WO2023054641A1 - 合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス - Google Patents

合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス Download PDF

Info

Publication number
WO2023054641A1
WO2023054641A1 PCT/JP2022/036581 JP2022036581W WO2023054641A1 WO 2023054641 A1 WO2023054641 A1 WO 2023054641A1 JP 2022036581 W JP2022036581 W JP 2022036581W WO 2023054641 A1 WO2023054641 A1 WO 2023054641A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
laminated glass
less
interlayer film
colorant
coloring agent
Prior art date
Application number
PCT/JP2022/036581
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
和彦 中山
萌 岡島
一真 白石
Original Assignee
積水化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 積水化学工業株式会社 filed Critical 積水化学工業株式会社
Priority to CN202280049504.5A priority Critical patent/CN117677592A/zh
Publication of WO2023054641A1 publication Critical patent/WO2023054641A1/ja

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • B32B17/06Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
    • B32B17/10Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/18Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives
    • B32B27/20Layered products comprising a layer of synthetic resin characterised by the use of special additives using fillers, pigments, thixotroping agents
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/22Absorbing filters

Abstract

1種以上の着色剤を含む合わせガラス用中間膜であって、前記着色剤が特定の構造を有する着色剤(R)を含み、前記着色剤(R)は、透過電子顕微鏡で測定されたD50が180nm以下である、合わせガラス用中間膜。

Description

合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス
 本発明は、合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス用中間膜を有する合わせガラスに関する。
 合わせガラスは、外部衝撃を受けて破損してもガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、自動車等の各種乗り物の窓ガラスや、建築物等の窓ガラスに広く使用されている。合わせガラスとしては、一対のガラス間に、ポリビニルアセタール樹脂などの樹脂成分を含む合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させたものが広く知られている。
 合わせガラスは、意匠性を高めることなどを目的として、中間膜に着色剤を添加して着色合わせガラスとすることが知られている。合わせガラスには様々な色を呈する着色剤が使用されており、赤色の着色剤としてはアゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物などが用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開平5-440号公報 特開平5-84738号公報
 しかしながら、赤色の着色剤は、一般的に耐久性が十分でないため、赤色の着色剤を中間膜に含む合わせガラスは、太陽光の照射や高温下での放置が長期間続くと劣化して、色調が変化して意匠性が低下することがある。また、赤色顔料は、一般的に粒径が大きいため、光拡散が生じてヘイズが大きくなり、色が鮮やかでないという問題もある。
 そこで、本発明は、ヘイズが低く、かつ耐候性が高く、太陽光照射下や高温下で長期間使用されても、高い意匠性を維持できる合わせガラス用中間膜、及び合わせガラスを提供することを課題とする。
 本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の構造を有する着色剤を使用し、かつ着色剤のD50を一定値以下とすることで上記課題を解決できることを見出し、以下の本発明を完成させた。すなわち、本発明は、以下の[1]~[34]を提供する。
[1]1種以上の着色剤を含む合わせガラス用中間膜であって、
 前記着色剤が以下の式(1)で示される構造を有する着色剤(R)を含み、
前記着色剤(R)は、透過電子顕微鏡で測定されたD50が180nm以下である、合わせガラス用中間膜。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003

(式中、R11~R20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシル基、フタルイミドメチル基、-CHNHCOCHCl、-SOCl、-SOMまたは-X-X-N(Xを表す。Mは、水素原子またはアルカリ金属を表す。Xは、-SONH-または-CHNHCOCH-を表す。Xは、炭素数1~4のアルキレン基を表す。Xは、ヘテロ原子を有してもよい炭素数1~4のアルキル基を表す。X同士は、互いに連結して環を形成してもよい。ただし、R11~R20の少なくとも一つは、水素原子以外である。)
[2]1種以上の着色剤を含む合わせガラス用中間膜であって、
 前記着色剤が以下の式(1)で示される構造を有する着色剤(R)を含み、
 前記合わせガラス用中間膜における着色剤全体の透過電子顕微鏡で測定されたD50が180nm以下である、合わせガラス用中間膜。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004

(式中、R11~R20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシル基、フタルイミドメチル基、-CHNHCOCHCl、-SOCl、-SOMまたは-X-X-N(Xを表す。Mは、水素原子またはアルカリ金属を表す。Xは、-SONH-または-CHNHCOCH-を表す。Xは、炭素数1~4のアルキレン基を表す。Xは、ヘテロ原子を有してもよい炭素数1~4のアルキル基を表す。X同士は、互いに連結して環を形成してもよい。ただし、R11~R20の少なくとも一つは、水素原子以外である。)
[3]前記着色剤(R)は、透過電子顕微鏡で測定されたD90が360nm以下である、上記[1]又は[2]に記載の合わせガラス用中間膜。
[4]前記合わせガラス用中間膜における前記着色剤全体の透過電子顕微鏡で測定されたD90が360nm以下である、上記[1]~[3]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[5]2枚のクリアガラス板が前記合わせガラス用中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスに対して、温度63℃及び湿度50%RHの条件下で、300~400nmの積算光量が60W/mであるキセノン光源からの光を2000時間照射した際のΔEが3.5以下である、上記[1]~[4]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[6]2枚のクリアガラス板が前記合わせガラス用中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスに対して測定されたL*が85以上94以下であり、かつヘイズが1.2%以下である、上記[1]~[5]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[7]2枚のクリアガラス板が前記合わせガラス用中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスに対して測定されたL*が85未満であり、かつヘイズが2.5%以下である、上記[1]~[5]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[8]前記着色剤が、380nm以上480nm未満に極大吸収波長を有する着色剤(Y)、及び580nm以上780nm未満に極大吸収波長を有する着色剤(B)のいずれかを含む、上記[1]~[7]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[9]前記着色剤は、炭素材料を含む、上記[1]~[8]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[10]2枚のクリアガラス板が前記合わせガラス用中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスにおいて、480nm以上580nm未満の極大吸収波長における透過率が、380nm以上480nm未満の極大吸収波長における透過率、及び580nm以上780nm以下の極大吸収波長の透過率よりも低い、上記[1]~[9]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[11]式(1)において、R11~R20の少なくとも2つが、水素原子以外である上記[1]~[10]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[12]式(1)において、R11~R20の少なくとも2つは、それぞれ独立に、アルキル基及び塩素原子のいずれかである上記[1]~[11]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[13]式(1)において、R11~R20の少なくとも2つは、それぞれ独立にメチル基及び塩素原子のいずれかである上記[1]~[12]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[14]着色剤(R)の含有率が、0.0001質量%以上0.5質量%以下である、上記[1]~[13]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[15]着色剤(R)以外の着色剤を含有する、上記[1]~[14]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[16]前記着色剤(R)以外の着色剤として顔料を含み、該顔料のD50が180nm以下である、上記[15]に記載の合わせガラス用中間膜。
[17]着色剤(R)以外の着色剤として顔料を含み、該顔料のD90が360nm以下である、上記[15]又は[16]に記載の合わせガラス用中間膜。
[18]着色剤(R)以外の着色剤の含有率が0.3質量%以下である、上記[1]~[17]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[19]中間膜における着色剤の合計含有率が、0.0001質量%以上0.7質量%以下である、上記[1]~[18]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[20]熱可塑性樹脂を含む、上記[1]~[19]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[21]前記熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、熱可塑性エラストマー、アクリル樹脂、アクリル-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂及びポリスチレン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種である、上記[1]~[20]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[22]前記熱可塑性樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂である、上記[20]又は[21]に記載の合わせガラス用中間膜。
[23]さらに可塑剤を含む、上記[20]~[22]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[24]紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び光安定化剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有する、上記[1]~[23]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[25]接着力調整剤を含有する、上記[1]~[24]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[26]遮熱剤を含有する、上記[1]~[25]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[27]単層の樹脂層からなる単層構造を有する、上記[1]~[26]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[28]複数の樹脂層を含む多層構造からなり、複数の前記樹脂層のうち、少なくとも1つの樹脂層が、着色剤(R)を含む、上記[1]~[27]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[29]第1、第2、及び第3の樹脂層を有し、前記第2の樹脂層が前記第1の樹脂層の一方の面側に設けられ、前記第3の樹脂層が前記第1の樹脂層の他方の面側に設けられ、少なくとも前記第1の樹脂層が、着色剤(R)を含む、上記[28]に記載の合わせガラス用中間膜。
[30]複数の樹脂層を含む多層構造からなり、複数の樹脂層のうち着色剤(R)を含む着色樹脂層が、中間膜の一部の領域に設けられる、上記[28]又は[29]に記載の合わせガラス用中間膜。
[31]断面が楔形状を有する、上記[1]~[30]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[32]中間膜の厚みが0.2mm以上2.0mm以下である、上記[1]~[31]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[33]前記着色剤(R)を含む着色樹脂層を有し、該着色樹脂層の厚みが、中間膜の全厚みに対して、厚み比(着色樹脂層/全厚み)で0.01以上1以下である、上記[1]~[32]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
[34]上記[1]~[33]のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜と、一対のガラス板とを備え、前記合わせガラス用中間膜が前記ガラス板の間に配置される、合わせガラス。
 本発明によれば、ヘイズが低く、かつ耐候性が高くて、太陽光照射下や高温下で長期間使用されても、高い意匠性を維持できる、合わせガラス用中間膜、及び合わせガラスを提供できる。
第1の実施形態に係る合わせガラス用中間膜の断面図である。 第2の実施形態に係る合わせガラス用中間膜の断面図である。 第3の実施形態に係る合わせガラス用中間膜の断面図である。 第4の実施形態に係る合わせガラス用中間膜の断面図である。 第5の実施形態に係る合わせガラス用中間膜の断面図である。 第6の実施形態に係る合わせガラス用中間膜の断面図である。 楔形状の合わせガラス用中間膜の一例を示す模式的な断面図である。 楔形状の合わせガラス用中間膜の一例を示す模式的な断面図である。 楔形状の合わせガラス用中間膜の一例を示す模式的な断面図である。 多層構造を有する楔形状の合わせガラス用中間膜の一例を示す模式的な断面図である。
 以下、本発明についてより詳細に説明する。
[着色剤(R)]
 本発明の合わせガラス用中間膜(以下、単に「中間膜」ということがある)は、1種以上の着色剤を含み、着色剤が式(1)で示される構造を有する着色剤(以下、「着色剤(R)」ともいう)を含む。中間膜は、以下の構造を有する着色剤(R)を含有することで、後述する通り着色剤(R)の粒径を小さくしても、耐候性を良好にでき、太陽光照射下や高温下で長期間使用しても、変色などが生じにくくなり、高い意匠性を維持しやすくなる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005

 
(式中、R11~R20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシル基、フタルイミドメチル基、-CHNHCOCHCl、-SOCl、-SOMまたは-X-X-N(Xを表す。Mは、水素原子またはアルカリ金属を表す。Xは、-SONH-または-CHNHCOCH-を表す。Xは、炭素数1~4のアルキレン基を表す。Xは、ヘテロ原子を有してもよい炭素数1~4のアルキル基を表す。X同士は、互いに連結して環を形成してもよい。ただし、R11~R20の少なくとも一つは、水素原子以外である。)
 式(1)において、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子である。炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基が挙げられ、中でも炭素数1~2のアルキル基が好ましく、中でもメチル基がより好ましい。炭素数1~4のアルコキシル基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基が挙げられ、中でも炭素数1~2のアルコキシル基が好ましく、中でもメトキシ基がより好ましい。
 Mは、水素原子またはアルカリ金属を表わし、アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。炭素数1~4のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、トリメチレン基、プロピレン基、イソプロピリデン基、テトラメチレン基、2-メチル-1,3-プロパンジイル基が挙げられる。また、フタルイミドメチル基とは、下記式(1-1)で表される基を意味する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
 また、ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子が挙げられる。したがって、ヘテロ原子を有してもよい炭素数1~4のアルキル基としては、上記の炭素数1~4のアルキル基の他、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、メトキシメチル基、エトキシエチル基、メチルチオメチル基等が挙げられる。更に、X同士は、互いに連結して環を形成してもよい。この場合、Xには窒素原子が結合しているので、式I中の-N(Xで表わされる部分は、環状アミノ基の構造となる。X同士が互いに連結して環を形成する場合の環としては、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チアゾリジン環等が挙げられる。
 したがって、式(1)中の-N(Xで表わされる部分としては、ピペリジノ基、モルホリノ基等が挙げられる。
 式(1)で示される構造を有する着色剤(R)は、キナクリドン系顔料である。上記式(1)で示す構造を有する着色剤(R)は、キナクリドン骨格に水素原子以外の上記した置換基を有することで、分子間の結合が生じるなどして結晶構造が強くなり、そのため、耐候性が高くなると推定される。
 耐候性、製造容易性などの観点から、式(1)で示される構造を有する着色剤(R)のうち、R11~R20の少なくとも2つが、水素原子以外の置換基であることが好ましく、2つが水素原子以外の置換基であることがより好ましい。
 また、R11~R20における水素以外の置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシル基からなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく、中でもハロゲン原子、及びアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも一種がより好ましく、塩素原子及びメチル基からなる群より選ばれる少なくとも一種が特に好ましい。
 したがって、式(1)で示される構造を有する着色剤(R)のうち、好ましく、R11~R20のうち少なくとも2つがそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシル基のいずれかの置換基であり、中でも、R11~R20の2つがハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシル基のいずれかの置換基であり、その他のR11~R20が水素原子であることが好ましい。
 また、R11~R20の少なくとも2つがそれぞれ独立に塩素原子及びアルキル基のいずれかの置換基であることがより好ましく、塩素原子及びメチル基のいずれかの置換基であることがさらに好ましい。また、R11~R20のうち2つがそれぞれ独立に塩素原子及びアルキル基のいずれかの置換基であり、その他のR11~R20が水素原子であることがよりさらに好ましく、中でもR11~R20の2つがそれぞれ独立に塩素原子及びメチル基であることが特に好ましい。
 水素原子以外の置換基は、キナクリドン骨格のいずれの位置に置換されてもよいが、R11~R14のうち少なくとも1つが置換され、かつR16~R19のうち少なくとも1つが置換されることが好ましく、中でも、R11~R14のうち1つが塩素原子又はアルキル基で置換され、かつ16~R19のうち1つが塩素原子又はアルキル基で置換されることが特に好ましい。
 式(1)で示される構造を有する着色剤(R)の好適な具体例としては、R11~R20のうちの2つ、特にR11~R14のうち1つと、R16~R19のうち1つとが塩素原子で置換された塩素化キナクリドン、R11~R20のうちの2つ、特にR11~R14のうち1つと、R16~R19のうち1つとがメチル基で置換されたメチル化キナクリドンが挙げられる。
 また、着色剤(R)としては、カラーインデックス名で表すと、メチル化キナクリドンであるピグメントレッド122、塩素化キナクリドンであるピグメントレッド202、ピグメントレッド209などが挙げられる。また、着色剤(R)は、式(1)で示される化合物と、式(1)で示される化合物以外のキナクリドン系顔料の混合物が使用されてもよく、具体的には、塩素化キナクリドンとキナクリドンの混合物であるピグメントレッド207などが使用されてもよい。すなわち、着色剤(R)は、式(1)で示される化合物と、式(1)で示される化合物以外のキナクリドン系顔料との混合物であってもよい。
 なお、着色剤(R)は、1種単独で使用してよいし、2種以上を併用してもよい。
 ピグメントレッド122、ピグメントレッド202、ピグメントレッド209、及びピグメントレッド207の構造を以下に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000008

Figure JPOXMLDOC01-appb-I000009
 着色剤(R)は顔料であり、中間膜において粒子で存在する。本発明の一側面において着色剤(R)は、透過電子顕微鏡で測定されたD50が180nm以下である。着色剤(R)のD50が180nmより大きくなると、中間膜を用いて作製された合わせガラスのヘイズが高くなり、着色剤(R)による着色を鮮やかにできないなどの不具合も生じやすくなる。
 着色剤(R)のD50は、ヘイズを低くして着色剤による着色をより鮮やかにしやすくする観点から、好ましくは165nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは130nm以下、よりさらに好ましくは100nm以下、特に好ましくは80nm以下である。また、着色剤(R)のD50は、ヘイズを低くするためには小さければ小さいほどよいが、耐候性を良好にし、かつ着色剤(R)の粒径の調整を容易にする観点から、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、さらに好ましくは20nm以上、よりさらに好ましくは30nm以上である。
 また、着色剤(R)は、透過電子顕微鏡で測定されたD90は、小さければ小さいほど、粗大粒子が含有されにくくなり、中間膜から作製される合わせガラスのヘイズをより一層低くしやすくなる。そのような観点から、着色剤(R)は、透過電子顕微鏡で測定されたD90が、好ましくは360nm以下、より好ましくは250nm以下、さらに好ましくは180nm以下、よりさらに好ましくは165nm以下、よりさらに好ましくは140nm以下である。また、着色剤(R)のD90は、ヘイズを低くするためには小さければ小さいほどよいが、耐候性の観点、及び着色剤(R)の粒径の調整の容易性の観点から、好ましくは15nm以上、より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは45nm以上、よりさらに好ましくは60nm以上である。
 なお、着色剤(R)のD50、D90の測定においては、まず、中間膜を切り出し、切り出し面を透過電子顕微鏡(TEM)で撮影し、100個以上の着色剤(R)それぞれの長径を粒子径として測定して粒子径分布を求める。そして、粒子径分布において、個数の頻度累積が50%になる粒径をD50とし、個数の頻度累積が90%になる粒径をD90とする。
 着色剤(R)は、480nm以上580nm未満に極大吸収波長を有することが好ましい。480nm以上580nm未満の極大吸収波長は、500nm以上560nm以下の波長域に少なくとも1つあることがより好ましい。また、着色剤(R)は、通常、赤色又はマゼンタ系の着色剤である。
 なお、本明細書において、各着色剤の極大吸収波長は、例えば以下の方法によって測定できる。すなわち、各着色剤をトリエチレングリコールビス(2-エチルヘキサノエート中に分散させた後、ポリビニルブチラール樹脂(アセタール化度69モル%、水酸基量30モル%、アセチル化度1モル%、合成に用いたPVAの平均重合度1700)100質量部に対して、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエートを40質量部、測定する着色剤0.0002~0.1質量部になるように混合し、押出機を用いて押出して、厚み760μmの中間膜を得る。得られた中間膜と2枚の厚み2.5mmの明細書記載の基準クリアガラスの間に挟持し、積層体とする。得られた積層体を仮圧着およびオートクレーブを用いて合わせガラスを作製する。合わせガラスの作製は、実施例と同様の手順で行うとよい。作製した合わせガラスに対して分光光度計(例えば、日立製作所社製「U4100」)を用いて、300~2500nmの透過率を測定し、極大吸収波長を求める。なお、極大吸収波長は、透過率が極小値を示す波長であって、複数存在する場合がある。
 中間膜における着色剤(R)の含有率は、合わせガラスを所望の色に適切に着色できるように適宜選択されるとよいが、意匠性の高い合わせガラスを得る観点から、例えば0.0001質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.002質量%以上、よりさらに好ましくは0.003質量%以上である。
 また、中間膜における着色剤(R)の含有率は、例えば0.5質量%以下、好ましくは0.3質量%以下、さらに好ましくは0.2質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以下である。中間膜における着色剤(R)の含有率を上記上限値以下とすると、耐候性を良好にしつつ、適度な着色を確保しやすくなる。
 なお、中間膜における着色剤(R)の含有率とは、中間膜が単層構造及び多層構造のいずれの場合においても、その単層構造又は多層構造全体に対する(すなわち、着色剤(R)を含有しない樹脂層を含む場合には、その樹脂層も含む全厚みにおける)着色剤(R)の含有率を意味する。また、後述するように非着色領域と着色領域を有する場合には、着色領域における着色剤(R)の含有率を意味する。さらに、着色領域がグラデーション領域を有する場合など、位置ごとに着色剤(R)の含有率が変わる場合には、最も着色剤(R)の含有率が多い位置における着色剤(R)の含有率である。
 また、後述する着色剤(R)以外の着色剤の含有率や、中間膜における着色剤の合計含有率についても同様であり、例えば、非着色領域と着色領域を有する場合には、着色領域における着色剤(R)以外の着色剤の含有率や、着色剤の合計含有率を意味する。さらに、着色領域がグラデーション領域を有する場合など、位置ごとに着色剤(R)の含有率が変わる場合には、最も着色剤(R)の含有率が多い位置における、着色剤(R)以外の着色剤の含有率や、着色剤の合計含有率を意味する。後述する遮熱剤の含有率についても同様である。
[着色剤(R)以外の着色剤]
 本発明の中間膜において、着色剤は、着色剤(R)からなってもよいが、着色剤(R)以外の着色剤を含有してもよい。着色剤(R)以外の着色剤は、染料であってもよいし、顔料であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。なお、着色剤(R)以外の着色剤は、中間膜の一部の領域のみに着色剤(R)が含有される場合には、着色剤(R)が含有される領域(着色領域)に含有させることが好ましい。
 着色剤(R)以外の着色剤としては、380nm以上480nm未満に極大吸収波長を有する着色剤(以下、着色剤(Y)ということがある)、580nm以上780nm以下に極大吸収波長を有する着色剤(以下、着色剤(B)ということがある)、炭素材料、着色剤(R)以外の480nm以上580nm未満に極大吸収波長を有する着色剤(以下、着色剤(r)ということがある)などが挙げられる。
 着色剤(R)以外の着色剤は、380nm以上780nm以下に極大吸収波長を有しなくてもよい。なお、そのような極大吸収波長を有しない着色剤であっても、例えば、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー180などのイエローのカラーインデックスの着色剤は、本明細書における着色剤(Y)に含めるものとする。
 着色剤(R)以外の着色剤は、1種単独で使用してよいし、2種以上を併用してもよい。
 着色剤(Y)は、380nm以上480nm未満に極大吸収波長を有するとよく、好ましくは黄色の着色剤である。380nm以上480nm未満の極大吸収波長は、400nm以上460nm以下の波長域に少なくとも1つあることがより好ましい。
 着色剤(B)は、580nm以上780nm以下に極大吸収波長を有するとよく、好ましくは青色又はシアン系の着色剤である。580nm以上780nm以下の極大吸収波長は、590nm以上730nm以下の波長域に少なくとも1つあることがより好ましい。
 中間膜は、着色剤(R)に加えて、着色剤(Y)及び着色剤(B)の少なくとも一方、又は両方を含有してもよい。着色剤(Y)、着色剤(B)、又はこれらの両方を中間膜にさらに含有させると、合わせガラスは、赤色と他の色が混色されて、様々な色に着色させることが可能になる。
 着色剤(Y)としては、染料、顔料のいずれでもよく、染料としてはアントラキノン系染料、ソルベントイエロー16などのアゾ系染料、アンスラキノン染料、クマリン系染料が挙げられる。顔料としては、ピグメントイエロー110などのイソインヒドリン系顔料、モノアゾ系、ジアゾ系などのアゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾトリアゾール系顔料、トリアジン系顔料が挙げられる。アゾ系顔料としては、ピグメントイエロー150などのニッケル錯体アゾ系顔料、ピグメントイエロー93などのジアゾ系などが挙げられる。
 着色剤(B)としては、染料、顔料のいずれでよく、染料としては、アントラキノン系染料、アンスラキノン系染料、アゾベンゼン系染料、フタロシアニン系染料などが挙げられる。また、顔料としては、ピグメントブルー15-1、ピグメントブルー15-3などの銅フタロシアニン顔料、コバルトフタロシアニン顔料などのフタロシアニン系顔料、インディゴ系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、複合金属酸化物系顔料などが挙げられる。
 着色剤(r)は、染料、及び顔料のいずれでもよいが、染料としてはソルベントレッド146などのアントラキノン系染料、イミダゾール系染料、アゾ系染料が挙げられる。
 また、着色剤(r)の顔料としては、ピグメントレッド149などのペリレン系顔料、ピグメントバイオレット254などのジケトピロロピロール系顔料、スレン系顔料、酸化金属系顔料、複合金属酸化物系顔料などが挙げられる。
 着色剤(r)は、上記した式(1)で示される構造を有する着色剤以外であり、かつ480nm以上580nm未満に極大吸収波長を有するとよい。着色剤(r)の480nm以上580nm未満の極大吸収波長は、好ましくは500nm以上560nm以下の波長域に少なくとも1つある。
 炭素材料は、黒色の着色剤として使用され、例えば、グラフェン、グラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブなどが挙げられる。また、着色剤(R)以外の着色剤として使用される黒色の着色剤は、アニリンブラック顔料、複合金属酸化物系顔料などであってもよい。これらの中では、カーボンブラックが好ましい。なお、本明細書において、炭素材料は、顔料の一種とする。
 炭素材料は、着色剤(R)と併用し、又は、着色剤(R)と着色剤(R)以外の着色剤と併用することで、合わせガラスを黒みがかった着色ガラスにすることができ、合わせガラスに高級感などを付与しやすくなる。また、遮熱性、遮光性も付与しやすくなる。
 着色剤(R)以外の着色剤は、顔料である場合には、中間膜を用いて作製される合わせガラスのヘイズを低くする観点から、D50は小さい方がよい。
 具体的には、着色剤(R)以外の着色剤(顔料)の透過電子顕微鏡で測定されたD50は、例えば180nm以下、好ましくは165nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは130nm以下、よりさらに好ましくは100nm以下、特に好ましくは80nm以下である。また、着色剤(R)以外の着色剤(顔料)のD50は、耐候性を良好にし、かつ着色剤(R)以外の着色剤の粒径の調整を容易にする観点から、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、さらに好ましくは20nm以上、よりさらに好ましくは30nm以上である。
 なお、着色剤(R)以外の着色剤として、顔料を2種以上使用する場合には、各顔料のD50が上記範囲内となることが好ましい。
 着色剤(R)以外の着色剤は、顔料である場合、粗大粒子が含有されにくくなって、中間膜を用いて作製される合わせガラスのヘイズを低くする観点から、D90は小さい方がよい。具体的には、着色剤(R)以外の着色剤(顔料)の透過電子顕微鏡で測定されたD90は、好ましくは360nm以下、より好ましくは250nm以下、さらに好ましくは180nm以下、よりさらに好ましくは165nm以下、よりさらに好ましくは140nm以下ある。また、着色剤(R)以外の着色剤(顔料)のD90は、ヘイズを低くするためには小さければ小さいほどよいが、耐候性の観点、及び着色剤の粒径の調整の容易性の観点から、好ましくは15nm以上、より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは45nm以上、よりさらに好ましくは60nm以上である。
 なお、着色剤(R)以外の着色剤として、顔料を2種以上使用する場合には、各顔料のD90が上記範囲内となることが好ましい。
 中間膜における着色剤(R)以外の着色剤の含有率は、合わせガラスを所望の色に適切に着色できるように適宜選択されるとよいが、意匠性の高い合わせガラスを得る観点から、例えば0.00001質量%以上、好ましくは0.0001質量%以上、さらに好ましくは0.001質量%以上、よりさらに好ましくは0.003質量%以上である。
 また、中間膜における着色剤(R)以外の着色剤の含有率は、例えば0.3質量%以下、好ましくは0.2質量%以下、さらに好ましくは0.1質量%以下、よりさらに好ましくは0.05質量%以下である。中間膜における着色剤(R)の含有率を上記上限値以下とすると、含有量に見合った着色剤の量で、適切な着色を確保できるようになる。
 また、中間膜における着色剤(R)以外の着色剤の含有率は、特に限定されないが、着色剤(R)の含有率より低くてもよいし、高くてもよいし、同じであってもよいが、着色剤(R)の含有率より低いことが好ましい。着色剤(R)の含有率より低くすることで、合わせガラスを赤色又は赤色味を有する色に着色しやすくなる。
 なお、着色剤(R)以外の着色剤の含有率とは、着色剤(R)以外の着色剤の合計含有率である。
[着色剤全体のD50(T),D90(T)]
 本発明の一側面において、中間膜における着色剤は、透過電子顕微鏡で測定されたD50(以下、D50(T)ともいう)が180nm以下である。なお、中間膜における着色剤のD50(T)とは、着色剤(R)に加えて着色剤(R)以外の着色剤も含む着色剤全体のD50を意味する。後述するD90(T)も同様である。
 中間膜に使用される着色剤全体のD50(T)が180nmより大きくなると、中間膜を用いて作製される合わせガラスのヘイズが高くなり、着色剤による着色が鮮やかにできないなどの不具合も生じやすくなる。
 本発明の中間膜は、D50(T)が180nm以下、かつ着色剤(R)のD50が180nm以下であることが好ましいが、必ずしもD50(T)が180nm以下で、かつD50が180nm以下である必要はなく、少なくともいずれか一方の要件が満たされるとよい。
 中間膜における着色剤全体のD50(T)は、ヘイズを低くして着色剤による着色を鮮やかにしやすくする観点から、好ましくは165nm以下、より好ましくは150nm以下、さらに好ましくは130nm以下、よりさらに好ましくは100nm以下、特に好ましくは80nm以下である。
 また、着色剤全体のD50(T)は、ヘイズを低くするためには小さければ小さいほどよいが、耐候性の観点、及び着色剤の粒径を調整しやすくなる観点から、好ましくは5nm以上、より好ましくは10nm以上、さらに好ましくは20nm以上、よりさらに好ましくは30nm以上である。
 また、着色剤は、透過電子顕微鏡で測定されたD90が小さければ小さいほど、粗大粒子が含有されにくくなり、中間膜から作製される合わせガラスのヘイズをより一層低くしやすくなる。そのような観点から、中間膜における着色剤全体の透過電子顕微鏡で測定されたD90(以下、「D90(T)」ともいう)が、好ましくは360nm以下、より好ましくは250nm以下、さらに好ましくは180nm以下、よりさらに好ましくは165nm以下、よりさらに好ましくは140nm以下である。また、着色剤のD90(T)は、ヘイズを低くするためには小さければ小さいほどよいが、耐候性の観点、及び着色剤の粒径の調整の容易性の観点から、好ましくは15nm以上、より好ましくは30nm以上、さらに好ましくは45nm以上、よりさらに好ましくは60nm以上である。
 なお、着色剤全体のD50(T)、D90(T)の測定においては、まず、中間膜を切り出し、切り出し面を透過電子顕微鏡(TEM)で撮影し、中間膜に含有される着色剤100個以上の各長径を粒子径として測定して粒子径分布を求める。そして、粒子径分布において、個数の頻度累積が50%になる粒径をD50(T)とし、個数の頻度累積が90%になる粒径をD90(T)とする。なお、中間膜における着色剤が着色剤(R)からなる場合、D50(T)は、着色剤(R)のD50と同一であるが、D50(T)は、着色剤(R)以外の着色剤も含有する場合には、着色剤(R)と、着色剤(R)以外の着色剤との混合物のD50を意味する。D90についても同様である。
 中間膜における着色剤の合計含有率は、合わせガラスを所望の色に適切に着色できるように適宜選択されるとよいが、意匠性の高い合わせガラスを得る観点から、例えば0.0001質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、さらに好ましくは0.002質量%以上、よりさらに好ましくは0.003質量%以上である。
 また、中間膜における着色剤の合計含有率は、例えば0.7質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、さらに好ましくは0.3質量%以下、よりさらに好ましくは0.15質量%以下である。中間膜における着色剤の含有率を上記上限値以下とすると、適度な着色を確保ししつつ、耐候性を向上させやすくなる。
[樹脂層]
 本発明の中間膜は、樹脂を含有し、樹脂として熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。また、中間膜は、1又は2以上の樹脂層を含むものであり、各樹脂層は樹脂を含有する。各樹脂層で使用される樹脂は、熱可塑性樹脂が好ましい。中間膜は、熱可塑性樹脂を含有することで、接着層としての機能を果たしやすくなり、ガラス板との接着性が良好になる。
 本発明の中間膜では、複数の樹脂層のうち少なくとも1つは、樹脂に加えて、上記した着色剤(R)を含む。なお、明細書では、着色剤(R)を含有する樹脂層を「着色樹脂層」と呼び、「着色剤(R)」以外の材料のみにより着色された樹脂層は、「着色樹脂層」とはしない。着色樹脂層において、着色剤(R)は樹脂中に分散されている。
 中間膜が、着色剤(R)以外の着色剤を含有する場合、着色樹脂層は、着色剤(R)に加えて、着色剤(R)以外の着色剤を含有することが好ましい。ただし、複数の樹脂層が設けられる場合には、着色樹脂層以外の樹脂層に着色剤(R)以外の着色剤が含有されてもよい。
 着色剤(R)以外の着色剤は、着色樹脂層に含有される場合、着色剤(R)とともに樹脂中に分散されている。また、着色剤(R)以外の着色剤は、着色樹脂層以外の樹脂層に含有される場合も、着色樹脂層以外の樹脂層中に分散されるとよい。
 各樹脂層における熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリビニルアセタール樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、熱可塑性エラストマー、アクリル樹脂、アクリル-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂及びポリスチレン樹脂などが挙げられる。これら樹脂を使用することで、ガラス板との接着性を確保しやすくなる。
 本発明の中間膜において熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、2種以上併用する場合、中間膜においては、1つの樹脂層に2種以上の熱可塑性樹脂を含有させてもよいし、異なる樹脂層それぞれに異なる種類の熱可塑性樹脂を含有させてもよい。
 これらの中では、ポリビニルアセタール樹脂及びエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂から選択される少なくとも1種が好ましく、特に、可塑剤と併用した場合に、ガラスに対して優れた接着性を発揮する点から、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。したがって、上記着色樹脂層における樹脂も、ポリビニルアセタール樹脂及びエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂から選択される少なくとも1種が好ましく、ポリビニルアセタール樹脂がより好ましい。
 また、複数の樹脂層を有する場合、各樹脂層を構成する樹脂は、上記で列挙した樹脂から適宜選択されればよい。また、各樹脂層を構成する樹脂は、互いに異なる樹脂であってもよいが、互いに同一であることが好ましい。
 したがって、複数の樹脂層を有する場合、各樹脂層を構成する樹脂はいずれも、ポリビニルアセタール樹脂又はエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であることが好ましく、いずれもポリビニルアセタール樹脂であることがより好ましい。
(ポリビニルアセタール樹脂)
 ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)をアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂であれば特に限定されない。
 上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1~10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1~10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n-ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n-バレルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド、n-ノニルアルデヒド、n-デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
 上記したなかでも、n-ブチルアルデヒド、n-ヘキシルアルデヒド、n-バレルアルデヒドが好ましく、n-ブチルアルデヒドがより好ましい。したがって、ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルブチラール樹脂が好適である。
 ポリビニルアルコール(PVA)は、例えば、ポリ酢酸ビニルなどのポリビニルエステルをけん化することにより得られる。ポリビニルアルコールのけん化度は、一般に70~99.9モル%である。ポリビニルアセタール樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 PVAの平均重合度は、好ましくは200以上、より好ましくは500以上、さらに好ましくは1000以上、よりさらに好ましくは1500以上である。平均重合度を上記下限以上とすると、合わせガラスの耐貫通性が高くなる。また、PVAの平均重合度は、好ましくは5000以下、より好ましくは4000以下、さらに好ましくは3500以下、よりさらに好ましくは2500以下である。
 なお、ポリビニルアルコールの平均重合度は、JIS  K6726「ポリビニルアルコール試験方法」に準拠した方法により求められる。
 ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、好ましくは15モル%以上であり、また、好ましくは38モル%以下である。水酸基量を15モル%以上とすることで、接着性が良好になりやすく、また、合わせガラスの耐貫通性などを良好にさせやすくなる。また、水酸基量を38モル%以下とすることで、合わせガラスが硬くなり過ぎたりすることを防止する。上記水酸基量はガラス板との接着性などの観点から、より好ましくは20モル%以上であり、さらに好ましくは25モル%以上である。また、上記水酸基量は、より好ましくは35%以下、さらに好ましくは33モル%以下である。
 ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂を用いる場合も、同様の観点から、水酸基量は15モル%以上であり、また、好ましくは38モル%以下であり、より好ましくは20モル%以上、さらに好ましくは25モル%以上であり、より好ましくは35%モル以下、さらに好ましくは33モル%以下である。
 ポリビニルアセタール樹脂の水酸基量は、水酸基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記水酸基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS  K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
 上記ポリビニルアセタール樹脂のアセタール化度は、好ましくは47モル%以上、また好ましくは85モル%以下である。上記アセタール化度は、より好ましくは55モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上であり、また、より好ましくは80モル%以下、さらに好ましくは75モル%以下である。
 なお、アセタール化度とは、アセタール基がブチラール基であり、ポリビニルアセタール樹脂(A)がポリビニルブチラール樹脂の場合には、ブチラール化度を意味する。
 上記アセタール化度は、主鎖の全エチレン基量から、水酸基が結合しているエチレン基量と、アセチル基が結合しているエチレン基量とを差し引いた値を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。アセタール化度(ブチラール化度)は、例えばJIS  K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠した方法により測定された結果から算出するとよい。
 ポリビニルアセタール樹脂のアセチル化度は、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下、よりさらに好ましくは2モル%以下である。上記アセチル化度が上記上限以下であると、中間膜及び合わせガラスの耐湿性が高くなる。また、上記アセチル化度は、特に限定されないが、好ましくは0.01モル%以上であり、より好ましくは0.1モル%以上である。
 上記アセチル化度は、アセチル基が結合しているエチレン基量を、主鎖の全エチレン基量で除算して求めたモル分率を百分率で示した値である。上記アセチル基が結合しているエチレン基量は、例えば、JIS  K6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
(エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂)
 エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、非架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよいし、また、高温架橋型のエチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂であってもよい。また、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂としては、エチレン-酢酸ビニル共重合体けん化物、エチレン-酢酸ビニルの加水分解物などのようなエチレン-酢酸ビニル変性体樹脂も用いることができる。
 エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂は、JIS K 6730「エチレン・酢酸ビニル樹脂試験方法」またはJIS K 6924-2:1997に準拠して測定される酢酸ビニル含量が好ましく10~50質量%、より好ましくは20~40質量%である。酢酸ビニル含量をこれら下限値以上とすることで、ガラスへの接着性が高くなり、また、合わせガラスの耐貫通性が良好になりやすくなる。また、酢酸ビニル含量をこれら上限値以下とすることで、中間膜の破断強度が高くなり、合わせガラスの耐衝撃性が良好になる。
(アイオノマー樹脂)
 アイオノマー樹脂としては、特に限定はなく、様々なアイオノマー樹脂を用いることができる。具体的には、エチレン系アイオノマー、スチレン系アイオノマー、パーフルオロカーボン系アイオノマー、テレケリックアイオノマー、ポリウレタンアイオノマー等が挙げられる。これらの中では、合わせガラスの機械強度、耐久性、透明性などが良好になる点、ガラスへの接着性に優れる点から、エチレン系アイオノマーが好ましい。
 エチレン系アイオノマーとしては、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーが透明性と強靭性に優れるため好適に用いられる。エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、少なくともエチレン由来の構成単位および不飽和カルボン酸由来の構成単位を有する共重合体であり、他のモノマー由来の構成単位を有していてもよい。
 不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等が挙げられ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましく、メタクリル酸が特に好ましい。また、他のモノマーとしては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、1-ブテン等が挙げられる。
 エチレン・不飽和カルボン酸共重合体としては、該共重合体が有する全構成単位を100モル%とすると、エチレン由来の構成単位を75~99モル%有することが好ましく、不飽和カルボン酸由来の構成単位を1~25モル%有することが好ましい。
 エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体が有するカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和または架橋することにより得られるアイオノマー樹脂であるが、該カルボキシル基の中和度は、通常は1~90%であり、好ましくは5~85%である。
 アイオノマー樹脂におけるイオン源としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等の多価金属が挙げられ、ナトリウム、亜鉛が好ましい。
 アイオノマー樹脂の製造方法としては特に限定はなく、従来公知の製造方法によって、製造することが可能である。例えばアイオノマー樹脂として、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを用いる場合には、例えば、エチレンと不飽和カルボン酸とを、高温、高圧下でラジカル共重合を行い、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を製造する。そして、そのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体と、上記のイオン源を含む金属化合物とを反応させることにより、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを製造することができる。
(ポリウレタン樹脂)
 ポリウレタン樹脂としては、イソシアネート化合物と、ジオール化合物とを反応して得られるポリウレタン、イソシアネート化合物と、ジオール化合物、さらに、ポリアミンなどの鎖長延長剤を反応させることにより得られるポリウレタンなどが挙げられる。また、ポリウレタン樹脂は、硫黄原子を含有するものでもよい。その場合には、上記ジオールの一部又は全部を、ポリチオール及び含硫黄ポリオールから選択されるものとするとよい。ポリウレタン樹脂は、有機ガラスとの接着性を良好にすることができる。そのため、ガラス板が有機ガラスである場合に好適に使用される。
(熱可塑性エラストマー)
 熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系熱可塑性エラストマー、脂肪族ポリオレフィンが挙げられる。スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。スチレン系熱可塑性エラストマーは、一般的に、ハードセグメントとなるスチレンモノマー重合体ブロックと、ソフトセグメントとなる共役ジエン化合物重合体ブロック又はその水添ブロックとを有する。スチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン-イソプレンジブロック共重合体、スチレン-ブタジエンジブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレントリブロック共重合体、スチレン-ブタジエン/イソプレン-スチレントリブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレントリブロック共重合体、並びにその水素添加体が挙げられる。
 上記脂肪族ポリオレフィンは、飽和脂肪族ポリオレフィンであってもよく、不飽和脂肪族ポリオレフィンであってもよい。上記脂肪族ポリオレフィンは、鎖状オレフィンをモノマーとするポリオレフィンであってもよく、環状オレフィンをモノマーとするポリオレフィンであってもよい。中間膜の保存安定性、及び、遮音性を効果的に高める観点からは、上記脂肪族ポリオレフィンは、飽和脂肪族ポリオレフィンであることが好ましい。
 上記脂肪族ポリオレフィンの材料としては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、trans-2-ブテン、cis-2-ブテン、1-ペンテン、trans-2-ペンテン、cis-2-ペンテン、1-ヘキセン、trans-2-ヘキセン、cis-2-ヘキセン、trans-3-ヘキセン、cis-3-ヘキセン、1-ヘプテン、trans-2-ヘプテン、cis-2-ヘプテン、trans-3-ヘプテン、cis-3-ヘプテン、1-オクテン、trans-2-オクテン、cis-2-オクテン、trans-3-オクテン、cis-3-オクテン、trans-4-オクテン、cis-4-オクテン、1-ノネン、trans-2-ノネン、cis-2-ノネン、trans-3-ノネン、cis-3-ノネン、trans-4-ノネン、cis-4-ノネン、1-デセン、trans-2-デセン、cis-2-デセン、trans-3-デセン、cis-3-デセン、trans-4-デセン、cis-4-デセン、trans-5-デセン、cis-5-デセン、4-メチル-1-ペンテン、及びビニルシクロヘキサン等が挙げられる。
(可塑剤)
 中間膜は、熱可塑性樹脂を含有する場合、さらに可塑剤を含有してもよい。すなわち、中間膜は、上記のとおり、1又は2以上の樹脂層を有するが、熱可塑性樹脂を含有する各樹脂層は、さらに可塑剤を含有してもよい。
 中間膜は、可塑剤を含有することにより柔軟となり、その結果、合わせガラスの柔軟性を向上させ、耐貫通性も向上させる。さらには、ガラス板に対する高い接着性を発揮することも可能になる。可塑剤は、熱可塑性樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を使用する場合に含有させると特に効果的である。したがって、着色樹脂層などの各樹脂層は、ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤を含有することがより好ましい。
 可塑剤としては、例えば、一塩基性有機酸エステル及び多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、並びに有機リン酸エステル系可塑剤及び有機亜リン酸エステル系可塑剤などのリン系可塑剤等が挙げられる。なかでも、有機エステル可塑剤が好ましい。
 有機エステル可塑剤は、例えば、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ-n-オクタノエート、トリエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,3-プロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,4-ブチレングリコールジ-2-エチルブチレート、1,2-ブチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ-2-エチルブチレート、トリエチレングリコールジ-2-エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、トリエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ-n-ヘプタノエート、トリエチレングリコールジ-2-エチルブチレート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、混合型アジピン酸エステルなどが挙げられる。混合型アジピン酸エステルとしては、炭素数4~9のアルキルアルコール及び炭素数4~9の環状アルコールから選択される2種以上のアルコールから作製されたアジピン酸エステルが挙げられる。
 上記可塑剤のなかでも、トリエチレングリコール-ジ-2-エチルヘキサノエート(3GO)が特に好適に用いられる。
 中間膜における可塑剤の含有量は、特に限定されないが、熱可塑性樹脂100質量部に対して、好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは100質量部以下である。可塑剤の含有量を10質量部以上とすると、合わせガラスが適度に柔軟になり、耐貫通性等が良好になる。また、可塑剤の含有量を100質量部以下とすると、中間膜から可塑剤が分離することが防止される。可塑剤の含有量は、より好ましくは20質量部以上であり、さらに好ましくは30質量部以上であり、さらに好ましくは35質量部以上であり、また、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは63質量部以下である。
 また、中間膜は、1以上の樹脂層を含有するが、各樹脂層は可塑剤を含有する場合、各樹脂層における可塑剤の含有量の好適値も、上記で説明した可塑剤の含有量の好適値と同じである。
 中間膜は、樹脂、又は樹脂及び可塑剤が主成分となるものであり、中間膜において熱可塑性樹脂及び可塑剤の合計量は、中間膜全量基準で、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上100質量%未満である。上記合計量を100質量%未満とすることで、中間膜は、着色剤などの添加剤を含有できる。
 なお、各樹脂層も、樹脂、又は樹脂及び可塑剤が主成分となるものであり、各樹脂層において熱可塑性樹脂及び可塑剤の合計量は、各樹脂層全量基準で、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上100質量%未満である。
[その他の添加剤]
 本発明の中間膜は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び光安定化剤からなる群から選択される少なくとも1種の添加剤を含有することが好ましい。中間膜は、これら添加剤を含有することで、耐候性、耐熱性などが高められる。そのため、太陽光などが照射される環境下や高温環境下で長期間使用した後においても、着色剤(R)などの着色剤の劣化が抑えられ、高い意匠性を維持しやすくなる。
 耐候性をより高める観点から、中間膜は、紫外線吸収剤及び酸化防止剤を少なくとも含有することがより好ましく、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び光安定化剤の全てを含有することがさらに好ましい。
 上記のとおり、中間膜は、1以上の樹脂層を含有するが、上記添加剤は少なくとも1つの樹脂層に含有させればよいが、少なくとも着色樹脂層に含有させることが好ましい。また、上記添加剤は、中間膜が多層構造である場合には、着色樹脂層のみに含有させてもよいし、着色樹脂層に加えて、他の樹脂層にも含有させてもよい。
 着色樹脂層は、上記の中でも紫外線吸収剤及び酸化防止剤を含有することがより好ましく、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び光安定化剤の全てを含有することがさらに好ましい。また、着色樹脂層以外の樹脂層も、紫外線吸収剤及び酸化防止剤を含有することがより好ましく、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び光安定化剤の全てを含有することがさらに好ましい。
(紫外線吸収剤)
 紫外線吸収剤としては、例えば、マロン酸エステル骨格を有する化合物、シュウ酸アニリド骨格を有する化合物、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物、ベンゾフェノン骨格を有する化合物、トリアジン骨格を有する化合物、ベンゾエート骨格を有する化合物、ヒンダードアミン骨格を有する化合物等を使用できる。これらのなかでは、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物(ベンゾトリアゾール系化合物)が好ましい。
 紫外線吸収剤は、太陽光などに含まれる紫外線を吸収して、太陽光などの照射により中間膜や着色剤が劣化することを防止して、耐候性を向上させる。
 ベンゾトリアゾール系化合物の好ましい具体例としては、以下の式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010

(式(2)において、Rは、水素原子、炭素数が1~8のアルキル基、又は炭素数4~20のアルコキシカルボニルアルキル基を表し、Rは、水素原子、又は炭素数が1~8のアルキル基を表す。Xはハロゲン原子又は水素原子である。Y及びYはそれぞれ独立に水酸基又は水素原子であり、Y及びYの少なくともいずれか1つが水酸基である。)
 式(2)において、R、Rのアルキル基は、直鎖構造を有するものであってもよく、分岐構造を有するものであってもよい。アルコキシカルボニルアルキル基は、直鎖構造を有するものであってもよく、分岐構造を有するものであってもよい。R、Rとして、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基が挙げられる。Rは、これらに加えて、メトキシカルボニルプロピル基、オクチルオキシカルボニルプロピル基等が挙げられる。なかでも、Rは、水素原子又はアルキル基、特に、水素原子、メチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、オクチル基であることが好ましい。RとRとは同一であってもよく、異なっていてもよい。
 Xのハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられるが、塩素原子が好ましい。
 Y及びYはいずれか一方のみが水酸基でもよいし、両方が水酸基でもよい。また、Yが少なくとも水酸基であることが好ましい。
 また、式(2)で示される化合物の具体例としては、5-クロロ-2-「3-(tert-ブチル)-2-ヒドロキシ―5-メチルフェニル」-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、3-[3-tert-ブチル-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクチル、3-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニルプロピオン酸メチル、2-(3,5-ジ-tert-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
 ベンゾトリアゾール系化合物としては、上記式(2)で示す化合物以外であってよく、例えば2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]―2H-ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールなどでもよい。
 紫外線吸収剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 紫外線吸収剤の含有量は、中間膜において、0.005質量%以上2質量%以下であることが好ましい。0.005質量%以上とすることで、太陽光に含まれる紫外線によって着色剤(R)などが劣化することを適切に防止でき、耐候性を高めることができる。また、2質量%以下とすることで、紫外線吸収剤により、樹脂層に色目がついたりすることを防止でき、さらに、含有量に見合った効果も発揮しやすくなる。
 中間膜における紫外線吸収剤の含有量は、0.01質量%以上1質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下が更に好ましい。
 また、中間膜は、1以上の樹脂層を含有するが、紫外線吸収剤を含有する各樹脂層における紫外線吸収剤の含有量の好適値は、上記した中間膜における紫外線吸収剤の含有量の好適値と同様である。
(酸化防止剤)
 酸化防止剤としては、フェノール系化合物、リン酸系化合物、硫黄系化合物などが挙げられる。酸化防止剤は、中間膜、着色剤が酸化劣化することを防止して、耐候性を向上させる。上記の中では、耐候性を向上させる観点から、フェノール系化合物が好適である。
 上記フェノール系化合物は、例えば、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、ステアリル-β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’-メチレンビス-(4-メチル-6-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス-(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ブチリデン-ビス-(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス-(2-メチル-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェノール)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、及びビス(3,3’-t-ブチルフェノール)ブチリックアッシドグリコールエステル及びペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]等が挙げられる。
 上記リン酸系化合物は、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリデシルフォスファイト、2-エチル-2-ブチルプロピレン-4,6-トリ第三ブチルフェノールホスファイト、9,10-ジハイドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナンスレン、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、トリス[2-第三ブチル-4-(3-第三ヒドロキシ-5-メチルフェニルチオ)-5-メチルフェニル]ホスファイト等が挙げられる。
 上記硫黄系化合物は、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類や、ペンタエリスリトールテトラ(β-ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ-アルキルメルカプトプロピオン酸エステル等が挙げられる。
 酸化防止剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 中間膜における酸化防止剤の含有量は、0.005質量%以上2質量%以下であることが好ましい。0.005質量%以上とすることで、樹脂、着色剤などの酸化劣化を適切に防止でき、耐候性を高めることができる。また、2質量%以下とすることで、含有量に見合った効果も発揮しやすくなる。
 中間膜における酸化防止剤の含有量は、0.01質量%以上1質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上0.5質量%以下が更に好ましい。
 また、中間膜は、1以上の樹脂層を含有するが、酸化防止剤を含有する各樹脂層における酸化防止剤の含有量の好適値は、上記した中間膜における酸化防止剤の含有量の好適値と同様である。
(光安定剤)
 光安定剤は、ヒンダードアミン光安定剤であることが好ましい。光安定剤は、太陽光などに含まれる紫外線などの照射により中間膜や着色剤が劣化することを防止する。
 ヒンダードアミン光安定剤としては、ピペリジン構造の窒素原子にアルキル基、アルコキシ基又は水素原子が結合しているヒンダードアミン光安定剤等が挙げられる。劣化をより一層抑える観点からは、ピペリジン構造の窒素原子にアルキル基又はアルコキシ基が結合しているヒンダードアミン光安定剤が好ましい。上記ヒンダードアミン光安定剤は、ピペリジン構造の窒素原子にアルキル基が結合しているヒンダードアミン光安定剤であることが好ましく、ピペリジン構造の窒素原子にアルコキシ基が結合しているヒンダードアミン光安定剤であることも好ましい。
 光安定剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 上記ピペリジン構造の窒素原子にアルキル基が結合しているヒンダードアミン光安定剤としては、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、ブタン-1,2,3,4-テトラカルボン酸テトラキス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジニル)などが挙げられる。また、市販品も使用可能であり、BASF社製「Tinuvin765」及び「Tinuvin622SF」、並びにADEKA社製「アデカスタブ  LA-52」等が挙げられる。
 また、上記ピペリジン構造の窒素原子にアルコキシ基が結合しているヒンダードアミン光安定剤としては、BASF社製「TinuvinXT-850FF」及び「TinuvinXT-855FF」、並びにADEKA社製「アデカスタブ  LA-81」等が挙げられる。
 上記ピペリジン構造の窒素原子に水素原子が結合しているヒンダードアミン光安定剤としては、BASF社製「Tinuvin770DF」、及びクラリアント社製「Hostavin  N24」等が挙げられる。
 中間膜における光安定剤の含有量は、0.001質量%以上0.5質量%以下であることが好ましい。0.001質量%以上とすることで、中間膜、着色剤の紫外線などによる劣化を適切に防止でき、耐候性を高めることができる。また、0.5質量%以下とすることで、含有量に見合った効果も発揮しやすくなる。
 中間膜における光安定剤の含有量は、0.005質量%以上0.4質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以上0.2質量%以下が更に好ましい。
 また、中間膜は、1以上の樹脂層を含有するが、光安定剤を含有する各樹脂層における光安定剤の含有量の好適値は、上記した中間膜における光安定剤の含有量の好適値と同様である。
(接着力調整剤)
 中間膜は、接着力調整剤を含有してもよい。中間膜は、接着力調整剤により、中間膜とガラス板の接着性が制御され、耐貫通性に優れた合わせガラスを得やすくなる。接着力調整剤は、ガラス板に接触する位置に配置される樹脂層に含有されるとよい。したがって、単層構造である場合には、単層構造の樹脂層に含有されればよいが、後述する図2~6に示すとおり、第1~第3の樹脂層を含有する中間膜である場合には、第2及び第3の樹脂層に接着力調整剤を含有させればよい。
 上記接着力調整剤は特に限定されず、金属塩であることが好ましく、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩及びMg塩からなる群から選択された少なくとも1種の金属塩であることがより好ましい。上記金属塩は、K及びMgの内の少なくとも1種の金属を含むことが好ましい。上記金属塩は、炭素数2~16の有機酸のアルカリ金属塩又は炭素数2~16の有機酸のアルカリ土類金属塩であることがより好ましく、炭素数2~16のカルボン酸マグネシウム塩又は炭素数2~16のカルボン酸カリウム塩であることが更に好ましい。上記炭素数2~16のカルボン酸マグネシウム塩及び上記炭素数2~16のカルボン酸カリウム塩としては特に限定されないが、例えば、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、プロピオン酸マグネシウム、プロピオン酸カリウム、2-エチル酪酸マグネシウム、2-エチル酪酸カリウム、2-エチルヘキサン酸マグネシウム及び2-エチルヘキサン酸カリウム等が挙げられる。 接着力調整剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上の併用する場合、酢酸マグネシウムと2-エチル酪酸マグネシウムを併用することが好ましい。
 接着剤調整剤が含有される樹脂層において、接着力調整剤の含有量は、金属塩由来の金属元素量基準で、5質量ppm以上1000質量ppm以下であることが好ましく、10質量ppm以上500質量ppm以下であることがさらに好ましく、20質量ppm以上200質量ppm以下であることが好ましい。接着力調整剤の含有量が上記範囲内であると耐候性などを低下させることなく、適切にガラス板との接着力を調整できる。
(遮熱剤)
 中間膜は、遮熱剤を含有してもよい。遮熱剤を含有することで中間膜の遮熱性をより一層向上させることができる。遮熱剤としては、典型的には、波長が780nm以上の赤外線、すなわち熱線を吸収することができる材料である。遮熱剤は、無機材料からなり、典型的には遮熱粒子が使用される。その具体例としては、金属酸化物粒子、六ホウ化ランタン(LaB6)粒子等の金属酸化物粒子以外の粒子が挙げられる。金属酸化物粒子としては、アルミニウムドープ酸化錫粒子、インジウムドープ酸化錫粒子、アンチモンドープ酸化錫粒子(ATO粒子)などの酸化錫粒子、ガリウムドープ酸化亜鉛粒子(GZO粒子)、インジウムドープ酸化亜鉛粒子(IZO粒子)、アルミニウムドープ酸化亜鉛粒子(AZO粒子)、錫ドープ酸化亜鉛粒子及び珪素ドープ酸化亜鉛粒子などの酸化亜鉛粒子、ニオブドープ酸化チタン粒子などの酸化チタン粒子、錫ドープ酸化インジウム粒子(ITO粒子)などの酸化インジウム粒子、ナトリウムドープ酸化タングステン粒子、セシウムドープ酸化タングステン粒子(CWO粒子)、タリウムドープ酸化タングステン粒子、ルビジウムドープ酸化タングステン粒子などの酸化タングステン粒子が挙げられる。また、これら以外の遮熱粒子を用いてもよい。遮熱剤は、一種単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
 これらの中では、熱線の遮蔽機能が高いため、金属酸化物粒子が好ましく、ATO粒子、GZO粒子、ITO粒子及びCWO粒子から選択される少なくとも1種を使用することがより好ましく、ITO粒子又はCWO粒子を使用することがさらに好ましい。
 遮熱粒子の平均粒子径の好ましい下限は10nm、より好ましい下限は20nm、好ましい上限は100nm、より好ましい上限は80nm、更に好ましい上限は50nmである。平均粒子径が上記好ましい下限以上となると、熱線の遮蔽性を充分に高めることができる。また、平均粒子径が上記好ましい上限以下であると、遮熱剤によって可視光線を必要以上に遮蔽しにくくなる。なお、「平均粒子径」は、体積平均粒子径を示す。平均粒子径は、粒度分布測定装置(日機装社製「UPA-EX150」)等を用いて測定できる。
 中間膜における遮熱剤の含有率は、0.005質量%以上2.0質量%以下が好ましく、0.01質量%以上1.5質量%以下がより好ましく、0.04質量%以上1.0質量%以下がさらに好ましい。遮熱粒子の含有率をこれら範囲内とすることで、可視光透過率などを低下させることなく、中間膜の遮熱性を高めることができる。
 なお、多層構造において、遮熱剤は、着色剤が含有される着色樹脂層に配合されてもよいおし、着色樹脂層以外に配合されてもよい。
 また、中間膜は、必要に応じて、上記以外にも、蛍光増白剤、結晶核剤等の添加剤を含有してもよい。
<層構成>
 以下、本発明の中間膜の層構成についてより詳細に説明する。
(単層構造)
 本発明では、中間膜は、単層の樹脂層(「第1の樹脂層」ともいう)からなるものでもよい。中間膜は、単層の樹脂層からなる場合、その樹脂層が着色剤(R)を含有する着色樹脂層となる。また、中間膜が着色剤(R)以外の着色剤を含有する場合、第1の樹脂層が着色剤(R)以外の着色剤も含有するとよい。
 なお、単層の樹脂層は、その樹脂層の両面それぞれが合わせガラスを構成するガラス板に接着されるとよい。単層構造の中間膜は、中間膜の全領域が着色剤(R)を含有する領域(着色領域)になるとよい。なお、着色剤(R)により着色された領域は、本明細書では、便宜上、「着色領域」と呼び、「着色剤(R)」以外の材料のみにより着色された領域は、「着色領域」とは呼ばないこととする。
(多層構造)
 中間膜は、上記したとおり、複数の樹脂層を含む多層構造を有してもよい。複数の樹脂層からなる多層構造は、厚み方向に2つの樹脂層が積層された2層構造であってもよいし、3つの樹脂層が積層された3層構造であってもよいし、4つ以上の樹脂層が積層されたものでもよい。これらの中では2層~5層構造を有することが好ましく、3層構造を有することがさらに好ましい。多層構造である場合には、少なくとも1つの樹脂層が、着色剤(R)を含む着色樹脂層となる。
 以下、中間膜が多層構造を有する場合の具体例を図1~6に示す第1~第6の実施形態を用いて説明する。
 図1に示す第1の実施形態の中間膜10は、2層構造の中間膜であり、第1の樹脂層11と、第2の樹脂層12とを有し、第2の樹脂層12が第1の樹脂層11の一方の面側に設けられる。
 2層構造の中間膜10は、合わせガラスにおいては、第1の樹脂層11が一方のガラス板、第2の樹脂層が他方のガラス板に接着するとよい。第1の樹脂層11及び第2の樹脂層11は、いずれか一方が着色剤(R)を有する着色樹脂層となるとよいが、両方が着色剤(R)を有する着色樹脂層であってもよい。なお、2層構造の中間膜10は、図1に示すとおり、その全領域が2層構造からなり、全領域が着色領域となるとよい。
 また、中間膜が、着色剤(R)以外の着色剤を含有する場合、着色剤(R)以外の着色剤は、着色樹脂層に含有されてもよいし、着色樹脂層以外の樹脂層に含有されてもよいが、着色樹脂層に含有させることが好ましい。
 図2に示す第2の実施形態の中間膜10は、3層構造の中間膜であり、第1~第3の樹脂層11、12、13を有し、第2の樹脂層12が第1の樹脂層11の一方の面側に設けられ、第3の樹脂層13が第1の樹脂層11の他方の面側に設けられる。第3の実施形態の中間膜10は、合わせガラスにおいて、第2の樹脂層11が一方のガラス板、第3の樹脂層13が他方のガラス板に接着するとよい。
 第1~第3の樹脂層11、12、13は、少なくともいずれか1つが着色剤(R)を含有して着色樹脂層となる。具体的には、第1~第3の樹脂層11、12、13のうち、第1の樹脂層11のみが着色樹脂層となってもよいし、第2及び第3の樹脂層12、13のうちの一方のみ、又はこれらの両方が着色樹脂層となってもよい。さらに、第1の樹脂層11と、第2及び第3の樹脂層12、13のいずれか一方とが着色樹脂層となってもよい。また、第1~第3の樹脂層11、12、13の全てが着色樹脂層となってもよい。
 また、上記の中では、好ましくは少なくとも第1の樹脂層11が着色樹脂層となる。なお、図2に示すとおり、中間膜の全領域が着色領域となる場合には、第1の樹脂層11が着色樹脂層となる態様も好ましいが、第2及び第3の樹脂層12、13が着色樹脂層となる態様も好ましい。
 また、中間膜が、着色剤(R)以外の着色剤を含有する場合、着色剤(R)以外の着色剤は、着色樹脂層に含有されてもよいし、着色樹脂層以外の樹脂層に含有されてもよいが、着色樹脂層に含有させることが好ましく、したがって、第1の樹脂層11は、着色剤(R)と、着色剤(R)以外の着色剤を含有することが好ましい。
 中間膜は、多層構造を有する場合、図1、2に示すように、中間膜の全領域が着色領域となってもよいが、一部の領域が着色領域となってよい。具体的には、図3に示す第3の実施形態に示す中間膜10のように、第1~第3の樹脂層11、12、13を有し3層構造を有する場合、その一部の領域21(第1の領域21)において、第1の樹脂層11が、第2及び第3の樹脂層12、13の間に配置され、これら樹脂層12,13の間に埋め込まれるような構造を有してもよい。ここで、第1の領域21では、第1の樹脂層11の厚みが、中間膜10の端部にある最厚部21Aより、厚み方向に直交する方向(すなわち、面方向の一方向)に沿って、連続的に減少する領域(グラデーション領域)であり、厚み方向に直交する方向に沿って先細り形状となる。そして、その先細り形状の先端より先の領域(すなわち、第1の領域21に隣接する第2の領域22)では、第2及び第3の樹脂層12,13が直接積層され、これらが一体的となり、1つの樹脂層25を構成するとよい。
 ここでも上記の通り、第1~第3の樹脂層11、12、13の少なくとも1つが着色樹脂層であればよいが、中でも第1の樹脂層11が着色樹脂層であることが好ましい。第1の樹脂層11が着色樹脂層であると、最厚部21Aから第2の領域22に向かうにしたがって、色味が徐々に変わって、意匠性に優れる中間膜を提供できる。
 また、第1の樹脂層11が着色樹脂層の場合、第2及び第3の樹脂層12、13それぞれは、着色剤(R)を含有してもよいが、着色剤(R)を含有しないほうが好ましい。これにより、第1の領域21を着色領域、第2の領域22を非着色領域とすることができる。ここで、非着色領域は、着色剤(R)を含有せずに、着色剤(R)により着色されない領域を意味する。また、本実施形態では、中間膜における着色剤(R)の含有率は、第2の領域22において、第1の領域21よりも低くするとよい。
 また、中間膜が着色剤(R)以外の着色剤を含有する場合、本実施形態において第1の樹脂層11は、着色剤(R)に加えて、着色剤(R)以外の着色剤を含有することが好ましい。ただし、第2及び第3の樹脂層12、13の一方又は両方が、着色剤(R)以外の着色剤を含有してもよい。
 なお、上記した第3の実施形態の中間膜10で示したように、第1の領域21において、第1の樹脂層11が、第2及び第3の樹脂層12,13の間に配置され、これら樹脂層12,13の間に埋め込まれる構造を有する場合、第1の領域21の構成は、上記に限定されない。例えば、図4に示す第4の実施形態の中間膜10のように、第1の領域21は、厚みが一定となる領域21Xと、その領域21Xに接続し、厚みが、厚み方向に直交する方向に沿って、連続的に減少する領域(グラデーション領域)21Yからなってもよい。
 この場合、第4の実施形態の構成は、領域21Xを有する以外は、第3の実施形態で説明したとおりである。
 また、上記第3及び第4の実施形態において、第1の領域21は、1つしか設けられなかったが、図5の第5の実施形態に示すように、複数設けられてもよい。すなわち、上記では、第1の領域21は、厚み方向に直交する方向における一方の端部のみに設けられていたが、第5の実施形態の中間膜のように、両端に設けられてもよい。
 さらに、第1の樹脂層11が第1及び第2の樹脂層12,13の間に埋め込まれる第1の領域21は、端部以外の位置に設けられてもよく、例えば、図6に示す第6の実施形態に示すように、両端部の間(中央部分)に設けられてもよい。
 ここで、第1の領域21は、厚みが一定となる領域21Xと、その領域21Xの両端に接続し、厚みが、厚み方向に直交する方向に沿って、連続的に減少する領域(グラデーション領域)21Y、21Yからなるが、領域21Xは省略されてもよい。
 また、各領域21Yの先細り形状の先端側に、上記第3~第5の実施形態と同様に、第2の領域22が設けられる。第2の領域22では、第2の樹脂層12,第3の樹脂層13が直接積層され、これらが一体的となり、樹脂層25となる。
 第5及び6の実施形態でも、以上説明した構成以外は、第3の実施形態の中間膜と同様であるので、その説明は省略する。
 なお、上記第3~第6の実施形態において、第1の領域21において、厚み方向に隣接する樹脂層(例えば、第3及び第1の樹脂層13、11、及び第1及び第2の樹脂層11、12)は互いに組成が異なればよい。一方で、第2の樹脂層12、及び第3の樹脂層13は、いずれも組成が同一で、第2の領域22において、これら2つの樹脂層12、13は一体的となり、1つの層(第1の層25)となる態様を前提に説明した。ただし、2つの樹脂層12、13は、互いに組成が異なり、第2の領域22において1つの層とならずに、2つの樹脂層12,13による多層構造を形成してもよい。
 同様に、第2の実施形態において、全領域において厚み方向に隣接する樹脂層(例えば、第3及び第1の樹脂層13、11、及び第1及び第2の樹脂層11、12)は互いに組成が異なればよい。一方で、第3の樹脂層13と第2の樹脂層12は、互いに組成が異なっていてもよいし、互いに同一であってもよい。
 勿論、樹脂層は、4層以上であってもよく、中間膜においては、上記第2~第6の実施形態(図2~図6)を用いて説明した第1~第3の樹脂層に加えて、第4の樹脂層や第4及び第5の樹脂層が設けられてもよい。この場合、中間膜は、例えば、第3、第1、第2、及び第4の樹脂層の順に設けられた積層構造を有してもよい。同様に、第4及び第5の樹脂層が設けられる場合には、例えば、第3、第1、第2、第4、及び第5の樹脂層の順に設けられた積層構造を有するとよい。
 また、以上説明した積層構造は、本発明の中間膜の積層構造の一例であって、これら構造に限定されない。
 上記各積層構造において、各樹脂層における、樹脂及び可塑剤の詳細は、上記のとおりであり、各樹脂層に関して適宜上記で説明したとおりの構成とするとよい。
 例えば、第2~第6の実施形態のように、第1~第3の樹脂層11~13を有する多層構造であり、かつ第1~第3の樹脂層11~13が各樹脂層を構成する樹脂としてポリビニルアセタール樹脂を含有する場合、第1~第3の樹脂層11、12、13を構成するポリビニルアセタール樹脂の詳細、及び可塑剤の詳細は、上記で説明したとおりである。
 また、中間膜は、図1~6に示すように断面矩形であってもよいが、断面矩形に限定されず、例えば楔形状を有していてよい。楔形状を有する中間膜30は、図7~9に示すように一端30Aと、その一端30Aの反対側に他端30Bとを有し、他端30Bの厚さが、一端30Aの厚みよりも大きくなり、中間膜30全体して楔形状を有するものである。
 例えばヘッドアップディスプレイシステムにおいて、合わせガラスにプロジェクターにより画像を投影する場合、2枚のガラス板における光の屈折により画像が2重に見えることがあるが、上記のとおり楔形形状して光の屈折を制御することで画像が2重に見えることが防止できる。
 楔形状の中間膜30は、例えば図7に示すように台形形状を有してもよいが、三角形状を有してもよい。また、楔形状の中間膜30は、他端30Aから一端30Bに向けて厚さが変化するものであるが、全ての部分で厚さが変化する必要はなく、図8に示すように厚さが一定の部分30Cを有しており、厚さが変化する部分が一部分であってもよい。
 さらに、図7,8では、厚さが変化する部分において、一端30Aから他端30Bに向けて、厚さの増加量が一定であったが、厚さの増加量は一定である必要はなく、図9に示すように、漸次変化して、断面において例えば曲線的になっていてもよい。
 なお、楔角θは、図7,8に示すように、厚さの増加量が一定である場合には、楔角度も一定である。したがって、中間膜30一方の表面30Xに対する、他方の表面30Yの傾斜角度が楔角θとなる。
 一方で、図9に示すように、厚さの増加量が変化する場合には、楔角θは、以下の通りである。すなわち、楔角θは、中間膜30の一方の表面30Xにおいて、中間膜30における最大厚み部分30Mと最小厚み部分30Sの最近接部位を結んだ直線L1と、他方の表面30Yにおいて、最大厚み部分30Mと最小厚み部分30Sの最近接部位を結んだ直線L2との交点における内角である。
 楔角θは、0.1mrad以上であることが好ましく、より好ましくは0.2mrad以上、更に好ましくは0.3mrad以上であり、また、1mrad以下が好ましく、0.9mrad以下がさらに好ましい。楔角θをこれら範囲内とすることで、合わせガラスにより反射された赤外線を撮影装置などの受光手段において1点に結像しやすくなる。
 中間膜が、楔形状でかつ単層構造の場合には、着色剤(R)を有する単層の樹脂層を楔形状とすればよい。
 また、中間膜が楔形状でかつ多層構造である場合、中間膜の断面が楔形状となるように、各層の断面形状を適宜調整すればよく、例えば、図1、2に示したように、複数の樹脂層が全領域で設けられる場合には、複数の樹脂層のうち少なくとも1つの樹脂層の厚さを一端から他端に向けて厚さが増加するように調整すればよい。もちろん、楔形状である場合でも、図3~図6に示すように、一部の領域において、多層としてもよいが、その場合には、中間膜の断面が楔形状となるように各層の厚みを適宜調整すればよい。
 楔形状の中間膜が多層構造を有する場合の一例を図10に示す。図10に示すとおりに、楔形状の中間膜30は、中間膜30が一端30Aから他端30Bに向けて厚みが増加するのに合わせて、第1の樹脂層31の厚みも一端30Aから他端30Bに向けて増加させるとよい。第1の樹脂層31の厚みが一端30Aから他端30Bに向け変化する場合、例えば第1の樹脂層31を着色樹脂層とすると、中間膜にグラデーションを付けることができる。
 また、第1及び第3の樹脂層31、33も、中間膜30が一端30Aから他端30Bに向けて厚みが増加するのに合わせて、一端30Aから他端30Bに向けて増加させてもよい。図10では、各樹脂層の厚さの増加量が一定であったが、厚さの増加量は一定である必要はなく、漸次変化して、断面において例えば曲線的になっていてもよい。また、楔形状の中間膜30において、第1~第3の樹脂層31、32、33の少なくともいずれか1つは厚みが一定であってもよい。
 第1~第3の樹脂層31、32、33は、少なくともいずれか1つが着色剤(R)を含有して着色樹脂層となるとよく、その詳細は、上記で説明した通りであるが、中でも第2及び第3の樹脂層32、33が着色樹脂層となる態様がより好ましい。
[中間膜の厚み]
 中間膜の厚みは、好ましくは0.2mm以上2.0mm以下である。中間膜は、着色剤(R)の含有率を上記したように調整した上で、厚みをこれら範囲内とすることで、意匠性の高い着色ガラスにしやすくなる。中間膜の厚みは、より好ましく0.25mm以上1.0mm以下、さらに好ましくは0.3mm以上0.9mm以下である。なお、中間膜の厚みは、上記した楔形状の中間膜のように厚さが変化することがあるが、その場合には、最も薄くなる部分(最薄部)を意味する。
 多層構造では、着色樹脂層の厚みが、特に限定されないが、中間膜の全厚みに対して、厚み比(着色樹脂層/全厚み)で例えば0.01以上1以下、好ましくは0.03以上0.75以下、より好ましくは0.05以上0.45以下である。
 また、多層構造における着色樹脂層の具体的な厚みは、特に限定されないが、例えば、0.02mm以上1mm以下、好ましくは0.03mm以上0.8mm以下、さらに好ましくは0.04mm以上0.5mm以下である。着色樹脂層の厚みを0.02mm以上1mm以下とすることで、中間膜を必要以上に大きくすることなく、中間膜の意匠性を良好にしやすくなる。
 なお、着色樹脂層の厚みとは、着色樹脂層が2層以上ある場合には、その合計厚みを意味する。また、着色樹脂層の厚みは、着色樹脂層が最も厚くなる部分(最厚部)における着色樹脂層の厚みである。
 上記のとおり、多層構造において第1~第3の樹脂層を含有する場合、第1の樹脂層が着色樹脂層であることが好ましい。そのような場合、第1の樹脂層(着色樹脂層)の厚みは、特に限定されないが、0.02mm以上1mm以下、好ましくは0.03mm以上0.8mm以下、さらに好ましくは0.04mm以上0.5mm以下である。また、第2及び第3の樹脂層それぞれの厚みは、特に限定されないが、例えば0.1mm以上0.7mm以下、より好ましくは0.15mm以上0.6mm以下、さらに好ましくは0.2mm以上0.5mm以下である。
[中間膜の光学特性]
 本発明の中間膜は、2枚のクリアガラス板が中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスに対して、温度63℃及び湿度50%RHの条件下で、300~400nmの積算光量が60W/mであるキセノン光源からの光を2000時間照射した際のΔEが3.5以下であることが好ましい。なお、ΔEとは、照射前の合わせガラスと照射後の合わせガラスの色差を意味する。
 ΔEを3.5以下とすることで、太陽光照射下及び高温下で長期間使用しても、合わせガラスの変色を防止でき、高い意匠性を維持できる。ΔEは、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下、よりさらに好ましくは0.9以下である。また、ΔEは、低ければ低いほどよく、0以上であればよい。
 本発明の中間膜は、2枚のクリアガラス板を中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスに対して測定されたヘイズは、例えば、6.5%以下であるが、好ましくは2.5%以下、より好ましく2%以下、さらに好ましくは1.5%以下、よりさらに好ましくは1.0%以下である。ヘイズを低くすることで、中間膜に含有される着色剤による光拡散が適切に防止され、着色剤による着色を鮮やかにしやすくなる。該ヘイズは、低ければ低いほどよく、0%以上であればよい。
 本発明の中間膜は、2枚のクリアガラス板を中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスに対して測定されたL*が例えば15以上であり、好ましくは50以上、より好ましくは60以上、さらに好ましくは90以上である。L*を高くすることで、可視光線透過率も高くなり、透明性の高い合わせガラスを得やすくなる。また、L*は100以下であればよいが、96以下が好ましく、94以下がより好ましい。L*を一定値以下とすることで、着色剤によって適切に着色しやすくなる。
 本発明の中間膜は、2枚のクリアガラス板を中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスに対して測定されたL*が85以上94以下であり、かつヘイズが1.2%以下であることが好ましい。
 L*が上記範囲内である合わせガラスは、一定の光透過性を有しながらも着色剤により適度に着色されていることを示し、このような合わせガラスにおいてヘイズが1.2%以下であると、着色剤により着色された色が鮮やかになり、意匠性が優れたものとなる。更には高い視認性を備え、自動車用フロントガラスへの使用にも好適である。該ヘイズは、意匠性の観点から、1%以下がより好ましく、0.7%以下がさらに好ましい。また、該ヘイズは、低ければ低いほどよく、0%以上であればよい。
 本発明の中間膜は、2枚のクリアガラス板が中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスに対して測定されたL*が85未満であり、かつヘイズが2.5%以下である態様であることも好ましい。
 L*が85未満である合わせガラスは、着色剤により比較的濃色に着色されながらも一定の透過性を有する合わせガラスといえ、このような合わせガラスにおいてはヘイズが2.5%以下であると、着色剤により着色された色が鮮やかになり、意匠性が優れたものとなる。該ヘイズは、意匠性の観点から、2%以下がより好ましく、1.5%以下がさらに好ましく、1.0%以下がよりさらに好ましい。また、該ヘイズは、低ければ低いほどよく、0%以上であればよい。
 また、本発明の中間膜は、2枚のクリアガラス板が中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスにおいて、480nm以上580nm未満に極大吸収波長を有することが好ましい。中間膜は、480nm以上580nm未満に極大吸収波長を有することで、合わせガラスが赤色に着色され、又は後述のとおり他の波長域に極大吸収波長を有する場合には黄色と他の色とが混色されて様々な色に着色されて、意匠性の高い合わせガラスを提供できる。
 なお、上記480nm以上580nm未満の極大吸収波長は、好ましくは500nm以上560nm以下の波長域に少なくとも1つある。
 中間膜は、上記合わせガラスにおいて、380nm以上480nm未満、又は580nm以上780nm以下のいずれかに極大吸収波長を有しなくてもよいが、これらのいずれか、又はこれらの両方を有してもよい。合わせガラスは、これら極大吸収波長を有することで、黄色と他の色とが混色されて様々な色に着色される。
 なお、380nm以上480nm未満の極大吸収波長は、好ましくは400nm以上460nm以下の波長域に少なくとも1つある。また、580nm以上780nm以下の極大吸収波長は、好ましくは590nm以上730nm以下の波長域に少なくとも1つある。
 さらに、中間膜は、上記合わせガラスにおいて、480nm以上580nm未満の極大吸収波長における透過率が、380nm以上480nm未満の極大吸収波長における透過率及び580nm以上780nm以下の極大吸収波長における透過率よりも低いことが好ましい。このような態様によれば、合わせガラスは、赤色による着色が支配的になりやすく、赤色または赤色味を帯びた色に着色されやすくなる。
 なお、480nm以上580nm未満の極大吸収波長における透過率が、380nm以上480nm未満の極大吸収波長における透過率より低いとは、480nm以上580nm未満に極大吸収波長があり、かつ380nm以上480nm未満に極大吸収波長がない場合も包含する。同様に、480nm以上580nm未満の極大吸収波長における透過率が、580nm以上780mm以下の極大吸収波長における透過率より低いとは、480nm以上580nm未満に極大吸収波長があり、かつ580nm以上780mm以下に極大吸収波長がない場合も包含する。
 なお、以上のΔE、L*、ヘイズ、極大吸収波長、及び極大吸収波長における透過率の測定で使用されるクリアガラス板は、厚み2.5mmでJIS R 3106:1998に準拠した測定した可視光透過率が90.5%である。また、該クリアガラス板は、JIS Z 8781-1(2012)、JIS Z 8781-2(2012)、及びJIS Z 8781-4(2013)で規定される、CIE標準イルミナントD65、及び10°視野等色関数を用い、a*=‐0.6、b*=0.2、ヘイズが0.2%以下であり、以上のクリアガラス板は、基準クリアガラスともいう。
 また、中間膜は、着色剤(R)を含有する着色領域と、着色剤(R)を含有しない非着色領域とを有することがあるが、その場合、ΔE、L*、ヘイズ、極大吸収波長、及び極大吸収波長における透過率の測定は、特に言及がない限り、着色領域におけるΔE、L*及びヘイズを意味する。また、着色領域は、例えばグラデーション領域を有し、中間膜全厚みにおける着色剤(R)の含有率が変化し、可視光透過率なども変化することがあるが、その場合、着色剤(R)の含有率が最も高い着色領域においてΔE、L*、ヘイズ、極大吸収波長、及び極大吸収波長における透過率を測定するとよい。また、これら光学特性は、楔形の中間膜のように、中間膜が着色剤(R)の含有率が最も高い着色領域において厚みが変化するような場合には、任意のいずれかの位置で測定して上記各規定を満たせばよいが、例えば、中間膜が最も薄くなる部分で測定された各測定値が、上記各規定を満たすとよい。
(中間膜の製造方法)
 本発明の中間膜は、特に限定されないが、単層構造である場合には、例えば、樹脂、着色剤(R)、必要に応じて配合される着色剤(R)以外の着色剤、着色剤以外の添加剤などの中間膜を構成する成分を混合し、得られた樹脂組成物を押出成形、プレス成形などして成形すればよい。
 ここで、着色剤(R)は、樹脂組成物における分散性を高める観点から、例えば可塑剤を使用する場合には、着色剤(R)を可塑剤に配合して可塑剤に十分に分散させたうえで、樹脂と混合するとよい。この際、可塑剤には適宜分散剤などを加えてもよい。
 着色剤(R)は、樹脂組成物に配合する際に、可塑剤などに十分に分散させておくことで、中間膜において凝集することを防止して、着色剤(R)のD50,D90、さらにはD50(T)やD90(T)なども小さくできる。
 また、着色剤(R)以外の着色剤を使用する場合、着色剤(R)以外の着色剤も可塑剤に配合して可塑剤に十分に分散させたうえで、樹脂と混合するとよい。着色剤(R)以外の着色剤も十分に分散させておくことで、着色剤(R)以外の着色剤のD50やD90、さらには、D50(T)やD90(T)を低くしやすくなる。
 この際、着色剤(R)以外の着色剤は、着色剤(R)が配合される可塑剤に配合して、着色剤(R)とともに可塑剤中に分散させてもよい。また、着色剤(R)以外の着色剤は、着色剤(R)が配合される可塑剤とは別に用意された可塑剤に配合して、着色剤(R)が分散された可塑剤に加えて、着色剤(R)以外の着色剤が分散された可塑剤も用意してもよい。
 着色剤を可塑剤に分散させる方法は、特に限定されないが、ビーズミル、サンドミル、ロールミル、ボールミル、ジェットミル、ペイントシェーカー、マイクロフルイダイザー、高速インペラー、サンドグラインダー、フロージェットミキサー、高圧湿式微粒化装置、超音波分散装置などの分散装置を用いて分散する方法が挙げられる。また、分散装置における分散においては、着色剤の粉砕を伴ってもよい。中でも粒子径をより小さくする観点から、顔料粒子を有機溶剤、可塑剤等に分散した状態で湿式粉砕機により粉砕する方法が好ましく、ジェットミル、ビーズミル、ボールミル、高圧湿式微粒化装置などが挙げられる。
 着色剤は、分散処理方法を適宜調整することで、D50,D90を調整できる。例えば、分散処理時の各種装置における回転速度、分散処理する時間などを長くすることで、着色剤を可塑剤中に高分散にして、D50,D90などを低くしやすくなる。
 また、分散処理の際に、界面活性剤を添加することで、分散を容易にし、D50、D90の調整を容易にすることができる、界面活性剤の種類は分散する溶媒に溶解すれば特に問わないが、可塑剤中に分散させる場合、可塑剤に溶解しやすいノニオン系界面活性剤がより好適である。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシアルキレングリコール系、脂肪酸アルコール系、および、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、リン酸エステル基などからから選択される複数種の官能基を有する共重合体系などが挙げられる。
 中間膜は、多層構造である場合でも、単層構造である場合と同様に、押出成形、プレス成形などで成形すればよい。例えば、2つ以上の押出機を用意し、複数の押出機の先端に多層用フィードブロックを取り付けて共押出する方法が好ましい。
 例えば、押出機を複数用意して、各樹脂層を構成する成分を各押出機に供給し、これら各押出機の先端に多層用フィードブロックを取り付けて共押出する方法が好ましい。また、複数の樹脂層を設け、かつ、同じ組成を有する樹脂層が2以上ある場合(例えば、第2及び第3の樹脂層)には、1つの押出機から2以上の同じ組成を有する樹脂層を押し出してもよい。さらに、各樹脂層は、厚み方向に直交する方向に沿って厚みが変化することがあるが、その場合には、例えば、樹脂の供給量などを調整して、厚みを変化させるとよい。
<合わせガラス>
 本発明は、さらに合わせガラスを提供する。合わせガラスは、2枚のガラス板と、これらガラス板の間に配置される中間膜を備える。2枚のガラス板は中間膜を介して接着される。中間膜は、一方の面が一方のガラス板に接着し、他方の面が他方のガラス板に接着する。
 合わせガラスは、2枚のガラス板の間に、上記した中間膜を配置して、これらを圧着などすることで一体化することで製造すればよい。
(ガラス板)
 合わせガラスで使用するガラス板としては、無機ガラス、有機ガラスのいずれでもよいが、無機ガラスが好ましい。無機ガラスとしては、特に限定されないが、クリアガラス、フロート板ガラス、磨き板ガラス、型板ガラス、網入り板ガラス、線入り板ガラス、グリーンガラス等が挙げられる。
 また、有機ガラスとしては、一般的に樹脂ガラスと呼ばれるものが使用され、特に限定されないが、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリル共重合体樹脂、ポリエステルなどの樹脂から構成される有機ガラスが挙げられる。
 2枚のガラス板は、互いに同種の材質から構成されてもよいし、別の材質から構成されてもよい。例えば、一方が無機ガラスで、他方が有機ガラスであってもよいが、2枚のガラス板の両方が無機ガラスであるか、又は有機ガラスであることが好ましい。
 また、各ガラス板の厚みは、特に限定されないが、例えば、0.1~15mm程度、好ましくは0.5~5mmである。各ガラス板の厚みは、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
[合わせガラスの光学特性]
 本発明の合わせガラスは、中間膜で説明した光学特性と同様の光学特性を有するとよい。具体的には、本発明の合わせガラスは、温度63℃及び湿度50%RHの条件下で、300~400nmの積算光量が60W/mであるキセノン光源からの光を2000時間照射した際のΔEが3.5以下であることが好ましく、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下、よりさらに好ましくは0.9以下である。また、ΔEは、低ければ低いほどよく、0以上であればよい。
 本発明の合わせガラスは、ヘイズが例えば、6.5%以下であるが、2.5%以下であることが好ましく、2%以下がより好ましく、1.5%以下がさらに好ましく、1.0%以下がよりさらに好ましい。また、該ヘイズは、低ければ低いほどよく、0%以上であればよい。
 また、合わせガラスのL*は、例えば15以上であり、好ましくは50以上、より好ましくは60以上、さらに好ましくは90以上であり、また、L*は100以下であればよいが、96以下が好ましく、94以下がより好ましい。
 本発明の合わせガラスは、L*が85以上94以下であり、かつヘイズが1.2%以下であることが好ましい。く、この際、ヘイズは1%以下がより好ましく、0.7%以下がさらに好ましく、また、該ヘイズは、0%以上であればよい。
 また、本発明の合わせガラスは、L*が85未満であり、かつヘイズが2.5%以下である態様であることも好ましい。この際ヘイズは、2%以下がより好ましく、1.5%以下がさらに好ましく、1.0%以下がよりさらに好ましく、また、0%以上であればよい。
 本発明の合わせガラスは、480nm以上580nm未満に極大吸収波長を有することが好ましい。また、合わせガラスは、380nm以上480nm未満、又は580nm以上780nm以下のいずれかに極大吸収波長を有しなくてもよいが、これらのいずれか、又はこれらの両方を有してもよい。
 さらに、合わせガラスは、480nm以上580nm未満の極大吸収波長における透過率が、380nm以上480nm未満の極大吸収波長における透過率及び580nm以上780nm以下の極大吸収波長における透過率よりも低いことが好ましい。
 なお、上記380nm以上480nm未満の極大吸収波長、480nm以上580nm未満の極大吸収波長、及び580nm以上780nm以下の極大吸収波長の好適値は、中間膜において説明した通りである。
 本発明の合わせガラスは、自動車などの各種車両、航空機、船舶、建築物等の窓ガラスなどとして使用可能であるが、自動車用合わせガラスとして使用することが好ましい。自動車用合わせガラスは、ウィンドシールドガラス(フロントガラス)、サイドガラス、リアガラス、ルーフガラスのいずれでもよい。
 本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
 本実施例における測定方法及び評価方法は、以下の通りである。
[中間膜の厚み]
 中間膜をマイクロメーター(ミツトヨ社製「OMV-50MX」)にて測定した。
[着色剤の粒径]
 得られた中間膜を、クライオミクロトーム(EM FC7 LEICA製)を用いて面方向に平行に切り出して、切りだし面を透過電子顕微鏡(TEM)で撮影した。なお、透過電子顕微鏡としては「JEM-2100」(JEOL製)を用い、加速電圧を200kV、撮影倍率を1万倍に設定し撮影した。撮影した画像は、画素数を2048pixel×2048pixel、かつ1pixelを0.96nmに設定して取得した。
 着色剤(R)の粒子を無作為に100個以上撮影し、各粒子の長径を粒子径として測定して粒子径分布を求めた。画像からの粒子径計測には、オープンソースの画像解析ソフトFiji(ImageJ)を使用した。手順はPolygon selectionsツールで画像中の各粒子領域を選択し、2値化した後、選択領域に対しAnalyze Particlesを実行し、各粒子の近似楕円の長径を取得した。なお、粒子は、1次粒子が凝集して2次粒子としている存在している場合には、2次粒子の長径を測定した。そして、粒子径分布において、個数の頻度累積が50%になる粒径を着色剤(R)のD50とし、個数の頻度累積が90%になる粒径を着色剤(R)のD90とした。
 また、着色剤(R)以外の着色剤を含有する中間膜については、着色剤(R)以外の各着色剤についても粒子を同様に100個以上撮影して、D50、D90を求めて、着色剤(R)以外の各着色剤のD50,D90とした。
 さらに、各中間膜において、着色剤全体についての粒子を100個以上撮影して、同様に、D50、D90を求めて、着色剤全体のD50(T),D90(T)とした。
[L*、a*、b*]
 合わせガラスについて、JIS R3212(2015)に準拠して、分光光度計(日立ハイテクノロジー社製「U-4100」)を用いて、分光スペクトルを測定した。測定の際、合わせガラスを透過した平行光のみが積分球へ受光するように、光源と積分球との光路上で且つ光軸の法線に平行となるように積分球から13cm離れた位置に合わせガラスを設置し、分光透過率を測定した。また測定条件は、スキャンスピードを300nm/min、スリット巾を8nmとし、それ以外の測定条件はJIS Z 8781-1(2012)、JIS Z 8781-2(2012)、及びJIS Z 8781-4(2013)で規定される、CIE標準イルミナントD65、及び10°視野等色関数を用い、L*、a*、b*を測定した。
 また、分光スぺクトルにおいて、480nm以上580nm未満に極大吸収波長を有する否かを確認した。さらに、480nm以上580nm未満の極大吸収波長における透過率が、380nm以上480nm未満の極大吸収波長における透過率及び580nm以上780nm以下の極大吸収波長における透過率よりも低いか否かも確認した。
[ヘイズ]
 ヘイズは、得られた合わせガラスをJIS K6714に準拠して測定した。
[耐候性]
 スガ試験機株式会社製「SX-75」を用いて、以下の条件下で1000時間放置して放置前後のL*、a*、b*を測定した。放置前後のL*、a*、b*の差ΔL、Δa*、Δb*から以下の式により1000時間放置後のΔEを算出した。なお、ΔEが低いほど、高温環境下で紫外線を照射した際の劣化が少なく耐候性が高いことを示す。
 ΔE=(ΔL*^2+Δa*^2+Δb*^2)^0.5として算出した。
 また、放置時間を2000時間に変更した以外は同様にして、2000時間放置後のΔEも求めた。
(条件)
 キセノンランプのインナーフィルターとして石英、アウターフィルターとして#275を用い、300~400nmの積算光量が60w/mとなるように合わせガラスにキセノンランプを照射した。また、ブラックパネル温度を63℃、相対湿度を50%RH、サンプルセル回転速度を2rpmとした。
 なお、実施例、比較例で使用した各成分は、以下の通りである。
(1)樹脂
PVB1:ポリビニルブチラール樹脂、アセタール化度69モル%、水酸基量30モル%、アセチル化度1モル%、合成に用いたPVAの平均重合度1700
(2)可塑剤
3GO:トリエチレングリコールジ-2-エチルヘキサノエート
(3)紫外線吸収剤
 チヌビン326:5-クロロ-2-「3-(tert-ブチル)-2-ヒドロキシ―5-メチルフェニル」-2H-ベンゾトリアゾール、商品名「Tinuvin 326」、BASF社製
UV234:2-[2-ヒドロキシ-3,5-ビス(α,α-ジメチルベンジル)フェニル]―2H-ベンゾトリアゾール、商品名「RIASORB 234」、リャンロンジャパン社製
チヌビン640:2-(2H-ベンゾトリアゾール―2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、商品名「Tinuvin 640」、BASF社製
EV88:3-(5-クロロ―2H―ベンゾトリアゾール―2-イル)-5-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシフェニルプロピオン酸メチル、商品名「Eversorb88」、永光化学社製
(4)酸化防止剤
BHT:2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール
1010:ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオナート]
(5)光安定剤
HALS:セバシン酸ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)、商品名「Tinuvin765」、BASF社製、CAS番号:41556-26-7
(6)接着力調整剤
Mg塩:2-エチル酪酸マグネシウムと酢酸マグネシウムとの50:50(質量比)混合物
K塩:酢酸カリウム
(7)着色剤(R)
PR209(1):ピグメントレッド209(CAS No.38720-66-0)、塩素化キナクリドン系顔料、ピグメントレッド209を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して高圧湿式微粒化装置を用いて所望の粒径になるまで分散させたもの。
 ポリビニルブチラール樹脂(PVB)に対して、可塑剤をPVBに対して40質量部、可塑剤の一部に着色剤を分散させた分散液(PR209(1))を顔料濃度が、0.03質量%になるように添加し、押し出し機にて混練押出することで中間膜シートを成型し、D50およびD90を測定した。その結果、D50は78μm、D90は160μmであった。極大吸収波長は、510nm、540nmであった。
PR209(2):ピグメントレッド209(CAS No.38720-66-0)、塩素化キナクリドン系顔料
 ピグメントレッド209を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して、高圧湿式微粒化装置を用いて、所望の粒径になるまで、分散時間を長くすることでPR209(1)より高分散としたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は62μm、D90は134μmであった。極大吸収波長は、510nm、540nmであった。
PR207:ピグメントレッド207(CAS No.3089-16-5および1047-16-1)、塩素化キナクリドン系顔料、ピグメントレッド207を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して高圧湿式微粒化装置を用いて所望の粒径になるまで分散させたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は145μm、D90は221μmであった。極大吸収波長は、505nm、530nmであった。
PR202(1):ピグメントレッド202(CAS No.3089-17-6)、塩素化キナクリドン顔料、ピグメントレッド202を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して分散させたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は128μm、D90は345μmであった。極大吸収波長は、530nm、575nmであった。
PR202(2):ピグメントレッ202(CAS No.3089-17-6)、塩素化キナクリドン顔料、ピグメントレッド202を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して、高圧湿式微粒化装置を用いて所望の粒径になるまで分散時間を長くすることでPR202(1)より高分散としたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は102μm、D90は216μmであった。極大吸収波長は、530nm、575nmであった。
PR202(3):ピグメントレッ202(CAS No.3089-17-6)、塩素化キナクリドン顔料、ピグメントレッド202を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して、高圧湿式微粒化装置を用いて所望の粒径になるように分散時間を短くすることでPR202(1)より弱分散としたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は190μm、D90は390μmであった。極大吸収波長は、530nm、575nmであった。
PR122(1):ピグメントレッド122(CAS No.16043-40-6),キナクリドン系顔料、ピグメントレッド122を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して高圧湿式微粒化装置を用いて所望の粒径になるまで分散させたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は162μm、D90は319μmであった。極大吸収波長は540nm、560nmであった。
PR122(2):ピグメントレッド122(CAS No.16043-40-6),キナクリドン系顔料
 ピグメントレッド122を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して、高圧湿式微粒化装置を用いて所望の粒径になるまで分散時間を長くすることでPR122(1)より高分散としたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は69μm、D90は111μmであった。極大吸収波長は540nm、560nmであった。
(8)着色剤(r)
PV19:ピグメントバイオレット19(CAS No.1047-16-1)、キナクリドン顔料(式(1)において、R11~R20の全てが水素原子である化合物)、ピグメントバイオレット19を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して分散させたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は165μm、D90は326μmであった。極大吸収波長は520nm、555nmであった。
PR254:ピグメントバイオレット254(CAS No.84632-65-5)、ジケトピロロピロール系顔料、ピグメントバイオレット254を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して分散させたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は117μm、D90は154μmであった。極大吸収波長は515nm、570nmであった。
PR177:ピグメントレッド177(CAS No.4051-63-2)、アンスラキノン系顔料、ピグメントレッド177を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して分散させたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は103μm、D90は155μmであった。極大吸収波長は545nm、570nmであった。
SR146:ソルベントレッド146(CAS No.17418-58-5)、 アンスラキノン系染料、ソルベントレッド146を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して高圧湿式微粒化装置を用いて、分散させたもの。ソルベントレッド146の粒子は、中間膜において確認できなかった。極大吸収波長は520nm、555nmであった。
(9)着色剤(Y)
PY150:ピグメントイエロー150(CAS No.68511-62-6)、ニッケル錯体アゾ顔料、ピグメントイエロー150を濃度2.5質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合した高圧湿式微粒化装置を用いて、分散させたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は47μm、D90は75μmであった。極大吸収波長は435nm、455nmであった。
(10)炭素材料
PBk-7:ピグメントブラック7(CAS No.1333-86-4)、カーボンブラック顔料、ピグメントブラック7を濃度2.5質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して高圧湿式微粒化装置を用いて、分散させたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は57μm、D90は89μmであった。
(11)着色剤(B)
PB15-1:ピグメントブルー15-1(CAS No.147-14-8)、銅フタロシアニンのα型結晶顔料、ピグメントブルー15-1を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して高圧湿式微粒化装置を用いて、分散させたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は81μm、D90は107μmであった。極大吸収波長は、585nm、670nmであった。
PB15-3:ピグメントブルー15-3(CAS No.147-14-8)、銅フタロシアニンのβ型結晶顔料、ピグメントブルー15-3を濃度3質量%で、かつノニオン系界面活性剤を適量で可塑剤(3GO)に配合して高圧湿式微粒化装置を用いて、分散させたもの。PR209(1)と同様にD50とD90を測定した。その結果、D50は86μm、D90は92μmであった。極大吸収波長は、615nm、715nmであった。
(12)遮熱剤
 ITO:錫ドープ酸化インジウム粒子
[実施例1]
(中間膜の作製)
 ポリビニルブチラール樹脂(PVB)に対して、表1の配合となるように、可塑剤の一部に着色剤を分散させた分散液(PR209(1))、残りの可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び接着力調整剤を押出機を用いて混練して押出し、厚み420μmの中間膜を得た。中間膜は、単層の樹脂層からなる中間膜であった。
(合わせガラスの作製)
 それぞれが縦100mm×横100mm×厚み2.5mmの2枚のクリアガラスを用意した。クリアガラスとして明細書記載の基準クリアガラスを使用した。上記で得られた中間膜を、23℃、28%RHの恒温恒湿条件で4時間保持した後、2枚のクリアガラスの間に挟持し、積層体とした。得られた積層体を、ゴムバックに入れ、真空ポンプにて減圧した後にガラス温度が90℃になるまでオーブンで加熱し仮圧着させた。仮圧着された積層体を、オートクレーブを用いて135℃、圧力1.2MPaの条件で20分間圧着し、合わせガラスを作製した。得られた合わせガラスについて各光学特性を測定し、中間膜及び合わせガラスの特性として表1に示す。
 なお、実施例1では、分光スペクトルにおいて、480nm以上580nm未満に極大吸収波長を有していたが、380nm以上480nm未満、及び580nm以上780nm以下の波長域に極大吸収波長は見られなかった。
[実施例2~36、比較例1~8]
 中間膜の厚み、配合する成分の種類及び添加量が表1~3になるように変更した以外は、実施例1と同様に実施した。なお、実施例28~36、及び比較例6,7では、可塑剤の一部に着色剤を分散させた分散液を2種以上使用した。
 なお、各実施例、比較例では、分光スペクトルにおいて、480nm以上580nm未満に極大吸収波長を有していた。また、380nm以上480nm未満、及び580nm以上780nm以下に極大吸収波長は見られないか、または、これら波長域に極大吸収波長が見られたが、これら極大吸収波長における透過率よりも、480nm以上580nm未満の極大吸収波長における透過率が低いことを確認できた。
[実施例37]
 押出機を複数有する共押出機において、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)に対して、着色剤以外の成分が表4の配合となるように、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び接着力調整剤を混練して、着色剤を含有しない、第1の樹脂層用の樹脂組成物を得た。
 また、共押出機において、中間膜全体の配合が表4のとおりとなるように、可塑剤の一部に着色剤を分散させた分散液、残りの可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び接着力調整剤を混練して、着色剤を含有する第2及び3の樹脂層用の樹脂組成物を得た。
 上記共押出機において、得られた第3、第1、第2の樹脂層用の樹脂組成物を、この積層順で、共押出することにより、図2に示す第3の樹脂層(厚み:330μm)/第1の樹脂層(厚み:100μm)/第2の樹脂層(厚み:330μm)からなる3層構造の中間膜を得た。中間膜及びクリアガラスの寸法を、1250mm×1250mmとした以外は実施例1と同様にして合わせガラスを得た。
[実施例38]
 押出機を複数有する共押出機において、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)に対して、着色剤以外の成分が表4の配合となるように、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び接着力調整剤を混練して、着色剤を含有しない、第2、3の樹脂層用の樹脂組成物を得た。
 また、共押出機において、中間膜の最厚部における厚み全体の配合が表4の配合となるように、可塑剤の一部に着色剤を分散させた分散液、残りの可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、及び接着力調整剤を混練して、着色剤を含有する第1の樹脂層用の樹脂組成物を得た。
 上記共押出機において、第2の樹脂層の厚みが図3に示す通り、一方向に沿って漸次減少し、かつ一部の領域に設けられるように調整しながら共押出した以外は、実施例37と同様に実施した。なお、実施例38においては、第3の樹脂層(厚み:570μm)/第1の樹脂層(厚み:130μm)/第2の樹脂層(厚み:60μm)からなる3層構造の中間膜を得た。なお、厚みは、第1の樹脂層が最厚部となる部分における各樹脂層の厚みである。
[実施例39]
 上記共押出機において、実施例37と同様に、着色剤を含有する樹脂組成物を、第2及び第3の樹脂層用の樹脂組成物とし、着色剤を含有しない樹脂組成物を、第1の樹脂層用の樹脂組成物とし、かつ、図10に示す通り、各樹脂層の厚みが一端から他端に向けて漸次減少するように調整しながら共押出した以外は実施例37と同様に実施して、楔形の中間膜を得た。なお、実施例39においては、第2及び第3の樹脂層が最も厚い部分における各樹脂層の厚みは、第2の樹脂層(厚み:460μm)/第1の樹脂層(厚み:140μm)/第3の樹脂層(厚み:460μm)からなる3層構造の中間膜を得た。
 
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000011
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000012
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000013
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000014
※phrは、PVB100質量部に対する質量部である。
※wt%は、中間膜における各成分の含有率(質量%)である。なお、着色剤については、可塑剤などを除く着色剤自体の含有率である。
※Mg(ppm)は、中間膜における接着力調整剤由来のマグネシウム元素の含有量(質量ppm)である。
※可塑剤の質量部は、着色剤を分散させるために使用した可塑剤も含めた量である。
※表4において、着色剤の含有率は、明細書の定義に従った含有率であり、実施例37、39では中間膜の全体における着色剤の含有率と同じであり、実施例38では第1の樹脂層が最厚部となる部分における着色剤の含有率である。それ以外の成分の含有量、含有率は、いずれの樹脂層において同じであり、各樹脂層及び中間膜全体における含有率、及び含有量の両方を意味する。また、実施例38は第1の樹脂層が最も厚い部分を測定部位としたが、実施例39では表1記載の厚み部分(中間膜が最も薄くなる部分)を測定部位とした。
 表1~4に示すとおり、各実施例では、特定の構造を有する着色剤(R)を使用し、かつ着色剤(R)のD50、又は着色剤全体のD50(T)を小さくすることで、合わせガラスのヘイズを小さくしつつ、耐候性を高くすることができた。そのため、各実施例の中間膜は、着色剤による着色が鮮やかとなり、かつ太陽光の照射や高温下での放置が長期間継続しても高い意匠性を維持できる。
 一方で、各比較例では、特定の構造を有する着色剤(R)を使用せず、また、着色剤(R)のD50、又は着色剤全体のD50(T)が大きかったので、合わせガラスのヘイズを小さくしつつ、耐候性を高くすることができなかった。
 10、30 中間膜
 11、31 第1の層
 12、32 第2の層
 13、33 第3の層
 21 第1の領域
 22 第2の領域
 21A 最厚部
 21X 厚みが一定となる領域
 21Y グラデーション領域
 30A 一端
 30B 他端

 

Claims (14)

  1.  1種以上の着色剤を含む合わせガラス用中間膜であって、
     前記着色剤が以下の式(1)で示される構造を有する着色剤(R)を含み、
    前記着色剤(R)は、透過電子顕微鏡で測定されたD50が180nm以下である、合わせガラス用中間膜。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001

    (式中、R11~R20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシル基、フタルイミドメチル基、-CHNHCOCHCl、-SOCl、-SOMまたは-X-X-N(Xを表す。Mは、水素原子またはアルカリ金属を表す。Xは、-SONH-または-CHNHCOCH-を表す。Xは、炭素数1~4のアルキレン基を表す。Xは、ヘテロ原子を有してもよい炭素数1~4のアルキル基を表す。X同士は、互いに連結して環を形成してもよい。ただし、R11~R20の少なくとも一つは、水素原子以外である。)
  2.  1種以上の着色剤を含む合わせガラス用中間膜であって、
     前記着色剤が以下の式(1)で示される構造を有する着色剤(R)を含み、
     前記合わせガラス用中間膜における着色剤全体の透過電子顕微鏡で測定されたD50が180nm以下である、合わせガラス用中間膜。
    Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002

    (式中、R11~R20は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルコキシル基、フタルイミドメチル基、-CHNHCOCHCl、-SOCl、-SOMまたは-X-X-N(Xを表す。Mは、水素原子またはアルカリ金属を表す。Xは、-SONH-または-CHNHCOCH-を表す。Xは、炭素数1~4のアルキレン基を表す。Xは、ヘテロ原子を有してもよい炭素数1~4のアルキル基を表す。X同士は、互いに連結して環を形成してもよい。ただし、R11~R20の少なくとも一つは、水素原子以外である。)
  3.  前記着色剤(R)は、透過電子顕微鏡で測定されたD90が360nm以下である、請求項1又は2に記載の合わせガラス用中間膜。
  4.  前記合わせガラス用中間膜における前記着色剤全体の透過電子顕微鏡で測定されたD90が360nm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  5.  2枚のクリアガラス板が前記合わせガラス用中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスに対して、温度63℃及び湿度50%RHの条件下で、300~400nmの積算光量が60W/mであるキセノン光源からの光を2000時間照射した際のΔEが3.5以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  6.  2枚のクリアガラス板が前記合わせガラス用中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスに対して測定されたL*が85以上94以下であり、かつヘイズが1.2%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  7.  2枚のクリアガラス板が前記合わせガラス用中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスに対して測定されたL*が85未満であり、かつヘイズが2.5%以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  8. 前記着色剤が、380nm以上480nm未満に極大吸収波長を有する着色剤(Y)、及び580nm以上780nm未満に極大吸収波長を有する着色剤(B)のいずれかを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  9.  前記着色剤は、炭素材料を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  10.  2枚のクリアガラス板が前記合わせガラス用中間膜を介して接着されることで作製された合わせガラスにおいて、480nm以上580nm未満の極大吸収波長における透過率が、380nm以上480nm未満の極大吸収波長における透過率、及び580nm以上780nm以下の極大吸収波長の透過率よりも低い、請求項1~9のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  11.  式(1)において、R11~R20の少なくとも2つが、水素原子以外である請求項1~10のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  12.  式(1)において、R11~R20の少なくとも2つは、それぞれ独立に、アルキル基及び塩素原子のいずれかである請求項1~11のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  13.  式(1)において、R11~R20の少なくとも2つは、それぞれ独立にメチル基及び塩素原子のいずれかである請求項1~12のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜。
  14. 請求項1~13のいずれか1項に記載の合わせガラス用中間膜と、一対のガラス板とを備え、前記合わせガラス用中間膜が前記ガラス板の間に配置される、合わせガラス。

     
PCT/JP2022/036581 2021-09-30 2022-09-29 合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス WO2023054641A1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CN202280049504.5A CN117677592A (zh) 2021-09-30 2022-09-29 夹层玻璃用中间膜及夹层玻璃

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021162323 2021-09-30
JP2021-162323 2021-09-30

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2023054641A1 true WO2023054641A1 (ja) 2023-04-06

Family

ID=85782924

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2022/036581 WO2023054641A1 (ja) 2021-09-30 2022-09-29 合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス

Country Status (3)

Country Link
CN (1) CN117677592A (ja)
TW (1) TW202332737A (ja)
WO (1) WO2023054641A1 (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02272068A (ja) * 1989-04-13 1990-11-06 Mitsubishi Monsanto Chem Co 合わせガラス用着色ポリビニルブチラール中間膜及びその着色剤組成物
JP2007065051A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Fujifilm Corp 転写材料及びパターン状の光学異方性層と感光性樹脂層とを有する積層構造体の製造方法並びに液晶表示装置
WO2017090614A1 (ja) * 2015-11-24 2017-06-01 富士フイルム株式会社 赤外調光フィルムおよび窓
JP2017203810A (ja) * 2016-05-09 2017-11-16 日本化薬株式会社 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ用カラーフィルタに含有される光吸収層、及びそれを用いたシート
US20170355858A1 (en) * 2014-12-18 2017-12-14 Agfa Graphics Nv Radiation curable compositions
JP2018097124A (ja) * 2016-12-12 2018-06-21 日東電工株式会社 画像表示装置
JP2019513662A (ja) * 2016-03-08 2019-05-30 セントラル硝子株式会社 発光機能を有するガラス窓
WO2020040305A1 (ja) * 2018-08-23 2020-02-27 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及びガラス構成体
US20210129496A1 (en) * 2018-07-12 2021-05-06 Skc Co., Ltd. Film for glass lamination, laminated glass comprising same, and transportation vehicle comprising laminated glass
WO2021107061A1 (ja) * 2019-11-28 2021-06-03 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及び画像表示システム

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02272068A (ja) * 1989-04-13 1990-11-06 Mitsubishi Monsanto Chem Co 合わせガラス用着色ポリビニルブチラール中間膜及びその着色剤組成物
JP2007065051A (ja) * 2005-08-29 2007-03-15 Fujifilm Corp 転写材料及びパターン状の光学異方性層と感光性樹脂層とを有する積層構造体の製造方法並びに液晶表示装置
US20170355858A1 (en) * 2014-12-18 2017-12-14 Agfa Graphics Nv Radiation curable compositions
WO2017090614A1 (ja) * 2015-11-24 2017-06-01 富士フイルム株式会社 赤外調光フィルムおよび窓
JP2019513662A (ja) * 2016-03-08 2019-05-30 セントラル硝子株式会社 発光機能を有するガラス窓
JP2017203810A (ja) * 2016-05-09 2017-11-16 日本化薬株式会社 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ用カラーフィルタに含有される光吸収層、及びそれを用いたシート
JP2018097124A (ja) * 2016-12-12 2018-06-21 日東電工株式会社 画像表示装置
US20210129496A1 (en) * 2018-07-12 2021-05-06 Skc Co., Ltd. Film for glass lamination, laminated glass comprising same, and transportation vehicle comprising laminated glass
WO2020040305A1 (ja) * 2018-08-23 2020-02-27 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及びガラス構成体
WO2021107061A1 (ja) * 2019-11-28 2021-06-03 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜、合わせガラス、及び画像表示システム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
no. 41556-26-7

Also Published As

Publication number Publication date
TW202332737A (zh) 2023-08-16
CN117677592A (zh) 2024-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9840068B2 (en) Intermediate film for laminated glass and laminated glass
JP5049593B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
TW201726384A (zh) 層合玻璃用中間膜及層合玻璃
US10569509B2 (en) Intermediate film for laminated glass having coloring matter with specified maximum absorption wavelengths, and laminated glass
TW201841863A (zh) 熱塑性樹脂膜及含有玻璃板之積層體
US20220355579A1 (en) Interlayer for laminated glass, laminated glass, and glass structure
JP2022126685A (ja) 熱可塑性樹脂膜及びガラス板含有積層体
WO2023054641A1 (ja) 合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス
WO2018225797A1 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
WO2023054640A1 (ja) 合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス
WO2022260084A1 (ja) 樹脂フィルム、合わせガラス、及びスクリーン
WO2021201040A1 (ja) 合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス
JP2009184887A (ja) 合わせガラス用中間膜、合わせガラス用中間膜の製造方法及び合わせガラス
JP7381338B2 (ja) 合わせガラス用中間膜、及び自動車ルーフ用合わせガラス
WO2023140297A1 (ja) 合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス
WO2021124948A1 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
WO2023100928A1 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
WO2022255393A1 (ja) 樹脂フィルム、合わせガラス及びスクリーン
WO2022260083A1 (ja) 樹脂フィルム、合わせガラス、及びスクリーン
JP2012066955A (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
WO2023140298A1 (ja) 合わせガラス用中間膜、及び合わせガラス
JP2022184685A (ja) 樹脂フィルム、合わせガラス、及びスクリーン
KR20170009850A (ko) 접합 유리용 중간막 및 접합 유리
CN117425634A (zh) 树脂膜、夹层玻璃及屏幕

Legal Events

Date Code Title Description
WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2022562789

Country of ref document: JP

121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 22876504

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: 2401000172

Country of ref document: TH

WWE Wipo information: entry into national phase

Ref document number: MX/A/2024/000746

Country of ref document: MX

ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2022876504

Country of ref document: EP

Effective date: 20240430