WO2023063288A1 - 冷延鋼板及びその製造方法、並びに溶接継手 - Google Patents

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Definitions

  • Ti 0.001% to 0.100%
  • Ti is an element that combines with N to form TiN and contributes to grain refinement of ⁇ . By refining the ⁇ grains, the P content at the ⁇ grain boundaries can be suppressed. In order to obtain this effect, the Ti content is made 0.001% or more. The Ti content is preferably 0.005% or more. On the other hand, when the Ti content is excessive, the recrystallization temperature rises, the metal structure of the cold-rolled steel sheet becomes uneven, and formability is impaired. Therefore, the Ti content should be 0.100% or less.
  • S 0.0100% or less
  • S is an element contained in steel as an impurity, and is an element that forms sulfide-based inclusions and deteriorates the formability of the steel sheet.
  • the S content is preferably as small as possible, and although it may be 0%, the S content should be 0.0100% or less in consideration of the S removal time and cost.
  • the S content is preferably 0.0050% or less, more preferably 0.0040% or less, still more preferably 0.0030% or less. From the viewpoint of costs such as refining, the S content may be 0.0001% or more.
  • the austenite grain size is refined by recrystallization during rolling, and by using this refined grain boundary as a diffusion path, the diffusion of Mn, P, etc. is promoted and segregation is alleviated. . If even one sheet thickness reduction rate at each stand is less than 30%, or if the rolling temperature at the n-th stand is higher than 900°C, the hot-rolled structure becomes coarse and mixed grains, and the annealing process described later. Later tissues also coarsen. If the hot rolling completion temperature is lower than 830° C., the rolling reaction force increases, making it difficult to stably obtain the target thickness. Therefore, the rolling temperature at the final stand is preferably 830° C. or higher.

Abstract

この冷延鋼板は、所定の化学組成を有し、表面から板厚方向に板厚の1/4~3/4の位置の金属組織が、体積率で、0%以上、10.0%以下の残留オーステナイトと、90.0%以上、100%以下のマルテンサイト及び焼戻しマルテンサイトの1種または2種とを含み、前記位置の前記金属組織において、旧γ粒界でのP含有量が10.0質量%以下、かつ、前記旧γ粒界でのMn含有量が10.0質量%以下であり、引張強さが1310MPa以上である。

Description

冷延鋼板及びその製造方法、並びに溶接継手
 本発明は、冷延鋼板及びその製造方法、並びに溶接継手に関する。
 本願は、2021年10月13日に、日本に出願された特願2021-168157号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 産業技術分野が高度に分業化した今日、各技術分野において用いられる材料には、特殊かつ高度な性能が要求されている。例えば自動車用鋼板に関しては、地球環境への配慮から、車体軽量化による燃費の向上のために、高い強度が求められている。高強度鋼板を自動車の車体に適用した場合、鋼板の板厚を薄くして車体を軽量化しながら、所望の強度を車体に付与することができる。
 近年、自動車用鋼板に対する要望はさらに高度化し、自動車用鋼板の中でも特に車体骨格部品に使用される冷延鋼板については、高い強度が要求されるようになっており、1310MPa以上の引張強さを有する鋼板が求められている。
 このような要求に対し、例えば、特許文献1では、自動車部品等に用いられる高強度鋼板として、所定の成分組成を有し、マルテンサイトとベイナイトを主とする所定の鋼板組織を有し、圧延方向に垂直な断面にある平均粒径が5μm以上の介在物の平均個数が、5.0個/mm以下である、耐遅れ破壊特性に優れた、引張強度が1470MPa以上である高強度鋼板が開示されている。
 また、特許文献2には、フェライト面積率が30%以下(0%を含む)、ベイナイト面積率が5%以下(0%を含む)、マルテンサイトおよび焼き戻されたマルテンサイト面積率が70%以上(100%含む)、残留オーステナイト面積率が2.0%以下(0%を含む)、板厚中央部の転位密度に対する鋼板表面から0~20μmの範囲内の転位密度の割合が90%以上110%以下、鋼板表面から深さ100μmまでのセメンタイト粒子径上位10%以内の平均が300nm以下である鋼組織を有し、鋼板長手方向に長さ1mでせん断した際の鋼板の最大反り量が15mm以下である薄鋼板が開示されている。特許文献2では、この薄鋼板は、980MPa以上の引張強さを有し、2000MPa以上の引張強さを得ることもできることが示されている。
 また、特許文献3には、化学成分組成(C、Si、Mn、Al、P、S)が、規定の範囲を満たし、残部が鉄及び不可避不純物からなり、全組織に占めるマルテンサイトが95面積%以上であり、かつ、鋼板表面から板厚方向に深さ10μmの位置から板厚の1/4深さの位置までの組織が所定の関係式を満たし、かつ引張強度が1180MPa以上である、耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼板が開示されている。
日本国特許第6729835号公報 国際公開第2020/026838号 日本国特開2013-104081号公報
 上述の通り、従来、引張強さが1310MPa以上の高強度鋼板については提案されている。このような高強度鋼板は、一般に、Mnなど合金元素の含有量が多く、鋼板内にMnなどの合金元素の偏析が見られる。また、Mnとともに不純物として含有されるPも鋼板内で偏析することが知られている。MnやPの偏析は、溶鋼からの凝固時のデンドライト成長の際に固相と液相との間で元素の分配が起こることで生じる。これらの元素は鋼中での拡散が遅いので、凝固後の熱間圧延や焼鈍等の際の加熱程度では、凝固時の偏析は解消されない。
 本発明者らが検討した結果、このような偏析を有する鋼板を、溶接した場合、溶接部の熱影響部では、鋼板が有する偏析に起因して、継手強度が低下する場合があることが分かった。しかしながら、特許文献1~3では、溶接後の継手強度については考慮されていない。
 そのため、本発明は、引張強さが1310MPa以上の超高強度鋼板を前提として、溶接後に十分に高い継手強度が得られる鋼板を提供することを課題とする。また、この鋼板を用いた溶接継手を提供することを課題とする。
 本発明者らは、Mn、Pの偏析によって継手強度が低下する理由を調査した。その結果、Mnの含有量の差(濃度差)によって溶接熱影響部ではマルテンサイトの硬さに差が生じること、及び、MnとPとが共偏析することで、割れが生じやすくなるためであることを知見した。また、Mn及びPは旧γ(オーステナイト)粒界に偏析しやすいことも分かった。
 そこで、本発明者らは、旧γ粒界へのMn及びPの偏析を抑制するための手段について検討を行った。
 その結果、鋳造されたスラブに対し、熱間圧延に先立って、ブレークダウン(BD)及び高温加熱処理(SP処理)を行い、さらに、熱間圧延において、大圧下を行うことで、旧γ粒界へのMn及びPの偏析を抑制することができることを見出した。
 また、このような偏析が抑制された鋼板を用いた場合、溶接後の継手特性の低下が抑制できることを見出した。
 本発明は、上記の知見に鑑みてなされた。本発明は以下を要旨とする。
[1]本発明の一態様に係る冷延鋼板は、質量%で、C:0.200%以上、0.450%以下、Si:0.01%以上、2.50%以下、Mn:0.6%以上、3.5%以下、Al:0.001%以上、0.100%以下、Ti:0.001%以上、0.100%以下、N:0.0100%以下、P:0.0400%以下、S:0.0100%以下、O:0.0060%以下、B:0%以上、0.0100%以下、Mo:0%以上、0.500%以下、Nb:0%以上、0.200%以下、Cr:0%以上、2.00%以下、V:0%以上、0.500%以下、Co:0%以上、0.500%以下、Ni:0%以上、1.000%以下、Cu:0%以上、1.000%以下、W:0%以上、0.100%以下、Ta:0%以上、0.100%以下、Sn:0%以上、0.050%以下、Sb:0%以上、0.050%以下、As:0%以上、0.050%以下、Mg:0%以上、0.050%以下、Ca:0%以上、0.040%以下、Y:0%以上、0.050%以下、Zr:0%以上、0.050%以下、La:0%以上、0.050%以下、Ce:0%以上、0.050%以下、及び、残部:Feおよび不純物からなる化学組成を有し、表面から板厚方向に板厚の1/4~3/4の位置の金属組織が、体積率で、0%以上、10.0%以下の残留オーステナイトと、90.0%以上、100%以下のマルテンサイト及び焼戻しマルテンサイトの1種または2種とを含み、前記位置の前記金属組織において、旧γ粒界でのP含有量が10.0質量%以下、かつ、前記旧γ粒界でのMn含有量が10.0質量%以下であり、引張強さが1310MPa以上である。
[2]本発明の別の態様に係る冷延鋼板の製造方法は、連続鋳造によって、[1]に記載の前記化学組成を有するスラブを得る連続鋳造工程と、前記スラブを、850~1000℃の温度域で30~60%の圧下率で圧下を行って減厚するブレークダウン工程と、前記ブレークダウン工程後の前記スラブを、1000℃~1300℃まで加熱し、5~20時間保持し、冷却する高温加熱処理工程と、前記高温加熱処理工程後の前記スラブを、熱間圧延して熱延鋼板を得る熱間圧延工程と、前記熱延鋼板を、400~650℃の温度域で巻き取る巻取工程と、前記巻取工程後の前記熱延鋼板を、酸洗し、20~80%の圧下率で冷間圧延して冷延鋼板を得る冷間圧延工程と、前記冷延鋼板を、2℃/秒以上の平均昇温速度でAc3℃超の焼鈍温度まで加熱し、前記焼鈍温度で、60~300秒保持し、10℃/秒以上の平均冷却速度で250℃以下まで冷却する、焼鈍工程と、前記焼鈍工程後の前記冷延鋼板を、150~400℃で500秒以下保持する保持工程と、を備え、前記熱間圧延工程では、仕上圧延を、4つ以上のスタンドを有する圧延機を用いて行い、最初のスタンドを第1スタンド、最終のスタンドを第nスタンドとした場合、第n-3スタンドから第nスタンドまでの各スタンドでの板厚減少率をそれぞれ30%以上とし、前記第nスタンドでの圧延温度を900℃以下とする。
[3][2]に記載の冷延鋼板の製造方法では、前記焼鈍工程において、鋼板の表裏面に亜鉛、アルミニウム、マグネシウムまたはそれらの合金を含む被膜層を形成させてもよい。
[4]本発明の別の態様に係る溶接継手の製造方法は、複数の鋼板が接合された溶接継手であって、少なくとも一の鋼板が、[1]に記載の冷延鋼板である。
 本発明の上記態様によれば、引張強さが1310MPa以上の超高強度鋼板であって、溶接後に十分に高い継手強度が得られる鋼板、並びに溶接継手を提供することができる。
オージェ試験用の試験片の形状を示す図である。
 本発明の一実施形態に係る冷延鋼板(本実施形態に係る冷延鋼板)、その製造方法、及び本実施形態に係る冷延鋼板を用いて得られる溶接継手について説明する。
[冷延鋼板]
 本実施形態に係る冷延鋼板は、所定の化学組成を有し、表面から板厚方向に板厚の1/4~3/4の位置の金属組織が、体積率で、0%以上、10.0%以下の残留オーステナイトと、90.0%以上、100%以下のマルテンサイト及び焼戻しマルテンサイトの1種または2種とを含み、前記位置の前記金属組織において、旧γ粒界でのP含有量が10.0質量%以下、かつ、前記旧γ粒界でのMn含有量が10.0質量%以下であり、鋼板の引張強さが1310MPa以上である。
<化学組成>
 まず、化学組成について説明する。本実施形態において、各元素の含有量の%は質量%を意味する。
C:0.200%以上、0.450%以下
 Cは、マルテンサイトおよび焼戻しマルテンサイトの硬度に関係し、鋼板の強度、また、溶接後の継手強度を上昇させるために必要な元素である。1310MPa以上の引張強さを得るため、C含有量は0.200%以上とする。C含有量は、好ましくは0.210%以上、より好ましくは0.220%以上である。
 一方、C含有量が0.450%超では溶接性が劣化するとともに成形性が劣化する。したがって、C含有量は0.450%以下とする。C含有量は、好ましくは0.350%以下、より好ましくは、0.300%以下である。
Si:0.01%以上、2.50%以下
 Siは固溶強化元素であり、鋼板の高強度化に有効な元素である。この効果を得るため、Si含有量は0.01%以上とする。Si含有量は、0.10%以上とすることが好ましく、0.20%以上とすることがより好ましい。
 一方、Si含有量が過剰になると、成形性が低下するとともに、めっきとの濡れ性が低下する。したがって、Si含有量は2.50%以下とする。Si含有量は、好ましくは2.00%以下、より好ましくは1.80%以下である。
Mn:0.6%以上、3.5%以下
 Mnは、旧γ粒界に偏析して鋼の焼入れ性を高める元素であり、マルテンサイトの生成を促進する元素である。Mn含有量が0.6%未満では、目標とするミクロ組織を得ることが困難となる。したがって、Mn含有量は0.6%以上とする。Mn含有量は、好ましくは1.0%以上である。
 一方、Mn含有量が過剰になると、めっき性、加工性、及び溶接性が低下する恐れがある。とくに溶接性の低下については、Mnが旧γ粒界に偏析することに起因する。そのため、Mn含有量は3.5%以下とする。Mn含有量は、好ましくは3.0%以下である。
Al:0.001%以上、0.100%以下
 Alは、溶鋼を脱酸する作用を有する元素である。脱酸のため、Al含有量は0.001%以上とする。また、Alは、Siと同様にオーステナイトの安定性を高める作用を有するので、残留オーステナイトを得るために、含有させても良い。
 一方、Al含有量が高すぎると、アルミナに起因する表面疵が発生しやすくなるばかりか、変態点が大きく上昇し、フェライトの体積率が多くなる。この場合、所望の金属組織を得ることが困難となり、十分な引張強さが得られなくなる。したがって、Al含有量は0.100%以下とする。Al含有量は、好ましくは0.050%以下、より好ましくは0.040%以下、さらに好ましくは0.030%以下である。
Ti:0.001%以上、0.100%以下
 Tiは、Nと結合してTiNを形成し、γの細粒化に寄与する元素である。γが細粒化することで、γ粒界でのP含有量を抑制することができる。この効果を得るため、Ti含有量を0.001%以上とする。Ti含有量は、好ましくは0.005%以上である。
 一方、Ti含有量が過剰になると、再結晶温度が上昇し、冷延鋼板の金属組織が不均一化し、成形性が損なわれる。したがって、Ti含有量は、0.100%以下とする。
N:0.0001%以上、0.0100%以下
 Nは、Tiと結合してTiNを形成する元素である。TiNの形成のため、N含有量を0.0001%以上とする。
 一方、N含有量が多いと、粗大な析出物が生成して成形性が劣化する。したがって、N含有量は0.0100%以下とする。N含有量は、好ましくは0.0080%以下であり、より好ましくは0.0060%以下である。
P:0.0400%以下
 Pは、不純物として鋼中に含有される元素であり、粒界に偏析して鋼を脆化させる元素である。このため、P含有量は少ないほど好ましく、0%でもよいが、Pの除去時間、コストも考慮してP含有量は0.0400%以下とする。P含有量は、好ましくは0.0200%以下、より好ましくは0.0150%以下である。
 精錬等のコストの観点から、P含有量を0.0001%以上としてもよい。
S:0.0100%以下
 Sは、不純物として鋼中に含有される元素であり、硫化物系介在物を形成して鋼板の成形性を劣化させる元素である。このため、S含有量は少ないほど好ましく、0%でもよいが、Sの除去時間、コストも考慮してS含有量は0.0100%以下とする。S含有量は、好ましくは0.0050%以下、より好ましくは0.0040%以下、さらに好ましくは0.0030%以下である。
 精錬等のコストの観点から、S含有量を、0.0001%以上としてもよい。
O:0.0060%以下
 Oは不純物として含有され得る元素である。O含有量が0.0060%を超えると鋼中に粗大な酸化物が形成されて成形性が低下する。したがって、O含有量は0.0060%以下とする。O含有量は、好ましくは0.0050%以下、より好ましくは0.0030%以下である。O含有量は0%でもよいが、精錬等のコストの観点から、O含有量を0.0005%以上としてもよく、0.0010%以上としてよい。
 本実施形態に係る冷延鋼板の化学組成において、上記元素を除く残部は、Fe及び不純物であることを基本とする。不純物とは、鋼原料から及び/又は製鋼過程で混入し、本実施形態に係る冷延鋼板の特性を明確に劣化させない範囲で、含有が許容される元素である。
 一方で、本実施形態に係る冷延鋼板の化学組成は、各種特性の向上を目的として、B、Mo、Nb、Cr、V、Co、Ni、Cu、W、Ta、Sn、Sb、As、Mg、Ca、Y、Zr、La、Ceからなる群から選択される1種または2種以上を後述する範囲で含有してもよい。これらの元素は含有しなくてもよいので下限は0%である。また、後述する範囲内の含有量であれば、これらの元素が不純物として含有されていても本実施形態に係る冷延鋼板の効果を阻害しない。
B:0%以上、0.0100%以下
Mo:0%以上、0.500%以下
Cr:0%以上、2.000%以下
Ni:0%以上、1.000%以下
As:0%以上、0.050%以下
 B、Mo、Cr、Ni、Asは、焼入性を向上させ、鋼板の高強度化に寄与する元素である。したがって、これらの元素を含有させてもよい。上記の効果を十分に得るためには、B含有量を0.0001%以上、Mo含有量、Cr含有量、Ni含有量をそれぞれ0.010%以上、As含有量を0.001%以上とすることが好ましい。より好ましくは、B含有量は0.0010%以上、Mo含有量、Cr含有量はそれぞれ0.100%以上、As含有量は0.005%以上である。上記の効果を得ることは必須でない。このため、B含有量、Mo含有量、Cr含有量、Ni含有量、As含有量の下限を特に制限する必要はなく、下限は0%である。
 一方、B、Mo、Cr、Ni、Asを過剰に含有させても、上記作用による効果が飽和する上、不経済となる。したがって、含有させる場合、B含有量は0.0100%以下、Mo含有量は0.500%以下、Cr含有量は2.000%以下、Ni含有量は1.000%以下、As含有量は0.050%以下とする。B含有量は好ましくは0.0030%以下、Mo含有量は好ましくは0.300%以下、Cr含有量は好ましくは1.000%以下、Ni含有量は0.500%以下、As含有量は好ましくは0.030%以下である。
Nb:0%以上、0.200%以下
V:0%以上、0.500%以下
Cu:0%以上、1.000%以下
W:0%以上、0.100%以下
Ta:0%以上、0.100%以下
 Nb、V、Cu、W、Taは、析出硬化により鋼板の強度を向上させる作用を有する元素である。したがって、含有させてもよい。上記の効果を十分に得るためには、Nb含有量、V含有量、Cu含有量、W含有量、及び/またはTa含有量は、それぞれ0.001%以上であることが好ましい。
 一方、これらの元素を過剰に含有させると、再結晶温度が上昇し、冷延鋼板の金属組織が不均一化し、成形性が損なわれる。したがって、Nb含有量は0.200%以下、V含有量は0.500%以下、Cu含有量は1.000%以下、W含有量、Ta含有量はそれぞれ0.100%以下とする。
Co:0%以上、0.500%以下
 Coは、鋼板の強度の向上に有効な元素である。Co含有量は0%でも良いが、上記効果を得るためには、Co含有量が、0.010%以上であることが好ましく、0.100%以上であることがより好ましい。
 一方、Co含有量が多すぎると、鋼板の伸びが低下して成形性が低下する虞がある。このため、Co含有量は0.500%以下とする。
Ca:0%以上、0.040%以下
Mg:0%以上、0.050%以下
La:0%以上、0.050%以下
Ce:0%以上、0.050%以下
Y:0%以上、0.050%以下
Zr:0%以上、0.050%以下
Sb:0%以上、0.050%以下
 Ca、Mg、La、Ce、Y、Zr、Sbは、鋼中介在物の微細分散化に寄与する元素であり、この微細分散化によって鋼板の成形性の向上に寄与する元素である。そのため、これらの元素を含有させてもよい。上記効果を得るためには、Ca、Mg、La、Ce、Y、Zr、Sbの1種以上を含有させ、それぞれの含有量を0.001%以上とすることが好ましい。
 一方、これらの元素を過度に含有させると延性が劣化する。したがって、Ca含有量は0.040%以下、Mg含有量、La含有量、Ce含有量、Y含有量、Zr含有量、Sb含有量の含有量は、それぞれ0.050%以下とする。
Sn:0%以上、0.050%以下
 Snは、結晶粒の粗大化を抑制し、鋼板強度の向上に寄与する元素である。そのため、Snを含有させてもよい。
 一方、Snは、フェライトの脆化による鋼板の冷間成形性の低下を引き起こす虞がある元素である。Sn含有量が0.050%超であると悪影響が顕著になるので、Sn含有量は、0.050%以下とする。Sn含有量は、好ましくは0.040%以下である。
 本実施形態に係る冷延鋼板の化学組成は、以下の方法で求めることができる。
 例えば、JISG1201(2014)に準じて、切粉に対するICP-AES(Inductively Coupled Plasma-Atomic Emission Spectrometry)を用いて測定すればよい。この場合、化学組成は、全板厚での平均含有量である。ICP-AESで測定できない、CおよびSは燃焼-赤外線吸収法を用い、Nは不活性ガス融解-熱伝導度法を用い、Oは不活性ガス融解-非分散型赤外線吸収法を用いて測定すればよい。
 鋼板が表面に被膜層を備える場合は、機械研削等により被膜層を除去してから化学組成の分析を行えばよい。被膜層がめっき層である場合には、鋼板の腐食を抑制するインヒビターを加えた酸溶液にめっき層を溶解することで除去しても良い。
<金属組織(ミクロ組織)>
 本実施形態に係る冷延鋼板では、表面から板厚方向に板厚の1/4~3/4の位置(板厚をtとすれば、t/4~3t/4の範囲)の金属組織が、体積率で、0%以上、10.0%以下の残留オーステナイトと、90.0%以上、100%以下のマルテンサイト及び焼戻しマルテンサイトの1種または2種とを含む。
 残留オーステナイトは、TRIP効果により鋼板の均一伸びの向上を通じて、鋼板の成形性の向上に寄与する。そのため、残留オーステナイト(残留γ)を含有させてもよい。上記効果を得る場合、残留オーステナイトの体積率は、1.0%以上とすることが好ましい。残留オーステナイトの体積率は、より好ましくは2.0%以上であり、さらに好ましくは3.0%以上である。
 一方、残留オーステナイトの体積率が過剰になると、残留オーステナイトの粒径が大きくなる。このような粒径の大きな残留オーステナイトは、変形後に粗大かつ硬質なマルテンサイトとなる。この場合、割れの起点が発生しやすくなり、冷延鋼板の成形性が低下する。このため、残留オーステナイトの体積率は、10.0%以下とする。残留オーステナイトの体積率は、好ましくは8.0%以下であり、より好ましくは7.0%以下である。
 残留オーステナイト以外の組織として、マルテンサイト及び焼戻しマルテンサイトの1種または2種を含む。
 マルテンサイト(いわゆるフレッシュマルテンサイト)及び焼戻しマルテンサイトは、ラス状の結晶粒の集合であり、強度向上に大きく寄与する。そのため、本実施形態に係る冷延鋼板では、合計体積率で90.0~100%の、マルテンサイト及び焼戻しマルテンサイトを含む。
 焼戻しマルテンサイトは、マルテンサイトとは異なり、焼戻しにより内部に微細な鉄系炭化物を含む硬質な組織である。焼戻しマルテンサイトは、マルテンサイトに比して、強度向上への寄与は小さいが、脆くなく、延性を有する組織であるので、成形性をより高めたい場合には、焼戻しマルテンサイトの体積率を高めることが好ましい。例えば、焼戻しマルテンサイトの体積率が85.0%以上である。
 一方、高強度を得たい場合には、マルテンサイトの体積率を高めることが好ましい。
 ミクロ組織は、残留オーステナイト、マルテンサイト及び焼戻しマルテンサイト以外に、フェライト、ベイナイトを含んでいてもよい。
 フェライトは、軟質な組織であり、冷延鋼板の均一伸びを向上させ、結果として、加工性の向上に寄与する組織であるので、フェライトを含む場合、残留オーステナイトとフェライトとの合計が5%以上または5%超となるように含んでもよい。一方で、フェライトの体積率が3%を超えると、鋼板の引張強さが低下する場合があるので、フェライトの体積率は3%以下であることが好ましい。
 パーライトはマルテンサイトとフェライトの中間の強度を有する組織であるが、変形能に乏しく、加工性を劣化させる組織であるため、実質的に含まないことが好ましい。
 表面から板厚方向に板厚の1/2の位置を中心とする表面から板厚の1/4~3/4の位置の金属組織を規定するのは、本実施形態に係る冷延鋼板では、この位置の金属組織が鋼板の代表的な組織であり、特性との相関が強いからである。
 本実施形態に係る冷延鋼板の表面から板厚方向に板厚の1/4~3/4の位置の金属組織(ミクロ組織)おける各組織の体積率は、次のようにして測定する。
 すなわち、フェライト、ベイナイト、マルテンサイト、焼戻しマルテンサイト、パーライトの体積率は、鋼板の圧延方向、幅方向に対し任意の位置から試験片を採取し、圧延方向に平行な縦断面を研磨し、表面から板厚方向に板厚の1/4~3/4の範囲の範囲において、ナイタールエッチングにより現出した組織を、SEMを用いて観察する。SEM観察では3000倍の倍率で30μm×50μmの視野を5視野観察し、観察された画像から、各組織の面積率を測定し、その平均値を算出する。圧延方向に対して垂直方向(鋼板幅方向)には組織変化がなく、圧延方向に平行な縦断面の面積率は体積率と等しいとみなし、組織観察で得られた面積率を、それぞれの体積率とする。
 各組織の面積率の測定に際し、下部組織が現出せず、かつ、輝度の低い領域をフェライトとする。また、下部組織が現出せず、かつ、輝度の高い領域をマルテンサイトまたは残留オーステナイトとする。また、下部組織が現出した領域を、焼戻しマルテンサイトまたはベイナイトとする。
 ベイナイトと焼戻しマルテンサイトとは、さらに粒内の炭化物を注意深く観察することにより区別することができる。
 具体的には、焼戻しマルテンサイトは、マルテンサイトラスと、ラス内部に生成したセメンタイトとから構成される。このとき、マルテンサイトラス及びセメンタイトの結晶方位関係は2種類以上存在するので、焼戻しマルテンサイトを構成するセメンタイトは複数のバリアントを持つ。一方で、ベイナイトは、上部ベイナイトと下部ベイナイトとに分類される。上部ベイナイトは、ラス状のベイニティックフェライトと、ラス界面に生成したセメンタイトから構成されるため、焼戻しマルテンサイトとは容易に区別できる。下部ベイナイトは、ラス状のベイニティックフェライトと、ラス内部に生成したセメンタイトとから構成される。このとき、ベイニティックフェライト及びセメンタイトの結晶方位関係は、焼戻しマルテンサイトとは異なり1種類であり、下部ベイナイトを構成するセメンタイトは同一のバリアントを持つ。従って、下部ベイナイトと焼戻しマルテンサイトとは、セメンタイトのバリアントに基づいて区別できる。
 一方、マルテンサイトと残留オーステナイトとは、SEM観察では明確には区別できない。そのため、マルテンサイトの体積率は、マルテンサイトまたは残留オーステナイトであると判断された組織の体積率から、後述する方法で算出した残留オーステナイトの体積率を減じることで算出する。
 残留オーステナイトの体積率は、鋼板の任意の位置から試験片を採取し、鋼板表面から板厚の1/4の位置まで圧延面を化学研磨し、MoKα線によるフェライトの(200)、(210)面積分強度とオーステナイトの(200)、(220)、および(311)面積分強度から定量化する。
 また、本実施形態に係る冷延鋼板では、表面から板厚方向に板厚の1/4~3/4の位置の金属組織において、旧γ粒界でのP含有量が10.0質量%以下、かつ、旧γ粒界でのMn含有量が10.0質量%以下である。
 MnやPは、通常、連続鋳造工程での凝固時のデンドライト成長時に固相と液相の間で元素の分配が起こることで偏析が生じる。偏析を有する鋼板に溶接を行うと、溶接部の熱影響部ではMnの含有量の差(濃度差)によって部分的にマルテンサイトの硬さに差が生じ(部分的に硬くなり)、溶接後の継手強度に差が生じる。これは、Mn含有量の差によってMs点が変わるからであると推定される。加えて、MnとPとの共偏析により割れが生じやすくなる。そのため、溶接後の継手強度を高めるためには、MnおよびPの偏析を小さくする必要がある。したがって、本実施形態に係る冷延鋼板では、Mn及びPの偏析を抑制する。より具体的には、旧γ粒界でのP含有量が10.0質量%以下、かつ、旧γ粒界でのMn含有量が10.0質量%以下とする。
 旧γ粒界において、P含有量が10.0質量%超、またはMn含有量が10.0質量%超であると、硬さの差や割れに起因して、溶接して得られる溶接継手の強度が低下する。
 旧γ粒界のP含有量、Mn含有量は、それぞれ、好ましくは8.0質量%以下であり、より好ましくは6.0質量%以下である。
 また、旧γ粒界でのP含有量、Mn含有量の下限は限定されないが、PおよびMnともに粒界に偏析する元素であることから、Pであれば母材のP含有量の80倍以下の含有量とすることは容易ではなく、Mnであれば、母材のMn含有量の1.01倍以下に抑えることは原理上難しい。そのため、これらを考慮し、旧γ粒界の、P含有量、Mn含有量は、それぞれ3.6%以上であってもよい。
 表面から板厚方向に板厚の1/2の位置を中心とする表面から板厚方向に板厚の1/4~3/4の位置の金属組織で偏析度を規定するのは、この位置の偏析度が他の位置に比べて大きく、その箇所を含んだ領域での偏析緩和の効果を評価するためである。
 従来、P、Mnともにマクロおよびセミマクロな偏析の影響については評価されてきたが、上記のような旧γ粒界への偏析への影響は明確にされていなかった。旧γ粒界でのP含有量及びMn含有量の制御によって、継手強度の高い継手を得られることは本発明者らが得た新たな知見である。
 旧γ粒界でのP含有量及びMn含有量は、以下の方法で測定する。
 鋼板の表面から板厚の1/2の位置を中心とする、表面から板厚の1/4~3/4の位置から、図1に示すサイズのオージェ試験用の試験片を切り出す。この試験片を、濃度が20質量%のチオシアン酸アンモニウム水溶液に48時間浸漬させる。浸漬後の試験片に衝撃試験を行い、破面を得る。衝撃試験では、試験片を液体窒素で冷却後、真空中でハンマーによってたたくことで破断させる。これにより、破面は粒界(旧γ粒界)破面となるので、この破面に対し、オージェ電子分光分析を行い、P含有量、Mn含有量を測定する。これにより、旧γ粒界でのP含有量及びMn含有量を得る。
 測定装置は特に限定されないが、例えば日本電子製JAMP-9500Fを用いて行う。また、測定に際しては、粒界破面上において、析出物が存在していない部分を少なくとも3回測定し、PおよびMnのAESピークを測定する。非特許文献(分析化学、vol.35(1986)を参考に、このAESピーク強度をそれぞれの相対感度因子(RSF)によって感度補正を行い、粒界偏析濃度を求める。
 上記の旧γ粒界でのP含有量、Mn含有量の低減(旧γ粒界への偏析の低減)は、後述するように熱間圧延で大圧下を行い、結晶粒を微細化することも有効である。そのため、本実施形態に係る冷延鋼板では、旧γ粒径(平均粒径)が15μm以下であることが好ましい。
 上記の旧γ粒径は、以下の方法で測定することができる。
 鋼板の圧延方向、幅方向に対し任意の位置から試験片を採取し、圧延方向に平行な縦断面を研磨し、表面から板厚方向に板厚の1/4~3/4の範囲の範囲において、ピクリン酸飽和水溶液を用いて現出した組織を、光学顕微鏡を用いて観察する。ピクリン酸飽和水溶液で現出した組織の内、網目状に黒く映る線が旧γ粒界であると判断する。ピクリン酸飽和水溶液で網目状の黒い線が現出しない場合は、界面活性剤を添加したり、ピクリン酸飽和水溶液に浸漬する温度を20~80℃程度に変化させたりすることで、現出が可能となる。光学顕微鏡における観察では、200~1000倍のうち任意の倍率を選択し、組織の画像を取得する。少なくとも200個以上の結晶粒を含む画像を3枚撮影し、撮影した画像について点算法を用いて旧γ(オーステナイト)粒径の平均粒径を測定する。
 旧γ粒径の測定方法は、上記に限定されず、その他の手法として、SEM-EBSDを用いた、旧オーステナイトの逆解析を用いることでも測定が可能である。
 上述してきた本実施形態に係る冷延鋼板は、表面に亜鉛、アルミニウム、マグネシウムまたはそれらの合金を含む被膜層を有してもよい。被膜層は実質的に亜鉛、アルミニウム、マグネシウムまたはそれらの合金からなるものであってもよい。鋼板表面に被膜層が存在することで、耐食性が向上する。被膜層は公知の被膜層でもよい。
 例えば、鋼板を腐食する環境下で使用する場合、穴あき等の懸念があることから、高強度化してもある一定板厚以下に薄手化できない場合がある。鋼板の高強度化の目的の一つは、薄手化による軽量化であることから、高強度鋼板を開発しても、耐食性が低いと適用部位が限られる。表面に亜鉛、アルミニウム、マグネシウムまたはそれらの合金を含む被膜層を有する場合、耐食性が向上し、適用可能な範囲が広がるので好ましい。
 鋼板が表面に被膜層(例えばめっき層)を有する場合、「鋼板の表面から1/4~3/4厚の位置」における「表面」とは被膜層を除く地鉄表面を意味する。
 本実施形態に係る冷延鋼板の板厚は、特定の範囲に限定されないが、強度や汎用性、製造性を考慮すると、1.0~2.0mmが好ましい。
<引張強さ>
 本実施形態に係る冷延鋼板では、自動車の車体軽量化に寄与する強度として、引張強さ(TS)は1310MPa以上とする。衝撃吸収性の観点からすると、引張強さは、好ましくは1400MPa以上であり、より好ましくは1470MPa以上である。
 上限を限定する必要はないが、引張強さが上昇すると、成形性が低下する場合があるので、引張強さを2000MPa以下としてもよい。
[溶接継手]
 本実施形態に係る溶接継手は、本実施形態に係る冷延鋼板と、その他の鋼板(本実施形態に係る冷延鋼板であってもよい)とを、溶接によって接合することで得られる。そのため、本実施形態に係る溶接継手は、複数の鋼板が接合された溶接継手であって、少なくとも一の鋼板が、上述した本実施形態に係る冷延鋼板である。
 本実施形態に係る溶接継手は、鋼板が溶接部を介して接合されており、溶接がスポット溶接であれば、スポット溶接部を介して接合される。
[製造方法]
 本実施形態に係る冷延鋼板は、製造方法によらず、上記の特徴を有していればその効果は得られるが、以下の製造方法によれば、安定して製造可能である。
 具体的には、本実施形態に係る冷延鋼板は、以下の工程(I)~(VIII)を含む製造方法によって製造可能である。
(I)連続鋳造によって、所定の化学組成を有するスラブを得る連続鋳造工程と、
(II)前記スラブを、850~1000℃の温度域で30~60%の圧下率で圧下を行って減厚するブレークダウン工程と、
(III)前記ブレークダウン工程後の前記スラブを、1000~1300℃まで加熱し、5~20時間保持し、冷却する高温加熱処理工程と、
(IV)前記高温加熱処理工程後の前記スラブを、熱間圧延して熱延鋼板を得る熱間圧延工程と、
(V)前記熱延鋼板を、400~650℃の温度域で巻き取る巻取工程と、
(VI)前記巻取工程後の前記熱延鋼板を、酸洗し、20~80%の圧下率で冷間圧延して冷延鋼板を得る冷間圧延工程と、
(VII)前記冷延鋼板を、2℃/秒以上の平均昇温速度でAc3℃超の焼鈍温度まで加熱し、前記焼鈍温度で、60~300秒保持し、10℃/秒以上の平均冷却速度で250℃以下まで冷却する、焼鈍工程と、
(VIII)前記焼鈍工程後の前記冷延鋼板を、150~400℃で500秒以下保持する保持工程。
 また、本実施形態に係る溶接継手は、さらに、以下の工程を含む製造方法で得ることができる。
(IX)前記保持工程後の前記冷延鋼板とその他の鋼板とを溶接する溶接工程。
 以下、各工程の好ましい条件について説明する。
<連続鋳造工程>
 連続鋳造工程では、連続鋳造によって、所定の化学組成(その後の工程では実質的に化学組成は変化しないので、本実施形態に係る冷延鋼板と同様の化学組成)を有するスラブを得る。
<ブレークダウン(BD)工程>
<高温加熱処理(SP処理)工程>
 ブレークダウン工程では、連続鋳造工程で得られたスラブを、850~1000℃の温度域で30~60%の圧下率で圧下(BD)を行って減厚する。連続鋳造工程で得られたスラブが850℃よりも低い温度であれば加熱してから圧下を行う。スラブの温度が850~1000℃の範囲にあれば加熱を行わなくてもよい。
 その後、高温加熱処理工程では、ブレークダウン工程後のスラブを、1000~1300℃まで加熱し、その温度で5~20時間保持(SP処理)した後、冷却する。
 SP処理によって、Mn及びPの偏析を緩和する。しかしながら、SP処理だけでMn及びPの偏析を緩和しようとしても、著しく高温または長時間の処理が必要となる。そのため、本実施形態に係る冷延鋼板の製造方法では、SP処理の前にBDを行うことで、十分な偏析の緩和を図る。
 BDを行うことで、拡散定数が増大する、および偏析帯厚が減少する、という効果が得られる。そのため、BDを行った上で、SP処理を行うことで、実用上可能な範囲での温度、時間で、Mn及びPの偏析を緩和することができる。いずれか一方でも、上記の条件を外れると、十分な効果が得られない。
 従来、マクロ偏析やセミマクロ偏析を低減するため、BD工程、またはSP工程を単独で行うことはあった。しかしながら、BD工程、またはSP工程によって旧γ粒界のP含有量、またはMn含有量が低減する効果については明確ではなかった。また、BD工程とSP工程とを組み合わせ、さらに後述するように熱間圧延で大圧下を行うことで、BD工程、またはSP工程を単独で行う場合よりも、旧γ粒界のP含有量、Mn含有量を所定の範囲まで低減できることは知られていなかった。そのため、これらの工程を組み合わせることは通常行われていなかった。
<熱間圧延工程>
 熱間圧延工程では、上記BD及びSP処理後のスラブを加熱し、熱間圧延を行って熱延鋼板を得る。
 熱間圧延に先立つ加熱温度は限定されないが、1100℃未満になると、鋳造時からSP処理工程までの間に生成した炭化物や硫化物が固溶せず粗大化して、焼鈍時に粒径が粗大となることが懸念されるため、加熱温度は好ましくは1100℃以上である。加熱温度の上限値は特に規定しないが、一般的には1300℃以下である。
 熱間圧延工程では、再結晶を活用して、γを細粒化させ、粒界へのP偏析を抑制させる。
 このため、熱間圧延工程では、通常、粗圧延と仕上圧延とが行われるが、この仕上圧延において、4つ以上のスタンドを有する圧延機を用いて行い、最初のスタンドを第1スタンド、最終のスタンドを第nスタンドとした場合、第n-3スタンドから第nスタンドまでの各スタンドでの板厚減少率をそれぞれ30%以上とし、前記最終スタンド(第nスタンド)での圧延温度を900℃以下とする。すなわち、例えばスタンドが7つある圧延機であれば、第4スタンド、第5スタンド、第6スタンド、第7スタンドでの板厚減少率をそれぞれ30%以上とするとともに、第7スタンドでの圧延温度を900℃以下とする。この仕上圧延では、圧延時の再結晶によってオーステナイト粒径を微細にするとともに、この微細化された結晶粒界を拡散パスとして用いることで、MnやP等の拡散を促進し、偏析を緩和する。
 それぞれのスタンドでの板厚減少率が1つでも30%未満である、または第nスタンドでの圧延温度が900℃超であると、熱間圧延組織が粗大かつ混粒となり、後述する焼鈍工程後の組織も粗大化する。熱間圧延の完了温度が830℃未満では、圧延反力が高まり、狙いの板厚を安定して得ることが困難となる。このため、最終スタンドでの圧延温度は、830℃以上であることが好ましい。また、圧下率を50%より大きくしても細粒化の効果は飽和することに加えて圧延荷重の増加によって設備負荷が過度に高まる。そのため、第n-3スタンド~第nスタンドでの板厚減少率は、それぞれ50%以下とすることが好ましい。
 また、仕上圧延は、圧延の最終4パスのパス間時間が短い連続圧延とするため、4つ以上のスタンドを有する圧延機を用いて行う。なぜなら、パス間時間が長いと、大きな板厚減少率で圧下を行っても、パス間で歪が回復し、十分に歪が蓄積しないからである。
<巻取工程>
 巻取工程では、熱間圧延工程後の熱延鋼板を、400℃以上650℃以下の巻取温度で巻き取る。
 巻取温度が650℃超であると、内部酸化層が形成され、酸洗性が劣化する。
 一方、巻取り温度が400℃未満になると鋼板の強度が過度となり、冷延荷重が過大となり生産性が劣化する。
<冷間圧延工程>
 冷間圧延工程では、巻取工程後の熱延鋼板を、公知の条件で酸洗を行った後、20~80%の圧下率(板厚減少率)で冷間圧延して冷延鋼板を得る。
 板厚減少率が20%未満では、鋼板中のひずみ蓄積が不十分となり、オーステナイトの核生成サイトが不均一となり、旧γ粒界でのMnやPの偏析度が高まる。
 一方、板厚減少率が80%超では、冷延荷重が過大となり、生産性が劣化する。
 したがって、板厚減少率は20%以上、80%以下とする。板厚減少率は、好ましくは、30%以上80%以下である。冷間圧延の方法には制約がなく、適宜、圧延パスの回数、パス毎の圧下率を設定すればよい。
<焼鈍工程>
 焼鈍工程では、冷間圧延工程で得られた冷延鋼板を、2℃/秒以上の平均昇温速度でAc3℃超の焼鈍温度まで加熱し、この焼鈍温度で、60~300秒保持し、保持後、10℃/秒以上の平均冷却速度で250℃以下まで冷却する。
 平均昇温速度が2℃/秒未満であると、生産性が低下するとともに、粒径が粗大化し、旧γ粒界でのMnやPの偏析度が高まるため好ましくない。
 焼鈍温度がAc3℃以下である、または、保持時間が、60秒未満であると、γ変態が十分でなく、焼鈍工程後に目標の組織が得られない場合がある。一方、焼鈍時間が300秒超であると、生産性が低下する。
 平均冷却速度が10℃/秒未満である、または、冷却停止温度が250℃超であると、フェライトやベイナイトが生成し、目標の金属組織を得られないことが懸念される。一方、冷却停止温度を150℃未満とするには、大幅な設備投資を必要とするばかりでなく、150℃未満としてもその効果が飽和するためである。そのため、冷却停止温度を150℃以上とすることが好ましい。
 Ac3点の温度(℃)は、以下の方法で求めることができる。
 Ac3=910-(203×C1/2)+44.7×Si-30×Mn+700×P-20×Cu-15.2×Ni-11×Cr+31.5×Mo+400×Ti+104×V+120×Al
 焼鈍工程では、鋼板の耐食性を高める観点から、鋼板の表面に亜鉛、アルミニウム、マグネシウムまたはそれらの合金を含む被膜層を形成してもよい。例えば、保持後の冷却の途中で、上記の平均冷却速度を満足できる範囲で、鋼板をめっき浴に浸漬して溶融めっきを形成してもよい。また、この溶融めっきを所定の温度に加熱して合金化させて合金化溶融めっきとしてもよい。また、めっき層中には、さらに、Fe、Al、Mg、Mn、Si、Cr、Ni、Cuなどを含有しても構わない。耐食性を高めるという目的のめっき層としては、上記方法のいずれでもよい。めっき条件、合金化条件は、めっきの組成に応じて、公知の条件を適用すればよい。
<保持工程>
 保持工程では、焼鈍工程後の冷延鋼板を、150~400℃で500秒以下保持する。
 保持工程によって、マルテンサイトの一部または全部が焼戻されて焼戻しマルテンサイトとなる。保持温度が150℃未満では、マルテンサイトが十分に焼き戻されず、その効果が十分に得られない。
 保持温度が400℃超では、焼戻しマルテンサイト中の転位密度が低下してしまい、引張強さの低下を招く場合がある。また、保持時間が500秒超では、引張強さが低下する上、生産性が低下する。
 保持時間の下限は限定されないが、金属組織を焼戻しマルテンサイト主体とする場合には、保持時間を100秒以上とすることが好ましい。
 保持工程前に冷延鋼板の温度が150℃未満まで下がったときは、必要に応じて加熱を行ってもよい。
<溶接工程>
 溶接工程では、保持工程後の冷延鋼板とその他の鋼板とを溶接する。その他の鋼板は限定されず、本実施形態に係る冷延鋼板であってもよく、違ってもよい。また、複数回の溶接を行って、3枚以上の鋼板を接合するように溶接を行ってもよい。
 溶接方法については限定されないが、自動車部品への適用を考慮する場合、スポット溶接であることが好ましい。
 連続鋳造によって表1-1~表1-2に示す化学組成(単位は質量%、残部はFe及び不純物)を有するスラブ(鋼種A~X)を製造した。
 これらのスラブを、表2-1の温度に加熱し、表2-1の圧下率で圧下を行って減厚してブレークダウンを行った。その後、表2-1の温度に加熱し、保持してSP処理を行った。
 SP処理後のスラブを、1100~1300℃に加熱し、熱間圧延を行い、表2-2の巻取温度で巻き取って熱延鋼板を得た。熱間圧延に際し、仕上圧延は、7つのスタンドを有する熱間圧延機を用い、最終から3つ前のスタンド~最終スタンドの圧下率、最終スタンドでの圧延温度は表2-2の通りとした。
 この熱延鋼板に対し、公知の条件で酸洗を行った後、表2-2の圧下率で冷間圧延を行い、板厚1.0~2.0mmの冷延鋼板を得た。ただし、一部の熱延鋼板は強度が高く、冷間圧延を行うことが出来なかった。
 得られた冷延鋼板に対し、表2-3の条件で焼鈍を行い、その後表2-3の条件で保持を行った。
 さらに、一部の冷延鋼板については、焼鈍の途中(冷却段階)で、(亜鉛めっき浴温度-40)℃~(亜鉛めっき浴温度+50)℃に加熱又は冷却して、亜鉛めっき浴に浸漬して、亜鉛めっきを行った(表中、めっき実施有無が有の例)。また、亜鉛めっきを行った冷延鋼板の一部については、さらに470~550℃の温度範囲に加熱して合金化を行った(表中、合金化の有無が有の例)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000005
 得られた冷延鋼板に対し、上述した要領で、t/4~3t/4の位置での金属組織を観察し、そのマルテンサイト、焼き戻しマルテンサイトの合計体積率、残留オーステナイト、フェライト、ベイナイト、パーライトの体積率を求めた。
 また、上述した要領で、t/4~3t/4の位置の金属組織において、旧γ粒界でのP含有量、Mn含有量を測定した。
 また、得られた冷延鋼板から、圧延方向に直角にJIS5号試験片を採取し、JISZ2241:2011に沿って引張強さを測定した。
 また、得られた冷延鋼板を2枚重ね合わせた板組について、スポット溶接を行い、継手特性を評価した。
 溶接には、サーボモータ加圧式単相交流溶接機(電源周波数50Hz)を用い、電極には先端曲率半径40mm、先端直径6mmのCr-Cu製のDR型電極を用いた。
 溶接条件は、加圧力440kgf、通電時間0.28sec、ホールド時間0.1secとした。溶接電流はナゲット径として5√tが得られる条件とした。
 そして、作製した継手に対し、JISZ3137(1999)に準じて、十字引張試験を実施した(各条件n=2にて実施)。
 偏析緩和を行っていない従来の鋼板(それぞれの鋼板に対し、化学組成が同等であり、ブレークダウン工程、高温加熱処理工程、熱間圧延工程以外は、同等の製造条件を適用した鋼板)よりも継手特性が5%以上向上したものは△(Fair)、10%以上向上したものは〇(Good)、20%以上向上したものは◎(Excellent)、向上しなかったものを×(NG)として評価した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000006
 表1-1~表3から分かるように、本発明の実施例(本発明例)であるNo.1~30では、化学組成、金属組織、旧γ粒界でのMn含有量、P含有量(偏析度)が本発明範囲内にあり、その結果、1310MPa以上の高強度を有し、かつ、十分な継手強度を有している。
 一方、化学組成または、製造方法が本発明範囲を外れた比較例であるNo.31~47では、化学組成、金属組織、旧γ粒界でのMn含有量、P含有量(偏析度)の少なくとも1つが本発明範囲を外れており、引張強さ、継手強度のいずれかが十分ではない。
 本発明によれば、引張強さが1310MPa以上の超高強度鋼板であって、溶接後に十分に高い継手強度が得られる鋼板、並びに溶接継手を提供することができる。この鋼板及び溶接継手は、自動車車体の軽量化等に寄与するので、産業上の利用可能性が高い。

Claims (4)

  1.  質量%で、
    C:0.200%以上、0.450%以下、
    Si:0.01%以上、2.50%以下、
    Mn:0.6%以上、3.5%以下、
    Al:0.001%以上、0.100%以下、
    Ti:0.001%以上、0.100%以下、
    N:0.0100%以下、
    P:0.0400%以下、
    S:0.0100%以下、
    O:0.0060%以下、
    B:0%以上、0.0100%以下、
    Mo:0%以上、0.500%以下、
    Nb:0%以上、0.200%以下、
    Cr:0%以上、2.00%以下、
    V:0%以上、0.500%以下、
    Co:0%以上、0.500%以下、
    Ni:0%以上、1.000%以下、
    Cu:0%以上、1.000%以下、
    W:0%以上、0.100%以下、
    Ta:0%以上、0.100%以下、
    Sn:0%以上、0.050%以下、
    Sb:0%以上、0.050%以下、
    As:0%以上、0.050%以下、
    Mg:0%以上、0.050%以下、
    Ca:0%以上、0.040%以下、
    Y:0%以上、0.050%以下、
    Zr:0%以上、0.050%以下、
    La:0%以上、0.050%以下、
    Ce:0%以上、0.050%以下、及び、
    残部:Feおよび不純物
    からなる化学組成を有し、
     表面から板厚方向に板厚の1/4~3/4の位置の金属組織が、体積率で、0%以上、10.0%以下の残留オーステナイトと、90.0%以上、100%以下のマルテンサイト及び焼戻しマルテンサイトの1種または2種とを含み、
     前記位置の前記金属組織において、旧γ粒界でのP含有量が10.0質量%以下、かつ、前記旧γ粒界でのMn含有量が10.0質量%以下であり、
     引張強さが1310MPa以上である、
    ことを特徴とする冷延鋼板。
  2.  連続鋳造によって、請求項1に記載の前記化学組成を有するスラブを得る連続鋳造工程と、
     前記スラブを、850~1000℃の温度域で30~60%の圧下率で圧下を行って減厚するブレークダウン工程と、
     前記ブレークダウン工程後の前記スラブを、1000℃~1300℃まで加熱し、5~20時間保持し、冷却する高温加熱処理工程と、
     前記高温加熱処理工程後の前記スラブを、熱間圧延して熱延鋼板を得る熱間圧延工程と、
     前記熱延鋼板を、400~650℃の温度域で巻き取る巻取工程と、
     前記巻取工程後の前記熱延鋼板を、酸洗し、20~80%の圧下率で冷間圧延して冷延鋼板を得る冷間圧延工程と、
     前記冷延鋼板を、2℃/秒以上の平均昇温速度でAc3℃超の焼鈍温度まで加熱し、前記焼鈍温度で、60~300秒保持し、10℃/秒以上の平均冷却速度で250℃以下まで冷却する、焼鈍工程と、
     前記焼鈍工程後の前記冷延鋼板を、150~400℃で500秒以下保持する保持工程と、
    を備え、
     前記熱間圧延工程では、
      仕上圧延を、4つ以上のスタンドを有する圧延機を用いて行い、最初のスタンドを第1スタンド、最終のスタンドを第nスタンドとした場合、第n-3スタンドから第nスタンドまでの各スタンドでの板厚減少率をそれぞれ30%以上とし、前記第nスタンドでの圧延温度を900℃以下とする、
    ことを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
  3.  前記焼鈍工程において、鋼板の表裏面に亜鉛、アルミニウム、マグネシウム
    またはそれらの合金を含む被膜層を形成させる、
    ことを特徴とする、請求項2に記載の冷延鋼板の製造方法。
  4.  複数の鋼板が接合された溶接継手であって、少なくとも一の鋼板が、請求項1に記載の冷延鋼板である、
    ことを特徴とする、溶接継手。
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