WO2022208756A1 - エレベーターの制御方法及びエレベーター装置 - Google Patents

Abstract

本発明の目的は、非接触センサの誤検出を抑制するエレベーターを提供する。そのために、本発明は、乗客からの入力を検知する非接触センサ２２を備えたエレベーターにおいて、非接触センサ２２の入力情報と入力検出条件が合致した後、前記入力情報と前記入力検出条件が合致しなくなった際に、非接触センサ２２の入力情報を登録することを特徴とする。また、非接触センサ２２の入力情報が複数個検出した後、非接触センサ２２の入力情報が単数個の入力情報となった際に、単数個の前記入力検出条件のみを登録することを特徴とする。

Description

エレベーターの制御方法及びエレベーター装置

　本発明は、エレベーターの制御方法及びエレベーター装置に関する。

　エレベーターのかご内には、操作盤が設けられており、乗客は、この操作盤のボタン操作などにより、行先階を登録する。また、操作盤に非接触式のセンサを有するエレベーターもあり、このようなエレベーターでは、センサが乗客からの入力を検出することにより行先階の登録することが可能となっている。そして、非接触式のセンサを用いた操作盤では、乗客が意図しない行先階の過誤登録を防ぐための対策が講じられている。

　例えば、特許文献１には、「行先階を決定する操作を非接触で検出する複数のセンサを有する非接触式操作盤であるかご操作盤と、前記操作を検出するための検出条件に基づいて、行先階を登録するか否かを制御する制御装置と、を備える。制御装置は、複数のセンサのうち行先階に対応する行先階センサが第１閾値時間まで継続して前記操作を検出すると当該行先階を登録し、さらに第２閾値時間まで継続して前記操作を検出したときには、その旨を報知する処理を実行し、前記登録を解除する。」と記載されている。

特開２０１９－１４２６８６号公報

　特許文献１に記載の技術は、前記のように、第２閾値時間まで継続して行先階センサの操作が検出された場合、乗客の身体の一部や手荷物を検出し続けているなど、乗客が意図せぬ過誤登録がされるのを防止するために、行先階の登録を解除するものである（特許文献１の段落００４０等）。しかしながら、例えば、センサ自体にゴミ等の異物が付着した場合に、センサがその異物を検出して１度呼び登録をしていまい、誤登録を起こす可能性がある。

　また、非接触の特徴から、利用者の目線によっては、どの行先階のセンサであるか探索している間に目的の行先階以外の階を登録してしまうなどの誤登録が考えられる。当該誤登録を行うとエレベーターの状況によっては、キャンセル機能を動作させる前にエレベーターが走行開始してしまう場合があり、意図しない階にエレベーターが停止してしまう可能性がある。

　本発明の目的は、誤登録を抑制することができるエレベーターの制御方法及びエレベーター装置を提供することにある。

　上記課題を解決するために、本発明は、乗客からの入力を検知する非接触センサを備えたエレベーターの制御方法において、前記非接触センサの入力情報と入力検出条件が合致した後、前記入力情報と前記入力検出条件が合致しなくなった際に、前記非接触センサの入力情報を登録することを特徴とする。

　また、本発明は、乗りかごと、前記乗りかごと主ロープを介して接続された釣合い錘と、前記主ロープを駆動させて前記乗りかごを昇降させる巻上機と、前記乗りかごの行先階を入力する非接触センサと、前記非接触センサから入力された情報に基づいて前記巻上機を制御するエレベーター制御システムと、を備えたエレベーター装置において、前記エレベーター制御システムは、前記非接触センサからの入力であるか否かを判定する非接触入力判定部と、前記非接触入力判定部の入力検出が無くなった際に、前記乗りかごの行先階を登録する登録判定部を備えたことを特徴とする。

　本発明によれば、誤登録を抑制することができるエレベーターの制御方法及びエレベーター装置を提供することができる。

本発明の実施例１に係るエレベーターの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例１に係るエレベーターの制御方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例１に係る操作盤およびかご内表示装置を示す概略図である。 ３階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。 ３階の非接触センサに継続して手をかざした状態を示す概略図である。 ３階の非接触センサが手を未検出となった直後の状態を示す概略図である。 本発明の実施例２に係るエレベーターの制御方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例２に係る操作盤およびかご内表示装置を示す概略図である。 ３階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。 ３階及び４階の非接触センサが手を検出し、複数個検出の異常の旨を報知した状態を示す概略図である。 ４階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。 ４階及び５階の非接触センサが手を検出し、複数個検出の異常の旨を報知した状態を示す概略図である。 ５階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。 ５階の非接触センサが手を未検出となった直後の状態を示す概略図である。 本発明の実施例３に係るエレベーターの制御方法を示すフローチャートである。 本発明の実施例３に係る操作盤およびかご内表示装置を示す概略図である。 ３階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。

３階及び４階の非接触センサが手を検出し、複数個検出の異常の旨を報知した状態を示す概略図である。 ３階の非接触センサが手を未検出となった直後、４階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。 ４階及び５階の非接触センサが手を検出し、複数個検出の異常の旨を報知した状態を示す概略図である。 ４階の非接触センサが手を未検出となった直後、５階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。 ５階の非接触センサが手を未検出となった直後の状態を示す概略図である。

　以下、本発明の実施例について添付の図面を参照しつつ説明する。同様の構成要素には同様の符号を付し、同様の説明は繰り返さない。

　本発明の各種の構成要素は必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、一の構成要素が複数の部材から成ること、複数の構成要素が一の部材から成ること、或る構成要素が別の構成要素の一部であること、或る構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複すること、などを許容する。

　図１は、本発明の実施例１に係るエレベーター装置の構成を示すブロック図である。本実施例のエレベーター装置は、図示していないが、乗りかごと、この乗りかごと主ロープを介して接続された釣合い錘と、主ロープを駆動させて乗りかごを昇降させる巻上機と、を備えている。乗りかごや釣合い錘は昇降路内を昇降する。

　乗りかごには、押ボタン２１および非接触センサ２２を備えた操作盤制御装置２０が設置されている。なお、押ボタン２１および非接触センサ２２には、対象の行先階が明示されており、複数個存在する。これらは操作盤２００（図３参照）に対して、縦に一列に整列しているものが一般的であるが、横に整列していても良い。

　さらに乗りかごには、かご内の乗客に対して、エレベーターの運行状況を案内するため、液晶等のかご内表示装置３１が設置され、当該かご内表示装置３１を制御するための表示制御装置３０が併設される。またスピーカ等の音出力装置４１が設けられ、当該音出力装置４１を制御するための音制御装置４０が併設される。また、操作盤制御装置２０、表示制御装置３０および音制御装置４０は、エレベーター制御システム１と、テールコード等によって接続されている。なお、押ボタン２１は、行先階の登録がされると点灯する表示部を備えている。

　エレベーター制御システム１は、操作盤制御装置２０を介して押ボタン２１や非接触センサ２２の入力によって、利用者を目的の行先階へ走行するか否かを決定する。エレベーター制御システム１はエレベーターのかごを上下する巻上げ機が設置されている機械室等に併設されていることが一般的であるが、設置場所についてはこれに限らない。例えば、エレベーターが昇降する昇降路内に設置しても良い。エレベーター制御システム１は、１台のかご、巻上機、かご内に設置されている、各操作盤制御装置２０、表示制御装置３０、音制御装置４０の入力や出力や、走行指令、戸開、戸閉指令などを実施する。

　操作盤制御装置２０を介して押ボタン２１や非接触センサ２２の入力が正しく登録されると、ボタン制御部１０は、対象の行先階である押ボタン２１に併設されているランプを点灯することで、利用者に対象の行先階が登録されたことを報知する。ランプについては、押ボタン２１と一体型であっても、ＬＥＤを別に設けて別の報知手段を設けても良い。またボタン制御部１０は、非接触センサ２２によって行先階が登録された場合においても、当該ランプを点灯／点滅／消灯を制御することで、利用者に対して非接触センサ２２が対象の行先階を検出しているか否かを報知する。

　表示制御装置３０は、エレベーター制御システム１から送信されてきた表示指令に従い、かご内表示装置３１の表示の切り替えを行うことや、対象の画像や動画を表示する。表示にあたっては、予め表示制御装置３０に登録されている画像や動画をコードによって分類し、エレベーター制御システム１から対象のコードを受信することで、登録されている画像や動画を表示する。或いは、エレベーター制御システム１から直接画像データや動画データを受信し、かご内表示装置３１に表示するようにしても良い。本実施例ではかご内表示装置３１として液晶を例示しているが、これに限らず、例えばＬＥＤ表示器や、電子ペーパー、プロジェクタによる投影方式でも良い。

　音制御装置４０は、エレベーター制御システム１から送信されてきた表示指令に従い、音出力装置４１にて対象の電子音や音声、音楽を出力する。音の出力にあたっては、表示制御装置３０と同様に音出力装置４１にて登録されている電子音や音声、音楽を、コードによって分類し、エレベーター制御システム１から対象のコードを受信することで、登録されている電子音や音声、音楽を出力する。或いは、エレベーター制御システム１から、直接電子音データや、音声データ、音楽データを受信し、音出力装置４１に表示するようにしても良い。本実施例では音出力装置４１としてスピーカを例示しているが、これに限定するものでは無い。

　次にエレベーター制御システム１の内部処理について説明する。エレベーター制御システム１は、押ボタン２１や非接触センサ２２の入力情報を、操作盤制御装置２０から受信部２がデータを受信する。非接触入力判定部３は入力されたデータが非接触センサ２２からの入力であるか否かを判定する。押ボタン２１からの入力である場合は、非接触入力判定部３は、入力の有無を検出せず、ボタン操作検出部４が入力の有無を検出する。それぞれの入力情報に対して、停止階許可判定部５は、当該かごがサービス可能な階であるか否かを判定する。例えばセキュリティによってサービス不可である階であった場合は、入力対象階はサービス不可と判定される。サービス不可であった場合には、表示指令部８や、音案内処理部９によって、例えば「この階には止まりません」のサービス不可である旨を案内する対象の音声コードや、画像コードを表示制御装置３０や、音制御装置４０へ出力する。

　入力対象階のサービス対象階であった場合には、非接触センサ２２からの入力であった場合は、登録判定部６が行先階登録要否を判定する。押ボタン２１からの入力であった場合は、直接、行先階登録部７によって、入力対象階の行先階が登録され、かごを当該行き先階へ走行させる準備を開始する。

　本実施例においては、非接触センサ２２からの入力であった場合における登録判定部６の処理は、非接触センサ２２の入力を所定時間連続で検出した後、非接触センサ２２の入力検出が無くなった際に、乗りかごの行先階を登録する。なお、非接触センサ２２の入力を所定時間連続で検出した後際には、音案内処理部９によって、例えば電子音の指令を音制御装置４０に対して出力することで、非接触センサ２２によって入力を検出した旨を案内する。案内方法は表示制御装置３０を利用しても良い。また操作盤の対象行先階のランプを利用するようにしても良い。

　行先階登録部７にて、行先階の登録が完了すると、対象階のランプの制御をボタン制御部１０によって実行する。登録が完了すると、ボタン制御部１０の点灯処理部１１により、対象階のランプを点灯させる。何らかのキャンセル動作や、エレベーターが対象階に到着すると、当該登録を解除する。その際には、消灯処理部１３によって対象階のランプを消灯する。なお、ボタン制御部１０のランプの制御は、エレベーター制御システム１から操作盤制御装置２０へ送信された点灯／消灯指令によって、ランプの点灯／消灯を制御する。

　次に、エレベーター制御システム１の制御方法について図２を用いて説明する。図２は、本発明の実施例１に係るエレベーターの制御方法を示すフローチャートである。

　乗りかご内に設置された押ボタン２１、非接触センサ２２から入力があった場合には、その入力信号が受信部２で受信される。

　ステップＳ１００では、非接触入力判定部３が非接触センサ２２の任意の階からの入力を検出したか否かを判定し、入力を検出した場合（非接触センサ２２の入力情報と入力検出条件が合致した場合）は、ステップＳ１０１へ移行し、入力を検出しなかった場合（非接触センサ２２の入力情報と入力検出条件が合致しなかった場合）は、ステップＳ１２０へ移行する。入力検出条件とは、対象物（実施例１では手）を検出した非接触センサ２２の入力が、所定の距離、及び/又は所定の時間に達したことを意図するものである。

　ステップＳ１０１では、停止階許可判定部５が非接触センサ２２からの入力対象階が、エレベーターの停止していない階か否かを判定し、エレベーターの停止階では無い場合（当該条件が合致した場合）は、ステップＳ１０２へ移行し、エレベーターの停止階である場合（当該条件が合致しなかった場合）は、処理を終了する。

　ステップＳ１０２では、停止階許可判定部５が非接触センサ２２からの入力対象階が、サービス可能階であるか否かを判定し、サービス可能階である場合（当該条件が合致した場合）は、ステップＳ１０３へ移行し、サービス可能階でない場合（当該条件が合致しなかった場合）は、ステップＳ１１０へ移行する。

　ステップＳ１０３では、非接触センサ２２から入力を受け、登録判定部６がボタン制御部１０を介して音制御装置４０に報知指令を出力する。音制御装置４０は音出力装置４１を制御し、非接触センサ２２の入力を検出した旨を、音／表示／ランプの点灯の何れかにて報知する。報知後、ステップＳ１０４へ移行する。

　ステップＳ１０４では、非接触センサ２２の入力対象階の履歴情報をＯＮする。履歴情報をＯＮ後、処理を終了する。

　ステップＳ１１０では、停止階許可判定部５が表示指令部８、表示制御装置３０及び／又は音案内処理部９、音制御装置４０を介して非接触センサ２２の入力対象階がサービス不可である旨を通知する。通知方法は、かご内表示装置３１，音出力装置４１を使用して音／表示にて報知する。また、停止階許可判定部５は非接触センサ２２の入力情報の対象階の登録を不許可とする。報知後、処理を終了する。

　ステップＳ１２０では、登録判定部６は、非接触センサ２２からの入力が無い場合には、当該何れかの行先階の入力履歴の有無について判定し、フロア入力履歴が有る場合（当該条件が合致した場合）は、ステップＳ１２１へ移行し、フロア入力履歴が無い場合（当該条件が合致しなかった場合）は、処理を終了する。

　ステップＳ１２１では、行先階登録部７は、非接触センサ２２の入力履歴があった対象階の行先階を登録する。登録後、ステップＳ１２２へ移行する。

　ステップＳ１２２では、表示指令部８は、登録された行先階のランプへの点灯指令を行い、ランプを点灯させる。すなわち、表示指令部８は、非接触センサ２２の入力情報が登録された旨を報知する。点灯指令後、ステップＳ１２３へ移行する。

　ステップＳ１２３では、登録判定部６は、登録された行先階の履歴情報をＯＦＦ（クリア）する。

　上記の処理は繰返し実行される。エレベーターの乗客が、非接触センサ２２を覆うように手をかざし、その後かざした手を非接触センサ２２から避けると、非接触センサ２２の入力がオフとなり、ステップＳ１００の条件に合致しなくなる。すなわち、非接触センサ２２の入力を検出し、入力のオフを検出することになる。上記の処理により、非接触センサ２２の入力を検出し、入力のオフを検出することで初めて対象の行先階が登録される。

　図３は、本発明の実施例１に係る操作盤２００およびかご内表示装置３１を示す概略図である。図３に示すように、各行先階の押ボタン２１の右側には、非接触センサ２２が設けられている。

　押ボタン２１は、図示しないが、例えば、階床の数字が印字された表示シートと、表示シートの裏側にあって透光性を有する電極板と、電極板の静電容量の変化を検出する検出回路と、点灯時に印字に光を照射する光源と、で構成されている。そして、乗りかご内の乗客が所望の行先階に対応する押ボタン２１に触れると、電極板の静電容量が変化し、光源が表示シートに光を照射することで押ボタン２１が点灯するため、乗客は行先階の操作がされたことを認識することができる。

　非接触センサ２２は、例えば、光電センサや静電容量センサの他、ＴＯＦ（Ｔｉｍｅ　ｏｆ　Ｆｌｉｇｈｔ）センサなどの距離センサが用いられる。乗客が所望の行先階に対応する非接触センサ２２に手を所定時間（例えば０.３秒）かざすと、押ボタン２１に信号が送られ、光源が光を照射して点灯するため、押ボタン２１に触れた場合と同様に、行先階の操作がされたことを乗客は認識できる。非接触センサ２２が検出する距離は、例えば２０ｍｍ～３０ｍｍである。

　また、操作盤２００には、乗客がエレベーターのドアを開くように要請する戸開押ボタン２３と、乗客がエレベーターのドアを閉じるように要請する戸閉押ボタン２４と、戸開押ボタン２３及び戸閉押ボタン２４に右側にそれぞれ設置され、非接触センサである戸開非接触センサ２５及び戸閉非接触センサ２６が備えられている。

　図４乃至図６を用いて、行先階を設定する動作について説明する。図４は、３階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。図５は、３階の非接触センサに継続して手をかざした状態を示す概略図である。図６は、３階の非接触センサが手を未検出となった直後の状態を示す概略図である。

　図４において、乗りかごに乗り込んだ乗客が、対象の行先階３階が明示されている付近の非接触センサ２２に手をかざすと、所定の距離等（例えば２０ｍｍ～３０ｍｍ）においてセンサの検出データが得られる。検出データを所定時間（例えば０.３秒）検出することで、電子音を鳴動させる。図５において、乗客は、その場で手をかざしておく状態を継続する。図５の状態では、未だ非接触センサ２２の未検出に移行しないため、呼び登録は行われない。図６において、乗客が非接触センサ２２から手を遠ざけることで、非接触センサ２２の検出データが無くなり、未検出となることで、初めて対象の３階の行先階が登録され、対象の３階のランプが点灯する。

　実施例１では、非接触センサ２２の入力情報と入力検出条件が合致した後、非接触センサ２２の入力情報と入力検出条件が合致しなくなった際に、非接触センサ２２の入力情報を登録するようにしている。

　実施例１によれば、上記のように構成することにより、例えばセンサにゴミが付着した場合、ゴミは付着した状態を継続し、センサが検出状態を継続するので、行先階が登録されず誤登録を抑制することができる。

　次に実施例２について、図７乃至図１４を用いて説明する。図７は、本発明の実施例２に係るエレベーターの制御方法を示すフローチャートである。

　実施例２において、実施例１と異なるところは、ステップＳ３００乃至ステップＳ３０２を追加したところにある。実施例１と共通する部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。

　ステップＳ３００では、非接触入力判定部３は、非接触センサ２２からの入力情報となる対象階が、複数個、具体的には２個以上検出されていないか否かを判定し、入力対象階が２個以上検出されていない場合（当該入力検出条件が合致した場合）は、ステップＳ１００へ移行し、入力対象階が２個以上検出された場合（当該入力検出条件が合致しなかった場合）は、ステップＳ３０１へ移行する。

　ステップＳ３０１では、ボタン制御部１０は、非接触センサ２２が入力を検出している対象階全てのランプを点滅させる。点滅後、ステップＳ３０２へ移行する。このとき、登録判定部６が非接触センサ２２の複数個の入力判定を行い、複数個の入力を検出すると、ボタン制御部１０へ点滅指令を出力し、点滅処理部１２は、操作盤制御装置２０に対して、非接触センサ２２が入力を検出している対象の行先階のランプの点灯消灯を繰り返すことで点滅を実現する。

　ステップＳ３０２では、登録判定部６は、入力を検出された対象の非接触センサ２２の入力履歴情報をＯＦＦ（クリア）する。クリア後、処理を終了する。

　上記のように、非接触センサ２２からの入力が複数個検出した場合にランプを点滅することで、乗客の手が複数個の非接触センサ２２によって検出されていることを報知し、位置が定まっていない、或いは寄りかかりなどの異常モードであることを通知する。さらに履歴情報をクリアすることによって、複数個の検出から本当に行きたい階にセンサの検出が定まった時に、誤って入力した行先階の誤登録を防ぐことができる。すなわち、実施例２では、本当に行きたい行先階のみを登録する。

　図８乃至図１４を用いて、行先階を設定する動作について説明する。図８は、本発明の実施例２に係る操作盤およびかご内表示装置を示す概略図である。図９は、３階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。図１０は、３階及び４階の非接触センサが手を検出し、複数個検出の異常の旨を報知した状態を示す概略図である。図１１は、４階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。図１２は、４階及び５階の非接触センサが手を検出し、複数個検出の異常の旨を報知した状態を示す概略図である。図１３は、５階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。図１４は、５階の非接触センサが手を未検出となった直後の状態を示す概略図である。

　ここでは、３階から５階に手を移動させる事例を想定する。図８に示す待機状態から乗客が３階の非接触センサ２２に手をかざすと、３階の入力が検出され、入力が検出されたことが報知される（図９）。

　３階で入力が検出された後、図１０～図１２に示すように手を４階、５階と移動させると、検出データとしては、３階→３階と４階→４階→４階と５階→５階の順序となる。ここで３階と４階（図１０）、あるいは４階と５階（図１２）を非接触センサ２２が検出していた場合、入力を検出している３階と４階、あるいは４階と５階のランプが点滅する。すなわち、３階と４階、或いは４階と５階の非接触センサ２２が入力を検出中、非接触センサ２２が入力を検出していることをランプの点滅により報知している。その後、各々３階、４階、５階に設置した非接触センサ２２が手を検出した際には電子音による検出通知を行う（図９、図１１，図１３）。但し、複数個検出した時点で入力履歴はクリアされるため、最終的な呼び登録は、図１４に示すように５階のみとなる。

　実施例２では、非接触センサ２２の入力情報が複数個検出した後、非接触センサ２２の入力情報が単数個の入力情報となった際に、単数個の入力検出条件のみを登録するようにしている。

　実施例２によれば、複数個の非接触センサ２２によって検出されたに履歴情報をクリアするようにしているので、誤って入力した行先階の誤登録を抑制することができる。

　次に実施例３について、図１５～図２２を用いて説明する。図１５は、本発明の実施例３に係るエレベーターの制御方法を示すフローチャートである。

　実施例３において、実施例２と異なるところは、ステップＳ３０２を削除したところにある。実施例１及び実施例２と共通する部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。

　実施例３では、乗客一人の操作で誤登録は抑止できなくなるが、例えば２人以上の乗客がそれぞれ呼び入力を行っている際に複数個同時に検出してしまう条件となったときにも呼び登録できる構成となる。

　ステップＳ３００では、非接触入力判定部３は、非接触センサ２２からの入力対象階が、複数個、具体的には２個以上検出されていないか否かを判定し、当該条件が合致した場合（入力対象階が２個以上検出されていない場合）は、ステップＳ１００へ移行し、合致しなかった場合（入力対象階が２個以上検出された場合）は、ステップＳ３０１へ移行する。

　ステップＳ３０１では、ボタン制御部１０は、非接触センサ２２が入力を検出している対象階全てのランプを点滅させる。点滅後、処理を終了する。このとき、登録判定部６が非接触センサ２２の複数個の入力判定を行い、複数個の入力を検出すると、ボタン制御部１０へ点滅指令を出力し、点滅処理部１２は、操作盤制御装置２０に対して、非接触センサ２２が入力を検出している対象の行先階のランプの点灯消灯を繰り返すことで点滅を実現する。

　図１６乃至図２２を用いて、行先階を設定する動作について説明する。図１６は、本発明の実施例３に係る操作盤およびかご内表示装置を示す概略図である。図１７は、３階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。図１８は、３階及び４階の非接触センサが手を検出し、複数個検出の異常の旨を報知した状態を示す概略図である。図１９は、３階の非接触センサが手を未検出となった直後、４階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。図２０は、４階及び５階の非接触センサが手を検出し、複数個検出の異常の旨を報知した状態を示す概略図である。図２１は、４階の非接触センサが手を未検出となった直後、５階の非接触センサが手を検出し、検出した旨を報知した状態を示す概略図である。図２２は、５階の非接触センサが手を未検出となった直後の状態を示す概略図である。

　ここでは、３階から５階に手を移動させる事例を想定する。図１６に示す待機状態から乗客が３階の非接触センサ２２に手をかざすと、３階の入力が検出され、入力が検出されたことが報知される（図１７）。

　３階で入力が検出された後、図１８～図２２に示すように手を４階、５階と移動させると、検出データとしては、３階→３階と４階→４階→４階と５階→５階の順序となる。ここで３階と４階（図１８）、あるいは４階と５階（図２０）を非接触センサ２２が検出していた場合、入力を検出している３階と４階、あるいは４階と５階のランプが点滅する。その後、各々３階、４階、５階に設置した非接触センサ２２が手を検出した際には電子音による検出通知を行う（図１７、図１９，図２１）。但し、複数個検出した時点で入力履歴はクリアされないため、各々３階、４階、５階の非接触センサ２２が未検出となったタイミングで呼び登録が実施され、対象の行先階のランプが点灯する（図２２）。

　実施例３では、非接触センサ２２の入力情報が複数個検出し、その後非接触センサ２２の入力情報が単数個の入力情報となった場合であっても、複数個の入力検出条件を登録するようにしている。

　実施例３によれば、２人以上の乗客がそれぞれの非接触センサ２２から呼び入力を行っている際に複数個同時に検出した場合であっても、行先階の呼び登録をすることができる。

　以上、本発明の実施形態について、実施例１～実施例３に分けて説明したが、本発明は、実施例１～実施例３に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。

　また対象をかご内の行先階としたが、乗り場に設置の呼び登録装置や、乗り場に設置の行先階登録装置に応用してもよい。

　非接触センサ２２の入力から、一定時間経過した後、電子音による通知によってセンサを検出している旨を通知する手段も、これに限らない。例えばランプを点灯、点滅する或いはランプの色を変更して点灯、点滅するような方式や、かご内表示装置３１を利用して検出階情報を出力するような方式でも良い。

　また、複数個検出した後、履歴情報をクリアする方式としたが、本方式の目的は、非接触センサ２２によって利用者の行先階入力が定まるまで登録を許可しない方式であるため、本実施例における入力検出がオフ時に呼びを登録する方式以外にも応用可能である。例えば非接触センサ２２の入力時間が一定時間達した際に呼び登録を行う方式で合った場合、複数個検出した場合、入力時間のカウントをクリアすることで、実現可能であるため、本実施例に限定されない。

　１…エレベーター制御システム、２…受信部、３…非接触入力判定部、４…ボタン操作検出部、５…停止階許可判定部、６…登録判定部、７…行先階登録部、８…表示指令部、９…音案内処理部、１０…ボタン制御部、１１…点灯処理部、１２…点滅処理部、１３…消灯処理部、２０…操作盤制御装置、２１…押ボタン、２２…非接触センサ、２３…戸開押ボタン、２４…戸閉押ボタン、２５…戸開非接触センサ、２６…戸閉非接触センサ、３０…表示制御装置、３１…かご内表示装置、４０…音制御装置、４１…音出力装置、２００…操作盤 

Claims (10)

1. 　乗客からの入力を検知する非接触センサを備えたエレベーターの制御方法において、
   　前記非接触センサの入力情報と入力検出条件が合致した後、前記入力情報と前記入力検出条件が合致しなくなった際に、前記非接触センサの入力情報を登録することを特徴とするエレベーターの制御方法。
2. 　請求項１に記載のエレベーターの制御方法において、
   　前記非接触センサの入力情報が複数個検出した後、前記非接触センサの入力情報が単数個の入力情報となった際に、単数個の前記入力検出条件のみを登録することを特徴とするエレベーターの制御方法。
3. 　請求項１に記載のエレベーターの制御方法において、
   　前記非接触センサが入力を検出中、前記非接触センサが入力を検出していることを報知することを特徴とするエレベーターの制御方法。
4. 　請求項１に記載のエレベーターの制御方法において、
   　前記入力検出条件とは、前記非接触センサの入力が所定の時間、及び／又は所定の距離に達したことであることを特徴とするエレベーターの制御方法。
5. 　請求項１に記載のエレベーターの制御方法において、
   　前記非接触センサの入力情報と入力検出条件が合致した後、入力検出したことを報知することを特徴とするエレベーターの制御方法。
6. 　請求項１に記載のエレベーターの制御方法において、
   　前記非接触センサの入力情報が登録されたことを報知することを特徴とするエレベーターの制御方法。
7. 　請求項１に記載のエレベーターの制御方法において、
   　前記非接触センサの入力情報が複数個検出した際に、複数個の前記入力検出条件を登録することを特徴とするエレベーターの制御方法。
8. 　請求項１に記載のエレベーターの制御方法において、
   　前記非接触センサの入力情報の対象階がサービス不可である場合、サービス不可であることを報知することを特徴とするエレベーターの制御方法。
9. 　請求項１に記載のエレベーターの制御方法において、
   　前記非接触センサの入力情報の対象階がサービス不可である場合、登録不許可とすることを特徴とするエレベーターの制御方法。
10. 　乗りかごと、前記乗りかごと主ロープを介して接続された釣合い錘と、前記主ロープを駆動させて前記乗りかごを昇降させる巻上機と、前記乗りかごの行先階を入力する非接触センサと、前記非接触センサから入力された情報に基づいて前記巻上機を制御するエレベーター制御システムと、を備えたエレベーター装置において、
    　前記エレベーター制御システムは、
    　前記非接触センサからの入力であるか否かを判定する非接触入力判定部と、前記非接触入力判定部の入力検出が無くなった際に、前記乗りかごの行先階を登録する登録判定部を備えたことを特徴とするエレベーター装置。

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