WO2022163510A1

WO2022163510A1 - 関節構造およびロボット

Info

Publication number: WO2022163510A1
Application number: PCT/JP2022/002115
Authority: WO
Inventors: 耕平花谷
Original assignee: ファナック株式会社
Priority date: 2021-01-27
Filing date: 2022-01-21
Publication date: 2022-08-04
Also published as: JP7111932B1; TW202228962A; US20240075637A1; CN116783042A; DE112022000282T5; TWI815287B; JPWO2022163510A1

Abstract

所定の軸線（Ｊ６）に沿う円筒状の第１内面（１１ｉ），（６２ｉ）を有する第１部材（１１），（６２ａ）と、第１内面に同軸に配置される円筒状の外面（１２ｏ１），（１２ｏ２）を有する第２部材（１２）と、第１内面（１１ｉ），（６２ｉ）と外面（１２ｏ１）との間の円環状の隙間を、第１部材と第２部材との軸線（Ｊ６）回りの相対回転を許容しつつ密封する第１シール（２１），（２２）と、第１内面と同軸に配置される第２内面（３１ｉ），（３２ｉ）を備え、第１シールによる密封位置の外側において、第１部材に取り外し可能に取り付けられる第３部材（３１），（３２）と、第２内面（３１ｉ），（３２ｉ）に圧入され、第２内面（３１ｉ），（３２ｉ）と外面（１２ｏ２）との間の円環状の隙間を、第１部材と第２部材との軸線（Ｊ６）回りの相対回転を許容しつつ密封する第２シール（４１），（４２）とを備える関節構造（１０）である。

Description

関節構造およびロボット

　本開示は、関節構造およびロボットに関するものである。

　内部に動力伝達機構および潤滑材を収容する第１壁部材と、第１壁部材に対して所定の回転軸線回りに回転可能に支持される第２壁部材とを備えた関節部を有するロボットが開示されている（例えば、特許文献１参照。）。
　第１壁部材と第２壁部材との間には、両者の隙間を密封する接触シール要素が配置されている。また、接触シール要素の外側の第１壁部材と第２壁部材との間には、両者の隙間を密封する第２シール部が配置されている。第２シール部は第１壁部材の外周面にプレス機により圧入されている。

特開２００９－１０７１１６号公報

　第２シール部を交換する場合には、第１壁部材から第２シール部を取り外し、新しい第２シール部を第１壁部材の外周面にプレス機により圧入する必要がある。しかし、ロボットが導入されている現場に必ずしもプレス機が設置されているとは限らず、プレス機が設置されていない現場では、第２シール部の交換作業が困難となる。
　したがって、プレス機が設置されていない現場であっても、シール部材を容易に交換できることが望まれている。

　本開示の一態様は、所定の軸線に沿う円筒状の第１内面を有する第１部材と、前記第１内面に同軸に配置される円筒状の外面を有する第２部材と、前記第１内面と前記外面との間の円環状の隙間を、前記第１部材と前記第２部材との前記軸線回りの相対回転を許容しつつ密封する第１シールと、前記第１内面と同軸に配置される第２内面を備え、前記第１シールによる密封位置の外側において、前記第１部材に取り外し可能に取り付けられる第３部材と、前記第２内面に圧入され、該第２内面と前記外面との間の円環状の隙間を、前記第１部材と前記第２部材との前記軸線回りの相対回転を許容しつつ密封する第２シールとを備える関節構造である。

本開示の一実施形態に係るロボットを示す全体構成図である。図１のロボットに備えられる本開示の一実施形態に係る関節構造の一例を示す縦断面図である。図２の関節構造のオイルシールを説明する部分的な拡大縦断面図である。図２の関節構造の第１着脱部材を第６軸線方向から見た正面図である。図２の関節構造の分解縦断面図である。図２の関節構造の変形例を示す縦断面図である。図６の関節構造の分解縦断面図である。図２の関節構造の他の変形例を示す縦断面図である。

　本開示の一実施形態に係る関節構造１０およびロボット１について、図面を参照して以下に説明する。
　本実施形態に係る関節構造１０を搭載するロボット１は、例えば、図１に示されるように、垂直６軸多関節型ロボットである。

　ロボット１は、水平な床面Ｆに設置されるベース２と、鉛直な第１軸線Ｊ１回りに、ベース２に対して回転可能に支持された旋回胴３とを備えている。また、ロボット１は、水平な第２軸線Ｊ２回りに、旋回胴３に対して回転可能に支持された第１アーム４と、水平な第３軸線Ｊ３回りに、第１アーム４に対して回転可能な第２アーム５とを備えている。

　また、ロボット１は、第２アーム５の先端に３軸の手首ユニット６を備えている。手首ユニット６は、第３軸線Ｊ３に直交する平面に沿って延びる第４軸線Ｊ４回りに、第２アーム５に対して回転可能に支持された第１手首要素６１を備えている。また、手首ユニット６は、第４軸線Ｊ４に直交する第５軸線Ｊ５回りに、第１手首要素６１に対して回転可能に支持された第２手首要素６２を備えている。さらに、手首ユニット６は、第５軸線Ｊ５に直交し、第４軸線Ｊ４と第５軸線Ｊ５との交点を通過する第６軸線（軸線）Ｊ６回りに、第２手首要素６２に対して回転可能に支持された第３手首要素６３を備えている。

　本実施形態に係る関節構造１０は、例えば、第２手首要素６２に対して第３手首要素６３を回転駆動する構造である。関節構造１０は、図２に示されるように、第２手首要素６２のハウジング（第１部材）６２ａおよびハウジング６２ａに固定された円環状の固定部材（第１部材）１１と、ハウジング６２ａおよび固定部材１１の内側に配置された可動部材（第２部材）１２とを備えている。

　固定部材１１が外輪を構成し、可動部材１２が内輪を構成し、固定部材１１と可動部材１２との間に、例えば、ローラ１３が配置されることにより軸受が構成され、固定部材１１に対して可動部材１２が第６軸線Ｊ６回りに回転可能に支持されている。
　また、関節構造１０は、固定部材１１と可動部材１２との間に配置されるオイルシール（第１シール）２１と、ハウジング６２ａと可動部材１２との間に配置されるオイルシール（第１シール）２２とを備えている。

　また、関節構造１０は、固定部材１１の端部に取り外し可能に固定された第１着脱部材（第３部材）３１およびハウジング６２ａの端部に取り外し可能に固定された第２着脱部材（第３部材）３２を備えている。さらに、関節構造１０は、第１着脱部材３１と可動部材１２との間に配置されたオイルシール（第２シール）４１と、第２着脱部材３２と可動部材１２との間に配置されたオイルシール（第２シール）４２とを備えている。

　固定部材１１およびハウジング６２ａは、それぞれ第６軸線Ｊ６を中心軸とする円筒状の内周面（第１内面）１１ｉ，６２ｉを備えている。また、固定部材１１とハウジング６２ａとは、Ｏリング７０を挟むことにより両者の間が密封された状態で固定されている。

　可動部材１２は、第６軸線Ｊ６を中心軸とする貫通孔１２ｈを備える円筒状に形成されている。可動部材１２は、固定部材１１およびハウジング６２ａの内周面１１ｉ，６２ｉの径方向内方にそれぞれ隙間を空けて対向する位置に配置される２つの外周面（外面）１２ｏ１を備えている。また、可動部材１２は、外周面１２ｏ１と同軸の２つの外周面（外面）１２ｏ２を備えている。外周面１２ｏ２は、２つの外周面１２ｏ１を第６軸線Ｊ６方向に挟んだ両側に配置されている。

　可動部材１２には、第６軸線Ｊ６方向の一端側に、ハンド等のツール（図示略）を取り付けるためのフランジ面１２ｆが設けられている。
　また、可動部材１２には、図示しない駆動ギヤに噛み合う従動ギヤ１２ａが設けられている。駆動ギヤが回転させられることにより、従動ギヤ１２ａを経由して可動部材１２に回転力が伝達され、可動部材１２が固定部材１１およびハウジング６２ａに対して、第６軸線Ｊ６回りに回転させられる。

　オイルシール２１は、図２および図３に示されるように、径方向内方に円環状のリップ部２１ａを備え、固定部材１１に設けられた段部の内周面１１ｉに圧入されている。同様に、オイルシール２２は、径方向内方に円環状のリップ部２２ａを備え、ハウジング６２ａに設けられた段部の内周面６２ｉに圧入されている。リップ部２１ａ，２２ａは、それぞれ可動部材１２の外周面１２ｏ１に全周にわたって接触している。

　固定部材１１およびハウジング６２ａに対して可動部材１２が第６軸線Ｊ６回りに回転させられると、オイルシール２１，２２のリップ部２１ａ，２２ａをそれぞれ接触させたまま、外周面１２ｏ１が周方向に移動する。これにより、可動部材１２が回転しても、オイルシール２１，２２によって、固定部材１１およびハウジング６２ａと可動部材１２との間の隙間が密封される。

　第１着脱部材３１は、図２に示されるように、固定部材１１の内周面１１ｉと同軸に配置されるとともに、可動部材１２の外周面１２ｏ２に対して径方向外方に隙間をあけて配置される円筒状の内周面（第２内面）３１ｉを備えている。第１着脱部材３１は、図４に示されるように、中心軸である第６軸線Ｊ６に平行な複数の貫通孔３１ａおよび２つのピン孔３１ｂを備えている。

　第１着脱部材３１は、これらの貫通孔３１ａを貫通させたボルト（図示略）を固定部材１１に設けたネジ孔（図示略）に締結することにより、固定部材１１の一端に着脱可能に固定される。また、第１着脱部材３１は、２つのピン孔３１ｂにそれぞれ挿入したピン（図示略）を固定部材１１に設けたピン孔（図示略）に挿入することにより、固定部材１１に対して径方向に位置決めされる。

　第２着脱部材３２は、ハウジング６２ａの内周面６２ｉと同軸に配置されるとともに、可動部材１２の外周面１２ｏ２に対して径方向外方に隙間をあけて配置される円筒状の内周面（第２内面）３２ｉを備えている。第２着脱部材３２は、第１着脱部材３１と同様、複数の貫通孔（図示略）を備えており、これらの貫通孔を貫通させたボルト（図示略）をハウジング６２ａに設けたネジ孔（図示略）に締結することにより、ハウジング６２ａの一端に着脱可能に固定される。ハウジング６２ａに対する第２着脱部材３２の径方向の位置決めは、第２着脱部材３２をハウジング６２ａの嵌合面６２ｂに嵌合させることにより行われている。

　第１着脱部材３１と固定部材１１との間は、ガスケット等のシール部材（図示略）によって密封されている。また、第２着脱部材３２とハウジング６２ａとの間は、両者の間に挟まれたＯリング７１によって密封されている。

　オイルシール４１，４２は、図２に示されるように、それぞれ径方向内方に円環状のリップ部４１ａ，４２ａを備え、それぞれ第１着脱部材３１および第２着脱部材３２の内周面３１ｉ，３２ｉに圧入されている。第１着脱部材３１および第２着脱部材３２が固定部材１１またはハウジング６２ａの端部に固定されることにより、各リップ部４１ａ，４２ａがそれぞれオイルシール２１，２２による密封位置よりも外側において、外周面１２ｏ２に全周にわたって接触する。

　可動部材１２が、固定部材１１およびハウジング６２ａに対して第６軸線Ｊ６回りに回転させられると、オイルシール４１，４２のリップ部４１ａ，４２ａをそれぞれ接触させたまま、外周面１２ｏ２が周方向に移動する。これにより、可動部材１２が回転しても、オイルシール４１，４２によって、第１着脱部材３１および第２着脱部材３２の内周面３１ｉ，３２ｉと可動部材１２の外周面１２ｏ２との間の隙間が密封される。

　また、本実施形態においては、オイルシール４１，４２による密封位置よりも外側における可動部材１２の最大径は、オイルシール４１，４２による密封位置の可動部材１２の外周面１２ｏ２の外径以下に設定されている。これにより、オイルシール４１をフランジ面１２ｆ側に抜き出し、あるいはフランジ面１２ｆ側から外周面１２ｏ２に嵌め込む際に、リップ部４１ａを他の部材に干渉させずに済む。また、オイルシール４１と同様、オイルシール４２を着脱する際もリップ部４２ａを他の部材に干渉させずに済む。

　このように構成された本実施形態に係る関節構造１０の作用について、以下に説明する。
　本実施形態に係る関節構造１０によれば、固定部材１１およびハウジング６２ａと可動部材１２との間の隙間に配置された２つのオイルシール２１，２２によって、オイルシール２１，２２に挟まれた空間が密封された状態に維持される。これにより、ローラ１３、駆動ギヤおよび従動ギヤ１２ａ等を潤滑するために、この空間に充填されたグリース等の潤滑材の空間外への漏洩を防止しつつ、可動部材１２を固定部材１１およびハウジング６２ａに対して第６軸線Ｊ６回りに回転させることができる。

　また、オイルシール２１による密封位置の外側において、第１着脱部材３１と可動部材１２との隙間を密封するオイルシール４１によって、外部からの塵埃等がオイルシール２１まで到達する機会を低減し、オイルシール２１を保護することができる。
　外側に露出するオイルシール４１が、外部の塵埃等によって損傷を受けた場合には、交換により密封性能を回復することができる。

　オイルシール４１を交換するには、固定部材１１と第１着脱部材３１とを固定しているボルトを取り外し、図５に示されるように、第１着脱部材３１をオイルシール４１とともに、固定部材１１から第６軸線Ｊ６方向に沿って、フランジ面１２ｆ側に取り外す。そして、取り外された第１着脱部材３１およびオイルシール４１を、新しい第１着脱部材３１およびオイルシール４１に交換し、フランジ面１２ｆ側から元の取り付け位置に戻すことにより、オイルシール４１の交換作業が終了する。

　この場合において、オイルシール４１による密封位置よりも外側における可動部材１２の最大径が、外周面１２ｏ２の外径以下であるため、オイルシール４１のリップ部４１ａを傷つけることなく、外周面１２ｏ２に容易に着脱することができる。
　そして、オイルシール２１を取り外さずに、第１着脱部材３１およびオイルシール４１を取り外すので、潤滑材が封入されている空間を密封状態に維持することができる。これにより、空間内から潤滑材を排出せずに、オイルシール４１の交換作業を容易にかつ短時間で実施することができる。

　このように、本実施形態に係る関節構造１０によれば、固定部材１１から第１着脱部材３１を取り外すだけで、オイルシール４１を手首ユニット６から容易に取り外すことができ、また、現場でプレス機等を用いることなく、容易に取り付けることができる。
　これにより、ロボット１から手首ユニット６を取り外したり、ロボット１自体をプレス機のある場所に移動したり、現場にプレス機を持ち込んだりせずに済み、オイルシール４１の交換作業を容易にすることができる。

　また、オイルシール４２については、オイルシール４１と同様にして、図５に示されるように、ハウジング６２ａからフランジ面１２ｆとは反対側に第２着脱部材３２を取り外し、容易に交換することができる。

　また、手首ユニット６から取り外した第１着脱部材３１あるいは第２着脱部材３２に損傷等がなく、再利用できる場合には、第１着脱部材３１あるいは第２着脱部材３２から工具を用いてオイルシール４１，４２を取り除く。そして、オイルシール４１，４２が取り除かれた第１着脱部材３１あるいは第２着脱部材３２に対して、プレス機を用いて、それぞれに新しいオイルシール４１，４２を圧入する。
　手首ユニット６から取り外された第１着脱部材３１あるいは第２着脱部材３２は比較的簡易に搬送できるので、プレス機が設置されている場所に持ち込めばよい。

　なお、本実施形態においては、可動部材１２は単一の部材から構成されていたが、これに代えて、図６に示されるように、２以上の部材により構成した可動部材（第２部材）１１２を採用してもよい。
　図６に示す関節構造１１０においては、可動部材１１２は、第６軸線Ｊ６に沿う方向に貫通する貫通孔８１ｈが設けられた円筒状の中空部材８１と、貫通孔８１ｈを貫通した状態で、中空部材８１に対して着脱可能に取り付けられる貫通部材８２とを備えている。

　中空部材８１は、図６に示されるように、軸受の内輪を構成する本体８１ａと、従動ギヤ１２ａが設けられたギヤ部材８１ｂとをボルト９によって締結することにより一体的に構成したものであってもよい。
　中空部材８１は、オイルシール２１，２２のリップ部２１ａ，２２ａが全周にわたって接触する２つの外周面（外面）１１２ｏ１を備えている。また、中空部材８１の一端には、複数のネジ孔８１ｃが周方向に間隔をあけて設けられている。

　貫通部材８２は、第６軸線Ｊ６を中心軸とする貫通孔８２ｈを備えた円筒状に形成されている。貫通部材８２は、オイルシール４１，４２のリップ部４１ａ，４２ａと全周にわたって接触する２つの外周面（外面）１１２ｏ２を備えている。また、貫通部材８２の一端には、図６に示されるように、フランジ面１１２ｆが外周面１１２ｏ２よりも径方向外方に鍔状に張り出して設けられている。フランジ面１１２ｆには、複数の貫通孔８２ａが周方向に間隔をあけて設けられている。

　中空部材８１および貫通部材８２は、図６に示されるように、貫通部材８２を中空部材８１の貫通孔８１ｈに嵌合させることにより同軸に配置され、貫通孔８２ａを貫通させたボルト（図示略）をネジ孔８１ｃに締結することにより一体的に固定される。

　この関節構造１１０を組み立てるには、オイルシール４１，４２を圧入した第１着脱部材３１および第２着脱部材３２を固定部材１１およびハウジング６２ａにそれぞれ固定した状態で、貫通部材８２を貫通孔８１ｈに挿入し、中空部材８１に固定する。貫通部材８２を貫通孔８１ｈに挿入する際に、貫通部材８２に設けられた２つの外周面１１２ｏ２が、それぞれ、オイルシール４１，４２のリップ部４１ａ，４２ａの内側に嵌合する。そして、貫通部材８２に設けられたフランジ面１１２ｆがオイルシール４１を覆う位置に配置される。

　このように構成された関節構造１１０によれば、ツール側からの塵埃等の飛散を受けやすいオイルシール４１がフランジ面１１２ｆによって覆われることにより保護されるので、オイルシール４１の耐久性を向上することができるという利点がある。また、オイルシール４１を交換するには、まず中空部材８１から貫通部材８２を取り外し、その後に、第１着脱部材３１を固定部材１１から取り外せばよい。

　この場合においても、図７に示されるように、中空部材８１を取り外さずに済むので、潤滑材を排出させることなく、オイルシール４１のみを容易に交換することができる。オイルシール４２については、貫通部材８２を取り外すことなく、第２着脱部材３２をハウジング６２ａから取り外すことにより容易に交換することができる。

　なお、オイルシール４１，４２が塵埃等により損傷する場合に、リップ部４１ａ，４２ａに接触している２つの外周面１１２ｏ２も塵埃の噛み込み等により損傷する場合がある。このような場合に、関節構造１１０によれば、２つの外周面１１２ｏ２を備える貫通部材８２についても、潤滑材を排出せずに容易に交換することができるという利点がある。

　また、関節構造１１０によれば、可動部材１１２として、貫通孔８１ｈを有する中空部材８１と、中空部材８１に容易に着脱可能な貫通部材８２とを備えるものを採用し、貫通部材８２を中空部材８１の貫通孔８１ｈに貫通させた状態で両者を固定している。これにより、オイルシール２１，２２を第６軸線Ｊ６方向に挟んだ両側に配置される２つの外周面１１２ｏ２を単一の貫通部材８２に設けることができ、個別の部材に設けずに済むので、部品点数を削減できるという利点がある。

　また、本実施形態においては、図６に示されるように、オイルシール２１とオイルシール４１との間に位置する第１着脱部材３１の側壁に、径方向に貫通する貫通孔（観察窓）３１ｈを設けてもよい。貫通孔３１ｈは、透明な材質からなる窓部材（図示略）によって閉塞されてもよいし、着脱可能な栓（図示略）によって閉塞されてもよい。

　これにより、作業者は、貫通孔３１ｈを通してオイルシール２１，４１間の空間内の状態を外部から観察することができ、空間内への塵埃等の侵入が確認された場合には、オイルシール４１の密封性能が低下していると判断することができる。すなわち、オイルシール２１，４１によって密封されている空間内の状態を定期的あるいは必要に応じて確認することにより、オイルシール２１が損傷する前に、オイルシール４１を交換することができる。

　貫通孔３１ｈは、固定部材１１の側面がオイルシール２１とオイルシール４１との間の位置まで延びている場合には、固定部材１１に設けられてもよい。また、貫通孔３１ｈにより観察窓を構成することに代えて、固定部材１１と第１着脱部材３１との接合面における固定部材１１または第１着脱部材３１の少なくとも一方に設けた切欠きによって観察窓を構成してもよい。

　また、本実施形態においては、ハウジング６２ａおよび固定部材１１の内側に、第６軸線Ｊ６回りに回転可能に可動部材１２を配置した。これに代えて、図８に示されるように、可動部材（第１部材）２１２をハウジング（第２部材）１６２ａの外側に配置してもよい。図８に示す例では、ハウジング１６２ａの第６軸線Ｊ６方向の両端にそれぞれ着脱可能に固定部材（第２部材）１１１を取り付けている。

　図８に示す関節構造２１０においては、各固定部材１１１には、オイルシール４１，４２のリップ部４１ａ，４２ａを接触させる外周面１２ｏ２がそれぞれ設けられている。また、第１着脱部材３１および第２着脱部材３２は、可動部材２１２の両端にそれぞれ着脱可能に取り付けられている。

　オイルシール４１を交換する際には、ハウジング１６２ａから固定部材１１１を取り外した後に、可動部材２１２から第１着脱部材３１を取り外すことにより、上記と同様にして、容易に交換することができる。また、オイルシール４２を交換する際には、可動部材２１２から第２着脱部材３２を取り外すだけで、上記と同様にして容易に交換することができる。

　また、本実施形態においては、一対のオイルシール２１，２２による密封位置の両外側にオイルシール４１，４２を配置する場合について説明したが、これに代えて、ハウジング６２ａが一方向のみに開口する袋状の構造を有する場合に適用してもよい。この場合には、例えば、単一のオイルシール２１による密封位置の外側にオイルシール４１を配置し、オイルシール４１を第１着脱部材３１によって取り外し可能に取り付ければよい。

　また、本実施形態においては、第２手首要素６２と第３手首要素６３との間の関節構造１０を例示したが、これに限定されるものではなく、他の任意の位置の関節構造等に適用してもよい。

　１　ロボット
　１０　関節構造
　１１　固定部材（第１部材）
　１１ｉ　内周面（第１内面）
　１２　可動部材（第２部材）
　１２ｏ１　外周面（外面）
　１２ｏ２　外周面（外面）
　２１　オイルシール（第１シール）
　２２　オイルシール（第１シール）
　３１　第１着脱部材（第３部材）
　３１ｉ　内周面（第２内面）
　３１ｈ　貫通孔（観察窓）
　３２　第２着脱部材（第３部材）
　３２ｉ　内周面（第２内面）
　４１　オイルシール（第２シール）
　４２　オイルシール（第２シール）
　６２ａ　ハウジング（第１部材）
　６２ｉ　内周面（第１内面）
　８１　中空部材
　８１ｈ　貫通孔
　８２　貫通部材
　１１０　関節構造
　１１１　固定部材（第２部材）
　１１２　可動部材（第２部材）
　１１２ｏ１　外周面（外面）
　１１２ｏ２　外周面（外面）
　１６２ａ　ハウジング（第２部材）
　２１０　関節構造
　２１２　可動部材（第１部材）
　Ｊ６　第６軸線（軸線）

Claims

　所定の軸線に沿う円筒状の第１内面を有する第１部材と、
　前記第１内面に同軸に配置される円筒状の外面を有する第２部材と、
　前記第１内面と前記外面との間の円環状の隙間を、前記第１部材と前記第２部材との前記軸線回りの相対回転を許容しつつ密封する第１シールと、
　前記第１内面と同軸に配置される第２内面を備え、前記第１シールによる密封位置の外側において、前記第１部材に取り外し可能に取り付けられる第３部材と、
　前記第２内面に圧入され、該第２内面と前記外面との間の円環状の隙間を、前記第１部材と前記第２部材との前記軸線回りの相対回転を許容しつつ密封する第２シールとを備える関節構造。
　前記第１シールが、前記第１部材の前記軸線方向の両端において、前記第１内面と前記外面との間の円環状の前記隙間を密封する位置にそれぞれ配置され、
　前記第２シールおよび前記第３部材が、各前記第１シールによる密封位置の外側にそれぞれ配置されている請求項１に記載の関節構造。
　前記第２部材が、前記軸線に沿う方向に貫通する貫通孔を備える中空部材と、前記貫通孔を貫通した状態で前記中空部材に取り外し可能に固定される貫通部材とを備え、
　各前記第１シールを摺動させる前記外面が前記中空部材に設けられ、
　各前記第２シールを摺動させる前記外面が前記貫通部材に設けられている請求項２に記載の関節構造。
　前記第１シールと該第１シールの密封位置の外側に配置された前記第２シールとの間の前記第１部材と前記第２部材との隙間内の状態を外部から観察可能な観察窓を備える請求項１から請求項３のいずれかに記載の関節構造。
　前記第２部材の前記第２シールによる密封位置よりも外側の最大径が、前記第２シールを摺動させる前記外面の直径以下である請求項１から請求項４のいずれかに記載の関節構造。
　請求項１から請求項５のいずれかに記載の関節構造を備えるロボット。