WO2023008118A1 - 薄片状粒子および光輝性顔料 - Google Patents

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Abstract

薄片状粒子は、粒度分布において、粒径が小さい側からの体積累積が10%に相当する粒径をD10、粒径が小さい側からの体積累積が50%に相当する粒径をD50、粒径が小さい側からの体積累積が90%に相当する粒径をD90と定めた場合に、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下であり、かつ、粒子の投影面積分布において、投影面積が小さい側からの順位が全粒子数の10%に相当する粒子の投影面積をA10と定めた場合に、下記(i)または(ii)を満たす。 (i)D50が17μm以上30μm未満であるとき、A10が100μm2以上である。(ii)D50が30μm以上40μm以下であるとき、A10が200μm2以上である。

Description

薄片状粒子および光輝性顔料
 本発明は、薄片状粒子および光輝性顔料に関する。
 一般に、光輝性顔料は薄片状粒子を含んでいる。薄片状粒子は、例えば、雲母、合成雲母、タルク、フレーク状ガラス、フレーク状シリカ、薄片状オキシ塩化ビスマスなどである。光輝性顔料は、薄片状粒子の表面上の被膜を含むこともある。被膜は、単層膜および多層膜のいずれであってもよい。被膜を構成する層は、例えば、酸化チタン、酸化鉄などを含む金属酸化物層、または銀、銅、アルミニウム等の金属層である。
 特許文献1には、薄片状粒子の粒度分布において、粒径が小さい側からの体積累積が10%に相当する粒径をD10、粒径が小さい側からの体積累積が90%に相当する粒径をD90とする場合に、D90/D10の値、D10、および最大粒径をそれぞれ一定の範囲に限定することで、光輝性顔料に利用された場合の薄片状粒子の光輝感および粒子感の向上を図ることが開示されている。特許文献1において、薄片状粒子の粒径とは、薄片状粒子をレーザ回折・散乱法により測定した場合の光散乱相当径のことである。
特許第4652445号公報
 レーザ回折・散乱法による測定は、レーザ光を粒子に照射した場合、散乱光の角度分布(散乱パターン)が粒子径によって異なる原理を利用している。レーザ回折・散乱法は光学モデルに球形粒子を仮定しているため、粒子が非球形粒子の場合、非球形粒子は、測定された散乱パターンに対して最もよく一致する散乱パターンを示す球形粒子に置換される。置換された球形粒子の体積基準の粒度分布が測定結果として得られる。
 フレーク状ガラスのような薄片状粒子は、非球形粒子であって、厚みの影響が小さい2次元的形状を有する。そのため、非球形粒子を3次元的な球形粒子に置換して評価を行うレーザ回折・散乱法では、薄片状粒子において、面積が大きい粗粉は過大評価される傾向があり、面積が小さい微粉は過小評価される傾向がある。特に、面積が小さい微粉は、その存在が実質的に無視され、事実上数値化されないこともありうる。レーザ回折・散乱法で数値化されないような面積が小さい微粉は、薄片状粒子の光輝感および粒子感に寄与しない。そのため、このような微粉を多く含む薄片状粒子を用いると、光輝性顔料の光輝感および粒子感が低下する。ひいては、数値上では同等の粒度分布を示す薄片状粒子を用いていても、光輝性顔料の意匠に差が生じ、品質上の問題が発生することがある。
 本発明は、光輝性顔料に適した薄片状粒子の改善を図ることを目的の一つとする。また、本発明の別の目的の一つは、光輝性顔料の改善を図ることである。
 本発明は、その一側面から、
 粒度分布において、粒径が小さい側からの体積累積が10%に相当する粒径をD10、粒径が小さい側からの体積累積が50%に相当する粒径をD50、粒径が小さい側からの体積累積が90%に相当する粒径をD90と定めた場合に、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下であり、かつ、
 粒子の投影面積分布において、投影面積が小さい側からの順位が全粒子数の10%に相当する粒子の投影面積をA10と定めた場合に、下記(i)または(ii)を満たす、薄片状粒子、を提供する。
 (i)D50が17μm以上30μm未満であるとき、A10が100μm2以上である。
 (ii)D50が30μm以上40μm以下であるとき、A10が200μm2以上である。
 本発明は、その別の一側面から、
 薄片状粒子と、前記薄片状粒子の表面上の少なくとも一部に形成された金属層および金属酸化物層から選ばれる少なくとも一つと、を含む光輝性顔料であって、
 粒度分布において、粒径が小さい側からの体積累積が10%に相当する粒径をD10、粒径が小さい側からの体積累積が50%に相当する粒径をD50、粒径が小さい側からの体積累積が90%に相当する粒径をD90と定めた場合に、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下であり、かつ、
 粒子の投影面積分布において、投影面積が小さい側からの順位が全粒子数の10%に相当する粒子の投影面積をA10と定めた場合に、下記(i)または(ii)を満たす、光輝性顔料、を提供する。
 (i)D50が17μm以上30μm未満であるとき、A10が100μm2以上である。
 (ii)D50が30μm以上40μm以下であるとき、A10が200μm2以上である。
 本発明によれば、光輝性顔料に適した薄片状粒子および光輝性顔料の改善を図ることができる。
実施の形態1の薄片状粒子としてのフレーク状ガラスを製造する装置の一例を模式的に示す部分断面図である。 実施例1および比較例1の表面被覆後のフレーク状ガラスの測色の結果を示すグラフである。 実施例2および比較例2の表面被覆後のフレーク状ガラスの測色の結果を示すグラフである。 実施例3および比較例3の表面被覆後のフレーク状ガラスの測色の結果を示すグラフである。 実施例4および比較例4の表面被覆後のフレーク状ガラスの測色の結果を示すグラフである。
 以下、本発明の実施の形態を説明するが、以下の説明は、本発明を特定の実施の形態に制限する趣旨ではない。
 (実施の形態1)
 実施の形態1では、本発明の薄片状粒子について説明する。
 本実施の形態の薄片状粒子は、粒度分布において、粒径が小さい側からの体積累積が10%に相当する粒径をD10、粒径が小さい側からの体積累積が50%に相当する粒径をD50、粒径が小さい側からの体積累積が90%に相当する粒径をD90と定めた場合に、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下である。この薄片状粒子は、粒子の投影面積分布において、投影面積が小さい側からの順位が全粒子数の10%に相当する粒子の投影面積をA10と定めた場合に、下記(i)または(ii)を満たす。
 (i)D50が17μm以上30μm未満であるとき、A10が100μm2以上である。
 (ii)D50が30μm以上40μm以下であるとき、A10が200μm2以上である。
 本明細書において、薄片状粒子とは、例えば、厚みが0.1μm~8.0μmの範囲であり、アスペクト比(平均粒径/平均厚み)が例えば2~100程度である鱗片状の粒子である。なお、平均粒径は、メジアン径を指す。また、薄片状粒子の粒径とは、薄片状粒子をレーザ回折・散乱法により測定した場合の光散乱相当径のことである。光散乱相当径とは、例えば「最新粉体物性図説(第三版)」(2004年6月30日発行、発行者:倉田豊、発行所:有限会社エヌジーティー)によれば、測定によって得られた粒子の光散乱パターンに最も近い散乱パターンを示し、かつ、当該粒子と同じ屈折率を有する球の直径と定義される。
 粒度分布とは、測定対象となる粒子群の中に、どのような粒径の粒子がどのような割合で含まれているかを示す指標であり、本明細書では、レーザ回折・散乱法に基づいて測定される。本明細書における粒度分布では、粒子量の基準として体積が用いられる。D10、D50およびD90の定義は上記のとおりである。D50は、平均粒径(メジアン径)を指す。D90/D10は粒度分布の幅を示す指標とすることができる。D50が同程度である場合は、D90/D10の値が大きいほど粒度分布の幅が広く、D90/D10の値が小さいほど粒度分布の幅が狭い(すなわち、微粉および粗粉の含有率が少ない)ということになる。
 JIS Z 8827-1(静的画像解析法)またはJIS Z 8827-2(動的画像解析法)に規定されるように、撮像装置によって取得された画像に対して粒子径解析を行う評価方法がある。このような画像解析法では、個々の粒子の投影面積を測定することが可能である。
 本明細書において、粒子の投影面積分布とは、測定対象となる粒子群の中に、どのような投影面積の粒子がどのような割合で含まれているかを示す指標であり、画像解析法により取得された粒子の投影面積に基づいて測定される。A10の定義は上記のとおりである。すなわち、A10は、粒子の投影面積分布において、投影面積が小さい側からの順位が全粒子数の10%に相当する粒子の投影面積を意味する。例えば、全粒子数が10000個である場合、投影面積が小さい側から1000個目に相当する粒子の投影面積がA10である。薄片状粒子は、非球形粒子であって、厚みの影響が小さい2次元的形状を有する。そのため、画像解析法により測定した粒子の投影面積分布によれば、レーザ回折・散乱法により測定した体積基準の粒度分布よりも、薄片状粒子に含まれる粗粉および微粉の評価の精度が向上する。
 本実施の形態の薄片状粒子は、粒度分布において、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下であり、粒度分布の幅が狭い。したがって、含まれる微粉および粗粉が少ないといえる。加えて、粒子の投影面積分布において、上記(i)または(ii)を満たすことにより、レーザ回折・散乱法で数値化されないような面積が小さい微粉の含有量が減少している。このような微粉は、薄片状粒子の光輝感および粒子感に寄与しない。したがって、本実施の形態の薄片状粒子によれば、例えば、光輝性顔料に利用された場合に、光輝感および粒子感が向上する。また、粗粉の含有量も低減されているので、例えば塗料の顔料として利用された場合に、フィルターの目詰まりおよび塗膜中における異物の認識などの問題の発生を抑制できる。なお、近年の塗装用原料、塗装技術、および塗装膜の構成の進歩により、薄片状粒子が例えば塗料の顔料として利用される場合、粒度分布において、D90/D10の値を2.0以上3.0以下に制御することで粗粉の含有量が低減されていれば、最大粒径に関する使用上の制約は減ってきている。
 光輝感および粒子感に影響する微粉の大きさは、粒度分布によって変化する。そのため、本実施の形態では、(i)D50が17μm以上30μm未満であるとき、(ii)D50が30μm以上40μm以下であるとき、の2つに分けてA10の数値範囲を規定している。
 本実施の形態の薄片状粒子は、例えばそれ自体を単独で真珠光沢顔料および金属光沢顔料として用いたり、真珠光沢顔料および金属光沢顔料などの光輝性顔料の基材として用いたりできる。光輝性顔料の基材として用いる場合は、その表面上の少なくとも一部に金属層や金属酸化物層を形成するとよく、好ましくは金属層や金属酸化物層で基材の表面全体を被覆する。
 本実施の形態の薄片状粒子としては、例えば光輝性顔料の基材として用いる場合、例えば雲母、合成雲母、タルク、フレーク状ガラス、フレーク状シリカ、薄片状オキシ塩化ビスマスなどが挙げられる。これらの中でも、より高い透明感を実現でき、かつ、含まれる微粉の量が少ない場合に高い透明感がより強調されるとの理由から、フレーク状ガラスを用いることが好ましい。
 また、本実施の形態の薄片状粒子を単独で光輝性顔料として用いる場合は、アルミニウムまたは銅などの金属からなるフレーク(金属フレーク)、魚鱗箔、または薄片状オキシ塩化ビスマスなどを用いることができる。
 本実施の形態の薄片状粒子では、より粒度分布の幅を狭くするために、例えば、D90/D10の値は2.6以上2.9以下の範囲であってもよい。
 本実施の形態の薄片状粒子のA10の上限値は、特に限定されない。(i)D50が17μm以上30μm未満であるとき、A10は、例えば、300μm2以下であってもよい。(ii)D50が30μm以上40μm以下であるとき、A10は、例えば、400μm2以下であってもよい。
 次に、粒度分布において、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下であり、かつ、粒子の投影面積分布において、上記(i)または(ii)を満たす薄片状粒子の作製方法について説明する。
 (分級)
 例えば、分級によって薄片状粒子の粒度を調整して、上記に示すような粒度分布および粒子の投影面積分布を実現することができる。ここでは、ふるい分け分級を利用する例について説明する。ふるい分け分級には、例えば乾式振動ふるいを利用できる。まず、目開きの大きさが所定以上の(目の粗い)ふるいを用いて粗粉を除去し、次に、目開きの大きさが所定以下の(目の細かい)ふるいを用いて微粉を除去することによって、本実施の形態における粒度分布および粒子の投影面積分布を有する薄片状粒子を得ることができる。この場合、超音波振動を併用することによって、微粉の除去効果をより高めることができる。なお、ここで用いるふるいの目開きの大きさは、ふるう前の粒子の粒度、得たい薄片状粒子のD50、D90/D10(粒度分布の幅の狭さ)、およびA10の値などに応じて適宜選択するとよい。また、除去された粗粉は、再粉砕および再分級を行うことによって、再度利用できる。また、除去された微粉は他の製品などに利用すればよい。
 フレーク状ガラスを例に挙げて、本実施の形態の薄片状粒子の作製方法について説明する。まず、例えば特公昭45-3541号公報に開示されているブロー法や、特公昭41-17148号公報に開示されているような方法を用いてフレーク状ガラスを製造する。ここでは、ブロー法を用いてフレーク状ガラスを製造する方法について説明する。ブロー法とは、熔融ガラス源から連続的に取り出した熔融ガラス素地を中空状に膨らませながら引っ張ることによって薄いガラスフィルムを得る方法である。この方法で得られたガラスフィルムを粉砕することによって、本実施の形態のフレーク状ガラスフィラーを製造できる。
 図1は、ブロー法によってガラスフィルムを製造するための装置の一例である。図1において、符号1は熔融ガラス素地、符号2は耐火窯槽、符号3は窯槽底部に設けた穴である。符号4は、孔3よりは小さな円形のガラス取出口5を有するフィーダーブロックで、電熱線6を埋め込んだ鋳造耐火煉瓦から成っている。ガラス取出口5における熔融ガラス素地の温度は、電熱線6によって一定に保たれる。符号7は、耐火窯槽2の上部から孔3を通りガラス取出口5に達するブローノズルで、その先端部8によってガラス取出口には円形のスリット9が形成される。スリット9から流出した熔融ガラス素地は、ブローノズル7から吹込む気体(例えば空気)によって膨らまされて中空状になり、さらに下方に引っ張られて引伸ばされ、その膜の厚みは非常に薄くなる。符号11は押圧ロール、符号12は引張ロールである。符号13は末広がりの筒状鋼板製反射板である。中空状ガラス10は、反射板13により外気流から遮断されるとともによく保温されて、一様に薄く膨らむ。このようにして膨らんだ中空状ガラス10は押圧ロール11で押しつぶされ、平板状ガラスフィルム14となって送り出される。このようにして得られたガラスフィルムを例えばロールで粉砕することによって、フレーク状ガラスを得ることができる。なお、上記装置を用いてフレーク状ガラスを作製する場合、中空状ガラスの引張速度やブローノズルから吹き込む気体の圧力を適宜調節することにより、所望の厚みを有するフレーク状ガラスを作製できる。
 上記のようにして作製したフレーク状ガラスを、所望の粒度分布および粒子の投影面積分布を考慮して分級することによって、本実施の形態における薄片状粒子としてのフレーク状ガラスを作製できる。
 なお、本実施の形態では、分級の方法としてふるい分け分級を用いたが、その他の分級方法を用いて微粉および粗粉を除去してもよい。
 乾式分級の場合は、例えば、重力式分級、慣性力式分級および遠心力式分級などの気流分級装置を用いることができる。重力式分級としては、例えば、水平流型、垂直流型および傾斜流型などを用いることができる。慣性力式分級としては、例えば、直線型、曲線型、ルーバー型、エルボージェットおよびバリアブルインパクターなどを用いることができる。遠心力式分級としては、気流の旋回によるものとしてサイクロン、ファントンゲレン、クラシクロン、ディスパーションセパレータおよびミクロプレックスを用いることができ、機械的回転によるものとしてミクロンセパレータ、ターボプレックス、アキュカットおよびターボクラシファイアなどを用いることができる。
 湿式分級の場合は、例えば、重力式分級および遠心力式分級などの気流分級装置を用いることができる。重力式分級としては、重力沈降漕によるものとして沈降漕、沈積コーン、スピッツカステンおよびハイドロセパレータを用いることができ、機械式分級によるものとしてドラッグチェーン分級機、レーキ分級機、ボール分級機およびスパイラル分級機などを用いることができ、水力分級としてドルコサイザ、ファーレンワルドサイザ、サイフォンサイザおよびハイドロッシレータなどを用いることができる。遠心力式分級としては、ハイドロサイクロン、遠心分級機(ディスク型、デカンタ型)などを用いることができる。
 (実施の形態2)
 実施の形態2では、本発明の光輝性顔料について説明する。
 本実施の形態の光輝性顔料は、薄片状粒子と、この薄片状粒子の表面上の少なくとも一部に形成された金属層および金属酸化物層から選ばれる少なくとも一つと、を含んでいる。この光輝性顔料は、粒度分布において、粒径が小さい側からの体積累積が10%に相当する粒径をD10、粒径が小さい側からの体積累積が50%に相当する粒径をD50、粒径が小さい側からの体積累積が90%に相当する粒径をD90と定めた場合に、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下である。また、この光輝性顔料は、粒子の投影面積分布において、投影面積が小さい側からの順位が全粒子数の10%に相当する粒子の投影面積をA10と定めた場合に、下記(i)または(ii)を満たす。
 (i)D50が17μm以上30μm未満であるとき、A10が100μm2以上である。
 (ii)D50が30μm以上40μm以下であるとき、A10が200μm2以上である。
 本実施の形態の光輝性顔料における粒度分布についても、測定原理は、上述した薄片状粒子の粒度分布と同じである。また、D90/D10が示す指標も上記に説明したとおりである。本実施の形態の光輝性顔料における粒子の投影面積分布についても、測定原理は、上述した薄片状粒子の粒子の投影面積分布と同じである。また、本実施の形態の光輝性顔料に用いられる薄片状粒子、薄片状粒子の粒径および粒子の投影面積の定義も上述したとおりである。
 本実施の形態の光輝性顔料は、粒度分布において、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下であり、粒度分布の幅が狭い。したがって、含まれる微粉および粗粉が少ないといえる。加えて、粒子の投影面積分布において、上記(i)または(ii)を満たすことにより、レーザ回折・散乱法で数値化されないような面積が小さい微粉の含有量が減少している。したがって、本実施の形態の光輝性顔料によれば、例えば、化粧料や塗料などのフィラーとして用いた場合に、光輝感および粒子感が向上する。また、粗粉の含有量も低減されているので、例えば塗料の顔料として利用された場合に、フィルターの目詰まりおよび塗膜中における異物の認識などの問題の発生を抑制できる。
 本実施の形態の光輝性顔料は、基材となる薄片状粒子の表面上の少なくとも一部に金属層および金属酸化物層から選ばれる少なくとも一つが設けられており、これらの金属層および/または金属酸化物層が、薄片状粒子全体を被覆していることが好ましい。
 本実施の形態の光輝性顔料に用いられる薄片状粒子としては、例えば、雲母、合成雲母、タルク、フレーク状ガラス、フレーク状シリカ、薄片状オキシ塩化ビスマスなどが挙げられる。この中でも、他の材料と比較してより高い透明感を実現でき、また、この高い透明感は、本実施の形態の光輝性顔料のように含まれる微粉が少ない場合により強調されるとの理由から、光輝性顔料の基材としてフレーク状ガラスを用いることが好ましい。
 また、本実施の形態の光輝性材料では、光輝性顔料の粒度分布の調整をより容易にするために、実施の形態1で説明した薄片状粒子を基材として用いることが好ましい。
 本実施の形態の光輝性顔料に用いられる金属層は、例えば銀、金およびニッケルなどの金属によって形成できる。このような金属層で薄片状粒子を被覆することで、金属光沢顔料を得ることができる。また、金属酸化物層は、例えば酸化チタンまたは酸化鉄などの金属酸化物によって形成できる。このような金属酸化物層で薄片状粒子を被覆することにより、真珠光沢顔料を得ることができる。
 本実施の形態の光輝性顔料では、より粒度分布の幅を狭くするために、例えば、D90/D10の値は2.6以上2.9以下の範囲であってもよい。
 本実施の形態の光輝性顔料のA10の上限値は、特に限定されない。(i)D50が17μm以上30μm未満であるとき、A10は、例えば、200μm2未満であってもよい。(ii)D50が30μm以上40μm以下であるとき、A10は、例えば、300μm2以下であってもよい。
 薄片状粒子を金属層などで被覆する方法は、公知の方法を利用すればよく、例えば特開2001-031421号公報または特開2001-11340号公報に開示されている方法を用いることができる。具体的には、例えば酸化チタンの層で薄片状粒子を被覆する場合は、硫酸チタニル溶液または四塩化チタン溶液に薄片状粒子を懸濁させ、この溶液を昇温することによってチタニアを析出させ、薄片状粒子の表面上に被膜を形成する方法である。ただし、この方法に限定されるものではなく、薄片状粒子の表面に薄く被膜を設けることができる方法であれば、どのような方法を利用してもよい。金属層や金属酸化物層の厚みは、特には限定されないが、光輝感の実現とコスト面とを考慮すると、金属を被覆する場合、その被覆膜の厚みは、例えば、0.04~2μmが好ましく、金属酸化物を被覆する場合、その被覆膜の厚みは、例えば、0.01~1μmとすることが好ましい。
 粒度分布において、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下であり、かつ、粒子の投影面積分布において、上記(i)または(ii)を満たす光輝性顔料を作製する方法には、実施の形態1で説明した薄片状粒子の粒度分布および粒子の投影面積分布の調整方法(分級方法)が利用できる。すなわち、薄片状粒子の表面に金属層などを形成したものに対して分級を行うことによって、本実施の形態のような粒度分布および粒子の投影面積分布を有する光輝性顔料を作製できる。
 以下、本発明について、実施例を用いてさらに詳細に説明する。なお、以下に示す実施例は、薄片状粒子としてフレーク状ガラスを用いた場合についての例であるが、本発明はこれに限定されず、雲母、合成雲母、または薄片状オキシ塩化ビスマスなどを薄片状粒子として用いてもよい。
 以下に示す実施例および比較例において、フレーク状ガラスを作製する際の成形、粉砕、粒度分布および粒子の投影面積分布を調整するための分級、粒度分布の測定、粒子面積分布の測定、表面被覆、測色は、次のような方法で行った。なお、本明細書において、「測色」とは、光輝感および粒子感の評価を意味する。
 <成形>
 ガラスを1200℃で熔融した後、ブロー法により中空状に膨らませながら延伸薄膜化した。さらに冷却固化した。その後、ロールで粉砕して平均厚み1.3μmのフレーク状ガラスを成形した。
 <粉砕>
 衝撃型粉砕機(製品名「ACMパルベライザACM-10型」(ホソカワミクロン株式会社製))を用いて、平均厚み1.3μmのフレーク状ガラスを粉砕した。
 衝撃型粉砕機としては、ハンマミル、ケージミル、ピンミル、ピンディスクミル、ディスインテグレータ、スクリーンミル(パルベライザ、アトマイザなど)、ターボ型ミル、遠心分級型ミル(スーパミクロンミル、ファインミクロンミルなど)などを用いることができる。
 なお、本実施例では、衝撃型粉砕機を用いて粉砕を行ったが、例えば、ローラーミル、ボールミル、撹拌ミル、ジェットミル、せん断ミル、コロイドミルなどを用いて粉砕を行ってもよい。
 ローラーミルとしては、例えば、リングローラーミル、遠心ローラーミル、ボールベアリングミル、セゴミルなどを用いることができる。
 ボールミルとしては、転動ボールミル(ポットミル、チューブミル、コニカルミルなど)、振動ボールミル(円振動型振動ミル、旋回型振動ミル、遠心ミルなど)、遊星ミルなどを用いることができる。
 撹拌ミルとしては、塔式粉砕機(タワーミルなど)、撹拌層型ミル(アトライタ、アクアマイザ、バスケットミル、CFミルなど)、流通管型ミル(サンドグラインダ、ダイノミル、ウルトラビスコミルなど)、アニュラミル(コボールミルなど)などを用いることができる。
 ジェットミルとしては、旋回流型、衝突タイプ、流動層型、湿式などを用いることができる。
 せん断ミルとしては、擂解機、オングミルなどを用いることができる。
 コロイドミルとしては、乳鉢、石うすなどを用いることができる。
 <分級>
 粉砕したフレーク状ガラスについて、上述したふるい分け分級によって粒度分布および粒子の投影面積分布の調整を行った。
 振動ふるい機として電磁ふるい振とう機(製品名「RETSCH SIEVE SHAKER, type VIBRO」(RETSCH株式会社製))を用いた。用いた試験ふるいは、φ200mm、高さ45mmであった。試験ふるいとして、20、32、38、45μmの各目開きのふるい(株式会社飯田製作所製)を用意しておき、目的とする粒度分布および粒子の投影面積分布に応じて適宜ふるいを選択した。
 ふるい方法としては、所定の目の粗いふるいを上段、所定の目の細かいふるいを中段、受け皿を下段と3段重ねにし、それを電磁ふるい振とう機にセットし、所定の時間ふるった。上段のふるいでは粗粉が除去され、粗粉の少なくなったフレーク状ガラスが中段のふるいに落ちる。この中段のふるいでは微粉が除去され、微粉はふるい下に落ちる。これにより、粗粉および微粉の両方が除去されたフレーク状ガラスが中段のふるい上に残り、これが、粒度分布の幅が狭い本発明の薄片状粒子としてのフレーク状ガラスとなる。ふるう前の元のフレーク状ガラスの平均粒径と、ふるいの目開きと、ふるい強度と、ふるい時間とを適宜調整することによって、回収されるフレーク状ガラスの粒度分布および粒子の投影面積分布を様々に変更させた。
 <レーザ回折・散乱法による粒度分布の測定>
 フレーク状ガラスの粒度分布の測定には、レーザ回折粒度分布測定装置(「製品名マイクロトラックMT3300EX II」(日機装株式会社製))を用いた。その測定結果から、フレーク状ガラスの平均粒径D50と、D90と、D10とを読み取り、さらに、粒度分布の幅の広さまたは狭さを判定するD90/D10の値を算出した。粒度分布において、粒径が小さい側からの体積累積が10%に相当する粒径をD10、粒径が小さい側からの体積累積が50%に相当する粒径をD50、粒径が小さい側からの体積累積が90%に相当する粒径をD90と定めた。
 <画像解析法による粒子面積分布の測定>
 レーザ回折・散乱法による粒度分布の測定と同時に、画像解析法によりフレーク状ガラスの粒子面積分布の測定を行った。粒子の投影面積分布の測定には、画像解析装置(「製品名PartAn SI」(マイクロトラック・ベル株式会社製))を用いた。その測定結果から、A10を読み取った。粒子面積分布において、投影面積が小さい側からの順位が全粒子数の10%に相当する粒子の投影面積をA10と定めた。
 <表面被覆>
 フレーク状ガラスの表面被覆は、以下の方法により行った。まず、フレーク状ガラス50gにイオン交換水を加えて0.5リットルの混合水を得た。混合水に35質量%の塩酸を添加してpH1.0にするとともに、75℃に加温して、攪拌した。攪拌を行いながら、混合水に四塩化チタン水溶液(Ti分として16.5質量%)を1時間当たり12gの割合で定量添加するとともに、10質量%に溶解した苛性ソーダを1時間当たり60ミリリットルの割合で添加した。混合水が、光輝感のあるシルバーパール調を呈するまで攪拌を継続した。目標とする色調が得られたら、減圧ろ過により生成物を採取し、純水で水洗した。水洗後の生成物を150℃で乾燥した後、600℃で焼成した。このようにして、表面が被覆されたフレーク状ガラス(光輝性顔料)を得た。
 <測色>
 得られた光輝性顔料について、測色、すなわち光輝感および粒子感の評価を行った。まず、アクリル樹脂塗料(製品名「アクリルオートクリアスーパー」(日本ペイント株式会社製)、固形分約50質量%)に、サンプルの光輝性顔料が樹脂中で1質量%になるように添加し、よく混合撹拌し、混合物を得た。次に、得られた混合物を隠蔽率測定紙に9ミル(9/1000インチ)隙間のアプリケーターで塗布し、乾燥させ、塗板を得た。得られた塗板について、マルチアングル測色機器(「製品名ビックマックBYK-mac」(ビックガードナー社製))を使用して、正反射光角に対する受光角が45度のときの光輝強度(S_i45)および光輝面積(S_a45)を測定した。本実施例における測色において、「正反射光」とは、光の入射角が塗板の観察面の法線方向に対して45度である場合における正反射光を意味する。そのため、「正反射光角」は、塗板の観察面の法線方向に対して45度である。正反射光角に対する受光角が45度であると、塗板の観察面を法線方向、すなわち正面から眺めた場合の光輝感および粒子感の評価を行うことができる。このように、マルチアングル測色機器によれば、受光角ごとの光輝強度(S_i)、光輝面積(S_a)の測定が可能である。特に、正反射光角に対する受光角が45度のときの光輝強度(S_i45)および光輝面積(S_a45)は、目視での塗板の観察面の光輝感および粒子感の優劣を定量的に評価することができる。光輝面積(S_a45)が小さければ小さいほど、かつ光輝強度(S_i45)が大きければ大きいほど、塗板の観察面を目視した際の白ボケ感が減少し、かつ光輝感が向上する。
 (実施例1)
 平均厚み1.3μmのフレーク状ガラスを平均粒径D50が51.9μmとなるように粉砕した。粉砕したフレーク状ガラスについて、表1に記載の条件でふるい分け分級を行った。
 (比較例1)
 平均厚み1.3μmのフレーク状ガラスを平均粒径D50が46.0μmとなるように粉砕した。粉砕したフレーク状ガラスについて、表1に記載の条件でふるい分け分級を行った。分級では、実施例1と同じ目開きの試験ふるいを用い、ふるい分け後の各粒径(平均粒径、D90、D10)がほぼ同じになるようにふるい分け時間を変更した。
 実施例1および比較例1の分級後のフレーク状ガラスについて、レーザ回折・散乱法による体積基準の粒度分布の測定、および画像解析法による粒子の投影面積分布の測定を、それぞれ行った。結果を表1に示す。
 さらに、実施例1および比較例1の分級後のフレーク状ガラスに対して、同一の条件で酸化チタンによる表面被覆を施した。表面被覆後のフレーク状ガラスについて、測色を行った。結果を表1および図2に示す。図2は、実施例1および比較例1の表面被覆後のフレーク状ガラスの測色の結果を示すグラフである。図2において、左縦軸は光輝強度(S_i45)を示す。右縦軸は光輝面積(S_a45)を示す。後述する図3から図5のグラフについても同様である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 (実施例2)
 平均厚み1.3μmのフレーク状ガラスを平均粒径D50が60.8μmとなるように粉砕した。粉砕したフレーク状ガラスについて、表2に記載の条件でふるい分け分級を行った。分級では、実施例1と同じ目開きの試験ふるいを用いた。
 (比較例2)
 平均厚み1.3μmのフレーク状ガラスを平均粒径D50が53.8μmとなるように粉砕した。粉砕したフレーク状ガラスについて、表2に記載の条件でふるい分け分級を行った。分級では、実施例2と同じ目開きの試験ふるいを用い、ふるい分け後の各粒径がほぼ同じになるようにふるい分け時間を変更した。
 実施例2および比較例2の分級後のフレーク状ガラスについて、レーザ回折・散乱法による体積基準の粒度分布の測定、および画像解析法による粒子の投影面積分布の測定を、それぞれ行った。結果を表2に示す。
 さらに、実施例2および比較例2の分級後のフレーク状ガラスに対して、同一の条件で酸化チタンによる表面被覆を施した。表面被覆後のフレーク状ガラスについて、上述した方法により測色を行った。結果を表2および図3に示す。図3は、実施例2および比較例2の表面被覆後のフレーク状ガラスの測色の結果を示すグラフである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 (実施例3)
 平均厚み1.3μmのフレーク状ガラスを平均粒径D50が30.5μmとなるように粉砕した。粉砕したフレーク状ガラスについて、表3に記載の条件でふるい分け分級を行った。
 (比較例3)
 平均厚み1.3μmのフレーク状ガラスを平均粒径D50が23.5μmとなるように粉砕した。粉砕したフレーク状ガラスについて、表3に記載の条件でふるい分け分級を行った。分級では、実施例3と同じ目開きの試験ふるいを用い、ふるい分け後の各粒径がほぼ同じになるようにふるい分け時間を変更した。
 実施例3および比較例3の分級後のフレーク状ガラスについて、レーザ回折・散乱法による体積基準の粒度分布の測定、および画像解析法による粒子の投影面積分布の測定を、それぞれ行った。結果を表3に示す。
 さらに、実施例3および比較例3の分級後のフレーク状ガラスに対して、同一の条件で酸化チタンによる表面被覆を施した。表面被覆後のフレーク状ガラスについて、上述した方法により測色を行った。結果を表3および図4に示す。図4は、実施例3および比較例3の表面被覆後のフレーク状ガラスの測色の結果を示すグラフである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 (実施例4)
 平均厚み1.3μmのフレーク状ガラスを平均粒径D50が39.9μmとなるように粉砕した。粉砕したフレーク状ガラスについて、表4に記載の条件でふるい分け分級を行った。
 (比較例4)
 平均厚み1.3μmのフレーク状ガラスを平均粒径D50が32.5μmとなるように粉砕した。粉砕したフレーク状ガラスについて、表4に記載の条件でふるい分け分級を行った。分級では、実施例4と同じ目開きの試験ふるいを用い、ふるい分け後の各粒径がほぼ同じになるようにふるい分け時間を変更した。
 実施例4および比較例4の分級後のフレーク状ガラスについて、レーザ回折・散乱法による体積基準の粒度分布の測定、および画像解析法による粒子の投影面積分布の測定を、それぞれ行った。結果を表4に示す。
 さらに、実施例4および比較例4の分級後のフレーク状ガラスに対して、同一の条件で酸化チタンによる表面被覆を施した。表面被覆後のフレーク状ガラスについて、測色を行った。結果を表4および図5に示す。図5は、実施例4および比較例4の表面被覆後のフレーク状ガラスの測色の結果を示すグラフである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 表1から表4より、以下が理解できる。実施例1から4は比較例1から4に比べて、いずれも光輝面積(S_a45)が小さいにもかかわらず、光輝強度(S_i45)は大きく、光輝感および粒子感が向上していた。実施例1から4と比較例1から4とを比較すると、レーザ回折・散乱法で測定された体積基準の粒度分布はほぼ等しかったが、画像解析法で測定された粒子の投影面積分布は異なる値を示した。より具体的には、実施例1から4と比較例1から4とを比較すると、粒度分布の幅を示すD90/D10の値はほぼ等しかった。しかし、分級後の平均粒径D50が17μm以上30μm未満である実施例3および4と比較例3および4とを比較すると、実施例3および4のA10は100μm2以上であるのに対して、比較例3および4のA10は100μm2未満であった。分級後の平均粒径D50が30μm以上40μm以下である実施例1および2と比較例1および2とを比較すると、実施例1および2のA10は200μm2以上であるのに対して、比較例3および4のA10は200μm2未満であった。これは、画像解析法によって粒子の投影面積分布におけるA10を数値化することで、レーザ回折・散乱法で数値化されないような面積が小さい微粉の含有量を減少させることができたことが原因と考えられる。
 粉砕したフレーク状ガラスに含まれる微粉の量が多ければ多いほど、分級時には中段のふるいから落ちる微粉の量を増やすためにふるい時間を長くする必要があるので、必然的に上段のふるいから落ちる粗粉の量は増加する。そのため、ふるい時間が長いと、中段のふるいに残ったフレーク状ガラスには粗粉が多く含まれることにより、D90/D10の値が2.0以上3.0以下を超えるようにD90が高い数値を示す傾向がある。一方、本実施例では、粉砕したフレーク状ガラスに含まれる微粉の量を減らすよう、粉砕時のフレーク状ガラスの平均粒径を大きくすることでふるい時間を短くし、これにより、分級後のD90/D10の値、D10、D50、およびA10を制御している。具体的には、粉砕後のD50が大きくなるようにフレーク状ガラスを粉砕することで、粉砕したフレーク状ガラスに含まれる微粉の量を減らしている。これにより、ふるい時間を短くしても、中段のふるいに残ったフレーク状ガラスに含まれる微粉の量を減少させることができる。また、ふるい時間が短いことにより、上段のふるいから落ちる粗粉の量を減少させることができる。
 本発明の薄片状粒子および光輝性顔料は、化粧料、塗料組成物、樹脂組成物およびインキ組成物などに光輝感を与えるフィラーとして好適に用いられる。

Claims (5)

  1.  粒度分布において、粒径が小さい側からの体積累積が10%に相当する粒径をD10、粒径が小さい側からの体積累積が50%に相当する粒径をD50、粒径が小さい側からの体積累積が90%に相当する粒径をD90と定めた場合に、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下であり、かつ、
     粒子の投影面積分布において、投影面積が小さい側からの順位が全粒子数の10%に相当する粒子の投影面積をA10と定めた場合に、下記(i)または(ii)を満たす、薄片状粒子。
     (i)D50が17μm以上30μm未満であるとき、A10が100μm2以上である。
     (ii)D50が30μm以上40μm以下であるとき、A10が200μm2以上である。
  2.  前記薄片状粒子がガラスからなる、請求項1に記載の薄片状粒子。
  3.  薄片状粒子と、前記薄片状粒子の表面上の少なくとも一部に形成された金属層および金属酸化物層から選ばれる少なくとも一つと、を含む光輝性顔料であって、
     粒度分布において、粒径が小さい側からの体積累積が10%に相当する粒径をD10、粒径が小さい側からの体積累積が50%に相当する粒径をD50、粒径が小さい側からの体積累積が90%に相当する粒径をD90と定めた場合に、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下であり、かつ、
     粒子の投影面積分布において、投影面積が小さい側からの順位が全粒子数の10%に相当する粒子の投影面積をA10と定めた場合に、下記(i)または(ii)を満たす、光輝性顔料。
     (i)D50が17μm以上30μm未満であるとき、A10が100μm2以上である。
     (ii)D50が30μm以上40μm以下であるとき、A10が200μm2以上である。
  4.  前記薄片状粒子の粒度分布において、粒径が小さい側からの体積累積が10%に相当する粒径をD10、粒径が小さい側からの体積累積が50%に相当する粒径をD50、粒径が小さい側からの体積累積が90%に相当する粒径をD90と定めた場合に、D90/D10の値が2.0以上3.0以下、D10が4.7μm以上25μm以下、D50が17μm以上40μm以下であり、かつ、
     前記薄片状粒子は、粒子の投影面積分布において、投影面積が小さい側からの順位が全粒子数の10%に相当する粒子の投影面積をA10とする場合に、下記(i)または(ii)を満たす、請求項3に記載の光輝性顔料。
     (i)D50が17μm以上30μm未満であるとき、A10が100μm2以上である。
     (ii)D50が30μm以上40μm以下であるとき、A10が200μm2以上である。
  5.  前記薄片状粒子がガラスからなる、請求項3または4に記載の光輝性顔料。
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