WO2023013723A1

WO2023013723A1 - シート接続装置、シート接続方法及びシート交換システム

Info

Publication number: WO2023013723A1
Application number: PCT/JP2022/029904
Authority: WO
Inventors: 義明植田; 雄司尾崎
Original assignee: 株式会社タカトリ
Priority date: 2021-08-06
Filing date: 2022-08-04
Publication date: 2023-02-09
Also published as: CN117203139A

Abstract

【課題】複数の貼付シートを確実に接続することが可能なシート接続装置を提供する。【解決手段】上流側の第一貼付シートＳ１と、下流側の第二貼付シートＳ２とを接続するシート接続装置１であり、上流側の粘着ローラ１０，１０と、下流側に配される連結部２０及び切断部３０と、これらの下流側の送りローラ４０，４０とを備える。切断部３０は、第二貼付シートＳ２を幅方向に切断して被接続端部ＳＥ２を形成でき、粘着ローラ１０，１０は、第一貼付シートＳ１の接続端部ＳＥ１を粘着ローラ１０，１０で挟持しながら下流側に向けて送り込むことで、第一貼付シートＳ１を粘着シートＳＡと離型シートＳＰとに分離させて分離部５０を形成する。送りローラ４０，４０は、接続端部ＳＥ１に向けて第二貼付シートＳ２を送り込むことで、被接続端部ＳＥ２を分離部５０に挿入し、連結部２０は、接続端部ＳＥ１及び被接続端部ＳＥ２を接着又は溶着により接続する。

Description

シート接続装置、シート接続方法及びシート交換システム

　本発明は、シート接続装置、シート接続方法及びシート交換システムに関する。さらに詳しくは、本発明は、半導体ウエハ等に貼付される保護シート等の貼付シートを、他の貼付シートに接続するシート接続装置及びシート接続方法に関する。また、本発明は、一の貼付シートを他の貼付シートに交換するためのシート交換システムに関する。

　従来、半導体ウエハは、表面側に回路パターンが形成された後、裏面側が研削等されることにより薄厚化されている。また、半導体ウエハの裏面側の研削等にあたり、回路パターンを保護すべく、半導体ウエハの表面側に保護シート（Ｂ／Ｇテープとも称する）が貼り付けられている。また、半導体ウエハをチップ化するにあたり、ダイシングフレーム及び半導体ウエハにダイシングテープが貼り付けられている。また、半導体チップの形成にあたり、半導体ウエハの裏面側にドライフィルムレジストが貼り付けられることもある。上述した保護シート、ダイシングテープ、ドライフィルムレジスト等の貼り付けにあたり、各種のシート貼り付け装置が用いられている。

　ところで、上述したシート貼り付け装置においては、保護シート、ダイシングテープ、ドライフィルムレジストが例えば、ロール状の原反として供給されている。従って、シートを使い切った後に、作業者が古い原反のロールを取り外して新しい原反に交換する必要がある。新しい原反への交換作業では、新しい貼付シートを、前記シート貼り付け装置に通紙し直す必要があり、交換作業に時間を要する問題がある。また、交換作業の間、半導体ウエハの生産を停止する必要があり、コストを要する問題がある。また、交換作業は、熟練者であるか、作業に不慣れな未熟練者であるかによっても作業時間に違いがあり、作業者によって交換作業時間にばらつきが発生する問題もある。

　ここで、上述のような保護シート、ダイシングテープ、ドライフィルムレジスト等の交換を行うにあたり、新しい原反のシートと、使用済みのシートの後端側とを接続すれば、交換作業における装置への通紙作業の負担を軽減できることが考えられる。そこで、シートを接続するための装置として、粘着テープを接続する粘着テープ接続装置が知られている（例えば、特許文献１）。

特開２００２－９６９５２号公報

　しかしながら、特許文献１に記載の粘着テープ接続装置においては、離型紙（離型シートに相当）を接続する際に、粘着性の貼着部材を用いており、貼着部材の供給機構と消耗品となる貼着部材とによるコストアップが問題となっている。

　また、例えば、半導体ウエハに保護シート等のシートを貼り付けする装置等では、半導体ウエハの外径よりも幅広のシートが用いられている。そのため、シートを原反から引き出すには、比較的大きな引張力を必要とするものとされている。すなわち、シート同士を確実に接続しなければ、接続したシートが、途中で外れて分断されてしまうという問題が生じる恐れがあった。特に最近では、半導体ウエハの大口径化（例えば、３００ｍｍ径以上）が進み、上記問題が顕著となってきている。

　しかしながら、特許文献１に記載の粘着テープ接続装置においては、テープ幅の増大に伴い、貼着部材のテープ幅も増大させる必要がある。そのため、貼着部材のコストが増大する問題がある。特に、上述したような引張力を必要とする貼付シートに適用させるためには、前記貼着部材のテープ幅を拡幅する必要があり、コストアップの問題が顕著に発生する問題がある。また、粘着テープ同士の接続を確実に行わなければ、接続後のシートが蛇行して使えなくなる無駄が発生する恐れがあり、前記引張力により、接続した粘着テープ同士が外れて、分断される恐れもある。

　そこで、本発明は、複数の貼付シートを確実に接続することが可能なシート接続装置及びシート接続方法を提供することを目的とする。また、本発明は、一の貼付シートと、他の貼付シートとを接続することにより、一の貼付シートと、他の貼付シートとを交換可能にするシート交換システムを提供することを目的とする。

（１）上述した課題を解決すべく提供されるシート接続装置は、粘着シートの少なくとも粘着面側に離型シートを重ね合わせて形成された貼付シートであって供給方向上流側に配される第一貼付シートと、前記第一貼付シートに対して供給方向下流側に配される第二貼付シートと、を供給方向に沿って接続するシート接続装置であって、供給方向上流側において、前記貼付シートを介して互いに接近離反可能に設けられ、互いに接近することにより前記貼付シートを挟持可能な一対の粘着ローラと、前記貼付シートの供給経路に沿って配される連結部及び切断部と、前記連結部及び前記切断部に対して供給方向下流側において、前記貼付シートを介して互いに接近離反可能に設けられ、互いに接近することにより前記貼付シートを挟持可能な一対の送りローラと、を備え、前記切断部は、前記第二貼付シートを前記供給方向と交差する幅方向に切断することにより、被接続端部を形成可能であり、一対の前記粘着ローラは、それぞれ表面が粘着性を有すると共に、前記第一貼付シートの接続端部を一対の前記粘着ローラで挟持しながら当該第一貼付シートを上流側から下流側に向けて送り込むことにより、前記接続端部において前記第一貼付シートを前記粘着シートと前記離型シートとに分離させて分離部を形成することが可能であり、前記送りローラは、前記第二貼付シートを挟持しながら前記接続端部に向けて前記第二貼付シートを送り込むことにより、前記被接続端部を前記分離部に挿入可能なものであり、前記連結部は、前記接続端部に前記被接続端部が挿入された状態で、前記接続端部及び前記被接続端部を接着又は溶着により接続すること、を特徴とするものである。

　上述したシート接続装置は、第一貼付シートにおける接続端部を粘着ローラにより、粘着シートと離型シートとに分離させて分離部を形成し、当該分離部に第二貼付シートの被接続端部を挿入するものとされている。これにより、第一貼付シートにおける粘着シートの粘着面（裏面）が、第二貼付シートにおける粘着シートに非粘着面（表面）に貼付される。そのため、上述したシート接続装置によれば、粘着力により、第一貼付シートと第二貼付シートとが仮接続された状態とすることができる。また、上述したシート接続装置は、仮接続されて第一貼付シートに第二貼付シートが仮接続により保持された状態で、第一貼付シートの接続端部と、第二貼付シートの被接続端部とを加熱により溶着して接続できる。上述したシート接続装置は、このようにして前記接続端部と前記被接続端部とを精度良く、確実に接続できる。また、上述したシート接続装置は、第二貼付シートの被接続端部と接着剤とにより接着して接続できる。上述したシート接続装置は、このようにして前記接続端部と前記被接続端部とを精度良く、確実に接続できる。

　また、別途に接続用の貼付部材等を用意する必要がなく、接続代を少なくすることができるので、コストを低減することができる。そのため、貼付シートを交換するような場合に特に適したシート接続装置を提供することができる。また、前記接続端部と前記被接続端部とが、熱溶着で確実に接続されるので、接続した第一貼付シートと、第二貼付シートとが供給時に途中で外れることを抑制できる。また、接続後のシートが蛇行して使えなくなる無駄が発生することを抑制できる。

（２）上述した本発明のシート接続装置は、前記連結部が、前記接続端部における離型シート、及び前記被接続端部における離型シートのそれぞれを加熱により溶着させて接続するものであるとよい。

　かかる構成によれば、前記接続端部における離型シート、及び前記被接続端部における離型シートのそれぞれを確実に接続することができる。そのため、接続した第一貼付シートと第二貼付シートとが、供給時に途中で外れることを抑制できる。また、別途に接続用の貼付部材を用意する必要がないので、コストが増加することを抑制できる。

（３）上述した本発明のシート接続装置は、前記連結部が、前記接続端部における離型シート、及び前記被接続端部における離型シートのそれぞれを接着剤塗布により接着させて接続するものであるとよい。

　かかる構成によれば、前記接続端部における離型シート、及び前記被接続端部における離型シートのそれぞれを確実に接続することができる。そのため、接続した第一貼付シートと第二貼付シートとが、供給時に途中で外れることを抑制できる。

（４）上述した本発明のシート接続装置において、一対の前記粘着ローラは、供給方向下流側から上流側に向けて前記第一貼付シート及び前記第二貼付シートを送り込むことにより、前記被接続端部が挿入された前記接続端部を圧接可能であるとよい。

　かかる構成によれば、接続端部と被接続端部との仮接続を確実に行うことができる。すなわち、第一貼付シートの接続端部における粘着シートの粘着面と、第二貼付シートの被接続端部における粘着シートの非粘着面との仮接続を確実に行うことができる。これにより、接続代が狭くても、接続端部に被接続端部を確実に保持させた状態で、接続端部と被接続端部とを熱溶着に供することができる。

（５）上述した本発明のシート接続装置は、前記切断部が、前記離型シート側に配されたカッターと、前記粘着シート側に配されると共に、前記カッターと対向して設けられた吸着体と、を有しており、前記吸着体は、前記第二貼付シートを幅方向に沿って吸着保持することが可能であると共に、前記カッターと対向する位置において幅方向に沿ったカッター溝を有するとよい。

　かかる構成によれば、吸着体により第二貼付シートを吸着保持した状態で、第二貼付シートを幅方向に沿って切断することができる。そのため、第二貼付シートの端部に形成される被接続端部を精度良く形成することができ、接続端部との接続を精度良く行うことができる。従って、接続後に接続端部と被接続端部とが外れることを抑制できる効果が期待できる。

（６）上述した本発明のシート接続装置は、前記貼付シートが、半導体ウエハの表面を保護する保護シート、半導体ウエハのダイシングに用いられるダイシングテープ、又はドライフィルムレジストであるとよい。

　かかる構成によれば、半導体ウエハの表面を保護する保護シート（保護テープ又はＢＧテープとも称する）、導体ウエハのダイシングに用いられるダイシングテープ、又はドライフィルムレジストの接続に適したシート接続装置を提供することができる。

（７）上述した本発明のシート接続装置は、前記第一貼付シートの面上で凹凸ローラを転動させて、粘着シートと離型シートとに分離しやすくするとよい。

　かかる構成によれば、粘着シートと離型シートとをより確実に分離することができる。

（８）上述した本発明のシート接続方法は、粘着シートの少なくとも粘着面側に離型シートが重ね合わされた貼付シートであって供給方向上流側に配される第一貼付シートと、前記第一貼付シートに対して供給方向下流側に配される第二貼付シートと、を供給方向に沿って接続するシート接続方法であって、前記第二貼付シートを、幅方向に切断することにより原反側と供給方向下流側とに二分すると共に、供給方向下流側の一端側に被接続端部を形成する第二貼付シート切断工程と、前記第二貼付シートにおける上流側から前記第一貼付シートを供給する第一貼付シート供給工程と、供給方向上流側から下流側に向けて前記第一貼付シートの接続端部を一対の粘着ローラで挟持しながら送り込むことにより、前記接続端部を前記粘着シートと前記離型シートとに分離させて分離部を形成する分離部形成工程と、前記第二貼付シートを供給方向下流側から上流側に向けて送り込むことにより、前記分離部に向けて前記被接続端部を挿入するシート挿入工程と、前記分離部に前記被接続端部が挿入された状態で、前記第一貼付シート及び前記第二貼付シートを供給方向下流側から上流側に向けて送り込みながら、一対の前記粘着ローラによって前記接続端部及び前記被接続端部を挟持するシート接続工程と、を実行すること、を特徴とするものである。

　上述したシート接続方法によれば、第二貼付シート切断工程により、第二貼付シートを二分して、供給方向下流側の一端側に被接続端部を形成することができる。そのため、作業者が第二貼付シートを直接的に切断する必要がなく、作業者の熟練度に左右されずに精度の良い被接続端部を形成することができる。また、上述したシート接続方法によれば、第一貼付シート供給工程と分離部形成工程とにより、第一貼付シートの接続端部に分離部を形成することができる。そのため、第一貼付シートの先端側となる接続端部を一対の粘着ローラの間に供給するという容易な作業によって、その後のシート接続工程に第一貼付シートを供することができる。

　また、上述したシート接続方法は、シート挿入工程において、第一貼付シートの接続端部に形成された分離部に第二貼付シートの被接続端部を挿入することができる。これにより、分離部の離型シートの粘着面が、第二貼付シートの被接続端部における離型シートの非粘着面に貼り付けられる。すなわち、接続端部と被接続端部とが仮接続される。また、上述したシート接続方法においては、シート接続工程において、仮接続された接続端部と被接続端部とが、一対の粘着ローラによって挟持される。これにより、確実に接続端部に被接続端部が、保持される。また、別途に接続用の貼付部材等を用意する必要がなく、接続代を少なくすることができるので、コストを低減することができる。そのため、上述したようにすれば、貼付シートを交換するような場合に特に適したシート接続方法を提供することができる。

（９）上述した本発明のシート接続方法は、前記シート接続工程を実行後に、前記粘着ローラによる挟持を解放した状態で、前記接続端部及び前記被接続端部を前記貼付シートの供給経路に沿って配された連結部により加熱圧着する加熱圧着工程を実行するとよい。

　かかる構成によれば、接続端部と被接続端部とを加熱圧着により確実に接続することができる。そのため、接続した第一貼付シートと第二貼付シートとが、供給時に途中で外れることを抑制できる。また、別途に接続用の貼付部材を用意する必要がないので、コストが増加することを抑制できる。

（１０）上述した本発明のシート接続方法は、前記シート接続工程を実行前に、前記貼付シートの供給経路に沿って配された接着剤塗布部により接着剤を塗布する接着剤塗布工程を実行するとよい。

　かかる構成によれば、接続端部と被接続端部とを接着剤により確実に接続することができる。そのため、接続した第一貼付シートと第二貼付シートとが、供給時に途中で外れることを抑制できる。

（１１）上述した本発明のシート交換システムは、前記シート接続装置を用い、第一貼付シートにおける端部と、第二貼付シートにおける端部と、を接続することにより、供給先に供給する貼付シートを交換すること、を特徴とするものである。

　かかる構成によれば、例えば、使用済みの第二貼付シートと、使用前の第一貼付シートとを容易に交換することができる。具体的には、上述したシート交換システムは、使用により残量が少なくなった第二貼付シートの後端側となる端部（被接続端部）と、新しい第一貼付シートの先端側となる端部（接続端部）とを接続することができる。これにより、交換作業の熟練度に左右されずに貼付シートの交換を行うことが可能となる。従って、貼付シートの交換に掛かる時間を大幅に短縮することができ、コストを削減することができる。

（１２）上述した本発明のシート交換システムは、前記貼付シートが、半導体ウエハの表面を保護する保護シート、半導体ウエハのダイシングに用いられるダイシングテープ、又はドライフィルムレジストであるとよい。

　かかる構成によれば、半導体ウエハの表面を保護する保護シート、半導体ウエハのダイシングに用いられるダイシングテープ、又はドライフィルムレジストのような幅広の貼付シートであっても、コストを掛けずに交換可能なシート交換システムを提供することができる。また、保護シートの引き出しに引張力を必要とする場合であっても、交換後に接続したシート同士が外れることを抑制する効果が期待できる。

　本発明によれば、複数の貼付シートを確実に接続することが可能なシート接続装置及びシート接続方法を提供することができる。また、本発明によれば、一の貼付シートと、他の貼付シートとを接続することにより、一の貼付シートと、他の貼付シートとを交換可能にするシート交換システムを提供することができる。

本発明のシート接続装置を適用した保護シート貼り付け装置の概略説明図である。本発明のシート接続装置の一実施形態を示す一部省略外観斜視図である。本発明のシート接続装置の一実施形態を示す正面方向概略断面図である。本発明のシート接続装置における切断部の一部省略拡大斜視図である。（ａ）及び（ｂ）は、本発明のシート接続装置の動作説明図である。（ｃ）及び（ｄ）は、本発明のシート接続装置の動作説明図である。（ｅ）は、本発明のシート接続装置の動作説明図である。（ｆ）は、本発明のシート接続装置の動作説明図である。（ｇ）及び（ｈ）は、本発明のシート接続装置の動作説明図である。（ｉ）は、本発明のシート接続装置の動作説明図である。（ａ）は、保護シートが貼り付けられた半導体ウエハの平面図であり、（ｂ）は、半導体ウエハのａ－ａ方向断面図である。（ａ）～（ｃ）は、本発明のシート接続装置に係る剥離きっかけの動作説明図である。

　本発明に係るシート接続装置１の一実施形態について、図１～図１２を参照しつつ詳細を説明する。なお、各図において、貼付シートＳ、第一貼付シートＳ１、第二貼付シートＳ２は、厚みを誇張して描いてあることに留意されたい。また、図２及び図４以外の各図において、連結部２０及び切断部３０は、説明が容易なように形状や大きさを概略的に描いていることに留意されたい。

　図１は、本発明のシート接続装置１を適用した保護シート貼り付け装置２の概略説明図である。保護シート貼り付け装置２は、例えば、図１１（ａ）及び図１１（ｂ）に示す半導体ウエハＷ（ウエハＷとも称する）に保護シートＳ（貼付シートＳとも称する）を貼り付けるための装置である。ウエハＷは、外周部分に結晶方位を示すノッチＮが形成され、表面に回路パターンが形成されている。なお、保護シート貼り付け装置２における保護シートＳの貼り付けに関する詳細は図示を省略する。

　図１に示すように、シート接続装置１の上流側には、保護シートＳの原反３が配されている。原反３は、図示しない支持枠に回転可能（適宜、回転駆動機構やストッパが設けられていてもよい）に支持されている。原反３から繰り出された貼付シートＳは、適宜のガイドローラ４に案内されて、シート接続装置１に供給される。また、シート接続装置１の下流側には、保護シート貼り付け装置２が配され、シート接続装置１を経由した保護シートＳが供給される。なお、本実施形態では、保護シート貼り付け装置２が、シート接続装置１に接続されているものとしたが、シート接続装置１が、保護シート貼り付け装置２に組み込まれて、一体的に形成されていてもよい。

　図２は、シート接続装置１を上方側後方から見た一部省略外観斜視図であり、図３は、シート接続装置１を正面方向から見た概略断面図である。また、図４は、図２における要部を拡大した拡大斜視図である。なお、図２及び図４においては、貼付シートＳ及び連結部２０とを省略して描いていることに留意されたい。図３に示すように、シート接続装置１は、一対の粘着ローラ１０，１０と、貼付シートＳの供給経路に沿って配される連結部２０及び切断部３０と、一対の送りローラ４０，４０等を有している。また、シート接続装置１は、連結部２０及び切断部３０を支持する駆動ユニット６０を有している。

　また、シート接続装置１には、貼付シートＳが通紙されている。ここで、貼付シートＳにおいて、まだ装着されていない使用前の一の貼付シートＳを第一貼付シートＳ１とし、既にシート接続装置１に通紙された使用中の貼付シートＳを第二貼付シートＳ２として説明する。本実施形態では、第二貼付シートＳ２に、新しい第一貼付シートＳ１を接続することを前提として説明する。また、第一貼付シートＳ１は、供給方向上流側に配され、第二貼付シートＳ２は、第一貼付シートＳ１に対して下流側に配されるものとして説明する。

　本実施形態において使用される貼付シートＳとしての保護シートＳは、例えば、ウエハＷの裏面研削を行う際に、ウエハＷに形成された回路パターン面を保護するために貼付されるものである。保護シートＳは、例えば、回路パターン面に貼付される粘着シートＳＡと、粘着シートＳＡにおける粘着層Ａに重ね合わせて形成される離型シートＳＰと、を備えたものとされている。粘着シートＳＡは、例えばＥＶＡ（エチレン・酢酸ビニル共重合体）やＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）等の基材に粘着層Ａを積層したものとされている。保護シートＳは、貼り付け前に離型シートＳＰが剥離され、粘着シートＳＡの粘着面側（粘着層Ａ側）が、ウエハＷに貼付される。なお、保護シートＳは、予めウエハＷの形状に切断されたものを貼り付けるか、あるいは、半導体ウエハＷに貼り付けた後に半導体ウエハＷの形状に切断するかにより、ウエハＷの回路パターン面に貼付される。

　図１及び図３に示すように、粘着ローラ１０，１０は、シート接続装置１における供給方向上流側に配されている。図２及び図４に示すように、粘着ローラ１０，１０は、貼付シートＳの幅方向に沿って設けられ、貼付シートＳよりも幅広に形成されている。また、粘着ローラ１０，１０は、両端側が、支持枠５，５に回転可能に支持されている。

　図３に示すように、粘着ローラ１０，１０は、貼付シートＳを介して、シリンダ等の適宜の駆動源（図示せず）により互いに接近離反可能に設けられている。粘着ローラ１０，１０は、相対的な移動により互いに接近離反可能とすれば良く、両方の粘着ローラ１０，１０が、互いに接近離反可能に移動するものや、一方側の粘着ローラ１０のみが他方側の粘着ローラ１０に対して接近離反するものとしてもよい。本実施形態では、粘着ローラ１０，１０の双方が接近離反動可能に設けられている。

　粘着ローラ１０，１０は、互いに接近することにより、粘着ローラ１０，１０間に通紙された貼付シートＳを挟持することができる。粘着ローラ１０，１０は、貼付シートＳを挟持しながら供給方向に向けて回転することにより、上流側から下流側に向けて貼付シートＳを供給送りすることができる。また、粘着ローラ１０，１０は、前記と逆方向に向けて回転することにより、下流側から上流側に向けて貼付シートＳを巻き戻し送りすることもできる。また、粘着ローラ１０，１０は、表面側が粘着性を有する素材で形成されている。粘着ローラ１０，１０は、表面に粘着剤を塗布したり、表面に粘着性のシートを巻回したりするなどして形成してもよい。

　詳細は後述するシート接続方法において説明するが、粘着ローラ１０，１０は、第一貼付シートＳ１（貼付シートＳ）における一端側の接続端部ＳＥ１を挟持しながら（図６（ｃ）参照）、第一貼付シートＳ１を上流側から下流側に向けて送り込むことにより、接続端部ＳＥ１において第一貼付シートＳ１を粘着シートＳＡ１と離型シートＳＰ１とに分離させて分離部５０を形成することが可能である（図６（ｄ）参照）。

　駆動ユニット６０は、後述するヒータ２１及びカッター３１を支持するものとされている。駆動ユニット６０の後方には、貼付シートＳの幅方向に沿って水平に支持枠６（図２及び図４参照）が形成されている。駆動ユニット６０は、支持枠６の幅方向に沿って設けられたガイド軸６Ａにガイド６１を介して支持されている。これにより、駆動ユニット６０は、貼付シートＳに対して幅方向への移動が許容されている。また、駆動ユニット６０は、適宜の駆動源（自動又は手動）により幅方向へ自在に移動することができる。

　駆動ユニット６０は、上端側（上流側）において、貼付シートＳの形成面に向けてレール６２が敷設されている。また、駆動ユニット６０は、下端側（下流側）において、レール６２と平行となるように間隔を空けてレール６３が敷設されている。

　連結部２０は、粘着ローラ１０，１０の供給方向下流側に配されている。連結部２０は、半田ごてのように先端が鋭利に形成されたヒータ２１と、貼付シートＳを介して設けられたバックアップ２２と、で形成されている。ヒータ２１は、適宜の電流制御が行われることにより、加熱温度を調整することができる。また、ヒータ２１は、駆動ユニット６０に支持されており、ガイド２３を介してレール６２に移動可能に支持されている。これにより、ヒータ２１は、貼付シートＳの形成面に向けての進退動が許容されている。ヒータ２１の進退動は、図示しない適宜の駆動源によって行われる。バックアップ２２は、適宜の支持枠（図示せず）に固定されており、貼付シートＳを裏面側から支持することができる。

　ヒータ２１は、バックアップ２２に向けての移動と、ガイド軸６Ａに沿った幅方向への移動とを行うことができる。これにより、詳細は後述するが、第一貼付シートＳ１の接続端部ＳＥ１と、第二貼付シートＳ２の被接続端部ＳＥ２とを、幅方向に沿って加熱圧着することができる（図９（ｈ）参照）。このとき、接続端部ＳＥ１における離型シートＳＰ１と、被接続端部ＳＥ２における離型シートＳＰ２とが熱溶着される。ヒータ２１の加熱温度は、離型シートＳＰを熱溶着できる温度に設定すればよい。ヒータ２１の加熱温度は、離型シートＳＰの組成に応じて適宜変更することが可能である。なお、ヒータ２１は、貼付シートＳの幅方向を一体的に圧着できるように幅方向に長尺となるように形成してもよい。かかる場合は、ヒータ２１の幅方向への移動を廃することができる。

　切断部３０は、連結部２０よりも供給方向下流側に配されている。切断部３０は、駆動ユニット６０に支持されると共に、離型シートＳＰ側に配されたカッター３１と、粘着シートＳＡ側に配されると共に、カッター３１と対向するように設けられた吸着体３５と、を有している。

　カッター３１は、駆動ユニット６０におけるレール６３にガイド３２を介して移動可能に支持されている。これにより、カッター３１は、貼付シートＳの形成面に向けての進退動が許容されている。カッター３１の進退動は、図示しない適宜の駆動源によって行われる。また、カッター３１は、吸着体３５に向けての移動と、ガイド軸６Ａに沿った幅方向への移動とが可能である。これにより、貼付シートＳを供給方向と交差する幅方向に切断することができる。

　吸着体３５は、貼付シートＳの幅方向に沿って延びるように設けられている（図１及び図４参照）。また、吸着体３５は、上下方向の略中央において幅方向に沿ったカッター溝３６が形成されている。カッター溝３６は、カッター３１と対向する位置に形成されており、カッター３１の刃先の受け入れを許容している。これにより、カッター３１の刃先が損傷することを抑制できる。また、確実に貼付シートＳが切断される。

　また、吸着体３５は、幅方向に沿った複数の吸着孔３７を有している（図１及び図４参照）。吸着孔３７は、カッター溝３６を介して、上流側と下流側とに配されている。吸着孔３７は、適宜の真空ポンプ（図示せず）と接続されており、貼付シートＳ（第二貼付シートＳ２）を幅方向に沿って吸着保持することが可能である。従って、吸着体３５により貼付シートＳを吸着保持した状態で、貼付シートＳを幅方向に沿って切断することができる。これにより、貼付シートＳを精度良く、直線状に切断することができる。

　送りローラ４０，４０は、連結部２０及び切断部３０に対して供給方向下流側に設けられている。また、送りローラ４０，４０は、適宜の駆動源（図示せず）により、貼付シートＳを介して互いに接近離反可能であり、互いに接近することにより貼付シートＳを挟持可能である。また、送りローラ４０，４０は、供給方向に回転することにより、挟持した貼付シートＳを上流側から下流側に向けて送り込むことができる。また、送りローラ４０，４０は、供給方向と逆方向に回転することにより、挟持した貼付シートＳを下流側から上流側に向けて送り込むこともできる。

　以上が、本発明に係るシート接続装置１の構成であり、次にシート接続装置１におけるシート接続方法及びシート交換システムについて、図５～図１０、図１２を参照しつつ以下に詳細を説明する。

　図５（ａ）に示すように、初期状態においては、使用中の第二貼付シートＳ２が通紙された状態にある。この状態において、吸着体３５の吸着孔３７に吸着力を発生させることによって、第二貼付シートＳ２における粘着シートＳＡの非粘着面側が吸着保持される。続いて、カッター３１をカッター溝３６に向けて移動させると共に、駆動ユニット６０を幅方向に沿って移動させる。これにより、第二貼付シートＳ２が、供給方向上流側の原反側と、供給方向下流側とに二分され、供給方向下流側の一端側に被接続端部ＳＥ２が形成される（第二貼付シート切断工程）。なお、第二貼付シート切断工程が終了すると、吸着体３５による吸着が解放される。

　上述したように、第二貼付シート切断工程では、吸着体３５により第二貼付シートＳ２を吸着保持した状態で、第二貼付シートＳ２を切断することができる。そのため、第二貼付シートＳ２の端部に形成される被接続端部ＳＥ２を精度良く形成することができ、後述するシート接続工程において、接続端部ＳＥ１との接続を精度良く行うことができる。従って、接続後に接続端部ＳＥ１と被接続端部ＳＥ２とが外れることを抑制できる効果が期待できる。また、作業者が第二貼付シートＳ２を直接的に切断する必要がなく、作業者の熟練度に左右されずに、精度の良い被接続端部ＳＥ２を形成することができる。

　続いて、図５（ｂ）に示すように、カッター３１が、後退し、第二貼付シートＳ２における原反側が原反３に巻き取られて回収される。なお、不要となった原反３の取り外しや交換は、手動によるものやロボット等により自動で行うものとすることができる。

　続いて、図６（ｃ）に示すように、第二貼付シートＳ２における上流側から第一貼付シートＳ１が供給される（第一貼付シート供給工程）。第一貼付シートＳ１の供給は、適宜、原反３の交換と、一端側の接続端部ＳＥ１の粘着ローラ１０，１０間への通紙と、により行うことができる。なお、原反３の交換と、粘着ローラ１０，１０間への通紙の作業は、手動で行うものや巻き送り機構、ロボット等により自動で行うものとすることができる。原反３を複数個装備できるようにすれば、貼付シートＳの供給動作を継続しつつ、原反３の交換作業を後回しにして、まとめて原反３を交換することもできる。また、第一貼付シートＳ１が、粘着ローラ１０，１０間に通紙されると、粘着ローラ１０，１０が互いに接近し、接続端部ＳＥ１を挟持する。このとき、送りローラ４０，４０が、第二貼付シートＳ２における被接続端部ＳＥ２付近を挟持する。このように、第一貼付シートＳ１の先端側となる接続端部ＳＥ１を一対の粘着ローラ１０，１０の間に供給するという容易な作業によって、後述のシート接続工程に第一貼付シートＳ１を供することができる。

　続いて、図６（ｄ）に示すように、粘着ローラ１０，１０を供給方向に向けて回転させることにより、供給方向上流側から下流側に向けて第一貼付シートＳ１の接続端部ＳＥ１が一対の粘着ローラ１０，１０で挟持されながら送り込まれる。これにより、接続端部ＳＥ１が粘着シートＳＡと離型シートＳＰとに分離されて分離部５０が形成される（分離部形成工程）。なお、粘着ローラ１０，１０の粘着力は、適宜、剥離させる貼付シートＳの組成に合わせて変更すればよい。分離部５０の形成においては、粘着ローラ１０に加えて別途機構を設けても良い。例えば、分離部５０の形成が、凹凸ローラ７１（針ローラ７１）を用いた剥離きっかけ機構７０により行われてもよい（図１２参照）。なお、剥離きっかけ機構７０による分離部５０の形成については、後述の変形例において詳説する。

　続いて、図７（ｅ）に示すように、粘着ローラ１０，１０と、送りローラ４０，４０とを図示矢印方向へ回転させるにより、第二貼付シートＳ２が供給方向下流側から上流側に向けて送り込まれる。これにより、分離部５０に向けて被接続端部ＳＥ２が挿入される（シート挿入工程）。

　続いて、図８（ｆ）に示すように、粘着ローラ１０，１０と、送りローラ４０，４０とを図示矢印方向へ回転させることにより、分離部５０に被接続端部ＳＥ２が挿入された状態で、第一貼付シートＳ１及び第二貼付シートＳ２が供給方向下流側から上流側に向けて送り込まれる。これにより、一対の粘着ローラ１０，１０によって接続端部ＳＥ１及び被接続端部ＳＥ２が挟持され、接続端部ＳＥ１及び被接続端部ＳＥ２が圧接されて接続される（シート接続工程）。このとき、接続端部ＳＥ１における粘着シートＳＡ１の粘着面（裏面）が、被接続端部ＳＥ２における粘着シートＳＡ２の非粘着面（表面）に圧接されることにより貼り合わされて仮接続される。従って、仮接続された接続端部ＳＥ１と被接続端部ＳＥ２とが、一対の粘着ローラ１０，１０によって挟持される。これにより、確実に接続端部ＳＥ１に被接続端部ＳＥ２が保持される。また、別途に接続用の貼付部材等を用意する必要がなく、接続代を少なくすることができるので、コストを低減することができる。そのため、貼付シートＳを交換するような場合に特に適したシート接続装置１を提供することができる。

　続いて、図９（ｇ）に示すように、粘着ローラ１０，１０と、送りローラ４０，４０との図示矢印方向への回転により、接続された接続端部ＳＥ１及び被接続端部ＳＥ２が、粘着ローラ１０，１０を通過し、粘着ローラ１０，１０の供給方向上流側に位置するように送られる。

　この後、図９（ｈ）に示すように、粘着ローラ１０，１０による挟持が解除された状態で、送りローラ４０，４０を回転させることにより、接続された接続端部ＳＥ１及び被接続端部ＳＥ２が、ヒータ２１と対向するように上流側から下流側に向けて送り込まれる。このとき、粘着ローラ１０，１０は、挟持が解放されているので、シートＳが粘着ローラ１０，１０に引っ張られることがない。従って、接続端部ＳＥ１及び被接続端部ＳＥ２の接続が外れることがない。続いて、ヒータ２１がバックアップ２２に向けて移動することにより、接続端部ＳＥ１及び被接続端部ＳＥ２が、加熱圧着される（加熱圧着工程）。これにより、接続端部ＳＥ１及び被接続端部ＳＥ２のそれぞれの離型シートＳＰ１，ＳＰ２が熱溶着される。また、接続端部ＳＥ１における粘着シートＳＡ１が、被接続端部ＳＥ２における粘着シートＳＡ２の表面に圧着される。なお、接続端部ＳＥ１のおける粘着シートＳＡ１と被接続端部ＳＥ２における粘着シートＳＡ２との貼り付けは、熱溶着及び粘着層Ａによる粘着のいずれか一方又は双方により行えばよい。

　上述したように加熱圧着工程を実行することにより、接続端部ＳＥ１と被接続端部ＳＥ２とを確実に接続することができる。そのため、接続した第一貼付シートＳ１と第二貼付シートＳ２とが、供給時に途中で外れることを抑制できる。また、別途に接続用の貼付部材を用意する必要がないので、コストが増加することを抑制できる。また、接続端部ＳＥ１と被接続端部ＳＥ２とが、自動的に精度良く接続されるので、接続後のシートが蛇行して使えなくなる無駄が発生することを抑制できる。

　続いて、図１０（ｉ）に示すように、送りローラ４０，４０の回転によって、挟持された貼付シートＳ（本実施形態では、第一貼付シートＳ１）が、供給方向下流側に向けて送り出される。これにより、例えば、保護シート貼り付け装置２に貼付シートＳが供給される。

　上述したように、本発明のシート接続装置１を用いて、第一貼付シートＳ１における端部（接続端部ＳＥ１）と、第二貼付シートＳ２における端部（被接続端部ＳＥ２）と、を接続することにより、供給先に供給する貼付シートＳを交換可能なものとする貼付シート交換システムを提供することが可能である。

　上記貼付シート交換システムによれば、例えば、使用済みの第二貼付シートＳ２と、使用前の第一貼付シートＳ１とを容易に交換することができる。具体的には、上述したシート交換システムは、使用により残量が少なくなった第二貼付シートＳ２の後端側となる端部（被接続端部ＳＥ２）と、新しい第一貼付シートＳ１の先端側となる端部（接続端部ＳＥ１）とを接続することができる。これにより、交換作業の熟練度に左右されずに貼付シートＳの交換を行うことが可能となる。従って、貼付シートＳの交換に掛かる時間を大幅に短縮することができ、コストを削減することができる。そのため、半導体ウエハＷへの保護シート貼り付け装置２に上記貼付シート交換システムを用いるようにすれば、半導体ウエハＷの生産コストを低減することが期待できる。また、シート接続装置１、上記シート接続方法、及び上記貼付シート交換システムによれば、半導体ウエハＷに用いられるような幅広で引き出しに引張力を必要とする保護シートＳ（貼付シートＳ）であっても、交換後に接続したシート同士が外れることを抑制する効果が期待できる。そのため、本発明のシート接続装置１、シート接続方法及びシート交換システムは、半導体ウエハＷに貼り付ける保護シートＳ、ダイシングテープ、ドライフィルムレジスト等の各種の貼り付け装置に好ましく用いることができる。図６（ｄ）に示す分離部５０では、接続端部ＳＥ１において第一貼付シートＳ１を粘着シートＳＡ１と離型シートＳＰ１とに分離させているが、粘着ローラ１０、１０のみで十分な再現性が得られない場合は、図１２に示すように、剥離きっかけ機構７０を追加するとよい。

　以下、剥離きっかけ機構７０を搭載したシート接続装置１の変形例についての詳細を説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、説明を省略する。また、上述した実施形態と同様の部材については、同一の符号を用いていることに留意されたい。また、図１２は、理解が容易なように、簡略化して描いており、一部、部材が省略されていることに留意されたい。

≪変形例≫
　図１２に示すように、変形例に係るシート接続装置１に搭載される剥離きっかけ機構７０は、凹凸ローラ７１と、凹凸ローラ７１を回転可能に支持する支持部７２等を備えている。なお、図１２（ａ）～図１２（ｃ）においては、各図における右側を原反側（上流側）として説明する。

　凹凸ローラ７１は、本変形例では、例えば、ローラ表面に多数の突起（例えば、針）が形成されたものとされている（以下、凹凸ローラ７１を針ローラ７１とも称する）。凹凸ローラ７１は、支持部７２に回転可能に支持されている。凹凸ローラ７１は、支持部７２の駆動により、第一貼付シートＳ１における離型シートＳＰ１の表面に当接可能なものとされている。

　支持部７２は、凹凸ローラ７１を回転可能に支持している。また、支持部７２は、適宜の駆動源（図示せず）が接続されており、シートＳの幅方向への移動と、上下方向への移動とが可能なものとされている。

　?離きっかけ機構７０は、上記のとおり構成されており、次に、剥離きっかけ機構７０による第一貼付シートＳ１への剥離きっかけの形成についての詳細を説明する。

　図１２（ａ）及び図１２（ｂ）に示すように、まず、使用中の第二貼付シートＳ２が、カッター３１により幅方向に切断される。切断された第二貼付シートＳ２の原反側（図示右側）は、原反３に巻き取られて回収される。図示を省略するが、第二貼付シートＳ２の原反側が巻き取られると、原反３が使用前の第一貼付シートＳ１の原反３に交換され、第一貼付シートＳ１が原反側から供給される。

　続いて、図１２（ｃ）に示すように、粘着ローラ１０，１０に先端が挟持された第一貼付シートＳ１の原反側において、凹凸ローラ７１が、第一貼付シートＳ１における離型シートＳＰ１側（図示下方面側）に当接する。凹凸ローラ７１は、支持部７２の駆動により、第一貼付シートＳ１の幅方向に沿って離型シートＳＰ１側に当接しながら転動する。これにより、粘着シートＳＡ１と離型シートＳＰ１との間に空気が侵入し、粘着シートＳＡ１と離型シートＳＰ１との間の接着が弱められ、剥離きっかけ領域７３が形成される。なお、本変形例では、剥離きっかけ機構７０が針ローラ７１によって、剥離きっかけ領域７３を形成するものとしたが、これには限定されず、剥離きっかけ機構７０には、各種の剥離きっかけ形成手段を採用することが可能である。なお、条件によっては、凹凸ローラ７１は、第一貼付シートＳ１における離型シートＳＰ１側ではなく、粘着シートＳＡ１の非粘着面側に当接しながら転動するようにしてもよい。また、図１２に示す変形例では、カッター３１が粘着シートＳＡ側に配置されているが、離型シートＳＰ側に配置してもよい。

　以上が、本発明のシート接続装置１を用いたシート接続方法及びシート交換システムの実施形態であるが、本発明のシート接続装置１、シート接続方法及びシート交換システムは、上述の実施形態に限定されるものではなく、各種の変形を行うことが可能である。

　本実施形態では、連結部２０が加熱による溶着により接続されているが、連結部２０の接続はこれに限定されるものではなく、さらに溶着剤を用いたり、又は、糊や接着剤などを用いて接着によって接続したりしてもよい。接着剤を塗布する場合は、シート接続工程の実行前に、前記貼付シートＳの供給経路に沿って配された接着剤塗布部（図示せず）により接着剤を塗布する接着剤塗布工程を実行するとよい。なお、離型シートＳＰの材質によっては、接着剤に代わりに溶着剤又は糊を用いてもよい。また、接着剤を塗布する場所は、接続端部ＳＥ１と被接続端部ＳＥ２のどちらでもよく、接着剤塗布部の位置は、塗布する場所にあわせて決めるとよい。

　本実施形態では、貼付シートＳの一方面側に離型シートＳＰが形成されたものを用いたが、貼付シートＳは、これに限定されるものではなく、各種の層構成で形成されたものを用いることができる。例えば、貼付シートＳが、表裏の両面に離型シートＳＰを有するものや、粘着層Ａが粘着シートＳＡの両面側に形成されているものなど各種の形態の貼付シートＳを用いることができる。また、本実施形態のように貼付シートＳが、２層（粘着シートＳＡ及び離型シートＳＰ）で形成されているものだけではなく、２層以上の層構成を有していてもよい。また、本実施形態では、貼付シートＳが半導体ウエハＷに用いられる保護シートＳを例として説明したが、保護シートＳだけではなく、ダイシングテープやドライフィルムレジスト等の各種の貼付シートＳを用いることができる。また、貼付シートＳは、幅広のものだけではなく、各種の幅のものを用いることができる。また、本実施形態では、第二貼付シートＳ２と、第一貼付シートＳ１とを接続する場合について例示したが、例えば、途中で貼付シートＳが切れて分断してしまったような場合に、再度同一の貼付シートＳを接続するような場合にも利用することができる。

　本実施形態では、粘着ローラ１０の表面が粘着性を有する素材で形成されているものを例示したが、粘着ローラ１０は、素材自体が粘着性を有するものや、表面部分に粘着性シートが巻回されたものなど、各種の形態のものを用いることができる。粘着ローラ１０の粘着性は、貼付シートＳの素材に合わせて適宜変更すればよい。また、一対の粘着ローラ１０，１０は、それぞれ同じ粘着性を有するものや、それぞれが異なる粘着性を有するものなど、貼付シートＳの素材に合わせて各種のものを用いることができる。また、粘着ローラ１０に加えて、あるいは粘着ローラ１０に代えて、別途機構を設けて分離部５０を形成するようにしてもよい。

　本実施形態では、供給方向上流側から下流側に向けて、粘着ローラ１０、連結部２０、切断部３０、及び送りローラ４０を順に配置する構成としたが、これらの配置は、貼付シートＳの送り方向に合わせて、適宜変更することができる。また、本実施形態では、連結部２０として、半田ごてのように先端が鋭利なヒータ２１を例示したが、連結部２０は、接続端部ＳＥ１と被接続端部ＳＥ２とを加熱により熱溶着できるものであれば、各種のものを用いることができる。例えば、半田ごてのようにスポット的に加熱するものだけではなく、貼付シートＳの幅方向全体に亘って形成されたヒータや、幅方向に沿って凹凸状に形成されたヒータなど、各種の形状や大きさの加熱手段を用いることができる。連結部２０における加熱温度は、適宜、貼付シートＳの素材に合わせて変更すればよい。

　また、本実施形態では、貼付シートＳの幅方向に沿って、接続端部ＳＥ１及び被接続端部ＳＥ２を全体的に熱溶着させているが、幅方向に沿って、全体的に熱溶着するものだけではなく、例えば、スポット的に熱溶着するものなど、一部のみが熱溶着されるものであってもよい。かかる場合は、貼付シートＳの幅方向に沿って、接続端部ＳＥ１及び被接続端部ＳＥ２を、複数個所において熱溶着することが望ましい。

　また、本実施形態では、切断部３０が、カッター３１で形成されており、カッター３１を貼付シートＳの幅方向に移動させて貼付シートＳを切断するものとしたが、カッター３１は、適宜、形状や大きさを変更することができる。例えば、カッター３１が貼付シートＳの幅方向全体に亘って形成されていてもよい。かかる場合は、カッター３１が貼付シートＳに押し付けられることにより、貼付シートＳを切断することができる。

　また、形成する分離部５０の大きさや分離度合いは、貼付シートＳの厚み（粘着シートＳＡ及び離型シートＳＰの厚みを含む）や、貼付シートＳの材質等に合わせて適宜変更できる。

　本実施形態では、供給方向下流側から上流側に向けて第一貼付シートＳ１及び第二貼付シートＳ２を送り込むことにより、被接続端部ＳＥ２が挿入された接続端部ＳＥ１を圧接するようにしているが、接続端部ＳＥ１に被接続端部ＳＥ２が保持できる場合は、当該圧接を廃することもできる。

　本実施形態では、切断部３０が、カッター３１と対向して設けられた吸着体３５を有するものとしたが、吸着体３５に代えて、非吸着のカッター台としてもよい。また、吸着体３５は、吸着孔３７による吸着だけではなく、表面に軽い粘着性を有するものや、密着等により一定の密着力を有するものなど、各種の手段を用いることができる。また、本実施形態では、吸着体３５にカッター溝３６を設けているが、カッター溝３６の形状や、カッター溝３６の有無は、用いる切断手段に応じて適宜変更することができる。

　本実施形態では、第二貼付シート切断工程において、第二貼付シートＳ２を、幅方向に切断することにより供給方向下流側の一端側に被接続端部ＳＥ２を形成するようにしているが、事前に第二貼付シートＳ２が二分されている場合は、当該第二貼付シート切断工程を廃すればよい。また、シート挿入工程は、自動的又は手動で行うものなど、分離部５０に向けて、第二貼付シートＳ２を供給方向下流側から上流側に向けて送り込むことができるものであれば、各種の手段を用いることができる。

　以上が、本発明に係るシート接続装置、シート接続方法及びシート交換システムの実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。

　本発明のシート接続装置、シート接続方法及びシート交換システムは、粘着シート等の各種の貼付シートの接続に用いることができる。また、本発明のシート接続装置、シート接続方法及びシート交換システムは、半導体ウエハに貼り付ける保護シート、ダイシングテープ、ドライフィルムレジスト等の各種の貼付シートの接続に好ましく用いることができる。

　　　Ｓ　：貼付シート（保護シート）
　　　Ａ　：粘着層
　　Ｓ１　：第一貼付シート
　　Ｓ２　：第二貼付シート
　　ＳＥ１：接続端部
　　ＳＥ２：被接続端部
　　ＳＡ　：粘着シート
　　ＳＰ　：離型シート
　　　Ｗ　：半導体ウエハ（ウエハ）
　　　１　：シート接続装置
　　　２　：保護シート貼り付け装置
　　１０　：粘着ローラ
　　２０　：連結部
　　２１　：ヒータ
　　２２　：バックアップ
　　３０　：切断部
　　３５　：吸着体
　　３６　：カッター溝
　　３７　：吸着孔
　　３１　：カッター
　　４０　：送りローラ
　　５０　：分離部

Claims

　粘着シートの少なくとも粘着面側に離型シートを重ね合わせて形成された貼付シートであって供給方向上流側に配される第一貼付シートと、前記第一貼付シートに対して供給方向下流側に配される第二貼付シートと、を供給方向に沿って接続するシート接続装置であって、
　供給方向上流側において、前記貼付シートを介して互いに接近離反可能に設けられ、互いに接近することにより前記貼付シートを挟持可能な一対の粘着ローラと、
　前記貼付シートの供給経路に沿って配される連結部及び切断部と、
　前記連結部及び前記切断部に対して供給方向下流側において、前記貼付シートを介して互いに接近離反可能に設けられ、互いに接近することにより前記貼付シートを挟持可能な一対の送りローラと、を備え、
　前記切断部は、前記第二貼付シートを前記供給方向と交差する幅方向に切断することにより、被接続端部を形成可能であり、
　一対の前記粘着ローラは、それぞれ表面が粘着性を有すると共に、前記第一貼付シートの接続端部を一対の前記粘着ローラで挟持しながら当該第一貼付シートを上流側から下流側に向けて送り込むことにより、前記接続端部において前記第一貼付シートを前記粘着シートと前記離型シートとに分離させて分離部を形成することが可能であり、
　前記送りローラは、前記第二貼付シートを挟持しながら前記接続端部に向けて前記第二貼付シートを送り込むことにより、前記被接続端部を前記分離部に挿入可能なものであり、
　前記連結部は、前記接続端部に前記被接続端部が挿入され、前記接続端部及び前記被接続端部を接着又は溶着により接続すること、を特徴とするシート接続装置。
　前記連結部が、前記接続端部における離型シート、及び前記被接続端部における離型シートのそれぞれを加熱により溶着させて接続するものであること、を特徴とする請求項１に記載のシート接続装置。
　前記連結部が、前記接続端部における離型シート、および前記被接続端部における離型シートのそれぞれを接着剤塗布により接着させて接続するものであること、を特徴とする請求項１に記載のシート接続装置。
　一対の前記粘着ローラは、供給方向下流側から上流側に向けて前記第一貼付シート及び前記第二貼付シートを送り込むことにより、前記被接続端部が挿入された前記接続端部を圧接可能であること、を特徴とする請求項１～３のいずれか１項に記載のシート接続装置。
　前記切断部が、
　前記離型シート側に配されたカッターと、
　前記粘着シート側に配されると共に、前記カッターと対向して設けられた吸着体と、を有しており、
　前記吸着体は、前記第二貼付シートを幅方向に沿って吸着保持することが可能であると共に、前記カッターと対向する位置において幅方向に沿ったカッター溝を有すること、を特徴とする請求項４に記載のシート接続装置。
　前記貼付シートが、半導体ウエハの表面を保護する保護シート、半導体ウエハのダイシングに用いられるダイシングテープ、又はドライフィルムレジストであること、を特徴とする請求項５に記載のシート接続装置。
　前記第一貼付シートの面上で凹凸ローラを転動させて、粘着シートと離型シートとに分離しやすくすることを特徴とする請求項５に記載のシート接続装置。
　粘着シートの少なくとも粘着面側に離型シートが重ね合わされた貼付シートであって供給方向上流側に配される第一貼付シートと、前記第一貼付シートに対して供給方向下流側に配される第二貼付シートと、を供給方向に沿って接続するシート接続方法であって、
　前記第二貼付シートを、幅方向に切断することにより原反側と供給方向下流側とに二分すると共に、供給方向下流側の一端側に被接続端部を形成する第二貼付シート切断工程と、
　前記第二貼付シートにおける上流側から前記第一貼付シートを供給する第一貼付シート供給工程と、
　供給方向上流側から下流側に向けて前記第一貼付シートの接続端部を一対の粘着ローラで挟持しながら送り込むことにより、前記接続端部を前記粘着シートと前記離型シートとに分離させて分離部を形成する分離部形成工程と、
　前記第二貼付シートを供給方向下流側から上流側に向けて送り込むことにより、前記分離部に向けて前記被接続端部を挿入するシート挿入工程と、
　前記分離部に前記被接続端部が挿入された状態で、前記第一貼付シート及び前記第二貼付シートを供給方向下流側から上流側に向けて送り込みながら、一対の前記粘着ローラによって前記接続端部及び前記被接続端部を挟持するシート接続工程と、を実行すること、を特徴とするシート接続方法。
　前記シート接続工程を実行後に、前記粘着ローラによる挟持を解放した状態で、前記接続端部及び前記被接続端部を前記貼付シートの供給経路に沿って配された連結部により加熱圧着する加熱圧着工程を実行すること、を特徴とする請求項８に記載のシート接続方法。
　前記シート接続工程を実行前に、前記貼付シートの供給経路に沿って配された接着剤塗布部により接着剤を塗布する接着剤塗布工程を実行すること、を特徴とする請求項８に記載のシート接続方法。
　請求項１～３のいずれか１項に記載のシート接続装置を用い、
　前記第一貼付シートにおける端部と、前記第二貼付シートにおける端部と、を接続することにより、供給先に供給する貼付シートを交換すること、を特徴とするシート交換システム。
　前記貼付シートが、半導体ウエハの表面を保護する保護シート、半導体ウエハのダイシングに用いられるダイシングテープ、又はドライフィルムレジストであること、を特徴とする請求項１１に記載のシート交換システム。