WO2022172859A1 - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
セミクローズド制御においては、位置速度のフィードバック制御に際してロータリエンコーダ(以下「エンコーダ」ともいう)等の検出器で位置、及び速度を検出する。又、フルクローズドループ制御においては位置速度のフィードバック制御に際して機械可動部を駆動する電動機の速度に基づいて検出するとともに、位置についてはスケール等の位置検出器(以下「別置検出器」ともいう)で機械可動部の位置を検出する方式が用いられている。
なお、別置検出器で位置も速度も検出する、別置検出器のみによるフィードバック制御(以下「別置検出器のみの制御」ともいう)も、1つのフィードバック制御例として挙げられる。
この点、特許文献2には、位置検出器や速度検出器に異常が発生した場合に、機械可動部が他のものと衝突し、機械やその他のものの破損を少なくするために、検出器異常時の電動機制御方法が記載されている。特許文献2には、例えばスケール等の位置検出器10が正常に位置を検出できなくなったとき、速度制御に切り替えて、例えば「0」を速度指令として減速制御を行うことで機械可動部を停止させる技術が開示されているに過ぎない。特許文献2に記載の発明は、フルクローズド制御中にスケール等の位置検出器10若しくはそのフィードバックケーブルに異常が発生した場合に、例えばセミクローズド制御に切り換える、又はフルクローズド制御中に、エンコーダ等の検出器若しくはそのフィードバックケーブルに異常が発生した場合、例えばスケール等の位置検出器10のみの制御に切り替えを行うものではない。
前記モータ制御部は、
検出器としての別置検出器、又は前記別置検出器に接続されるフィードバックケーブルの異常を検出する第1異常検出部と、
検出器としての、モータのロータリエンコーダ、又は前記ロータリエンコーダに接続されるフィードバックケーブルの異常を検出する第2異常検出部と、
フルクロ―ズド制御からセミクローズド制御、又は別置検出器のみの制御に切り換える切り換え部と、を備え、
前記切り換え部は、前記第1異常検出部、又は前記第2異常検出部のいずれかにおいて異常を検出したとき、異常を検出していない、いずれかの前記検出器のみを使用した制御に切り換える。
図1は、本実施形態に係るモータ制御装置のシステム構成を示す模式図である。
まず、本発明の実施例1に係るモータ制御装置について、図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施例1に係る制御システム10の構成図である。本発明の実施例1に係る制御システム10は、制御装置400、モータ制御装置100、モータ150、連結機構152、テーブル153を備えている。ここで、制御装置400は、例えば、工作機械等を制御する数値制御装置やロボットを制御するロボット制御装置等の上位の制御装置である。モータ制御装置100は制御装置400に接続される。なお、本実施例では、モータ制御装置100が、モータ制御部110、モータ150、連結機構152、テーブル153を備えているものとする。
例えば、工作機械において、被加工物(ワーク)を搭載するテーブルがX軸方向及びY軸方向に移動される場合には、X軸方向及びY軸方向に対してそれぞれ図1に示すモータ制御部110及びモータ150が設けられる。テーブルを3軸以上の方向に移動させる場合には、それぞれの軸方向に対してモータ制御部110及びモータ150が設けられる。
なお、エンコーダ151は回転速度を検出可能な場合、検出された速度は速度フィードバック(速度FB)として利用可能としてもよい。
また、別置検出器154により検出されるテーブル153の位置に基づいて速度算出部104において微分演算することで速度を算出可能であり、算出された速度は、別置検出器のみによる制御において、速度フィードバック(速度FB)として利用可能である。
なお、テーブル153の位置を直接、別置検出器154で読み取り、位置フィードバック(位置FB)情報とする場合、エンコーダ151によって検出された信号を位置フィードバック(位置FB)情報とする場合と異なり、モータ150とテーブル153との間に存在する、連結機構152におけるギヤのバックラッシ、ボールネジのピッチ誤差、ボールネジのねじれ、伸び、熱膨張、等による誤差を補正する必要はなく、信頼性の高い位置フィードバック(位置FB)情報を検出することができる。
具体的には、例えば、モータ制御部110が、別置検出器154により検出されるテーブル153の位置情報を位置フィードバック(位置FB)情報としている場合に、別置検出器154又はそのフィードバックケーブル1541の異常を検出した場合、切り換え部111は、位置FB切り換えスイッチ121をエンコーダ151側の接点121bに接続することで、エンコーダ151によって検出された位置情報を位置フィードバック(位置FB)情報とするように、切り換えることができる。切り換え処理の詳細については、後述する。
また、モータ制御部110は、切り換え部111により、速度FB切り換えスイッチ122を別置検出器154側の接点122aに接続することで、別置検出器154により検出されるテーブル153の位置情報に基づいて算出される速度情報を速度フィードバック(速度FB)情報とする。また、速度FB切り換えスイッチ122をエンコーダ151側の接点122bに接続することで、エンコーダ151によって検出/算出される速度情報を速度フィードバック(速度FB)情報とするように切り換えることができる。
具体的には、例えば、モータ制御部110が、エンコーダ151により検出される位置情報に基づいて算出される速度情報を速度フィードバック(速度FB)情報としている場合に、エンコーダ151又はそのフィードバックケーブル1511の異常を検出した場合、切り換え部111は、速度FB切り換えスイッチ122を別置検出器154側の接点122aに接続することで、別置検出器154によって検出される位置情報に基づいて算出される速度情報を速度フィードバック(速度FB)情報とするように、切り換えることができる。切り換え処理の詳細については、後述する。
図1に示すように、モータ制御部110は、位置減算部102、位置制御部103、速度減算部105、及び速度制御部106を備える。
制御装置400は、加工プログラムにより指定される加工形状となるように、加工プログラムに基づいて送り速度を設定して位置指令値y*を作成し、作成した位置指令値y*をモータ制御部110に入力する。より具体的には、位置指令値y*は、位置減算部102に入力される。位置減算部102は位置指令値y*と、別置検出器154によって位置フィードバックされたフィードバック位置情報としての機械位置との差を求め、その差を位置偏差として位置制御部103に出力する。
位置制御部103は、例えば、位置偏差にポジションゲインKpを乗じた値を、速度指令値v*として速度減算部105に出力する。
速度減算部105は速度指令値v*とエンコーダ151で検出された位置FB値に基づいて速度算出部104において算出された速度フィードバック(速度FB)としてのモータ速度との差を求め、その差を速度偏差として速度制御部106に出力する。
速度制御部106は、例えば、伝達関数CV(s)で示された処理を行い、作成されるトルク指令値TMをモータ150に出力してモータ150を駆動する。
セミクローズド制御は、前述したフルクローズド制御の説明において、「別置検出器154によって位置フィードバックされたフィードバック位置情報」を、「エンコーダ151によって位置フィードバックされたフィードバック位置情報」に読み換えることで説明される。
別置検出器のみによる制御は、前述したフルクローズド制御の説明において、「エンコーダ151で検出された位置FB値に基づいて速度算出部104において算出された速度フィードバック情報」を、「別置検出器154によって速度フィードバックされた速度フィードバック情報」に読み換えることで説明される。
図1に示すように、モータ制御部110は、前述した切り換え部111に加えて、第1異常検出部115と、第2異常検出部116と、位置情報記録部117と、補正値算出部118と、を備える。また、モータ制御部110は、記憶部120を備える。
なお、位置情報記録部117は、別置検出器154により検出されるテーブル153の位置情報(フルクローズド制御位置FB情報)を位置フィードバック(位置FB)情報として、フルクローズド制御をしている場合に、エンコーダ151によって検出された位置情報(セミクローズド制御位置FB情報)を取得し、例えば、フルクローズド制御位置FB情報からセミクローズド制御位置FB情報を減算した値(以下、「位置FB情報差分」ともいう)を記憶部120に常に最新の情報となるように、更新して記憶するようにしてもよい。
切り換え部111は、フルクローズ制御時において、第1異常検出部115により、別置検出器154又はそのフィードバックケーブル1541の異常が検出されると、位置FB切り換えスイッチ121をエンコーダ151側の接点121bに接続することで、別置検出器154により検出されるテーブル153の位置情報に換えて、エンコーダ151によって検出された位置情報を位置フィードバック(位置FB)情報として、位置減算部102に入力するように切り換える。こうすることで、フルクローズド制御からセミクローズド制御に速やかに移行することができる。
なお、前述したように、エンコーダ151によって検出された信号を位置フィードバック(位置FB)情報とする場合、テーブル153の位置を直接、別置検出器154で読み取り、位置フィードバック(位置FB)情報とする場合と異なり、モータ150とテーブル153との間に存在する、連結機構152におけるギヤのバックラッシ、ボールねじのピッチ誤差、ボールねじのねじれ、伸び、熱膨張等による誤差が存在する。このため、位置フィードバック情報を別置検出器154により検出されるテーブル153の位置情報から、エンコーダ151によって検出された位置情報に変更するとき、当該誤差がフィードバック制御時のショックを発生する可能性がある。
このため、第1異常検出部115により、別置検出器154又はそのフィードバックケーブル1541の異常が検出されると、補正値算出部118は、記憶部120に記憶された切り換え直前の位置FB情報差分に基づいて、切り換え直後のエンコーダ151によって検出される位置情報を補正した値を、切り換え部111に出力する。切り換え部111は、補正値算出部118により補正された補正値を位置フィードバック(位置FB)情報として、位置減算部102に入力する。こうすることで、別置検出器154により検出されるテーブル153の位置情報に換えて、エンコーダ151によって検出された位置情報を位置フィードバック(位置FB)情報として、位置減算部102に入力する切り換え時のショックを軽減することが可能となる。
なお、補正値算出部118は、記憶部120に記憶された切り換え直前の位置FB情報差分に基づいて、切り換え直後の別置検出器154により検出されるテーブル153の位置情報をエンコーダ151によって検出された位置情報に補正した値を、切り換え部111に出力するようにしてもよい。それにより、切り換え部111は、補正値算出部118により補正された補正値を位置フィードバック(位置FB)情報として、位置減算部102に入力することができる。こうすることで、エンコーダ151によって検出された位置情報に換えて、別置検出器154により検出されるテーブル153の位置情報を位置フィードバック(位置FB)情報として、位置減算部102に入力する切り換え時のショックを軽減することが可能となる。
このように、モータ制御部110は、1つの検出器の異常が発生した場合に、異常の発生していない検出器に基づくフィードバック制御に切り換えることができる。
前述したように、1つの検出器の異常が発生した場合に、異常の発生していない検出器に基づくフィードバック制御に切り換えることで、制御装置400は、実行中の加工プログラムを、切り換え後も引き続き実行することができる。
また、モータ制御部110は、切り換え後に実行中の加工処理を停止させるようにすることもできる。具体的には、例えば、モータ制御部110(切り換え部111)は、制御装置400からの位置指令に換えて、予め設定された、所定パターンの減速速度制御指令で速度制御を行って機械可動部(テーブル153等)を停止するための位置指令を位置減算部102に入力することで、停止するようにしてもよい。
また、切り換え後に停止させる場合、モータ制御部110(切り換え部111)は、位置制御に換えて、速度制御に切り換えて、切り換え時の速度から所定パターンで減速して速度が0になる速度指令を速度減算部105に入力することで速度制御するようにしてもよい。この場合、速度フィードバックは、異常の発生していない検出器、例えばパルスコーダにより検出される速度フィードバック情報を使用することができる。
なお、停止させるか、又は加工を続けるかの選択は、予め設定されたパラメータ値に基づいて、行うようにしてもよい。
ステップS4において、位置情報記録部117は、当該処理周期におけるフルクローズド制御位置FB情報とともに、セミクローズド制御位置FB情報を取得し、フルクローズド制御位置FB情報とともに記憶部120に常に最新の情報となるように更新して記憶する。その後、次の周期における位置、速度ループ処理を行うため、ステップS1に移る。
なお、ステップS3とステップS4とは、順番を逆にしてもよい。
こうすることで、別置検出器154又はそのフィードバックケーブル1541及びエンコーダ151又はそのフィードバックケーブル1511の異常が検出されない限り、フルクローズド制御がなされ、処理周期毎に、モータ150を駆動し、テーブル153を移動させる処理がなされる。
こうすることで、異常の発生していないエンコーダ151に基づくフィードバック制御に切り換えることで、制御装置400は実行中の加工プログラムを、切り換え後も引き続き実行することができる。
こうすることで、異常の発生していない別置検出器154に基づく速度フィードバック制御に切り換えることで、制御装置400は実行中の加工プログラムを、切り換え後も引き続き実行することができる。
なお、上記処理フローは、制御装置400が実行中の加工プログラムを、切り換え後も引き続き実行する場合の処理フローとしたが、前述したように、切り換え後に停止させるように処理をしてもよい。
以上で本実施形態のモータ制御装置100において、1つの検出器の異常が発生した場合に、異常の発生していない検出器に基づくフィードバック制御に切り換える処理フローについて説明した。
上述の実施形態では、モータ制御装置100は制御装置400と異なる装置としたが、これに限られない。例えば、モータ制御装置100は制御装置400に含まれてもよい。
上述の実施形態では、切り換え部111、第1異常検出部115、第2異常検出部116、位置情報記録部117、補正値算出部118は、モータ制御部110に含まれるとしたが、これに限られない。例えば、モータ制御部110がモータ150を駆動するだけとした場合、切り換え部111、第1異常検出部115、第2異常検出部116、位置情報記録部117、補正値算出部118は、制御装置400に含まれるようにしてもよい。
上述の実施形態では、エンコーダ151により速度フィードバック(速度FB)情報を検出する場合、エンコーダ151により検出された回転位置(回転量)に基づく位置情報から速度算出部104により速度を算出して、算出された速度を速度フィードバック(速度FB)として利用するように構成したが、これに限られない。モータ150の回転速度を検出し、検出された速度を速度フィードバック(速度FB)として利用するようにしてもよい。
このモータ制御装置100によれば、1つの検出器の異常が発生した場合に、異常の発生していない検出器に基づくフィードバック制御に切り換えることができる。
そうすることで、モータ制御装置100は、検出器又はそのフィードバックケーブルの異常を検出することができる。
そうすることで、モータ制御装置100は、バックラッシやねじれ分のフルクローズ制御とセミクローズド制御の位置の差を補正することができ、切り換え時のショックを低減又は無くすことができる。
そうすることで、モータ制御装置100は、より正確な位置誤差を算出することができる。
そうすることで、モータ制御装置100は、(4)と同じ効果を奏することができる。
400 制御装置
100 モータ制御装置
110 モータ制御部
102 位置減算部
103 位置制御部
104 速度算出部
105 速度減算部
106 速度制御部
111 切り換え部
115 第1異常検出部
116 第2異常検出部
117 位置情報記録部
118 補正値算出部
120 記憶部
121 位置FB切り換えスイッチ
121a 接点
121b 接点
122 速度FB切り換えスイッチ
122a 接点
122b 接点
150 モータ
151 ロータリエンコーダ(エンコーダ)
1511 フィードバックケーブル
152 連結機構
1521 カップリング
1522 ナット
1523 ボールねじ
153 テーブル
154 別置検出器
1541 フィードバックケーブル
Claims (5)
- 工作機械、ロボット、又は産業機械のモータを制御するモータ制御装置において、
制御部を備え、
前記制御部は、
検出器としての別置検出器、又は前記別置検出器に接続されるフィードバックケーブルの異常を検出する第1異常検出部と、
検出器としての、モータのロータリエンコーダ、又は前記ロータリエンコーダに接続されるフィードバックケーブルの異常を検出する第2異常検出部と、
フルクロ―ズド制御からセミクローズド制御、又は別置検出器のみの制御に切り換える切り換え部と、を備え、
前記切り換え部は、前記第1異常検出部、又は前記第2異常検出部のいずれかにおいて異常を検出したとき、異常を検出していない、いずれかの前記検出器のみを使用した制御に切り換えることを特徴とするモータ制御装置。 - 第1異常検出部又は第2異常検出部は、信号又は位置情報の不通から異常を検出し判断することを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
- 前記制御部は、さらに、
前記ロータリエンコーダにより検出される位置情報と、前記別置検出器により検出される位置情報と、に基づいて、位置誤差を算出する補正値算出部を有し、
前記切り換え部は、フルクロ―ズド制御からセミクローズド制御に切り換えるときに、前記補正値算出部により算出した補正値に基づいて、前記ロータリエンコーダにより検出される位置情報を補正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のモータ制御装置。 - 記憶部を備え、
前記制御部は、さらに、
少なくとも前記ロータリエンコーダにより一番最近に検出された位置情報と、前記別置検出器により一番最近に検出された位置情報と、を前記記憶部に記憶する位置情報記録部を備え、
前記補正値算出部は、前記記憶部に記憶された前記位置情報に基づいて、位置誤差を算出することを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。 - 記憶部を備え、
前記補正値算出部は、前記ロータリエンコーダにより一番最近に検出された位置情報と、前記別置検出器により一番最近に検出された位置情報と、に基づいて算出した補正値を前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項3に記載のモータ制御装置。
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