WO2022190295A1 - 電線、機器及び排熱方法 - Google Patents

電線、機器及び排熱方法 Download PDF

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遼太 福本
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F5/00Coils
    • H01F5/06Insulation of windings

Definitions

  • the heat conductive layer 3 is preferably composed of copper wire, aluminum wire, carbon nanofiber, or a combination thereof.
  • the heat generated by the electrically connected heat sources can be discharged more efficiently.
  • the lower limit of the thermal conductivity of the thermal conductive layer 3 at 25° C. is preferably 100 W/m ⁇ K, more preferably 300 W/m ⁇ K, and even more preferably 500 W/m ⁇ K.
  • the thermal conductivity of the thermal conductive layer at 25° C. is equal to or higher than the lower limit, the heat generated by the electrically connected heat source can be discharged more efficiently.

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Abstract

本開示の電線は、単線からなる導体又は複数の素線を撚り合わせた導体と、上記導体の外周側に積層される絶縁層及び熱伝導層とを備えており、25℃における上記熱伝導層の熱伝導率が、0.8W/m・K以上であり、上記絶縁層に対する上記熱伝導層の熱伝導率の比が2.0以上であり、全体積に対する上記熱伝導層の体積の割合が3%以上85%以下である。

Description

電線、機器及び排熱方法
 本開示は、電線、機器及び排熱方法に関する。
 絶縁電線を用いて例えばモーター用コイルを製造する場合、コアに電線を捲回した後、電線同士の隙間及び電線とコアとの隙間にワニスを含浸させて電線間及び電線-コア間を固着させるのが一般的である(特開2010-238662号公報参照)。しかしながら、含浸ワニスに使用される樹脂材料は放熱性が劣る結果、モーターの発熱抑制には寄与しないため、モーターに熱がこもりやすい。
特開2010-238662号公報
 本開示の電線は、単線からなる導体又は複数の素線を撚り合わせた導体と、上記導体の外周側に積層される絶縁層及び熱伝導層とを備えており、25℃における上記熱伝導層の熱伝導率が、0.8W/m・K以上であり、上記絶縁層に対する上記熱伝導層の熱伝導率の比が2.0以上であり、全体積に対する上記熱伝導層の体積の割合が3%以上85%以下である。
図1は、一実施形態に係る電線を示す模式的断面図である。 図2は、他の実施形態に係る電線を示す模式的断面図である。 図3は、一実施形態に係る機器の構成例を示す概念図である。
[本開示が解決しようとする課題]
 上述のような高電圧で使用されるモーター等では、コイルの発熱が大きいことから電線の劣化が早くなり、電線ひいては機器の寿命が短くなるおそれがある。また、近年、電子機器の高機能化に従い、搭載されている電子部品の発熱量が増大している。さらに、電子機器の小型化、高密度実装化も加速し、小型化による熱抵抗の上昇により発熱量はますます増加しており、電気機器、電子機器等を長期にわたり正常に動作させるためには、発生した熱を排熱し、温度上昇を抑制することが求められる。
 本開示は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、機器の温度上昇を抑制できる電線の提供を目的とする。
[本開示の効果]
 本開示によれば、機器の温度上昇を抑制できる電線を提供することができる。
[本開示の実施形態の説明]
 最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
 本開示の電線は、単線からなる導体又は複数の素線を撚り合わせた導体と、上記導体の外周側に積層される絶縁層及び熱伝導層とを備えており、25℃における上記熱伝導層の熱伝導率が、0.8W/m・K以上であり、上記絶縁層に対する上記熱伝導層の熱伝導率の比が2.0以上であり、全体積に対する上記熱伝導層の体積の割合が3%以上85%以下である。
 当該電線は上記導体の外周側に積層される熱伝導層を備えていることで、機器の内部の電気的に接続された熱源で発生した熱を電線の長手方向に沿って排出することができる。また、25℃における上記熱伝導層の熱伝導率が、0.8W/m・K以上であり、上記絶縁層に対する上記熱伝導層の熱伝導率の比が2.0以上であることで、電気的に接続された熱源で発生した熱を効率よく排出できる。また、当該電線の全体積に対する上記熱伝導層の体積の割合が3%以上85%以下であることで、当該電線の排熱性をより向上できる。従って、当該電線は、機器の温度上昇を抑制できる。
 ここで、「平均厚さ」とは、任意の5点で計測した厚さの平均値をいう。「熱伝導率」は、ISO-22007-3(温度波法)に準拠して測定される。
 上記熱伝導層における熱伝導率と平均断面積との積が2.0[Wm/K×10-6]以上であることが好ましい。上記熱伝導層における熱伝導率と平均断面積との積が上記下限以上であることで、電気的に接続された熱源で発生した熱をより効率よく排出できる。本開示における「平均断面積」とは、任意の5つの横断面視における断面積の平均値を示す。
 上記熱伝導層が黒鉛、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、クレー、銅、アルミニウム又はこれらの組み合わせを含むことが好ましい。上記熱伝導層が黒鉛、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、クレー、銅、アルミニウム又はこれらの組み合わせを含むことで、当該電線の排熱性をより向上できる。
 上記熱伝導層が銅線、アルミニウム線、カーボンナノファイバー又はこれらの組み合わせから構成され、上記熱伝導層の25℃における熱伝導率が、100W/m・K以上であることが好ましい。上記熱伝導層が銅線、アルミニウム線、カーボンナノファイバー又はこれらの組み合わせから構成され、上記熱伝導層の25℃における熱伝導率が上記下限以上であることで、電気的に接続された熱源で発生した熱をより効率よく排出できる。
 上記絶縁層の表面に上記熱伝導層が積層されていることが好ましい。上記絶縁層の表面に熱伝導層が積層されていることで、熱伝導層への通電を防止できる。
 本開示の機器は、熱源としての電気部品と、上記電気部品と電気的に接続される当該電線と、放熱性部材とを備えており、上記電線が上記放熱性部材に伝熱可能に配設されている。当該機器は上記構成を備えることで、当該機器の内部の熱源から発生した熱を当該電線の長手方向に沿って移動させ、放熱性部材を介して外部へ排出することができるので、当該機器の温度上昇を抑制できる。
 本開示の排熱方法は、当該電線を介して、上記電線と電気的に接続される熱源から放熱性部材に熱を排熱する。当該排熱方法は、当該電線を介して、上記電線と電気的に接続される熱源から放熱性部材に熱を排熱するので、上記熱源で発生した熱を当該電線の長手方向に沿って確実に排出することができる。従って、当該排熱方法は、熱源の温度上昇を効果的に抑制できる。
[本開示の実施形態の詳細]
 以下、本開示に係る電線、機器及び排熱方法の各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
<電線>
 当該電線は、単線からなる導体又は複数の素線を撚り合わせた導体と、上記導体の外周側に積層される絶縁層及び熱伝導層とを備えている。図1に、本開示の一実施形態に係る電線を示す。図1の電線10は、線状の導体2と、この導体2の外周面を被覆する絶縁層4と、この絶縁層4の外周面を被覆する熱伝導層3とを備える。
 図1においては、絶縁層4の表面に熱伝導層3が積層されているが、熱伝導層3は導体2の外周面側に積層されていればよい。図2の電線1に示すように、絶縁層4が熱伝導層3の外周面に積層されていてもよい。熱伝導性の観点からは、当該電線は熱伝導層3の表面に絶縁層4が積層されていることが好ましい。一方、絶縁層4の表面に熱伝導層3が積層されていることで、熱伝導層4への通電を防止できる。
 以下、当該電線の各構成要素について詳述する。
[導体]
 導体2は、電線1の電気伝導を担う金属製の線状体である。導体2としては、例えば断面形状が円形状の丸線、断面形状が角丸正方形状の角線、断面形状が角丸長方形状の平角線等が挙げられる。また、導体2は、図1及び図2に示すような1つの線状体であってもよいし、複数の細線を撚り合わせた撚り線体であってもよい。
 導体2の材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、銀、鉄等の金属又はこれらの合金が用いられるが、導電性及び加工性の観点から、銅又はアルミニウムが用いられると好ましい。また、導体2は、金属製の線状体の外周面に他の金属製の被膜を積層した多層構造を有していてもよい。
 導体2の平均断面積の下限としては、0.01mmが好ましく、0.08mmがより好ましく、0.20mmがさらに好ましい。一方、導体2の平均断面積の上限としては200mmが好ましく、100mmがより好ましく、70mmがさらに好ましい。導体2の平均断面積が上記下限に満たないと、十分に電流を流すことができないおそれがある。また、導体2の平均断面積が上記上限を超えると、耐屈曲性が十分に得られないおそれがある。
[熱伝導層]
 熱伝導層3は、熱伝導性を有する。25℃における熱伝導層3の熱伝導率の下限としては、0.8W/m・Kであり、100W/m・Kが好ましく、200W/m・Kがより好ましい。熱伝導層3の熱伝導率を上記下限以上とすることによって、当該電線による熱源からの熱を排出する効果をより向上できる。
 絶縁層4に対する熱伝導層3の熱伝導率の比の下限としては、2.0であり、2.3が好ましい。絶縁層4に対する熱伝導層3の熱伝導率の比が上記下限以上であることで、電気的に接続された熱源で発生した熱をより効率よく排出できる。
 熱伝導層3の平均断面積の下限としては、0.01mmが好ましく、0.05mmがより好ましく、0.10mmがさらに好ましい。一方、熱伝導層3の平均断面積の上限としては200mmが好ましく、100mmがより好ましく、50mmがさらに好ましい。熱伝導層3の平均断面積が上記下限に満たないと、熱源からの熱を排出する効果が不十分となるおそれがある。また、熱伝導層3の平均断面積が上記上限を超えると、耐屈曲性が十分に得られないおそれがある。
 熱伝導層3における熱伝導率と平均断面積との積の下限としては、2.0[Wm/K×10-6]が好ましく、8.0[Wm/K×10-6]がより好ましい。上記熱伝導層における熱伝導率と平均断面積との積が上記下限以上であることで、電気的に接続された熱源で発生した熱をより効率よく排出できる。
 当該電線の全体積に対する上記熱伝導層の体積の割合の下限としては、3%であり、10%が好ましい。上記熱伝導層の体積の割合の下限が上記範囲であることで、当該電線の排熱性を向上できる。当該電線の全体積に対する上記熱伝導層の体積の割合の上限としては、85%であり、70%が好ましい。上記熱伝導層の体積の割合の上限が上記範囲であることで、絶縁層の耐電圧性を良好にできる。
 熱伝導層3の平均厚さの下限としては、100μmが好ましく、500μmがより好ましい。熱伝導層3の平均厚さが上記下限に満たないと、熱伝導効果が不十分となるおそれがある。
 絶縁層に対する熱伝導層の平均厚さの比の下限としては、0.05であり、0.1が好ましい。上記絶縁層に対する上記熱伝導層の平均厚さの比が上記下限以上であることで、当該電線の排熱性をより向上できる。一方、上記絶縁層に対する上記熱伝導層の平均厚さの比の上限としては、5.0であり、2が好ましい。上記絶縁層に対する上記熱伝導層の平均厚さの比が上記上限以下であることで、電線としての強度を良好にできる。
 当該電線の排熱性向上の観点から、上記熱伝導層が黒鉛、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、クレー、銅、アルミニウム又はこれらの組み合わせを含むことが好ましく、黒鉛、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、銅、アルミニウムを含むことがより好ましく、銅、アルミニウムを含むことがさらに好ましい。
 上記熱伝導層の形態としては、熱伝導層内に熱伝導性材料を含有する形態又は熱伝導層が熱伝導性材料から構成される形態が挙げられる。
(1)熱伝導層のマトリックス中に熱伝導性材料を含有する形態
 本形態の場合、熱伝導層は合成樹脂を主成分とするマトリックスを有し、上記熱伝導性材料は、マトリックス中に分散する。
 熱伝導層3のマトリックスの主成分となる合成樹脂しては、絶縁性を有する合成樹脂であれば、特に限定されないが、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂、オレフィン系エラストマー、ポリ塩化ビニル樹脂、スチレン系エラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂、フッ素ゴム、シリコーン等が挙げられる。
 上記マトリックス中に分散する熱伝導性材料の形状は、特に限定されず、球状、鱗片状、針状等が挙げられる。中でも鱗片状及び針状が好ましい。鱗片状及び針状の熱伝導性材料は、アスペクト比が比較的高い。このため、長径方向が熱伝導層3の長さ方向(当該電線1の軸方向)となる熱伝導性材料が増えることによる熱伝導層3の排熱性をより高めることができる。
 上記マトリックス中に分散する熱伝導性材料の上記合成樹脂に対する含有量の下限としては、10体積%が好ましく、30体積%がより好ましい。熱伝導性材料の上記合成樹脂に対する含有量が上記下限に満たない場合、熱伝導層3の熱伝導率が小さく、当該電線の放熱性が不十分となるおそれがある。一方、熱伝導性材料の上記合成樹脂に対する含有量の上限としては、70体積%であり、50体積%がより好ましい。熱伝導性材料の上記合成樹脂に対する含有量が上記上限を超える場合、相対的にマトリックスが少なくなることにより、熱伝導層の強度が不十分となるおそれがある。
(2)熱伝導層が熱伝導性材料から構成される形態
 熱伝導層3が熱伝導性材料から構成される形態としては、例えば編組シールド、横巻きシールド、金属テープシールド、金属チューブシールド等が挙げられる。これらの中でも、電線への加工のし易さの観点から、編組シールドが好ましい。熱伝導層3として編組シールドや金属チューブシールドを使用する場合のシールド数は、使用するシールドや目的とするシールド性に応じて適宜決定すればよく、1重シールドであっても、2重シールドや3重シールド等の多重シールドであってもよい。なお、編組構造を採用する場合、編組構造を構成する熱伝導性材料の編素線の素線径は特に限定されない。
 熱伝導層3としては、銅線、アルミニウム線、カーボンナノファイバー又はこれらの組み合わせから構成されることが好ましい。熱伝導層3が銅線、アルミニウム線、カーボンナノファイバー又はこれらの組み合わせから構成されることで、電気的に接続された熱源で発生した熱をより効率よく排出できる。また、この場合、25℃における熱伝導層3の熱伝導率の下限としては、100W/m・Kが好ましく、300W/m・Kがより好ましく、500W/m・Kがさらに好ましい。上記熱伝導層の25℃における熱伝導率が上記下限以上であることで、電気的に接続された熱源で発生した熱をより効率よく排出できる。
[絶縁層]
 絶縁層4は、合成樹脂を主成分とする組成物により形成され、絶縁性を有している。
 絶縁層4の主成分は、例えばポリエチレン系樹脂である。ポリエチレン系樹脂としては、例えば高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-αオレフィン共重合体などが挙げられる。また、エチレン-αオレフィン共重合体としては、例えばエチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-アクリル酸メチル共重合体(EMA)、エチレン-アクリル酸ブチル共重合体(EBA)等が挙げられる。ポリエチレン系樹脂としては、これらの中でも低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、EVA、EEAが好ましい。
 絶縁層4は、上記ポリエチレン系樹脂以外のその他の樹脂を含有していてもよい。上記その他の樹脂としては、例えばポリプロピレン等のポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン樹脂、オレフィン系エラストマー、ポリ塩化ビニル樹脂、スチレン系エラストマー、ポリウレタン、フッ素樹脂、フッ素ゴム、シリコーン等が挙げられる。
 絶縁層4は、必要に応じて、難燃剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、反射付与剤、隠蔽剤、加工安定剤、可塑剤等の添加剤を含有していてもよい。
 上記難燃剤としては、例えば臭素系難燃剤、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、硼酸亜鉛、金属水酸化物等を挙げることができ、これらは単独で又は2種以上を併用して用いることができる。難燃剤としては、臭素系難燃剤と三酸化アンチモンの併用が好ましい。難燃剤を含有することで、電線の難燃性を向上できる。
 上記酸化防止剤としては、例えば硫黄系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤等を挙げることができる。酸化防止剤を添加することで、絶縁層4の安定性を向上できる。
 絶縁層4は、樹脂成分が架橋されていることが好ましい。絶縁層4の樹脂成分を架橋する方法としては、電離放射線を照射する方法、有機過酸化物等の熱架橋剤を用いる方法、シランカップリング剤を添加してシラングラフト反応をさせる方法等が挙げられる。
 絶縁層4の平均厚さの下限としては、50μmが好ましく、100μmがより好ましい。一方、絶縁層4の平均厚さの上限としては、5000μmが好ましく、2000μmがより好ましい。絶縁層4の平均厚さが上記下限に満たないと、絶縁層4の絶縁性が不足するおそれがある。また、絶縁層4の平均厚さが上記上限を超えると、柔軟性が損なわれるおそれがある。
[電線の製造方法]
 当該電線1は、例えば単線からなる導体又は複数の素線を撚り合せた導体の外周を被覆する熱伝導層若しくは絶縁層を積層する工程と、さらに上記熱伝導層の表面に絶縁層を積層する工程又は上記絶縁層の表面に熱伝導層を積層する工程を主に備える製造方法により得ることができる。なお、導体が複数の素線を撚り合せたものである場合、最初に複数の素線を撚り合せる工程(撚り合せ工程)が行われる。
 絶縁層を積層する工程においては、絶縁層を形成するための樹脂組成物(絶縁層形成用樹脂組成物)を押出被覆する方法が挙げられる。上記絶縁層形成用樹脂組成物は、必要に応じて上記各種添加剤を添加してもよい。
 熱伝導層を積層する工程においては、熱伝導性材料を含有する熱伝導層を形成するための樹脂組成物(熱伝導層形成用樹脂組成物)を押出被覆する方法又は熱伝導性材料から構成される熱伝導層により被覆する方法が挙げられる。上記熱伝導層形成用樹脂組成物は、マトリックスを形成する樹脂組成物に、黒鉛、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、クレー、銅、アルミニウム又はこれらの組み合わせを分散させることにより調製する。
 熱伝導性材料から構成される熱伝導層による被覆は、適用するシールド方法に応じた公知の方法により行うことができる。例えば、編組シールドは、例えば編組機によって長手方向に連続的に被覆する方法、チューブ状の編組内に絶縁電線を挿入した後に編組を縮径させることで形成することができる。横巻きシールドは、例えば銅線等の金属線を絶縁電線に巻き付けることで形成することができる。金属テープシールドは、銅、アルミニウム等の熱伝導性の金属テープを絶縁電線の周囲に巻き付けることで形成することができる。
 当該電線によれば、機器の内部の電気的に接続された熱源で発生した熱を電線の長手方向に沿って排出することができるので、機器の温度上昇を抑制できる。
<機器>
 当該機器は、熱源としての電気部品と、上記電気部品と電気的に接続される当該電線と、放熱性部材とを備えている。当該機器は、主たる発熱源となる電気部品を一つ以上備える。当該機器は、放熱性部材により放熱される限り、その種類、構成、用途等を問わない。図3は、一実施形態に係る機器の構成例を示す概念図である。図3に示すように、機器50は、放熱性を有する筐体12に、熱源としての電気部品13と、電気部品13と電気的に接続される当該電線1と、ヒートシンク8と、電源6と、スイッチ5とを備えている。また、当該電線1は、放熱性部材である筐体12及びヒートシンク8に伝熱可能に配設されている。
 本開示における熱源としての電気部品13は、モーター、ランプ、照明用途としてLED(Light Emitting Diode)等の電気部品のみならず、電子部品も含まれる広い概念を意味する。従って、電気部品13は、信号処理用のCPU(Central Processing Unit)に用いられる半導体や集積回路、電気自動車や太陽光発電の電力コントロールに用いられるインバータに搭載されているパワー半導体、発光素子の波長変換に用いられる蛍光体等も含まれる。
 電源6には、図3に示すような電池、バッテリー等の内部電源であってもよいし、商用交流電源等の外部電源も含まれる。
 放熱性部材は具体的な内容を問わない。放熱性部材としては、例えば筐体、ヒートシンク、放熱板、基板等が挙げられる。また、筐体12が放熱性部材の場合、例えば鋼(スチール)、工具鋼、炭素鋼、含鉄合金、ステンレス、アルミニウム、ニッケル、マグネシウム、チタン、銅、これら金属を含む合金等から構成されることが好ましい。当該機器50においては、当該電線1が放熱性部材である筐体12及びヒートシンク8に接触しており、伝熱可能に配設されている。ヒートシンク8は、ベース部とフィン部とから構成され、ベース部にフィン部が立っているものである。ベース部は、冷やそうとする熱源から発生する熱をフィン部に伝導し、フィン部は、ベース部から伝導された熱を大気中に逃がしている。
 当該機器は上記構成を備えることで、当該機器の内部の熱源から発生した熱を当該電線の長手方向に沿って移動させ、放熱性部材を介して外部へ排出することができるので、当該機器の温度上昇を抑制できる。
<排熱方法>
 当該排熱方法は、当該電線を介して、上記電線と電気的に接続される熱源から放熱性部材に熱を排熱する。当該排熱方法は、例えば上述のように当該電線を放熱性部材と伝熱可能に配設し、当該電線を介して上記電線と電気的に接続される熱源からの熱を放熱性部材に排出する。当該排熱方法は、当該電線を介して、上記電線と電気的に接続される熱源から放熱性部材に熱を排熱するので、上記熱源で発生した熱を当該電線の長手方向に沿って確実に排出することができる。従って、当該排熱方法は、熱源の温度上昇を効果的に抑制できる。
[その他の実施形態]
 今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
 例えば当該電線は、上記絶縁層及び上記熱伝導層以外の他の層を有してもよい。
 以下、実施例に基づき本開示を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本開示が限定的に解釈されるものではない。
[No.1~No.10]
 表1に示す導体と、導体の外周側に積層される熱伝導層と、熱伝導層の外周側に積層される絶縁層とを備える電線を作製した。導体は、7本の撚り線とした。マトリックスに熱伝導性材料を分散させた形態の熱伝導層及び絶縁層は押出成形により被覆した。なお、表1において「-」は、該当する構成を有さないことを示す。
[評価]
(熱源の温度測定)
 No.1~No.10の電線を抵抗器(200mΩ、1W)の両端側に接続して2Aの一定電流を10分間秒流し、抵抗器の温度を測定した。判定は、以下の2段階の通りとした。評価がAの場合、効果が良好である。
 A:熱抵抗器の温度が87℃未満であり、機器の温度上昇の抑制効果が高い。
 B:熱抵抗器の温度が87℃以上であり、機器の温度上昇の抑制効果が低い。
(水中耐電圧)
 No.1~No.10の電線の水中耐電圧は、JIS-C3005(2014)の4.6(a)に準拠して下記方法により測定した。
 あらかじめ接地された水中に電線を1時間以上浸した状態で,導体と水との間に,周波数50 Hz又は60 Hzのほぼ正弦波の波形をもつ1kVの交流電圧を1分間加え、耐久性を調べた。判定は、以下の2段階の通りとした。評価がAの場合、効果が良好である。
 A:絶縁破壊が生じていない。
 B:絶縁破壊が生じた。
 表1に、これらの評価結果を示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 表1に示すように、上記導体の外周側に熱伝導層を備え、25℃における熱伝導層の熱伝導率が、0.8W/m・K以上であり、上記絶縁層に対する上記熱伝導層の熱伝導率の比が2.0以上であり、全体積に対する上記熱伝導層の体積の割合が3%以上85%以下であるNo.1~No.6の電線は、抵抗器の温度上昇が抑制されるとともに、水中耐電圧の評価においても絶縁破壊が生じなかった。
 一方、上記要件のいずれかを具備しないNo.7~No.10の電線は、抵抗器の温度上昇の測定又は水中耐電圧の評価において、良好な結果が得られなかった。
 以上の結果、当該電線は機器の温度上昇に対する抑制効果が高いことが示された。
1、10 電線
2 導体
3 熱伝導層
4 絶縁層
5 スイッチ
6 電源
8 ヒートシンク
12 筐体
13 電気機器
50 機器

Claims (7)

  1.  単線からなる導体又は複数の素線を撚り合わせた導体と、
     上記導体の外周側に積層される絶縁層及び熱伝導層と
     を備えており、
     25℃における上記熱伝導層の熱伝導率が、0.8W/m・K以上であり、
     上記絶縁層に対する上記熱伝導層の熱伝導率の比が2.0以上であり、
     全体積に対する上記熱伝導層の体積の割合が3%以上85%以下である電線。
  2.  上記熱伝導層における熱伝導率と平均断面積との積が2.0[Wm/K×10-6]以上である請求項1に記載の電線。
  3.  上記熱伝導層が黒鉛、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ、クレー、銅、アルミニウム又はこれらの組み合わせを含む請求項1又は請求項2に記載の電線。
  4.  上記熱伝導層が銅、アルミニウム、カーボンナノファイバー又はこれらの組み合わせから構成され、
     上記熱伝導層の25℃における熱伝導率が、100W/m・K以上である請求項3に記載の電線。
  5.  上記絶縁層の表面に上記熱伝導層が積層されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電線。
  6.  熱源としての電気部品と、
     上記電気部品と電気的に接続される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電線と、
     放熱性部材と
     を備えており、
     上記電線が上記放熱性部材に伝熱可能に配設されている機器。
  7.  請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電線を介して、上記電線と電気的に接続される熱源から放熱性部材に熱を排熱する排熱方法。
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