WO2022255006A1 - 車両統合制御装置及び車両統合制御方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アクチュエータ制限下であっても、乗員の乗り心地を改善し、動揺病の発症を防止する車両統合制御装置を提供する。本発明の車両統合制御装置は、車両の運転タスクに関わる制御軸の目標運動量を取得し、少なくとも1つの運動パラメータである第一運動パラメータを生成する第一目標値生成部と、第一運動パラメータに基づいて、第一運動パラメータとは異なる第二運動パラメータを、感性指標を最適化するように生成する第二目標値生成部と、第一運動パラメータ及びアクチュエータの動作範囲に基づいて、第二運動パラメータの運動制限量を生成する制限生成部と、運動制限量に基づいて、第二運動パラメータを補正する最終目標生成部と、第一運動パラメータ及び最終目標生成部によって補正された第二運動パラメータに基づいて、アクチュエータの操作量を決定する操作量割付部と、を有することを特徴とする。

Description

車両統合制御装置及び車両統合制御方法
 本発明は、乗員の乗り心地を改善し、動揺病の発症を防止するように、車両の姿勢を制御する、車両統合制御装置及び車両統合制御方法に関する。
 車両の姿勢を制御する車両統合制御装置としては、例えば、特開2018-47760号公報(特許文献1)がある。
 特許文献1には、姿勢制御の自由度の数より大きい数の姿勢制御デバイスが設置された車両の姿勢を制御する車両姿勢制御装置(車両統合制御装置)において、目標値演算部は、車両の状態に基づいて自由度の数の目標運動状態量を演算し、制御力演算部は、姿勢制御デバイスを駆動するための制御力ベクトルの2乗ノルムが最小になり、且つ、目標運動状態量を実現するよう、制御力ベクトルを演算することが記載されている(特許文献1の要約参照)。
 また、特許文献1には、目標値演算部は、演算した目標上下力Fz、目標ロールモーメントMx、目標ピッチモーメントMy、目標ヨーモーメントMz及び目標前後力Fxを制御力演算部に出力することが記載されている(特許文献0027参照)。
特開2018-47760号公報
 特許文献1には、姿勢制御の自由度の数より大きい数の姿勢制御デバイスが設置された車両の姿勢を制御する車両統合制御装置が記載されている。
 しかし、特許文献1には、車両の姿勢を制御する際、姿勢制御デバイス(アクチュエータ)の動作範囲に関しては、記載されていない。
 このため、特許文献1に記載される車両統合制御装置では、目標値演算部が演算する、目標上下力Fx、目標前後力Fz、目標ロールモーメントMx、目標ピッチモーメントMy、目標ヨーモーメントMzが、実際に発生可能であるとは限らず、アクチュエータ制限によって結果的に発生した車両の姿勢が、乗員の乗り心地を損ね、動揺病の発症につながる可能性もある。
 そこで、本発明は、アクチュエータ制限が存在する環境であっても、アクチュエータ制限に基づき目標値を適切に補正し、乗員の乗り心地を改善し、動揺病の発症を防止し、アクチュエータを統合制御し、車両の姿勢を制御する車両統合制御装置及び車両統合制御方法を提供する。
 上記した課題を解決するため、本発明の車両統合制御装置及び車両統合制御方法は、複数のアクチュエータが設置された車両の姿勢を最大3つの制御軸上の移動方向とこの制御軸を中心とする回転方向とによって構成される運動パラメータを制御する。
 そして、本発明の車両統合制御装置は、車両の運転タスクに関わる制御軸の目標運動量を取得し、少なくとも1つの運動パラメータである第一運動パラメータを生成する第一目標値生成部と、第一運動パラメータに基づいて、第一運動パラメータとは異なる第二運動パラメータを、感性指標を最適化するように生成する第二目標値生成部と、第一運動パラメータ及びアクチュエータの動作範囲に基づいて、第二運動パラメータの運動制限量を生成する制限生成部と、運動制限量に基づいて、第二運動パラメータを補正する最終目標生成部と、第一運動パラメータ及び最終目標生成部によって補正された第二運動パラメータに基づいて、アクチュエータの操作量を生成する操作量割付部と、を有することを特徴とする。
 そして、本発明の車両統合制御方法は、第一目標値生成部で、車両の運転タスクに関わる制御軸の目標運動量を取得し、少なくとも1つの運動パラメータである第一運動パラメータを生成し、第二目標値生成部で、第一運動パラメータに基づいて、第一運動パラメータとは異なる第二運動パラメータを、感性指標を最適化するように生成し、制限生成部で、第一運動パラメータ及びアクチュエータの動作範囲に基づいて、第二運動パラメータの運動制限量を生成し、最終目標生成部で、運動制限量に基づいて、第二運動パラメータを補正し、操作量割付部で、第一運動パラメータ及び最終目標生成部によって補正された第二運動パラメータに基づいて、アクチュエータの操作量を生成する、ことを特徴とする。
 本発明によれば、アクチュエータ制限が存在する環境であっても、アクチュエータ制限に基づき目標値を適切に補正し、乗員の乗り心地を改善し、動揺病の発症を防止し、アクチュエータを統合制御し、車両の姿勢を制御する車両統合制御装置及び車両統合制御方法を提供することができる。
 なお、上記した以外の課題、構成及び効果については、下記する実施例の説明によって、明らかにされる。
実施例1に記載する車両1の全体構成を説明する平面図である。 実施例1に記載する車両統合制御装置2の入出力信号を説明する概略図である。 実施例1に記載する車両統合制御装置2の機能ブロックを説明する説明図である。 動揺病発症率の演算方法を説明する説明図である。 動揺病の発症につながるメカニズムを説明する説明図である。 動揺病の発症を防止するメカニズムを説明する説明図である。 実施例1における左カーブに進入する車両1を説明する平面図である。 車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角の挙動を説明する説明図である。 車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角の時間波形を説明する説明図である。 車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角の時間波形を説明するイメージ図である。 車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角振幅と曲線通過後のMSIとの関係を説明する説明図である。 車両1のアクチュエータ制限に基づくロールレイトの時間波形を説明する説明図である。 実施例1に記載する車両統合制御装置2によるロール角制御の時間波形を説明する説明図である。 実施例1に記載する車両統合制御装置2によるロールレイト制御の時間波形を説明する説明図である。 実施例1に記載する車両統合制御装置2による操作量割付の時間波形を説明する説明図である。 実施例1に記載する車両統合制御装置2によるモータ駆動力による車両1の姿勢制御を説明する説明図である。 曲率が小さい道路形状によるロール角の挙動変化を説明する説明図である。 曲率が大きい道路形状によるロール角の挙動変化を説明する説明図である。
 以下、図面を使用し、本発明の実施例を説明する。なお、各図面において、実質的に同一又は類似の構成には、同一の符号を使用し、その構成を説明し、説明が重複する場合には、重複する説明を省略する場合がある。
 先ず、実施例1に記載する車両1の全体構成を説明する。
 図1は、実施例1に記載する車両1の全体構成を説明する平面図である。
 車両1は、車両統合制御装置2、外部制御装置3、コンバインセンサ4、車輪11、モータ12、ブレーキ機構13、ステアリング機構14、サスペンション15、アクセルペダル16、ブレーキペダル17、ハンドル18を有する。
 なお、図1中、符号に添えたFLは左前、FRは右前、RLは左後、RRは右後に対応する構成を示す符号であり、例えば、車輪11では、11FL、11FR、11RL、11RRは、それぞれ左前輪、右前輪、左後輪、右後輪を示す。また、図1中、符号に添えたFは前側、Rは後側に対応する構成を示す符号であり、例えば、14、14は、それぞれ前側ステアリング機構、後側ステアリング機構を示す。
 以下、車両1の前後方向をx軸(前方向を正)、左右方向をy軸(左方向を正)、上下方向をz軸(上方向を正)と定義し、各構成を説明する。
 車両統合制御装置2は、運転者の操作(操作指令)、外部制御装置3からの外部指令、及び、コンバインセンサ4の検出信号(前後、左右、上下の各加速度、及び、ロール、ピッチ、ヨーの各レート、の合計6自由度の制御軸に関する検出信号)に応じて、モータ12、ブレーキ機構13、ステアリング機構14、サスペンション15などの各アクチュエータを統合制御する制御装置である。
 車両統合制御装置2は、具体的には、CPUなどの演算装置、半導体メモリなどの主記憶装置、補助記憶装置、及び、通信装置などのハードウェアを有するECU(Electronic Control Unit)である。
 そして、車両統合制御装置2は、補助記憶装置から主記憶装置にロードしたプログラムを演算装置が実行することによって、後述する各機能を実現する。なお、以下では、このような周知技術を適宜省略しながら説明する。
 外部制御装置3は、車両統合制御装置2を介して、運転支援制御や自動運転制御を実行する上位コントローラであり、図示しない各種の外界センサ(カメラ、レーダ、LiDARなど)が取得した外界情報に基づいて、先行車に追従するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)を実現するための速度指令値や加速指令値、又は、車線内走行を維持するレーン・キープ・コントロール(LKC)を実現するためのヨー指令値などを演算し、それらを外部指令として車両統合制御装置2に出力する。
 なお、図1では、車両統合制御装置2と外部制御装置3とを別体として示しているが、両者を一つのECUで実現してもよい。
 ≪車両1の駆動系≫
 ここで、車両1の駆動系を説明する。
 車両1は、駆動系の要部として、各々の車輪11に駆動力を与えるトルク発生装置を搭載している。このトルク発生装置の一つ例は、デファレンシャルギアとドライブシャフトとを介して、左右一対の車輪11に駆動力を伝達するエンジンやモータである。
 トルク発生装置の他の例は、各々の車輪11を独立駆動させるインホイールモータ式のモータ12である。以下では、インホイールモータ式のモータ12を各々の車輪11に搭載した、図1に示す車両1を前提に実施例を説明する。
 運転者が車両1を前進(又は、後退)させたい場合、運転者はシフトレバーを所望の設定にしてから、アクセルペダル16を操作する。このとき、ストロークセンサ16aは、アクセルペダル16の踏み込み量を検出し、加速制御装置16bは、踏み込み量を変換したアクセル指令を車両統合制御装置2に出力する。
 車両統合制御装置2は、入力されたアクセル指令に応じた電力を、図示しないバッテリから各車輪のモータ12に供給し、各々のモータトルクを制御する。この結果、アクセルペダル16の操作に応じて、車両1を加減速させることができる。
 また、外部制御装置3からの外部指令に応じて運転支援や自動運転を実施する場合、車両統合制御装置2は、入力された外部指令に応じて所望の電力を各車輪のモータ12に供給することによって、各々のモータトルクを制御する。この結果、車両1が加減速され、所望の運転支援や自動運転が実行される。
 ≪車両1の制動系≫
 次に、車両1の制動系を説明する。
 車両1は、制動系の要部として、各々の車輪11に制動力を与えるホイルシリンダ13aを搭載している。このホイルシリンダ13aは、例えば、シリンダ、ピストン、パッド、ディスクロータなどから構成されている。
 このホイルシリンダ13aでは、マスタシリンダから供給された作動液によってピストンが推進され、ピストンに連結されたパッドが車輪11と共に回転しているディスクロータに押圧されることによって、ディスクロータに作用したブレーキトルクが、車輪11と路面との間に作用する制動力となる。
 運転者が車両1を制動させたい場合、運転者はブレーキペダル17を操作する。このとき、運転者がブレーキペダル17を踏む踏力は、図示しないブレーキブースタで増加され、マスタシリンダによって、その踏力に略比例した油圧を発生させる。
 発生した油圧は、ブレーキ機構13を介して、各車輪のホイルシリンダ13aFL、13aFR、13aRL、13aRRに供給される。このため、運転者のブレーキペダル操作に応じて、各車輪のホイルシリンダ13aのピストンがディスクロータに押圧され、各車輪に制動力を発生させる。
 なお、車両統合制御装置2を搭載した車両1では、ブレーキブースタやマスタシリンダを省略してもよく、この場合は、ブレーキペダル17とブレーキ機構13とを直結させ、運転者がブレーキペダル17を踏めば、ブレーキ機構13が直接動作する。
 また、外部制御装置3からの外部指令に応じて運転支援や自動運転を実施する場合、車両統合制御装置2は、入力された外部指令に応じ、制動制御装置13bを介して、ブレーキ機構13と各車輪のホイルシリンダ13aを制御する。この結果、車両1が制動され、所望の運転支援や自動運転が実行される。なお、制動制御装置13bは、運転者によるブレーキペダル17の操作量をブレーキ指令に変換し、車両統合制御装置2に外部指令として出力する機能も担っている。
 ≪車両1の操舵系≫
 次に、車両1の操舵系を説明する。
 車両1は、操舵系の要部として、各々の車輪11に操舵力を与えるステアリング機構14を搭載している。図1では、前輪11(左前輪11FL、右前輪11FR)を操舵する前側のステアリング機構14と、後輪11(左後輪11RL、右後輪11RR)を操舵する後側のステアリング機構14と、を示しているが、前後にステアリング機構14を有する必要は無く、例えば、後側のステアリング機構14を省略してもよい。
 運転者が車両1を操舵したい場合、運転者はハンドル18を操作する。このとき、運転者がハンドル18を介して入力した「操舵トルク」と「操舵角」とは、操舵トルク検出装置18aと操舵角検出装置18bで検出される。
 前側の操舵制御装置14aは、検出された操舵トルクと操舵角とに基づいて、前側の操舵用モータ14bを制御して、前輪11を操舵するためのアシストトルクを発生させる。同様に、後側の操舵制御装置14aは、検出された操舵トルクと操舵角とに基づいて、後側の操舵用モータ14bを制御して、後輪11を操舵するためのアシストトルクを発生させる。
 また、外部制御装置3からの外部指令に応じて運転支援や自動運転を実施する場合、車両統合制御装置2は、操舵制御装置14aを介して、操舵用モータ14bの操舵トルクを制御する。この結果、車両1が制動され、所望の運転支援や自動運転が実行される。その場合、ハンドル18を省略してもよい。
 ≪車両1の懸架系≫
 次に、車両1の懸架系を説明する。
 車両1は、懸架系の要部として、各々の車輪11に発生する振動や衝撃を吸収し、車体の安定性、乗り心地などをよくするための、サスペンション15を搭載している。このサスペンション15は、例えば、粘性を変更可能なダンパとコイルスプリングとを組み合わせたセミアクティブサスペンションや、長さを調節可能な調節アクチュエータとダンパとコイルスプリングとを組み合わせ、車体と車輪11との相対距離を任意に変更できるフルアクティブサスペンションである。
 車両統合制御装置2は、セミアクティブサスペンションの粘性や、フルアクティブサスペンションの長さを制御することによって、車体の安定性、乗り心地などを改善するだけでなく、環境に応じて車両1の姿勢を適切に制御する。
 次に、実施例1に記載する車両統合制御装置2の入出力信号を説明する。
 図2は、実施例1に記載する車両統合制御装置2の入出力信号を説明する概略図である。
 車両統合制御装置2には、運転者がアクセルペダル16、ブレーキペダル17、ハンドル18などを操作することによって生成された、アクセル指令、ブレーキ指令、操舵トルク、操舵角などが、外部指令として入力される。
 また、車両統合制御装置2には、運転支援制御中や自動運転制御中に、外部制御装置3が生成した、前後指令値、左右指令値、上下指令値、ロール指令値、ピッチ指令値、ヨー指令値の、合計6自由度の外部指令が入力される。
 さらに、車両統合制御装置2には、コンバインセンサ4から、前後、左右、上下の各加速度、及び、ロール、ピッチ、ヨーの各レートの各検出値(検出信号)が入力される。
 そして、車両統合制御装置2は、外部指令及び検出値(検出信号)に基づいて、モータ12(12FL~12RR)、ブレーキ機構13(ホイルシリンダ13aFL~13aRR)、ステアリング機構14(操舵用モータ14b、14b)、サスペンション15(15FL~15RR)の各々の操作量を適切に配分して、駆動、制動、操舵、懸架の各制御を実行し、姿勢制御を含む、所望の車両制御を実現する。
 また、以下、モータ12、ブレーキ機構13、ステアリング機構14、サスペンション15を総称して、「アクチュエータ」と称する場合がある。
 なお、図1に示す車両1は、手動運転に対応するものであるため、図2では運転者に起因する外部指令も記載しているが、実施例1は、完全自動運転や遠隔操作運転にのみ対応した車両1にも適応でき、その場合は、運転者起因の外部指令を省略した構成とすればよい。
 次に、実施例1に記載する車両統合制御装置2の機能ブロックを説明する。
 図3は、実施例1に記載する車両統合制御装置2の機能ブロックを説明する説明図である。
 図2では、運転者に起因する3種の外部指令が入力され、また、外部制御装置3からの6種の外部指令が入力される車両統合制御装置2を示したが、外部制御装置3の仕様次第では、何れかの外部指令が入力されない可能性もある。
 そこで、図3では、入力可能な外部制御装置3からの外部指令のうち、何れかの外部指令が欠落している状況を示し、実施例1に記載する車両統合制御装置2を説明する。
 なお、以下では、外部制御装置3から入力可能な6種の外部指令(前後指令値、左右指令値、上下指令値、ロール指令値、ピッチ指令値、ヨー指令値)のうち、任意の3種の指令値を、第一指令値、第二指令値、第三指令値と称する。
 実施例1に記載する車両統合制御装置2は、入力された外部指令の種類が不足する場合であっても、モータ12、ブレーキ機構13、ステアリング機構14、サスペンション15などのアクチュエータ各々の操作量の制限であるアクチュエータ制限の範囲内で、運転者の操作感や乗員の乗り心地を損なわない姿勢制御を実現できるように、入力されなかった外部指令を代替する内部指令を生成し、この内部指令を考慮して、モータ12、ブレーキ機構13、ステアリング機構14、サスペンション15などの操作量を適切に配分する。
 このような制御を実現するため、車両統合制御装置2は、目標値1生成部21、目標値2生成部22、制限生成部23、最終目標生成部24、操作量割付部25を有する。
 目標値1生成部21は、外部制御装置3から外部指令(運転タスクに基づく制御目標)を取得して目標値1を生成し、目標値2生成部22、制限生成部23及び操作量割付部25に出力する。
 なお、運転者に起因する3種の外部指令(アクセル指令、ブレーキ指令、操舵トルク・操舵角)が入力された場合は、目標値1生成部21は、それらの外部指令を、外部制御装置3からの外部指令と同種の、前後指令値、左右指令値、ヨー指令値に変換して、目標値1として出力する。
 目標値2生成部22は、入力された種類の目標値1に基づいて、入力されなかった種類の外部指令と同種の、又は、代替使用可能な内部指令である目標値2を生成し、最終目標生成部24に出力する。
 ここで、目標値2生成部22は、乗員の乗り心地を考慮した車両運動の目標値を生成する役割を担っており、乗員の乗り心地を評価する感性指標を最適化するような(例えば、動揺病発症率を最小化するように)目標値2を生成する。
 また、目標値2生成部22は、目標値1に基づいて、乗員に発生する慣性加速度(前後方向及び/又は左右方向の慣性加速度)を小さくするように、目標値2を生成する。
 制限生成部23は、入力された種類の目標値1と、車両1に搭載された各アクチュエータの動作範囲(アクチュエータ制限)に基づいて、目標値2生成部22によって生成される目標値2の制限値を生成し、最終目標生成部24に出力する。
 例えば、目標値1生成部21において、目標値1として、前後加速度、左右加速度、ヨーレイトが生成された場合、目標値2生成部22において、目標値2として、残りの上下加速度、ロール角、ピッチ角が生成される可能性が高い。この際、制限生成部23では、上下加速度、ロール角、ピッチ角の少なくとも1つについて、目標値1に基づき発生する各アクチュエータの動作範囲(アクチュエータ制限)を生成する。
 また、制限生成部23は、目標値2の制限値として、ロール角又はピッチ角の上限又は下限を生成する。
 最終目標生成部24は、目標値2生成部22から出力された目標値2と、制限生成部23で生成されたアクチュエータ制限と、に基づいて、目標値2を補正し、最終的な車両運動の目標値である最終目標値を生成し、操作量割付部25に出力する。
 操作量割付部25は、入力された種類の目標値1(外部制御装置3から取得された外部指令)と、最終目標生成部24で生成された最終目標値(最終目標生成部24によって補正された目標値2)と、に基づいて、モータ12、ブレーキ機構13、ステアリング機構14、サスペンション15などの操作量の配分を適切に制御する。
 これにより、外部制御装置3から入力されなかった種類の外部指令に対応する車両運動に関しても、運転者の操作感や乗員の乗り心地を改善するような姿勢制御(アクチュエータ制御)を実現することができる。
 このように、実施例1に記載する車両統合制御装置2及び車両統合制御方法は、複数のアクチュエータが設置された車両1の姿勢を最大3つの制御軸上の移動方向(前後・左右・上下)と、この制御軸を中心とする回転方向(ロール・ピッチ・ヨー)とによって構成される運動パラメータを制御するものであり、アクチュエータの動作範囲を考慮して、車両運動の目標値を生成(決定)するものである。
 そして、車両統合制御装置2は、
・車両1の運転タスク(車両運動)に関わる制御軸の目標運動量(外部指令)を取得し、少なくとも1つの運動パラメータである第一運動パラメータ(目標値1)を生成する目標値1生成部(第一目標値生成部)21と、
・第一運動パラメータに基づいて、第一運動パラメータとは異なる第二運動パラメータ(目標値2)を、感性指標を最適化するように生成する目標値2生成部(第二目標値生成部)22と、
・第一運動パラメータ及びアクチュエータの動作範囲に基づいて、第二運動パラメータの運動制限量(目標値2の制限値)を生成する制限生成部23と、
・運動制限量に基づいて、第二運動パラメータを補正する最終目標生成部24と、
・第一運動パラメータ及び最終目標生成部24により補正された第二運動パラメータに基づいて、アクチュエータの操作量を生成する操作量割付部25と、
を有する。
 そして、車両統合制御方法は、
・目標値1生成部(第一目標値生成部)21において、車両1の運転タスク(車両運動)に関わる制御軸の目標運動量(外部指令)を取得し、少なくとも1つの運動パラメータである第一運動パラメータ(目標値1)を生成する工程と、
・目標値2生成部(第二目標値生成部)22において、第一運動パラメータに基づいて、第一運動パラメータとは異なる第二運動パラメータ(目標値2)を、感性指標を最適化するように生成する工程と、
・制限生成部23において、第一運動パラメータ及びアクチュエータの動作範囲に基づいて、第二運動パラメータの運動制限量(目標値2の制限値)を生成する工程と、
・最終目標生成部24において、運動制限量に基づいて、第二運動パラメータを補正する工程と、
・操作量割付部25において、第一運動パラメータ及び最終目標生成部24により補正された第二運動パラメータに基づいて、アクチュエータの操作量を生成する工程と、
を有する。
 このように、実施例1に記載する車両統合制御装置2及び車両統合制御方法によれば、アクチュエータ制限が存在する環境であっても、アクチュエータ制限に基づき車両運動の目標値を適切に補正し、乗員の乗り心地を改善し、動揺病の発症を防止する(感性指標を最適化する)ように、アクチュエータを統合制御することができる。
 次に、動揺病発症率の演算方法を説明する。
 図4は、動揺病発症率の演算方法を説明する説明図である。
 ここで、乗員の乗り心地を評価する感性指標の一つの例として、動揺病(いわゆる「車酔い」)の発症率である動揺病発症率(MSI)について説明する。
 動揺病発症率(MSI)は、例えば、図4に示すような演算方法によって、演算することができる。つまり、3軸頭部加速度+重力加速度と3軸頭部角速度と3軸頭部加速度とに基づいて、MSIを演算することができる。なお、図4中の「頭部加速度」と「頭部角速度」は、車両1の運転中に乗員の頭部が受ける加速度と角速度とである。
 MSIは、小さいほど、乗員が動揺病を発症しにくく、乗り心地が良いとされる指標であるため、目標値2生成部22では、MSIが小さくなるような内部指令を生成する。
 なお、目標値2生成部22は、感性指標と内部指令との対応関係を学習済みであり、乗員の頭部加速度や頭部角速度をリアルタイムで測定することなく、MSIを改善する内部指令(目標値2)を生成することができる。
 また、感性指標の他の例としては、MSDV(Motion Sickness Dose Value:乗り物酔い曝露量)がある。これは、人体に発生した加速度の中で、特に、動揺病を発症しやすいとされる特定の周波数成分を抜き出した値であり、この値が高いほど、動揺病を発症しやすい。従って、この感性指標に着目する場合は、目標値2生成部22は、その特定の周波数成分を発生させないように、前後・左右・上下の加速度を制御する内部指令を生成する。
 また、感性指標の他の例としては、操舵角に対する時定数がある。これは、操舵角の変化に対して、左右加速度、ロール、ヨーの各レートの応答時間(遅れ時間)を時定数と定義したものであり、この3つの運動量(左右加速度、ロール、ヨー)に関する時定数の差が小さい(3つの運動量が同じような値である)ことが、運転しやすく、結果として乗員にとっての乗り心地の良い車となる。従って、この感性指標に着目する場合は、目標値2生成部22は、この「時定数の差」を指標として、この指標を小さくするように、左右加速度・ロール・ヨーを制御する内部指令を生成する。
 また、感性指標の他の例としては、生体信号(例えば、発汗・心拍)がある。乗員が動揺病を発症した場合、心拍数の増加、掌部や額部の発汗が見られる。従って、この感性指標に着目する場合は、目標値2生成部22は、この生体信号が改善するように、6軸の運動量を制御する内部指令を生成する。
 次に、動揺病の発症につながるメカニズム、及び、動揺病の発症を防止するメカニズムを説明する。
 図5は、動揺病の発症につながるメカニズムを説明する説明図であり、図6は、動揺病の発症を防止するメカニズムを説明する説明図である。
 図5及び図6を使用し、車両1に発生する慣性加速度53とMSIとの関係について説明する。
 図5の左図(a)では、車両1が前面に向かって進行し、進行方向右側に旋回している様子を示す。この時、車両1に対しては、旋回外側(本紙面では左側方向)に慣性加速度53が発生する。従来の(本発明が使用されていない)車両1では、旋回時に、旋回外側方向にロール角51が発生する。同時に、乗車中の乗員の頭部には、常に、地面に対して鉛直下向き方向に重力加速度52が、旋回外側方向に慣性加速度53が発生する。
 図5の右図(b)では、乗員の頭部に発生する慣性加速度53を抽出して描画する。この時、ロール角51により、乗員が予想する重力加速度52’は、車両1に対して下向き方向(本紙面では下向き右側方向)となる。一方、乗員の頭部には、本来の重力加速度52と旋回により発生した慣性加速度53との合成加速度54(本紙面では下向き左側方向)が発生する。MSIは、乗員が予想する重力加速度52’と合成加速度54との(乗員が予想する重力加速度52’のベクトルと合成加速度54のベクトルとのなす角度)して演算される。
 図6の左側(a)では、図5と同様に、車両1が前面に向かって進行し、進行方向右側に旋回している様子を示す。この特、車両1に対しては、旋回外側(本紙面では左側方向)に慣性加速度53が発生する。本発明が使用されている車両1では、旋回時に、旋回内側方向にロール角51が発生する。同時に、乗車中の乗員の頭部には、常に、地面に対して鉛直下向き方向に重力加速度52が、旋回外側方向に慣性加速度53が発生する。
 図6の右図(b)では、図5と同様に、乗員の頭部に発生する慣性加速度53を抽出して描画する。この時、ロール角51により、乗員が予想する重力加速度52’は、車両1に対して下向き方向(本紙面では下向き左側方向)となる。一方、乗員の頭部には、本来の重力加速度52と旋回により発生した管制加速度53との合成加速度54(本紙面では下向き左側方向)が発生する。MSIは、乗員が予想する重力加速度52’と合成加速度54との偏差550して演算される。
 そして、乗員が予想する重力加速度52’と合成加速度54との偏差550が大きいほど、乗員が動揺病を発症しやすい。図5の場合と図6の場合とを比較すると、図5の場合ではロール角51が旋回外側方向に発生しているが、図6の場合ではロール角51が旋回内側方向に発生している。
 これにより、図5の場合に比較して図6の場合は、乗員が予想する重力加速度52’と合成加速度54との偏差550小さくなっている。つまり、図5の場合に比較して図6の場合は、乗員の動揺病の発症を低減する。本発明は、こうした原理を使用するものであり、図6のように、車両を姿勢制御することにより、偏差550小さくし、乗員の動揺病の発症を低減する。
 つまり、目標値2生成部22のよって、左右方向に発生する慣性加速度53と重力加速度52との合成加速度54が、車両1に対する鉛直下向き方向となり、合成加速度54と乗員が予想する重力加速度52’との偏差550が小さくなるようにロール角を制御することによって、MSIは最小になる。
 このように、乗員が予想する重力加速度52’の方向が、合成加速度54の方向に一致することが、最もMSIを低減する。このようなロール角51をθとする場合、重力加速度52:G、旋回により発生する横方向の慣性加速度53:Ayとすると、θは、数式1となる。
  〔数式1〕  θ=arctan(Ay/G)
 ここで、慣性加速度53:Ayは、車両1の進行方向に対して、左方向に発生した場合、つまり、車両1が右方向に旋回した場合を正と定義し、この時に演算されるロール角51も正(進行方向に対して反時計回り)、つまり、旋回内側(右側)方向へのロールとなる。
 次に、実施例1における左カーブに進入する車両1を説明する。
 図7は、実施例1における左カーブに進入する車両1を説明する平面図である。
 ここで説明する道路形状は左カーブであり、車両1がこの左カーブの形状の道路に進入する。ここで実行される運転動作は左旋回である。
 ここに示す道路は、曲率0(直線)の第一区間(~A)と、曲率が徐々に大きくなる(曲率単調増加:左右加速度増加)第二区間(A~B)と、曲率が一定(定常旋回)の第三区間(B~C)と、曲率が徐々に小さくなる(曲率単調減少:左右加速度減少)第四区間(C~D)と、曲率0(直線)の第五区間(D~)と、に分割されている。
 次に、車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角の挙動を説明する。
 図8は、車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角の挙動を説明する説明図であり、図7に示す第三区間で発生するロール角51におけるアクチュエータ制限について示す。
 そして、図8に示す車両1は、いずれも前面に向かって進行し、図7に示した道路形状の通りに、進行方向右側に旋回している様子を示す。
 図8(a)は、従来の車両1の姿勢を示す。図5でも述べた通り、従来の車両1は旋回外側方向にロール角51(a)が発生する。
 図8(b)は、本発明が使用されている車両1の姿勢を示す。図6でも述べた通り、本発明が使用されている車両1は旋回内側方向にロール角51(b)が発生する。但し、このロール角51(b)は、目標値2生成部22が生成する目標値2であり、最終目標生成部24によって補正されていない目標値2である。
 図8(c)は、本発明が使用され、補正された目標値2が使用さている車両1の姿勢を示す。
 実際に発生するロール角51(c)は、ロール角51(b)の変化を実現するアクチュエータの動作範囲、例えば、モータ12のトルク上限やサスペンション15の推力上限によって、ロール角51(b)の変化を実現する、ロール方向のモーメントに、上限があり、ロール角51(b)よりも旋回外側に振れたロール角51(c)のように生成される。
 これは、制限生成部23によって、アクチュエータの動作範囲に基づいて、目標値2生成部22によって生成される目標値2の制限値を生成し、最終目標生成部24によって、目標値2を、制限生成部23で生成されたアクチュエータ制限(目標値2の制限値)に基づいて目標値2を補正することにより、生成する。
 なお、ロール方向のモーメントが大きいほど、ロール角51が、ロール角51(a)を基準にして旋回内側に大きく変化する。これにより、ロール角51の上限も、ロール角51(a)からの変化幅の上限として現れる。
 次に、車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角の時間波形を説明する。
 図9は、車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角の時間波形を説明する説明図であり、ロール角51における制限生成部23によって生成されるアクチュエータ制限について示す。つまり、図9は、ロール角51の上限が、ロール角51(a)からの変化幅の上限として現れる場合における、時間波形(時間変化)を示す。
 図9は、図7に示した道路形状を、車両1が走行する場合に発生するロール角51の変化の時間波形を示し、横軸は時間、縦軸はロール角である。
 なお、図9において、ロール角51の時間波形に示した、ロール角51(a)、ロール角51(b)、ロール角51(c)の定義は、図8と同様である。更に、図9では、図7に示した道路形状の5つの区間に該当する時間に、同様の区切り記号(A、B、C、D)を使用する。
 先ず、第一区間から第二区間にさしかかる(A)において、曲率が徐々に大きくなることからロール角51が発生する。この時、ロール角51(a)は正方向、つまり、旋回外側方向に増加する。
 そして、目標値2生成部22では、ロール角51(b)に示す通り、負方向、つまり、旋回内側方向にロールするように、目標値2が生成される。アクチュエータ制限に達しない限りは、制限生成部23によって生成された目標値2の制限値に基づいて、最終目標生成部24によって目標値2が補正された最終目標値(実際に発生するロール角51(c))は、ロール角51(b)と一致する。
 つまり、制限生成部23は、アクチュエータが動作範囲にある(以内の)場合には、目標値1に基づいて発生する目標値2を、目標値2の制限値として、生成する。
 しかし、ロール角51(a)とロール角51(b)との偏差560(アクチュエータ制限)が増加するほど、ロール角51(b)のロール角を実現するために必要なロール方向のモーメントは増加し、その結果、第二区間内のある時点(A’)において、ロール方向のモーメントは飽和する(アクチュエータ制限に達した状態となる)。
 つまり、制限生成部23は、アクチュエータが動作範囲にない(以外の)場合には、目標値1に基づいて発生する目標値2の制限値を生成し、最終目標生成部24は、目標値2の制限値に基づいて、目標値2を補正し、目標値2が補正された最終目標値を生成する。
 また、制限生成部23は、アクチュエータの動作範囲に基づいて、目標値2に対する変化幅の上限を生成(演算)し、この変化幅の上限に基づいて、目標値2の制限値を生成(演算)する。
 そして、その後、ロール角51(b)の通りのロール角51を発生させることができず、実際に発生するロール角51(c)は、ロール角51(a)との偏差560を一定とするような波形となる。
 また、偏差560の大きさによっては、図9に示すように、実際に発生するロール角51(c)が、第三区間(B~C)において、旋回外側(正方向)となる可能性もある。
 そして、その後、第三区間から第四区間にさしかかる(C)から、曲率が小さくなると共に、ロール角51(a)が減少し、実際に発生するロール角51(c)は、目標値2のロール角51(b)に近づき、第四区間内のある時点(C’)において、ロール方向のモーメントが飽和しなくなり(アクチュエータ制限を脱した状態となり)、ロール角51(b)とロール角51(c)とが再び一致する。
 このように、アクチュエータ制限下では、MSIを最小化する目標値2(ロール角51(b))の通りには、発生させることができないことから、アクチュエータ制限下では、結果的に発生するロール角51(c)(実際に発生するロール角51(c))によって、MSIがどのように変化するかを留意する。
 次に、車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角の時間波形を説明する。
 図10Aは、車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角の時間波形を説明するイメージ図であり、図9と同様の道路形状及びアクチュエータ制限下における、ロール角51の振幅を様々に変化させた場合のロール角の時間波形(時間変化)である。
 図10Aでは、図9と同様に、本発明を使用していない通常の車両1は、旋回外側方向にロール角51(a)が発生する。これに対して、MSIを低減するように目標値2(ロール角51(b))が生成されるが、実際には、アクチュエータ制限により、ロール角51(c)のような波形となる。
 そこで、アクチュエータ制限にぎりぎり触れないような、ロール角51(d)を、実際のロール角51として発生させる。また、ロール角51(c)とロール角51(d)との中間として、アクチュエータ制限には触れるが、ロール角51の移動方向の急激な変化を抑圧するロール角51(e)のようなロール角51を発生させる。
 次に、車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角振幅と曲線通過後のMSIとの関係を説明する。
 図10Bは、車両1のアクチュエータ制限に基づくロール角振幅と曲線通過後のMSIとの関係を説明する説明図であり、それぞれのロール角51(a)、ロール角(c)、ロール角(d)、ロール角(e)について、曲線通過後のMSI55の傾向を示す。ここで、横軸はロール角振幅を示し、縦軸は曲線通過後のMSI55を示す。
 なお、ロール角振幅とは、アクチュエータ制限が無いと仮定した場合のロール角のピーク値(図7の第三区間における値)を示す。
 図10Bにおいて、ロール角51(a)のピーク値は正方向に大きく、ロール角51(c)のピーク値は負方向に大きい。同様に、ロール角51(d)は、正方向の小さい値であり、ロール角51(e)は、負方向の小さい値である。
 この時の曲線通過後のMSI55は、ロール角51の振幅(ピーク値)が、旋回内側方向にあるほど小さくなる。つまり、曲線通過後のMSI55は、MSI55(a)>MSI55(d)>MSI55(e)>MSI55(c)となる。
 つまり、MSI55の低減のみを目的とすれば、単純に、アクチュエータ制限が存在しない場合のMSIの最小ロール角(数式1)に基づいて、目標値2を生成し、アクチュエータ制限下で最もロール角が旋回内側に向くように常に制御すればよい。
 一方、ロール角51(c)のような波形は、つまり、MSI55(c)は、図9の時点(A’)で示したように、ロール角51の移動方向が急激に変化することになり、この変化は、乗員にとって、乗り心地を損ねる恐れがある。
 次に、車両1のアクチュエータ制限に基づくロールレイトの時間波形を説明する。
 図11は、車両1のアクチュエータ制限に基づくロールレイトの時間波形を説明する説明図であり、ロール角51(a)、ロール角51(c)、ロール角51(d)、ロール角(e)のそれぞれの時間変化であるロールレイトの波形を示す。
 なお、ロールレイト57(a)(実線)はロール角51(a)の、ロールレイト57(c)(点線)はロール角51(c)の、ロールレイト57(d)(二点鎖線)はロール角51(d)の、ロールレイト57(e)(一点鎖線)はロール角51(e)の、時間微分値をイメージしている。
 このうち、アクチュエータ制限に触れないロールレイト57(a)及びロールレイト57(d)は、ロールレイトの急激な変化は発生しておらず、第二区間においてロールレイトが正となり、第三区間においてロールレイトは0で一定、第四区間においてロールレイトが負となっている。
 ロール角の振幅は、ロール角51(a)>ロール角51(d)であったため、ロールレイトの大きさ(絶対値)も全体的に、ロールレイト57(a)>ロールレイト57(d)となっている。
 一方、ロールレイト57(c)及びロールレイト57(e)は、図10で示した通り、アクチュエータ制限に触れる波形あり、どちらも第二区間においてロールレイトが負に振れた後、ある時点で急に正方向に不連続に変化し、その後、第三区間及び第四区間の途中まで、ロールレイト57(a)やロールレイト57(d)と一致する波形となっている。そして、その後、第四区間の途中でロールレイト57が急激に反対側に変化する波形となっている。
 つまり、ロールレイト57(c)及びロールレイト57(e)の波形は、図11に示す通り、ロールレイト57(c)の変化幅58(c)及びロールレイト57(e)の変化幅58(e)が発生する。また、この変化幅は、変化幅58(c)>変化幅58(e)である。
 このように、この変化幅の大きさが、ロール角51の移動方向の急激な変化の大きさであり、乗り心地を損なう原因となる。
 つまり、MSI低減と乗り心地向上との両立を実現するためには、アクチュエータ制限下で、最もロール角51が旋回内側に向くように常に制御すればよいわけではなく、このロールレイト57の変化幅58が大きくならないよう留意する必要がある。
 次に、図12Aを使用し、最終目標生成部24が最終目標値59を生成する一つの方法を示す。
 図12Aは、実施例1に記載する車両統合制御装置2によるロール角制御の時間波形を説明する説明図であり、図9及び図10と同様に、図7で示した道路形状を走行した際のロール角の変化に対する時間波形である。
 図12Aでは、図9及び図10と同様に、通常の車両1は、旋回外側方向にロール角51(a)(目標値1)が発生する。これに対して、目標値2生成部22では、MSIを低減するように目標値2(ロール角51(b))が、旋回方向へのロール角を指示するように、生成される。同時に、制限生成部23ではアクチュエータ制限(目標値2の制限値)が生成される。
 この場合におけるアクチュエータ制限56は、図9及び図10でも示した通り、ロール角51(a)からの変化幅に上限があるとして、アクチュエータが出力することができるロール角の下限を示す。
 そして、最終目標生成部24では、アクチュエータ制限に触れない範囲(アクチュエータ制限下において実現可能なアクチュエータの動作範囲)でMSIを最小化する目標値3(目標値2の制限値に基づいて、目標値2に定数を除し、アクチュエータの動作範囲以内で生成される目標運動制限量である目標値3)を生成する。更に、目標値2と目標値3との間で最終目標値59を生成する。ただし、最終目標値59は、目標値2又は目標値3に一致する可能性もある。
 次に、図12Bを使用し、最終目標生成部24が最終目標値59を生成する一つの方法を示す。
 図12Bは、実施例1に記載する車両統合制御装置2によるロールレイト制御の時間波形を説明する説明図であり、図12Aで示した最終目標値59の時間変化(ロールレイト)を示す。
 図12Bでは、ロールレイト57の変化幅58が、所定値以内となるように生成する。
 目標値2のロール角をθ2とし、目標値3のロール角をθ3とすると、最終目標値59のロール角θFは、数式2となる。
  〔数式2〕  θF=W*θ2+(1-W)*θ3
 ここで、Wは、0以上1以下の定数であり、重みを示す。Wが1に近いほど目標値2に近づき、Wが0に近いほど目標値3に近づく。
 また、ロールレイト57の変化幅58を小さくしようとするほど、Wは0に近づき、ロールレイト57の変化幅58を大きくしようとするほど、Wは1に近づく。
 これにより、MSIを最小化する観点で生成された目標値2及び目標値3の特徴を生かしつつ、ロールレイト57の変化幅58を所定値以内に収めるように、効果的に目標値2を補正して最終目標値59を生成し、MSI低減と乗り心地向上との両立を実現する。
 このように、実施例1に記載する車両統合制御装置2は、目標値2の制限値に基づいて、目標値2に定数を除し、アクチュエータの動作範囲以内となる目標運動制限量である目標値3(第三運動パラメータ)を生成する目標値3生成部(第三目標値生成部)を有する。
 そして、最終目標生成部24は、目標値2と目標値3とに基づいて、重み付き和によって、最終目標値59を生成する。
 なお、最終目標値59の生成方法はこれに限定されるものではなく、目標値2と目標値3との間で適切に設定することができる。
 次に、実施例1に記載する車両統合制御装置2による操作量割付の時間波形を説明する。
 図13は、実施例1に記載する車両統合制御装置2による操作量割付の時間波形を説明する説明図である。
 図13を使用し、最終目標値59に基づく操作量割付部25の動作を、図7に示した左カーブの走行時に基づいて、説明する。
 図13(a)は、車両1が図7に示した左カーブを走行する際に、外部制御装置3が車両統合制御装置2に出力する、操舵制御に必要な目標値1「ヨー指令値」を示す。
 ここに示すように、曲率0の第一区間(~A)と第五区間(D~)で必要とされるヨー指令値は0である。また、曲率が徐々に大きくなる第二区間(A~B)で必要とされるヨー指令値は単調増加するものであり、曲率が徐々に小さくなる第四区間(C~D)で必要とされるヨー指令値は単調減少するものである。そして、曲率が一定の第三区間(B~C)で必要とされるヨー指令値は一定のものである。
 図13(b)は、図13(a)のヨー指令値に従って、車両1を走行させた場合に、実際に発生する左右加速度である。図13(a)のヨー指令値が、外部制御装置3から事前に入力されている場合は、目標値1生成部21は、実走行に先立ち、図13(b)の左右加速度を目標値1として演算する。
 図13(c)の点線は、実施例1の制御を使用しない場合(従来技術)における、図13(b)の左右加速度により発生すると予測される車両1のロール角51(a)である。
 図7の車両1では、右方向へ傾く場合のロール角51を正と、左方向へ傾く場合のロール角51を負と、定義しているため、図7の左カーブを走行中の車両1には、実施例1の制御を使用しない場合には、右方向に傾くロールが発生する。この場合、図4に示すMSIの演算方法によれば、図13(e)の点線に示すような、大きなMSI55が演算され、MSIが上昇する。
 一方、図13(c)の実線は、実施例1の制御を使用した場合を示し、最終目標生成部24が最終目標値59として生成したロール角51である。
 目標値2生成部22では、図7に示した左カーブを走行中の車両1を、左方向に傾ける制御指令(目標値2)に基づくロール角51(b)を生成する。しかし、ロール角を変化させるアクチュエータの操作量に限界がある。
 このため、図7に示したA地点で旋回を開始した際には、左方向に傾ける方向にロール角51が変位するが、その後、少し時間が経過したA’地点からは、アクチュエータ制限(アクチュエータの操作量の限界より大)に基づいて、目標値2が補正され、ロール角51は、車両1を右方向に傾ける方向に変位し、その後、ロール角51は、B地点まで、右方向に傾ける方向となる。
 この状態はC地点まで続き、C地点からはロール角51は、車両1を左方向に傾ける方向に変位するが、その後、少し時間が経過したC’地点からは、アクチュエータの操作量の限界以下となり、目標値2が補正されず、ロール角51は目標値2となり、そのままD地点に到達する。
 このように、実施例1は従来技術に比較して、ロール角51の正方向の発生が抑制されることから、この場合、図4に示すMSIの演算方法によれば、図13(e)の実線に示すような、相対的に小さなMSI55’が演算され、MSIが低減される。
 図13(d)は、図13(c)の実線で示したロール角51を実現するために、操作量割付部25が各々のモータ12で発生させるモータ駆動力を示したものである。つまり、第二区間から第四区間にかけては、左前と右後とのモータ12FLと12RRとに正方向のモータ駆動力を発生させ、右前と左後とのモータ12FRと12RLとに負方向のモータ駆動力を発生させる。図13(e)の実線に示すような、相対的に小さなMSI55’が演算され、MSIが低減される。
 次に、実施例1に記載する車両統合制御装置2によるモータ駆動力による車両1の姿勢制御を説明する。
 図14は、実施例1に記載する車両統合制御装置2によるモータ駆動力による車両1の姿勢制御を説明する説明図である。
 図13(d)に示すモータ駆動力は、図14左図(a)に示すように、左前輪11FLと右後輪11RRとには、正方向の駆動力が発生し、右前輪11FRと左後輪11RLとには負方向の駆動力が発生する。
 この結果、車両1には、図14右図(b)に示すような、左側ではDOWN方向のサスペンション力が、右側ではUP方向のサスペンション力が発生し、これらのサスペンション力によって、車両1が左方向に傾き、内部指令として生成した図13(c)の最終目標値59に沿った車両1の姿勢制御が実現される。
 ただし、地点Aで第二区間にさしかかった後、地点A’においてモータ駆動力の上限に達し、これ以上、モータ駆動力は増加しない。これが、図13(c)において、ロール角51が、車両1を右方向に傾ける方向に切り替わる原因である。上限に達する状態は、地点A’から、地点Cを超えて、地点C’まで続く。地点C’からは、上限に達する状態殻脱し、制限内での動作となる。
 なお、ここでは、モータ12の駆動力に起因するサスペンション力によって、車両1の姿勢制御を実現したが、サスペンション15のアクティブ力の変化によって、車両1の姿勢制御を実現してもよい。
 次に、道路形状によるロール角の挙動変化を説明する。
 図15は、曲率が小さい道路形状によるロール角の挙動変化を説明する説明図である。
 図16は、曲率が大きい道路形状によるロール角の挙動変化を説明する説明図である。
 図15及び図16を使用して、道路形状又は走行方法の違いによる実施例1の挙動変化を説明する。
 実施例1では、ロールレイト57の変化幅58が、所定値以内となるように目標値2を補正し、最終目標値59を生成する。このロールレイト57の変化幅58は、道路形状又は走行方法によって変化する。
 道路形状としては、曲率が大きいほど、又は、緩和曲線の距離が短いほど、目標値2がアクチュエータ制限56に触れる可能性が高くなり、ロールレイト57の変化幅58は大きくなる。
 また、同じ道路形状であっても、車両1の通過速度が大きいほど、つまり、横方向の加速度や加加速度(ジャーク)が大きいほど、目標値2がアクチュエータ制限56に触れる可能性が高くなり、ロールレイト57の変化幅58は大きくなる。
 よって、これらの条件の違いにより、最終目標値59の波形の特徴が変化する。
 図15の左上図(a)は、道路形状として曲率が小さい場合を示す。この場合、目標値2がアクチュエータ制限56に触れる場合は、車両1が旋回を開始してから、しばらく経過後に、目標値2がアクチュエータ制限56に触れる可能性が高く、ロールレイト57の変化幅58は小さくなる。
 よって、図12Aに示したように、最終目標値59は目標値2に近づくことになり、図15の右上図(b)に示す時間波形のように、ロール角51が負に振れた後、正に振れ、また、負に振れるというように複数の極値を有するようになる。
 また、車両1の動きとしては、図15の下図(c)に示すように、旋回内側方向にロール角51(a)が生成された後、旋回外側方向にロール角51(b)が生成される。
 一方、図16の左上図(a)は、道路形状として曲率が大きく場合を示す。この場合、目標値2がアクチュエータ制限56に触れる場合は、車両1が旋回を開始後、直ちに、目標値2がアクチュエータ制限56に触れる可能性が高く、ロールレイト57の変化幅58は大きくなる。
 よって、図12Aに示したように、最終目標値59は目標値3に近づくことになり、図16の右上図(b)に示す時間波形ように、ロール角51は正にのみ振れるというように単数の極値を有するようになる。
 また、車両の1動きとしては、図16の下図(c)に示すように、最初から旋回外側方向にロール角51(a)が生成され、そのまま旋回外側方向にロール角51(b)が増加する。
 つまり、実施例1では、最終目標生成部24は、目標値1に基づいて決定される車両1の車速、加速度、加加速度、若しくは、道路形状の曲率、又は、これら複数のパラメータに基づいて、目標値2の時間変化を補正する。
 また、実施例1では、最終目標生成部24は、目標値1に基づいて決定される車両1の車速、加速度、加加速度、若しくは、道路形状の曲率、又は、これら複数のパラメータが、大きいほど極値をとる地点の数が少なく、小さいほど極値をとる地点の数が多くなるように、目標値2の時間変化を補正する。
 なお、実施例1では、ロール角51の制御を説明したが、車両統合制御装置2は6自由度の車両運動を制御するものであり、ロール角51の制御に限定されるものではない。
 例えば、ピッチ角の制御へも使用することができる。この場合、車両1の前後加速度とピッチ角との関係について同様に説明することができる。つまり、目標値2生成部22によって、前後方向に発生する慣性加速度と重力加速度との合成加速度が、車両1に対する鉛直下向き方向となり、合成加速度と乗員が予想する重力加速度との偏差が小さくなるようにピッチ角を制御することによって、MSIは最小になる。
 通常の車両1であれば、車両1に対して前方向(正方向)の加速度が発生することによって、車両1の後ろ方向に慣性加速度が発生し、車両1の後ろ方向(負方向)にピッチする。これに対して、車両1に対して前方向(正方向)にピッチするほどMSIは低減する。
 また、アクチュエータ制限は、通常の車両1で発生するピッチ角に対するピッチ角の変化幅の上限として考慮することができる。このように、ロール角51とピッチ角とは正負が異なる以外は同様である。
 このように、実施例1に記載する車両統合制御装置2によれば、アクチュエータ制限下において、MSI低減と乗り心地向上とを両立させることができる。
 なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために、具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を有するものに限定されるものではない。
 また、ある実施例の構成の一部を、他の実施例の構成の一部に置換することもできる。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を追加することもできる。また、各実施例の構成の一部について、それを削除し、他の構成の一部を追加し、他の構成の一部と置換することもできる。
1…車両、11…車輪、12…モータ、13…ブレーキ機構、13a…ホイルシリンダ、13b…制動制御装置、14…ステアリング機構、14a…操舵制御装置、14b…操舵用モータ、15…サスペンション、16…アクセルペダル、16a…ストロークセンサ、16b…加速制御装置、17…ブレーキペダル、18…ハンドル、18a…操舵トルク検出装置、18b…操舵角検出装置、2…車両統合制御装置、21…目標値1生成部、22…目標値2生成部、23…制限生成部、24…最終目標生成部、25…操作量割付部、3…外部制御装置、4…コンバインセンサ、51…ロール角、52…重力加速度、53…慣性加速度、54…合成加速度、55…MSI、56…アクチュエータ制限、57…ロールレイト、58…ロールレイトの変化幅、59…最終目標値、550…偏差、560…偏差

Claims (13)

  1.  複数のアクチュエータが設置された車両の姿勢を最大3つの制御軸上の移動方向とこの制御軸を中心とする回転方向とによって構成される運動パラメータを制御する車両統合制御装置であって、
     前記車両の運転タスクに関わる制御軸の目標運動量を取得し、少なくとも1つの運動パラメータである第一運動パラメータを生成する第一目標値生成部と、
     前記第一運動パラメータに基づいて、前記第一運動パラメータとは異なる第二運動パラメータを、感性指標を最適化するように生成する第二目標値生成部と、
     前記第一運動パラメータ及びアクチュエータの動作範囲に基づいて、前記第二運動パラメータの運動制限量を生成する制限生成部と、
     前記運動制限量に基づいて、前記第二運動パラメータを補正する最終目標生成部と、
     前記第一運動パラメータ及び前記最終目標生成部によって補正された第二運動パラメータに基づいて、アクチュエータの操作量を生成する操作量割付部と、
     を有することを特徴とする車両統合制御装置。
  2.  請求項1に記載する車両統合制御装置であって、
     前記第二目標値生成部は、動揺病発症率を最小化するように前記第二運動パラメータを生成することを特徴とする車両統合制御装置。
  3.  請求項1に記載する車両統合制御装置であって、
     前記第二目標値生成部は、左右方向に発生する慣性加速度と重力加速度との合成加速度が鉛直下向き方向となり、前記合成加速度と乗員が予想する重力加速度との偏差が小さくなるようにロール角を生成することを特徴とする車両統合制御装置。
  4.  請求項1に記載する車両統合制御装置であって、
     前記第二目標値生成部は、前後方向に発生する慣性加速度と重力加速度との合成加速度が鉛直下向き方向となり、前記合成加速度と乗員が予想する重力加速度との偏差が小さくなるようにピッチ角を生成することを特徴とする車両統合制御装置。
  5.  請求項1に記載する車両統合制御装置であって、
     前記最終目標生成部は、前記第一運動パラメータに基づいて決定される前記車両の車速、加速度、加加速度、若しくは、道路形状の曲率、又は、これら複数のパラメータに基づいて、前記第二運動パラメータを補正することを特徴とする車両統合制御装置。
  6.  請求項1に記載する車両統合制御装置であって、
     前記最終目標生成部は、前記第一運動パラメータに基づいて決定される前記車両の車速、加速度、加加速度、若しくは、道路形状の曲率、又は、これら複数のパラメータが、大きいほど極値をとる地点の数が少なく、又は、小さいほど極値をとる地点の数が多くなるように、前記第二運動パラメータを補正することを特徴とする車両統合制御装置。
  7.  請求項1に記載する車両統合制御装置であって、
     前記制限生成部は、前記アクチュエータが動作範囲にある場合には、前記第一運動パラメータに基づいて発生する前記第二運動パラメータを、第二運動パラメータの運動制限量として、生成することを特徴とする車両統合制御装置。
  8.  請求項7に記載する車両統合制御装置であって、
     前記制限生成部は、前記アクチュエータが動作範囲にない場合には、前記第一運動パラメータに基づいて発生する第二運動パラメータの運動制限量を生成することを特徴とする車両統合制御装置。
  9.  請求項1に記載する車両統合制御装置であって、
     前記制限生成部は、前記アクチュエータの動作範囲に基づいて、前記第二運動パラメータに対する変化幅の上限を生成し、前記変化幅の上限に基づいて、前記第二運動パラメータの運動制限量を生成することを特徴とする車両統合制御装置。
  10.  請求項1に記載する車両統合制御装置であって、
     前記第二運動パラメータの運動制限量は、ロール角又はピッチ角の上限又は下限を生成することを特徴とする車両統合制御装置。
  11.  請求項1に記載する車両統合制御装置であって、
     前記第二運動パラメータに定数を除し、前記アクチュエータの動作範囲となる目標運動制限量である第三運動パラメータを生成する第三目標値生成部を有することを特徴とする車両統合制御装置。
  12.  請求項11に記載する車両統合制御装置であって、
     前記最終目標生成部は、前記第二運動パラメータと前記第三運動パラメータとの重み付き和によって、最終目標値を生成することを特徴とする車両統合制御装置。
  13.  複数のアクチュエータが設置された車両の姿勢を最大3つの制御軸上の移動方向とこの制御軸を中心とする回転方向とによって構成される運動パラメータを制御する車両統合制御方法であって、
     第一目標値生成部で、前記車両の運転タスクに関わる制御軸の目標運動量を取得し、少なくとも1つの運動パラメータである第一運動パラメータを生成し、
     第二目標値生成部で、前記第一運動パラメータに基づいて、前記第一運動パラメータとは異なる第二運動パラメータを、感性指標を最適化するように生成し、
     制限生成部で、前記第一運動パラメータ及びアクチュエータの動作範囲に基づいて、前記第二運動パラメータの運動制限量を生成し、
     最終目標生成部で、前記運動制限量に基づいて、前記第二運動パラメータを補正し、
     操作量割付部で、前記第一運動パラメータ及び前記最終目標生成部によって補正された第二運動パラメータに基づいて、アクチュエータの操作量を生成する、
     ことを特徴とする車両統合制御方法。
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