WO2022255328A1 - 表示装置、特にハプティック表示装置およびその設計方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、25℃、100~300Hzの周波数f(Hz)における損失正接tanδ(f)の最大値が0.9以上であり、かつ、特定の方法により測定される粘着力が500gf/inch以上である感圧接着剤層を、部材間に有する表示装置に関する。本発明の表示装置は、ハプティック機能を備えた表示装置の操作性および信頼性を改善可能であり、かつ、当該表示装置に実用上十分な部材間の密着性を与え、その信頼性および耐久性を十分に改善可能である。

Description

表示装置、特にハプティック表示装置およびその設計方法
 本発明は、特定の粘弾特性と接着力を兼ね備えた感圧接着剤層を部材間に有する表示装置、特に触感検知~触覚的フィードバック/通知を行うハプティック機能を備えたハプティック表示装置、および、このような特性を備えた感圧接着剤層を用いる表示装置の設計方法に関する。
 シリコーン系感圧接着剤組成物は、アクリル系やゴム系の感圧接着剤組成物と比較して、電気絶縁性、耐熱性、耐寒性、各種被着体に対する粘着性、必要に応じて透明性に優れるため、特に付加反応硬化型の感圧接着剤組成物が汎用されている。特に近年の材料開発においては、シリコーン系光学透明粘着剤(Optically Clear Adhesive, 以下、「OCA」ということがある)の要求が拡大している。シリコーン系OCAは実用上十分な粘着力を有し、柔軟で変形性に富み、かつ、耐熱性、耐寒性および耐光性に優れ、OCA層の着色や変色の問題を生じ難く、OCA層の粘着力、貯蔵弾性率(たとえばせん断貯蔵弾性率G')、硬さ等の物理的性質の変化が小さいため、-20℃等の低温を含む幅広い温度領域において使用される曲面ディスプレイ、フレキシブルディスプレイのように折り畳みや一定の変形を前提とした表示装置の貼り合わせ、あるいは封止に使用される用途展開が期待されている(例えば、特許文献1、2)。さらに、本件出願人らは、表示装置等の用途に合わせて、フレキシブル構造体、硬化により得られる粘着層の粘着力や、低温~室温における貯蔵弾性率の異なるシリコーン系感圧接着剤組成物を複数提案している(特許文献3~7)。
 一方、近年、力、振動及びモーション(運動)のようなハプティックフィードバック効果(すなわち、ハプティック効果)をユーザーに与えることにより、ユーザーの接触の検知を利用する触覚及び動的フィードバック技術を用いて、単に画面をタッチして操作するタッチスクリーンにとどまらず、使用者に触覚を与えるハプティック機能が開発されている。特に、タッチパネル操作やスマートデバイス等の表示装置分野において、このようなハプティック機能は、入力装置であるタッチスクリーンと共に表示装置に実装され、使用者がタッチスクリーンをタッチすると振動などにより使用者に触覚的フィードバックを与えることができ、表示装置の接触(タッチ)操作時に接触/振動等の触感に対する応答や通知があり、単に視覚(=目)のみに頼ることなく機器操作が可能であるため、このようなハプティック機能を備えたハプティックデバイス、特に、ハプティック表示装置の市場用途が急速に拡大している。
 このようなハプティック表示装置は、その電気活性高分子(ポリマー)部材としてシリコーン材料やアクリル等の非シリコーン材料を有する構成が提案されている(例えば、特許文献8、9)。しかしながら、電極やディスプレイ等の表示装置を構成する部材の貼り合わせ、あるいは封止に関する要求に適合し、かつ、ハプティック機能を備えた表示装置の操作性および信頼性を改善可能な高機能な材料という要求に十分に対応できるものではなかった。加えて、アクリル系粘着剤層においては、特に、耐熱耐寒性、耐光性が不十分であり、特に低温下で粘着層の貯蔵弾性率が不十分となり、ディスプレイを変形させた場合、層間剥離等により故障乃至信頼性低下の原因となる場合がある。
 このため、良好なハプティック機能を備え、かつ、実用上十分な密着性および耐久性を備える表示装置を効率よく設計し、かつ、好適な感圧接着層(特にシリコーンOCAを硬化してなる粘着層)を備えた表示装置を与えることが困難であるという問題を抱えていた。
 他方、ヒューマンインターフェイスとしてのハプティックデバイスの触感に関しては、いくつかの興味深い研究成果が得られている。例えば、非特許文献1、非特許文献2および非特許文献3には、人体が鋭敏に察知できる周波数領域に関して記載されている。惣田らは、皮膚に分布している感覚受容器の振動知覚から200~300Hzの周波数帯が最も感度が高いとしている(非特許文献1)。田中は、触覚呈示装置により指先が表面粗さを感じる周波数として50Hzや200Hz付近感度が高いことを報告している(非特許文献2)。田中は、ヒトの触覚は250Hz付近の振動に対して最も感度が高いこと、これは我々の指先の皮膚が100~300Hz周辺の振動を伝えやすいことに裏付けられていると考えられることを報告している(非特許文献3)。また谷中らは、超音波を用いた触覚技術により、画面に表示されたボタンなどの境界、微小な凹凸などを表現できることを紹介している(非特許文献4)。
 しかしながら、これらの文献には、当該周波数領域における振動を伝達するための材料設計、特に、部材間の貼り合わせに適した粘着力や具体的な粘弾性特性、特に、シリコーン系OCA材料に関する表示デバイスにおける特定の物理的パラメータの組み合わせについての具体的な開示はなく、特定の物理パラメータを選択する意義およびその組み合わせ等について何ら記載も示唆もされていない。
特表2019-528330号公報 特表2019-527745号公報 国際特許公開WO2017/188308号公報 国際特許公開WO2020/032285号公報 国際特許公開WO2020/032286号公報 国際特許公開WO2020/032287号公報 国際特許出願PCT/JP2020/30623 特開2015-115078号公報(特登録5897101号) 特開2014-174988号公報(特登録6328954号)
惣田恵ら, Sci. Eng. Review Doshisha Univ., 2013, 54 (2) 28. 田中真美, 精密工学会誌, 2016, 82 (1), 20. 田中由浩, バイオメカニズム学会誌, 2017, 41 (1), 21. 谷中聖志, FUJITSU, 2017, 68 (1), 86.
 本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、ハプティック機能を備えた表示装置の操作性および信頼性を改善可能であり、かつ、当該表示装置に実用上十分な部材間の密着性を与え、その信頼性および耐久性を十分に改善可能な、感圧接着剤層を部材間に備える表示装置、およびその設計方法を提供するものである。
 本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の課題は、感圧接着剤層を部材間に有する表示装置において、当該感圧接着剤として、25℃、100~300Hzの周波数f(Hz)における損失正接tanδ(f)の最大値が0.9以上であり(=特徴i))、かつ、その厚みが50μmのとき、厚み2mmのポリメチルメタクリレートシートに対する、JIS Z 0237に従う180°引き剥がし試験方法を用いて引張速度300mm/minにより測定される粘着力が500gf/inch以上である(=特徴ii))ものを用いることにより、好適に解決することができる。また、本発明の課題は、当該感圧接着剤層が、透明性と耐熱性等に優れる、特定のシリコーン系OCAの硬化物であり、当該表示装置がハプティック表示装置であるときに特に好適に解決される。同様に、本発明の課題は、前記の特徴i)および特徴ii)を備えた感圧接着剤層を、装置のハプティック機能を実現乃至改善する目的で表示装置を構成する部材間に配置する、表示装置の設計方法により、好適に解決される。
 本発明の表示装置は、その感圧接着剤層が所定の粘弾特性(上記の特徴i))と、実用上十分な部材間の密着性を与える粘着力(上記の特徴ii))を併有するため、当該構造を有する表示装置において、ハプティック機能を備えた表示装置の操作性および信頼性を改善でき、かつ、当該感圧接着剤層を部材間に備え、信頼性および耐久性に優れる表示装置およびその設計方法を提供可能である。即ち、上記の特徴を兼ね備えた感圧接着剤層の選択的適用によって、特にハプティック表示装置において、良好なタッチ操作性とハプティック機能を実現することで、ユーザーの使用感と製品への満足感の向上を図り、かつ、表示装置自体の信頼性と耐久性が改善されるものである。
 特に、シリコーン系の感圧接着剤層は、耐熱性、耐寒性および耐光性に優れ、感圧接着剤層の着色や変色の問題を生じ難いため、上記のハプティック機能の改善に加えて、長期間に亘って透明性および部材間の密着性に優れる粘着剤層を備えた表示装置を、工業的に効率よく、信頼度の高い形で設計・製造することができる利点がある。
[表示装置及びその構成]
 本発明に係る表示装置は、ハプティック機能を有することが好ましい。ここで、「ハプティック機能」は、力、振動及びモーション(運動)のような触覚によるフィードバック効果または通知により、使用者に触覚を与える機能であり、本明細書において、ハプティック機能を備えた装置を「ハプティックデバイス」、ハプティック機能を備えた表示装置のことを単に「ハプティック表示装置」と呼ぶことがある。
 このような表示装置は、モバイルデバイス、タッチスクリーンデバイス、パーソナルコンピュータ又はスマートフォンに代表されるものであり、スマートフォンやタブレット型タッチスクリーンデバイス、車載用コンソールなどのタッチパネル付き表示装置であることが好ましく、特に、表示面への接触を認識する機能、接触に対する触覚的フィードバックまたは通知を行うハプティック機能を備えたハプティック表示装置が、本発明の技術的効果から特に好ましい表示装置の形態である。
 このような表示装置は平坦な表示面を有するものであってもよく、繰り返しの変形動作(屈曲、折り畳み、開閉、巻取り、巻物のように丸めたり、スクロールさせることを含む)または湾曲面のように持続的なストレスを前提として設計されるデジタルディスプレイを含むフレキシブルディスプレイ、曲面ディスプレイであってもよく、特に制限されるものではない。
 本発明にかかる表示装置は、後述する特徴を備えた感圧接着剤層を部材間に有するものであり、部材の種類および表示装置内における感圧接着剤層の数および配置は特に制限されるものではない。一方、本発明において好適なハプティック表示装置は、ディスプレイパネルとハプティック一体型タッチスクリーンおよびガラス等の透明部材からなる保護カバーを積層してなる構造を有してよく、ハプティック一体型タッチスクリーンは、フィルム状またはシート状部材の少なくとも片面または両面に電極層を設けてなる構造が一般的である。本発明にかかる感圧接着剤層は、これらの部材間に接着層乃至中間層として配置されることが好ましく、その性質上、ハプティック一体型タッチスクリーンを構成する接着層(接着性フィルム)として片面または両面に電極層を有する構造であってもよく、その他の透明な絶縁フィルム等から構成されるハプティック一体型タッチスクリーンと保護カバー間に接着層乃至中間層として配置されていてもよい。
[感圧接着剤層の特徴i):損失正接tanδ(f)の数的範囲]
 本発明にかかる表示装置に用いられる感圧接着剤層は、25℃において、その動的粘弾性測定によって得られる周波数分散曲線(後述する時間-温度換算則に従って得られるマスターカーブを含む)において、周波数f(Hz)が100~300Hzの範囲内での当該感圧接着剤層の損失正接tanδ(f)の最大値が0.9以上であることを特徴とし、さらに、同周波数の範囲内においてtanδ(f)の最大値が0.95以上、1.0以上、1.1以上または1.2以上であり、最大値が0.9~2.1の範囲内、0.95~2.05の範囲内、1.0~2.0の範囲内であってよい。なお、本発明にかかる表示装置に用いられる感圧接着剤層は、上記周波数の範囲内において前記の最大値を有する限り、一部の周波数(f)においてtanδ(f)が0.90未満の値であってもよいが、ハプティック表示装置の性能の見地から、100~300Hzの周波数f(Hz)においてtanδ(f)の値が0.70以下とならないことがより好ましい。なお、本明細書において、特段の記載がない限り、ある周波数f(Hz)における感圧接着剤層の損失正接tanδ(f)は、25℃における値である。
 ここで、「100~300Hzの周波数f(Hz)において、感圧接着剤層の損失正接tanδ(f)の最大値が0.9以上」とは、100~300Hzの範囲内の一部または全部の周波数領域において感圧接着剤層の損失正接tanδ(f)の値が0.9以上であることを意味し、同周波数範囲内の極大値が0.9以上であってもよく、同周波数範囲内の全部または一部の周波数領域において連続的に0.9以上の値を有してもよく、100~300Hzの範囲内の異なる周波数において少なくとも1点以上の周波数(f)における損失正接tanδ(f)が0.9以上であってもよい。一例として、前記の周波数分散測定法による実測または後述するtanδ(f)の周波数(f)に関する依存性を示すマスターカーブに基づき、本発明にかかる感圧接着剤層の周波数(f)100,200,300Hzにおける損失正接tanδ(f)のいずれか一の値が0.9以上であってよいが、これに限定されるものではない。
 一方、同周波数範囲内全体において上記の定義に従う感圧接着剤の損失正接tanδ(f)が0.9未満、すなわち、同損失正接tanδ(f)の最大値が0.9未満である場合、感圧接着剤層を通じて生成ないし伝達されるハプティックな応答、信号乃至フィードバックに対するユーザーの触感が鋭敏に検知乃至知覚されるものとならない場合があり、ユーザーの触感としてのハプティック機能を十分に改善できない場合がある。
[ある周波数における感圧接着剤層の損失正接(tanδ)値の意義および導出]
 ある周波数(f)Hzにおける感圧接着剤層の損失正接tanδ(f)の値は、温度を一定(本件では25℃)にして周波数分散測定法に基づいてある周波数領域におけるtanδ(f)を実測して周波数分散曲線を得たり、より狭い周波数範囲で温度を変えながら測定したデータに基づいて、公知の手法である時間-温度換算則に従ってtanδ(f)の周波数(f)に関する依存性を示すマスターカーブを作成することにより特定乃至導出することができる。本発明により、25℃において、表示装置に用いる感圧接着剤層の周波数f(Hz)が100~300Hzの範囲内における損失正接tanδ(f)に関する挙動から、ユーザーの触感としてのハプティック機能の改善、特にユーザーの使用感および知覚について適合性および有効性を事前に容易に判断することができ、ハプティック表示装置における材料選択および設計に利用することができる。
 ここで、材料の損失正接(tanδ)値とは、材料の貯蔵(剪断)弾性率(G')と損失(剪断)弾性率(G’’)の比、G’’/G'により表される値であり、本発明における感圧接着剤層のある周波数f(1/t)における損失正接tanδ(f)は、周波数f(1/t)に対する貯蔵弾性率G'(f)および損失弾性率G’’(f)について、以下の公知の計算工程より、感圧接着剤の動的粘弾性測定結果と時間-温度換算則に基づいて作成されるマスターカーブ(曲線)により導出してもよい。
<マスターカーブの作成>
 一般的に動的粘弾性測定は、試験片に周波数ωの歪を正弦波で与え、対応する応力を測定する。粘性体の場合、与えられた歪エネルギーは熱として散逸するため速度に変わり、90°の位相差が生じる。弾性体の場合は応力と歪が比例関係にあるので、位相差が生じない。粘弾性体では、応力と歪の比として定義される弾性率は周波数ωの関数で複素数となり、実数部が弾性成分、貯蔵弾性率となり、虚数部分が粘性成分、損失弾性率となる。
 一般に粘弾性体である高分子材料は、同じ温度でも周波数が高いと硬く振舞い、同じ周波数では温度が低いと硬くなる。そして、ある温度での測定値をその温度に応じて周波数に変換すると、別の温度での測定結果と一致することが、時間-温度変換則として知られている。これにより、ある等温においてある範囲の周波数分散を測定し、その温度を何段階か変えることにより、1台の装置では測定困難な広い周波数範囲のデータを得ることができる。狭い範囲の測定結果を、時間-温度変換則を用いて広い範囲の結果に合成した曲線をマスターカーブという。
 本発明におけるマスターカーブは、いくつかの温度で、等温条件下、0.1%歪のせん断モードで0.1~10Hzで、段階的に温度を下げながら貯蔵弾性率G'、損失弾性率G’’、損失正接(tanδ)の周波数依存性を測定し、時間-温度換算則を適用することにより得られ、最終的に、25℃における周波数(f)に対する貯蔵弾性率G'(f)、損失弾性率G’’(f)、損失正接tanδ(f)の値の依存性を示すマスターカーブとして得られる。
 ある感圧接着剤層について上記の周波数f(1/t)に対する損失正接tanδ(f)のマスターカーブを作成した場合、100~300Hzの周波数f(Hz)におけるtanδ(f)の値が本発明の特徴i)の条件、特にその好ましい条件を満たす場合、ユーザーの触感に関する通知またはフィードバックを、その検知感度に優れる形で、感圧接着剤層を通じて生成乃至伝達することができるため、表示装置のハプティック機能を改善することができる。
 なお、動的粘弾性の測定と損失正接tanδ(f)のマスターカーブの作成方法は上記の通りであるが、当該方法により得られた感圧接着剤層が特徴i)の条件を満たす限り、その他の動的粘弾性特性を有する感圧接着剤層を本発明の表示装置に適用することを妨げるものではない。これには、例えば、感圧接着剤層の動的粘弾性の測定結果に基づくクリープコンプライアンス値として好適なパラメータをさらに有する感圧接着剤層の選択と適用が挙げられる。
[感圧接着剤層の特徴ii):粘着力]
 本発明にかかる表示装置に用いられる感圧接着剤層は前記の特徴i)に加えて、実用上、十分な粘着力を有することを特徴とする。例えば、非接着性のゲル材料や誘電性高分子材料の中には、損失正接tanδ(f)が前記の特徴i)を充足する材料も存在するが、粘着力が不十分である場合、表示装置を構成する部材間の接着性が不十分となって、表示装置本体の信頼性および耐久性の改善という本発明の目標を達成できなくなる場合があり、かつ、特にハプティック機能を有する部材とユーザーインターフェースが十分に密着できない場合、部材間の層間剥離などにより、結果的にユーザータッチに対するハプティックな応答、信号乃至フィードバックに対するユーザーの触感、使用感や応答性が低下し、ハプティック機能を十分に改善できない場合がある。
 具体的には、本発明にかかる感圧接着剤層は、その厚みが50μmのとき、厚み2mmのポリメチルメタクリレートシートに対する、JIS Z 0237に従う180°引き剥がし試験方法を用いて引張速度300mm/minにより測定される粘着力が500gf/inch以上であり、上記粘着力が1000gf/inch以上、好適には、1200gf/inch以上であり、特に、1000~4000gf/inchの範囲内にある感圧接着層を設計可能であり、1200~3500gf/inchの範囲内にある感圧接着層が好適である。なお、上記の厚み(50μm)は、本発明にかかる感圧接着剤層の粘着力を客観的に定義するための基準となる硬化層自体の厚みであり、本発明の表示装置における感圧接着剤層は厚み50μmに限らず、任意の厚みの硬化層または感圧接着層であってよい。本発明にかかる感圧接着剤層の粘着力が上記の範囲であれば、表示装置を構成する部材、特に、ハプティック機能を有する部材と保護カバー等のユーザーインターフェースとなる部材間を間隙や剥離を生じることなく接着することができ、表示装置全体の信頼性および耐久性を改善することができる。
 なお、本発明にかかる感圧接着剤層が、上記の粘着力と特徴i)のような粘弾特性を有する場合、ハプティック機能の改善に加えて、表示装置を構成する部材間における変形、ストレスおよび湾曲に対する復元力および柔軟性を備えるため、部材への高度な追従性と同時に密着性、接着強度を実現するものである。
[任意の感圧接着剤層の特徴iii):透明性、色調または着色・変色に関する特性]
 本発明にかかる表示装置に用いられる感圧接着剤層、特にシリコーン系の感圧接着剤層は、実質的に透明、半透明または不透明のいずれであってもよく、当該感圧接着剤層の用途に応じてその透明性を設計することができる。目視で透明である場合、より客観的には、厚み100μmの硬化層からなる表示装置用の感圧接着層の波長450nmの光の透過率が、空気の光透過率を100%とした場合に、80%以上であり、好適には90%以上であり、95%以上に設計してもよい。また、透明性や光透過率を損なわない範囲で、フィラー成分または添加剤を使用してもよい。ただし、当該表示装置内おいて、光透過性が求められない電気・電子部品の接着等においては、半透明~不透明な感圧接着層であってもよく、光透過性以外の要求特性に応じて、着色性あるいは光透過性を損なうようなフィラー成分または添加剤を利用しても良い。
 特にハプティック表示装置を構成する感圧接着剤層が、ハプティック機能を有する部材またはハプティックな応答、信号乃至フィードバックをユーザーに伝達する部材である場合には、実質的に透明な感圧接着剤層であることが特に好ましい。先に説明した特徴i)の粘弾特性に加え、透明性に優れた感圧接着剤層により、ハプティック表示装置の部材間が強固に接着された構造により、ユーザーに対するハプティック機能を視認性と共に改善し、表示装置全体としての使用感、応答性、信頼性等を改善できるためである。
 なお、シリコーン系の感圧接着剤層を使用する場合、後述する白金系金属の含有量を低減等することにより、上記の透明性に加えて、硬化物が着色していないように設計することが可能である。また、本発明の硬化層は、高温や紫外線等の高エネルギー線に長時間暴露した場合であっても、その色調が大きく変化せず、特に、黄変の問題を生じないように設計可能である。
[感圧接着剤層の材質]
 本発明に係る表示装置において、その部材間に接着層乃至中間層として配置される感圧接着剤層は、上記の特徴i)および特徴ii)を備え、任意で特徴iii)その他の特性を備えてもよく、その種類について特に制限されないが、例えばシリコーン系感圧接着剤、アクリル系感圧接着剤、及びウレタン系感圧接着剤からなる群から選択された少なくとも1種を使用することができる。経済性、他の基材への接着性、耐久性の点ではアクリル系感圧接着剤を選択してもよいが、特に長期に及ぶ、耐熱性、耐寒性、耐光性および透明性の点ではシリコーン系感圧接着剤を有利に選択することができ、シリコーン系OCAの使用が極めて好ましい。
[感圧接着剤層形成性オルガノポリシロキサン組成物]
 本発明における表示装置は、上記の特性を備える感圧接着剤層を部材間に有することが好ましいものであるが、特に、このような感圧接着剤層として、以下に述べる感圧接着剤層形成性オルガノポリシロキサン組成物を硬化させてなるシリコーン系感圧接着剤層の使用が好ましい。
 当該組成物は、ヒドロシリル化反応を含む硬化反応により速やかに硬化し、基材に対する強い接着力を有する感圧接着層を形成するものである。以下、その各構成成分、技術的特徴であるオルガノポリシロキサンレジンまたはその混合物の範囲、その鎖状オルガノポリシロキサンに対するオルガノポリシロキサンレジンの質量比、および感圧接着層の特性について説明する。
 本発明において好適な感圧接着剤層形成性オルガノポリシロキサン組成物は、上記のとおり、ヒドロシリル化反応により硬化して一定の粘着力を有する感圧接着層を形成するものであり、当該組成において、分子内の全ケイ素原子に対する水酸基および加水分解性基の含有量の和が9モル%以下であり、分子量範囲の異なるオルガノポリシロキサンレジンを単独または混合物の形態で使用し、かつ、主剤であるアルケニル基を有する鎖状オルガノポリシロキサンに対するオルガノポリシロキサンレジンの配合の範囲が特定の範囲にある。当該特徴を有する組成物の硬化により得られる感圧接着層は、25℃におけるせん断貯蔵弾性率G'が1.0MPa以下であり、一定の粘着力を有するものである。
 より具体的には、本発明において好適な感圧接着剤層形成性オルガノポリシロキサン組成物は、
(A)分子内に平均して1を超える数のアルケニル基を有する鎖状オルガノポリシロキサン、
(B)分子内の全ケイ素原子に対する水酸基および加水分解性基の含有量の和が9モル%以下であるオルガノポリシロキサンレジン、
(C)分子内に少なくとも2個のSi-H結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(D)有効量のヒドロシリル化反応触媒、および
任意で、(A´)分子内に炭素-炭素二重結合含有反応性基を含まない鎖状オルガノポリシロキサン
を含有してなる。また、当該組成物は、ヒドロシリル化反応触媒を含むので、取扱作業性の見地から、さらに、(E)硬化遅延剤を含有してもよく、本発明の目的に反しない範囲で、その他の添加剤を含むものであってよい。以下、各成分について説明する。
 (A)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、鎖状のポリシロキサン分子であり、この組成物の主剤(ベースポリマー)であり、1分子中に平均して1を超える数のケイ素原子に結合したアルケニル基を含有し、好適なアルケニル基の個数は、1分子中に1.5個以上である。(A)成分のオルガノポリシロキサンのアルケニル基としては、炭素数2~10のアルケニル基が挙げられ、特にビニル基またはヘキセニル基であることが好ましい。(A)成分のアルケニル基の結合位置としては、例えば、分子鎖末端及び/又は分子鎖側鎖が挙げられる。なお、(A)成分は、単一の成分のみを含んでいてもよく、2種以上の異なった成分の混合物であってもよい。
 (A)成分のオルガノポリシロキサンにおいて、アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基としては、例えば、メチル基等のアルキル基;フェニル基等のアリール基;アラルキル基;ハロゲン化アルキル基などが挙げられ、特に、メチル基、フェニル基であることが好ましい。
 (A)成分は(B)成分と異なり、鎖状のポリシロキサン分子構造を有する。例えば、(A)成分は、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状(分岐鎖状)であることが好ましく、一部に環状、三次元網状を含んでいても良い。好適には、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された、直鎖状または分岐鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、分岐鎖状のオルガノポリシロキサンを与えるシロキサン単位は後述するT単位またはQ単位である。
 (A)成分の室温における性状はオイル状または生ゴム状であってもよく、(A)成分の粘度は25℃において50mPa・s以上、特に100mPa・s以上であることが好ましい。特に、本発明にかかるオルガノポリシロキサン組成物が溶剤型である場合には、(A)成分の少なくとも一部は、(A1)25℃において100,000mPa・s以上の粘度を有するか、JIS K6249に規定される方法に準じて測定された可塑度(25℃、4.2gの球状試料に1kgfの荷重を3分間かけたときの厚さを1/100mmまで読み、この数値を100倍したもの)が50~200の範囲にある、さらに好ましくは80~180の範囲にある生ゴム状のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンであることが好ましい。
 なお、これらのアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、接点障害防止等の見地から、揮発性または低分子量のシロキサンオリゴマー(オクタメチルテトラシロキサン(D4)、デカメチルペンタシロキサン(D5)等)が低減ないし除去されていることが好ましい。その程度は所望により設計可能であるが、成分(A)全体の1質量%未満、各シロキサンオリゴマーについて0.1質量%未満としてもよく、必要に応じ、検出限界付近まで低減してもよい。
 前記の(A1)成分中のアルケニル基の含有量は特に限定されるものではないが、本発明の技術的効果の見地から、(A1)成分中のアルケニル基中のビニル(CH=CH)部分の含有量(以下、「ビニル含有量」という)は、0.005~0.400質量%の範囲内であることが好ましく、0.005~0.300質量%の範囲内であることが特に好ましい。
 好適には、本発明に係る鎖状オルガノポリシロキサンとオルガノポリシロキサンレジンの質量比は所定の範囲にあり、かつ、所定のオルガノポリシロキサンレジンまたはその混合物を使用することにより、適切な貯蔵弾性率、引張応力という実用上十分な粘弾特性と応力に加えて、強い粘着力を同時に達成することが可能である。
 本発明の(A)成分として、前記の(A1)成分より低粘度の(A)成分であっても、利用可能であり、具体的には、(A2)25℃における粘度が100,000mPa・s未満のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンが利用可能である。ここで、(A2)成分の粘度以外の例示は、(A1)成分と同様である。
 本発明の技術的効果の見地から、(A)成分の50質量%以上が、(A1)成分である高重合度のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンであることが好ましく、75~100質量%が(A1)成分であることが特に好ましい。すなわち、本発明の(A)成分として前記の(A1)成分(=高重合度のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン)と(A2)成分(=より低重合度のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン)を併用する場合には、両者の質量比が50:50~100:0の範囲内、より好適には75:25~100:0の範囲内または75:25~90:10の範囲内である。
[その他のアルケニル基を有する環状シロキサン類および有機ケイ素化合物]
 本発明において、任意選択により、(A)成分と共に、1,3,5,7-テトラメチル―1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン等のアルケニル基を有する環状シロキサン類を少量使用してもよい。これらの環状シロキサン類は、反応性希釈剤または硬化反応性の制御剤としての機能を果たす場合があり、必要に応じて使用することができる。
 同様に、任意選択により、(A)成分と共に、分子内に平均して1を超える数のアルケニル基を有する有機ケイ素化合物であって、上記の(A)成分、(B)成分およびアルケニル基を有する環状シロキサン類に該当しない成分を使用してもよい。これらの有機ケイ素化合物は、通常、硬化性シロキサン組成物における、独立した接着付与剤として使用されるアルケニル基含有シラン、アルケニル基含有シラン-シロキサンの反応混合物であり、ポリジアルキルシロキサン等のポリオルガノシロキサン成分やオルガノポリシロキサンレジン成分と異なる成分である。これらのアルケニル基を有する有機ケイ素化合物であって、さらに、分子内にエポキシ基を有するものは、取り扱い作業性に優れ、室温におけるせん断貯蔵弾性率G'等の粘弾特性を損なうことなく、ヒドロシリル化硬化反応により迅速に硬化することに加えて、各種の基材に対しても良好な接着性を付与することができ、特に、引張接着強さに優れた感圧接着層を形成できる場合がある。
 (B)オルガノポリシロキサンレジンまたはその混合物は、本発明の好適な構成の一つであり、基材への粘着力を付与する粘着付与成分であると同時に、(A)成分と一定の比率で使用することにより、硬化により得られるシリコーン系の感圧接着剤層の貯蔵弾性率、応力および実用的な粘着力範囲を実現する成分である。より具体的には、(B)成分は、水酸基または加水分解性基の含有量が抑制されたオルガノポリシロキサンレジン、またはその混合物である。このような(B)成分は、(B)成分間での加水分解/重合反応が起こりにくいため、本発明において、ある周波数(f)の領域における好適な損失正接の値tanδ(f)を与えるシリコーン系の感圧接着剤層を設計しやすく、単独、または平均分子量の異なるレジンを組み合わせて使用することで、その硬化物である感圧接着層における所定の貯蔵弾性率、応力および実用的な粘着力範囲を実現する。
 詳細には、(B)成分は、分子内の全ケイ素原子に対する水酸基および加水分解性基の含有量の和が9モル%以下のオルガノポリシロキサンレジンであり、単独または分子量分布の異なる混合物の形態であってもよい。
 一例として、(B)成分は、以下の(b1)成分および(b2)成分を0:100~100:0の質量比で含む、オルガノポリシロキサンレジンまたはその混合物である。ここで、(B)成分は、(b1)成分のみまたは(b2)成分のみからなる成分であってよく、これらの(b1)成分および(b2)成分の混合物であってもよい。
(b1)分子内の全ケイ素原子に対する水酸基および加水分解性基の含有量の和が9モル%以下であり、トルエンを溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で測定される重量平均分子量(Mw)が4500以上であるオルガノポリシロキサンレジン、
(b2)分子内の全ケイ素原子に対する水酸基および加水分解性基の含有量の和が9モル%以下であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で測定される重量平均分子量(Mw)が4500未満であるオルガノポリシロキサンレジン
 本発明の(B)成分は、その分子内における水酸基および加水分解性基の含有量の和が、当該オルガノポリシロキサンレジン分子中の全ケイ素原子に対して9モル%以下の範囲であり、分子中の全ケイ素原子に対して7モル%以下であることが好ましい。なお、(B)成分において、かかる水酸基および加水分解性基の含有量は、これらの官能基を全て水酸基に換算して表現することもできる。この場合、当該オルガノポリシロキサンレジン分子中の水酸基以外の加水分解性基を全て水酸基(OH)であると仮定してその質量%を計算すると、上記の水酸基および加水分解性基の含有量の和は、当該オルガノポリシロキサンレジン分子中における水酸基および水酸基に換算したこれらの加水分解性基の含有量の和が2.0質量%以下であり、1.6質量%以下が好ましいと表現することもできる。水酸基または加水分解性基は、後述するレジン構造中のシロキサン単位のうち、T単位またはQ単位などのケイ素に直接結合しており、原料となるシラン由来またはシランが加水分解した結果、生じた基であるので、合成したオルガノポリシロキサンレジンをトリメチルシラン等のシリル化剤で加水分解処理することで水酸基または加水分解性基の含有量を低減することができる。
 (B)成分において、当該水酸基または加水分解性基の量が前記の上限を超えると、オルガノポリシロキサンレジン分子間の縮合反応が進行して、硬化物中において分子量の大きいオルガノポリシロキサンレジン構造が形成されやすくなる。このような分子量の大きいオルガノポリシロキサンレジンは、組成物全体の硬化性を損なう傾向があり、当該組成物の低温における硬化性が不十分となったり、得られる感圧接着層が実用上十分な貯蔵弾性率を有しなくなる場合がある。
 (B)成分は、共にオルガノポリシロキサンレジンであり、三次元構造を有するオルガノポリシロキサンである。例えば、RSiO2/2単位(D単位)及びRSiO3/2単位(T単位)(式中、Rは互いに独立した一価有機基を表す)からなり、水酸基または加水分解性基の含有量が上記範囲にあるレジン、T単位単独からなり、水酸基または加水分解性基の含有量が上記範囲にあるレジン、並びにRSiO1/2単位(M単位)及びSiO4/2単位(Q単位)からなり、水酸基または加水分解性基の含有量が上記範囲にあるレジンなどを挙げることができる。特に、RSiO1/2単位(M単位)及びSiO4/2単位(Q単位)からなり、分子内の全ケイ素原子に対する水酸基および加水分解性基の含有量の和が0~7モル%(これらの官能基を全て水酸基に換算した場合、0.0~1.6質量%であることが好ましい)の範囲であるレジン(MQレジンとも呼ばれる)を使用することが好ましい。
 Rの一価有機基は、好ましくは炭素数1~10の一価炭化水素基であり、炭素数1~10のアルキル基、炭素数2~10のアルケニル基、炭素数6~10のアリール基、炭素数6~10のシクロアルキル基、ベンジル基、フェニルエチル基、及びフェニルプロピル基が例示される。特に、Rの90モル%以上が炭素数1~6のアルキル基またはフェニル基であることが好ましく、Rの95~100モル%がメチル基またはフェニル基であることが特に好ましい。
 (B)成分が、RSiO1/2単位(M単位)及びSiO4/2単位(Q単位)からなるレジンである場合、M単位対Q単位のモル比は、0.5~2.0であることが好ましい。このモル比が0.5未満である場合には基材への粘着力が低下することがあり、2.0より大きい場合には粘着層を構成する物質の凝集力が低下するからである。また、本発明の特性を損なわない範囲で、D単位及びT単位を(B)成分中に含有させることも可能である。さらに、これらのオルガノポリシロキサンレジンは、接点障害防止等の見地から、低分子量のシロキサンオリゴマーが低減ないし除去されていても良い。
 ここで、(B)成分が、その重量平均分子量(Mw)において互いに異なる(b1)成分および(b2)成分であるオルガノポリシロキサンレジン混合物である場合、。ここで、重量平均分子量(Mw)は、トルエンを移動相溶媒として用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算で測定される各々のオルガノポリシロキサンレジンにおいて、個々の分子が全体に占める割合を考慮した平均分子量である。
 (b1)成分は、分子量の大きいオルガノポリシロキサンレジンであり、その重量平均分子量(Mw)は、4500以上であり、5000以上が好ましく、5500以上が特に好ましい。実用上、(b1)成分は、重量平均分子量(Mw)が5000~10000の範囲にある、上述のRSiO1/2単位(M単位)及びSiO4/2単位(Q単位)からなるレジンが特に好適である。
 (b2)成分は、分子量の小さいオルガノポリシロキサンレジンであり、その重量平均分子量(Mw)は、4500未満であり、4400以下が好ましく、4200以下が特に好ましい。実用上、(b1)成分は、重量平均分子量(Mw)が500~4200の範囲内にある、上述のRSiO1/2単位(M単位)及びSiO4/2単位(Q単位)からなるレジンが特に好適である。
 (B)成分は、上記の(b1)成分および(b2)成分を0:100~100:0の質量比で含む、オルガノポリシロキサンレジンまたはオルガノポリシロキサンレジン混合物であってよく、上記の通り、(b1)成分または(b2)成分のみを用いてもよく、これらの混合物であってもよい。(B)成分が(b1)成分および(b2)成分の混合物である場合、その混合比は、特に制限されるものではないが、組成や粘弾性の設計に応じて、5:95~95:5の範囲内であってよく、10:90~90:10の範囲内であってよく、15:85~85:15となる範囲内であってもよい。これに対して、(B)成分は(b1)成分のみからなるオルガノポリシロキサンレジンであってもよく、同様に、(B)成分は(b2)成分のみからなるオルガノポリシロキサンレジンでもよい。(B)成分が単独のオルガノポリシロキサンレジンである本発明の実施形態および(B)成分が(b1)成分および(b2)成分の混合物である本発明の実施形態は、共に、本発明の好適な実施形態に含まれる。例えば、本発明に係るシリコーン系の感圧接着剤層において、所望の硬化性、粘着力および貯蔵弾性率等の特性を実現するために、単独のオルガノポリシロキサンレジンを用いてもよく、2種以上の分子量の異なるオルガノポリシロキサンレジンを実質的に組み合わせて使用することにより、所望とするより好ましい特性を実現してもよい。
[(A)成分および(A´)成分に対する(B)成分の質量比]
 本発明に係る感圧接着層形成性オルガノポリシロキサン組成物は、鎖状の反応性シロキサン成分である(A)成分および後述する(A´)成分の和に対する、オルガノポリシロキサンレジンである(B)成分の質量比が0.8~4.0の範囲内にあることが好ましい。(B)成分として、上記の特徴的なオルガノポリシロキサンレジンまたはその混合物を選択し、かつ、鎖状のシロキサンポリマー成分に対して上記のレジン成分が前記範囲となるように配合されていると、本発明の目的とする適切な損失正接値等の粘弾特性が好適に実現されるためである。
 (C)成分は、Si-H結合を分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、本発明にかかるオルガノポリシロキサン組成物の架橋剤である。成分(C)の分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状、環状、あるいはオルガノポリシロキサンレジンであることが挙げられ、好ましくは、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、あるいはオルガノポリシロキサンレジンである。ケイ素原子結合水素原子の結合位置は特に限定されず、分子鎖末端,側鎖,これら両方が例示される。ケイ素原子結合水素原子の含有量は0.1~2.0質量%の範囲内であることが好ましく、0.5~1.7質量%の範囲内であることがより好ましい。
 ケイ素原子に結合する有機基として、メチル基等の炭素原子数1~8のアルキル基;フェニル基等のアリール基;アラルキル基;ハロゲン化アルキル基が例示されるが、それらの合計数の50モル%以上が炭素原子数1~8のアルキル基またはフェニル基であることが好ましい。製造容易性および前記した好ましい(A)成分、(B)成分との相溶性の点で他の有機基はメチル基またはフェニル基が好ましい。
 (C)成分として、具体的には、トリス(ジメチルハイドロジェンシロキシ)メチルシラン,テトラ(ジメチルハイドロジェンシロキシ)シラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン,両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,環状メチルハイドロジェンオリゴシロキサン,環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、トリメトキシシランの加水分解縮合物、(CH)HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH)HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C)SiO3/2単位とからなる共重合体、(CH)HSiO1/2単位とCH3SiO3/2単位とからなる共重合体、およびこれらの2種以上の混合物が例示される。
[SiH/Vi比]
 本発明にかかる好適な感圧接着剤層を与える組成物は、ヒドロシリル化反応硬化性であり、(C)成分の使用量は、組成物がヒドロシリル化反応により十分に硬化することができれば特に制限されるものではないが、組成物中の(A)成分中のアルケニル基の量(物質量)および(B)成分中のアルケニル基の量(物質量)の和に対する(C)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH)基の物質量、すなわちモル比が0.1~100の範囲内であることが好ましく、0.5~60の範囲内、1.0~50の範囲内、または1.0~40の範囲内であっても良い。なお、当該モル比を以下、「SiH/Vi比」と呼ぶことがある。
 一方、ガラス等の基材に対する密着性を改善する目的で、SiH/Vi比を10以上、または20以上に設計することができ、かつ、11を超えることが好ましく、22以上であることがより好ましい。例えば、組成物中の(A)成分中のアルケニル基の量(物質量)および(B)成分中のアルケニル基の量(物質量)の和に対する(C)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH)基の物質量は、11~60の範囲内、21~60の範囲内、22~50の範囲内に設計することができる。SiH基の量が前記下限を下回ると、基材への密着性の改善という技術的効果が実現できない場合がある。一方、SiH基の量が前記上限を超えると、反応せずに残存する硬化剤の量が多くなってしまい、硬化物が脆くなる等の硬化物性における悪影響やガスの発生等の問題が生じる場合がある。ただし、組成物のSiH/Vi比が上記範囲外でも実用上十分な感圧接着層を形成することができる場合がある。
 なお、任意選択により、(A)成分および(B)成分以外のアルケニル基を有する環状シロキサン類および有機ケイ素化合物を使用する場合、本発明に係る組成物の硬化性の見地から、これらの成分を含む、組成物中のアルケニル基の総量(物質量)に対して(C)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH)基の物質量が、1.0以上となることが好ましく、組成物中のアルケニル基の総量(物質量)に対する(C)成分中のケイ素原子結合水素原子(SiH)基の物質量が、1.5~60の範囲内であってもよく、21~60の範囲内であってもよい。
[ヒドロシリル化反応触媒]
 本発明にかかるオルガノポリシロキサン組成物は、ヒドロシリル化反応触媒を含む。ヒドロシリル化反応触媒としては、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒が例示され、本組成物の硬化を著しく促進できることから白金系触媒が好ましい。この白金系触媒としては、白金-アルケニルシロキサン錯体が好ましく、特に、この白金-アルケニルシロキサン錯体の安定性が良好であることから、1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンであることが好ましい。なお、ヒドロシリル化反応を促進する触媒としては、鉄、ルテニウム、鉄/コバルトなどの非白金系金属触媒を用いてもよい。
 本発明において、ヒドロシリル化反応触媒の含有量は特に制限されるものではないが、組成物中の固形分の合計量に対し、質量単位で白金系金属量が0.1~200pmの範囲内となる量であり、0.1~150ppmの範囲内となる量、0.1~100ppmの範囲内となる量であってよく、0.1~50ppmの範囲内となる量であってもよい。ここで、白金系金属は、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウムからなるVIII族の金属元素であるが、実用上、ヒドロシリル化反応触媒の配位子を除いた白金金属の含有量が上記範囲であることが好ましい。なお、固形分とは、本発明にかかるオルガノポリシロキサン組成物を硬化反応させた場合に、硬化層を形成する成分(主として主剤、接着付与成分、架橋剤、触媒およびその他の不揮発性成分)であり、加熱硬化時に揮発する溶媒等の揮発性成分を含まない。
 本発明にかかるオルガノポリシロキサン組成物中の白金系金属の含有量が質量単位で50ppm以下(45ppm以下,35ppm以下,30ppm以下,25ppm以下または20ppm以下)である場合、硬化後、あるいは加熱や紫外線等の高エネルギー線に暴露した場合、特に、透明な感圧接着層の変色や着色を抑制できる場合がある。一方、オルガノポリシロキサン組成物の硬化性の見地から、白金系金属の含有量は、0.1ppm以上であり、当該下限を下回ると硬化不良の原因となる場合がある。
 (E)成分は硬化遅延剤であり、組成物中のアルケニル基と(C)成分中のSiH基の架橋反応を抑制して、常温での可使時間を延長し、保存安定性を向上するために配合するものである。したがって、実用上は、本発明にかかるオルガノポリシロキサン組成物にとって、必須に近い成分である。
 具体的には、(E)成分はアセチレン系化合物、エンイン化合物、有機窒素化合物、有機燐化合物、オキシム化合物が例示される。具体的には、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、1-エチニル-1-シクロヘキサノール、フェニルブチノール等のアルキンアルコール;3-メチル-3-ペンテン-1-イン、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-イン等のエンイン化合物;2-エチニル-4-メチル-2-ペンテン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7-テトラメチル-1,3,5,7-テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン等のメチルアルケニルシクロシロキサン;ベンゾトリアゾールが例示される。
 組成物の硬化挙動の見地から、本発明にかかる好適な感圧接着層形成性オルガノポリシロキサン組成物は、組成物の調製後室温で8時間後に粘度の増大が1.5倍以内であり、80~200℃で硬化可能であることが好ましい。増粘が抑制されていることは、取扱作業性、ポットライフ、硬化後の特性の見地から重要であり、大過剰の(C)成分を含み、任意で白金系金属量の含有量が低くとも、一定以上の高温(80~200℃)で硬化させることで硬化性を確保することができるためである。なお、このような組成物は上記の各成分およびヒドロシリル化触媒と(E)成分の好適な組み合わせおよび配合量を選択することで、実現可能である。
 本発明にかかる好適なオルガノポリシロキサン組成物は、上記の好適な(A)成分および(B)成分に加えて、溶媒として有機溶剤を含んでもよい。有機溶剤は、塗工作業性などを考慮してその種類及び配合量を調整する。有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶剤、ヘプタン、ヘキサン、オクタン、イソパラフィンなどの脂肪族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、ジイソプロプルエーテル、1,4-ジオキサンなどのエーテル系溶剤、トリクロロエチレン、パークロロエチレン、塩化メチレンなどの塩素化脂肪族炭化水素系溶剤、溶剤揮発油などが挙げられ、シート状基材への濡れ性などに応じて2種以上を組み合わせても良い。有機溶剤配合量は、(A)成分~(C)成分の混合物をシート状基材表面に均一に塗工できるような量がよく、例えば、(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計100質量部当たり、5~3000質量部の範囲内である。
 本発明にかかる好適なオルガノポリシロキサン組成物は、本発明の技術的効果を損なわない範囲で、任意で、上記成分以外の成分を含むことができる。例えば、接着促進剤;ポリジメチルシロキサンまたはポリジメチルジフェニルシロキサンなどの非反応性のオルガノポリシロキサン;酸化防止剤;光安定剤;難燃剤;1種類以上の帯電防止剤などを含むことができる。なお、これらの成分のほか、顔料、染料、無機微粒子(補強性フィラー、誘電性フィラー、導電性フィラー、熱伝導性フィラー)などを任意で配合することもできる。
[(A´)分子内に炭素-炭素二重結合含有反応性基を含まない鎖状オルガノポリシロキサン]
 本発明にかかる好適なオルガノポリシロキサン組成物には、アルケニル基、アクリル基、メタクリル基等の炭素-炭素二重結合含有反応性基を含まないポリジメチルシロキサンまたはポリジメチルジフェニルシロキサンなどの非反応性のオルガノポリシロキサンを配合することができ、これにより、後述する感圧接着層の損失係数(tanδ)、貯蔵弾性率(G')損失弾性率(G'')を改善することができる場合がある。例えば、水酸基末端を有するポリジメチルシロキサン、トリメチルシロキシ末端を有するポリジメチルシロキサンまたはポリジメチルジフェニルシロキサンの使用により、感圧接着層の損失係数を増加させることができ、そのような組成物は、本発明の範囲に包含される。
 ここで、(A´)成分は、ヒドロシリル化による硬化反応に関与しない鎖状オルガノポリシロキサンであり、組成物中における(B)成分との質量比が、組成物の粘着力および貯蔵弾性率等の特性に影響しうる。前記の通り、(A)成分および(A´)成分に対する、(B)成分の質量比は0.8~4.0の範囲内であってよい。なお、(A)成分と(A´)成分の質量比は特に制限されないが、所望の貯蔵弾性率および(B)成分との質量比に応じて、100:0~40:60の範囲内、100:0~65:35の範囲内、90:10~65:35の範囲内、85:15~70:30の範囲内等に設計してもよい。
 本発明にかかるオルガノポリシロキサン組成物の調製方法は特に限定されず、それぞれの成分を均質に混合することによって行われる。必要に応じて溶剤を加えてもよく、公知の攪拌機または混練機を用いて、0~200℃の温度で混合して調製してもよい。
 本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、基材上に塗工することによって塗膜を形成し、80~200℃の温度条件下、好適には、90~190℃の温度条件下で加熱することによって硬化物とする。塗工方法としては、グラビアコート、オフセットコート、オフセットグラビア、ロールコート、リバースロールコート、エアナイフコート、カーテンコート、及びコンマコートが例示される。塗工量は表示装置等の用途に応じて所望の厚さで設計することができ、一例として、硬化したあとの感圧接着層の厚みとして1~1,000μmであり、5~900μmであってよく、10~800μmであってよいが、これらに限定されるものではない。
[感圧接着剤層としての使用方法]
 好適には、本発明に係るシリコーン系の感圧接着剤層は、被着体との密着性を向上させるために、感圧接着剤層または基材の表面に対してプライマー処理、コロナ処理、エッチング処理、プラズマ処理等の表面処理を行ってもよい。
 本発明に係る硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、剥離ライナーに塗工した後、上記の温度条件下で加熱することにより硬化させ、剥離ライナーを剥がしてフィルム状基材、テープ状基材、またはシート状基材(以下、「フィルム状基材」という)と貼り合せたり、フィルム状基材に塗工した後、上記の温度条件下で加熱することにより硬化させ、前記基材の表面に感圧接着剤層を形成することができる。特に、上記のオルガノポリシロキサン組成物を硬化してなる硬化層が感圧接着層、特に、感圧接着剤フィルムである場合、当該硬化層は、剥離コーティング能を有する剥離層を備えたフィルム基材上に、剥離可能な状態で粘着した積層体フィルムとして取り扱うことが好ましい。剥離層は、好適には、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤、アルキド系剥離剤、またはフルオロシリコーン系剥離剤等の剥離コーティング能を有する剥離層、基材表面に物理的に微細な凹凸を形成させたり、本発明の感圧接着層と付着しにくい基材それ自体であってもよく、フルオロシリコーン系剥離剤を硬化させてなる剥離層の使用が好ましい。なお、前記積層体において剥離層は、剥離層を構成する剥離剤の種類及び剥離力の異なる第一剥離層と第二剥離層である異差剥離層であってもよく、フルオロシリコーン系剥離剤は、フルオロアルキル基およびパーフルオロポリエーテル基から選ばれる1種類以上のフッ素含有基を含む、硬化反応性のシリコーン組成物であってよい。
[表示装置の製造方法および設計方法]
 本発明に係る表示装置は、その部材間における感圧接着剤層が前記の特徴を有するものであり、当該特徴は感圧接着剤の動的粘弾性試験により容易に把握されることから、当該特性を満たす感圧接着剤を事前に選択し、部材間に塗布または配置することで製造することができる。なお、同方法により表示装置、特にハプティック表示装置を設計することができる。
 特に、感圧接着剤層を与える組成物が上記の感圧接着剤層形成性のオルガノポリシロキサン組成物であり、硬化により、シリコーン系の感圧接着剤層を形成する場合、事前にその硬化物が、上記の特徴i),ii)を有し、好適には透明であり、ガラス転移点(Tg)および25℃/-20℃における特定の貯蔵弾性率G'を有する硬化物を与えるオルガノポリシロキサン組成物を選択し、部材間に塗布、または当該組成物を硬化させてなる感圧接着剤層(例えば、感圧接着剤フィルム硬化物)を部材間に配置することで、本発明に係る表示装置を製造することができる。なお、本発明に係る表示装置は、上記の通り、ハプティック表示装置、ハプティックデバイスであることが好ましい。
 以下に、本発明の実施例及び比較例を記す。なお、各実施例・比較例において「硬化させた」とは、各々の硬化条件により、各組成物が完全に硬化したことを意味するものである。
(硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物の調製)
 表1に示す各成分を用いて、各実施例・比較例に示す硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物を調製した。なお、表1における%は全て質量%である。
(オルガノポリシロキサン成分の分子量の測定)
 Waters社製Allianceゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、トルエンを溶媒として、標準ポリスチレン換算で、オルガノポリシロキサンレジン等のオルガノポリシロキサン成分の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)を求めた。
(オルガノポリシロキサンレジン中の水酸基(OH)含有量の測定)
 ガラスフリープローブを備えたブルカー製ACP-30029Si NMRスペクトロメーターを用い、テトラメチルシランの化学シフトを0ppmとしたときに、-93から-103.5ppmに現れるSi(OH)O2/3単位の全シリコンに対する存在比率からモル含量を得、さらに、オルガノポリシロキサンレジン中の水酸基(OH)の質量%にも換算した。なお、以下の実施例におけるオルガノポリシロキサンレジン中に水酸基以外の加水分解性官能基は含まれていなかった。
(粘着力測定)
 各組成物を、PETフィルム(株式会社東レ製、製品名ルミラー(登録商標)S10、厚さ50μm)に硬化後の厚みが50μmとなるように塗工し、150℃、3分間で硬化させた。1日放置後、同試料を幅20mmに切断し、粘着層面をPMMA板(パルテック製、アクリライトL001,50×120×2mm)にローラーを用いて貼り合せて試験片とした。PMMA板を用いた試験片は、オリエンテック社製RTC-1210引っ張り試験機を用いてJIS Z 0237に準じて180°引き剥がし試験方法を用いて引張速度300mm/minにて粘着力(20mm幅での測定を表示単位gf/inchに換算)を測定した。結果を表2に示す。
(動的粘弾性)
 各組成物を硬化後の厚みが約100μmになるようにフロロシリコーン剥離コーティングを塗工した剥離ライナーに塗工し、150℃で5分間硬化させた。あるいは各組成物を硬化後の厚みが約280μmになるようにフロロシリコーン剥離コーティングを塗工した剥離ライナーに塗工し、150℃、15分間で硬化させた。この感圧接着剤フィルムを、100μmの場合は5枚以上、280μmの場合は2枚重ね合わせ、厚さ500μm以上である、両面を剥離ライナーに挟まれたフィルムサンプルを得た。当該フィルムを直径8mmにくりぬき、動的粘弾性装置(DMA; Anoton Paar社製、MCR302)のパラレルプレートプローブに貼り付けて測定した。測定は、温度を125℃まで上げ、-45℃までいくつかの温度で、等温条件下、0.1%歪のせん断モードで0.1~10Hzで、段階的に温度を下げながら貯蔵弾性率G'、損失弾性率G''、損失正接(tanδ)の周波数依存性を測定し、時間-温度換算則によりマスターカーブを得た。続いて-70℃~200℃の範囲で、周波数1Hz、昇温速度3℃/分にてこれらの温度依存性を測定した。マスターカーブより得た、25℃においての、周波数100、200、300Hzにおける損失正接(tanδ)の値を表2に示す。
 表1に硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物の材料を示す。なお、各成分の粘度または可塑度は以下の方法により、室温において測定した。
[粘度]
 粘度(mPa・s)は、JIS K7117-1に準拠した回転粘度計を使用して測定した値であり、動粘度(mm/s)は、JIS Z8803に準拠したウベローデ型粘度計によって測定した値である。
[可塑度]
 可塑度は、JIS K 6249に規定される方法に準じて測定された値(25℃、4.2gの球状試料に1kgfの荷重を3分間かけたときの厚さを1/100mmまで読み、この数値を100倍したもの)で示した。
[光透過率および透明性]
 各実施例・比較例に示す硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物を硬化後の厚みが100μmとなるように塗工し、150℃、3分間で硬化させ、光透過率を測定した。実施例および比較例にかかる硬化物はすべて良好な透明性を備えることが目視で確認でき、その光透過率は空気を100%とした場合、いずれも95%以上であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
[実施例1~7、比較例1~4]
 以下、実施例1~7、比較例1~4にかかる組成物を準備し、上記の(動的粘弾性)および(粘着力測定)の項目に従って硬化させ、その粘着力,25℃、周波数100、200、300Hzにおける損失正接(tanδ)を表2に示した。
(実施例1)
 33.3質量部の成分a-1、8.33質量部の成分a´、80.5質量部の成分b-3、44.5質量部のトルエン、0.692質量部の成分c-1、0.409質量部の成分e-1を室温でよく混合し、この混合物に0.484質量部の成分d-1を加えて硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物とした。成分a-1中のアルケニル基に対する成分c-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は31.5、白金金属の固形分に対する含量は質量単位で30ppmであった。
(実施例2)
 38.5質量部の成分a-1、84.9質量部の成分b-3、43.3質量部のトルエン、0.762質量部の成分c-1、0.577質量部の成分e-1を室温でよく混合し、この混合物に0.423質量部の成分d-2を加えて硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物とした。成分a-1中のアルケニル基に対する成分c-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は30.1、白金金属の固形分に対する含量は質量単位で22ppmであった。
(実施例3)
 29.9質量部の成分a-1、7.46質量部の成分a´、86.5質量部の成分b-3、42.9質量部のトルエン、0.586質量部の成分c-1、0.409質量部の成分e-1を室温でよく混合し、この混合物に0.355質量部の成分d-1を加えて硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物とした。成分a-1中のアルケニル基に対する成分c-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は29.8、白金金属の固形分に対する含量は質量単位で22ppmであった。
(実施例4)
 18.6質量部の成分a-1、18.6質量部の成分a´、86.7質量部の成分b-3、42.8質量部のトルエン、0.423質量部の成分c-1、0.409質量部の成分e-1を室温でよく混合し、この混合物に0.355質量部の成分d-1を加えて硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物とした。成分a-1中のアルケニル基に対する成分c-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は34.5、白金金属の固形分に対する含量は質量単位で22ppmであった。
(実施例5)
 34.6質量部の成分a-1、90.2質量部の成分b-3、41.9質量部のトルエン、0.655質量部の成分c-1、0.577質量部の成分e-1を室温でよく混合し、この混合物に0.355質量部の成分d-1を加えて硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物とした。成分a-1中のアルケニル基に対する成分c-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は28.7、白金金属の固形分に対する含量は質量単位で22ppmであった。
(実施例6)
 23.2質量部の成分a-1、9.93質量部の成分a´、92.3質量部の成分b-3、41.3質量部のトルエン、0.489質量部の成分c-1、0.409質量部の成分e-1を室温でよく混合し、この混合物に0.355質量部の成分d-1を加えて硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物とした。成分a-1中のアルケニル基に対する成分c-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は32.1、白金金属の固形分に対する含量は質量単位で22ppmであった。
(実施例7)
 30.7質量部の成分a-1、15.1質量部の成分b-1、82.2質量部の成分b-3、38.7質量部のトルエン、0.598質量部の成分c-1、0.577質量部の成分e-1を室温でよく混合し、この混合物に0.355質量部の成分d-1を加えて硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物とした。成分a-1中のアルケニル基に対する成分c-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は29.6、白金金属の固形分に対する含量は質量単位で22ppmであった。
(比較例1)
 49.0質量部の成分a-1、72.9質量部の成分b-2、44.7質量部のトルエン、1.00質量部の成分c-1、0.600質量部の成分e-1を室温でよく混合し、この混合物に0.577質量部の成分d-2を加えて硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物とした。成分a-1中のアルケニル基に対する成分c-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は31.0、白金金属の固形分に対する含量は質量単位で30ppmであった。
(比較例2)
 45.5質量部の成分a-1、78.0質量部の成分b-2、43.2質量部のトルエン、0.923質量部の成分c-1、0.545質量部の成分e-1を室温でよく混合し、この混合物に0.545質量部の成分d-2を加えて硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物とした。成分a-1中のアルケニル基に対する成分c-1中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は31.0、白金金属の固形分に対する含量は質量単位で28.3ppmであった。
(比較例3)
 36.2質量部の成分a-2、99.6質量部の成分b-1、30.8質量部のトルエン、0.332質量部の成分c-2、0.332質量部の成分e-2を室温でよく混合し、この混合物に0.602質量部の成分d-1を加えて硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物とした。成分a-2中のアルケニル基に対する成分c-2中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は23.0、白金金属の固形分に対する含量は質量単位で40ppmであった。
(比較例4)
 32.3質量部の成分a-3、101質量部の成分b-1、4.01質量部の成分b-3、29.4質量部のトルエン、0.761質量部の成分c-2、0.491質量部の成分e-1を室温でよく混合し、この混合物に0.355質量部の成分d-1を加えて硬化反応性のオルガノポリシロキサン組成物とした。成分a-3中のアルケニル基に対する成分c-2中のSiH基のモル比(SiH/Vi比)は12.8、白金金属の固形分に対する含量は質量単位で22ppmであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 表2に示すように、実施例1~7に係る感圧接着層形成性オルガノポリシロキサン組成物は、その硬化により得られる透明性に優れた感圧接着剤層について、動的粘弾性測定結果から時間-温度変換則を用いてマスターカーブを作成し、それより得られた25℃における損失正接(tanδ)値は、周波数100~300Hzの間で0.9を超える最大値を有し、またPMMAに対する粘着力は500gf/inch以上の高粘着力を示している。このような硬化された感圧接着剤フィルムを、表示装置を構成する部材間に配置することで、好適な性能のディスプレイが設計できることが期待できる。特に、これらの感圧接着剤層を部材間に有する表示装置は、部材間に十分な接着力を持った感圧接着剤層を有するため信頼性と耐久性に優れ、かつ、特にそのハプティック機能の改善が強く期待される。
 これに対して比較例1~4では周波数100~300Hzの間の全周波数領域において、損失正接の値は0.9に至っていない。このような比較例に係る組成物の硬化により得られる感圧接着剤層は、損失正接値が低いため、特にそのハプティック機能が求められる表示装置において好適な性能を実現できないことが強く懸念される。
 本発明の表示装置は、部材間に特定の粘弾特性と粘着力を兼ね備えた感圧接着剤層を有するので、ディスプレイパネルとハプティック一体型タッチスクリーンおよびガラス等の透明部材からなる保護カバーを積層してなる構造を有するハプティック一体型タッチスクリーンとして好適である。

Claims (11)

  1.  以下の特徴i)および特徴ii)を有する感圧接着剤層を、部材間に有する表示装置。
    特徴i):25℃、100~300Hzの周波数f(Hz)における損失正接tanδ(f)の最大値が0.9以上である。
    特徴ii):当該感圧接着剤層の厚みが50μmのとき、厚み2mmのポリメチルメタクリレートシートに対する、JIS Z 0237に従う180°引き剥がし試験方法を用いて引張速度300mm/minにより測定される粘着力が500gf/inch以上である。
  2.  前記の特徴i)について、25℃、100~300Hzの周波数f(Hz)における少なくとも一つの連続した周波数領域において、損失正接tanδ(f)が0.9以上である、請求項1に記載の表示装置。
  3.  前記の特徴i)について、25℃、100~300Hzの周波数f(Hz)における損失正接tanδ(f)の最大値が0.9以上であり、かつ、前記周波数の範囲内における損失正接tanδ(f)が0.70以下にはならない、請求項1に記載の表示装置。
  4.  前記の特徴i)について、25℃、100~300Hzの周波数f(Hz)における損失正接tanδ(f)の最大値が1.0以上であり、かつ、
    前記の特徴ii)について、粘着力が600~4000gf/inchの範囲内である、請求項1に記載の表示装置。
  5.  感圧接着剤層が、
    (A)分子内に平均して1を超える数のアルケニル基を有する鎖状オルガノポリシロキサン、
    (B)分子内の全ケイ素原子に対する水酸基および加水分解性基の含有量の和が9モル%以下であるオルガノポリシロキサンレジン、
    (C)分子内に少なくとも2個のSi-H結合を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (D)有効量のヒドロシリル化反応触媒
    を含有する感圧接着剤層形成性オルガノポリシロキサン組成物の硬化物により形成されている、請求項1に記載の表示装置。
  6. (A)成分の少なくとも一部が、25℃において100,000mPa・s以上の粘度を有するか、JIS K6249に規定される方法に準じて測定された可塑度が50~200の範囲にある生ゴム状のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンであり、そのアルケニル基中のビニル(CH=CH)部分の含有量が0.005~0.400質量%の範囲内にある鎖状オルガノポリシロキサンであり、
    (B)成分が、RSiO1/2単位(式中、Rは一価有機基であり、Rの90モル%以上が炭素数1~6のアルキル基またはフェニル基である;M単位)及びSiO4/2単位(Q単位)から実質的になるオルガノポリシロキサンレジンまたはその混合物であり、
    (C)成分の量が、上記の(A)成分中および(B)成分中のアルケニル基の物質量の和に対する(c)成分中のSiH基の物質量の比(モル比)が0.1~100の範囲内となる量であり、
    (D)成分の量が、組成物中の固形分中の白金系金属の含有量が0.1~200ppmの範囲内となる量である、請求項5に記載の表示装置。
  7.  感圧接着剤層が、さらに、以下の特徴iii)を有する、請求項1に記載の表示装置。
    特徴iii):厚み100μmの感圧接着層の波長450nmの光の透過率が、空気の光透過率を100%とした場合に、80%以上である。
  8.  タッチパネル付き表示装置である、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の表示装置。
  9.  ハプティック機能付き表示装置である、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の表示装置。
  10.  表示面への接触を認識する機能、接触に対する触覚的フィードバックまたは通知を行うハプティック機能を備えたハプティック表示装置である、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の表示装置。
  11.  以下の特徴i)および特徴ii)を有する感圧接着剤層を、装置のハプティック機能を実現乃至改善する目的で表示装置を構成する部材間に配置する、表示装置の設計方法。
    特徴i):25℃、100~300Hzの周波数f(Hz)における損失正接tanδ(f)の最大値が0.9以上である。
    特徴ii):当該感圧接着剤層の厚みが50μmのとき、厚み2mmのポリメチルメタクリレートシートに対する、JIS Z 0237に従う180°引き剥がし試験方法を用いて引張速度300mm/minにより測定される粘着力が500gf/inch以上である。
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