WO2022113190A1

WO2022113190A1 - 工作機械

Info

Publication number: WO2022113190A1
Application number: PCT/JP2020/043770
Authority: WO
Inventors: 浅川和哉
Original assignee: 株式会社Fuji
Priority date: 2020-11-25
Filing date: 2020-11-25
Publication date: 2022-06-02
Also published as: JPWO2022113190A1

Abstract

横向きのチップコンベアを機体正面から取り出し可能な工作機械であって、各種加工装置を搭載した横長のベッドと、クーラントタンク内にチップコンベアが組み込まれ、前記ベッド前に配置された横長のコンベア装置と、前記コンベア装置の前に位置する着脱可能な支柱によって支持された前側装置とを有し、前記支柱と交換可能であり、前記支柱より前方位置で前記前側装置を支持する前側支柱治具と、前記前側支柱治具まで移動させた前記コンベア装置の後方位置で前記前側装置を支持する後側支柱治具とで構成されたものである。

Description

工作機械

　本発明は、横向きに配置されたチップコンベアなどからなるコンベア装置を、機体正面から取り出すことを可能にする工作機械に関する。

　工作機械は、ワークの加工によって発生する切粉や切屑などの加工屑を機外へ排出するためのチップコンベアを有しており、例えば、下記特許文献１の工作機械にも組み込まれている。その工作機械は、ベッド内の受け箱が背面から機外へと延び、上向きに傾斜した上端部分に開口部が形成されている。チップコンベアは、その受け箱内に回転モータによって回転駆動するコンベアベルトが組み込まれている。ワークの加工によって発生した加工屑は、クーラントによって洗い流されるなどして受け箱内に落ちる。そして、コンベアベルトの回転駆動によって運ばれ、回収バケットに集められる。同文献には、受け箱をベッドの正面側または背面側に引き出すことにより加工屑をまとめて排出することができ、排出効率を高めることができるとの記載がある。

特開２００５－３４９２０号公報

　工作機械は、メンテナンスや清掃などを行うためチップコンベアの取り出しが必要になることがある。しかし、チップコンベアは、加工時に飛び散る加工屑やクーラントを受けるものであって加工室の下に位置するものであるから、工作機械の内部に組み込まれてしまい、容易に取り出せない場合がある。工作機械の構造上チップコンベアの引出し方向に支柱が存在することにより、コンベアベルトの送り方向にしか取り出せないような場合である。工作機械によってはチップコンベアやクーラントタンクなどのコンベア装置が長尺なものである場合は、作業の負担に加え、限られた面積の工場内に取出しのためのスペースを確保しなければならない問題も生じる。

　そこで、本発明は、かかる課題を解決すべく、横向きのチップコンベアを機体正面から取り出し可能な工作機械を提供することを目的とする。

　本発明の一態様における工作機械は、各種加工装置を搭載した横長のベッドと、クーラントタンク内にチップコンベアが組み込まれ、前記ベッド前に配置された横長のコンベア装置と、前記コンベア装置の前に位置する着脱可能な支柱によって支持された前側装置とを有し、前記支柱と交換可能であり、前記支柱より前方位置で前記前側装置を支持する前側支柱治具と、前記前側支柱治具まで移動させた前記コンベア装置の後方位置で前記前側装置を支持する後側支柱治具とで構成されたものである。

　前記構成によれば、前側装置を支持する支柱に代えて、前側支柱治具が前方位置で前側装置を支持し、あるいは前方に移動させたコンベア装置の後方位置で後側支柱治具が前側装置を支持することにより、ベッド前に配置された横長のコンベア装置を正面側に引き出すことができる。

工作機械の一実施形態である複合加工機の主要な構造を示した斜視図である。ワーク自動搬送装置および自動工具交換装置を加えた複合加工機の側面図である。自動工具交換装置の組付け構造を示した機体後方側斜視図である。複合加工機の外観斜視図である。コンベア装置を引き出すための準備状態を、自動工具交換装置との関係で示した斜視図である。コンベア装置を途中まで引き出した状態を示した斜視図である。コンベア装置を途中まで引き出した状態の複合加工機を示した外観斜視図である。

　本発明に係る工作機械の一実施形態について、図面を参照しながら以下に説明する。図１は、工作機械の一実施形態として説明する複合加工機の主要な構造を示した斜視図である。本実施形態の複合加工機１は、各種加工装置を有することによりＮＣ旋盤とマシニングセンタの両方の機能を持つようにした工作機械である。具体的には、ワークＷを把持する第１ワーク主軸装置３および第２ワーク主軸装置４と、複数の工具Ｔを有する第１タレット装置５および第２タレット装置６が、それぞれ左右対称に配置された対向２軸旋盤であり、加えて機体中央には工具主軸装置２が設けられている。

　第１および第２ワーク主軸装置３，４は同じ構造であり、主軸台１２にスピンドルが回転自在に組み込まれ、そこに加工対象であるワークＷを把持および解放するチャック機構１１が組付けられている。チャック機構１１は、スピンドルモータ１３の駆動によって回転し、そこに把持されたワークＷに対する加工時の位相決めや所定速度での回転が与えられる。主軸台１２やスピンドルモータ１３は、主軸スライド１４に搭載されている。主軸スライド１４は、ベッド７の前側傾斜面７０１に固定されたガイドレール１５に沿って摺動自在であり、Ｚ軸サーボモータによって回転するネジ軸１７のボールネジ機構によって機体幅方向であるＺ軸方向に移動するよう構成されている。

　第１タレット装置５および第２タレット装置６は同じ構造であり、タレット２１に複数の工具Ｔ（タレット工具）が円周方向に等間隔で取り付けられ、割出し用サーボモータ２２の回転制御によって、任意の工具Ｔを円周上の加工位置に位置決めできるよう構成されている。第１および第２タレット装置５，６は、タレット２１をＺ軸に直交する２方向に移動させるようにした駆動機構が設けられている。略三角形状のベーススライド２３がベッド７に対して前方斜め４５度上方にスライド可能であり、タレット２１を搭載したタレットスライド２４がベーススライド２３に対して前方斜め４５度下方にスライド可能に組み付けられている。そして、ベーススライド２３やタレットスライド２４は、各々のサーボモータによって回転するネジ軸のボールネジ機構によって各方向に移動するよう構成されている。

　工具主軸装置２は、主軸ヘッド２６内に主軸用サーボモータや工具スピンドルが内蔵されたビルトインタイプであり、下端部に設けられた工具装着部に対して様々な工具Ｔ（主軸ヘッド工具）の取り換えが行われるようになっている。主軸ヘッド２６は、主軸スライド２７に対して回転可能に取り付けられ、回転伝達機構を介してＢ軸モータ２８の回転が伝達されるよう構成されている。工具主軸装置２は、機体前後方向の水平なＹ軸に沿ってガイドレールが固定され、そこにベーススライド２９が摺動可能に組付けられている。また、ベーススライド２９は、前面側に機体上下方向の鉛直なＸ軸に沿ってレール部が固定され、そこに主軸スライド２７が摺動可能に組付けられている。ベーススライド２９と主軸スライド２７は、ともにボールネジ機構が設けられ、Ｙ軸サーボ―モータまたはＸ軸サーボモータの駆動によって、主軸ヘッド２６が各軸方向に移動可能になっている。

　図２は、ワーク自動搬送装置および自動工具交換装置を加えた複合加工機１の側面図である。複合加工機１は、第１および第２ワーク主軸装置３，４に対するワークＷの供給および排出を行うワーク自動搬送装置９が本体側フレーム構体３０に設けられている。本体側フレーム構体３０は、ベッド７の幅に合わせて立てられた前後左右の柱に梁が接続された櫓型のものである。ガントリ式のワーク自動搬送装置９は、本体側フレーム構体３０の上を機体幅方向に移動可能な走行テーブル３１に、機体前後方向に移動可能なスライド台３２が搭載され、その先端部には、下端にチャック機構３４を備えた昇降アーム３３が上下に移動するよう組み付けられている。

　複合加工機１は、以上のようなベッド上の各種加工装置や本体側フレーム構体３０に組み付けられたワーク自動搬送装置９の前、すなわち機体前部に工具主軸装置２に対する工具Ｔの自動交換を行うための自動工具交換装置８が設けられている。ここで、図３は、自動工具交換装置８の組付け構造を示した機体後方側斜視図である。自動工具交換装置８は、工具主軸装置２の機体前側から工具交換を行うものであり、ベッド７に固定された前側フレーム構体４０と２本の支柱３８（図２参照）によって支えられている。前側フレーム構体４０は、本体側フレーム構体３０のフレーム部材と交差するように、ベッド７の左右両側に後柱フレーム４１が固定され、その上部に固定された縦梁フレーム４２が前方へ延びている。

　ベッド７の前面には水平に突き出した台座４３が左右両側に固定され、更にそこに固定された前柱フレーム４４が縦梁フレーム４２と上部で固定されている。また、左右の前柱フレーム４４には横梁フレーム４５の両端部が固定され、そこに自動工具交換装置８が組付けられている。ベッド７の前面中央には水平に突き出した支持ブラケット４６が固定され、自動工具交換装置８の下端部分に連結されている。

　自動工具交換装置８は、複数の工具Ｔを収納したツールマガジン３５と交換装置本体３６とが一体になって構成され、図２に示すように交換装置本体３６が２本の支柱３８によって起立するとともに、横梁フレーム４５の中央部分への固定によって支持されている。この自動工具交換装置８は、後方の工具主軸装置２側にツールチェンジャ３７が設けられ、ツールマガジン３５において割出しされた工具Ｔを、交換装置本体３６内を通してツールチェンジャ３７の位置まで移動させるシフト装置が構成されている。ツールチェンジャ３７は、両端部にチャックを有する工具交換アームを旋回させて２箇所の工具Ｔを交換するものである。

　次に、図４は、複合加工機１の外観斜視図である。複合加工機１は、ベッド７上の工具主軸装置２や第１ワーク主軸装置３などの各種加工装置が機体カバー５０によって覆われている。ガントリ式のワーク自動搬送装置９は、機体カバー５０から上方に突き出すようにして設けられ、把持したワークＷを機体の内部で移動させ。機体正面には中央に操作盤５１が設けられ、その左右両側には左正面扉５３と右正面扉５４とが形成されている。

　操作盤５１の奥には工具主軸装置２が位置し、左正面扉５３と右正面扉５４の奥には第１および第２加工室がある。自動工具交換装置８は、機体前面の左右正面扉５３，５４よりも前方に突き出すようにして配置された複合加工機１の前側装置であり、マガジンカバー５５や操作盤５１が取り付けられた本体部カバー５６によって覆われている。なお、本実施形態の説明では、左右の特定は機体正面から見た場合の方向を示している。

　複合加工機１は、ワークＷの加工によって切粉や切屑等の加工屑が発生するため、それらを機外へと排出するチップコンベア６１が設けられている。複合加工機１は、第１及び第２ワーク主軸装置３，４が位置する左右正面扉５３，５４内の第１および第２加工室の両方で加工が行われる。従って、チップコンベア６１は、ワーク加工で発生する加工屑や洗浄や冷却に使用するクーラントを受けるため、機体幅方向に長い範囲にわたって設けられている。複合加工機１は、図３に示すように、ベッド７から前方に突き出した台座４３および支持ブラケット４６の下に、図２において一点鎖線で示すベッド前空間１０があり、そこにチップコンベア６１等からなるコンベア装置６０が設置される。

　コンベア装置６０は、図５に示すように、機体幅方向に長尺なクーラントタンク６２が設置され、その中にチップコンベア６１が収められている。チップコンベア６１は、落下する加工屑やクーラントを受ける投入口６１５が大きく形成された貯留槽６１１を有する。その貯留槽６１１は、機体幅方向に延びて上方に傾斜した排出ダクト６１２へと続き、機体カバー５０の外にまで延びたところに排出口６１３が形成されている（図４参照）。チップコンベア６１は、こうした貯留槽６１１および排出ダクト６１２内には無端のコンベアベルトがモータの駆動によって回転するよう構成されている。

　コンベア装置６０はメンテナンスや清掃などのため外に取り出すことがある。しかし、省スペース化を目的として設計された複合加工機１は、前面に自動工具交換装置８が位置している。そのため、図２に示すようにベッド前空間１０の前に支柱３８があり、コンベア装置６０を正面から引き出す際の障害になってしまっている。一方、チップコンベア６１を機体側面から突き出した長手方向に引き出すことも考えられるが、コンベア装置６０が長尺であるので作業が大掛かりになり、また工場内には引き出すためだけのスペースが必要になってしまう。そこで、本実施形態では、支柱３８を取り外し、コンベア装置６０を正面から引き出すことを可能にする構成が複合加工機１に設けられている。

　図５は、コンベア装置６０を引き出すための準備状態を、自動工具交換装置８との関係で示した斜視図である。自動工具交換装置８は、支柱３８によって起立し、それだけでは安定しないため、ツールマガジン３５部分が横梁フレーム４５に固定されている。コンベア装置６０を正面から引き出すには、邪魔になる支柱３８を取り除くことが必要である。しかし、横梁フレーム４５の固定だけで自動工具交換装置８を支持するのは不安定であるため、支柱３８の代わりとして前側支柱治具６７が使用される。

　前側支柱治具６７は、太い１本の角パイプからなる支柱部材７１に、調整ネジ７２を介して直交する差込部材７３が一体になって形成されたＬ字形の部材である。差込部材７３は、２本の腕部７３１が平行に延び、自動工具交換装置８の下端部に接合された受けパイプ３９に挿入される。腕部７３１は、上面に縦板７３２が接合され、受けパイプ３９への挿入時に突き当たることによって差し込み位置が決められる。受けパイプ３９および腕部７３１には下からボルト７５が貫通し、突き出した先端にナット７６が締め付けられ、前側支柱治具６７が自動工具交換装置８に固定される。これにより自動工具交換装置８の荷重を一時的に前側支柱治具６７が受けることにより、支柱３８の取り外しが可能になる。

　コンベア装置６０は、支柱３８の取り外しによって、図６に示すように前側支柱治具６７の支柱部材８１の位置まで引き出すことが可能になる。図６は、コンベア装置６０を途中まで引き出した状態の斜視図である。コンベア装置６０は、クーラントタンク６２の下面に複数取り付けられたキャスタ６５の転がりによって引き出すことができる。ベッド前空間１０からコンベア装置６０が移動した後は、支持ブラケット４６に後側支柱治具６８が固定される。後側支柱治具６８は、支持ブラケット４６を跨ぐようにしたコの字形であって、調節ネジ付きの脚部材を２本有し、中間部材がボルトによって支持ブラケット４６に締結されている。

　図７は、図６と同じ位置までコンベア装置６０を引き出した状態の複合加工機１を示した外観斜視図である。後側支柱治具６８の取り付けは、左正面扉５３または右正面扉５４を開けて機内に入ることによって行われる。これにより、前側支柱治具６７を取り外すことができ、自動工具交換装置８の荷重を後側支柱治具８８が受けることになる。よって、コンベア装置６０の正面側には邪魔なものがなくなり、メンテナンスや清掃作業が可能な位置まで更に引き出すことができるようになる。作業終了後は、逆の段取りによってコンベア装置６０が機内のベッド前空間１０に収められる。

　本実施形態の複合加工機１によれば、横長のコンベア装置６０をベッド７前に配置させることにより、２箇所の加工室から発生する加工屑や流れ落ちるクーラントを回収することができる。省スペース化を目的とした複合加工機１は、コンベア装置６０の前に支柱３８によって立設した自動工具交換装置８が存在するが、前側支柱治具６７や後側支柱治具８８を使用することにより、自動工具交換装置８を支えながら機体正面側にコンベア装置６０を正面側に引き出すことができる。これにより、横長のコンベア装置６０を大きく移動させることなく取り出すことができ、長手方向に引き出すのに比べて大きなスペースを確保する必要もない。また、前側支柱治具６７や後側支柱治具８８の組み付けや取り外しだけの簡単な作業によってコンベア装置６０の引き出しを行うことができる。

　本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。

１…複合加工機　２…工具主軸装置　３…第１ワーク主軸装置　４…第２ワーク主軸装置　５…第１タレット装置　６…第２タレット装置　７…ベッド　８…自動工具交換装置　９…ワーク自動搬送装置　３８…支柱　４０…前側フレーム構体　４５…横梁フレーム　６０…コンベア装置　６１…チップコンベア　６２…クーラントタンク　６７…前側支柱治具　６８…後側支柱治具

Claims

　各種加工装置を搭載した横長のベッドと、
　クーラントタンク内にチップコンベアが組み込まれ、前記ベッド前に配置された横長のコンベア装置と、
　前記コンベア装置の前に位置する着脱可能な支柱によって支持された前側装置と、
を有し、
　前記支柱と交換可能であり、前記支柱より前方位置で前記前側装置を支持する前側支柱治具と、前記前側支柱治具まで移動させた前記コンベア装置の後方位置で前記前側装置を支持する後側支柱治具とで構成された代替支柱構造を備えた工作機械。
　前記代替支柱構造は、前記前側装置の下端部に前後方向に沿って受け部材が形成され、前記前側支柱治具が、支柱部材と前記受け部材に一部を挿入して固定する差込部材とが直交して形成されたものである請求項１に記載の工作機械。
　前記代替支柱構造は、前記前側装置の下端部に前記ベッドから水平に突き出した支持ブラケットが固定され、前記後側支柱部材が、前記支持ブラケットに固定されるものである請求項１または請求項２に記載の工作機械。
　前記前側装置は、前記ベッドに固定された前側フレーム構体に支持された請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の工作機械。
　前記前側フレーム構体は、前記ベッドから前方に離れた位置に前記前側装置を支持し、前記ベッドの前にできた前記前側フレーム構体下のベッド前空間に前記コンベア装置が配置された請求項４に記載の工作機械。