WO2022239799A1 - 導電性粒子、導電材料及び接続構造体 - Google Patents

導電性粒子、導電材料及び接続構造体 Download PDF

Info

Publication number
WO2022239799A1
WO2022239799A1 PCT/JP2022/019940 JP2022019940W WO2022239799A1 WO 2022239799 A1 WO2022239799 A1 WO 2022239799A1 JP 2022019940 W JP2022019940 W JP 2022019940W WO 2022239799 A1 WO2022239799 A1 WO 2022239799A1
Authority
WO
WIPO (PCT)
Prior art keywords
conductive
particles
layer
conductive portion
weight
Prior art date
Application number
PCT/JP2022/019940
Other languages
English (en)
French (fr)
Inventor
豪 湯川
悠人 土橋
良 栗浦
洋 小林
眞也 岡副
貴道 篠原
Original Assignee
積水化学工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 積水化学工業株式会社 filed Critical 積水化学工業株式会社
Priority to KR1020237026388A priority Critical patent/KR20240006492A/ko
Priority to JP2022538324A priority patent/JP7231793B1/ja
Publication of WO2022239799A1 publication Critical patent/WO2022239799A1/ja

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B1/00Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors
    • H01B1/02Conductors or conductive bodies characterised by the conductive materials; Selection of materials as conductors mainly consisting of metals or alloys
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B13/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables
    • H01B13/0016Apparatus or processes specially adapted for manufacturing conductors or cables for heat treatment
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B5/00Non-insulated conductors or conductive bodies characterised by their form
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01BCABLES; CONDUCTORS; INSULATORS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR CONDUCTIVE, INSULATING OR DIELECTRIC PROPERTIES
    • H01B5/00Non-insulated conductors or conductive bodies characterised by their form
    • H01B5/16Non-insulated conductors or conductive bodies characterised by their form comprising conductive material in insulating or poorly conductive material, e.g. conductive rubber
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R11/00Individual connecting elements providing two or more spaced connecting locations for conductive members which are, or may be, thereby interconnected, e.g. end pieces for wires or cables supported by the wire or cable and having means for facilitating electrical connection to some other wire, terminal, or conductive member, blocks of binding posts
    • H01R11/01Individual connecting elements providing two or more spaced connecting locations for conductive members which are, or may be, thereby interconnected, e.g. end pieces for wires or cables supported by the wire or cable and having means for facilitating electrical connection to some other wire, terminal, or conductive member, blocks of binding posts characterised by the form or arrangement of the conductive interconnection between the connecting locations

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)

Abstract

電極間を電気的に接続した場合に、導通信頼性を高めることができる導電性粒子を提供する。 本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部とを有し、以下の構成A、又は以下の構成Bを満足する。構成A:前記導電部が、インジウム又はビスマスを含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する。構成B:前記導電部が、融点の異なる3種類以上の金属を含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する。

Description

導電性粒子、導電材料及び接続構造体
 本発明は、基材粒子と、該基材粒子の表面上に配置された導電部とを備える導電性粒子に関する。また、本発明は、上記導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体に関する。
 異方性導電ペースト及び異方性導電フィルム等の異方性導電材料が広く知られている。該異方性導電材料では、バインダー樹脂中に導電性粒子が分散されている。
 上記異方性導電材料は、各種の接続構造体を得るために用いられている。上記異方性導電材料を用いる接続としては、例えば、フレキシブルプリント基板とガラス基板との接続(FOG(Film on Glass))、半導体チップとフレキシブルプリント基板との接続(COF(Chip on Film))、半導体チップとガラス基板との接続(COG(Chip on Glass))、並びにフレキシブルプリント基板とガラスエポキシ基板との接続(FOB(Film on Board))等が挙げられる。
 近年、接続構造体を用いたデバイスの小型化及び軽量化が進んでいる。これに伴い、接続構造体に用いられる導電性粒子には、大容量及び低抵抗性等の高い導電性能が求められている。上記導電性粒子として、金属溶融により電極と接合して、導電性能を高めることができる錫粒子が用いられることがある。
 下記の特許文献1には、基材微粒子、及び基材微粒子を被覆する金属被覆層を備える導電性粒子が開示されている。前記導電性粒子では、前記金属被覆層は、無電解メッキされた内側の銅メッキ層および外側の錫メッキ層を備える。前記導電性粒子では、前記錫メッキ層が、還元剤を含む無電解錫メッキ浴によって形成されている。前記導電性粒子では、前記銅メッキ層の膜厚が0.040μm以上であり、前記錫メッキ層の膜厚が0.050μm以上であり、前記銅メッキ層の膜厚と前記錫メッキ層の膜厚との合計値が、0.090μm以上、0.180μm以下である。
特開2011-134480号公報
 近年、基板等への負担を減らすため、200℃未満の低温環境下で実装が行われることがある。
 しかしながら、特許文献1に記載のような導電性粒子、即ち導電部が2層構造を有し、かつ外側が錫層である導電性粒子では、200℃未満の実装条件では錫の金属溶融が発現しづらく、電極間を電気的に接続した場合に、導通信頼性を十分に高くすることができない(接続抵抗を十分に低くすることができない)という課題がある。
 本発明の目的は、電極間を電気的に接続した場合に、導通信頼性を高めることができる導電性粒子を提供することである。また、本発明の目的は、上記導電性粒子を用いた導電材料及び接続構造体を提供することである。
 本発明の広い局面によれば、基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部とを有し、以下の構成A、又は以下の構成Bを満足する、導電性粒子が提供される。
 構成A:前記導電部が、インジウム又はビスマスを含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する
 構成B:前記導電部が、融点の異なる3種類以上の金属を含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面によれば、前記導電部が、インジウム又はビスマスを含み、前記導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面によれば、前記導電部が、インジウムを含み、前記導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面によれば、前記導電部が、融点の異なる3種類以上の金属を含み、前記導電性粒子を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面によれば、前記導電部が、融点が200℃以下である導電層を有し、前記導電部100重量%中、前記融点が200℃以下である導電層の含有量が、10重量%以上である。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部が、銅又はニッケルを含む層を有し、前記基材粒子が、前記銅又はニッケルを含む層に接する。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部が、錫を含み、前記導電部100重量%中、錫の含有量が、2重量%以上である。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部が、ビスマスを含む。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部が、2層以上の導電層であり、前記導電部の外表面から内表面に向かって、前記導電層の融点が順に高くなるように、2層以上の前記導電層が積層されている。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部が、3層以上の導電層であり、前記導電部が、前記導電部の外表面から前記導電部の厚み方向の内側に向かって、導電層Pと、導電層Qと、導電層Rとをこの順で有し、前記導電層Pが、前記導電部の外表面層であり、前記導電層P、前記導電層Q、及び前記導電層Rが連続して積層されており、前記導電部が、前記導電層Rの内側に導電層を有さないか又は1層以上の導電層を有する。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電層Pの、前記導電層Qに対する160℃における拡散係数が、1.0×10-20/s以上である。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電層Rの、前記導電層Qに対する160℃における拡散係数が、1.0×10-25/s以下である。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電層Pの材料と前記導電層Qの材料とが、はんだの構成成分を含む。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電層Pが、インジウムを含むインジウム層であり、前記導電層Qが、錫を含む錫層であり、前記導電層Rが、ニッケルを含むニッケル層である。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部のX線回折スペクトルを測定したときに、32°以上34°以下の領域と、55.5°以上57.5°以下の領域とに、ピークが存在する。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記導電部の外表面が、フラックスにより表面処理されている。
 本発明に係る導電性粒子のある特定の局面では、前記基材粒子の粒子径が0.5μm以上100μm以下である。
 本発明の広い局面によれば、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料が提供される。
 本発明の広い局面によれば、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、前記接続部の材料が、上述した導電性粒子を含み、前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体が提供される。
 本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置された導電部とを有する。本発明に係る導電性粒子は、以下の構成A、又は以下の構成Bを満足する。構成A:上記導電部が、インジウム又はビスマスを含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融する。構成B:上記導電部が、融点の異なる3種類以上の金属を含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融する。本発明に係る導電性粒子では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、導通信頼性を高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。 図4は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に示す断面図である。
 以下、本発明の詳細を説明する。
 (導電性粒子)
 本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置された導電部とを有する。本発明に係る導電性粒子は、以下の構成A、又は以下の構成Bを満足する。
 構成A:上記導電部が、インジウム又はビスマスを含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融する
 構成B:上記導電部が、融点の異なる3種類以上の金属を含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融する
 本発明に係る導電性粒子は、上記構成Aを満足していてもよく、上記構成Bを満足していてもよく、上記構成Aと上記構成Bとの双方を満足していてもよい。本発明に係る導電性粒子では、上記構成Aにおいて、上記導電部が、インジウムを含んでいてもよく、ビスマスを含んでいてもよく、インジウムとビスマスとの双方を含んでいてもよい。
 本発明に係る導電性粒子は、具体的には、以下の導電性粒子A又は以下の導電性粒子Bである。
 上記構成Aを備える導電性粒子Aについて:本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置された導電部とを有する。本発明に係る導電性粒子では、上記導電部が、インジウム又はビスマスを含む。本発明に係る導電性粒子では、上記導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融する。本発明に係る導電性粒子(以下、「導電性粒子A」とすることがある)では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、導電部が溶融することにより、導通信頼性を高めることができる。すなわち、接続されるべき上下の電極間の導通信頼性を高めることができる。また、上記導電部が速やかに溶融するため、接続されてはならない横方向の電極間の絶縁信頼性も確保できる。
 上記構成Bを備える導電性粒子Bについて:本発明に係る導電性粒子は、基材粒子と、上記基材粒子の表面上に配置された導電部とを有する。本発明に係る導電性粒子では、上記導電部が、融点の異なる3種類以上の金属を含む。本発明に係る導電性粒子では、導電性粒子を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融する。本発明に係る導電性粒子(以下、「導電性粒子B」とすることがある)では、上記の構成が備えられているので、電極間を電気的に接続した場合に、導電部が溶融することにより、導通信頼性を高めることができる。すなわち、上下の電極間の導通信頼性を高めることができる。また、上記導電部が速やかに溶融するため、接続されてはならない横方向の電極間の絶縁信頼性も確保できる。
 なお、本明細書において、「導電部が溶融する」とは、導電部の少なくとも表面部分が溶融することを示す。
 本発明の効果を効果的に発揮する観点からは、上記構成Aは、以下の構成Aaであることが好ましい。
 構成Aa:上記導電部が、インジウムを含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融する
 上記構成Aは、以下の構成Abであってもよい。上記導電部がビスマスを含まない導電性粒子であっても、本発明の全体の構成を備えることにより、本発明の効果を発揮することができる。
 構成Ab:上記導電部が、インジウムを含み、上記導電部が、ビスマスを含まず、導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融する
 以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
 図1は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
 図1に示す導電性粒子1は、基材粒子2と、基材粒子2の表面上に配置された導電部3とを有する。導電部3は、基材粒子2の表面を被覆している。導電性粒子1は、基材粒子2の表面が導電部3により被覆された被覆粒子である。
 導電性粒子1では、導電部3は、単層の導電層である。
 導電性粒子1では、導電部3が、インジウム又はビスマスを含んでいてもよい。この場合、導電性粒子1を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、導電部3が溶融することが好ましい。
 導電性粒子1では、導電部3が、融点の異なる3種類以上の金属を含んでいてもよい。この場合、導電性粒子1を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、導電部3が溶融することが好ましい。
 図2は、本発明の第2の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
 図2に示す導電性粒子21は、基材粒子2と、基材粒子2の表面上に配置された導電部23とを有する。導電部23は、基材粒子2の表面を被覆している。導電性粒子21は、基材粒子2の表面が導電部23により被覆された被覆粒子である。
 導電性粒子21では、導電部23は、3層構造を有する導電層である。導電部23は、第1の導電部23Aと、第2の導電部23Bと、第3の導電部23Cとを有する。第1の導電部23Aは、基材粒子2の表面上に配置されている。第1の導電部23Aは、基材粒子2に接している。基材粒子2と第2の導電部23Bとの間に、第1の導電部23Aが配置されている。第2の導電部23Bは、第1の導電部23Aの表面上に配置されている。第2の導電部23Bは、第1の導電部23Aに接している。第1の導電部23Aと第3の導電部23Cとの間に、第2の導電部23Bが配置されている。第3の導電部23Cは、第2の導電部23Bの表面上に配置されている。第3の導電部23Cは、第2の導電部23Bに接している。第3の導電部23Cは、導電性粒子21における最外層の導電部である。
 導電性粒子21では、導電部23が、インジウム又はビスマスを含んでいてもよい。導電性粒子21では、第1の導電部23Aがインジウム又はビスマスを含んでいてもよく、第2の導電部23Bがインジウム又はビスマスを含んでいてもよく、第3の導電部23Cがインジウム又はビスマスを含んでいてもよい。導電部23がインジウム又はビスマスを含む場合、導電性粒子21を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、導電部23が溶融することが好ましい。
 導電性粒子21では、導電部23が、融点の異なる3種類以上の金属を含んでいてもよい。この場合、導電性粒子21を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、導電部3が溶融することが好ましい。
 図3は、本発明の第3の実施形態に係る導電性粒子を示す断面図である。
 図3に示す導電性粒子31は、基材粒子2と、基材粒子2の表面上に配置された導電部33と、複数の芯物質34と、複数の絶縁性物質35とを有する。
 導電性粒子31では、導電部33は、単層の導電層である。上記導電性粒子では、上記導電部が上記基材粒子の表面の全体を覆っていてもよく、一部を覆っていてもよい。上記導電性粒子では、上記導電部は、単層の導電層であってもよく、2層以上の層から構成される多層の導電層であってもよい。
 導電性粒子31(特に、導電部33)は表面に、複数の突起33aを有する。複数の芯物質34が、基材粒子2の表面上に配置されている。複数の芯物質34は、導電部33内に埋め込まれている。芯物質34は、突起33aの内側に配置されている。導電部33は、複数の芯物質34を被覆している。複数の芯物質34により導電部33の外表面が隆起されており、突起33aが形成されている。
 導電性粒子31は、導電部33の外表面上に配置された絶縁性物質35を有する。導電部33の外表面の少なくとも一部の領域が、絶縁性物質35により被覆されている。絶縁性物質35は絶縁性を有する材料により形成されており、絶縁性粒子である。このように、本発明に係る導電性粒子は、導電部の外表面上に配置された絶縁性物質を有していてもよい。但し、本発明に係る導電性粒子は、絶縁性物質を必ずしも有していなくてもよい。
 導電性粒子31では、導電部33が、インジウム又はビスマスを含んでいてもよい。この場合、導電性粒子31を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、導電部33が溶融することが好ましい。
 導電性粒子31では、導電部33が、融点の異なる3種類以上の金属を含んでいてもよい。この場合、導電性粒子31を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、導電部33が溶融することが好ましい。
 以下、導電性粒子の他の詳細を説明する。
 なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。「(メタ)アクリル」のは、アクリルとメタクリルとを示す。「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイルとメタクリロイルとを示す。
 上記導電性粒子の粒子径は、好ましくは0.8μm以上、より好ましくは3μm以上、さらに好ましくは5μm以上であり、好ましくは105μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。上記導電性粒子の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導通信頼性及び絶縁信頼性を良好にすることができる。
 上記導電性粒子の粒子径は、平均粒子径であることが好ましく、該平均粒子径は数平均粒子径を示す。上記導電性粒子の粒子径は、例えば、任意の導電性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、各導電性粒子の粒子径の平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求められる。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下である。
 上記変動係数(CV値)は、以下のようにして測定できる。
 CV値(%)=(ρ/Dn)×100
 ρ:導電性粒子の粒子径の標準偏差
 Dn:導電性粒子の粒子径の平均値
 上記導電性粒子の形状は、特に限定されない。上記導電性粒子の形状は、球状であってもよく、球状以外の形状であってもよく、扁平状等であってもよい。
 上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散され、導電材料を得るために好適に用いられる。
 <基材粒子>
 上記基材粒子としては、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子、有機無機ハイブリッド粒子及び金属粒子等が挙げられる。上記基材粒子は、金属粒子を除く基材粒子であることが好ましく、樹脂粒子、金属粒子を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子であることがより好ましい。上記基材粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを備えるコアシェル粒子であってもよい。上記コアが有機コアであってもよく、上記シェルが無機シェルであってもよい。
 上記樹脂粒子の材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイソブチレン、及びポリブタジエン等のポリオレフィン樹脂;ポリメチルメタクリレート及びポリメチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリカーボネート、ポリアミド、フェノールホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、ベンゾグアナミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアセタール、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、及びジビニルベンゼン重合体等が挙げられる。上記ジビニルベンゼン重合体は、ジビニルベンゼン共重合体であってもよい。上記ジビニルベンゼン共重合体等としては、ジビニルベンゼン-スチレン共重合体及びジビニルベンゼン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。上記樹脂粒子の硬度を好適な範囲に容易に制御できるので、上記樹脂粒子の材料は、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を1種又は2種以上重合させた重合体であることが好ましい。
 上記樹脂粒子を、エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を重合させて得る場合には、該エチレン性不飽和基を有する重合性単量体としては、非架橋性の単量体と架橋性の単量体とが挙げられる。
 上記非架橋性の単量体としては、スチレン、及びα-メチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、及び無水マレイン酸等のカルボキシル基含有単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート化合物;2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、及びグリシジル(メタ)アクリレート等の酸素原子含有(メタ)アクリレート化合物;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル含有単量体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、及びプロピルビニルエーテル等のビニルエーテル化合物;酢酸ビニル、酪酸ビニル、ラウリン酸ビニル、及びステアリン酸ビニル等の酸ビニルエステル化合物;エチレン、プロピレン、イソプレン、及びブタジエン等の不飽和炭化水素;トリフルオロメチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロエチル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、フッ化ビニル、及びクロルスチレン等のハロゲン含有単量体等が挙げられる。
 上記架橋性の単量体としては、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、及び1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物;トリアリル(イソ)シアヌレート、トリアリルトリメリテート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルアクリルアミド、ジアリルエーテル、並びに、γ-(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルスチレン、及びビニルトリメトキシシラン等のシラン含有単量体等が挙げられる。上記樹脂粒子のガラス転移温度においてもフラックス含有粒子が形状を保つ観点からは、上記架橋性の単量体は、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、又はジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレートであることが好ましい。
 上記エチレン性不飽和基を有する重合性単量体を、公知の方法により重合させることで、上記樹脂粒子を得ることができる。この方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤の存在下で懸濁重合する方法、並びに非架橋の種粒子を用いてラジカル重合開始剤とともに単量体を膨潤させて重合する方法等が挙げられる。
 上記基材粒子が金属を除く無機粒子又は有機無機ハイブリッド粒子である場合には、基材粒子を形成するための無機物としては、シリカ、アルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニア及びカーボンブラック等が挙げられる。上記無機物は、金属ではないことが好ましい。上記シリカにより形成された粒子としては、例えば、加水分解性のアルコキシシリル基を2つ以上有するケイ素化合物を加水分解して架橋重合体粒子を形成した後に、必要に応じて焼成を行うことにより得られる粒子が挙げられる。上記有機無機ハイブリッド粒子としては、例えば、架橋したアルコキシシリルポリマーとアクリル樹脂とにより形成された有機無機ハイブリッド粒子等が挙げられる。
 上記有機無機ハイブリッド粒子は、コアと、該コアの表面上に配置されたシェルとを有するコアシェル型の有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。上記コアが有機コアであることが好ましい。上記シェルが無機シェルであることが好ましい。電極間の接続抵抗を効果的に低くする観点からは、上記基材粒子は、有機コアと上記有機コアの表面上に配置された無機シェルとを有する有機無機ハイブリッド粒子であることが好ましい。
 上記有機コアの材料としては、上述した樹脂粒子の材料等が挙げられる。
 上記無機シェルの材料としては、上述した基材粒子の材料として挙げた無機物が挙げられる。上記無機シェルの材料は、シリカであることが好ましい。上記無機シェルは、上記コアの表面上で、金属アルコキシドをゾルゲル法によりシェル状物とした後、該シェル状物を焼成させることにより形成されていることが好ましい。上記金属アルコキシドはシランアルコキシドであることが好ましい。上記無機シェルはシランアルコキシドにより形成されていることが好ましい。
 上記基材粒子が金属粒子である場合に、該金属粒子の材料である金属としては、銀、銅、ニッケル、ケイ素、金及びチタン等が挙げられる。
 上記基材粒子の粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは9.5μm以上であり、好ましくは100μm以下、より好ましくは49.95μm以下、さらに好ましくは39.95μm以下である。上記基材粒子の粒子径が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の間隔が小さくなり、かつ導電部の厚みを厚くしても、粒子径が小さい導電性粒子が得られる。さらに基材粒子の表面に導電部を形成する際に粒子が凝集し難くなり、凝集した導電性粒子が形成され難くなる。
 上記基材粒子の形状は、特に限定されない。上記基材粒子の形状は、球状であってもよく、球状以外の形状であってもよく、扁平状等であってもよい。
 上記基材粒子の粒子径は、平均粒子径であることが好ましく、該平均粒子径は数平均粒子径を示す。上記基材粒子の粒子径は粒度分布測定装置等を用いて求められる。基材粒子の粒子径は、任意の基材粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することにより求めることが好ましい。導電性粒子において、上記基材粒子の粒子径を測定する場合には、例えば、以下のようにして測定できる。
 導電性粒子の含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子を含む検査用埋め込み樹脂体を作製する。上記検査用埋め込み樹脂体中に分散した導電性粒子(基材粒子)の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて、画像倍率を1000倍に設定し、50個の導電性粒子を無作為に選択し、各導電性粒子の基材粒子を観察する。各導電性粒子における基材粒子の粒子径を計測し、それらを算術平均して基材粒子の粒子径とする。上記画像倍率は、導電性粒子の粒子径によって、例えば100倍などに変更してもよい。
 <芯物質及び突起>
 上記導電性粒子は、上記導電部の外表面に突起を有することが好ましい。上記突起は、複数であることが好ましい。一般に、導電性粒子と接触する電極の表面には、酸化被膜が形成されていることが多い。表面に突起を有する導電性粒子を用いた場合には、導電接続時に、突起により上記酸化被膜を効果的に排除できる。このため、電極と導電性粒子とがより一層確実に接触し、導電性粒子と電極との接触面積を十分に大きくすることができ、接続抵抗をより一層効果的に低くすることができる。さらに、導電性粒子がバインダーに分散されて導電材料として用いられる場合に、導電性粒子の突起によって、導電性粒子と電極との間のバインダーをより一層効果的に排除できる。このため、導電性粒子と電極との接触面積を十分に大きくすることができ、接続抵抗をより一層効果的に低くすることができる。
 導電性粒子の表面に突起を形成する方法としては、基材粒子の表面に芯物質を付着させた後、無電解めっきにより導電部を形成する方法、並びに基材粒子の表面に無電解めっきにより導電部を形成した後、芯物質を付着させ、更に無電解めっきにより導電層を形成する方法等が挙げられる。
 基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法としては、例えば、基材粒子の分散液中に、芯物質を添加し、基材粒子の表面に芯物質を、例えば、ファンデルワールス力により集積させ、付着させる方法、並びに基材粒子を入れた容器に、芯物質を添加し、容器の回転等による機械的な作用により基材粒子の表面に芯物質を付着させる方法等が挙げられる。なかでも、付着させる芯物質の量を制御しやすいため、分散液中の基材粒子の表面に芯物質を集積させ、付着させる方法が好ましい。
 上記導電性粒子は、上記基材粒子の表面上に第1の導電部を有し、かつ、第1の導電部の表面上に第2の導電部を有し、かつ、第2の導電部の表面上に第3の導電部を有していてもよい。上記基材粒子の表面に芯物質を付着させてもよい。この場合に、上記芯物質は、上記第1の導電部、上記第2の導電部、及び上記第3の導電部により被覆されていることが好ましい。また、上記第1の導電部の表面に芯物質を付着させてもよい。この場合に、上記芯物質は、上記第2の導電部及び上記第3の導電部により被覆されていることが好ましい。また、上記第2の導電部の表面に芯物質を付着させてもよい。この場合に、上記芯物質は、上記第3の導電部により被覆されていることが好ましい。
 上記芯物質を構成する物質としては、導電性物質及び非導電性物質が挙げられる。上記導電性物質としては、例えば、金属、金属の酸化物、黒鉛等の導電性非金属及び導電性ポリマー等が挙げられる。上記導電性ポリマーとしては、ポリアセチレン等が挙げられる。上記非導電性物質としては、シリカ、アルミナ及びジルコニア等が挙げられる。導電性を高める観点からは、上記芯物質を構成する物質は、金属が好ましい。上記芯物質は、金属粒子であることが好ましい。
 上記金属としては、例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、鉄、鉛、錫、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム等の金属、並びに錫-鉛合金、錫-銅合金、錫-銀合金、錫-鉛-銀合金及び炭化タングステン等の2種類以上の金属で構成される合金等が挙げられる。なかでも、ニッケル、銅、銀又は金が好ましい。上記芯物質を構成する金属は、上記導電部(導電層)を構成する金属と同じであってもよく、異なっていてもよい。
 上記芯物質の形状は、特に限定されない。芯物質の形状は塊状であることが好ましい。芯物質としては、例えば、粒子状の塊、複数の微小粒子が凝集した凝集塊、及び不定形の塊等が挙げられる。
 複数の上記突起の平均高さは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.05μm以上、好ましくは0.9μm以下、より好ましくは0.2μm以下である。上記突起の平均高さが上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の接続抵抗を効果的に低くし、導通信頼性をより一層高めることができる。
 <導電部>
 本発明では、上記導電性粒子は、導電部を表面に有する。上記導電部は、上記基材粒子の表面上に配置されている。
 上記導電部を構成する金属としては、錫、金、銀、銅、錫、白金、パラジウム、亜鉛、鉛、アルミニウム、コバルト、インジウム、ニッケル、クロム、チタン、アンチモン、ビスマス、ゲルマニウム及びカドミウム、並びにこれらの合金等が挙げられる。また、上記金属として、錫ドープ酸化インジウム(ITO)を用いてもよい。上記金属は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 上記導電性粒子Aでは、上記導電部が、インジウム又はビスマスを含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融する。
 上記導電性粒子Aでは、上記導電部は、1つの層により形成されていてもよく、複数の層により形成されていてもよい。上記導電部は、2層以上の積層構造を有していてもよい。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電部が複数の層により形成されている場合には、インジウム又はビスマスは、上記導電部の最外層に含まれることが好ましい。
 上記導電性粒子Aでは、上記導電部が、融点の異なる3種類以上の金属を含んでいなくてもよく、融点の異なる2種類以下の金属を含んでいてもよく、1種類の金属(インジウムのみ又はビスマスのみ)を含んでいてもよい。
 上記導電性粒子Aでは、上記導電部が、融点の異なる2種類以上の金属を含んでいてもよく、融点の異なる3種類以上の金属を含んでいてもよく、融点の異なる4種類以上の金属を含んでいてもよく、融点の異なる5種類以上の金属を含んでいてもよい。上記導電性粒子Aでは、上記導電部が、融点の異なる10種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる5種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる4種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる3種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる2種類以下の金属を含んでいてもよい。
 上記導電性粒子Aでは、1つの層が、融点の異なる2種類以上の金属を含んでいてもよく、融点の異なる3種類以上の金属を含んでいてもよく、融点の異なる4種類以上の金属を含んでいてもよく、融点の異なる5種類以上の金属を含んでいてもよい。上記導電性粒子Aでは、1つの層が、融点の異なる10種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる5種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる4種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる3種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる2種類以下の金属を含んでいてもよい。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおける上記導電部100重量%中、インジウムとビスマスとの合計の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは18重量%以上である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおける上記導電部100重量%中、インジウムとビスマスとの合計の含有量は、好ましくは50重量%以下、より好ましくは35重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおけるインジウム又はビスマスを含む層100重量%中、インジウムとビスマスとの合計の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは44重量%以上である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおけるインジウム又はビスマスを含む層100重量%中、インジウムとビスマスとの合計の含有量は、好ましくは99.9重量%以下、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは95重量%以下である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおけるインジウム又はビスマスを含む層100重量%中、インジウムとビスマスとの合計の含有量は、さらに一層好ましくは90重量%以下、特に好ましくは80重量%以下、最も好ましくは72重量%以下である。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおける上記導電部100重量%中、インジウムの含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは18重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは35重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおけるインジウムを含む層(インジウム層)100重量%中、インジウムの含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは44重量%以上である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおけるインジウムを含む層(インジウム層)100重量%中、インジウムの含有量は、好ましくは99.9重量%以下、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは95重量%以下である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおけるインジウムを含む層(インジウム層)100重量%中、インジウムの含有量は、さらに一層好ましくは90重量%以下、特に好ましくは80重量%以下、最も好ましくは72重量%以下である。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおける上記導電部100重量%中、ビスマスの含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは18重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは35重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおけるビスマスを含む層(ビスマス層)100重量%中、ビスマスの含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは44重量%以上である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおけるビスマスを含む層(ビスマス層)100重量%中、ビスマスの含有量は、好ましくは99.9重量%以下、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは95重量%以下である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Aにおけるビスマスを含む層(ビスマス層)100重量%中、ビスマスの含有量は、さらに一層好ましくは90重量%以下、特に好ましくは80重量%以下、最も好ましくは72重量%以下である。
 上記導電性粒子Aを大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱(溶融試験A)したときに、上記導電部が溶融する。上記導電部は、少なくとも表面部分が溶融する。上記導電部は、表面全体が溶融することが好ましい。導電部の外表面に突起を有する導電性粒子においては、突起がある部分の上記導電部の表面部分及び突起がない部分の上記導電部の表面部分の双方が溶融することが好ましい。
 [溶融試験A]
 上記導電性粒子Aを、Cu板上に散布し、大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱する。FIB-SEMにて収束イオンビーム(FIB)により、加熱後の上記導電性粒子Aの断面を切り出す。断面を切り出した後、加熱後の上記導電性粒子Aにおける上記導電部の溶融状態を、電子顕微鏡(SEM)を用いて導電性粒子とCu板との接合部近傍にて観察する。
 溶融試験Aにおいて、上記導電性粒子Aにおける上記導電部の厚み100%中、溶融する導電部の厚みは、好ましくは1%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。溶融試験Aにおいて、溶融する導電部の厚みの上限は、特に限定されない。溶融試験Aにおいて、溶融する導電部の厚みは、100%(全体)であってもよい。
 上記導電性粒子Bでは、上記導電部が、融点の異なる3種類以上の金属を含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融する。
 上記導電性粒子Bでは、上記導電部がインジウムを含んでいなくてもよい。上記導電性粒子Bでは、上記導電部がビスマスを含んでいなくてもよい。
 上記導電性粒子Bを大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融しなくてもよい。上記導電性粒子Bを大気雰囲気下かつ160℃を超え、200℃以下の温度範囲内の少なくとも1つの温度の条件で1分間加熱したときに、上記導電部が溶融することが好ましい。
 上記導電性粒子Bでは、上記導電部が、融点の異なる4種類以上の金属を含んでいてもよく、融点の異なる5種類以上の金属を含んでいてもよい。上記導電性粒子Bでは、上記導電部が、融点の異なる10種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる5種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる4種類以下の金属を含んでいてもよい。
 上記導電性粒子Bでは、1つの層が、融点の異なる2種類以上の金属を含んでいてもよく、融点の異なる3種類以上の金属を含んでいてもよく、融点の異なる4種類以上の金属を含んでいてもよく、融点の異なる5種類以上の金属を含んでいてもよい。上記導電性粒子Bでは、1つの層が、融点の異なる10種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる5種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる4種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる3種類以下の金属を含んでいてもよく、融点の異なる2種類以下の金属を含んでいてもよい。
 上記導電性粒子Bでは、上記導電部は、1つの層により形成されていてもよく、2つの層により形成されていてもよく、3つの層により形成されていてもよく、4つ以上の層により形成されていてもよい。上記導電性粒子Bでは、上記導電部は、1層の導電層を有していてもよく、2層の導電層を有していてもよく、3層の導電層を有していてもよく、4層以上の導電層を有していてもよい。上記導電性粒子Bにおいて、上記導電部が、1層又は2層の導電層を有している場合、各導電層の材料は、2種類以上の金属からなる合金を含んでいてもよい。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bは、インジウム又はビスマスを含むことが好ましい。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおける上記導電部100重量%中、インジウムとビスマスとの合計の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは18重量%以上である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおける上記導電部100重量%中、インジウムとビスマスとの合計の含有量は、好ましくは50重量%以下、より好ましくは35重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおけるインジウム又はビスマスを含む層100重量%中、インジウムとビスマスとの合計の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは44重量%以上である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおけるインジウム又はビスマスを含む層100重量%中、インジウムとビスマスとの合計の含有量は、好ましくは99.9重量%以下、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは95重量%以下である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおけるインジウム又はビスマスを含む層100重量%中、インジウムとビスマスとの合計の含有量は、さらに一層好ましくは90重量%以下、特に好ましくは80重量%以下、最も好ましくは72重量%以下である。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおける上記導電部100重量%中、インジウムの含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは18重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは35重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおけるインジウムを含む層(インジウム層)100重量%中、インジウムの含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは44重量%以上である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおけるインジウムを含む層(インジウム層)100重量%中、インジウムの含有量は、好ましくは99.9重量%以下、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは95重量%以下である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおけるインジウムを含む層(インジウム層)100重量%中、インジウムの含有量は、さらに一層好ましくは90重量%以下、特に好ましくは80重量%以下、最も好ましくは72重量%以下である。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおける上記導電部100重量%中、ビスマスの含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは18重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは35重量%以下、さらに好ましくは25重量%以下である。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおけるビスマスを含む層(ビスマス層)100重量%中、ビスマスの含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは44重量%以上である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおけるビスマスを含む層(ビスマス層)100重量%中、ビスマスの含有量は、好ましくは99.9重量%以下、より好ましくは98重量%以下、さらに好ましくは95重量%以下である。本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子Bにおけるビスマスを含む層(ビスマス層)100重量%中、ビスマスの含有量は、さらに一層好ましくは90重量%以下、特に好ましくは80重量%以下、最も好ましくは72重量%以下である。
 また、上記導電性粒子Bを大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱(溶融試験B)したときに、上記導電部が溶融する。上記導電部は、少なくとも表面部分が溶融する。上記導電部は、表面全体が溶融することが好ましい。導電部の外表面に突起を有する導電性粒子においては、突起がある部分の上記導電部の表面部分及び突起がない部分の上記導電部の表面部分の双方が溶融することが好ましい。
 [溶融試験B]
 上記導電性粒子Bを、Cu板上に散布し、大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱する。FIB-SEMにて収束イオンビーム(FIB)により、加熱後の上記導電性粒子Bの断面を切り出す。断面を切り出した後、加熱後の上記導電性粒子Bにおける上記導電部の溶融状態を、電子顕微鏡(SEM)を用いて導電性粒子とCu板との接合部近傍にて観察する。
 溶融試験Bにおいて、上記導電性粒子Bにおける上記導電部の厚み100%中、溶融する導電部の厚みは、好ましくは1%以上、より好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上である。溶融試験Bにおいて、溶融する導電部の厚みの上限は、特に限定されない。溶融試験Bにおいて、溶融する導電部の厚みは、100%(全体)であってもよい。
 導電部と基材粒子との密着性を良好にする観点からは、上記導電性粒子A及びBにおける上記導電部は、銅又はニッケルを含むことが好ましい。上記導電性粒子A及びBにおける上記導電部は、銅を含んでいてもよく、ニッケルを含んでいてもよい。
 導電部と基材粒子との密着性を良好にする観点からは、上記導電性粒子A及びBにおける上記導電部は、銅又はニッケルを含む層を有することが好ましい。導電層と基材粒子との密着性を良好にする観点からは、上記基材粒子が、上記銅又はニッケルを含む層に接することが好ましい。導電層と基材粒子との密着性を良好にする観点からは、上記銅又はニッケルを含む層は、上記導電部の最内層であることが好ましい。導電層と基材粒子との密着性を良好にする観点からは、上記導電部の最内層を構成する金属は、銅又はニッケルであることが好ましく、ニッケルであることがより好ましい。
 導電性粒子と電極との接触面積を大きくし、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電部は、錫を含むことが好ましい。導電性粒子との接触面積を大きくし、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電部100重量%中、錫の含有量は、好ましくは2重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは16重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは22重量%以下である。
 導電性粒子と電極との接触面積を大きくし、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記錫を含む層(錫層)100重量%中、錫の含有量は、好ましくは2重量%以上、より好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは18重量%以上であり、好ましくは90重量%以下、より好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは56重量%以下である。
 導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電部は、融点が200℃以下である導電層を有することが好ましい。導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電部は、融点が190℃以下である導電層を有することが好ましく、融点が180℃以下である導電層を有することが好ましく、融点が170℃以下である導電層を有することが好ましい。上記導電部は、融点が200℃以下である導電層を1層のみ有していてもよく、2層以上有していてもよい。
 導電性粒子と電極との接合性及び密着性を高める観点からは、上記融点が200℃以下である導電層は、上記導電部の外表面層であることが好ましい。導電性粒子と電極との接合性及び密着性を高める観点からは、上記導電部が2層以上の導電層であり、上記融点が200℃以下である導電層が、上記導電部の最外層であることが好ましい。
 導電部を良好に溶融させる観点からは、上記導電部100重量%中、上記融点が200℃以下である導電層の含有量が、好ましくは1重量%以上、より好ましくは3重量%以上、さらに好ましくは10重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは30重量%以下である。
 導電部を良好に溶融させる観点からは、上記導電部が、2層以上の導電層であり、上記導電部の外表面から内表面に向かって、上記導電層の融点が順に高くなるように、2層以上の上記導電層が積層(配置)されていることが好ましい。導電部を良好に溶融させる観点からは、上記導電部が、2層以上の導電層であり、上記導電部の外表面から内表面に向かって、2層以上の上記導電層が、融点の低い順に積層されていることが好ましい。導電部を良好に溶融させる観点からは、隣接する2層以上の導電層において、外側の導電層の融点が、内側の導電層の融点より低いことが好ましい。
 上記導電性粒子では、上記導電部が、3層以上の導電層であり、上記導電部が、上記導電部の外表面から上記導電部の厚み方向の内側に向かって、導電層Pと、導電層Qと、導電層Rとをこの順で有することが好ましい。上記導電性粒子では、上記導電層Pが、上記導電部の外表面層(最外層)であることが好ましい。上記導電性粒子では、上記導電層P、上記導電層Q、及び上記導電層Rが連続して積層(配置)されていることが好ましい。上記導電部は、上記導電層Rの内側に導電層を有さないか又は1層以上の導電層を有することが好ましい。上記導電部は、上記導電層Rの内側に導電層を有していてもよく、有していなくてもよい。上記導電性粒子が上記の好ましい態様を満足する場合には、導電性粒子と電極との接合性を高め、導通信頼性をより一層高めることができる。
 すなわち、導電性粒子と電極との接合性を高め、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電部の外表面から上記導電部の厚み方向の内側に向かって、上記導電層Pと、上記導電層Qと、上記導電層Rとがこの順に積層(配置)されていることが好ましい。図2に示す導電性粒子21では、第3の導電部23Cが導電層Pであり、第2の導電層23Bが導電層Qであり、第1の導電層23Aが導電層Rである。
 導電部を良好に溶融させる観点からは、上記導電層Pの融点が上記導電層Qの融点より低く、上記導電層Qの融点が上記導電層Rの融点より低いことが好ましい。導電部を良好に溶融させる観点からは、上記導電層Pの融点、上記導電層Qの融点、及び上記導電層Rの融点は、以下の関係を満足することが好ましい。
 導電層Pの融点<導電層Qの融点<導電層Rの融点
 なお、上記導電部が上記導電層Rの内側に導電層を有する場合に、上記導電層Rの内側の導電層の融点は、特に限定されない。
 導電部を良好に溶融させる観点からは、上記導電層Pの融点は、好ましくは0℃以上、より好ましくは70℃以上、さらに好ましくは100℃以上であり、好ましくは300℃以下、より好ましくは280℃以下、さらに好ましくは240℃以下である。
 導電部の溶融温度を十分に低くし、導電部の相溶性を高める観点からは、上記導電層Pの融点は、上記導電層Qの融点よりも、5℃以上低いことが好ましく、10℃以上低いことがより好ましく、150℃以下で低いことが好ましく、100℃以下で低いことがより好ましい。
 導電部を良好に溶融させる観点からは、上記導電層Qの融点は、上記導電層Rの融点よりも、200℃以上低いことが好ましく、500℃以上低いことがより好ましい。上記導電層Qの融点は、上記導電層Rの融点よりも、2000℃以下で低くてもよく、1500℃以下で低くてもよく、1000℃以下で低くてもよい。
 導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電部の材料が、はんだの構成成分を含むことが好ましい。導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電層Pの材料と上記導電層Qの材料とが、はんだの構成成分を含むことが好ましい。導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、導電性粒子を200℃で1分間加熱したときに、上記導電層Pと上記導電層Qとが、溶融(相溶)してはんだを形成可能であることが好ましく、導電性粒子を160℃で1分間加熱したときに、上記導電層Pと上記導電層Qとが、溶融(相溶)してはんだを形成可能であることがより好ましい。上記導電層Pと上記導電層Qとは、境界近傍のみが溶融してもよく、上記導電層P及び上記導電層Qの全体が溶融してもよい。導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電層Pの材料と上記導電層Qの材料との2つの材料である複合材料が、はんだの構成成分を含むことが好ましい。上記導電層Pの材料と上記導電層Qの材料とは、実際には異なる層にそれぞれ含まれているが、上記複合材料は、上記導電層Pの材料と上記導電層Qの材料との2つの材料を1つの組成物としてみた材料である。上記はんだの構成成分から構成されるはんだは、鉛フリーはんだであることが好ましい。
 上記はんだは、融点が450℃以下である金属(低融点金属)であることが好ましい。上記はんだは、JIS Z3001:溶接用語に基づき、液相線が450℃以下である溶加材であることが好ましい。上記はんだは、共晶はんだであってもよく、鉛フリーはんだであってもよい。上記はんだの構成成分としては、亜鉛、金、銀、鉛、銅、錫、ビスマス、インジウム、錫-銀合金、錫-銅合金、錫-銀-銅合金、錫-ビスマス合金、錫-亜鉛合金、及び錫-インジウム合金等が挙げられる。
 導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電層Pは、インジウム(融点157℃)又はビスマス(融点272℃)を含むことが好ましく、上記導電層Qは、錫(融点232℃)を含むことが好ましく、上記導電層Rは、ニッケル(融点1455℃)を含むことが好ましい。導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電層Pが、インジウムを含むインジウム層又はビスマスを含むビスマス層であり、上記導電層Qが、錫を含む錫層であり、上記導電層Rが、ニッケルを含むニッケル層であることが好ましい。導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電層Pが、インジウムを含むインジウム層であり、上記導電層Qが、錫を含む錫層であり、上記導電層Rが、ニッケルを含むニッケル層であることがより好ましい。
 導通信頼性をより一層高める観点からは、上記ニッケル層100重量%中、ニッケルの含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは44重量%以上であり、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、さらに好ましくは72重量%以下である。
 導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電部は、ビスマスを含むことが好ましい。
 導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電部100重量%中、ビスマスの含有量は、好ましくは0.5重量%以上、より好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは25重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
 導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記ビスマスを含む層100重量%中、ビスマスの含有量は、好ましくは1重量%以上、より好ましくは2重量%以上、さらに好ましくは4重量%以上であり、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。
 本発明の効果をより一層効果的に発揮する観点からは、上記導電性粒子A及びBにおける上記導電部全体の融点は、好ましくは200℃以下、より好ましくは160℃以下、さらに好ましくは155℃以下である。上記導電性粒子A及びBにおける上記導電部全体の融点は、25℃以上であってもよく、50℃以上であってもよい。
 上記導電部全体の融点は、以下の方法で測定することができる。
 示差走査熱量計(DSC)を用いて昇温速度5℃/minにて、粒子35mgを測定する。ピークが複数である場合には、最も融点の低いピークを導電部全体のピークとする。
 上記導電層Pの構成成分は、加熱したときに、上記導電層Q中に拡散することが好ましい。上記導電層Pの、上記導電層Qに対する160℃における拡散係数は、好ましくは1.0×10-20/s以上、より好ましくは1.0×10-19/s以上、さらに好ましくは1.0×10-18/s以上、特に好ましくは1.0×10-17/s以上である。上記導電層Pの、上記導電層Qに対する160℃における拡散係数が、上記下限以上であると、導電層P及び導電層Qが良好にはんだを形成することができ、導電部の溶融温度を十分に低くすることができる。上記導電層Pの、上記導電層Qに対する160℃における拡散係数の上限は、特に限定されない。上記導電層Pの、上記導電層Qに対する160℃における拡散係数は、1.0×10-10/s以下であってもよく、1.0×10-13/s以下であってもよく、1.0×10-14/s以下であってもよい。
 導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電層Rの、上記導電層Qに対する160℃における拡散係数は、好ましくは1.0×10-50/s以上、より好ましくは1.0×10-40/s以上であり、好ましくは1.0×10-25/s以下、より好ましくは1.0×10-30/s以下である。
 上記導電層Pの、上記導電層Qに対する160℃における拡散係数、及び上記導電層Rの、上記導電層Qに対する160℃における拡散係数は、以下の方法で測定することができる。
 真空乾燥機を用いて160℃でそれぞれ5分、及び15分加熱した導電性粒子を用意する。加熱後の導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子を含む検査用埋め込み樹脂体を作製する。上記検査用埋め込み樹脂体中に分散した導電性粒子(基材粒子)の中心付近を通るようにイオンミリング装置(例えば、日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。次いで、電界放射型走査型電子顕微鏡-エネルギー分散型X線分光(FE-SEM-EDX)を用いて、各検査用埋め込み樹脂体における導電性粒子(基材粒子)の中心を原点として、導電層Qにおける導電層Pの構成成分の濃度分布、及び導電層Qにおける導電層Rの構成成分の濃度分布を測定する。下記式(フィックの第二法則(拡散方程式))を用いて、上記導電層Pの、上記導電層Qに対する160℃における拡散係数、及び上記導電層Rの、上記導電層Qに対する160℃における拡散係数を算出することができる。上記電界放射型走査型電子顕微鏡としては、日立ハイテクノロジーズ社製「Regulus8200」等が挙げられる。
 (∂C/∂t)=D(∂C/∂x
 C:導電層P又は導電層Rにおける導電層Qの構成成分の濃度
 D:拡散係数
 t:時間
 x:距離
 導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電部のX線回折スペクトルを測定したときに、32°以上34°以下の領域に、ピークが存在することが好ましい。導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電部のX線回折スペクトルを測定したときに、55.5°以上57.5°以下の領域に、ピークが存在することが好ましい。導電部の溶融温度を十分に低くする観点からは、上記導電部のX線回折スペクトルを測定したときに、32°以上34°以下の領域と、55.5°以上57.5°以下の領域とに、ピークが存在することが好ましい。
 上記導電部のX線回折スペクトルにおいて、32°以上34°以下の領域と、55.5°以上57.5°以下の領域とにピークが存在する場合に、32°以上34°以下の領域における最も高いピーク高さが、55.5°以上57.5°以下の領域における最も高いピーク高さよりも高いことが好ましい。この場合には、導電部における融点の低い合金の含有量を良好な範囲にし、導電部の溶融温度を十分に低くすることができる。
 上記導電部のX線回折スペクトルは、X線回折装置(例えば、理学電機社製「RINT2500VHF」)を用いて測定することができる。
 上記導電部の金属の酸化を防ぎ、上記導電部の表面の酸化被膜や異物を除去することにより、導通信頼性をより一層高める観点からは、上記導電部の外表面は、フラックスにより表面処理されていることが好ましい。上記フラックスは、特に限定されない。
 上記フラックスとしては、塩化亜鉛、塩化亜鉛と無機ハロゲン化物との混合物、塩化亜鉛と無機酸との混合物、溶融塩、リン酸、リン酸の誘導体、有機ハロゲン化物、ヒドラジン、アミン化合物、有機酸及び松脂等が挙げられる。上記フラックスは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 上記溶融塩としては、塩化アンモニウム等が挙げられる。上記有機酸としては、乳酸、クエン酸、ステアリン酸、グルタミン酸及びグルタル酸等が挙げられる。上記松脂としては、活性化松脂及び非活性化松脂等が挙げられる。上記フラックスは、カルボキシル基を2個以上有する有機酸、又は松脂であることが好ましい。上記フラックスは、カルボキシル基を2個以上有する有機酸であってもよく、松脂であってもよい。カルボキシル基を2個以上有する有機酸、松脂の使用により、接続強度及び導通信頼性がより一層高くなる。
 上記カルボキシル基を2個以上有する有機酸としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、及びセバシン酸等が挙げられる。
 上記アミン化合物としては、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ベンズヒドリルアミン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、フェニルイミダゾール、カルボキシベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、及びカルボキシベンゾトリアゾール等が挙げられる。
 上記松脂はアビエチン酸を主成分とするロジン類である。上記ロジン類としては、アビエチン酸、及びアクリル変性ロジン等が挙げられる。フラックスはロジン類であることが好ましく、アビエチン酸であることがより好ましい。この好ましいフラックスの使用により、フラックス効果がより一層高くなる。
 上記フラックスの活性温度(融点)は、好ましくは50℃以上、より好ましくは70℃以上、更に好ましくは80℃以上であり、好ましくは200℃以下、より好ましくは190℃以下、より一層好ましくは160℃以下、更に好ましくは150℃以下、さらに一層好ましくは140℃以下である。上記フラックスの活性温度が上記下限以上及び上記上限以下であると、フラックス効果がより一層高くなる。
 上記フラックスの融点は、示差走査熱量測定(DSC)により求めることができる。示差走査熱量測定(DSC)装置としては、SII社製「EXSTAR DSC7020」等が挙げられる。
 また、上記フラックスの沸点は200℃以下であることが好ましい。
 上記フラックスは、加熱によりカチオンを放出するフラックスであることが好ましい。加熱によりカチオンを放出するフラックスの使用により、接続強度及び導通信頼性がより一層高くなる。
 上記加熱によりカチオンを放出するフラックスとしては、上記熱カチオン開始剤(熱カチオン硬化剤)が挙げられる。
 フラックス効果をより一層高める観点からは、上記フラックスは、酸化合物と塩基化合物との塩であることが好ましい。
 上記酸化合物は、カルボキシル基を有する有機化合物であることが好ましい。上記酸化合物としては、脂肪族系カルボン酸であるマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、クエン酸、リンゴ酸、環状脂肪族カルボン酸であるシクロヘキシルカルボン酸、1,4-シクロヘキシルジカルボン酸、芳香族カルボン酸であるイソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、及びエチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。接続強度をより一層効果的に高める観点、及び導通信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記酸化合物は、グルタル酸、シクロヘキシルカルボン酸、又はアジピン酸であることが好ましい。
 上記塩基化合物は、アミノ基を有する有機化合物であることが好ましい。上記塩基化合物としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ベンズヒドリルアミン、2-メチルベンジルアミン、3-メチルベンジルアミン、4-tert-ブチルベンジルアミン、N-メチルベンジルアミン、N-エチルベンジルアミン、N-フェニルベンジルアミン、N-tert-ブチルベンジルアミン、N-イソプロピルベンジルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、イミダゾール化合物、及びトリアゾール化合物が挙げられる。接続強度をより一層効果的に高める観点、及び導通信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記塩基化合物は、ベンジルアミンであることが好ましい。
 上記基材粒子の全表面積100%中、上記導電部の面積(導電部の被覆率)は、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。上記導電部の被覆率の上限は、特に限定されない。上記導電部の被覆率は100%であってもよく、100%以下であってもよく、99%以下であってもよい。上記導電部の被覆率が、上記下限以上であると、電極間を電気的に接続した場合に、導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。
 上記導電部の厚みは、好ましくは0.005μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは10μm以下、より好ましくは1μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下である。上記導電部の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、導通信頼性をより一層効果的に高め、かつ、導電性粒子が硬くなりすぎずに、電極間の接続の際に導電性粒子を十分に変形させることができる。
 上記導電部が複数の層により形成されている場合に、導電部の最外層の厚みは、好ましくは0.001μm以上、より好ましくは0.01μm以上であり、好ましくは0.5μm以下、より好ましくは0.3μm以下である。上記導電部の最外層の厚みが、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電部の最外層が均一になり、耐腐食性が十分に高くなり、かつ電極間の接続抵抗を十分に低くすることができる。
 上記導電部の厚みは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、導電性粒子の断面を観察することにより測定できる。
 上記基材粒子の表面上に導電部を形成する方法は、特に限定されない。上記導電部を形成する方法としては、例えば、無電解めっきによる方法、電気めっきによる方法、物理的な衝突による方法、メカノケミカル反応による方法、物理的蒸着又は物理的吸着による方法、並びに金属粉末もしくは金属粉末とバインダーとを含むペーストを基材粒子の表面にコーティングする方法等が挙げられる。上記導電部を形成する方法は、無電解めっき、電気めっき又は物理的な衝突による方法であることが好ましい。上記物理的蒸着による方法としては、真空蒸着、イオンプレーティング及びイオンスパッタリング等の方法が挙げられる。また、上記物理的な衝突による方法では、例えば、シーターコンポーザ(徳寿工作所社製)等が用いられる。
 <絶縁性粒子>
 本発明に係る導電性粒子は、上記導電性粒子の表面上に複数の絶縁性粒子を備えていることが好ましい。この場合、上記導電性粒子を電極間の接続に用いると、隣接する電極間の短絡を防止できる。具体的には、複数の導電性粒子同士が接触したときに、複数の電極間に絶縁性粒子が存在するので、上下の電極間ではなく横方向に隣り合う電極間の短絡を防止できる。なお、電極間の接続の際に、2つの電極で導電性粒子を加圧することにより、導電性粒子と電極との間の絶縁性粒子を容易に排除できる。さらに、導電部の外表面に複数の突起を有する導電性粒子である場合には、導電性粒子と電極との間の絶縁性粒子をより一層容易に排除できる。
 上記絶縁性粒子は、重合性化合物の重合体であることが好ましい。上記重合性化合物は、特に限定されない。上記重合性化合物としては、上述した樹脂粒子の材料等が挙げられる。導電性粒子と絶縁性粒子との密着性を良好にし、絶縁信頼性をより一層高める観点からは、上記絶縁性粒子は、樹脂粒子であることが好ましい。
 上記導電部の表面上に上記絶縁性粒子を配置する方法としては、化学的方法、及び物理的もしくは機械的方法等が挙げられる。上記化学的方法としては、例えば、界面重合法、粒子存在下での懸濁重合法及び乳化重合法等が挙げられる。上記物理的もしくは機械的方法としては、スプレードライ、ハイブリダイゼーション、静電付着法、噴霧法、ディッピング及び真空蒸着による方法等が挙げられる。電極間を電気的に接続した場合に、絶縁信頼性及び導通信頼性をより一層効果的に高める観点からは、上記導電部の表面上に上記絶縁性粒子を配置する方法は、物理的方法であることが好ましい。
 上記絶縁性粒子の粒子径は、上記導電性粒子の粒子径及び上記導電性粒子の用途等によって適宜選択できる。上記絶縁性粒子の粒子径は、好ましくは10nm以上、より好ましくは100nm以上、さらに好ましくは200nm以上、特に好ましくは300nm以上であり、好ましくは4000nm以下、より好ましくは2000nm以下、さらに好ましくは1500nm以下、特に好ましくは1000nm以下である。上記絶縁性粒子の粒子径が、上記下限以上であると、上記導電性粒子がバインダー樹脂中に分散されたときに、複数の上記導電性粒子同士が接触し難くなる。上記絶縁性粒子の粒子径が、上記上限以下であると、電極間の接続の際に、電極と導電性粒子との間の絶縁性粒子を排除するために、圧力を高くしすぎる必要がなくなり、高温に加熱する必要もなくなる。
 上記絶縁性粒子の粒子径は、平均粒子径であることが好ましく、該平均粒子径は数平均粒子径を示す。上記絶縁性粒子の粒子径は粒度分布測定装置等を用いて求められる。上記絶縁性粒子の粒子径は、任意の絶縁性粒子50個を電子顕微鏡又は光学顕微鏡にて観察し、平均値を算出することや、レーザー回折式粒度分布測定を行うことにより求めることが好ましい。上記導電性粒子において、上記絶縁性粒子の粒子径を測定する場合には、例えば、以下のようにして測定できる。
 導電性粒子を含有量が30重量%となるように、Kulzer社製「テクノビット4000」に添加し、分散させて、導電性粒子を含む検査用埋め込み樹脂を作製する。上記検査用埋め込み樹脂中の分散した導電性粒子の中心付近を通るようにイオンミリング装置(日立ハイテクノロジーズ社製「IM4000」)を用いて、導電性粒子の断面を切り出す。そして、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、50個の導電性粒子を無作為に選択し、各導電性粒子の絶縁性粒子を観察する。各導電性粒子における絶縁性粒子の円相当径を粒子径として計測し、それらを算術平均して絶縁性粒子の粒子径とする。
 本発明に係る導電性粒子では、粒子径の異なる2種以上の絶縁性粒子を併用してもよい。粒子径の異なる2種以上の絶縁性粒子を併用することにより、粒子径の大きい絶縁性粒子により被覆された隙間に、粒子径の小さい絶縁性粒子が入り込み、導電性粒子の表面上に絶縁性粒子をより一層効率的に配置することができる。
 上記絶縁性粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、20%以下であることが好ましい。上記絶縁性粒子の粒子径の変動係数が、上記上限以下であると、得られる導電性粒子における絶縁性粒子の厚みがより一層均一となり、導電接続の際に均一に圧力をより一層容易に付与することができ、電極間の接続抵抗をより一層低くすることができる。
 上記変動係数(CV値)は、以下のようにして測定できる。
 CV値(%)=(ρ/Dn)×100
 ρ:絶縁性粒子の粒子径の標準偏差
 Dn:絶縁性粒子の粒子径の平均値
 上記絶縁性粒子の形状は、特に限定されない。上記絶縁性粒子の形状は、球状であってもよく、球形状以外の形状であってもよく、扁平状等の形状であってもよい。
 絶縁信頼性を良好にする観点からは、上記導電部の全表面積100%中、上記絶縁性粒子により被覆されている部分の面積(絶縁性粒子の被覆率)は、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上であり、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下である。
 上記絶縁性粒子の被覆率は、例えば、以下の方法で測定することができる。電界放射型走査型電子顕微鏡(FE-SEM)を用いて、画像倍率5万倍に設定し、20個の導電性粒子を無作為に選択し、それぞれの導電性粒子の表面を観察する。得られた導電性粒子において、絶縁性粒子により被覆されている部分の表面積の粒子全体の投影面積に対する百分率を計測し、それを算術平均して絶縁性粒子の被覆率とする。
 また、上記絶縁性粒子の被覆率はSEMに付随するEDX等のマッピング分析によっても測定が可能である。
 上記絶縁性粒子の被覆率は、例えば、無機粒子の基材粒子に対する添加量、混合時間等によって、調節することができるので、被覆率を調節する方法は、特に限定されない。
 (導電材料)
 本発明に係る導電材料は、上述した導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む。上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散されて用いられることが好ましい。上記導電性粒子は、バインダー樹脂中に分散されて導電材料として用いられることが好ましい。上記導電材料は、異方性導電材料であることが好ましい。上記導電材料は、電極間の電気的な接続に用いられることが好ましい。上記導電材料は回路接続用導電材料であることが好ましい。
 上記バインダー樹脂は、特に限定されない。上記バインダー樹脂として、公知の絶縁性の樹脂が用いられる。上記バインダー樹脂は、熱可塑性成分(熱可塑性化合物)又は硬化性成分を含むことが好ましく、硬化性成分を含むことがより好ましい。上記硬化性成分としては、光硬化性成分及び熱硬化性成分が挙げられる。上記光硬化性成分は、光硬化性化合物及び光重合開始剤を含むことが好ましい。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物及び熱硬化剤を含むことが好ましい。
 上記バインダー樹脂としては、例えば、ビニル樹脂、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂、熱可塑性ブロック共重合体及びエラストマー等が挙げられる。上記バインダー樹脂は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
 上記ビニル樹脂としては、例えば、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂及びスチレン樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体及びポリアミド樹脂等が挙げられる。上記硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂及び不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。なお、上記硬化性樹脂は、常温硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、光硬化型樹脂又は湿気硬化型樹脂であってもよい。上記硬化性樹脂は、硬化剤と併用されてもよい。上記熱可塑性ブロック共重合体としては、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体の水素添加物、及びスチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体の水素添加物等が挙げられる。上記エラストマーとしては、例えば、スチレン-ブタジエン共重合ゴム、及びアクリロニトリル-スチレンブロック共重合ゴム等が挙げられる。
 上記導電材料は、上記導電性粒子及び上記バインダー樹脂の他に、例えば、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、重合触媒、硬化触媒、着色剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、帯電防止剤及び難燃剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。
 上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法は、従来公知の分散方法を用いることができ、特に限定されない。上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を分散させる方法としては、例えば、以下の方法等が挙げられる。上記バインダー樹脂中に上記導電性粒子を添加した後、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。上記導電性粒子を水又は有機溶剤中にホモジナイザー等を用いて均一に分散させた後、上記バインダー樹脂中に添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。上記バインダー樹脂を水又は有機溶剤等で希釈した後、上記導電性粒子を添加し、プラネタリーミキサー等で混練して分散させる方法。
 上記導電材料の25℃での粘度(η25)は、好ましくは30Pa・s以上、より好ましくは50Pa・s以上であり、好ましくは400Pa・s以下、より好ましくは300Pa・s以下である。上記導電材料の25℃での粘度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間の絶縁信頼性をより一層効果的に高めることができ、電極間の導通信頼性をより一層効果的に高めることができる。上記粘度(η25)は、配合成分の種類及び配合量により適宜調整することができる。
 上記粘度(η25)は、例えば、E型粘度計(東機産業社製「TVE22L」)等を用いて、25℃及び5rpmの条件で測定することができる。
 上記導電材料は、導電ペースト及び導電フィルム等として使用され得る。上記導電材料が、導電フィルムである場合には、導電性粒子を含む導電フィルムに、導電性粒子を含まないフィルムが積層されていてもよい。上記導電ペーストは、異方性導電ペーストであることが好ましい。上記導電フィルムは、異方性導電フィルムであることが好ましい。
 上記導電材料100重量%中、上記バインダー樹脂の含有量は、好ましくは10重量%以上、より好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上、特に好ましくは70重量%以上であり、好ましくは99.99重量%以下、より好ましくは99.9重量%以下である。上記バインダー樹脂の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、電極間に導電性粒子が効率的に配置され、導電材料により接続された接続対象部材の接続信頼性をより一層高めることができる。
 上記導電材料100重量%中、上記導電性粒子の含有量は、好ましくは0.01重量%以上、より好ましくは0.1重量%以上であり、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下、特に好ましくは20重量%以下、最も好ましくは10重量%以下である。上記導電性粒子の含有量が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導通信頼性及び絶縁信頼性をより一層高めることができる。
 (接続構造体)
 本発明に係る接続構造体は、第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、上記第1の接続対象部材と、上記第2の接続対象部材を接続している接続部とを備える。本発明に係る接続構造体では、上記接続部の材料が、上述した導電性粒子を含む。本発明に係る接続構造体では、上記第1の電極と上記第2の電極とが、上記導電性粒子により電気的に接続されている。
 図4は、本発明の第1の実施形態に係る導電性粒子を用いた接続構造体を模式的に示す断面図である。
 図4に示す接続構造体51は、第1の接続対象部材52と、第2の接続対象部材53と、第1の接続対象部材52及び第2の接続対象部材53を接続している接続部54とを備える。接続部54の材料は、導電性粒子1を含む。接続部54は、導電性粒子1を含む導電材料により形成されていてもよい。接続部54は、複数の導電性粒子1を含む導電材料を硬化させることにより形成されていることが好ましい。なお、図4では、導電性粒子1は、図示の便宜上、略図的に示されている。導電性粒子1にかえて、導電性粒子21又は導電性粒子31を用いてもよい。
 第1の接続対象部材52は表面(上面)に、複数の第1の電極52aを有する。第2の接続対象部材53は表面(下面)に、複数の第2の電極53aを有する。第1の電極52aと第2の電極53aとが、1つ又は複数の導電性粒子1により電気的に接続されている。従って、第1の接続対象部材52及び第2の接続対象部材53が導電性粒子1における導電部3により電気的に接続されている。
 上記接続構造体の製造方法は、特に限定されない。接続構造体の製造方法の一例としては、第1の接続対象部材と第2の接続対象部材との間に上記導電材料を配置し、積層体を得た後、該積層体を加熱及び加圧する方法等が挙げられる。上記熱圧着の圧力は好ましくは40MPa以上、より好ましくは60MPa以上であり、好ましくは90MPa以下、より好ましくは70MPa以下である。上記熱圧着の加熱の温度は、好ましくは80℃以上、より好ましくは100℃以上であり、好ましくは140℃以下、より好ましくは120℃以下である。上記熱圧着の圧力及び温度が、上記下限以上及び上記上限以下であると、導電接続時に導電性粒子の表面から上記絶縁性粒子が容易に脱離でき、電極間の導通信頼性をより一層高めることができる。
 上記積層体を加熱及び加圧する際に、上記導電性粒子と、上記第1の電極及び上記第2の電極との間に存在している上記絶縁性粒子を排除することができる。例えば、上記加熱及び加圧の際には、上記導電性粒子と、上記第1の電極及び上記第2の電極との間に存在している上記絶縁性粒子が、上記絶縁性粒子付き導電性粒子の表面から容易に脱離する。なお、上記加熱及び加圧の際には、上記絶縁性粒子付き導電性粒子の表面から一部の上記絶縁性粒子が脱離して、上記導電部の表面が部分的に露出することがある。上記導電部の表面が露出した部分が、上記第1の電極及び上記第2の電極に接触することにより、上記導電性粒子を介して第1の電極と第2の電極とを電気的に接続することができる。
 上記第1の接続対象部材及び第2の接続対象部材は、特に限定されない。上記第1の接続対象部材及び第2の接続対象部材としては、具体的には、半導体チップ、半導体パッケージ、LEDチップ、LEDパッケージ、コンデンサ及びダイオード等の電子部品、並びに樹脂フィルム、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フレキシブルフラットケーブル、リジッドフレキシブル基板、ガラスエポキシ基板及びガラス基板等の回路基板等の電子部品等が挙げられる。上記第1の接続対象部材及び第2の接続対象部材は、電子部品であることが好ましい。
 上記接続対象部材に設けられている電極としては、金電極、ニッケル電極、錫電極、アルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極、SUS電極、及びタングステン電極等の金属電極が挙げられる。上記接続対象部材がフレキシブルプリント基板である場合には、上記電極は金電極、ニッケル電極、錫電極、銀電極又は銅電極であることが好ましい。上記接続対象部材がガラス基板である場合には、上記電極はアルミニウム電極、銅電極、モリブデン電極、銀電極又はタングステン電極であることが好ましい。なお、上記電極がアルミニウム電極である場合には、アルミニウムのみで形成された電極であってもよく、金属酸化物層の表面にアルミニウム層が積層された電極であってもよい。上記金属酸化物層の材料としては、3価の金属元素がドープされた酸化インジウム及び3価の金属元素がドープされた酸化亜鉛等が挙げられる。上記3価の金属元素としては、Sn、Al及びGa等が挙げられる。
 以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
 (実施例1)
 (1)導電性粒子の作製
 第1の導電部の形成:
 基材粒子Aとして、アクリル系共重合体樹脂粒子(積水化学工業社製「ミクロパールEZ3P-020」、平均粒子径20μm)を用意した。パラジウム触媒液を5重量%含むアルカリ溶液100重量部に、基材粒子A10重量部を、超音波分散器を用いて分散させた後、溶液をろ過することにより、基材粒子Aを取り出した。次いで、基材粒子Aをジメチルアミンボラン1重量%溶液100重量部に添加し、基材粒子Aの表面を活性化させた。表面が活性化された基材粒子Aを十分に水洗した後、蒸留水500重量部に加え、分散させることにより、基材粒子Aを含む分散液Aを得た。分散液Aに、ニッケル粒子スラリー(平均粒子径100nm)1gを3分間かけて添加し、芯物質が付着された基材粒子Aを含む懸濁液Aを得た。
 また、ニッケルめっき液として、硫酸ニッケル0.14mol/L、ジメチルアミンボラン0.46mol/L、及びクエン酸ナトリウム0.2mol/Lを含むニッケルめっき液(pH8.5)を用意した。
 得られた懸濁液Aを70℃にて撹拌しながら、上記ニッケルめっき液を懸濁液Aに、滴下速度30mL/分の条件で10分間滴下した。続いて、滴下速度10mL/分の条件で40分間滴下し、その後、滴下速度4mL/分の条件で80分間滴下することで、めっき膜中に取り込まれるボロンの含有量を制御しながら、無電解ニッケル-ボロン合金めっきを行った。
 その後、上記懸濁液Aをろ過することにより、粒子を取り出し、水洗し、乾燥させて、基材粒子Aの表面上に第1の導電部(導電層R、ニッケル層、厚み250nm)が配置された粒子Aを得た。
 第2の導電部の形成:
 得られた粒子A10重量部を、超音波処理機により、イオン交換水500重量部に分散させて、懸濁液Bを得た。
 硫酸錫15g/L、エチレンジアミン四酢酸45g/L、及びホスフィン酸1.5g/Lを含む錫めっき液(水酸化ナトリウムにてpH8.5に調整)を用意した。また、水素化ホウ素ナトリウム5g/Lを含む還元液(水酸化ナトリウムにてpH10.0に調整)を用意した。
 得られた懸濁液Bを50℃で撹拌しながら、上記錫めっき液を徐々に添加した後、還元液により還元させることで無電解錫めっきを行い、第2の導電部を形成した。第2の導電部の厚みが125nmになった時点で無電解錫めっきを終了した。上記第1の導電部の表面上に第2の導電部(導電層Q、錫層、厚み125nm)が配置された粒子Bを得た。
 第3の導電部の形成:
 得られた粒子Bを、超音波処理機により、イオン交換水500重量部に分散させて、懸濁液Cを得た。
 硫酸パラジウム0.02mol/L、錯化剤としてエチレンジアミン0.04mol/L、還元剤として水素化ホウ素ナトリウム5g/L、及び結晶調整剤を含むインジウムめっき液(pH10.0)を用意した。
 得られた懸濁液Cを50℃で撹拌しながら、上記インジウムめっき液を徐々に添加し、無電解インジウムめっきを行い、第3の導電部を形成した。第3の導電部の厚みが125nmになった時点で無電解インジウムめっきを終了した。上記第2の導電部の表面上に第3の導電部(導電層P、インジウム層、厚み125nm)が配置された導電性粒子(フラックス処理前)を得た。
 フラックス処理:
 得られた導電性粒子をエタノール200mLに分散させ、分散液を得た。その後、この分散液とフラックス0.5gが溶解されたエタノール300mLとを混合し、温度50℃、超音波分散にて10分撹拌した。3μmのメッシュフィルターでろ過した後乾燥させた。このようにして、導電部の外表面がフラックスにより表面処理されている導電性粒子を得た。
 (2)導電材料の作製
 以下の材料を混合して、混合物を得た。ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート1009」)10重量部。アクリルゴム(重量平均分子量約80万)40重量部。メチルエチルケトン200重量部。マイクロカプセル型硬化剤(旭化成イーマテリアルズ社製「HX3941HP」)50重量部。シランカップリング剤(東レダウコーニングシリコーン社製「SH6040」)2重量部。この混合物に導電性粒子を含有量が3重量%となるように添加し、分散させ、導電材料を得た。
 得られた導電材料を、片面が離型処理された厚さ50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに塗布し、70℃の熱風で5分間乾燥し、異方性導電フィルムを作製した。得られた異方性導電フィルムの厚さは50μmであった。
 (3)接続構造体の作製
 L/Sが200μm/200μmのAu電極パターン(電極(Au回路):Cu上にNi/Au薄膜)を上面に有するポリイミド基板(フレキシブルプリント基板)を用意した。また、L/Sが200μm/200μmのAu電極パターン(電極(Auバンプ):Cu上にNi/Au薄膜)を下面に有するプリント基板を用意した。上記ポリイミド基板の上面に、得られた異方性導電フィルムを80℃、0.98MPa(10kgf/cm)で貼り付けた後、セパレータを剥離した。その後、プリント基板のAuバンプとポリイミド基板のAu回路との位置合わせを行った。次いで、半導体チップの上面に加圧加熱ヘッドを載せ、圧着面積から算出される1MPaの低圧力を付与しつつ、異方性導電材料層を160℃又は各導電性粒子における導電部の融点+20℃で硬化させ、接続構造体を得た。
 (実施例2~16及び比較例1,2)
 導電部の構成、及びフラックス処理の有無を下記の表1~4のように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、導電性粒子、導電材料、及び接続構造体を得た。なお、表中「導電部100重量%中の含有量」は、導電部(第1、第2、第3、及び第4の導電部の合計)100重量%中の第1、第2、第3、及び第4の導電部の各含有量(重量%)を示し、「導電性粒子100重量%中の含有量」は、導電性粒子100重量%中の第1、第2、第3、及び第4の導電部の各含有量(重量%)を示す。
 (評価)
 (1)導電部全体の融点
 得られた導電性粒子における導電部全体の融点を、上述した方法で測定した。
 (2)拡散係数
 3層以上の導電層を有する導電性粒子について、上述した方法で、導電層Pの、導電層Qに対する160℃における拡散係数と、導電層Rの、導電層Qに対する160℃における拡散係数とを求めた。
 (3)X線回折スペクトル
 得られた導電性粒子について、X線回折装置(理学電機社製「RINT2500VHF」)を用いて、導電部のX線回折スペクトルを測定し、32°以上34°以下の領域と、55.5°以上57.5°以下の領域とにおけるピークの有無を観察した。X線回折スペクトルの測定条件は45kV、50mAでスキャンレート4.0deg/min.、スキャンステップ0.02deg、測定範囲を2θで5.0degから110.0degとした。
 (4)導電部の溶融
 得られた導電性粒子を、Cu板上に散布し、大気雰囲気下で、1)155℃で1分間、及び2)160℃で1分間、3)200℃で1分間、の各条件でそれぞれ加熱した。FIB-SEMにて収束イオンビーム(FIB)により、加熱後の上記導電性粒子の断面を切り出した。断面を切り出した後、加熱後の導電性粒子における導電部の溶融状態を、電子顕微鏡(SEM)を用いて導電性粒子とCu板との接合部近傍にて観察し、溶融している導電部の厚みを求め、下記の基準で判定した。なお、溶融している導電部の厚みは、断面において導電性粒子とCu板との接合部近傍を観察したときに、溶融している導電部の面積を導電性粒子とCu板との接合部の長さで除した値とする。
 [導電部の溶融の判定基準]
 A:導電部の表面の厚み30nm以上が溶融している
 B:導電部の表面の厚み0nmを超え30nm未満が溶融している
 C:導電部の表面が溶融していない
 (5)導通信頼性(上下の電極間)
 得られた20個の接続構造体(該接続構造体は、1)160℃、及び2)各導電性粒子における導電部全体の融点+20℃の各条件でそれぞれ作製した接続構造体について、上下の電極間の接続抵抗をそれぞれ、4端子法により測定した。なお、電圧=電流×抵抗の関係から、一定の電流を流した時の電圧を測定することにより接続抵抗を求めることができる。導通信頼性を下記の基準で判定した。
 [導通信頼性の判定基準]
 A:接続抵抗が0.35Ω以下
 B:接続抵抗が0.35Ωを超え0.41Ω以下
 C:接続抵抗が0.41Ωを超える
 [導通信頼性の総合判定基準]
 ○○:1)160℃の条件で作製した接続構造体、及び2)各導電性粒子における導電部全体の融点+20℃の条件で作製した接続構造体の双方において、導通信頼性の判定基準がA又はBである
 ○:1)160℃の条件で作製した接続構造体、及び2)各導電性粒子における導電部全体の融点+20℃の条件で作製した接続構造体の一方において、導通信頼性の判定基準がA又はBである
 ×:1)160℃の条件で作製した接続構造体、及び2)各導電性粒子における導電部全体の融点+20℃の条件で作製した接続構造体の双方において、導通信頼性の判定基準がCである
 導電性粒子の構成及び結果を下記の表1~4に示す。表1~4において、例えば「E-16」は「×10-16」、「E-17」は「×10-17」を意味する(16及び17以外の数字も同様)。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 1,21,31…導電性粒子
 2…基材粒子
 3,23,33…導電部
 23A…第1の導電部
 23B…第2の導電部
 23C…第3の導電部
 33a…突起
 34…芯物質
 35…絶縁性物質
 51…接続構造体
 52…第1の接続対象部材
 52a…第1の電極
 53…第2の接続対象部材
 53a…第2の電極
 54…接続部

Claims (19)

  1.  基材粒子と、前記基材粒子の表面上に配置された導電部とを有し、
     以下の構成A、又は以下の構成Bを満足する、導電性粒子。
     構成A:前記導電部が、インジウム又はビスマスを含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する
     構成B:前記導電部が、融点の異なる3種類以上の金属を含み、導電性粒子を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する
  2.  前記導電部が、インジウム又はビスマスを含み、
     前記導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する、請求項1に記載の導電性粒子。
  3.  前記導電部が、インジウムを含み、
     前記導電性粒子を大気雰囲気下かつ160℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する、請求項1に記載の導電性粒子。
  4.  前記導電部が、融点の異なる3種類以上の金属を含み、
     前記導電性粒子を大気雰囲気下かつ200℃の条件で1分間加熱したときに、前記導電部が溶融する、請求項1に記載の導電性粒子。
  5.  前記導電部が、融点が200℃以下である導電層を有し、
     前記導電部100重量%中、前記融点が200℃以下である導電層の含有量が、10重量%以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  6.  前記導電部が、銅又はニッケルを含む層を有し、
     前記基材粒子が、前記銅又はニッケルを含む層に接する、請求項1~5のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  7.  前記導電部が、錫を含み、
     前記導電部100重量%中、錫の含有量が、2重量%以上である、請求項1~6のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  8.  前記導電部が、ビスマスを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  9.  前記導電部が、2層以上の導電層であり、
     前記導電部の外表面から内表面に向かって、前記導電層の融点が順に高くなるように、2層以上の前記導電層が積層されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  10.  前記導電部が、3層以上の導電層であり、
     前記導電部が、前記導電部の外表面から前記導電部の厚み方向の内側に向かって、導電層Pと、導電層Qと、導電層Rとをこの順で有し、
     前記導電層Pが、前記導電部の外表面層であり、
     前記導電層P、前記導電層Q、及び前記導電層Rが連続して積層されており、
     前記導電部が、前記導電層Rの内側に導電層を有さないか又は1層以上の導電層を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  11.  前記導電層Pの、前記導電層Qに対する160℃における拡散係数が、1.0×10-20/s以上である、請求項10に記載の導電性粒子。
  12.  前記導電層Rの、前記導電層Qに対する160℃における拡散係数が、1.0×10-25/s以下である、請求項10又は11に記載の導電性粒子。
  13.  前記導電層Pの材料と前記導電層Qの材料とが、はんだの構成成分を含む、請求項10~12のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  14.  前記導電層Pが、インジウムを含むインジウム層であり、
     前記導電層Qが、錫を含む錫層であり、
     前記導電層Rが、ニッケルを含むニッケル層である、請求項10~13のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  15.  前記導電部のX線回折スペクトルを測定したときに、32°以上34°以下の領域と、55.5°以上57.5°以下の領域とに、ピークが存在する、請求項1~14のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  16.  前記導電部の外表面が、フラックスにより表面処理されている、請求項1~15のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  17.  前記基材粒子の粒子径が0.5μm以上100μm以下である、請求項1~16のいずれか1項に記載の導電性粒子。
  18.  請求項1~17のいずれか1項に記載の導電性粒子と、バインダー樹脂とを含む、導電材料。
  19.  第1の電極を表面に有する第1の接続対象部材と、
     第2の電極を表面に有する第2の接続対象部材と、
     前記第1の接続対象部材と、前記第2の接続対象部材を接続している接続部とを備え、
     前記接続部の材料が、請求項1~17のいずれか1項に記載の導電性粒子を含み、
     前記第1の電極と前記第2の電極とが、前記導電性粒子により電気的に接続されている、接続構造体。
PCT/JP2022/019940 2021-05-12 2022-05-11 導電性粒子、導電材料及び接続構造体 WO2022239799A1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020237026388A KR20240006492A (ko) 2021-05-12 2022-05-11 도전성 입자, 도전 재료 및 접속 구조체
JP2022538324A JP7231793B1 (ja) 2021-05-12 2022-05-11 導電性粒子、導電材料及び接続構造体

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021081226 2021-05-12
JP2021-081226 2021-05-12

Publications (1)

Publication Number Publication Date
WO2022239799A1 true WO2022239799A1 (ja) 2022-11-17

Family

ID=84029710

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
PCT/JP2022/019940 WO2022239799A1 (ja) 2021-05-12 2022-05-11 導電性粒子、導電材料及び接続構造体

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP7231793B1 (ja)
KR (1) KR20240006492A (ja)
TW (1) TW202312189A (ja)
WO (1) WO2022239799A1 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012155951A (ja) * 2011-01-25 2012-08-16 Sekisui Chem Co Ltd 導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011134480A (ja) 2009-12-22 2011-07-07 Natoko Kk 導電性粒子、導電性材料および異方性導電膜
JP2012174358A (ja) * 2011-02-17 2012-09-10 Sekisui Chem Co Ltd 接続構造体及び接続構造体の製造方法
JP2013054851A (ja) * 2011-09-01 2013-03-21 Sekisui Chem Co Ltd 導電性粒子、導電性粒子の製造方法、異方性導電材料及び接続構造体
JP2013152867A (ja) * 2012-01-25 2013-08-08 Sekisui Chem Co Ltd 導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012155951A (ja) * 2011-01-25 2012-08-16 Sekisui Chem Co Ltd 導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2022239799A1 (ja) 2022-11-17
JP7231793B1 (ja) 2023-03-01
KR20240006492A (ko) 2024-01-15
TW202312189A (zh) 2023-03-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6480661B2 (ja) 絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法、導電材料の製造方法及び接続構造体の製造方法
JP5054232B2 (ja) 導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体
JP6009933B2 (ja) 導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP6084868B2 (ja) 導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP6276351B2 (ja) 導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP6431411B2 (ja) 絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP6151990B2 (ja) 絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP7412100B2 (ja) 絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP7231793B1 (ja) 導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP6478308B2 (ja) 導電性粒子、導電材料及び接続構造体
WO2020251043A1 (ja) 導電性粒子、導電材料及び接続構造体
WO2024101449A1 (ja) 導電性粒子、導電材料及び接続構造体
TWI789395B (zh) 導電材料及連接構造體
JP5580729B2 (ja) 導電性粒子、異方性導電材料及び接続構造体
WO2022239776A1 (ja) 導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP7312109B2 (ja) 絶縁性粒子付き導電性粒子、絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法、導電材料及び接続構造体
JP7312108B2 (ja) 絶縁性粒子付き導電性粒子、絶縁性粒子付き導電性粒子の製造方法、導電材料及び接続構造体
JP7235611B2 (ja) 導電材料及び接続構造体
WO2022260159A1 (ja) 被覆粒子、被覆粒子の製造方法、樹脂組成物及び接続構造体
JP7271543B2 (ja) 絶縁性粒子付き導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP2020205258A (ja) コネクタ接合用導電性粒子、コネクタ接合用導電材料及びコネクタ接合体
JP6441555B2 (ja) 導電性粒子、導電材料及び接続構造体
JP7348776B2 (ja) 絶縁部付き導電性粒子、絶縁部付き導電性粒子の製造方法、導電材料及び接続構造体
JP7132112B2 (ja) 導電フィルム及び接続構造体
JP2019123922A (ja) 金属被覆体の製造方法、表面処理剤、及び金属被覆体

Legal Events

Date Code Title Description
ENP Entry into the national phase

Ref document number: 2022538324

Country of ref document: JP

Kind code of ref document: A

121 Ep: the epo has been informed by wipo that ep was designated in this application

Ref document number: 22807498

Country of ref document: EP

Kind code of ref document: A1

NENP Non-entry into the national phase

Ref country code: DE