WO2023018224A2 - フッ素系ポリマー、表面処理剤、繊維製品の製造方法、及び、繊維製品 - Google Patents

フッ素系ポリマー、表面処理剤、繊維製品の製造方法、及び、繊維製品 Download PDF

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Abstract

本開示のフッ素系ポリマーは、下記一般式(A)で表される含フッ素重合性単量体に由来する構成単位と、下記一般式(B)で表される環状炭化水素含有単量体に由来する構成単位と、を備えることにより、優れた撥水性を有する。

Description

フッ素系ポリマー、表面処理剤、繊維製品の製造方法、及び、繊維製品
本願はフッ素系ポリマー、表面処理剤、繊維製品の製造方法、及び、繊維製品を開示する。
従来、基材表面の撥水加工などに用いられる表面処理剤として、長鎖フルオロアルキル基を有する化合物が含まれるフッ素系表面処理剤が知られている。例えば、繊維基材をフッ素系表面処理剤で処理することにより優れた撥水性が付与された繊維製品が得られる。
一方で、フッ素系表面処理剤として長鎖フルオロアルキル化合物を使用する場合、環境への負荷が懸念される。特に、長鎖フルオロアルキル基の炭素数が大きい場合に、環境への負荷が大きい。そのため、ペルフルオロオクタンスルホン酸(C17SOF、以下PFOSと略す)やペルフルオロオクタン酸(C15COOH、以下PFOAと略す)、炭素数が8を超えるペルフルオロアルカンスルホン酸やペルフルオロアルカン酸といった長鎖フルオロアルキル化合物を発生させない、炭素数が6以下のペルフルオロアルキル基を有するフッ素系表面処理剤への代替が進んでいる。
炭素数が6以下のペルフルオロアルキル基を有するフッ素系表面処理剤として、例えば、特許文献1及び2には、炭素数が6以下のペルフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレートを共重合成分として含有する共重合体を含むものが開示されている。しかし、これらのフッ素系表面処理剤は、テトラフルオロエチレン(以下TFEと略す)由来の物質を含み、フッ素系表面処理剤の製造工程中に発生するPFOAのほか、欧州のREACH規制で定める高懸念物質(Substances of Very High Concern)を含む可能性がある。そのため、表面処理を行う際の環境への負荷が大きく、人体への蓄積も懸念される。
一方で、フッ素系表面処理剤としてTFE由来のフッ素系ポリマーではなく、環境負荷がないヘキサフルオロプロピレンオキシド(以下HFPOと略す)由来のフッ素系ポリマーを用いることも提案されている。例えば、特許文献3には、フルオロアルキル基、フルオロアルケニル基又はフルオロエーテル基を持つフッ素(メタ)アクリレートを共重合成分として含有する共重合体を含むメーソンリー処理用含フッ素重合体が開示されている。しかし、フルオロエーテル基を持つフッ素アクリレートを含むフッ素重合体についての効果は定かでない。また、HFPO由来のフッ素系ポリマーを使用した場合には、その結晶化度が低いことから、TFE由来のフッ素系表面処理剤のように高い撥水性を発現させることは難しい。
国際公開第2002/083809号[特許文献2] 国際公開第2004/035708号[特許文献3] 国際公開第2008/143093号
以上の通り、優れた撥水性を有する新たなフッ素系ポリマーが必要とされている 。
本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、
下記一般式(A)で表される含フッ素重合性単量体に由来する構成単位と、
下記一般式(B)で表される環状炭化水素含有単量体に由来する構成単位と、
を備える、フッ素系ポリマー
を開示する。
[化1]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000009

一般式(A)において、
Rfは、炭素数1~3のパーフルオロアルキル基であり、
Rf及びRfは、それぞれ独立に、炭素数1~3のパーフルオロアルキレン基であり、
は、水素、メチル基又は塩素であり、
は、-O(R)O-、-NH(R)O-、又は、-NH-で表される基であり、Rは、炭素数2~6の直鎖、分岐又は環状の脂肪族炭化水素基であり、
nは、6~60の整数である。
[化2]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000010

一般式(B)において、
は、水素、メチル基又は塩素であり、
は、-COO-、-O-、-COO(R)-、-COO(R)O-、-CONH-、-CONHCO-、又は、-COORNHCO-で表される基であり、Rは、炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、
は、置換基を有していてもよい炭素数4~30の環状炭化水素基であり、
mは、0又は1である。
本開示のフッ素系ポリマーは、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種の単量体(C)に由来する構成単位を備えていてもよい。
本開示のフッ素系ポリマーは、下記一般式(D)で表される(メタ)アクリレートエステル単量体に由来する構成単位を備えていてもよい。
[化3]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000011

一般式(D)において、
は、塩素、臭素、ヨウ素、水素又はメチル基であり、
は、-COO-、-CONH-、-CONHCO-、-COORNHCO-で表される基であり、Rは、炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、
は、炭素数1~30の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である。
本開示のフッ素系ポリマーは、下記一般式(E)で表される架橋性単量体に由来する構成単位を備えていてもよい。
[化4]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000012

一般式(E)において、
は、水素又はメチル基であり、
は、単結合又は炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、
Zは、-COO-、又は、-CONH-で表される基であり、
が単結合である場合、Xは、ヒドロキシル基、アセチル基、エポキシ基、クロロメチル基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基、又は、アクリロイル基であり、
が炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である場合、Xは、ヒドロキシル基、アセチル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックイソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基、又は、アクリロイル基である。
本開示のフッ素系ポリマーにおいて、前記含フッ素重合性単量体が下記一般式(A1)で表されるものであってもよい。
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000001
本開示のフッ素系ポリマーにおいて、前記環状炭化水素含有単量体が、少なくとも2つの環を有する環状脂肪族基、又は、少なくとも2つの環を有する環状脂肪族基が結合されたアルキル基を含むものであってもよい。
本開示のフッ素系ポリマーにおいて、前記環状炭化水素含有単量体が、イソボロニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、及び、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であってもよい。
また、本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、
上記本開示のフッ素系ポリマーを含む、表面処理剤
を開示する。
本開示の表面処理剤は、ワックス類、シリコーン類、及び、架橋剤のうちの少なくとも1種を含んでいてもよい。
本開示の表面処理剤は、撥水剤、撥水撥油剤、撥水防汚剤、撥水撥油防汚剤のうちの少なくとも1種として用いられるものであってもよい。
本開示のフッ素系ポリマーは、例えば、繊維製品の製造の際、繊維基材に撥水性を付与するために用いられてもよい。すなわち、本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、
上記本開示のフッ素系ポリマーを含む処理液に繊維基材を接触させること、を含む、繊維製品の製造方法
を開示する。
また、本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、
上記本開示のフッ素系ポリマーが付着した、繊維製品
を開示する。
本開示のフッ素系ポリマーは、優れた撥水性を有する。
1.フッ素系ポリマー
本実施形態に係るフッ素系ポリマーは、下記一般式(A)で表される含フッ素重合性単量体に由来する構成単位と、下記一般式(B)で表される環状炭化水素含有単量体に由来する構成単位と、を備える。
1.1 単量体(A)
本実施形態に係るフッ素系ポリマーは、下記一般式(A)で表される含フッ素重合性単量体(単量体(A))に由来する構成単位を備える。単量体(A)は、1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000002
一般式(A)において、Rfは、炭素数1~3のパーフルオロアルキル基である。Rfの炭素数は2~3であってもよい。特にRfの炭素数が3である場合に、一層優れた撥水性が発現し易い。単量体(A)は、例えば、ヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO)由来のパーフルオロアルキル基を有するものであってよい。
一般式(A)において、Rf及びRfは、それぞれ独立に、炭素数1~3のパーフルオロアルキレン基である。Rf及びRfの炭素数は、各々、2~3であってもよい。特にRfの炭素数が3で、Rfの炭素数が2である場合に、一層優れた撥水性が発現し易い。
一般式(A)において、Rは、水素、メチル基又は塩素である。
一般式(A)において、Xは、-O(R)O-、-NH(R)O-、又は、-NH-で表される基であり、Rは、炭素数2~6の直鎖、分岐又は環状の脂肪族炭化水素基である。特に、Rの炭素数が2以上4以下である場合に、一層優れた撥水性が発現し易い。
一般式(A)において、nは、6~60の整数である。nが60を超えると、撥水性が確保され難くなる。nは好ましくは7以上であり、また、好ましくは45以下である。
本実施形態に係るフッ素系ポリマーにおいて、単量体(A)は、下記一般式(A1)で表されるものであってもよい。この場合、フッ素系ポリマーが撥水性に一層優れたものとなり易く、さらには、撥油性及び防汚性にも優れたものとなり易い。
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000003
フッ素系ポリマーにおける単量体(A)に由来する構成単位の含有量は特に限定されるものではない。例えば、フッ素系ポリマーは、単量体(A)に由来する構成単位を15質量%以上60質量%以下含むものであってもよい。下限は好ましくは20質量%以上である。フッ素系ポリマーにおいて、単量体(A)に由来する構成単位が少な過ぎると、十分な撥水性が発現されない場合がある。一方、フッ素系ポリマーにおいて、単量体(A)に由来する構成単位が多過ぎると、重合を妨害し、性能が低下する場合がある。
上述の通り、単量体(A)は、Rf、Rf、Rfとして炭素数1~3のパーフルオロアルキル基やパーフルオロアルキレン基を有し、これらがエーテル結合を介して複数連結された構造を有する。Rf、Rf、Rfは、フッ素系単量体の1種であるテトラフルオロエチレン(TFE)系単量体と比べて、PFOAなどの環境有害物質を含有せず、環境負荷が小さい。一方で、上述のように繰り返しエーテル結合を有する単量体(A)を重合させた場合、重合後のフッ素系ポリマーの結晶性が低くなり易く、且つ、ポリマー構造内に多くの親水性基が含まれることとなる。そのため、単量体(A)のみからなるフッ素系ポリマーは、優れた撥水性が発現し難く、従来においてはディスプレイパネルの表面などに耐防汚性を付与する目的で使用されるに留まるものであった。これに対し、本実施形態に係るフッ素系ポリマーにおいては、単量体(A)とともに下記の単量体(B)を共重合させることで、フッ素系ポリマーの結晶性が高まり、フッ素系ポリマーが優れた撥水性を発現するものと思われる。
1.2 単量体(B)
本実施形態に係るフッ素系ポリマーは、下記一般式(B)で表される環状炭化水素含有単量体(単量体(B))に由来する構成単位を備える。単量体(B)は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000004
一般式(B)において、Rは、水素、メチル基又は塩素である。特にRが水素又はメチル基、中でもメチル基である場合に、一層優れた撥水性が発現し易い。
一般式(B)において、Yは、-COO-、-O-、-COO(R)-、-COO(R)O-、-CONH-、-CONHCO-、又は、-COORNHCO-で表される基であり、Rは、炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である。
一般式(B)において、Xは、置換基を有していてもよい炭素数4~30の環状炭化水素基である。環状炭化水素基としては、飽和又は不飽和である、単環基、多環基、橋かけ環基などが挙げられる。環状炭化水素基は、飽和であることが好ましい。環状炭化水素基の炭素数は、4~30であり、6~20であることが好ましい。また、環状炭化水素基の炭素数は、さらに好ましくは15以下、特に好ましくは12以下である。環状炭化水素基としては、炭素数4~20、特に5~12の環状脂肪族基、炭素数4~20の芳香族基、炭素数6~20の芳香脂肪族基が挙げられる。環状炭化水素基の具体例は、シクロヘキシル基、t-ブチルシクロヘキシル基、イソボルニル基、ジシクロペンタニル基、ジシクロペンテニル基、アダマンチル基、フェニル基類等である。
本願において、「置換基」としては、例えば、直鎖又は分岐の炭化水素基などの鎖状基が挙げられる。或いは、所望の効果が発揮される限り、これ以外の置換基であってもよい。「置換基」としては、例えば、重水素、シアノ基、ハロゲン基、ニトロ基、炭素数1~10の直鎖、分枝又は環状のアルキル基、炭素数1~10のハロゲン化された直鎖、分枝又は環状のアルキル基、炭素数6~18のアリール基、炭素数7~18のアリールアルキル基、炭素数7~18のアルキルアリール基、炭素数1~10のアルコキシ基、炭素数1~24のアルキルシリル基、炭素数6~24のアリールシリル基、炭素数6~24のアリールオキシ基からなる群より選択された少なくとも1つが挙げられる。当該置換基は、好ましくは、重水素、シアノ基、ハロゲン基、炭素数1~6の直鎖、分枝又は環状のアルキル基、炭素数1~6のハロゲン化された直鎖、分枝又は環状のアルキル基、炭素数6~12のアリール基、炭素数7~12のアリールアルキル基、炭素数7~12のアルキルアリール基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数1~12のアルキルシリル基、炭素数6~18のアリールシリル基、炭素数6~12のアリールオキシ基からなる群より選択された少なくとも1つであってもよい。
尚、本願において、Xが置換基を有する炭素数4~30の環状炭化水素基である場合、当該Xは、置換基の炭素数を除いた炭素数が4以上30以下である。すなわち、Xは、炭素数4~30の環状炭化水素基の一部が置換基に置換されていてもよい。
一般式(B)において、mは、0又は1である。特に、mが1である場合に、一層優れた撥水性が発現し易い。
単量体(B)は、そのホモポリマーのガラス転移温度(Tg)が高いものが好ましい。例えば、単量体(B)は、Tgが好ましくは50℃以上、より好ましくは80℃以上のホモポリマーを構成し得るものであるとよい。これにより、フッ素系ポリマーにおいて一層優れた撥水性が発現し易い。単量体(B)は、フッ素を含有しても、含有しなくてもよいが、フッ素を含有しないほうが好ましい。
また、単量体(B)が、少なくとも2つの環を有する環状脂肪族基、又は、少なくとも2つの環を有する環状脂肪族基が結合されたアルキル基を含む、環ひずみの構造を有する化合物である場合、フッ素系ポリマーが、撥水性に加えて、撥油性及び防汚性にも優れたものとなり易い。
単量体(B)の具体例としては、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、ビシクロ[3.3.1]ノン-9-イル(メタ)アクリレート、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、アリルフェニルエーテル、アリルナフチルエーテル、アリル-p-クミルフェニルエーテル、アリル-o-フェニルフェニルエーテル、アリル-トリ(フェニルエチル)-フェニルエーテル及びアリル-トリ(2-フェニルプロピル)フェニルエーテル等が挙げられる。中でも、単量体(B)が、イソボロニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、及び、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である場合に、フッ素系ポリマーが、撥水性に加えて、撥油性及び防汚性にも優れたものとなり易い。尚、本願において、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート、メタクリレート又はこれらの混合物を意味する。
フッ素系ポリマーにおける単量体(B)に由来する構成単位の含有量は特に限定されるものではない。例えば、フッ素系ポリマーは、単量体(B)に由来する構成単位を20質量%以上60質量%以下含むものであってもよい。上限は好ましくは50質量%以下である。フッ素系ポリマーにおいて、単量体(B)に由来する構成単位が少な過ぎると、十分な撥水性が発現されない場合がある。一方、フッ素系ポリマーにおいて、単量体(B)に由来する構成単位が多過ぎると、被処理材料(例えば、繊維基材)への接着性が低下して耐久性(例えば、洗濯耐久性)が低下する虞がある。
1.3 その他の単量体
本実施形態に係るフッ素系ポリマーは、上記の単量体(A)及び(B)に由来する構成単位に加えて、その他の単量体に由来する構成単位を備えるものであってもよい。以下、その他の構成単位を構成し得る単量体の一例について説明する。
1.3.1 単量体(C)
本実施形態に係るフッ素系ポリマーは、ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種の単量体(C)に由来する構成単位を備えるものであってもよい。単量体(C)は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。単量体(C)に由来する構成単位を備えるフッ素系ポリマーは、撥水性に加えて、撥油性及び防汚性にも優れたものとなり易い。
単量体(C)を構成するハロゲンとしては、例えば、フッ素や塩素が挙げられる。
フッ素系ポリマーにおける単量体(C)に由来する構成単位の含有量は特に限定されるものではなく、上記の単量体(A)及び(B)に由来する構成単位を除いた残部の少なくとも一部が単量体(C)に由来する構成単位からなるものであってよい。具体的には、フッ素系ポリマーは、単量体(C)に由来する構成単位を40質量%以下含むものであってもよい。上限は好ましくは30質量%以下である。下限は特に限定されず、0質量%であってもよく、5質量%以上であってもよい。尚、フッ素系ポリマーにおける単量体(C)が多過ぎる場合、重合反応が正常に行われず、ホモポリマーが多量に生成し、防汚性が低下したり、エマルジョンの安定性が低下する虞がある。
1.3.2 単量体(D)
本実施形態に係るフッ素系ポリマーは、下記一般式(D)で表される(メタ)アクリレートエステル単量体(単量体(D))に由来する構成単位を備えるものであってもよい。単量体(D)は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。単量体(D)に由来する構成単位を備えるフッ素系ポリマーは、撥水性に加えて、撥油性及び防汚性にも優れたものとなり易い。
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000005
一般式(D)において、Rは、塩素、臭素、ヨウ素、水素又はメチル基である。特に、塩素、臭素、ヨウ素又はメチル基である場合に、フッ素系ポリマーが、撥水性に加えて、撥油性及び防汚性に一層優れたものとなり易い。
一般式(D)において、Yは、-COO-、-CONH-、-CONHCO-、-COORNHCO-で表される基であり、Rは、炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である。
一般式(D)において、Xは、炭素数1~30の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である。特に直鎖の炭化水素基が高い性能を発現し易い。直鎖又は分岐の炭化水素基は、その炭素数が1~30であり、好ましくは炭素数1~28、より好ましくは炭素数1~22である。Xは、一般に飽和の脂肪族炭化水素基、特にアルキル基であることが好ましい。
単量体(D)の特に好ましい具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートが特に好ましい。
フッ素系ポリマーにおける単量体(D)に由来する構成単位の含有量は特に限定されるものではなく、上記の単量体(A)及び(B)に由来する構成単位を除いた残部の少なくとも一部が単量体(D)に由来する構成単位からなるものであってよい。具体的には、フッ素系ポリマーは、単量体(D)に由来する構成単位を15質量%以下含むものであってもよい。下限は特に限定されず、0質量%であってもよく、5質量%以上であってもよい。この場合に、フッ素系ポリマーの撥水性が一層優れたものとなり易い。
1.3.3 単量体(E)
本実施形態に係るフッ素系ポリマーは、下記一般式(E)で表される架橋性単量体(単量体(E))に由来する構成単位を備えるものであってもよい。単量体(E)は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。単量体(E)に由来する構成単位を備えるフッ素系ポリマーは、撥水性に加えて、撥油性及び防汚性にも優れたものとなり易く、また、撥水性、撥油性及び防汚性の耐久性(洗濯耐久性、摩擦耐久性)も向上し易い。
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000006
一般式(E)において、Rは、水素又はメチル基である。また、Rは、単結合又は炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である。さらに、Zは、-COO-、又は、-CONH-で表される基である。Xについては、Rの種類によって場合分けされる。すなわち、Rが単結合である場合、Xは、ヒドロキシル基、アセチル基、エポキシ基、クロロメチル基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基、又は、アクリロイル基であり、Rが炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である場合、Xは、ヒドロキシル基、アセチル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックイソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基、又は、アクリロイル基である。
単量体(E)は、少なくとも2つのオレフィン性炭素-炭素二重結合(好ましくは、(メタ)アクリレート基)を有する化合物、或いは、少なくとも1つのオレフィン性炭素-炭素二重結合と少なくとも1つの反応性基とを有する化合物であってよい。単量体(E)としては、例えば、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、モノクロロ酢酸ビニル、メタクリル酸ビニル、グリシジル(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートなどが例示されるが、これらに限定されるものでない。
フッ素系ポリマーにおける単量体(E)に由来する構成単位の含有量は特に限定されるものではなく、上記の単量体(A)及び(B)に由来する構成単位を除いた残部の少なくとも一部が単量体(E)に由来する構成単位からなるものであってよい。具体的には、フッ素系ポリマーは、単量体(E)に由来する構成単位を10質量%以下含むものであってもよい。下限は特に限定されず、0質量%であってもよく、5質量%以上であってもよい。この場合に、フッ素系ポリマーによる耐久性(洗濯耐久性、摩擦耐久性)が一層優れたものとなり易い。
1.4 フッ素系ポリマーの分子量
本実施形態に係るフッ素系ポリマーは、少なくとも上記の単量体(A)及び(B)を重合することにより得られる。フッ素系ポリマーの分子量は特に限定されるものではない。フッ素系ポリマーは、例えば、5,000以上1000,000以下の重量平均分子量を有するものであってもよい。下限は好ましくは20,000以上であり、上限は好ましくは300,000以下である。
1.5 重合条件
フッ素系ポリマーを得る際の重合条件は特に限定されるものではないが、ラジカル重合法により製造することができ、溶媒中で重合することが好ましい。具体的には、例えば、溶媒中に単量体(A)及び(B)と、任意に単量体(C)~(E)のうちの少なくとも1つと、重合開始剤と、を加えて重合反応を開始し、各成分を重合させることができる。重合反応の溶媒としては、有機溶剤及び水のうちの少なくとも一方が好ましく、必要に応じて有機溶剤と水とを混合してもよい。重合反応の溶媒が水を含む場合、乳化又は分散重合により非フッ素系ポリマーを得ることができる。重合反応の温度は、20℃~150℃が好ましい。温度が20℃未満であると、温度が上記範囲にある場合と比較して、重合が不十分になる傾向にあり、温度が150℃を超えると、反応熱の制御が困難になる場合がある。重合の際に単量体とともに採用され得る成分については後述する。
2.ポリマー組成物
ポリマー組成物は、フッ素系ポリマーを5質量%以上60質量%以下含むものであってもよい。下限は好ましくは20質量%以上であり、上限は好ましくは40質量%以下である。上記フッ素系ポリマーの含有量が少ない場合撥水性等が低下する虞がある。多すぎる場合、反応の制御が困難になる場合がある。当該ポリマー組成物は、例えば、そのまま後述の表面処理剤として用いられてもよいし、水等で希釈されたうえで後述の表面処理として用いられてもよい。ポリマー組成物は、フッ素系ポリマーのほか、溶媒(有機溶剤や水)、乳化分散剤、及び、その他の成分を含み得る。
2.1 有機溶剤
有機溶剤としては、フッ素系溶剤又はフッ素原子を含有しない化合物からなる有機溶剤を挙げることができる。
フッ素系溶剤としては、特に限定されるものではなく、温度25℃の大気圧(1atm)下において液状であれば、任意のフッ素含有化合物からなる溶剤を用いることができる。なお、フッ素系溶剤として2種以上のフッ素含有化合物の混合物を用いる場合、当該混合物が温度25℃の大気圧下において液状であれば、各フッ素含有化合物は、温度25℃の大気圧下において液状であってもよいし、固体状であってもよい。
フッ素系溶剤としては、例えば、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタンおよび1,1,2,2,3,3,4-ヘプタフルオロシクロペンタン等のハイドロフルオロカーボン類;HFO-1233zd(cis-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロペン)およびHCFO-1233yd(1-クロロ-2,3,3-トリフルオロ-1-プロペン)等のハイドロフルオロオレフィン類;並びに、HFE-347pcf、1,1,1,2,3,4,4,5,5,5-デカフルオロ-2-トリフルオロメチル-3-メトキシペンタン、1-メトキシ-1,1,2,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン、1-メトキシ-1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブタンおよび1-エトキシ-1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブタン等のハイドロフルオロエーテル類;などが挙げられる。これらのフッ素系溶剤は、1種単独で、或いは、2種以上を混合して用いることができる。
ポリマー組成物は、フッ素原子を含有しない化合物からなる有機溶剤を含有していてもよい。なお、有機溶剤は、通常、温度25℃の大気圧(1atm)下において液状である。
フッ素原子を含有しない化合物からなる有機溶剤としては、特に限定されるものではなく、アルコール類、ケトン類、エーテル類、エステル類、グリコールエーテル類および炭化水素類からなる群より選択される少なくとも1種を用いることができる。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、イソプロピルアルコール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、ターシャリーブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、イソアミルアルコール、ターシャリーアミルアルコール、3-メチル-2-ブタノール、ネオペンチルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、2,3-ブタンジオール、2-メチル-1,2-プロパンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール等が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。
エーテル類としては、例えば、ターシャリーブチルメチルエーテル、ジベンジルエーテル等が挙げられる。
エステル類としては、例えば、酢酸-n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸-2-エチルヘキシル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、酢酸ビニル、γ-ブチロラクトン、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
グリコールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-i-プロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-i-ブチルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ-i-プロピルエーテル、トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ-i-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-i-プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-i-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-i-プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ-i-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-i-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ-i-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール等が挙げられる。
炭化水素類としては、例えば、ノナン、デカン、デセン、ウンデカン、ウンデセン、ドデカン、ドデセン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、メンタン、ビシクロヘキシル、シクロドデカン、2,2,4,4,6,8,8-ヘプタメチルノナン、シクロヘキサン、流動パラフィン、イソパラフィン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。
上述した有機溶剤は、1種単独で、或いは、2種以上を混合して用いることができる。
なお、有機溶剤としては、被処理材料に対し、膨潤または白化等の損傷を不必要に与えないものを用いることが好ましい。また、被処理材料における残留物を低減する観点から、有機溶剤は、大気圧下における沸点が、250℃以下であることが好ましく、200℃以下であることがより好ましく、150℃以下であることが更に好ましい。
ポリマー組成物における有機溶剤の含有量は、特に限定されるものではなく、任意の量とすることができる。ただし、ポリマー組成物に引火点が発現しない量であることが好ましい。
2.2 乳化分散剤
乳化又は分散重合によりフッ素系ポリマーを得る場合、重合反応において、乳化分散剤を用いてもよい。このような乳化分散剤としては、アミン類及び界面活性剤等が挙げられる。尚、本願において「乳化分散」とは「乳化及び分散のうちの少なくとも一方」を意味し、乳化に限られず、乳化以外の分散であってもよいし、乳化と乳化以外の分散とが混在したものであってもよい。
アミン類としては、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8~24のモノアルキルアミン、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~24のジアルキルアミン、及び直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~24のトリアルキルアミン等が挙げられ、撥水性と防汚性の観点から、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数1~24のトリアルキルアミンが好ましい。アミン類は、1種を単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミン類の含有量は、重合する単量体の全量に対して、0.01~20質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましい。
界面活性剤としては、カチオン界面活性剤、非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤等を使用することが好ましい。
カチオン界面活性剤としては、炭素数8~24のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩、炭素数8~24のジアルキルジメチルアンモニウム塩、炭素数8~24のモノアルキルアミン酢酸塩、炭素数8~24のジアルキルアミン酢酸塩及び炭素数8~24のアルキルイミダゾリン4級塩等が挙げられる。これらの中でも乳化分散性と加工安定性の観点から、炭素数12~18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩及び炭素数12~18のジアルキルジメチルアンモニウム塩が好ましい。
カチオン界面活性剤の含有量は、重合する単量体の全量に対して、0.01~20質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましい。
これらのカチオン界面活性剤は、1種を単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非イオン界面活性剤としては、例えば、(F1)HLBが5.0~19.0である下記一般式(I-1)で表される化合物(以下、「化合物(F1)」ともいう。)、(F2)HLBが5.0~19.0である下記一般式(II-1)で表される化合物(以下、「化合物(F2)」ともいう。)、(F3)HLBが5.0~19.0である、ヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂に炭素数2~4のアルキレンオキサイドを付加した化合物(以下、「化合物(F3)」ともいう。)、並びに化合物(F1)~(F3)以外のアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。以下、化合物(F1)~(F3)をまとめて「(F)成分」ともいう。ここで、(F)成分は、分子内に1つ以上の重合性不飽和基を有するため、上記の単量体と共重合させることができる。
[化11]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000013

式(I-1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは炭素数1~6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を表し、Yは炭素数2~4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。
[化12]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000014

式(II-1)中、R10は重合性不飽和基を有する炭素数13~17の1価の不飽和炭化水素基を表し、Yは炭素数2~4のアルキレンオキシ基を含む2価の基を表す。
(F)成分のHLBは、5.0~19.0である。ここで、表面処理剤の貯蔵安定性の点で、異なるHLBを有する2種以上の(F)成分を併用することがより好ましい。すなわち、2種以上の(F)成分を混合物について、そのHLB値が5.0~19.0の範囲内であるとよい。
化合物(F1)において、一般式(I-1)中、Rは水素原子又はメチル基である。特にメチル基が好ましい。Xは炭素数1~6の直鎖又は分岐のアルキレン基である。特に炭素数2~3の直鎖アルキレン基がより好ましい。Yは炭素数2~4のアルキレンオキシ基を含む2価の基である。Yにおけるアルキレンオキシ基の種類、組み合わせ及び付加数については、上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができる。また、アルキレンオキシ基が2種以上の場合、それらはブロック付加構造又はランダム付加構造を有することができる。
化合物(F1)としては、下記一般式(I-2)で表される化合物が好ましい。
[化13]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000015

式(I-2)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Xは炭素数1~6の直鎖又は分岐のアルキレン基を表し、AOは炭素数2~4のアルキレンオキシ基を表し、qは上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができ、具体的には、1~80の整数が好ましく、qが2以上のときq個のAOは同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(I-2)で表される化合物において、Rは水素原子又はメチル基であり、メチル基であることがより好ましい。Xは炭素数1~6の直鎖又は分岐のアルキレン基であり、炭素数2~3の直鎖アルキレン基がより好ましい。AOは炭素数2~4のアルキレンオキシ基である。AOの種類及び組み合わせ、並びにqの数については、上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができる。乳化分散安定性の点から、qは1~80の整数が好ましく、1~60の整数であることがより好ましい。qが2以上のときq個のAOは同一であっても異なっていてもよい。また、AOが2種以上の場合、それらはブロック付加構造又はランダム付加構造を有することができる。
上記一般式(I-2)で表される化合物は、従来公知の方法で得ることができ、特に限定されるものではない。また、市販品より容易に入手することもでき、例えば、花王株式会社製の「ラテムルPD-420」、「ラテムルPD-430」、「ラテムルPD-450」等を挙げることができる。
化合物(F2)において、上記一般式(II-1)中、R10は重合性不飽和基を有する炭素数13~17の1価の不飽和炭化水素基であり、トリデセニル基、トリデカジエニル基、テトラデセニル基、テトラジエニル基、ペンタデセニル基、ペンタデカジエニル基、ペンタデカトリエニル基、ヘプタデセニル基、ヘプタデカジエニル基、ヘプタデカトリエニル基等が挙げられる。本実施形態に係るフッ素系ポリマーの乳化分散安定性の点で、R10は炭素数14~16の1価の不飽和炭化水素基がより好ましい。
は炭素数2~4のアルキレンオキシ基を含む2価の基である。Yにおけるアルキレンオキシ基の種類、組み合わせ及び付加数については、上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができる。また、アルキレンオキシ基が2種以上の場合、それらはブロック付加構造又はランダム付加構造を有することができる。乳化分散安定性の点で、アルキレンオキシ基はエチレンオキシ基であることがより好ましい。
化合物(F2)としては、下記一般式(II-2)で表される化合物が好ましい。
[化14]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000016

式(II-2)中、R10は重合性不飽和基を有する炭素数13~17の1価の不飽和炭化水素基を表し、AOは炭素数2~4のアルキレンオキシ基を表し、rは上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができ、具体的には、1~50の整数が好ましく、rが2以上のときr個のAOは同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(II-2)で表される化合物におけるR10は、上述した一般式(II-1)におけるR10と同様のものが挙げられる。
Oは炭素数2~4のアルキレンオキシ基である。乳化分散安定性の点で、AOの種類及び組み合わせ、並びにrの数については、上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができる。乳化分散安定性の点で、AOはエチレンオキシ基がより好ましく、rは1~50の整数が好ましく、5~20の整数がより好ましく、8~14の整数がさらに好ましい。rが2以上のときr個のAOは同一であっても異なっていてもよい。また、AOが2種以上の場合、それらはブロック付加構造又はランダム付加構造を有することができる。
上記一般式(II-2)で表される化合物は、従来公知の方法で対応する不飽和炭化水素基を有するフェノールにアルキレンオキサイドを付加することにより合成することができ、特に限定されるものではない。例えば、苛性ソーダ、苛性カリウム等のアルカリ触媒を用い、加圧下、120~170℃にて、所定量のアルキレンオキサイドを付加することにより合成することができる。
上記対応する不飽和炭化水素基を有するフェノールには、工業的に製造された純品または混合物のほか、植物等から抽出・精製された純品又は混合物として存在するものも含まれる。例えば、カシューナッツの殻等から抽出され、カルダノールと総称される、3-[8(Z),11(Z),14-ペンタデカトリエニル]フェノール、3-[8(Z),11(Z)-ペンタデカジエニル]フェノール、3-[8(Z)-ペンタデセニル]フェノール、3-[11(Z)-ペンタデセニル]フェノール等が挙げられる。
化合物(F3)は、HLBが5.0~19.0である、ヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂に炭素数2~4のアルキレンオキサイドを付加した化合物である。ヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂としては、ヒドロキシ不飽和脂肪酸(パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸等)を含んでいてもよい脂肪酸のモノ又はジグリセライド、少なくとも1種のヒドロキシ不飽和脂肪酸(リシノール酸、リシノエライジン酸、2-ヒドロキシテトラコセン酸等)を含む脂肪酸のトリグリセライドを挙げることができる。乳化分散安定性の点で、少なくとも1種のヒドロキシ不飽和脂肪酸を含む脂肪酸のトリグリセライドのアルキレンオキサイド付加物が好ましく、ヒマシ油(リシノール酸を含む脂肪酸のトリグリセライド)の炭素数2~4のアルキレンオキサイド付加物がより好ましく、ヒマシ油のエチレンオキサイド付加物がさらに好ましい。さらに、アルキレンオキサイドの付加モル数は、上記HLBの範囲内になるように適宜選択することができ、乳化分散安定性の点で、20~50モルがより好ましく、25~45モルがさらに好ましい。また、アルキレンオキサイドが2種以上の場合、それらはブロック付加構造又はランダム付加構造を有することができる。
化合物(F3)は、従来公知の方法でヒドロキシル基及び重合性不飽和基を有する油脂にアルキレンオキサイドを付加することにより合成することができ、特に限定されるものではない。例えば、リシノール酸を含む脂肪酸のトリグリセライド、すなわちヒマシ油に苛性ソーダ、苛性カリウム等のアルカリ触媒を用い、加圧下、120~170℃にて、所定量のアルキレンオキサイドを付加することにより合成することができる。
本実施形態に係るフッ素系ポリマーを製造する際に(F)成分を用いる場合には、単量体(A)~(E)に由来する構成単位の全量に対して0.01~20質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましい。20質量%を超える場合は、撥水性と防汚性が不十分となる傾向がある。0.01質量%未満の場合は、フッ素系ポリマーの乳化分散安定性が不十分となる傾向がある。
(F)成分以外のアルキレンオキサイド付加物としては、例えば、アルコール類、多環フェノール類、アミン類、アミド類、脂肪酸類、多価アルコール脂肪酸エステル類、油脂類及びポリプロピレングリコールの、アルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
アルコール類としては、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8~24のアルコール又はアルケノールや下記一般式(W)で表されるアセチレンアルコール等が挙げられる。
[化15]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000017

式(W)中、R85及びR86はそれぞれ独立に、炭素数1~8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルキル基又は炭素数2~8の直鎖若しくは分岐鎖を有するアルケニル基を表す。
多環フェノール類としては、炭素数1~12の炭化水素基を有していてもよいフェノールやナフトール等の1価のフェノール類又はそれらのスチレン類(スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン)付加物若しくはそれらのベンジルクロライド反応物などが挙げられる。(F)成分以外のアルキレンオキサイド付加物を得るために用いられるアミン類としては、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8~44の脂肪族アミン等が挙げられる。
アミド類としては、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8~44の脂肪酸アミド等が挙げられる。
脂肪酸類としては、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8~24の脂肪酸等が挙げられる。
多価アルコール脂肪酸エステル類としては、多価アルコールと直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8~24の脂肪酸との縮合反応物が挙げられる。
油脂類としては、植物性油脂、動物性油脂、植物性ロウ、動物性ロウ、鉱物ロウ及び硬化油等が挙げられる。
非イオン活性剤としてアルコール類、多環フェノール類、アミン類、アミド類、脂肪酸類、多価アルコール脂肪酸エステル類、油脂類及びポリプロピレングリコールのアルキレンオキサイド付加物を用いる場合、これらの中でも、撥水性と防汚性への影響が少ない、耐光性への影響が少ない、共重合体の乳化分散性が良好になるといった観点から、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8~24のアルコール又はアルケノール、上記一般式(W)で表されるアセチレンアルコールが好ましく、直鎖若しくは分岐鎖の炭素数8~24のアルコール、上記一般式(W)で表されるアセチレンアルコールがより好ましい。
(F)成分以外のアルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、1,2-プロピレンオキサイド、1,2-ブチレンオキサイド、2,3-ブチレンオキサイド、1,4-ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロロヒドリン等が挙げられる。撥水性と防汚性への影響が少ない、共重合体の乳化分散性が良好になるといった観点から、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、1,2-プロピレンオキサイドが好ましく、エチレンオキサイドがより好ましい。
(F)成分以外のアルキレンオキサイド付加物におけるアルキレンオキサイドの付加モル数は、1~200が好ましく、より好ましくは3~100であり、更により好ましくは5~50である。アルキレンオキサイドの付加モル数が上記範囲内であると、撥水性、防汚性及び製品安定性を高水準で得られやすくなる。なお、アルキレンオキサイドの付加モル数が1モルより少ないと、製品安定性、撥水性及び防汚性が低下する傾向にあり、200モルを超えると撥水性と防汚性が低下する傾向にある。
(F)成分以外のアルキレンオキサイド付加物として、アルコール類、多環フェノール類、アミン類、アミド類、脂肪酸類、多価アルコール脂肪酸エステル類、油脂類、及びポリプロピレングリコールの、アルキレンオキサイド付加物を用いる場合、非イオン界面活性剤のHLBが5~19であると、本実施形態のフッ素系ポリマーはより良好な水分散液が得られる。
非イオン活性剤として(F)成分以外のアルキレンオキサイド付加物を用いる場合、(F)成分以外のアルキレンオキサイド付加物の含有量は、重合する単量体の全量に対して、0.01~20質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましい。
また、非イオン界面活性剤として以下の成分も使用することができる。例えば、(F)成分以外の非イオン活性剤として、炭素数3~6かつ水酸基を2~5個有する多価アルコールと炭素数8~22の脂肪酸とを反応させて得られるエステルを使用してもよい。ここで、炭素数8~22の脂肪酸の由来は特に限定されず、脂肪酸は飽和でも不飽和でもよく、脂肪酸の構造も、直鎖、分岐、ヒドロキシ基を有する脂肪酸など特に限定されない。炭素数3~6かつ水酸基を2~5個有する多価アルコールは、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ソルビタン、ペンタエリスリトール、プロピレングリコール、グルコシド等が挙げられる。
これらの非イオン界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
両性界面活性剤としては、アラニン類、イミダゾリニウムベタイン類、アミドベタイン類及び酢酸ベタイン類等が挙げられ、具体的には、ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン及び脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
両性界面活性剤の含有量は、重合する単量体の全量に対して、0.01~20質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましい。
これらの両性界面活性剤は、1種を単独で用いてよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
乳化分散剤は、乳化分散安定性、撥水性及び防汚性の観点から、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びアミン類のうち少なくとも1種と、非イオン活性剤とを併用することが好ましい。この場合、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びアミン類のうち少なくとも1種の含有量は、乳化分散安定性、撥水性及び防汚性の観点から、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びアミン類のうち少なくとも1種と、非イオン活性剤との合計含有量に対し、3~27質量%であることが好ましい。
2.3 その他の成分
ポリマー組成物は、必要に応じて、ポリマー重合時に添加される成分としての開始剤、連鎖移動剤及び重合禁止剤や、後述の表面処理剤とする場合に添加される成分としての乳化補助剤、その他の添加剤の中から選択される少なくとも1つをさらに含んでいてもよい。その他の添加剤は、ポリマー組成物の性質を変化させないものであればよい。例えば、その他の添加剤として、ワックス類、シリコーン類、架橋剤、他の撥水剤、抗菌剤、防臭剤(消臭剤)、難燃剤、帯電防止剤、柔軟剤及び防皺剤のうちの1種以上を更に含有させてもよい。これら添加剤は、フッ素系ポリマーの重合前に単量体等とともに共存していてもよいし、フッ素系ポリマーの重合中又は重合後に追加的に添加されるものであってもよい。
上記開始剤は、アゾ系、過酸化物系、レドックス系などの公知の重合開始剤の中から選択されればよい。開始剤の量は、重合体の分子量を考慮して決定されればよい。開始剤の量は、例えば、フッ素系ポリマー100質量部に対して、0.1質量部以上10質量以下であってもよい。
上記連鎖移動剤は、例えば、重合反応における分子量の調整を目的に添加され得る。連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタン、t-ブチルアルコール等が用いられてもよい。連鎖移動剤の量は、特に限定されるものではない。例えば、フッ素系ポリマー100質量部に対して5質量部以下であってもよい。連鎖移動剤の量が多過ぎると、分子量の低下が著しく、優れた撥水性等を備えるフッ素系ポリマーを効率的に製造することが困難となる虞がある。
一方で、フッ素系ポリマーの分子量の調整を目的に、重合禁止剤が添加されてもよい。重合禁止剤の種類は特に限定されるものではない。
上記乳化補助剤は、例えば、分散安定性をさらに改善させる目的で添加され得る。乳化補助剤としては、例えば、グリコール酸などの公知の乳化補助剤が用いられればよい。乳化補助剤の量は、特に限定されるものではない。例えば、フッ素系ポリマー100質量部に対して10質量部以下であることが望ましい。
ポリマー組成物は、添加剤として、ワックス類、シリコーン類、架橋剤、他の撥水剤、抗菌剤、防臭剤(消臭剤)、難燃剤、帯電防止剤、柔軟剤及び防皺剤のうちの1種以上を含んでいてもよい。
ワックス類としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の低分子量ポリオレフィン類、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油ワックス;ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等の高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルワックス類;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、モノステアリン酸グリセリド、ジステアリン酸グリセリド、ペンタエリスリトールテトラベヘネート等の高級脂肪酸と単価又は多価低級アルコールとのエステルワックス類;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジステアリン酸ジグリセリド、テトラステアリン酸トリグリセリド等の高級脂肪酸と多価アルコール多量体とからなるエステルワックス類;ソルビタンモノステアレート等のソルビタン高級脂肪酸エステルワックス類などが挙げられる。撥水性の観点から、パラフィンワックスが好ましい。ワックス類は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリマー組成物におけるワックス類の含有量は特に限定されるものではない。例えば、フッ素系ポリマーの質量P(固形分)とワックス類の質量Wとの比率が、P:W=99.5:0.5~60:40であることが好ましく、99:1~85:15であることがより好ましい。
シリコーン類としては、例えば、長鎖アルキル変性シリコーン、長鎖アルキル・アラルキル変性シリコーン、高級脂肪酸アミド変性シリコーンなどの、イソシアネート基と反応し得る官能基を有していない変性シリコーンを挙げることができる。
変性シリコーンとしては、下記一般式(1)で表されるオルガノ変性シリコーンを用いることができる。
[化16]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000018

式(1)中、R20、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6~20のアリール基又は置換基を有していてもよい炭素数1~4のアルコキシ基を表し、R23は、芳香族環を有する炭素数8~40の炭化水素基、又は炭素数3~40の飽和の炭化水素基を表し、R30、R31、R32、R33、R34及びR35はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数1~4のアルコキシ基、芳香族環を有する炭素数6~40の炭化水素基、又は炭素数3~40の飽和の炭化水素基を表し、aは0以上の整数を表し、bは1以上の整数を表し、(a+b)は10~200であり、aが2以上の場合、複数存在するR20及びR21はそれぞれ同一であっても異なっていてもよく、bが2以上の場合、複数存在するR22及びR23はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
オルガノ変性シリコーンにおいて、上記の炭素数1~20のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。炭素数1~20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、又はこれらの基に結合する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、アミノ基又はシアノ基等で置換された基が挙げられる。
上記の炭素数6~20のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、又はこれらの基に結合する水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、アミノ基又はシアノ基等で置換された基が挙げられる。
上記の炭素数1~4のアルコキシル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。炭素数1~4のアルコキシル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。これらの基は、水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、アミノ基又はシアノ基等で置換されていてもよい。工業的に製造し易く、入手が容易であるという点で、R20、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子又はメチル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
上記の芳香族環を有する炭素数8~40の炭化水素基としては、例えば、炭素数8~40のアラルキル基、下記一般式(2)又は(3)で表される基等が挙げられる。
[化17]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000019

式(2)中、R40は、炭素数2~6のアルキレン基を表し、R41は、単結合又は炭素数1~4のアルキレン基を表し、cは0~3の整数を表す。cが2又は3の場合、複数存在するR41は同一であっても異なっていてもよい。
上記のアルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
[化18]
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000020

式(3)中、R42は、炭素数2~6のアルキレン基を表し、R43は、単結合又は炭素数1~4のアルキレン基を表し、dは0~3の整数を表す。dが2又は3の場合、複数存在するR43は同一であっても異なっていてもよい。
上記のアルキレン基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
上記の炭素数8~40のアラルキル基としては、例えば、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。中でも、工業的に製造しやすく、入手が容易であるという点で、フェニルエチル基及びフェニルプロピル基が好ましい。
上記一般式(2)で表される基において、工業的に製造しやすく、入手が容易であるという点で、R40は炭素数2~4のアルキレン基が好ましく、cは、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
上記一般式(3)で表される基において、工業的に製造しやすく、入手が容易であるという点で、R42は炭素数2~4のアルキレン基が好ましく、dは、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
上記の芳香族環を有する炭素数8~40の炭化水素基としては、工業的に製造しやすく、入手が容易であるという点で、上記炭素数8~40のアラルキル基、及び上記一般式(2)で表される基が好ましく、得られる繊維製品の撥水性と防汚性を向上できる点で、上記炭素数8~40のアラルキル基がより好ましい。
上記の炭素数3~40の飽和の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。炭素数3~40の飽和の炭化水素基としては、例えば、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、トリコシル基、リグノセリル基(テトラコシル基)、セロチル基(ヘキサコシル基)、モンチル基(オクタコシル基)、メリシル基(トリアコンタン基)及びドトリアコンタン基等が挙げられる。炭素数3~40の飽和の炭化水素基としては、得られる繊維製品の撥水性と防汚性を向上できる点で、炭素数8~30のアルキル基が好ましく、炭素数12~28のアルキル基がより好ましい。
オルガノ変性シリコーンにおいて、R30、R31、R32、R33、R34及びR35はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、炭素数1~4のアルコキシ基、芳香族環を有する炭素数6~40の炭化水素基、又は炭素数3~40の飽和の炭化水素基である。
上記の芳香族環を有する炭素数6~40の炭化水素基としては、例えば、炭素数6~40のアラルキル基、上記一般式(2)又は(3)で表される基が挙げられる。上記の炭素数6~40のアラルキル基としては、例えば、フェニル基、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。中でも、工業的に製造しやすく、入手が容易であるという点で、フェニルエチル基及びフェニルプロピル基が好ましい。
工業的に製造しやすく、入手が容易であるという点で、R30、R31、R32、R33、R34及びR35はそれぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基又は炭素数1~4のアルコキシ基であることが好ましく、中でもメチル基であることがより好ましい。
オルガノ変性シリコーンにおいて、aは0以上の整数である。工業的に製造しやすく、入手が容易であり、得られる繊維製品の樹脂コーティングに対する剥離強度がより優れるという点で、aは、40以下であることが好ましく、30以下であることがより好ましい。
オルガノ変性シリコーンにおいて、(a+b)は10~200である。工業的に製造しやすく、入手が容易であるという点で、(a+b)は、20~100であることが好ましく、40~60であることがより好ましい。(a+b)が上記範囲内であると、シリコーン自体の製造や取り扱いが容易になる傾向にある。
オルガノ変性シリコーンは、従来公知の方法により合成することができる。オルガノ変性シリコーンは、例えば、SiH基を有するシリコーンに、ビニル基を有する芳香族化合物及び/又はα-オレフィンをヒドロシリル化反応させることにより得ることができる。
上記のSiH基を有するシリコーンとしては、例えば、重合度が10~200であるメチルハイドロジェンシリコーン、又は、ジメチルシロキサンとメチルハイドロジェンシロキサンとの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、工業的に製造しやすく、入手が容易であるという点で、メチルハイドロジェンシリコーンが好ましい。
上記のビニル基を有する芳香族化合物は、上記一般式(1)中のR23において、芳香族環を有する炭素数8~40の炭化水素基の由来となる化合物である。ビニル基を有する芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルナフタレン、アリルフェニルエーテル、アリルナフチルエーテル、アリル-p-クミルフェニルエーテル、アリル-o-フェニルフェニルエーテル、アリル-トリ(フェニルエチル)-フェニルエーテル、アリル-トリ(2-フェニルプロピル)フェニルエーテル等が挙げられる。
上記のα-オレフィンは、上記一般式(1)中のR23において、炭素数3~40の飽和の炭化水素基の由来となる化合物である。α-オレフィンとしては、例えばプロペン、1-ブテン、1-ペンテン、1-へキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-トリコセン、1-テトラコセン、1-ヘキサコセン、1-オクタコセン、1-トリアコンテン、1-ドトリアコンテン等炭素数3~40のα-オレフィンが挙げられる。
上記のヒドロシリル化反応は、必要に応じて触媒の存在下、上記SiH基を有するシリコーンに、上記ビニル基を有する芳香族化合物及び上記α-オレフィンを段階的に或いは一度に反応させることにより行ってもよい。
ヒドロシリル化反応に用いられるSiH基を有するシリコーン、ビニル基を有する芳香族化合物及びα-オレフィンの使用量はそれぞれ、SiH基を有するシリコーンのSiH基当量、又は数平均分子量等に応じて適宜選択され得る。
ヒドロシリル化反応に用いられる触媒としては、例えば、白金、パラジウム等の化合物が挙げられ、中でも白金化合物が好ましい。白金化合物としては、例えば、塩化白金(IV)等が挙げられる。
ヒドロシリル化反応の反応条件は、特に制限はなく、適宜調整することができる。反応温度は、例えば10~200℃、好ましくは50~150℃である。反応時間は、例えば、反応温度が50~150℃のとき、3~12時間とすることができる。
また、ヒドロシリル化反応は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴン等が挙げられる。無溶媒下でも反応は進行するが、溶媒を使用してもよい。溶媒としては、例えば、ジオキサン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、酢酸ブチル等が挙げられる。
変性シリコーンは市販品を用いることができる。例えば、長鎖アルキル変性シリコーンとしては、KF-412、KF-413、KF-414、KF-415、KF-4003、KF-4701、KF-4917、KF-7235B、X-22-7322(以上、信越化学工業社製)、BELSILCDM3526VP、BELSILCM7026VP、BELSILSDM5055VP(以上、旭化成ワッカーシリコーン社製、製品名)などを挙げることができる。長鎖アルキル・アラルキル変性シリコーンとしては、X-22-1877(信越化学工業社製、製品名)などを挙げることができる。高級脂肪酸アミド変性シリコーンとしてはKF-3935(信越化学工業社製、製品名)などを挙げることができる。
ポリマー組成物におけるシリコーン類の含有量は、フッ素系ポリマーの質量P(固形分)とシリコーン類の質量Sとの比率が、P:S=99.5:0.5~60:40であることが好ましく、99:1~85:15であることがより好ましい。
架橋剤としては、メラミン樹脂、グリオキザール樹脂、イソシアネート基又はブロックドイソシアネート基を1個以上有する化合物が挙げられる。架橋剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
柔軟剤は、例えば、被処理材料として繊維を採用する場合に、繊維製品の肌触りを滑らかすることを目的として添加され得る。柔軟剤としては、公知の柔軟剤が制限なく採用され得る。好ましくは、ジメチルシリコーン、ハイドロジェンシリコーン、アミノ変性シリコーン、脂肪酸アミド、ポリエーテル変性シリコーンなどを使用することができる。柔軟剤の含有量は、ポリマー組成物100質量部に対して、例えば、0.5質量部以上20質量部以下であってもよい。
浸透剤は、例えば、被処理材料が高密度で、その内部にまでフッ素系ポリマーを浸透させることが難しい場合に、当該フッ素系ポリマーの浸透を補助することを目的として添加され得る。浸透剤としては、公知の浸透剤が制限なく採用され得る。撥水性等を維持し易い観点から、好ましくは、ブチルジグリコール、モノエチレングリコールなどのグリコール類、イソプロピルアルコール、ブチルセルソルブ、高級アルコール系、低級アルコール系などのアルコール系溶剤などが採用され得る。浸透剤の含有量は、ポリマー組成物100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
帯電防止剤は、公知の帯電防止剤のいずれを採用してもよい。好ましくはステアリルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、ラウリルトリエチルアンモニウムメチルサルフェート、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルエチルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのカチオン系ポリマー、リン酸エステル系化合物、塩酸グアニジン系化合物などが採用され得る。帯電防止剤の含有量は、ポリマー組成物100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上5質量部以下であってもよい。
3.表面処理剤
本実施形態に係る表面処理剤は、上記のフッ素系ポリマーを含むことを特徴とする。本実施形態に係る表面処理剤は、例えば、上記のフッ素系ポリマーを5質量%以上60質量%以下含むものであってもよい。表面処理剤におけるフッ素系ポリマーの量が少な過ぎると、撥水性等が発現され難くなる虞がある。一方、表面処理剤におけるフッ素系ポリマーの割合が多過ぎると、被処理材料に対して悪影響を及ぼす虞がある。例えば、被処理材料が繊維基材である場合、表面処理後の肌触りが硬質となる虞がある。
3.1 フッ素系ポリマー以外の成分
本実施形態に係る表面処理剤は、上記のフッ素系ポリマーに加えて、それ以外の成分が含まれていてもよい。上述したように、本実施形態に係る表面処理剤は、上記のポリマー組成物がそのまま用いられたものであってもよいし、或いは、水等で希釈して用いられたものであってもよい。表面処理剤は、フッ素系ポリマーに加えて、例えば、界面活性剤、レベリング剤、表面処理剤、溶媒、及び、任意にその他の成分を含み得る。その他の成分としては、開始剤、連鎖移動剤、重合禁止剤、乳化補助剤といった重合反応に使用されたものの残部や、上記の添加剤が挙げられ。添加剤としては、上述の通り、ワックス類、シリコーン類、架橋剤、他の撥水剤、抗菌剤、防臭剤(消臭剤)、難燃剤、帯電防止剤、柔軟剤及び防皺剤、消泡剤のうちの1種以上が挙げられる。特に、本実施形態に係る表面処理剤が、ワックス類、シリコーン類、及び、架橋剤のうちの少なくとも1種を含む場合に、一層高い性能が発揮され易い。
3.2 用途
本実施形態に係る表面処理剤によれば、基材を処理することにより、基材に十分な撥水性を付与することができる。また、表面処理剤の含有成分によっては、基材に撥油性や防汚性を付与することもできる。換言すれば、本実施形態の表面処理剤は、撥水剤、撥水撥油剤、撥水防汚剤、撥水撥油防汚剤のうちの少なくとも1種として用いられる。
本実施形態に係る表面処理剤(例えば、撥水剤)で処理が可能な基材としては、繊維、皮革、ガラス、金属、樹脂、石材などを挙げることができる。
4.繊維製品の製造方法
本開示の技術は、繊維製品の製造方法としての側面も有する。すなわち、本実施形態に係る繊維製品の製造方法は、上記のフッ素系ポリマーを含む処理液に繊維基材を接触させること、を含む。
4.1 処理液
フッ素系ポリマーを含む処理液は、溶媒を含む上記のポリマー組成物や表面処理剤と同様のものであってよい。すなわち、水等の溶媒にフッ素系ポリマーが分散されたものであってよい。
4.2 繊維基材
処理液で処理される繊維基材としては、特に限定されるものではないが、綿、麻、羊毛、絹などの植物性天然繊維、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成繊維、レーヨン、アセテートなどの半合成繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などの無機繊維、またはこれらの混合繊維を挙げることができる。
4.3 接触方法
上記の処理液に上記の繊維基材を接触させる方法としては、浸漬、スプレー、噴霧、塗布など公知の方法を採用できる。表面処理剤が溶剤や水を含有する場合は、繊維基材に接触させた後に溶剤や水を除去するために、10~200℃で10秒~数日乾燥させることが好ましい。その後熱処理してもよい。熱処理の条件は、特に限定されるものではないが、例えば、熱処理温度は120℃以上200℃以下であってもよく、熱処理時間は10秒以上300秒以下であってもよい。
4.4 付与量
繊維基材に対する処理液の付与量は、要求される撥水性の程度に応じて調整されればよい。例えば、繊維基材100gに対して、フッ素系ポリマーの付着量が0.01~10gとなるように調整することが好ましく、0.05~5gとなるように調整することがより好ましい。フッ素系ポリマーの付与量が少な過ぎると繊維製品において十分な撥水性が発現しない虞があり、フッ素系ポリマーの付与量が多過ぎると、繊維製品の風合いが粗硬になる虞がある。
5.繊維製品
本開示の技術はフッ素系ポリマーが付着した繊維製品としての側面も有する。すなわち、本実施形態に係る繊維製品は、繊維基材を上述した本実施形態のフッ素系ポリマーが含まれる処理液で処理することにより、繊維基材にフッ素系ポリマーを付着させることで得られる。繊維製品におけるフッ素系ポリマーの付着の形態は特に限定されるものではない。例えば、本実施形態に係る繊維製品は、その表面に上記のフッ素系ポリマーを含む被膜を有するものであってもよい。特に繊維製品の表面全体が当該被膜によって覆われていることが好ましい。本実施形態に係る繊維製品は、屋外で長期間使用した場合にも、十分に撥水性能を発揮することができる。また、本実施形態に係る繊維製品は、撥水成分として上記のフッ素系ポリマーが採用されることで、環境負荷を低減することができる。
以下、本発明について、実施例を示しつつさらに説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
1.フッ素系ポリマー組成物の製造
1.1 製造例1
オートクレーブにて、下記表1に記載された成分(A)、成分(B)、界面活性剤、酸、有機溶剤、連鎖移動剤、及び、水を撹拌混合した後、45℃で5分間、超音波を照射して乳化分散させた。オートクレーブ内を窒素で置換し、反応容器を密閉した後、開始剤である2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩を投入し、60℃で4時間反応させ、フッ素系ポリマー組成物としてフッ素系ポリマーを含む乳化分散液を得た。上記各成分の含有量は、下記表1-1に記載された通りである。
1.2 製造例2~26
下記表1-1~1-3に記載された成分及び含有量を採用したこと以外は、製造例1と同様の方法で、フッ素系ポリマー組成物としてフッ素系ポリマーを含む乳化分散液を得た。
尚、下記表1-1~1-3に示される各成分は一般に入手可能なものである。例えば、表1-1~1-3の各成分のうち、成分(A)(含フッ素重合性単量体)は、日華化学社製の市販品である。具体的には、下記一般式(A)で示される単量体であって、Rfは炭素数3のパーフルオロアルキル基であり、Rfは炭素数3のパーフルオロアルキレン基であり、Rfは炭素数2のパーフルオロアルキレン基であり、Rは水素であり、Xは、-O(R)O-で示される基であり、Rの炭素数は2、3又は4であり、nは7、28、43、60又は73のものである。
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000007
また、下記表1-1~1-3の各成分のうち、成分(B)(環状炭化水素含有単量体)であるイソボロニルメタクリレート、成分(C)である塩化ビニル、非イオン界面活性剤であるポリオキシエチレンアルキルエーテル、カチオン性界面活性剤であるステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、有機溶剤であるトリプロピレングリコール、連鎖移動剤であるドデシルメルカプタン、及び、開始剤である2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩については、工業製品を使用した。
1.3 製造例27
撹拌機、温度計、還流冷却機及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、下記表1に記載された成分(A)と成分(B)と3M社製のNovec 7200(1-メトキシ-1,1,2,2,3,3,4,4,4-ノナフルオロブタン)とを投入し、窒素を流しつつ、加熱しながら均一混合した。窒素で置換した後に75℃まで昇温した。開始剤であるアゾビスイソブチロニトリルを投入した後、75℃で6時間反応させ、溶剤系のフッ素系ポリマー組成物を得た。上記各成分の含有量は、下記表1-3に記載された通りである。
1.4 製造例28
下記表1-3に記載された成分及び含有量を採用したこと以外は、製造例27と同様の方法で溶剤系のフッ素系ポリマー組成物を得た。
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000021
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000022
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000023
2.オルガノ変性シリコーン乳化分散物の調整(調整例1)
撹拌機、温度計、還流冷却機、窒素ガス導入管及び滴下ロートを備えた反応容器に、SiH基当量が63.2g/molであり、重合度が50であるメチルハイドロジェンシリコーン63.2gを入れ、窒素を流し、温度が65℃になるまで加熱しながら均一となるまで混合した。ヒドロシリル化触媒として、塩化白金(IV)のエチレングリコールモノブチルエーテル・トルエン混合溶液を、系内の反応物に対し白金濃度が5ppmとなるように添加した。反応物の温度が120℃となったところで、1モルの1-ドデセン168.3gを滴下し、120℃で6時間反応させた。付加反応完了の確認は、得られたオルガノ変性シリコーンのFT-IR分析を行い、メチルハイドロジェンシリコーンのSiH基由来の吸収スペクトルが消失したことを確認することで行った。こうして、下記一般式(L-1)におけるa1が0、a2が50、R222がメチル基、R223がドデシル基、R230、R231、R232、R233、R234及びR235がメチル基であるオルガノ変性シリコーンが得られた。さらに得られたオルガノ変性シリコーン20質量部に炭素数12~14の分岐高級アルコールのエチレンオキサイド9モル付加物3質量部を添加し、混合した。次いで、水77質量部を少量ずつ混合しながら添加し、水に乳化分散せしめて、オルガノ変性シリコーンを20質量%含むオルガノ変性シリコーン乳化分散物を得た。
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000008
3.ワックス分散物の調製(調整例2)
高圧反応容器にパラフィンワックス{融点69℃、針入度12(25℃)}150g、純水350g、ポリオキシエチレンステアリルエーテル(HLB=10.7)8.5g、ポリオキシアルキレン分岐デシルエーテル(HLB=14.7)6.5gを入れて密封した。次いで、容器内を攪拌しながら110~120℃まで昇温した。その後、容器内を高圧に保ちながら30分間乳化分散し、パラフィンワックスの水性乳化分散体を得た。更に純水でワックス分を30質量%に調整し、ワックス乳化分散物を得た。
4.表面処理剤の調製と評価用試料の作製
4.1 実施例1~25及び比較例1~4
製造例1~26で得たフッ素系ポリマー組成物である乳化分散液、調整例1~2で得た乳化分散物、NKアシストFU(日華化学株式会社製、イソシアネート系架橋剤)、水を、下記表2-1~2-3に示される組成(質量部)となるように混合し、表面処理剤を得た。カーシートの用途としての性能確認のためPET 100%Tricot Car seat(以下PET生地)と、衣料用用途としての性能を確認するために100%PET Dewspo、Nylon Rib(以下NYLON生地)との三種類の生地を浸漬処理した。この時、マングルの圧力を調整して、カーシート用途の場合、ピックアップを約60%に調整した後、ミニテンターで150℃で300秒間乾燥し、160℃で30秒間熱処理を実施し、衣料用途の場合、ピックアップを約50%に調整した後、ミニテンターで180℃で60秒間乾燥し、180℃で30秒間熱処理を実施し、評価用の試料を得た。
4.2 実施例26及び比較例5
製造例27、28で得た溶剤系のフッ素系ポリマー組成物と溶媒(Novec7200)を、下記表3に示される組成(質量部)となるように混合し、表面処理剤を得た。基材(被処理材)として市販のガラス板(12cm×7.5cm)とアルミニウム板(15cm×7.0cm)とを用い、先ず、表面の残留物を除去するためにアセトンを用いて前処理清浄を施した。次に、得られた表面処理剤を基材の表面にコーティング(塗布量:ガラス板5ml、アルミニウム板6 ml)した後に室温で乾燥し、評価用の試料を得た。
5.評価方法
上記のようにして得られた評価用の試料に対して、以下の評価を行った。
5.1 防汚性(撥油性)の評価
実施例1~25及び比較例1~4で得られた試料を平らに置いた後、表面張力が26dyne/cmであるn-テトラデカン(AATCC TM118-撥油性:炭化水素耐性試験の4級判定試薬)を、直径5mmのサイズで、3滴の液滴を滴下し、30秒後に3滴の液滴の状態を目視で観察し、下記表4の判定基準に基づいて判定した。尚、下記表2-1~2-3において、「A/1、B/2」とは、評価Aの液滴が1つ、評価Bの液滴が2つであったことを意味する。下記の撥IPA性の評価においても同様である。
5.2 撥IPA性(撥水性)の評価
実施例1~25及び比較例1~4で得られた試料を平らに置いた後、表面張力が26.6dyne/cmである水:IPA(60:40)混合液を、直径5mmサイズで、3滴の液滴を滴下し、30秒後に3滴の液滴の状態を目視で観察し、下記表4の判定基準に基づいて判定した。
5.3 スプレー法による初期撥水性の評価
実施例1~25及び比較例1~4で得られた試料に対して、AATCC TM22‐2017の基準に準ずる試験法によるスプレー撥水性の評価を行った。スプレー撥水性が良好である場合を「5」、不良である場合を「1」とした。
5.4 撥油性の評価
実施例1~25及び比較例1~4で得られた試料に対して、AATCC TM118-2013の基準に準ずる試験法による撥油性の評価を行った。撥油性が良好である場合を「3」、不良である場合を「0」とした。
5.5 洗濯後のスプレー撥水性および撥油性の評価
実施例10、21及び22で得られた試料に対して、AATCC TM135-2018の基準に準ずる洗濯を5回(L-5)行い、Tumble Dry後のスプレー撥水性と撥油性の評価を行った。
5.6 接触角の評価
実施例26及び比較例5で得られた試料に対して、KRUSS社製の簡易自動接触角計・転落角モデルDSA25Tを用いて、試料表面からの水の転落角を計測した。計測は任意の3点にて行い、その平均値を求めた。なお、水の滴下量は20μLとして評価を行った。
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000024
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000025
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000026
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000027
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000028
Figure PCTKR2022011926-appb-img-000029
表2-1~2-3に示される結果から明らかなように、実施例1~25の表面処理剤は、被処理材料である繊維基材に対して、繊維基材の種類によらず、優れた防汚性、撥IPA性(撥水性)、スプレー撥水性及び撥油性を付与することができた。一方、比較例1~4の表面処理剤は、防汚性、撥IPA性(撥水性)、スプレー撥水性及び撥油性のいずれについても、十分な性能を付与できなかった。
表3に示される結果から明らかなように、実施例26の表面処理剤は、比較例5の表面処理剤よりも、被処理材料であるガラス板やアルミニウム板に対して優れた撥水性を付与することができた。
表5に示される結果から明らかなように、洗濯後のスプレー撥水性と撥油性は、非フッ素架橋性単量体を共重合している実施例21及び22のほうが実施例10よりも優れていた。
以上、本発明の単純な変形または変更はすべて、この分野の通常の知識を有する者によって容易に実施することができ、これらの変形や変更はすべて本発明の範囲に含まれる。

Claims (12)

  1. 下記一般式(A)で表される含フッ素重合性単量体に由来する構成単位と、
    下記一般式(B)で表される環状炭化水素含有単量体に由来する構成単位と、
    を備える、フッ素系ポリマー。
    [化1]
    Figure PCTKR2022011926-appb-img-000030

    一般式(A)において、
    Rfは、炭素数1~3のパーフルオロアルキル基であり、
    Rf及びRfは、それぞれ独立に、炭素数1~3のパーフルオロアルキレン基であり、
    は、水素、メチル基又は塩素であり、
    は、-O(R)O-、-NH(R)O-、又は、-NH-で表される基であり、Rは、炭素数2~6の直鎖、分岐又は環状の脂肪族炭化水素基であり、
    nは、6~60の整数である。
    [化2]
    Figure PCTKR2022011926-appb-img-000031

    一般式(B)において、
    は、水素、メチル基又は塩素であり、
    は、-COO-、-O-、-COO(R)-、-COO(R)O-、-CONH-、-CONHCO-、又は、-COORNHCO-で表される基であり、Rは、炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、
    は、置換基を有していてもよい炭素数4~30の環状炭化水素基であり、
    mは、0又は1である。
  2. ハロゲン化ビニル及びハロゲン化ビニリデンから選ばれる少なくとも1種の単量体(C)に由来する構成単位
    を備える、請求項1に記載のフッ素系ポリマー。
  3. 下記一般式(D)で表される(メタ)アクリレートエステル単量体に由来する構成単位
    を備える、請求項1又は2に記載のフッ素系ポリマー。
    [化3]
    Figure PCTKR2022011926-appb-img-000032

    一般式(D)において、
    は、塩素、臭素、ヨウ素、水素又はメチル基であり、
    は、-COO-、-CONH-、-CONHCO-、-COORNHCO-で表される基であり、Rは、炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、
    は、炭素数1~30の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である。
  4. 下記一般式(E)で表される架橋性単量体に由来する構成単位
    を備える、請求項1~3のいずれか1項に記載のフッ素系ポリマー。
    [化4]
    Figure PCTKR2022011926-appb-img-000033

    一般式(E)において、
    は、水素又はメチル基であり、
    は、単結合又は炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基であり、
    Zは、-COO-、又は、-CONH-で表される基であり、
    が単結合である場合、Xは、ヒドロキシル基、アセチル基、エポキシ基、クロロメチル基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基、又は、アクリロイル基であり、
    が炭素数1~6の直鎖又は分岐の脂肪族炭化水素基である場合、Xは、ヒドロキシル基、アセチル基、エポキシ基、クロロメチル基、ブロックイソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、ビニル基、又は、アクリロイル基である。
  5. 前記含フッ素重合性単量体が下記一般式(A1)で表されるものである、
    請求項1~4のいずれか1項に記載のフッ素系ポリマー。
    [化5]
    Figure PCTKR2022011926-appb-img-000034
  6. 前記環状炭化水素含有単量体が、少なくとも2つの環を有する環状脂肪族基、又は、少なくとも2つの環を有する環状脂肪族基が結合されたアルキル基を含む、
    請求項1~5のいずれか1項に記載のフッ素系ポリマー。
  7. 前記環状炭化水素含有単量体が、イソボロニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、及び、2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である、
    請求項6に記載のフッ素系ポリマー。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のフッ素系ポリマーを含む、
    表面処理剤。
  9. ワックス類、シリコーン類、及び、架橋剤のうちの少なくとも1種を含む、
    請求項8に記載の表面処理剤。
  10. 撥水剤、撥水撥油剤、撥水防汚剤、撥水撥油防汚剤のうちの少なくとも1種として用いられる、
    請求項8又は9に記載の表面処理剤。
  11. 請求項1~7のいずれか1項に記載のフッ素系ポリマーを含む処理液に繊維基材を接触させること、
    を含む、繊維製品の製造方法。
  12. 請求項1~7のいずれか1項に記載のフッ素系ポリマーが付着した、
    繊維製品。
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