に、スペーサー部材70を介して、第一疑似シート構造体11に対向するように、第二シート状導電部材30を取り付ける。第二シート状導電部材30は、一対の電極50、及び第一疑似シート構造体11に対向するように離間している。
第二シート状導電部材30を取り付ける方法としては、特に限定されず、公知の方法を採用できる。例えば、第一疑似シート構造体11に設けられた一対の電極50上に、スペーサー部材70を介して、一対の電極50、及び第一疑似シート構造体11に対向するように離間して配置する。
(第一実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、次のような作用効果を奏することができる。
面状発熱体100は、複数の第一導電性線状体13が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体11、及び第一導電性線状体13に電気的に接続する一対の電極50を有する第一シート状導電部材10と、第一疑似シート構造体11に対向するように離間して配置された、複数の第二導電性線状体33が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体31と、を備える。このため、本実施形態においては、上記構成を有することにより、指などが触れた場合であっても、触れた部分が不快に感じられないように、触れた部分の温度が低くなる面状発熱体100が提供できる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の第二実施形態は本実施形態の内容に限定されない。なお、図面においては、説明を容易にするために拡大又は縮小をして図示した部分がある。
第二実施形態は、第一実施形態で用いた複数の第二導電性線状体33が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体31を備える第二シート状導電部材30に替えて、導電性シート22からなる第二シート状導電部材20を用いる点で、第一実施形態と異なる。
以下の説明では、第一実施形態との相違に係る部分を主に説明し、重複する説明については省略又は簡略化する。第一実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
(面状発熱体)
本実施形態に係る面状発熱体200は、図5、図6、及び図7に示すように、複数の第一導電性線状体13が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体11と、第一導電性線状体13に電気的に接続する一対の電極50とを備える。また、面状発熱体200は、第一疑似シート構造体11に対向するように離間して配置され、第一疑似シート構造体11及び一対の電極50と電気的に接続していないシート状導電部材を備えている。面状発熱体200は、第一疑似シート構造体11及び一対の電極50と電気的に接続していないシート状導電部材として、第二シート状導電部材20を備える。
本実施形態に係る面状発熱体200において、面状発熱体200は、第一疑似シート構造体11と、第二シート状導電部材20との間を隔てるスペーサー部材70を備えている。面状発熱体200は、第一実施形態に係る面状発熱体100のうち、第二疑似シート構造体31を備える第二シート状導電部材30に替えて、導電性シート22からなる第二シート状導電部材20が適用されている。すなわち、面状発熱体200は、第一樹脂層15、第一疑似シート構造体11、一対の電極50、スペーサー部材70、及び導電性シート22が、この順で積層されており、スペーサー部材70は、第一導電性線状体13の軸方向に沿って、一対の電極50の一方の電極から、他方の電極にわたって設けられている。
第二実施形態に係る面状発熱体200において、導電性シート22は、疑似シート構造体(第一疑似シート構造体11)に対向するように離間して配置されるシート状導電部材の一例である。
(導電性シート)
導電性シート22の材質は、導電性を有する材料であれば、特に限定されない。導電性シート22は、公知の導電性材料を用いることができる。導電性シート22は、例えば、金属の箔又は板(銅箔、アルミニウム箔、合金からなる箔、銅板、アルミニウム板、合金からなる板等)、非金属の箔又は板(酸化インジウム箔、カーボンシート、グラファイトシート等)、導電性材料で被覆したシート状物(アルミニウム蒸着フィルム、アルミニウム箔ラミネートフィルム、酸化インジウム蒸着フィルム等)、及び導電性ペーストをコーティングしたシート状物(銀ペーストコーティングフィルム等)などが挙げられる。
(面状発熱体200の製造方法)
次に、本実施形態に係る面状発熱体200の製造方法の一例について説明する。面状発熱体200は、図8(A)から図8(E)に示す製造方法を経ることによって製造できる。図8(A)から図8(E)は、第二実施形態に係る面状発熱体200の製造方法の説明図を表している。
本実施形態に係る面状発熱体200の製造方法は、面状発熱体100の製造方法において、工程(B)の「第二シート状導電部材作製工程」に替えて、「第二シート状導電部材準備工程」(工程(B2))を備える。つまり、面状発熱体200の製造方法は、第一実施形態に係る面状発熱体100の製造方法のうち、工程(B)の「第二シート状導電部材作製工程」が異なり、これ以外の工程は同じである。「第二シート状導電部材準備工程」は、図8(B)に示す、導電性シート22からなる第二シート状導電部材20を準備する工程である。
・工程(B2):「第二シート状導電部材準備工程」
導電性シート22からなる第二シート状導電部材20は、工程(E)で、第一シート状導電部材10と対向して配置するときに、第一シート状導電部材10における第一導電性線状体13、及び一対の電極50と接触しない寸法で準備する。
(第二実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、前記第一実施形態における作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態を図面に基づいて説明する。本発明の第三実施形態は本実施形態の内容に限定されない。なお、図面においては、説明を容易にするために拡大又は縮小をして図示した部分がある。
第三実施形態は、第一実施形態及び、第二実施形態で用いたスペーサー部材70が配置される方向の点で異なり、さらに、基材を備える点で異なる。
以下の説明では、第一実施形態との相違に係る部分を主に説明し、重複する説明については省略又は簡略化する。第一実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略又は簡略化する。
(面状発熱体)
図9に示すように、本実施形態に係る面状発熱体110は、図1に示す面状発熱体100と同様に、複数の第一導電性線状体13が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体11と、第一導電性線状体13に電気的に接続する一対の電極50とを備える。また、面状発熱体110は、第一疑似シート構造体11に対向するように離間して配置され、第一疑似シート構造体11及び一対の電極50と電気的に接続していないシート状導電部材としての第二シート状導電部材30を備える。
本実施形態に係る面状発熱体110において、面状発熱体110は、第一疑似シート構造体11と、第二シート状導電部材30との間を隔てるスペーサー部材70を備えている。第三実施形態に係る面状発熱体110は、第一実施形態に係る面状発熱体100のうち、スペーサー部材70が配置される位置が変更されている。また、面状発熱体110は、第一基材17及び第二基材37が設けられている。すなわち、面状発熱体110は、第一基材17、第一樹脂層15、第一疑似シート構造体11、一対の電極50、スペーサー部材70、第二疑似シート構造体31、第二樹脂層35、及び第二基材37が、この順で積層されており、スペーサー部材70は、電極50が延びる方向(電極50の軸方向)に沿って、一対の電極50の上に重ねられている。
(基材)
第一基材17及び第二基材37としては、例えば、合成樹脂フィルム、紙、金属箔、不織布、布及びガラスフィルム等が挙げられる。この第一基材17又は第二基材37により、第一疑似シート構造体11又は第二疑似シート構造体31を、直接的又は間接的に支持できる。第一基材17及び第二基材37は、それぞれ同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、及びポリイミドフィルム等が挙げられる。
また、紙としては、例えば、上質紙、再生紙、及びクラフト紙等が挙げられる。不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、ニードルパンチ不織布、メルトブロー不織布、及びスパンレース不織布等が挙げられる。布としては、例えば、織物及び編物等が挙げられる。
(面状発熱体110の製造方法)
次に、本実施形態に係る面状発熱体110の製造方法の一例について説明する。
本実施形態に係る面状発熱体110の製造方法は、面状発熱体100の製造方法において、工程(A)及び工程(B)で用いる支持部材として、第一基材17及び第二基材37を用いる点で異なる。また、工程(D)において、スペーサー部材70を配置する方向が異なる。つまり、工程(D)において、一対の電極50とスペーサー部材70とが接するように、一対の電極50の軸方向に沿って、一対の電極50のそれぞれの電極上に、スペーサー部材70が配置される点で異なる。これ以外の工程は、面状発熱体100の製造方法における各工程と同じである。
(第三実施形態の作用効果)
本実施形態によれば、前記第一実施形態における作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
[実施形態の変形]
本発明は前述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良などは本発明に含まれる。
例えば、第一実施形態に係る面状発熱体100、及び第三実施形態に係る面状発熱体110において、図2及び図9に示すように、第二導電性線状体33は、第一導電性線状体13の軸方向に対して、ほぼ平行方向に、第一導電性線状体13の一部と重なっている。これに限定されず、平面視において、第一導電性線状体13と第二導電性線状体33とが重なる方向を変更することができる。具体的には、例えば、面状発熱体100の平面視又は面状発熱体110の平面視において、第二導電性線状体33が、第一導電性線状体13の軸方向に対して、交差する方向(例えば、直交する方向)に重なるように、第二シート状導電部材30を配置してもよい。
また、例えば、前述の実施形態において、第一導電性線状体13、及び第二導電性線状体33は、平面視において、波形状の位相がずれるように重なっている。これに限定されず、第一導電性線状体13、及び第二導電性線状体33は、平面視において、位相のずれが第一実施形態と異なっていてもよい。第一導電性線状体13、及び第二導電性線状体33は、平面視において、位相が同じになるように、重なる構造でもよい。
さらに、例えば、前述の実施形態において、第一導電性線状体13、及び第二導電性線状体33は、波形状に限らず、第一導電性線状体13、及び第二導電性線状体33の両者が直線状を成していてもよい。また、第一導電性線状体13が波形状であり、第二導電性線状体33が直線状を成していてもよい。これらの場合、面状発熱体の平面視において、第一導電性線状体13及び第二導電性線状体33の少なくとも一部が重なるように配置されている構造とすることが好ましい。
前述の第三実施形態に係る面状発熱体が備える第一基材17及び第二基材37の少なくとも一方の基材は、第一実施形態に係る面状発熱体100、及び第二実施形態に係る面状発熱体200にも設けることができる。例えば、第一実施形態に係る構成において、第一基材17、第一樹脂層15、第一疑似シート構造体11、電極50、スペーサー部材70、第二疑似シート構造体31、第二樹脂層35、及び第二基材37が、この順で積層されていてもよい。例えば、第二実施形態に係る構成において、第一基材17、第一樹脂層15、第一疑似シート構造体11、電極50、スペーサー部材70、及び導電性シート22が、この順で積層されていてもよい。
[応用例]
本発明の面状発熱体(例えば、前述の実施形態に係る面状発熱体)は、接触することで、面状発熱体全体の抵抗値が低下するため、接触したことを検出することが可能になる。このため、センサーとしての応用が期待できる。
また、本発明の面状発熱体は、第一疑似シート構造体に対向するように離間して、第一疑似シート構造体及び一対の電極と電気的に接続していないシート状導電部材が配置されている。このため、第一疑似シート構造体と、シート状導電部材との間に空間部が形成される。前述の各実施形態に係る面状発熱体においては、スペーサーを備えることによって、空間部が形成されている。本発明の面状発熱体は、空間部が形成されることにより、断熱性が高くなる。このため、本発明の面状発熱体は、面状発熱体を含む発熱装置として適用することができる。発熱装置としては、例えば、輻射ヒータが挙げられる。本発明の面状発熱体が有する空間部によって断熱性が向上するため、本発明の面状発熱体を輻射ヒータに適用すると、輻射ヒータの効果が向上することが期待される。本発明の面状発熱体を輻射ヒータに適用する場合、本発明の面状発熱体自体を輻射ヒータとしてもよく、本発明の面状発熱体の第一疑似シート構造体側の面、及びシート状導電部材側の面の少なくとも一方の面に、機能層を設けてもよい。
以下、本発明の面状発熱体を輻射ヒータの発熱体として適用した応用例として、輻射ヒータの一態様を例に挙げて、図面に基づいて説明する。輻射ヒータの態様は、以下の内容に限定されない。なお、図面においては、説明を容易にするために拡大又は縮小をして図示した部分がある。
図10に示すように、輻射ヒータ500は、本発明の面状発熱体として、面状発熱体300が適用されている。面状発熱体300は、例えば、前述の各実施形態に係る面状発熱体のいずれかであってもよい。輻射ヒータ500は、面状発熱体300の第一面側に設けられた第一機能層510と、第一面の反対側の第二面側に設けられた第二機能層530と、を備える。図10に示す第二機能層530は、内層側第二機能層531と、外層側第二機能層532とを備えている。
面状発熱体300の第一面は、第一疑似シート構造体が配置される面であり、面状発熱体300の第二面は、シート状導電部材が配置される面である。面状発熱体300として、例えば、第一実施形態に係る面状発熱体100が適用される場合、面状発熱体100は、第一疑似シート構造体11を支持する第一樹脂層15上に、第一疑似シート構造体11が積層されている第一シート状導電部材10と、第二疑似シート構造体31を支持する第二樹脂層35上に、第二疑似シート構造体31が積層されている第二シート状導電部材30と、一対の電極50と、第一疑似シート構造体11と、第二疑似シート構造体31との間を隔てるスペーサー部材70を備えている。そして、第一シート状導電部材10が、面状発熱体300の第一面側となり、第二シート状導電部材30が、面状発熱体300の第二面側となる。
第一機能層510は、輻射ヒータ500の表面側に配置される層である。第一機能層510は、赤外線を放射する部分である。第一機能層510の材質としては、耐熱紙等の紙、織布、不織布、合成皮革、天然皮革、セラミック、熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂の硬化物等が挙げられる。第一機能層510の表面は、起毛していてもよい。第一機能層510は、汎用性、輻射ヒータ500に可撓性を付与するなどの観点から、熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂の硬化物が好ましい。
第二機能層530は、輻射ヒータ500の裏面側に配置される層である。図10に示す第二機能層530は、内層側第二機能層531と、外層側第二機能層532とを備えており、内層側第二機能層531は、面状発熱体300のショート等を防止するための絶縁層である。内層側第二機能層531の材質としては、第一機能層510と同じ材質が挙げられる。外層側第二機能層532は、裏面側の最表層である。裏面側の最表層の存在により、第二機能層530からの熱放射を抑制できる。外層側第二機能層532の材質としては、金属、金属化合物、及び、遮熱塗料の塗膜等が挙げられる。
輻射ヒータ500の厚さは、1mm以下であることが好ましい。輻射ヒータ500の厚さが1mm以下であれば、輻射ヒータ500の熱容量を小さくできるので、やけど等の熱による問題の発生を抑制できる。輻射ヒータ500の厚さは、0.02mm以上0.8mm以下であることがより好ましく、0.05mm以上0.6mm以下であることがさらに好ましい。輻射ヒータ500の厚さが前記範囲内であれば、輻射ヒータ500の強度が保たれやすい。面状発熱体300の厚さが0.1mm以下である場合には、より薄い輻射ヒータ500を得ることが容易となり、この場合、輻射ヒータ500の厚さが0.02mm以上0.2mm以下であることが好ましく、0.05mm以上0.1mm以下であることがより好ましい。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を限定するものではない。
[調製例1]
アクリル系ブロック共重合体(クラレ社製、商品名「LA2250」)を固形分濃度が55質量%となるようにメチルエチルケトンに溶解した(溶液1)。この溶液1の100質量部に対し、アクリル系2官能硬化性樹脂(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)を27.5質量部、光重合開始剤(IGM Resins B.V.社製、商品名「Omnirad 184」)を固形分濃度が30質量%となるように、メチルエチルケトンに溶解した(溶液2)。この溶液2を3質量部量り取り、希釈溶剤として、メチルエチルケトンを配合して、接着剤を得た。
[実施例1]
(第一シート状導電部材の作製)
剥離フィルム(リンテック社製、商品名「SP-PET381130」)上に、調製例1で得られた接着剤を塗布・乾燥し、乾燥後の厚みが20μmの樹脂層を形成した。形成された樹脂層に、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東レ社製,製品名「ルミラーT60」、剥離剤層なし、厚さ:50μm)を貼付して、接着シートを得た。
導電性線状体として、金めっきタングステンワイヤー(直径25μm、メーカー名:株式会社トクサイ、製品名:Au(0.1)-TWG、以下、「ワイヤー」と称する。)を準備した。次に、接着シートの剥離フィルム(リンテック社製、商品名「SP-PET381130」)を剥がし、樹脂層の表面を外側に向け、外周面がゴム製のドラム部材にしわのないように接着シートを巻きつけた。円周方向における接着シートの両端部を両面テープで固定した。ドラム部材を回転させながら、樹脂層上に導電性線状体を螺旋状に巻き付けた。この際、ドラム部材は、ドラム軸方向に振動させながら回転するようにして、巻き付けられたワイヤーが波形状を描くようにした。導電性線状体は、等間隔に10本設けられ、間隔は10mmであった。その後、螺旋状に巻き付けた導電性線状体の束をドラム部材の軸方向に沿って切断した。これにより、疑似シート構造体を形成すると共に、樹脂層に配置した。そして、疑似シート構造体が形成された接着シートをドラム部材から取り出し、シート状導電部材を得た。なお、シート状導電部材は、120mm×100mmの寸法である長方形に裁断した。
(第二シート状導電部材の作製)
第一シート状導電部材の作製と同様にして、第二シート状導電部材を作製した。
(面状発熱体の作製)
次に、取り出し電極として、金めっき銅リボン(厚み80μm、幅2mm、金めっき厚み:100nm)を電極間の距離が100mmとなるように、接着剤層の表面に付着させた。次いで、金めっき銅リボン上に、スペーサー部材として幅5mmにカットした不織布(倉敷繊維加工社製、商品名「TS60E」)を貼付した。その後、SP-PET381130を樹脂層に貼り合わせ、片面ずつ、それぞれUV照射[照度:180mW/cm、積算光量:500mJ/cm、アイグラフィックス社製照度光量計(制御部EYE UV METER UVPF-A2、受光部 EYE UV METER PD-365A2)を用いて測定]を行い(両面からの積算光量:1000mJ/cm)、樹脂層を硬化させた。次いで、SP-PET381130を剥離して、上記で作製した、第一シート状導電部材の導電性線状体と、第二シート状導電部材の導電性線状体とが、図2に示すような位相が異なるように、平行(同じ方向)に重なるように貼り合わせた。その後、片面ずつ、それぞれUV照射[照度:180mW/cm、積算光量:500mJ/cm、アイグラフィックス社製照度光量計(制御部EYE UV METER UVPF-A2、受光部 EYE UV METER PD-365A2)を用いて測定]を行い(両面からの積算光量:1000mJ/cm)、樹脂層を硬化させ、面状発熱体を得た。
[抵抗値の測定]
上記で得られた面状発熱体について、底面が直径1cm、50gの重りを載せる前の面状発熱体(A)の全体の抵抗値と、重りを載せた後の面状発熱体(B)の全体の抵抗値とを測定した。面状発熱体(A)の全体の抵抗値、及び面状発熱体(B)の全体の抵抗値の測定は、それぞれ、面状発熱体の全体を測定するよう、電極間で行った。重りを載せる前の面状発熱体(A)の全体の抵抗値、及び重りを載せた後の面状発熱体(B)の全体の抵抗値のそれぞれについて、直流電源を用いて、6.0Vの電圧を印加し、電流値から抵抗値を求めた。
そして、求めた抵抗値の結果から、重りを載せる前の面状発熱体(A)の抵抗値と、重りを載せた後の面状発熱体(B)の抵抗値との差(ΔR)(単位:Ω)を下記数式1により算出した。得られた結果を表1に示す。
(数式1):ΔR(単位:Ω)=「(A)の抵抗値」-「(B)の抵抗値」
[温度の測定]
上記で得られた面状発熱体について、重りを載せる前の面状発熱体(A)の温度と、底面が直径1cm、50gの重りを載せた後の面状発熱体(B)の温度を測定した。重りを載せる前の面状発熱体(A)の温度、及び重りを載せた後の面状発熱体(B)の温度のそれぞれについて、6.0Vの電圧を30秒間印加し、発熱させた後に、面状発熱体の表面から50mmの位置からサーモグラフィーカメラ(FLIR社製の「FLIR C2」)を用いて、面状発熱体の温度分布を測定した。なお、重りを載せた後の面状発熱体(B)の温度の表面温度は、通電したまま重りを除去した直後に、重りが置いてあった部分の温度を測定した。この際の放射率を0.95と設定して測定した。
そして、測定結果から、重りを載せる前の面状発熱体(A)の温度と、重りを載せた後の面状発熱体(B)の温度との差(ΔT)(単位:℃)を下記数式2により算出した。得られた結果を表1に示す。
(数式2):ΔT(単位:℃)=「(A)の温度」-「(B)の温度」
Figure 2023059085000002
なお、重りを載せた後の面状発熱体(B)の温度の表面温度を測定したときのサーモグラフィーカメラによるサーマル画像は、重りを置いていた部分のみの温度が、重りを置いていない部分の温度よりも低くなっていることを示していた。
10…第一シート状導電部材、11…第一疑似シート構造体、13…第一導電性線状体、15…第一樹脂層、20、30…第二シート状導電部材、22…導電性シート、31…第二疑似シート構造体、33…第二導電性線状体、35…第二樹脂層、50…電極、70…スペーサー部材、100,110,200,300…面状発熱体、500…輻射ヒータ、510…第一機能層、530…第二機能層、531…内層側第二機能層、532…外層側第二機能層

Claims (9)

  1. 複数の第一導電性線状体が間隔をもって配列された第一疑似シート構造体と、
    前記第一導電性線状体に電気的に接続する一対の電極と、
    前記第一疑似シート構造体に対向するように離間して配置され、前記第一疑似シート構造体及び前記一対の電極と電気的に接続していないシート状導電部材と、
    を備える、
    面状発熱体。
  2. 請求項1に記載の面状発熱体において、
    前記シート状導電部材は、複数の第二導電性線状体が間隔をもって配列された第二疑似シート構造体を備える、
    面状発熱体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の面状発熱体において、
    前記シート状導電部材は、
    前記シート状導電部材から前記第一疑似シート構造体に向かう方向に応力が負荷されない状態のとき、前記第一疑似シート構造体と接触しておらず、
    前記シート状導電部材から前記第一疑似シート構造体に向かう方向に応力が負荷された状態のとき、前記第一疑似シート構造体と接触する、
    面状発熱体。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の面状発熱体において、
    前記面状発熱体は、
    前記第一疑似シート構造体と、前記シート状導電部材との間を隔てるスペーサー部材を備える、
    面状発熱体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の面状発熱体において、
    前記第一疑似シート構造体を支持する樹脂層をさらに備え、
    前記樹脂層は、
    前記樹脂層が前記シート状導電部材と接触したとき、前記シート状導電部材に接触した状態を保持しない、
    面状発熱体。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の面状発熱体において、
    前記面状発熱体の平面視において、前記第一導電性線状体は、波形状を成している、
    面状発熱体。
  7. 請求項2に記載の面状発熱体において、
    前記面状発熱体の平面視において、前記第二導電性線状体は、前記第一導電性線状体の少なくとも一部と重なっている、
    面状発熱体。
  8. 請求項7に記載の面状発熱体において、
    前記面状発熱体の平面視において、前記第一導電性線状体及び前記第二導電性線状体は、いずれも波形状を成している、
    面状発熱体。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の面状発熱体において、
    前記第一導電性線状体は、金めっきが施された線状体である、
    面状発熱体。
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